JP4597294B2 - ポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池、更に詳しくは、円筒型、角型、シート状等の形状を有する充電可能な2次電池であって、その中の電解液を従来の液状からポリマーを用いて固体化するもので、特に電解液の漏洩を解消すると共に、従来の既存設備をそのまま使用して簡便に生産できる、ポリマー固体電解質を有するリチウムイオン2次電池に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
リチウムイオン2次電池は、小型軽量の充電可能な電池で、単位容積あるいは単位重量当り蓄電容量が大きく、携帯型電子・情報機器:携帯電話、ノートパソコン、携帯パソコン、携帯情報端末(PDA)、携帯ミニディスク装置、ビデオカメラ、ディジタルカメラ等に盛んに利用され、小型軽量で比較的電力消費の大きな各種携帯型機器には必要欠くべからざる存在となっている。
ところで、現状のリチウムイオン2次電池において、その電解質として、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等を主とした電解液溶媒にリチウム電解質塩を溶解した液状の電解質、すなわち電解液(一般に電解液は水を媒体とする水系を含めた総称であるが、ここでは、有機溶媒を媒体とした有機溶媒系を指す、有機電解液あるいは非水電解液等とも称されるが、ここでは、単に電解液と云う)を使用しているものが殆どである。
しかしながら、このような電解液を使用した電池は、電解液の漏洩(漏液)の危険性や、温度上昇(使用時や充放電時に自体の発熱による場合;誤使用:短絡〜複数個の電池を使用しその一部を正負逆挿入して使用した場合;使用環境で高温に暴露される場合;あるいはデバイスの組み込み時のハンダ付け等で起こる)したときの内圧上昇(電解液中の溶媒による蒸気圧や電解液の分解に伴うガス発生等が起因)による漏液、破裂、発火の危険といった安全性の問題を抱えており、電解液の固体化、すなわち固体電解質の開発が活発に行われている。
【0003】
この固体電解質は、ポリマー材料を用いるのが一般的で、従来からポリオキシエチレン鎖を有する材料を始め、各種の材料が検討されてきたが、これらの材料では最も基本的な特性であるイオン導電性が液状電解質に比べ大きく劣り、未だ実用できるレベルに到達していない。
そこで最近では、液状電解質をポリマー材料でゲル状態としたポリマーゲル型高分子固体電解質の開発が活発化しており、現在のところ、液状電解質に近いイオン導電性が得られつつあることもあって、一部用途では実用化されつつある。しかし、現在実用化されつつある固体電解質を使用する電池は、近年新しく登場してきたシート状(薄型)が殆どで、現在最も大量に生産されている円筒型や角型の電池は、依然として従来通り、液状電解質の使用を余儀無くされている。
【0004】
その理由は、液状電解質使用の円筒型,角型電池の量産ラインが既に完成しており,固体電解質(シート状電池に使用されているものと同じ)を使用するためには、設備の新設、更新、レイアウト等の設備投資が必要で、生産コストの上昇を招かざるを得ないことによる。
すなわち、液状電解質を使用した電池は、電極等すべての部品を組み終わった電池用密閉容器に、最終工程で電解液を単に注入という簡便な操作で生産されているが、固体電解質に変更する場合には、現状ではポリマー固体電解質の形成工程という新たな工程を既存の生産ライン中に組み込まれなければならず、そのための新たな設備に対する投資、設置場所の確保、工期中の生産維持等の問題点が多く、液状電解質(電解液)を固体電解質に変更するのは非常に困難な状況にある。
【0005】
また、シート状の薄型電池においては、現在、(1)正、負極を形成した後、この電極面あるいは正、負極の間に挿入されるセパレータあるいは不織布等に、電解液に溶解せずに膨潤する特定のポリマーを何らかの方法で液状化(溶液、エマルジョン、ディスパージョンあるいは加熱溶融等で)したポリマーを塗布し、乾燥(加熱溶融の場合は単なる冷却で、エマルジョン、ディスパージョンの場合は単なる乾燥ではなくポリマー粒子が一体化する:造膜も必要)した後、電解質塩と電解液溶媒からなる電解液に浸して膨潤させゲルを形成させる方法;
(2)架橋性のモノマー、オリゴマー等を含んだ電解液を、電極面あるいは正、負極の間に挿入されるセパレータあるいは不織布等に塗布し、加熱あるいは紫外線等の放射線でポリマーを架橋、ゲルを形成してセパレータあるいは不織布等を挟み込んだ状態で正負の両電極を貼り合わせる方法、あるいは貼り合わせた後に加熱してポリマーを架橋、ゲルを形成させる方法等
種々の方法が採用されているが、いずれの方法にしても、塗布、乾燥(造膜を含む)、貼り合わせ、膨潤等の各工程に応じた専用の設備を必要とする。
【0006】
また、(1)の方法で用いるポリマーは電解液に溶解してはならず(膨潤することは必要)、しかし、反面、塗布するためには何らかの方法(溶剤あるいは分散媒を用いて溶液、エマルジョン、ディスパージョンあるいは加熱溶融等)で液状とすることが必要で、このため非架橋のポリマー(架橋ポリマーでは溶液化、加熱溶融ができず、エマルジョンあるいはディスパージョンにして塗布しても今度は造膜ができない)であることが必要で、現状では使用可能なポリマーはポリフッ化ビニリデン系、ポリアクリロニトリル系等に極く限定され、電解液による自然依存の膨潤で形成するため、膨潤が不均一、不十分になりやすく、品質を一定に保つことが難しく、ゲルを形成するポリマー量も多くなり良好なイオン導電性も得難い。さらに、電極、セパレータあるいは不織布を捲回あるいは積層した後に膨潤させるのが工程上は有利であるが、その場合は電解液が十分に行き渡り難く、さらに膨潤が不完全になりやすく、また、膨潤に長時間を要するなど多くの問題がある。
【0007】
また、(2)の方法において塗布は、低分子のモノマー、オリゴマー等を含んだ電解液を用いてその後に架橋によって電解液を含んだ成分の全体を一括してゲルとする方法で、自然膨潤といった手段を用いる必要がなく、一見理想的と見えるが、電解液溶媒を含んだ状態で塗布するため、塗布および架橋時に電解液溶媒が揮散しやすく、低沸点の電解液溶媒は使用不可能という問題を有する。低沸点の電解液溶媒は、良好なイオン導電性(特に低温時のイオン導電性)を得るためには重要な溶媒(液状電解質を使用した円筒型、角型等従来の電池には良好な特性、特に低温における良好な特性を得るため、低沸点の電解液溶媒、例えば炭酸ジメチル、炭酸メチルエチル、炭酸ジエチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタン等が適宜用いられる)で、(2)の方法によって製造されるシート型では、これら低沸点電解液溶媒が使用できず、良好な特性が得難いという大きな問題を有する。
従って、使用可能な電解液溶媒は、炭酸エチレンと炭酸プロピレンが中心とならざるを得ないが、炭酸エチレンはその融点が高く(36℃)、単独では用いることができず、炭酸プロピレン(融点;−49℃)を単独あるいは炭酸エチレンに混合して用いなければならない。しかし、炭酸プロピレンは負極にグラファイト系の炭素材料を用いることができず(炭酸プロピレンが分解)、使用可能な炭素材料は、ハードカーボン等の非晶性の材料という制限を有する。
また、このグラファイト系炭素材料は、放電時の電圧を一定の値に維持しやすいという優れた特性を有するが、(2)の方法による電池では残念ながら用いることができないという大きな欠点もある。
【0008】
加えて、上述のこれらのポリマーゲル型の固体電解質は、液状電解質に近いイオン導電性が得られつつあるとは云うものの、依然液状電解質に比べれば劣っており、比較的大きな放電電流が要求される用途には供し得ず、従来の液状電解質を使用した電池の代替には不十分な性能しか維持できない(内部抵抗が少々高くても使用可能な小放電電流用途向けには実用化されつつあり、従来のシート型電池等はその典型的な例である)。
この最大要因は、ゲルという固体性状を得るため高分子(ポリマー)というイオン導電性に対して全く有害無益な成分を比較的多量に含まなければ、ゲルを形成できないことにある。このポリマーゲル型固体電解質のイオン導電性向上を目指すため、ゲル中の高分子成分量の低減や高誘電率ポリマーの使用など、高分子含有量とポリマー構造の両面から検討が加えられているが、未だ満足するレベルには達していない。
以上、上述のように現状の円筒型、角型、シート状(薄型)のリチウムイオン2次電池は解決の難しい多くの問題を抱えている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の電池生産と同様な工程で格別の新設備を必要とせず、安全性および特性の優れた固体電解質の開発に努めることにより、実用レベルに達するリチウムイオン2次電池の生産を可能ならしめるため鋭意研究を進めたところ、電解液溶媒とリチウム電解質塩の溶液(電解液)に、ポリマー固体を形成しうる架橋性材料を加えて成る液状の固体電解質用架橋性組成物を使用し、これを従来の液状電解質と同様な既存のリチウムイオン2次電池用の密閉可能な容器あるいはケース類に直接注入し、上記架橋性材料を架橋させれば、ポリマー固体の形成によって系のゲル化が起こり、所望のポリマー固体電解質が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、(1)架橋性材料、(2)電解液溶媒および(3)リチウム電解質塩から成り、上記架橋性材料(1)が総量中10重量%以下である液状の固体電解質用架橋性組成物(以下、液状組成物と称する)を、リチウムイオン2次電池用の、電極やセパレータ等のユニットを組み込んだ密封可能な容器あるいはケース類に直接注入し、架橋によってゲル化せしめポリマー固体電解質化したことを特徴とするポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池を提供するものである。
【0011】
本発明における架橋性材料(1)は、ポリマー固体を形成しうるものであれば、いずれであってもよく、具体例としては下記に示す4つの組合せ(a〜d)が挙げられ、さらに個々の好ましい態様を以下に詳述する。
a.エポキシ樹脂とその架橋剤(エポキシ系組合せ)
b.ポリイソシアネート化合物および/またはウレタンプレポリマーとその架
橋剤(イソシアネート系組合せ)
c.(メタ)アクリル系モノマーとラジカル重合開始剤(モノマー系組合せ)d.エポキシ基含有ラジカル共重合ポリマーとカチオン重合開始剤(ポリマー
系組合せ)
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルとメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートとメタクリレートを意味する。
【0012】
a.エポキシ系組合せ
ここで用いるエポキシ樹脂は、少なくとも式:
【化11】
(式中、aは2〜5およびbは1〜4で、a+bは3〜6;およびR1は分子中に3〜6個の水酸基を有する分子量250未満のポリオール化合物から全ての水酸基を除いた残基である)
のシアノエチル化エポキシ樹脂[1]を包含する。
【0013】
このシアノエチル化エポキシ樹脂[1]は、式:
R1−(OH)a+b [2]
(式中、R1,aおよびbは前記と同意義である)
の上記ポリオール化合物[2]に、i)aモルのエピクロルヒドリンを付加反応させて部分グリシジルエーテル化化合物を得た後、残りの水酸基にbモルのアクリロニトリルを付加反応(シアノエチル化)させるか、またはii)先にbモルのアクリロニトリルを付加反応させた後、残りの水酸基をグリシジルエーテル化することにより製造することができる。これらの付加反応は、いずれも公知の方法に従って行なうことができ、たとえば必要に応じて水あるいは非反応性溶媒中、アルカリ触媒等の存在下で行なえばよい。なお、i)の部分グリシジルエーテル化化合物そのものは、一般に、“エポキシ樹脂”として市販もされており、これをシアノエチル化して使用することも可能である。
【0014】
上記ポリオール化合物[2]としては、グリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、ジグリセリン、トリグリセリン、イノシトール、マンニトール等が例示される。
このようにシアノエチル化エポキシ樹脂[1]の骨格となるポリオール化合物[2]として、水酸基数3〜6個のものを使用するが、ポリオール化合物の水酸基数をそれ以上に多くすると、シアノエチル基およびエポキシ基の濃度を高めることができ、高誘電率で高架橋密度化し易く、イオン導電性の面で有利となる反面、シアノエチル化エポキシ樹脂の粘度が極度に高まり、これを配合する液状組成物の粘度が上昇し、密閉容器への注入時に電極とセパレータ間への浸入性が低下する。逆に水酸基数が3個未満だと、架橋密度の低下によりゲル化性が低下し、ゲル形成のためには高分子(ポリマー)成分量を増やさなければならず、結果としてイオン導電性の低下を招く。
【0015】
ここで用いる架橋剤は、式:
H2N−CH2CH2−(NH−CH2CH2)c−NH2 [3]
(式中、cは0〜4である)
のポリエチレンポリアミン(たとえばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等)、および式:
【化12】
(式中、R2,R3,R4,R5およびR6(R2〜R6)はそれぞれHまたは−CH2CH2CN;d,e,gおよびhはそれぞれ0〜2で、d+eは2、g+hは2;およびfは0〜4であって、但し、R2〜R6の内少なくとも2つはHでかつ少なくとも1つは−CH2CH2CNである)
の部分シアノエチル化ポリエチレンポリアミン[4]の群から選ばれる少なくとも1種である。
【0016】
上記部分シアノエチル化ポリエチレンポリアミン[4]は、ポリエチレンポリアミン[3]に所定モルのアクリロニトリルを付加反応させることにより製造することができる。付加反応は通常、必要に応じて非反応性溶媒中、無触媒で常温乃至80℃程度の温度にて容易に行なうことができる。
【0017】
ポリエチレンポリアミン[3]の分子量(炭素数)の高い方が、架橋点が多いためゲル化性が有利となる傾向にあるが、fが5以上では、液状組成物の粘度上昇を招き、またシアノエチル化率の過度のアップは高誘電率化によるイオン導電性のアップにつながるが、その分活性水素原子の減少によって、架橋密度が低下し、高分子成分量の増大を余儀無くされ、イオン導電性の低下を招く場合がある。従って、当該架橋剤の使用にあたって、上記エポキシ樹脂の種類、ゲル化性、イオン導電性等とのバランスを考慮して適宜吟味することが好ましい。
上記シアノエチル化エポキシ樹脂と架橋剤の配合比率は、シアノエチル化エポキシ樹脂の当量および架橋剤の活性水素当量から計算される値を中心に1:0.8〜2.0程度の範囲とすることが好ましく、この範囲外ではゲル化性が低下する傾向にある。
【0018】
b.イソシアネート系組合せ
ここで用いるポリイソシアネート化合物としては、たとえば2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネートあるいはその混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,6−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、およびクルードタイプのジフェニルメタンジイソシアネートの群から選ばれる少なくとも1種である。
【0019】
また上記ポリイソシアネート化合物に代えてまたは併用して用いるウレタンプレポリマーは、分子量400未満のポリオールと当量より過剰の、たとえばNCO/OH=1.2〜2.0の当量比でポリイソシアネート(上記のポリイソシアネート化合物の中から適宜選択)を反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーである。ここで、ポリオールの分子量が400以上では、ゲル化性が低下する傾向にある。また、NCO/OH当量比が1.2未満では、粘度上昇による注入時の浸入性低下とゲル化性の低下を招き、また2.0を越えると、未反応のポリイソシアネートが残存することになり、これは上述のポリイソシアネート化合物と該ウレタンプレポリマーを併用する場合に相当し、その意味がない。
【0020】
上記ポリオールとしては、たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリグリセリン等、およびこれらのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物が挙げられ、これらの少なくとも1種を用いる。
ポリオールとポリイソシアネートの反応は、無触媒乃至少量の触媒(たとえばSn、Bi、Fe、Pbなどの金属塩あるいはジブチル錫ジラウレート等)の存在下、無溶媒あるいは必要に応じ非反応性の脱水溶媒中で、常温乃至100℃程度の温度にて行なうことができる。
なお、かかるウレタンプレポリマーを用いずにポリイソシアネート化合物を単独で用いる場合、ポリイソシアネート化合物の中には、比較的蒸気圧の高いものがあり、環境衛生上好ましくない場合があるが、この場合上述の如くウレタンプレポリマー化して使用することが望まれる。
【0021】
ここで用いる架橋剤としては、下記のものが例示される。
i)上記分子量400未満のポリオールとは別のあるいは同じの水酸基価400以上のポリオール化合物。
ii)分子中に2〜6個の水酸基を有するポリオールにエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得られる分子量800未満のポリオキシエチレンポリオールもしくはポリオキシプロピレンポリオール。
上記ポリオールとしては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール、マンニトール、イノシトール、ソルビトール等が挙げられる。
上記の付加反応は通常、アルカリ触媒の存在下、加熱加圧しながらエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを部分的あるいは完全に付加して行なえばよい。このようにして目的のポリオキシアルキレンポリオールが製造されるが、多くの品種か市販されている。
【0022】
iii)分子中に2個以上の、アミン性アミノ基および/またはイミノ基による活性水素原子含有化合物またはアンモニアに、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加して得られるポリN−ヒドロキシアルキル化化合物。
上記活性水素原子含有化合物としては、たとえばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリアルキレンポリアミン類;1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミンなどのアルカンジアミン類;モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノイソプロピルアミン、モノn−ブチルアミンなどのモノアルキルアミン類;ポリエチレンイミン類が挙げられる。
上記の付加反応は通常、無触媒乃至微量のアルカリ触媒を使用して、常圧〜加圧下、常温乃至加熱下で行なってよい。
得られるポリN−ヒドロキシアルキル化化合物の具体例としては、N,N’−テトラヒドロキシエチルエチレンジアミン、N,N’−テトラヒドロキシイソプロピルエチレンジアミン、N,N’,N”−ペンタヒドロキシイソプロピルジエチレントリアミン、N,N’,N”,N'”−ヘキサヒドロキシエチルトリエチレンテトラミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ポリN−ヒドロキシイソプロピルポリエチレンイミン等が挙げられ、これらの一部の品種は市販されている。
【0023】
iv)分子中に3個以上の、アミン性アミノ基および/またはイミノ基による活性水素含有化合物またはアンモニアに、少なくとも1個の活性水素原子を残してエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加してN−ヒドロキシアルキル化し、次いで残存する活性水素原子をアクリロニトリルでシアノエチル化して得られるモノ〜ポリN−シアノエチル化ポリN−ヒドロキシアルキル化化合物。
上記活性水素原子含有化合物としては、たとえばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
上記のN−ヒドロキシアルキル化は通常、無触媒乃至微量のアルカリ触媒を使用して、常圧〜加圧下常温乃至加熱下で行い、そして上記のシアノエチル化は通常、無触媒で無溶媒あるいは必要に応じて非反応性溶媒中、常温乃至60℃程度の温度にて行なえばよい。なお、N−ヒドロキシアルキル化とシアノエチル化の反応順序を逆にしてもよい。
【0024】
v)上記iiiで得たポリN−ヒドロキシアルキル化化合物の水酸基の一部をアクリロニトリルでシアノエチル化して得られる部分シアノエチル化ポリN−ヒドロキシアルキル化化合物。
上記のシアノエチル化は通常、アルカリ触媒を用いて無溶媒あるいは非反応性溶媒中、常温乃至60℃程度の温度で行なえばよい。なお、用いるアルカリ触媒として水酸化リチウムも使用でき、これは本発明対象のリチウム電池用としてアルカリ触媒あるいはその中和物のコンタミや残留不純物の面から安心である。
【0025】
vi)水酸基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーの共重合で得られる水酸基含有ラジカル共重合ポリマー。
上記水酸基を有するラジカル重合性モノマーは、分子中少なくとも1個の水酸基を残存させた、ポリヒドロキシ化合物の部分(メタ)アクリレートである。
上記ポリヒドロキシ化合物は、分子中に2〜6個の水酸基を有する水酸基価400以上の高水酸基価ポリヒドロキシ化合物、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール、またはこれらのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドの付加物である。
【0026】
上記他のラジカル重合性モノマーは、式:
【化13】
(式中、R7はHまたはCH3;およびR8は−CN、−COOCH3、−COOC2H5、−COO(CH2CH2O)1 〜 3CH3、−COO(CH2CH2O)1 〜 3C2H5、−COO(CH2CH(CH3)O)1 〜 3CH3、−COO(CH2CH(CH3)O)1 〜 3C2H5、−OCOCH3、または−OCOC2H5である)
のビニル系もしくは(メタ)アクリル系モノマー[5]である。
【0027】
上記水酸基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーの重量比は、好ましくは1:10〜1:1である。共重合は通常、ラジカル重合開始剤(たとえばベンゾイルパーオキサイド、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル等)を用い、溶媒中60〜80℃程度の温度にて行なえばよい。この際、分子量調節用としてメルカプタン類、水酸基含有メルカプタン類などの連鎖移動剤を用いることができ、特に水酸基含有メルカプタン類(たとえばメルカプトエタノール)を使用すれば、共重合ポリマーへの水酸基導入源にもなる。
【0028】
このようにイソシアネート系組合せ(b)に関して、(i)〜(vi)の架橋剤が使用できるが、特にポリオキシアルキレンポリオール(ii)において、分子量800未満でかつ水酸基数2未満のもの、あるいは分子量800以上のものでは、ゲル化性が低く;また水酸基数6を越えるものでは、粘度が高くなり、電極/セパレータ間の浸入性が低下する。
さらに、このポリオキシアルキレンポリオール(ii)を使用する場合、ポリイソシアネート化合物やウレタンプレポリマー(以下、イソシアネート成分と称す)のNCOとの反応性が比較的に低いため、ゲル化に際して、温度アップや時間延長が必要となる場合があるが、別途ウレタン架橋触媒の添加もしくは増量によってもある程度対処できる。これに対し、以下の理由から、iii)、iv)、v)の架橋剤の使用が好適である。
後述の如く、かかるイソシアネート系組合せ(b)の架橋性材料(高分子成分を構成)の配合量を少なくしていることから(10重量%以下)、イソシアネート成分のNCOと架橋剤のOHとの架橋反応にリチウム電解質塩が負触媒として作用することが多いため、ポリオキシアルキレンポリオール(ii)の如き単なる水酸基ではゲル化し難い傾向にあるのに対し、(iii)〜(v)の架橋剤では、そのN−ヒドロキシアルキル基による水酸基とNCOは優れた架橋反応性、すなわち、大きな有効性を示すことが認められる。
【0029】
(iv)のモノ〜ポリN−シアノエチル化ポリN−ヒドロキシアルキル化化合物は、ポリN−ヒドロキシアルキル化化合物(iii)にN−ヒドロキシアルキル化による水酸基を残存させたままでシアノエチル基を導入したもので、ポリN−ヒドロキシアルキル化化合物(iii)に比べ、高誘電率化によるイオン導電性の向上、および電解液溶媒とリチウム電解質塩(実際はリチウム電解質塩が電解液溶媒に溶解した状態=電解液)の保持性が改善され、かつゲルからの電解液の分離やブリード(にじみ出し)に対する防止効果がある。しかし、シアノエチル基はNCOに対し非反応性で、その分架橋密度が低下しゲル化性が低下するので、シアノエチル基の必要性とその含有量は、全体のバランスを考慮して決定される。
【0030】
一方、(vi)の水酸基含有ラジカル共重合ポリマーを使用する場合、多少粘度は高くなるものの、ポリマー濃度がより低くても良好なゲルを形成でき、この点で有利である。また、水酸基を有するラジカル重合性モノマーの重合比が前記範囲より多くなれば、それだけゲル化性は向上するが、粘度上昇を起こし;逆に少ないと、ゲル化性の低下を招く。
かかるイソシアネート系組合せ(b)において、イソシアネート成分と架橋剤の配合比率は、イソシアネート成分のNCO当量および架橋剤の水酸基当量から計算される値を中心に0.8〜1.2:1の当量比程度の範囲とする。
【0031】
c.モノマー系組合せ
ここで用いる(メタ)アクリル系モノマーは、式:
【化14】
(式中、R9はHまたはCH3;およびR10は炭素数1〜4のアルキルである)のアルキル(メタ)アクリレート[6]および/または式:
【化15】
(式中、R11はHまたはCH3;R12は−CH2CH2O−または−CH2CH(CH3)−O−;R13はCH3またはC2H5;およびiは1〜3である)
のアルコキシモノ〜ポリアルキル(メタ)アクリレート[7]と、式:
【化16】
(式中、R14およびR16はそれぞれHまたはCH3;およびR15は
【化17】
−(CH2CH2O)1 〜 20 −または−{CH2CH(CH3)O}1 〜 20−である)
のモノ〜ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート[8]とを必須成分とする。
【0032】
ここで用いるラジカル重合開始剤としては、特に限定なく通常の熱重合開始剤、たとえばベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、N,N’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、N,N’−アゾビスバレロニトリル等が挙げられる。使用量は通常、後記液状組成物全量中0.1〜5重量%の範囲で選定すればよい。
【0033】
d.ポリマー系組合せ
ここで用いるエポキシ基含有ラジカル共重合ポリマーは、エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーと他のラジカル重合性モノマーの共重合ポリマーである。
上記エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーは式:
【化18】
(式中、R17はHまたはCH3;およびR18は
【化19】
である)
の(メタ)アクリレート[すなわち、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートまたはグリシジル(メタ)アクリレート]の少なくとも1種である。
【0034】
上記他のラジカル重合性モノマーは式:
【化20】
(式中、R19はHまたはCH3;およびR20は−COOCH3、−COOC2H5、−COOC3H7、−COOC4H9、−COO(CH2CH2O)1 〜 3CH3、
−COO(CH2CH2O)1 〜 3C2H5、
−COO(CH2CH(CH3)O)1 〜 3CH3、
−COO(CH2CH(CH3)O)1 〜 3C2H5、
−OCOCH3、または−OCOC2H5である)
のビニル系もしくは(メタ)アクリル系モノマーである。
上記エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーと他のラジカル重合性モノマーの重量比は、好ましくは1:10〜1:1である。
【0035】
ここで用いるカチオン重合開始剤として、各種のオニウム塩(たとえばアンモニウム、ホスホニウム、アルソニウム、スチボニウム、スルホニウム、ヨードニウムなどのカチオンの、−BF4、−PF6、−SbF6、−CF3SO3、−ClO4などのアニオン塩等)が使用できるが、本発明でこれらオニウム塩を使用せずとも、リチウム電解質塩(3)であるヘキサフルオロリン酸リチウムを利用すれば、本来のリチウム電解質塩の作用に加え、当該カチオン重合開始剤としても作用することができ、好都合である。当然、カチオン重合開始剤の一部として、オニウム塩とヘキサフルオロリン酸リチウムを併用することも可能である。
【0036】
本発明における電解液溶媒(2)としては、たとえば環状炭酸エステル類(炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレンなど);鎖状炭酸エステル類(炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸メチル・エチル、炭酸メチル・n−プロピルなどの対称および非対称型を包含);環状カルボン酸エステル類(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなど);環状エーテル類(テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランなど);低分子鎖状カルボン酸エステル類(プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなど);低分子鎖状エーテル類(ジメトシエタン、メトキシエトキシエタンなど);シアノエチル基含有化合物(メチル・2−シアノエチルエーテル、エチル・2−シアノエチルエーテル、ビス2−シアノエチルエーテル、炭酸メチル・2−シアノエチル、プロピオン酸2−シアノエチルなど)が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも1種を用いる。特に、環状炭酸エステル類、環状カルボン酸エステル類、シアノエチル基含有化合物等の高誘電率の溶媒を主体に、鎖状炭酸エステル類、低分子鎖状カルボン酸エステル類を併用することが好ましく、具体的には、炭酸エチレンと鎖状炭酸エステル類;炭酸プロピオンと炭酸エチレン;炭酸プロピレンと鎖状炭酸エステル類の混合物が例示される。
【0037】
本発明におけるリチウム電解質塩(3)は、電解液溶媒(2)への溶解性に優れ、高イオン導電性と酸化〜還元電位に高耐性の陰イオン(酸基)で構成されるものが好ましく、特に限定されるものではないが、たとえば過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム等が挙げられ、これらの少なくとも1種を用いる。使用濃度は通常、1モル/dm3前後が適用される。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明に係るポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池は、上述の架橋性材料(1)(a〜dの組合せから成る)、電解液溶媒(2)およびリチウム電解質塩(3)を成分とし、これらを混合溶解して得られる低粘度の液状組成物を、固体電解質用架橋性組成物として使用することを特徴とし、以下の手順に従って製造することができる。
【0039】
先ず、上記液状組成物総量中における架橋性材料(1)の占める割合を10%(重量%、以下同様)以下に、すなわち、形成される固体電解質中の高分子成分量をできるだけ低い値に設定して、イオン導電性の安定維持を行なう。
次に、液状組成物をそのポットライフ(液状状態の保持によって注入等の取扱いが可能である時間)の制限時間内に、リチウムイオン2次電池用の、電極やセパレータ等のユニットを組み込んだ密閉容器に直接注入し、電極とセパレータ等のギャップに浸入させた後、常温乃至100℃程度(モノマー系組合せcの架橋性材料を用いた場合は、50〜100℃程度)の温度にて、架橋性材料を常温または加熱架橋させることによって容易にゲル化せしめ、ポリマー固体電解質の形成により、目的のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池を得る。
【0040】
なお、イソシアネート系組合せbの架橋性材料を用いる場合は、必要に応じてウレタン架橋触媒(たとえばSn、Bi、Fe、Pb等の金属塩;第1錫オクトエート、蒼鉛オクトエート、ジブチル錫ジラウレート等)が配合されるが、該液状組成物の注入に際して、予め電極あるいはセパレータにウレタン架橋触媒を塗布または混入しておけば、液状組成物へのウレタン架橋触媒の配合量を削減できることから、ポットライフの大巾な延長が可能になると共に、注入後は電極やセパレータからウレタン架橋触媒が自然溶出して、ゲル化の促進に貢献する。
【0041】
このようにして、従来の電池生産と同様の工程で新設備も必要とせず、特性と安定性に優れたポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池を得ることができる。
従来のポリマーゲル型高分子固体電解質は、イオン導電性にとって有害無益な高分子成分をいかに低減させるかが重要なポイントであるが、むやみに架橋密度を上げても、電解液のゲル保持性の低下によって電解液が分離し易く、またゲルを構成するポリマーの構造自体も大変重要となるが、本発明は、架橋性材料(1)の使用によって、これらの諸問題を解決したものと云える。
なお、本発明で用いる架橋性材料(1)は、電解液溶媒およびリチウム電解質塩を変更することにより、リチウムイオン2次電池以外にも、リチウム電池、リチウム2次電池、電気2重層キャパシター、ケミカルコンデンサー、エレクトロクロミックデバイス等のポリマーゲル型高分子固体電解質として使用することもできる。
【0042】
【実施例】
次に製造例および実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
製造例1(シアノエチル化エポキシ樹脂の製造)
1000mlの三口コルベンに、ソルビトールのポリグリシジルエーテル(米国社CVCスペシャルティ・ケミカルInc.製の「ERISYS GE−60」)360gと2%NaOH水溶液180gを採り、約40℃に加熱しながらアクリロニトリル210gを約2時間かけて滴下する。この間温度を40〜42℃に保持する。滴下終了後、同温度で5時間加熱攪拌を続け、シアノエチル化反応を行なう。その後30℃程度に水冷し、ジクロロメタン300gを加え、しばらく攪拌を続けた後攪拌を止め、静置する。約10〜20分程度放置すれば、2層に分離するので、上層のみを除去する。その後イオン交換水300mlを加え、攪拌水洗し、攪拌を止め静置し、上層除去の水洗工程を合計6回以上繰返した後、ジクロロメタンを減圧留去し、さらに80〜100℃で乾燥窒素ガス導入しながら加熱減圧下で攪拌し、水分が除去されたシアノエチル化エポキシ樹脂(シアノエチル化ソルビトールポリグリシジルエーテル)を得る。このシアノエチル化エポキシ樹脂は、淡黄褐色透明粘稠液を呈し、赤外線吸収スペクトルにより明確な−CN基の吸収ピークを確認した。エポキシ当量の測定結果は236であった。
【0043】
製造例2(ウレタンプレポリマーAの製造)
予め乾燥窒素ガスで十分に乾燥した1000mlの三口コルベンに、トリレンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート=80:20の混合物)406.8gと、予めモレキュラーシーブで脱水した炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1、重量比)の混合溶媒400gを仕込み、攪拌混合する。次に、グリセリンにプロピレンオキサイドを付加した水酸基価225のポリオキシプロピレンポリオールのモレキュラーシーブ乾燥品193.2gを加え、乾燥窒素ガスの導入下、室温から徐々に70℃まで加熱し、そのまま6時間加熱攪拌を続け、さらに温度を40℃に下げ一夜反応を行なって、ウレタンプレポリマーを得る。
このウレタンプレポリマーA(溶液)は、無色透明粘稠液であって、赤外線吸収スペクトルにより、明確なNCO基の吸収スペクトルを確認した。NCO基の定量分析結果は9.806%で、計算値9.887%にほぼ一致した。
【0044】
製造例3(エポキシ基含有ラジカル共重合ポリマーAの製造)
予め乾燥窒素ガスで十分に乾燥した1000mlの三口コルベンに、予めモレキュラーシーブで脱水したメチルメタクリレート177.3g、予めモレキュラーシーブで脱水した3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート59.1g、予めモレキュラーシーブで脱水した炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1、重量比)の混合溶媒722.1g、予め減圧乾燥を行ったアゾビスイソブチロニトリル3.9g、およびラウリルメルカプタン0.4gを採り、乾燥窒素ガスを導入しながら70〜75℃で攪拌し、そのまま6時間加熱攪拌を続け、さらに温度を40℃に下げ一夜反応を行って、エポキシ基含有ラジカル共重合ポリマーA(溶液)を得る。
この共重合ポリマーは、淡黄色で透明な低粘度液であって、赤外線吸収スペクトルにより、明確なエポキシ基の吸収スペクトルを確認した。エポキシ当量を測定したところ、732で計算値728.5にほぼ一致した。
【0045】
製造例4(ウレタンプレポリマーBの製造)
製造例2(ウレタンプレポリマーAの製造)に使用している「予めモレキュラーシーブで脱水した炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1、重量比)の混合溶媒」を「予めモレキュラーシーブで脱水した炭酸エチレン/「炭酸プロピレン」(1/1、重量比)の混合溶媒」に変え、その他は製造例2と同様にしてウレタンプレポリマーBを得る。
このウレタンプレポリマーB(溶液)は無色透明の粘稠液であって、赤外線吸収スペクトルにより、明確なNCO基の吸収スペクトルを確認した。NCO基の定量分析結果は9.822%で計算値9.887%にほぼ一致した。
【0046】
製造例5(エポキシ基含有ラジカル共重合ポリマーBの製造)
予め乾燥窒素ガスで十分に乾燥した1000mlの三口コルベンに、予めモレキュラーシーブで脱水したCH2=CHCOO{CH2CH(CH3)O}2CH3177.3g、予めモレキュラーシーブで脱水した3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート59.1g、予めモレキュラーシーブで脱水した炭酸エチレン50重量部と炭酸プロピレン50重量部の混合溶媒709.2g、予め減圧乾燥を行ったN,N’−アゾビスイソブチロニトリル3.9g、ラウリルメルカプタン0.4gを採り、乾燥窒素ガスを導入しながら70〜75℃で攪拌し、そのまま6時間加熱攪拌を続け、更に温度を40℃として一夜反応を行い、エポキシ基含有ラジカル共重合ポリマーB(溶液)を得る。
このエポキシ基含有ラジカル共重合ポリマー(B)は、淡黄色で透明な低粘度液で、赤外線吸収スペクトル測定の結果、明確なエポキシ基の吸収スペクトルが確認され、エポキシ当量を測定したところ、724で計算値728.5と殆ど同一の値であった。
【0047】
実施例1(エポキシ系組合せaの架橋性材料を使用)
乾燥窒素ガスを充満したグローブボックス内で、製造例1で得たシアノエチル化エポキシ樹脂10gと、ヘキサフルオロリン酸リチウムを1モル濃度に溶解した炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1、重量比)の混合溶媒溶液143.7gを混合し、次にペンタエチレンヘキサミン2.5gを加え、混合して液状組成物を調製する。液状組成物中のポリマー濃度は、[(10+2.5)/156.2]×100=8.0%となる。
次に、予め用意しておいたリチウムイオン2次電池用の電極、セパレータ等のユニットを組込んだ密閉可能容器(直径18mm、全長650mmの円筒型、通称18650型)に、上記液状組成物4.86gを注入し、真空含浸を行った後密閉し、70℃で10時間加熱してゲル化を行い、ポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池を作成する。
なお、上記で用いた18650型は、正極材料がコバルト酸リチウム主体、負極が炭素系材料を使用し、セパレータはポリオレフィン系で構成され、容量1600mAHの極く一般的なものである。
【0048】
実施例2(イソシアネート系組合せbの架橋性材料を使用)
製造例2で得たウレタンプレポリマーA(60%溶液)5.0gと、ポリN−ヒドロキシプロピル化合物であるテトラN−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン(三洋化成(株)製、「ニューポールNP−300」)の炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1、重量比)の混合溶媒による60%溶液1.4g、およびヘキサフルオロリン酸リチウムを1モル濃度に溶解した炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1、重量比)の混合溶媒溶液53.6gを混合し、次にウレタン架橋触媒として第1錫オクトエート(日東化成(株)製、「ネオスタンU−28」)の10%炭酸ジエチル溶液0.1gを加え、混合して液状組成物を調製する(ポリマー濃度6.4%)。
次に実施例1において、液状組成物の注入量4.69gおよびゲル化のための加熱条件70℃×30分とする以外は、実施例1と同様な条件でポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池を作成する。
【0049】
実施例3(モノマー系組合せcの架橋性材料を使用)
2−メトキシエチルアクリレート5.0g、トリオキシプロピレングリコールジアクリレート4.0g、式:
CH2=CH−COO−(CH2CH2O)9−OC−CH=CH2
の9量体ポリオキシエチレングリコールのジアクリレート1.0gおよびベンゾイルパーオキサイド1.0gを混合し、次にヘキサフルオロリン酸リチウムを1モル濃度に溶解した炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1、重量比)の混合溶媒溶液137.6gを加え、混合して液状組成物を調製する(ポリマー濃度7.4%)。
次に実施例1において、液状組成物の注入量4.96gおよびゲル化のための加熱条件70℃×30分とする以外は、実施例1と同様な条件でポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池を作成する。
【0050】
実施例4(ポリマー系組合せdの架橋性材料を使用)
製造例3で得たエポキシ基含有ラジカル共重合ポリマーA16g、およびヘキサフルオロリン酸リチウムを1モル濃度に溶解した炭酸エチレン/炭酸ジエチル(1/1、重量比)の混合溶媒84gを混合して、液状組成物を調製する(ポリマー濃度4.0%)。
次に実施例1において、液状組成物の注入量3.73gおよびゲル化のための加熱条件70℃×1時間とする以外は、実施例1と同様な条件でポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池を作成する。
なお、本例ではリチウム電解質塩としてヘキサフルオロリン酸リチウムを用いており、別途カチオン重合開始剤を用いていない。
【0051】
実施例5(イソシアネート系組合せbの架橋性材料を使用したシート状電池)
乾燥窒素ガスを充満したグローブボックス内で、ポリN−ヒドロキシプロピル化合物であるテトラN−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン(三洋化成(株)製、「ニューポールNP−300」)の炭酸エチレン/炭酸プロピレン(1/1、重量比)の混合溶媒による60%溶液1.4gに、ヘキサフルオロリン酸リチウムを1モル濃度に溶解した炭酸エチレン/炭酸プロピレン(1/1、重量比)の混合溶媒溶液70.4gを加え、均一に混合し、更に製造例4で得たウレタンプレポリマーB5.0gを加えて混合し、次にウレタン架橋触媒として第1錫オクトエート(日東化成(株)製、「ネオスタンU−28」)の10%炭酸ジエチル溶液0.1gを加え、混合して液状組成物を調製する(ポリマー濃度5.0%)。
次に予め用意しておいたシート状リチウムイオン2次電池用の電極、不織布からなるユニットを組み込んだアルミラミネートフィルム製の袋状容器に、上記液状組成物4.17gを注入し、真空含浸を行った後密封し、70℃で1時間加熱してゲル化を行い、シート状のポリマー固体電解質リチウムイオン電池を作成する。
なお、上記で用いたシート状リチウムイオン2次電池のユニットは正極を中心に両側から不織布を介して負極で挟み込んだ構造で、正極はアルミニウム箔の両面にコバルト酸リチウム主体からなる活物質を塗布したもので、そのサイズは68mm×84mm、負極は銅箔に炭素系材料を片面塗布したもので、そのサイズは70mm×86mm、不織布はポリエステル細繊維製の20μm厚品で、このユニットを、周囲を熱溶着した袋状のアルミニウムラミネートフィルム(内面ポリエチレン、外面ポリプロピレン)中に組み込んだもので、電池の容量は300mAHのものである。
【0052】
実施例6(ポリマー組合せdの架橋性材料を使用したシート状電池)
製造例5で得たエポキシ基含有ラジカル共重合ポリマーB12.0g、およびヘキサフルオロリン酸リチウムを1モル濃度に溶解した炭酸エチレン/炭酸プロピレン(1/1、重量比)の混合溶媒溶液88.0gを混合して液状組成物を調製する(ポリマー濃度3.0%)。
次に実施例5において、液状組成物の注入量4.05gおよびゲル化のための加熱条件を70℃×1時間とする以外は、実施例5と同様な条件でシート状ポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池を作成する。
なお、本実施例6も実施例4と同様リチウム電解質塩にヘキサフルオロリン酸リチウムを用いており、別途カチオン重合開始剤を用いていない。
【0053】
各実施例1〜6で作成したリチウムイオン2次電池を用いた充放電繰り返し試験(3サイクルおよび10サイクル)の結果を、下記表1に示す。
なお、各サイクルにおける充放電の条件は各サイクル共、充電が電圧4.2Vに達するまで0.2C(実施例1〜4は320mA、実施例3〜4は60mA)で定電流充電の後、更に4.2Vに達した後同電圧で8時間の定電圧充電、各放電は0.2C(実施例1〜4は320mA、実施例3〜4は60mA)で電圧が2.75Vになるまでの定電流放電である。
【表1】
Claims (24)
- (1)架橋性材料
(2)電解液溶媒および
(3)リチウム電解質塩
から成り、上記架橋性材料(1)が総量中8重量%以下である液状の固体電解質用架橋性組成物を、リチウムイオン2次電池用の、電極やセパレータ等のユニットを組み込んだ密封可能な容器あるいはケース類に直接注入し、架橋によってゲル化せしめポリマー固体電解質化したことを特徴とするポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。 - 架橋性材料(1)が、
a.エポキシ樹脂とその架橋剤、
b.ポリイソシアネート化合物および/またはウレタンプレポリマーとその架橋剤、
c.(メタ)アクリル系モノマーとラジカル重合開始剤、または
d.エポキシ基含有ラジカル共重合ポリマーとカチオン重合開始剤
の組合せから成る請求項1に記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。 - 電解液溶媒(2)が、環状炭酸エステル類、鎖状炭酸エステル類、環状カルボン酸エステル類、環状エーテル類、低分子鎖状カルボン酸エステル類、低分子鎖状エーテル類およびシアノエチル基含有化合物の群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- リチウム電解質塩(3)が、過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウムおよびトリフルオロメタンスルホン酸リチウムの群から選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至3のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 架橋性材料(1)がaの組合せから成り、その中でエポキシ樹脂が少なくとも式:
のシアノエチル化エポキシ樹脂を包含し、
その架橋剤が式:
H2N−CH2CH2−(NH−CH2CH2)c−NH2
(式中、cは0〜4である)
のポリエチレンポリアミン、および式:
の部分シアノエチル化ポリエチレンポリアミンの群から選ばれる少なくとも1種である請求項2乃至4のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。 - 架橋性材料(1)がbの組合せから成り、その中でポリイソシアネート化合物が2,4−もしくは2,6−トリレンジイソシアネートあるいはその混合物、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,6−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、およびクルードタイプのジフェニルメタンジイソシアネートの群から選ばれる少なくとも1種である請求項2乃至4のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 架橋性材料(1)がbの組合せから成り、その中でウレタンプレポリマーが、分子量400未満のポリオールと当量より過剰のポリイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであり、
その架橋剤が分子量400未満のポリオールとは別のあるいは同じ水酸基価400以上のポリオール化合物である請求項2乃至4のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。 - 架橋性材料(1)がbの組合せから成り、その中で架橋剤が、分子中に2〜6個の水酸基を有するポリオールにエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイドを付加して得られる分子量800未満のポリオキシエチレンポリオールもしくはポリオキシプロピレンポリオールである請求項2〜4、6および7のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 架橋性材料(1)がbの組合せから成り、その中で架橋剤が、分子中に2個以上の、アミン性アミノ基および/またはイミノ基による活性水素原子含有化合物またはアンモニアに、エチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加して得られるポリN−ヒドロキシアルキル化化合物である請求項2〜4、6および7のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 架橋性材料(1)がbの組合せから成り、その中で架橋剤が、分子中に3個以上の、アミン性アミノ基および/またはイミノ基による活性水素原子含有化合物またはアンモニアに、少なくとも1個の活性水素原子を残してエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加してN−ヒドロキシアルキル化し、次いで残存する活性水素原子をシアノエチル化して得られるモノ〜ポリN−シアノエチル化ポリN−ヒドロキシアルキル化化合物である請求項2〜4、6および7のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 架橋性材料(1)がbの組合せから成り、その中で架橋剤が、請求項9に記載のポリN−ヒドロキシアルキル化化合物の水酸基の一部をシアノエチル化して得られる部分シアノエチル化ポリN−ヒドロキシアルキル化化合物である請求項2〜4、6および7のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 架橋性材料(1)がbの組合せから成り、その中で架橋剤が、水酸基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーの共重合で得られる水酸基含有ラジカル共重合ポリマーである請求項2〜4、6および7のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 水酸基を有するラジカル重合性モノマーが、分子中少なくとも1個の水酸基を残存させた、ポリヒドロキシ化合物の部分(メタ)アクリレートである請求項12に記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- ポリヒドロキシ化合物が、分子中に2〜6個の水酸基を有する水酸基価400以上の高水酸基価ポリヒドロキシ化合物である請求項13に記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 高水酸基価ポリヒドロキシ化合物が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトールおよびソルビトールの群から選ばれる少なくとも1種である請求項14に記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 水酸基を有するラジカル重合性モノマーと他のラジカル重合性モノマーの重量比が、1:10〜1:1である請求項12乃至16のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 架橋性材料(1)がbの組合せから成り、予め電極あるいはセパレータにウレタン架橋触媒を塗布または混入しておく請求項2〜4および6〜17のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 架橋性材料(1)がcの組合せから成り、その中で(メタ)アクリル系モノマーが式:
のアルキル(メタ)アクリレートおよび/または式:
のアルコキシモノ〜ポリアルキル(メタ)アクリレートと、式:
【化7】
−(CH2CH2O)1〜20− または −{CH2CH(CH3)O}1〜20−
である)
のモノ〜ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレートとを必須成分とする請求項2乃至4のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。 - エポキシ基を有する(メタ)アクリルモノマーと他のラジカル重合性モノマーの重量比が、1:10〜1:1である請求項20または21に記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- 架橋性材料(1)がdの組合せから成り、その中でカチオン重合開始剤がオニウム塩である請求項2〜4および20〜22のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
- カチオン重合開始剤の一部あるいは全部に、リチウム電解質塩(3)として用いるヘキサフルオロリン酸リチウムを利用する請求項2〜4および20〜22のいずれか1つに記載のポリマー固体電解質リチウムイオン2次電池。
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