JP4596498B2 - パッケージされた集積回路の実装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般的にはパッケージされた集積回路に関し、特に1つ以上の導波管ポートを含むパッケージされた集積回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ひとつの既知の集積回路パッケージは、伝送層、絶縁層、基層を含む層になったリード構造を有する。基層は銅製の比較的厚い層である。絶縁層は基層に積層(ラミネート)されたポリイミド誘電体層である。伝送層は絶縁層上に形成された多数の銅箔導電トレースからなっている。このような積層された構造物はKOOL-BASEの登録商標で三井東圧化学(株)から市販されている。
【0003】
層になったリード構造物はその周縁部では湾曲した終端となるように押圧形成されている。このリード構造はその強度によって形状を維持し、銅基層のメモリを保有する。ICが中央に載置され伝送層の導電トレースにワイヤボンディングされる。次に押込部に成形材料が充填されてパッケージが完成する。この形式のパッケージはインテグレーテッドリードレスチップキャリヤ(ILCC)と称され、このパッケージはリード構造の湾曲部を、この湾曲部に接する線に沿ってプリント配線板の表面と接触させてプリント配線板に取付けることができる。このプリント配線板への取付は従来のはんだ付による表面実装技法を用いて行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述のILCCパッケージは、モールドによりパッケージし、プリント配線板組立体に表面実装により取付けているため、周波数の制約によりミリメータ波の集積回路には適さない。加えて、ILCCパッケージは熱除去能力が十分ではなく、中にパッケージされたミリメータ波回路に相補熱膨張率(CTE)を付与しない。
【0005】
従って、本発明の一般的な目的は、効果的な熱の発散ができ、パッケージされたミリメータ波回路に相補熱膨張率を付与することができ、RF(無線周波数)エネルギーを効果的に伝送する少なくとも1つの導波管ポートを設けた、パッケージされた集積回路を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、誘電体基板、金属化された回路及び半導体コンポーネントからなるミリメータ波回路を中に閉じこめるパッケージを提供することにある。
【0007】
更に本発明の他の目的は、導波管ポートがプリント配線板を支持するプレートを貫通するように延びて、支持板の他側にRFポートを形成するようにプリント配線板と支持板に取付けることができる、パッケージされた集積回路を提供することにある。
【0008】
上記により、端的に言うと本発明は、少なくとも1つの導波管ポート及び中にパッケージされた集積回路に電気的に相互接続される少なくとも1つの相互接続部を含む、パッケージされた集積回路を提供するものである。好適には、それは中にパッケージされたミリメータ波集積回路である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のパッケージされた集積回路は、基板に取付け可能なベースを有し、該ベースは少なくとも1つの導波管ポートを含み且つ集積回路に電気的に接続される少なくとも1つの相互接続部を有することを特徴とするものである。
【0010】
また、前記ベース上に更に少なくとも1つの突出構造を有し、前記ベースが前記基板に取付けられる際、前記導波管ポートと位置合わせされて開口に挿入されることができる。
【0011】
前記突出構造が前記ベースと一体であり、且つ前記導波管ポートを形成することができる。
【0012】
前記ベースが前記基板に取付けられる際、前記導波管ポートが前記基板を支持するプレートの開口に挿入されるよう構成されることができる。
【0013】
前記集積回路が、ガラス基板に搭載されたミリメータ波回路を有してもよい。
【0014】
前記ベースが前記基板に取付けられる際、前記基板上の導電トレースに前記集積回路を電気的に相互接続するよう構成されたポリイミドコネクタを前記相互接続部が有することができる。
【0015】
前記ポリイミドコネクタは、複数の導電トレースを有する導電層の両側にポリイミド誘電体絶縁層を有することができる。
【0016】
前記ポリイミドコネクタが、前記ベースの端縁に接着されてもよい。
【0017】
前記ベースの両端に接着された1対のポリイミドコネクタを有してもよい。
【0018】
前記ベースと係合するカバーを更に含み、それによりパッケージされた集積回路内に集積回路を収容することができる。
【0019】
前記集積回路が、誘電体共振器を含むことができる。
【0020】
前記カバーが前記ベースと接触するとき、前記カバーは遮蔽領域を形成する少なくとも1つの壁を含むことができる。
【0021】
前記基板の少なくとも1つと係合可能な圧力クリップと、前記基板を支持し前記パッケージされた集積回路の前記カバーと係合可能な支持板とを更に有し、これにより前記パッケージされた集積回路を取付けることができる。
【0022】
前記圧力クリップ及び前記相互接続部が、前記パッケージされた集積回路が取り付けられたとき、前記圧力クリップが前記相互接続部と接触して前記相互接続部を押圧して前記基板と電気的に接触するように形成されてもよい。
【0023】
前記ベースが、前記圧力クリップを前記相互接続部に対して位置決めするための少なくとも1つの位置決め構造を含むことができる。
【0024】
前記カバー及び前記ベースが、金属からなることができる。
【0025】
前記カバー及び前記ベースが、粉末金属からなることができる。
【0026】
前記パッケージされた集積回路が取り付けられるとき、該パッケージされた集積回路を位置決めするための少なくとも1つのボスを前記ベース上に有することができる。
【0027】
前記突出構造が、少なくとも1つの導波管ポートを含むことができる。
【0028】
更に、本発明のパッケージされた集積回路は、誘電体共振器を含むミリメータ波回路と、該ミリメータ波回路、少なくとも1つの導波管ポート及び前記ベースに取付けられたときに前記ミリメータ波回路に電気的に接続されると共に前記基板に電気的に接続可能な複数の相互接続部を有し、前記ベースが取付けられたとき前記導波管ポートが前記基板及び前記基板を支持する支持板の少なくとも1つの開口に挿入されるよう構成され、各前記相互接続部が前記ベースの一端縁に配置され且つポリイミド絶縁層間に配置された導電層を含む、前記基板に取付可能なベースと、前記誘電体共振器を遮蔽する領域を形成する少なくとも1つの壁を含む、前記ベースと接触するカバーと、を有することを特徴とするものである。
【0029】
【発明の効果】
本発明のパッケージされた集積回路は、基板に取付け可能なベースを有し、このベースは少なくとも1つの導波管ポートを含み且つ集積回路に電気的に接続される少なくとも1つの相互接続部を有するので、次の効果を奏する。
【0030】
即ち、ベースが集積回路のヒートシンクとして働くので、効果的な熱の発散ができ、パッケージされたミリメータ波回路に相補熱膨張率を付与することができ、RF(無線周波数)エネルギーを効果的に伝送することができる。
【0031】
更に、本発明のパッケージされた集積回路は、誘電体共振器を含むミリメータ波回路と、ミリメータ波回路、少なくとも1つの導波管ポート及びベースに取付けられたときにミリメータ波回路に電気的に接続されると共に基板に電気的に接続可能な複数の相互接続部を有し、ベースが取付けられたとき導波管ポートが基板及び基板を支持する支持板の少なくとも1つの開口に挿入されるよう構成され、各相互接続部がベースの一端縁に配置され且つポリイミド絶縁層間に配置された導電層を含む、基板に取付可能なベースと、誘電体共振器を遮蔽する領域を形成する少なくとも1つの壁を含む、ベースと接触するカバーと、を有するので、次の効果を奏する。
【0032】
即ち、ベースが集積回路のヒートシンクとして働くので、効果的な熱の発散ができ、パッケージされたミリメータ波回路に相補熱膨張率を付与することができ、RF(無線周波数)エネルギーを効果的に伝送することができる。また、カバーの壁により誘電体共振器が効果的に遮蔽される。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施の形態について添付図を参照して詳細に説明する。
本発明の構成の詳細及び作用について、添付図を参照して更なる目的と効果と共に説明した以下の記載により最も良く理解できよう。
【0034】
図1は、本発明の好ましい実施の形態によるパッケージされた集積回路の斜視図である。
【0035】
図2は、図1に示すパッケージされた集積回路の分解斜視図である。
【0036】
図3は、図1に示すパッケージされた集積回路の斜視図であり、プリント配線板に取付けられた集積回路を示す。
【0037】
図4は、取付けられた、パッケージされた集積回路を、支持板の下側から見た、図3と同様の斜視図である。
【0038】
図5は、図1に示すパッケージされた集積回路の斜視図であり、ばねクリップがベースから取り外され、カバーが剥がされてパッケージされた集積回路の露出した内部のコンポーネント(部品)を示す。
【0039】
図6は、図1に示すパッケージされた集積回路のベースの上部の斜視図である。
【0040】
図7は、図1のパッケージされた集積回路のベースの底部の斜視図である。
【0041】
図8は、図1に示すパッケージされた集積回路の相互接続部の、図5の8−8線に沿う断面図である。
【0042】
図9は、本発明の別の実施形態によるパッケージされた集積回路の斜視図であり、取付けられた、パッケージされた集積回路を示す。
【0043】
図10は、支持板の下側から見た、取付けられた、パッケージされた集積回路の、図9と同様な斜視図である。
【0044】
図11は、図9に示すパッケージされた集積回路の斜視図であり、ベースからばねクリップと、カバーを取り外し、パッケージされた集積回路の内部コンポーネントを示す。
【0045】
図12は、図9に示すパッケージされた集積回路の底部の斜視図である。
【0046】
図13は、本発明の他の実施形態による、取付けられた、パッケージされた集積回路の斜視図である。
【0047】
図14は、図13に示すパッケージされた集積回路の斜視図であり、ばねクリップとカバーがベースから外され、パッケージされた集積回路の内部の露出した部品を示す。
【0048】
図15は、図13に示すパッケージされた集積回路の底部の斜視図である。
【0049】
本発明は異なる形状の実施形態が可能であり、ここに図示し詳細に説明するが、開示した特定形状の実施形態は本発明の原理を例示したものと考えるべきであって、これらの発明に限定することを意図するものではない。
【0050】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるパッケージされた集積回路20を示し、図9及び図13は本発明の他の実施形態によるパッケージされた集積回路20a、20bを示す。パッケージされた集積回路20、20a、20bは、以下、単にパッケージという。本発明の好適な実施形態による、図1に示すパッケージ20について説明する。図1乃至図8がパッケージ20に関係する。
【0051】
図1乃至図3に示す如く、本発明の好適な実施形態によるパッケージ20はベース22、カバー24、1対の相互接続部26、及びばねクリップ(圧力クリップ)28を含む。図1及び図3に示すように、ベース22及びカバー24が互いに係合してハウジングが形成される。このハウジング内には、図2及び図5に示すようにガラス基板34上に取り付けられたミリメータ波回路32の如き集積回路30がある。特に、ベース22及びカバー24で形成されたハウジング内で、集積回路30はベース22に取付けられる。従って、パッケージ20はベース22、集積回路30、1対の相互接続部26、カバー24及びばねクリップ28から成るということができる。
【0052】
図3に示すように、パッケージ20はプリント配線板36或いは導電トレース38を有するプリント板の如き基板に取付けることができる。例えば、パッケージ20はFR4プリント配線板に取付けることができる。パッケージ20はプリント配線板36の表面に取付けることができ、或いは図示する如く切欠いた領域、即ち開口41にプリント配線板36を配置することにより、プリント配線板36を支持する支持板(金属プレート)40に直接取付けることができる。両方の場合において、パッケージ20の集積回路30がベース22の相互接続部26を介して、プリント配線板36の導電トレース38に電気的に接続されるように、パッケージ20をプリント配線板36に取付けることが好ましい。この取付及びその結果の電気的接続については、更に詳細に後述する。
【0053】
パッケージ20のベース22は、燒結銅モリブデン(CuMo)冶金により製造され、粉末金属押出鋳込工程(powdered Metal-Injection-Molding process)により成形されることが好ましい。ベース22は電解ニッケル下地めっきをして金めっきをされることが好ましい。或いは、ベース22は銅タングステン(CuW)冶金により製造されてもよい。ベース22がどのような材料から作られているかに拘わらず、ベース22は集積回路30と適合性の良い材料から形成されることが好ましい。特に、集積回路30は既にに述べたようにベース22に取付けられるので、ベース22は集積回路30に合致した熱膨張率(CTE)を有することが好ましい。換言すると、ベース22と集積回路30は熱的に略一致することが好ましい。
【0054】
図6に示す如く、ベース22は略平坦な頂面42を含み、ベース22を貫通してベース22の頂面42から底面46に延びる複数の導波管ポート44を有する(図7参照)。導波管ポート44は、ベース22の底面46の突出構造48を貫通して頂面42から延びる実質的な貫通孔である。図4に示す如く、突出構造48は突起部として形成され、この突起部が支持板40の反対側に突出するように、支持板40の開口50に受容され(そしてパッケージ20が直接プリント配線板36に取付けられるときは、プリント配線板36の開口内にも受容され)ることが好ましい。図3に示す如く、パッケージ20が直接支持板40に取付けられる場合は、開口50を貫通して突出構造48が支持板40の他側に延びるほど、突出構造48はベース22の底面46から大きくはなれて突出する必要はない。逆に、パッケージ20がプリント配線板36に直接取付けられるよう構成される場合は、突出構造48が支持板40の開口及びプリント配線板36の対応する開口を通過して支持板40の他側に延びるようにベース22の底面46から一層大きな距離だけ突出する必要がある。
【0055】
図5に示すように、パッケージ20のベース22の頂面42に取付けられたガラス基板34(集積回路30)のミリメータ波回路32に導波管ポート44が電気的に接続されるのが好ましい。ベース22は集積回路30のヒートシンクとして機能する。導波管ポート44は、ミリメータ波集積回路32とパッケージ20の外部との間でエネルギーを送受信する。パッケージ20の導波管ポート44は、アンテナ構造内の同じ場所に位置し、これによって送信機の機能と受信機の機能が付与されることが好ましい。導波管ポート44はパッケージ20のベース22の一部であることが好ましいが、この導波管ポート44によりパッケージ20の熱発散能力が増大される。
【0056】
図6及び図7に示す如く、ボスのような位置決め構造52はベース22の周縁に位置する。特に、ベース22の両側に2個のボスを設けてもよい。図3に示す如く、ばねクリップ28を相互接続部26に押圧してプリント配線板36と接触させるように、位置決め構造52により、ばねクリップ28がパッケージ20の相互接続部26に対し、位置決め及び整列される。ばねクリップ28は前述したように、相互接続部26を押圧してプリント配線板36の導電トレース38と電気的接触をすることが好ましい。加えて、図7に示すように位置決めボスのような1個以上の位置決め構造54を、パッケージ22の位置決めをする為にベース22の底面46に設けることが好ましい。この目的のために、図3に示すようにパッケージ20が支持板40に直接取付けられる場合は、位置決め構造54はケース内の支持板40の開口56(図4に示す)に受容される。プリント配線板36の表面にパッケージ20が直接取付けられる場合は、各位置決め構造54はプリント配線板36の対応する開口内にも受容され、或いはプリント配線板36の1個の開口のみに受容されて支持板40の開口には受容されないようにすることもできる。
【0057】
図5に示すように、相互接続部26はベース22の周縁部の位置決め構造52に隣接するベース22上に設けられる。相互接続部26はベース22の両側に設けられることが好ましい。相互接続部26はベース22の頂面42にエポキシにより接着されてもよく、夫々の相互接続部26はベース22の頂面42に取付けられた集積回路30にワイヤボンディング等により電気的に接続される。集積回路30は相互接続部26に電気的に接続されるので、相互接続部26と、プリント板36或いは他の基板の導電トレース38との間の電気的接続は、パッケージ20が取付けられたときパッケージ20内の集積回路30が導電トレース38と電気的に接続される。
【0058】
相互接続部26の好ましい構造について図8を参照して以下に説明する。各相互接続部26は複数の層58、60、62に形成された金属化されたポリイミドフィルムであることが好ましい。特に、導電層58は2つの絶縁層60、62の間に配置される。ベースとなる絶縁層60は25乃至45ミクロンの範囲の厚さを有するポリイミド誘電体であることが好ましい。導電層58は20乃至45ミクロンの厚さを有する銅であり、絶縁層60に積層或いは接着されることが好ましい。導電層58は、銅から形成されるパターン化された導電トレース59を有する。頂部の絶縁層62は20乃至45ミクロンの厚さを有するポリイミド誘電体であり、絶縁層60及び導電層58に積層或いは接着されることが好ましい。
【0059】
前述したように、また、図3に示す如くパッケージ20がプリント配線板36或いは他の基板に取付けられたとき、ばねクリップ28が相互接続部26を押圧して、相互接続部26がプリント配線板36或いは他の基板に接続される。特に、各相互接続部26の導電層58は、プリント配線板36と接触し、また、その上の導電トレース38に電気的に接続されることが好ましい。即ちポリイミドコネクタとなることが好ましい。従って、相互接続部26はパッケージ20内の集積回路30と電気的に接続されるので、プリント配線板36或いは他の基板の導電トレース38は、パッケージ20の相互接続部26を介して集積回路30に電気的に接続される。
【0060】
既に述べたように、又、図1及び図3に示すようにカバー24はベース22と係合してハウジングを形成する。特に、カバー24はハウジングを形成するためにベース22にエポキシにより接着されることが好ましい。カバー24はニッケル−鉄(NiFe)合金から形成され、粉末金属押出鋳込工程を用いて形成されることが好ましい。カバー24は電解ニッケルの下地メッキをして金メッキをすることが好ましい。カバー24がどのような材料で製造されているかに拘わらず、カバー24はベース22と相性の良い材料で製造されるのが好ましい。ベース22とカバー24は熱的にある程度整合し、同様な熱膨張率(CTE)を有するのが好ましい。図1及び図5に示すように、集積回路30は、集積回路30にエポキシにより接着されたDRパックの如き誘電体共振器64を含み、また、図5に示すようにカバー24は、カバー24がベース22と接触したときに、誘電体共振器64のためのシールド(遮蔽)領域68を形成する壁66を含むことが好ましい。当然、他の実施形態は誘電体共振器64を含まなくてもよい。
【0061】
ばねクリップ28がプリント配線板36に係合することにより、或いは図示するように支持板40に直接係合して、パッケージ20がプリント配線板36に固定される。ばねクリップ28について以下に説明する。図1及び図2に示すように、ばねクリップ28は舌部72を有する複数の脚70を有する。図3及び図4に示す如く、パッケージ20が取付けられると、図3及び図4に示すように支持板40に対し脚70の舌部72が係合するように、ばねクリップ28の脚70が支持板40の開口74に受容されて、図4に示す如くパッケージ20がプリント配線板36の所定位置に固定されることが好ましい。支持板40ではなくプリント配線板36の表面にパッケージ20が直接取付けられる場合は、ばねクリップ28の脚70は支持板40とプリント配線板36の両方の開口に受容されることとなろう。それに拘わらず、図示する如くばねクリップ28は、また、相互接続部26を押圧して図3に示すようにプリント配線板36と接触させ、好ましくはその導電トレース38と電気的に接触する2つの外側に延びる部分(延長部)76を含む。外側に延びる各延長部76は、指の如き複数の押圧接触部材78を有することが好ましい。
【0062】
パッケージ20の組立について、以下に説明する。最初に相互接続部26はベース22に取付けられる。これは当業者であれば理解できるであろうが、ホットバーBステージエポキシ接着工程(hot-bar B-stage epoxy attachment process)を使用して実施される。次に、組立の際、整列させるための光学的なコントラスト用として、ベース22の基準となる凹所79に暗色のエポキシインクが付着される。次に当業者であれば理解できるであろうが、スクリーン印刷工程或いはパッド印刷工程を用いて導電率の低いエポキシ樹脂が、ベース22の頂面42に形成される。集積回路30がベース22に取付けられる領域に、エポキシ樹脂が所望の形状に形成されることが好ましい。次に、集積回路30がベース22の頂面42に位置決めされ、導電率の低いエポキシ樹脂が硬化する。次に、超音波併用熱圧着ワイヤボンディング(thermosonic wire bonding)或いは、フリップチップ取付工程を用いて、半導体のダイ(細片)が集積回路30に取付けられ、また相互接続部26が集積回路30に接続される。次に、DRパックの如き誘電体共振器64が集積回路30に設けられる場合は、集積回路30の、誘電体共振器64が望まれる位置にエポキシ樹脂が形成される。次に誘電体共振器64がエポキシ上に載置され、エポキシ樹脂が硬化される。次に、エポキシのシールリングがカバー24のシールエッジに設けられ、カバー24がベース22に取付けられてエポキシシールリングが硬化される。パッケージ20が図3に示す如くプリント配線板36、或いは他の基板に取付けられる前に、パッケージ20について、引き続き電気的な試験を行なうことが好ましい。
【0063】
パッケージ20の基板への取付について以下に説明する。特に、パッケージ20を支持板40に直接係合させることにより、組み立てられたパッケージ20をプリント配線板36に取付けることについて以下に説明する。この場合プリント配線板36は、パッケージ20が支持板40に直接取付けられる位置に切欠き即ち逃げ41を有する。しかし、当業者であればプリント配線板36に逃げ41が全くない場合でも、プリント配線板36の表面に直接取付けるようパッケージを構成することは容易であることが理解できよう。この場合、パッケージ20の底面46に設けられた突出構造48及び位置決め構造54と同様に、ばねクリップ28の脚70を受容する為にプリント配線板36に開口を設けることになろう。説明した如く。また、図3に示す如く、パッケージ20が直接支持板40に取付けられる場合は、プリント配線板36はパッケージ20が支持板40に着座することができるように開口即ち逃げ41を含む。加えて、図4に示す如く、ばねクリップ28の脚70を受容するのと同様に、パッケージ20の底面46に設けた各位置決め構造54及び突出構造48を受容するために、支持板40に開口56、74が設けられ、ばねクリップ28の脚70が受容されたときに、ばねクリップ28の脚70の舌部72が支持板40と係合してパッケージ20を所定の位置に固定する。パッケージ20が所定の位置に固定されると、ばねクリップ28の延長部76はパッケージ20の相互接続部26を押圧して、図3に示すようにプリント配線板36と接触させる。説明したように、各相互接続部26の導電層58が押圧されてプリント配線板36の導電トレース38と電気的接触をし、これにより導電トレース38は、パッケージ20の相互接続部26を介して集積回路30に電気的に接続されることが好ましい。
【0064】
図4に示す如く、パッケージ20が取付けられると、ベース22の導波管ポート44である突出構造48が、支持板40の開口50を通過して延びることが好ましい。これによってマイクロウェーブのようなRF(高周波)エネルギーが除去でき、導波管ポート44に受容されたミリメータ波集積回路32の各回路構成に効率的に印加される。
【0065】
パッケージ20がプリント配線板36に取付けられ、或いは支持板40に直接取付けられるよう構成されているか否かに拘わらず、パッケージ20の相互接続部26がプリント配線板36或いは他の基板の導体と電気的に接続し、導波管ポート44が反対側に延びるようにパッケージ20がプリント配線板36或いは他の基板に取付けられることが好ましい。
【0066】
図9及び図13に示す、本発明の別の実施形態によるパッケージ20a、20bについて以下に説明する。図9及び図13に示すパッケージ20a、20bは、パッケージ20と同様な部品を有し、同様な部品を識別するためには同様な参照符号が用いられ、パッケージ20の記載を参照することにより理解できるときは詳細な説明は省略する。特に、図9に示すパッケージ20aに関連しては接尾辞"a"が用いられ、図13に示すパッケージ20bに関連しては接尾辞"b"が用いられる。
【0067】
図9に示すパッケージ20aについて、図8と同様に関連する図9乃至図13を参照して説明する。図9に示すように、パッケージ20と同様なパッケージ20aは、ベース22aとベース22aに接着されてハウジングを形成するカバー24aとを有する。図12に示す如く、ベース22aの底面46aは突出構造48aを有し、この突出構造48aは集積回路30aの導波管を受容するよう形成された3つの導波管ポート44aを有する。図11に示す如く、集積回路30aはベース22aの頂面42aに取付けられ、DRパックの如き誘電体共振器64aを含むことが好ましい。この誘電体共振器64aは、カバー24aがベース22aと接触したとき、カバー24aの壁66aによって形成される領域68aによりシールド(遮蔽)される。図1に示すパッケージ20のように、パッケージ20aのベース22aに取付けられた集積回路30aは、ガラス基板34aに取付けられたミリメータ波回路32aであることが好ましい。
【0068】
図9に示すパッケージ20aと、図1に示すパッケージ20との実質的に大きな相違は、図9に示すパッケージ20aの相互接続部26aがベース22aの端縁からベース22aの底面46aに巻回されており、ベース22aの周縁から外方へ延びていないという点である。これは、図11に最も良く示されている。結果的に、パッケージ20aを取付けるのに使用されるばねクリップ28aは、パッケージ20aが取付けられたときに、相互接続部26aを押圧して導電トレース38と接触させるための外側に延びる延長部を含まない。図1に示すパッケージ20と同様に、パッケージ20aのベース22a上の突出構造48aは、図10に示すように支持板40の他側に延びることが好ましい。 図9に示すパッケージ20aはプリント配線板36の表面に取付けられるように構成されている。しかし、パッケージ20aがプリント配線板36の開口内で、支持板40に直接取付けるよう構成することができることは当業者には理解できよう。
【0069】
図9及び図10に示す如く、パッケージ20aが取付けられると突出構造48aは、支持板40及びプリント配線板36の開口50に受容されて(パッケージ20aが支持板40の表面に直接取付けられる場合は、突出構造48aは支持板40の開口にのみ受容される)、図11に示す如く、プリント配線板36に対してパッケージ20aが位置決めされる。図9に示す如く、パッケージ20aが取付けられると、プリント配線板36の開口80及び対応する支持板40の開口74(図10参照)に、ばねクリップ28aの脚70aが受容される(1つのみ示す)。(パッケージ20aが支持板40の表面に直接取付けられる場合は、舌部72aは支持板40の開口に受容されるだけである。)
加えて、図12に示すようにパッケージ20aのベース22aの底面46aに、位置決めボス54aを設けることが好ましい。この位置決めボス54aはプリント配線板36と支持板40の開口56に受容されて(図10参照)、図9に示すようにプリント配線板36に対してパッケージ20aを位置決めすることが好ましい。図9に示すパッケージ20aの部品は、図1に示すパッケージ20の対応する部品と同じ材料で形成されるのが好ましい。例えば、パッケージ20aの相互接続部26aは、パッケージ20の相互接続部26と同じ材料で形成されることが好ましい。
【0070】
図13に示す如く、パッケージ20bもまた、ベース22bと、ベース22bに接着されてハウジングを形成するカバー24bとを有する。図15に示す如く、ベース22bの底面46bは、導波管ポート44bが配置された2つの突出構造48bを含む。これらの突出構造48bは、1個以上の導波管ポート44bを含むことができ、内包する集積回路30bの所望の機能を果たすことを容易にしている(図14参照)。前述のパッケージ20、20aのように、集積回路30bはベース22bに取付けられ、集積回路30bはガラス基板34bに取付けられたミリメータ波回路32bであることが好ましい。
【0071】
図14に示すように、パッケージ20bは図9に示すパッケージ20aのように、ベース22bから底面46bへと巻回する1つの相互接続部26bを含む。これ故に、プリント配線板36或いは他の基板にパッケージ20bを取付けるために、パッケージ20bに図示しないばねクリップを用いるならば、パッケージ20bが取付けられたときに、ばねクリップは相互接続部を押圧して導電トレースと接触する外側に延びる部分即ち延長部を含む必要がない。
【0072】
前述したパッケージ20、20aと同様に、図13に示す如くパッケージ20bが直接プリント配線板36に取付けられる場合は、このプリント配線板36と同様に(もし、設けられるならば)支持板の開口にも受容される突出構造48bを設け、これによりパッケージ20bの所望の位置決めがなされ、また突出構造48bが他側に延びる。既述した如く、パッケージ20bが支持板に直接取付けられる場合は、突出構造48bは、それがプリント配線板及び支持板或いはそのいずれか一方の他側に延びるように、パッケージ20bの底面46bからそれほど突出する必要がない。
【0073】
説明した他のパッケージと同じように、図15に示すパッケージ20bのベース22bの底面46bに位置決めボス54bを設け、パッケージ20bが取付けられたときに位置決めボス54bが対応する開口に受容されてパッケージ20bの位置決めをすることが好ましい。図12乃至図15に示すパッケージ20bの部品は前述のパッケージ20、20aの対応する部品と同じ材料で形成されることが好ましい。例えば、相互接続部26bは相互接続部26及び26aと同じ材料から形成されるのが好ましい。
【0074】
図9及び図13に示すパッケージ20a及び20bの組立及び取付に関しては、図1のパッケージ20に関連して説明したのと実質的に同じ組立及び取付工程が採用される。
【0075】
説明したように、本発明によるパッケージは本発明の範囲から逸脱することなく、プリント配線板の表面に、また支持板或いは実質的に他のどんな基板にも直接取付けるように構成することができる。
【0076】
本発明の実施形態について図示して説明したが、添付の請求の範囲の精神から逸脱することなく、当業者にとって種々の変形変更が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施の形態によるパッケージされた集積回路の斜視図
【図2】図1に示すパッケージされた集積回路の分解斜視図
【図3】図1に示すパッケージされた集積回路の斜視図であり、プリント配線板に取付けられた集積回路を示す
【図4】取付けられたパッケージされた集積回路を、支持板の下側から見た、図3と同様の斜視図
【図5】図1に示すパッケージされた集積回路の斜視図であり、ばねクリップ及びカバーを取り外して、パッケージされた集積回路の内部の露出した部品を示す
【図6】図1に示すパッケージされた集積回路のベースの上部の斜視図
【図7】図1のパッケージされた集積回路のベースの底部の斜視図
【図8】図1に示す、パッケージされた集積回路の相互接続部の、図5の8−8線に沿う断面図
【図9】本発明の別の実施形態による、パッケージされた集積回路の斜視図
【図10】支持板の下側から見た、取付けられた、パッケージされた集積回路の、図9と同様な斜視図
【図11】図9に示すパッケージされた集積回路の斜視図であり、ベースからばねクリップと、カバーを取り外した、パッケージされた集積回路の内部の露出した部品を示す
【図12】図9に示すパッケージされた集積回路の底部の斜視図
【図13】本発明の他の実施形態による、取付けられた、パッケージされた集積回路の斜視図
【図14】図13に示すパッケージされた集積回路の斜視図であり、ばねクリップとカバーがベースから外され、パッケージされた集積回路の内部の露出した部品を示す
【図15】図13に示すパッケージされた集積回路の底部の斜視図
【符号の説明】
20、20a、20b パッケージされた集積回路
22、22a、22b ベース
24、24a、24b カバー
26、26a、26b 相互接続部
28、28a ばねクリップ(圧力クリップ)
32、32a、32b 集積回路
38 導電トレース
40 支持板
44、44a、44b 導波管ポート
48、48a 突出構造
50 開口
52 位置決め構造
54、54a、54b 位置決めボス
58 導電層
60、62 絶縁層
64 誘電体共振器
66、66a 壁
68 遮蔽領域

Claims (18)

  1. 基板に取付け可能なベースを有し、該ベースは少なくとも1つの導波管ポートを含み且つ集積回路に電気的に接続される少なくとも1つの相互接続部を有し、前記ベース上に更に少なくとも1つの突出構造を有し、該突出構造が前記導波管ポートを形成し、前記ベースが前記基板に取り付けられる際、該突出構造が前記基板を支持するプレートの開口に挿入されることを特徴とするパッケージされた集積回路を基板に取り付けてなる実装体。
  2. 前記突出構造が前記ベースと一体であることを特徴とする請求項1記載の実装体。
  3. 前記集積回路が、ガラス基板に搭載されたミリメータ波回路を有することを特徴とする請求項1記載の実装体。
  4. 前記ベースが前記基板に取り付けられる際、前記基板上の導電トレースに前記集積回路を電気的に相互接続するよう構成されたポリイミドコネクタを前記相互接続部が有することを特徴とする請求項1記載の実装体。
  5. 前記ポリイミドコネクタは、複数の導電トレースを有する導電層の両側にポリイミド誘電体絶縁層を有することを特徴とする請求項4記載の実装体。
  6. 前記ポリイミドコネクタが、前記ベースの端縁に接着されていることを特徴とする請求項4記載の実装体。
  7. 前記ベースの両端に接着された1対のポリイミドコネクタを、更に有することを特徴とする請求項4記載の実装体。
  8. 前記ベースと係合するカバーを更に含み、それにより実装体内に集積回路を収容することを特徴とする請求項1記載の実装体。
  9. 前記集積回路が、誘電体共振器を含むことを特徴とする請求項8記載の実装体。
  10. 前記カバーが前記ベースと接触するとき、前記カバーは遮蔽領域を形成する少なくとも1つの壁を含むことを特徴とする請求項9記載の実装体。
  11. 前記基板の少なくとも1つと係合可能な圧力クリップと、前記基板を支持する支持板であって、前記パッケージされた集積回路の前記カバーと係合可能な支持板とを更に有し、これにより前記パッケージされた集積回路を取り付けることを特徴とする請求項8記載の実装体。
  12. 前記圧力クリップ及び前記相互接続部が、前記パッケージされた集積回路が取り付けられたとき、前記圧力クリップが前記相互接続部と接触して前記相互接続部を押圧して前記基板と電気的に接触するように形成されていることを特徴とする請求項11記載の実装体。
  13. 前記ベースが、前記圧力クリップを前記相互接続部に対して位置決めするための少なくとも1つの位置決め構造を含むことを特徴とする請求項12記載の実装体。
  14. 前記カバー及び前記ベースが、金属からなることを特徴とする請求項8記載の実装体。
  15. 前記カバー及び前記ベースが、粉末金属押出鋳込工程により成形されてなることを特徴とする請求項8記載の実装体。
  16. 前記パッケージされた集積回路が取り付けられるとき、該パッケージされた集積回路を位置決めするための少なくとも1つのボスを前記ベース上に有することを特徴とする請求項1記載の実装体。
  17. 前記突出構造が、少なくとも1つの導波管ポートを含むことを特徴とする請求項1記載の実装体。
  18. 誘電体共振器を含むミリメータ波回路と、
    基板に取付け可能なベースであって、該ベースは前記ミリメータ波回路をその上に有し、該ベースは、少なくとも1つの導波管ポート、及び前記ミリメータ波回路に電気的に接続されると共に、該ベースが取り付けられたときに前記基板に電気的に接続可能な複数の相互接続部を有し、前記導波管ポートが、前記ベースが取り付けられたときに前記基板及び前記基板を支持する支持板の少なくとも1つの開口に挿入されるよう構成され、前記各相互接続部が、前記ベースの一端縁に配置されるとともにポリイミド絶縁層間に配置された導電層を含んでなるベースと、
    前記ベースと接触し、前記誘電体共振器を遮蔽する領域を形成する少なくとも1つの壁を含むカバーと、
    を有することを特徴とするパッケージされた集積回路を基板に取り付けてなる実装体。
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