JP2616698B2 - 複合高周波回路モジュール - Google Patents

複合高周波回路モジュール

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JP2616698B2
JP2616698B2 JP6124524A JP12452494A JP2616698B2 JP 2616698 B2 JP2616698 B2 JP 2616698B2 JP 6124524 A JP6124524 A JP 6124524A JP 12452494 A JP12452494 A JP 12452494A JP 2616698 B2 JP2616698 B2 JP 2616698B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複合高周波回路モジュー
ルに係り、特にマイクロ波帯やミリ波帯の通信機器に用
いられる、集中定数回路や分布定数回路が搭載された複
合基板を用いた高周波回路モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、多層の誘電体基板の中層より
上の部分に形成したキャビティに機能素子を実装した構
造の複合高周波回路モジュールが知られている(特願平
4−291031号)。図7はこの従来の複合高周波回
路モジュールの一例の斜視図、図8は図7の部分拡大斜
視図を示す。両図に示すように、多層の誘電体基板30
の上層と下層に導体膜が形成され、中層に機能素子間を
接続するためのパターンが形成されてストリップ線路3
2を構成し、その周囲に狭ピッチのビアホール33が配
置されてシールド構造とされている。
【0003】また、機能素子が実装される部分の中層よ
り上の部分が除去されてキャビティ36を構成し、この
キャビティ36の内部に機能素子34が実装されてい
る。この機能素子34はボンディングワイヤ37にて中
層パターンと電気的に接続され、また、機能素子34の
上面には金属製のシールキャップ31により封止されて
いる。
【0004】また、モノリシック・マイクロ波集積回路
(MMIC)などの発熱量の大きな機能素子34には、
図8に示すように、放熱経路を確保するために当該機能
素子34の実装面より下層の間に金属製のビアホール3
5が形成されている。
【0005】また、他の従来の複合高周波回路モジュー
ルとして、図9に示すように導波管を用いた回路モジュ
ールも知られている(特開平3−212008号公
報)。この高周波回路モジュールは、互いに直交する断
面図の図9(A)及び(B)に示すように、機能素子を
実装した誘電体基板40の下面にマイクロストリップラ
イン型のアンテナパターン41を設けてマイクロ波回路
モジュールとした上で、上部に開口部がある導波管42
の開口部に取り付け、マイクロ波回路モジュールの基板
40の下面と導波管42の非開口部の導体面とを接触さ
せて導波管42と接続する構造である。
【0006】更に、他の従来の複合高周波回路モジュー
ルとして、図10に示すように上下分割した導波管を用
いた回路モジュールも知られている(特開昭63−16
9801号公報)。この高周波回路モジュールは、導波
管50を下側の導波管半体51と上側の導波管半体52
とに分割し、上側の導波管半体52の管側壁の外側面に
MICモジュール53を直接実装し、金属製のカバー5
4、55を取り付け、下側の導波管半体とを組み合わせ
た構造である。これは、カバー55の内部にカバー54
が取り付けられることにより、マイクロ波帯で使用して
も、カバー55内に導波管モードの伝搬が発生しないよ
うにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
の複合高周波回路モジュールのうち図7及び図8に示し
た複合高周波回路モジュールは、多層の誘電体基板30
の上層と下層にグランド層を設け、その間を狭ピッチの
ビアホール33で接続することにより、シールドを確保
する構造であるため、周波数が高い領域になって波長が
短くなると、ビアホール33のピッチを更に狭くしてい
く必要がある。しかし、ビアホール33のピッチは、基
板製造技術による限界があるため、シールド効果が確保
できなくなってくる。
【0008】また、上記の従来の複合高周波回路モジュ
ールでは、機能素子間の接続に、上下がグランド面とな
っているトリプレート構造のストリップ線路32を用い
ているため、線路損失が問題となる。線路損失はストリ
ップ線路32自身の導体損失と基板材料の誘電損失で決
まるが、周波数が高くなると誘電損失が大きくなる傾向
にあるのと、高周波電流の表皮効果により見掛け上導体
抵抗が増加して導体損失も増加するので、全体として周
波数が高くなるのに比例して線路損失が増大する。これ
に関連して発振器を構成している共振器のQ値が下が
り、発振器の位相雑音は劣化する。
【0009】更に、上記の従来の複合高周波回路モジュ
ールでは、機能素子34とストリップ線路32との接続
をボンディングワイヤによる接続を用いているが、機能
素子34を実装する面と接続すべき線路とが同一平面上
にあるため、ボンディングワイヤ長は通常のMIC実装
よりも長くなり、ワイヤ長によるインダクタンスの増大
により高周波的に整合がとれにくくなる。よって、基板
側に整合用のパターンを形成するが、そうすると、MM
ICが持っている使用可能周波数帯域を狭めることとな
り、MMICが本来持っている広帯域特性を損なう。
【0010】また、更に上記の従来の複合高周波回路モ
ジュールでは、発熱量の大きな素子を実装する場合、中
層と下層の間に金属体が充填されたビアホール33を配
置して放熱経路を作るが、前述したように、形成できる
ビアホール33のピッチには基板製造技術による限界が
あるため、実現できる熱抵抗には限界がある。
【0011】一方、図9及び図10にそれぞれ示した従
来の複合高周波回路モジュールでは、いずれも別に製作
した導波管に回路モジュールを組み込む構造となってい
るため、小型化に限界がある。また、放熱が考慮されて
いないため、発熱量の大きな機能素子を実装するときに
放熱が問題となる。
【0012】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
高周波数領域において伝送線路の損失を低下すると共
に、機能素子との接続時の電気的特性を向上し得る複合
高周波回路モジュールを提供することを目的とする。
【0013】また、本発明の他の目的は放熱性を向上し
た複合高周波回路モジュールを提供することにある。
【0014】更に、本発明の他の目的は小型化を実現し
た複合高周波回路モジュールを提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、上層と下層それぞれグランド面形成さ
れた多層の誘電体基板と、誘電体基板の所望位置の上層
から下層までをくり抜いて形成され、かつ、内面が金属
化加工処理を施された貫通キャビティと、貫通キャビテ
ィの上面と下面のそれぞれに取り付けられて該貫通キャ
ビティを閉空間の導波管構造とする導体板と、誘電体基
板の所定位置に搭載された機能素子と、導波管構造と機
能素子とを電気的に接続するために、導波管構造内と機
能素子との間に形成された接続回路とを有する構成とし
たものである。
【0016】 また、本発明の機能素子は誘電体基板の
所定位置の中層より上の誘電体を除去して形成され、か
つ、内面が金属化加工処理を施されたキャビティ内に配
置されると共に、中層のグランドパターンと上層のグラ
ンド面と電気的に接続され、共にグランド面を構成す
ことが、導波管と機能素子とを一体化して複合化する
点で好ましい。
【0017】 また、本発明の接続回路は、導波管構造
内に形成されたアンテナパターンと、アンテナパターン
と機能素子との間に形成されたコプレーナ線路による伝
送線路と、伝送線路の周囲で、かつ、前記誘電体基板の
上層のグランド面から下層のグランド面までに面方向及
び層方向共に千鳥状に形成された複数のビアホールと、
複数のビアホールの上面及び下面に形成された導体パタ
ーンとによる電磁シールド壁とより構成することが、不
要な部分への電磁界放射を抑え、更に一つのビアホール
あたりの開口面積を小さくすることができる点で好まし
い。
【0018】また、本発明の機能素子は、接続パッドに
金属製の突起を有し、その突起が誘電体基板のパターン
と直接接続される構造であることが、ボンディングワイ
ヤによる接続と比較して接続部分のインダクタンス成分
を減らして整合の良い接続ができる点で、好ましい。
【0019】また、本発明の機能素子は、その機能素子
とキャビティ内の中層のグランドパターンとの間に充填
された熱硬化性の樹脂により固定されることが、機能素
子と誘電体基板の熱膨張係数の違いによる応力発生に対
して強度を持たせることができる点で、望ましい。
【0020】また、本発明の機能素子は、そのグランド
パターン接続側表面と反対側の表面が、弾力性及び熱伝
導性を有する放熱シートを介してキャビティの開口部を
閉塞する放熱用シールキャップの内面に密着固定され、
また、機能素子のグランドパターン接続側表面と反対側
の表面が、弾力性及び熱伝導性を有する第1の放熱シー
ト、キャビティの開口部を閉塞する平坦なシールキャッ
プ、及び弾力性及び熱伝導性を有する第2の放熱シート
を順次に介してヒートシンクと一体化した外部筐体の内
壁に密着固定されることが、発熱量が大きな機能素子の
放熱経路を十分に確保することができる点で、好まし
い。
【0021】また、本発明の誘電体基板は、その下層の
下に表面実装部品が搭載された一つ以上の層が一体的に
設けられてなることが、複合高周波回路モジュールの実
装上の点で望ましい。
【0022】更に、本発明の誘電体基板の前記貫通キャ
ビティのうち端部が層方向に除去された貫通キャビティ
に取り付けられた断面L字状の金属製のシールキャップ
と、シールキャップの前面よりシールキャップによるキ
ャビティ開口径と同等の径で、かつ、開口面と連続する
角穴を有する金属板とを取り付けられてなる構成とする
ことが、外部の導波管との接続の点で、望ましい。
【0023】また更に、本発明の誘電体基板のうちの所
望の貫通キャビティと前記導体板とにより空胴型の共振
器構造を構成し、共振器構造と機能素子のうちの発振素
子とを前記接続回路を介して接続して発振器を同一の誘
電体基板上に構成することが、位相雑音が低く、また温
度に対する発振周波数安定度の高い発振器を構成できる
点で、望ましい。
【0024】
【作用】本発明では、上層と下層がそれぞれグランド面
に形成された多層の誘電体基板の所望位置に貫通キャビ
ティを形成し、この貫通キャビティの上面と下面のそれ
ぞれに導体板を取り付けて導波管構造とし、この導波管
構造と機能素子とを接続回路を介して電気的に接続して
いるため、機能素子間の接続にストリップ線路でなく導
波管構造と接続回路により接続することができる。ま
た、誘電体基板に導波管と機能素子とを一体化して多数
の機能素子を複合化する構造とすることができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。図
1(A)、(B)はそれぞれ本発明の一実施例の縦断面
図、斜視図を示す。同図(A)において、誘電体基板1
は多層に重ね合わされた基板で、熱膨張係数の低い材
料、例えば低温焼成ガラスセラミックにより構成されて
おり、上層と下層にそれぞれグランド面2が形成されて
いる。また、誘電体基板1の中層には、MMIC等の機
能素子を実装するためのパターン3及び導波管へ信号を
伝達するためのコプレーナ線路4、アンテナ5等が形成
されている。
【0026】次に、この誘電体基板1は導波管となる部
分において、上層から下層までの誘電体をすべてくり抜
いて貫通キャビティ6が形成され、また、機能素子が実
装される部分には中層が露出するように、中層より上の
誘電体が除去されてキャビティ7が形成される。
【0027】次に、このキャビティ7の中層におけるグ
ランド面を除いた他の部分にマスキングを施して、キャ
ビティ6及び7の内面を抵抗率の低い材料で金属加工を
施す。金属化加工については、導電性のペーストを塗布
して焼成する方法や、メッキ法による形成が可能であ
る。また、上記の抵抗率の低い材料としては、金や銀な
どがあり、平坦性を重視する場合は金ペーストが有利で
あり、価格の点では銀ペーストが有利である。こうし
て、内面が金属化加工処理されたキャビティ6及び7
は、上層及び下層に形成されたグランド面2と電気的に
接続され、一体化する。この金属化加工処理により、キ
ャビティ6及び7内の電磁シールドとする。
【0028】また、キャビティ6と7の間は図1(B)
の斜視図に示すように、コプレーナ線路4による伝送線
路が用いられているが、この電磁シールドはコプレーナ
線路4の側面を金属化処理できないため、図2に示す方
法で電磁シールドを確保する。図2(A)は電磁シール
ドを形成するためのビアホールの縦断面図、同図(B)
はビアホールの横断面図、同図(C)はこのシールド構
造を含む伝送線路の縦断面図を示す。
【0029】積層した時に図2(A)、(B)にそれぞ
れ示す如く、ビアホール8が誘電体基板1の縦断面と横
断面のそれぞれにおいて、互い違いとなるように、複数
個上層グランド面2から下層グランド面2まで千鳥状に
穿設形成される。そして、積層した後に、各層のビアホ
ール8同士で電気的な接続がなされるように、図2
(A)に示すように、ビアホール8の上面と下面に導体
パターン9が形成される。これにより、開口部がメッシ
ュ状に形成されることとなり、一開口部あたりの面積が
小さくなるため、高い周波数に対するシールド効果を高
めることができる。更に、伝送線路は、図2(C)に示
すように、中心導体10とその左右にグランドパターン
11とを形成してコプレーナ線路構造とされ、電磁界放
射成分が小さくなるようになされる。
【0030】このようにして作られた誘電体基板1の導
波管線路にあたるキャビティ6の上面及び下面に、図1
(A)、(B)に示すように、導体板であるシールキャ
ップ12が取り付けられ、金属閉空間を形成することに
より導波管線路が実現される。
【0031】次に、MMIC等の機能素子13が実装さ
れる。まず、MMIC等の機能素子13の表面に形成さ
れている接続パッドに金属製の突起14が図1(A)に
示すように形成される。これは公知のTAB(Tape
Automated Bonding)等に使われ
る、バンプ形成技術をそのまま用いることができる。続
いて、金属製の突起14が誘電体基板1に電気的接続さ
れるように、機能素子13の突起14が形成されている
表面を下向きにして図1(A)に示すように、誘電体基
板1のキャビティ7内のパターンに直接接続する。この
とき、機能素子13の表面に形成された突起14が、中
層のパターン3に電気的に接続されるように、補助的な
ロウ材を誘電体基板1側に供給することもできる。
【0032】このように、本実施例では、機能素子13
が金属製の突起14を用いて誘電体基板1と接続するた
め、ボンディングワイヤによる接続と比較して接続部分
のインダクタンス成分を減らして整合の良い接続が可能
となり、基板1側に整合用のパターンを設ける必要がな
くなり、整合のため動作可能帯域を狭めることがない。
【0033】次に、MMIC等の機能素子13が実装さ
れたキャビティ7の上面の開口部が、図1(A)、
(B)に示すように、金属製のシールキャップ15によ
り閉塞される。このとき、機能素子13が発熱量が大き
なMMIC等である場合は、機能素子13の裏面に、低
硬度、かつ、熱伝導性の高い放熱用シート16を取り付
け、また、上記の金属製のシールキャップ15は放熱効
果を高めるために、ひだのついた構造とされ、それらが
密着するように実装される。
【0034】これにより、誘電体基板1そのものに放熱
のためのビアホールを形成することなく放熱経路を確保
することができ、また放熱面積も従来よりも大きくでき
るため、放熱効果を高めることができる。なお、上記の
放熱用シート16としては、例えば信越化学株式会社の
TCKシリーズのシリコン系ラバーを使用し得る。
【0035】なお、機能素子13のキャビティ7内への
実装後に、誘電体基板1と機能素子13との熱膨張係数
の違いによる応力発生に対して強度を持たせるために、
誘電体基板1の中層の素子実装面と機能素子13との隙
間に、図3に示すように、熱硬化性の樹脂17を流し込
んで固定するようにしてもよい。なお、図3中、図1
(A)、(B)と同一構成部分には同一符号が付してあ
り、また18は誘電体基板1の中層のランドである。
【0036】また、誘電体基板1の下層の下に一つ以上
の層を追加して、低周波信号及び電源配線層を施し、そ
の最下層表面に、表面実装部品を載せるためのランドを
形成して、そこに図1(A)に28で示す如く表面実装
部品を誘電体基板1と一体化で実装するようにしてもよ
い。
【0037】次に、外部との接続構造が図5(A)、
(B)に示す如く形成される。図5(A)は外部の導波
管との信号接続構造の断面図、同図(B)はその斜視図
を示す。上記のようにして作成された回路モジュールの
高周波信号の外部との接続部分となるキャビティ6の誘
電体基板1の端部の壁を取り除いた後、他のキャビティ
6及び7と同様に、内面が金配線と同等程度の抵抗率の
低い材料で金属化処理が行われる。
【0038】続いて、このキャビティ6の上下に図5
(A)、(B)に示すように、断面形状がL字形に加工
された金属製のシールキャップ20が取り付けられ、そ
の全面よりキャビティ6の開口径と同等で、その開口面
と連続するような角穴28を持つ金属製の板21が導電
性のロウ材で接着される。これにより、外部との接続構
造として直接導波管と接続できる。
【0039】次に、上記のようにして製作された複合高
周波回路モジュールに組み込まれる、発振器の一例につ
いて説明する。図6(A)、(B)はそれぞれ上記の発
振器の一例の縦断面図及び斜視図を示す。図6(A)、
(B)に示すように、誘電体基板1の上層から下層まで
をすべてくり抜いて3方向を囲まれたキャビティを形成
した後、その内面を金配線と同程度の抵抗率の低い材料
で金属化加工を施し、キャビティの上面及び下面に導体
板であるシールキャップ12を取り付けて金属閉空間を
形成することにより、Q値の高い空胴型の共振器22が
形成される。
【0040】この共振器22は内部に他のキャビティと
同様に組み込まれたアンテナ23により、発振素子であ
るトランジスタ24と電気的に接続されて発振器を構成
する。この発振器の発振周波数は共振器22により定め
られる。これにより、Q値の高い空胴型の共振器22を
用いた発振器を構成するため、位相雑音等の低い発振器
を構成することができる。この空胴共振器の一部を形成
している誘電体基板1の材料の低温焼成ガラスセラミッ
クは半導体実装のために熱膨張率が4ppm/°C程度
であり、金属等の熱膨張率と比較するとずっと少ないた
め、この空胴共振器は温度に対する発振周波数安定性が
金属のそれよりも良い。
【0041】このように、本実施例では機能素子13間
の接続に従来のストリップ線路を用いた伝送線路の代わ
りに、内面が金属化処理されたキャビティ6を導波管構
造により接続するため、ミリ波等の高周波数領域におい
て誘電体基板1の誘電損による損失を低減することがで
きる。
【0042】また、機能素子13が実装される面は、そ
の内側の側面が金属化処理された、従来のビアホールに
よるシールドより、ミリ波等に対する電磁シールド効果
を確保することができる。また、機能素子13と導波管
をつなぐ伝送線路には、コプレーナ線路4を用いること
により、不要な部分への電磁界放射を抑え、更に線路側
面に千鳥状にビアホール8を配置して、開口面積を小さ
くし、周波数の高い領域の電磁シールド効果が向上され
る。
【0043】また、本実施例は、誘電体基板1に導波管
と機能素子13を一体化して多数の機能素子を複合化す
る構造なので、従来の導波管と基板が分離している構造
のものに比較して、回路モジュール全体の小型化を図る
ことができる。
【0044】なお、本発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えば図4に示す縦断面図の構成として
もよい。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付
し、その説明を省略する。図4の回路モジュールは、前
記ひだ付きのシールキャップ15に代えて、機能素子1
2の上面をシール16、平面状のシールキャップ25、
放熱シート26を介して外部筐体27の内壁に密着する
ことにより、外部筐体27への放熱経路を確保した構造
である。上記の外部筐体27はヒートシンクと一体化さ
れた構造である。この構成によれば、放熱面積が一層大
きくなるため、より一層放熱効率を向上することができ
る。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
機能素子間の接続にストリップ線路でなく導波管構造と
接続回路により接続するようにしたため、ミリ波等の高
周波数領域において誘電体基板の誘電損による損失を低
減することができる。また、接続回路としてコプレーナ
線路を用い、更にコプレーナ線路側面に千鳥状に複数の
ビアホールを配置しているため、周波数の高い領域にお
ける電磁シールド効果を向上することかできる。
【0046】また、本発明では機能素子を金属製の突起
を用いて誘電体基板のパターンと接続することにより、
ボンディングワイヤによる接続と比較して接続部分のイ
ンダクタンス成分を減らして整合の良い接続ができるよ
うにしたため、誘電体基板側に整合用のパターンを設け
る必要がなくなり、整合により動作可能帯域が狭まるこ
とを防止できる。
【0047】また、本発明では誘電体基板に導波管と機
能素子とを一体化して多数の機能素子を複合化する構造
としているため、導波管と誘電体基板が分割している従
来の回路モジュールに比し、回路モジュール全体の小型
化を図ることができる。更に、本発明では、シールキャ
ップの方に放熱経路を確保するようにしているため、放
熱面積を大きくでき、よって放熱性を改善することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の縦断面図及び斜視図であ
る。
【図2】本発明の一実施例におけるビアホール及び伝送
線路の断面図である。
【図3】本発明の一実施例の要部の説明図である。
【図4】本発明の他の実施例の縦断面図である。
【図5】本発明の一実施例の外部の導波管との信号接続
構造説明用断面図及び斜視図である。
【図6】本発明の一実施例に組み込まれる発振器の一例
の断面図及び斜視図である。
【図7】従来の一例の斜視図である。
【図8】図7の部分拡大斜視図である。
【図9】導波管を用いた従来の回路モジュールの一例の
縦断面図である。
【図10】導波管を用いた従来の回路モジュールの他の
例の斜視図及び断面図である。
【符号の説明】
1 誘電体基板 2 グランド面 3 パターン 4 コプレーナ線路 5 アンテナ 6、7 キャビティ 8 ビアホール 9 導体パターン 10 中心導体 11 グランドパターン 12、15、20、25 シールキャップ 13 機能素子 14 突起 16、26 放熱シート 17 熱硬化性樹脂 21 金属板 27 筐体

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上層と下層それぞれグランド面形成
    された多層の誘電体基板と、 該誘電体基板の所望位置の上層から下層までをくり抜い
    て形成され、かつ、内面が金属化加工処理を施された貫
    通キャビティと、 該貫通キャビティの上面と下面のそれぞれに取り付けら
    れて該貫通キャビティを閉空間の導波管構造とする導体
    板と、 前記誘電体基板の所定位置に搭載された機能素子と、 前記導波管構造と機能素子とを電気的に接続するため
    に、該導波管構造内と機能素子との間に形成された接続
    回路とを有することを特徴とする複合高周波回路モジュ
    ール。
  2. 【請求項2】 前記機能素子は、前記誘電体基板の所定
    位置の中層より上の誘電体を除去して形成され、かつ、
    内面が金属化加工処理を施されたキャビティ内に配置さ
    れると共に、該中層のグランドパターンと前記上層のグ
    ランド面と電気的に接続され、共にグランド面を構成
    することを特徴とする請求項1記載の複合高周波回路モ
    ジュール。
  3. 【請求項3】 前記接続回路は、前記導波管構造内に形
    成されたアンテナパターンと、該アンテナパターンと前
    記機能素子との間に形成されたコプレーナ線路による伝
    送線路と、該伝送線路の周囲で、かつ、前記誘電体基板
    の上層のグランド面から下層のグランド面までに面方向
    及び層方向共に千鳥状に形成された複数のビアホール
    と、該複数のビアホールの上面及び下面に形成された導
    体パターンとによる電磁シールド壁とよりなることを特
    徴とする請求項1又は2記載の複合高周波回路モジュー
    ル。
  4. 【請求項4】 前記機能素子は、接続パッドに金属製の
    突起を有し、該突起が前記誘電体基板のパターンと直接
    接続されたことを特徴とする請求項1又は2記載の複合
    高周波回路モジュール。
  5. 【請求項5】 前記機能素子は、該機能素子と前記キャ
    ビティ内の中層のグランドパターンとの間に充填された
    熱硬化性の樹脂により固定されてなることを特徴とする
    請求項4記載の複合高周波回路モジュール。
  6. 【請求項6】 前記機能素子は、そのグランドパターン
    接続側表面と反対側の表面が、弾力性及び熱伝導性を有
    する放熱シートを介して前記キャビティの開口部を閉塞
    する放熱用シールキャップの内面に密着固定されてなる
    ことを特徴とする請求項4記載の複合高周波回路モジュ
    ール。
  7. 【請求項7】 前記機能素子は、そのグランドパターン
    接続側表面と反対側の表面が、弾力性及び熱伝導性を有
    する第1の放熱シート、前記キャビティの開口部を閉塞
    する平坦なシールキャップ、及び弾力性及び熱伝導性を
    有する第2の放熱シートを順次に介してヒートシンクと
    一体化した外部筐体の内壁に密着固定されてなることを
    特徴とする請求項4記載の複合高周波回路モジュール。
  8. 【請求項8】 前記誘電体基板は、その下層の下に表面
    実装部品が搭載された一つ以上の層が一体的に設けられ
    てなることを特徴とする請求項6又は7記載の複合高周
    波回路モジュール。
  9. 【請求項9】 前記誘電体基板の前記貫通キャビティの
    うち端部が層方向に除去された貫通キャビティに取り付
    けられた断面L字状の金属製のシールキャップと、該シ
    ールキャップの前面より該シールキャップによるキャビ
    ティ開口径と同等の径で、かつ、開口面と連続する角穴
    を有する金属板とが更に取り付けられてなることを特徴
    とする請求項1記載の複合高周波回路モジュール。
  10. 【請求項10】 前記誘電体基板のうちの所望の貫通キ
    ャビティと前記導体板とにより空胴型の共振器構造を構
    成し、該共振器構造と前記機能素子のうちの発振素子と
    を前記接続回路を介して接続して発振器を同一の誘電体
    基板上に構成したことを特徴とする請求項1記載の複合
    高周波回路モジュール。
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