JP4592930B2 - 板状枠体付きicキャリア - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICモジュールを搭載した小型のICキャリアと板状枠体とを備えた板状枠体付きICキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、携帯電話の加入者識別票SIM(SUBSCRIBER IDENTITY MODULE)等に使用するICキャリアは、小型の基材(15×25mm程度)にCPUやメモリ及び電極などを一体化したICモジュールを搭載したものが使用されている。
そして、携帯電話のユーザは、電話加入権に相当する加入者認識票を取得すれば、共通仕様の携帯電話機にその加入者認識票であるICキャリアを装着して使用できるようになっている。
【0003】
しかし、このICキャリアは、十分に普及しておらず用途が限られているので、多量生産する専用工場を建設するとコストアップにつながる。
また前述した加入者識別票として使用する場合には、封筒に入れて郵送する場合もあるので、封入封緘作業がしずらく、また受け取った加入者も、携帯電話機への装着前に取り扱いを誤って、破損、紛失する恐れがある等の問題がある。
【0004】
このために、図8に示すように、従来の設備を用いてICモジュール21を有するICカード20を作製して、そのICカード20の板状枠体22にスリット部23を複数箇所のブリッジ部24を残して形成し、ICキャリア25の部分のみを取り外して使用することが提案されている。
このようにすれば、カードの製造及び検査設備のみならず、従来のICカードの発行・発送システムがそのまま使用できる。
【0005】
しかしながら、従来の場合には、ICカード20からICキャリア25を取り外す際に、図9に示すように複数箇所のブリッジ部24において、ブリッジ部24の中間付近で切り取られることが多く、板状枠体22から取り外すときに、板状枠体22にブリッジ部24の一部が残存突起として残り、このブリッジ部24の一部の残存突起が原因でICキャリア25を切り取る際に、これに指を引っかけて怪我をする危険性があり問題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ICカードの板状枠体からICキャリアを取り外す際において、板状枠体に残存したブリッジ部に指を引っかけて怪我をすることがないようにした構造を有し、更に不用意に板状枠体からICキャリアが取れることなく、また板状枠体からICキャリアを取り外す際には、簡単な操作で取ることができる板状枠体付きICキャリアを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の板状枠体付きICキャリアは、板状枠体の内側に形成されたICモジュールを有するICキャリアが接続部によって板状枠体に接続されている板状枠体付きICキャリアであって、前記ICキャリアは傾斜状に切り欠いた1の角部を有する略矩形状の形状からなり、他の3方の角部と前記傾斜状に切り欠いた角部を除く4辺に沿ってスリット部が形成され、前記3方の角部と傾斜状に切り欠いた角部には切り取り用ミシン目またはハーフカットによる接続部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の板状枠体付きICキャリアは、板状枠体の内側に形成されたICモジュールを有するICキャリアが接続部によって板状枠体に接続されている板状枠体付きICキャリアであって、前記ICキャリアは傾斜状に切り欠いた1の角部を有する略矩形状の形状からなり、他の3方の角部のうちの1の角部と4辺に沿ってスリット部が形成され、残りの2の角部と傾斜状に切り欠いた角部には切り取り用ミシン目またはハーフカットによる接続部が形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の板状枠体付きICキャリアは、板状枠体の内側に形成されたICモジュールを有するICキャリアが接続部によって板状枠体に接続されている板状枠体付きICキャリアであって、前記ICキャリアは傾斜状に切り欠いた1の角部を有する略矩形状の形状からなり、他の3方の角部を除く4辺と前記傾斜状に切り欠いた角部に沿ってスリット部が形成され、前記3方の角部には切り取り用ミシン目またはハーフカットによる接続部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の板状枠体付きICキャリアの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の板状枠体付きICキャリアに係る第1の実施形態の平面図、図2は、本発明の第1の実施形態におけるICキャリア周辺部を示す一部拡大平面図、図3は、図1のA−A線断面図、図4は、図3に示す状態の板状枠体からICキャリアを取り外した状態を示す断面図、図5は、本発明の第1の実施形態に係る板状枠体からICキャリアを取り外した状態を示す平面図、図6は、本発明の板状枠体付きICキャリアに係る第2の実施形態の平面図、図7は、本発明の板状枠体付きICキャリアに係る第3の実施形態の平面図、図8は、従来の板状枠体付きICキャリアを示す平面図、図9は、従来の板状枠体付きICキャリアからICキャリアを取り外した後の状態を示す平面図である。
【0012】
まず、本発明の板状枠体付きICキャリアの第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至図4に示すように、本発明の板状枠体付きICキャリア1の第1の実施形態は、コアシート2と、コアシート2の両面に設けられたオーバーシート3,4とにより積層されたカード基材5により、このカード基材5のうち外側の枠体である板状枠体6と、この板状枠体6の内部に設けられ必要に応じて、板状枠体6から分離可能に形成したICモジュール7を有するICキャリア8とにより構成されている。
尚、コアシート2とオーバーシート3,4は、塩化ビニル樹脂、PET−G等の樹脂シートからなる。
【0013】
ICキャリア8は、略矩形状を有し、更にその一方の角部が傾斜状に切り欠いた状態を有している。図1においては、ICキャリア8の右下の角部が傾斜状に切り欠いた状態を有している。
そして、ICキャリア8の周縁のカード基材5の所定領域には、スリット部9が4方に形成され、また、ICキャリア8の4つの角部付近にはそれぞれその4個所で板状枠体6と接続されている接続部を有する。
【0014】
そして、ICキャリア8の3方の角部には、カード基材5の板状枠体6側に凹部状をなすように切り取り用のミシン10a,10b,10cが形成され、更に傾斜状に切り欠いた状態を有するICキャリア8の右下の角部では、傾斜状の切り取り用のミシン10dが形成され、板状枠体6からICキャリア8の4方の角部において切り取り可能にしている。
尚、切り取り用のミシン10a,10b,10cは、板状枠体6からICキャリア8を取り外した際に、ICキャリア8の角部が丸みを形成し、しかも凹部状が指の大きさに対して狭い領域で形成されている。
また、切り取り用のミシン10a,10b,10cの代わりにハーフカットを形成してもよい。
【0015】
そして、板状枠体6からICキャリア8を取り外す場合には、図4乃至図5に示すように、ICキャリア8の部分を指で強く押すことによって、ICキャリア8の4方の角部に形成された切り取り用のミシン10a,10b,10c,10dからICキャリア8が切り取られる。
【0016】
この際、ICキャリア8の3方の角部に形成された切り取り用のミシン10a,10b,10cは、板状枠体6側に凹部状で形成されていて、しかもその凹部状が指の大きさに対して狭い領域で形成されているので、ICキャリア8が切り取られた後の接続部に指の表面が触れることがない状態で、板状枠体6からICキャリア8を押し出すことができる。
【0017】
また、ICキャリア8の右下の角部における板状枠体6との接続部に形成された傾斜状の切り取り用のミシン10dを設けることで、板状枠体6に対してICキャリア8を確実に固定させ、少しの押し出しによって直ぐにICキャリア8が外れないようにする効果がある。
しかしながら、傾斜状の切り取り用のミシン10dが形成された部分においては、板状枠体6からICキャリア8を取り外す際に接続部の細かい残存により指を傷つける危険性もあるが、ICキャリア8の3方の角部に形成された切り取り用のミシン10a,10b,10cの部分を最初に切り取ってから、最後にこの傾斜状の切り取り用のミシン10dを切り取ることで、指を傷つけないでICキャリア8を取り外すことができる。
【0018】
板状枠体6から分離したICキャリア8は、図5に示すように、外形の縦寸法Y1が約15.00mm、横寸法X1が約25.00mm程度をしていて、これに縦寸法Y2が約10.6mm、横寸法X2が約12.0mm程度のICモジュール7が搭載されている。
また、このICキャリア8の右下部分には、対象機器への装着時の位置決めとなる切り欠き11が形成され、この切り欠き11の長さZは約3.00mm程度となっている。
【0019】
次にカード基材の材料について述べる。
板状枠体6およびICキャリア8のコアシート2は、塩化ビニルに限らず、PET−G、PBT、アクリル、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂またはこれらの樹脂の組み合わせによるポリマーアロイ樹脂等の各種の硬質樹脂を使用することができる。
【0020】
オーバーシート3,4の材質および厚さは、全光線透過率で測定して80%以上のものが好ましい。
光線透過率の高いものは、目視したときに、透明で印刷絵柄の色調、美観を損なわずに見ることができる。
このようなオーバーシートには、コアシート2との熱融着性が良好である限り、ポリ塩化ビニル、PET−G、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ナイロン、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリプロピレン、ポリビニルブチラール、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂もしくはそれらのポリマーアロイ樹脂を使用することができる。
【0021】
次に、本発明の板状枠体付きICキャリアの第2の実施形態を図6に基づいて説明する。
本発明の第2の実施形態は、前記の第1の実施形態において、ICキャリア8の3方の角部に板状枠体6側に凹部状で形成された切り取り用のミシン10a,10b,10cのうち、ICキャリア8の右上に形成した切り取り用のミシン10aを有する接続部を形成しないで、ICキャリア8の右上の部分を切り欠き状態とした構造を有する。
【0022】
したがって、板状枠体6とICキャリア8とは、ICキャリア8の2方の角部と板状枠体6との接続部において、凹部状で形成された切り取り用のミシン10b,10cと、更にICキャリア8の右下の角部の接続部において形成された傾斜状の切り取り用のミシン10dとにより接続されている。
【0023】
第2の実施形態の板状枠体付きICキャリアにおいて、板状枠体6からICキャリア8を切り外す場合には、ICキャリア8の右上付近の部分を指先で押し出すことで、板状枠体6側に凹部状で形成された切り取り用のミシン10bと傾斜状の切り取り用のミシン10dの部分からそれぞれの接続部が切り取られ、最後に切り取り用のミシン10cが切り取られることで、簡単に板状枠体からICキャリア8を取り外すことができるものである。
【0024】
次に、本発明の板状枠体付きICキャリアの第3の実施形態を図7に基づいて説明する。
本発明の第3の実施形態は、前記の第1の実施形態において、ICキャリア8の右下の角部の傾斜状の切り取り用のミシン10dを設けた接続部を設けないで、図7に示すように切り欠き状態としたものである。
この場合には、ICキャリア8は、ICキャリア8の3方の角部に形成された切り取り用のミシン10a,10b,10cの部分によって板状枠体6と接続されている。
【0025】
尚、図示しないが、ICキャリア8の右上の部分を切り欠き状態とする代わりに、ICキャリア8の左下の部分を切り欠き状態とし、ICキャリア8の右上の部分を切り取り用のミシン10aを形成させた接続部とするように形成してもよい。
【0026】
尚、本発明において、ICキャリア8の外観形状が矩形状でない場合でも適応することができ、その場合には、ICキャリア8と板状枠体との接続部を前記板状枠体側に凹部状をなす切り取り用のミシンを形成することで、板状枠体からICキャリア8を指で押し出して分離させる時に、指の表面が直接に板状枠体の切り取り用のミシン面に触れることがないので、切り取り用のミシン面の残存突起がある場合でも怪我をしないでICキャリア8を抜き取ることができるものである。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の板状枠体付きICキャリアは、ICカードの板状枠体からICモジュールを取り取る際において、板状枠体に残存したブリッジ部に指を引っかけて怪我をすることを防止でき、従来に比べ安全な取り扱いを行えるという効果がある。
更に、略矩形状に形成したICキャリアの3方の角部に接続部を形成することで、ICキャリアを板状枠体から簡単に切り取ることができ便利である。
また、ICキャリアの1方の角部が板状枠体と傾斜状に接続され、前記傾斜状の接続部にICキャリアを前記板状枠体から切り取るための切り取り用のミシンが形成されることで、不用意にICキャリアが板状枠体から取れることを防止できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の板状枠体付きICキャリアに係る第1の実施形態の平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態におけるICキャリア周辺部を示す一部拡大平面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図3に示す状態の板状枠体からICキャリアを取り外した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る板状枠体からICキャリアを取り外した状態を示す平面図である。
【図6】本発明の板状枠体付きICキャリアに係る第2の実施形態の平面図である。
【図7】本発明の板状枠体付きICキャリアに係る第3の実施形態の平面図である。
【図8】従来の板状枠体付きICキャリアを示す平面図である。
【図9】従来の板状枠体付きICキャリアからICキャリアを取り外した後の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 本発明の板状枠体付きICキャリア
2 コアシート
3,4 オーバーシート
5 カード基材
6 板状枠体
7 ICモジュール
8 ICキャリア
9 スリット部
10a,10b,10c,10d 切り取り用のミシン
11 切り欠き
20 ICカード
21 ICモジュール
22 板状枠体
23 スリット部
24 ブリッジ部
25 ICキャリア

Claims (3)

  1. 板状枠体の内側に形成されたICモジュールを有するICキャリアが接続部によって板状枠体に接続されている板状枠体付きICキャリアであって、前記ICキャリアは傾斜状に切り欠いた1の角部を有する略矩形状の形状からなり、他の3方の角部と前記傾斜状に切り欠いた角部を除く4辺に沿ってスリット部が形成され、前記3方の角部と傾斜状に切り欠いた角部には切り取り用ミシン目またはハーフカットによる接続部が形成されていることを特徴とする板状枠体付きICキャリア。
  2. 板状枠体の内側に形成されたICモジュールを有するICキャリアが接続部によって板状枠体に接続されている板状枠体付きICキャリアであって、前記ICキャリアは傾斜状に切り欠いた1の角部を有する略矩形状の形状からなり、他の3方の角部のうちの1の角部と4辺に沿ってスリット部が形成され、残りの2の角部と傾斜状に切り欠いた角部には切り取り用ミシン目またはハーフカットによる接続部が形成されていることを特徴とする板状枠体付きICキャリア。
  3. 板状枠体の内側に形成されたICモジュールを有するICキャリアが接続部によって板状枠体に接続されている板状枠体付きICキャリアであって、前記ICキャリアは傾斜状に切り欠いた1の角部を有する略矩形状の形状からなり、他の3方の角部を除く4辺と前記傾斜状に切り欠いた角部に沿ってスリット部が形成され、前記3方の角部には切り取り用ミシン目またはハーフカットによる接続部が形成されていることを特徴とする板状枠体付きICキャリア。
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Citations (3)

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JPH06199082A (ja) * 1991-10-01 1994-07-19 Gao Ges Autom Org Mbh チップカードおよびその製造方法
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