JP4590764B2 - ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検ガスを感応膜の物性値変化で検出するガスセンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスセンサは特定ガス(水素や二酸化炭素等)を感知するセンサであり、特定ガスにより物性値が変化する感応膜を用いている。そして、物性値としての抵抗、質量、誘電率等が変化することで特定ガスの検出を行う。ガスセンサの備えるべき特徴としては、高い感度、優れた選択性、速い応答速度、高い信頼性等を挙げることができ、他には製造が容易なことや小型であること及び消費電力が小さいこと等も挙げられる。
【0003】
一般に、ガスセンサの感度やガスの選択性は感応膜の温度に大きく依存しているため、感応膜付近にヒータ層を設けて特定温度(300℃〜500℃)まで加熱している。このヒータ層を設けたガスセンサとしては、例えば、特開平11−201929号公報に開示されているものがある。図30は、このガスセンサの概略断面図である。
【0004】
図30に示すように、Si等の基板J1の上に第1の電気絶縁層J2が形成されており、第1の電気絶縁層J2上にヒータ層J3が形成されている。そして、ヒータ層J3上に第2の電気絶縁層J4が形成され、第2の電気絶縁層J4上には、ヒータ層J3と電気的に接続されたヒータ層用電極層J5及び温度センサJ6が形成されている。
【0005】
更にその上に第3の電気絶縁層J7が形成され、第3の電気絶縁層J7上に検出電極J8が形成され、検出電極J8の上に感応膜J9が形成されている。従って、感応膜J9の下に検出電極J8が配置され、更に第2及び第3の電気絶縁層J4、J7を介して温度センサJ6とヒータ層J3が配置されている。
【0006】
このガスセンサでは、ヒータ層J3上に温度センサJ6を設けてフィードバック制御することで感応膜J9の温度を均一にしている。そして、所定の温度における感応膜J9の物性値変化を検出電極J8により検出して、雰囲気のガス種やガス濃度を測定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この様な構成のガスセンサでは、少ない電力で感応膜J9の温度を高くするために感応膜J9のできる限り近くにヒータ層J3を配置しようとして、第2及び第3の電気絶縁層J4、J7を薄くしている。そのため、ヒータ層J3や温度センサJ6のパターンによる凹凸が第2及び第3の電気絶縁層J4、J7上にも凹凸として現われてしまう。その結果、凹凸が形成された面に感応膜J9を形成することになる。
【0008】
そこで、特開平11−201929号公報に記載の技術では、バイアススパッタを用いて第3の電気絶縁層J7を平らに形成する手法を用いているが、検出電極J8の凸凹だけは感応膜J9を形成する面に残ってしまう。
【0009】
この様なガスセンサでは感応膜J9を薄膜で形成するため、感応膜J9を凸凹が形成されている面に形成すると感応膜J9が破断するという問題がある。また、感応膜J9がすぐには破断しなくても、この様に凹凸が形成されている面に感応膜J9が形成されたガスセンサを長期に渡って使用すると、感応膜J9の下に配置されたヒータ層J3の熱膨張によって感応膜J9の表面に亀裂が入る恐れがあり長期信頼性に欠けるという問題がある。
【0010】
また、感応膜J9の下に検出電極J8やヒータ層J3を設けると、検出電極J8やヒータ層J3の間に電気絶縁層を設けなければならない等、多数の層を形成するために工程数が多くなるという問題もある。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、信頼性を向上させることができるガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。また、製造工程数を低減することができるガスセンサの製造方法を提供することを目的とする。
【0046】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、基板(1)の上にヒータ層(3)を形成するヒータ層形成工程と、ヒータ層及び基板の上に第1の電気絶縁層(4)を形成する第1の電気絶縁層形成工程と、第1の電気絶縁層の上に検出電極(6a、6b)を形成する検出電極形成工程と、検出電極を覆うように第1の電気絶縁層の上に第2の電気絶縁層(9a)を形成する第2の電気絶縁層形成工程と、第2の電気絶縁層を検出電極の表面が表出するまで薄肉化して平坦化する平坦化工程と、表出した検出電極を覆うように、平坦化した第2の電気絶縁層の上に被検ガスに反応して物性値が変化する感応膜(5)を形成し、検出電極と感応膜とを電気的に接続する感応膜形成工程とを備えることを特徴としている。
【0047】
これにより、感応膜の物性値変化を検出する検出電極を感応膜の下に設けて、検出電極の周囲に平坦化電気絶縁層を充填した形となるため、検出電極による凹凸を低減し、平坦化された面上に感応膜を形成することができる。従って、感応膜の破断を抑制することができ、信頼性を向上させることができるガスセンサを適切に製造することができる。
【0053】
また、請求項2に記載の発明の様に、請求項1の発明において、基板とヒータ層との間に支持膜(2)を形成する工程と、基板における感応膜形成面とは反対側の面に、感応膜の下方に相当する部位に開口部(11a)を有するマスク(11)を形成するマスク形成工程と、基板をマスクを介してエッチングすることにより、開口部に対応した領域に空洞部(8)を形成する空洞部形成工程とを備えるようにしてもよい。
【0055】
この場合、請求項3に記載の発明では、マスク形成工程において、開口部のうち所望の部位(11b)がマスクされた形状のマスクを形成し、空洞部形成工程において、基板をマスクを介してエッチングすることにより空洞部を形成すると共に空洞部の底面の一部を残すことを特徴としている。
【0056】
これにより、空洞部の底面で残った部位が突出部となるガスセンサを適切に製造することができる。
【0057】
また、請求項4に記載の発明では、請求項2又は3の発明において、ヒータ層のパッド部(7c、7d)と検出電極のパッド部(7a、7b)を形成するパッド部形成工程と、パッド部形成工程の後に、感応膜及びパッド部の上に特定ガスのみ透過するフィルター(12)を形成するフィルター形成工程と、空洞部形成工程の後に、パッド部の上のフィルターを除去する工程とを備えることを特徴としている。
【0058】
これにより、被検ガスの選択性が向上したガスセンサを適切に製造することができる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の発明における感応膜形成工程において、感応膜の厚さが3nm以上12nm以下となるように感応膜を形成することを特徴とする。
このように、感応膜を薄くすることにより、被検ガスの感応膜における膜内拡散を抑制して応答速度を向上させることができる。
【0059】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0060】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図に示す実施形態について説明する。図1は本実施形態のガスセンサの上面図であり、図2は、図1におけるA−A断面の概略図である。
【0061】
図2に示すように、基板1の上に支持膜2が形成されている。この基板1としては、例えばSi等からなる半導体基板を用いている。また、支持膜2はシリコン酸化膜とシリコン窒化膜を層状に積層してなる。
【0062】
また、支持膜2の上にはヒータ層としてのヒータ電極3が形成されている。ヒータ電極3は後述の感応膜5を例えば500℃程度に温めるためのものであり、発熱し易くするためにできるだけ幅を細くして長さを長くしている。また、感応膜5を均一に温めるために感応膜5の直下全体に相当する領域にヒータ電極3を配置している。
【0063】
具体的には、感応膜5の直下となる領域に蛇行状にヒータ電極3を配置している。また、ヒータ電極3の両端は基板1の周辺部まで伸ばされている。ここで、ヒータ電極3は、PtやAu等の貴金属物質、又はRuO2やポリシリコン等で構成することができる。
【0064】
また、ヒータ電極3及び支持膜2の上にはヒータ用電気絶縁層4が形成されている。このヒータ用電気絶縁層4はシリコン酸化膜とシリコン窒化膜を組み合わせた膜である。理想的には、ヒータ電極3に対して対称になるように支持膜2とヒータ用電気絶縁層4とを構成するとよい。これは、次のような理由による。なお、対称とは、例えば支持膜2をシリコン窒化膜の上にシリコン酸化膜を積層することで構成した場合は、ヒータ用電気絶縁層4をシリコン酸化膜の上にシリコン窒化膜を積層することで構成することを示す。
【0065】
支持膜2やヒータ用電気絶縁層4は、後述のように基板1に形成された空洞部8上に配置されて架空状態となっているため、ヒータ電極3によって支持膜2やヒータ用電気絶縁層4が温められることにより、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜の熱膨張の程度の差から支持膜2やヒータ用電気絶縁層4が撓むことがある。
しかし、支持膜2とヒータ用電気絶縁層4を対称に形成すればこの撓みを抑制することができる。
【0066】
また、ヒータ用電気絶縁層4の上面は平坦になっている。平坦にするためには、ヒータ用電気絶縁層4をCMP(Chemical Mechanical Polishing)等により研磨したり、ヒータ用電気絶縁層4を形成する時に平らになるように雰囲気の圧力や温度、ガスの組成比等の条件を設定したりするとよい。また、スピンオンガラス等を用いて平坦になるようにしてもよい。
【0067】
ヒータ用電気絶縁層4の上には、後述の感応膜5の物性値変化を検出する検出電極6a、6bが形成されている。本実施形態では、感応膜5の物性値変化として抵抗値変化を測定する。この検出電極6a、6bは一対設けられており、各々の検出電極6a、6bは櫛歯状に形成され、ガスセンサの上方から見た場合に蛇行状に配置されたヒータ電極3の間に検出電極6a、6bの櫛歯部分が配置された状態となっている。そして、各々の検出電極6a、6bの端部は基板1の周辺部に向けて延設されて、各々の検出電極6a、6bの端部において検出電極用パッド部7a、7bが形成されている。
【0068】
この検出電極6a、6bとしては、PtやAu等の貴金属、WやTi等の金属或はAl(アルミニウム)等からなるものを用いることができる。また、これらの合金でも良い。また、検出電極用パッド部7a、7bとしては例えばAlやAu等を用いることができ、後述のように検出電極用パッド部7a、7bに形成されるボンディングワイヤと密着強度のある材料を使用する。
【0069】
また、ヒータ用電気絶縁層4の上において、検出電極6a、6bの表面を表出した状態で検出電極6a、6bの非形成領域に平坦化電気絶縁層9が形成されている。また、この平坦化電気絶縁層9の表面はヒータ用電気絶縁層4から表出した検出電極6a、6bの表面を含めて平坦化されている。
【0070】
つまり、検出電極6a、6bの表面と平坦化電気絶縁層9の表面とが同一面上にあるように、検出電極6a、6bの周囲に平坦化電気絶縁層9が充填されている。この平坦化電気絶縁層9は、例えばシリコン酸化膜とシリコン窒化膜等を組み合わせた膜を用いることができる。
【0071】
また、平坦化電気絶縁層9の上に検出電極6a、6bの表面と当接して感応膜5が平坦に形成されている。この感応膜5は、被検ガスに反応して抵抗値が変化するものである。具体的には、感応膜5としては、SnO2、TiO2、ZnO及びIn2O3等の酸化物半導体からなるものを用いることができる。また、感応膜5は数nm程度の厚さで成膜するとよい。具体的には、感応膜5の厚さを3nm以上12nm以下にすると好ましい。
【0072】
この様に感応膜5の厚さを薄くすることにより、被検ガスが感応膜5の内部に拡散すること(膜内拡散)を抑制して、被検ガスが感応膜5に拡散する時間を低減して応答速度を向上させることができる。この場合、感応膜5の厚さを、被検ガスが感応膜5に吸着することによって生ずる空乏層の厚さと同程度に設定すると、高応答となるのと同時に大きな感度を得ることができる。また、ガスの種類によっては感応膜5に不純物を添加してガスの感度をあげても良い。
【0073】
また、ヒータ電極3における基板1の周辺部まで伸ばされた両端の上方では、ヒータ用電気絶縁層4と平坦化電気絶縁層9に開口部が形成されて電極取り出し口4aが形成されている。また、電極取り出し口4aにおける平坦化電気絶縁層9の表面には、ヒータ用パッド部7c、7dが形成され、ヒータ電極3と電気的に接続されている。このヒータ用パッド部7c、7dとしては、検出電極用パッド部7a、7bと同じ材質のものを用いることができる。
【0074】
また、基板1のうちヒータ電極3、検出電極6a、6b、及び感応膜5の下方には空洞部8が形成されている。この空洞部8は基板1の裏面側において開口しており、基板1の表面側において支持膜2により橋絡されている。
【0075】
この様な空洞部8に橋絡した支持膜2に圧縮応力が加わると支持膜2が破壊されるため、この支持膜2には全体に軽い引っ張り応力を持たせてある。詳細にはシリコン酸化膜は圧縮応力を持っており、シリコン窒化膜は引っ張り応力を持っているので、これらの膜厚を調整して支持膜2全体に軽い引っ張り応力を持たせるようにしている。
【0076】
具体的な引っ張り応力は200℃程度加熱した時に30MPaの引張応力を有する支持膜2が破壊することがわかっているため、支持膜2に40MPa以上150MPa以下の引っ張り応力を持たせると最適である。
【0077】
また、望ましくは、支持膜2とこの支持膜2の上に形成されている全ての部材(ヒータ電極3、ヒータ用電気絶縁層4、検出電極6a、6b、平坦化電気絶縁層9、感応膜5)の応力の合計が、40MPa以上150MPa以下の引っ張り応力となっていると更に確実に支持膜2の破壊を抑制することができる。
【0078】
また、図示しないが、検出電極用パッド部7a、7b及びヒータ用パッド部7c、7dに対して、例えばボンディングワイヤを電気的に接続することにより、検出電極6a、6b及びヒータ電極3と外部との電気的な授受を行うようにしている。この様にして、本実施形態のガスセンサが構成されている。
【0079】
この様なガスセンサでは、ヒータ電極3を作動させて発熱させることで感応膜5を300℃〜500℃程度の種々の温度にし、その各々の温度における感応膜5の抵抗値変化を検出電極6a、6bにより検出する。また、各々の温度における感応膜5の抵抗値変化は被検ガスの種類と濃度に依存し、更に、被検ガスの種類によって感応膜5の抵抗値変化の温度依存性が異なる。そのため、種々の温度における感応膜5の抵抗値変化を検出することにより、被検ガスの種類と濃度を検出することができる。
【0080】
次に、上記したガスセンサの製造方法について説明する。図3は、図2に対応する断面において製造方法を示す工程図であり、図4は図3に続く工程図である。
【0081】
[図3(a)の工程] まず、基板1を用意し、基板1の上に熱酸化法やプラズマCVD法又はLP−CVD法により支持膜2を形成する。そして、支持膜2の上にヒータ電極3を形成する(ヒータ層形成工程)。具体的には、支持膜2の上にヒータ電極3を形成する膜としてのPt膜を、真空蒸着機を用いて200℃で250nm堆積させる。
【0082】
この時、支持膜2とヒータ電極3との密着性を向上させるための密着層としてのTi層(図示せず)を、Pt膜と支持膜2との問に5nm程度堆積させている。そして、エッチングによりパターニングすることでヒータ電極3が形成される。
【0083】
次に、ヒータ電極3の表面をすべて覆うようにして、ヒータ電極3及び支持膜2の上に第1の電気絶縁層としてのヒータ用電気絶縁層4をLP−CVD法やプラズマCVD法により形成する(第1の電気絶縁層形成工程)。この際、ヒータ用電気絶縁層4の表面は凸凹が有れば研磨してもよい。
【0084】
[図3(b)の工程] 次に、ヒータ用電気絶縁層4の上に検出電極6a、6bを形成する(検出電極形成工程)。具体的には、まず、ヒータ用電気絶縁層4の上に、検出電極6a、6bとなる金属を真空蒸着機により堆積して金属薄膜を形成する。
【0085】
この時、ヒータ用電気絶縁層4と検出電極6a、6bとの密着性を向上させるための密着層(図示せず)としてTi、Cr及びNi等を形成することにより、検出電極6a、6bの剥がれを防止することができる。そして金属薄膜をパターニングして、櫛歯状の検出電極6a、6bを形成する。
【0086】
その後、検出電極6a、6bを覆うようにヒータ用電気絶縁層4の上に第2の電気絶縁層9aを形成する(第2の電気絶縁層形成工程)。
【0087】
[図3(c)の工程] 次に、検出電極6a、6bの表面が表出するまで第2の電気絶縁層9aを薄肉化して平坦化する(平坦化工程)。具体的には、CMP等により第2の電気絶縁層9aの表面を削る。そして、検出電極6a、6bの表面が第2の電気絶縁層9aから表出した時点で研磨を止める。その後、検出電極6a、6b上を洗浄してさらに平らになるようにしてもよい。これにより、第2の電気絶縁層9aが平坦化電気絶縁層9となる。
【0088】
この時、検出電極6a、6bが直接感応膜5に当接しなければ感応膜5の抵抗値変化を検出することができないため、確実に検出電極6a、6bの表面を表出させる必要がある。
【0089】
[図4(a)の工程] 次に、表出した検出電極6a、6bを覆うように、平坦化した第2の電気絶縁層(平坦化電気絶縁層)9の上に感応膜5を形成し、検出電極6a、6bと感応膜5とを電気的に接続する(感応膜形成工程)。
【0090】
具体的には、まず、感応膜5となる薄膜をスパッタや焼結等の方法を用いて成膜する。ここで、アニールを行うことにより薄膜のアモルファス層を結晶化させてもよい。また、数nm程度の薄膜を形成する場合にはALE(原子層成長法)やイオンビームスパッタ等により成膜してもよい。そして、エッチングにより感応膜5の形状に薄膜をパターニングする。
【0091】
その後、ヒータ用電気絶縁層4と平坦化電気絶縁層9をエッチングすることにより電極取り出し口4aを形成する。
【0092】
[図4(b)の工程] 次に、ヒータ電極3用のパッド部7a、7bと検出電極6a、6b用のパッド部7c、7dを形成する(パッド部形成工程)。具体的には、平坦化電気絶縁層9の上に例えばAuを真空蒸着機により堆積した後に、エッチングにより各々のパッド部7a〜dの形状にパターニングする。この時、検出電極6a、6b及びヒータ電極3と各々のパッド部7a〜dとの間にCrからなる密着層(図示せず)を形成して、互いの密着性を向上させている。
【0093】
なお、各々のパッド部7a〜dとしては、Au以外にもAlやPt等を用いることができる。また、密着層はヒータ電極3とオーミックコンタクトのある材料であればよく、TiやNi等でも良い。
【0094】
[図4(c)の工程] 基板1における感応膜形成面とは反対側の面(裏面)に、感応膜5の下方に相当する部位に開口部11aを有するマスク11を形成する(マスク形成工程)。具体的には、基板1の裏面一面にシリコン酸化膜若しくはシリコン窒化膜を形成した後、エッチング等により開口部11aを形成することでマスク11を形成する。
【0095】
その後、マスク11を介して基板1をエッチングすることによりマスク11の開口部11aに対応した領域に空洞部8を形成する(空洞部形成工程)。具体的には、基板1の裏面からTMAH溶液もしくはKOH溶液により基板1であるSiの異方性エッチングを行う。
【0096】
ここで、TMAH溶液によってエッチングを行う際は、基板1の表面側に形成されている各々のパッド部7a〜dや感応膜5等の表面がエッチングされないように保護膜を設けると良い。または、TMAH溶液がこれらの表面に塗布されないように、TMAH溶液に浸透される部位がエッチングされる面だけになるような治具を用いると良い。この様にして、上記構成のガスセンサが完成する。
【0097】
ところで、本実施形態では、検出電極6a、6bの周囲に平坦化電気絶縁層9を充填した形となるため、検出電極6a、6bによる凹凸を低減し、平坦化された面上に感応膜5を形成することができる。そのため、感応膜5の破断を抑制することができ、ガスセンサの信頼性を向上させることができる。
【0098】
この際、検出電極6a、6bの表面と平坦化電気絶縁層9の表面は同一面上にあると望ましいが、多少の段差があっても良く、平坦化電気絶縁層9から表出した検出電極6a、6bの表面及び平坦化電気絶縁層9のうち感応膜5と当接する表面の両表面において、この両表面の凹凸の最大段差が感応膜5の膜厚よりも小さければ感応膜5の破断を抑制することができる。つまり、感応膜5と当接する面における凹凸の最大段差が感応膜5の膜厚よりも小さくなっていれば良い。
【0099】
また、検出電極6a、6bの表面を表出した状態で平坦化電気絶縁層9で平坦化する際に、検出電極6a、6bを第2の電気絶縁層9aで覆った後、この第2の電気絶縁層9aを研磨することで検出電極6a、6bを表出させているため、適切に検出電極6a、6bを表出させることができると共に感応膜5が当接する面を平坦化することができる。
【0100】
また、基板1に空洞部8を設けているため、基板1への放熱を抑制することができる。そのため、感応膜5を容易に高温にすることができると共に消費電力を低減することができる。
【0101】
(第2実施形態)
本実施形態は第1実施形態と比較して、検出電極6a、6bをヒータ電極3と同一面上に形成している点が異なる。本実施形態のガスセンサの上面図は図1と同じであるため省略し、図5に図1のA−A断面に相当する部位における本実施形態のガスセンサの概略図を示す。以下、主として第1実施形態と異なる部分について説明し、図5中図2と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0102】
図5に示すように、支持膜2の上にヒータ電極3が形成されており、このヒータ電極3の同一面上に検出電極6a、6bが形成されている。また、蛇行状のヒータ電極3と櫛歯状の検出電極6a、6bは交互に所定の間隔をもって配置されており、ヒータ電極3と検出電極6a、6bは電気的に絶縁されている。また、検出電極6a、6bの方がヒータ電極3よりも膜厚が厚くなっている。
【0103】
また、支持膜2及びヒータ電極3の上には平坦化電気絶縁層9が形成されており、この平坦化電気絶縁層9はヒータ電極3を覆いつつ、検出電極6a、6bの表面を表出した状態で表面が検出電極6a、6bの表面を含めて平坦化されている。
【0104】
つまり、検出電極6a、6bの表面と平坦化電気絶縁層9の表面とが略同一面上になるように検出電極6a、6bの周囲が充填されて、検出電極6a、6bの凹凸が平坦化電気絶縁層9により平坦化されている。
【0105】
また、検出電極6a、6bの端部では、平坦化電気絶縁層9から表出した検出電極6a、6bの表面の端部と電気的に接続されるように、平坦化電気絶縁層9の表面において線形状の配線6cが形成されている。そして、この配線6cのうちの検出電極6a、6bとは反対側の端部が検出電極用パッド部と電気的に接続されている。
【0106】
つまり、上面図において検出電極6a、6bとヒータ電極3とが交差するように見える部分では、ヒータ電極3の上に検出電極6a、6bが離れて位置しており、両者の間は平坦化電気絶縁層9により電気的に絶縁されている。
【0107】
この様にヒータ電極3と検出電極6a、6bを同一面上に形成しているため、第1実施形態で形成されていたヒータ用電気絶縁層4が形成されていない構成となっている。
【0108】
また、感応膜5の上には特定ガスのみ透過するフィルター12が形成されている。これにより、特定ガスの選択性を向上させることができる。この場合、例えば、水素の選択性を向上させるためにはフィルター12としてシリコン酸化膜を形成すれば良い。何故なら、シリコン酸化膜は分子サイズの小さい水素は透過するが、それよりも分子サイズの大きな分子は透過しないため、水素ガスのみ感応膜5に達して検出することができるためである。
【0109】
次に、本実施形態のガスセンサの製造方法を説明する。図6は図5と同一断面において示す工程図であり、図7は図6に続く工程図である。なお、製造方法も主として第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0110】
[図6(a)の工程] 基板1の上に支持膜2を形成した後、支持膜2上にヒータ電極3と検出電極6a、6bとを高さを変えて同時に形成する(ヒータ層検出電極形成工程)。具体的には、まず、ヒータ電極3及び検出電極6a、6bと支持膜2とを密着させるための密着層であるTi層(図示せず)を支持膜2上に堆積した後、最終的にヒータ電極3及び検出電極6a、6bとなる金属薄膜としてのPt膜を真空蒸着機により堆積させる。そして、エッチング等によりPt膜をヒータ電極3及び検出電極6a、6bの形状にパターニングする。
【0111】
このヒータ層検出電極形成工程について詳細に説明する。図8は図6と同一断面においてヒータ層検出電極形成工程を詳細に示す工程図である。
【0112】
まず、図8(a)に示すように、支持膜2の上にPt膜21を250nm以上堆積させる。次に、図8(b)に示すように、ポジ型のフォトレジスト22をPt膜21の上にスピンコート等により塗布する。そして、ヒータ電極3のパターン23bと検出電極6a、6bのパターン23aが形成されたフォトマスク23を用いてフォトレジスト22を現像する。
【0113】
これにより、図8(c)に示すように、フォトレジスト22においてヒータ電極3に対応する部位22bの厚さが検出電極6a、6bに対応する部位22aの厚さよりも薄くなる。ここで、この様に、一回の現像で厚さの異なるパターンをフォトレジスト22に形成する方法について説明する。
【0114】
図9はフォトマスク23の上面図である。また、図10(a)は図9における部位Cの拡大図であって、(b)は(a)に示すフォトマスク23を用いて光を照射した場合のフォトレジスト22の各部位における光の透過量を示し、(c)はフォトレジスト22に光を照射して現像した後のフォトレジスト22の形状を示す。
【0115】
図9に示すように、フォトマスク23のうち検出電極6a、6bに対応する部位では、Cr等により完全に遮光されるようなパターン(以下、このパターンを遮光パターンという)23aが形成されており、ヒータ電極3に対応する部位では、露光装置の解像度以下の微細なパターン(以下、このパターンを微細パターンという)23bが形成されている。
【0116】
この微細パターン23bは、図10(a)に示すように、例えば、光が透過する微小な矩形の窓が多数形成されており、これらの窓が所定の密度で分布されて形成されている。この矩形の窓の大きさはこのフォトマスク23を使って露光する露光装置の解像度以下の寸法になっている。例えば、使用する露光装置が10対1の縮小露光装置で、その解像度が1ミクロンである場合、この矩形の窓の一辺の大きさは10倍のレチクルサイズで1ミクロン以下が適当である。
【0117】
また、フォトレジストにおけるその他の部位は完全に光を透過するようになっている。
【0118】
そして、このフォトマスク23を介してフォトレジスト22に光を照射すると、図10(b)に示すように、遮光パターン23aに対応する部位では光の透過量は0%となり、パターンが形成されていない部位では光の透過量は100%となり、微細パターン23bに対応する部位では光の透過量は0%と100%の間になる。なお、この微細パターン23bに対応する部位における光の透過量は矩形の窓の密度によって変えることができる。
【0119】
その後、この様に光を照射したフォトレジスト22を現像すると、図10(c)に示すように、遮光パターン23aに対応する部位22aではフォトレジストが完全に残り、微細パターン23bに対応する部位22bではフォトレジストの膜厚が減少し、その他の部位22cではフォトレジストが完全に除去される。従って、フォトレジストが図8(c)に示す状態になる。
【0120】
そして、この様に厚さの異なるパターンに形成されたフォトレジスト22を用いてPt膜をエッチングする。この際、ドライエッチングを行い、エッチングガスとしては、金属エッチング用ガスであるArガス若しくはCF4ガスに、フォトレジスト22をエッチングするためのO2ガスを加えたものを用いると望ましい。
【0121】
また、Arガス若しくはCF4ガスによるPt膜のエッチングレートと、O2によるフォトレジスト22のエッチングレートが等しくなるように、各々のガスの流量や圧力を設定すると、パターニングされたフォトレジスト22の形状がそのままPt膜21に移される。その結果、図8(d)に示す様に、ヒータ電極3の厚さを検出電極6a、6bの厚さよりも小さくすることができる。
【0122】
[図6(b)の工程] 次に、ヒータ電極3及び検出電極6a、6bを覆うように支持膜2の上に電気絶縁層9bを形成する(電気絶縁層形成工程)。
【0123】
[図6(c)の工程] そして、検出電極6a、6bの表面が表出するまで電気絶縁層9bを薄肉化する。具体的には、上記第1実施形態における[図3(c)の工程]において、第2の電気絶縁層9aを薄膜化した方法と同様に平坦化工程を行う。この結果、電気絶縁層9bが平坦化電気絶縁層9となる。
【0124】
[図7(a)の工程] 感応膜形成工程を行い、電極取り出し口4aを形成する。
【0125】
[図7(b)の工程] パッド部形成工程を行った後、感応膜5及び各々のパッド部7a〜dの上を含む平坦化電気絶縁層9の上にフィルター12としてのシリコン酸化膜を形成する(フィルター形成工程)。
【0126】
[図7(c)の工程] 空洞部形成工程を行った後、各々のパッド部7a〜d上のフィルター12をエッチング等によって除去する。そして、各々のパッド部7a〜dと外部とをボンディングワイヤ等により電気的に接続する。このようにして、本実施形態のガスセンサが完成する。
【0127】
ところで、本実施形態のガスセンサでも感応膜5を平坦な面に形成することができるため、感応膜5の破断を抑制することができ、ガスセンサの信頼性を向上させることができる。
【0128】
また、ヒータ電極3と検出電極6a、6bを同一面上に形成しているため、ヒータ電極3と検出電極6a、6bとの間に電気絶縁層を設ける必要がない。また、厚さの異なるヒータ電極3と検出電極6a、6bを同時に形成することができるため、一回の露光や現像でヒータ電極3と検出電極6a、6bを形成することができる。従って、本実施形態では製造工程数を低減することができる。
【0129】
また、フィルター形成工程を行って感応膜5、配線6cおよび各々のパッド部7a〜dをフィルター12で覆った後、空洞部形成工程を行っているため、空洞部形成工程におけるTMAH溶液などのエッチング液から感応膜5、配線6cおよび各々のパッド部7a〜dを保護することができる。
【0130】
また、フィルター12を形成することにより、感応膜5及び検出電極6a、6bの上にも酸化膜等のフィルター12を形成することができる。そのため、周辺の雰囲気に存在する雑ガスによる感応膜5や検出電極6a、6bの劣化を防ぐことができ、ゴミ等が感応膜5や検出電極6a、6bに付着することを防止できる。
【0131】
(第3実施形態)
本実施形態では、第1及び第2実施形態と比較して、検出電極6a、6bを感応膜5の上に形成しており、ヒータ電極3を感応膜5の直下を避けて形成している点が異なる。図11は、本実施形態のガスセンサの上面図であり、図12は図11におけるD−D断面の概略図である。以下、主として第1及び第2実施形態と異なる部分について説明し、図11、12中、図1、2と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0132】
図12に示すように、支持膜2の上にヒータ電極3が形成されている。このヒータ電極3は感応膜5の直下を避けて形成されており、図1に示すように、感応膜5の周囲を囲む部位に形成されている。具体的には、ヒータ電極3は枠形状(リング形状)になっている。
【0133】
また、基板1の表面における空洞部8の外周と感応膜5の外周との間にヒータ電極3が配置されている。また、感応膜5の上方から見た場合、基板1の表面における空洞部8の外周、ヒータ電極3の外周及び感応膜5の外周が、互いに相似形状になっている。
【0134】
そして、例えば、ヒータ電極3の外周で囲まれた面積が、基板1の表面における空洞部8の外周で囲まれた面積の80%程度になり、感応膜5の外周により囲まれた面積がヒータ電極3の外周で囲まれた面積の80%程度になるように、空洞部8とヒータ電極3と感応膜5とが配置されている。
【0135】
また、支持膜2及びヒータ電極3の上には電気絶縁層31が形成されている。
また、電気絶縁層31の上のうちヒータ電極3に囲まれる部位、つまりヒータ電極3の直上を避けた部位に感応膜5が平坦に形成されている。
【0136】
また、感応膜5の上に検出電極6a、6bが形成されている。また、電気絶縁層31の上にヒータ用パッド部7c、7dと検出電極用パッド部7a、7bが形成されている。また、電気絶縁層31、感応膜5、検出電極6a、6bおよび各々のパッド部7a〜dの上にフィルター12が形成されている。そして、各々のパッド部7a〜dの上においてフィルター12が開口されている。
【0137】
次に、本実施形態のガスセンサの製造方法を説明する。図13は図12と同一断面において示す工程図であり、図14は図13に続く工程図である。なお、製造方法も主として第1及び第2実施形態と異なる部分について説明する。
【0138】
[図13(a)の工程] まず、基板1の上に支持膜2を形成する。その後、ヒータ層形成工程を行う。
【0139】
[図13(b)の工程] ヒータ電極3の上に電気絶縁層31を形成する電気絶縁層形成工程を行う。
【0140】
[図13(c)の工程] 感応膜形成工程を行う。また、電極取り出し口4aを形成する。
【0141】
[図14(a)の工程] 検出電極形成工程を行う。この時、パッド部形成工程も同時に行う。つまり、電気絶縁層31と感応膜5の上にAu膜を真空蒸着機により堆積した後、エッチングによりAu膜を検出電極6a、6bと各々のパッド部7a〜dの形状にパターニングする。
【0142】
この際、検出電極6a、6bと感応膜5との間に密着層(図示せず)としてのCrを堆積させている。
【0143】
[図14(b)の工程] フィルター形成工程を行う。また、マスク形成工程を行う。
【0144】
[図14(c)の工程] 空洞部形成工程を行う。その後、各々のパッド部7a〜dにおけるフィルター12を除去する。この様にして、本実施形態のガスセンサが完成する。
【0145】
ところで、本実施形態では、感応膜5の上に検出電極6a、6bが形成されており、感応膜5の直下を避けてヒータ電極3が形成されているため、凹凸が形成されていない平坦な面に感応膜5を形成することができる。従って、感応膜5の破断を抑制することができ、信頼性を向上させることができるガスセンサを提供することができる。
【0146】
特に、感応膜5の厚さが検出電極6a、6bの厚さよりも薄い場合は、本実施形態のように感応膜5の上に検出電極6a、6bを設けると有利である。これは、仮に感応膜5の下に検出電極6a、6bを形成すると、感応膜5は検出電極6a、6bの段差により断切れする可能性が高いためである。
【0147】
また、空洞部8の外周と感応膜5の外周との間にヒータ電極3を設けているため、ヒータ電極3を感応膜5の直下に配置せずに感応膜5を周囲から温める(加熱)ことができる。また、ヒータ電極3を空洞部8上に形成することができるため、ヒータ電極3から発熱した熱が基板1に逃げることを抑制することができる。
【0148】
また、一般に、感応膜5における等温線は、空洞部8、ヒータ電極3及び感応膜5の形状に依存する。従って、本実施形態のように、空洞部8、ヒータ電極3及び感応膜5の外周を相似形状にすることにより、空洞部8上の支持膜2や感応膜5における等温線を同心形状にすることができるため、感応膜5の温度制御を容易に行うことができる。
【0149】
(他の実施形態)
以下、上記第1〜第3実施形態の変形例について説明する。まず、上記第1及び第2実施形態に係る変形例について説明する。
【0150】
(第1変形例)
ヒータ電極3を感応膜5の直下に配置して感応膜5を全体的に加熱するだけでなく、図15のガスセンサの上面図に示すように、支持膜2上にて空洞部8の全体に蛇行状に配置しても良い。
【0151】
この様に、感応膜5の周囲も加熱できる構成にすることにより、感応膜5からの放熱を減少させることができる。また、空洞部8の上の膜の全てを均一に加熱することができるため、感応膜5における温度分布の偏りが小さくなり、検出感度を一定にすることができる。
【0152】
(第2変形例)
図16のガスセンサの上面図に示すように、ヒータ電極3のうち感応膜5の直下に位置する部位において線幅を太くしても良い。これにより、ヒータ電極3の急激な発熱を抑えることで感応膜5の温度制御を容易に行うことができる。また、感応膜5の直下以外の部位ではヒータ電極3の線幅を小さくして、感応膜5の直下部分よりも周囲部における発熱量を増加させても良い。これにより、感応膜5の周囲からの放熱を抑制することができる。これらにより、感応膜5の温度の均一性を向上させることができる。
【0153】
次に、上記第3実施形態に係る変形例について説明する。
【0154】
(第3変形例)
図17のガスセンサの上面図と、図17におけるE−E断面を示す図18に示すように、ヒータ電極3と同一面上のヒータ電極3の内側に温度制御膜41を形成しても良い。この温度制御膜41はヒータ電極3の温度の伝搬を容易にするためのものである。
【0155】
また、図17に示すように、感応膜5の上方から見た際に、この温度制御膜41の外周がヒータ電極3の内周と感応膜5の外周との間に配置されている。そして、温度制御膜41は感応膜5を形成する面に凹凸が形成されない様にするために、厚さが均一である平坦化膜となっている。つまり、温度制御膜41は感応膜5よりも大きくヒータ電極3よりも小さいベタ膜となっている。
【0156】
なお、この温度制御膜41としてはヒータ電極3と同じ材料を用いることができる。そして、温度制御膜41は、ヒータ層形成工程においてパターンを変えることにより、ヒータ電極3と同時に形成することができる。
【0157】
この様に温度制御膜41を設けることにより、感応膜5の温度の均一性を高めることができる。その結果、感度を向上させることができる。また、温度制御膜41が感応膜5よりも大きいため感応膜5は平坦な面に形成することができ、感応膜5の破断を抑制すると同時に感応膜5の温度の均一性を高めることができる。
【0158】
(第4変形例)
図19や図20のガスセンサの上面図に示すように、ヒータ電極3のコーナー部を面取りしても良い。また、感応膜5のコーナー部を面取りしても良い。また、第3変形例における温度制御膜41のコーナー部を面取りしてもよい。
【0159】
一般に、ヒータ電極3の発熱による基板1の上の面方向の等温線は角を持たずに角が丸まった形状になるのが通常である。そのため、ヒータ電極3や感応膜5または温度制御膜41のコーナー部を面取りすれば、この等温線の形状にヒータ電極3や感応膜5又は温度制御膜41の形状を合わせることができるため温度制御し易くなる。また、感応膜5の温度分布の偏りを低減することができる。
【0160】
(第5変形例)
図21や図22のガスセンサの上面図に示すように、ヒータ電極3や感応膜5又は温度制御膜41のコーナー部を丸めて楕円形状にしても良い。これにより、第4変形例よりも更に感応膜5の温度分布の偏りを低減することができる。
【0161】
(第6変形例)
図23のガスセンサの上面図に示すように、感応膜5をリング形状にしても良い。一般に、感応膜5にはヒータ電極3との距離によって温度分布が形成される。そのため、感応膜5をリング形状にすることでヒータ電極3から離れた感応膜5をなくして、ヒータ電極3から一定の距離に感応膜5を配置することができ、感応膜5の温度分布の偏りを小さくすることができる。
【0162】
(第7変形例)
また、例えば、図24のガスセンサの概略断面図に示すように、フィルター12から検出電極6a、6bを露出させても良い。但し、感応膜5と検出電極6a、6bとは電気的に接続しなければならないため、例えば、フィルター12にコンタクトホールを形成して検出電極6a、6bとの電気的な接続を確保する。
【0163】
次に、上記各実施形態に係る変形例について説明する。
【0164】
(第8変形例)
図25のガスセンサの上面図、及び、図25におけるF−F断面の概略図である図26に示すように、支持膜2における空洞部8側に突出部51を形成してもよい。この突出部51はヒータ電極3により温められた感応膜5の温度を均一にするために、温度の上がりやすい部位に設けられている。
【0165】
具体的には、この突出部51は、感応膜5の上方から見た際に、感応膜5と相似形状で感応膜5の中央部に配置されており、感応膜5の外周に囲まれている面積の10〜50%程度の領域において、突出部51が設けられていると好ましい。そして、この突出部51は、例えば基板1を残すことにより形成することができる。
【0166】
これにより、温度の上がりやすい部位の熱が突出部51に放熱され、突出部51の直上の感応膜5の温度が低下する。従って、感応膜5の温度分布の偏りを低減して、感応膜5の温度制御を更に容易に行うことができる。
【0167】
この様な突出部51を形成する際は、マスク形成工程において、開口部11aのうち突出部51を形成する予定の部位(所望の部位)がマスクされた形状のマスク11を形成する。つまり、マスク形成工程に対応した概略断面図である図27(図4(c)や図14(b)に対応している)に示すように、基板1の裏面における突出部51に対応する部位である感応膜5の下方にもマスク11bを形成し、空洞部8を形成するための開口部11aを一部覆うようにする。
【0168】
そして、空洞部形成工程において、上記各実施形態と同様にこのマスク11を介して基板1をエッチングすることにより空洞部8を形成すると共に空洞部8の底面の一部を残して突出部51を形成することができる。
【0169】
このように、突出部51はSi(基板)の異方性エッチングのエッチング残りで形成することができるため、マスク11を追加したり工程を追加したりすること無しに突出部51を形成することができる。
【0170】
(第9変形例)
また、図28のガスセンサの概略断面図に示すように、アルミナ基板やサファイヤ基板等の電気絶縁性の基板1を用いた場合は、支持膜2を形成しなくても基板1の上に直接ヒータ電極3や温度制御膜41等を形成すればよい。この様な電気絶縁性の基板は熱絶縁性が大きいものが多いことから、この場合はヒータ電極3から熱が逃げにくいため空洞部8を形成しなくてもよい。
【0171】
(第10変形例)
上記第9変形例において、更に室温でガスが感応するような場合には、ヒータ電極3も設けなくてもよい。つまり、図29のガスセンサの概略断面図に示すように、室温にて被検ガスを検出可能なガスセンサでは、電気絶縁性の基板1の上に室温で被検ガスが感応する感応膜5が形成され、感応膜5の上に検出電極6a、6bが形成されていれば良い。
【0172】
この様に室温にて被検ガスを検出するガスセンサの場合、基板上の凹凸の無い面に感応膜5を形成することができるため、感応膜5の破断を抑制することができる。ここで、室温にて被検ガスを検出するとは、ヒータ電極3により感応膜5を加熱することなく被検ガスを検出することができることを示している。
【0173】
なお、上記各変形例は各実施形態に対して、複数種類適用することができる。
【0174】
また、感応膜5の物性値変化としては電気抵抗値変化を検出するものについて記述したが、その他、誘電率変化、静電気容量変化、重量変化等を検出してもよい。
【0175】
また、空洞部8を形成するためのエッチングは、空洞部8が形成できればTMAH溶液による異方性エッチング以外の方法を用いても良い。特に、第4変形例や第5変形例のようにヒータ電極3や感応膜5のコーナー部を面取りしたり丸めたりして、これらと相似形状の空洞部8を形成する際は、面方位を利用した異方性エッチングは行わない様にするとよい。
【0176】
また、第1実施形態では最低限、平坦化電気絶縁層9の表面を平坦化すれば良いが、ヒータ用電気絶縁層4の表面も研磨等により平坦化し、その上に検出電極6a、6bと平坦化電気絶縁層9を形成してもよい。
【0177】
また、第1及び第2実施形態における平坦化工程において、研磨等のみで平坦化工程を終了するのではなく、研磨等を行った後、化学的に研磨(平坦化)してもよい。また、研磨せずに平坦化しても良い。また、検出電極6a、6bの表面の自然酸化膜や窒化膜も除去するとよく、例えば、フッ酸やリン酸を用いてこれらの除去を行うことができる。
【0178】
また、上記第1実施形態ではフィルターを形成していないが、上記第2及び第3実施形態のようにフィルター12を形成しても良い。また、上記第2及び第3実施形態ではフィルター12を形成しているが、感応膜5が特定ガスに対して選択性を持っていれば、フィルター12を形成しなくても良い。感応膜5に選択性を持たせるためには、特定ガス種に反応する不純物を感応膜5に付加したりすれば良い。
【0179】
また、上記各実施形態に示すように、支持膜2が露出した空洞部8を形成するのではなく、空洞部8の底部において基板1が薄肉状に残っているような空洞部8を形成してもよい。この場合、支持膜2を形成しなくても、この残った薄肉状の基板1を支持膜2の代わりとして用いることができる。
【0180】
また、ガスセンサとしては、臭いセンサや湿度センサも含めるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るガスセンサの上面図である。
【図2】図1におけるA−A断面の概略図である。
【図3】第1実施形態に係るガスセンサの製造方法を示す工程図である。
【図4】図3に続く製造方法を示す工程図である。
【図5】第2実施形態に係るガスセンサの概略断面図である。
【図6】第2実施形態に係るガスセンサの製造方法を示す工程図である。
【図7】図6に続く製造方法を示す工程図である。
【図8】第2実施形態に係るガスセンサの製造工程におけるヒータ層形成工程を詳細に示す工程図である。
【図9】第2実施形態に係るガスセンサの製造方法で用いるフォトレジストの上面図である。
【図10】第2実施形態に係るガスセンサの製造方法においてフォトレジストの膜厚を変える方法について説明する図である。
【図11】第3実施形態に係るガスセンサの上面図である。
【図12】図11におけるD−D断面の概略図である。
【図13】第3実施形態に係るガスセンサの製造方法を示す工程図である。
【図14】図13に続く製造方法を示す工程図である。
【図15】他の実施形態の第1変形例に係るガスセンサの上面図である。
【図16】他の実施形態の第2変形例に係るガスセンサの上面図である。
【図17】他の実施形態の第3変形例に係るガスセンサの上面図である。
【図18】図17におけるE−E断面の概略図である。
【図19】他の実施形態の第4変形例に係るガスセンサの上面図である。
【図20】他の実施形態の第4変形例に係る他のガスセンサの上面図である。
【図21】他の実施形態の第5変形例に係るガスセンサの上面図である。
【図22】他の実施形態の第5変形例に係る他のガスセンサの上面図である。
【図23】他の実施形態の第6変形例に係るガスセンサの上面図である。
【図24】他の実施形態の第7変形例に係るガスセンサの概略断面図である。
【図25】他の実施形態の第8変形例に係るガスセンサの上面図である。
【図26】図25におけるF−F断面の概略図である。
【図27】他の実施形態の第8変形例に係るガスセンサ製造方法に関する概略断面図である。
【図28】他の実施形態の第9変形例に係るガスセンサの概略断面図である。
【図29】他の実施形態の第10変形例に係るガスセンサの概略断面図である。
【図30】従来のガスセンサの概略断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…支持膜、3…ヒータ電極、4…ヒータ用電気絶縁層、
5…感応膜、6a、6b…検出電極、7a、7b…検出電極用パッド部、
7c、7d…ヒータ用パッド部、8…空洞部、9…平坦化電気絶縁層、
11…マスク、11a…マスクの開口部、12…フィルター、21…金属薄膜、
22…フォトレジスト、23…フォトマスク、31…電気絶縁層、
41…温度制御膜、51…突出部。
Claims (5)
- 基板(1)の上にヒータ層(3)を形成するヒータ層形成工程と、
前記ヒータ層及び前記基板の上に第1の電気絶縁層(4)を形成する第1の電気絶縁層形成工程と、
前記第1の電気絶縁層の上に検出電極(6a、6b)を形成する検出電極形成工程と、
前記検出電極を覆うように前記第1の電気絶縁層の上に第2の電気絶縁層(9a)を形成する第2の電気絶縁層形成工程と、
前記第2の電気絶縁層を前記検出電極の表面が表出するまで薄肉化して平坦化する平坦化工程と、
前記表出した検出電極を覆うように、前記平坦化した第2の電気絶縁層の上に被検ガスに反応して物性値が変化する感応膜(5)を形成し、前記検出電極と前記感応膜とを電気的に接続する感応膜形成工程とを備えることを特徴とするガスセンサの製造方法。 - 前記基板と前記ヒータ層との間に支持膜(2)を形成する工程と、
前記基板における感応膜形成面とは反対側の面に、前記感応膜の下方に相当する部位に開口部(11a)を有するマスク(11)を形成するマスク形成工程と、
前記基板を前記マスクを介してエッチングすることにより、前記開口部に対応した領域に空洞部(8)を形成する空洞部形成工程とを備えることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサの製造方法。 - 前記マスク形成工程において、前記開口部のうち所望の部位(11b)がマスクされた形状の前記マスクを形成し、
前記空洞部形成工程において、前記基板を前記マスクを介してエッチングすることにより前記空洞部を形成すると共に前記空洞部の底面の一部を残すことを特徴とする請求項2に記載のガスセンサの製造方法。 - 前記ヒータ層のパッド部(7c、7d)と前記検出電極のパッド部(7a、7b)を形成するパッド部形成工程と、
前記パッド部形成工程の後に、前記感応膜及び前記パッド部の上に特定ガスのみ透過するフィルター(12)を形成するフィルター形成工程と、
前記空洞部形成工程の後に、前記パッド部の上の前記フィルターを除去する工程とを備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のガスセンサの製造方法。 - 前記感応膜形成工程において、前記感応膜の厚さが3nm以上12nm以下となるように前記感応膜を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のガスセンサの製造方法。
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