JP4590195B2 - 新聞印刷用紙 - Google Patents

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Description

本発明は、嵩高、かつ剛度低下が小さく、不透明度が高く、更に摩擦係数が高く、印刷作業性に優れた新聞印刷用紙に関する。
森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用することや物流コストの削減という点から新聞印刷用紙の軽量化がユーザーから求められている。一方、近年の環境保護気運の高まりに伴い、新聞印刷用紙への古紙パルプの増配も望まれている。しかしながら、軽量化の動きの中で高密度、低不透明度である古紙パルプの増配は新聞印刷用紙の嵩、及び不透明度の観点から制限されており、これらを解決するため嵩高化、高不透明度化の手段が必要であった。
紙の嵩高化、すなわち低密度化の方法としては製紙用パルプに関して検討が行われてきた。一般的に製紙用パルプには木材パルプが使用されるが、低密度化を行うためには、化学薬品により木材繊維中の補強材料であるリグニンを抽出した化学パルプよりも、グラインダーで木材を磨り潰す砕木パルプやリファイナーで木材を精砕するリファイナーメカニカルパルプ、又はサーモメカニカルパルプのような機械パルプの方が繊維は剛直で、低密度化には効果的である。しかし、砕木パルプは比散乱係数が高く高不透明度を紙に寄与するものの、強度が弱く、また原料となる丸太の確保も困難になってきている。また、砕木パルプは一般にリファイナーメカニカルパルプよりも嵩がでにくい。一方、針葉樹リファイナーパルプは嵩が出やすく強度も強い反面、比散乱係数が低く、紙の不透明度にあまり寄与しない。また、機械パルプのうちサーモメカニカルパルプは繊維長が長く、剛度は高いが、製造したシートの平滑度が低下することが問題であった。
紙を嵩高にする従来の技術としては、パルプと疎水性繊維の混合物に架橋剤を反応させて得られる嵩高性パルプ組成物を使用する方法がある(特許文献1参照)。また、セルロースパルプ、特定形態のポリエステル複合繊維、及び熱融着性バインダーとを混抄し、嵩高パルプシートを製造する方法がある(特許文献2参照)。しかし、架橋パルプや合成繊維等の使用は紙のリサイクルを不可能にしてしまうという問題がある。また、中空球状バテライト型炭酸カルシウムを充填して嵩高中性紙を製造する技術がある(特許文献3参照)が、特殊な填料であるという問題がある。また、パルプと加熱発泡性粒子とを抄紙して低密度の嵩高紙を製造する方法がある(特許文献4参照)。発泡性粒子を用いる方法では紙力が著しく低下するという問題がある。また、バクテリアセルロースと発泡性粒子を用いる方法(特許文献5参照)があるが、バクテリアセルロースという特殊なセルロースを使用しなければならなく、実用的ではない。
界面活性剤を用いる方法では、特定のアルコール及び/又はそのポリオキシアルキレン付加物を含有する紙用嵩高剤が開示されている(特許文献6参照)。また、非イオン界面活性剤を用いる方法がある(特許文献7参照)。また、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物からなる紙用嵩高剤(特許文献8参照)が開示されており、この紙用嵩高剤を板紙に応用した技術がある(特許文献9参照)。
これら公知の嵩高剤の使用により、紙を嵩高にすることは可能であるが、公知の嵩高剤に中には、同時に急激な紙の摩擦係数低下を引き起こすものがある。このような摩擦係数が低下した紙をオフセット印刷する場合、紙流れと言われる紙の走行不良や、紙替え時のテンション変動など、印刷走行性上のトラブル問題が発生するという問題がある。
非界面活性剤系の嵩高剤の技術としては、特定構造のカチオン性化合物、アミン、アミンの酸塩及び両性化合物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含有する紙用嵩高剤が開示されている(特許文献10参照)。また、脂肪酸ポリアミドポリアミン型の嵩高剤もある。しかし、これらの嵩高剤を添加すると紙を嵩高にすることは可能であるが、同時に著しい紙力及び剛度の低下が起こる。
特許第2903256号明細書 特許第2591685号明細書 特許第1755152号明細書 特開平5-230798号公報 特開平11-200282号公報 国際公開98/03730号パンフレット 特開平11-200283号公報 特許第2971447号明細書 特許第3041294号明細書 特開平11-269799号公報
以上のように、嵩高、かつ剛度低下が少なく、不透明度が高く、更に摩擦係数が高く、印刷作業性に優れた新聞印刷用紙の開発が望まれていた。
本発明は、嵩高かつ剛度低下が小さく、不透明度が高く、更に摩擦係数が高く、印刷作業性に優れた新聞印刷用紙を提供することにある。
天然系カチオン性ポリマー(A)と少なくともビニルモノマー由来の構成単位を含有するポリマー粒子(B)とを含むポリマーエマルションからなる内添用紙質向上剤を、原料パルプに対して0.1〜10固形分重量%含有する紙料を抄紙して、動摩擦係数が0.20〜0.60、不透明度が90%以上の新聞印刷用紙を製造する。
本発明の新聞印刷用紙は、嵩高かつ剛度低下が小さく、不透明度が高く、更に摩擦係数が高く、印刷作業性に優れる、という効果を有する。
本発明の使用する紙質向上剤は、特願2003-302300号に記載されている物質であり、天然系カチオン性ポリマー(A)と、少なくともビニルモノマー由来の構成単位を含有するポリマー粒子(B)とを含むポリマーエマルションからなる内添用紙質向上剤である。
<天然系カチオン性ポリマー(A)>
本発明において使用される天然系カチオン性ポリマー(A)は、天然物より抽出や精製等の操作で得られるポリマー及びそのポリマーを化学的に修飾したものである。ポリマー骨格にグルコース残基を有するもの(澱粉残基やセルロース残基等)が好ましく、例えば、カチオン性澱粉若しくはカチオン性セルロース(特に水溶性でカチオン基が4級アンモニウムカチオン基であるものが好ましい)などが挙げられ、一種以上を単独で用いてもよいし、二種以上の混合物として用いてもよい。
カチオン基とは、アンモニウム基、又はアミノ基が酸で中和されたものを含む。好ましくは、アミノ基が塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸等により中和されたものを含む。
カチオン性澱粉又はカチオン性セルロースとしては、例えば次式(1)に表わされるものが好ましい。
(式中、
A:澱粉残基又はセルロース残基、
R:アルキレン基又はヒドロキシアルキレン基、
1、R2、R3:同じか又は異なって、アルキル基、アリール基、アラルキル基又は式中の窒素原子を含んで複素環を形成してもよい。
X-:アンモニウム塩の対イオンを示す。
i:正の整数を示す。)
澱粉残基又はセルロース残基としては、澱粉又はセルロースから水酸基をi個除いたものが好ましく挙げられる。
Rとしては、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜3のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基が好ましく、ヒドロキシプロピレン基が特に好ましい。
1、R2、R3は、好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基等が挙げられる。X-の具体例としては、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオン、硫酸、スルホン酸、メチル硫酸、リン酸、硝酸等の有機アニオン等が挙げられる。iは、前述のカチオン置換度に対応して、決められる。
本発明において、天然系カチオン性ポリマーは公知の方法で製造される。例えばカチオン化剤を用い、コーンスターチ等を水/アルコール系にてカチオン化した後、酢酸中和、水洗、乾燥する。分子量(水溶液粘度)調整は一般的には、カチオン化されたスラリーに塩酸等の強酸を加え、加温することにより容易に行われる。
カチオン性澱粉は例えばアルカリ性条件下で、とうもろこし、馬鈴薯、タピオカ、小麦、米等からの生澱粉や化工澱粉にグリシジルトリメチルアンモニウムクロライド又は3−クロル−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドを反応させて得る事ができる。また、ジメチルアミノエチル化澱粉を4級化して得ることもできる。更に、澱粉に4−クロルブテントリメチルアンモニウムクロライドを反応させて得ることもできる。一方、カチオン性セルロースは例えばヒドロキシエチルセルロースに上記の反応を行うことにより得ることができる。
天然系カチオン性ポリマーの窒素含量は、剛度向上の観点から0.05〜1重量%が好ましく、0.07〜0.9重量%が特に好ましい。剛度向上効果の点で、窒素重量%(以下、N%と表記する)は0.05重量%以上が好ましく、また剛度向上効果の点で、1重量%以下が好ましい。N%はケルダール法(JIS K 8001)で分析する。
天然系カチオン性ポリマーは、取り扱いの利便性やハンドリング性の他、生産性等を考慮した場合、エマルションの高固形分化が望まれることから、本発明の効果を阻害しない範囲で低分子量化することができる。天然系カチオン性ポリマーの分子量を水溶液粘度に置き換えて表した場合、50℃、7重量%水溶液粘度(B型粘度計、ローターNo.2、60rpm)として40〜10,000mPa・sが好ましく、50〜8,000mPa・sがより好ましい。
天然系カチオン性ポリマーは、本発明の効果を阻害しない限り、老化防止等のためにヒドロキシアルキル基などのエーテル基やアセチル基などのエステル基などの官能基を導入してもよい。
重合安定性や機械的安定性の向上を図る目的で、天然系カチオン性ポリマーに天然系カチオン性ポリマー以外の、例えば合成系カチオン性ポリマーや非イオン性ポリマーを併用し用いても良い。合成系カチオン性ポリマーとしてはカチオン化ポリビニルアルコール、非イオン性ポリマーとしては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、可溶性澱粉等の半合成水溶性高分子;ポリビニルアルコール等の合成水溶性高分子が好ましい。天然系カチオン性ポリマー以外のポリマーの使用量は、ポリマー粒子(B)を構成するビニルモノマー100重量部に対して、0〜100重量部用いることが好ましく、0〜50重量部用いることがさらに好ましい。
<ポリマー粒子(B)>
本発明で用いられるポリマー粒子(B)は、ガラス転移温度(Tg)が90℃以下が好ましく、80℃以下が更に好ましい。ポリマーのTgが90℃以下であると、紙の製造工程において、紙に含有された内添用紙質向上剤の一部ないし全量が溶融するため、剛度向上性能の点から好ましい。Tgの下限は特に制限ないが、−10℃以上が好ましい。
本発明で用いられるポリマー粒子は、ビニルモノマー由来の構成単位を含有するものである。構成するビニルモノマーのポリマー粒子中の含有量は特に限定はないが、50〜100モル%が好ましく、特に80〜100モル%が好ましい。ビニルモノマーとしては、ビニル化合物、ビニレン化合物、ビニリデン化合物、環状オレフィンが含まれ、下記に記載するものが好ましく挙げられる。
(1)(メタ)アクリル酸メチル((メタ)アクリルとは、アクリル、メタクリル又はその混合物を示す。以下同じ。)、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等の好ましくは炭素数1〜12、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
(2)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル及びピバリン酸ビニル等の炭素数1〜18、好ましくは炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸とビニルアルコールとのエステルからなる脂肪酸ビニルエステル類;
(3)(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸等の重合性不飽和基を有するアニオン性モノマー又はその塩が挙げられる。マレイン酸、フマル酸、イタコン酸のようなポリカルボン酸は、酸無水物、部分エステル及び部分アミド又はそれらの混合物を含む。「塩」としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)、アンモニウム塩(第四級アンモニウム塩、第四級アルキルアンモニウム塩等)等が挙げられる。中でもナトリウム塩が最も安価であり、好ましい。
(4)(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド等の重合性不飽和基を有するノニオン性親水性基含有モノマーが挙げられる。
(5)N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、等の重合性不飽和基を有するアミノ基含有モノマー又はその酸中和物もしくはその四級化物等を具体的に挙げることができる。酸中和物を得るための好ましい酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、ギ酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、アジピン酸、乳酸等が挙げられ、四級化剤としては、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等の一般的なアルキル化剤が挙げられる。
(6)スチレン、α−メチルスチレン
上記のビニルモノマー中、脂肪酸ビニルエステル類を用いるのが、紙の剛度を向上させるのに最も好ましい。本発明に用いられるポリマー粒子の製造方法としては、乳化重合、懸濁重合又は分散重合により得ることが出来る。
(ポリマーエマルション)
本発明において、エマルションには、前述のポリマー粒子(B)を、取り扱い易さの点から、固形純分(固形分濃度)で、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは15〜55重量%含有する。ポリマー粒子(B)の平均粒子径は、エマルションの安定性、パルプへの吸着性等の点から0.01〜50μmが好ましく、0.1〜30μmが更に好ましく、特に0.2〜20μmが好ましい。
本発明の紙質向上剤では、ポリマー粒子(B)の重合安定性の点と、ポリマー粒子(B)をパルプに効果的に吸着させ、パルプシートの剛度を向上させるために、エマルション中の天然系カチオン性ポリマー(A)の比率が、ポリマー粒子(B)100重量部に対して5〜200重量部、更に5〜150重量部、特に7〜120重量部であることが好ましい。この比率において、ポリマー粒子(B)の重量は、ポリマーを構成する全モノマーの合計の重量とする。
また、ポリマー粒子(B)をパルプに効果的に吸着させると共に天然系カチオン性ポリマー(A)による剛度向上の補助的効果も得るためには、エマルション中の天然系カチオン性ポリマー(A)の比率が、ポリマー粒子(B)100重量部に対して5〜500重量部であることが好ましく、更に7〜500重量部、特に10〜500重量部であることが好ましい。
本発明のエマルションは、分散媒を好ましくは40〜90重量%、更に好ましくは45〜85重量%含有する。分散媒は水であることが好ましいが、炭素数1〜4の低級アルコールを含有していてもよい。低級アルコールとしては、炭素数1〜3のメチル、エチル、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
更に、防腐剤、殺菌剤の他、添加剤として炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン等の充填剤、顔料等を含有していてもよい。
本発明者らは、前記の紙質向上剤を配合した新聞印刷用紙について検討し、本発明を完成するに至った。
本発明は新聞印刷用紙に関するものであり、原料パルプとして化学パルプ(針葉樹の晒クラフトパルプ(NBKP)又は未晒クラフトパルプ(NUKP)、広葉樹の晒クラフトパルプ(LBKP))又は未晒クラフトパルプ(LUKP)等)、機械パルプ(グラウンドウッドパルプ(GP)、リファイナーメカニカルパルプ(RGP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、ケミサーモメカニカルパルプ(CTMP)等)、脱墨パルプ(DIP)を任意の割合で混合して使用する。本発明の新聞印刷用紙は、機械パルプの含有率が5〜95重量%の範囲で製造することが可能である。
本発明の新聞印刷用紙の抄紙pHは酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。
本発明の新聞印刷用紙は填料無配合でも、配合しても良が、不透明度を高める観点から、填料を配合することが好ましい。填料を配合する場合、填料としては酸性抄紙あるいは中性抄紙において一般に使用されている填料が使用でき、特に限定されるものではない。例えば、中性抄紙では、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料が単独で又は適宜2種類以上を組み合わせて使用される。また酸性抄紙では、前記中性抄紙で使用する填料から、酸溶解性のものを除いた填料が使用され、その単独又は適宜2種類以上を組み合わせて使用される。
紙質向上剤、サイズ剤、填料を添加する場所は抄紙工程以前であり、内添される。抄造工程以前の場所であれば特に制限されるものではないが、好ましくはミキシングチェストや二次ファンポンプ前などであり、歩留向上剤を添加する前が良い。
紙質向上剤はある一定以上の添加量を増やしても、嵩高効果は頭打ちになることが散見されるため、原料パルプに対して紙質向上剤を0.1〜10固形分重量%の範囲で添加する。紙質(嵩を除く)をあまり変化させずに該嵩高剤の効果を十分に発現させるには0.1〜5固形分重量%が好ましく、0.1〜2.5固形分重量%が更に好ましい。
本発明の新聞印刷用紙の製造において、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留まり向上剤、濾水度向上剤、紙力向上剤等の製紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。
また、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が内添されてもよい。
その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物を使用できる。
更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。
抄紙機の型式は、特に限定は無く、長網抄紙機、ギャップフォーマー、ハイブリッドフォーマー(オントップフォーマー)等の公用の抄紙機で抄紙することができる。プレス線圧は通常の操業範囲内で用いられる。表面処理剤は塗布しても良いし、しなくても良い。表面処理剤を塗布する場合、表面処理剤の成分には特に限定は無く、またサイズプレスの型式も限定はなく、2ロールサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、シムサイザーのような液膜転写方式サイズプレスなどを適宜用いることができる。キャレンダーは通常の操業範囲内の線圧で用いられるが、新聞印刷用紙を嵩高にする観点から、紙の平滑性を維持できる範囲でなるべく低線圧又はバイパスが好ましく、また、通常のキャレンダーよりもソフトキャレンダーが好ましい。
表面処理剤は、特に限定は無く、例えば、生澱粉や、酸化澱粉、エステル化澱粉、カチオン化澱粉、酵素変性澱粉、アルデヒド化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉などの変性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコールなどの変性アルコール、スチレンブタジエン共重合体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルアミドなどを単独又は併用できる。その中でも表面強度向上効果にすぐれるヒドロキシエチル化澱粉の塗布が最も好ましい。また、表面処理剤には前記の薬剤の他に、スチレンアクリル酸、スチレンマレイン酸、オレフィン系化合物、カチオン性サイズ剤などの表面サイズ剤を併用塗布することができる。
以上のようにして製造される本発明の新聞印刷用紙の不透明度は90%以上である。動摩擦係数は、0.20〜0.60であり、0.30〜0.60が好ましく、0.40〜0.60が更に好ましい。動摩擦係数が0.20未満では、オフセット印刷時、紙の走行不良や紙替え時のテンション変動などの印刷走行性上のトラブル問題が発生する。動摩擦係数を0.60超とすることは困難である。新聞印刷用紙の不透明度は、その原料パルプの種類と配合比率、填料含有率等の影響が大きく、これらを適宜組み合わせて、不透明度90%以上を達成できる。一方、動摩擦係数も原料パルプの種類と配合比率、填料含有率の影響を大きく受けるため、これらを適宜組み合わせて、動摩擦係数を所定の範囲に入れることができる。特記すべきことは、本発明で使用する内添用紙質向上剤の場合は、紙の動摩擦係数への影響が少ないことである。
本発明で使用する紙質向上剤は、紙の嵩高化する顕著な効果があるが、剛度の低下が少なく、不透明度が高くなるという特徴がある。更に、動摩擦係数の低下が少ない。したがって、この紙質向上剤を高配合でき、その分、より高剛度、かつ低密度の新聞印刷用紙を製造することができる。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特記しない限り「部」は重量部であり、「%」は重量%である。
<エマルションの製造例>
以下に示すエマルション1〜15(EM-1〜EM-15)の組成と物性値を表1に示した。
・エマルション1(EM-1)
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素吹き込み口、攪拌機を備えた2Lフラスコに、カチオン性澱粉A〔N%=0.6%、7%水溶液粘度260mPa・s(50℃、B型粘度計、ローターNo.2、60rpm)〕48.2g、イオン交換水695.0gを仕込み、90℃に加熱し溶解した。冷却後、エマルゲン150(非イオン性界面活性剤、20%水溶液、花王(株)製)29.3gと、予めイオン交換水17.2gに75%リン酸水溶液1.9gと4%水酸化ナトリウム45.0gを混合した水溶液を添加した後、120rpmで攪拌し、窒素を吹き込みながら、60℃に昇温し、30分間保持した。次いで、酢酸ビニル(信越酢酸ビニル(株)製)20.4g、開始剤(V-50、アゾ系開始剤、和光純薬(株)製)1.1gをイオン交換水29.6gに溶解したものを添加し、15分間保持した。次いで、77℃に昇温した後、酢酸ビニル409.3g、メタクリル酸(三菱レイヨン(株)製)11.0gの混合物、及び開始剤(V-50)0.9gをイオン交換水210gに溶解したものを、それぞれ別々の滴下ロートから3時間かけて滴下し、重合を行った。次いで、82℃に昇温し、1時間熟成した後、冷却し、取り出した。固形分濃度30.8%、平均粒子径2.63μmのカチオン性エマルション1を得た。
・エマルション2(EM-2)
エマルション1の製造法に準じ、同様の装置を用い、カチオン性澱粉A〔N%=0.6%、7%水溶液粘度260mPa・s(50℃、B型粘度計、ローターNo.2、60rpm)〕48.2g、ポリビニルアルコール(GL-05、重合度500、鹸化度88mol%、日本合成化学(株)製)8.1g、イオン交換水585.2gを仕込み、90℃に加熱し溶解した。冷却後、エマルゲン150(非イオン性界面活性剤、20%水溶液、花王(株)製)29.3gと、予めイオン交換水17.2gに75%リン酸水溶液1.9gと4%水酸化ナトリウム45.0gを混合した水溶液とを添加した後、120rpmで攪拌し、窒素を吹き込みながら、60℃に昇温し、30分間保持した。次いで、酢酸ビニル(信越酢酸ビニル(株)製)20.4g、開始剤(V-50、アゾ系開始剤、和光純薬(株)製)1.1gをイオン交換水29.6gに溶解したものを添加し、15分間保持した。次いで、77℃に昇温した後、酢酸ビニル205.0g、メタクリル酸(三菱レイヨン(株)製)5.5g、ジメチルアクリルアミド(試薬、和光純薬(株)製)6.6gの混合物、及び開始剤(V-50)0.35gをイオン交換水101gに溶解したものを、それぞれ別々の滴下ロートから3時間かけて滴下し、重合を行った。次いで、82℃に昇温し、1時間熟成した後、冷却し、取り出した。固形分濃度23.5%、平均粒子径0.52μmのカチオン性エマルション2を得た。
・エマルション3〜13(EM-3〜EM-13)
エマルション2に準じ、カチオン性ポリマー及びポリマー粒子(B)のモノマー組成を表1、表2に示すように変更しそれぞれを合成した(なお、ポリビニルアルコールはカチオン性ポリマー100重量部に対して16.8重量部の比率で用い、イオン交換水の量は適宜変更した)。
・エマルション14(EM-14)
エマルション1の製造法に準じ、同様の装置を用い、カチオン性澱粉A〔N%=0.6%、7%水溶液粘度260mPa・s(50℃、B型粘度計、ローターNo.2、60rpm)〕28.9g、ポリビニルアルコール(GL-05、重合度500、鹸化度88mol%、日本合成化学(株)製)4.8g、イオン交換水539.7gを仕込み、90℃に加熱し溶解した。冷却後、エマルゲン150(非イオン性界面活性剤、20%水溶液、花王(株)製)21.3gと、予めイオン交換水10.2gに75%リン酸水溶液1.1gと4%水酸化ナトリウム26.6gを混合した水溶液とを添加した後、120rpmで攪拌し、窒素を吹き込みながら、60℃に昇温し、30分間保持した。次いで、酢酸ビニルZ(信越酢酸ビニル(株)製)10.7g、開始剤(V-50、アゾ系開始剤、和光純薬(株)製)1.0gをイオン交換水9.0gに溶解したものを添加し、15分間保持した。次いで、77℃に昇温し、1時間熟成した後、冷却し、取り出した。固形分濃度7.9%、平均粒子径0.20μmのカチオン性エマルション14を得た。
・エマルション15(EM-15)
エマルション1の製造法に準じ、同様の装置を用い、カチオン性澱粉A〔N%=0.6%、7%水溶液粘度260mPa・s(50℃、B型粘度計、ローターNo.2、60rpm)〕28.9g、ポリビニルアルコール(GL-05、重合度500、鹸化度88mol%、日本合成化学(株)製)4.8g、イオン交換水539.7gを仕込み、90℃に加熱し溶解した。冷却後、エマルゲン150(非イオン性界面活性剤、20%水溶液、花王(株)製)21.3gと、予めイオン交換水10.2gに75%リン酸水溶液1.1gと4%水酸化ナトリウム26.6gを混合した水溶液とを添加した後、120rpmで攪拌し、窒素を吹き込みながら、60℃に昇温し、30分間保持した。次いで、酢酸ビニル(信越酢酸ビニル(株)製)10.7g、開始剤(V-50、アゾ系開始剤、和光純薬(株)製)1.0gをイオン交換水9.0gに溶解したものを添加し、15分間保持した。次いで、77℃に昇温した後、酢酸ビニル54.3g、メタクリル酸(三菱レイヨン(株)製)1.6g、ジメチルアクリルアミド(試薬、和光純薬(株)製)1.9gの混合物、及び開始剤(V-50)0.85gをイオン交換水130gに溶解したものを、それぞれ別々の滴下ロートから3時間かけて滴下し、重合を行った。次いで、82℃に昇温し、1時間熟成した後、冷却し、取り出した。固形分濃度13.1%、平均粒子径0.43μmのカチオン性エマルション15を得た。
(注)
1)各カチオン性ポリマーは以下の通りである。
・カチオン化HEC:和光純薬(株)製
・カチオン化セルロース:和光純薬(株)製
・エースK-36、K-100、K-250、K-500:カチオン化澱粉(王子コーンスターチ(株)製)
・カチオン化澱粉B:N%=0.8%、7%水溶液粘度2000mPa・s
・PVA−1:メルカプト変性ポリビニルアルコール(M-115、重合度1500、クラレ(株)製)
・PVA−2:カチオン化ポリビニルアルコール(C-506、重合度600、クラレ(株)製)
2)各モノマーは以下の通りである。
・VAc:酢酸ビニル
・St:スチレン
・MAA:メタクリル酸
・AA:アクリルアミド
・GMAC:メタクリル酸ヒドロキシプロピルメチルアンモニウムクロライド
・DMAAm:ジメチルアクリルアミド
・MMA:メタクリル酸メチル
・BMA:メタクリル酸ブチル
・BA:アクリル酸ブチル
3)(A)の添加量は、ポリマー粒子(B)のモノマー組成におけるビニルモノマーに対する重量%である。
<新聞印刷用紙の製造>
[実施例1]
ラジアータパインのケミサーモメカニカルパルプ(TMP、CSF100ml、白色度45.0%、不透明度95.0%)、アカマツのグランドウッドパルプ(GP、CSF80ml、白色度64.0%、不透明度94.0%)、脱墨パルプ(DIP、CSF180ml、白色度54.0%、不透明度90.0%)、針葉樹クラフトパルプ(NKP、CSF650ml、白色度83.0%、不透明度65.0%)を、配合比20/10/50/20の混合パルプスラリーに、シリカ系填料を対パルプ重量当たり1%、紙質向上剤EM−8を対パルプ重量当たり0.5%となるように添加し、ツインワイヤー抄紙機を用いて、ジェット/ワイヤー比101%、抄紙速度500m/minで坪量40g/m2の新聞印刷用紙を製造した。1番プレス(以下、1Pと記す)の線圧は60kgf/cm、2Pは60kgf/cm、3Pは70kgf/cmである。ヒドロキシエチル化澱粉を表面処理剤として両面にそれぞれ0.20 g/m2塗布し、キャレンダーは解放(バイパス)とした。
紙質結果等を表2に示す。
<紙質の測定>
・密度:JIS P 8118に準拠して測定した。
・剛度:純曲げ特性試験機(エスエムテー社製)を用いて、MD方向の剛度を測定し、紙厚の影響を避けるために、次の計算式で求めた値を剛度とした。
剛度=105×純曲げ剛度測定値/(紙厚)3
ここで、純曲げ剛度測定値の単位はμN・m2/m、紙厚の単位はμmである。
・不透明度:JIS P 8138に準拠して測定した。
・動摩擦係数:JIS P 8147に準拠して測定した。製造した新聞印刷用紙の表面と裏面を重ね合わせ、MD方向について測定した。
・製造した新聞印刷用紙をオフセット印刷機で印刷テストを行い、紙の走行不良と紙替え時のテンション変動を評価した。評価は1(問題なし)、2(やや不良)、3(不良)の段階とした。
[実施例2]
紙質向上剤EM−8の添加量を2.5固形分重量%とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例3]
紙質向上剤EM−8の添加量を5.0固形分重量%とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例4]
紙質向上剤EM−8の添加量を10固形分重量%とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例5]
紙質向上剤をEM−1とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例6]
紙質向上剤をEM−2とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例7]
紙質向上剤をEM−3とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例8]
紙質向上剤をEM−4とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例9]
紙質向上剤をEM−5とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例10]
紙質向上剤をEM−6とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例11]
紙質向上剤をEM−7とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例12]
紙質向上剤をEM−9とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例13]
紙質向上剤をEM−10とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例14]
紙質向上剤をEM−11とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例15]
紙質向上剤をEM−12とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例16]
紙質向上剤をEM−13とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例17]
紙質向上剤をEM−14とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[実施例18]
紙質向上剤をEM−15とした以外は、実施例1と同様に行った。
紙質結果等を表2に示す。
[比較例1]
ラジアータパインのケミサーモメカニカルパルプ(TMP、CSF100ml、白色度45.0%、不透明度95.0%)、アカマツのグランドウッドパルプ(GP、CSF80ml、白色度64.0%、不透明度94.0%)、脱墨パルプ(DIP、CSF180ml、白色度54.0%、不透明度90.0%)、針葉樹クラフトパルプ(NKP、CSF650ml、白色度83.0%、不透明度65.0%)を、配合比20/10/50/20の混合パルプスラリーに、シリカ系填料を対パルプ重量当たり1%、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル体である紙質向上剤KB115(花王(株)製)を対パルプ重量当たり0.5%となるように添加し、ツインワイヤー抄紙機を用いて、ジェット/ワイヤー比101%、抄紙速度500m/minで坪量40g/m2の新聞印刷用紙を製造した。1番プレス(以下、1Pと記す)の線圧は60kgf/cm、2Pは60kgf/cm、3Pは70kgf/cmである。ヒドロキシエチル化澱粉を表面処理剤として両面にそれぞれ0.20 g/m2塗布し、キャレンダーは解放(バイパス)とした。
紙質結果等を表2に示す。
[比較例2]
紙質向上剤KB115(花王(株)製)を2.5固形分重量%とした以外は、比較例1と同様に行った。
紙質結果を表2に示す。
[比較例3]
ラジアータパインのケミサーモメカニカルパルプ(TMP、CSF100ml、白色度45.0%、不透明度95.0%)、アカマツのグランドウッドパルプ(GP、CSF80ml、白色度64.0%、不透明度94.0%)、脱墨パルプ(DIP、CSF180ml、白色度54.0%、不透明度90.0%)、針葉樹クラフトパルプ(NKP、CSF650ml、白色度83.0%、不透明度65.0%)を、配合比20/10/50/20の混合パルプスラリーに、シリカ系填料を対パルプ重量当たり1%、飽和脂肪酸アミド系である紙質向上剤PT-205(日本PMC(株)製)を対パルプ重量当たり0.5%となるように添加し、ツインワイヤー抄紙機を用いて、ジェット/ワイヤー比101%、抄紙速度500m/minで坪量40g/m2の新聞印刷用紙を製造した。1番プレス(以下、1Pと記す)の線圧は60kgf/cm、2Pは60kgf/cm、3Pは70kgf/cmである。ヒドロキシエチル化澱粉を表面処理剤として両面にそれぞれ0.20 g/m2塗布し、キャレンダーは解放(バイパス)とした。
紙質結果等を表2に示す。
[比較例4]
紙質向上剤PT-205(日本PMC(株)製)を2.5固形分重量%とした以外は、比較例3と同様に行った。
紙質結果を表2に示す。
[比較例5]
ラジアータパインのケミサーモメカニカルパルプ(TMP、CSF100ml、白色度45.0%、不透明度95.0%)、アカマツのグランドウッドパルプ(GP、CSF80ml、白色度64.0%、不透明度94.0%)、脱墨パルプ(DIP、CSF180ml、白色度54.0%、不透明度90.0%)、針葉樹クラフトパルプ(NKP、CSF650ml、白色度83.0%、不透明度65.0%)を、配合比20/10/50/20の混合パルプスラリーに、シリカ系填料を対パルプ重量当たり1%、紙質向上剤DU3605(日本油脂(株)製)を対パルプ重量当たり0.5%となるように添加し、ツインワイヤー抄紙機を用いて、ジェット/ワイヤー比101%、抄紙速度500m/minで坪量40g/m2の新聞印刷用紙を製造した。1番プレス(以下、1Pと記す)の線圧は60kgf/cm、2Pは60kgf/cm、3Pは70kgf/cmである。ヒドロキシエチル化澱粉を表面処理剤として両面にそれぞれ0.20 g/m2塗布し、キャレンダーは解放(バイパス)とした。
紙質結果等を表2に示す。
[比較例6]
紙質向上剤DU3605(日本油脂(株)製)を2.5固形分重量%とした以外は、比較例5と同様に行った。
紙質結果を表2に示す。
[比較例7]
ラジアータパインのケミサーモメカニカルパルプ(TMP、CSF100ml、白色度45.0%、不透明度95.0%)、アカマツのグランドウッドパルプ(GP、CSF80ml、白色度64.0%、不透明度94.0%)、脱墨パルプ(DIP、CSF180ml、白色度54.0%、不透明度90.0%)、針葉樹クラフトパルプ(NKP、CSF650ml、白色度83.0%、不透明度65.0%)を、配合比20/10/50/20の混合パルプスラリーに、シリカ系填料を対パルプ重量当たり1%、アルコールアルキレンオキサイド付加物である紙質向上剤KB08W(花王(株)製)を対パルプ重量当たり0.5%となるように添加し、ツインワイヤー抄紙機を用いて、ジェット/ワイヤー比101%、抄紙速度500m/minで坪量40g/m2の新聞印刷用紙を製造した。1番プレス(以下、1Pと記す)の線圧は60kgf/cm、2Pは60kgf/cm、3Pは70kgf/cmである。ヒドロキシエチル化澱粉を表面処理剤として両面にそれぞれ0.20 g/m2塗布し、キャレンダーは解放(バイパス)とした。
紙質結果等を表2に示す。
[比較例8]
紙質向上剤KB08W(花王(株)製)を2.5固形分重量%とした以外は、比較例6と同様に行った。
紙質結果を表2に示す。
[比較例9]
ラジアータパインのケミサーモメカニカルパルプ(TMP、CSF100ml、白色度45.0%、不透明度95.0%)、アカマツのグランドウッドパルプ(GP、CSF80ml、白色度64.0%、不透明度94.0%)、脱墨パルプ(DIP、CSF180ml、白色度54.0%、不透明度90.0%)、針葉樹クラフトパルプ(NKP、CSF650ml、白色度83.0%、不透明度65.0%)を、配合比20/10/50/20の混合パルプスラリーに、シリカ系填料を対パルプ重量当たり4%となるように添加し、ツインワイヤー抄紙機を用いて、ジェット/ワイヤー比101%、抄紙速度500m/minで坪量40g/m2の新聞印刷用紙を製造した。1番プレス(以下、1Pと記す)の線圧は60kgf/cm、2Pは60kgf/cm、3Pは70kgf/cmである。ヒドロキシエチル化澱粉を表面処理剤として両面にそれぞれ0.20 g/m2塗布し、キャレンダーは解放(バイパス)とした。
紙質結果等を表2に示す。
[比較例10]
紙質向上剤を添加しない以外は比較例1と同様にして新聞印刷用紙を得た。
紙質結果等を表2に示す。
実施例1〜18の新聞印刷用紙は、紙質向上剤を配合しない比較例10に比較して、紙の密度が低下するが、剛度の低下は少なく、不透明度が高く、動摩擦係数が同等以上であり、オフセット印刷作業性も良好である。従来の紙質向上剤を配合した比較例1〜8の場合、紙の密度が低下し、不透明度が向上する効果はある。しかし、多価アルコールと飽和脂肪酸のエステル体を配合した比較例1、2では、剛度が低下し、動摩擦係数も低下の傾向にある。飽和脂肪酸アミド系の紙質向上剤を配合した比較例3、4もまた、剛度が低下し、動摩擦係数も低下の傾向にある。比較例5、6では、剛度が大きく低下する。アルコールアルキレンオキサイド付加物を配合した比較例7、8では、剛度が低下する。比較例9はシリカ系填料を増配したものであるが、その効果は不透明度の向上のみであり、紙の密度は低下しない。

Claims (4)

  1. 窒素含有率が0.05〜1重量%である天然系カチオン性ポリマー(A)と少なくとも酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、スチレンのうちの1種以上を含有しガラス転移温度(Tg)が-10℃以上かつ90℃以下であるポリマー粒子(B)とを含むポリマーエマルションからなる内添用紙質向上剤を、原料パルプに対して0.1〜10固形分重量%含有する紙料を抄紙して得られる、動摩擦係数が0.20〜0.60、不透明度が90重量%以上であることを特徴とする新聞印刷用紙。
  2. 機械パルプの含有率が5〜95重量%であることを特徴とする請求項1記載の新聞印刷用紙。
  3. 天然系カチオン性ポリマー(A)が、カチオン化澱粉及び/又はカチオン化セルロースであることを特徴とする請求項1又は2記載の新聞印刷用紙。
  4. 天然系カチオン性ポリマー(A)の比率が、ポリマー粒子(B)100重量部に対して5〜500重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の新聞印刷用紙。
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