JP2002536473A - 高分子分散液およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
分子の分散液に関する。また本発明は、該分散液の製造方法および該分散液の製
紙における用途、特に紙の表面サイジング用添加剤および抄紙機のウェットエン
ド(wet end)に添加される湿潤および乾燥紙力増強剤としての用途にも関する
。本発明において「紙」という用語は、下級(wood-containing)パルプ、化学
処理繊維(chemically processed fibre)、リサイクル繊維(recycled fibre)
またはそれらの混合物から得られる紙および板紙の両者を指す。これらの紙には
、上級紙(fine paper)、LWC紙(LWC paper)、SC紙(SC paper)、新聞
用紙、胴貼用板紙(packing board)、折畳み箱用板紙(folding box board)な
どが含まれる。
nc.))には、少なくとも1種のビニルモノマーを、加水分解/分解(thinned/d
egraded)したデンプン誘導体の水溶液中で共重合させることによって製造され
る水性高分子分散液が開示されている。デンプン誘導体としては、ジエチルアミ
ノ誘導体、アセチル誘導体、シアノエチル誘導体またはカルバモエチル(carbam
oethyl)誘導体が用いられる。
の機能が最大となるのは、このような誘導体が部分的にイオン化するような、低
いpH値(pH<6)のときのみである。今日では、製紙工程は中性条件下で行
われることが多いので、上記の高分子もまたpH値が6〜9の範囲、好ましくは
7〜8.5の範囲で機能を発揮すべきである。
置換度は、0.05またはそれ以上であるべきである。上記の共重合を行う前に
、デンプンを酵素で加水分解し、好ましくは固有粘度が0.12〜0.28dl
/gとなるようにしている。また、重合用の触媒(開始剤)としてCe(IV)
塩が用いられている。
212号明細書に対応)(BASF AG)には、固有粘度0.04〜0.12
dl/gのデンプンからの高分子分散液の調製について記載されている。
水分解されている。実施例においては、若干陽イオン性を有し、置換度が最大で
0.07である市販のデンプンが用いられている。
40重量部のモノマー成分が用いられている。このモノマー成分は、20〜65
重量%のアクリロニトリルまたはメタクリロニトリル、80〜35重量%のアク
リル酸エステル類および0〜10重量%のこれらと共重合可能な他のモノマーを
含む。重合用の触媒(開始剤)としては過酸化物が用いられている。
有し、且つ歩留まり(retention)および紙繊維に対する接着性の良好な分散液
を提供することを目的とする。
に添加される、湿潤および乾燥紙力増強剤として用いることができる。 本発明はまた、該分散液の製造方法にも関する。
目的として、表面サイジング用デンプンに種々の高分子を添加することが一般的
である。そのような高分子として、スチレンと、マレイン酸やアクリル酸エステ
ル類などとの共重合体が用いられることがある。
しておらず(共重合体とデンプンにおける熱力学的溶解度係数が互いにかけ離れ
ている)、その結果これらを乾燥させても、相互に完全に混和した高分子の網目
構造(相互侵入網目)を形成しないので、添加された高価な高分子の効果が十分
に発揮されない。
似している高分子の粒子を製造することにある。このことにより、両者は完全な
相互侵入網目を形成する。これは、表面サイズ剤中のデンプンそれ自体と同じか
、または化学的に類似した構造を有するデンプンを、高分子の中間体および出発
バッチ(starting batch)として用いることにより達成される。このようにする
と、重合によって形成される高分子の粒子はデンプンの皮膜中にとどまり、乾燥
しても両者が分離することはない。
化剤や水溶性モノマーなど、高分子を安定化させる手段が必要となる。その場合
、得られる高分子の表面の構造はもはや表面サイジング用デンプンのそれとは類
似していない。
抄紙機のウェットエンド系(wet end system)に合わせて調節する(customizin
g)ことにより、抄紙機においてパルプに添加するのに好適な共重合体(高分子
)を調製することができる。ここでもまた、指針となる原則は、その共重合体(
高分子)粒子の表面構造を、そのウェットエンドにおいて使用されるデンプン(
またはデンプンを主体とする)紙力増強剤の分子構造(分子量、陽電荷量、分岐
の状態など)に可能な限り類似したものとするということである。そのようにす
ると、共重合体(高分子)は乾燥してもデンプン基剤から分離せず、完全な相互
侵入網目が形成される。
n-degraded)、またはわずかに酸化した(例えば、過酸化物や次亜塩素酸塩によ
って酸化した)デンプンを用いて共重合体を製造することができる。
ンプン、コムギデンプン、タピオカ(キャッサバデンプン)(tapioca starch)
などを用いることができ、これらのうちバレイショデンプンおよびトウモロコシ
デンプンを用いることが好ましい。
とに伴いこのデンプンの固有粘度は1.0dl/gより大であり、好ましくは1
.5〜15dl/gであり、最も好ましくは3〜15dl/gである。
することはない。酸化されたデンプンを用いると、酸化によって生じたカルボキ
シル基をも高分子の安定化に利用することができる。使用するデンプンの分子量
が高いことにより、粒子が立体安定化される。更に、酸化および陽イオン化によ
り生じたイオン性の基により粒子が安定化されるので、重合の際、粒子を安定化
させるための水溶性モノマーは不要である。デンプンを酵素処理してもそのよう
な粒子を安定化させる基が生じることはなく、その上立体安定化作用が消失して
しまうので、乳化剤を用いることが必要となる。しかし、乳化剤を用いると一般
にサイズ度が低下することが知られている。同時に、紙の強度特性も著しく低下
する。
(cationizing chemical)を用いてデンプンを陽イオン化することが好ましい。
本発明の高分子分散液を表面サイズ剤として使用する場合には、置換度を0.0
1〜1.0、好ましくは0.01〜0.08とする。本発明の高分子分散液をパ
ルプに添加するためのサイズ剤として使用する場合には、置換度を0.05〜1
.0、好ましくは0.08〜1.0、より好ましくは0.1〜0.5とする。し
かし、未反応(native)のデンプンや、陰イオン化したデンプンを用いることも
できる。
原子を含む陽イオン化剤であり、例えば1,3−エポキシ誘導体や、1,3−塩
酸塩を挙げることができる。塩化(2,3−エポキシプロピル)トリメチルアン
モニウムは、好ましい陽イオン化剤である。陽イオン化は、デンプンがアルカリ
性(pH>7、好ましくはpHが9〜11)の水溶液に可溶な状態で行う。この
ようにすると、デンプン水溶液は、60℃を超える温度、好ましくは75〜90
℃において、固形分が50%未満、好ましくは10〜30%となる。
オン化は、未処理のデンプンが糊化するために酸化の方が先に起こってしまうよ
うな温度またはそれ以上の高温において行われることが好ましいので、陽イオン
化の前に酸化を行う方が好ましい。
い固有粘度を示す)デンプンに、陽イオン性および/または陰イオン性置換基を
適切な置換度となるように導入したものを用い、且つモノマーの組成を適切なも
のとしたとき、共重合において最も良好な結果が得られることを見出した。
ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜70℃、更に好ましくは10〜50
℃、最も好ましくは20〜50℃の範囲にある最低皮膜形成温度(MFT)にお
いても良好な皮膜形成能を有する共重合体(高分子)が得られる。
ち少なくとも1種がビニルモノマーである混合物を用いることが最も好ましい。
を及ぼすことに注目すべきである。例えば、デンプンの陽イオン性が高いほど、
高分子分散液の皮膜形成温度が低下する。デンプンは、重合開始の時点から加え
ておくことが好ましいが、デンプンの一部は、それより後の、重合の成長段階(
propagation step)として知られる段階において添加してもよい。
リル酸エステル類、アクリロニトリル、酢酸ビニルなどを挙げることができる。
2種のモノマーを含むモノマー成分を用い、そのうち少なくとも1種がスチレン
のような疎水性モノマーであることが好ましい。
であり、陽イオン化または陰イオン化した状態での固有粘度が1.0dl/gよ
り大であるデンプン、 b)少なくとも1種のビニルモノマーを含むモノマー成分、および c)水 からなる高分子分散液であって、 該デンプンa)の量が、該高分子分散液の固形分の5〜50%、好ましくは5
〜40%であり、 該モノマー成分b)の量が、該高分子分散液の固形分の50〜95%、好まし
くは60〜95%であり、 該デンプンa)および該モノマー成分b)からなる高分子の皮膜形成温度が−
50〜200℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜70℃、最も好
ましくは10〜50℃であることを特徴とする高分子分散液に関する。
陽イオン性の置換基であることが好ましく、これに加えて陰イオン性の置換基を
有していてもよい。同様に、陰イオン性の置換基がデンプンの上記の範囲の置換
度を有するようにするために用いられ、これに加えて陽イオン性の置換基が用い
られていてもよい。
り、固有粘度が1.5〜15dl/gであることが好ましい。また上記モノマー
成分は、40〜70%のアクリル酸エステル類と、30〜60%のスチレンより
なることが好ましい。
、スチレンおよび水からなる高分子分散液であって、上記デンプンa)の量が、
該高分子分散液の固形分の5〜50%、好ましくは5〜40%、アクリロニトリ
ルの量が、該高分子分散液の固形分の0〜19%、アクリル酸エステル類の量が
、該高分子分散液の固形分の10〜60%、スチレンの量が、該高分子分散液の
固形分の10〜60%である高分子分散液に関する。
ル、アクリル酸エステル類、スチレンおよび水からなる高分子分散液であって、
上記デンプンa)の量が、該高分子分散液の固形分の15〜40%、好ましくは
15〜35%、アクリロニトリルの量が、該高分子分散液の固形分の5〜19%
、アクリル酸エステル類の量が、該高分子分散液の固形分の20〜50%、スチ
レンの量が、該高分子分散液の固形分の20〜40%である高分子分散液である
。
有粘度が3〜15dl/gより大である上記デンプンa)、アクリロニトリル、
アクリル酸エステル類、スチレンおよび水からなる高分子分散液であって、上記
デンプンa)の量が、該高分子分散液の固形分の20%、アクリロニトリルの量
が、該高分子分散液の固形分の19%、アクリル酸エステル類の量が、該高分子
分散液の固形分の30%、スチレンの量が、該高分子分散液の固形分の31%で
ある高分子分散液である。
〜60%とすることができ、好ましくは20〜50%、より好ましくは25〜4
0%、最も好ましくは25〜35%である。
1種のビニルモノマーを含む上記モノマー成分b)を、デンプンの水溶液中で共
重合反応に付す。この共重合反応により形成される高分子の皮膜形成温度は−0
〜200℃、好ましくは0〜70℃である。デンプンへのモノマーの共重合は、
それぞれのモノマーを別々に反応混合物に添加し、次のモノマー反応混合物に添
加する前にデンプンに共重合させる段階を逐次的に行うことにより行うことがで
きる。
度に上昇することがない点である。更に、イオン性置換基によるデンプンの置換
度をやや高くすることにより、特にアクリロニトリルの使用量を19%未満にま
で減らすことができると考えられる。
進行することが見出されている。この重合機構では、完全に水に溶解しているデ
ンプンの分子に疎水性の置換基が結合し、デンプン分子を水相から分離させよう
とする。このことによって、デンプン分子鎖が一次粒子(initial particles)
として沈殿する。この段階を「第1重合段階」と称する。ここでは、重合の開始
は水溶液中で起こる。
ンモニウムまたはカリウム、過酸化物などを使用すればよく、好ましくは硫酸銅
−過酸化水素酸化還元対(redox pair)である。重合温度は70〜90℃、好ま
しくは75〜80℃とし、pHは7未満、好ましくは3〜5℃とする。デンプン
の添加量は、モノマー成分の乾燥重量に対し2〜200%、好ましくは10〜1
00%、より好ましくは10〜60%、最も好ましくは10〜50%とする。
子中に移行したモノマーの量が多くなると、第2の重合段階が開始される。この
段階は、重合の成長段階(propagation step)として知られている。形成された
一次粒子が凝集し、生じた凝集粒子がイオン性置換基により安定化されるまでそ
の凝集が継続する。このDLVO理論に基づく安定化によって、安定化された凝
集粒子の量とその粒子径は、コロイド化学の分野において知られている様式によ
って決まる、エネルギー的に安定な範囲に含まれるものとなる。こうして形成さ
れた凝集粒子が、成長中の重合体(高分子)粒子の一次粒子として機能する。
許第DE 3,702,712号明細書では界面活性剤が必要であり、このこと
は、この場合には重合は古典的ハーキンスモデル(classical Harkins' model)
(W. D. Harkins, J. Am. Chem. Soc., 69(1947) 1428)に従って進行すること
を示すものである。古典的ハーキンスモデルでは、モノマーは初めミセル中に存
在していて、そこで重合が開始されるとされている。
の重合段階が開始される。これは停止段階として知られるものである。ここまで
の段階で、重合体粒子の量、粒子径および表面電荷は決まっている。
分枝を有する、強度の高い重合体が得られる。上記の合成ポリマー鎖を生じた重
合は、互いに適当な距離を置いて起こる。驚くべきことに、この方法によって生
じるホモポリマーの量は非常に少ない。
その上、製紙の工程において、この重合体は良好な歩留まりと繊維への接着性を
示し、また初期湿潤紙力(initial wet strength)を向上させる。初期湿潤紙力
は、特にシュー・プレス(shoe press)など新型の高速ギャップフォーマー(ga
p former machine)において要求される特性である。
として、従来の合成ポリマーに比して、抄紙機のシリンダーを汚染しないことが
挙げられる。本発明の重合体の表面の構造は、粒子や繊維との間で水素結合を形
成しやすいと推定されるが、本発明の重合体は洗浄により容易に抄紙機の部品上
から除去される。
としての適用においても、パルプや表面サイジング用デンプンに対する相溶性は
十分に高く、重合体を乾燥しても分離が起こらない。
、通常表面サイジング用デンプンの量の1〜10%である。そして、通常上記の
重合体と表面サイジング用デンプンの混合物をサイズプレス(size press)を用
いて紙の表面に添加する。重合体を表面サイジング用デンプンと完全に混合させ
ると、特に上級紙に適用した際に、印刷適正をより均一にすることができる。ま
た、紙のインクジェット特性も改善される。即ち、紙の特性がインクジェット型
プリンターによるカラー印刷に適したものとなる。重合体の安定化において利用
される陽イオン性を若干高めることにより、紙の繊維に対する重合体の接着性を
更に高めることができる。
これらによって何ら限定されるものではない。
9dl/gのバレイショデンプン、デンプン2は、次亜塩素酸塩を用いて酸化さ
れた固有粘度1.5dl/gのバレイショデンプン、デンプン3は、次亜塩素酸
塩を用いて酸化された固有粘度9dl/gのバレイショデンプンである。いずれ
のデンプンにおいても、固形分は82%である。
たスラリーに10部の10%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物
を80℃に加熱し、12.2部の陽イオン化剤(74%)を加えて5時間反応さ
せる。この段階において、デンプンの陽イオン化度(置換度)は0.15であり
、固有粘度は10dl/gである。
0.5%硫酸銅(II)水溶液を添加する。得られた混合物に対し、38.1部
のアクリロニトリル、100.3部のアクリル酸ブチルおよび62.2部のスチ
レンからなるモノマー成分と、5%の過酸化物溶液(110.6部)とを同時に
添加し始め、モノマー成分は5時間、過酸化物溶液は5.5時間かけて添加する
。その後、更に1時間反応を行う。得られる最終生成物は、固形分28%の分散
液となる。
れたスラリーに24部の0.5%硫酸銅(II)水溶液を添加し、得られた混合
物を80℃に加熱し、その温度で約30分間攪拌してデンプンを十分溶解する。
115.3部のスチレンからなるモノマー成分と、5%の過酸化物溶液(230
.5部)とを同時に添加し始め、モノマー成分は4時間、過酸化物溶液は4.5
時間かけて添加する。その後、更に1時間反応を行う。得られる最終生成物は、
固形分34%の分散液となる。
554.8部の水と混合する。得られた混合物に10部の10%水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加し、得られた混合物を45℃に加熱し、10部の5%過酸化水素
水を30分かけて添加し、得られた混合物をその後更に1時間45℃で攪拌する
。得られた反応混合物に12.2部の陽イオン化剤(74%)を加え、得られた
混合物を80℃に加熱し、4時間反応させる。この段階において、デンプンの陽
イオン化度(置換度)は0.15であり、優勢な(prevailing)反応条件下にお
ける固有粘度は約5dl/gである。
混合物に対し、38.1部のアクリロニトリル、100.3部のアクリル酸ブチ
ルおよび62.2部のスチレンからなるモノマー成分と、5%の過酸化物溶液(
110.6部)とを同時に添加し始め、モノマー成分は5時間、過酸化物溶液は
5.5時間かけて添加する。その後、更に1時間反応を行う。得られた最終生成
物は、固形分28%の分散液となる。
たスラリーに10部の10%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、得られた混合物
を80℃に加熱し、4.1部の陽イオン化剤を加えて5時間反応させる。この段
階において、デンプンの陽イオン化度(置換度)は0.05であり、固有粘度は
10dl/gである。
0.5%硫酸銅(II)水溶液を添加する。得られた混合物に対し、38.1部
のアクリロニトリル、100.3部のアクリル酸ブチルおよび62.2部のスチ
レンからなるモノマー成分と、5%の過酸化物溶液(110.6部)とを同時に
添加し始め、モノマー成分は5時間、過酸化物溶液は5.5時間かけて添加する
。その後、更に1時間反応を行う。得られる最終生成物は、固形分28%の分散
液となる。
の比較 パイロット抄紙機(pilot paper machine)を用い、紙匹幅(web width)1m
、速度80m/min.の条件で紙(80g/m2)を製造した。 セルロースとして、ろ水率(freeness)が25〜30°SRとなるまで叩解し
たカンバ(birch)とマツ(pine)のセルロースの混合物(60/40)を使用
した。
C)と重質炭酸カルシウム(GCC)の混合物)、0.8%の、陽イオン性(D
S、置換度)0.045のパルプ添加用デンプン(pulp starch)および歩留ま
り向上剤(retention agent)を使用した。
約28g/m2であった。
製造した。
0%、混合リサイクルパルプ(mixed recycled pulp)20%および未選パルプ
(semipulp)20%である。 これに加えて、陽イオン性(DS)0.015のパルプ添加用デンプン2%を
使用した。
/m2であった。
80g/m2)を製造した。試料は紙が濡れているうちに第1乾燥部(first dry
ing section)から取り、直ちに測定した。
で叩解した典型的なメカニカルパルプを使用した。 これに加えて、合計パルプ量に対し15%の填料、0.4%の、陽イオン性(
DS)0.2のパルプ添加用デンプンおよび歩留まり向上剤を使用した。
力増強剤として機能する。本発明の高分子分散液は陽イオン性保護コロイドとし
ての特性を有するので、これに含まれる高分子は、陰イオン性の繊維中に保持さ
れている。試験データより、本発明の高分子分散液は紙の疎水性を向上し、また
従来のサイズ剤(抄紙機のウェットエンドに添加されるタイプ)と異なり、紙の
強度を向上すると結論づけることができる。
セルロースの混合物(60/40)を使用した。これに加えて、合計パルプ量に
対し25%の填料(軽質炭酸カルシウム(PCC))、0.8%の、陽イオン性
(DS)0.035のパルプ添加用デンプンおよび歩留まり向上剤を使用した。
0g/m2)を製造した。 得られた紙を、10%陽イオン性デンプン(DS 0.015)溶液に、本発
明の分散液を乾燥して得られる高分子(デンプンの乾燥重量の5%)を加えたも
のを用い、サイズプレスで表面サイジングした。 ゼロ点の試験では、デンプン溶液に高分子を添加せずに用いた。
ing Test)を、アクロス(Acros)社製ナフトールグリーンを、濃度が2%とな
るよう1%ギ酸に溶解した溶液を用いて行った。
の記載に従って紙を製造した。また比較例2では、ヒドロキシプロピルスターチ
に代えて実施例2で用いたものと同様の酸化デンプンを用いる以外は、国際出願
公開公報WO95/13194号明細書の実施例4の記載に従って紙を製造した
。
ン化度(置換度)0.035)を142部の水と混合し、得られた混合物を80
℃に加熱し、26部の10%酢酸カリウム水溶液を添加し、更に18部の1%ア
ルファ−アミラーゼ水溶液を添加して20分間反応させた後、7.5部の氷酢酸
を添加した。
化水素溶液を添加して20分間反応させた。この反応の後、固有粘度は0.07
dl/gとなった。
、93.7部のアクリロニトリル、76.4部のアクリル酸ブチル、0.8部の
直鎖状ドデシルベンゼンスルホン酸25%ナトリウム塩(市販)および50部の
水からなる乳濁液と、3.12%の過酸化物溶液(50部)とを同時に添加し始
め、乳濁液は1時間、過酸化物溶液は1.75時間かけて添加した。過酸化物溶
液を添加し終わった後、直ちに温度を85℃に上げて更に15分間反応を行った
。得られた最終生成物は、固形分43%の分散液であった。
部の酢酸カリウムを446.20部の水と混合し、得られた混合物を80℃に加
熱し、0.07部のアルファ−アミラーゼを更に添加して20分間反応させた。
び1.14部の30%過酸化水素水を添加し、20分間攪拌した。この反応の後
、固有粘度は0.05dl/gとなった。
ンモニウム(methacrylic amidopropylmethyl ammonium chloride)、4.1部
のアクリル酸および0.91部の30%過酸化水素水を添加し、次いで41.1
部のスチレンおよび41.1部のアクリル酸ブチルからなるモノマー成分と、2
.1%の過酸化物溶液(58.4部)とを同時に添加し始め、モノマー成分は2
時間、過酸化物溶液は2.25時間かけて添加した。過酸化物溶液を添加し終わ
った後、直ちに温度を85℃に上げて更に1時間反応を行った。得られた最終生
成物は、固形分16%の分散液であった。
また本発明の他の実施例では未反応モノマーの量が300〜1500ppmであ
ったのに対し、比較例2では未反応モノマーの量が40000ppmであった。
ヒドロキシプロピルスターチのヒドロキシプロピル基によって分散液が安定化さ
れる(これに対し、比較例2ではこのような安定化が起こらない)ためと考えら
れる。
る。国際出願公開公報WO95/13194号明細書の方法に従いデンプンを酵
素によって加水分解すると、このような安定化作用は消失する。それでもかなり
良好なサイズ度が得られるのは、分散液中に残余している疎水性モノマーの量が
多いことによる。この疎水性モノマーが紙に吸収されると、紙の疎水性が高まる
。しかし、これらの物質は有害かつ匂いの強い物質であるから、そのような物質
が高濃度に含まれていることは望ましくない。
、従来公知の高分子分散液や、本願の比較例において用いた高分子分散液に比し
て、紙の耐インク性を大幅に向上することができるといえる。
よびインクジェット特性と相関しており、紙の耐インク性が向上すると、紙の耐
水性およびインクジェット特性も向上する。
Claims (15)
- 【請求項1】 下記成分a)〜c): a)陽イオン性または陰イオン性置換基により置換され、置換度が0.01〜1
であり、陽イオン化または陰イオン化した状態での固有粘度が1.0dl/gよ
り大であるデンプン、 b)少なくとも1種のビニルモノマーを含むモノマー成分、および c)水 からなる高分子分散液であって、 該デンプンa)の量が、該高分子分散液の固形分の5〜50%、好ましくは5
〜40%であり、 該モノマー成分b)の量が、該高分子分散液の固形分の50〜95%、好まし
くは60〜95%であり、 該デンプンa)および該モノマー成分b)からなる高分子の皮膜形成温度が−
50〜200℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜70℃、最も好
ましくは10〜50℃であることを特徴とする高分子分散液。 - 【請求項2】 該デンプンa)の置換度が0.04〜1であり、固有粘度が
1.5〜15dl/gであることを特徴とする、請求項1に記載の高分子分散液
。 - 【請求項3】 該モノマー成分b)から形成される高分子の皮膜形成温度が
10〜50℃、好ましくは20〜50℃であることを特徴とする、請求項1また
は2に記載の高分子分散液。 - 【請求項4】 該モノマー成分b)が、40〜70%のアクリル酸エステル
類と、30〜60%のスチレンよりなることを特徴とする、請求項1〜3のいず
れかに記載の高分子分散液。 - 【請求項5】5〜50%、好ましくは5〜40%の該デンプンa)、 0〜19%のアクリロニトリル、 10〜60%のアクリル酸エステル類、 10〜60%のスチレン、および 水 よりなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高分子分散液。
- 【請求項6】15〜40%、好ましくは15〜35%の該デンプンa)、 5〜19%のアクリロニトリル、 20〜50%のアクリル酸エステル類、 20〜40%のスチレン、および 水 よりなることを特徴とする、請求項5に記載の高分子分散液。
- 【請求項7】20%の、置換度が約0.05であり、固有粘度が3〜15d
l/gより大である該デンプンa)、 19%のアクリロニトリル、 30%のアクリル酸エステル類、 31%のスチレン、および 水 よりなることを特徴とする、請求項1に記載の高分子分散液。 - 【請求項8】 少なくとも1種のビニルモノマーを含む該モノマー成分b)
を、該デンプンa)の水溶液中で共重合反応に付すことを含む、請求項1に記載
の高分子分散液の製造方法であって、 該共重合反応により形成される高分子の皮膜形成温度が−50〜200℃、好
ましくは0〜100℃、より好ましくは0〜70℃、最も好ましくは10〜50
℃であることを特徴とする方法。 - 【請求項9】 該デンプンa)の水溶液を、該デンプンa)を60℃を超え
る温度でアルカリ水溶液に溶解させることによって得ることを特徴とする、請求
項8に記載の方法。 - 【請求項10】 該共重合反応の際の温度が70〜90℃であり、pHが7
より低いことを特徴とする、請求項8に記載の方法。 - 【請求項11】 陽イオン化または陰イオン化したデンプンを用いることを
特徴とする、請求項8に記載の方法。 - 【請求項12】 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子分散液の、製紙に
おける用途。 - 【請求項13】 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子分散液の、紙の表
面サイジング用添加剤としての用途。 - 【請求項14】 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子分散液の、抄紙機
のウェットエンドに添加される、湿潤および乾燥紙力増強剤としての用途。 - 【請求項15】 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子分散液の、パルプ
用サイズ剤としての用途。
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