JP4584558B2 - ポリカーボネート樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、耐摩耗特性に優れるポリカーボネート樹脂に関する。また、特に電子写真感光体の電荷輸送層用バインダー材料として有用なポリカーボネート樹脂に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性が強く、可視域の光透過性も良好なため、透明エンジニアリング樹脂として様々な用途に使用されている。
例えば、有機電子写真感光体の電荷輸送層のバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂が広く用いられている。有機電子写真感光体の代表的な構成例として、導電性基板上に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した積層型感光体が挙げられる。
通常、電荷輸送層は、低分子電荷輸送性材料とバインダー樹脂から形成され、このバインダー樹脂として用いられている。通常、該電荷輸送層が有機感光体の最外層であるために、ブレード、トナー、紙及びブラシ等と接触して摩耗し、感光体の寿命を損なうため、できるだけ耐摩耗性に強いバインダー樹脂が選択され使用されている。
しかしながら、一枚当たりの印刷コストを下げたい要望から、より一層感光体の寿命を上げる必要があり、そのためには有機感光体の耐摩耗性を一層上げる必要がある。
これまで種々のバインダー樹脂が検討されてきたが、低分子電荷輸送材料の含有により耐摩耗性の低下が避けられていない。
従来から、電子写真感光体の電荷輸送層用バインダー材料として、ポリカーボネート樹脂を用いた技術が種々提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、これらの提案に示されている特定構造式のポリカーボネート樹脂によると、電子写真感光体の耐摩耗性は未だ充分満足できるものではない。
特開平6−110224号公報 特開2001−72756号公報
本発明は上記従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、電子写真感光体の耐摩耗性に優れる新規ポリカーボネート樹脂、特に低分子電荷輸送材料を含有させた系においても優れた耐摩耗性を有する新規ポリカーボネート樹脂を提供することを目的とする。
本発明者等は鋭意検討した結果、特定の構成単位を含有する新規ポリカーボネート樹脂が従来の樹脂に比べて機械的に強い耐摩耗性を有し、低分子電荷輸送材料を含有させた系においても優れた耐摩耗性を発現できることを見出した。
即ち、上記課題は、本発明の(1)「下記一般式(1)の構成単位と下記一般式(2)で表される構成単位のみからなり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3万〜30万の範囲であるポリカーボネート樹脂;
Figure 0004584558
Figure 0004584558
(2)「下記一般式(3)で表されるビスフェノール化合物をホスゲン誘導体により重縮合させることにより得られることを特徴とする前記第(1)項に記載のポリカーボネート樹脂;
Figure 0004584558
」によって解決される。
上記一般式(1)〜(3)において、置換基Rがない場合は、得られるポリカーボネート樹脂の結晶性が高く、透明な非晶質膜が得られないのに対し、本発明のポリカーボネート樹脂は置換基Rが非対称に存在するので結晶性が下がり、良好な非晶質性を示す。
また、置換基Rがジフェニルエーテル構造の両方の環に付いた場合は、その原料となるビスフェノール体の製造工数が多くなり、材料調達が困難になる。
例えば、ジフェニルエーテル化合物4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルの合成は4工程必要になる。これは、エーテル結合を生成するための左右の原料のうち片方の入手が困難であることに起因している。
それに対し、例えば本発明で使用されるポリカーボネート樹脂の製造原料となるジフェニルエーテル化合物(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルエーテルの合成は2工程で合成でき、容易に材料供給が可能である。
したがって、本発明で使用されるポリカーボネート樹脂は、工数を少なく製造でき、工業的利用に適している。また、両方の環に置換基が付いた場合に比べ、ビスフェノール体構造の非対称性がさらに高く、加えて重合時の結合向きによる構造の自由度も大きいために優れた非晶質性を示す。
すなわち、本発明のポリカーボネート樹脂は、耐摩耗性に優れ、特に低分子電荷輸送性材料が混合された系においても優れた耐摩耗性を示し、電子写真感光体用のバインダーとして有用な樹脂である。
以下に本発明の詳細を説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、前記一般式(1)及び/又は、前記一般式(2)で示される構成単位を含有するポリカーボネート樹脂である。
特に、非対称なジフェニルエーテル構造を有する前記一般式(3)で表わされるビスフェノール体をホスゲン誘導体によって重縮合させて得られた構造体であり、非対称ゆえに構成単位の繋がり方がランダムに配していることから、前記一般式(1)と前記一般式(2)の構成単位が任意に混ざり合った構造となっている
に、前記一般式(1)及び/又は、前記一般式(2)で示される構成単位からなるポリカーボネート樹脂は、耐摩耗性に優れ、低分子電荷輸送材料が混合された場合の耐摩耗性にも優れる特徴を最大に発揮できる。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造法について説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、従来ポリカーボネート樹脂の製造法として公知の、ビスフェノールと炭酸誘導体との重合と同様の方法で製造できる。
すなわち、前記一般式(3)で表わされるジオールを使用し、ビスアリールカーボネートとのエステル交換法やホスゲン等のハロゲン化カルボニル化合物との溶液又は界面重合法あるいはジオールから誘導されるビスクロロホーメート等のクロロホーメートを用いる方法等により製造される。ハロゲン化カルボニル化合物としてはホスゲンの代わりにホスゲンの2量体であるトリクロロメチルクロロホーメートやホスゲンの3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボネートも有用であり、塩素以外のハロゲンより誘導されるハロゲン化カルボニル化合物、例えば、臭化カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニルも有用である。これら公知の製造法については、例えば「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(編者:本間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている。
また、適当な重合操作を選択することによって共重合体にすることができる。
例えば、一般式(3)で表わされるジオールと従来公知のポリカーボネート樹脂に使用されるジオールをはじめから均一に混合してホスゲンとの縮合反応を行なえばランダム共重合体が得られる。
また、幾種類かのジオールを反応の途中から加えることによりランダムブロック共重合体が得られる。
また、いずれかのジオールから誘導されるビスクロロホーメート体と縮合反応を行なえば交互共重合体が得られる。
また、これらビスクロロホーメートとジオールとの縮合反応の際、ビスクロロホーメート及びジオールを複数使用することによりランダム交互共重合体が得られる。
共重合体とする場合は、一般式(1)および一般式(2)で表わされる構成単位の合計がその他の構成単位との組成比で10mol%以上含有されることが好ましく、30mol%以上含有されることが更に好ましい。更に、50mol%以上含有されることがよりいっそう好ましい。
本発明の樹脂においてその優れた耐摩耗性は、一般式(1)および一般式(2)で表わされる構成単位により発現されるため、これらの濃度が低下するとその効果が低減される。
ハロゲン化カルボニル化合物や、クロロホーメートを用いる方法において、界面重合で行なう場合には、ジオールのアルカリ水溶液と水に対して実質的に不溶性であり、且つ、ポリカーボネートを溶解する有機溶媒との2相間で炭酸誘導体及び触媒の存在下に反応を行なう。
この際、高速撹拌や乳化物質の添加によって反応媒体を乳化させて行なうことによって短時間で分子量分布の狭いポリカーボネートを得ることができる。
アルカリ水溶液に用いる塩基としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩等である。
これらの塩基は、単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。好ましい塩基は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。
使用される水は、蒸留水、イオン交換水が好ましい。
有機溶媒は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素、又は、それらの混合物である。また、それらにトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等を混合した有機溶媒でもよい。
有機溶媒は、好ましくは、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素であり、より好ましくは、ジクロロメタン又はクロロベンゼンである。
ポリカーボネート製造時に使用されるポリカーボネート生成触媒は、第三級アミン、第四級アンモニウム塩、第三級ホスフィン、第四級ホスホニウム塩、含窒素複素環化合物及びその塩、イミノエーテル及びその塩、アミド基を有する化合物等である。
ポリカーボネート生成触媒の具体例は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−テトラメチレンジアミン、4−ピロリジノピリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−エチルピペリジン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリエチルアンモニウムクロライド、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、テトラ(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロライド、ベンジルトリエチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、4−メチルピリジン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、3−メチルピリダジン、4,6−ジメチルピリミジン、1−シクロヘキシル−3,5−ジメチルピラゾール、2,3,5,6−テトラメチルピラジン等である。これらのポリカーボネート生成触媒は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。ポリカーボネート生成触媒は、好ましくは、第三級アミンであり、より好ましくは、総炭素数3〜30の第三級アミンであり、特に好ましくは、トリエチルアミンである。これら触媒は、ホスゲンやビスクロロホーメート体等の炭酸誘導体を反応系に加える前、及び又は、加えた後に添加することができる。
また、アルカリ水溶液中でのジオールの酸化を防ぐためにハイドロサルファイト等の酸化防止剤を加えても良い。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間であり、反応中のpHは通常10以上に保つことが好ましい。
一方、溶液重合で行なう場合は、ジオールを溶媒に溶解し、脱酸剤を添加し、これにビスクロロホーメート、又はホスゲン、又はホスゲンの多量体を添加することにより得られる。脱酸剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンのような第三級アミンおよびピリジンが使用される。
また、反応に使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素およびテトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテルの系の溶媒及びピリジンが好ましい。
反応温度は、通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間である。
また、エステル交換法によっても製造される。
この場合、不活性ガス存在下にジオールとビスアリールカーボネートを混合し、通常減圧下120〜350℃で反応させる。
減圧度は、段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成するフェノール類を系外に留去させる。また、反応時間は通常1〜4時間程度である。
また、必要に応じて酸化防止剤を加えても良く、ビスアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
以上、すべての重合操作において分子量を調節するために分子量調節剤として末端停止剤を用いることが望ましく、したがって、本発明で使用されるポリカーボネート樹脂の末端には停止剤にもとづく置換基が結合してもよい。
使用される末端停止剤は、1価の芳香族ヒドロキシ化合物、1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体、1価のカルボン酸または1価のカルボン酸のハライド誘導体等である。
1価の芳香族ヒドロキシ化合物は、例えば、フェノール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−キシレノール、p−メトキシフェノール、p−ヘキシルオキシフェノール、p−デシルオキシフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェノール、p−フェニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2,4−ジ(1’−メチル−1’−フェニルエチル)フェノール、β−ナフトール、α−ナフトール、p−(2’,4’,4’−トリメチルクロマニル)フェノール、2−(4’−メトキシフェニル)−2−(4”−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類、またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。
1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体は、上記の1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体等である。
1価のカルボン酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、3−メチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、4−メチル吉草酸、3,3−ジメチル吉草酸、4−メチルカプロン酸、3,5−ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪酸類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、安息香酸、p−メチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−ブトキシ安息香酸、p−オクチルオキシ安息香酸、p−フェニル安息香酸、p−ベンジル安息香酸、p−クロロ安息香酸等の安息香酸類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。
1価のカルボン酸のハライド誘導体は、上記の1価のカルボン酸のハライド誘導体等である。これらの末端封止剤は重合操作の過程において反応開始前および反応途中に加えることで分子量を任意に調整することができる。
さらにこれらの末端封止剤は、末端基の保護剤としても用いることができ、重合反応終了後に加えることで末端基を保護し様々な機能を付加することもできる。
これらの末端封止剤は、単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。末端封止剤は、好ましくは、1価の芳香族ヒドロキシ化合物であり、より好ましくは、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールまたはクロロギ酸フェニルである。
本発明のポリカーボネート樹脂の好ましい分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で30000〜300000であり、より好ましくは100000〜250000である。
分子量が小さすぎる場合は、機械的強度が弱くなり、成膜時にひびが入る等実用性に乏しくなる。また、分子量が大きすぎる場合は溶液粘度が高くなり塗工が困難になる。
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、芳香族性ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カルボン酸基、カルボン酸ハライド基または活性なハロゲン原子等から選ばれる反応基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。
分岐化剤の具体例は、フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,α’−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、2,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェノール、2−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(2”,4”−ジヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)ホスフィン、1,1,4,4−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス〔4’,4’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル〕プロパン、α,α,α’,α’−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、2,2,5,5−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1,2,3−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4’,4”−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、3,3’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ビス(クロロカルボニルオキシ)安息香酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、4−クロロカルボニルオキシイソフタル酸、5−ヒドロキシフタル酸、5−クロロカルボニルオキシフタル酸、トリメシン酸トリクロライド、シアヌル酸クロライド等である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
以上のようにして得られたポリカーボネート樹脂は重合中に使用した触媒や酸化防止剤、また、未反応のジオールや末端停止剤、また、重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操作も先の「ポリカーボネート樹脂ハンドブック」(編者:本間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている公知の方法を使用できる。
又、上記の方法にしたがって製造された芳香族ポリカーボネート樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤などの添加剤を加えることができる。
本発明の説明で用いられる炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であり、これらのアルキル基は更にフッ素原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン原子もしくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。好ましくは、メチル基である。
炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルコキシ基とは、上記した炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基を有するアルコキシ基を表わし、その具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
置換もしくは無置換のアリール基とは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ〔a,d〕シクロヘプテニリデンフェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ピリジニル基、ピロリジル基、オキサゾリル基等が挙げられ、これらは上記した置換もしくは無置換のアルキル基、上記した置換もしくは無置換のアルキル基を有するアルコキシ基、及びハロゲン原子を置換基として有していても良い。
以下、実施例により本発明を説明する。
ビスフェノールモノマーの合成
(3−メチル−4−メトキシフェニル)−4−メトキシフェニルエーテルの合成
5−ブロモ−2−メトキシトルエン201.1g、4−メトキシフェノール250g、銅紛31.8g、炭酸カリウム333.4g、オルトキシレン200mlを反応容器に入れ、窒素気流下、185℃〜202℃で3時間撹拌反応させた。冷却後、固形物をトルエン200mlと酢酸エチル500mlとの混合溶媒で加熱溶解させ、セライトによりろ過し、ろ液を活性白土で吸着処理した後、食塩水で2回洗浄した。得られた溶液を濃縮し、トルエンとヘキサンの混合溶媒によりシリカゲルでカラム精製した。無色のオイル状物として(3−メチル−4−メトキシフェニル)−4−メトキシフェニルエーテル210.5gを得た。収率は86.2%であった。
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルエーテルの合成
(3−メチル−4−メトキシフェニル)−4−メトキシフェニルエーテル207.8g、塩化メチレン1650mlを反応器に入れ、窒素気流下、−17℃まで冷却撹拌した。 その後、1M三臭化ホウ素塩化メチレン溶液を1790ml滴下し、0℃で3時間反応させた。その後、水500mlを加え、酢酸エチル1500mlで抽出した。
抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて脱水処理した。
その後、ろ過、濃縮し、トルエンと酢酸エチル混合溶媒によりシリカゲルでカラム精製した。
その後、トルエンとシクロヘキサン混合溶媒により再結晶して無色結晶状態で(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルエーテル134.4gを得た。収率は、73.1%、融点115.9〜116.8℃であった。
ポリカーボネート樹脂の合成
実施例1
上記合成例で得られた(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルエーテル4.463部と、分子量調節剤としての4−tert−ブチルフェノール0.155部を容器に入れ、窒素気流下で水酸化ナトリウム6.21部とナトリウムハイドロサルファイト0.248部を水79部に溶解させた液を加えて、撹拌して溶解させ、7℃に冷却させた。
一方、反応容器にホスゲンの3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボネート3.674部とジクロロメタン51.2部を入れて撹拌溶解させ、7℃まで冷却させた。
その後、モノマーのアルカリ溶液をホスゲン溶液中に加え、強く撹拌しながらエマルジョンを形成させつつ反応させた。
15分撹拌した後、触媒としてトリエチルアミン0.01部を加えて、27℃で150分撹拌反応させた。
反応終了後、有機層を取出し、ジクロロメタンで希釈し、水、2%の塩酸水溶液の順で洗浄し、最後に水で洗浄後の水層の電導度が1μS以下になるまで洗浄した。得られた有機層をイソプロピルアルコール中に滴下して無色のポリカーボネート樹脂を得た。
ろ過、乾燥後の収量は、4.76部であり、収率95%であった。
得られたポリカーボネート樹脂No.1の構造を下記に記す。
このポリカーボネート樹脂の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところ、ポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量で67000、重量平均分子量で152000であった。
また、示差走査熱量測定から求めたガラス転移温度は105℃であった。
また元素分析の結果は、以下のようであり、構造式から計算される値と一致した。
Figure 0004584558
Figure 0004584558
実施例2〜4
4−tert−ブチルフェノールの仕込み量を変える以外は実施例1と同様にして、分子量の異なるポリカーボネート樹脂No.2〜No.4を得た。
(樹脂No.2)
重量平均分子量:70100
ガラス転移温度:103℃
(樹脂No.3)
重量平均分子量:113000
ガラス転移温度:104℃
(樹脂No.4)
重量平均分子量:199300
ガラス転移温度:105℃
参考例1
実施例1において(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルエーテルの50モル%分を1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンに代えた他は同様にして樹脂No.5を得た。
(樹脂No.5)
重量平均分子量:135000
ガラス転移温度:145℃

耐摩耗性評価
得られたポリカーボネート樹脂及び比較のポリカーボネート樹脂をジクロロメタン溶液とし、厚さ1mmのアルミニウム板の上に厚さ15μmになるように塗布・乾燥させ、テーバー摩耗試験機の試験片を作製した。
また、ポリカーボネート樹脂と下記構造の低分子電荷輸送性化合物を重量比10:7で混合してジクロロメタン溶液とし、上記と同様にして試験片を作製した。
Figure 0004584558

引掻き摩耗試験として摩耗輪CS−10を使用し、荷重250gで1500回転させたときの摩耗量を重量測定により求めた。
また、疲労摩耗試験として摩耗輪CS−5を使用し、荷重1Kgで3000回転させたときの摩耗量を重量測定により求めた。これらの結果を表2に示す。
Figure 0004584558

Mw:76100
Figure 0004584558
Mw:180800
Figure 0004584558
Mw:151500
Figure 0004584558
Mw:190500
Figure 0004584558


Claims (2)

  1. 下記一般式(1)の構成単位と下記一般式(2)で表される構成単位のみからなり、ポリスチレン換算の重量平均分子量が3万〜30万の範囲であるポリカーボネート樹脂。
    Figure 0004584558
    Figure 0004584558
  2. 下記一般式(3)で表されるビスフェノール化合物をホスゲン誘導体により重縮合させることにより得られることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
    Figure 0004584558
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