JP4498773B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂に関し、電子写真感光体材料、有機EL素子用材料として有用である芳香族ポリカーボネート樹脂に関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、耐衝撃性などに優れた高分子材料であり、エンジニアリングプラスチックスとして多くの分野で利用されている。芳香族ポリカーボネート樹脂としては、芳香族化合物の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略称する)にホスゲンやジフェニルカーボネートを反応させて得られる重合体がよく知られている。芳香族ポリカーボネート樹脂は、他の汎用性樹脂材料に比べて、透明性、耐熱性、寸法精度および機械的強度などの面において、特に優れた性状や性能を有していることから、多くの分野で用いられている。そのひとつの例として、電子写真法において使用される有機感光体用のバインダー樹脂としてさまざまな検討がな
されている。有機感光体は、導電性基板上に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した構成が代表的であり、その電荷輸送層は低分子電荷輸送材料とバインダー樹脂により形成され、このバインダー樹脂として芳香族ポリカーボネート樹脂が多数提案されている。しかしながら、一般に低分子電荷輸送材料の含有により、バインダー樹脂が本来有する機械的強度を低下させ、このことが感光体の摩耗性劣化、傷、クラックなどの原因となり、感光体の耐久性を損なうものとなっている。
また、感光体の電荷輸送層の電荷輸送材料そのものとしても、芳香族ポリカーボネート樹脂を用いることが提案されている。例えば、ベンジジン構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(特許献1参照。)、カルバゾール構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(特許文献2参照。)、α−フェニルスチルベン構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(特許文献3参照。)がそれぞれ開示されているが、未だ実用化には至っていない。
一方、有機薄膜EL素子としては、低分子系および高分子系の様々な材料が報告されている。低分子系においては、種々の積層構造の採用により高効率化の実現が、またドーピング法をうまくコントロールすることにより耐久性の向上が報告されている。しかし、低分子集合体の場合には、長時間の経時で膜状態に変化が生じることが報告されており、膜の安定性に関して本質的な問題点を抱えている。一方、高分子系材料では、これまで、主にPPV(poly−p−phenylenevinylene)系列やpoly−thiophene等について検討が行われてきた。しかしこれらの材料系は、その純度を上げることが困難であるだけでなく、本質的に蛍光量子収率が低いことが問題点として挙げられ、そのため高性能な有機薄膜EL素子は得られていないのが現状である。しかし、高分子系材料は、本質的にガラス状態が安定であることを考慮すると、その材料に高蛍光量子効率を付与することができれば優れたEL素子の構築が可能となるため、この分野でさらなる改良が行われている。
特開昭64−9964号公報 特許第2958100号公報 特開平11−29634号公報
したがって、本発明は上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用材料として有用な新規芳香族ポリカーボネート樹脂を提供することを目的とする。
即ち、上記目的は、請求項1に記載されるが如く、下記一般式(I)
Figure 0004498773
(式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar、Arは独立して置換もしくは無置換のアリレン基を表す。)
で表される構成単位を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂により達成される。
請求項1に記載の発明によれば、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な新規芳香族ポリカーボネート樹脂を提供することができる。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の発明において、前記構成単位が、下記一般式(II)
Figure 0004498773
(式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R’、R’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表される構成単位であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供することができる。
請求項3にかかる発明は、請求項1または2の発明において、前記構成単位が、下記一般式(III)
Figure 0004498773
(式中、R’’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表される構成単位であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供ができる。
請求項4にかかる発明は、上記一般式(I)、(II)または(III)で表される構成単位と下記一般式(IV)
Figure 0004498773
〔式中、Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、芳香族の2価基、またはこれらを連結してできる2価基、または、下記式の2価有機基
Figure 0004498773
(ここで、R、R、R、Rは独立して置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基またはハロゲン原子であり、a及びbは各々独立して0〜4の整数であり、c及びdは各々独立して0〜3の整数であり、Yは単結合、炭素原子数2〜12の直鎖状のアルキレン基、炭素原子数3〜12の分岐状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、
Figure 0004498773
から選ばれ、Z、Zは置換もしくは無置換の脂肪族の2価基又は置換もしくは無置換のアリレン基を表し、R、R、R、R、R10、R11、R12、は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、また、RとRは結合して炭素数5〜12の炭素環または複素環を形成してもよく、また、R、RはR、Rと共同で炭素環または複素環を形成してもよく、R13、R14は単結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R15、R16は各々独立して炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、eは0〜4の整数、fは0〜20の整数、gは0〜2000の整数を表す。)を表す。〕
で表される構成単位とからなり、かつ該一般式(I)、(II)及び(III)で表される構成単位の組成比をk、該一般式(IV)で表される構成単位の組成比をjとしたときに組成比の割合が0<k/(k+j)≦1であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂により達成される。
請求項4に記載の発明によれば、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供できる。
請求項5にかかる発明は、下記一般式(V)
Figure 0004498773
(式中、R、R1、R2,Ar、ArおよびXは前記定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表す。)
で表される繰り返し構成単位からなることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂により達成される。
請求項5に記載の発明によれば、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供できる。
請求項6にかかる発明は、下記一般式(VI)
Figure 0004498773
(式中、R、R’、R’’、R1、R2、およびXは前記定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表す。)
で表される繰り返し構成単位からなることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂により達成される。
請求項6に記載の発明は、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供できる。
請求項7にかかる発明は、下記一般式(VII)
Figure 0004498773
(式中、R’’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表す。)
で表される繰り返し構成単位からなることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂により達成される。
請求項7に記載の発明によれば、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供できる。
請求項8にかかる発明は、請求項1、4及び5のいずれかに記載の発明において、下記一般式(VIII)
Figure 0004498773
(式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar、Arは独立して置換もしくは無置換のアリレン基を表す。)
で表されるジオキシ化合物を重合に供することにより得られることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供できる。
請求項9にかかる発明は、請求項2,4及び6のいずれかに記載の発明において、下記一般式(IX)
Figure 0004498773
(式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R’、R’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表されるジオキシ化合物を重合に供することにより得られることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供できる。
請求項10にかかる発明は、請求項3,4及び6のいずれかに記載の発明において、下記一般式(X)
Figure 0004498773
(式中、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R’’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
で表されるジオキシ化合物を重合に供することにより得られることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、耐久性を併せ持ち、電荷輸送性高分子材料として、また発光特性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供できる。
本発明は、有機感光体用の電荷輸送性高分子材料として、また優れた発光特性を有すると共に耐久性に優れた有機薄膜EL素子用の高分子材料として有用である新規な芳香族ポリカーボネート樹脂を提供することができる。
以下、添付図を参照しながら、本発明を説明する。
先ず、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造法について説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、従来ポリカーボネート樹脂の製造法として公知の、ビスフェノールと炭酸誘導体との重合と同様の方法で製造できる。すなわち、下記に示す、一般式(VIII)で表されるジオキシ化合物を少なくとも1種以上、好ましくは一般式(IX)で表されるジオキシ化合物を少なくとも1種以上、特に好ましくは一般式(X)で表されるジオキシ化合物を使用し、ビスアリールカーボネートとのエステル交換法やホスゲン等のハロゲン化カルボニル化合物との溶液重合法又は界面重合法あるいはジオールから誘導されるビスクロロホーメート等のクロロホーメートを用いる方法等により製造される。
Figure 0004498773
(式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar1、Ar2は独立して置換もしくは無置換のアリレン基を表す。)
Figure 0004498773
(式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R’、R”は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
Figure 0004498773
(式中、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R’’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
溶液重合法又は界面重合法で用いられるハロゲン化カルボニル化合物としては、ホスゲンの代わりにホスゲンの2量体であるトリクロロメチルクロロホーメートやホスゲンの3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボネートも有用であり、塩素以外のハロゲンより誘導されるハロゲン化カルボニル化合物、例えば、臭化カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニルも用いられる。これら公知の製造法については例えばポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者;本間精一、発行;日刊工業新聞社)等に記載されている。
また、前記一般式(VIII)、(IX)又は(X)で表されるジオキシ化合物と併用して、下記一般式(XI)で表されるジオキシ化合物を使用し、機械的特性等の改良された共重合体とすることができる。この場合、一般式(XI)で表されるジオキシ化合物を1種あるいは複数併用してもよい。一般式(VIII)、(IX)又は(X)で表されるジオキシ化合物と一般式(XI)で表されるジオキシ化合物との割合は、所望の特性により広い範囲から選択することができる。
Figure 0004498773
また、適当な重合操作を選択することによって共重合体の中でもランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム交互共重合体、ランダムブロック共重合体等を得ることができる。例えば、一般式(VIII)、(IX)又は(X)で表されるジオキシ化合物と一般式(XI)で表されるジオキシ化合物を、はじめから均一に混合してホスゲンとの縮合反応を行えば、ランダム共重合体が得られる。また、幾種類かのジオキシ化合物を反応の途中から加えることにより、ランダムブロック共重合体が得られる。また、一般式(XI)で表されるジオキシ化合物から誘導されるビスクロロホーメートと一般式(VIII)、(IX)又は(X)で表されるジオキシ化合物との縮合反応を行えば、一般式(V)、(VI)、及び(VII)等で表される繰り返し単位からなる交互共重合体が得られる。この場合、逆に一般式(VIII)、(IX)または(X)で表されるジオキシ化合物から誘導されるビスクロロホーメートと一般式(XI)で表されるジオキシ化合物との縮合反応によっても、同様に一般式(V)、(VI)及び(VII)等で表される繰り返し単位からなる交互共重合体が得られる。また、これらビスクロロホーメートとジオールとの縮合反応の際、ビスクロロホーメート及びジオールを複数使用することによりランダム交互共重合体が得られる。
界面重合法は、ジオキシ化合物のアルカリ水溶液と、水に対して実質的に不溶性であり、且つ、ポリカーボネートを溶解する有機溶媒との2相間で、炭酸誘導体及び触媒の存在下に反応を行う。この際、高速撹拌や乳化物質を添加して反応媒体を乳化させて重合を行うことによって、短時間で分子量分布の狭い芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。アルカリ水溶液に用いる塩基としてはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩等である。これらの塩基は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。好ましい塩基は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。使用される水は蒸留水、イオン交換水が好ましい。有機溶媒は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素、又は、それらの混合物である。また、それらにトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等を混合した有機溶媒でもよい。有機溶媒は、好ましくは、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素であり、より好ましくは、ジクロロメタン又はクロロベンゼンである。
ポリカーボネート製造時に使用されるポリカーボネート生成触媒は、3級アミン、4級アンモニウム塩、3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、含窒素複素環化合物及びその塩、イミノエーテル及びその塩、アミド基を有する化合物等である。これらポリカーボネート生成触媒は、ホスゲンやビスクロロホーメート体等の炭酸誘導体を反応系に加える前、及び/又は、加えた後に添加することができる。
これらポリカーボネート生成触媒の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−テトラメチレンジアミン、4−ピロリジノピリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−エチルピペリジン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリエチルアンモニウムクロライド、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、テトラ(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロライド、ベンジルトリエチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、4−メチルピリジン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、3−メチルピリダジン、4,6−ジメチルピリミジン、1−シクロヘキシル−3,5−ジメチルピラゾール、2,3,5,6−テトラメチルピラジン等を挙げることができる。これらのポリカーボネート生成触媒は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。ポリカーボネート生成触媒は、好ましくは、3級アミンであり、より好ましくは、総炭素数3〜30の3級アミンであり、特にはトリエチルアミンが好ましく用いられる。
また、重合操作時においては、生成重合体の分子量を調節するための分子量調節剤として、末端停止剤を用いることが望ましく、したがって、本発明で使用されるポリカーボネート樹脂の末端には停止剤に基づく置換基が結合してもよい。使用される末端停止剤は、1価の芳香族ヒドロキシ化合物、1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体、1価のカルボン酸または1価のカルボン酸のハライド誘導体等である。
1価の芳香族ヒドロキシ化合物に属する末端停止剤としては、例えば、フェノール、p−クレゾール、2−エチルフェノール、4−エチルフェノール、4−イソプロピルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−クミルフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、4−オクチルフェノール、4−ノニルフェノール、2,4−キシレノール、4−メトキシフェノール、4−ヘキシルオキシフェノール、4−デシルオキシフェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、4−ブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェノール、4−フェニルフェノール、4−イソプロペニルフェノール、2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−ナフトール、1−ナフトール、4−(2,4,4−トリメチルクロマニル)フェノール、2−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体は、上記の1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体等である。
1価のカルボン酸に属する末端停止剤としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、3−メチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、4−メチル吉草酸、3,3−ジメチル吉草酸、4−メチルカプロン酸、3,5−ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪酸類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、安息香酸、4−メチル安息香酸、4−tert−ブチル安息香酸、4−ブトキシ安息香酸、4−オクチルオキシ安息香酸、4−フェニル安息香酸、4−ベンジル安息香酸、4−クロロ安息香酸等の安息香酸類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。1価のカルボン酸のハライド誘導体は、上記の1価のカルボン酸のハライド誘導体等である。
これらの末端封止剤は、単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
末端封止剤は、好ましくは1価の芳香族ヒドロキシ化合物であり、より好ましくはフェノール、4−tert−ブチルフェノール及び4−クミルフェノールを挙げることができる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の好ましい分子量は、ポリスチレン換算数平均分子量で1000〜500000であり、より好ましくは10000〜200000である。
また、芳香族ポリカーボネート樹脂の機械的特性を改良するために、重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、芳香族性ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カルボン酸基、カルボン酸ハライド基または活性なハロゲン原子等から選ばれる反応基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。
分岐化剤の具体例としては、フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、2,4−ビス[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]フェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)ホスフィン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、α,α,α’,α’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1,2,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、3,3’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ビス(クロロカルボニルオキシ)安息香酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、4−クロロカルボニルオキシイソフタル酸、5−ヒドロキシフタル酸、5−クロロカルボニルオキシフタル酸、トリメシン酸トリクロライド、シアヌル酸クロライド等である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
また、アルカリ水溶液中でのジオールの酸化を防ぐためにハイドロサルファイト等の酸化防止剤を加えることもできる。
反応温度は、通常0〜40℃の範囲内であり、反応時間は数分〜5時間である。反応中のpHは、通常10以上に保つことが好ましい。
一方、溶液重合法においては、ジオキシ化合物を溶媒に溶解し、脱酸剤を添加し、これにビスクロロホーメート又は、ホスゲン又は、ホスゲンの多量体を添加することにより芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる。この脱酸剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンのような第3級アミンおよびピリジンが使用される。反応に使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素およびテトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系の溶媒及びピリジンが好ましい。又、界面重合の場合と同様な分子量調節剤や分岐化剤を用いることができる。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間である。
また、本発明の芳香族カーボネート樹脂は、エステル交換法によっても製造される。この場合、不活性ガス存在下にジオキシ化合物とビスアリールカーボネートを混合し、通常減圧下120〜350℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成するフェノール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。また、必要に応じて分子量調節剤や酸化防止剤を加えてもよい。ビスアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
以上のようにして得られた芳香族ポリカーボネート樹脂は、重合中に使用した触媒や酸化防止剤、未反応のジオールや末端停止剤、又、重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操作も先のポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者;本間精一、発行;日刊工業新聞社)等に記載されている従来公知の方法を使用できる。
また、上記の方法にしたがって製造された芳香族ポリカーボネート樹脂には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤などの添加剤を加えることができる。
次に本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の主要な構成単位である下記一般式(I)について詳細に説明する。
Figure 0004498773
前記一般式(I)中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar、Arは独立して置換もしくは無置換のアリレン基を表す。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、上記の新規構造単位を有することにより、電荷輸送性高分子材料として、また有機薄膜EL素子用材料として有用となるものである。
前記Rの置換もしくは無置換のアルキル基としては、以下のものを挙げることができる。
炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であり、これらのアルキル基は更にフッ素原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン原子もしくは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
また、前記Rの置換もしくは無置換のアリール基としては、以下のものを挙げることができる。
フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ピリジニル基、ピロリジル基、オキサゾリル基等が挙げられ、これらは上述した置換もしくは無置換のアルキル基、上述した置換もしくは無置換のアルキル基を有するアルコキシ基、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、置換アミノ基を置換基として有していてもよい。
前記一般式(I)中、Ar1、Ar2は、独立して置換もしくは無置換のアリレン基を表す。これら置換もしくは無置換のアリレン基としては、Rで定義された置換もしくは無置換のアリール基から誘導される2価基を挙げることができる。
また、前記一般式(I)に属し、より好ましい芳香族ポリカーボネート樹脂としては、下記一般式(II)で表される構成単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を挙げることができる。
Figure 0004498773
式中、Rは前記一般式(I)で定義と同一であり、具体的な基も前述の説明で挙げたものと同じである。R’、R”は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基もしくは置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。
更にまた、前記一般式(I)と(II)に属し、特に好ましい香族ポリカーボネート樹脂としては、下記一般式(III)で表される構成単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を挙げることができる。
Figure 0004498773
式中、R’’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。
次に、もう一つの主要な構成単位である一般式(IV)について説明する。
一般式(IV)としては、従来公知のポリカーボネート樹脂の構成単位をそのまま利用することができる。例えば、ポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者;本間精一、発行;日刊工業新聞社)等に記載されている基本単位を利用することができる。このような従来公知の構成単位のうち、好ましい例として一般式(IV)についてその原料となる前記一般式(XI)の例を挙げて詳述する。
一般式(XI)のXが脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基である場合のジオキシ化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、14−ビス(4−ヒドロキシブチル)ベンゼン、1,4−ビス(5−ヒドロキシペンチル)ベンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)ベンゼン等が挙げられる。
またXが芳香族の2価基である場合の好ましいジオキシ化合物の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3,3’,3’−テトラメチル−6,6’−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダン、3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−スピロビ(2H−1−ベンゾピラン)−7,7’−ジオール、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−キシレン、2,6−ジヒドロキシベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイン、9,10−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナジン、3,6−ジヒドロキシベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシベンゾチオフェン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシピレン、ハイドロキノン、レゾルシン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。また、ジオール2モルとイソフタロイルクロライド又はテレフタロイルクロライド1モルとの反応により製造されるエステル結合を含む芳香族ジオール化合物も有用である。
一般式(I)、(II)または(III)の構成単位と、一般式(IV)の構成単位との共重合ポリカーボネート樹脂において一般式(I)、(II)または(III)の構成単位の含有する割合は任意の範囲で選択することができるが、一般式(I)、(II)または(III)の構成単位の含有率は芳香族ポリカーボネート樹脂の電荷輸送性あるいは発光特性に対応しているので、好ましくは全構成単位中5モル%以上、より好ましくは20モル%以上含有することが望ましい。
また、本発明においては、一般式(IV)で表される構成単位をランダムで、あるいは交互に、更にはブロックで含有しても良い。具体的には、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム交互共重合体、ランダムブロック共重合体を挙げることができる。特には、下記一般式(V)、更には(VI)および(VII)で表される交互に繰り返し構成単位を有する芳香族ポリカーボネート樹脂が望ましい。
Figure 0004498773
式中、R、R1、R2,Ar1、Ar2およびXは前記定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数である。
Figure 0004498773
式中、R、R’、R”、R1、R2、およびXは前記定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数である。
Figure 0004498773
式中、R’’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表す。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明する。
[合成例1]
<3,6−ビス(4−メトキシフェニル)カルバゾールの合成>
3,6−ジブロモカルバゾール20.0g、4−メトキシフェニルボロン酸20.6g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム2.23gを、エタノール60mlおよびトルエン250mlに採り、これに炭酸ナトリウムの22%水溶液120mlを加え、窒素雰囲気下5.5時間加熱還流した。熱時、ろ過助剤を用いて不溶物を除去した後、有機層を分離し減圧下溶媒を留去した。水洗後乾燥して淡褐色の粉末20.2gを得た。これをトルエン/エタノールの混合溶媒から再結晶して無色針状晶の3,6−ビス(4−メトキシフェニル)カルバゾール13.5gを得た。
融点 213.0〜214.0℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 82.69/82.30 H: 5.61/5.58 N: 3.70/3.69
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を第1図に示した。
NH伸縮振動 3426cm−1COC伸縮振動 1235、1035cm−1
[合成例2]
<3,6−ビス(4−メトキシフェニル)−N−フェニルカルバゾールの合成>
3,6−ビス(4−メトキシフェニル)カルバゾール13.4g、ヨードベンゼン40ml、炭酸カリウム19.3gおよび銅紛1.0gを窒素雰囲気下6時間加熱還流した。100℃まで冷却したのちトルエンを加え、ろ過助剤を用いて不溶物を除去した。溶媒を減圧下留去した後メタノールで洗浄し、無色針状晶の3,6−ビス(4−メトキシフェニル)−N−フェニルカルバゾール14.8gを得た。
融点 169.5〜170.5℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 84.31/84.37 H: 5.44/5.53 N: 3.06/3.07
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を第2図に示した。
[合成例3]
<3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−N−フェニルカルバゾールの合成>
3,6−ビス(4−メトキシフェニル)−N−フェニルカルバゾール12.7gを脱水塩化メチレン250mlに溶解し、窒素雰囲気下−7℃に冷却した後、三臭化ホウ素の1M塩化メチレン溶液61mlを35分間で滴下した。内容物を徐々に室温まで戻した後、塩化メチレン80mlを加え30〜35℃で11時間攪拌した。室温まで放冷した後、内容物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液に注加し、酢酸エチルを加え有機層を水洗、乾燥後溶媒を減圧下留去し、淡褐色の粉末を得た。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液:トルエン/酢酸エチル=1/9vol)した後、トルエン/酢酸エチルの混合溶媒から再結晶して無色針状晶の3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−N−フェニルカルバゾール8.4gを得た。
融点 226.5〜227.5℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 84.59/84.29 H: 5.11/4.95 N: 2.98/3.28
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)を第3図に示した。
OH伸縮振動 3307cm−1
[合成例4]
合成例1で得られた3,6−ビス(4−メトキシフェニル)カルバゾール7.0g、2−ヨードトルエン15ml、炭酸カリウム10.1gおよび銅紛0.5gを窒素雰囲気下9時間加熱還流した。100℃まで冷却したのちトルエンを加え、ろ過助剤を用いて不溶物を除去した。溶媒を減圧下留去した後、シリカゲルカラムクロマト処理(溶離液:トルエン)したのち、エタノール/トルエンの混合溶媒から再結晶して、無色針状晶の3,6−ビス(4−メトキシフェニル)−N−(2−メチルフェニル)カルバゾール7.43gを得た。
融点 175.5〜176.5℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 84.31/84.41 H: 5.71/5.80 N: 3.05/2.98
[合成例5]
<3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−N−(2−メチルフェニル)カルバゾールの合成>
合成例4で得られた3,6−ビス(4−メトキシフェニル)−N−(2−メチルフェニル)カルバゾール5.34gを脱水塩化メチレン180mlに溶解し、窒素雰囲気下−7℃に冷却した後、三臭化ホウ素の1M塩化メチレン溶液24mlを60分間で滴下した。内容物を徐々に室温まで戻した後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルを加え有機層を水洗、乾燥後溶媒を減圧下留去し、淡褐色の粉末を得た。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液:トルエン/酢酸エチル=1/9vol)した後、トルエン/エタノールの混合溶媒から再結晶して無色針状晶の3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−N−(2−メチルフェニル)カルバゾール4.02gを得た。
融点 154.5〜162.0℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 84.15/84.33 H: 5.41/5.25 N: 3.01/3.17
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)では 3307cm−1にOH伸縮振動 にもとづく吸収が認められた。
[合成例6]
3,6−ジブロモカルバゾール5.0g、3−メトキシフェニルボロン酸5.14g、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム0.53gをエタノー10mlおよびトルエン60mlに採り、これに炭酸ナトリウムの21.2%水溶液61gを加え、窒素雰囲気下6時間加熱還流した。室温まで放冷後、ろ過助剤を用いて不溶物を除去した後、有機層を分離し減圧下溶媒を留去した。水洗後乾燥して淡褐色の粉末を得た。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液:トルエン)したのちトルエン/エタノールの混合溶媒から再結晶して無色針状晶の3,6−ビス(3−メトキシフェニル)カルバゾール3.50gを得た。
融点 150.0〜151.0℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 82.51/82.30 H: 5.57/5.58 N: 3.45/3.69
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)では3427cm−1にNH伸縮振動にもとづく吸収が認められた。
[合成例7]
合成例6で得られた3,6−ビス(3−メトキシフェニル)カルバゾール2.4g、ヨードトルエン15ml、炭酸カリウム3.5gおよび銅紛0.18gを窒素雰囲気下2時間加熱還流した。100℃まで冷却したのちトルエンを加え、ろ過助剤を用いて不溶物を除去した。溶媒を減圧下留去した後、シリカゲルカラムクロマト処理(溶離液:トルエン)したのち、エタノール中で加熱洗浄して、無色針状晶の3,6−ビス(3−メトキシフェニル)−N−フェニルカルバゾール2.58gを得た。
融点 ガラス質
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 84.62/84.37 H: 5.44/5.53 N: 3.01/3.07
[合成例8]
合成例7で得られた3,6−ビス(3−メトキシフェニル)−N−フェニルカルバゾール6.94gを脱水塩化メチレン245mlに溶解し、窒素雰囲気下−7℃に冷却した後、三臭化ホウ素の1M塩化メチレン溶液33mlを90分間で滴下した。内容物を徐々に室温まで戻した後、一晩室温にて放置した。5%炭酸水素ナトリウム水溶液を注加し、酢酸エチルを加え有機層を水洗、乾燥後溶媒を減圧下留去し、淡褐色の粉末を得た。これをシリカゲルカラムクロマト処理(溶離液:トルエン/酢酸エチル=1/9vol)した後、トルエンから再結晶して無色針状晶の3,6−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−N−フェニルカルバゾール5.26gを得た。
融点 203.5〜205.0℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 84.52/84.29 H: 4.80/4.95 N: 3.25/3.28
赤外吸収スペクトル(KBr錠剤法)では 3307cm−1にOH伸縮振動 にもとづく吸収が認められた。
[実施例1]
<重合例1>
3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−N−フェニルカルバゾール1.71g、4,4’−イソプロピリデンジフェノール0.91gおよび4−tert−ブチルフェノール60mgに窒素雰囲気下で水酸化ナトリウム1.60g、ナトリウムハイドロサルファイト50mgを水20mlに溶解した溶液を加えて溶解した。1時間攪拌した後、ビス(トリクロロメチル)カーボネート0.95gを塩化メチレン17mlに溶解した溶液を加え18℃で15分間強く撹拌した。その後触媒量のトリエチルアミンを加えて室温で1時間撹拌した。塩化メチレンで内容物を希釈し、有機層を分液後、イオン交換水で2回洗浄、ついで2%の塩酸水溶液で洗浄し、さらに洗浄液の導電率がイオン交換水の値と同じになるまでイオン交換水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下し、得られたポリマーを80℃で減圧乾燥して、無色の下記一般式(XII)で表される芳香族ポリカーボネート樹脂2.37gを得た。一般式中の数字は各構成単位のモル比を表している。
Figure 0004498773
ガラス転移点 160.3℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 79.98/79.76 H: 4.69/4.70 N: 1.94/1.98
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 17300、重量平均分子量 33500
赤外吸収スペクトル(NaCl板上のキャスト膜)を第4図に示した。
CO伸縮振動(カーボネート結合) 1774cm−1
[実施例2]
<重合例2>
実施例1において用いた4,4’−イソプロピリデンジフェノール0.91gを2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン1.03gに、また4−tert−ブチルフェノール60mgを48mgに変えるほかは実施例4と同様に操作して、下記一般式(XIII)で表される無色の芳香族ポリカーボネート樹脂2.28gを得た。
Figure 0004498773
元素分析値(%)実測値/計算値
C: 80.52/80.21 H: 4.77/4.98 N: 2.02/2.03
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 19400、重量平均分子量 40000
赤外吸収スペクトル(NaCl板上のキャスト膜)を第5図に示した。
CO伸縮振動(カーボネート結合) 1775cm−1
[実施例3]
窒素雰囲気下で、合成例5で得られた3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−N−(2−メチルフェニル)カルバゾール1.47gを脱水テトラヒドロフラン15mlに溶解し、これに脱水トリエチルアミン1.01gを加えた。これにジエチレングリコールジクロロホーメート0.77gを脱水テトラヒドロフラン2.7mlに溶解した溶液を、室温にて10分を要して滴下した。室温で1時間攪拌した後、4%フェノールのテトラヒドロフラン溶液0.4gを加え、20分攪拌した。析出したアンモニウム塩をろ過除去し、ろ液の溶媒を留去した。これを塩化メチレンに溶解し、水洗ついで2%塩酸水溶液80mlで洗浄、さらに洗浄液の導電率がイオン交換水の値と同じになるまでイオン交換水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下し、得られたポリマーを80℃で減圧乾燥して、無色の下記一般式(XIV)で表される芳香族ポリカーボネート樹脂1.70gを得た。
Figure 0004498773
元素分析値(%)実測値/計算値
C /74.10 H /4.88 N /2.34
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 6070、重量平均分子量 11100
赤外吸収スペクトル(NaCl板上のキャスト膜)を第6図に示した。
CO伸縮振動(カーボネート結合) 1760cm−1
[実施例4]
窒素雰囲気下で、合成例5で得られた3,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−N−(2−メチルフェニル)カルバゾール1.47gを脱水テトラヒドロフラン15mlに溶解し、これに脱水トリエチルアミン1.01gを加えた。これに1,6−ヘキサメチレンジクロロホーメート0.80gを脱水テトラヒドロフラン2.7mlに溶解した溶液を、室温にて15分を要して滴下した。室温で1時間攪拌した後、4%フェノールのテトラヒドロフラン溶液0.4gを加え、20分攪拌した。析出したアンモニウム塩をろ過除去し、ろ液の溶媒を留去した。これを塩化メチレンに溶解し、水洗ついで2%塩酸水溶液80mlで洗浄、さらに洗浄液の導電率がイオン交換水の値と同じになるまでイオン交換水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下し、得られたポリマーを80℃で減圧乾燥して、無色の下記一般式(XV)で表される芳香族ポリカーボネート樹脂1.66gを得た。
Figure 0004498773
元素分析値(%)実測値/計算値
C /76.57 H /5.45 N /2.29
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 6620、重量平均分子量 12691
赤外吸収スペクトル(NaCl板上のキャスト膜)
CO伸縮振動(カーボネート結合) 1760cm−1
[実施例5]
窒素雰囲気下で、合成例8で得られた3,6−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−N−フェニルカルバゾール1.71gを脱水テトラヒドロフラン20mlに溶解し、これに脱水トリエチルアミン1.22gを加えた。これにジエチレングリコールジクロロホーメート0.95gを脱水テトラヒドロフラン3.3mlに溶解した溶液を、室温にて20分を要して滴下した。室温で1時間攪拌した後、4%フェノールのテトラヒドロフラン溶液0.48gを加え、20分攪拌した。析出したアンモニウム塩をろ過除去し、ろ液の溶媒を留去した。これを塩化メチレンに溶解し、水洗ついで2%塩酸水溶液80mlで洗浄、さらに洗浄液の導電率がイオン交換水の値と同じになるまでイオン交換水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下し、得られたポリマーを80℃で減圧乾燥して、無色の下記一般式(XVI)で表される芳香族ポリカーボネート樹脂1.73gを得た。
Figure 0004498773
元素分析値(%)実測値/計算値
C /73.83 H /4.66 N /2.39
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 3496、重量平均分子量 5483
赤外吸収スペクトル(NaCl板上のキャスト膜)
CO伸縮振動(カーボネート結合) 1760cm−1
[実施例6]
窒素雰囲気下で、合成例8で得られた3,6−ビス(3−ヒドロキシフェニル)−N−フェニルカルバゾール1.71gを脱水テトラヒドロフラン20mlに溶解し、これに脱水トリエチルアミン1.22gを加えた。これにジエチレングリコールジクロロホーメート0.97gを脱水テトラヒドロフラン3.3mlに溶解した溶液を、室温にて20分を要して滴下した。室温で1時間攪拌した後、4%フェノールのテトラヒドロフラン溶液0.48gを加え、20分攪拌した。析出したアンモニウム塩をろ過除去し、ろ液の溶媒を留去した。これを塩化メチレンに溶解し、水洗ついで2%塩酸水溶液80mlで洗浄、さらに洗浄液の導電率がイオン交換水の値と同じになるまでイオン交換水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下し、得られたポリマーを70℃で減圧乾燥して、無色の下記一般式(XVII)で表される芳香族ポリカーボネート樹脂1.84gを得た。
Figure 0004498773
元素分析値(%)実測値/計算値
C /76.36 H /5.24 N /2.34
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量 3366、重量平均分子量 5268
赤外吸収スペクトル(NaCl板上のキャスト膜)
CO伸縮振動(カーボネート結合) 1759cm−1
以上、本発明を詳細に説明してきたが、本発明は実施例により制限されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及び趣旨を逸脱しない限り、変更・修正が可能である。
合成例1で得られた化合物の赤外吸収スペクトル図である。 合成例2で得られた化合物の赤外吸収スペクトル図である。 合成例3で得られた化合物の赤外吸収スペクトル図である。 実施例1で得られた本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の赤外吸収スペクトル図である。 実施例2で得られた本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の赤外吸収スペクトル図である。 実施例3で得られた本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の赤外吸収スペクトル図である。

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0004498773
    (式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar、Arは独立して置換もしくは無置換のアリレン基を表す。)
    で表される構成単位を含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂。
  2. 前記構成単位が、下記一般式(II)
    Figure 0004498773
    (式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R’、R’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
    で表される構成単位であることを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂。
  3. 前記構成単位が、下記一般式(III)
    Figure 0004498773
    (式中、R’’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
    で表される構成単位であることを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂。
  4. 上記一般式(I)、(II)または(III)で表される構成単位と下記一般式(IV)
    Figure 0004498773
    〔式中、Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、芳香族の2価基、またはこれらを連結してできる2価基、または、下記式の2価有機基
    Figure 0004498773
    (ここで、R、R、R、Rは独立して置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基またはハロゲン原子であり、a及びbは各々独立して0〜4の整数であり、c及びdは各々独立して0〜3の整数であり、Yは単結合、炭素原子数2〜12の直鎖状のアルキレン基、炭素原子数3〜12の分岐状のアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、
    Figure 0004498773
    から選ばれ、Z、Zは置換もしくは無置換の脂肪族の2価基又は置換もしくは無置換のアリレン基を表し、R、R、R、R、R10、R11、R12、は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、また、RとRは結合して炭素数5〜12の炭素環または複素環を形成してもよく、また、R、RはR、Rと共同で炭素環または複素環を形成してもよく、R13、R14は単結合または炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R15、R16は各々独立して炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、eは0〜4の整数、fは0〜20の整数、gは0〜2000の整数を表す。)を表す。〕
    で表される構成単位とからなり、かつ該一般式(I)、(II)及び(III)で表される構成単位の組成比をk、該一般式(IV)で表される構成単位の組成比をjとしたときに組成比の割合が0<k/(k+j)≦1であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂。
  5. 下記一般式(V)
    Figure 0004498773
    (式中、R、R1、R2,Ar、ArおよびXは前記定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表す。)
    で表される繰り返し構成単位からなることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂。
  6. 下記一般式(VI)
    Figure 0004498773
    (式中、R、R’、R’’、R1、R2、およびXは前記定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表す。)
    で表される繰り返し構成単位からなることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂。
  7. 下記一般式(VII)
    Figure 0004498773
    (式中、R’’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表す。)
    で表される繰り返し構成単位からなることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂。
  8. 下記一般式(VIII)
    Figure 0004498773
    (式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar、Arは独立して置換もしくは無置換のアリレン基を表す。)
    で表されるジオキシ化合物を重合に供することにより得られることを特徴とする請求項1、4及び5のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂。
  9. 下記一般式(IX)
    Figure 0004498773
    (式中、Rは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R’、R’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表し、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
    で表されるジオキシ化合物を重合に供することにより得られることを特徴とする請求項2、4及び6のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂。
  10. 下記一般式(X)
    Figure 0004498773
    (式中、R1,R2は水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、R’’’は独立して水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、アルコシル基、ハロゲン原子、シアノ基または置換もしくは無置換のアリール基を表す。)
    で表されるジオキシ化合物を重合に供することにより得られることを特徴とする請求項3、4及び6のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂。
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