JP3208216B2 - 芳香族ポリカーボネート - Google Patents

芳香族ポリカーボネート

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JP3208216B2
JP3208216B2 JP09915493A JP9915493A JP3208216B2 JP 3208216 B2 JP3208216 B2 JP 3208216B2 JP 09915493 A JP09915493 A JP 09915493A JP 9915493 A JP9915493 A JP 9915493A JP 3208216 B2 JP3208216 B2 JP 3208216B2
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友倫 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリカーボネー
トに関する。さらに詳しくは、末端基として特定構造の
基を有する芳香族ポリカーボネートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、芳香族ポリカーボネートは、
透明性、耐熱性、機械的強度、寸法安定性等に優れたエ
ンジニアリングプラスチックとして知られており、自動
車、電気、電子材料等の部品として幅広く用いられてい
る。通常、芳香族ポリカーボネートを製造する際には、
製造される芳香族ポリカーボネートの分子量を調節する
目的で、末端封止剤(分子量調節剤、重合停止剤、連鎖
停止剤、末端停止剤などとも呼ばれている)を添加して
重合がなされている(例えば、米国特許第302836
5号)。その中でも、末端封止剤として、フェノールま
たはp−tert−ブチルフェノールが最も一般的に広く使
用されている。しかし、フェノールまたはp−tert−ブ
チルフェノールを末端封止剤として製造される芳香族ポ
リカーボネートは、耐候性(例えば、耐熱加水分解性)
に難点がある。
【0003】末端封止剤として、Cm 2m+1X(但し、
mは8〜20の整数を表し、Xは、−COOHまたは−
COCl等を表す)で表される鎖状の脂肪族カルボン酸
誘導体を末端封止剤として使用し、芳香族ポリカーボネ
ートを製造する方法が提案されている(特開昭51−3
4992号公報)。しかし、これらのカルボン酸誘導体
(例えば、パルミチン酸クロライド)を末端封止剤とし
て用いて製造される芳香族ポリカーボネートは、フェノ
ールまたはp−tert−ブチルフェノールを末端封止剤と
して用いて製造される芳香族ポリカーボネートに比較し
て、熱安定性(ガラス転移点)が低く、さらには耐候性
(例えば、耐熱加水分解性)に難点がある。また、末端
封止剤として、RCOX(但し、Rは炭素数4〜7の分
岐アルキル基を表し、Xはハロゲンまたはヒドロキシル
基を表す)で表される鎖状の脂肪族カルボン酸誘導体を
用いた芳香族ポリカーボネートが知られている(特開昭
59−4645号公報)。しかし、これらのカルボン酸
誘導体(例えば、イソバレリルクロライド)を末端封止
剤として用いて製造される芳香族ポリカーボネートは、
熱安定性(ガラス転移点)は比較的高いものであるが、
耐候性(例えば、耐熱加水分解性)に難点がある。
【0004】さらにまた、末端基として、RCO−基
(但し、Rは環炭素原子数4〜7のシクロアルキル基ま
たはシクロアルキル基の1〜3個の水素原子がメチル基
で置換されているメチル置換された環炭素原子数4〜7
のシクロアルキル基)で表されるシクロアルキルカルボ
ニル基を末端基に有する芳香族ポリカーボネートが知ら
れている(特開昭59−4646号公報)。しかし、こ
れらシクロアルキルカルボニル基(例えば、シクロヘキ
シルカルボニル基)を末端基に有する芳香族ポリカーボ
ネートは、熱安定性(ガラス転移点)は比較的高いもの
であるが、耐候性(例えば、耐熱加水分解性)に難点が
ある。現在では、熱安定性に優れ、かつ耐候性(例え
ば、耐熱加水分解性)にも優れた芳香族ポリカーボネー
トが強く要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の従来技術の欠点を改善し、熱安定性に優れ、かつ、耐
熱加水分解性に優れた芳香族ポリカーボネートを提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、芳香族ポ
リカーボネートに関し鋭意検討した結果、本発明に到達
した。すなわち、本発明は、末端基の少なくとも1つ
が、一般式(1)で表される基である芳香族ポリカーボ
ネートに関するものである。 −O−C(=O)−R1 (1) (式中、R1 は多環状アルキル基、多環状アルケニル
基、多環状アルキルアルキル基または多環状アルケニル
アルキル基を表す) 本発明に係る一般式(1)で表される基において、R1
は多環状アルキル基、多環状アルケニル基、多環状アル
キルアルキル基または多環状アルケニルアルキル基を表
す。
【0007】多環状アルキル基とは、シクロアルカンが
2ケ以上縮環した基を表し、多環状アルケニル基とは、
シクロアルケン、または、シクロアルカンおよびシクロ
アルケンが2ケ以上縮環した基を表し、さらにこれらの
基は、炭素数1〜10のアルキル基で単置換または多置
換されていても良く、好ましくは、総炭素数7〜24の
多環状アルキル基または総炭素数7〜24の多環状アル
ケニル基であり、より好ましくは、総炭素数7〜20の
多環状アルキル基または総炭素数7〜20の多環状アル
ケニル基である。多環状アルキルアルキル基とは、シク
ロアルカンが2ケ以上縮環した基を有するアルキル基を
表し、多環状アルケニルアルキル基とは、シクロアルケ
ン、またはシクロアルカンおよびシクロアルケンが2ケ
以上縮環した基を有するアルキル基を表し、さらにこれ
らの基は、炭素数1〜10のアルキル基で単置換または
多置換されていても良く、好ましくは、総炭素数8〜2
4の多環状アルキルアルキル基または総炭素数8〜24
の多環状アルケニルアルキル基であり、より好ましく
は、総炭素数8〜20の多環状アルキルアルキル基また
は総炭素数8〜20の多環状アルケニルアルキル基であ
る。
【0008】R1 としては、例えば、2−ビシクロ
〔2.2.1〕ヘプチル基、1−ビシクロ〔2.2.
2〕オクチル基、2−ビシクロ〔3.3.0〕オクチル
基、1−ビシクロ〔4.3.0〕ノニル基、1−ビシク
ロ〔4.4.0〕デシル基、2−ビシクロ〔4.4.
0〕デシル基、3−ビシクロ〔4.4.0〕デシル基、
6−トリシクロ〔3.1.1.03,6 〕ヘプチル基、1
−トリシクロ〔2.2.1.02,6 〕ヘプチル基、2−
ノルアダマンチル基、1−アダマンチル基、1−トウィ
スタニル基、2−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−5−
エン基、2−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチルメチル
基、1−アダマンタンメチル基、2−アダマンタンメチ
ル、2−ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−5−エンメチ
ル基、およびこれらの基の炭素数1〜10のアルキル置
換誘導体が挙げられる。
【0009】本発明の末端基の少なくとも1つが、一般
式(1)で表される基である芳香族ポリカーボネートを
製造する際に使用する好適な末端封止剤としては、一般
式(1−A)で表される化合物を挙げることができる。 Y−R1 (1−A) (式中、R1 は前記に同じ意味を表し、Yは−COOH
基、−COOM基または−COZ基を、Mは金属イオ
ン、Zはハロゲン原子を表す) 本発明に係る一般式(1−A)で表される化合物におい
て、Yは、−COOH基、−COOM基または−COZ
基を表し、Mは金属イオンを表し、Zはハロゲン原子を
表す。Mとしては、好ましくは、1価または2価のアル
カリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンであり、
リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、
カルシウムイオン等を具体例として挙げることができ
る。Zとしては、好ましくは、フッソ原子、塩素原子、
臭素原子を挙げることができ、より好ましくは、塩素原
子である。
【0010】一般式(1−A)において、Yが−COO
H基で表される化合物の幾つかは、市販品として入手可
能であり、また、公知の方法により製造することができ
る。一般式(1−A)において、Yが−COZ基で表さ
れる化合物において、例えば、Zが塩素原子である化合
物は、Yが−COOH基である化合物に、例えば、塩化
チオニルまたはオギザリルクロライドを作用させて製造
することができる。また、一般式(1−A)において、
Yが−COOM基で表される化合物は、Yが−COOH
基である化合物に、例えば、水溶液中で水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ金
属塩基またはアルカリ土類金属塩基を作用させて製造す
ることができる。本発明の末端基の少なくとも1つが、
一般式(1)で表される基である芳香族ポリカーボネー
トにおいて、一般式(1)で表される基としては、代表
的には以下に示す基を挙げることができるが、勿論本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0011】例示番号 1.ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−1−カルボニル
オキシ基 2.ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2−カルボニル
オキシ基 3.ビシクロ〔2.2.2〕オクタン−1−カルボニル
オキシ基 4.4−エチルビシクロ〔2.2.2〕オクタン−1−
カルボニルオキシ基 5.4−n−オクチルビシクロ〔2.2.2〕オクタン
−1−カルボニルオキシ基 6.ビシクロ〔3.3.0〕オクタン−2−カルボニル
オキシ基 7.ビシクロ〔4.3.0〕ノナン−1−カルボニルオ
キシ基 8.ビシクロ〔4.4.0〕デカン−1−カルボニルオ
キシ基 9.5,5−ジメチルビシクロ〔4.4.0〕デカン−
1−カルボニルオキシ基 10.ビシクロ〔4.4.0〕デカン−2−カルボニル
オキシ基 11.ビシクロ〔4.4.0〕デカン−3−カルボニル
オキシ基 12.8−n−ブチルビシクロ〔4.4.0〕デカン−
3−カルボニルオキシ基
【0012】13.8−n−デシルビシクロ〔4.4.
0〕デカン−3−カルボニルオキシ基 14.トリシクロ〔3.1.1.03,6 〕ヘプタン−6
−カルボニルオキシ基 15.7,7−ジメチルトリシクロ〔2.2.1.0
2,6 〕ヘプタン−1−カルボニルオキシ基 16.ノルアダマンタン−2−カルボニルオキシ基 17.アダマンタン−1−カルボニルオキシ基 18.トウィスタン−1−カルボニルオキシ基 19.ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−5−エン−2−
カルボニルオキシ基 20.ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2−メチルカ
ルボニルオキシ基 21.アダマンタン−1−メチルカルボニルオキシ基 22.3−メチルアダマンタン−1−メチルカルボニル
オキシ基 23.アダマンタン−2−メチルカルボニルオキシ基 24.ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−5−エン−2−
メチルカルボニルオキシ基
【0013】本発明の芳香族ポリカーボネートは、少な
くとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物、カーボネート
前駆体および少なくとも1種の一般式(1−A)で表さ
れる化合物から製造することができる。その製造方法と
しては、例えば、"Encyclop-edia of Polymer Science
and Technology" vol.10, Polycarbonate, Intersc-ie
nce Publishing, p.710-764(1969) 、H.Schnell, "Chem
istry and Physics ofPolycarbonate", Interscience P
ublishing, p33-41(1964)に記載されている方法、例え
ば、界面重合法、溶液重合法またはエステル交換法を利
用することができ、特に、界面重合法は好ましい製造方
法である。本発明の新規な末端基を有する芳香族ポリカ
ーボネートを製造する際に、一般式(1−A)で表され
る化合物は末端封止剤として作用し、本発明の芳香族ポ
リカーボネートの製造工程において芳香族ポリカーボネ
ートの分子量を制御又は調整するのに役立つ。これらの
末端封止剤と芳香族ジヒドロキシ化合物とは、カーボネ
ート前駆体の作用により、本発明の一般式(1)で表さ
れる末端基を有する芳香族ポリカーボネートを生成す
る。
【0014】一般式(1−A)で表される末端封止剤
は、一般に、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート
前駆体との反応において、最初に、すなわちカーボネー
ト前駆体の添加に先立って、芳香族ジヒドロキシ化合物
と共に存在させてもよく、またはカーボネート前駆体の
添加に伴い、逐次連続的に供給することもできる。本発
明の芳香族ポリカーボネートの製造に際して、一般式
(1−A)で表される化合物は、単独あるいは複数併用
することができる。更に、一般式(1−A)で表される
化合物は、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、他
の公知の末端封止剤と組み合わせて使用することも可能
である。他の公知の末端封止剤を併用する場合、全末端
封止剤中、一般式(1−A)で表される化合物の割合
は、30モル%以上であることが好ましく、60モル%
以上であることがより好ましい。
【0015】一般式(1−A)で表される化合物以外の
末端封止剤としては、例えば、1価のヒドロキシ芳香族
化合物、1価のヒドロキシ芳香族化合物のハロホーメー
ト誘導体、1価のカルボキシル基を有する化合物および
1価のカルボニルハライド誘導体等である。1価のヒド
ロキシ芳香族化合物としては、例えば、フェノール、p
−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェ
ノール、p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチ
ルフェノール、p−クミルフェノール、p−シクロヘキ
シルフェノール、p−n−オクチルフェノール、p−イ
ソオクチルフェノール、p−n−ノニルフェノール、
2,4−キシレノール、p−メトキシフェノール、p−
n−ヘキシルオキシフェノール、p−n−デシルオキシ
フェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノ
ール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、
ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェノール、p
−フェニルフェノール、p−イソプロペニルフェノー
ル、2,4−ジ(1−メチル−1−フェニルエチル)フ
ェノール、β−ナフトール、α−ナフトール、p−
(2’,4’,4’−トリメチルクロマニル)フェノー
ル、2−(4’−メトキシフェニル)−2−(4”−ヒ
ドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類である。
1価のヒドロキシ芳香族化合物のハロホーメート誘導体
としては、上述の1価のヒドロキシ芳香族化合物のハロ
ホーメート誘導体等である。
【0016】1価のカルボキシル基を有する化合物とし
ては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カ
プロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、2,2−ジメチル
プロピオン酸、3−メチル酪酸、3,3−ジメチル酪
酸、4−メチル吉草酸、3,3−ジメチル吉草酸、4−
メチルカプロン酸、2,4−ジメチル吉草酸、3,5−
ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪酸類、安
息香酸、p−メチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香
酸、p−n−プロピルオキシ安息香酸、p−n−ブトキ
シ安息香酸、p−n−ヘキシルオキシ安息香酸、p−n
−オクチルオキシ安息香酸、p−フェニル安息香酸、p
−ベンジル安息香酸、p−クロロ安息香酸等の安息香酸
類である。1価のカルボニルハライド誘導体としては、
上記の1価のカルボキシル基を有する化合物のハライド
誘導体等である。尚、上述の1価のヒドロキシ芳香族化
合物または1価のカルボキシル基を有する化合物のアル
カリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)
塩、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム)塩も末端
封止剤として使用できる。
【0017】末端封止剤の使用量は、目的とする芳香族
ポリカーボネートの平均分子量に応じて変化させること
ができる。本発明においては、一般式(1−A)で表さ
れる化合物を単独または複数、あるいは他の公知の末端
封止剤と併用して使用するが、一般式(1−A)で表さ
れる化合物と他の公知の末端封止剤と併用する場合に
は、それらの化合物の合計のモル数を末端封止剤の使用
量とする。末端封止剤の使用量と芳香族ポリカーボネー
ト平均分子量の関係は、一般に、末端封止剤の使用量の
増加に伴い芳香族ポリカーボネートの平均分子量が低下
し、末端封止剤の使用量の減少に伴い平均分子量が増大
する傾向がある。本発明の芳香族ポリカーボネートは、
末端封止剤の使用量により任意の分子量をとることがで
きるが、製造される芳香族ポリカーボネートの成形加工
性、耐熱性、機械的強度等の物性を考慮すると、約15
000〜約150000の重量平均分子量であることが
好ましく、約20000〜約100000の重量平均分
子量であることがより好ましい。上記の範囲の重量平均
分子量の芳香族ポリカーボネートを製造するために必要
な末端封止剤の使用量は、使用する芳香族ジヒドロキシ
化合物の量に対して、約1〜約10モル%であるのが好
ましく、さらには、約1.5〜約7モル%使用するのが
より好ましい。
【0018】本発明の芳香族ポリカーボネートを製造す
る際に使用する芳香族ジヒドロキシ化合物としては、一
般式(2)または一般式(3)で表される化合物を挙げ
ることができる。 HO−Ar1−X−Ar2−OH (2) HO−Ar3−OH (3) (式中、Ar1、Ar2およびAr3は2価の芳香族基を表
し、XはAr1とAr2を結び付ける連結基を表す) 一般式(2)および一般式(3)において、Ar1、Ar2
およびAr3は、各々2価の芳香族基を表し、好ましく
は、フェニレン基、もしくは置換基を有する置換フェニ
レン基である。置換フェニレン基の置換基としては、ア
ルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基等が挙げら
れる。
【0019】Ar1とAr2は、両方ともがp−フェニレン
基、m−フェニレン基またはo−フェニレン基、あるい
は、一方がp−フェニレン基であり、他方がm−フェニ
レン基またはo−フェニレン基であるのが好ましく、A
r1とAr2の両方がp−フェニレン基であるのが、特に好
ましい。Ar3は、p−フェニレン基、m−フェニレン基
またはo−フェニレン基であり、好ましくは、p−フェ
ニレン基またはm−フェニレン基である。Xは、Ar1
Ar2を結び付ける連結基であり、単結合、もしくは2価
の炭化水素基、更には−O−、−S−、−SO−、−S
2 −、−CO−等の炭素と水素以外の原子を含む基で
あっても良い。2価の炭化水素基とは、飽和の炭化水素
基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−プロピリデ
ン、シクロヘキシリデン等のアルキリデン基があげられ
るが、アリール基等で置換された基も包含され、また、
芳香族基やその他の不飽和の炭化水素基を含有する炭化
水素基であってもよい。
【0020】芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例として
は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−
ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビ
ス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1−ナフチルメタン、1,1−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン〔”ビスフェノールA”〕、1,1−ビス(4'−ヒド
ロキシフェニル)−3−メチルプロパン、1,3−ビス
(4’−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチルプロ
パン、2−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(3’
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’
−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4’−
ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、
【0021】2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、3,3−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4’−ヒド
ロキシフェニル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4
−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3'−メ
チル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(3’−エチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(3’−n−プロピル−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−イソ
プロピル−4'−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(3’−sec −ブチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3’−tert−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3’−シクロヘキシル−4’−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3’−アリル−4’−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3’−メトキ
シ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニ
ル) プロパン、2,2−ビス(2’,3’,5’,6’
−テトラメチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3’−クロロ−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(3’,5’−ジクロ
ロ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(3’−ブロモ−4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(3’,5’−ジブロモ−4’−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2’,6’
−ジブロモ−3’,5’ジメチル−4'−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シア
ノメタン、1−シアノ−3,3−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)ブタン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン等のビス(ヒドロキ
シアリール)アルカン類、
【0022】1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)シクロペンタン、1,1−ビス(4'−ヒドロキシフ
ェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3’−メチル
−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1
−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3’,5’−ジ
クロロ−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−4−メチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス (4’−ヒドロキシフ
ェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘプ
タン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)シク
ロオクタン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)シクロノナン、1,1−ビス(4’−ヒドロキシフ
ェニル)シクロドデカン、2,2−ビス(4’−ヒドロ
キシフェニル)ノルボルナン、8,8−ビス(4’−ヒ
ドロキシフェニル)トリシクロ〔5.2.1.02.6
デカン、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)ア
ダマンタン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアル
カン類、
【0023】4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル等のビス(ヒドロキシアリー
ル)エーテル類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルスルフィド、3,3’−ジシクロヘキシル
−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,
3’−ジフェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニル
スルフィド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のビス(ヒ
ドロキシアリール)スルフィド類、4,4’−ジヒドロ
キシジフェニルスルホキシド、3,3’−ジメチル−4,
4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド等のビス(ヒ
ドロキシアリール)スルホキシド類、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3’−ジ
フェニル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホ
ン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジヒドロキシジフ
ェニルスルホン等のビス(ヒドロキシアリール)スルホ
ン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン等のビ
ス(ヒドロキシアリール)ケトン類、
【0024】更には、6,6’−ジヒドロキシ−2,
2',3,3'−テトラヒドロ−3,3,3',3' −テトラメ
チル−1,1’−スピロビ(1H−インデン)〔”スピ
ロビインダンビスフェノール”〕、7,7−ジヒドロキ
シ−3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,4,
4’,4’−テトラメチル−2,2’−スピロビ(2H
−1−ベンゾピラン)〔”スピロビクロマン”〕、トラ
ンス−2,3−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2
−ブテン、9,9−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)
フルオレン、3,3−ビス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)−2−ブタノン、1,6−ビス(4’−ヒドロキシ
フェニル)−1,6−ヘキサンジオン、1,1−ジクロ
ロ−2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)エチレ
ン、1,1−ジブロモ−2,2−ビス(4’−ヒドロキ
シフェニル)エチレン、1,1−ジクロロ−2,2−ビ
ス(3’−フェノキシ−4’−ヒドロキシフェニル)エ
チレン、α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、
α,α,α’,α’−テトラメチル−α,α’−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−m−キシレン、3,3−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリド、4,4’−
ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタ
レン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒ
ドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレ
ン、ハイドロキノン、レゾルシン等が挙げられる。更に
は、例えば、2モルのビスフェノールAと1モルのイソ
フタロイルクロライド又はテレフタロイルクロライドと
を反応させることにより製造されるエステル結合を含む
ビスフェノール類も有用である。これらは単独で、ある
いは複数併用してもよい。特に好ましく使用される芳香
族ジヒドロキシ化合物は、ビスフェノールAである。
【0025】カーボネート前駆体としては、ハロゲン化
カルボニル化合物、ハロホーメート化合物、ジアルキル
カーボネート化合物、ジアリールカーボネート化合物、
アルキルアリールカーボネート化合物を挙げることがで
き、好ましくは、ハロゲン化カルボニル化合物およびハ
ロホーメート化合物である。ハロゲン化カルボニル化合
物としては、通常、ホスゲンと呼ばれる塩化カルボニル
が用いられるが、塩素以外のハロゲンより誘導されるハ
ロゲン化カルボニル化合物、例えば、臭化カルボニル、
ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニル、あるいはこれら
の混合物でもよい。また、ハロホーメート基を形成させ
る能力を有する化合物、例えば、ホスゲンの2量体であ
るトリクロロメチルクロロホーメートやホスゲンの3量
体であるビス(トリクロロメチル)カーボネートもよ
い。通常はホスゲンを使用するのが好ましい。
【0026】ハロホーメート化合物としては、モノまた
はビスハロホーメート化合物、オリゴマー状のモノまた
はビスハロホーメート化合物が用いられ、代表的には一
般式(4)で表される化合物を挙げることができる。 X−(O−R’−O−C(=O))n −O−R’−O−X (4) (式中、Xは水素原子またはハロカルボニル基を表し、
少なくとも1個のXはハロカルボニル基であり、R’は
2価の脂肪族基または芳香族基を表し、nは0または正
の整数を表す) 一般式(4)で表される化合物は、脂肪族ジヒドロキシ
化合物から誘導されるモノまたはビスハロホーメート化
合物、芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導されるモノま
たはビスハロホーメート化合物、およびこれらの化合物
のオリゴマー状のモノまたはビスハロホーメート化合物
である。尚、オリゴマー状のモノまたはビスハロホーメ
ート化合物の場合には、同一分子中に構造の異なるR’
基を有していてもよい。これらのハロホーメート化合物
は、単独あるいは複数併用してもよく、さらにはハロゲ
ン化カルボニル化合物と併用することも可能である。一
般式(4)において、R’は脂肪族ジヒドロキシ化合物
または芳香族ジヒドロキシ化合物から誘導される2価の
基である。
【0027】脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、ジヒ
ドロキシアルカン、ジヒドロキシシクロアルカン、一般
式(5)で表される化合物が挙げられる。 HO−R”−Ar4 −R”−OH (5) (式中、R”は炭素数1〜6のアルキレン基を表し、A
4 は炭素数6〜12の2価の芳香族基を表す) 脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、好ましくは、炭素
数2〜20のジヒドロキシアルカン、炭素数4〜12の
ジヒドロキシシクロアルカン、一般式(5)で表される
ジヒドロキシ化合物を挙げることができる。脂肪族ジヒ
ドロキシ化合物の具体例としては、エチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5
−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,
8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,
10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオー
ル、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール等のジヒドロキシアル
カン、
【0028】1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、
1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、2,2−ビス
(4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等のジヒ
ドロキシシクロアルカン、1,2−ビス(ヒドロキシメ
チル)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)ベ
ンゼン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)ベンゼン、
1,4−ビス(2’−ヒドロキシエチル)ベンゼン、
1,4−ビス(3’−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、
1,4−ビス(4’−ヒドロキシブチル)ベンゼン、
1,4−ビス(5'−ヒドロキシペンチル)ベンゼン、
1,4−ビス(6’−ヒドロキシヘキシル)ベンゼン等
のジヒドロキシ化合物を挙げることができる。また、芳
香族ジヒドロキシ化合物としては、前述した一般式
(2)または一般式(3)で表される芳香族ジヒドロキ
シ化合物、例えば、ビスフェノールA、ハイドロキノン
等を挙げることができる。ジアルキルカーボネート化合
物、ジアリールカーボネート化合物、アルキルアリール
カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、
ジフェニルカーボネート、メチルフェニルカーボネート
化合物、ハロゲン原子、ニトロ基等で置換されたジフェ
ニルカーボネートおよびこれらの混合物が挙げられる。
【0029】界面重合法により本発明の芳香族ポリカー
ボネートを製造する場合、カーボネート前駆体として
は、ハロゲン化カルボニル化合物または/およびハロホ
ーメート化合物が好ましく使用される。カーボネート前
駆体は、気体、液体、固体のいずれの状態で使用しても
よいが、ハロゲン化カルボニル化合物を使用する場合に
は、気体の状態で使用するか、あるいは有機溶媒に溶解
させた有機溶媒溶液として使用することが好ましく、ハ
ロホーメート化合物を使用する場合には、固体状態ある
いは有機溶媒に溶解させた有機溶媒溶液として使用する
ことが好ましい。本発明の芳香族ポリカーボネートを、
界面重合法により製造する場合には、公知の方法を用い
ることができる。すなわち、例えば、少なくとも1種の
芳香族ジヒドロキシ化合物と、アルカリ金属もしくはア
ルカリ土類金属塩基、水、および水と実質的に不溶性の
有機溶媒の2相混合溶媒中で、ハロゲン化カルボニル化
合物または/およびハロホーメート化合物を一般式(1
−A)で表される化合物の存在下で作用させて、芳香族
ポリカーボネートを製造する方法であり、より好ましく
は、ポリカーボネート生成触媒の存在下で製造する方法
である。
【0030】本発明の芳香族ポリカーボネートを、界面
重合法により製造するに際し、カーボネート前駆体とし
て、例えば、ハロゲン化カルボニル化合物を使用する場
合、その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物の量に対
し、約1.0〜約1.3倍モル使用するのが好ましい。
1.0倍モルよりも極端に少ない量のハロゲン化カルボ
ニル化合物を使用することは、未反応の芳香族ジヒドロ
キシ化合物を生じる結果となり、色調の良くない芳香族
ポリカーボネートを生成する要因となる。また、1.3
倍モルよりも過度に多いハロゲン化カルボニル化合物の
使用は、末端がハロホーメート末端基で停止したオリゴ
マーを多量に生成することとなり、その結果、反応系内
のオリゴマーのハロホーメート末端基とヒドロキシ末端
基の割合が、ハロホーメート末端基が過剰になるため、
通常の重合時間では、ハロホーメート末端基で重合停止
された分子量の小さい芳香族ポリカーボネートを形成さ
せることになるため好ましくない。
【0031】有機溶媒は、水に対して実質的に不溶性
で、かつ、反応に対して不活性で、芳香族ポリカーボネ
ートを溶解するものであれば、任意に使用可能である。
好ましい有機溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジク
ロロエチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタ
ン、ジクロロプロパン等の脂肪族塩素化炭化水素系溶
媒、あるいは、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の
芳香族塩素化炭化水素系溶媒等の塩素化炭化水素系溶媒
またはそれらの混合溶媒が挙げられる。さらには、これ
らの塩素化炭化水素系溶媒と、トルエン、キシレン、エ
チルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、あるいは、ヘ
キサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素
系溶媒との混合溶媒が挙げられる。特に好ましい有機溶
媒はジクロロメタンである。有機溶媒の使用量は、通
常、重合終了時の芳香族ポリカーボネートを含有する有
機溶媒溶液中の芳香族ポリカーボネートの濃度が、約5
〜約35重量%になるように使用するのが好ましく、約
10〜約20重量%になるように使用するのが特に好ま
しい。芳香族ポリカーボネートの濃度が極端に低い場合
には、多量の有機溶媒を必要とし、生産性の点から好ま
しくない。また芳香族ポリカーボネートの濃度が飽和濃
度に近い濃度であると芳香族ポリカーボネートの有機溶
媒溶液の粘度が非常に高くなるため、界面重合の反応効
率の低下、重合後の有機溶媒溶液の取り扱い性の悪化等
の問題点があり好ましくない。また、反応に使用する有
機溶媒と水の使用量は、反応混合物が実質的に均一な乳
化状態を維持するに必要な量であれば良く、通常、水相
対有機相の容量比は、約0.4〜約1.5:1とするの
が好ましい。上記範囲内の溶媒量比で製造すると混合が
効率良く行われ、安定して本発明の芳香族ポリカーボネ
ートを製造することができる。
【0032】本発明の芳香族ポリカーボネートを製造す
る際に使用するアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属
塩基(以下、塩基と略記する)は、通常、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ
金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物であって、比
較的入手が容易な点から水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムが好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。塩
基は通常、水溶液の状態で用いられ、更に、この水溶液
に芳香族ジヒドロキシ化合物を溶解させて反応に使用す
ることが好ましい。この場合、芳香族ジヒドロキシ化合
物の塩基性水溶液は、一般に着色しやすいので、酸化防
止剤として、亜硫酸ナトリウム、ソジウムハイドロサル
ファイトあるいはソジウムボロハイドライド等の還元剤
を添加して、芳香族ジヒドロキシ化合物の塩基性水溶液
を調製してもよい。
【0033】界面重合法において使用する好適なポリカ
ーボネート生成触媒(重合触媒、重縮合触媒とも呼ばれ
る)は、3級アミン、4級アンモニウム塩、3級ホスフ
ィン、4級ホスホニウム塩、あるいは含窒素複素環化合
物及びその塩、イミノエーテル及びその塩、アミド基を
有する化合物等が挙げられる。好ましくは、3級アミン
であるトリアルキルアミンであり、より好ましくは1位
及び2位にある炭素原子上に分岐を持たず、アルキル基
がC1 〜C4 までのトリアルキルアミンであり、例え
ば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ
エチル−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン
等が挙げられ、入手の容易さ、及び触媒効果が優れてい
る点でトリエチルアミンが特に好ましい。ポリカーボネ
ート生成触媒の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物の
モル数に対して、約0.0005〜約1.5モル%が好
ましい。0.0005モル%より過度に少ない触媒量で
は、芳香族ポリカーボネートを形成させるための触媒効
果が充分でなく、非常に長い重合時間が必要となり、生
産効率上好ましくない。また、触媒量が、1.5モル%
より過度に多くても、重合反応を特に速める効果はな
く、過剰分のポリカーボネート生成触媒が無駄になるだ
けである。ポリカーボネート生成触媒の添加時期は、本
発明の芳香族ポリカーボネートを製造する際、反応前あ
るいは反応中に加えることができる。界面重合法におい
ては、反応温度は、約10℃〜反応に使用する有機溶媒
の沸点温度で本発明の芳香族ポリカーボネートを製造す
ることが好ましい。10℃より極端に低い反応温度で
は、反応速度が遅くなり、反応効率が悪くなる。また冷
却媒体あるいは冷却装置を必要としたりする等実用的で
はなくなる。反応は、通常、大気圧下で実施するが、所
望により、加圧下または減圧下で実施してもよい。
【0034】また、本発明の芳香族ポリカーボネートを
製造する際には、公知の溶液重合法を利用することもで
きる。例えば、ピリジン溶液中で、芳香族ジヒドロキシ
化合物、カーボネート前駆体として、ハロゲン化カルボ
ニル化合物または/およびハロホーメート化合物および
一般式(1−A)で表される化合物を約0〜約50℃で
作用させることにより製造することができる。ジアルキ
ルカーボネート化合物、アルキルアリールカーボネート
化合物または/およびジアリールカーボネート化合物を
用いて、芳香族ジヒドロキシ化合物と一般式(1−A)
で表される化合物とより、本発明の芳香族ポリカーボネ
ートを製造する場合には、ジアルキルカーボネート化合
物、アルキルアリールカーボネート化合物または/およ
びジアリールカーボネート化合物、芳香族ジヒドロキシ
化合物と一般式(1−A)で表される化合物との混合物
を、約60〜約300℃の温度で、常圧下、加圧下また
は減圧下で、必要に応じて、エステル交換触媒(例え
ば、金属酸化物、金属水酸化物、金属炭酸塩等)の存在
下で、公知のエステル交換法により製造することができ
る。
【0035】尚、本発明の芳香族ポリカーボネートは、
所望により、製造時に分岐化剤を添加することにより、
分岐化された芳香族ポリカーボネートとすることができ
る。分岐化剤としては、3つ以上のフェノール性ヒドロ
キシル基、ハロホーメート基、カルボキシル基、カルボ
ニルハライド基、活性なハロゲン原子を有する化合物が
挙げられる。分岐化剤の具体例としては、フロログルシ
ノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4’
−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメ
チル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシ
フェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4’−ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−
ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,α’−トリス
(4’−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソ
プロピルベンゼン、2,4−ビス〔α−メチル−α−
(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕フェノール、2−
(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(2”,4”−ジ
ヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)ホスフィン、
【0036】1,1,4,4−テトラキス(4’−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス〔4’,
4’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシ
ル〕プロパン、α,α,α’,α’−テトラキス(4’
−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、
2,2,5,5−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニ
ル)ヘキサン、1,1,2,3−テトラキス(4'−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4’,4”
−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、3,
3’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルエーテ
ル、トリメシン酸トリクロライド、シアヌル酸クロライ
ド、3,3−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−
オキソ−2,3−ジヒドロインドール、3,3−ビス
(4’−ヒドロキシ−3’−メチルフェニル)−2−オ
キソ−2,3−ジヒドロインドール等を挙げることがで
きる。分岐化剤の使用量は、目的とする分岐化した芳香
族ポリカーボネートの分岐度にあわせて変化させること
ができ、通常、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、
0.05〜2.0モル%程度用いるのが好ましい。
【0037】さらに、本発明の芳香族ポリカーボネート
は、芳香族ポリエステルカーボネートをも包含するもの
であり、少なくとも1種の芳香族ジヒドロキシ化合物
〔例えば、一般式(2)または一般式(3)で表される
化合物〕、カーボネート前駆体(例えば、ホスゲン)、
芳香族または脂肪族の2価のカルボン酸または該化合物
のハライド誘導体(例えば、米国特許第3169121
号に記載のイソフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸
ジクロライド、テレフタル酸ジクロライド、アジピン
酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸)および一般式(1−A)で表される化合物を用い、
公知の方法(例えば、米国特許第3169121号、米
国特許4156069号、英国特許897640号に記
載の方法)により芳香族ポリエステルカーボネートを製
造することができる。この際、芳香族または脂肪族の2
価のカルボン酸またはカルボン酸ハライドの使用量は、
芳香族ジヒドロキシ化合物に対し、30〜80モル%程
度用いるのが好ましい。
【0038】本発明の芳香族ポリカーボネートは、界面
重合法または溶液重合法により製造した場合、通常該芳
香族ポリカーボネートを含有する有機溶媒溶液を水層と
分離した後、水洗浄により、実質的に電解質が無くなる
まで洗浄した後、該有機溶媒溶液から公知の方法により
有機溶媒を除去して、本発明の芳香族ポリカーボネート
を得ることができる。また、エステル交換法により製造
された芳香族ポリカーボネートは、エステル交換条件下
で溶融した芳香族ポリカーボネートを、直接ペレット化
あるいは成形物へと加工することも可能である。本発明
の芳香族ポリカーボネートは、他の芳香族ポリカーボネ
ート、あるいは他のポリマーと混合して成形材料として
使用することが可能である。他のポリマーとしては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹
脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリトリフルオロエチレ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアセタール、ポ
リフェニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホン、パラオキシベンゾイル系
ポリエステル、ポリアリレート、ポリスルフィド等が挙
げられる。
【0039】また、本発明の芳香族ポリカーボネートに
は、加工時の熱安定性、耐光性、耐候性、難燃性、離型
性およびその他の性質を付与する目的で、芳香族ポリカ
ーボネートの製造時または製造後に、公知の方法で、熱
安定剤、酸化防止剤、加水分解安定剤、紫外線吸収剤、
離型剤、有機ハロゲン化合物、アルカリ金属スルホン酸
塩、ガラス繊維、炭素繊維、ガラスビーズ、硫酸バリウ
ム、TiO2 等の各種添加剤を添加しても良い。本発明
の芳香族ポリカーボネートは、単独もしくは他のポリマ
ーと混合して、所望により、各種添加剤を添加し、電気
機器等のシャーシーやハウジング材、電子部品、自動車
部品、コンパクトディスク等の情報記録媒体の基板、カ
メラや眼鏡のレンズ等の光学材料、ガラス代替の建材等
に成形加工することができる。本発明の芳香族ポリカー
ボネートは、熱可塑性であり、射出成形、押し出し成
形、ブロー成形、フィラー等への含浸等が可能であり、
公知の方法により容易に成形加工することができる。ま
た、本発明の芳香族ポリカーボネートは、特定の有機溶
媒(例えば、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素系
溶媒)に可溶であり、該有機溶媒溶液よりキャストし、
フィルム等に成形加工できる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 例示番号3の末端基を有する芳香族ポリカ
ーボネートの製造 10lのバッフル付フラスコに、三段六枚羽根の攪拌機
および還流冷却管を取り付けた。このフラスコに、ビス
フェノールA912g(4.0モル)、ビシクロ〔2.
2.2〕オクタン−1−カルボン酸20.9g(0.1
36モル,ビスフェノールAに対して3.4モル%)、
ジクロロメタン4l及び脱イオン水4lを入れ、懸濁液
とし、フラスコ内の酸素を除去する為に窒素パージを行
った。次に、上記懸濁液にソジウムハイドロサルファイ
ト1.2gおよび水酸化ナトリウム432g(10.8
モル)を溶解した水溶液2.2lを供給し、15℃でビ
スフェノールAを溶解した。この溶液に、ホスゲン49
5g(5.0モル)を、8.25g/分の速度で供給し
た。反応温度は39℃まで上昇し、ジクロロメタンの還
流が確認された。ホスゲンの供給が完了した後、トリエ
チルアミン0.64gを添加して、反応液をさらに90
分間攪拌し、重合反応を行った。その後、反応液を静置
し、有機層を分液し、塩酸により中和し、電解質が無く
なるまで脱イオン水で洗浄した。このようにして得られ
た芳香族ポリカーボネートのジクロロメタン溶液にトル
エン2lと水5lを加え、98℃まで加熱することによ
りジクロロメタン及びトルエンを留去して、芳香族ポリ
カーボネートの粉体を得た。得られた芳香族ポリカーボ
ネートの数平均分子量は20900、重量平均分子量は
51200であった。
【0041】実施例2 例示番号6の末端基を有する
芳香族ポリカーボネートの製造 実施例1において、ビシクロ〔2.2.2〕オクタン−
1−カルボン酸を用いる代わりに、ビシクロ〔3.3.
0〕オクタン−2−カルボン酸20.9g(ビスフェノ
ールAに対して3.4モル%)を用いた以外は、実施例
1に記載した方法に従い芳香族ポリカーボネートを製造
した。得られた芳香族ポリカーボネートの数平均分子量
は20800、重量平均分子量は51000であった。
【0042】実施例3 例示番号11の末端基を有す
る芳香族ポリカーボネートの製造 実施例1において、ビシクロ〔2.2.2〕オクタン−
1−カルボン酸を用いる代わりに、ビシクロ〔4.4.
0〕デカン−3−カルボン酸クロライド27.3g(ビ
スフェノールAに対して3.4モル%)を用いた以外
は、実施例1に記載した方法に従い芳香族ポリカーボネ
ートを製造した。得られた芳香族ポリカーボネートの数
平均分子量は21100、重量平均分子量は51300
であった。
【0043】実施例4 例示番号15の末端基を有す
る芳香族ポリカーボネートの製造 実施例1において、ビシクロ〔2.2.2〕オクタン−
1−カルボン酸を用いる代わりに、7,7−ジメチルト
リシクロ〔2.2.1.02,6 〕ヘプタン−1−カルボ
ン酸クロライド25.1g(ビスフェノールAに対して
3.4モル%)を用いた以外は、実施例1に記載した方
法に従い芳香族ポリカーボネートを製造した。得られた
芳香族ポリカーボネートの数平均分子量は21000、
重量平均分子量は51500であった。
【0044】実施例5 例示番号19の末端基を有す
る芳香族ポリカーボネートの製造 実施例1において、ビシクロ〔2.2.2〕オクタン−
1−カルボン酸を用いる代わりに、ビシクロ〔2.2.
1〕ヘプタ−5−エン−2−カルボン酸クロライド2
1.3g(ビスフェノールAに対して3.4モル%)を
用いた以外は、実施例1に記載した方法に従い芳香族ポ
リカーボネートを製造した。得られた芳香族ポリカーボ
ネートの数平均分子量は20900、重量平均分子量は
51200であった。
【0045】実施例6 例示番号20の末端基を有す
る芳香族ポリカーボネートの製造 実施例1において、ビシクロ〔2.2.2〕オクタン−
1−カルボン酸を用いる代わりに、2−ノルボルニル酢
酸20.9g(ビスフェノールAに対して3.4モル
%)を用いた以外は、実施例1に記載した方法に従い芳
香族ポリカーボネートを製造した。得られた芳香族ポリ
カーボネートの数平均分子量は20900、重量平均分
子量は51300であった。
【0046】比較例1 比較のため、実施例1において、ビシクロ〔2.2.
2〕オクタン−1−カルボン酸を用いる代わりに、p−
tert−ブチルフェノール20.4g(ビスフェノールA
に対して3.4モル%)を用いた以外は、実施例1に記
載した方法に従い芳香族ポリカーボネートを製造した。
得られた芳香族ポリカーボネートの数平均分子量は21
000、重量平均分子量は51200であった。
【0047】比較例2 比較のため、実施例1において、ビシクロ〔2.2.
2〕オクタン−1−カルボン酸を用いる代わりに、パル
ミチン酸クロライド37.4g(ビスフェノールAに対
して3.4モル%)を用いた以外は、実施例1に記載し
た方法に従い芳香族ポリカーボネートを製造した。得ら
れた芳香族ポリカーボネートの数平均分子量は2080
0、重量平均分子量は51100であった。
【0048】比較例3 比較のため、実施例1において、ビシクロ〔2.2.
2〕オクタン−1−カルボン酸を用いる代わりに、イソ
バレリルクロライド16.4g(ビスフェノールAに対
して3.4モル%)を用いた以外は、実施例1に記載し
た方法に従い芳香族ポリカーボネートを製造した。得ら
れた芳香族ポリカーボネートの数平均分子量は2070
0、重量平均分子量は50800であった。
【0049】比較例4 比較のため、実施例1において、ビシクロ〔2.2.
2〕オクタン−1−カルボン酸を用いる代わりに、シク
ロヘキシルカルボニルクロライド19.9g(ビスフェ
ノールAに対して3.4モル%)を用いた以外は、実施
例1に記載した方法に従い芳香族ポリカーボネートを製
造した。得られた芳香族ポリカーボネートの数平均分子
量は20800、重量平均分子量は51100であっ
た。
【0050】尚、各実施例および比較例で製造した各芳
香族ポリカーボネートの分子量は、GPC〔ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー、昭和電工(株)社製、
GPCシステム−11〕で測定したものである。第1表
(表1)に、各実施例および各比較例で製造した各芳香
族ポリカーボネートのガラス転移点(Tg)および耐熱
加水分解性試験の結果を示した。ガラス転移点(Tg、
℃)は、DSC〔マックサイエンス(株)社製、DSC
−3100〕を用い、昇温速度、16℃/分の条件で測
定した。耐熱加水分解性試験は、各芳香族ポリカーボネ
ートのキャストフィルム(厚さ30μm)を、80℃の
熱水中に120時間浸漬した後、その重量平均分子量
(Mw)を測定し、試験前(浸漬前)の重量平均分子量
からの減少率(%)を下記式より求めた。数値が小さい
程、耐熱加水分解性に優れていることを示している。
【0051】
【表1】 第1表から、本発明の芳香族ポリカーボネートは、公知
の末端封止剤を用いて製造される芳香族ポリカーボネー
トに比較して、熱安定性に優れ、かつ、耐熱加水分解性
に優れていることが判る。
【0052】
【発明の効果】本発明により、熱安定性に優れ、かつ、
耐熱加水分解性に優れた芳香族ポリカーボネートを提供
することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三 井東圧化学株式会社内 審査官 森川 聡 (56)参考文献 特開 昭51−67394(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端基の少なくとも1つが、一般式
    (1)で表される基である芳香族ポリカーボネート。 −O−C(=O)−R1 (1) (式中、R1 は多環状アルキル基、多環状アルケニル
    基、多環状アルキルアルキル基または多環状アルケニル
    アルキル基を表す)
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