JP4911873B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、新規芳香族ポリカーボネート樹脂に関し、電子写真感光体用材料として有用なポリカーボネート樹脂に関する。
芳香族ポリカーボネート樹脂として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略記する)にホスゲンやジフェニルカーボネートを反応させて得られるポリカーボネート樹脂がその代表的なものとして知られている。かかるビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、寸法精度および機械的強度などの面で優れた性質を有していることから、多くの分野で用いられている。そのひとつの例として、電子写真法において使用される有機感光体用のバインダー樹脂としてさまざまな検討がなされている。 有機感光体の代表的な構成例として、導電性基板上に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した積層感光体が挙げられる。電荷輸送層は低分子電荷輸送材料とバインダー樹脂より形成され、このバインダー樹脂として芳香族ポリカーボネート樹脂が多数提案されている。しかしながら、低分子電荷輸送物質の含有により、バインダー樹脂が本来有する機械的強度を低下させ、このことが感光体の摩耗性劣化、傷、クラック等の原因となり、感光体の耐久性を損なうものとなっている。
電子写真感光体用高分子材料として、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、トリフェニルアミンを側鎖に有するアクリル系樹脂[非特許文献1]、α―フェニルスチルベン構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(特許文献1)、カルバゾール構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(特許文献2)およびベンジジン構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(特許文献3)などが検討されているが、実用化には至っていない。
特開平11−29634号公報 特許第2958100号公報 特開昭64−9964号公報 M. Stolkaet Al, J.Polym. Sci., 21, 969(1983)
本発明は、上記従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、有機感光体用のバインダー樹脂として、或いは電荷輸送性高分子材料として有用な新規芳香族ポリカーボネート樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定の構成単位を含有する新規芳香族ポリカーボネート樹脂により上記課題が解決されることを見出し、本発明に到った。
即ち、上記課題は、本発明の(1)「下記一般式(I)で表わされる構成単位を含有したポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873
(式中、Aは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、A〜Aは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基を表わす。)」、(2)「下記一般式(II)で表わされる構成単位を含有したポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873
(式中、Aは前記定義と同一である。)」、(3)「上記一般式(I)或いは(II)と下記一般式(III)で表わされる構成単位からなり、一般式(I)或いは(II)で表わされる構成単位の組成比をk、一般式(III)で表わされる構成単位の組成比をjとしたときに、組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873

[式中、Xは脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基、芳香族の2価基、またはこれらの2価基より選ばれた2価基を連結してできる2価基、または、
Figure 0004911873
(ここで、R、R、R、Rは独立して置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基またはハロゲン原子であり、a及びbは各々独立して0〜4の整数であり、c及びdは各々独立して0〜3の整数であり、Yは単結合、炭素原子数2〜12の直鎖状のアルキレン基、炭素原子数3〜12の分岐状のアルキレン基、炭素原子数3〜12のポリオキシアルキレン基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、
Figure 0004911873

から選ばれ、Z、Zは置換もしくは無置換の脂肪族の2価基または置換もしくは無置換のアリレン基を表わし、R、R、R、R、R10、R11、R12は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のフェニル基を表わし、また、RとRは結合して炭素数5〜12の炭素環または複素環を形成してもよく、また、R、RはR、Rと共同で炭素環または複素環を形成してもよく、R13、R14は単結合または炭素数1〜4のアルキレン基又はポリオキシアルキレン基を表わし、R15、R16は各々独立して炭素数1〜5の置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、eは0〜4の整数、fは0〜20の整数、gは0〜4の整数を表わす。)を表わす。]」、(4)「下記一般式(IV)で表わされる繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873
(式中、A〜AおよびXは前定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表わす。)」、(5)「上記一般式(I)或いは(II)と下記一般式(V)で表わされる構成単位からなり、一般式(I)或いは(II)で表わされる構成単位の組成比をk、一般式(V)で表わされる構成単位の組成比をjとしたときに、組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873
(式中、Bは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、Arは置換もしくは無置換のアリール基を表わし、Ar,Arは置換もしくは無置換のアリレン基を表わす。)」、(6)「下記一般式(VI)で表わされる繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873
(式中、A〜A、Ar,Ar,ArおよびBは前定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表わす。)」、(7)「上記一般式(I)或いは(II)と下記一般式(VII)で表わされる構成単位からなり、一般式(I)或いは(II)で表わされる構成単位の組成比をk、一般式(VII)で表わされる構成単位の組成比をjとしたときに、組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873
(式中、Ar,Arは前記定義と同一であり、Arは置換もしくは無置換のアリレン基を表わす。R17,R18は同一または異なるアシル、基置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わす。)」、(8)「下記一般式(VIII)で表わされる繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873
(式中、A〜A、Ar、Ar、Ar、R17およびR18は前定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表わす。)」、(9)「上記一般式(I)或いは(II)と下記一般式(IX)で表わされる構成単位からなり、一般式(I)或いは(II)で表わされる構成単位の組成比をk、一般式(IX)で表わされる構成単位の組成比をjとしたときに、組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873

(式中、R17,R18は前記定義と同一である。)」、(10)「下記一般式(X)で表わされる繰り返し単位からなるポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873

(式中、A〜A、R17およびR18は前定義と同一であり、nは繰り返し数で2〜5000の整数を表わす。)」、(11)「下記一般式(XI)で表わされるビスフェノール化合物を重合に供することにより得られる前記第(1)項乃至第(10)項の何れかに記載のポリカーボネート樹脂;
Figure 0004911873
(式中、A〜Aは前定義と同一である。)」により達成される。
本発明に係わる新規芳香族ポリカーボネート樹脂は、前記したように光導電性素材として有効に機能し、また、染料やルイス酸等の増感剤によって光学的あるいは化学的に増感される。また、電子写真用感光体の感光層の電荷輸送媒体として、あるいは電荷輸送物質等として好適に使用され、特に電荷発生層と電荷輪送層を2層に区分した、いわゆる機能分離型感光層における電荷輸送媒体あるいは電荷輸送物質として有用なものである。
上記の本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、有機感光体用のバインダー樹脂として前記一般式(I)〜前記一般式(IV)、或いは電荷輸送性高分子材料として前記一般式(V)〜前記一般式(X)で表わされる構造単位を少なくとも含有するポリカーボネート樹脂であり、これら芳香族ポリカーボネート樹脂は、電子写真感光体の感光層に要求される電気的な特性、光学的な性質、機械的な性質を合わせ待ったものである。
すなわち、4,4‘−ジヒドロキシジフェニルエーテルを原料とするポリカーボネート樹脂は、耐熱性、耐薬品性、機械的特性の優れた樹脂であることが知られている。しかし、この樹脂は、溶剤に対する溶解性が悪く、(本製造例と同様の)界面重合では高重合化合物を得るのは困難である。これを改良した4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルを原料とするポリカーボネート樹脂でも、多少改善されたものの、溶解性には問題があった。従って、これら従来のジフェニルエーテルを原料とするポリカーボネート樹脂は主に共重合種として使用され、優れた、耐熱性、耐薬品性、機械的特性を発揮している。しかし、電子写真感光体として従来のジフェニルエーテル構造を有する構造単位のポリカーボネート樹脂を使用する場合、感光体特性が悪化、及びクラックの発生等の問題があった。しかし、本発明の一般式(1)で表される特定構造のジフェニールエーテル構造を有効成分とするポリカーボネート樹脂は、これらの問題点、即ち電子写真特性、及びクラックを解決し、従来のポリカーボネート樹脂の持つ、耐熱性、耐薬品性、機械的特性も併せ持つものである。このことは、従来のポリカーボネート樹脂は、ジフェニールエーテル骨格間の相互作用が強く(結晶性)、そのため、溶解性が悪く、しかも感光体作成時に、内部歪みが大きく、しかもその歪みが緩和されず(結晶性が高いため)、電子写真特性の悪化、及びクラックの発生の原因になっている、一方、本発明の一般式(1)で表される特定構造のジフェニールエーテル構造を有効成分とするポリカーボネート樹脂は、従来のジフェニルエーテル構造を有するポリカーボネート樹脂に比較して柔軟性を付与(制御)することでこれら問題点を解決できたものと推察される。
以下に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造法について説明する。
本発明のポリカーボネート樹脂は、従来ポリカーボネート樹脂の製造法として公知の、ビスフェノールと炭酸誘導体との重合と同様の方法で製造できる。すなわち、下記一般式(XI)、または(XII)で表わされるビスフェノール化合物を少なくとも1種以上使用し、
Figure 0004911873
(上記式中のA〜Aは前定義と同様である。)
Figure 0004911873

(上記式中のAは前定義と同様である。)
ビスアリールカーボネートとのエステル交換法やホスゲン等のハロゲン化カルボニル化合物との溶液または界面重合法あるいはジオールから誘導されるビスクロロホーメート等のクロロホーメートを用いる方法等により製造される。ハロゲン化カルボニル化合物としてはホスゲンの代わりにホスゲンの2量体であるトリクロロメチルクロロホーメートやホスゲンの3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボネートも有用であり、塩素以外のハロゲンより誘導されるハロゲン化カルボニル化合物、例えば、臭化カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニルも有用である。これら公知の製造法については、例えばポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者;本間精一、発行;日刊工業新聞社)等に記載されている。
また、一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物1種以上と併用して下記一般式(XIII)で表わされるジオキシ化合物を使用し、機械的特性等の改良された共重合体とすることができる。
Figure 0004911873
この場合、一般式(XIII)で表わされるジオキシ化合物を1種あるいは複数併用してもよい。一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物と一般式(XIII)で表わされるジオキシ化合物との割合は、所望の特性により広い範囲から選択することができる。また、適当な重合操作を選択することによって共重合体の中でもランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム交互共重合体、ランダムブロック共重合体等を得ることができる。例えば、一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物と一般式(XIII)で表わされるジオキシ化合物をはじめから均一に混合してホスゲンとの縮合反応を行なえば、一般式(I)あるいは(II)で表わされる構成単位と一般式(III)で表わされる構成単位とからなるランダム共重合体が得られる。また、幾種類かのジオキシ化合物を反応の途中から加えることにより、ランダムブロック共重合体が得られる。また、一般式(XIII)で表わされるジオキシ化合物から誘導されるビスクロロホーメートと一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物との縮合反応を行なえば、一般式(IV)で表わされる繰り返し単位からなる交互共重合体が得られる。この場合、逆に一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物から誘導されるビスクロロホーメートと一般式(XIII)で表わされるジオキシ化合物との縮合反応によっても、同様に一般式(IV)で表わされる繰り返し単位からなる交互共重合体が得られる。また、これらビスクロロホーメートとジオールとの縮合反応の際、ビスクロロホーメート及びジオールを複数使用することによりランダム交互共重合体が得られる。
同様に、一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物1種以上と併用して下記一般式(XIV)、一般式(XV)、一般式(XVI)で表わされる電荷輸送能を有するジオール化合物を使用し、機械的特性等の改善された共重合体とすることができる。
Figure 0004911873
Figure 0004911873
Figure 0004911873
この場合、一般式(XIV)、一般式(XV)、一般式(XVI)で表わされるジオール化合物を1種あるいは複数併用してもよい。一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物と一般式(XIV)、一般式(XV)、一般式(XVI)で表わされるジオール化合物との割合は、所望の特性により広い範囲から選択することができる。また、適当な重合操作を選択することによって共重合体の中でもランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム交互共重合体、ランダムブロック共重合体等を得ることができる。例えば、一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物と一般式(XIV)、一般式(XV)、一般式(XVI)で表わされるジオール化合物をはじめから均一に混合してホスゲンとの縮合反応を行なえば、一般式(I)あるいは(II)で表わされる構成単位と一般式(V)、一般式(VII)、あるいは一般式(IX)で表わされる構成単位とからなるランダム共重合体が得られる。また、幾種類かのジオキシ化合物を反応の途中から加えることによりランダムブロック共重合体が得られる。また、一般式(XIV)、一般式(XV)あるいは一般式(XVI)で表わされるジオール化合物から誘導されるビスクロロホーメートと一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物との縮合反応を行なえば、一般式(VI)、一般式(VIII)または一般式(X)で表わされる繰り返し単位からなる交互共重合体が得られる。この場合、逆に一般式(XI)または(XII)で表わされるビスフェノール化合物から誘導されるビスクロロホーメートと一般式(XIV)、一般式(XV)または一般式(XVI)で表わされるジオール化合物との縮合反応によっても同様に一般式(VI)、一般式(VIII)または一般式(X)で表わされる繰り返し単位からなる交互共重合体が得られる。また、これらビスクロロホーメートとジオールとの縮合反応の際、ビスクロロホーメート及びジオールを複数使用することによりランダム交互共重合体が得られる。
界面重合においては、ビスフェノール化合物あるいはジオール化合物のアルカリ水溶液と水に対して実質的に不溶性であり、且つ、ポリカーボネートを溶解する有機溶媒との2相間で炭酸誘導体及び触媒の存在下に反応を行なう。この際、高速撹拌や乳化物質の添加によって反応媒体を乳化させて行なうことによって短時間で分子量分布の狭いポリカーボネートを得ることができる。アルカリ水溶液に用いる塩基としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩等である。これらの塩基は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
好ましい塩基は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。使用される水は蒸留水、イオン交換水が好ましい。有機溶媒は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素、または、それらの混合物である。また、それらにトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等を混合した有機溶媒でもよい。有機溶媒は、好ましくは、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素であり、より好ましくは、ジクロロメタンまたはクロロベンゼンである。
ポリカーボネート製造時に使用されるポリカーボネート生成触媒は、3級アミン、4級アンモニウム塩、3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、含窒素複素環化合物及びその塩、イミノエーテル及びその塩、アミド基を有する化合物等である。ポリカーボネート生成触媒の具体例は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,4−テトラメチレンジアミン、4−ピロリジノピリジン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−エチルピペリジン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリエチルアンモニウムクロライド、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、テトラ(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロライド、ベンジルトリエチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、4−メチルピリジン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、3−メチルピリダジン、4,6−ジメチルピリミジン、1−シクロヘキシル−3,5−ジメチルピラゾール、2,3,5,6−テトラメチルピラジン等である。これらのポリカーボネート生成触媒は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。ポリカーボネート生成触媒は、好ましくは、3級アミンであり、より好ましくは、総炭素数3〜30の3級アミンであり、特に好ましくは、トリエチルアミンである。
これら触媒は、ホスゲンやビスクロロホーメート体等の炭酸誘導体を反応系に加える前、及びまたは、加えた後に添加することができる。
以上、すべての重合操作において分子量を調節するために分子量調節剤として末端停止剤を用いることが望ましく、従って、本発明で使用されるポリカーボネート樹脂の末端には停止剤に基づく置換基が結合してもよい。使用される末端停止剤は、1価の芳香族ヒドロキシ化合物、1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体、1価のカルボン酸または1価のカルボン酸のハライド誘導体等である。1価の芳香族ヒドロキシ化合物は、例えば、フェノール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−キシレノール、p−メトキシフェノール、p−ヘキシルオキシフェノール、p−デシルオキシフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェノール、p−フェニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2,4−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、β−ナフトール、α−ナフトール、p−(2,4,4−トリメチルクロマニル)フェノール、2−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体は、上記の1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体等である。
1価のカルボン酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、3−メチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、4−メチル吉草酸、3,3−ジメチル吉草酸、4−メチルカプロン酸、3,5−ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪酸類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、安息香酸、p−メチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−ブトキシ安息香酸、p−オクチルオキシ安息香酸、p−フェニル安息香酸、p−ベンジル安息香酸、p−クロロ安息香酸等の安息香酸類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。1価のカルボン酸のハライド誘導体は、上記の1価のカルボン酸のハライド誘導体等である。これらの末端封止剤は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。末端封止剤は、好ましくは、1価の芳香族ヒドロキシ化合物であり、より好ましくは、フェノール、p−tert−ブチルフェノールまたはp−クミルフェノールである。本発明のポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜500000であり、より好ましくは10000〜200000である。
また、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、芳香族性ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カルボン酸基、カルボン酸ハライド基または活性なハロゲン原子等から選ばれる反応基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。分岐化剤の具体例は、フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,α′−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、2,4−ビス[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]フェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)ホスフィン、1,1,4,4−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、α,α,α′,α′−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、2,2,5,5−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1,2,3−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4,4−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、3,3′,5,5′−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ビス(クロロカルボニルオキシ)安息香酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、4−クロロカルボニルオキシイソフタル酸、5−ヒドロキシフタル酸、5−クロロカルボニルオキシフタル酸、トリメシン酸トリクロライド、シアヌル酸クロライド等である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
また、アルカリ水溶液中でのジオールの酸化を防ぐためにハイドロサルファイト等の酸化防止剤を加えても良い。
反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間であり、反応中のpHは通常10以上に保つことが好ましい。
一方、溶液重合においては、ビスフェノール化合物あるいはジオキシ化合物を溶媒に溶解し、脱酸剤を添加し、これにビスクロロホーメートまたは、ホスゲンまたは、ホスゲンの多量体を添加することにより得られる。脱酸剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンのような第3級アミンおよびピリジンが使用される。反応に使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素およびテトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系の溶媒及びピリジンが好ましい。また、界面重合の場合と同様な分子量調節剤や分岐化剤を用いることができる。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間である。
また、エステル交換法によっても製造される。この場合、不活性ガス存在下にジオキシ化合物とビスアリールカーボネートを混合し、通常減圧下120〜350℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成するフェノール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。また、必要に応じて分子量調節剤や酸化防止剤を加えてもよい。ビスアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
以上のようにして得られたポリカーボネート樹脂は、重合中に使用した触媒や酸化防止剤、また、未反応のジオールや末端停止剤、また、重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操作も先のポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者;本間精一、発行;日刊工業新聞社)等に記載されている従来公知の方法を使用できる。
また、上記の方法にしたがって製造された芳香族ポリカーボネート樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤などの添加剤を加えることができる。
次に、本発明の主要な構成単位である一般式(I)についてさらに詳細に説明する。
前記一般式(I)中、式中、Aは置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わし、A〜Aは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基を表わす。
で用いられる置換基として、置換もしくは無置換のアルキル基としては以下のものを挙げることができる。炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、これらのアルキル基は更にフッ素原子、シアノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、フェニル基またはハロゲン原子もしくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−オクタデシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。また、置換もしくは無置換のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基をであり、これらのアリール基は更に炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、フッ素原子、シアノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基で置換されても良い。具体的には、フェニル基、ナフチル基、4−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、4−ヘキシルフェニル基、4−オクチルフェニル基、4−フルオロフェニル基、4−シアノフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、などが挙げられる。
〜Aで用いられる置換基として、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。また炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基としては以下のものを挙げることができる。炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、これらのアルキル基は更にフッ素原子、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基またはハロゲン原子もしくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有しても良い。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
さらに、本発明の主要な構成単位である一般式(I)について、その原料となる前記一般式(XI)で示されるビスフェノール化合物の製造経路を図7に示す。
第1ステップは、ジヒドロキシジフェニルエーテル化合物(XVII)を酸無水物、或いは酸クロリドを用いてアシル化によりジアシルオキシジフェニルエーテル化合物(XVIII)を得る工程で、公知の方法(例えば、新実験化学講座14(II)1012)により容易に製造することができる。即ち、ジヒドロキシジフェニルエーテル化合物(XVII)に対して2倍モル量以上の酸無水物、或いは酸クロリドの使用によりアシル化される。酸無水物の場合、反応触媒として硫酸、p−トルエンスルホン酸、塩化亜鉛などの酸、或いは、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、などの塩基が使用される。酸クロリドの場合、反応触媒として、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、などの塩基が使用される。
第2ステップは、ジアシルオキシジフェニルエーテル化合物(XVIII)を酸触媒下でフリース(Fries)転移させて、ジヒドロキシジアシル化合物(XIX)を得る工程で、公知の方法(例えば、新実験化学講座14(II)776、或いはOrg.React.,1,343(1942))により容易に製造することができる。即ち、ジアシルオキシジフェニルエーテル化合物(XVIII)に対して、2倍モル量以上の塩化アルミニウム、或いは塩化亜鉛などの酸触媒を一挙に加え、通常、70℃以上に加熱することで反応する。反応は、無溶媒か、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ニトロベンゼンなどが使用される。このフリース(Fries)転移は、OH基のオルト位に選択的に転移する(特に、パラ位は置換されているため)。
第3ステップは、ジヒドロキシジアシル化合物(XIX)のカルボニル基を還元することでビスフェノール化合物(XI)を得ることができる。カルボニル基を還元する方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、
i)ヒドラジンによる還元<Wolff−Kishner還元>
(例えば、新実験化学講座15(II)224)は、高沸点のグリコール類を溶媒として用い、ジヒドロキシジアシル化合物(XIX)と、水和ヒドラジン、水酸化ナトリウム、或いは水酸化カリウムなどの苛性アルカリの存在下の加熱反応により、ビスフェノール化合物(XI)を得ることができる。通常、反応温度は150℃〜200℃である。
ii)金属水素錯化合物による還元
(例えば、新実験化学講座15(II)179)は、カルボニル基を還元に対して種々の金属水素錯化合物が使用されるが、中でも水素化ホウ素ナトリウムが優れ、ジヒドロキシジアシル化合物(XIX)は水素化ホウ素ナトリウム水溶液中で還流することにより、ビスフェノール化合物(XI)を得ることができる。
iii)亜鉛アマルガムによる還元<Clemmensen還元>
(例えば、新実験化学講座15(II)64)は、ジヒドロキシジアシル化合物(IV)を、亜鉛アマルガムと塩酸を用いて加熱反応により、ビスフェノール化合物(XI)を得ることができる。反応は、無溶媒か、エタノール、ジオキサン、酢酸、トルエン等が使用され、通常、反応温度は、70℃〜130℃である。
iv)ヒドロシランによる還元
(例えば、新実験化学講座15(II)118)ジヒドロキシジアシル化合物(XIX)は、トリフルオロ酢酸中、トリアルキルシランで処理することで、ビスフェノール化合物(XI)得ることができる。
トリアルキルシランとしては、トリメチルシラン、トリエチルシラン、ポリメチルヒドロシロキサンなどが使用され、反応は室温で、高収率である。
等あるが、酸性、穏和な条件で、ビスフェノール化合物(XI)得ることができることで、iv)ヒドロシランによる還元が好適に使用できる。
もう一つの主要な構成単位である一般式(III)については、従来公知のポリカーボネート樹脂の構成単位をそのまま利用することができる。例えば、ポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者;本間精一、発行;日刊工業新聞社)等に記載されている基本単位を利用することができる。このような従来公知の構成単位のうち、好ましい例として一般式(II)についてその原料となる前記一般式(XIII)の例を挙げて詳細に説明する。
一般式(XIII)のXが脂肪族の2価基、環状脂肪族の2価基である場合のジオキシ化合物の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、キシリレンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、,14−ビス(4−ヒドロキシブチル)ベンゼン、1,4−ビス(5−ヒドロキシペンチル)ベンゼン、1,4−ビス(6−ヒドロキシヘキシル)ベンゼン等が挙げられる。
また、Xが芳香族の2価基である場合の好ましいジオキシ化合物の具体例としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−ジメチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン、4,4′−ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテル、エチレングリコールビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジフェニル−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,3′−ジクロロ−4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3,3′,3′−テトラメチル−6,6′−ジヒドロキシスピロ(ビス)インダン、3,3′,4,4′−テトラヒドロ−4,4,4′,4′−テトラメチル−2,2′−スピロビ(2H−1−ベンゾピラン)−7,7′−ジオール、トランス−2,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−ブテン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)キサンテン、1,6−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,6−ヘキサンジオン、α,α,α′,α′−テトラメチル−α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、α,α,α′,α′−テトラメチル−α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−キシレン、2,6−ジヒドロキシベンゾ−p−ジオキシン、2,6−ジヒドロキシチアントレン、2,7−ジヒドロキシフェノキサチイン、9,10−ジメチル−2,7−ジヒドロキシフェナジン、3,6−ジヒドロキシベンゾフラン、3,6−ジヒドロキシベンゾチオフェン、4,4′−ジヒドロキシビフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシピレン、ハイドロキノン、レゾルシン、エチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、ジエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、トリエチレングリコール−ビス(4−ヒドロキシベンゾエート)、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−テトラメチルジシロキサン、フェノール変性シリコーンオイル等が挙げられる。また、ジオール2モルとイソフタロイルクロライドまたはテレフタロイルクロライド1モルとの反応により製造されるエステル結合を含む芳香族ジオール化合物も有用である。
次に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の主要な構成単位である一般式(V)で表わされる構成単位について、(特開平9−272735号公報記載と同様)さらに詳細に説明する。
なお、本発明においては、「アリール」とは複素環基を含めた基を表わす。前記一般式(V)中、Bは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わす。Bの置換もしくは無置換のアルキル基としては、以下のものを挙げることができる。炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基は更にフッ素原子、シアノ基、フェニル基またはハロゲン原子もしくは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキル基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
また、Bの置換もしくは無置換のアリール基としては、以下のものを挙げることができる。フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ〔a,d〕シクロヘプテニリデンフェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ピリジニル基、ピロリジル基、オキサゾリル基等が挙げられ、これらは上記した置換もしくは無置換のアルキル基、上記した置換もしくは無置換のアルキル基を有するアルコキシ基、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、下記一般式で表わされるアミノ基を置換基として有していてもよい。
Figure 0004911873

(式中、R19、R20はBで定義される置換もしくは無置換のアルキル基、Bで定義される置換もしくは無置換のアリール基を表わすと共にR19とR20が共同で環を形成したり、アリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。このような具体例としてピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
前記一般式(V)中、Arは置換もしくは無置換のアリール基を表わす。Arの置換もしくは無置換のアリール基としては、下記一般式(XX)で表わされる基、及びピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ジオキサゾール、インドール、イソインドール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンズイソキサジン、カルバゾール、フェノキサジン等のアミン構造を有する複素環基から誘導される1価基が挙げられる。これらはRで定義された置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を置換基として有していてもよい。
Figure 0004911873
(式中、R17、R18はアシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表わす。Arはアリレン基を表わす。hは1〜3の整数を表わす。)
上記一般式(XX)において、R17、R18のアシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。R17、R18の置換もしくは無置換のアルキル基は、Bで定義された置換もしくは無置換のアルキル基と同様のものが挙げられる。R17、R18の置換もしくは無置換のアリール基は、Bで定義された置換もしくは無置換のアリール基に加えて下記一般式(XXI)で表わされる基を挙げることができる。
Figure 0004911873

[式中、Bは−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−及び以下の2価基から選ばれる。
Figure 0004911873
(ここで、R21は、水素原子、Bで定義された置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、Bで定義された置換もしくは無置換のアリール基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基を表わし、R22は、水素原子、Bで定義された置換もしくは無置換のアルキル基、Bで定義された置換もしくは無置換のアリール基を表わし、iは1〜12の整数、jは1〜3の整数を表わす。)]
21のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。R21のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R21のアミノ基としてはRの置換もしくは無置換のアリール基の置換基として定義されたアミノ基を表わす。また、上記一般式(XX)において、Arのアリレン基としてはBで定義された置換もしくは無置換のアリール基から誘導される2価基を挙げることができる。
前記一般式(V)中、Ar、Arは置換もしくは無置換のアリレン基を表わす。Ar、Arのアリレン基としては、Bで定義された置換もしくは無置換のアリール基から誘導される2価基を挙げることができる。
以上、一般式(V)の構成単位について説明したが、同一の記号については他の一般式中でも同じ定義である。
本発明の新規芳香族ポリカーボネート樹脂の原料モノマーである前記一般式(XIV)、(XV)、(XVI)で表わされるジオールについて説明する。これら化合物、例えば、一般式(XIV)で表わされるジオールは、下記合成経路に示すように、下記一般式(XIV)で表わされるホスホン酸エステルと、一般式(XV)で表わされるカルボニル化合物とから下記一般式(XVI)で表わされるスチルベン化合物を得、次いでエーテル基またはエステル基の開裂により製造することができる。
Figure 0004911873

[ここで、R23、R24は前記Bと同じ定義の置換もしくは無置換のアルキル基、前記R17、R18と同じ定義のアシル基を表わす。R25は、低級アルキル基を表わし、具体例としては炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。R、Ar、Ar、Arは前記定義と同一である。]
また、前記一般式(XV)、(XVI)で表わされるジオールも対応するホスホン酸エステルと、対応するカルボニル化合物とから一般式(XIV)で表わされるジオールの場合と同様な方法で製造することができる。
前記一般式(V)で表わされる構成単位と一般式(I)あるいは一般式(II)で表わされる構成単位との共重合ポリカーボネート樹脂において、一般式(V)の構成単位の含有する割合は任意の範囲で選択することができるが、一般式(V)の構成単位の含有率は、ポリカーボネート樹脂の電荷輸送性に対応しているので、好ましくは全構成単位中5モル%以上、より好ましくは20モル%以上含有することが望ましい。
以下、実施例により本発明を説明する。
(合成例1)
<4,4‘−ジアセトキシジフェニルエーテルの製造
(一般式(XVIII)においてA=CH、A=A=A=A=A=A=Hの化合物)>
4,4‘−ジフェニルエーテル 80.88g(0.4モル)と無水酢酸 102.09g(1モル)中に、室温撹拌下、95%硫酸を1滴加え、室温下2時間撹拌し、反応物を氷/水上に加え、析出する結晶をろ別、水洗、乾燥後、エタノールより再結晶精製し、109.24g(95.4%)の目的物を得た。
融点 112.5〜113.5℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C:66.98/67.13
H:4.98/4.93
(合成例2)
<4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジアチルジフェニルエーテルの製造
(一般式(XIX)においてA=CH、A=A=A=A=A=A=Hの化合物)>
合成例1で得られた4,4‘−ジアセトキシジフェニルエーテル 28.63g(0.1モル)の1,1,2,2−テトラクロロエタン 150ml溶液中に塩化アルミニウム(無水) 48g(0.36モル)を一度に加え、その後反応混合物を加熱し、120℃で1時間、撹拌反応し、次に、放冷後、反応物を氷/水上に加え、塩酸を加えた後、ジクロロメタンで抽出、ジクロロメタン相を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、残査をn−ブタノールより再結晶精製し、22.45g(78.4%)の目的物を得た。
融点 185.0〜185.5℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C:67.02/67.13
H:4.91/4.93
(合成例3)
<4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジエチルジフェニルエーテルの製造
(一般式(XI)においてA=CH、A=A=A=A=A=A=Hの化合物)>
合成例2で得られた4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジアチルジフェニルエーテル 14.31g(0.05モル)のトリフルオロ酢酸 171gの溶液に、室温撹拌下、トリエチルシラン 29.07g(0.25モル)を、1時間を要して滴下し、同条件下で、4時間反応する。次に、反応物を放冷後、反応物を氷/水上に加え、ジクロロメタンで抽出、ジクロロメタン相を水洗、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、残査に対して、シリカゲルカラムクロマト処理をトルエン/酢酸エチル(9/1)混合溶媒を用いて行ない、更にトルエンにより再結晶精製し、4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジエチルジフェニルエーテル 10.95g(84.8%)を得た。
融点 85.5〜86.5℃
元素分析値(%)実測値/計算値
C:74.42/74.40
H:7.03/7.02
参考例1)
合成例3で製造した4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジエチルジフェニルエーテル 3.64g、4−tert−ブチルフェノール64mgに窒素雰囲気下で水酸化ナトリウム2.82g、ナトリウムハイドロサルファイト66mgを水28mlに溶解した溶液を加えて溶解した。1時間攪拌した後、ビス(トリクロロメチル)カーボネート1.68gを塩化メチレン22mlに溶解した溶液を加え18℃で15分間強く撹拌した。その後、触媒量のトリエチルアミンを加えて室温で1時間撹拌した。塩化メチレンで内容物を希釈し、有機層を分液後、イオン交換水で2回洗浄、ついで2%の塩酸水溶液で洗浄し、さらに洗浄液の導電率がイオン交換水の値と同じになるまでイオン交換水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下し、得られたポリマーを80℃で減圧乾燥して、下記式で示される芳香族ポリカーボネート樹脂(No.1)を2.64を得た。
Figure 0004911873

元素分析値(%)実測値/計算値
C:77.77/71.82
H:5.64/5.67
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量=42,000,重量平均分子量=145,300
赤外吸収スペクトルを図8に示した。
CO伸縮振動(カーボネート結合) cm−1
(実施例
合成例3で製造した4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジエチルジフェニルエーテル 2.30g、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン 1.34g、4−tert−ブチルフェノール63mgに窒素雰囲気下で水酸化ナトリウム2.78g、ナトリウムハイドロサルファイト66mgを水27mlに溶解した溶液を加えて溶解した。1時間攪拌した後、ビス(トリクロロメチル)カーボネート1.65gを塩化メチレン22mlに溶解した溶液を加え18℃で15分間強く撹拌した。その後、触媒量のトリエチルアミンを加えて室温で1時間撹拌した。塩化メチレンで内容物を希釈し、有機層を分液後、イオン交換水で2回洗浄、ついで2%の塩酸水溶液で洗浄し、さらに洗浄液の導電率がイオン交換水の値と同じになるまでイオン交換水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下し、得られたポリマーを80℃で減圧乾燥して、下記式で示される芳香族ポリカーボネート樹脂(No.2)を3.44を得た。
Figure 0004911873

元素分析値(%)実測値/計算値
C:73.85/73.91
H:5.83/5.85
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量=33,600,重量平均分子量=98,000
赤外吸収スペクトルを図9に示した。
CO伸縮振動(カーボネート結合) cm−1
(実施例
合成例3で製造した4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジエチルジフェニルエーテル 2.30g、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン 1.33g、4−tert−ブチルフェノール64mgに窒素雰囲気下で水酸化ナトリウム2.82g、ナトリウムハイドロサルファイト66mgを水27mlに溶解した溶液を加えて溶解した。1時間攪拌した後、ビス(トリクロロメチル)カーボネート1.67gを塩化メチレン22mlに溶解した溶液を加え18℃で15分間強く撹拌した。その後、触媒量のトリエチルアミンを加えて室温で1時間撹拌した。塩化メチレンで内容物を希釈し、有機層を分液後、イオン交換水で2回洗浄、ついで2%の塩酸水溶液で洗浄し、さらに洗浄液の導電率がイオン交換水の値と同じになるまでイオン交換水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下し、得られたポリマーを80℃で減圧乾燥して、下記式で示される芳香族ポリカーボネート樹脂(No.3)を3.44g得た。
Figure 0004911873
元素分析値(%)実測値/計算値
C:73.59/73.56
H:5.90/5.95
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量=31,600,重量平均分子量=93,900
赤外吸収スペクトルを図10に示した。
CO伸縮振動(カーボネート結合) cm−1
参考
合成例3で製造した4,4‘−ジヒドロキシ−3,3’−ジエチルジフェニルエーテル 1.57g、電荷輸送能を有するジオールとしてN−{4−〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ビニル〕フェニル}−N,N−ビス(4−トリル)アミン2.15g、及び4−tert−ブチルフェノール79mgに窒素雰囲気下で水酸化ナトリウム2.11g、ナトリウムハイドロサルファイト66mgを水27mlに溶解した溶液を加えて溶解した。1時間攪拌した後、ビス(トリクロロメチル)カーボネート1.25gを塩化メチレン22mlに溶解した溶液を加え18℃で15分間強く撹拌した。その後、触媒量のトリエチルアミンを加えて室温で1時間撹拌した。塩化メチレンで内容物を希釈し、有機層を分液後、イオン交換水で2回洗浄、ついで2%の塩酸水溶液で洗浄し、さらに洗浄液の導電率がイオン交換水の値と同じになるまでイオン交換水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下し、得られたポリマーを80℃で減圧乾燥して、下記式で示される芳香族ポリカーボネート樹脂(No.4)を3.51g得た。
Figure 0004911873

元素分析値(%)実測値/計算値
C:77.97/77.87
H:5.40/5.48
N:1.59/1.56
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算分子量
数平均分子量:21900,重量平均分子量:98600
赤外吸収スペクトルを図11に示した。
CO伸縮振動(カーボネート結合) cm−1
(応用例1)
アルミ板上にメタノール/ブタノール混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−8000:東レ社製)溶液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.3μmの中間層を設けた。この上に電荷発生物質として下記式(P−1)で表わされるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンと2−ブタノンの混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得られた分散液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.5μmの電荷発生層を形成した。
Figure 0004911873
次に、下記構造式(D−1)で示される電荷輸送物質1部、実施例で得られたポリカーボネート樹脂(No.3)1部をテトラヒドロフラン8部に溶解し、この溶液を前記電荷発生層上にドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、80℃で5分、120℃で20分間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成して感光体No.1を作製した。

Figure 0004911873
かくしてつくられた感光体No.1について市販の静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製EPA−8200]を用いて暗所で−6KVのコロナ放電を20秒間行なって帯電せしめた後、更に20秒間暗所に放置した後、表面電位V(V)を測定した。次いで、タングステンランプ光を感光体表面での照度が4.5luxになるように照射して、Vが1/2になるまでの時間(秒)を求め、露光量E1/2(lux・sec)を算出した。その結果を、V=−1020V、E1/2=0.99lux・secであった。
(応用例2)
応用例1と同様の中間層、電荷発生層を作成した後、参考で得られたポリカーボネート樹脂(No.4)1部をテトラヒドロフラン4部に溶解し、この溶液を前記電荷発生層上にドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、80℃で5分、120℃で20分間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成して感光体No.2を作製した。かくしてつくられた感光体No.2について市販の静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製EPA−8200]を用いて暗所で−6KVのコロナ放電を20秒間行なって帯電せしめた後、更に20秒間暗所に放置した後、表面電位V(V)を測定した。次いで、タングステンランプ光を感光体表面での照度が4.5luxになるように照射して、Vが1/2になるまでの時間(秒)を求め、露光量E1/2(lux・sec)を算出した。その結果は、V=−996V、E1/2=0.96lux・secであった。
本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の一例を示す断面図である。 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。 本発明に係わる電子写真用感光体の層構成の他の例を示す断面図である。 本発明で用いたビスフェノール化合物の製造経路を示した図である。 本発明の実施例1で使用した赤外吸収スペクトルを示す図である。 本発明の実施例2で使用した赤外吸収スペクトルを示す図である。 本発明の実施例3で使用した赤外吸収スペクトルを示す図である。 本発明の実施例4で使用した赤外吸収スペクトルを示す図である。
符号の説明
1 導電性支持体
2 感光層
2’ 感光層
2’’ 感光層
2’’’ 感光層
2’’’’感光層
2’’’’’ 感光層
3 電荷発生物質
4 電荷輸送層または電荷輸送媒体
5 電荷発生層
6 保護層

Claims (2)

  1. 下記一般式(II)と一般式(III)で表わされる構成単位からなり、一般式(II)で表わされる構成単位の組成比をk、一般式(III)で表わされる構成単位の組成比をjとしたときに、組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂。
    Figure 0004911873
    (式中、Aはメチル基である。)

    Figure 0004911873
    [式中、Xは
    Figure 0004911873
    を表す。ここで、R、Rはメチル基であり、a及びbは各々独立して0〜1の整数である。Yは
    Figure 0004911873
    から選ばれ、R、Rはメチル基を表す。]
  2. 下記一般式(XI)で表わされるビスフェノール化合物を重合に供することにより得られる請求項1に記載のポリカーボネート樹脂。
    Figure 0004911873
    (式中、Aはメチル基であり、A〜Aは水素原子である。)
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