JPH0912700A - 芳香族ポリカーボネートおよびその製造方法 - Google Patents
芳香族ポリカーボネートおよびその製造方法Info
- Publication number
- JPH0912700A JPH0912700A JP16869695A JP16869695A JPH0912700A JP H0912700 A JPH0912700 A JP H0912700A JP 16869695 A JP16869695 A JP 16869695A JP 16869695 A JP16869695 A JP 16869695A JP H0912700 A JPH0912700 A JP H0912700A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- same
- hydrogen atom
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 流動性、光弾性効果の少ない芳香族ポリカー
ボネートおよびその製造方法を提供する。 【構成】 主として、下記式(I)で表される繰返し単
位からなり、 [但し、R1 およびR2 は、炭素数4〜20のアルキル
基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20の
シクロアルキル基、炭素数7〜20のシクロアルコキシ
基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のア
ラルキル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素
数7〜20のアラルキルオキシ基および水素原子からな
る群より選ばれ、R1 とR2 とは同一ではない。 塩化メチレンを溶媒とした20℃における極限粘度
[η]が0.3dl/g以上である芳香族ポリカーボネ
ート。
ボネートおよびその製造方法を提供する。 【構成】 主として、下記式(I)で表される繰返し単
位からなり、 [但し、R1 およびR2 は、炭素数4〜20のアルキル
基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20の
シクロアルキル基、炭素数7〜20のシクロアルコキシ
基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のア
ラルキル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素
数7〜20のアラルキルオキシ基および水素原子からな
る群より選ばれ、R1 とR2 とは同一ではない。 塩化メチレンを溶媒とした20℃における極限粘度
[η]が0.3dl/g以上である芳香族ポリカーボネ
ート。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規重合体とその製造
方法に関し、詳しくは芳香族ポリカーボネートとその効
率のよい製造方法に関する。
方法に関し、詳しくは芳香族ポリカーボネートとその効
率のよい製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から2,2―ビス(4―ヒドロキシ
フェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)と、ホス
ゲン、炭酸ジエフェニルなどの炭酸エステル形成性化合
物とを反応させて製造されるポリカーボネート樹脂は、
透明性、耐熱性および機械的強度にすぐれているため広
範な用途に供されている。
フェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)と、ホス
ゲン、炭酸ジエフェニルなどの炭酸エステル形成性化合
物とを反応させて製造されるポリカーボネート樹脂は、
透明性、耐熱性および機械的強度にすぐれているため広
範な用途に供されている。
【0003】しかし、様々な用途の拡大に伴なってポリ
カーボネート樹脂に対する要求特性が厳しくなり、より
すぐれた性能を有するポリカーボネート樹脂の出現が要
望されている。特に従来のポリカーボネート樹脂を用い
て射出成形などにより成形品を得た場合、この成形品は
応力光学歪が大きく、そのため複屈折が大きくなって光
学機器の素材には適さないという問題がある。
カーボネート樹脂に対する要求特性が厳しくなり、より
すぐれた性能を有するポリカーボネート樹脂の出現が要
望されている。特に従来のポリカーボネート樹脂を用い
て射出成形などにより成形品を得た場合、この成形品は
応力光学歪が大きく、そのため複屈折が大きくなって光
学機器の素材には適さないという問題がある。
【0004】かかる問題点を改良するため下記式(III
)で表される如き
)で表される如き
【0005】
【化7】
【0006】ベンゼン環上に対称に置換基を有する二価
フェノール類を使用したり(特開昭63―178130
号公報、特開昭63―182338号公報他)、あるい
は、X部の構造を種々検討している(特開昭63―95
228号公報)が未だ充分な解決には至っていない。
フェノール類を使用したり(特開昭63―178130
号公報、特開昭63―182338号公報他)、あるい
は、X部の構造を種々検討している(特開昭63―95
228号公報)が未だ充分な解決には至っていない。
【0007】また上記式(III )に於いて
【0008】
【化8】
【0009】Rの一方を水素原子として、他方をR2 を
メチル基、メトキシ基、iso―プロピル基、シクロヘ
キシル基とするモノマーからのカーボネートが知られて
いるが(H. Schnell, "Chemistry and Physics of Poly
carbonate" John Wiley & Sons. Inc., 1964)、かかる
モノマーを使用したポリカーボネートでは効果を充分に
は達成できない。
メチル基、メトキシ基、iso―プロピル基、シクロヘ
キシル基とするモノマーからのカーボネートが知られて
いるが(H. Schnell, "Chemistry and Physics of Poly
carbonate" John Wiley & Sons. Inc., 1964)、かかる
モノマーを使用したポリカーボネートでは効果を充分に
は達成できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、透明
性、耐熱性および機械的強度などの従来のポリカーボネ
ート樹脂のすぐれた特性を維持すると共に、流動性や光
弾性係数などを改善し、成形品の光学歪や、複屈折を小
さくし、光学的性質の向上したポリカーボネート系の新
規な重合体およびその製造方法を提供することを目的と
する。
性、耐熱性および機械的強度などの従来のポリカーボネ
ート樹脂のすぐれた特性を維持すると共に、流動性や光
弾性係数などを改善し、成形品の光学歪や、複屈折を小
さくし、光学的性質の向上したポリカーボネート系の新
規な重合体およびその製造方法を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、特定の主た
る繰返し単位を有するポリカーボネート系の新たな、重
合体が上記目的に適うものであることを見い出し本発明
を完成するに至った。
る繰返し単位を有するポリカーボネート系の新たな、重
合体が上記目的に適うものであることを見い出し本発明
を完成するに至った。
【0012】すなわち、本発明は主として、下記式
(I)で表される繰返し単位からなり、
(I)で表される繰返し単位からなり、
【0013】
【化9】
【0014】[但し、R1 およびR2 は、炭素数4〜2
0のアルキル基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素
数7〜20のシクロアルキル基、炭素数7〜20のシク
ロアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数
7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリールオ
キシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基および水
素原子からなる群より選ばれ、R1 とR2 とは同一では
ない。
0のアルキル基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素
数7〜20のシクロアルキル基、炭素数7〜20のシク
ロアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数
7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリールオ
キシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基および水
素原子からなる群より選ばれ、R1 とR2 とは同一では
ない。
【0015】
【化10】
【0016】(ここでR3 とR4 は同一または異なり、
水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R
5 は、炭素数3〜10のアルキレン基を表す。)] 塩化メチレンを溶媒とした20℃における極限粘度
[η]が0.3dl/g以上である芳香族ポリカーボネ
ートである。
水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R
5 は、炭素数3〜10のアルキレン基を表す。)] 塩化メチレンを溶媒とした20℃における極限粘度
[η]が0.3dl/g以上である芳香族ポリカーボネ
ートである。
【0017】また、本発明は、下記式(II)で表わされ
る二価フェノールを主たる成分とするフェノール類と
る二価フェノールを主たる成分とするフェノール類と
【0018】
【化11】
【0019】[但し、R1 およびR2 は、炭素数4〜2
0のアルキル基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素
数7〜20のシクロアルキル基、炭素数7〜20のシク
ロアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数
7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリールオ
キシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基および水
素原子からなる群より選ばれ、R1 とR2 とは同一では
ない。
0のアルキル基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素
数7〜20のシクロアルキル基、炭素数7〜20のシク
ロアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数
7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリールオ
キシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基および水
素原子からなる群より選ばれ、R1 とR2 とは同一では
ない。
【0020】
【化12】
【0021】(ここでR3 とR4 は同一または異なり、
水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R
5 は、炭素数3〜10のアルキレン基を表す。)] 炭酸エステル形成性化合物とを反応させることを特徴と
する、主として下記式(I)で表わされる繰返し単位を
有し、
水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R
5 は、炭素数3〜10のアルキレン基を表す。)] 炭酸エステル形成性化合物とを反応させることを特徴と
する、主として下記式(I)で表わされる繰返し単位を
有し、
【0022】
【化13】
【0023】[但し、R1 およびR2 は、炭素数4〜2
0のアルキル基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素
数7〜20のシクロアルキル基、炭素数7〜20のシク
ロアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数
7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリールオ
キシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基および水
素原子からなる群より選ばれ、R1 とR2 とは同一では
ない。
0のアルキル基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素
数7〜20のシクロアルキル基、炭素数7〜20のシク
ロアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数
7〜20のアラルキル基、炭素数6〜20のアリールオ
キシ基、炭素数7〜20のアラルキルオキシ基および水
素原子からなる群より選ばれ、R1 とR2 とは同一では
ない。
【0024】
【化14】
【0025】(ここでR3 とR4 は同一または異なり、
水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R
5 は、炭素数3〜10のアルキレン基を表す。)] 塩化メチレンを溶媒とした20℃における極限粘度
[η]が0.3dl/g以上である芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法である。
水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R
5 は、炭素数3〜10のアルキレン基を表す。)] 塩化メチレンを溶媒とした20℃における極限粘度
[η]が0.3dl/g以上である芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法である。
【0026】式(I)および(II)において、R1 およ
びR2 の炭素数4〜20のアルキル基としては、ter
t―アミル基、1,1,3,3―テトラメチルブチル
基、イソノニル基、ドデシル基等が挙げられ、3級アル
キル基が好ましい。炭素数4〜20のアルコキシ基とし
ては、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基ヘキサデシ
ルオキシ基等が挙げられる。炭素数7〜20のシクロア
ルキル基としては、置換されていてもよいシクロヘプチ
ル基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素数7〜2
0のシクロアルコキシ基としては、シクロオクチルオキ
シ基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリール基とし
ては、置換されていてもよいフェニル基、トリル基等が
挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、
ベンジル基、α,α―ジメチルベンジル基等が挙げられ
る。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェ
ノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。炭素数7
〜20のアラルキルオキシ基としてはベンジルオキシ基
等が挙げられる。
びR2 の炭素数4〜20のアルキル基としては、ter
t―アミル基、1,1,3,3―テトラメチルブチル
基、イソノニル基、ドデシル基等が挙げられ、3級アル
キル基が好ましい。炭素数4〜20のアルコキシ基とし
ては、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基ヘキサデシ
ルオキシ基等が挙げられる。炭素数7〜20のシクロア
ルキル基としては、置換されていてもよいシクロヘプチ
ル基、シクロオクチル基等が挙げられる。炭素数7〜2
0のシクロアルコキシ基としては、シクロオクチルオキ
シ基等が挙げられる。炭素数6〜20のアリール基とし
ては、置換されていてもよいフェニル基、トリル基等が
挙げられる。炭素数7〜20のアラルキル基としては、
ベンジル基、α,α―ジメチルベンジル基等が挙げられ
る。炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェ
ノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。炭素数7
〜20のアラルキルオキシ基としてはベンジルオキシ基
等が挙げられる。
【0027】R3 、R4 は同一または異なり、水素原子
または炭素数1〜12の炭化水素基である。炭化水素基
としては、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基あるいは
炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が好ましい。かかる
脂肪族炭化水素基として、アルキル基、アルケニル基等
が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げ
られる。また芳香族基として置換もしくは非置換のフェ
ニル基、ナフチル基等が挙げられる。
または炭素数1〜12の炭化水素基である。炭化水素基
としては、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基あるいは
炭素数6〜12の芳香族炭化水素基が好ましい。かかる
脂肪族炭化水素基として、アルキル基、アルケニル基等
が挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げ
られる。また芳香族基として置換もしくは非置換のフェ
ニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0028】R5 は炭素数3〜10のアルキレン基であ
り、ブチレン基、ペンチレン基等が例示される。
り、ブチレン基、ペンチレン基等が例示される。
【0029】本発明の芳香族ポリカーボネートは主とし
て上記式(I)で表される繰返し単位からなり、85も
モル%を越える割合さらに好ましくは90〜100モル
%の割合で、式(I)で表される繰返し単位を含有する
ことが好ましい。
て上記式(I)で表される繰返し単位からなり、85も
モル%を越える割合さらに好ましくは90〜100モル
%の割合で、式(I)で表される繰返し単位を含有する
ことが好ましい。
【0030】残りの成分としては、従来公知のビスフェ
ノールA、ビスフェノールZ等からの繰返し単位を用い
ることができる。
ノールA、ビスフェノールZ等からの繰返し単位を用い
ることができる。
【0031】本発明の新規重合体を構成する一般式
(I)で表される主たる繰返し単位を与える、一般式
(II)で表される二価フェノールは、非対称に置換され
たものであり、原料コストの点より特に好ましくは、R
1 が水素原子であるものである。
(I)で表される主たる繰返し単位を与える、一般式
(II)で表される二価フェノールは、非対称に置換され
たものであり、原料コストの点より特に好ましくは、R
1 が水素原子であるものである。
【0032】これらの具体例としては、以下のものが挙
げられる(式中Phはフェニル基、Amはアミル基を表
す。)
げられる(式中Phはフェニル基、Amはアミル基を表
す。)
【0033】
【化15】
【0034】
【化16】
【0035】また、本発明の新規重合体の重合度(分子
量)は用途等に応じて適宜定めれば良いが、塩化メチレ
ンを溶媒とする溶液の20℃に於ける極限粘度[η]が
0.3dl/g以上、好ましくは0.3〜1.0dl/
gの範囲に選定することが好ましい。ここで上記極限粘
度が0.3dl/g未満では得られる成形体の機械的強
度は小さなものとなる。
量)は用途等に応じて適宜定めれば良いが、塩化メチレ
ンを溶媒とする溶液の20℃に於ける極限粘度[η]が
0.3dl/g以上、好ましくは0.3〜1.0dl/
gの範囲に選定することが好ましい。ここで上記極限粘
度が0.3dl/g未満では得られる成形体の機械的強
度は小さなものとなる。
【0036】本発明の新規重合体は様々な方法により製
造することができるが、前述した、本発明の方法によれ
ば、効率良く、高品質の重合体を製造することができ
る。本発明の製造方法では、前記一般式(II)で表され
る二価フェノールと炭酸エステル形成性化合物を反応系
に導入し、これを反応させる。
造することができるが、前述した、本発明の方法によれ
ば、効率良く、高品質の重合体を製造することができ
る。本発明の製造方法では、前記一般式(II)で表され
る二価フェノールと炭酸エステル形成性化合物を反応系
に導入し、これを反応させる。
【0037】本発明に於ては(II)で表される二価フェ
ノール以外に少量のいわゆる従来公知の二価のフェノー
ル類例えばビスフェノールA、ビスフェノールZあるい
はヒドロキノン、2,6―ジヒドロキシナフタレン、あ
るいは2価の脂肪族ジヒドロキシ化合物、例えば、エチ
レングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノー
ル、あるいはオキシ酸類、例えばP―ヒドロキシ安息香
酸、あるいは2価のカルボン酸類、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、1,4―シクロヘキサンカルボン
酸、コハク酸、アジピン酸等々を所望により共重合する
ことができる。
ノール以外に少量のいわゆる従来公知の二価のフェノー
ル類例えばビスフェノールA、ビスフェノールZあるい
はヒドロキノン、2,6―ジヒドロキシナフタレン、あ
るいは2価の脂肪族ジヒドロキシ化合物、例えば、エチ
レングリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノー
ル、あるいはオキシ酸類、例えばP―ヒドロキシ安息香
酸、あるいは2価のカルボン酸類、例えばテレフタル
酸、イソフタル酸、1,4―シクロヘキサンカルボン
酸、コハク酸、アジピン酸等々を所望により共重合する
ことができる。
【0038】また、本発明に於て使用する炭酸エステル
形成性化合物の種類は、製造すべき、重合体の用途等に
応じて適宜選定すれば良いが、一般には、ジフェニルカ
ーボネート、ジ―p―トリルカーボネート、フェニル―
P―トリルカーボネート、ジ―p―クロロフェニルカー
ボネートあるいはジナフチルカーボネートなどのジアリ
ールカーボネート、さらにはホスゲン、ブロムホスゲン
などの炭酸のハロゲン化物等が用いられ、そのうちジフ
ェニルカーボネートあるいはホスゲンが好ましい。
形成性化合物の種類は、製造すべき、重合体の用途等に
応じて適宜選定すれば良いが、一般には、ジフェニルカ
ーボネート、ジ―p―トリルカーボネート、フェニル―
P―トリルカーボネート、ジ―p―クロロフェニルカー
ボネートあるいはジナフチルカーボネートなどのジアリ
ールカーボネート、さらにはホスゲン、ブロムホスゲン
などの炭酸のハロゲン化物等が用いられ、そのうちジフ
ェニルカーボネートあるいはホスゲンが好ましい。
【0039】本発明の製造方法では、上述した二価フェ
ノールと炭酸エステル形成性化合物とを、重縮合させる
がこの際の条件ならびに操作法は、従来から、ポリカー
ボネートの製造に用いられている、いわゆる、ホスゲン
法やエステル交換法に準ずれば良い。
ノールと炭酸エステル形成性化合物とを、重縮合させる
がこの際の条件ならびに操作法は、従来から、ポリカー
ボネートの製造に用いられている、いわゆる、ホスゲン
法やエステル交換法に準ずれば良い。
【0040】ホスゲン法に準ずる時は、通常、塩化メチ
レン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ピリジ
ンなどの溶媒中で、好ましくは塩化メチレン溶媒中で、
適当な触媒、アルカリ、分子量調節剤などを用いれば良
い。ここで分子量調節剤としては、様々な一価フェノー
ルを挙げることができるが、好ましいものとしてはフェ
ノール、tert―ブチルフェノール、フェニルフェノ
ール、アミルフェノールなどが挙げられる。
レン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ピリジ
ンなどの溶媒中で、好ましくは塩化メチレン溶媒中で、
適当な触媒、アルカリ、分子量調節剤などを用いれば良
い。ここで分子量調節剤としては、様々な一価フェノー
ルを挙げることができるが、好ましいものとしてはフェ
ノール、tert―ブチルフェノール、フェニルフェノ
ール、アミルフェノールなどが挙げられる。
【0041】上述の如き方法によれば、本発明の新規重
合体が得られるが、これを用いて、各種成形品を成形す
る場合に、用途に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
離形剤などの添加剤を加えても良い。
合体が得られるが、これを用いて、各種成形品を成形す
る場合に、用途に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
離形剤などの添加剤を加えても良い。
【0042】
【実施例】次に本発明を実施例を実施例及び比較例によ
り、さらに詳しく説明する。
り、さらに詳しく説明する。
【0043】[実施例1]82重量部の2―(4―ヒド
ロキシフェニル)―2―(4―ヒドロキシ―3―ジメチ
ルベンジル)プロパン(MW=346)を、8重量%濃
度の水酸化ナトリウム水溶液500重量部に溶解し、こ
の溶液に塩化メチレン550重量部および分子量調節剤
であるp―tert―ブチルフェノール3.0重量部お
よび触媒であるトリエチルアミン10重量%濃度の水溶
液1重量部を加えて、激しく攪拌しながらホスゲンガス
を30分間吹き込んだ。
ロキシフェニル)―2―(4―ヒドロキシ―3―ジメチ
ルベンジル)プロパン(MW=346)を、8重量%濃
度の水酸化ナトリウム水溶液500重量部に溶解し、こ
の溶液に塩化メチレン550重量部および分子量調節剤
であるp―tert―ブチルフェノール3.0重量部お
よび触媒であるトリエチルアミン10重量%濃度の水溶
液1重量部を加えて、激しく攪拌しながらホスゲンガス
を30分間吹き込んだ。
【0044】得られた反応生成物に塩化メチレン600
重量部を加えて、有機層を希釈した後、水を1000重
量部、0.01規定濃度の水酸化ナトリウム水溶液を5
00重量部、水を500重量部、0.01規定濃度の希
塩酸を500重量部、および水500重量部を各々用い
てこの順序で洗浄した。ついで有機層をメタノール中に
注入して白色沈殿重合体を得た。得られた重合体は塩化
メチレンを溶媒とする溶液の20℃における極限粘度
[η]は0.54dl/gであった。
重量部を加えて、有機層を希釈した後、水を1000重
量部、0.01規定濃度の水酸化ナトリウム水溶液を5
00重量部、水を500重量部、0.01規定濃度の希
塩酸を500重量部、および水500重量部を各々用い
てこの順序で洗浄した。ついで有機層をメタノール中に
注入して白色沈殿重合体を得た。得られた重合体は塩化
メチレンを溶媒とする溶液の20℃における極限粘度
[η]は0.54dl/gであった。
【0045】この重合体のガラス転移温度は150℃で
あった。重合体を厚さ100μmのフイルムに成形し、
理研計器製の光弾性係数測定機器(PA―150)で測
定した。光弾性係数は50×10-13 cm2 /dyne
と低い値であった。
あった。重合体を厚さ100μmのフイルムに成形し、
理研計器製の光弾性係数測定機器(PA―150)で測
定した。光弾性係数は50×10-13 cm2 /dyne
と低い値であった。
【0046】[実施例2]2―(4―ヒドロキシフェニ
ル)―2―(4―ヒドロキシ―3―tert―アミルフ
ェニル)プロパン(MW=313)を、313重量部、
ジフェニルカーボネートを220重量部、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシドを9.1×10 -3重量部およ
び4×10-4重量部の水酸化ナトリウムを攪拌装置蒸留
器及び減圧装置を備えた反応槽に仕込み、窒素置換をし
た後、140℃で溶解した。30分間攪拌後内温を18
0℃に昇温しつつ徐々に減圧し100mmHgで30分
間反応させ生成するフェノールを溜去した。
ル)―2―(4―ヒドロキシ―3―tert―アミルフ
ェニル)プロパン(MW=313)を、313重量部、
ジフェニルカーボネートを220重量部、テトラメチル
アンモニウムヒドロキシドを9.1×10 -3重量部およ
び4×10-4重量部の水酸化ナトリウムを攪拌装置蒸留
器及び減圧装置を備えた反応槽に仕込み、窒素置換をし
た後、140℃で溶解した。30分間攪拌後内温を18
0℃に昇温しつつ徐々に減圧し100mmHgで30分
間反応させ生成するフェノールを溜去した。
【0047】さらに200℃に昇温しつつ徐々に減圧
し、50mmHgで30分間フェノールを溜出せしめ反
応させた。さらに220℃で30mmHgまで、徐々に
昇温、減圧し、同温、同圧で30分、さらに240℃で
10mmHg、260℃で1mmHg、270℃で1m
mHg以下にまで上記と同じ手順で昇温、減圧をくりか
えし反応を続行した後、最終的に270℃1mmHg以
下で3時間反応せしめた。
し、50mmHgで30分間フェノールを溜出せしめ反
応させた。さらに220℃で30mmHgまで、徐々に
昇温、減圧し、同温、同圧で30分、さらに240℃で
10mmHg、260℃で1mmHg、270℃で1m
mHg以下にまで上記と同じ手順で昇温、減圧をくりか
えし反応を続行した後、最終的に270℃1mmHg以
下で3時間反応せしめた。
【0048】得られた重合体は、塩化メチレンを溶媒と
する溶液の20℃に於ける極限粘度[η]は0.41d
l/gであった。得られた重合体のガラス転移温度は1
25℃であり、実施例1と同様に測定した光弾性係数は
45×10-13 cm2 /dyneと低い値であった。
する溶液の20℃に於ける極限粘度[η]は0.41d
l/gであった。得られた重合体のガラス転移温度は1
25℃であり、実施例1と同様に測定した光弾性係数は
45×10-13 cm2 /dyneと低い値であった。
【0049】[比較例1]2―(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパンを、54.0重量部用いた他は、実施例1
と同様の操作により極限粘度[η]が0.54dl/g
の重合体を得た。このもののガスラ転移温度は143℃
であり、また光弾性係数は81×10-13cm2 /dy
neと大きな値であった。
ル)プロパンを、54.0重量部用いた他は、実施例1
と同様の操作により極限粘度[η]が0.54dl/g
の重合体を得た。このもののガスラ転移温度は143℃
であり、また光弾性係数は81×10-13cm2 /dy
neと大きな値であった。
【0050】
【発明の効果】本発明の重合体は、従来のポリカーボネ
ート樹脂に比べて、光弾性効果が小さく、溶融粘度も低
く、成形歪が、少ないため複屈折が小さく、光学的性質
の極めてすぐれたものである。
ート樹脂に比べて、光弾性効果が小さく、溶融粘度も低
く、成形歪が、少ないため複屈折が小さく、光学的性質
の極めてすぐれたものである。
【0051】しかも充分な耐熱性並びに機械的強度を有
するものである。したがって本発明の重合体は、光ディ
スクなどの光学機器用素材を始めとして各種産業用機器
の素材として有効に利用しうる。
するものである。したがって本発明の重合体は、光ディ
スクなどの光学機器用素材を始めとして各種産業用機器
の素材として有効に利用しうる。
Claims (2)
- 【請求項1】 主として、下記式(I)で表される繰返
し単位からなり、 【化1】 [但し、R1 およびR2 は、炭素数4〜20のアルキル
基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20の
シクロアルキル基、炭素数7〜20のシクロアルコキシ
基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のア
ラルキル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素
数7〜20のアラルキルオキシ基および水素原子からな
る群より選ばれ、R1 とR2 とは同一ではない。 【化2】 (ここで、R3 とR4 は同一または異なり、水素原子ま
たは炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R5 は、炭素
数3〜10のアルキレン基を表す。)] 塩化メチレンを溶媒とした20℃における極限粘度
[η]が0.3dl/g以上である芳香族ポリカーボネ
ート。 - 【請求項2】 下記式(II)で表わされる二価フェノー
ルを主たる成分とするフェノール類と、 【化3】 [但し、R1 およびR2 は、炭素数4〜20のアルキル
基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20の
シクロアルキル基、炭素数7〜20のシクロアルコキシ
基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のア
ラルキル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素
数7〜20のアラルキルオキシ基および水素原子からな
る群より選ばれ、R1 とR2 とは同一ではない。 【化4】 (ここでR3 とR4 は同一または異なり、水素原子また
は炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R5 は、炭素数
3〜10のアルキレン基を表す。)] 炭酸エステル形成性化合物とを反応させることを特徴と
する、主として下記式(I)で表わされる繰返し単位か
らなり、 【化5】 [但し、R1 およびR2 は、炭素数4〜20のアルキル
基、炭素数4〜20のアルコキシ基、炭素数7〜20の
シクロアルキル基、炭素数7〜20のシクロアルコキシ
基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のア
ラルキル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素
数6〜20のアラルキルオキシ基および水素原子からな
る群より選ばれ、R1 とR2 とは同一ではない。 【化6】 (ここで、R3 とR4 は同一または異なり、水素原子ま
たは炭素数1〜12の炭化水素基を表し、R5 は、炭素
数3〜10のアルキレン基を表す。)] 塩化メチレンを溶媒とした20℃における極限粘度
[η]が0.3dl/g以上である芳香族ポリカーボネ
ートの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16869695A JPH0912700A (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 芳香族ポリカーボネートおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16869695A JPH0912700A (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 芳香族ポリカーボネートおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0912700A true JPH0912700A (ja) | 1997-01-14 |
Family
ID=15872775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16869695A Pending JPH0912700A (ja) | 1995-07-04 | 1995-07-04 | 芳香族ポリカーボネートおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0912700A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005089711A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-07 | Ricoh Co Ltd | ポリカーボネート樹脂 |
-
1995
- 1995-07-04 JP JP16869695A patent/JPH0912700A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005089711A (ja) * | 2003-09-19 | 2005-04-07 | Ricoh Co Ltd | ポリカーボネート樹脂 |
JP4584558B2 (ja) * | 2003-09-19 | 2010-11-24 | 株式会社リコー | ポリカーボネート樹脂 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3830983B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネート組成物 | |
KR101687831B1 (ko) | 열가소성 수지의 제조 방법, 폴리에스테르 수지 및 폴리카보네이트 수지, 그리고 그들의 용도 | |
JPH06172508A (ja) | 芳香族ポリカーボネート共重合体 | |
CN109776783B (zh) | 一种耐候耐溶剂共聚聚碳酸酯制备方法 | |
JP3603921B2 (ja) | コポリカーボネート重合体およびその製造方法 | |
JP3499838B2 (ja) | 高屈折率低複屈折性ポリカーボネート樹脂から形成された位相差フィルム用フィルムおよびその利用 | |
JPH1160717A (ja) | 分岐状ポリカーボネート樹脂及びその製造方法 | |
TWI722380B (zh) | 共聚碳酸酯及其製備方法 | |
JPH0579097B2 (ja) | ||
JPH07292095A (ja) | 芳香族ポリカーボネート樹脂の改質法 | |
JPS6331495B2 (ja) | ||
JPH0912700A (ja) | 芳香族ポリカーボネートおよびその製造方法 | |
JP3039757B2 (ja) | 低いガラス転移温度のコポリエステルカーボネート | |
JPH0912701A (ja) | ポリカーボネート共重合体およびその製造方法 | |
JP2011157465A (ja) | 環状オリゴマーおよびそれを用いた熱可塑性樹脂の製造方法 | |
JP3867930B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネート組成物 | |
JP3404166B2 (ja) | 芳香族ポリカーボネート共重合体 | |
EP0362659A2 (en) | Spirobindindane copolysiloxanecarbonates and method for their preparation | |
KR101096470B1 (ko) | 폴리카보네이트 수지 | |
JP4126515B2 (ja) | コポリカーボネート樹脂 | |
JP5547617B2 (ja) | 光学フィルム | |
JP3141475B2 (ja) | 含フッ素ポリカーボネート | |
JP3206234B2 (ja) | 光学活性ポリエステルカーボネート樹脂 | |
JP3206196B2 (ja) | パラフェニレンジ酢酸エステルを有するポリカーボネート樹脂 | |
JPH0834846A (ja) | 芳香族ポリカーボネート共重合体 |