JP3907324B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真用感光体材料及び有機EL素子等の電子デバイスとして有用な新規芳香族ポリカーボネート樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香族ポリカーボネート樹脂として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下ビスフェノールAと略称する)にホスゲンやジフェニルカーボネートを反応させて得られるポリカーボネート樹脂がその代表的なものとして知られている。かかるビスフェノールAからのポリカーボネート樹脂は、透明性、耐熱性、寸法精度および機械的強度などの面で優れた性質を有していることから、多くの分野で用いられている。そのひとつの例として、電子写真法において使用される有機感光体用のバインダー樹脂としてさまざまな検討がなされている。有機感光体の代表的な構成例として、導電性基板上に電荷発生層、電荷輸送層を順次積層した積層感光体が挙げられる。電荷輸送層は低分子電荷輸送材料とバインダー樹脂より形成され、このバインダー樹脂として芳香族ポリカーボネート樹脂が多数提案されている。しかしながら、低分子電荷輸送材料の含有により、バインダー樹脂が本来有する機械的強度を低下させ、このことが感光体の摩耗性劣化、傷、クラック等の原因となり、感光体の耐久性を損なうものとなっている。
【0003】
一方、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、トリフェニルアミンを側鎖に有するアクリル系樹脂[M.Stolkaet al,J.Polym.Sci.,vol 21,969(1983)]およびベンジジン構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂(特開昭64−9964号公報)などの光導電性高分子材料が検討されているが、実用化には至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の実情に鑑みてなされたものであって、有機感光体用の電荷輸送性高分子材料として特に有用な新規芳香族ポリカーボネート樹脂を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構成単位を含有する新規芳香族ポリカーボネート樹脂により上記課題が解決されることを見出し、本発明に到った。
【0006】
即ち、本発明は以下の(1)〜(6)である。
【0007】
(1)下記一般式(1)及び下記一般式(20)、または下記一般式(1)及び下記一般式(21)で表される構成単位からなり、一般式(1)で表される構成単位の組成比をk、一般式(20)または(21)で表される構成単位の組成比をjとしたときに組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂。
【化7】
[一般式(1)中、R1は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar1は置換もしくは無置換のアリール基を表し、Ar2、Ar3は置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。]
【化8】
[一般式(20)および(21)中、a、b、cは各々独立して0〜4の整数を表す。R2、R3、R4は各々独立してハロゲン原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、またR2、R3、R4がそれぞれに複数個存在するときは同一でも異なっていても良い。]
(2)下記一般式(20)及び下記一般式(4)、または下記一般式(21)及び下記一般式(4)で表される構成単位からなり、一般式(20)または(21)で表される構成単位の組成比をj、一般式(4)で表される構成単位の組成比をkとしたときに組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂。
【化9】
[一般式(20)および(21)式中、a、b、cは各々独立して0〜4の整数を表す。R 2 、R 3 、R 4 は各々独立してハロゲン原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、またR 2 、R 3 、R 4 がそれぞれに複数個存在するときは同一でも異なっていても良い。]
【化10】
[一般式(4)中、Ar2、Ar3、Ar4は置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。R6、R7は同一又は異なるアシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。]
(3)下記一般式(20)及び下記一般式(6)、または下記一般式(21)及び下記一般式(6)で表される構成単位からなり、一般式(20)または(21)で表される構成単位の組成比をj、一般式(6)で表される構成単位の組成比をkとしたときに組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂。
【化11】
[一般式(20)および(21)式中、a、b、cは各々独立して0〜4の整数を表す。R2、R3、R4は各々独立してハロゲン原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、またR2、R3、R4がそれぞれに複数個存在するときは同一でも異なっていても良い。]
【化12】
[式中、e及びfは各々独立して0〜5の整数を表し、R8及びR9は各々独立してハロゲン原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表し、またR8及びR9がそれぞれに複数個存在するときは同一でも異なっていても良い。]
【0021】
上記のように本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、電荷輸送能を有する前記一般式(1)、前記一般式(4)、及び前記一般式(6)で示される構成単位と電荷輸送能以外の特性を付与するため、前記一般式(20)、(21)で示される構成単位とからなる共重合ポリカーボネート樹脂、または電荷輸送能を有する前記一般式(3)、前記一般式(5)及び前記一般式(7)で示される繰り返し単位からなる交互共重合ポリカーボネート樹脂である。これら芳香族ポリカーボネート樹脂は電荷輸送能を持ち、かつ高い機械的強度を有し、電子写真感光体の電荷輸送層に要求される電気的な性質、光学的な性質、機械的な性質を合わせ持ったものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造法について説明する。先ず、本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法について説明する。本発明のポリカーボネート樹脂は従来ポリカーボネート樹脂の製造法として公知の、ビスフェノールと炭酸誘導体との重合と同様の方法で製造できる。すなわち、下記一般式(8)(9)及び(10)で表される電荷輸送能を有するジオールを少なくとも1種以上と、下記一般式(11)で表されるジオールを少なくとも一種類以上を使用し、ビスアリールカーボネートとのエステル交換法やホスゲン等のハロゲン化カルボニル化合物との溶液又は界面重合法あるいはジオールから誘導されるビスクロロホーメート等のクロロホーメートを用いる方法等により製造される。ハロゲン化カルボニル化合物としてはホスゲンの代わりにホスゲンの2量体であるトリクロロメチルクロロホーメートやホスゲンの3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボネートも有用であり、塩素以外のハロゲンより誘導されるハロゲン化カルボニル化合物、例えば、臭化カルボニル、ヨウ化カルボニル、フッ化カルボニルも有用である。これら公知の製造法については例えばポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者:本間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている。又、適当な重合操作を選択することによって共重合体の中でもランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、ランダム交互共重合体、ランダムブロック共重合体等を得ることができる。例えば、一般式(8)、(9)及び(10)で表される電荷輸送能を有するジオールと一般式(11)で表されるジオールをはじめから均一に混合してホスゲンとの縮合反応を行えば一般式(1)、(4)あるいは(6)で表される構成単位と一般式(2)で表される構成単位とからなるランダム共重合体が得られる。又、幾種類かのジオールを反応の途中から加えることによりランダムブロック共重合体が得られる。又、一般式(11)で表されるジオールから誘導されるビスクロロホーメートと一般式(8)、(9)、(10)で表される電荷輸送能を有するジオールとの縮合反応を行えば一般式(3)、(5)、(7)で表される繰り返し単位からなる交互共重合体が得られる。この場合、逆に一般式(8)、(9)、(10)で表される電荷輸送能を有するジオールから誘導されるビスクロロホーメートと一般式(11)で表されるジオールとの縮合反応によっても同様に一般式(3)、(5)、(7)で表される繰り返し単位からなる交互共重合体が得られる。又、これらビスクロロホーメートとジオールとの縮合反応の際、ビスクロロホーメート及びジオールを複数使用することによりランダム交互共重合体が得られる。
【0023】
【化15】
【0024】
[各式中のR1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4及びa、b、c、e、fは前定義と同じ。]
ハロゲン化カルボニル化合物や、クロロホーメートを用いる方法において、界面重合で行う場合には、ジオールのアルカリ水溶液と水に対して実質的に不溶性であり、かつ、ポリカーボネートを溶解する有機溶媒との2相間で炭酸誘導体及び触媒の存在下に反応を行う。この際、高速撹拌や乳化物質の添加によって反応媒体を乳化させて行うことによって短時間で分子量分布の狭いポリカーボーネートを得ることができる。アルカリ水溶液に用いる塩基としてはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩等である。これらの塩基は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。好ましい塩基は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。使用される水は蒸留水、イオン交換水が好ましい。有機溶媒は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素、又は、それらの混合物である。又、それらにトルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素等を混合した有機溶媒でもよい。有機溶媒は、好ましくは、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素であり、より好ましくは、ジクロロメタン又はクロロベンゼンである。
【0025】
ポリカーボネート製造時に使用されるポリカーボネート生成触媒は、3級アミン、4級アンモニウム塩、3級ホスフィン、4級ホスホニウム塩、含窒素複素環化合物及びその塩、イミノエーテル及びその塩、アミド基を有する化合物等である。ポリカーボネート生成触媒の具体例は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−テトラメチレンジアミン、4−ピロリジノピリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−エチルピペリジン、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、フェニルトリエチルアンモニウムクロライド、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、テトラ(ヒドロキシメチル)ホスホニウムクロライド、ベンジルトリエチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、4−メチルピリジン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、3−メチルピリダジン、4,6−ジメチルピリミジン、1−シクロヘキシル−3,5−ジメチルピラゾール、2,3,5,6−テトラメチルピラジン等である。これらのポリカーボネート生成触媒は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。ポリカーボネート生成触媒は、好ましくは、3級アミンであり、より好ましくは、総炭素数3〜30の3級アミンであり、特に好ましくは、トリエチルアミンである。これら触媒は、ホスゲンやビスクロロホーメート体等の炭酸誘導体を反応系に加える前、及び/又は、加えた後に添加することができる。
【0026】
また、アルカリ水溶液中でのジオールの酸化を防ぐためにハイドロサルファイト等の酸化防止剤を加えてもよい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間であり、反応中のPHは通常10以上に保つことが好ましい。
【0027】
一方、溶液重合で行う場合は、ジオールを溶媒に溶解し、脱酸剤を添加し、これにビスクロロホーメート又は、ホスゲン又は、ホスゲンの多量体を添加することにより得られる。脱酸剤としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンのような第3級アミンおよびピリジンが使用される。また、反応に使用される溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素およびテトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系の溶媒及びピリジンが好ましい。反応温度は通常0〜40℃、反応時間は数分〜5時間である。
【0028】
又、エステル交換法によっても製造される。この場合、不活性ガス存在下にジオールとビスアリールカーボネートを混合し、通常減圧下120〜350℃で反応させる。減圧度は段階的に変化させ、最終的には1mmHg以下にして生成するフェノール類を系外に留去させる。反応時間は通常1〜4時間程度である。又、必要に応じて酸化防止剤を加えてもよい。ビスアリールカーボネートとしてはジフェニルカーボネート、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−p−トリルカーボネート、ジ−p−クロロフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
【0029】
以上すべての重合操作において分子量を調節するために分子量調節剤として末端停止剤を用いることが望ましく、従って、本発明で使用されるポリカーボネート樹脂の末端には停止剤に基づく置換基が結合してもよい。使用される末端停止剤は、1価の芳香族ヒドロキシ化合物、1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体、1価のカルボン酸または1価のカルボン酸のハライド誘導体等である。1価の芳香族ヒドロキシ化合物は、例えば、フェノール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−キシレノール、p−メトキシフェノール、p−ヘキシルオキシフェノール、p−デシルオキシフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェノール、p−フェニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2,4−ジ(1’−メチル−1’−フェニルエチル)フェノール、β−ナフトール、α−ナフトール、p−(2’,4’,4’−トリメチルクロマニル)フェノール、2−(4’−メトキシフェニル)−2−(4’’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体は、上記の1価の芳香族ヒドロキシ化合物のハロホーメート誘導体等である。
【0030】
1価のカルボン酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、2,2−ジメチルプロピオン酸、3−メチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、4−メチル吉草酸、3,3−ジメチル吉草酸、4−メチルカプロン酸、3,5−ジメチルカプロン酸、フェノキシ酢酸等の脂肪酸類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、安息香酸、p−メチル安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−ブトキシ安息香酸、p−オクチルオキシ安息香酸、p−フェニル安息香酸、p−ベンジル安息香酸、p−クロロ安息香酸等の安息香酸類またはそれらのアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。1価のカルボン酸のハライド誘導体は、上記の1価のカルボン酸のハライド誘導体等である。これらの末端封止剤は重合操作の過程において反応開始前および反応途中に加えることで分子量を任意に調整することができる。さらにこれらの末端封止剤は末端基の保護剤としても用いることができ、重合反応終了後に加えることで末端基を保護し様々な機能を付加することもできる。これらの末端封止剤は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。末端封止剤は、好ましくは、1価の芳香族ヒドロキシ化合物であり、より好ましくは、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノールまたはクロロギ酸フェニルである。本発明のポリカーボネート樹脂の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1,000〜500,000であり、より好ましくは10,000〜200,000である。
【0031】
又、機械的特性を改良するために重合時に分岐化剤を少量加えることもできる。使用される分岐化剤は、芳香族性ヒドロキシ基、ハロホーメート基、カルボン酸基、カルボン酸ハライド基または活性なハロゲン原子等から選ばれる反応基を3つ以上(同種でも異種でもよい)有する化合物である。分岐化剤の具体例は、フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)−2−ヘプテン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,α’−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、2,4−ビス[α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル]フェノール、2−(4’−ヒドロキシフェニル)−2−(2’’,4’’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)ホスフィン、1,1,4,4−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス[4’,4’−ビス(4’’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル]プロパン、α,α,α’,α’−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジエチルベンゼン、2,2,5,5−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1,2,3−テトラキス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(4’,4’’−ジヒドロキシトリフェニルメチル)ベンゼン、3,3’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルエーテル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ビス(クロロカルボニルオキシ)安息香酸、4−ヒドロキシイソフタル酸、4−クロロカルボニルオキシイソフタル酸、5−ヒドロキシフタル酸、5−クロロカルボニルオキシフタル酸、トリメシン酸トリクロライド、シアヌル酸クロライド等である。これらの分岐化剤は単独で使用してもよく、また、複数併用してもよい。
【0032】
以上のようにして得られたポリカーボネート樹脂は重合中に使用した触媒や酸化防止剤、又、未反応のジオールや末端停止剤、又、重合中に発生した無機塩等の不純物を除去して使用される。これら精製操作も先のポリカーボネート樹脂ハンドブック(編者:本間精一、発行:日刊工業新聞社)等に記載されている従来公知の方法を使用できる。又、上記の方法にしたがって製造された芳香族ポリカーボネート樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、可塑剤などの添加剤を加えることができる。
【0033】
次に本発明の主要な構成単位である一般式(1)についてさらに詳細に説明する。なお、本発明においては、「アリール」とは複素環基を含めた基を表す。前記一般式(1)中、R1は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。R1の置換もしくは無置換のアルキル基としては以下のものを挙げることができる。
【0034】
炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基であり、これらのアルキル基は更にフッ素原子、シアノ基、フェニル基又はハロゲン原子もしくは炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルキル基で置換されたフェニル基を含有してもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、イソ−ブチル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0035】
また、R1の置換もしくは無置換のアリール基としては、以下のものを挙げることができる。フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、フルオレニリデンフェニル基、5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニリデンフェニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ピリジニル基、ピロリジル基、オキサゾリル基等が挙げられ、これらは上記した置換もしくは無置換のアルキル基、上記した置換もしくは無置換のアルキル基を有するアルコキシ基、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、下記一般式で表されるアミノ基を置換基として有していてもよい。
【0036】
【化16】
【0037】
(式中、R10、R11はR1で定義される置換もしくは無置換のアルキル基、R1で定義される置換もしくは無置換のアリール基を表すと共にR10とR11が共同で環を形成したり、アリール基上の炭素原子と共同で環を形成してもよい。このような具体例としてピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)前記一般式(1)中、Ar1は置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar1の置換もしくは無置換のアリール基としては下記一般式で表される基及びピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ジオキサゾール、インドール、イソインドール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンズイソキサジン、カルバゾール、フェノキサジン等のアミン構造を有する複素環基から誘導される1価基が挙げられる。これらはR1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、及びフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を置換基として有していてもよい。
【0038】
【化17】
【0039】
(式中、R6、R7はアシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。Ar4はアリーレン基を表す。hは1〜3の整数を表す。)
上記一般式において、R6、R7のアシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。R6、R7の置換もしくは無置換のアルキル基はR1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基と同様のものが挙げられる。R6、R7の置換もしくは無置換のアリール基はR1で定義された置換もしくは無置換のアリール基に加えて下記一般式で表される基を挙げることができる。
【0040】
【化18】
【0041】
[式中、Bは−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−及び以下の2価基から選ばれる。
【0042】
【化19】
【0043】
(ここで、R12は、水素原子、R1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、R1で定義された置換もしくは無置換のアリール基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基を表し、R13は、水素原子、R1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、R1で定義された置換もしくは無置換のアリール基を表し、iは1〜12の整数、jは1〜3の整数を表す。)]
R12のアルコキシ基の具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ−プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソ−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。R12のハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。R12のアミノ基としてはR1の置換もしくは無置換のアリール基の置換基として定義されたアミノ基を表す。また、上記一般式において、Ar4のアリーレン基としてはR1で定義された置換もしくは無置換のアリール基から誘導される2価基を挙げることができる
前記一般式(1)中、Ar2、Ar3は置換もしくは無置換のアリーレン基を表す。Ar2、Ar3のアリーレン基としてはR1で定義された置換もしくは無置換のアリール基から誘導される2価基を挙げることができる。以上一般式(1)の構成単位について説明したが、同一の記号については他の一般式中でも同じ定義である。
【0044】
また前記一般式(6)中、e及びfは各々独立して0〜5の整数を表し、R8及びR9は各々独立してハロゲン原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。またR8及びR9がそれぞれに複数個存在するときは同一でも異なっていてもよい。これらの中で、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基はいずれもR1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基と同様である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。アルコキシ基の具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
【0045】
次に本発明のもう一つの主要な構成単位である一般式(2)についてさらに詳細に説明する。以下にもう一つの主要な構成単位である一般式(2)についてその原料となる前記一般式(11)の例を挙げて詳細に説明する。
【0046】
前記一般式(11)中のa、b、c、dは各々独立して0〜4の整数を表し、nは0又は1を表す。R2、R3、R4、R5は各々独立してハロゲン原子、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数1〜6の置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。またR2、R3、R4、R5がそれぞれに複数個存在するときは同一でも異なっていてもよい。これらの中で、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基はいずれもR1で定義された置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基と同様である。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。またアルコキシ基の具体例は前記と同様のものが挙げられる。
【0047】
以下に一般式(11)で表される構成単位の代表的な具体例を示す。
【0048】
【化20】
【0049】
以上一般式(2)の構成単位についてその原料となる一般式(11)の例を挙げて説明したが同一の記号については他の一般式中でも同じ定義である。
【0050】
一般式(1)、(4)、(6)の構成単位と一般式(2)の構成単位との共重合ポリカーボネート樹脂において一般式(1)、(4)、(6)の構成単位の含有する割合は任意の範囲で選択することができるが、一般式(1)、(4)、(6)の構成単位の含有率はポリカーボネート樹脂の電荷輸送性に対応しているので、好ましくは全構成単位中5モル%以上、より好ましくは20モル%以上含有することが望ましい。
【0051】
また本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造には、上記一般式(8)、(9)、(10)に示される電荷輸送能を有するジオールが用いられるが、電気的、機械的特性を改良するために電荷輸送能を有するジオールであればそれ以外にも従来公知のジオールをそのまま利用することができる。
【0052】
例えばアセトフェノン誘導体(特開平7−258399号、同8−269183号、同9−151248号公報に記載)、ジスチリルベンゼン誘導体(特開平9−71642号公報に記載)、ジフェネチルベンゼン誘導体(特開平9−104746号公報に記載)、α−フェニルスチルベン誘導体(特開平9−241369号、同9−272735号、特願平9−118893号公報に記載)、ブタジエン誘導体(特開平9−235367号公報に記載)、水素化ブタジエン誘導体(特開平9−87376号公報に記載)、ジフェニルシクロヘキサン誘導体(特開平9−110976号公報に記載)、ジスチリルトリフェニルアミン誘導体(特開平9−268226号公報に記載)、ジスチリルジアミン誘導体(特願平9−153846号)、ジフェニルジスチリルベンゼン誘導体(特開平9−221544号、同9−227669号公報に記載)、スチルベン誘導体(特開平9−157378号、特願平9−162642号公報に記載)、m−フェニレンジアミン誘導体(特開平9−302084号、同9−302085号公報に記載)、レゾルシン誘導体(特開平9−328539号公報に記載)、トリアリールアミン誘導体(特開昭64−9964号、特開平7−199503号、特開平8−176293号、特開平8−208820号、特開平8−253568号、特開平8−269446号、特開平3−221522号、特開平4−11627号、特開平4−183719号、特開平4−124163号、特開平4−320420号、特開平4−316543号、特開平5−310904号、特開平7−56374号、特開平8−62864号各公報、米国特許5,428,090号、同5,486,439号各明細書)など。
【0053】
このようにして得られる本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂は、有機EL素子等の電子デバイスとしてエレクトロニクス分野でも好適に使用することができる。また電子写真感光体、特に機能分離型電子写真感光体において電荷発生物質とともに用いる電荷輸送材料として極めて有用である。
【0054】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。なお、下記実施例において部はすべて重量部である。
【0055】
実施例1
電荷輸送能を有するジオールとしてのN−{4−[2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ビニル]フェニル}−N,N−ビス(4−トリル)アミン3.23部と共重合ジオールとしての1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン2.39部と分子量調節剤としての4−tert−ブチルフェノール0.02部を撹拌反応容器に入れ、窒素気流下で水酸化ナトリウム2.96部とナトリウムハイドロサルファイト0.06部を水40部に溶解させた液を加えて、加熱撹拌して溶解させた。その後、20℃まで冷却し、ホスゲンの3量体であるビス(トリクロロメチル)カーボネート1.76部をジクロロメタン33部に溶解させた液を強く撹拌しながら加えて、エマルジョンを形成させながら反応させた。その後室温で15分撹拌した後、触媒としてトリエチルアミン0.007部を加えて、室温で60分撹拌反応させた。その後、末端封止剤としてクロロギ酸フェニル0.12部をジクロロメタン5部に溶かした液を加えて、さらに室温で60分撹拌反応させた。その後、ジクロロメタン200部を加えて有機層を分液した。この有機層を3%の水酸化ナトリウム水溶液、2%の塩酸水溶液の順で洗浄し、最後に水で洗浄した。この有機層を多量のメタノール中に滴下して黄色のポリカーボネート樹脂を析出させ、表1に示すランダム共重合ポリカーボネート樹脂(樹脂No.1)を得た。構造式中の構成単位の添字は全構成単位の個数を1としたときの各構成単位の組成比を表している。このポリカーボネート樹脂の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量で67200、重量平均分子量で263000であった。又、このポリカーボネート樹脂の赤外吸収スペクトルを図1に示したが、1780cm~1にカーボネート基に帰属されるC=O伸縮振動の吸収が認められた。又、示差走査熱量測定から求めたガラス転移温度は147.8℃であった。
【0056】
実施例2
共重合ジオールとして1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼンを用い、他は実施例1と同様に操作して表1に示すランダム共重合ポリカーボネート樹脂(樹脂No.2)を得た。このポリカーボネート樹脂の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量で55100、重量平均分子量で172000であった。又、このポリカーボネート樹脂の赤外吸収スペクトルを図2に示したが、1780cm~1にカーボネート基に帰属されるC=O伸縮振動の吸収が認められた。又、示差走査熱量測定から求めたガラス転移温度は139.0℃であった。
【0057】
参考例
共重合ジオールとして1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼンを用い、他は実施例1と同様に操作して表1に示すランダム共重合ポリカーボネート樹脂(樹脂No.3)を得た。このポリカーボネート樹脂の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したところポリスチレン換算の分子量は、数平均分子量で43700、重量平均分子量で117000であった。又、このポリカーボネート樹脂の赤外吸収スペクトルを図3に示したが、1780cm~1にカーボネート基に帰属されるC=O伸縮振動の吸収が認められた。又、示差走査熱量測定から求めたガラス転移温度は157.9℃であった。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
応用例1
アルミ板上にメタノール/ブタノール混合溶媒に溶解したポリアミド樹脂(CM−8000:東レ社製)溶液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.3μmの中間層を設けた。この上に電荷発生物質として下記式で表されるビスアゾ化合物をシクロヘキサノンと2−ブタノンの混合溶媒中でボールミルにより粉砕し、得られた分散液をドクターブレードで塗布し、自然乾燥して0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0061】
【化21】
【0062】
次に、電荷輸送物質として実施例1で得られた樹脂No.1のポリカーボネート樹脂をジクロロメタンに溶解し、この溶液を前記電荷発生層上にドクターブレードで塗布し、自然乾燥し、次いで120℃で20分間乾燥して厚さ20μmの電荷輸送層を形成して感光体No.1を作製した。
【0063】
かくしてつくられた感光体No.1について市販の静電複写紙試験装置[(株)川口電機製作所製SP428型]を用いて暗所で−6kVのコロナ放電を20秒間行って帯電せしめた後、感光体の表面電位Vm(V)を測定し、更に20秒間暗所に放置した後、表面電位V0(V)を測定した。次いで、タングステンランプ光を感光体表面での照度が4.5luxになるように照射して、V0が1/2になるまでの時間(秒)を求め、露光量E1/2(lux・sec)を算出した。その結果を以下に示す。
【0064】
Vm=−1322 V
V0=−1183 V
E1/2=1.34 lux・sec
また、感光体表面を工業規格JIS K 7204(1995)に従ってテーパー摩耗試験機(東洋精機社製)にてCS−5摩耗輪を使用し、荷重1kgで3000回転の摩耗試験を行った。また、比較例として下記に示すポリカーボネート樹脂(重量平均分子量;207900)を合成し、実施例1と同様にして感光体を作成し、テーパー摩耗試験を行った。その結果を表2に示すが、従来の電荷輸送性高分子材料を用いた感光体に比べ高耐久性を示した。
【0065】
比較例で使用したポリカーボネート樹脂
(数平均分子量83600、重量平均分子量207900)
【0066】
【化22】
【0067】
【表3】
【0068】
また、以上の感光体を市販の電子写真複写機を用いて帯電せしめた後、原図を介して光照射を行って静電潜像を形成せしめ、乾式現像剤を用いて現像し、得られた画像(トナー画像)を普通紙上に静電転写し、定着したところ、鮮明な転写画像が得られた。現像剤として湿式現像剤を用いた場合も同様に鮮明な転写画像が得られた。
【0069】
【発明の効果】
本発明に係る新規芳香族ポリカーボネート樹脂は、一般式(1)、(2)に代表される構成単位を使用することで機械的摩耗の少ない高分子材料が提供される。また前記したように光導電性素材として有効に機能し、又、染料やルイス酸等の増感剤によって光学的あるいは化学的に増感される。又、電子写真用感光体の感光層の電荷輸送物質等として好適に使用され、電荷発生層と電荷輸送層を2層に区分した、いわゆる機能分離型感光層における電荷輸送物質として、高い電荷輸送性能を持ち、かつ、高い機械的強度を持ちうるため特に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(No.1)の赤外吸収スペクトル図(NaCl板上のキャスト膜)。
【図2】実施例2で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(No.2)の赤外吸収スペクトル図(NaCl板上のキャスト膜)。
【図3】実施例3で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂(No.3)の赤外吸収スペクトル図(NaCl板上のキャスト膜)。
Claims (3)
- 下記一般式(1)及び下記一般式(20)、または下記一般式(1)及び下記一般式(21)で表される構成単位からなり、一般式(1)で表される構成単位の組成比をk、一般式(20)または(21)で表される構成単位の組成比をjとしたときに組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂。
- 下記一般式(20)及び下記一般式(4)、または下記一般式(21)及び下記一般式(4)で表される構成単位からなり、一般式(20)または(21)で表される構成単位の組成比をj、一般式(4)で表される構成単位の組成比をkとしたときに組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂。
- 下記一般式(20)及び下記一般式(6)、または下記一般式(21)及び下記一般式(6)で表される構成単位からなり、一般式(20)または(21)で表される構成単位の組成比をj、一般式(6)で表される構成単位の組成比をkとしたときに組成比の割合が0<k/(k+j)<1であるポリカーボネート樹脂。
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