JP4582379B2 - 自動車用空調装置のブロワユニット - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、少なくとも車室内空気を導入する内気導入口を有するブロワユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ブロワユニットは、外気の導入と、車室内の空気の選択的導入のために、内外気切換装置を該ブロワの上流側に設けている。そして、内外気切換装置には、外気の導入のために外気導入口が、車室内の空気の導入のために内気導入口がケースに形成されており、該外気導入口と該内気導入口とが180度対向する位置に設けられているのが通例である。
【0003】
即ち、一方の内気導入口がエンジンルームと車室内とを区画する鉄板製の仕切り壁側に向き、他方の内気導入口が車室内側へ向いている。したがって、車室内側の内気導入口から、吸込駆動(ブロワ騒音)が車室内に洩れ、耳障りな不快感を与えていた。
【0004】
そこで、その対策として、特開2000−177360号公報に示すように、ブロワケース6に設けられたサブの内気吸込口5の乗員足元側(下側)に断面略コ字形のガイド7を設けている。このガイド7は車体に組付られると、隣設の温コンユニットに当接して、サブ内気吸込口5の開口方向を上に向け、乗員足元側を塞ぐもので、サブ内気吸込口5から洩れるブロワ騒音が乗員に届き難くなる利点を有しているものである。
【0005】
また、同じく対策として、特開平11−115448号公報に示すように開示され、内外気ユニット1の第2の内気導入口21を包むように遮音ケース部30が内外気ユニット1の下方部位に取付られて実質的な内気導入口を仕切り壁側に向かせることで、吸込騒音(ブロワ騒音)を乗員に聞こえにくくしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、前述の2つの公知例では、ブロワユニットケースに新たなる構造の追加、前例ではガイド7、後例では遮音ケース部30を加えた構造の設計変更をしなければならず、ただちに採用出来ず、コスト増となるものである。
【0007】
そこで、この発明は、ブロワユニットケースに新たなる構造の追加変更をしなくとも内気導入口から洩れる吸込騒音(ブロワ騒音)を乗員に聞こえにくくするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る自動車用空調装置のブロワユニットは、少なくとも、車室内空気を導入する内気導入口を有し、この内気導入口より空気を吸引するブロワを備えた自動車用空調装置のブロワユニットにおいて、前記ブロワまでの空気通路を形成する内外気切換ケースにフィルタの挿入口が形成され、このフィルタの挿入口に取付けられるフィルタカバーに遮蔽板を連設することで前記遮蔽板は前記フィルタカバーに一体になっており、前記フィルタの挿入口に前記フィルタカバーを装着することにより、前記遮蔽板が、当該内気導入口との間に間隔を有して、前記内気導入口の外部前面に配されることを特徴としたことことにある(請求項1)。
【0009】
これによれば、遮蔽板はフィルタカバーに一体となっており、フィルタカバーがフィルタの挿入口に装着することで、該遮蔽板が内気導入口の前面に配されるようになり、ブロワ騒音を反車内側(エンジンルーム側)へ反射させ、乗員に騒音が聞こえにくくすることができる。
【0010】
また、前記遮蔽板の前記フィルタカバーとは反対側となる上端は、前記内気導入口の前記フィルタとは反対側となる上側の開口端と一致しており、前記遮蔽板が前記内気導入口の外部前面に配されたときに、前記内気導入口を前記遮蔽板側から見ると前記遮蔽板により前記内気導入口の外側が遮蔽されたようになる(請求項2)。さらに、前記遮蔽板は平板状であっても良い(請求項3)、さらにまた、前記遮蔽板の両側端に側面板を取付けた形状にしても良い(請求項4)。即ち、対象のブロワユニットの形状に対応して変形するようにしてもよい。そして、前記遮蔽板の前記内気導入口側に吸音材が設けられ(請求項5)、騒音を吸収し、遮音効果を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面にもとずいて説明する。
【0012】
図1乃至図3において、ブロワユニット1は、上方に設けられる内外気切換部2と、その下方に設けられるブロワ部3より構成される。前記内外気切換部2は、車外空気を導入する外気導入口4と、車室内空気を導入する一対の内気導入口5a,5bと、これらの外気導入口4と内気導入口5a,5bとを選択的に開閉する切換ドア6,6を有している。
【0013】
前記外気導入口4と内気導入口5a,5bは、内外気切換ケース8に形成され、該メイン側の内気導入口5a側が車室内へ向けられ、サブ側の内気導入口5bはエンジンルームと車室内9を仕切り壁10側へ向けられている。
【0014】
また、内外気切換部2には、ブロワまでの空気流路にフィルタ12が配置され、該フィルタ12は内外気切換ケース8に形成のフィルタの挿入口13から取り付られ、又は取り外されるものである。
【0015】
フィルタの挿入口13は、前記フィルタ12が挿入できる寸法を有しており、そのフィルタの挿入口13には、フィルタカバー14が取付られ、該フィルタ挿入口13が閉じられている。フィルタカバー14とフィルタ挿入口13との取付関係は、図2,図3に示すように、下部に一対の係止爪15と中程に一対の係止片16を有していて、これら係止爪15と係止片16にてフィルタの挿入口13に係合に取付られる。
【0016】
また、このフィルタカバー14は、上方に遮蔽板17を連設している。この例では縦寸法が約2倍となっており、該フィルタカバー14がフィルタの挿入口13に装着時に、該遮蔽板17は、前記内気導入口5aの外側で前面に適宜な間隙を有して配されることになる。したがって、内気導入口5aから洩れるブロワ騒音を反車室側へ反射させ、または遮蔽板17に添着された吸音材18にて騒音を減衰させ乗員に騒音を聞こえなくする効果を有している。
【0017】
ブロワ部3は、ブロワケース20とその内部に配されるブロワ21とモータ22とより成り、前記した外気導入口4又は内気導入口5a,5bより選択された外気又は車室内空気を導入し、図示しないが熱交換ユニットに送り出している。
【0018】
図4,図5には、フィルタカバー14の他の実施の形態が示され、図4では遮蔽板17が内気導入口5aの外形形状に対応して、該口5a側へ折り曲げられている例であり、また図5は、遮蔽板17の両側端に側面板23,23を有しているもので、これら両実施の形態例は、効率良く遮蔽するためのものである。その他の部位は、前述した遮蔽板17を連接したフィルタカバー14と同一のための、同一の番号を付して説明を省略した。
【0019】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、フィルタカバーをフィルタ挿入口に取付けることで、該フィルタカバーに連設の遮蔽板が内気導入口の外部前面に配されるようになり、ブロワユニットケースに新たなる構造の追加変更をしなくとも、該内気導入口から洩れるブロワ騒音を反車内側へ反射させ、乗員に騒音を聞こえなくすることが出来ると共に、吸音材にても騒音を吸収させて遮音効果を高めることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のブロワユニットが車両に取付られている状態の一部切欠する説明図である。
【図2】同上において、フィルタ挿入口にフィルタカバーが取付られた状態を示した一部拡大の断面図である。
【図3】同上において、フィルタカバーの正面図である。
【図4】フィルタカバーの他の実施の形態を示す斜視図である。
【図5】さらに、フィルタカバーの他の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ブロワユニット
2 内外気切換部
3 ブロワ部
4 外気導入口
5a,5b 内気導入口
6 切換ドア
8 内外気切換ケース
9 車室内
10 仕切壁
12 フィルタ
13 フィルタの挿入口
14 フィルタカバー
15 係止爪
16 係止片
17 遮蔽板
18 吸音材
Claims (5)
- 少なくとも、車室内空気を導入する内気導入口を有し、この内気導入口より空気を吸引するブロワを備えた自動車用空調装置のブロワユニットにおいて、
前記ブロワまでの空気通路を形成する内外気切換ケースにフィルタの挿入口が形成され、このフィルタの挿入口に取付けられるフィルタカバーに遮蔽板を連設することで前記遮蔽板は前記フィルタカバーに一体になっており、
前記フィルタの挿入口に前記フィルタカバーを装着することにより、前記遮蔽板が、当該内気導入口との間に間隔を有して、前記内気導入口の外部前面に配されることを特徴とする自動車用空調装置のブロワユニット。 - 前記遮蔽板の前記フィルタカバーとは反対側となる上端は、前記内気導入口の前記フィルタとは反対側となる上側の開口端と一致しており、
前記遮蔽板が前記内気導入口の外部前面に配されたときに、前記内気導入口を前記遮蔽板側から見ると前記遮蔽板により前記内気導入口の外側が遮蔽されたようになることを特徴とする請求項1記載の自動車用空調装置のブロワユニット。 - 前記遮蔽板は平板状であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動車用空調装置のブロワユニット。
- 前記遮蔽板はその両側端に側面板を取付けたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の自動車用空調装置のブロワユニット。
- 前記遮蔽板の前記内気導入口側に吸音材が設けられていることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の自動車用空調装置のブロワユニット。
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