JP4580461B1 - 気泡シート及びコンクリートの養生方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中空状に膨出する多数の突起20が所定の配列で形成された長尺状のキャップフィルム2と、キャップフィルム2の長手方向に沿って突起20の開口部側に積層される長尺状のバックフィルム3とを有する気泡シート1であって、バックフィルム3の幅方向の長さW3が突起20の配列幅よりも短くなるようにすることによって、バックフィルム3によって突起20の開口部が封止されたバックフィルム積層領域Rと、突起20の開口部が封止されていないバックフィルム非積層領域R0とが幅方向に隣接して形成されるようにする。
【選択図】 図1
Description
本出願人のうち一人は、このような養生シートとして、現場での作業性がよく、保温性にも優れた安価なコンクリート用養生シートを先に提案した(特許文献1)。
しかしながら、従来の養生シートでは、養生シートを敷設した後のコンクリート打設面に水を追加供給することができず、はじめに散水した水が乾いてしまうまでの間しかコンクリートを濡れた状態にしておくことができなかった。
まず、本実施形態に係る気泡シートについて説明する。
図1は、本実施形態に係る気泡シートの概略を示す平面図である。また、図2(a)は、図1中一点鎖線で囲む部分を示す要部拡大図であり、図2(b)は、図2(a)のA−A端面図である。
なお、吸引孔41のそれぞれは、図示しない真空ポンプにつながれており、吸引孔41内を真空吸引することによって真空成形がなされるようになっている。また、吸引孔41の配列は、キャップフィルム2に形成しようとする突起20の配列に応じて適宜決定される。
このとき、本実施形態にあっては、キャップフィルム2に積層されるバックフィルム3の幅方向の長さW3が、キャップフィルム2に形成される突起20の配列幅よりも短くなるようにしてある。これにより、気泡シート1には、前述したようなバックフィルム積層領域Rとバックフィルム非積層領域R0とが幅方向に隣接して形成される。
ここで、図3に示す例では、キャップ用フィルム2aは、図示しない押し出し機に取り付けられたフラットダイ21から、材料樹脂を押し出すことによって連続供給されるようになっている。同様に、バックフィルム3は、図示しない押し出し機に取り付けられたフラットダイ31から、材料樹脂を押し出すことによって連続して供給されるようになっている。各フラットダイ21,31から押し出されてくるキャップ用フィルム2a及びバックフィルム3の厚みは、それぞれの材料樹脂の吐出量やラインスピードなどを適宜調整することで所定の厚みとすることができるが、通常は、5〜120μm程度とすることができる。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレンホモポリマー、又はプロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが例示できる。プロピレンと共重合される他のオレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、イソブチレン、ペンテン−1などのα−オレフィンが挙げられ、これらの他のオレフィンとの共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
また、ポリエチレン系樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが例示できる。
次に、本実施形態に係るコンクリート養生方法について説明する。
図4は、本実施形態に係るコンクリート養生方法の説明図であり、図5(a)は、図4のB−B端面図、図5(b)は、図5(a)中一点鎖線で囲む部分を示す要部拡大図である。また、図6は、図4のC−C端面図に相当する説明図である。
なお、フィルム材4を配設するにあたり、フィルム材4は、粘着テープ又は接着剤などの適宜手段によって気泡シート1に取り付けるようにすればよい。
なお、本実施形態では、フィルム材4を配設して、気泡シート1の長手方向端部とコンクリート打設面10との間の隙間を塞いでいるが、当該隙間からの空気の侵入を防ぐことができれば、フィルム材4によらなくてもよい。例えば、粘着テープなどを直に貼り付けて、当該隙間を塞ぐようにしてもよい。
ここで、コンクリート打設面10に対するバックフィルム非積層領域R0の密着性を高めるにあたり、バックフィルム非積層領域R0に含まれる領域R1の幅W5は100〜500mmとするのが好ましい。
したがって、トンネルなどの作業現場において、気泡シート1をコンクリート打設面10に敷設する際に、強風であおられて、気泡シート1の幅方向端縁側に位置するバックフィルム非積層領域R0がめくれるなどしても、作業者が手を添えるだけで容易に元にもどすことでき、作業性に優れたものとなる。
このような観点から、キャップフィルム2の肉厚は、突起20の形成が可能な範囲でできるだけ薄肉にするのが好ましく、具体的には、5〜100μm程度とするのが好ましい。また、キャップフィルム2の材料は、前述した材料樹脂の中から柔軟性に優れたものを用いるのが好ましく、バックフィルム3とは異なる材料樹脂を用いて成形してもよい。
このようにすることで、コンクリート打設面10が常に濡れた状態とすることができ、打設されたコンクリートの水和反応を十分なものとして、コンクリートの耐久性を向上させることが可能になる。
2 キャップフィルム
20 突起
3 バックフィルム
R バックフィルム積層領域
R0 バックフィルム非積層領域
R2 平坦な領域
S 空隙
Claims (8)
- 中空状に膨出する多数の突起が所定の配列で形成された長尺状のキャップフィルムと、
前記キャップフィルムの長手方向に沿って前記突起の開口部側に積層される長尺状のバックフィルムとを有し、
前記バックフィルムの幅方向の長さが前記突起の配列幅よりも短くなるようにすることによって、
前記バックフィルムによって前記突起の開口部が封止されたバックフィルム積層領域と、前記突起の開口部が封止されていないバックフィルム非積層領域とが幅方向に隣接して形成されたことを特徴とする気泡シート。 - 前記バックフィルム非積層領域が、前記バックフィルム積層領域の幅方向両端縁側に設けられている請求項1に記載の気泡シート。
- 前記バックフィルム非積層領域の端縁に沿って、前記突起が形成されていない平坦な領域が所定の幅で形成されている請求項1又は2のいずれか一項に記載の気泡シート。
- 前記バックフィルム非積層領域に配列される前記突起の高さが、前記バックフィルム非積層領域の幅方向端部側に向かって低くなるようにした請求項1〜3のいずれか一項に記載の気泡シート。
- 前記バックフィルム非積層領域に配列される前記突起の平面形状が、前記バックフィルム非積層領域の幅方向とほぼ平行な長軸を有する楕円状となるようにした請求項1〜4のいずれか一項に記載の気泡シート。
- 前記バックフィルム非積層領域における前記突起の配列を櫛歯状とした
請求項1〜5のいずれか一項に記載の気泡シート。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の気泡シートを、前記突起の頂面側がコンクリート打設面と対向するように敷設し、
前記コンクリート打設面に当接する前記突起の周囲に形成される空隙を負圧にして、前記気泡シートを前記コンクリート打設面に密着させることを特徴とするコンクリート養生方法。 - 前記空隙内を気密にし、前記空隙を通水路として水を循環させる請求項7に記載のコンクリート養生方法。
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