JP2018184577A - 保護フィルム付膜片、保護フィルム付膜片の保護フィルム除去方法および電気装置の製造方法 - Google Patents

保護フィルム付膜片、保護フィルム付膜片の保護フィルム除去方法および電気装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】膜片を筐体等に装着する時に、膜片等の破断を生じさせることなく、かつ作業性よく膜片から保護フィルムを剥離することができ、かつ装着後に、膜片が本来有する優れた耐水性等の特性を、長期にわたり発揮させることのできる保護フィルム付膜片を提供。
【解決手段】膜片2と、外縁の少なくとも一部が膜片2の外縁よりも外方にある保護フィルム3と、膜片2と保護フィルム3の間に位置する上側接着層4とを有する保護フィルム付膜片1であって、保護フィルム3には切れ目5が形成されており、切れ目の一方端5Aは膜片2の外縁よりも内方にあり、他方端5Bは膜片2の外縁4Xよりも外方であって、かつ保護フィルム3の外縁よりも内方にある、保護フィルム付膜片1。
【選択図】図1−1

Description

本発明は、保護フィルム付膜片、保護フィルム付膜片の保護フィルム除去方法および電気装置の製造方法に関する。
スピーカー、マイクロフォン、レシーバー等の電気音響変換装置を装備する携帯電話、小型ラジオ、トランシーバー、携帯音楽再生機、ノートパソコン、ヘッドホン、イヤホン、屋外マイク、デジタルカメラ等の電子機器の筐体には、音を筐体内部から外部へ、外部から内部へ通過させるための通音孔が設けられる。この通音孔には電子機器内部への水の侵入防止を一つの目的とした膜片として通気膜(防水フィルター)が取り付けられる。また、例えば光学センサーには、防塵・内外圧差の解消を主な目的とした膜片として通気膜等が取り付けられる。
上記電子機器の製造に供される前記膜片には、汚染防止や搬送・作業容易性の観点から保護フィルムが設けられている。また保護フィルムには、該保護フィルムを剥がし取り易いようにタブが設けられている。例えば、保護フィルムの端部を延出させた部分をタブとする方法(特許文献1)や、保護フィルムとは別の材料をタブとして取り付ける方法(特許文献2)がある。また前記タブを設けずに、保護フィルムの、外周部から該保護フィルム下の接着層の開口部相当位置に至る切れ目を形成し、該切れ目を挟んで2つに分断された保護フィルムの外周部の片側部を摘んで、該保護フィルムを剥がし取る方法(特許文献3)も提案されている。
特開2004−10854号公報 特開2005−15631号公報 特開2011−115687号公報
保護フィルムの一部を摘んで剥がし取る技術では、一つの課題として、保護フィルムを摘み上げる際に、膜片自体が該膜片の垂直方向に断裂する場合があることが挙げられる。例えば上記膜片として多孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルム(以下、「多孔質PTFE膜」と記載する)を用いた場合、多孔質PTFE膜は膜水平方向に延伸されたものであるため膜の垂直方向に対する引張強度が小さく、保護フィルムを剥がす際に膜片自体が垂直方向に断裂してしまう可能性がある。
また、前記保護フィルムに切れ目を形成する場合、切れ目の形状が保護フィルム下の接着層等に溝として転写されやすい。該切れ目の形状によっては、上記接着層等に形成された溝が原因で、膜片の有する特性、例えば膜片として通気膜を用いた場合に求められる高い耐水性を確保することが困難な場合がある。具体的には、例えば前記接着層が開口領域を有する枠状接着層である場合、切れ目が接着層に転写されて出来る溝が接着層の外縁から接着層の内縁、即ち前記開口領域の外縁まで貫通していると、この溝が原因で十分な耐水性を確保し難い場合がある。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、膜片を筐体等の被着体に装着時に、膜片等の破断を生じさせることなく、効率よく保護フィルム付膜片から保護フィルムを剥がすことができ、かつ装着後に、膜片が本来有する優れた特性、例えば通気膜を採用した場合に該通気膜が本来有する優れた耐水性等の特性を、長期にわたり発揮させることのできる、保護フィルム付膜片を確立することにある。
上記課題を解決できた本発明の保護フィルム付膜片は、膜片と、外縁の少なくとも一部が前記膜片の外縁よりも外方にある保護フィルムと、前記膜片と前記保護フィルムの間に位置する上側接着層とを有する保護フィルム付膜片であって、前記保護フィルムには切れ目が形成されており、該切れ目の一方端は前記膜片の外縁よりも内方にあり、他方端は前記膜片の外縁よりも外方であってかつ前記保護フィルムの外縁よりも内方にあるところに特徴を有する。この保護フィルム付膜片の形態を、以下「第1実施形態」ということがある。
上記課題を解決できた本発明の別の保護フィルム付膜片は、膜片と、外縁の少なくとも一部が前記膜片の外縁よりも外方にある保護フィルムと、前記膜片と前記保護フィルムの間に位置する上側接着層とを有する保護フィルム付膜片であって、前記保護フィルムには切れ目が形成されており、該切れ目は、前記膜片の外縁と交差する2つの切れ目部を有し、前記膜片の外縁と一方の切れ目部とが交差する第1交差点と、前記膜片の重心とを結ぶ第1直線と、前記膜片の外縁と他方の切れ目部とが交差する第2交差点と、前記膜片の重心とを結ぶ第2直線とがなす角度が180°未満であるところに特徴を有する。この保護フィルム付膜片の形態を、以下「第2実施形態」ということがある。
本発明の好ましい実施形態において、前記第1交差点と前記第2交差点の少なくともいずれかと、保護フィルムの外縁との最短距離が1mm以上である。
本発明の好ましい実施形態において、前記保護フィルムの外縁よりも内方かつ前記膜片の外縁よりも外方の領域の、最大内接円または最大内接楕円の中心と、前記膜片の重心とを結ぶ線分と、前記第1交差点と第2交差点を通る直線とは交差している。
本発明の好ましい実施形態において、前記保護フィルムは長手方向を有し、かつ該長手方向に垂直な面を境界にして区分される第1領域と、該第1領域よりも面積が狭い第2領域とを有しており、前記第1領域内であって前記膜片の外縁に沿う第1区間と前記第2領域内であって前記膜片の外縁に沿う第2区間の長さが等しく、
前記保護フィルムには切れ目が形成されており、該切れ目は、少なくとも2箇所の切れ目部において前記第1区間と交差している。
本発明の好ましい実施形態において、前記切れ目は、前記膜片の外縁よりも内方の領域でつながっている。
本発明の好ましい実施形態において、前記切れ目は、前記保護フィルムの全厚に亘る。
本発明の好ましい実施形態において、前記保護フィルム付膜片は、前記膜片の、前記上側接着層とは反対側に、下側接着層と基体フィルムとを更に有する。
本発明の好ましい実施形態において、前記上側接着層は開口領域を有する。
本発明の好ましい実施形態において、前記切れ目は、前記上側接着層の開口領域の外縁よりも外方に位置する。
本発明の好ましい実施形態において、前記保護フィルムに前記上側接着層が形成され、かつ前記切れ目が該上側接着層にまで及んでいる。
本発明の好ましい実施形態において、前記膜片は通気膜である。
本発明の好ましい実施形態において、前記膜片は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜である。
本発明の好ましい実施形態において、前記膜片は、表面に撥液剤が添加されたものである。
本発明の好ましい実施形態において、前記保護フィルムは、有彩色で着色されたものである。
上記課題を解決できた本発明の保護フィルム付膜片の保護フィルム除去方法は、前記保護フィルム付膜片の、前記保護フィルムにおける前記膜片の外縁よりも外方の領域を掴み、該保護フィルムを剥がし取る工程を含むところに特徴がある。
上記課題を解決できた本発明の電気装置の製造方法は、前記保護フィルム付膜片の、前記保護フィルムにおける前記膜片の外縁よりも外方の領域を掴み、該保護フィルムを剥がし取る工程を含むところに特徴がある。
本発明によれば、膜片を筐体等の被着体に装着時に、膜片等の破断を生じさせることなく、効率よく保護フィルム付膜片から保護フィルムを剥離することができる。また筐体等の被着体に装着後、膜片が本来有する優れた特性を長期にわたり発揮させることができる。
図1−1は、本発明の第1実施形態の保護フィルム付膜片の一例を示す図である。 図1−2は、本発明の第1実施形態の保護フィルム付膜片の別の一例を示す図である。 図1−3は、本発明の第1実施形態の保護フィルム付膜片の別の一例を示す図である。 図2−1は、本発明の第2実施形態の保護フィルム付膜片の一例を示す図である。 図2−2は、本発明の第2実施形態の保護フィルム付膜片の別の一例を示す図である。 図2−3は、本発明の第2実施形態の保護フィルム付膜片の別の一例を示す図である。 図3−1は、本発明の第2実施形態における切れ目の形態を例示する図である。 図3−2は、本発明の第2実施形態における切れ目の別の形態を例示する図である。 図4は、本発明の第2実施形態における第1交差点と第2交差点の少なくともいずれかと、保護フィルムの外縁との最短距離を説明する図である。 図5は、本発明の第2a実施形態の保護フィルム付膜片の一例を示す上面図である。 図6は、本発明の第2b実施形態の保護フィルム付膜片の一例を示す上面図である。 図7は、保護フィルムが2層である保護フィルム付膜片の一例を示す斜視図である。 図8−1は、上側接着層の形態を例示する断面図である。 図8−2は、上側接着層の別の形態を例示する断面図である。 図9は、上側接着層および下側接着層として枠状接着層を形成した種々の形態を例示する断面図である。 図10は、上側接着層として微粘着層を形成し、下側接着層として枠状接着層を形成した種々の形態を例示する断面図である。 図11は、上側接着層として枠状接着層を形成し、下側接着層として微粘着層を形成した種々の形態を例示する断面図である。 図12は、上側接着層および下側接着層として微粘着層を形成した種々の形態を例示する断面図である。 図13は、筐体に本発明の保護フィルム付膜片を装着させた状態を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態における保護フィルム付膜片について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1−1(a)(b)は、本発明の第1実施形態の保護フィルム付膜片の一例を示す図であり、図1−1(a)が断面図、図1−1(b)が保護フィルム3側からの上面図である。
説明の便宜上、上記図1−1(b)では、上側接着層4の表示を省略して膜片2を示し、かつ上記図1−1(a)では切れ目5を示していない。また、保護フィルム3の表面は図示していないが離型処理が施されている。以下、図2−1〜図6、および図8−1〜図13についても同じである。更に、図1−1(b)と図2−1(b)にのみ、上側接着層4の開口領域の外縁4Xを示している。
上記図1−1において、保護フィルム付膜片1は、膜片2と、外縁の少なくとも一部が前記膜片2の外縁よりも外方にある保護フィルム3と、前記膜片2と前記保護フィルム3の間に位置する上側接着層4とを有し、かつ前記保護フィルム3には切れ目5が形成されており、該切れ目5の一方端5Aは前記膜片2の外縁よりも内方にあり、他方端5Bは前記膜片2の外縁よりも外方であってかつ前記保護フィルム3の外縁よりも内方にある。
上記図1−1(a)(b)では、保護フィルム3の外縁の全周が前記膜片2の外縁よりも外方にあるが、本発明はこれに限られず、保護フィルム3の外縁の少なくとも一部が前記膜片の外縁よりも外方にあればよい。本発明の第1実施形態の保護フィルム付膜片の他の例として、図1−2(a)(b)と図1−3(a)(b)が挙げられる。図1−2(a)と図1−3(a)が断面図、図1−2(b)と図1−3(b)が前記図1−2(a)と図1−3(a)のそれぞれの保護フィルム3側からの上面図である。この図1−2(a)(b)と図1−3(a)(b)に示す通り、保護フィルム3の外縁の少なくとも一部が前記膜片の外縁よりも外方であって、保護フィルム3の外縁のその他の部位が、前記膜片の外縁と同位置であってもよい。
本発明には、保護フィルム3の外縁の少なくとも一部が前記膜片の外縁よりも外方であって、保護フィルム3の外縁のその他の部位が、前記膜片の外縁よりも内方にある場合を含みうるが、図1−1(b)、図1−2(b)および図1−3(b)に例示する通り、保護フィルム3側からの上面図において、膜片2の全面が保護フィルム3で覆われていることが好ましい。後記する第2実施形態においても同じであり、図2−1(b)、図2−2(b)および図2−3(b)に例示する通り、保護フィルム3側からの上面図において、膜片2の全面が保護フィルム3で覆われていることが好ましい。
第1実施形態では、保護フィルム3に、一方端5Aと他方端5Bの位置を特定した切れ目5が形成されている点に特徴がある。尚、切れ目5の形成位置、すなわち、切れ目の端5A、5Bの位置は上記図1−1〜図1−3に限らず、一方端5Aは前記膜片2の外縁よりも内方、他方端5Bは前記膜片2の外縁よりも外方であってかつ前記保護フィルム3の外縁よりも内方に位置していればよい。また図1−1〜図1−3において、切れ目5は直線であるが、これに限らず例えば円弧状や波線等の曲線であってもよい。更に図1−1〜図1−3において、切れ目5は一本であるが、その他の切れ目が設けられていてもよい。但し、その他の切れ目も、上記切れ目5と同様に、切れ目の一方端は前記膜片2の外縁よりも内方にあり、他方端は前記膜片2の外縁よりも外方であってかつ前記保護フィルム3の外縁よりも内方にあることが好ましい。
上記図1−1(a)の通り、前記上側接着層4が、開口領域を有する枠状接着層である場合、前記切れ目5は、上記図1−1(b)に示す通り、前記上側接着層4の開口領域の外縁4Xよりも外方に位置することが好ましい。切れ目を複数有する場合は、全ての切れ目が、前記上側接着層4の開口領域の外縁4Xよりも外方に位置することが好ましい。即ち、いずれの切れ目も、上側接着層4の外縁から、上側接着層4の内縁、即ち開口領域の外縁4Xまで貫通していないことが好ましい。この好ましい形態によれば、切れ目が接着層に転写されて溝が形成されたとしても、例えば膜片が通気膜の場合に十分な耐水性等を確保することができる。
上記図1−1(a)では、保護フィルム3の厚さ方向における、切れ目5の深さは図示していないが、該深さは、保護フィルム3の厚みの一部であってもよいし、全厚でもよい。好ましくは保護フィルム3の全厚にわたって切れ目が形成されているのがよい。また、上記切れ目5は、保護フィルム3の全厚に加えて上側接着層4の厚さ方向の一部または全厚にまで及んでいてもよい。
(第2実施形態)
図2−1(a)(b)は、本発明の第2実施形態の保護フィルム付膜片の一例を示す図であり、図2−1(a)が断面図、図2−1(b)が保護フィルム3側からみた上面図である。
上記図2−1において、保護フィルム付膜片1は、膜片2と、外縁が前記膜片2の外縁よりも外方にある保護フィルム3と、前記膜片2と前記保護フィルム3の間に位置する上側接着層4とを有し、かつ前記保護フィルム3には切れ目5が形成されており、該切れ目は、前記膜片2の外縁と交差する2つの切れ目部5X、5Yを有し、前記膜片2の外縁と一方の切れ目部5Xとが交差する第1交差点6Xと、前記膜片2の重心7とを結ぶ第1直線8Xと、前記膜片2の外縁と他方の切れ目部5Yとが交差する第2交差点6Yと、前記膜片2の重心7とを結ぶ第2直線8Yとがなす角度θが180°未満である。
上記図2−1(a)(b)では、保護フィルム3の外縁の全周が前記膜片2の外縁よりも外方にあるが、本発明はこれに限られず、保護フィルム3の外縁の少なくとも一部が前記膜片2の外縁よりも外方にあればよい。本発明の第2実施形態の保護フィルム付膜片の他の例として、図2−2(a)(b)と図2−3(a)(b)が挙げられる。図2−2(a)と図2−3(a)が断面図、図2−2(b)と図2−3(b)が前記図2−2(a)と図2−3(a)のそれぞれの保護フィルム3側からの上面図である。この図2−2(a)(b)と図2−3(a)(b)に示す通り、保護フィルム3の外縁の一部が前記膜片2の外縁と一致し、保護フィルム3の外縁のその他の部分が前記膜片2の外縁よりも外方であってもよい。
上記第2実施形態では、切れ目5の一部を構成する切れ目部5X、5Yが、上記位置関係を満たしていればよい。前記角度θは、例えば5°(deg)以上、90°(deg)以下、さらに好ましくは60°(deg)以下の範囲とすることが好ましい。前記図2−1〜図2−3では切れ目5は1本であるが、これに限らず、図3−1(a)に示す通り2本に分かれていてもよい。
前記切れ目5は前記膜片2の外縁よりも内方の領域でつながっていることが好ましい。例えば前記図2−1〜図2−3の様なV字状の他、図3−1(b)に示すU字状の切れ目5や、図3−2(a)に示す通り波状の切れ目5が挙げられる。また、これらの切れ目に、その他の切れ目が加わってもよい。例えば図3−2(b)に示す通り、切れ目5に加えて、その他の切れ目5a、5bが加わっていてもよい。その他の切れ目についても、上記切れ目5と同じ位置関係を満たすことが好ましい。またこの第2実施形態において、いずれの切れ目も、保護フィルム3の外縁に至らないことが好ましい。
上記図2−1(a)の通り、前記上側接着層4が、開口領域を有する枠状接着層である場合、前記切れ目5は、上記図2−1(b)に示す通り、前記上側接着層4の開口領域の外縁4Xよりも外方に位置することが好ましい。切れ目を複数有する場合は、全ての切れ目が、前記上側接着層4の開口領域の外縁4Xよりも外方に位置することが好ましい。即ち、いずれの切れ目も、上側接着層4の外縁から、上側接着層4の内縁、即ち開口領域の外縁4Xまで貫通していないことが好ましい。この好ましい形態によれば、切れ目が接着層に転写されて溝が形成されたとしても、例えば膜片が通気膜の場合に十分な耐水性等を確保することができる。
上記図2−1(a)では、保護フィルム3の厚さ方向における、切れ目5の深さは図示していないが、該深さは、保護フィルム3の厚みの一部であってもよいし、全厚でもよい。好ましくは保護フィルム3の全厚にわたって切れ目が形成されているのがよい。また、上記切れ目5は、保護フィルム3の全厚に加えて上側接着層4の厚さ方向の一部または全厚にまで及んでいてもよい。
本発明の保護フィルム付膜片1は、保護フィルム3の外縁の少なくとも一部が前記膜片2の外縁よりも外方にあればよく、保護フィルム3と膜片2の各サイズやその差は特に限定されない。但し、作業工程において、保護フィルムを摘まむ等の作業容易性の観点からは、前記第1交差点と前記第2交差点の少なくともいずれかと、保護フィルムの外縁との最短距離(例えば図4に示す保護フィルム付膜片1の場合は、第1交差点6Xと保護フィルム3の外縁との最短距離を示す実線の両矢印線)が1mm以上であることが好ましい。上記最短距離は、より好ましくは2mm以上、更に好ましくは3mm以上である。尚、収納や搬送等を考慮すると、上記最短距離はおおよそ30mm以下であることが好ましい。
図5は、前記第2実施形態のうちの一形態である第2a実施形態の保護フィルム付膜片の一例を示す上面図である。第2a実施形態は、前記保護フィルム3の外縁よりも内方かつ前記膜片2の外縁よりも外方の領域の、最大内接円または最大内接楕円(図5では、最大内接楕円9)の中心10と、前記膜片の重心7とを結ぶ線分11と、前記第1交差点6Xと第2交差点6Yを通る直線12とが交差している。前記線分11と直線12との交差により形成される角度φは、例えば30〜150°(deg)の範囲であることが好ましく、より好ましくは45〜135°(deg)の範囲である。
図6は、前記第2実施形態のうちの一形態である第2b実施形態の保護フィルム付膜片の一例を示す上面図である。この第2b実施形態と前記第2a実施形態とは一部重複しており、図6は、図5と膜片2および切れ目5の配置が同じである。第2b実施形態は、前記保護フィルム3が長手方向Lを有し、かつ該長手方向Lに垂直な面(図6では紙面に垂直な面)Fを境界にして区分される第1領域13aと、該第1領域よりも面積が狭い第2領域13bとを有しており、前記第1領域内であって前記膜片の外縁に沿う第1区間14aと前記第2領域内であって前記膜片の外縁に沿う第2区間14bの長さが等しく、前記保護フィルム3には切れ目5が形成されており、該切れ目5は、少なくとも2箇所の切れ目部5X、5Yにおいて前記第1区間14aと交差している。
以下では、上記第1実施形態および第2実施形態に共通する保護フィルム等について説明する。
[保護フィルム]
保護フィルムは、保管中や運搬中の膜片を保護するものであり、材料としては樹脂フィルムや紙に離型処理をしたもの等が好適に用いられる。例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂等で構成される樹脂フィルム;グラシン紙、上質紙、コート紙、含浸紙、合成紙などの紙;アルミニウム、ステンレススチール等の金属箔;などが挙げられる。前記基体フィルムとして、少なくとも片面が離型剤で処理されたものが好ましく、離型剤として例えば、シリコーン系やフッ素系のものが好ましい。
保護フィルムの形状は特に限定されず、例えば、楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状;これらが組み合わさった形状;これらの形状の少なくとも一部に窪みを有した形状;更に、保護フィルムの端部を延出させた形状を採用することができる。また保護フィルムには、例えば筐体等の被着体に膜片を貼り付ける作業時の位置決めのため、孔が1以上設けられていてもよい。孔の形状は、例えば楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状、またはこれらが組み合わさった形状が挙げられる。
前記保護フィルム3の厚さは特段制限されないが、薄すぎると保護の機能を果たさないため、各保護フィルムの膜厚は、10μm以上であることが好ましく、より好ましくは45μm以上である。一方、保護フィルム3が厚すぎると該保護フィルムの剛性が大きくなり、保護フィルムの加工性が悪化したり、保護フィルムを剥がし取りにくくなるため、各保護フィルムの膜厚は、150μm以下とすることが好ましく、より好ましくは125μm以下である。
前記保護フィルム3は、有彩色で着色されたものであってもよい。保護フィルムの見落としによる剥離作業忘れの防止のため、前記保護フィルムの全体または部分的に着色が施されていてもよい。
保護フィルムは2層以上であってもよく、そのうち、少なくとも1層が本発明で規定する切れ目を有していればよい。よって、例えば上側接着層側から順に、本発明で規定する切れ目を有する第1保護フィルムと;切れ目を有さず、上記第1保護フィルムと同じ材質・形状からなるか、材質と形状の少なくともいずれかが異なる第2保護フィルムと;が積層した形態であってもよい。一例を図7に示す。図7は、本発明の保護フィルム付膜片の一例を、説明上、各層に分けて示した斜視図であり、離型フィルム16と、2つの接着層15の設けられた保護フィルム3とには、便宜上、膜片2の形状を破線で示している。この図7では、離型フィルム16と2つの接着層15および保護フィルム3とには切れ目5が形成されているが、最表面層である別の保護フィルム3aには切れ目が形成されていない。また保護フィルムが2層以上の場合、最表面を構成する保護フィルム以外の保護フィルムには、上側接着層と同じ形状の開孔領域が設けられていてもよい。保護フィルムが複数の場合、いずれの保護フィルムも上述した材料や形状を採用することができる。
[膜片]
膜片の構成材料として、多孔質樹脂フィルム、エレクトレット不織布、ナノファイバー不織布等を用いることができる。膜片の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイミド等を使用することができるが、好ましくは防水性に優れたフッ素樹脂、更に好ましくは、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のフィルムを用いることが推奨される。多孔質PTFEフィルムと他の膜片(例えば通気性膜)とをラミネートした薄膜を用いることは、補強の観点で好ましい。膜片の微視的形状としては、ネット状、メッシュ状、多孔質のものを用いることができる。多孔質PTFEフィルムは、防水性に優れ、水滴、塵埃、有害ガス等の侵入を防止しつつ電気装置内外の通気性も確保できる。
上記膜片に、更に補強層を設けてもよい。該補強層として、例えば、樹脂または金属からなる、不織布、職布、メッシュ、ネット、スポンジ、フォーム、多孔体などを用いることができる。樹脂多孔質膜と補強層とを接合する方法としては、接着剤ラミネート、熱ラミネート等がある。
前記多孔質PTFE膜は、汎用的な高分子ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)と比較して一般的に表面エネルギーが低く、材料中の微細な分子鎖同士の結束が弱い。そのため多孔質PTFE膜は他の高分子多孔質膜に比べて強度が低い。特に、多孔質PTFE膜は膜水平方向に延伸されたものであるため膜の垂直方向に対する引張強度が小さく、保護フィルムを剥がす際に膜片自体が膜の垂直方向に断裂してしまう可能性がある。したがって、膜片の構成材料として多孔質PTFE膜を用いる場合に本発明を適用すれば、保護フィルムの剥離時の膜垂直方向の引張力が軽減されるため、膜片の断裂防止に極めて有効である。
前記多孔質PTFE膜は、一軸延伸多孔質PTFE膜であってもよいし、二軸延伸多孔質PTFE膜であってもよい。前記多孔質PTFE膜は、例えば下記の方法で製造できる。即ち、多孔質PTFE膜は、PTFEのファインパウダーを成形助剤と混合することにより得られるペーストの成形体から、成形助剤を除去した後、高温高速度で延伸、さらに必要に応じて焼成することにより得ることができる。一軸延伸の場合、ノード(折り畳み結晶)が延伸方向に直角に細い島状となっていて、このノード間を繋ぐようにすだれ状にフィブリル(折り畳み結晶が延伸により解けて引出された直鎖状の分子束)が延伸方向に配向している。そして、フィブリル間、又はフィブリルとノードとで画される空間が空孔となった繊維質構造となっている。また、二軸延伸の場合には、フィブリルが放射状に広がり、フィブリルを繋ぐノードが島状に点在して、フィブリルとノードとで画された空間が多数存在するクモの巣状の繊維質構造となっている。
前記膜片は、表面に撥液剤が添加されていてもよい。該膜片に、撥液性を持たせることで、膜片の捕集特性や通気特性を低下させる体脂や機械油、水滴などの様々な汚染物が、膜片の細孔内に浸透若しくは保持されるのを抑制できる。
なお本明細書において、撥液性を付与する方法としては、撥液性材料を使用する、もしくは、撥液剤を添加することでも可能であり、この場合の「撥液」とは、液体をはじく性質乃至は機能を指すものであるとし、「撥液剤」には、「撥水剤」、「撥油剤」、「撥水撥油剤」等を含むものとする。撥水撥油剤として、含フッ素側鎖を有するポリマーを用いることができる。撥水撥油性ポリマーおよびそれを多孔質PTFE膜に複合化する方法の詳細についてはWO94/22928号公報などに開示されている。
また、膜片には上記撥液剤のほか、親水性材料、導電性材料、着色材料、帯電防止材料、抗菌性材料などを付加することにより、様々な機能性を付与することができる。
膜片は染色されていてもよい。例えばデザイン性の観点から、筐体等の被着体の色に合わせるように膜片が染色されていてもよい。
膜片は、単独で(単層で)使用できるだけの強度を有することが好ましいが、不織布、織物や編物等のネット等、伸縮性を持つ通気性の補強層と積層して使用してもよい。
図1−1〜図1−3や図2−1〜図2−3では、膜片の形状は丸であるが、これに限らない。膜片の形状として、例えば、楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状;これらが組み合わさった形状;これらの形状の少なくとも一部に窪みを有した形状;を採用することができる。また膜片には、孔が1以上設けられていてもよい。孔の形状は、例えば楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状、またはこれらが組み合わさった形状が挙げられる。
膜片の膜厚は特に限定されず、例えば0.1μm〜5mmとすることができる。
本発明で示す図は、一つの膜片に対して一以上の保護フィルムが設けられているが、これに限らない。例えば、2以上の膜片に対して一つの保護フィルムが設けられていてもよい。
前記膜片として、通気膜;音響用膜;偏光膜、反射防止膜、反射膜等の光学フィルム;ガスバリア性膜;導電性膜;汚れ等の付着防止膜;等が挙げられ、通気膜として好適に用いられる。
[上側接着層]
まず本発明において「接着層」とは、物と物を貼り合わせるのに用いる物質一般を指すものであり、粘着層と呼ばれるものを含む。上側接着層として、前記図1−1(a)や図2−1(a)に例示の通り、開口領域を有する接着層(枠状接着層)が挙げられる。前記開口領域を有する接着層は、膜片表面に固定されるものであってもよい。別の上側接着層として、図8−1(a)に示される通り、保護フィルム3の膜片2側表面に形成され、保護フィルム3剥離時に保護フィルム3と共に剥離される接着層4a(以下、この様に粘着力が大きくないため、膜片2からの取り外しが容易な接着層を「微粘着層」ということがある)が挙げられる。具体的に例えば、保護フィルムを基材とした片面粘着テープが挙げられる。
前記枠状接着層の開口領域の形状は特に限定されず、楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状;これらが組み合わさった形状;であってもよい。更に開口領域は、2以上であってもよい。また前記枠状接着層の枠の形状は特に限定されず、楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状;これらが組み合わさった形状;であってもよい。この枠状接着層を形成する方法としては、例えば、スクリーン印刷による方法や、接着剤の融液をグラビアパターンロールで剥離シートに転写する方法、或いは、予め枠状に裁断した両面粘着テープを使用する方法等がある。前記枠状接着層の膜厚は、例えば1〜250μm程度とすることができる。
前述した片面粘着テープや両面粘着テープには、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ナイロン不織布等の不織布を芯材とする片面粘着テープまたは両面粘着テープ、PET基材の片面粘着テープまたは両面粘着テープ、ポリイミド基材の片面粘着テープまたは両面粘着テープ、ナイロン基材の片面粘着テープまたは両面粘着テープ、発泡体芯材の片面粘着テープまたは両面粘着テープ、基材レス両面粘着テープなど様々なタイプのものを用いることができる。
前記微粘着層を構成する粘着剤としては、例えば、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤等の公知の種々の粘着剤を使用することができる。前記微粘着層の膜厚は、例えば1〜250μm程度とすることができる。
前記上側接着層は、1層であってもよいし2層以上であってもよい。前記上側接着層が2層以上の場合、各層の膜厚は1〜250μm程度とすることができる。
[その他の層]
(離型フィルムや弾性層等の非接着層)
本発明は、規定の切れ目を有する保護フィルムと、膜片と、上側接着層とを有していればよく、その他の層として、上記離型フィルムや弾性層等の非接着層を有していてもよい。該非接着層として、前記保護フィルムの材質ものを使用できる他、発泡体(例えば、ウレタンフォーム、シリコーンフォーム、アクリルフォーム、ポリエチレンフォーム)、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレン−プロピレンゴム)、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、水素化ニトリルゴム等のゴムを使用することもできる。
離型フィルムの形状は、特に限定されず、例えば、楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状;これらが組み合わさった形状;これらの形状の少なくとも一部に窪みを有した形状;更に、離型フィルムの端部を延出させた形状を採用することができる。また離型フィルムには、例えば筐体等の被着体に膜片を貼り付ける作業時の位置決めのため、孔が1以上設けられていてもよい。孔の形状は、例えば楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状、またはこれらが組み合わさった形状が挙げられる。更に離型フィルムには、上側接着層と同じ形状の開孔領域が設けられていてもよい。また弾性層の形状は、枠状接着層と同じ形状にしたり、膜片と同じ形状にすることができる。非接着層を設ける場合、この非接着層と保護フィルム等とを接着させるための接着層を更に有していてもよい。
前記非接着層を有する場合の例として、図8−1(b)や図8−2の構造が挙げられる。例えば、前記図8−1(b)の通り、保護フィルム3/接着層15/離型フィルム16/上側接着層として枠状接着層4/膜片2の構造が挙げられる。また図8−2に示す通り、保護フィルム3/微粘着層4a/弾性層19/上側接着層として枠状接着層4/膜片2の構造が挙げられる。
本発明の保護フィルム付膜片は、その他の層として、前記膜片の、前記上側接着層とは反対側に、下側接着層と基体フィルムとを更に有していてもよい。
(基体フィルム)
前記基体フィルムは、薄い膜片を保管、運搬する役割を担うものである。シート状の部材であれば材質等に特段の制限はないが、基体フィルムの材質として、例えば、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート樹脂等で構成される樹脂フィルム;グラシン紙、上質紙、コート紙、含浸紙、合成紙などの紙;アルミニウム、ステンレススチール等の金属箔;などが挙げられる。前記基体フィルムとして、少なくとも片面が離型剤で処理されたものが好ましく、離型剤として例えば、シリコーン系やフッ素系のものが好ましい。
基体フィルムの形状は特に限定されず、例えば、楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状;これらが組み合わさった形状;これらの形状の少なくとも一部に窪みを有した形状;更に、基体フィルムの端部を延出させた形状を採用することができる。また基体フィルムには、例えば筐体等の被着体に膜片を貼り付ける作業時の位置決めのため、孔が1以上設けられていてもよい。孔の形状は、例えば楕円を含む円状、矩形状、多角形状、これらの角が丸みを帯びた形状、L字状、またはこれらが組み合わさった形状が挙げられる。
基体フィルムの厚さは、例えば10〜250μmであることが好ましく、より好ましくは50〜150μmである。なお、基材の表面には、離型剤や粘着剤との接着性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレームプラズマ処理などを施してもよく、プライマー層などを設けてもよい。プライマー層としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン系共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、これらの変性物などの高分子材料(所謂アンカーコート剤)を使用することができる。
(下側接着層)
下側接着層として、前記上側接着層に使用できる材質・形状のものを使用することができる。即ち、下側接着層として、上述した枠状接着層や微粘着層等を用いることができる。図9(a)(b)は、前記図1−1(a)や図2−1(a)に示す構造に、更に下側接着層として枠状接着層を設けた構造を例示する断面図である。図9(a)は、下側接着層として枠状接着層17と基体フィルム18を更に設けた構造、図9(b)は、下側接着層として枠状接着層17と保護フィルム3を更に設けた構造を示す。
また図10(a)(b)は、前記図8−1(a)に示す構造に、更に下側接着層としての枠状接着層と、基体フィルム等とを設けた構造を例示する断面図である。図10(a)は、下側接着層として枠状接着層17と基体フィルム18を更に設けた構造、図10(b)は、下側接着層として枠状接着層17と保護フィルム3を更に設けた構造を示す。
保護フィルム付膜片は、例えば図11(a)(b)に示す様に、図9(a)(b)の下側接着層(枠状接着層)17の代わりに微粘着層17aが設けられていてもよい。また、上側接着層や下側接着層として枠状接着層を設けない場合、例えば図12(a)に示す様に、保護フィルム3/上側接着層としての微粘着層4a/膜片2/下側接着層としての微粘着層17a/基体フィルム18の構造や、図12(b)に示す様に、保護フィルム3/上側接着層としての微粘着層4a/膜片2/下側接着層としての微粘着層17a/保護フィルム3の構造であってもよい。上記図11(a)(b)および図12(a)(b)の形態は、例えば、下側接着層としての枠状接着層が、膜片を設置する筐体等に既に設けられている場合に適用できる。
上側接着層と共に下側接着層を設ける場合、後記の通り、本発明の保護フィルム付膜片から基体フィルムを取り除き、下側接着層を筐体に固着させてから、保護フィルムを剥がし取る工程での作業性を考慮すると、上側接着層4と保護フィルム3の間の接着力は、下側接着層17と、例えば図9(a)では基体フィルム18(図9(b)では別の保護フィルム3)との間の接着力よりも大きいことが好ましい。本発明によれば、保護フィルム3に所定の切れ目が形成されているため、上記の上側接着層4と保護フィルム3との間の接着力を高めても、保護フィルム3の除去時に保護フィルム3を容易に剥がし取ることができる。つまり本発明によれば、保護フィルム付膜片の接着力のバランス設計が容易になる。
[本発明の保護フィルム付膜片を用いた、保護フィルム除去方法および電気装置の製造方法]
本発明には、前記保護フィルムにおける前記膜片の外縁よりも外方の領域を掴み、該保護フィルムを剥がし取る工程を含むことを特徴とする保護フィルム付膜片の保護フィルム除去方法も含む。以上の通り、本発明の保護フィルム付膜片には、保護フィルムに規定の位置関係を満たす切れ目が形成されているため、保護フィルム付膜片の保護フィルム除去時に、膜片が破損等することなくかつ作業性良く保護フィルムを除去することができる。
また本発明には、前記保護フィルムにおける前記膜片の外縁よりも外方の領域を掴み、該保護フィルムを剥がし取る工程を含むことを特徴とする電気装置の製造方法も含む。例えば前記図9(a)に示す様な下側接着層17および基体フィルム18を有する保護フィルム付膜片1を、被着体である電子機器を構成する筐体20に装着する場合、上記基体フィルム18を取り除き、図13に示す通り下側接着層17を筐体20に固着させてから、上記保護フィルム3を剥がし取ればよい。
1 保護フィルム付膜片
2 膜片
3、3a 保護フィルム
4 上側接着層
4X 上側接着層の開口領域の外縁
4a、17a 微粘着層
5、5a、5b 切れ目
5A 切れ目の一方端
5B 切れ目の他方端
5X、5Y 切れ目部
6X 膜片の外縁と切れ目部とが交差する第1交差点
6Y 膜片の外縁と切れ目部とが交差する第2交差点
7 膜片の重心
8X 第1交差点と、膜片の重心とを結ぶ第1直線
8Y 第2交差点と、膜片の重心とを結ぶ第2直線
9 最大内接円または最大内接楕円
10 最大内接円または最大内接楕円の中心
11 最大内接円または最大内接楕円の中心と、膜片の重心とを結ぶ線分
12 第1交差点6Xと第2交差点6Yを通る直線
13a 第2b実施形態における第1領域
13b 第2b実施形態における第2領域
14a 第2b実施形態における第1区間
14b 第2b実施形態における第2区間
15 接着層
16 離型フィルム
17 下側接着層
18 基体フィルム
19 弾性層
20 筐体

Claims (17)

  1. 膜片と、外縁の少なくとも一部が前記膜片の外縁よりも外方にある保護フィルムと、前記膜片と前記保護フィルムの間に位置する上側接着層とを有する保護フィルム付膜片であって、
    前記保護フィルムには切れ目が形成されており、該切れ目の一方端は前記膜片の外縁よりも内方にあり、他方端は前記膜片の外縁よりも外方であってかつ前記保護フィルムの外縁よりも内方にあることを特徴とする保護フィルム付膜片。
  2. 膜片と、外縁の少なくとも一部が前記膜片の外縁よりも外方にある保護フィルムと、前記膜片と前記保護フィルムの間に位置する上側接着層とを有する保護フィルム付膜片であって、
    前記保護フィルムには切れ目が形成されており、該切れ目は、
    前記膜片の外縁と交差する2つの切れ目部を有し、
    前記膜片の外縁と一方の切れ目部とが交差する第1交差点と、前記膜片の重心とを結ぶ第1直線と、
    前記膜片の外縁と他方の切れ目部とが交差する第2交差点と、前記膜片の重心とを結ぶ第2直線とがなす角度が180°未満であることを特徴とする保護フィルム付膜片。
  3. 前記第1交差点と前記第2交差点の少なくともいずれかと、保護フィルムの外縁との最短距離が1mm以上である請求項2に記載の保護フィルム付膜片。
  4. 前記保護フィルムの外縁よりも内方かつ前記膜片の外縁よりも外方の領域の、最大内接円または最大内接楕円の中心と、前記膜片の重心とを結ぶ線分と、
    前記第1交差点と第2交差点を通る直線とが交差している請求項2に記載の保護フィルム付膜片。
  5. 前記保護フィルムは長手方向を有し、かつ該長手方向に垂直な面を境界にして区分される第1領域と、該第1領域よりも面積が狭い第2領域とを有しており、前記第1領域内であって前記膜片の外縁に沿う第1区間と前記第2領域内であって前記膜片の外縁に沿う第2区間の長さが等しく、
    前記保護フィルムには切れ目が形成されており、該切れ目は、少なくとも2箇所の切れ目部において前記第1区間と交差している請求項2に記載の保護フィルム付膜片。
  6. 前記切れ目は、前記膜片の外縁よりも内方の領域でつながっている請求項2〜5のいずれかに記載の保護フィルム付膜片。
  7. 前記切れ目は、前記保護フィルムの全厚に亘る請求項1〜6のいずれかに記載の保護フィルム付膜片。
  8. 前記膜片の、前記上側接着層とは反対側に、下側接着層と基体フィルムとを更に有する請求項1〜7のいずれかに記載の保護フィルム付膜片。
  9. 前記上側接着層が、開口領域を有する請求項1〜8のいずれかに記載の保護フィルム付膜片。
  10. 前記切れ目は、前記上側接着層の開口領域の外縁よりも外方に位置する請求項9に記載の保護フィルム付膜片。
  11. 前記保護フィルムに前記上側接着層が形成され、かつ前記切れ目が該上側接着層にまで及んでいる請求項1〜10のいずれかに記載の保護フィルム付膜片。
  12. 前記膜片は、通気膜である請求項1〜11のいずれかに記載の保護フィルム付膜片。
  13. 前記膜片は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン膜である請求項1〜12のいずれかに記載の保護フィルム付膜片。
  14. 前記膜片は、表面に撥液剤が添加されたものである請求項1〜13のいずれかに記載の保護フィルム付膜片。
  15. 前記保護フィルムは、有彩色で着色されたものである請求項1〜14のいずれかに記載の保護フィルム付膜片。
  16. 前記請求項1〜15のいずれかに記載の保護フィルム付膜片の、前記保護フィルムにおける前記膜片の外縁よりも外方の領域を掴み、該保護フィルムを剥がし取る工程を含むことを特徴とする保護フィルム付膜片の保護フィルム除去方法。
  17. 前記請求項1〜15のいずれかに記載の保護フィルム付膜片の、前記保護フィルムにおける前記膜片の外縁よりも外方の領域を掴み、該保護フィルムを剥がし取る工程を含むことを特徴とする電気装置の製造方法。
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