以下、本発明の実施の一形態について、図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
図1〜図11は本発明の実施の一形態としての自動原稿搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置を示す図であり、本実施形態では、自動原稿搬送装置、画像読取装置及び画像形成装置を複写機に適用した例を示している。
なお、画像形成装置としては複写機以外に例えば、ファクシミリ装置、プリンタ装置、複写機能とファクシミリ機能を備えた複合機に適用することができる。また、画像読取装置としては、例えば、スキャナ装置、ファクシミリ装置、複写機能とファクシミリ機能を備えた複合機に適用することができる。
まず、構成を説明する。図1において、複写機21の本体21aの上面には透光性部材からなるコンタクトガラス22aが設けられており、このコンタクトガラス22aに隣接する本体の上面にはコンタクトガラス22aよりも小面積の透光性部材からなるスリットガラス22bが設けられている(図2参照)。
また、本体21aの上部には自動原稿搬送装置(ADF)23が設けられており、このADF23は図示しないヒンジ機構を介してコンタクトガラス22aを開放及び閉塞するように開閉自在になっている。
図2、図3に基づいてADF23の構成を説明する。図2はADF23の概略構成図であり、図3はADF23の制御系のブロック図である。図2において、ADF23は用紙載置台としての原稿テーブル24を備えており、この原稿ケーブル24には原稿面が上向きになるように用紙束(又は用紙)としての原稿束(又は原稿)Pが載置されるようになっている。
原稿テーブル24のテーブル面には原稿の長さを検出する原稿長さ検出手段としての原稿長さセンサ25〜27が設けられており、この原稿長さセンサ25〜27はそれぞれ隣接する一対の受光素子及び発光素子を備えている。
したがって、原稿長さセンサ25〜27は少なくとも同一原稿サイズの縦か横かを判断可能なように原稿テーブル24のテーブル面に配置されている。コントローラ100は受光素子から入力した情報に基づいて原稿テーブル24に載置された原稿束Pの搬送方向長さを判断する。
また、原稿テーブル24に対して原稿の搬送方向下流側にはストッパ部材としてのストッパ爪28が設けられており、このストッパ爪28は呼出しモータ101によって原稿束Pの先端が突当てられる突当て位置(破線で示す位置)と原稿束Pの先端から退避する退避位置(実線で示す位置)の間で移動されるようになっている。
したがって、ストッパ爪28が突当て位置にあるときに原稿束Pの先端が突当てられることにより、原稿束Pの先端を揃えるようになっている。また、原稿束Pの幅方向は原稿テーブル24上に設けられた図示しないサイドフェンスに突当てられることにより、搬送方向と直交する方向の位置決めが行われるようになっている。
また、ストッパ爪28が下方に移動すると、このストッパ爪28はホームポジョンセンサ34によって検出されるようになっており、ホームポジションセンサ34は検出情報をコントローラ100に出力する。
また、原稿束Pの先端側の原稿ケーブル24上にはセットフィラー29及び原稿セットセンサ30が設けられており、セットフィラー29は原稿テーブル24に原稿束Pが載置されたときに原稿束Pの先端に押圧されて破線で示す位置から実線で示す位置に移動し、原稿セットセンサ30がこのセットフィラー29を未検出の状態から検出した状態に変化すると、コントローラ100に信号を出力する。
コントローラ100はインタフェース(以下「I/F」ともいう)107を介して複写機21の本体21aに設けられた本体制御部111に接続されており、このI/F107に信号を出力する。本体制御部111はこの入力信号に基づいて本体21a側で原稿の読取りを行うための待機状態に移行する。
ストッパ爪28の上方には呼出し手段としての呼出しローラ31が設けられており、この呼出しローラ31は呼出しモータ101からの駆動力が呼出しカム(不図示)を介して伝達されるようになっており、呼出しモータ101及びカム機構により実線で示す原稿束Pから退避する位置と2点鎖線で示す原稿束Pの上面に当接する位置との間で昇降するようになっている。
また、本体21a側には操作部108が設けられており、この操作部108のプリントキーが押下され、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に原稿給紙信号が送信されると、コントローラ100は呼出しモータ101を正転駆動してストッパ爪28を原稿束Pから下方向に退避するように駆動する。
そして、このストッパ爪28が退避位置に移動すると、ストッパ爪28はホームポジションセンサ34によって検出されるようになっており、ホームポジションセンサ34はストッパ爪28を検出すると、コントローラ100は呼出しモータ101を逆転駆動して呼出しローラ31を原稿束Pに当接する位置に下降させる。
このとき、呼出しローラ31は給紙モータ102の正転駆動によって原稿テーブル24上の数枚(理想的には1枚)の原稿の給紙を開始する。この給紙された原稿は呼出しローラ31の下流側に設けられた給紙ベルト32及びリバースローラ33に分離搬送手段に給紙される。
給紙ベルト32は駆動ローラ32a及び従動ローラ32bに橋架されており、給紙モータ102から駆動ローラ32aに駆動力が伝達されると、周回移動するようになっている。
給紙ベルト32は給紙モータ102が正転駆動されると給紙方向(時計回転方向)に周回移動するようになっており、リバースローラ33には図示しないトルクリミッタが内蔵され、給紙モータ102が正転駆動されると給紙方向と逆方向(時計回転方向)に回転駆動されるようになっている。このため、最上位の原稿とその下の原稿が分離されて最上位の原稿のみが給紙される。
具体的には、リバースローラ33は給紙ベルト32と所定圧で接しており、給紙ベルト32と直に接触しているとき、又は、原稿1枚を介して接している状態では給紙ベルト32の回転につられて反時計回転方向に連れ回りし、原稿が2枚以上給紙ベルト32とリバースローラ33の間に進入したときには連れ回り力がトルクリミッタのトルクよりも低くなるように設定されている。このため、リバースローラ33は本来の駆動方向である時計回転方向に回転し、余分な原稿を押し戻す働きをして重送を防止することができる。
この分離原稿は給紙ベルト32の下流側に設けられた分離用紙検出手段としての分離センサ51によって検出されるようになっており、分離センサ51によって検出された原稿は給紙ベルト32によって更に搬送され、給紙ベルト32の下流側に設けられた突当てセンサ35によって原稿の先端が検出された時点から所定量Xmm搬送されると、コントローラ100によって給紙モータ102の正転駆動を停止される。
この所定量Xmmは、突当てセンサ35からプルアウトローラ対(回転部材)36のニップ部までの距離よりも大きく設定されており、互いに摺接するプルアウト駆動ローラ36a及びプルアウト従動ローラ36bのニップ部に一定の撓みを形成した状態で停止されるようになっている。
このとき、呼出しモータ101はコントローラ100からの指令により正転駆動されることにより、呼出しローラ31を原稿上面から退避させ原稿を給紙ベルト32の搬送力のみで搬送することにより、原稿の先端はプルアウト駆動ローラ36a及びプルアウト従動ローラ36bのニップ部に突当てられ、分離搬送時に発生した原稿の曲がり(スキュー)を補正することができる。
また、プルアウト駆動ローラ36a及びプルアウト従動ローラ36bは、原稿の分離後に給紙モータ102の逆転駆動によりスキュー補正された原稿を、反転通路53を介して下流側に設けられた読取入口ローラ対37に向かって搬送する。この読取入口ローラ対37は読取入口駆動ローラ37aと読取入口従動ローラ37bによって構成されている。
また、給紙モータ102の逆転駆動時には、プルアウト駆動ローラ36aは駆動されるが、後述するワンウェイクラッチの作用により呼出しローラ31と給紙ベルト32に駆動力は伝達されない。
また、プルアウト駆動ローラ36a及びプルアウト従動ローラ36bの下流側には原稿幅センサ38が設けられており、この原稿幅センサ38は図2中、奥行き方向に複数個並べられ、実線で示す位置と2点鎖線で示す位置との間で移動するようになっている。
この原稿幅センサ38は原稿を検出すると2点鎖線で示す位置に移動するようになっており、プルアウト駆動ローラ36a及びプルアウト従動ローラ36bにより搬送された原稿の搬送方向に直交する幅方向の情報を取得してコントローラ100にこの検出情報を送信する。
コントローラ100は原稿サイズセンサ25〜27からの原稿長さ情報と原稿幅センサ38からの幅情報との組合せに基づいて本体制御部111に原稿テーブル24上に積載された原稿束Pのサイズ情報を送信する。
また、コントローラ100は原稿の先端後端を突当てセンサ35で検出する間に搬送した距離に相当するモータ駆動パルス数をカウントすることにより、原稿のより正確な長さを算出する。
また、プルアウト駆動ローラ36aの駆動により読取入口ローラ対37に原稿が搬送される際には、原稿搬送速度を高速に設定して原稿をスリットガラス22b上の読取位置80に送り込む処理時間の短縮を図るようになっており、特に2枚目以降の原稿ではこの高速搬送により前原稿との紙間を短縮することで生産性を向上させることができる。そして、原稿の先端が読取入口センサ39によって検出されると、読取入口ローラ対37に原稿先端が進入する前に減速が開始される。
また、コントローラ100は読取入口センサ39から読取入口ローラ対37までの距離よりもYmmだけ搬送距離が長くなるように給紙モータ102を駆動して停止させることにより、停止している読取入口ローラ対37のニップ部に原稿の先端を突当てて一定の撓みを形成した状態で原稿を停止させるようになっている。この結果、プルアウトローラ対36による原稿の搬送時に発生したスキューを補正することができる。本実施の形態では、読取入口ローラ対37がスキュー補正用のローラ対を構成している。
また、コントローラ100は、原稿が読取入口ローラ対37のニップ部で一時停止(レジスト停止)したときに、I/F107を介して本体制御部111にレジスト停止信号を送信するようになっている。
レジスト停止信号が送信されると、コントローラ100は本体制御部111から読取開始信号を受信するようになっており、レジスト停止していた原稿が読取倍率に応じた搬送速度で搬送されるように読取モータ103を駆動し、読取出口ローラ対40により原稿を搬送する。また、この読取出口ローラ対40は読取出口駆動ローラ40aと読取出口従動ローラ40bによって構成されている。
ここで、原稿の先端がスリットガラス22bの上流側に設けられたレジストセンサ41に到達するよりも前に読取開始信号を受信した場合はレジスト非停止読取動作となる。レジスト非停止読取動作の場合はレジスト停止を行わずに、読取搬送速度を維持したまま読取りを行う。
レジストセンサ41は原稿の先端を検出するようになっており、レジストセンサ41によって原稿の先端が検出されると、コントローラ100は読取モータ103のパルスカウントを開始し、原稿先端がスリットガラス22b上の読取位置80に到達するタイミングで、本体制御部111に対して副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を送信する。このゲート信号は、通常は原稿の後端が読取位置80を抜けるまで送信される。なお、スリットガラス22bと対向する読取ガイド801と、スリットガラス22bの搬送方向下流のすくい上げ部材860と、については図4〜図6を用いて後述する。
反転通路53を介して読取位置80を通過した原稿は、上下面が反転されて読取出口ローラ対40及び排紙ローラ対42によって搬送されるようになっており、両面原稿の読取り終了後、又は、片面原稿の片面読取り終了後には原稿排紙台としての排紙トレイ43に排紙される。
また、排紙ローラ対42は、排紙駆動ローラ42a、排紙従動上ローラ42b及び排紙従動下ローラ42cを備えており、この排紙ローラ対42(排紙駆動ローラ42aと排紙従動上ローラ42bの1対、排紙駆動ローラ42aと排紙従動下ローラ42cの1対)の下流側には切換手段としての切換爪44が設けられている。
両面原稿の搬送を行う場合には、この原稿の表面の読取り時に読取位置80を抜けた原稿先端が排紙ローラ対42に到達する前に、切換爪43が反転ソレノイド105に駆動されて2点鎖線で示す位置に切り換わるようになっている。
このとき、読取モータ103によって駆動される排紙駆動ローラ42a及び排紙下従動ローラ42cと、反転モータ104により駆動されるスイッチバックローラ対としての反転ローラ対45により原稿がスイッチバック通路46aに搬送される。
コントローラ100は、読取出口ローラ対40の下流側に設けられた読取出口センサ47によって原稿の後端が検出されてから読取モータ103の駆動パルスが所定パルスに達すると、原稿の後端が排紙ローラ対42(排紙駆動ローラ42aと排紙従動上ローラ42b)を抜け出たものと判断して、反転ソレノイド105をオフにして切換爪44を実線で示す位置に移動させるようになっている。
また、コントローラ100は、前述したように読取モータ103の駆動パルスが所定パルスに達した後に、反転モータ104を逆転駆動して反転ローラ対45を逆転駆動することにより、原稿をプルアウトローラ対36に向かってスイッチバックする。
このとき、読取モータ103の駆動方向は同一方向で、反転モータ104の駆動方向は逆方向となり、処理時間短縮のために反転モータ104及び読取モータ103を高速駆動する。
また、コントローラ100は、原稿がスイッチバックを始めると反転モータ104の駆動パルスが所定パルスになった後に、給紙モータ102を高速に逆転駆動して原稿をプルアウトローラ対36に向かって高速搬送する。
また、再給紙通路46bを搬送される原稿の後端が反転センサ49によって検出されると、コントローラ100は、反転センサ49からの検出情報に基づいて反転ローラ対45の逆転駆動を停止するようになっている。
この後、プルアウトローラ対36によって原稿のスキュー補正をして前述したようにして原稿の片面を読取り、再度スイッチバック通路46aでスイッチバックした後、再給紙通路46bを通して読取位置80に向かって搬送し、原稿の読取りを行わずに原稿面を備えるための反転動作を行って原稿を排紙トレイ43に排紙する。
また、排紙ローラ対42の上流側には排紙センサ50が設けられており、この排紙センサ50は原稿の後端を検出してコントローラ100に信号を出力するようになっており、コントローラ100はこの検出情報に基づいて原稿が排紙されたものと判断する。
また、コントローラ100は突当てセンサ35、読取入口センサ39、レジストセンサ41、読取出口センサ47、反転センサ49、排紙センサ50などからの検出情報及び原稿サイズセンサ25〜27からの検出情報に基づいてジャム判定を行い、ジャムが発生した場合に、表示部48によってジャム表示を行うようになっている。
また、図1において、複写機21の本体21a内には、画像読取装置81が設けられており、この画像読取装置81によって読取られた画像情報は書込部82によって感光体ドラム83に照射されるようになっている。
画像読取装置81は、コンタクトガラス22a又はスリットガラス22b上の原稿を照明する光源81aと、原稿から反射された光をそれぞれ反射する第1ミラー81b、第2ミラー81c、第3ミラー81dと、第3ミラー81dから反射された光をCCDイメージセンサ81fに結像するレンズ81eと、レンズ81eによって結像された光を電気信号に変換するCCDイメージセンサ81fとを備えている。
光源81a及び第1ミラー81bは図示しない第1走行体に取付けられているとともに、第2ミラー81cと及び第3ミラー81dは第2走行体に取付けられており、第1走行体及び第2走行体はコンタクトガラス22a及びスリットガラス22bに沿って図1中、移動するようになっている。
そして、第1走行体及び第2走行体は、コンタクトガラス22aに載置された原稿を読取るときには、コンタクトガラス22aの下方で図1中、左右方向に移動され、スリットガラス22bを通過する原稿を読取るときには、スリットガラス22bの下方で停止される。
書込部82は、画像読取装置81によって読取った画像情報に応じて光変調したレーザ光を照射し、帯電させた感光体ドラム83の表面をこのレーザ光で露光するようになっている。
感光体ドラム83の周囲には、感光体ドラム83とともに画像形成手段を構成する現像装置86、転写ベルト87、クリーニング装置88、図示しない帯電装置及び除電装置が設けられている。帯電装置は暗中にプラス電荷のコロナ放電をグリッドにより制御して感光体ドラムの表面を一定電位に帯電させるようになっている。
書込部82はこの一定電位に帯電された感光体ドラム83上に画像情報を含んだレーザビームを照射して感光体ドラム83上のマイナス電荷を除去して静電潜像を形成する。
現像装置は感光体ドラム83上の電気除去された部分にマイナスに帯電されたトナーを付着させて可視像を形成する。転写ベルト87にはプラスのバイアスが印加されており、この転写ベルト87はマイナスに帯電された可視像を記録媒体としての転写紙(用紙)に転写して搬送するようになっている。
クリーニング装置88はクリーニングブレードを備えており、感光体ドラム83に残ったトナーを掻き落とすようになっている。除電装置はLEDを点灯させることにより感光体ドラム83の残留電荷を除去して次の転写紙に新たな画像を形成するための準備を行う。
このようにして画像が形成された転写紙は定着装置90に搬送され、定着装置90によりトナー画像が転写紙に定着される。
また、本体21a内にはそれぞれ異なるサイズの転写紙S1〜S5が収納された収納カセット91〜95が設けられており、この収納カセット91〜95に収納された転写紙は呼出しローラ91a〜95aによって給紙された後、搬送方向に回転する給紙ローラ91b〜95b及び給紙ローラ91b〜95bに摺接し、分離方向に回転するリバースローラ91c〜95cによって分離された後、中継ローラ対96、97を介してレジストローラ対98に搬送され、レジストローラ対98によってタイミングを取られて感光体ドラム83と転写ベルト87の間の搬送路に搬送される。
図4〜図6に基づいて読取ガイド108の取り付け方法及び形状を説明する。図4は読取ガイド801の取り付け方法を示す分解図であり、図5は読取ガイド801における奥側軸801aの上下方向の変位を示す断面図であり、図6は読取ガイド801の水平方向の回動を示す断面図である。
図4において、ADF23の筐体802(例えば、主走査方向の奥側の側板)には、支持部材(ステー)803を取り付けるための嵌合穴802b、802cと、読取ガイド801の奥側軸801aを取り付けるための長穴802aと、が穿たれている。支持部材803の底面には、例えば、いわゆる「板バネ」からなる加圧プレート804、805を取り付けるためのネジ穴と、主走査方向における読取ガイド801の手前側端(図中、左)を取り付けるためのネジ穴と、が穿たれている。また、支持部材803の主走査方向の奥側の端面には、前述の嵌合穴802b、802cに嵌合するための嵌合部(不図示)が突出して形成されている。読取ガイド801は、副走査方向に曲折されている。この曲折により、主走査方向に延在する複数のガイド面が形成されている。また、主走査方向における読取ガイド801の両端の凸部は曲折されている。更に、主走査方向の手前側の曲折された前記凸部には、加圧プレート805の一端部に圧接させるための接触片が形成されるとともに、この接触片の一端側には、読取ガイド801を支持部材803に取り付けるためのネジ穴が穿たれている。前記接触片は、読取ガイド801のガイド面801h(底面)と略平行に形成されている。また、主走査方向の奥側の曲折された前記凸部には、加圧プレート804の一端部に圧接させるための接触片が形成され、同じく奥側の曲折された端面には、読取ガイド801の奥側軸801aが主走査方向に突出して形成されている。前記接触片は、読取ガイド801のガイド面801h(底面)と略平行に形成され、前記奥側の端面は、ガイド面801hと略垂直となっている。
ここで、読取ガイド801を取り付ける場合、例えば、第1の手順として、ネジ821、822を用いて締結することにより支持部材803に加圧プレート804、805を取り付ける。第2の手順として、段ネジ806を用いて締結することにより支持部材803に読取ガイド801を取り付ける。ここで、読取ガイド801の双方の接触片に、加圧プレート804、805がそれぞれ圧接することになる。第3の手順として、支持部材803の前記嵌合部を嵌合穴802b、802cに嵌合することによって筐体802に支持部材803を取り付け、更に、奥側軸801aを長穴802aに挿入することによって筐体802に読取ガイド801を取り付ける。
図5に示すように、支持部材803及び筐体802に取り付けた読取ガイド801において、奥側軸801aは、長穴802aによって副走査方向(図4中、左右方向)の変位を規制されるが、長穴802aの長手方向のサイズに応じて上下方向の変位(図5中、矢印で示す)は可能である。即ち、読取ガイド801は上下方向に変位可能である。また、奥側軸801aは、長穴802aと摺動回転することが可能である。この摺動回転は段ネジ806の径と、読取ガイド801の前記ネジ穴の径と、のガタ(間隙)を利用している。即ち、読取ガイド801は、奥側軸801aを中心として回動可能である。更に、段ネジ806の段付部分と読取ガイド801の前記ネジ穴とが摺動することにより、主走査方向の手前側端についても、読取ガイド801は上下方向に変位可能である。
ここでは、支持部材803及び筐体802に対し、1本の段付ネジ806で読取ガイド801を脱着可能であるため、従来の技術と比べてメンテナンスあるいは組み付け工程が簡素化され、組み付け作業が軽減されることになる。また、支持部材803の底面に取り付けられた加圧プレート804、805は、板バネの弾性によって読取ガイド801を下方に加圧し、スリットガラス22bに押し付けて所定のギャップ量を保つようにしている。なお、板バネに換えて例えば、圧縮スプリングを用いてもよいが、その場合は圧縮スプリングをガイドするための機構が必要になる。ここでは、加圧プレート804、805を板バネで構成することにより、組み付け性の向上及び省スペース化を実現している。また、ADF23の筐体802としての主走査方向の奥側の側板に読取ガイド801を取り付けた構成に換えて、例えば、読取ガイド801を含む搬送ユニットとして一体化した構成としてもよい。更に、ADF23の筐体802と支持部材803を一体化した構成としてもよい。
図6において、(a)、(b)は本実施形態における読取ガイド801の動作を示し、(c)は比較例としての読取ガイド801′の動作を示している。ここで、読取ガイド801′の支持軸としての奥側軸801a′は固定されている。比較例と本実施形態とは、主走査方向に延在する複数のガイド面のうち、比較例におけるスリットガラス22bと略平行なガイド面801h′の幅サイズ(副走査方向の長さ)と、本実施形態の読取ガイド801が回動しない状態でスリットガラス22bと略平行なガイド面801hの幅サイズと、が相違している。
図6(a)に示すように、読取ガイド801は、主走査方向に延在する複数のガイド面801e、801f、801h、801iを有している。ここでは、比較例としての読取ガイド801′のガイド面801h′に対し、読取ガイド801のガイド面801hにおける副走査方向の下流側端を更に延長している。具体的には、ガイド面801hをスリットガラス22bの副走査方向の下流側端よりも下流に延長し、ガイド面801hとこれに連なるガイド面801iとが略L字となるように曲折している。なお、比較例としての読取ガイド801′のガイド面801i′は、スリットガラス22bの下流に隣接する、すくい上げ部材860と略平行になっている。
図6(a)に示すように読取ガイド801のガイド面801hを下流に延長すると、原稿Pがスリットガラス22bを擦ることで発生した紙粉が、図6(c)に示す比較例による読取位置80付近よりも更に下流に滞留するので、縦スジの発生確率をより低減することになる。ここで、読取ガイド801は前述のように奥側軸801aを中心に回動可能であるため、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したとき、図6(b)に示すように読取ガイド801は図中、点線矢印で示す方向に回動する。この回動により、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときの負荷変動が小さくなり、ショックジターを抑えることが可能になる。
なお、図6(c)に示す比較例において、原稿Pから発生する紙粉は、読取ガイド801と読取ガラス22bの間で擦られることにより発生し、読取位置80の付近に滞留する。この滞留した紙粉により縦スジの発生する確率が高まる。この縦スジの対策として、読取ガイド801′のガイド面801h′を下流へと延長し、紙粉の滞留位置を読取位置80よりも十分下流に移動させることが考えられるが、ここでは、奥側軸801a′が固定されているため、下流へと延長したガイド面801h′(不図示)と原稿スケールのすくい上げ部材860のギャップが相対的に狭くなり、負荷変動が大きくなる。したがって、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときに発生する速度変動(ショックジター)の増大を回避することは難しい。
以上のように構成された複写機21について、図7〜図11を用いてその原稿の搬送動作(給紙、読取り)を説明する。図7〜図11のフローチャートはコントローラ100によって制御される搬送制御プログラムに相当する。ここでは、操作部108の操作により、読取り動作モードとして例えば、原稿の片面のみを読取る片面モード、原稿の両面を読取る両面モード、異なるサイズの原稿を混載して読取る混載モードを設定するようにしている。また、給紙動作も前記動作モードに応じて行われる。なお、本実施形態では読取り動作として片面モードの場合のみを示し、他を省略する。
まず、図7において、コントローラ100は原稿サイズセンサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿テーブル24に原稿束Pがセットされたか否かを判別する(ステップS1)。
次いで、操作部108のプリントキーが押下されると、本体制御部111からI/F107を介してコントローラ100に原稿給紙信号が送信されるため、コントローラ100は給紙モータ102を時計回転方向に正転駆動する(ステップS2)。このとき、ストッパ爪28が原稿束Pの先端から退避する。
次いで、コントローラ100はホームポジションセンサ34からの検出情報に基づいてストッパ爪28が退避対置に移動したか否かを判別し(ステップS3)、ストッパ爪28が退避位置に移動した場合には、呼出しモータ101を逆転駆動する(ステップS4)。
次いで、コントローラ100は呼出しローラ31が当接位置に移動したか否かを判別し(ステップS5)、呼出しローラ31が当接位置に移動したものと判断した場合には、原稿サイズセンサ25〜27からの検出情報に基づいて原稿の長さを取得した後(ステップS7)、給紙モータ102を時計回転方向に正転駆動する(ステップS8)。このため、呼出しローラ31によって原稿束Pから最上位に位置する原稿が分離された後、給紙ベルト32及びリバースローラ33によって最上位に位置する原稿が分離される。
次いで、コントローラ100は突当てセンサ35がオンしたか否かを判別し(ステップS9)、突当てセンサ35がオンしない場合には、ジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS10)。コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、突当て未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS11)。
一方、ステップS23で突当てセンサ35がオンになったものと判断した場合には、突当て量をカウントする(ステップS12)。即ち、コントローラ100は突当てセンサ35とプルアウトローラ対36の距離よりも大きく設定された所定量Xmmに相当する、給紙モータ102の駆動パルスのカウントを開始する。
次いで、図8に示すように、コントローラ100は呼出しモータ101を反時計回転方向に逆転駆動した後(ステップS13)、呼出しローラ31が退避位置に移動したか否かを判別し(ステップS14)、呼出しローラ31が退避位置に移動した場合には、呼出しモータ101を停止する(ステップS15)。
次いで、コントローラ100は給紙モータ102のパルスカウントが突当て量(Xmmに相当する所定パルス)に到達したか否かを判別し(ステップS16)、パルスカウントが所定パルスに到達した場合には、両面モード、原稿の搬送長が所定長以下及び搬送原稿が2枚目以降であるか否かを判別する(ステップS17)。なお、給紙モータ102が所定パルスに到達した時点では、原稿が所定量の撓みを持ってプルアウトローラ対36に押し当てられた状態になり原稿のスキューが矯正される。
コントローラ100はステップS17で片面モード、原稿の搬送長が所定長以上及び搬送原稿が2枚目以降でないものと判断した場合には、図9のステップS18に進み、両面モード、原稿の搬送長が所定長以下及び搬送原稿が2枚目以降であるものと判断した場合には図9のステップS19に進む。
コントローラ100はステップS18では遅延時間が前述したTdlであるか否かを判別し、遅延時間がTdl以上であるものと判断した場合には、ステップS19に進む。
ステップS19では、コントローラ100は給紙モータ102の電流の切換えをオンにして給紙モータ102を高速で駆動する(ステップS19)。給紙モータ102が逆転駆動されると、プルアウトローラ対36は駆動されるが、プーリ(不図示)のワンウェイクラッチの作用により呼出しローラ31と給紙ベルト32に駆動力は伝達されないので、原稿はプルアウトローラ対36によって搬送される。
次いで、コントローラ100は原稿幅センサ38がオンしたか否かを判別し(ステップS20)、原稿幅センサ38がオンした場合には、コントローラ100は原稿幅センサ38からの検出情報に基づいて原稿の幅情報を取得する(ステップS21)。この結果、コントローラ100は原稿サイズセンサ25〜27の原稿長さ情報と原稿幅センサ38からの幅情報との組合せにより原稿テーブル24上に積載された原稿束Pのサイズ情報を把握することができる。
このとき、原稿はプルアウトローラ対36及び読取入口ローラ対37に挟持されて読取位置80に向かって搬送される。この際には原稿搬送速度を高速に設定されるので、原稿を読取位置80に送り込む処理時間の短縮を図ることができる。特に、2枚目以降の原稿ではこの高速搬送により前原稿との紙間を短縮することで生産性を向上させることができる。
次いで、コントローラ100は混載モードがオフになっているか否かを判別し(ステップS22)、混載モードがオフになっている場合には、本体制御部111に原稿テーブル24上に積載された原稿束Pのサイズ情報を送信する(ステップS23)。
次いで、コントローラ100は読取入口センサ39によって原稿の先端が検出されたか否かを判別し(ステップS24)、読取入口センサ39がオンしない場合には、ジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS25)。コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、先端検出未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS26)。
一方、ステップS36で読取入口センサ39がオンになったものと判断した場合には、突当て量の補正カウントをスタートする(ステップS27)。即ち、コントローラ100は読取入口センサ39と読取入口ローラ対37の距離よりも大きく設定された所定量Ymmに相当する、給紙モータ102の駆動パルスのカウントを開始する。
次いで、コントローラ100は給紙モータ102のパルスカウントが突当て量(Ymmに相当する所定パルス)に到達したか否かを判別し(ステップS28)、パルスカウントが所定パルスに到達した場合には、給紙モータ102を停止して(ステップS29)、本体制御部111にレジスト停止信号を送信した後(ステップS30)、読取位置80までの搬送制御を終了する。また、給紙モータ102が所定パルスに到達した時点では、原稿が所定量の撓みを持って読取入口ローラ対37に押し当てられた状態になり原稿のスキューが補正される。
図10は、読取り時(片面モード)における原稿の搬送制御プログラムのフローチャートである。図10において、コントローラ100は片面モードの場合、読取モータ103の速度を読取倍率から設定した後(ステップS32)、続いて本体制御部111から読取開始信号を受信すると、原稿読取動作を開始する。
コントローラ100は読取モータ103を正転駆動して読取入口ローラ対37及び読取出口ローラ40を読取倍率に応じた搬送速度で駆動する(ステップS33)。次いで、コントローラ100は原稿の先端がレジストセンサ41によって検出されたか否かを判別し(ステップS34)、原稿の先端が検出されると、読取モータ103のパルスカウントを開始する(ステップS35)。
次いで、コントローラ100は、読取モータ103のパルスカウント値がレジストセンサ41とスリットガラス22b上の読取位置80の距離に相当する表面所定パルスになったか否かを判別する(ステップS36)。
コントローラ100はカウント値が表面所定パルスに到達したものと判断した場合には、原稿のスリップ率などを考慮した補正パルスが表面所定パルスになったか否かを判別する(ステップS37)。
コントローラ100は補正パルスが表面所定パルスに到達したものと判断した場合には、原稿先端が読取位置80に到達するタイミングで、本体制御部111に対して副走査方向有効画像領域を示すゲート信号を送信した後(ステップS38)、表面ゲートカウントのカウントを開始する(ステップS39)。
次いで、コントローラ100は排紙センサ50によって原稿の先端が検出されたか否かを判別し(ステップS40)、排紙センサ50によって原稿の先端が検出されていないものと判断した場合には、ジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS41)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、排紙未達ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS42)。
一方、ステップS40で排紙センサ50がオンになったものと判断した場合には、図11に示すようにコントローラ100はレジストセンサ41がオフであるか否かを判別し(ステップS43)、レジストセンサ41がオフでないものと判断した場合には、ジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS44)。コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、レジスト滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS45)。
また、コントローラ100はレジストセンサ41がオフであるものと判断した場合には、読取モータ103のパルスをカウントする後端カウントをスタートする(ステップS46)。
次いで、コントローラ100は読取モータ103のパルスのカウント値が表面所定パルスに達したか否かを判別し(ステップS47)、表面所定パルスに達したものと判断した場合には、ゲートカウント値が原稿長よりも大きくなったか否かを判別する(ステップS48)。
コントローラ100はゲートカウント値が原稿長よりも大きくなったものと判断した場合には、副走査方向有効画像領域を示すゲート信号の送信を停止する(ステップS49)。
次いで、コントローラ100は排紙センサ50がオフになったか否かを判別し(ステップS50)、排紙センサ50がオフになっていないものと判断した場合には、ジャム検出時間オーバーか否かを判別する(ステップS51)。
コントローラ100はジャム検出時間オーバーであるものと判断した場合には、排紙滞留ジャムと判断して表示部48にジャム表示を行う(ステップS52)。また、コントローラ100は排紙センサ50がオフになったものと判断した場合には、排紙完了を示す信号を本体制御部111に送信して(ステップS53)、処理を終了する。
ここで、従来のシートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置では、前述したように読取ガイドの組み付けが複雑になる傾向に問題があったが、これに加えて、読取ガイドの構成を簡素にしながら定常ジター又はショックジターを低減し、スジの発生を回避する点についても更に改善の余地があった。
これに対し、本発明の第1の実施形態としての複写機21によれば、シートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23において、スリットガラス22bと対向配置した読取ガイド801(ガイド手段に相当する)と、読取ガイド801がスリットガラス22bを加圧するように付勢する加圧プレート104、105(加圧手段に相当する)と、スリットガラス22bに対して副走査方向の下流に隣接し、搬送されてきた原稿の先端をすくい上げるすくい上げ部材860と、を備え、筐体802(奥側の側板)と支持部材803(ステー)の2箇所(筐体側の2箇所に相当する)で主走査方向における読取ガイド801の両端を支持した構成を有している。
この構成により、読取ガイド801は、自動原稿搬送装置23の筐体に対して単純に2点をもって支持されるので、読取ガイド801の取り付け性を向上させることができる。また、2点をもって支持されるため、取り付けに要する読取ガイド801の構成を簡略することができる。
また、本実施形態によれば、主走査方向における読取ガイド801の一端の奥側軸801aを筐体802の長穴802aで支持するとともに他端を支持部材803に段ネジ806で締結し、読取ガイド801が奥側軸801aを中心とし、かつ段ネジ806のガタ(間隙)によって回動するようにした構成を有している。
この構成により、1本の段ネジ806で読取ガイド801を容易に取り付けることができる。
また、本実施形態によれば、読取ガイド801は、略水平なスリットガラス面に対して平行なガイド面801h(水平ガイド面に相当する)を有し、副走査方向におけるガイド面801hの下流側端は、読取ガイド801の回動中心(筐体側の2箇所に相当する)に対して更に下流ですくい上げ部材860と対向し、搬送されてきた原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達すると、読取ガイド801が副走査方向に倣って、図6中、反時計回りに回動するようにした構成を有している。
この構成により、読取ガイド801の水平なガイド面801hを読取位置80よりも副走査方向の下流に位置させ、紙粉の滞留位置を読取位置80より下流に離すことができるとともに、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達した際の衝撃を、読取ガイド801が回動することにより緩和し、ショックジターを抑えることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態としての読取ガイドの取り付け方法及び形状を図12〜図14に示す。図12は読取ガイド801の取り付け方法を示す分解図であり、図13は読取ガイド801における手前側軸816の支持状態を示す概略断面図であり、図14は読取ガイド801の副走査方向の概略断面図である。なお、本実施形態は、読取ガイドの取り付け方法及びの形状を除いて第1の実施形態と概ね同様であるため、図1〜図3を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。
図12において、ADF23の筐体802(例えば、主走査方向の奥側の側板)には、支持部材(ステー)803を取り付けるための嵌合穴802b、802cと、奥側軸801aを取り付けるための長穴802aと、が穿たれている。支持部材803の底面には、加圧プレート804、805を取り付けるためのネジ穴と、読取ガイド801の主走査方向の手前側端(図中、左)を支持するブラケット807を取り付けるためのネジ穴と、が穿たれている。また、支持部材803の主走査方向の奥側の端面には、前述の嵌合穴802b、802cに嵌合するための嵌合部(不図示)が突出して形成されている。前記ブラケット807は、断面略L字状であって、その一面には支持部材803の底面(ネジ穴)に取り付けるためのネジ穴が形成され、他面には読取ガイド801の手前側軸816を取り付けるための長穴が形成されている。この長穴は、長穴802aと同一の形状をなしている。
読取ガイド801は、副走査方向に曲折されている。この曲折により、主走査方向に延在する複数のガイド面が形成されている。また、主走査方向における読取ガイド801の両端の凸部は曲折されている。更に、主走査方向の手前側の曲折された凸部には、加圧プレート805の一端部に圧接させるための接触片が形成されるとともに、この接触片に略垂直な前記手前側の曲折された凸部の端面には、読取ガイド801の手前側軸816が突出して形成されている。前記接触片は、読取ガイド801のガイド面801h(底面)と略平行に形成されている。また、主走査方向の奥側の曲折された凸部には、加圧プレート804の一端部に圧接させるための接触片が形成され、この接触片に略垂直な前記奥側の曲折された凸部の端面には、読取ガイド801の奥側軸801aが突出して形成されている。
ここで、読取ガイド801を取り付ける場合、例えば、第1の手順として、ネジ821、822を用いて締結することにより支持部材803に加圧プレート804、805を取り付け、更にネジ(不図示)を用いて締結することにより支持部材803にブラケット807を取り付ける。第2の手順として、ブラケット807の前記長穴に手前側軸816を挿入することにより支持部材803に読取ガイド801を取り付ける。第3の手順として、支持部材803の前記嵌合部を嵌合穴802b、802cに嵌合することによって筐体802に支持部材803を取り付け、更に、奥側軸801aを長穴802aに挿入することによって筐体802に読取ガイド801を取り付ける。ここで、読取ガイド801の双方の接触片に、加圧プレート804、805がそれぞれ圧接している。
図13に示すように、支持部材803に締結したブラケット807及び筐体802に取り付けた読取ガイド801において、手前側軸816及び奥側軸801aは、ブラケット807の前記長穴及び長穴802aの短径サイズに応じて副走査方向(図中、左右方向)の変位を規制されるが、長径サイズに応じて上下方向の変位は可能である。即ち、読取ガイド801は上下方向に変位可能である。また、手前側軸816及び奥側軸801aは、ブラケット807の前記長穴及び長穴802aとそれぞれ摺動回転することが可能である。この摺動回転は手前側軸816及び奥側軸801aの径と、ブラケット807の前記長穴及び長穴802aの短径と、のガタ(間隙)を利用している。即ち、読取ガイド801は、手前側軸816及び奥側軸801aを中心として回動可能である。
ここでは、支持部材803及び筐体802に対し、ブラケット807と1本のネジとで読取ガイド801を脱着可能であるため、従来の技術と比べてメンテナンスあるいは組み付け工程が簡素化され、組み付け作業が軽減されることになる。また、支持部材803の底面に取り付けられた加圧プレート804、805は、板バネの弾性によって読取ガイド801を下方に加圧し、スリットガラス22bに押し付けて所定のギャップ量を保つようにしている。なお、板バネに換えて例えば、圧縮スプリングを用いてもよいが、その場合は圧縮スプリングをガイドするための機構が必要になる。ここでは、加圧プレート804、805を板バネで構成することにより、組み付け性の向上及び省スペース化を実現している。また、ADF23の筐体802としての主走査方向の奥側の側板に読取ガイド801を取り付けた構成に換えて、例えば、読取ガイド801を含む搬送ユニットとして一体化した構成としてもよい。また、ADF23の筐体802と支持部材803を一体化した構成としてもよい。更に、読取ガイド801に長穴(ブラケット807の前記長穴に相当する)を穿ち、ブラケット807に支持軸(手前側軸816に相当する)を設け、前記支持軸を読取ガイド801の前記長穴に挿入する構成としてもよい。この構成により、読取ガイド801はブラケット807の前記支持軸により回動可能に軸支されることになる。
図14において、読取ガイド801は、主走査方向に延在する複数のガイド面801e、801f、801h、801iを有している。ここで、ガイド面801hとこれに連なるガイド面801iとが略L字となるように曲折している。また、ガイド面801hの副走査方向の下流側端は、スリットガラス22bの副走査方向の下流側端よりも更に下流で、すくい上げ部材860と対向している。更に、ガイド面801hの両側(主走査方向の両端)には、このガイド面801hとスリットガラス22bが対向する位置に、ガイド面801hとスリットガラス22bのギャップ量の変化を抑えるためのスペース部材(高さ決め部材)820a、820bを設けている。スペース部材820aは、読取位置80の副走査方向の上流でかつガイド面801hにおける副走査方向の上流側端の近傍にある。スペース部材820bは、読取位置80の副走査方向の下流でかつスリットガラス22bにおける副走査方向の下流側端の近傍にある。また、スペース部材820aとスペース部材820bは、読取ガイド801の回転中心としての手前側軸816及び奥側軸801aの両側にある。即ち、前記回転中心に対して副走査方向の上流と下流にある。
ここで、読取ガイド801は前述のように手前側軸816及び奥側軸801aを中心に回動可能であるため、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したとき、読取ガイド801は図14中、反時計方向に回動する。この回動により、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときの負荷変動が小さくなるため、前述のショックジターを抑えることができる。また、前述のスペース部材820a、820bにより読取ガイド801の挙動を調整して、読取ガイド801とスリットガラス22bのギャップ量の変化を抑えることができるため、定常ジターを抑えることが可能になる。なお、スペース部材820a、820bは、読取ガイド801を半抜きにして形成するのが一般的であり、ガイド面は通常、白色で塗装されることが多いが、塗装の膜厚によりギャップが管理できない場合がある。この場合、スペース部材820a、820b及びその周辺をマスキングし、塗装が入らないようにすることで、より精密な高さを出すことが可能となる。
ここで、従来のシートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置では、前述したように読取ガイドの組み付けが複雑になる傾向に問題があったが、これに加えて、読取ガイドの構成を簡素にしながらショックジター又は定常ジターを低減し、スジの発生を回避する点についても更に改善の余地があった。
これに対し、本発明の第2の実施形態としての複写機21によれば、シートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23において、主走査方向における読取ガイド801の奥側軸801a及び手前側軸816を筐体802及びブラケット807に穿たれた同一形状の長穴で支持し、読取ガイド801が同軸回りに回動するようにした構成を有している。
この構成により、読取ガイド801の挙動を主走査方向の手前側、奥側とも同じにすることができるので、ショックジターが安定する。
また、本実施形態によれば、読取ガイド801は、略水平なスリットガラス面に対して平行なガイド面801h(水平ガイド面に相当する)を有し、副走査方向におけるガイド面801hの下流側端は、読取ガイド801の奥側軸801a及び手前側軸816に対して更に下流ですくい上げ部材860と対向し、搬送されてきた原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達すると、読取ガイド801が副走査方向に倣って、図6中、反時計回りに回動するようにした構成を有している。更に、主走査方向におけるガイド面801hの両端で、かつ副走査方向における奥側軸801a及び手前側軸816の上流及び下流に、スリットガラス面とガイド面801hのギャップを保つためのスペース部材820a、820b(凸部に相当する)を形成した構成を有している。
この構成により、読取ガイド801の水平なガイド面801hを読取位置80よりも副走査方向の下流に位置させ、紙粉の滞留位置を読取位置80より下流に離すことができるとともに、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達した際の衝撃を、読取ガイド801が回動することにより緩和し、ショックジターを抑えることができる。更に、読取ガイド801が回動しないときの安定性を向上させ、所定のギャップ量を保つことにより原稿Pの搬送品質を向上させることができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態としての読取ガイドの取り付け方法及び形状を図15、図16に示す。図15は主走査方向の手前側における読取ガイド801の取り付け方法を示す主走査方向の概略断面図であり、図16は読取ガイド801の副走査方向の概略断面図である。なお、本実施形態は、読取ガイドの取り付け方法及びの形状を除いて第2の実施形態と概ね同様であるため、図1〜図3を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。
図15(a)において、ADF23の筐体802(例えば、主走査方向の奥側の側板)には、前述したように長穴802aが穿たれており、この長穴802aに奥側軸801aが挿入される。更に、読取ガイド810の主走査方向の手前側と奥側を同軸状にするため、筐体810(例えば、主走査方向の手前側の側板)には、段ネジ830の径に応じて、長穴802aと対応する位置に同形状又は相似形状の長穴(不図示)が穿たれており、この長穴に手前側から段ネジ830にて読取ガイド801の手前側端を締結する。ここで、読取ガイド801の手前側は前述したように曲折されており、加圧プレート805を圧接するための前記接触片が形成されている。また、第2の実施形態を適用して読取ガイド801を支持部材803に取り付ける場合は、ブラケット807の一面の前記ネジ穴を通し、前記ネジにて支持部材803の底面に取り付ける。
図15(b)において、読取ガイド810は、前述したように主走査方向の手前側及び奥側とも筐体の両側板に回動可能に軸支されている。筐体802、810に取り付けた読取ガイド801において、手前側端を締結している段ネジ830及び奥側軸801aは、筐体810の前記長穴及び長穴802aの短径サイズに応じて副走査方向(図中、左右方向)の変位を規制されるが、長径サイズに応じて上下方向の変位は可能である。即ち、読取ガイド801は上下方向に変位可能である。また、手前側端を締結している段ネジ830及び奥側軸801aは、筐体810の前記長穴及び長穴802aとそれぞれ摺動回転することが可能である。この摺動回転は段ネジ830及び奥側軸801aの径と、筐体810の前記長穴及び長穴802aの短径と、のガタ(間隙)を利用している。即ち、読取ガイド801は、段ネジ830及び奥側軸801aを中心として回動可能である。
ここでは、筐体802、810に対し、1本の段ネジで読取ガイド801を脱着可能であるため、従来の技術と比べてメンテナンスあるいは組み付け工程が簡素化され、組み付け作業が軽減されることになる。また、支持部材803の底面に取り付けられた加圧プレート804、805は、板バネの弾性によって読取ガイド801を下方に加圧し、スリットガラス22bに押し付けて所定のギャップ量を保つようにしている。なお、板バネに換えて例えば、圧縮スプリングを用いてもよいが、その場合は圧縮スプリングをガイドするための機構が必要になる。ここでは、加圧プレート804、805を板バネで構成することにより、組み付け性の向上及び省スペース化を実現している。
図16において、読取ガイド801は、主走査方向に延在する複数のガイド面801e、801f、801h、801iを有している。ここで、ガイド面801hとこれに連なるガイド面801iとが略L字となるように曲折している。また、ガイド面801hの副走査方向の下流側端は、スリットガラス22bの副走査方向の下流側端よりも更に下流で、すくい上げ部材860と対向している。更に、ガイド面801hの両側(主走査方向の両端)には、このガイド面801hとスリットガラス22bが対向する位置に、ガイド面801hとスリットガラス22bのギャップ量の変化を抑えるためのスペース部材(高さ決め部材)820bを設けている。このスペース部材820bは、読取位置80の副走査方向の下流でかつスリットガラス22bにおける副走査方向の下流側端の近傍にある。また、スペース部材820bは、読取ガイド801の回転中心に対して副走査方向の下流にある。
ここで、読取ガイド801は前述のように段ネジ830及び奥側軸801aを中心に回動可能であるため、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したとき、読取ガイド801は図16中、反時計方向に回動する。この回動により、スペース部材のない副走査方向の上流側における読取ガイド801とスリットガラス22bのギャップが狭くなり、スペース部材820bのある下流側のギャップが広がる傾向にある。このギャップの拡大により、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときの負荷変動が小さくなるため、前述のショックジターを抑えることができる。なお、スペース部材820bは、読取ガイド801を半抜きにして形成するのが一般的であり、ガイド面は通常、白色で塗装されることが多いが、塗装の膜厚によりギャップが管理できない場合がある。この場合、スペース部材820b及びその周辺をマスキングし、塗装が入らないようにすることで、より精密な高さを出すことが可能となる。
ここで、従来のシートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置では、前述したように読取ガイドの組み付けが複雑になる傾向に問題があったが、これに加えて、読取ガイドの構成を簡素にしながらショックジター又は定常ジターを低減し、スジの発生を回避する点についても更に改善の余地があった。
これに対し、本発明の第3の実施形態としての複写機21によれば、シートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23において、主走査方向における読取ガイド801の奥側軸801aを筐体802に穿たれた長穴で支持し、読取ガイド801の手前側端を筐体810に段ネジ830で締結し、読取ガイド801が同軸回りに回動するようにした構成を有している。
この構成により、読取ガイド801の挙動を主走査方向の手前側、奥側とも同じにすることができるので、ショックジターが安定する。
また、本実施形態によれば、読取ガイド801は、略水平なスリットガラス面に対して平行なガイド面801h(水平ガイド面に相当する)を有し、副走査方向におけるガイド面801hの下流側端は、読取ガイド801の奥側軸801a及び段ネジ830に対して更に下流ですくい上げ部材860と対向し、搬送されてきた原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達すると、読取ガイド801が副走査方向に倣って、図16中、反時計回りに回動するようにした構成を有している。更に、主走査方向におけるガイド面801hの両端で、かつ副走査方向における奥側軸801a及び段ネジ830の下流に、スリットガラス面とガイド面801hのギャップを保つためのスペース部材820b(凸部に相当する)を形成した構成を有している。
この構成により、読取ガイド801の水平なガイド面801hを読取位置80よりも副走査方向の下流に位置させ、紙粉の滞留位置を読取位置80より下流に離すことができるとともに、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達した際の衝撃を、読取ガイド801が回動することにより緩和し、ショックジターを抑えることができる。更に、スペース部材820bを支点に回動可能であるため、読取ガイド801の回動性が高まる。また、読取入口側のギャップが常に出口側より狭くなることにより、原稿Pの先端が読取位置80に進入したときの姿勢変化を最小限に抑え、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときのショックジターが低減される。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態としての読取ガイドの形状を図17に示す。なお、本実施形態は、読取ガイドの形状を除いて第3の実施形態と概ね同様であるため、図1〜図3を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。
図17において、読取ガイド801は、主走査方向に延在する複数のガイド面801e、801f、801h、801iを有している。ここで、ガイド面801hとこれに連なるガイド面801iとが略L字となるように曲折している。また、ガイド面801hの副走査方向の下流側端は、スリットガラス22bの副走査方向の下流側端よりも更に下流で、すくい上げ部材860と対向している。更に、ガイド面801hの両側(主走査方向の両端)には、このガイド面801hとスリットガラス22bが対向する位置に、ガイド面801hとスリットガラス22bのギャップ量の変化を抑えるためのスペース部材(高さ決め部材)840a、840bを設けている。このスペース部材840bは、読取位置80の副走査方向の下流で、段ネジ830、奥側軸801aの中心の副走査方向の下流でかつスリットガラス22bにおける副走査方向の下流側端の近傍にある。また、スペース部材840bは、読取ガイド801の回転中心に対して副走査方向の下流にある。これに対し、スペース部材840aは、読取位置80とスペース部材840bの中間にある。
ここで、読取ガイド801は前述のように段ネジ830及び奥側軸801aを中心に回動可能であるため、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したとき、読取ガイド801は図17中、反時計方向に回動する。この回動により、読取位置80に対して副走査方向の上流側における読取ガイド801とスリットガラス22bのギャップが狭くなり、スペース部材840a、840bのある下流側のギャップが広がる傾向にある。このギャップの拡大により、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときの負荷変動が小さくなるため、前述のショックジターを抑えることができる。なお、スペース部材840a、840bは、読取ガイド801を半抜きにして形成するのが一般的であり、ガイド面は通常、白色で塗装されることが多いが、塗装の膜厚によりギャップが管理できない場合がある。この場合、スペース部材840a、840b及びその周辺をマスキングし、塗装が入らないようにすることで、より精密な高さを出すことが可能となる。
なお、従来のシートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置では、前述したように読取ガイドの組み付けが複雑になる傾向に問題があったが、これに加えて、読取ガイドの構成を簡素にしながらショックジター又は定常ジターを低減し、スジの発生を回避する点についても更に改善の余地があった。
これに対し、本発明の第4の実施形態としての複写機21によれば、シートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23において、主走査方向におけるガイド面801hの両端で、かつ副走査方向における奥側軸801a及び段ネジ830の下流に、スリットガラス面とガイド面801hのギャップを保つためのスペース部材840a、840b(凸部に相当する)を形成した構成を有している。
この構成により、スペース部材840a、840bを支点に回動可能であるため、読取ガイド801の回動性が高まる。また、読取入口側のギャップが常に出口側より狭くなるので、原稿Pの先端が読取位置80に進入したときの姿勢変化を最小限に抑え、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときのショックジターが低減される。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態としての読取ガイドの形状を図18に示す。なお、本実施形態は、読取ガイドの形状を除いて第3の実施形態と概ね同様であるため、図1〜図3を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。
図18において、読取ガイド801は、主走査方向に延在する複数のガイド面801e、801f、801h、801iを有している。ここで、ガイド面801hとこれに連なるガイド面801iとが略L字となるように曲折している。また、ガイド面801hの副走査方向の下流側端は、スリットガラス22bの副走査方向の下流側端よりも更に下流で、すくい上げ部材860と対向している。更に、ガイド面801hの両側(主走査方向の両端)には、このガイド面801hとスリットガラス22bが対向する位置に、ガイド面801hとスリットガラス22bのギャップ量の変化を抑えるためのスペース部材(高さ決め部材)850を設けている。このスペース部材850は、読取ガイド801の回転中心(段ネジ830及び奥側軸801aの中心)に対して副走査方向の上流で、読取位置80の副走査方向の上流でかつガイド面801hにおける副走査方向の上流側端の近傍にある。
ここで、読取ガイド801は前述のように段ネジ830及び奥側軸801aを中心に回動可能であるため、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したとき、読取ガイド801は図中、反時計方向に回動する。この回動により、スペース部材のない、読取ガイド801の回転中心に対して副走査方向の下流側における、読取ガイド801とスリットガラス22bのギャップが広くなり、スペース部材850のある上流側のギャップが狭まる傾向にある。このギャップの拡大により、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときの負荷変動が小さくなるため、前述のショックジターを抑えることができる。なお、スペース部材850は、読取ガイド801を半抜きにして形成するのが一般的であり、ガイド面は通常、白色で塗装されることが多いが、塗装の膜厚によりギャップが管理できない場合がある。この場合、スペース部材850及びその周辺をマスキングし、塗装が入らないようにすることで、より精密な高さを出すことが可能となる。
なお、従来のシートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置では、前述したように読取ガイドの組み付けが複雑になる傾向に問題があったが、これに加えて、読取ガイドの構成を簡素にしながらショックジター又は定常ジターを低減し、スジの発生を回避する点についても更に改善の余地があった。
これに対し、本発明の第5の実施形態としての複写機21によれば、シートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23において、主走査方向におけるガイド面801hの両端で、かつ副走査方向における奥側軸801a及び段ネジ830の上流に、スリットガラス面とガイド面801hのギャップを保つためのスペース部材850(凸部に相当する)を形成した構成を有している。
この構成により、スペース部材850を支点に回動可能であるため、読取ガイド801の回動性が高まる。また、読取出口側のギャップが常に入口側より狭くなることにより、原稿Pの先端が読取位置80を抜けてすくい上げ部材860に達したときの姿勢変化を最小限に抑え、原稿Pの後端が読取入口ローラ対37を抜けたときに発生するショックジターが低減される。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態としての読取ガイドの形状を図19に示す。なお、本実施形態は、読取ガイドの形状を除いて第5の実施形態と概ね同様であるため、図1〜図3を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。
図19において、読取ガイド801は、主走査方向に延在する複数のガイド面801e、801f、801h、801iを有している。ここで、ガイド面801hとこれに連なるガイド面801iとが略L字となるように曲折している。また、ガイド面801hの副走査方向の下流側端は、スリットガラス22bの副走査方向の下流側端よりも更に下流で、すくい上げ部材860と対向している。更に、ガイド面801hの両側(主走査方向の両端)には、このガイド面801hとスリットガラス22bが対向する位置に、ガイド面801hとスリットガラス22bのギャップ量の変化を抑えるためのスペース部材(高さ決め部材)850a、850bを設けている。このスペース部材850aは、読取ガイド801の回転中心(段ネジ830及び奥側軸801aの中心)に対して副走査方向の上流で、読取位置80の副走査方向の上流でかつガイド面801hにおける副走査方向の上流側端の近傍にある。また、スペース部材850bは、読取ガイド801の回転中心(段ネジ830及び奥側軸801aの中心)に対して副走査方向の上流で、読取位置80の副走査方向の下流でかつガイド面801hにおける副走査方向の上流側端の近傍にある。
ここで、読取ガイド801は前述のように段ネジ830及び奥側軸801aを中心に回動可能であるため、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したとき、読取ガイド801は図中、反時計方向に回動する。この回動により、スペース部材のない、読取ガイド801の回転中心に対して副走査方向の下流側における、読取ガイド801とスリットガラス22bのギャップが広がり、スペース部材850a、850bのある上流側のギャップが狭まる傾向にある。このギャップの拡大により、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときの負荷変動が小さくなるため、前述のショックジターを抑えることができる。また、スペース部材850a、850bは、読取ガイド801を半抜きにして形成するのが一般的であり、ガイド面は通常、白色で塗装されることが多いが、塗装の膜厚によりギャップが管理できない場合がある。この場合、スペース部材850a、850b及びその周辺をマスキングし、塗装が入らないようにすることで、より精密な高さを出すことが可能となる。
なお、従来のシートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置では、前述したように読取ガイドの組み付けが複雑になる傾向に問題があったが、これに加えて、読取ガイドの構成を簡素にしながらショックジター又は定常ジターを低減し、スジの発生を回避する点についても更に改善の余地があった。
これに対し、本発明の第6の実施形態としての複写機21によれば、シートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23において、主走査方向におけるガイド面801hの両端で、かつ副走査方向における奥側軸801a及び段ネジ830の上流に、スリットガラス面とガイド面801hのギャップを保つためのスペース部材850a、850b(凸部に相当する)を形成した構成を有している。
この構成により、スペース部材850a、850bを支点に回動可能であるため、読取ガイド801の回動性が高まる。また、読取出口側のギャップが常に入口側より狭くなることにより、原稿Pの先端が読取位置80を抜けてすくい上げ部材860に達したときの姿勢変化を最小限に抑え、原稿Pの後端が読取入口ローラ対37を抜けたときに発生するショックジターが低減される。
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態としての読取ガイドの形状を図20に示す。なお、本実施形態は、読取ガイドの形状を除いて第6の実施形態と概ね同様であるため、図1〜図3を用いるとともに同一構成には同一符号を付与して説明を一部省略する。
図20(a)において、読取ガイド801は、主走査方向に延在する複数のガイド面801e、801f、801g、801h、801iを有している。ここで、ガイド面801eは、ガイド面801hと略垂直に形成されている。また、ガイド面801fとガイド面801hのなす角度αと、801gとガイド面801hのなす角度βとの間には「90度>角度α>角度β」の関係がある。なお、略水平面としてのガイド面801h(底面)とガイド面801g(底面)におる副走査方向の上流側端との高さの差(間隔hに相当する)は0.3〜1mm程度に設定している。また、ガイド面801hとこれに連なるガイド面801iとが略L字となるように曲折している。また、ガイド面801hの副走査方向の下流側端は、スリットガラス22bの副走査方向の下流側端よりも更に下流で、すくい上げ部材860と対向している。
ここで、読取ガイド801は前述のように段ネジ830及び奥側軸801aを中心に回動可能であるため、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したとき、読取ガイド801は図中、反時計方向に回動する。この回動により、図20(b)に示すように、読取ガイド801の回転中心に対して副走査方向の下流側における、読取ガイド801とスリットガラス22bのギャップが広がる傾向にある。このギャップの拡大により、原稿Pの先端がすくい上げ部材860に達したときの負荷変動が小さくなるため、前述のショックジターを抑えることができる。また、ガイド面801fとガイド面801gは、ガイド面801hに対し、前述したようにそれぞれ異なる角度α、βで傾斜しているため、読取ガイド801が回動したときに、原稿入口側における読取ガイド801とスリットガラス22bのギャップ(間隔h′に相当する)が所定の間隔以上に狭くなってしまうことはない。
なお、従来のシートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置では、前述したように読取ガイドの組み付けが複雑になる傾向に問題があったが、これに加えて、読取ガイドの構成を簡素にしながらショックジター又は定常ジターを低減し、スジの発生を回避する点についても更に改善の余地があった。
これに対し、本発明の第7の実施形態としての複写機21によれば、シートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23において、副走査方向におけるガイド面801hの上流に、ガイド面801hとのなす角が異なるガイド面801fとガイド面801g(複数の非水平垂直ガイド面に相当する)を設けた構成を有している。
この構成により、読取ガイド801が回動した際、読取入口部のギャップが所定の間隔以上に狭くなることを防止するので、適正な範囲内でのギャップが確保され、ショックジターが低減される。
ここで、前述した第2から第7の実施形態によれば、シートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23において、凸部としてのスペース部材820a、820b、840a、840b、850、850a、850bを無塗装としたことにより、塗装膜の厚さ誤差によるギャップ量のばらつきを防止し、ショックジター又は定常ジターやスジに関する不安定要素がなくなる。
また、前述した第1から第7の実施形態によれば、シートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23において、加圧プレート804、805としての板バネ(加圧手段に相当する)を有するので、加圧手段を簡略化することにより組み付け性の向上及びコストダウンが達成される。
更に、第1から第7の実施形態によれば、前述のように読取ガイド801の組み付けが容易なシートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23(自動原稿搬送手段に相当する)と、自動原稿搬送装置23によって副走査方向へ原稿Pを搬送しながらスリットガラス22b上の読取位置80で原稿Pの画像の読取りを主走査方向へ行う画像読取装置81(画像読取手段に相当する)と、を備えた構成を有している。この構成により、前述のように読取ガイド801の取り付け性を向上させるとともに、読取り品質を向上させることができる。
また、第1から第7の実施形態によれば、前述のように読取ガイド801の組み付けが容易なシートスルー方式に対応した自動原稿搬送装置23(自動原稿搬送手段に相当する)と、自動原稿搬送装置23によって副走査方向へ原稿Pを搬送しながらスリットガラス22b上の読取位置80で原稿Pの画像の読取りを主走査方向へ行う画像読取装置81(画像読取手段に相当する)と、画像読取装置81によって読取った原稿Pの画像に基づいて転写紙(所定の用紙に相当する)に前記画像を形成する画像形成手段としての感光体ドラム83、現像装置86、転写ベルト87、クリーニング装置88、図示しない帯電装置及び除電装置、を備えた構成を有している。この構成により、前述のように読取ガイド801の取り付け性を向上させるとともに、ショックジター又は定常ジターやスジの発生を抑制して画像品質を向上させることができる。
なお、本発明は、例えば、第1から第3の実施形態に示す読取ガイド801の取り付け方法のいずれかと、第1から第7の実施形態に示す読取ガイド801の形状のいずれかと、を組み合わせても同様の効果が得られるものである。