[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置のメモリセルのレイアウトを概略的に示す図である。図1においては、トランジスタが形成される活性領域、ポリシリコン層およびコンタクトのレイアウトを概略的に示す。図1に示すメモリセルMCは、シングルポートメモリセルであり、1ビットの情報を記憶する。
図1において、n型の半導体基板領域(Nウェル)NWがY方向に直線的に延在して配置され、NウェルNWの両側に、p型基板領域(Pウェル)PW1およびPW2が配置される。NウェルNWに、負荷トランジスタが形成され、PウェルPW1およびPW2に、それぞれ、アクセストランジスタおよびドライバトランジスタが配置される。これらのウェルNW、PW1およびPW2は、列方向に連続的に延在して配置され、これらのウェルNW、PW1およびPW2において、1列に整列するメモリセルが形成される。
PウェルPW1において、Y方向に延在する矩形形状の活性領域1aが形成される。活性領域1aと交差するようにX方向にワード線を構成するポリシリコン配線2aおよび2bが配設される。ポリシリコン配線2aは、PウェルPW1において配置され(隣接列のメモリセル領域内にまで延在する)、ポリシリコン配線2bは、NウェルNW内にまで延在する。
ポリシリコン配線2aおよび2bの間に、ストレージノードを形成するためのコンタクトNC1が配設される。ポリシリコン配線2aの外側の活性領域1aの領域において、ビット線BLに対するコンタクトをとるためのビット線コンタクトBC1が配設され、活性領域1aの対向する端部において活性領域1aに対し、ロー側電源(ソース)線(VSSソース線)に対するコンタクトをとるためのソースコンタクトGC1が形成される。
NウェルNWにおいては、Y方向に延在する矩形形状の活性領域1bおよび1cが間をおいてかつY方向において位置をずらせて形成される。活性領域1bを横切るように、ポリシリコン配線2bがX方向に延在して配設される。活性領域1cに対しても、X方向に延在するポリシリコン配線2cが配設される。活性領域1bは、一方端部領域において、ハイ側電源線(VDDソース線)に対するコンタクトをとるための電源コンタクトVC1が形成される。活性領域1bのポリシリコン配線2bに関して対向する端部においては、ポリシリコン配線2cに対して共通にコンタクトをとる共有コンタクト(シェアードコンタクト)SC1が形成される。共有コンタクトSC1を利用することにより、1つのコンタクトにより、活性領域1bおよびポリシリコン配線2c両者に対する電気的接続がとられる。
同様、活性領域1cにおいても、ポリシリコン配線2cの外部に、VDDソース線に対するコンタクトをとるための電源コンタクトVC2が形成され、活性領域1cのポリシリコン配線2cに対向する領域において、共有コンタクトSC2が設けられ、活性領域1cおよびポリシリコン配線2bが電気的に接続される。
PウェルPW2において、PウェルPW1と同様、Y方向に延在する矩形形状の活性領域1dが設けられる。活性領域1dに対しては、活性領域1aと対称な位置に、VSSソース線に対するソースコンタクトGC2およびビット線/BLに対するビット線コンタクトBC2が形成される。また、ストレージノードを形成するためのコンタクトNC2が、活性領域1dのY方向についての中央領域に形成される(1つのメモリセル内において)。コンタクトBC2およびNC2の間に、X方向に延在するポリシリコン配線2dが形成される。このポリシリコン配線2dは、PウェルPW2内において延在する(隣接列にまで延在するが、隣接列のメモリセルは示していない)。コンタクトNC2およびGC2の間に、ポリシリコン配線2cが、Nウェルの共有コンタクトSC1から連続的にX方向に延在して配設される。
ポリシリコン配線2dに対しては、ワード線WLに対するコンタクトをとるためのコンタクトWC2が形成される。
図2は、図1に破線L2−L2で示される活性領域1bのY方向に沿った断面構造を概略的に示す図である。図2において、p型半導体基板SUB上にNウェルNWが形成され、このNウェルNWの表面に、活性領域1bが形成される。活性領域1bには、その一端部において素子分離膜(フィールド絶縁膜)5が形成され、他のトランジスタ活性領域と分離される。活性領域1bにおいては、高濃度の不純物領域1baおよび1bbが間をおいて形成される。これらの不純物領域1baおよび1bbの間のNウェルNWの表面上に、ポリシリコン配線2bが配設される。不純物領域1baが、電源コンタクトVC1に電気的に接続される。この不純物領域1baは、Y方向において隣接するメモリセルと共有され、この不純物領域1baに対しては素子分離膜は形成されない。
コバルトシリサイドCoSiまたはニッケルシリサイドNiSiなどのシリサイド膜が、通常、コンタクトVC1と不純物領域1baの間にバリア層として形成されるが、図2においては、このシリサイド膜は示していない。不純物領域1bbについても同様である。
素子分離膜5上に、ポリシリコン配線2cが配設される。このポリシリコン配線2cに対して、不純物領域1bbと電気的に接続する共有コンタクトSC1が電気的に接続される。したがって、共有コンタクトSC1を介して、不純物領域1bbおよびポリシリコン配線2cが電気的に接続される。不純物領域1bbとポリシリコン配線2cを電気的に接続するための別の配線層の配線が不要となり、配線レイアウトが簡略化され、また、上層の配線層において、余裕を持って配線レイアウトを行うことができる。また、共有コンタクトSC1およびSC2を用いることにより、他のコンタクトと同一製造工程で、各コンタクトを形成することができる(共有コンタクトSC1およびSC2のみが、他のコンタクトとその平面形状が異なる)。
なお、ポリシリコン配線2b下部のNウェルNWの表面領域には、MOSトランジスタのしきい値電圧調整のためのカウンタドープ等により不純物注入が行なわれてもよい。
図3は、図1に示すメモリセルにおけるトランジスタの配置を示す電気的等価回路図である。図3において、PウェルPW1において、活性領域1a内にドライバトランジスタDQ1およびアクセストランジスタAQ1が形成される。ドライバトランジスタDQ1は、そのソースノードがコンタクトGC1に接続され、そのドレインノードがコンタクトNC1に接続され、そのゲートがポリシリコン配線2bにより形成される。アクセストランジスタAQ1は、コンタクトNC1とビット線コンタクトBC1の間に配置されかつそのゲートが、コンタクトWC1に接続されるポリシリコン配線2aにより形成される。
NウェルNWにおいては、活性領域1b内に、pチャネルMOSトランジスタで構成される負荷トランジスタLQ1が形成され、活性領域1c内には、pチャネルMOSトランジスタで構成される負荷トランジスタLQ2が形成される。負荷トランジスタLQ1は、ソースノードが電源コンタクトVC1に接続され、かつドレインノードが共有コンタクトSC1を介してポリシリコン配線2cに接続される。負荷トランジスタLQ1のゲートは、ポリシリコン配線2bにより形成される。ポリシリコン配線2bが、共有コンタクトSC2を介して、負荷トランジスタLQ2のドレインノードに接続される。負荷トランジスタLQ2のソースノードは、電源コンタクトVC2に接続され、そのゲートがポリシリコン配線2dにより形成される。
PウェルPW2において、活性領域1d内に、それぞれ、NチャネルMOSトランジスタで構成されるアクセストランジスタAQ2およびドライバトランジスタDQ2が形成される。アクセストランジスタAQ2は、そのゲートがポリシリコン配線2dにより形成され、このポリシリコン配線2dが、コンタクトWC2に接続される。アクセストランジスタAQ2は、その両導通ノードがそれぞれコンタクトBC2およびコンタクトNC2に接続される。ドライバトランジスタDQ2が、コンタクトGC2とコンタクトNC2の間に配置され、かつそのゲートがポリシリコン配線2cにより形成される。
したがって、PウェルPW1およびPW2各々において、2つのNチャネルMOSトランジスタが整列して活性領域1aおよび1d内に形成される。NウェルNWにおいて、負荷トランジスタLQ1およびLQ2をそれぞれ別々に設けられた活性領域1bおよび1c内に形成する。したがって、Y方向におけるメモリセルのピッチは、トランジスタ2個に相当するピッチであり、Y方向におけるメモリセルサイズが増大するのを抑制する。
図4は、図1のメモリセルMCのレイアウトに対するコンタクトおよび上層の第1金属配線のレイアウトを概略的に示す図である。図4において、図1に示すコンタクトと同じコンタクトには同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
コンタクトWC1に対し、第1金属配線7aがY方向に延在する矩形形状に形成される。この第1金属配線7aに対しては、ビアWV1が形成される。コンタクトGC1に対しては、第1金属配線7bが配置される。この第1金属配線7bに対しては、コンタクトGC1とほぼ重なり合うようにビアGV1が形成される。コンタクトNC1に対しては、共有コンタクトSC1にまでX方向に延在する矩形形状の第1金属配線7dが形成される。
コンタクトBC1に対して第1金属配線7cが設けられる。このコンタクトBC1と平面的に一部が重なり合うように、ビアBV1が第1金属配線7cに対して形成される。
電源コンタクトVC1に対して、第1金属配線7eが設けられる。この第1金属配線7eに対しては、コンタクトVC1と一部が重なり合うようにビアVV1が形成される。
コンタクトVC2に対して第1金属配線7fが、形成される。第1金属配線7fに対しては、コンタクトVC2と重なり合うようにビアVV2が形成される。共有コンタクトSC2およびコンタクトNC2に対しては、第1金属配線7gがX方向に延在する矩形形状に形成される。
コンタクトBC2に対して第1金属配線7hが形成され、この第1金属配線7h上部に、コンタクトBC2と一部が重なり合うようにビアBV2が形成される。
コンタクトGC2に対して第1金属配線7iが形成され、また、個の第1金属配線7iに対してコンタクトGC2と重なり合うようにビアGV2が形成される。
コンタクトWC2に対しては、Y方向に長辺を有する矩形形状に第1金属配線7jが形成される。この第1金属配線7jに対しては、ビアWV2が設けられる。これらのビアWV1、WV2、BV1、BV2、GV1、GV2、VV1、およびVV2は、これらの第1金属配線上にさらに形成される第2金属配線との電気的コンタクトをとるために設けられる。
図4に示す第1金属配線7a−7jは、メモリセル内部においてのみ延在し、内部のストレージノードの電気的接続を取るまたは上層配線との接続をとるための中間配線として利用される。
すなわち、第1金属配線7a−7jにより、図3に示す電気的等価回路において、ノードNC1が、共有ノードSC1に結合されて、負荷トランジスタLQ2およびドライバトランジスタDQ2のゲートが共通に内部ノード(ストレージノード;コンタクトNC1)に接続され、また、コンタクトNC2が、共有コンタクトSC2に接続されて、他方のストレージノードが、ドライバトランジスタDQ1および負荷トランジスタLQ1のゲートに接続される。
第1金属配線7bおよび7iは、それぞれ、VSSソース線(ロー側電源線)に接続されるが、X方向に隣接するメモリセルとは非共有とされる。メモリセルは、メモリセルの境界線(X方向およびY方向両方向において)について鏡映対称に配置される。しかしながら、この第1金属配線7bおよび7iは、隣接メモリセルの対応の第1金属配線とは隙間が設けられており、鏡映対称配置時において、隣接列のメモリセルの対応の第1金属配線とは分離される。
図5は、図4に示すメモリセルの配線レイアウトに対する上層の配線レイアウトを概略的に示す図である。図5においては、第2金属配線および対応のビアの配置を示し、また、図4に示すコンタクトと同一のコンタクトに対しては同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図5において、コンタクトWV1に対し、メモリセル領域内においてY方向に延在する矩形形状の第2金属配線9aが配設される。この第2金属配線9aに対して、第2のビアWWV1がビアWV1と一部が重なり合うように形成される。ビアBV1に対し、第2金属配線9cが設けられる。第2金属配線9cに対しては、ビアBV1と重なり合うように第2ビアBBV2が設けられる。ビアVV1に対して、第2金属配線9dが設けられる。またビアVV2に対し、第2金属配線9eが設けられる。第2金属配線9dおよび9eに対し、Y方向に整列する位置に、それぞれ、第2ビアVVV1およびVVV2が設けられる。
ビアBV2に対し第2金属配線9fが設けられ、この第2金属配線9f上部に、第2ビアBBV2が設けられる。
ビアWV2に対して第2金属配線9gが設けられる。この第2金属配線9gに対し、X方向において第2金属配線9aに対する第2ビアWWV1と整列するように第2ビアWWV2が設けられる。
ビアGV1およびGV2の間に、第2金属配線9bが階段状に連続的に延在するように形成される。この第2金属配線9bは、X方向およびY方向に直線的に延在する部分を有し、中心部に関して点対称なL字形状を有し、その両端でビアGV1およびGV2に接続される。
したがって、メモリセルMCにおいて、2つのドライバトランジスタのVSSソース線に接続されるノードが、第2金属配線9bにより短絡される。メモリセルMC内のNウェル(図5には示さず)をX方向に横切るように延在し、第2金属配線9bは、メモリセル内においてのみドライバトランジスタのソースノードを短絡する。すなわち、第2金属配線9bは、直線的にY方向およびX方向に延在し、最短距離でドライバトランジスタのソースノードに対応するビアGV1およびGV2を電気的に接続する。第2金属配線9bは、メモリセルMC内においてのみ延在し、X方向に隣接するメモリセル内の対応の第2金属配線9bとは、互いに分離される。
図6は、図5に示すレイアウト完了時のメモリセルにおけるトランジスタの接続を示す電気的等価回路図である。図6において、図4に示す第1金属配線7dにより、内部ノードNC1が共有ノードSC1に接続され、第1金属配線7gにより、内部ノードNC2が共有ノードSC2に接続される。第1金属配線7dにより、トランジスタLQ2およびドライバトランジスタDQ2のゲートがストレージノードに対応するコンタクトNC1に接続されて、また、負荷トランジスタLQ1およびドライバトランジスタDQ1のゲートが、別のストレージノードに対応するコンタクトNC2に接続される。
ドライバトランジスタDQ1のソースノードは、ビアGV1および第2金属配線9bを介して、ドライバトランジスタDQ2のVSSソースノードのビアGV2に接続される。第2金属配線9bは、第1金属配線7dおよび7gよりも上層の配線であり、図5に示すように、これらの金属配線9b、7dおよび7gが平面図的に見て互いに重なり合うように配置される。
なお、アクセストランジスタAQ1およびAQ2各々のゲートノードおよび一方導通ノードおよび負荷トランジスタLQ1およびLQ2のソースノードは、それぞれ、ビアにより接続されるものの、図5に示すように、これらのビアは、上層配線に対する接続をとるためのビアで構成され、図6においては、これらのノードの接続先はまだ形成されていないため、特に明確には示していない。
図6に示すように、メモリセル内において、NウェルNWをX方向に横切るように、第2金属配線9bを、階段状の直線形状に形成することにより、最短距離でドライバトランジスタDQ1およびDQ2のソースノードを短絡でき、メモリセル内においてドライバトランジスタのVSSソースノードに電位差が生じるのを抑制することができる。
図7は、図5に示す配線レイアウトのさらに上層に配置されるの第3および第4金属配線のレイアウトを概略的に示す図である。図7において、ビアWWV1に対し、メモリセルMC内においてY方向に延在する矩形形状の第3金属配線10aが設けられる。第2ビアBBV1に対し、Y方向に連続的に延在する第3金属配線10bが設けられ、この第3金属配線10bにより、ビット線BLが実現される。
ビアVVV1およびVVV2に対し、第3金属配線10cが設けられる。この第3金属配線10cはY方向に連続的に延在し、対応の列に配設されるメモリセルに対してハイ側ソース電圧(電源電圧)VDDを供給する。
ビット線ビアBBV2に対し、Y方向に連続的に延在する第3金属配線10dが設けられ、この第3金属配線10dによりビット線/BLが実現される。ビアWWV2に対し、メモリセルMC内においてY方向に延在する矩形形状の第3金属配線10eが設けられる。第3金属配線10aおよび10eに対し、X方向に連続的に延在する第4金属配線11が設けられる。第4金属配線11は、ビアWWV1およびWWV2それぞれと重なり合うように形成されるビアVA1およびVA2を介してそれぞれ、第3金属配線10aおよび10eに接続される。この第4の金属配線11によりX方向に整列するメモリセルに対するワード線WLが実現され、X方向に整列するメモリセル各々のアクセストランジスタAQ1およびAQ2のゲートが共通に接続される。
図7に示すように、第3金属配線は、ロー側電源電圧(ソース電圧)VSSを伝達する配線としては用いられていない。メモリセルのドライバトランジスタの(VSS)ソースノードは、第2金属配線により相互接続される。メモリセルMC上において、ロー側電源電圧VSSを伝達するための第3金属配線は不要となり、この第3金属配線層において、配線レイアウトピッチに余裕をもって必要な配線を配置することができる。
図8は、図7の線L8−L8に沿った断面構造を概略的に示す図である。図8において、p型半導体基板SUB表面にNウェルNWが形成される。NウェルNW表面に互いに分離してp型不純物領域1baおよび1bbが形成される。これらの不純物領域1baおよび1bbが、図1に示す活性領域1bに含まれる。不純物領域1bbに隣接して素子分離膜5がNウェルNWの表面に形成される。また、不純物領域1baおよび1bbの間のNウェルNW表面上にゲート絶縁膜を介してポリシリコン配線2bが形成される。
素子分離膜5上にポリシリコン配線2cが形成され、このポリシリコン配線2cは、共有コンタクトSC1を介して不純物領域2cに接続される。不純物領域1baは、コンタクトVC1に結合される。このコンタクトVC1および共有コンタクトSC1までの構造は図2に示す構造と同じである。
なお、共有コンタクトSC1、ポリシリコン配線2bおよびコンタクトVC1は、層間絶縁膜12aにより互いに電気的に分離される。
コンタクトVC1に接続するように第1金属配線7eが形成され、また、共有コンタクトSC1と接続するように第1金属配線7dが形成される。これらの第1金属配線7eおよび7dは、層間絶縁膜12bにより互いに電気的に分離される。この層間絶縁膜12bにフォトリソグラフィ工程(写真製版およびエッチング工程)により第1金属配線7eに達するビアホールが形成され、次いで、このビアホールを導電材で充填することにより、第1金属配線7eと電気的に接続される第1ビアVV1が形成される。
層間絶縁膜12b上に第1金属配線7eおよび7dと整列するように第2金属配線9dおよび9bが形成される。第2金属配線9bおよび9dは層間絶縁膜12cにより互いに電気的に分離される。
層間絶縁膜12c上に第3金属配線10cが配置され、層間絶縁膜12cに形成された第2ビアVVV1により第2金属配線9dおよび第3金属配線10dが電気的に接続され、下層の不純物領域1baにハイ側電源電圧VCCが供給される。この第3金属配線10c上層に第3金属配線と交差する方向に第4金属配線11が配置される。
この図8に見られるように、メモリセルのソースノードを相互接続するVSSソース線は、第2金属配線9bで構成されており、メモリセルの内部配線およびワード線のレイアウトに悪影響を及ぼすことなく、メモリセルソースノード接続配線をメモリセル内に配置することができる。
図9は図7に示す線L9−L9に沿った断面構造を概略的に示す図である。図9において、p型半導体基板SUB表面にPウェルPW1およびPW2が形成され、これらの間にNウェルNWが配置される。PウェルPW1の表面にn型活性領域(不純物領域)1aが形成され、NウェルNW表面に互いに間を置いてp型活性領域1bおよび1cが形成される。PウェルPW2の表面にn型活性領域1dが形成される。これらの活性領域1a−1dは、素子分離膜(領域)5により互いに分離される。
図示しない層間絶縁膜の形成後、第1金属配線7a、7d、7gおよび7jが形成される。第1金属配線7dは、コンタクトNC1および共有コンタクトSC1をそれぞれ介して活性領域1aおよび1Bに電気的に接続される。第1金属配線7gは、共有コンタクトSC2およびコンタクトNC2をそれぞれ介して活性領域1cおよび1dに電気的に接続される。第1金属配線7aおよび7jは、図示しない部分においてポリシリコン配線に接続される。
第1金属配線7aおよび7jと整列して第2金属配線9aおよび9gが配置され、第1金属配線7dおよび7g上層にこれらと平面図的に見て重なり合うように第2金属配線9bが配置される。第2金属配線9aは第1ビアWV1を介して第1金属配線7aに電気的に接続され、第2金属配線9gは、第1ビアWV2を介して第1金属配線7jに電気的に接続される。第2金属配線9bは、メモリセルのVSSソースノードを接続する配線であり、下層の第1金属配線7dおよび7gとは電気的に分離される。
第2金属配線9b上層に互いに間を置いて第3金属配線10b、10cおよび10eが配置される。第3金属配線10bおよび10eが、それぞれビット線BLおよび/BLの一部を構成し、第3金属配線10cは、ハイ側電源電圧VDDを供給する。
これらの第3金属配線10b、10cおよび10eの上層に連続的に延在して第4金属配線11が配置される。この第4金属配線11は、ワード線WLの一部を構成し、第2ビアWWV1およびWWV2をそれぞれ介して第2金属配線9aおよび9gに電気的に接続される。
この図9に示すように、ワード線延在方向においても、ロー側電源電圧VSSを伝達する配線9bは、内部ノード(ストレージノード)接続用の第1金属配線7dおよび7gと平面図的に見て重なり合うように配置されており、何らメモリセルのサイズを増大させることなく、メモリセルロー側ソースノードを電気的に接続する配線を配置することができる。
図10は、4行2列に配列されるメモリセルの第2金属配線配設時の配線レイアウトを概略的に示す図である。図10において、X方向に隣接するメモリセルMCの境界領域には、ワード線を構成する第4金属配線へのコンタクトをとるための第2金属配線9gがY方向およびX方向において整列して配置される。X方向において隣接する列のメモリセルは、PウェルPWを共有し、一方、NウェルNWは、Y方向に整列するメモリセルにおいてのみ共有される。
メモリセルにおいて、VSSソースノードを構成するビアGV1およびGV2が、第2金属配線9bにより相互接続される。Y方向に隣接するメモリセルMCにおいては、境界領域に関して鏡映対称なレイアウトが繰返し配置されており、VSSソース線は、各メモリセル列ごとに、ジグザグ形状に配列されて、各列(Y方向に整列するメモリセル)ごとに、このロー側電源電圧VSSの電圧レベルを調整することができる。すなわち、X方向において隣接するメモリセルMCにおいては、ビアGV2が分離して配置されており、隣接列における第2金属配線9bは互いに分離されており、したがって、メモリセル列ごとに、ロー側電源電圧VSSを調整することができる。また、メモリセルMC内においては、それぞれドライバトランジスタのソースノードが短絡されており、ビット線放電時においてもドライバトランジスタのソースノードの電位差を抑制でき、メモリセルを安定に動作させることができる。
また、メモリセル列単位で、電圧VSSの調整が可能であり、先の非特許文献1および2に示されるVSSソース線電圧をダイナミックに制御する方式を利用することができ、選択列に対しては電圧VSSを接地電圧レベルに設定し、非選択列に対しては電圧VSSを接地電圧より高い電圧レベル(たとえば0.4V)に設定することにより、スタンバイ時および動作時の消費電流を低減することができる。
ドライバトランジスタのソース電圧VSSを、メモリセル列ごとに調整する構成としては、前述の非特許文献1および2に示される構成を利用することができる。すなわち、コラムアドレス信号に基づいて選択列に対するドライバトランジスタのソース電圧VSSの電圧レベルを設定する。その場合、電圧切換タイミングを与える信号としては、SRAMにおいて通常用いられるアドレス変化検出信号(ATD)またはアクセスサイクルを規定するクロック信号が用いられればよい。
また、VSSソース線9bがメモリセル列方向(Y方向)に沿ってジグザグ状に配置されるため、列方向に直線的に延在するレイアウトに比べて配線長が長くなり、配線抵抗の増大によりVSSソース線9bにおいてメモリセルソース電圧VSSの浮き上がり(分布)が大きくなる可能性が考えられる。しかしながら、VSSソース配線9bは、各列において個々に配設されており、ワード線選択時には、選択ワード線に接続される1つのメモリセルからの放電電流が流れ込むだけであり、電流量は小さく、ソース電位の浮き上がりは十分に小さく、また、メモリセルのドライバトランジスタのソースノードが相互接続されており、各メモリセルにおいては、ドライバトランジスタのソースノードの電位はほぼ等しいため、非選択メモリセルにおいては安定にデータを保持することができ、また、選択メモリセルにおいてもデータ読出時においては安定にデータを保持することができる。
また、VSSソース配線は金属配線であり、その抵抗値は十分に小さく、配線抵抗による電位分布の問題はほぼ抑制することができる。すなわち、第2金属配線のシート抵抗は、約200mΩ/□であり、VSSソース配線の1ビットのメモリセルあたりの配線長を屈曲(ジグザグ形状)を考慮して約1μm、配線幅を0.1μm、全行数を512とすると、VSSソース配線全体の配線抵抗Rallは、200mΩ・L/Wから、次式で示される。
Rall=200m・1μm・512/0.1μm≒1KΩ
ハイ側電源電圧VDDが1.0Vで、セル電流が10μAとすると、ロー側電源ノードから最も遠いメモリセルにおいてロー側電源電圧VSSの上昇は、10μA・1KΩ=0.01Vであり、ハイ側電源電圧VDDの1.0Vに比べて十分に小さい。また、メモリセル内においては、配線抵抗は1Ω(=200mΩ・1μm/0.1μm)であり、ドライバトランジスタのソースノードの電圧差は、1.0μV(=1Ω・10μA)であり、電圧保持特性に対する影響はほぼ無視することができる。
以上のように、この発明の実施の形態1に従えば、メモリセルのドライバトランジスタのソースノードを、階段状にメモリセル内において延在しかつメモリセル列方向においてジグザグ状に延在する第2金属配線(ビット線より下層の金属配線)を用いて相互接続し、隣接列間でのVSSソース線は互いに分離されており、各メモリセル列ごとにメモリセルのロー側電源電圧VSSの設定を行なうことができる。
また、メモリセルMCにおいては、Nウェルの両側にPウェルを設け、各Pウェルにアクセストランジスタおよびドライバトランジスタを配置し、Nウェルに負荷トランジスタを配置しており、Y方向におけるメモリセルのピッチはトランジスタ2個のピッチであり、メモリセルのサイズがY方向において増大するのを抑制することができる。
また、ハイ側電源電圧VDDを伝達する電源線とロー側電源電圧VSSを伝達する電源線とは、別の配線層の配線で形成しており、電源電圧VDDおよびVSSが同一の配線層の配線で伝達されないため、上層の配線層の配線ピッチ条件を緩和することができる。
[実施の形態2]
図11は、この発明の実施の形態2に従う半導体記憶装置のメモリセルのレイアウトを概略的に示す図である。図9においては、デュアルポートSRAMセルDPMCの活性領域および第1ポリシリコン配線のレイアウトが示される。
図11において、デュアルポートSRAMセルDPMCは、NウェルNWと、このNウェルNW両側に配置されるPウェルPW1およびPW2の領域に形成される。PウェルPW1においては、活性領域15aがメモリセル形成領域内においてY方向に延在して矩形形状に配置され、活性領域15bが活性領域と分離されてY方向に延在して形成される。活性領域15aはY方向において隣接するメモリセルにおいて延在し、活性領域15bは、Y方向に整列する一列のメモリセルに対して連続的に延在して配置される。
活性領域15aおよび15bを横切るようにX方向に延在して、第1ポリシリコン配線16aおよび16bが、それぞれ間をおいて形成される。第1ポリシリコン配線16aは、図示しない隣接メモリセルのPウェル領域まで延在し、一方、第1ポリシリコン配線16bは、PウェルPW1からNウェルNWまで延在する。
第1ポリシリコン配線16aには、ソース線コンタクト17aが設けられる。活性領域15aにおいては、その一方端部においてコンタクト17bが形成され、その他方端領域において、共有コンタクト18aが設けられる。この共有コンタクト18aにより、第1ポリシリコン配線16bと活性領域15aが電気的に接続される。
活性領域15bに対しても、第1ポリシリコン配線16aを間に挟むようにコンタクト17cおよび17dが設けられ、また、第1ポリシリコン配線16bに関してコンタクト17dと対向するようにコンタクト17cが設けられる。コンタクト17cは、VSSソース線に接続するためのコンタクトである。一方、活性領域15aおよび15b二形成されるコンタクト17bおよび17eは、Aポートビット線およびBLAおよび/BLAにそれぞれ接続するためのコンタクトである。
NウェルNWにおいて、活性領域15cおよび15dが、互いに間をおいてかつY方向において位置をずらせて、Y方向に延在する矩形形状に形成される。活性領域15cを横切るように、第1ポリシリコン配線16bがX方向に延在し、また活性領域15dを横切るようにX方向に延在して第1ポリシリコン配線16cが配設される。第1ポリシリコン配線16bは、活性領域15dと共有コンタクト18cにより電気的に接続され、第1ポリシリコン配線16cが、また、共有コンタクト18bを介して活性領域15cに接続される。
活性領域15cの第1ポリシリコン配線16bに関して共有コンタクト18bと対向する端部においてコンタクト17fが形成され、また、活性領域15dにおいても、共有コンタクト18cと対向する端部においてコンタクト17jが形成される。コンタクト17fおよび17gは、それぞれ、ハイ側電源電圧VDDを伝達するVDDソース線に接続するためのコンタクトである。
PウェルPW2において、また、Y方向に延在して、それぞれ互いに分離して活性領域15eおよび15fが形成される。第1ポリシリコン配線16cが、活性領域15eを横切るようにNウェルNWからX方向に連続的に延在して配設される。また、活性領域15eおよび15fを横切るようにX方向に延在して第1ポリシリコン配線16dが形成される。活性領域15eにおいては、その対向端部にコンタクト17hおよび17jがそれぞれ形成され、その中央領域において、コンタクト17iが形成される。コンタクト17hは、Bポートビット線BLBに接続するためのコンタクトであり、コンタクト17gは、VSSソース線に接続するためのコンタクトである。活性領域15fは、共有コンタクト18dにより第1ポリシリコン配線16cにその一方側領域が接続され、他方側領域にコンタクト17kが形成される。コンタクト17kは、Bポートビット線/BLBに接続するためのコンタクトである。
第1ポリシリコン配線16dには、メモリセル境界領域においてBポートワード線WLBに接続するためのコンタクト17lが形成される。コンタクト17lは、図示しないX方向において隣接するメモリセルと共有される(第1ポリシリコン配線16dが、隣接列のメモリセルのPウェル領域まで延在する)。
この図11に示す配線レイアウトにおいても、X方向およびY方向において鏡映対称にメモリセルの活性領域および配線が配置される。したがって、活性領域15bおよび15eがY方向に連続的に延在して配置される。
図12は、図11に示す配線レイアウトのメモリセルトランジスタの接続を示す電気的等価回路図である。図10において、PウェルPW1において、活性領域15b内において、ドライバトランジスタDQ11およびアクセストランジスタAAQ12が形成され、活性領域15aにおいて、アクセストランジスタAAQ11が形成される。これらのトランジスタDQ11、AAQ11およびAAQ12は、NチャネルMOSトランジスタで構成される。MOSトランジスタDQ11の一方導通ノードがコンタクト17cに接続され、アクセストランジスタAAQ12の一方導通ノードが、コンタクト17eに結合される。アクセストランジスタAAQ11は、その一方導通ノードがコンタクト17bに接続される。これらのコンタクト17bおよび17eが、それぞれAポートビット線BLAおよび/BLAに最終的に接続される。コンタクト18cが最終的に、VSSソース線に接続される。アクセストランジスタAAQ11およびAAQ12は、そのゲートが、第1ポリシリコン配線16aに共通に接続される。第1ポリシリコン配線16aは、最終的にAポートワード線WLAに接続される。
NウェルNWにおいて、活性領域15cおよび15dそれぞれに、PチャネルMOSトランジスタで構成される負荷トランジスタLQ11およびLQ12が設けられる。負荷トランジスタLQ11のゲートが、第1ポリシリコン配線16bにより、ドライバトランジスタDQ11のゲートと共通に形成され、第1ポリシリコン配線16bは、さらに、アクセストランジスタAAQ11の他方導通ノードに接続される。
PウェルPW2において、活性領域15eに、ドライバトランジスタDQ12およびアクセストランジスタBAQ11が直列に接続されるように形成され、また、活性領域15fにアクセストランジスタBAQ12が形成される。トランジスタLQ12およびDQ12のゲートが、第1ポリシリコン配線16cにより共通に接続され、この第1ポリシリコン配線16cは、また、トランジスタLQ11およびBAQ12のそれぞれの一方導通ノードに共通に接続される。アクセストランジスタBAQ11およびBAQ12は、第1ポリシリコン配線16dによりそれぞれのゲートが共通に接続される。第1ポリシリコン配線16dが、最終的にBポートワード線WLBに接続される。アクセストランジスタBAQ11およびBAQ12は、それぞれ、コンタクト17hおよび17kを介して、最終的にBポートビット線BLBおよび/BLBに接続される。
図12に示すように、NウェルNWに、AポートおよびBポート共通の負荷トランジスタLQ11およびLQ12を形成し、その両側に配置されるPウェルPW1およびPW2それぞれにおいて、ドライバトランジスタが分離して配置されるとともに、AポートアクセストランジスタおよびBポートアクセストランジスタをそれぞれ配置する。この図12に示す電気的等価回路から明らかなように、実施の形態1と同様、Y方向におけるメモリセルのサイズは、トランジスタ2個が直列に接続されるピッチであり、Y方向におけるメモリセルのサイズの増大を抑制してデュアルポートメモリセルを配置することができる。
図13は、図11に示す配線レイアウトの上層の第1金属配線のレイアウトおよび第1金属配線に対する上層金属配線接続時のビアの配置を概略的に示す図である。図11においては、図9に示すコンタクト17a−17lおよび共有コンタクト18a−18dを併せて示す。
コンタクト17a−17lそれぞれに対応して、第1金属配線20a−20lが設けられる。第1金属配線20aに対しては、さらに、ビア22aが設けられ、第1金属配線20bに対してはビア22bがコンタクト17bと一部が重なり合うように形成され、第1金属配線20cに対して、コンタクト17cと平面図的に見て重なり合うようにビア22cが形成される。
第1金属配線20fに対しても、その一部がコンタクト17eと重なり合うようにビア22dが形成される。第1金属配線20dにおいても、コンタクト17fと重なり合うようにビア22fが形成される。第1金属配線20gに対して、コンタクト17gと重なり合うようにビア22eが形成される。第1金属配線20hおよび20kに対しても、それぞれ、コンタクト17hおよび17kとそれぞれの一部が重なり合うようにビア22hおよび22kが形成される。第1金属配線20jに対して、コンタクト17jと重なり合うように、ビア22gが形成される。第1金属配線20Lに対しては、コンタクト17lと離れて、ビア22iが形成される。ビア22aおよび22iは、それぞれワード線WLAおよびWLBに接続するためのビアであり、Y方向に関する位置がずらせて配置される。
図14は、図13に示す配線レイアウト完了後のメモリセルのトランジスタの接続を示す電気的等価回路図である。図14に示すように、第1金属配線20eにより、コンタクト17dおよび共有コンタクト18bが接続され、また第1金属配線20iにより、共有コンタクト18cおよびコンタクト17iが接続される。これにより、負荷トランジスタLQ11およびドライバトランジスタDQ11のゲートがアクセストランジスタBAQ11およびドライバトランジスタDQ12の間の接続ノード(コンタクト17i)に接続される。また、負荷トランジスタLQ12およびドライバトランジスタDQ11のゲートが、ドライバトランジスタDQ11およびアクセストランジスタAAQ12の間の接続ノード(コンタクト17d)に接続される。これにより、アクセストランジスタAAQ11およびAAQ12の導通時、第1金属配線20iおよび20eにより構成されるストレージノードが、それぞれ、Aポートビット線BLAおよび/BLAに結合される。また、同様、アクセストランジスタBAQ11およびBAQ12の選択時(Bポートワード線WLBの選択時)、第1金属配線20iおよび20eがそれぞれ結合するストレージノードが、Bポートビット線BLBおよび/BLBに結合される。
図15は、図13に示す配線レイアウトの上層の第2金属配線のレイアウトを示す図である。図15において、デュアルポートSRAMセルDPMCにおいて、コンタクト22a、22b、22d、22e、22f、22h、22kおよび22iに対し、それぞれ、第2金属配線25a、25b、25d、25e、25f、25h、25kおよび25iが設けられる。
VSSソースコンタクトコンタクト22cおよび22gにおいて、それぞれL字形状であり、かつ互いに接続される第2金属配線25cおよび25gにより相互接続される。図13においては、第2金属配線25cおよび25gは、一部のみが重なるように形成されるように示されるものの、これら同一の配線層の配線であり、連続的に延在する。
第2金属配線25b、25dそれぞれに対し、さらに上層のビット線との接続用のビア27bおよび27dが設けられ、金属配線25fおよび25eそれぞれに対しても、X方向に整列するビア27fおよび27eが設けられる。これらのビア27fおよび27eは、さらに上層のVDDソース線(ハイ側電源線)に接続するために設けられる。第2金属配線25hおよび25kそれぞれに対しても、上層のビット線と接続するためのビア27hおよび27kが設けられる。
図15に示すメモリセルのレイアウトにおいて、ドライバトランジスタのソースノード(コンタクト22cおよび22e)が、第2金属配線25cおよび25gにより相互接続される。これらの第2金属配線25cおよび25gは、単にY方向およびX方向に直線的に延在するだけであり、先のシングルポートSRAMセルの構成と同様、最短距離で、メモリセルのVSSソースノードを接続する。この第2金属配線25cおよび25gは、X方向において隣接するメモリセルとは分離されている。したがって、この場合においても、メモリセル列個々にVSSノードの電位を設定することができる。
図16は、図15に示す配線レイアウト完了後のデュアルポートSRAMセルDPMC内のトランジスタの接続を示す電気的等価回路図である。図16に示すように、メモリセル内において、第2金属配線25cおよび25gにより、ドライバトランジスタDQ11およびDQ12のソースノードが共通に接続される。第2金属配線25cおよび25gは、メモリセル内を延在するだけであり、また、その配線レイアウトも直線的に延在して、それぞれL字形状に形成されているだけであり、配線長は短い。
今、Aポートワード線WLAが選択された状態を考える。この場合、メモリセルの記憶データに応じて、ドライバトランジスタDQ11およびDQ12の一方がオン状態にあり、他方はオフ状態にある。ビット線BLAおよび/BLAには、データ読出時カラム電流が流れ、オン状態のドライバトランジスタDQ11またはDQ12を介してソースノード(VSS供給ノード)に電流が流れる。たとえば、ドライバトランジスタDQ11がオン状態、ドライバトランジスタDQ12がオフ状態とすると、Aポートビット線/BLAからカラム電流がアクセストランジスタAAQ12およびドライバトランジスタDQ11を介してソースノード(VSS供給ノード)に流れる。ドライバトランジスタDQ12はオフ状態であるため、アクセストランジスタAAQ11を介してビット線BLAからカラム電流が供給されても、VSSソースノードへは伝達されない。
しかしながら、第2金属配線25cおよび25gにより、ドライバトランジスタDQ11およびDQ12のソースノードが短絡されており、Aポートビット線/BLAからのカラム電流により、ドライバトランジスタDQ11およびDQ12のソースノード電位は、が上昇しても、同じ電圧レベルであり、ソースノード電位に差はほとんど生じない。MOSトランジスタのしきい値電圧は、微細化に伴って、メモリセル内においても、ランダムにばらつく。しきい値電圧のばらつきが大きいメモリセルにおいては、場合によっては、ドライバトランジスタのソース電位の上昇により、記憶データが反転するという破壊読出が生じ、メモリセルの読出動作安定性に対するマージンが低下する。しかしながら、このようなメモリセル内においてしきい値電圧のばらつきが生じる場合においても、メモリセル内においてドライバトランジスタのソースノード電位差は生じず、ドライバトランジスタDQ11およびDQ12のゲート−ソース間電圧は同じ方向に変化するため、メモリセルのインバータラッチのストレージノードに対するラッチ能力は平衡状態を維持し、記憶データが反転する破壊読出の問題を確実に抑制することができる。
このメモリセル内においてドライバトランジスタソースノードを短絡することの利点は、先の実施の形態1におけるシングルポートSRAMセルについても同様である。
図17は、図15に示す配線レイアウトのさらに上層の第3および第4金属配線のレイアウトを示す図である。図15において、メモリセル境界領域において、第3金属配線30aおよび30gが、メモリセル領域内においてY方向に延在する矩形形状に形成される。また、Y方向に連続的に延在して一列のメモリセルに共通に第3金属配線30b−30fがそれぞれ間をおいて配置される。
第3金属配線30aは、ビア27aを介して図13に示す第1金属配線25aに結合される。金属配線30bおよび30cは、それぞれ、図13に示すビア27bおよび27dを介して、第2金属配線25bおよび25dに接続される。これらの第3金属配線30bおよび30cが、Aポートビット線BLAおよび/BLAを構成し、Y方向に連続的に延在し、列方向に整列するメモリセルに結合される。第3金属配線30dが、ビア27fおよび27eを介して図13に示す第2金属配線25fおよび25eに結合される。第3金属配線30dは、VDDソース線を構成し、ハイ側電源電圧VDDを伝達する。
第3金属配線30eおよび30fが、それぞれビア27hおよび27kを介して図13に示す第2金属配線25hおよび25kに接続される。これらの第3金属配線30eおよび30fは、Bポートビット線BLBおよび/BLBを構成し、Y方向に連続的に延在し、Y方向に一列に整列するメモリセルにより共有される。
第3金属配線30gは、ビア27iを介して、図15に示す第2金属配線25iに接続される。
これらの第3金属配線30a−30gと交差するようにX方向に延在して、第4金属配線32aおよび32bが配置される。第4金属配線32aは、ビア31aを介して、第3金属配線30aに接続され、第4金属配線32bが、ビア31bを介して第3金属配線30gに接続される。これら第4金属配線32aおよび32bが、それぞれAポートワード線WLAおよびBポートワード線WLBを構成し、X方向に連続的に直線的に延在し、行方向に整列するメモリセルに結合される。
図17に示すように、第3金属配線30a−30gにおいては、VSSソース線は含まれていない。VSSソース線を下層の第2金属配線で形成することにより、デュアルポートメモリセル構造においても、X方向のセルサイズを増大させることなく、第3金属配線の配線ピッチを十分に確保することができる。
図18は、この発明の実施の形態2における第2金属配線形成後の配線レイアウトを概略的に示す図である。図18において、4行2列に配列されるデュアルポートメモリセルDPMCの配線レイアウトを示す。
図18に示すように、デュアルポートメモリセルDPMCがXおよびY方向において鏡映対称な配線レイアウトを有するように形成される。NウェルNWにハイ側電源電圧VDDを供給する第2金属配線25fがY方向において隣接するメモリセルに共有されるようにY方向についてのメモリセル境界領域に配置され、VDD供給用第2金属配線25fに対してビア27fがY方向に整列する様に形成される。
NウェルNW両側のPウェルPWの中央領域においてワード線との接続のための第2金属配線25aおよび25iが各メモリセルDPMCにおいてX方向において対向する位置に配置される。図18においては、中央のPウェルPW内にBポートワード線とのコンタクトのための第2金属配線25iが配置され、両側のPウェルPW内にAポートワード線との接続のための第2金属配線25aが配置される。これらの第2金属配線25aおよび25iはX方向において隣接するメモリセルにより共有される。
Aポートビット線BLA、/BLAの対およびBポートビット線BLB、/BLBの対が、メモリセルの鏡映対象のレイアウトに従って、同様、X方向においてメモリセルごとに鏡映な位置に配置される。図18においては、図の中央のBポートワード線に対する第2金属配線25iの両側に近接して、異なる列のBポートビット線BLB、/BLBが配置され、Aポートビット線BLA、/BLAに対する接続用の第2金属配線が、Aポートワード線接続用の第2金属配線25aに近接して配置される。
各デュアルポートメモリセルDPMCにおいて、NウェルNWを横切るようにVSS供給用の第2配線25cおよび25hが連続的に形成される。メモリセルレイアウトがY方向において鏡映対象であり、VSS供給用の第2金属配線25cおよび25gは、Y方向において鏡映対象に配置されY方向においてジグザグ形状に各デュアルポートメモリセル内においてNウェルNWを横切るように形成される。このVSS供給用第2金属配線25cおよび25gに対するコンタクト22cおよび22gは、Y方向において隣接するメモリセルにおいて共有されるだけであり、X方向において隣接するメモリセルには共有されない。従って、このデュアルポートメモリセルDPMCにおいても、各列単位でVSSソース配線25cおよび25hの電位を調整することができる。
デュアルポートメモリセル構造の場合、VSSソース線に対しては、シングルポートメモリセルの場合に比べて最大2倍のセル電流が流れることが考えられる。この場合でも、実施の形態1のセル電流、セル電源電圧およびVSSソース配線の条件を適用すれば、メモリセルソース電位は、0.02Vの上昇であり、1.0Vのセル電源電圧VDDの比べて十分に小さく、安定にデータの読出を行うことができ、また、非選択メモリセルにおいても安定にデータを保持することができる。
以上のように、この発明の実施の形態2に従えば、デュアルポートSRAMセルにおいても、メモリセル内でドライバソースノードを短絡するように配置し、かつ負荷トランジスタが形成されるMウェルを横切るようにVSSソース線を配設しており、実施の形態1と同様、列方向に整列するメモリセル単位で、VSSソース線の電位を調整することができ、消費電流および消費電力を低減することができる。
また、メモリセル内でソースドライバトランジスタソースノードを短絡しており、シングルポートメモリセルの場合と同様、これらのドライバトランジスタのソースノード電位ほぼ同じとすることができ、しきい値電圧のばらつきが生じる場合においても、ドライバトランジスタのゲート−ソース間電圧の変化方向は同じとでき、スタティックノイズマージンを確保して、データの反転読出が生じるのを防止することができる。
また、デュアルポートメモリセル構造においても、VSSソース線は、ハイ側電源線およびビット線より下層の配線で構成され、第3金属配線のピッチを十分に確保することができ、メモリセルのサイズを増大させることなく、各列単位でVSSソース線電圧を制御することのできるデュアルポートメモリセルを配置することができる。
[実施の形態3]
図19は、この発明の実施の形態3に従うメモリセルの配線レイアウトを概略的に示す図である。図19においては、活性領域に対するコンタクトとポリシリコン配線のレイアウトを示す。この図19に示すメモリセルのレイアウトは、実質的に、以下の点で、図1に示すメモリセルの配線レイアウトと異なる。すなわち、図1に示す共有コンタクトSC1およびSC2に代えて、ローカルインターコネクト配線(LIC)40aおよび40bが設けられる。ローカルインターコネクト配線40aは、PウェルPW1に形成される活性領域1aとNウェルNWに形成される活性領域1bとを電気的に接続し、かつさらに活性領域1cおよび1dを横切るようにX方向に延在するポリシリコン配線2cに接続される。ローカルインターコネクト配線40aは、コンタクトおよび配線の両機能を有しており、X方向に延在して活性領域1aおよび1bを電気的に接続し、かつY方向に延在して、活性領域1bを第1ポリシリコン配線2cと電気的に接続する。これによりメモリセルのストレージノードの内部配線接続が形成される。
ローカルインターコネクト配線(LIC)40bは、Y方向に延在する領域とX方向に延在する領域とを有し、Y方向に延在する部分により第1ポリシリコン配線2bと活性領域1cを電気的に接続し、X方向に延在する部分により活性領域1cおよび1dを電気的に接続する。図16に示すメモリセルの配線レイアウトの他の配置は、図1に示すメモリセルのレイアウトと同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
ローカルインターコネクト配線40aおよび40bを利用することにより、コンタクトおよび配線を1つの配線層を用いて実現することができ、内部ノード接続用の金属配線の層数を低減することができる。
図20は、図19に示す線L20-L20に沿ったローカルインターコネクト配線40aのY方向に延在する部分の断面構造を概略的に示す図である。図20において、PウェルPW1においては表面に、n型の高濃度不純物領域42が形成される。高濃度不純物領域42の表面に、シリサイド膜43が形成される。不純物領域42およびシリサイド膜43が、図19に示す活性領域1aに対応する。
NウェルNW表面に、高濃度p型不純物領域46が形成される。不純物領域46表面に、たとえばコバルトシリサイド(CoSi2)で構成されるシリサイド膜47が形成される。これらの不純物領域46およびシリサイド膜47は、図19に示す活性領域1bに対応する。
活性領域1aおよび1bの間には、素子分離用のフィールド絶縁膜45bが形成される。また活性領域1aおよび1bそれぞれの外周にも、素子分離用のフィールド絶縁膜45aおよび45cが形成される。
ローカルインターコネクト配線40aは、活性領域1aおよび1bに形成される不純物領域42および44を、フィールド絶縁膜45bを超えて電気的に接続するように形成され、たとえばタングステンWなどの高融点金属等の金属配線で構成される。
ローカルインターコネクト配線40aは、たとえばCMP(ケミカル・メカニカルポリッシング)より表面が平坦化された素子分離膜45bを超えて、連続的に図19に示すX方向に延在して、活性領域1aおよび1bの不純物領域42および46を電気的に接続する。これにより、不純物領域42および46を、それぞれコンタクトおよび上層金属配線を介して接続する構成に比べて、これらの活性領域接続用の別の金属配線層を不要とすることができ、配線層数を低減することができる。ローカルインターコネクト配線40aがワード線を構成するポリシリコン配線2cと接続する部分は、先の図2に示す共有コンタクト(SC1)と同じ断面構造を有する。すなわち、ローカルインターコネクト配線40aは、Y方向およびX方向に連続的に延在してL字形状に形成されて、コンタクトおよび相互接続配線として利用される。
図21は、図19に示すメモリセルの配線レイアウトの上層に形成される第1金属配線のレイアウトを対応のウェル領域NW、PW1およびPW2とともに概略的に示す図である。図21において、メモリセルMC境界領域に配設されるコンタクトWC1、BC1、VC1、VC2、BC2およびWC2それぞれに対応して、第1金属配線48a、48b、48c、48d、48eおよび48fがそれぞれ配設される。これらは、上層金属配線との接続用のための配線であり、境界を接する隣接メモリセルとのみ共有されるようにメモリセルMCのピッチよりも短い矩形形状に形成される。これらの第1金属配線48a−48fそれぞれに対応して、上層金属配線と接続のためのビア49a−49fが配設される。ビア49cおよび49dが、Y方向において整列して配置され、ビア49aおよび49fが、X方向において整列して配置される。ビア49bおよび49eがメモリセル中央部に関して点対称な位置に配置される。
一方、ドライバトランジスタソースノード接続のためのコンタクトGC1およびGC2は、第1金属配線47により相互接続される。この第1金属配線47は、先の実施の形態1と同様、直線的に階段状に形成され、かつ図19に示すローカルインターコネクト配線40aおよび40b上に配設される。
図22は、図21に示す配線レイアウトの複数のメモリセルに適用した場合の配線レイアウトを示す図である。図22においては、4行2列に配列されるメモリセルMCに対する配線レイアウトを代表的に示す。図22において、PウェルPWがX方向において隣接するメモリセルに共有されるように形成される。PウェルPWの間にNウェルNWが配設される。NウェルNWに対応する領域においてはハイ側電源電圧VDDを供給するための第1金属配線(48c)がY方向において隣接するメモリセルと共有されるように配置され、また、ワード線と接続するための第1金属配線48a、48fがX方向において隣接するメモリセルと共有されるように配置される。これらの第1金属配線48aおよび48fは、X方向において交互に配設される。
メモリセルMC内にVSSソース線を構成する第1金属配線47が、メモリセル境界領域に配置されるコンタクトGC2およびGC1の間に階段状に形成され、また、Y方向において隣接するメモリセルにおいて第1金属配線47のレイアウトが鏡映対称となるように配置される。コンタクトGC1およびGC2は、Y方向において交互にメモリセル境界に配置され、また、X方向においても交互に配置される。
図22に示すように、VSSソース線を構成する第1金属配線47は、電源電圧VDDを供給する第1金属配線(48c)およびビット線との接続用の第1金属配線(48b、48e)を間に挟むように蛇行形状に配設される。本実施の形態3においても、コンタクトGC1およびGC2は、X方向において隣接するメモリセルにおいては共有されておらず、各列単位でVSSソース線を構成する第1金属配線47が連続的にY方向にジグザグ上に形成され、各列単位でロー側電源電圧VSSを設定することができる。
図23は、図21に示す配線レイアウトの上層の第2および第3金属配線のレイアウトを概略的に示す図である。図23においては、図21に示すビア49a−49fおよび下層のウェル領域NW、PW1、PW2を併せて示す。
図23において、ビア49bおよび49eそれぞれに対応して、第3金属配線50aおよび50cが配設され、また、ビア49cおよび49dに対応して、第3金属配線50bが配設される。これらの第3金属配線50a−50cは、Y方向に連続的に延在し、ビット線BL、VDDソース線、およびビット線/BLをそれぞれ実現する。
また、図21に示す第1金属配線48aおよび48fそれぞれに対するビア49aおよび49fに対応して第2金属配線51aおよび51bが形成される。これらの第2金属配線51aおよび51bは、メモリセルMCの上層に最終的に形成されるワード線(WL)に接続させるための中間配線として機能し、Y方向に関してメモリセルMC内においてのみ配置される。
第2金属配線51aおよび51bが、それぞれ第2ビア52aおよび52bを介して、X方向に連続的に延在する第3金属配線52に接続される。第3金属配線52によりワード線WLが実現される。ここで、ビア49aおよび49fは、それぞれ、ビア52aおよび52bと重なり合うように形成される。
したがって、ローカルインターコネクト配線を用いて内部ノード(ストレージノード)の接続を行なうことにより、金属配線配置用配線層として、第1から第3金属配線層が必要とされるだけであり、実施の形態1に比べて金属配線の層数が1つ低減される。必要とされる金属配線層の数が低減されるため、製造コストを低減することができ、また、製造工程数が低減され、応じて不良発生の確率が低減され、歩留りが改善される。
さらに、システム・オン・チップなどのシステムLSIに利用される混載SRAMにおいては、このSRAMセル上において有効に活用することのできる配線層の数が1つ増加するため、配線の自由度が増加する(第4金属配線層を任意の配線の配置に用いることができる)。
なお、この実施の形態3に示す配線レイアウトは、同様、デュアルポートSRAMセルに対しても適用することができる。ビット線BLおよび/BLを、それぞれ、Aポートビット線対およびBポートビット線対で置換し、1つのアクセストランジスタを、それぞれAポートアクセストランジスタ対およびBポートアクセストランジスタ対として配置するレイアウトを利用する。また、ワード線WLが、Aポートワード線WLAおよびBポートワード線WLBとして別々に配設される。すなわち、デュアルポートSRAMセルの場合の配線レイアウトも、実施の形態2の配線レイアウトにおいて、Nウェルの負荷トランジスタに対して形成される共有コンタクト(図11の共有コンタクト18bおよび18c)を、ローカルインターコネクト配線で置換することにより、実現することができる。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、内部のストレージノードを接続するための配線として、素子分離膜上に形成されるローカルインターコネクト配線を用いており、必要とされる金属配線の層数を低減でき、製造工程数および製造コストを低減することができる。また、利用可能となる金属配線層の数が増加し、配線の自由度が高くなる。
また、実施の形態1と同様、各列単位でメモリセルソース電圧VSSの電圧レベルを設定することができ、実施の形態1と同様の効果をも得ることができる。
[実施の形態4]
図24は、この発明の実施の形態4に従うメモリセルの配線レイアウトを概略的に示す図である。図24においては、ポリシリコン配線およびコンタクト形成後の配線レイアウトを示す。図24に示す配線レイアウトは、図19に示す配線レイアウトと以下の点でその構成が異なる。すなわち、活性領域1bおよび1cにおいて、コンタクトVC1およびVC2に代えて、共通ソース/ウェルコンタクト60aおよび60bがそれぞれ設けられる。この図24に示す配線レイアウトの他の配置および構成要素は、図19に示すメモリセルの配線レイアウトのものと同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
活性領域1bおよび1cの端部においては、ハイ側電源電圧VDDが供給される。また、通常、NウェルNWへは、基板バイアス電圧として、電源電圧VDDが供給され、NウェルNWに形成されるPチャネルMOSトランジスタのソース/ドレイン領域と基板領域との間の接合が順バイアス状態となるのが防止される。このNウェルNWへ供給される基板バイアス電圧を、メモリセルのハイ側電源電圧として利用する。
図25は、図24に示す共通ソース/ウェルコンタクト60aおよび60bの断面構造を概略的に示す図である。これらの共通ソース/ウェルコンタクト60aおよび60bは同様の断面構造を有するため、図24においては、代表的に、活性領域1bに形成される共通ソース/ウェルコンタクト60aの線L25−L25に沿った概略断面構造を示す。
NウェルNW表面に、p型高濃度不純物領域65aが形成される。この高濃度不純物領域65aの表面および側部を覆うように、シリサイド膜65bが形成される。このコンタクト領域においては、NウェルNW表面が露出するようにエッチングが行われてコンタクト孔が形成される。コンタクト孔部において、NウェルNWは一部がエッチング除去されて段差部が形成され、露出したNウェルNWの突出部の側壁をも覆うようにシリサイド膜65bが形成される。
これらの高濃度不純物領域65aおよびシリサイド膜65bにより、活性領域1bが形成される。コンタクト孔部において、活性領域1b(不純物領域65aおよびシリサイド膜65b)およびNウェル突出部側壁を覆うように、かつNウェルNWに接するように、たとえばタングステンWで形成される金属配線が共通ソース/ウェルコンタクト60aとして設けられる。
コンタクト孔部以外のNウェルNW表面および隣接するPウェルPW1およびPW2の表面には、素子分離用のフィールド絶縁膜67aおよび67bが形成される。この共通ソース/ウェルコンタクト60aは、フィールド絶縁膜67aおよび67bにより、他の素子形成領域から分離される。NウェルNWには、ハイ側電源電圧VDDが供給される。このNウェルNWに供給される電源電圧VDDが、共通ソース/ウェルコンタクト60aにより、高濃度不純物領域65aに伝達される。したがって、負荷トランジスタの電源ノードへ、ウェル領域からハイ側電源電圧VDDを供給する。これにより、電源電圧VDDを伝達するためのVDDソース線を別途配線する必要がなくなり、配線要件が緩和される。
なお、上述のように、共通ソース/ウェルコンタクト60bも、図25に示す共通ソース/ウェルコンタクト60aと同様の断面構造を有する。
図26は、図24に示す配線レイアウトの上層の第1金属配線およびビアのレイアウトを概略的に示す図である。図26においては、図24に示すコンタクトを同一の参照番号を付して併せて示す。コンタクトBC1、GC1、GC2およびBC2それぞれに対応して、第1金属配線69a−69dが、メモリセル領域内においてX方向に延在する矩形形状に形成される。
これらの第1金属配線69a−69dそれぞれに対して、さらに、上層配線との接続のためのビア70a−70bが形成される。ロー側電源電圧VSSを伝達するためのビア70bおよび70cが、Y方向において整列して配置される。ワード線と接続するためのコンタクトWC1およびWC2は、メモリセルMCをX方向に延在して横切る第1金属配線72により相互接続される。この第1金属配線72はX方向に連続的に延在する。X方向においてメモリセルMCが鏡映対称のレイアウトで配置され、同様、ワード線WLを構成する第2金属配線も、下層のポリシリコン配線とのコンタクトをとるための突出部が、メモリセルごとにX方向に沿って鏡映対称の位置に配置される。
図27は、図26に示す配線レイアウトの上層の第2金属配線のレイアウトを示す図である。図27においては、図26に示すビア70a−70dを併せて示す。図27において、メモリセルMC領域において、Y方向に連続的に延在するように、第2金属配線74a−74cが互いに間をおいて配置される。第2金属配線74aは、ビア70aに接続され、ビット線BLを構成する。第2金属配線74bは、ビア70bおよび70cに接続され、VCCソース線を構成する。第2金属配線74cは、ビア70bに接続され、ビット線/BLを構成する。
これらの第2金属配線74a−74cと平行に、X方向のメモリセル協会用域において、Y方向に延在して第2金属配線76aおよび76bが配設される。これらの第2金属配線76aおよび76bは、電源電圧VDDを伝達するための電源線として利用され、電源強化のために用いられてもよく、また、階層ビット線構造におけるグローバルビット線として使用されてもよい。また、単に通過配線として用いられ、電源電圧に固定されて、隣接列のビット線間のクロストークを防止するシードル配線として用いられてもよい。
図28は、この発明の実施の形態4に従う第2金属配線の複数のメモリセルに対するレイアウトを示す図である。図28においては、4行2列に配列されるメモリセルMCに対する配線レイアウトおよびウェル領域PWおよびNWの配置を代表的に示す。図28において、図27に示す構成と対応する部分には同一参照符号を付す。
図28において、第2金属配線74a−74cが互いに間をおいて、Y方向に連続的に延在するように配設される。ビット線BLに対応する第2金属配線74aにおいては、ソースコンタクトGC1およびビット線ビア70aが、交互に第2金属配線74aと整列して配置される。VSSソース線を構成する第2金属配線74bに対しては、ビア70bが、Y方向に整列して各メモリセルの境界位置に配置される。第2金属配線74bは、図26に示す第1金属配線69bを介してソースコンタクトGC1に電気的に接続される。
第2金属配線74cは、ビット線/BLを構成し、この第2金属配線74cと整列してY方向においてビア70dおよびソースコンタクトGC2が交互に配設される。ソースコンタクトGC2は、図26に示す第1金属配線69cを介して第2金属配線74bに電気的に接続される。したがって、VSSソース線は、直線的に延在する電源幹線部と、各メモリセル領域において電源幹線部から分岐する枝部とを有する樹枝上の構成を有する。
メモリセル列の境界領域には、Y方向に連続的に延在する第2金属配線76aおよび76bがX方向において交互に配置される。
これらの第2金属配線74a−74cが、X方向において各メモリセル列ごとに鏡映対称のレイアウトとなるように繰り返し配置される。
この図27に示す配置の場合、図28に示すように、VSSソース線は、Y方向に直線的に延在する第2金属配線74bと、メモリセル領域内で第2金属配線74bに電気的に接続される第1金属配線(69b、69c)とで形成され、先の実施の形態1から3と同様、メモリセル列単位で、ドライバトランジスタのソースノード電圧VSSのレベルを調整することができる。また、メモリセルのドライバトランジスタソースノードは、相互接続されており、メモリセルソース電位の差を抑制することができる。
「共通ソース/ウェルコンタクトの変更例1」
図29は、この発明の実施の形態4における共通ソース/ウェルコンタクトの変更例の平面レイアウトを概略的に示す図である。図29において、NウェルNW内に形成される活性領域1bの両側にそれぞれ隣接して高濃度n型不純物領域82aおよび82bが配置される。これらの不純物領域82aおよび82bならびに活性領域の表面にシリサイド膜84が形成される。このシリサイド膜84により不純物領域82aおよび82bを介してハイ側電源電圧VDDがNウェルNWに供給されるとともに、活性領域1bに電源電圧VDDが供給される。活性領域1bと交差するように配置される第1金属配線2bは、メモリセルの負荷トランジスタのゲート電極を構成しており、従って、メモリセルの負荷トランジスタのソースノードに、Nウェル領域から電源電圧を供給することができる。
図30は、図29に示す線L30−L30に沿った断面構造を概略的に示す図である。図30において、半導体基板SUB表面に形成されるNウェルNW表面にp型活性領域1bが形成され、その両側に高濃度n型不純物領域82aおよび82bが形成される。不純物領域82aおよび82bの外周に素子分離膜86aおよび86bが形成される。
不純物領域82a、活性領域1および不純物領域82bの表面に連続的にシリサイド膜84が形成され、これらの不純物領域82aおよび82bと活性領域1bとが電気的に接続される。
なお、活性領域1bと不純物領域82aおよび82bの間には素子分離膜が形成されていてもよい。
「共通ソース/ウェルコンタクトの変更例2」
図31は、この発明の実施の形態4における共通ソース/ウェルコンタクトの変更例2の構成を示す図である。図31に示す構成においては、シリサイド膜84表面にタングステンWなどの高融点金属膜88がハイ側電源電圧供給の中間層として形成される。この高融点金属膜88は、図25に示す高融点金属膜60aに対応する。図31に示す構成の他の構成は図30に示す構成と同様であり、対応する部分には同一参照符号を付してその詳細説明は省略する。
この図31に示す構成においても、NウェルNWに供給されるバイアス電圧VDDをメモリセル電源電圧として利用することができる。
図32は、この発明の実施の形態4に従う半導体記憶装置の要部の構成を概略的に示す図である。図32において、半導体記憶装置は、メモリセルMCが行列状に配列されるメモリセルアレイ90を含む。このメモリセルアレイ90においては、基板領域として、PウェルPWとNウェルNWが、NウェルNWがPウェルPWに挟まれるように配置される。これらのウェル領域PWおよびNW各々が、メモリセルアレイ90の列方向に直線的に延在する様に配置される。NウェルNW領域に対応して、VSSソース線VSLがそれぞれ個々に配置され、各々ソース電圧(ロー側電源電圧)VSSを伝達する。
この半導体記憶装置は、さらに、行アドレス信号RADに従ってメモリセルアレイ90のワード線WLを選択するワード線選択回路92と、列選択信号Yに従って、選択列に対応するVSSソース線VSL(VSL1-VSLn)の電圧レベルを接地電圧レベル(ロー側電源電圧VSS)に駆動し非選択列のVSSソース線VSL(VSL1-VSLn)の電圧レベルをたとえば0.4Vの電圧レベルに維持するソース電圧制御回路94とを含む。列選択信号Yは、図示しない列デコード回路により列アドレス信号をデコードして生成される。
電源ノード97に結合される電源線96に電源電圧VDDが供給され、この電源電圧VNウェルNWに共通ソースウェルコンタクト(図32には明確に示さず)を介して供給され、各メモリセル列単位でハイ側電源電圧VDDが対応のNウェルNWから供給される。電源ノードは、外部電源電圧を受けるノードであってもよく、また、外部電源電圧を降圧した内部電源電圧を受けるノードであってもよく、また、外部電源電圧をローパスフィルタ処理などの安定化処理が施された後の電圧を受けるノードであっても良い。
メモリセルアレイ90のPウェルPWに対しては例えばロー側電源電圧VSSがバイアス電圧として供給されるが、この経路は示していない。
この図32に示す半導体記憶装置において、列選択信号Yに従って選択列のビット線(BL,/BL)を選択する列選択回路、および選択列のビット線に対しデータの書込/読出を行なう内部書込/読出回路がさらに設けられるが、これの回路は、図面の煩雑化を避けるために示していない。
図33は、図32に示すソース電圧制御回路94の構成の一例を示す図である。図33において、ソース電圧制御回路94は、VSSソース線VSL1-VSLnそれぞれに対応して設けられるソース電圧切換ゲートSG1-SGnを含む。ソース電圧切換ゲートSG1-SGnは、各々同一構成を有するため、図33においては、VSSソース線VSLiに対して設けられるソース電圧切換ゲートSGiについてのみ構成要素に参照符号を付す。ソース電圧切換ゲートSGiは、VSSソース線VSLiとロー側電源ノード98との間に並列に接続されるNチャネルMOSトランジスタTr1およびTr2を含む。MOSトランジスタTr1は、そのゲートに列選択信号Yiを受け、MOSトランジスタTr2は、そのゲートが対応のVSSソース線VSLiに接続される。
MOSトランジスタTr2は、ダイオードモードで動作し、対応のVSSソース線VSLiをロー側電源電圧VSSよりもそのしきい値電圧Vth高い電圧レベルに維持する。MOSトランジスタTr1は、列選択信号Yiが選択状態のときに導通し、対応のVSSソース線VSLiにロー側電源電圧VSSを伝達する。対応の列選択信号Yiが非選択状態のときには、MOSトランジスタTr1は、非導通状態である。
したがって、選択列のVSSソース線VSL(VSL1-VSLn)は、ロー側電源電圧VSSレベルに設定され、非選択列のVSSソース線VSL(VSL1-VSLn)は、しきい値電圧Vthの電圧レベルに設定される。このしきい値電圧Vthは、例えば0.4Vである。
図34は、図33に示すソース線電圧切換ゲートSGiの平面レイアウトを概略的に示す図である。図34において、ソース電圧切換ゲートSGiは、活性領域100内に形成される。活性領域100の中央に第1金属配線106が配置される。この第1金属配線106はコンタクト110cを介して活性領域100に電気的に接続されかつビア103を介してVSSソース線VSLiを構成する第2金属配線99に電気的に接続される。
第1金属配線106の両側に例えばポリシリコンで構成されるゲート電極配線104aおよび104bが配設される。ゲート電極配線104aは、ビア112aを介して第1金属は線108に電気的に接続され、ゲート電極配線104bが、ビア112b、第1金属配線106aおよびビア103を介して第2金属配線99に電気的に接続される。第1金属配線106aは第1金属配線106と連続的に形成されてもよい。
活性領域100の両端領域に第1金属配線102aおよび102bがそれぞれ配設され、これらの第1金属配線102aおよび102bはそれぞれコンタクト110aおよび110bを介して下層の活性領域に接続される。これらの第1金属配線102aおよび102bは、ともに図33に示すロー側電源ノード98に電気的に接続され、ロー側電源電圧VSSを伝達する。
MOSトランジスタTr1が、ゲート電極配線104aと、第1金属配線102aおよび106と、これらの配線の下層の活性領域100とにより構成され、MOSトランジスタTr2が、ゲート電極配線104aと、第1金属配線102aおよび106と、これらの配線の下層の活性領域100とにより構成される。
この図34に示されるように、本実施の形態4においては、VSSソース線VSLiを第2金属配線99で構成することができ、ソース電圧切換のためのトランジスタTr1およびTr2のドレインノードを構成する第1金属配線106にVSSソース線VSLiを1つのビア103を介して電気的に接続することができる。したがって、電気的接続に複数のビアを利用する構成に比べて、VSSソース線とソース電圧切換ゲートSGiのトランジスタの接続部における接続不良(接触不良)および抵抗値(接触抵抗)の上昇を抑制することができ、安定に所望の電圧レベルにVSSソース線VSLの電圧レベルを設定することができ、かつソース電圧切換部の信頼性を改善することができる。
この図32に示す半導体記憶装置の全体の構成は、また実施の形態1から3に示す半導体記憶装置に対しても適用することができる。デュアルポートSRAMの場合、ワード線選択回路92が、AポートおよびBポートにそれぞれ別々に設けられる。またソース電圧制御回路94に対しても、AポートおよびBポート両者からの列アドレス信号に従って選択列もVSソース線VSLの電圧制御が行なわれる。
また、図24、図26および図27に示す配線レイアウトは、デュアルポートSRAMセルに対しても同様適用することができる。デュアルポートメモリセルの場合、PウェルPW1およびPW2に、それぞれ、AポートアクセストランジスタおよびBポートアクセストランジスタを配置する。
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、Nウェルのバイアス電圧を、メモリセル電源電圧として利用するように、各メモリセル形成領域において共通ソース/ウェルコンタクトを配置しており、実施の形態1の効果に加えて、メモリセルアレイ90上に電源電圧VDDを伝達するための配線が不要となり、配線層数が低減され、製造コストが低減されまた歩留りを改善することができ、またさらに、メモリセルアレイ上の配線の自由度を向上させることができる。
1a−1d 活性領域、2b−2d ポリシリコン配線、NW Nウェル、PW,PW1,PW2 Pウェル、9a−9g 第2金属配線、10a−10e 第3金属配線、11 第4金属配線、15a−15f 活性領域、16a−16d ポリシリコン配線、25a−25i 第2金属配線、30a−30g 第3金属配線、32a,32b 第4金属配線、40a,40b ローカルインターコネクション配線、47 第1金属配線、50A−50c,51a,51b 第2金属配線、52 第2金属配線、60a,60b 共通ソース/ウェルコンタクト、69a−69c,72 第1金属配線、74−74c,76a,76b 第2金属配線、VSL,VSS ソース線、90 メモリセルアレイ、92 ワード線選択回路、94 ソース電圧制御回路、SG1−SGn ソース線電圧切換ゲート、99 第2金属配線、100 活性領域、102a,102b,106 第1金属配線、103 ビア。