JP4577481B2 - 無機−有機複合機能性組成物 - Google Patents

無機−有機複合機能性組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4577481B2
JP4577481B2 JP2003424845A JP2003424845A JP4577481B2 JP 4577481 B2 JP4577481 B2 JP 4577481B2 JP 2003424845 A JP2003424845 A JP 2003424845A JP 2003424845 A JP2003424845 A JP 2003424845A JP 4577481 B2 JP4577481 B2 JP 4577481B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
inorganic
organic
composite functional
functional composition
organic composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2003424845A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005179577A (ja
Inventor
現 増田
俊文 橋場
和寿 早川
奈巳 塚本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Holdings Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Holdings Inc filed Critical Nisshinbo Holdings Inc
Priority to JP2003424845A priority Critical patent/JP4577481B2/ja
Priority to PCT/JP2004/018894 priority patent/WO2005061627A1/ja
Priority to US10/583,408 priority patent/US20070149650A1/en
Priority to CNA2004800383624A priority patent/CN1898334A/zh
Priority to KR1020067012208A priority patent/KR20060120212A/ko
Publication of JP2005179577A publication Critical patent/JP2005179577A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4577481B2 publication Critical patent/JP4577481B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/02Compounds of alkaline earth metals or magnesium
    • C09C1/028Compounds containing only magnesium as metal
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L101/00Compositions of unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/18Oxygen-containing compounds, e.g. metal carbonyls
    • C08K3/20Oxides; Hydroxides
    • C08K3/22Oxides; Hydroxides of metals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C3/00Treatment in general of inorganic materials, other than fibrous fillers, to enhance their pigmenting or filling properties
    • C09C3/006Combinations of treatments provided for in groups C09C3/04 - C09C3/12
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C3/00Treatment in general of inorganic materials, other than fibrous fillers, to enhance their pigmenting or filling properties
    • C09C3/10Treatment with macromolecular organic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C3/00Treatment in general of inorganic materials, other than fibrous fillers, to enhance their pigmenting or filling properties
    • C09C3/12Treatment with organosilicon compounds
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/54Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids

Description

本発明は、無機−有機複合機能性組成物に関する。
従来、有機樹脂は、フィルムやその他の成形品に加工され、各種用途に用いられている。
この場合、成形加工品の物性を高めたり、成形加工品に特殊な機能を発現させたりするため、有機樹脂中に改質剤である無機物を添加することがしばしば行われる。このように有機樹脂中に無機物を添加してなる組成物からなる成形加工品は、無機物と有機物とが有する特徴的な性質が複合されているという利点を有するため、広範囲な分野で用いられている。
ところで、ベースとなる樹脂等に無機物を配合する場合、その分散性が不充分であると、ベース樹脂中へ無機物を高充填することが困難になる結果、目的とする物性の向上が不充分となる。このため、樹脂と無機物等の親和性、無機物等のベース樹脂中における分散性等を高めることが極めて重要となる。
無機物は、一般的に樹脂中における分散性等に乏しいため、これを樹脂等に配合して用いる必要がある場合には、ボールミル等を用いて機械的に分散させたり、界面活性剤やコロイダルシリカ等の分散剤を併用して分散性を高めたりすることが多い。
しかしながら、機械的に分散させる方法では分散の程度に限界があり、一方、分散剤を添加してベース樹脂中での無機物の分散性を向上させる方法は、簡便ではあるものの、分散剤の添加により、成形品における誘電率の増加、耐熱性の低下等を招来するという問題がある。
これらの問題点に鑑み、無機物の表面を改質処理して、樹脂に対する分散性を向上させる試みがなされている。この無機物の表面改質処理の中で汎用されているものの1つに、無機物の表面を有機化合物でコーティングする方法がある。
この方法では、無機物の表面に対する有機化合物の接着性が重要となってくることから、その接着性を高めるべく、無機物の表面に存在する、または表面修飾により導入した官能基と反応し得る官能基を有する化合物、例えば、シランカップリング剤等を使用し、化学結合により強固なコーティングを施す方法が用いられている(特許文献1:特開昭61−275359号公報、特許文献2:特開昭63−258958号公報参照)。
しかし、これらの従来法では、無機物の表面上に強固なコーティングを容易に形成し得るものの、得られた無機物の溶媒や有機樹脂に対する分散性が充分であるとは言い難かった。
そこで、近年、無機物表面をポリマー層でコーティングし、無機物の溶媒や樹脂に対する分散性を向上させる試みがなされている(特許文献3:特開昭57−102959号公報、特許文献4:特開平5−295294号公報、特許文献5:特開平5−295052号公報参照)。
しかしながら、これらの方法で得られた表面処理無機物では、グラフト重合の効率が低いなどの理由から、得られた無機物表面のポリマー層の厚みが充分であるとは言えなかった。しかも、表面にポリマー層を形成することによる、高誘電率、低耐酸性等の無機水酸化物が本来有する性質に対する抑制効果が不充分であるため、分散性の向上により高充填が可能となる一方で、得られた成形品等において耐酸性の低下や、誘電率の向上等の新たな問題が生じていた。
特開昭61−275359号公報 特開昭63−258958号公報 特開昭57−102959号公報 特開平5−295294号公報 特開平5−295052号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、有機層を有する無機物と有機樹脂とを含んで構成され、無機物を高充填した場合でも、得られる成形体の物理的性質の低下等を防止し得る無機−有機複合機能性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、イオン性液体を含む溶媒中で形成した有機層を有する無機物を有機樹脂中に配合してなる組成物が、無機物の分散性に優れているため、界面活性剤等の分散剤を添加しなくても無機物の高充填が可能となることを見出すとともに、この有機層をグラフト重合により形成することで、有機層の厚みが増大し、従来、無機物を有機樹脂等に添加してなる組成物を成形した際に生じていた、耐酸性の低下、誘電率増加等の物理的性質の低下をも効率的に抑制することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 有機層を有する無機物と有機樹脂とを含んで構成され、前記有機層が、イオン性液体を含む溶媒中で形成されたことを特徴とする無機−有機複合機能性組成物、
2. 前記イオン性液体を構成するカチオンが、アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種である1の無機−有機複合機能性組成物、
3. 前記溶媒が、イオン性液体を50質量%以上含む1または2の無機−有機複合機能性組成物、
4. 前記溶媒が、イオン性液体を80〜100質量%含む1〜3のいずれかの無機−有機複合機能性組成物、
5. 前記有機層が、ポリマー層であることを特徴とする1〜4のいずれかの無機−有機複合機能性組成物、
6. 前記ポリマー層が、グラフト重合により形成された層であることを特徴とするの無機−有機複合機能性組成物、
7. 前記ポリマー層の厚みが、平均5nm以上であることを特徴とする5または6の無機−有機複合機能性組成物、
8. 前記無機物が、平均粒径1nm〜100μmの粒子であることを特徴とする1〜7のいずれかの無機−有機複合機能性組成物、
9. 前記無機物が、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属珪酸塩、アルカリ土類金属リン酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属珪酸塩および金属炭酸塩からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする1〜8のいずれかの無機−有機複合機能性組成物
10. イオン性液体を含む溶媒中で無機物の表面に有機層を形成する第1工程と、この工程で得られた前記有機層を有する無機物と、有機樹脂とを混合する第2工程を備えることを特徴とする無機−有機複合機能性組成物の製造方法。
11. 前記イオン性液体を構成するカチオンが、アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種である10の無機−有機複合機能性組成物の製造方法、
12. 前記溶媒が、イオン性液体を50質量%以上含む10または11の無機−有機複合機能性組成物の製造方法、
13. 前記溶媒が、イオン性液体を80〜100質量%含む10〜12のいずれかの無機−有機複合機能性組成物の製造方法、
14. 前記第1工程が、予め反応性官能基で表面修飾された前記無機物の表面でグラフト重合を行って前記有機層を形成するものである10〜13のいずれかの無機−有機複合機能性組成物の製造方法
を提供する。
本発明によれば、イオン性液体を含む溶媒中で形成した有機層を有する無機物を有機樹脂中に配合してなる組成物であるから、無機物の有機樹脂中における分散性が優れている。このため、界面活性剤等の分散剤を添加しなくても無機物を有機樹脂中に高充填することができるから、分散剤の添加による組成物の耐熱性低下や誘電率増加等の物理的性質の低下を回避することができる。
しかも、この有機層をグラフト重合により形成することで、有機層の厚みが増大し、従来、無機物を有機樹脂等に多量に添加することに伴って生じていた、耐酸性の低下、誘電率増加等の物理的性質の低下をも効率的に抑制することができる。
また、無機物の表面処理において、イオン性液体を用いているため、製造時間の短縮化を図ることができるのみならず、有機溶媒の使用量をゼロまたは極少量に抑えることができ、しかもイオン性液体を再利用できるため、環境適応性、安全性に優れている。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る無機−有機複合機能性組成物は、有機層を有する無機物と有機樹脂とを含んで構成され、有機層が、イオン性液体を含む溶媒中で形成されたものである。
本発明における無機物としては、特に限定されるものではなく、炭酸カルシウム,炭酸バリウム,炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、珪酸カルシウム,珪酸バリウム,珪酸マグネシウム等のアルカリ土類金属珪酸塩、リン酸カルシウム,リン酸バリウム,リン酸マグネシウム等のアルカリ土類金属リン酸塩、硫酸カルシウム,硫酸バリウム,硫酸マグネシウム等のアルカリ土類金属硫酸塩、シリカ,酸化アルミニウム,酸化亜鉛,酸化鉄,酸化チタン,酸化コバルト,酸化ニッケル,酸化マンガン,酸化アンチモン,酸化スズ等の金属酸化物、水酸化鉄,水酸化ニッケル,水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム,水酸化クロム等の金属水酸化物、珪酸亜鉛,珪酸アルミニウム,珪酸銅などの金属珪酸塩、炭酸亜鉛,炭酸アルミニウム,炭酸コバルト,炭酸ニッケル,塩基性炭酸銅などの金属炭酸塩等が挙げられ、これらは1種単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
中でも、本発明の組成物からなる成形体に、電子材料に好適な機能性を付与すること考慮すると、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の無機(水)酸化物を用いることが好ましく、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の無機水酸化物がより好ましい。
無機物の形状としては、組成物の用途によっても異なるため一概には規定できないが、組成物中における無機物の分散性、成形性、難燃性向上効果は比表面積に比例する(「高分子の難燃化技術」(シーエムシー出版)」ことから、平均粒径1nm〜100μm、好ましくは10nm〜50μm、より好ましくは30nm〜30μmの球状または略球状粒子であることが好適である。
なお、平均粒径は、粒度分析計(9320−X100、日機装(株)製)による測定値である。
本発明における有機層は、有機化合物からなる層であれば、特に限定されるものではない。例えば、有機層として、低分子有機化合物からなる層、高分子有機化合物からなる層(ポリマー層)のどちらを採用することもできるが、ポリマー層が好適である。ポリマー層を用いることで、有機層に充分な厚みを持たせることができるから、有機層を有する無機物を有機樹脂中に配合してなる組成物を成形した際の物理的性質の低下を効率的に防止することができる。
無機物表面に有機層を形成するにあたっては、無機物自体が有する官能基を基にして有機層を形成することもできるが、予め反応性官能基で無機物表面を修飾しておくことが好ましい。
この反応性官能基としては、有機層の形成方法により適宜選択すればよく、例えば、α,β−不飽和カルボニル基、α,β−不飽和ニトリル基、ハロゲン化ビニル基、ハロゲン化ビニリデン基、芳香族ビニル基、複素環式ビニル基、共役ジエン、カルボン酸ビニルエステルのような重合性不飽和結合を有する基、カルボキシル基、カルボニル基、エポキシ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、アミド基、シアノ基、アミノ基、エポキシ基、クロロメチル基、グリシジルエーテル基、リチオ基、エステル基、ホルミル基、ニトリル基、ニトロ基、カルボジイミド基、オキサゾリン基等が挙げられる。
これらの反応性官能基で、無機物を修飾する方法としては、公知の種々の方法を採用できるが、無機物を導入する官能基に応じた表面処理剤で処理する方法が簡便であることから好適に用いられる。
表面処理剤としては、例えば、オレイン酸等の不飽和脂肪酸、オレイン酸ナトリウム,オレイン酸カルシウム,オレイン酸カリウム等の不飽和脂肪酸金属塩、不飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸エ−テル、界面活性剤、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン,メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,n−オクタデシルメチルジエトキシシラン,ドデシルトリメトキシシラン,2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン,2−(4−クロロスルフォニル)エチルトリメトキシシラン、トリエトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン,フェネチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
有機層を構成する低分子有機化合物としては、上記の表面処理剤を低分子有機化合物とすることもできるが、以下のような有機化合物も使用することができる。例えば、ステアリン酸等の飽和脂肪酸、ステアリン酸ナトリウム,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸カリウム等の脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、脂肪酸エ−テル、スチレン,o−メチルスチレン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,α−メチルスチレン,p−エチルスチレン,2、4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレン,p−t−ブチルスチレン,p−n−ヘキシルスチレン,p−n−オクチルスチレン,p−n−ノニルスチレン,p−n−デシルスチレン,p−n−ドデシルスチレン,p−メトキシスチレン,p−フェニルスチレン,p−クロルスチレン,3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、アクリル酸,メタクリル酸,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸n−オクチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸ラウリル,アクリル酸ステアリル,アクリル酸2−クロルエチル,アクリル酸フェニル,α−クロルアクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸n−オクチル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸ラウリル,メタクリル酸ステアリル、(メタ)アクリロニトリル,(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,安息香酸ビニル,酪酸ビニル、ギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪酸,吉草酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,マレイン酸,フマル酸,フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,塩化アセチル,塩化ベンゾイル等のカルボン酸またはカルボン酸誘導体、ビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン,ビニルヘキシルケトン,メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール,N−ビニルカルバゾール,N−ビニルインドール,N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、フッ化ビニル,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン,ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸トリフルオロエチル,アクリル酸テトラフルオロプロピルなどのフッ素アルキル基を有する化合物、メタノール,エタノール,フェノール,メチルフェノール,ニトロフェノール,ピクリン酸,エチレングリコール,グリセロール等のアルコール類、臭化エチル,(S)−3−ブロモー3−メチルヘキサン,クロロメタン等のハロゲン化有機化合物、エチルアミン,アミノエタン,2−アミノペンタン,3−アミノブタン酸,アニリン,p−ブロモアニリン,シクロヘキシルアミン,アンモニア,アセトアミド,p−トルイジン,p−ニトロトルエン等のアミン系化合物、ホルムアルデヒド等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
これらの低分子有機化合物は、無機物自体に存在する官能基、または上述した無機物に導入した反応性官能基と、共有結合、水素結合、配位結合等により結合させることで、有機層とすることができる。無機物と低分子有機化合物との反応は、結合の種類に応じて適宜公知の手法から選択すればよい。
有機層がポリマー層の場合、構成するポリマーとしては、特に限定はなく、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン等のスチレン系ポリマー、ポリメタクリル酸メチル,ポリメタクリル酸エチル,ポリアクリロニトリル,ポリメタクリロニトリル等のポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ポリ酢酸ビニル,ポリプロピオン酸ビニル,ポリ安息香酸ビニル,ポリ酪酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類、ポリビニルメチルエーテル,ポリビニルエチルエーテル,ポリビニルイソブチルエーテル等のポリビニルエーテル類、ポリビニルメチルケトン,ポリビニルヘキシルケトン,ポリメチルイソプロペニルケトン等のポリビニルケトン類、ポリN−ビニルピロール,ポリN−ビニルカルバゾール,ポリN−ビニルインドール,ポリN−ビニルピロリドン等のポリN−ビニル化合物などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種類以上組み合わせて用いることができる。また、上述した低分子有機化合物の1種または2種以上からなるコポリマーまたはポリマーを用いることもできる。これらの中でも、モノマーの重合性を考慮すると、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸誘導体を用いることが好ましい。
なお、本発明においては無機物表面で架橋構造を形成するポリマーを用いることもできる。
無機物上のポリマー層の厚みは、平均3nm以上であることが好ましく、これよりも薄いと、有機樹脂中への分散性が低下して有機樹脂中への充填量が低下する虞がある上、組成物の耐酸性および弾性率の低下、誘電率の向上等の物性低下を招く虞がある。
これらの点を考慮すると、ポリマー層の厚みは、平均5nm以上であることが好ましく、より好ましくは7nm以上、より一層好ましくは10nm以上、さらに好ましくは15nm以上である。
なお、ポリマー層の厚みは、密度計(アキュビック1330、(株)島津製作所製:ヘリウム雰囲気下)による密度の測定値から、グラフト化した無機物1cm3中のポリマー層の体積と無機物1cm3の体積および全表面積を求め、それらの値から求めた計算値である。
ポリマー層を構成するポリマーの数平均分子量(Mn)は、グラフト密度によっても異なるため、一概には規定できないが、通常、1000〜5000000(5百万)、好ましくは2500〜4500000(4百50万)、より好ましくは5000〜3000000、より好ましくは10000〜1000000である。なお、数平均分子量はゲル濾過クロマトグラフィーによる測定値である。
本発明において、無機物表面をポリマー層で覆う手法としては、特に限定されるものではなく、例えば、スプレードライヤー法、シード重合法、ポリマーの無機物への吸着法、ポリマーと粒子とを化学的に結合させるグラフト重合法等が挙げられる。中でも(1)比較的厚く、かつ、長時間溶媒中で分散させた場合でも溶け出しにくいポリマー層を形成することができる、(2)モノマーの種類を代えることにより、多様な表面特性を付与することができる、(3)無機物表面に導入した重合開始基を基に重合を行えば、高い密度でのグラフト化が可能であることなどから、グラフト重合を用いることが好適である。
この場合、グラフト鎖によるポリマー層の形成方法としては、グラフト重合により予めグラフト鎖を調製した後、これを無機物表面へ化学結合させる方法、無機物の表面でグラフト重合を行う方法が挙げられ、どちらを用いてもよいが、無機物表面におけるグラフト鎖の密度を増加させることを考慮すると、立体障害等の影響を受けにくい後者の方法を用いることが好適である。
なお、無機物とグラフト鎖との化学結合としては、共有結合、水素結合、配位結合等が挙げられる。
グラフト重合反応としては、ラジカル重合,イオン重合,酸化アニオン重合,開環重合などの付加重合、脱離重合,脱水素重合,脱窒素重合などのポリ縮合、ポリ付加,重付加,異性化重合,転移重合などの水素移動重合、付加縮合等が挙げられるが、簡便であるとともに経済性に優れ、種々の高分子の工業的な合成に多く用いられているという点から、特に、ラジカル重合が好ましい。また、グラフト鎖の分子量および分子量分布またはグラフト密度の制御を行う場合は、リビングラジカル重合を用いることもできる。
なお、リビングラジカル重合は、(i)ドーマント種P−Xの共有結合が熱や光などにより可逆的に切断され、PラジカルとXラジカルとに解離して活性化されて重合が進む解離−結合機構、(ii)P−Xが遷移金属錯体の作用によって活性化されて重合が進む原子移動機構(ATRP)、(iii)P−Xが他のラジカルと交換反応を起こして重合が進む交換連鎖移動機構、の3種類に大別されるが、本発明においてはいずれを用いることもできる。
グラフト重合可能なモノマーとしては、グラフト重合において反応可能な官能基を有する化合物であれば特に限定されるものではない。
例えば、ラジカル重合反応を用いる場合、反応性不飽和(二重)結合を有するモノマーであり、具体的には、スチレン,o−メチルスチレン,m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,α−メチルスチレン,p−エチルスチレン,2、4−ジメチルスチレン,p−n−ブチルスチレン,p−t−ブチルスチレン,p−n−ヘキシルスチレン,p−n−オクチルスチレン,p−n−ノニルスチレン,p−n−デシルスチレン,p−n−ドデシルスチレン,p−メトキシスチレン,p−フェニルスチレン,p−クロルスチレン,3,4−ジクロルスチレンなどのスチレン類、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,アクリル酸プロピル、アクリル酸ヘキシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸n−オクチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸ラウリル,アクリル酸ステアリル,アクリル酸2−クロルエチル,アクリル酸フェニル,α−クロルアクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸n−ブチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸n−オクチル,メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸ラウリル,メタクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,安息香酸ビニル,酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、アクリロニトリル,メタクリロニトリルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニルメチルケトン,ビニルヘキシルケトン,メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン類、N−ビニルピロール,N−ビニルカルバゾール,N−ビニルインドール,N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物、フッ化ビニル,フッ化ビニリデン,テトラフルオロエチレン,ヘキサフルオロプロピレン、アクリル酸トリフルオロエチル,アクリル酸テトラフルオロプロピレルなどのフッ素アルキル基を有する化合物等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、モノマーの反応性を考慮すると、ビニル基系および/または(メタ)アクリル基系のモノマーやコポリマーまたはポリマーを用いることが好ましい。
また、ラジカル重合を使用する場合、反応性不飽和(二重結合)を2個以上有するモノマーを用いれば、架橋構造を有する重合体も製造することができる。このようなモノマーとしては特に限定されるものではなく、例えば、ジビニルベンゼン,ジビニルナフタレン等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセロールアクリロキシジメタクリレート、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルフォン等の化合物が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ビニル基系および/または(メタ)アクリル基系のモノマーやコポリマーを用いることが好ましい。
なお、ラジカル重合を行う際に用いる重合開始剤としては、公知の種々のものを用いることができ、例えば、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸ナトリウム,過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスイソブチロニトリル,アゾビスメチルブチロニトリル,アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物などが挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
また、ラジカル重合以外のその他の重合法を用いる場合、例えば、ギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪酸,吉草酸,シュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,マレイン酸,フマル酸,フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,塩化アセチル,塩化ベンゾイル等のカルボン酸またはカルボン酸誘導体、硫酸、リン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機酸または無機塩基、メタノール,エタノール,フェノール,メチルフェノール,ニトロフェノール,ピクリン酸,エチレングリコール,グリセロール等のアルコール類、臭化エチル,(S)−3−ブロモー3−メチルヘキサン,クロロメタン等のハロゲン化有機化合物、エチルアミン,アミノエタン,2−アミノペンタン,3−アミノブタン酸,アニリン,p−ブロモアニリン,シクロヘキシルアミン,アンモニア,アセトアミド,p−トルイジン,p−ニトロトルエン等のアミン系化合物、ホルムアルデヒド等を無機物表面に導入された反応性官能基と反応させることができるが、これらに限定されるものではない。なお、これらの化合物の1種または2種以上からなるコポリマーまたはポリマーを用いることもできる。
グラフト重合条件は特に限定されるものではなく、使用するモノマー等に応じて公知の種々の条件を用いればよい。
例えば、無機物表面でラジカル重合を行ってグラフト化する場合を例に挙げると、無機物上に導入された反応性官能基0.1molに対し、これと反応し得る官能基を有するモノマーの量は1〜300molであり、重合開始剤の使用量は、通常、0.005〜30molである。また、重合温度は、通常、−20〜1000℃であり、重合時間は、通常、0.2〜72時間である。
なお、グラフト重合を行うに際しては、分散剤、安定剤、乳化剤(界面活性剤)などの各種添加剤を、必要に応じて重合反応系内に加えることもできる。
グラフト重合により形成されるポリマー層は、上記のように無機物表面でグラフト化して形成するだけでなく、先にも述べたように、予め形成したポリマーを無機物表面上の反応性官能基と反応させてこれを導入して形成することもできる。
この場合、無機物とポリマーとの反応方法は、例えば、脱水反応、求核置換反応、求電子置換反応、求電子付加反応、吸着反応等が挙げられる。
本発明において、上述した有機層は、イオン性液体中で形成したものであり、イオン性液体中で、無機物と有機層とを構成する低分子または高分子有機化合物とを反応させる方法、無機物表面における重合反応をイオン性液体中で行う方法のどちらを採用してもよい。
ここで、イオン性液体とは、液状の塩、特に、常温付近で液体となる塩の総称であり、イオンのみからなる溶媒である。
本発明におけるイオン性液体としては、特に限定されるものではないが、イオン性液体を構成するカチオンが、アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、中でも、アンモニウムカチオンであることがより好ましい。
イミダゾリウムカチオンとしては、特に限定はなく、例えば、ジアルキルイミダゾリウムカチオン、トリアルキルイミダゾリウムカチオン等が挙げられ、具体的には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムイオン、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオンなどが挙げられる。
上記ピリジニウムカチオンとしては、特に限定されるものではなく、例えば、N−プロピルピリジニウムイオン、N−ブチルピリジニウムイオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムイオン、1−ブチル−2,4−ジメチルピリジニウムイオンなどが挙げられる。
アンモニウムカチオンとしては、特に限定されるものではないが、脂肪族または脂環式4級アンモニウムイオンをカチオン成分とするものであることが好ましい。
これらの脂肪族および脂環式4級アンモニウムイオンとしても、特に限定されるものではなく、トリメチルプロピルアンモニウムイオン、トリメチルヘキシルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン等の種々の4級アルキルアンモニウムイオン、N−ブチル−N−メチルピロリジニウムイオンなどが挙げられるが、特に、下記一般式(1)で示されるものを好適に用いることができる。
Figure 0004577481
〔式中、R1〜R4は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜5のアルキル基、またはR′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基(R′はメチル基またはエチル基を示し、nは1〜4の整数である。)を示し、これらR1、R2、R3およびR4のいずれか2個の基が環を形成していても構わない。ただし、R1〜R4の内少なくとも1つは上記アルコキシアルキル基である。〕
式(1)において、炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられるが、分子量が大きいほどイオン性液体の粘性が増す傾向があり、粘度が高い程溶媒として使用し難くなることから、R1〜R4の少なくとも1つはメチル基、エチル基またはプロピル基、特に、メチル基またはエチル基であることが好ましい。
また、R′−O−(CH2n−で表されるアルコキシアルキル基としては、メトキシまたはエトキシメチル基、メトキシまたはエトキシエチル基、メトキシまたはエトキシプロピル基、メトキシまたはエトキシブチル基が挙げられる。上記nは1〜4の整数であるが、イオン性液体形成能が高いことから、1〜2が好ましく、特に、n=2が好ましい。
1〜R4のいずれか2個の基が環を形成しているカチオンとしては、アジリジン環、アゼチジン環、ピロリジン環、ピペリジン環等を有する4級アンモニウムイオンが挙げられる。
上記式(1)で示される4級アンモニウムイオンの中でも、イオン性液体形成能が高く、原料が安価で比較的簡便な方法で合成可能という点から、下記式(2)で示されるアルコキシエチル基を有する4級アンモニウムイオンが好ましく、特に、下記式(3)で示される4級アンモニウムイオンがより一層好ましい。
Figure 0004577481
〔式中、R1〜R3およびR′は、上記と同じ。〕
Figure 0004577481
〔式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。〕
上記式(3)で示される4級アンモニウムイオンのように、2−アルコキシエチル基を含有するアンモニウムカチオンは、イオン性液体の性状を示し易く、例えば、下記式(4)〜(6)で示されるものもイオン性液体の性状を示し、これらも好適に用いることができる。
Figure 0004577481
また、上記イオン性液体を構成するアニオンとしては、特に限定されるものではなく、例えば、BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、AlCl4 -、HSO4 -、ClO4 -、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CF3CO2 -、(CF3SO22-、Cl-、Br-、I-等のアニオンを用いることができる。
なお、本発明において、イオン性液体は、それ単独で使用してもよく、従来用いられていた各種溶媒と混合して用いることもできる。
イオン性液体と、従来の溶媒とを混合して用いる場合、混合溶媒中のイオン性液体の含有量は、例えば、5質量%程度であれば、無機物上の反応性官能基と、これと反応する化合物の官能基との反応性が高まり、また、重合反応の場合には、得られる重合体において、グラフト鎖またはブロック鎖の分子量および分子量分布を制御することが容易となる。しかし、後処理の簡便性や、環境適応性および安全性などを考慮すると、イオン性液体の混合溶媒中の濃度は、10質量%以上、特に、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80〜100質量%であることが好適である。
この場合、イオン性液体と混合して使用可能な溶媒としては、特に限定されるものではない。例えば、水、メタノール,エタノール,1−プロパノール,2−プロパノール,1−ブタノール、2−ブタノール,i−ブチルアルコール,t−ブチルアルコール,1−ペンタノール,2−ペンタノール,3−ペンタノール,2−メチル−1−ブタノール,i−ペンチルアルコール,t−ペンチルアルコール,1−ヘキサノール,2−メチル−1−ペンタノール,4−メチル−2−ペンタノール,2−エチルブタノール,1−ヘプタノール,2−ヘプタノール,3−ヘプタノール,2−オクタノール,2−エチル−1−ヘキサノール,ベンジルアルコール,シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルセロソルブ,エチルセロソルブ,イソプロピルセロソルブ,ブチルセロソルブ,ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール類、アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル,酢酸ブチル,プロピオン酸エチル,セロソルブアセテート等のエステル類、ペンタン,2−メチルブタン,ヘプタン,n−ヘキサン,2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン,2,3−ジメチルブタン,ヘプタン,n−オクタン,イソオクタン,2,2,3−トリメチルペンタン,ノナン,デカン,シクロペンタン,メチルシクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサン,エチルシクロヘキサン,p−メンタン,ジシクロヘキシル,ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼン,アニソール(メトキシベンゼン)等の脂肪族または芳香族炭化水素類、四塩化炭素,トリクロロエチレン,クロロベンゼン,テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル,ジメチルエーテル,トリオキサン,テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチラール,ジエチルアセタール等のアセタール類、ギ酸,酢酸,プロピオン酸等の脂肪酸類、ニトロプロパン,ニトロベンゼン,ジメチルアミン,モノエタノールアミン,ピリジン,ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシド,アセトニトリル等の硫黄または窒素含有有機化合物類等が挙げられ、これらは1種単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
本発明の無機−有機複合機能性組成物を構成する有機樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン等のポリハロゲン化ビニル誘導体樹脂、ポリ酢酸ビニル等のポリ酢酸ビニル誘導体樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルメチルエーテル,ポリビニルエチルエーテル,ポリビニルイソブチルエーテル等のポリビニルエーテル類、ポリビニルメチルケトン,ポリビニルヘキシルケトン,ポリメチルイソプロペニルケトン等のポリビニルケトン類、ポリN−ビニルピロール,ポリN−ビニルカルバゾール,ポリN−ビニルインドール,ポリN−ビニルピロリドン等のポリN−ビニル化合物、フッ素系樹脂、ナイロン−6等のポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート、シリコ−ン、ポリアセタール、アセチルセルロース等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。
中でも、環境適応性や、組成物の用途の多様性等を考慮すると、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系樹脂、エポキシ系樹脂を用いることが好ましい。
さらに、無機物の有機樹脂中への分散性および親和性を高め、これらを含む組成物を成形してなる成形体の機械的強度の減少を抑制することを考慮すると、無機物表面の有機層と、有機樹脂とは同種の化合物であることが好ましく、有機層と有機樹脂との組み合わせとしては、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル系樹脂、エポキシ系樹脂等から選ばれるポリマー層または有機樹脂をそれぞれ組み合わせたものが好適である。
有機層を有する無機物と有機樹脂との配合割合は、特に限定されるものではないが、無機物を配合することによる各種機能性向上効果と物性低下とのバランスを考えると、有機層を有する無機物(未処理無機物基準):有機樹脂=5:95(質量比)〜90:10(質量比)であることが好ましく、より好ましくは10:90(質量比)〜80:20(質量比)、より一層好ましくは30:70(質量比)〜70:30(質量比)である。
さらに、本発明の無機−有機複合機能性組成物は、以下に示す各特性(1)〜(3)を少なくとも1つ有するものであることが好ましい。なお、以下(1)〜(3)において、両組成物を構成する有機樹脂はもちろん同一である。また、本発明における組成物とは、無機物と有機樹脂とを単に混合してなる混合未定形状態の組成物に加え、この組成物を成形してなる成形物をも包含する概念である。
(1)無機−有機複合機能性組成物を塩化水素20質量%水溶液中に5分間浸漬して酸処理した際の重量減少率と、無機−有機複合機能性組成物中のポリマー層を有する無機物に代えてポリマー層を有しない無機物を無機物基準で同量添加した組成物(未処理無機物添加組成物)を同様の酸処理した際の重量減少率とが、無機−有機複合機能性組成物の重量減少率(質量%)/未処理無機物添加組成物の重量減少率(質量%)<0.5、好ましくは0.4、より好ましくは0.3を満たす。
この重量減少率の比が0.50以上であると、無機−有機複合機能性組成物の耐酸性が低い可能性が高く、酸処理を必要とする電気材料等に当該組成物を使用できなくなるなど、用途が制限される虞がある。
なお、上記試験方法は、試験片の大きさ、塩酸濃度、試験時間以外は、JIS K7114の試験方法に準拠したものであり、重量減少率は、酸処理後、水で良く洗浄し、さらに乾燥後の重量を基に測定した値を意味する。
(2)無機−有機複合機能性組成物の誘電率と、この無機−有機複合機能性組成物中のポリマー層を有する無機物に代えてポリマー層を有しない無機物を無機物基準で同量添加した組成物(未処理無機物添加組成物)の誘電率とが、無機−有機複合機能性組成物の誘電率/未処理無機物添加組成物の誘電率<1.00、好ましくは0.99、より好ましくは0.98を満たす。
この誘電率の比が1.00以上であると、無機物表面に形成したポリマー層による誘電率増大防止効果が不充分であり、上述と同様に組成物の用途が制限される虞がある。
なお、誘電率は、誘電率測定装置(4291Bインピーダンス・マテリアル・アナライザ、アジレント・テクノロジー社製)を用い、周波数1GHzで測定した値である。
(3)無機−有機複合機能性組成物の弾性率と、この無機−有機複合機能性組成物中のポリマー層を有する無機物に代えてポリマー層を有しない無機物を無機物基準で同量添加した組成物(未処理無機物添加組成物)の弾性率とが、無機−有機複合機能性組成物の弾性率/未処理無機物添加組成物の弾性率>1.10、好ましくは1.15、より好ましくは、1.20を満たす。
この弾性率の比が1.10以下であると、有機樹脂に対する無機水酸化物の分散性が不充分となる結果と推測されるが、当該組成物を成形してなる成形物の機械的強度が弱くなる場合があり、その用途が制限される可能性が高い。
なお、弾性率は、熱分析レオロジーシステム(EXTAR600、セイコーインスツルメント(株)製)を用い、室温で測定した値である。
以上のような本発明の無機−有機複合機能性組成物は、従来技術で問題となっていた無機−有機複合組成物の物理的性質(電気的性質(誘電率の増加)、機械的性質(弾性率の低下))、耐酸性の低下等を抑制することができる。また、ポリマー層を有する無機物と有機樹脂との親和性が高いため、界面活性剤等の分散剤の添加なしで無機物を有機樹脂へ均一充填することができる。その結果、無機物の高充填が可能となり、無機物と有機物とのそれぞれの特徴的な性質を複合させた新しい機能性を発現させることができる。
この無機−有機複合機能性組成物は、無機水酸化物、ポリマー層、有機樹脂の種類によっても異なるため特に限定されるものではないが、例えば、電子材料分野、建築材料分野、自動車材料分野などの各種機能性が必要とされる材料に好適に用いることができる。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
〈イオン性液体の合成〉
[合成例1] ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウムのビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)塩(以下、DEME・TFSIと略す)の合成
ジエチルアミン(関東化学(株)製)100mlと2−メトキシエチルクロライド(関東化学(株)製)85mlとを混合し、得られた混合溶液をオートクレーブ中に入れ、100℃で24時間反応させた。この時、内圧は、0.127MPa(1.3kgf/cm2)であった。24時間後、析出した結晶と反応液との混合物に水酸化カリウム(片山化学工業(株)製)56gを溶解した水溶液200mlを加え、2層に分かれた有機層を分液ロートで分液した。さらに、塩化メチレン(和光純薬工業(株)製)100mlを加え抽出する操作を2回行った。
分液した有機層をまとめ、飽和食塩水で洗浄した後、炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製)を加えて乾燥し、減圧濾過した。得られた有機層の溶媒をロータリーエバポレーターを用いて留去し、残留分について常圧蒸留を行い、沸点135℃付近の留分を18.9g得た。この化合物が2−メトキシエチルジエチルアミンであることを1H−核磁気共鳴スペクトルにより確認した。
得られた2−メトキシエチルジエチルアミン8.24gをテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製)10mlに溶解し、氷冷下、ヨウ化メチル(和光純薬工業(株)製)4.0mlを加えた。30分後、アイスバスを外し、室温にて一晩撹拌した。この反応溶液の溶媒を減圧留去し、得られた固形分をエタノール(和光純薬工業(株)製)−テトラヒドロフラン系で再結晶し、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩を16g得た。
続いて、2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩10.0gをアセトニトリル(関東化学(株)製)50mLに溶解した。これにトリフルオロメタン酸イミドリチウム(キシダ化学(株)製)9.5gを加え、これが完全に溶解した後、さらに15分間撹拌した。
アセトニトリルを減圧留去し、残留分に水を加え、2層に分離した有機層を分液し、水で5回洗浄し、有機層中の不純物を取り除いた。
洗浄後の有機層を真空ポンプにて減圧にし、水を十分に留去し、室温で液体状の表題のイオン性液体を6.8g得た。
[合成例2]ジエチルメチル(2−メトキシエチル)アンモニウム塩 (テトラフルオロボレート)塩(以下、DEME・BF4と略す)の合成
合成例1と同様に合成した2−メトキシエチルジエチルメチルアンモニウムヨウ素塩15.0gを、蒸留水100mlに溶解し、これに酸化銀(関東化学(株)製)6.37gを加えて3時間撹拌した。減圧濾過により沈殿物を取り除いた後、撹拌下、42%テトラフルオロホウ酸(関東化学(株)製)を反応液がpH5〜6付近になるまで少量ずつ加えた。この反応溶液を凍結乾燥し、さらに真空ポンプで水を充分留去し、室温(25℃)で液体状の表題のイオン性液体を12.39g得た。
[合成例3]N−(2−メトキシエチル)−N−メチルピロリジニウム ビストリフルオロメタンスルホニルイミド塩(以下、ProMe・TFSIと略す)の合成
ジエチルアミンの代わりにピロリジン81mlを用い、オートクレーブでの反応温度を90℃とした以外は、合成例1と同様にして、表題のイオン性液体を合成した。
〈ポリマー層を有する無機物粒子の合成例〉
[合成例4]
平均粒径700nmのMg(OH)2(キスマ5Q:表面未処理Mg(OH)2、共和化学(株)製)に反応性二重結合を有する3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤、チッソ(株)製)を脱水反応(参考文献:カップリング剤最適利用技術:科学技術総合研究所)によりカップリングしてコートした。
50mlのナスフラスコ中で、上記シランカップリング処理したMg(OH)2 6.0gを、合成例1で得られたDEME・TFSI 18.0gによく分散させた。続いて、アゾビスイソブチロニトリル(関東化学(株)製、以下、AIBNと略す)0.15g、スチレン(関東化学(株)製)6.0gを添加し、70℃で約1時間半加熱して反応させた。
反応終了後、未反応モノマー、グラフト化していないポリマーを除くため、Mg(OH)2粒子をテトラヒドロフラン(和光純薬工業(株)製、以下、THFと略す)で洗浄、吸引濾過を4回繰り返した。洗浄後、この粒子のIRスペクトルをFT−IR8900(島津製作所(株)製)で測定したところ、700cm-1付近にベンゼン環由来の吸収が現れたことから、PStグラフト化されたことが確認された。
なお、上記平均粒径は、粒度分析計(MICROTRACHRA9320−X100、日機装(株)製)により測定した値である。
[合成例5]
重合時間を0.5時間にした以外は、合成例4と同様の方法でグラフト化したMg(OH)2を合成した。反応終了後、合成例4と同様の方法で、Stがグラフト化されたことを確認した。
[合成例6]
重合溶媒を一般有機溶媒のTHFにした以外は、合成例4と同様の方法でグラフト化したMg(OH)2を合成した。反応終了後、合成例4と同様の方法で、Stがグラフト化されたことを確認した。
[合成例7]
重合溶媒を合成例2で合成したDEME・BF4にした以外は、合成例4と同様の方法でグラフト化したMg(OH)2を合成した。反応終了後、合成例4と同様の方法で、Stがグラフト化されたことを確認した。
[合成例8]
重合溶媒を合成例3で合成したProMe・TFSIにした以外は、合成例4と同様の方法でグラフト化したMg(OH)2を合成した。反応終了後、合成例4と同様の方法で、Stがグラフト化されたことを確認した。
[合成例9]
重合溶媒をエチルメチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート(以下EMI・BF4と略す。(東京化成工業(株)製))にした以外は、合成例4と同様の方法でグラフト化したMg(OH)2を合成した。反応終了後、合成例4と同様の方法で、Stがグラフト化されたことを確認した。
[合成例10]
重合溶媒をブチルメチルイミダゾリウム ヘキサフルオロルオロフォスフェート塩(以下BMI・PF6と略す。(関東化学(株)製))にした以外は、合成例4と同様の方法でグラフト化したMg(OH)2を合成した。反応終了後、合成例4と同様の方法で、Stがグラフト化されたことを確認した。
合成例4〜10でグラフト化したMg(OH)2粒子について、グラフトポリマーとMg(OH)2を繋ぐエステル基とを、下記方法により切断してグラフトポリマーの分子量、分子量分布を測定した。
100mlのビーカー中で蒸留水2ml、THF12ml、エタノール(関東化学(株)製)5mlの混合溶液に、グラフト化したMg(OH)2粒子を分散した後、水酸化カリウム(シグマアルドリッチジャパン(株)製)0.22gを添加し、55℃で7時間反応させた。
反応後、反応溶液を濃塩酸(和光純薬工業(株)製)により中性にし、Mg(OH)2粒子を取り出した。粒子を除去した残りの溶液を濃縮し、得られた固形物(グラフトポリマー)を水、へキサン(和光純薬工業(株)製)で洗浄した。
洗浄したグラフトポリマーについて、下記装置および条件にてゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で分子量を測定した。数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定結果を表1に示す。
分子量測定条件
GPC測定装置:C−R7A、(株)島津製作所製
検出器:紫外分光光度計検出器(SPD−6A)、(株)島津製作所製
ポンプ:分子量分布測定装置ポンプ(LC−6AD)、(株)島津製作所製
使用カラム:Shodex KF804L(昭和電工(株)製) 2本、Shodex KF806(昭和電工(株)製) 1本の計3本を直列につないだもの
使用溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
合成例4〜10で得られたMg(OH)2粒子について、粒子表面のグラフトポリマー層の厚みを下記手法により求めた。また、後述の実施例で使用する有機物により表面処理がなされているMg(OH)2粒子(キスマ5A、共和化学(株)製)の有機層の厚みも求めた。結果を併せて表1に示す。
〈ポリマー層の厚み測定方法〉
密度計(アキュビック1330、(株)島津製作所製:ヘリウム雰囲気下)により合成例4〜10の各Mg(OH)2粒子の密度を求め、グラフト前のMg(OH)2密度の値から無機物1cm3中のポリマー層の体積と、無機物1cm3の体積および全表面積とを求めた。これらの値を用い、ポリマー層の厚みを計算により求めた。なお、このときMg(OH)2は真球状であると仮定して体積および全表面積を求めた。
Figure 0004577481
(表1中「0*」とは、計算の結果、厚みがほぼ0nmであることを意味する。)
〈無機−有機複合機能性組成物(成形体)の作製〉
[実施例1〜6および比較例1〜3]
合成例4でグラフト化したMg(OH)2粒子(実施例1)4.75g、合成例5でグラフト化したMg(OH)2粒子(実施例2)4.66g、合成例6でグラフト化したMg(OH)2粒子(比較例3)4.55g、合成例7でグラフト化したMg(OH)2粒子(実施例3)4.80g、合成例8でグラフト化したMg(OH)2粒子(実施例4)4.70g、合成例9でグラフト化したMg(OH)2粒子(実施例5)4.68g、合成例10でグラフト化したMg(OH)2粒子(実施例6)4.78g、表面処理がされている市販Mg(OH)2(キスマ5A、共和化学(株)製)(比較例1)4.50g、未処理Mg(OH)2(キスマ5Q、共和化学(株)製)(比較例2)4.50gを、それぞれTHF4gに分散させたものを、エポキシ樹脂(エピークロンN−740、大日本インキ化学工業(株)製)3.60gと、硬化剤(ノバキュアーHX3722、旭化成(株)製)0.90gとを混合した樹脂に添加して無機−有機複合機能性組成物を調製した。
なお、ここで、各実施例および比較例におけるMg(OH)2の添加量は、以下の計算方法に基づいて、それぞれに含まれるバージンのMg(OH)2基準で等量になるようにした。
計算方法
密度計(アキュビック1330、(株)島津製作所製:ヘリウム雰囲気下)でグラフト化したMg(OH)2、キスマ5A、キスマ5Qそれぞれ5gの密度を測定した。その結果、キスマ5A、キスマ5Qは2.39g/cm3、合成例4でグラフト化したMg(OH)2は2.25g/cm3であった。
ここで、スチレンの密度は1.07g/cm3であり、未処理Mg(OH)2(キスマ5Q)の密度は2.39g/cm3であるから、1cm3中のポリスチレングラフト体積をXcm3とすると下記式が成り立ち、Xは0.11cm3となる。
1.07X+2.39(1−X)=2.25
したがって、1cm3中のポリスチレンのグラフト質量は、0.11cm3×1.07g/cm3=0.12(g)であり、バージンMg(OH)2の質量は(1−0.11)cm3×2.39g/cm3=2.13(g)である。
よって、上記グラフト化したMg(OH)2のグラフトポリマー量は全体の100×0.12(g)/2.13(g)=5.6(質量%)となる。
以上よりキスマ5A、キスマ5Q 4.50gと合成例4でグラフト化したMg(OH)24.75gに含まれるMg(OH)2が等量となる。
合成例5〜10で得られたグラフト化されたMg(OH)2粒子のグラフトポリマー量も同様の方法で計算し、添加量を求めた。
上記各実施例および比較例で調製した無機−有機複合機能性組成物について、バーコート法によりフィルムを作製した。これを終夜乾燥させた後100℃で1時間、さらに150℃で0.5時間熱処理を行って硬化させた。得られた硬化物について、下記特性を評価した。結果を表2および表3に示す。なお、硬化物の厚みは、全て約150μmであった。
[1]成形性評価
試験片の大きさを縦10cm×横5cm、厚み約150μmとした以外は、JIS K 7104の評価方法に準拠し、上記硬化物を下記基準により評価した。
○:Mg(OH)2が充分均一に充填されている、硬化物の表面が滑らか(手触り、目視)
△:Mg(OH)2が均一に充填されている、硬化物の表面が凹凸の部分がある
×:Mg(OH)2が均一に充填されていない、硬化物の表面全体に凹凸がある
[2]機械的強度評価
上記硬化物の弾性率を熱分析レオロジーシステム(EXTAR600 セイコーインスツルメント(株)製)を用い、室温で測定した。
◎:比較例2に比べ大幅に弾性率が向上した
○:比較例2に比べ弾性率が向上した
△:比較例2に比べやや弾性率が向上した
[3]誘電率評価
上記硬化物の誘電率を誘電率測定装置(4291Bインピーダンス・マテリアル・アナライザ、アジレント・テクノロジー(株)製)を用い、室温下、周波数1GHzにて測定した。なお、未処理品のMg(OH)2の組成物は成形性が悪く、誘電率にばらつきがでた。そのため4箇所の平均値を誘電率として採用した。
◎:誘電率が比較例2に比べ減少した
△:誘電率が比較例2に比べやや減少した
[4]耐酸性評価
縦10cm×横5cm、厚み約150μmの大きさの硬化物を、塩化水素(和光(株)製)20質量%水溶液に5分間、1時間、3時間浸し、蒸留水で洗浄後、これを乾燥し、各時間浸漬後の質量を測定した。
酸処理前と酸処理後の各質量から、重量減少率(%)を算出するとともに、酸処理後における硬化物の色の変化により、耐酸性を評価した。
◎:耐酸性あり
×:耐酸性なし
Figure 0004577481
Figure 0004577481
上記表2および表3において、各物性値の比は、比較例2(未処理Mg(OH)2:キスマ5Q)のデータを基準(分母)として算出した値である。
表2および表3に示されるように、上記合成例4,5,7〜10で得られたグラフトポリマー層を有するMg(OH)2粒子を配合してなる各実施例の無機−有機複合機能性組成物は、成形性、物性共に優れた値を示すことがわかる。この場合、実施例1(合成例4)と比較例3(合成例6)との結果から、イオン性液体を用いることで、有機溶媒を用いた場合よりも短時間で高分子量のポリマー層を形成し得ることがわかる。
以上の結果から、イオン性液体を用いることで、環境負荷の低減を図ることができる上、高分子量のポリマー層でも短時間で効率よく無機物表面に形成することができ、この無機物を有機樹脂に添加した組成物(成形体)の成形性、物性を格段に向上することができる。本発明の無機−有機複合機能性組成物は、各種物性に優れた組成物として、今後、様々な分野での利用が期待されるものである。

Claims (14)

  1. 有機層を有する無機物と有機樹脂とを含んで構成され、前記有機層が、イオン性液体を含む溶媒中で形成されたことを特徴とする無機−有機複合機能性組成物。
  2. 前記イオン性液体を構成するカチオンが、アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の無機−有機複合機能性組成物。
  3. 前記溶媒が、イオン性液体を50質量%以上含む請求項1または2記載の無機−有機複合機能性組成物。
  4. 前記溶媒が、イオン性液体を80〜100質量%含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の無機−有機複合機能性組成物。
  5. 前記有機層が、ポリマー層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の無機−有機複合機能性組成物。
  6. 前記ポリマー層が、グラフト重合により形成された層であることを特徴とする請求項5記載の無機−有機複合機能性組成物。
  7. 前記ポリマー層の厚みが、平均5nm以上であることを特徴とする請求項5または6に記載の無機−有機複合機能性組成物。
  8. 前記無機物が、平均粒径1nm〜100μmの粒子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の無機−有機複合機能性組成物。
  9. 前記無機物が、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ土類金属珪酸塩、アルカリ土類金属リン酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、金属酸化物、金属水酸化物、金属珪酸塩および金属炭酸塩からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の無機−有機複合機能性組成物。
  10. イオン性液体を含む溶媒中で無機物の表面に有機層を形成する第1工程と、この工程で得られた前記有機層を有する無機物と、有機樹脂とを混合する第2工程を備えることを特徴とする無機−有機複合機能性組成物の製造方法。
  11. 前記イオン性液体を構成するカチオンが、アンモニウムカチオン、イミダゾリウムカチオンおよびピリジニウムカチオンから選ばれる少なくとも1種である請求項10記載の無機−有機複合機能性組成物の製造方法。
  12. 前記溶媒が、イオン性液体を50質量%以上含む請求項10または11記載の無機−有機複合機能性組成物の製造方法。
  13. 前記溶媒が、イオン性液体を80〜100質量%含む請求項10〜12のいずれか1項に記載の無機−有機複合機能性組成物の製造方法。
  14. 前記第1工程が、予め反応性官能基で表面修飾された前記無機物の表面でグラフト重合を行って前記有機層を形成するものである請求項10〜13のいずれか1項に記載の無機−有機複合機能性組成物の製造方法。
JP2003424845A 2003-12-22 2003-12-22 無機−有機複合機能性組成物 Expired - Lifetime JP4577481B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003424845A JP4577481B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 無機−有機複合機能性組成物
PCT/JP2004/018894 WO2005061627A1 (ja) 2003-12-22 2004-12-17 無機−有機複合機能性組成物
US10/583,408 US20070149650A1 (en) 2003-12-22 2004-12-17 Inorganic-organic composite functional composition
CNA2004800383624A CN1898334A (zh) 2003-12-22 2004-12-17 无机-有机复合功能性组合物
KR1020067012208A KR20060120212A (ko) 2003-12-22 2004-12-17 무기-유기 복합 기능성 조성물

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003424845A JP4577481B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 無機−有機複合機能性組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005179577A JP2005179577A (ja) 2005-07-07
JP4577481B2 true JP4577481B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=34708799

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003424845A Expired - Lifetime JP4577481B2 (ja) 2003-12-22 2003-12-22 無機−有機複合機能性組成物

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20070149650A1 (ja)
JP (1) JP4577481B2 (ja)
KR (1) KR20060120212A (ja)
CN (1) CN1898334A (ja)
WO (1) WO2005061627A1 (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4562180B2 (ja) * 2004-03-08 2010-10-13 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着シート類及び表面保護フィルム
EP1582573B1 (en) 2004-03-08 2010-10-13 Nitto Denko Corporation Pressure-sensitive adhesive composition, pressure-sensitive adhesive sheets and surface protecting film
TWI387629B (zh) * 2004-07-26 2013-03-01 Nitto Denko Corp 壓感黏合劑組成物、壓感黏合片及表面保護膜
JP4404370B2 (ja) * 2005-01-19 2010-01-27 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着シートおよび表面保護フィルム
JP4358190B2 (ja) * 2005-03-16 2009-11-04 日東電工株式会社 粘着剤組成物、粘着シート類および表面保護フィルム
KR101258719B1 (ko) * 2005-05-20 2013-04-26 닛토덴코 가부시키가이샤 점착제 조성물, 점착 시트 및 표면 보호 필름
AU2006280019A1 (en) * 2005-08-09 2007-02-22 Soane Labs, Llc Hair hold formulations
EP1920011A2 (en) * 2005-08-09 2008-05-14 Soane Laboratories, LLC Dye-attached and/or surface-modified pigments
TWI384049B (zh) 2005-09-05 2013-02-01 Nitto Denko Corp Adhesive composition, adhesive sheet and surface protective film
US10130561B2 (en) * 2006-01-31 2018-11-20 Robert L. Karlinsey Functionalized calcium phosphate hybrid systems for confectionery and foodstuff applications
WO2007092450A2 (en) 2006-02-03 2007-08-16 Nanopaper Llc Functionalization of paper components
US20090165976A1 (en) * 2006-02-03 2009-07-02 Nanopaper, Llc Expansion agents for paper-based materials
US7820563B2 (en) * 2006-10-23 2010-10-26 Hawaii Nanosciences, Llc Compositions and methods for imparting oil repellency and/or water repellency
JP5186708B2 (ja) * 2006-10-25 2013-04-24 日立化成株式会社 樹脂組成物及び樹脂組成物からなる成形品、フィルム又はコーティング剤
US9023373B2 (en) * 2007-01-31 2015-05-05 Indiana Nanotech Functionalized calcium phosphate hybrid systems for the remineralization of teeth and a method for producing the same
US9205036B2 (en) 2007-01-31 2015-12-08 Robert Karlinsey Dental composition
WO2008137190A2 (en) * 2007-02-06 2008-11-13 Indiana Nanotech Division Of Therametric Technologies, Inc. Hybrid organic/inorganic chemical hybrid systems, including functionalized calcium phosphate hybrid systems, and a solid-state method of producing the same
JP5246854B2 (ja) * 2008-05-02 2013-07-24 一般財団法人川村理化学研究所 有機無機複合ゲル
US8603441B2 (en) * 2008-09-12 2013-12-10 Indiana Nanotech Llc Functionalized calcium phosphate hybrid systems for confectionery and foodstuff applications
JP2010254934A (ja) * 2009-04-28 2010-11-11 Tokai Rika Co Ltd 金属調塗料及び金属調インキ、金属調塗膜、並びにこれらの製造方法
CN101671502B (zh) * 2009-10-20 2012-03-21 同济大学 一种低吸收率高发射率涂料填料
US8673134B2 (en) * 2009-12-08 2014-03-18 Exxonmobil Research And Engineering Company Removal of nitrogen compounds from FCC distillate
US9296904B2 (en) 2010-12-20 2016-03-29 3M Innovative Properties Company Coating compositions comprising non-ionic surfactant exhibiting reduced fingerprint visibility
US8742022B2 (en) * 2010-12-20 2014-06-03 3M Innovative Properties Company Coating compositions comprising non-ionic surfactant exhibiting reduced fingerprint visibility
JP5167428B1 (ja) * 2011-10-28 2013-03-21 株式会社フジクラ 難燃性樹脂組成物、及び、これを用いたケーブル
EP2861678B1 (en) 2012-06-19 2017-10-11 3M Innovative Properties Company Coating compositions comprising polymerizable non-ionic surfactant exhibiting reduced fingerprint visibility
JP6363072B2 (ja) 2012-06-19 2018-07-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 低表面エネルギー基及びヒドロキシル基を含む添加剤、並びにコーティング組成物
JP7333239B2 (ja) * 2019-09-30 2023-08-24 日清紡ホールディングス株式会社 複合材料

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5117929A (en) * 1974-07-08 1976-02-13 Sumitomo Bakelite Co Anteiseio kairyoshita mukyukigurafutojugofukugotai
JPS56158140A (en) * 1980-05-09 1981-12-05 Itaru Yamaguchi Production of polymer coated body
GB9127293D0 (en) * 1991-12-23 1992-02-19 Ici Plc Coating pigment particles with polymers
JPH05310808A (ja) * 1992-05-13 1993-11-22 Fuji Shirishia Kagaku Kk エポキシ基含有ポリマーで被覆された無機微粒子の製法

Also Published As

Publication number Publication date
US20070149650A1 (en) 2007-06-28
CN1898334A (zh) 2007-01-17
KR20060120212A (ko) 2006-11-24
WO2005061627A1 (ja) 2005-07-07
JP2005179577A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4577481B2 (ja) 無機−有機複合機能性組成物
JPWO2005100467A1 (ja) 樹脂組成物
Bell et al. Investigation of dielectric breakdown in silica-epoxy nanocomposites using designed interfaces
JP5673632B2 (ja) 基板用充填材および無機−有機複合基板成形材料用組成物
JP5527377B2 (ja) 難燃剤および無機−有機複合難燃性組成物
Wei et al. Stratified polymer brushes from microcontact printing of polydopamine initiator on polymer brush surfaces
TWI567145B (zh) 於鍍銀之銅上選擇性塗覆經曝露之銅
JP2005179576A (ja) 無機−有機複合難燃性組成物
JPH0418423A (ja) 重合性シリカ分散体及びそれを用いた硬化性被覆用組成物
JP4692752B2 (ja) 重合反応用溶媒および重合体製造方法
JP4999333B2 (ja) 防錆材
KR20190073382A (ko) 패턴 형성 방법, 하지제 및 적층체
CN1216950C (zh) 光固化性组合物及其固化方法
JP5052014B2 (ja) 防錆材
JP5170963B2 (ja) 重合体被覆無機粒子
JP2008251711A (ja) 導電パターン材料の作製方法、及び導電パターン材料
Renbutsu et al. Palladium adsorbing properties of UV-curable chitosan derivatives and surface analysis of chitosan-containing paint
JP4587376B2 (ja) 金属イオン担持無機粒子粉末
US9481743B2 (en) Polyelectrolyte polymers, their manufacture and use
CN1631926A (zh) 草莓型有机-无机纳米复合微球的制备方法
JP2024008588A (ja) 高分子被覆した低誘電正接シリカゾル及びその製造方法
CN111511868A (zh) 包含层间修饰层状无机化合物的缓释性复合剂及其制造方法
JPH11315274A (ja) 塗布型帯電防止用組成物および表面帯電防止加工成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061005

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100728

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100810

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4577481

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term