JPH11315274A - 塗布型帯電防止用組成物および表面帯電防止加工成形体 - Google Patents

塗布型帯電防止用組成物および表面帯電防止加工成形体

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JPH11315274A
JPH11315274A JP11019601A JP1960199A JPH11315274A JP H11315274 A JPH11315274 A JP H11315274A JP 11019601 A JP11019601 A JP 11019601A JP 1960199 A JP1960199 A JP 1960199A JP H11315274 A JPH11315274 A JP H11315274A
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JP
Japan
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polymer
quaternary ammonium
coating
solvent
type antistatic
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Application number
JP11019601A
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English (en)
Inventor
Jiro Mizuie
次朗 水家
Junji Shiiki
潤二 椎木
Jiro Tosa
治郎 土佐
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Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 造膜性があり、プラスチックとの密着性に優
れ、耐久性の高い帯電防止性表面皮膜を形成することが
できる高分子量の四級アンモニウム塩基を有するポリマ
ーを含有する塗布型の帯電防止用組成物を得ること。 【解決手段】 三級アミノ基を有するビニルモノマーを
含有してなるビニルモノマー成分(A)を原料として四
級アンモニウム塩基を有するポリマーを製造する際に、
溶媒として前記ビニルモノマー成分(A)を溶解し、得
られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを溶解さ
せず、かつ重合不活性な溶媒(B)を使用し、四級化剤
(C)により前記ビニルモノマー成分(A)中の三級ア
ミノ基を有するビニルモノマーにおける三級アミノ基を
四級化しながら、前記ビニルモノマー成分(A)を重合
させることにより得られる四級アンモニウム塩基を有す
るポリマーを含有してなる塗布型帯電防止用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、四級アンモニウム
塩基を有するポリマーを含有してなる塗布型帯電防止用
組成物および表面帯電防止加工成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック類は帯電しやす
く、静電気の発生によりごみが付着しやすい。そのた
め、界面活性剤等の帯電防止剤を表面に塗布するか内部
に練り込む等の改良が検討されてきた。特に塗布処理で
は、水やアルコールなどの適当な溶剤に塗布型帯電防止
剤を溶かした溶液を用いて、プラスチック製品を浸漬す
るとか、スプレーするなどの後、乾燥させて溶剤を除去
することにより、プラスチック製品の表面に帯電防止剤
の薄い皮膜が形成される。このため、塗布型帯電防止剤
は即効性があり、製品内部から表面への帯電防止剤のブ
リードアウトが起こりにくいようなガラス転移点の高い
プラスチックに対しても有効であるなどの特徴を持って
いる。一般に、塗布型帯電防止剤としては、各種界面活
性剤が使用されている。
【0003】一方、塗布処理の欠点としては、帯電防止
剤がプラスチック表面に付着しているだけであるため、
耐久性に乏しく、摩擦、水洗、高温高湿度中への放置な
どにより表面の帯電防止剤が容易に除かれてしまい、帯
電防止効果が失われやすい等の問題が指摘されている。
【0004】そのため、帯電防止効果に優れ、練りこみ
型のようにプラスチックの物性に影響を与えることもな
く、また、拭き取りなどにより取り除かれることのない
ような耐久性に優れた皮膜を形成することができる塗布
型の帯電防止剤が必要とされている。
【0005】従来より、帯電防止剤としては、カチオン
性のものが最も良好な効果を示すことが一般に知られて
おり、特開昭52−155191号公報、特公昭54−
15074号公報、特開平4−292638号公報に見
られるように四級アンモニウム塩基を有するポリマーを
帯電防止剤として使用する方法も既に知られている。
【0006】しかしながら、プラスチック表面で四級ア
ンモニウム塩基を有するモノマーを重合させて表面に皮
膜を形成させる場合には、このモノマー自身の吸湿性が
高すぎるために、含まれる水分のため品質的なむらが生
じてしまう問題がある。また、疎水性溶媒中に四級アン
モニウム塩基を有するモノマー水溶液を懸濁・分散させ
て重合する、いわゆる逆相懸濁重合法や、特公昭49−
16033号公報、特開昭63−54466号公報、特
開昭52−155191号公報に記載されているような
方法により得られた四級アンモニウム塩基を有するポリ
マーを塗布型の帯電防止用組成物の基材として使用する
場合では、疎水性モノマーが共重合できないなど合成法
上共重合できるモノマーが制約されたり、重合中及び重
合用の溶媒を除去する際に溶液もしくは溶融粘度が著し
く高くなるため、実際上表面皮膜が十分な物性を発揮で
きるほどまで高分子量化することが困難である。例え
ば、一般的に、逆相懸濁重合法は、親水性モノマーの水
溶液を疎水性溶媒に懸濁・分散させて重合する方法をと
るため、親水性モノマーである四級アンモニウム塩基を
有するモノマーと、疎水性モノマーとを共重合した共重
合体を得ることが難しい。このため、塗布型の帯電防止
剤に求められる造膜性、耐久性、密着性を発現できる組
成と分子量とを併せ持つ四級アンモニウム塩基を有する
ポリマーを得ることが難しいという状況にあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、造膜性があり、プラスチックとの密着性に
優れ、耐久性の高い帯電防止性表面皮膜を形成すること
ができる高分子量の四級アンモニウム塩基を有するポリ
マーを含有する塗布型の帯電防止用組成物を得ることに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、特定の溶媒の存在下
に、三級アミノ基を有するビニルモノマーを含有してな
るビニルモノマー成分の四級化反応と共重合を同時に行
うことによって、塗布型帯電防止剤としての各種性能を
達成しうる四級アンモニウム塩基を有するポリマーが得
られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、一般式(1):
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Xは−(CH−(但し、n
は2〜4の整数を示す)を示し、RとRはそれぞれ
独立して炭素数1〜9のアルキル基またはヒドロキシア
ルキル基を示す)で表される三級アミノ基を有するビニ
ルモノマーを含有してなるビニルモノマー成分(A)を
原料として四級アンモニウム塩基を有するポリマーを製
造する際に、溶媒として前記ビニルモノマー成分(A)
を溶解し、得られる四級アンモニウム塩基を有するポリ
マーを溶解させず、かつ重合不活性な溶媒(B)を使用
し、四級化剤(C)により前記ビニルモノマー成分
(A)中の三級アミノ基を有するビニルモノマーにおけ
る三級アミノ基を四級化しながら、前記ビニルモノマー
成分(A)を重合させることにより得られる四級アンモ
ニウム塩基を有するポリマーを含有してなる塗布型帯電
防止用組成物に関する。また、本発明は上記の塗布型帯
電防止用組成物を成形体に塗布もしくは含浸、または成
形体を当該塗布型帯電防止用組成物に浸漬して得られた
表面帯電防止加工成形体に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の塗布型帯電防止用組成物
中に含有させうる前記四級アンモニウム塩基を有するポ
リマーの原料である、ビニルモノマー成分(A)におけ
る三級アミノ基を有するビニルモノマーは、前記一般式
(1)で表される三級アミノ基を有するビニルモノマー
であれば特に制限されない。
【0013】かかる三級アミノ基を有するビニルモノマ
ーの具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート{なお、(メタ)アクリとは、アクリまたは
メタクリを意味する。以下、同様の意味である。}、ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド
等を挙げることができる。
【0014】また、前記三級アミノ基は、後述の四級化
剤(C)により四級化してなることにより、一般式
(2):
【0015】
【化3】
【0016】(式中、X、R、Rは前記と同じ、R
は水素原子または炭素数1〜9のアルキル基もしくは
炭素数1〜9のアルキル基を有しても良いベンジル基を
示し、Yはハロゲン原子、RSO、ROSO
(但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基または炭
素数1〜20のアルキル基を有しても良いフェニル基を
示す)で表される四級アンモニウム塩基となる。
【0017】また、前記ビニルモノマー成分(A)に
は、前記三級アミノ基を有するビニルモノマーに共重合
しうるこれ以外のビニルモノマー(以下、共重合用ビニ
ルモノマーという)を含有させることができる。当該共
重合用ビニルモノマーは、得られる四級アンモニウム塩
基を有するポリマーが造膜性を有し、プラスチックとの
密着性に優れ、耐久性の高い帯電防止性表面皮膜を形成
しうるように適宜選択して使用でき、四級アンモニウム
塩基を有するモノマーもしくは対応する前記三級アミノ
基を有するモノマーと共重合するものであれば制限を受
けない。当該共重合用ビニルモノマーとしては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン
などの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;メチル(メ
タ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)
アクリル酸エステルモノマー;(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル
(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メ
タ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミドとその
N−アルキル誘導体;および酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなどのビニルエステルなどを挙げることができ
る。これら共重合用ビニルモノマーは1種類を単独でま
たは2種類以上を併用して使用することができる。特
に、スチレン、メチルスチレン、メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア
クリレート、クロロエチル(メタ)アクリレートなどの
疎水性ビニルモノマーを使用することが望ましい。
【0018】また、本発明の塗布型帯電防止用組成物の
耐水性・耐久性向上等の表面皮膜の特性を考慮して、共
重合用ビニルモノマーとして多官能性のビニルモノマー
を併用することができる。なお、多官能性ビニルモノマ
ーは、本発明以外の溶液重合などの他の製造方法におい
て疎水性モノマーを共重合する際には、ゲル化、増粘、
不安定化の原因になるため併用できない。当該多官能性
ビニルモノマーとしては、ジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)ア
クリルアミド、(メタ)アリル(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が
あげられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を併
用して使用することができる。多官能性モノマーを併用
した場合、得られた四級アンモニウム塩基を有するポリ
マーの分散液の安定性を向上させる効果もある。
【0019】前記四級アンモニウム塩基を有するポリマ
ーを本発明の塗布型帯電防止用組成物中で単独に使用す
る場合、前記四級アンモニウム塩基を有するモノマー成
分が共重合体組成中5〜50モル%となるようにするの
が好ましい。該四級アンモニウム塩基を有するモノマー
単位の割合が5モル%未満では、帯電防止性が小さくな
り過ぎ、また50モル%を超える場合には、形成される
表面皮膜の耐水性が悪くなり、吸水しやすいため白化し
たり、粘着性が生じてしまう。一方、本発明の塗布型帯
電防止用組成物中に、後述する(F)造膜性ポリマー成
分や(G)ラジカル重合性モノマーおよび/またはラジ
カル重合性のオリゴマーを併用する場合、形成される表
面皮膜としての耐水性を高くできるため、共重合体組成
中の前記四級アンモニウム塩基を有するモノマー成分の
割合を5〜80モル%の範囲まで拡大することができ
る。なお、共重合用ビニルモノマーとして多官能性ビニ
ルモノマーを使用する場合、その使用量は共重合体組成
の5モル%以下となるようにするのが好ましい。5モル
%を超えると、重合中に分散液が不安定になり、全体が
ゲル化してしまう場合がある。
【0020】本発明の塗布型帯電防止用組成物に使用さ
れる前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造
においては、溶媒として前記ビニルモノマー成分(A)
を溶解し、得られるポリマーを溶解させず、かつ重合不
活性な性質を有する溶媒(B)を使用する。具体的に
は、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素系の飽和炭化水素
系溶媒、芳香族炭化水素系溶剤、疎水性のケトン系溶
媒、エステル系溶媒、ニトリル系溶媒などが使用でき、
例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、
nーノナン、n−デカン、n−ドデカン、イソオクタ
ン、2,2,3−トリメチルペンタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の
飽和炭化水素系溶媒;エチルベンゼン、テトラリン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケ
トン、2−ヘキサノン、2−ペンタノン、シクロヘキサ
ノン、メチルシクロヘキサノン等の疎水性のケトン系溶
媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢
酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペ
ンチル、2−エチルブチルアセテート、酢酸シクロヘキ
シル、プロピオン酸ブチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピ
レン等のエステル系溶媒;アセトニトリル、バレロニト
リル等のニトリル系溶媒が挙げられる。これらの溶媒
は、1種類を単独で使用することも、2種以上使用し
て、混合溶媒として使用する事もでき、これらの中でも
飽和炭化水素系溶媒や芳香族炭化水素系溶媒を含有して
なる溶媒が好ましい。
【0021】前記四級アンモニウム塩基を有するポリマ
ーの製造における四級化剤(C)としては各種公知の四
級化剤が使用できる。具体例としては、ジメチル硫酸、
ジエチル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸、p−
トルエンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル
等のスルホン酸エステル、及びアルキルクロライド、ア
ルキルブロマイド、ベンジルクロライド等が挙げられ
る。これらの四級化剤の中でも、特にアルキル硫酸また
はアルキル硫酸エステルを使用した場合が、帯電防止性
の点から好ましい。これらの四級化剤(C)は、それら
四級化剤(C)が液状であれば直接添加して反応系を形
成させてもよく、あるいは四級化剤(C)を溶媒に溶解
させて添加して反応系を形成させてもよい。溶媒に溶解
させる場合に使用される溶媒は、不活性であり四級化剤
を溶解させるもの全てを使用することができるが、前記
溶媒(B)と均一に混合できるものが好ましい。なお、
本発明において、反応系とは、前記ビニルモノマー
(A)、前記溶媒(B),および四級化剤(C)を含有
してなる系をいう。
【0022】本発明の塗布型帯電防止用組成物中に配合
される前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーは、
前記ビニルモノマー成分(A)中の三級アミノ基を有す
るビニルモノマーにおける三級アミノ基を前記四級化剤
(C)により四級化しながら前記ビニルモノマー成分
(A)を重合させることにより得られる。ここで、四級
化しながら重合させるとは、前記反応系において四級化
反応および重合反応を同一工程で進行させることをい
い、通常、四級化反応を行う時期において重合反応が未
完了であればよい。このような四級化しながら重合させ
る方法としては、(1)前記ビニルモノマー成分(A)
および前記四級化剤(C)を全量添加して形成した反応
系において四級化反応および重合反応を同一工程で進行
させる方法、(2)反応系を形成させる際において、前
記ビニルモノマー成分(A)および/または前記四級化
剤(C)を段階的または連続的に添加することにより、
前記反応系を形成させながら四級化反応および重合反応
を進行させる方法等が挙げられる。これらの中では
(2)の方法が、得られる四級アンモニウム塩基を有す
るポリマー粒子間での凝集が起こりにくく、重合中の分
散性および粒子径を制御しやすい点で好ましい。
【0023】前記(2)の方法を採用した場合、原則と
して、前記ビニルモノマー成分(A)における三級アミ
ノ基を有するビニルモノマーを予め添加した場合は、前
記四級化剤(C)は段階的または連続的に当該成分に添
加して反応系を形成させるのが好ましく、前記四級化剤
(C)を予め添加した場合は、前記ビニルモノマー成分
(A)における3級アミノ基を有するモノマーを段階的
または連続的に当該成分に添加して反応系を形成させる
のが好ましい。具体的には、前記ビニルモノマー成分
(A)および前記溶媒(B)を予め含有してなる反応系
に対し、前記四級化剤(C)を段階的または連続的に添
加することにより反応系を形成させる方法、前記溶媒
(B)および前記四級化剤(C)を予め含有してなる反
応系に対し、前記ビニルモノマー成分(A)を段階的ま
たは連続的に添加することにより反応系を形成させる方
法、前記溶媒(B)を予め含有してなる反応系に対
し、前記ビニルモノマー成分(A)と四級化剤(C)を
段階的または連続的に添加することにより反応系を形成
させる方法などが例示できる。なお、前記及びの場
合において反応系を形成させる際に、前記共重合用ビニ
ルモノマーの一部または全部を予め含有させてもよい。
また、前記ビニルモノマー成分(A)および/また前記
四級化剤(C)を段階的または連続的に添加する具体的
な手段としては、特に限定されないが、滴下等により連
続して添加する手段、段階に分けて分割して添加する手
段等が例示できる。
【0024】なお、前記(2)の方法において、前記ビ
ニルモノマー成分(A)および/または前記四級化剤
(C)を添加して反応系を形成させる時期としては、通
常、重合条件下、すなわち重合開始剤の存在下、後述す
る重合温度に達してから滴下するのが好ましい。当該重
合条件下に前記ビニルモノマー成分(A)および/また
は四級化剤(C)を添加することにより、添加とともに
前記四級化反応及び重合反応を同一工程で進行させるこ
とができる。なお、重合開始剤としては特に限定されず
各種公知のものを使用できる。また、前記重合開始剤
は、通常、予め添加されるが、前記四級化剤(C)や前
記ビニルモノマー成分(A)と混合して段階的または連
続的に添加することもできる。また、前記(1)の方法
においては、通常、反応系を形成した後これを重合条件
下で反応させることにより、前記四級化反応および重合
反応を同一工程で進行させることができる。当該(1)
の場合においても重合開始剤の添加時期は特に限定され
ず、予め添加しておいてもよく、反応系と混合して添加
してもよく、反応系を形成した後に添加してもよい。
【0025】前記各製造方法における重合温度は重合開
始剤の種類によって異なり、特に限定されるものではな
いが、通常は30〜150℃の範囲である。重合時間は
通常、3〜15時間程度である。重合の進行とともに生
成してくる四級アンモニウム塩基を有するポリマーが、
溶媒(B)に不溶となって粒子状態で析出してくる。な
お、重合の際の前記ビニルモノマー成分(A)の濃度
は、通常、1〜70重量%程度、好ましくは20〜60
重量%程度である。重合濃度が70重量%を超えると、
分散状態が悪くなり析出したポリマーが過度に凝集する
場合があり、1重量%未満では工業的製造において意味
を成さない。
【0026】また、前記製造方法においては、必要に応
じて分散安定剤(D)を使用することができる。分散安
定剤(D)は重合の進行に伴って不溶化してくる四級ア
ンモニウム塩基を有するポリマーの反応系中における分
散性を向上させるものである。分散安定剤は、製造時に
使用する溶媒(B)および得られる本発明の塗布型帯電
防止用組成物の物性、形成される表面皮膜の性質等を考
慮して適宜選択されるが、特に重合中に形成される前記
四級アンモニウム塩基を有するポリマー粒子同士の凝集
が起こりにくくする目的で、前記四級アンモニウム塩基
を有するポリマー粒子への親和性および吸着性が高く、
使用する溶媒への溶解性の高いものが好ましい。分散安
定剤の添加時期としては特に限定されるものではない
が、通常は、前記溶媒(B)とともに予め添加する。
【0027】前記分散安定剤(D)としては、特に限定
されるものではなく、上記条件に適合するものであれば
問題なく使用できる。具体例としては、スチレン、α−
メチルスチレン、フルオロスチレン等の芳香族ビニル化
合物、(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル化
合物、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エス
テル、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸アミノエステル、(メタ)
アクリルアミド,N−メチル(メタ)アクリルアミド、
N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメ
チル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミ
ド類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエス
テル類などの各種ビニルモノマーの1種単独からなる重
合体または2種以上からなる共重合体;四級アンモニウ
ム塩基等のカチオン性を有するモノマーの単独重合体ま
たは他のビニルモノマーとの共重合体;ヒドロキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセル
ロース類;上記各種重合体または共重合体の末端に重合
性基を有するマクロモノマー類等が挙げられる。尚、上
記各種共重合体の組成としては、ランダム共重合体、ブ
ロック共重合体、グラフト共重合体いずれも適用でき
る。これらの分散安定剤(D)の中でも、ポリスチレン
系ポリマー(スチレンの単独重合体またはスチレンと前
記各種モノマーとの共重合体、スチレン系マクロモノマ
ー等)が好ましい。特に、スチレン系のマクロモノマー
を使用すると分散安定が向上する点で好ましい。なお、
スチレン系マクロモノマーとは、スチレンの単独重合体
またはスチレンと前記各種ビニルモノマーとの共重合体
の重合末端に重合性基を有するものをいい、具体的に
は、スチレンの単独重合体の末端に重合性基を有するも
の(市販品としては、東亜合成(株)製の商品名AS−
6が例示できる)や、スチレンおよびアクリロニトリル
の共重合体の末端に重合性基を有するもの(市販品とし
ては、東亜合成(株)製の商品名AN−6が例示でき
る)等が挙げられる。また、これら分散安定剤(D)は
1種類を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよ
い。また、これら分散安定剤(D)の使用量としては、
前記ビニルモノマー成分(A)に対して15重量%以下と
するのが望ましく、好ましくは10重量%以下である。
【0028】通常、前記製造方法により得られる四級ア
ンモニウム塩基を有するポリマーの重量平均分子量は、
四級アンモニウム塩基を有するポリマーを、後述する溶
媒(E)中に溶解または乳化させて使用する場合は10
000〜2000000であり、好ましくは50000
〜1000000である。重量平均分子量が10000
より小さい場合には造膜性および形成された表面皮膜の
耐久性が十分ではなく、2000000を超えると後述
する溶媒(E)への溶解に時間がかかり、粘度も高くな
り過ぎるため、作業性および取り扱い性に問題が生じ
る。また、前記四級アンモニウム塩基を有するポリマー
を、後述するように前記溶媒(B)中に分散させて使用
する場合は、前記の作業性、取り扱い性は問題にならな
いので、前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーの
重量平均分子量は通常10000〜5000000であ
る。なお、通常の分析条件ではカラム充填剤への吸着が
起きてしまうため、前記四級アンモニウム塩基を有する
ポリマーの分子量をGPCで測定することはできない。
しかし、例えば酢酸緩衝液/アセトニトリル混合液を溶
離液として使用することにより吸着を抑えることで、平
均分子量を測定することが可能となる。
【0029】本発明の塗布型帯電防止用組成物に配合さ
れる前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーは、単
独粒子もしくは粒子同士がある程度二次的に凝集した粒
子の状態で得られる。この四級アンモニウム塩基を有す
るポリマー粒子は、分散液として得ることもでき、必要
に応じて分散液から溶媒(B)を分離し、さらに乾燥を
行うことにより粉体として得ることができる。なお、こ
の四級アンモニウム塩基を有するポリマー粒子を溶媒
(B)から分離する方法としては、遠心沈降させて上澄
み液を取り除く方法や、濾別法等の各種公知の方法を使
用することができる。溶媒から分離した前記四級アンモ
ニウム塩基を有するポリマー粒子は、前記溶媒(B)等
によって洗浄した後、粒子の融着が誘発されず、変色、
変質しない温度で乾燥させることができる。
【0030】なお、本発明の塗布型帯電防止用組成物に
配合される前記四級アンモニウム塩基を有するポリマー
の製造方法によると、四級化反応と重合反応を同一工程
で進行させることにより、親水性または疎水性にかか
わらず幅広い組成の各種ビニルモノマーを高い導入率で
共重合してなる四級アンモニウム塩基を有するポリマー
を高収率で得ることが可能になった。特に、従来困難で
あった疎水性ビニルモノマーが共重合されてなる四級ア
ンモニウム塩基を有するポリマーであっても、高導入率
で得ることが可能となった。当該ポリマーの析出粒子
の取り出し工程においても、従来の溶液重合法のような
加熱、溶媒除去工程が不要となり、耐熱性が低い四級ア
ンモニウム塩基を有するポリマーの変色、変質、分解を
起こさず、容易に粒子状態で析出させ、これを溶媒と分
離して粉体として取り出すことが可能となった。すなわ
ち、四級アンモニウム塩基を有するポリマーは、ポリマ
ー側鎖の四級アンモニウム塩基同士の会合がポリマー分
子間で生じるため、アミノ基が四級化されていない同組
成のポリマーに比較して溶融時の粘度が著しく高くな
り、ポリマーの組成によっては、重合溶媒の除去および
反応容器からのポリマーの取り出しを高温で長時間行う
必要が生じる。しかも四級アンモニウム塩基は熱安定性
に乏しいため、高温下での操作により、四級アンモニウ
ム塩基を有するポリマーの変色、分解、変質が起こりや
すいが、本発明の四級アンモニウム塩基を有するポリマ
ーの製造方法の場合そのような高温下での操作を必要と
しない。さらに本発明では、四級化反応と重合反応を
同一工程で進行させるため、従来の製造方法では別々に
行っていた四級化工程と重合工程という製造工程の簡略
化が実現できる。例えば、逆相懸濁重合法では、通常、
水系溶媒中で四級化反応を行うことが困難で、四級化反
応を特定の溶媒中で行った後、重合前にあらためてモノ
マー水溶液の調整が必要となるが、本発明の四級アンモ
ニウム塩基を有するポリマーの製造方法では四級化反応
と重合反応において溶媒を変更する必要もなくなり、製
造時間の大幅な短縮を可能にした。
【0031】本発明の塗布型帯電防止用組成物は、前記
のような製造方法により得られる四級アンモニウム塩基
を有するポリマーを含有してなるものである。当該塗布
型帯電防止用組成物は、当該組成物を成形品に塗布もし
くは含浸、または成形品を当該組成物に浸漬しやすいよ
うに粘度を調整するため、四級アンモニウム塩基を有す
るポリマーを適当量の溶媒と混合させることができる。
当該溶媒の配合量は、他の物性を損わないように、でき
る限り少なくすることが好ましい。配合される溶媒とし
ては、常温もしくは加熱して乾燥させることができる溶
媒が使用される。
【0032】本発明の塗布型帯電防止用組成物における
溶媒の配合の主な態様としては、前記四級アンモニウム
塩基を有するポリマーが溶媒(B)中に分散されてなる
塗布型帯電防止用組成物、または、前記四級アンモニウ
ム塩基を有するポリマーが前記四級アンモニウム塩基を
有するポリマーを溶解もしくは乳化させることができる
溶媒(E)中に溶解もしくは乳化されてなる塗布型帯電
防止用組成物が挙げられる。前記四級アンモニウム塩基
を有するポリマーが溶媒(B)中に分散されてなる塗布
型帯電防止用組成物としては、具体的には、前記の製造
方法により得られる四級アンモニウム塩基を有するポリ
マーが溶媒(B)に微粒子状態で分散した分散液を使用
する態様(以下、態様1という)、重合時の溶媒(B)
から分離し、乾燥させた前記四級アンモニウム塩基を有
するポリマー粒子からなる粉体を新たに溶媒(B)中で
再分散させる態様(以下、態様2という)が例示でき
る。なお、上記(態様1)において、前記四級アンモニ
ウム塩基を有するポリマーの製造方法により得られた分
散液にさらに溶媒(B)を追加してもよい。また、前記
四級アンモニウム塩基を有するポリマーが溶媒(E)中
に溶解または乳化されてなる塗布型帯電防止用組成物と
しては、具体的には、重合時の溶媒(B)から分離し、
乾燥させた前記四級アンモニウム塩基を有するポリマー
粒子からなる粉体を溶媒(E)中に溶解もしくは乳化さ
せる態様(以下、態様3という)が例示できる。
【0033】また、前記(態様1)または(態様2)に
おける溶媒(B)としては、前記溶媒(B)において例
示したものが使用でき、それらを1種類単独で使用する
ことも、2種以上使用して、混合溶媒として使用するこ
ともできる。また、溶媒(B)としては、本発明の塗布
型帯電防止用組成物を熱可塑性樹脂成形体に塗布等した
後、常温もしくは加熱して乾燥する際において乾燥させ
やすい溶媒を用いるのが好ましく、具体的には、エチル
ベンゼン、テトラリン、トルエン、キシレン等の芳香族
炭化水素系溶媒を含有してなる溶媒が挙げられる。
【0034】前記(態様3)においては、重合時の溶媒
(B)から分離し、乾燥させた前記四級アンモニウム塩
基を有するポリマー粒子からなる粉体を新たに前記四級
アンモニウム塩基を有するポリマーを溶解または乳化さ
せることができる溶媒(E)中に溶解もしくは乳化させ
る。当該溶媒(E)としては、本発明の塗布型帯電防止
用組成物を熱可塑性樹脂成形体に塗布等した後、常温も
しくは加熱して乾燥する際において乾燥させやすい溶媒
を使用するのが好ましい。具体的には、水や、アルコー
ル系溶媒、グリコールエーテル系溶媒、グリコールエス
テル系溶媒等の有機溶剤があげられる。例えば、上記ア
ルコール系溶媒としてはメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等があ
げられ、グリコールエーテル系溶媒としてはモノエチレ
ングリコールメチルエーテル、モノエチレングリコール
エチルエーテル、モノエチレングリコールブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコ
ールジメチルエーテルメチルセロソルブ等があげられ、
グリコールエステル系溶媒としてはモノエチレングリコ
ール酢酸エステル、ジエチレングリコール酢酸エステル
等があげられる。これら水や有機溶剤等の溶媒(E)
は、1種類を単独で使用することも、2種以上使用し
て、混合溶媒として使用することもできる。
【0035】なお、前記(態様2)、(態様3)におい
て、前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーを分
散、または溶解もしくは乳化させる方法については、特
に限定されない。例えば、前記溶媒(B)または溶媒
(E)に前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーの
粉体を添加し、攪拌して、分散、または溶解もしくは乳
化させる方法が挙げられる。また、得られる分散液の貯
蔵安定性を向上させるため、必要に応じて前記分散安定
剤(D)をさらに添加して加熱、攪拌、分散させること
ができる。
【0036】また、上記(態様1)および(態様2)の
分散液の態様において、形成される帯電防止性皮膜に透
明性が求められる場合には、前記四級アンモニウム塩基
を有するポリマー粒子の平均粒子径が5μm以下である
ことが望ましく、特に1μm以下であることが好まし
い。
【0037】なお、本発明の塗布型帯電防止用組成物に
は前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーに加えて
さらに(F)造膜性ポリマー成分を併用することができ
る。前記(態様1)、(態様2)では、前記四級アンモ
ニウム塩基を有するポリマーは溶媒(B)中に微粒子と
して分散しているため、通常、造膜性に乏しく、耐久性
の高い帯電防止性表面保護層を形成させにくい。そのた
め、造膜性を有し、基材プラスチックとの密着性が良好
で、耐久性の高い表面皮膜を形成することできる特徴を
有する(F)造膜性ポリマー成分を併用するのが好まし
い。また、(態様3)においても造膜性、基材への密着
性、保護層の耐久性等を高めるために、(F)造膜性ポ
リマー成分を併用することができる。
【0038】(F)造膜性ポリマー成分としては、前記
特性を満たすものであれば特に制限を受けず、例えば、
ポリエステル、ポリウレタン、アクリル共重合体、ポリ
ビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、ポリビ
ニルピロリドン、メチルセルロース、ポリ塩化ビニル、
ポリカーボナート、ポリアミドなど熱可塑性ポリマーを
挙げることができる。これらのポリマーは、ランダム共
重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれ
でもよく、異種ポリマーの結合体でもよい。また、これ
らのポリマーは2種以上組み合わせて用いることができ
る。また、(F)造膜性ポリマー成分は、前記ビニルモ
ノマー成分(A)の重合を阻害しないものであれば、前
記四級アンモニウム塩基を有するポリマーの製造時に反
応系に添加することもできる。
【0039】前記(F)造膜性ポリマー成分を使用する
場合、本発明の塗布型帯電防止用組成物中に含まれる固
体成分中の前記四級アンモニウム塩基を有するポリマー
と(F)造膜性ポリマー成分との割合は重量比で3/9
7〜40/60であり、好ましくは5/95〜30/7
0である。四級アンモニウム塩基を有するポリマーが3
重量%より少なくなると帯電防止効果に乏しく、40重
量%を超えると表面皮膜の耐久性が低下するため好まし
くない。
【0040】また、本発明の塗布型帯電防止用組成物
は、前記(態様1)〜(態様3)のそれぞれにおいて
(G)ラジカル重合性モノマーおよび/またはラジカル
重合性オリゴマーを併用することができる。また、溶媒
(B)や溶媒(E)を用いることなく、当該四級アンモ
ニウム塩基を有するポリマーの粉体を、直接(G)ラジ
カル重合性モノマーおよび/またはラジカル重合性オリ
ゴマーに分散させて使用することも可能である。
【0041】(G)ラジカル重合性モノマーおよび/ま
たはラジカル重合性オリゴマーとは、多官能性アクリル
系単量体を含むアクリル系単量体に代表される分子内に
1個もしくは2個以上のα,β−エチレン性不飽和結合
を有する化合物の混合物である。具体例を挙げると、多
官能性モノマーとしては、エチレンオキサイド変性ビス
フェノールAジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモ
ノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールテトラ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリエチ
レングリコールトリ(メタ)アクリレート、トリス
((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、そ
の他分子内に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイ
ル基を有するポリエステル、ポリウレタン、ポリアミ
ド、アクリル共重合体およびこれらの混合物が例示で
き、単官能モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、tertブチル(メタ)アクリレート、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリド
ン等が例示できる。
【0042】本発明の塗布型帯電防止用組成物中におけ
る前記四級アンモニウム塩基を有するポリマー100重
量部に対する当該(G)ラジカル重合性モノマーおよび
/またはラジカル重合性オリゴマーの配合量は通常20
00重量部以下、好ましくは500重量部以下である。
配合量が2000重量部を超えると帯電防止効果が低下
するため好ましくない。なお、硬化した表面皮膜の耐久
性を向上させるには、10重量部以上、特に50重量部
以上とするのが好ましい。
【0043】また、当該(G)ラジカル重合性モノマー
および/またはラジカル重合性オリゴマー中の多官能性
モノマーおよび/または多官能性オリゴマーの割合は、
塗布型帯電防止用組成物の硬化性および形成される表面
皮膜の性質を考慮して、適宜設定されるが、良好な耐久
性を付与できることから、通常は30〜100重量%と
するのが好ましい。好ましくは下限が50重量%、上限
が90重量%である。
【0044】本発明の(G)ラジカル重合性モノマーお
よび/またはラジカル重合性オリゴマーを併用した塗布
型帯電防止用組成物は、成形体に塗布または含浸した
後、活性エネルギー線を照射することによって硬化させ
られる。本発明における活性エネルギー線とは、紫外
線、電子線等をいう。紫外線を照射して硬化させる場
合、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、ベンゾイン
系、チオキサントン系等の光重合開始剤や増感剤を用い
ることができる。
【0045】また、本発明の塗布型帯電防止用組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲において、例えば界
面活性剤、顔料、塗工性改良剤、有機フィラー、無機フ
ィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを配合すること
ができる。前記界面活性剤としては、非イオン性界面活
性剤および/もしくはカチオン性界面活性剤を使用する
ことができる。アニオン性界面活性剤はカチオン性であ
る四級アンモニウム塩基を有するポリマーと不溶性の錯
体を形成してしまう場合があるため好ましくない。な
お、前記界面活性剤を添加する場合、その使用量が多く
なり過ぎると、表面皮膜の物性が低下してしまう。その
ため、前記界面活性剤の使用量は、前記四級アンモニウ
ム塩基を有するポリマーに対して20重量%以下とする
ことが望ましい。
【0046】本発明の塗布型帯電防止用組成物の固形物
濃度は、好ましくは1〜70重量%程度であり、特に好
ましくは下限が5重量%、上限が60重量%である。
【0047】以下に、本発明の塗布型帯電防止用組成物
を成形体に塗布もしくは含浸、または成形体を当該塗布
型帯電防止用組成物に浸漬して得られた表面帯電防止加
工成形体について説明する。
【0048】本発明の塗布型帯電防止用組成物は、一般
的な成形体はもちろんのこと、透明な成形体に塗布また
は含浸した後、常温または加熱下で乾燥させることによ
り、当該成形体上に帯電防止性の皮膜を形成することが
できる。上記成形体としては各種プラスチックのの成形
体が好ましく例示でき、当該プラスチックとしては具体
的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ABS、HI
PS、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボナート、
ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂等が例
示できる。また、当該成形体への塗布方法としては、公
知の任意の塗工法が適用でき、例えば、スプレーコーテ
ィング、スピンコーティング、ロールコーティング等の
方法が挙げられる。また、(G)ラジカル重合性モノマ
ーおよび/またはラジカル重合性オリゴマーを併用した
場合は、塗布型帯電防止用組成物を成形体に塗布もしく
は含浸、または成形体を当該塗布型帯電防止用組成物に
浸漬した後、活性エネルギー線を照射することにより、
当該成形体上に帯電防止性の表面皮膜が形成される。
【0049】
【発明の効果】本発明の塗布型帯電防止用組成物に配合
される四級アンモニウム塩基を有するポリマーは前記の
ように四級化反応と重合反応を同一工程で進行させるた
め、通常の溶液重合法等で得られるものよりも幅広いビ
ニルモノマー成分の選択から共重合組成の最適化を行う
ことができるとともに、分子量を大幅に高くすることが
できるので造膜性に優れ、形成された表面皮膜が高い耐
久性を発揮するものである。また、本発明の塗布型帯電
防止用組成物は帯電防止性能にも優れている。また、本
発明の塗布型帯電防止用組成物は(F)造膜性ポリマー
成分として疎水性で耐久性の高いポリマーを併用するこ
ともできるため、表面皮膜の性能をさらに向上させるこ
とができる。
【0050】また、近年、プラスチック表面へのダメー
ジ、大気汚染、作業環境の問題から、水溶液タイプのも
のが好ましいとされているが、本発明の四級アンモニウ
ム塩基を有するポリマーは、微細粒子として得られてい
るため、水への溶解、分散性にも優れており、さらに、
皮膜の耐水性を高くするため疎水性ビニルモノマーの共
重合の割合を高くした場合においても、水への溶解、分
散性に優れているので、水性組成物とした場合にも好適
である。これは、本発明の四級アンモニウム塩基を有す
るポリマーの重合において、粒子を形成する過程で部分
的にグラフト的構造が導入されていることも効果的に作
用しているものと考えられる。
【0051】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】合成例1 攪拌装置、温度計、還流冷却管、窒素導入管、滴下ライ
ンを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン4
5.0g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト45.3g、トルエン197.3g、ポリスチレン
(新日鐵化学(株)製 商品名エスチレンGP−G3
2、重量平均分子量20万)6.9g、アゾビスイソブ
チロニトリル1.2gを入れ、窒素雰囲気下で30分以
上攪拌、溶解させた。攪拌しながら30分かけて70℃
まで加温、この温度を保ちながらジエチル硫酸46.6
gを90分かけて滴下し、滴下終了後、その温度を保ち
ながら引き続き4時間重合を行い、重量平均分子量が3
5.5万であり、スチレン/N,N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレートジエチル硫酸四級化物=59.5/
40.5(モル比)の共重合比である共重合体の分散液を
得た。
【0053】合成例2 攪拌装置、温度計、還流冷却管、窒素導入管、滴下ライ
ンを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン55
g、2−エチルヘキシルアクリレート44.2g、ジエ
チル硫酸44.4g、シクロヘキサン268.4g、ス
チレン系マクロモノマー(東亜合成(株)製 商品名A
S−6、重量平均分子量6000)6.7g、アゾビス
イソブチロニトリル2.4g、窒素雰囲気下で30分以
上攪拌、溶解させた。攪拌しながら40分かけて80℃
まで加温、この温度を保ちながらN,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート45.3gを4時間かけて滴下
し、滴下終了後、その温度を保ちながら引き続き3時間
重合を行い、分散液を得た。得られた分散液を遠心分離
処理、洗浄、減圧乾燥することにより重量平均分子量が
25.9万であり、スチレン/N,N−ジメチルアミノ
エチルメタクリレートジエチル硫酸四級化物/2−エチ
ルヘキシルアクリレート=42.8/21.8/25.
4(モル比)の共重合比からなる共重合体を粉体として
得た。
【0054】合成例3 攪拌装置、温度計、還流冷却管、窒素導入管、滴下ライ
ンを取り付けた500mlの反応容器に、スチレン3
5.0g、ブチルアクリレート36.9g、ジエチル硫
酸51.8g、トルエン264.9g、アゾビスイソブ
チロニトリル2.4g、窒素雰囲気下で30分以上攪
拌、溶解させた。攪拌しながら40分かけて90℃まで
加温、この温度を保ちながらN,N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレート52.8gを3時間かけて滴下し、
滴下終了後、その温度を保ちながら引き続き3時間重合
を行い、分散液を得た。得られた分散液を遠心分離処
理、洗浄、減圧乾燥することにより重量平均分子量が3
1.0万であり、スチレン/N,N−ジメチルアミノエ
チルメタクリレートジエチル硫酸四級化物/ブチルアク
リレート=32.2/37.9/29.9(モル比)の
共重合比からなる共重合体を粉体として得た。
【0055】合成例4〜9 合成例1または合成例2において、ビニルモノマーの組
成、四級化剤、溶媒、分散安定剤を表1のように変化さ
せたほかは、滴下成分が四級化剤である場合は合成例1
と同様にして、滴下成分がビニルモノマー成分である場
合は合成例2と同様にして重合を行った。なお、得られ
た共重合体の重量平均分子量、組成比を表1に示す。
【0056】比較合成例1 攪拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ライ
ンを取り付けた500mL反応容器に、スチレン50
g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート4
3.5g、キシレン31.6g、アゾビスイソブチロニ
トリル0.5gを入れ、攪拌、溶解させた後、窒素ガス
を通じながら1時間かけて85℃まで加温し、この温度
を保ちながら2時間重合を行った。さらに、スチレン5
0g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート4
3.5g、キシレン31.6g、アゾビスイソブチロニ
トリル0.5gの混合液を2時間かけて滴下し、引き続
き3時間重合を行い、3級アミノ基を有するポリマーを
合成した。次いで、N,N−ジメチルアセトアミド50
gを加えて希釈し、ジエチル硫酸25gを1時間かけて
滴下し、四級化を行った。引き続き、溶媒を除去するた
めに加熱を行ったが、途中で反応混合液の流動性がなく
なり溶媒を完全に除去することができなかった。また、
途中で攪拌ができなくなったため、器壁付近でのローカ
ルヒートが起こり、部分的な変色が見られた。
【0057】比較合成例2 攪拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ライ
ンを取り付けた500mL反応容器に、スチレン150
g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート1
1.9g、N,N−ジメチルホルムアミド261g、ア
ゾビスイソブチロニトリル1.5gを入れ、攪拌、溶解
させた後、窒素ガスを通じながら1時間かけて85℃ま
で加温し、この温度を保ちながら6時間重合を行い、3
級アミノ基を有するポリマーを合成した。次いで、ここ
にジエチル硫酸12.3gを1時間かけて滴下し、四級
化を行った。引き続き、加熱・減圧して溶媒を除去する
ことにより共重合体96g(収率72%)を得た。選ら
れた共重合体の重量平均分子量は9500であり、共重
合組成はスチレン/N,N−ジメチルアミノメタクリレ
ートジエチル硫酸四級化物=91/9(モル比)であっ
た。
【0058】比較合成例3 攪拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ライ
ンを取り付けた500mL反応容器に、スチレン55
g、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート5
5.4g、N,N−ジメチルホルムアミド200g、ア
ゾビスイソブチロニトリル2gを入れ、攪拌、溶解させ
た後、窒素ガスを通じながら1時間かけて85℃まで加
温し、この温度を保ちながら6時間重合を行い、3級ア
ミノ基を有するポリマーを合成した。次いで、N,N−
ジメチルアセトアミド50gを加えて希釈し、ジエチル
硫酸54.3gを1時間かけて滴下し、四級化を行っ
た。引き続き、テトラヒドロフランを用いて再沈精製を
行い、乾燥させることで四級アンモニウム塩基を有する
ポリマー97.2g(収率70%)を得た。得られた共
重合体の重量平均分子量は9000であり、共重合体組
成はスチレン/N,N−ジメチルアミノエチルメタクリ
レートジエチル硫酸四級化物=59/41(モル比)で
あった。
【0059】比較合成例4 攪拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ライ
ンを取り付けた500mL反応容器に、スチレン45
g、シクロヘキサン197.3g、ポリスチレン(新日
鐵化学(株)製 商品名エスチレンGP−G32,重量
平均分子量20万)、アゾビスイソブチロニトリル1.
2gを入れ、窒素雰囲気下で30分以上攪拌させた。次
いで攪拌しながら30分かけて80℃まで加温、この温
度を保ちながらN,N−ジメチルアミノエチルメタクリ
レートのジエチル硫酸塩89.7gとイソプロピルアル
コール89.7gの混合液を90分かけて滴下し、滴下
終了後、その温度を保ちながら5時間重合を行った。得
られたポリマー粒子は凝集し、反応容器への付着が起こ
っていたため、その後のろ過はかなり困難であった。濾
別後、シクロヘキサンで洗浄、減圧乾燥して四級アンモ
ニウム塩基を有するポリマー94.2g(収率70%)
を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は1900
00であり、共重合体組成はスチレン/N,N−ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートジエチル硫酸四級化物=
13/87(モル比)であった。
【0060】比較合成例5、6 比較合成例3において、ビニルモノマーの組成を表2の
ように変化させたほかは、比較合成例3と同様にして合
成を行った。得られた共重合体の重量平均分子量、組成
比を表2に示す。
【0061】実施例1 合成例1で得られた分散液10g(固形分4g)とアク
リル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製 商品名アク
リディックA−165 45%トルエン溶液)80g
(固形分36g)とトルエン110gを混合し、塗布型
帯電防止用組成物(固形分濃度20重量%)を調製し
た。これを、アプリケーターを用いてポリスチレン板に
塗布し、50℃で30分間乾燥させて、厚さ10μmの
表面皮膜を持つ試料を作成した。
【0062】実施例2 合成例2で得られた固体粉末10gをエタノール40g
に混合、攪拌溶解させて塗布型帯電防止用組成物(固形
分濃度20重量%)を調製した。これを、アプリケータ
ーを用いてポリスチレン板に塗布し、50℃で30分間
乾燥させて、厚さ10μmの表面皮膜を持つ試料を作成
した。
【0063】実施例3〜13 実施例1または実施例2において、併用する造膜性ポリ
マー成分、溶媒を表3のように変化させたほかは、造膜
性ポリマー成分を併用する場合は実施例1と同様にし
て、併用せず均一溶液とする場合は実施例2と同様にし
て本発明の塗布型帯電防止用組成物を調製し、ポリスチ
レン板に塗布乾燥させて試料を作成した。なお、得られ
た塗布型帯電防止用組成物の固形分濃度はいずれも20
重量%である。
【0064】実施例14 合成例4で得られた固体粉末10gとトリメチロールプ
ロパントリアクリレート25g、ビスフェノールAエチ
レンオキシド変性アクリレート(荒川化学工業(株)製
商品名ビームセット750)15g、光重合開始剤ダ
ロキュア1173(メルク社製)1.2gを混合し、本
発明の塗布型帯電防止用組成物を調製した。これをアプ
リケーターを用いてポリスチレン板に塗布し、これを8
0W/cm高圧水銀灯を持つ紫外線照射装置を通過させ
て硬化させ(3秒照射)、厚さ29μmの表面皮膜を持
つ試料を作成した。
【0065】比較例1〜5 実施例1または実施例2において、併用する造膜性ポリ
マー成分、溶媒を表3のように変化させたほかは、造膜
性ポリマー成分を併用する場合は実施例1と同様にし
て、併用せず均一溶液とする場合は実施例2と同様にし
て塗布型帯電防止用組成物を調製し、ポリスチレン板に
塗布乾燥させて試料を作成した。なお、得られた塗布型
帯電防止用組成物の固形分濃度はいずれも20重量%で
ある。
【0066】前記、実施例1〜14、比較例1〜5で作
成した試料を、以下の方法により評価した。結果を表4
に示す。
【0067】(造膜性/外観)乾燥後の表面皮膜の状態
を以下の基準により評価した。 ワレ発生なし−○ 部分的なワレ発生−△ 全体にワレ発生−×
【0068】(耐久性/傷の発生)試料表面をガーゼで
摩擦して傷の発生の有無から評価した。 傷発生せず−○ わずかに傷が発生−△ 全体に傷が発生−×
【0069】(密着性)試料表面をクロスカット後、セ
ロハンテープを圧着剥離してその状態を評価した。 全く剥離しなかった−○ 若干、剥離が認められた−△ 完全に剥離した−×
【0070】(表面抵抗値)得られた試料を25℃、5
0RH%(湿度)で24時間調湿した後、印加電圧50
0Vでの1分後の表面抵抗値を測定した(アドバンテス
ト社製、TR8601)。
【0071】
【表1】
【0072】表1中、St:スチレン、DM:N,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート、DE:N,N−
ジエチルアミノエチルメタクリレート、2EHA:2−
エチルヘキシリアクリレート、BA:ブチルアクリレー
ト、MMA:メチルメタクリレート、DVB:ジビニル
ベンゼン、DES:ジエチル硫酸、DMSジメチル硫
酸、Tol:トルエン、CH:シクロヘキサン、PS
t:ポリスチレン、AS−6:スチレン系マクロモノマ
ー(東亜合成(株)製,商品名)を示す。
【0073】
【表2】
【0074】表2中、St:スチレン、DM:N,N−
ジメチルアミノエチルメタクリレート、DM・DES:
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートのジエチ
ル硫酸4級塩、MMA:メチルメタクリレート、BA:
ブチルアクリレート、DES:ジエチル硫酸、Xyl:
キシレン、DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、C
H:シクロヘキサン、IPA:イソプロピルアルアルコ
ールを示す。なお、比較合成例4以外で滴下する四級化
剤(C)はDMと等モルである。
【0075】
【表3】
【0076】表3中、A−165:アクリル樹脂(商品
名アクリディックA−165,大日本インキ化学工業
(株)製)、M−662:酢酸ビニルアクリル共重合体
(モビニール662,ヘキスト合成(株)製)、TMPT
A:トリメチロールプロパントリアクリレート、Bs−
750:ビスフェノールAエチレンオキシド変性アクリ
レート(商品名ビームセット750,荒川化学工業
(株)製)、Tol:トルエン、EtOH:エタノー
ル、MGE:モノエチレングリコールモノメチルエーテ
ルを示す。なお、実施例14において、光重合開始剤ダ
ロキュアー1173(メルク社製)の使用量は(G)成
分に対して3重量%である。
【0077】
【表4】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C09D 5/00 C09D 5/00 P

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1): 【化1】 (式中、Xは−(CH−(但し、nは2〜4の整
    数を示す)を示し、RとRはそれぞれ独立して炭素
    数1〜9のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示
    す)で表される三級アミノ基を有するビニルモノマーを
    含有してなるビニルモノマー成分(A)を原料として四
    級アンモニウム塩基を有するポリマーを製造する際に、
    溶媒として前記ビニルモノマー成分(A)を溶解し、得
    られる四級アンモニウム塩基を有するポリマーを溶解さ
    せず、かつ重合不活性な溶媒(B)を使用し、四級化剤
    (C)により前記ビニルモノマー成分(A)中の三級ア
    ミノ基を有するビニルモノマーにおける三級アミノ基を
    四級化しながら、前記ビニルモノマー成分(A)を重合
    させることにより得られる四級アンモニウム塩基を有す
    るポリマーを含有してなる塗布型帯電防止用組成物。
  2. 【請求項2】 前記四級アンモニウム塩基を有するポリ
    マーが溶媒(B)中に分散されてなる請求項1記載の塗
    布型帯電防止用組成物。
  3. 【請求項3】 前記四級アンモニウム塩基を有するポリ
    マーが前記四級アンモニウム塩基を有するポリマーを溶
    解または乳化させることができる溶媒(E)中に溶解ま
    たは乳化されてなる請求項1記載の塗布型帯電防止用組
    成物。
  4. 【請求項4】 前記溶媒(E)として水を使用してなる
    請求項3記載の塗布型帯電防止用組成物。
  5. 【請求項5】 前記四級アンモニウム塩基を有するポリ
    マーに加えて、さらに(F)造膜性ポリマー成分を併用
    してなる請求項1〜4のいずれかに記載の塗布型帯電防
    止用組成物。
  6. 【請求項6】 前記四級アンモニウム塩基を有するポリ
    マーに加えて、さらに(G)ラジカル重合性モノマーお
    よび/またはラジカル重合性オリゴマーを併用してなる
    請求項1〜5のいずれかに記載の塗布型帯電防止用組成
    物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の塗布型
    帯電防止用組成物を成形体に塗布もしくは含浸、または
    成形体を当該塗布型帯電防止用組成物に浸漬して得られ
    た表面帯電防止加工成形体。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の塗布型帯電防止用組成
    物を成形体に塗布もしくは含浸、または成形体を当該塗
    布型帯電防止用組成物に浸漬した後、活性エネルギー線
    を照射して得られた表面帯電防止加工成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006104458A (ja) * 2004-09-13 2006-04-20 Dainippon Printing Co Ltd 帯電防止性コーティング組成物及び成形物
JP2008115234A (ja) * 2006-11-02 2008-05-22 Toyo Ink Mfg Co Ltd 光硬化性帯電防止剤およびその製造方法

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