JPH04296372A - 合成樹脂成形品用被覆剤組成物 - Google Patents

合成樹脂成形品用被覆剤組成物

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Publication number
JPH04296372A
JPH04296372A JP6329791A JP6329791A JPH04296372A JP H04296372 A JPH04296372 A JP H04296372A JP 6329791 A JP6329791 A JP 6329791A JP 6329791 A JP6329791 A JP 6329791A JP H04296372 A JPH04296372 A JP H04296372A
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JP
Japan
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group
compound
weight
carbon atoms
synthetic resin
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Pending
Application number
JP6329791A
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English (en)
Inventor
Naoki Yamamoto
山本 直己
Hiroki Hatakeyama
宏毅 畠山
Suehiro Tayama
田山 末広
Tetsuya Sawano
哲哉 沢野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気雰囲気下で活性エ
ネルギー線を照射することにより、耐摩耗性、耐溶剤性
及び帯電防止性の優れた皮膜を形成しうる合成樹脂成形
品用被覆剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に合成樹脂は摩擦作用によって傷が
つきやすく、かつ静電気を帯びてゴミが付着しやすい。 これらの欠点に対して従来より多くの改良が試みられて
いるが、両者の欠点を解決する有効な手段は余り知られ
ていない。
【0003】エチレングリコールジメタクリレート等の
多官能性単量体の樹脂皮膜を基材樹脂表面に接着せしめ
て基材の耐摩耗性を向上させる方法はすでに知られてい
るが、これらの樹脂皮膜は全く帯電防止性を有さない。
【0004】一方、特公昭54−15074に見られる
ように、四級アンモニウム塩基を有する単量体及びエチ
レングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体を
重合してなる樹脂皮膜を基材樹脂表面に接着せしめて基
材の耐摩耗性及び帯電防止性を向上させる方法も知られ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】この方法によると四
級アンモニウム塩基を有する単量体の吸湿性が余りに高
いために、皮膜を形成する樹脂原料中に多くの水分が含
まれることとなり、このため皮膜の重合時に重合硬化ム
ラ、並びに表面がミカンの表面状になる表面荒れ等の品
質ムラを発生してしまう。さらに、四級アンモニウム塩
基を有する単量体中の水分を除去しようとしても四級ア
ンモニウム塩基を有する単量体の重合性が高いため、加
熱及び減圧操作中に重合してしまい実質的に無水の四級
アンモニウム塩基を有する単量体は得られない。
【0006】以上説明したように、合成樹脂表面に耐擦
傷性、耐溶剤性及び帯電防止性を付与する有効な方法は
見いだされていないのが現状である。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記問
題点について鋭意検討の結果、特定のアニオン系共重合
体を多官能性単量体に混合した被覆剤組成物は、合成樹
脂成形品表面に塗布・硬化することにより、合成樹脂表
面に耐擦傷性、耐溶剤性及び帯電防止性を付与できるこ
とを見いだした。
【0008】すなわち、本発明は分子中に少なくとも2
個のアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオ
キシ基を有する重合性化合物(A)30〜99.5重量
部、分子中に1個のα、β−エチレン系不飽和結合を有
する化合物(B)0〜69.5重量部、一般式(I)
【0009】
【化7】
【0010】(但し、R1 は水素原子又はメチル基R
2 〜R5 は炭素数1〜9の置換基を含んでいても良
いアルキル基、アリール基、アルアルキル基を表し、各
々同一又は異なっていても良い。
【0011】
【化8】
【0012】Bは炭素数1〜9の置換基を含んでいても
良いアルキル基、アリール基、アルアルキル基R6 は
水素原子又は炭素数1〜9の置換基を含んでいても良い
アルキル基、アリール基、アルアルキル基m=0〜2の
整数 Xは窒素原子又はリン原子)で表されるアニオン系重合
性化合物(a)20〜99重量%と共重合可能な1つの
不飽和二重結合を有する化合物(b)80〜1重量%と
を重合して得られた共重合体(c)0.5〜40重量部
よりなり、空気中で活性エネルギー線を照射することに
より耐擦傷性及び帯電防止性に優れた皮膜を形成しうる
ことを特徴とする合成樹脂成形品用被覆剤組成物である
【0013】本発明のような特定のアニオン系共重合体
を使用すると重合の恐れがないため完全に脱水すること
ができ、被覆剤組成物中の水分が原因となる各種の欠陥
は解消できる。
【0014】本発明で使用される重合性化合物(A)は
分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ
基(アクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオ
キシ基の意味、以下同じ)を有する架橋重合性化合物で
あって、各(メタ)アクリロイルオキシ基を結合する残
基が炭化水素又はその誘導体であり、その分子内にはエ
ーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合、アミド
結合、ウレタン結合等を含むことができる。
【0015】これらの重合性化合物(A)として、下記
一般式
【0016】
【化9】
【0017】(但し、Y11,Y12,Y13,Y22
,Y23,……Yp2,Yp3,Y14のうち少なくと
も2個はアクリロイルオキシ基及び/又はメタクリロイ
ルオキシ基、残りは水酸基、アミノ基、アルキル基又は
置換されたアルキル基pは2〜5)
【0018】
【化10】
【0019】(但し、R9 は水素原子又はメチル基、
R10は2〜20個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素
又はその誘導体の基、R11は2〜20個の炭素原子を
有する脂肪族もしくは芳香族の炭化水素又はその誘導体
の基、qは1〜20の整数を示す。)
【0020】
【化11】
【0021】(但し、R12及びR13は水素原子又は
メチル基、rは2〜20の整数、sは1〜50の整数)
で表される化合物より選ばれた少なくとも1種類を用い
ることが好ましい。
【0022】一般式(III)で表される化合物はモノ
又はポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレー
ト(アクリレート又はメタクリレートの意味、以下同じ
)であり、例えばペンタエリスリトールトリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アク
リレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)ア
クリレート、テトラペンタエリスリトールオクタ(メタ
)アクリレート等が挙げられる。
【0023】一般式(IV)で表される化合物は、基本
的には多価アルコールのヒドロキシル基と多価カルボン
酸及び(メタ)アクリル酸(アクリル酸及び/又はメタ
クリル酸の意味、以下同じ)両者のカルボキシル基とが
最終的には等量となるような混合物を反応させることに
より得られるが、本発明の特に好ましい物としては一般
式  HO−R10−OHで表されるグリコール類又は
その誘導体(α)、一般式  HOCO−R11−CO
OHで表されるジカルボン酸、これらの酸の塩化物、無
水物、もしくはエステル(β)、及び(メタ)アクリル
酸又はこれらの酸の塩化物もしくはエステル(γ)とを
(α):(β):(γ)=q+1:q:2〜2.2(モ
ル比)の割合で反応させて得られる化合物である。
【0024】なお、化合物(α)としては例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、テトラエチレングリコール、平均分子量が3
00〜1000程度のポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、2,2−ジメチル1,3−プロパンジオ
ール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、2,2′
−チオジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等が挙げられる。
【0025】化合物(β)としては例えばコハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、テト
ラヒドロフタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒド
ロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、等の芳香族ジカルボン酸、チ
オジグリコール酸、チオジバレリン酸、ジグリコール酸
、など主鎖に異種原子を含むジカルボン酸など、又はこ
れらの塩化物、無水物及びエステルを用いることができ
、これらと(メタ)アクリル酸又はこれらの酸の塩化物
もしくはエステルとから得られる。特に好ましい化合物
としてはエチレングリコール、フタル酸及びアクリル酸
もしくはメタクリル酸とから合成されるqが1〜10、
特に1〜5のジ(メタ)アクリレートである。
【0026】一般式(V)で表される化合物はポリアル
キレングリコールのジ(メタ)アクリレートであり、例
えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、平均分子量
が300〜2000程度のポリエチレングリコールジ(
メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0027】以上の本発明で使用される重合性化合物(
A)の中で特に好ましい架橋重合性化合物は、一般式(
III)で表される化合物である。
【0028】本発明で使用する化合物(B)としては通
常使用される公知の分子内に1個のα,β−エチレン系
不飽和結合を有する化合物が使用される。特に重合性化
合物(A)と共重合体(C)の両者に相溶性を有する化
合物であって分子内に極性基を有する物が好ましい。重
合性化合物(A)と共重合体(C)の種類及び量によっ
て適宜選択できるが一般にはアクリル酸、メタクリル酸
、及びそれらのアミド、アミドのメチロール化物、ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0029】本発明で使用する化合物(B)として最も
好ましいものは分子中の側鎖に水酸基及び/又は環状エ
ーテル結合及び/又は鎖状エーテル結合を有する化合物
でありこれらのものは空気中における重合活性に特に優
れている。分子中の側鎖に水酸基及び/又は環状エーテ
ル結合及び/又は鎖状エーテル結合を有する化合物とし
ては例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリ
シジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル
(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、ブ
トキシエチル(メタ)アクリレート、1,4−ブチレン
グリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコ
ール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】本発明において、共重合体(C)を構成す
るアニオン系単量体(a)は一般式(I)
【0031】
【化12】
【0032】(但し、R1 は水素原子又はメチル基R
2 〜R5 は炭素数1〜9の置換基を含んでいても良
いアルキル基、アリール基、アルアルキル基を表し、各
々同一又は異なっていても良い。
【0033】
【化13】
【0034】Bは炭素数1〜9の置換基を含んでいても
良いアルキル基、アリール基、アルアルキル基R6 は
水素原子又は炭素数1〜9の置換基を含んでいても良い
アルキル基、アリール基、アルアルキル基m=0〜2の
整数 Xは窒素原子又はリン原子)で表されるものである。
【0035】具体的には、ビニルスルホン酸テトラメチ
ルアンモニウム塩、ビニルスルホン酸ベンジルトリメチ
ルアンモニウム塩、アリルスルホン酸テトラエチルアン
モニム塩、メタリルスルホン酸テトラエチルアンモニウ
ム塩、スルホエチルメタクリレートメチルトリエチロー
ルアンモニウム塩、スルホエチルメタクリレートラウリ
ルトリメチルアンモニウム塩、2−アクリルアミド2−
メチルプロパンスルホン酸テトラメチルアンモニウム塩
、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸メ
チルトリエチルアンモニウム塩、スチレンスルホン酸メ
チルトリエチロールアンモニウム塩エチレンオキサイド
付加物、α−メチルスチレンスルホン酸テトラブチルア
ンモニウム塩、ビニルスルホン酸テトラメチルホスホニ
ウム塩、ビニルスルホン酸ベンジルトリメチルホスホニ
ウム塩、アリルスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩
、メタリルスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ス
ルホエチルメタクリレートメチルトリエチロールホスホ
ニウム塩、スルホエチルメタクリレートラウリルトリメ
チルホスホニウム塩、2−アクリルアミド2−メチルプ
ロパンスルホン酸テトラメチルホスホニウム塩、2−ア
クリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸メチルトリ
エチルホスホニウム塩、スチレンスルホン酸メチルトリ
エチロールホスホニウム塩エチレンオキサイド付加物、
α−メチルスチレンスルホン酸テトラブチルホスホニウ
ム塩等が挙げられる。
【0036】一般式(I)においてR2 〜R5 の1
つ以上が水素原子であるものを使用すると黄着色しやす
くなる。また、得られる共重合体の各種単量体への溶解
性が劣り好ましくない。
【0037】これらのアニオン系重合性化合物の中で好
ましいものは帯電防止性の発現及び原料の入手のしやす
さより、2−アクリルアミド2−メチルスルホン酸のア
ンモニウム塩類及びホスホニウム塩類、又はスチレンス
ルホン酸のアンモニウム塩類及びホスホニウム塩類であ
り、特にこれらのテトラメチルアンモニウム塩類が好ま
しい。
【0038】共重合可能な1つの不飽和二重結合を有す
る化合物(b)としては公知の化合物が使用できる。例
えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート等の
メタクリル酸エステル類、メチルアクリレート、エチル
アクリレート等のアクリル酸エステル類、アクリル酸、
メタクリル酸等の不飽和カルボン酸類、無水マレイン酸
、無水イタコン酸等の酸無水物、N−フェニルマレイミ
ド等のマレイミド類、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロ
キシ基含有単量体、アクリルアミド、アクリロニトリル
等の窒素含有単量体、アリルグリシジルエーテル、グリ
シジルメタクリレート等のエポキシ基含有単量体、末端
メタクリレートポリメチルメタクリレート、末端スチリ
ルポリメチルメタクリレート、末端メタクリレートポリ
スチレン、末端メタクリレートポリエチレングリコール
、末端メタクリレートアクリロニトリルスチレン共重合
体等のマクロモノマー類などが使用できる。
【0039】これらの共重合可能な1つの不飽和二重結
合を有する化合物(b)としては、一般式(II)
【0
040】
【化14】
【0041】(但し、R7 は水素原子又はメチル基、
R8 は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、ア
リール基、アラルキル基、A2 は炭素数2〜4のアル
キレン基、nは0〜500)で表される化合物を使用す
ることが好ましい。
【0042】一般式(II)において、n=0又は1で
表される化合物としてはメチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルメタ
クリレート、エチルヘキシルメタクリレート、ステアリ
ルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレ
ート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0043】一般式(II)において、n=2〜500
で表される化合物としては、ポリエチレングリコール(
4)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(2
3)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(3
00)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(
23)モノアクリレート、ポリプロピレングリコール(
23)モノメタクリレート、ポリブチレングリコール(
23)モノメタクリレート、ポリエチレングリコール(
23)モノメタクリレートモノメチルエーテル、ポリエ
チレングリコール(23)モノメタクリレートモノブチ
ルエーテル、ポリエチレングリコール(23)モノメタ
クリレートモノステアリルエーテル、ポリエチレングリ
コール(23)モノメタクリレートモノフェニルエーテ
ル、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレー
トモノベンジルエーテル、ポリエチレングリコール(2
3)モノメタクリレートモノオレイルエーテル(カッコ
内はポリアルキレングリコールユニットの数)が挙げら
れる。
【0044】一般式(II)において、n=0又は1で
表される化合物を用いると皮膜形成性樹脂と基材合成樹
脂との密着性が良好となり好ましい。一般式(II)に
おいて、n=2〜500で表される化合物を用いると、
共重合体(C)と重合性化合物(A)及び(B)との相
溶性が良好となり、皮膜形成性樹脂が均一に硬化できる
ため好ましい。
【0045】本発明における共重合体(C)は一般式(
I)で表される化合物(a)20〜99重量%、好まし
くは20〜90重量%及び一般式(II)で表される化
合物(b)80〜1重量%、好ましくは80〜10重量
%からなる。化合物(a)が20重量%未満であると良
好な帯電防止性を付与することができない。また、化合
物(b)を使用することが皮膜形成性樹脂の均一性及び
基材合成樹脂との密着性の点より好ましい。
【0046】本発明で使用する重合性化合物(A)、化
合物(B)、共重合体(C)の割合は目的とする耐摩耗
性、帯電防止性の度合いにより決定されるが一般的に重
合性化合物(A)が30〜99.5重量部、好ましくは
60〜95重量部、化合物(B)が0〜69.5重量部
、好ましくは0〜20重量部、共重合体(C)が0.5
〜40重量部、好ましくは5〜20重量部である。重合
性化合物(A)が30重量部より少ないと良好な耐摩耗
性を付与することができず、共重合体(C)が0.5重
量部より少ないと良好な帯電防止性を付与することがで
きない。
【0047】本発明の被覆剤組成物は合成樹脂成形品表
面に塗布し硬化させるわけであるが、塗布に際しては均
一に塗布を行なうために有機溶剤で希釈させて使用する
ことが好ましい。本発明において使用される有機溶剤は
■被覆剤組成物と混合して均一な溶液を形成する、■常
圧での沸点が50℃以上200℃以下であること、■常
温での粘度が10センチポイズ以下であることなどの条
件を満足する必要がある。
【0048】具体的にはエタノール、イソプロパノール
、ノルマルプロパノール、ノルマルブタノール等のアル
コール、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジオキサン
等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられ、こ
れらの有機溶剤は単独で又は2種以上を混合して使用す
ることができる。これらの溶剤の使用量は、被覆剤組成
物5〜90重量部に対し95〜10重量部であることが
好ましい。
【0049】また、本発明においては必要に応じて表面
平滑剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、あるいは貯蔵安定
剤などの添加剤を適宜添加して使用することができる。
【0050】これらの被覆剤組成物を硬化させる方法と
しては、光増感作用を有する化合物を添加して紫外線を
照射する方法、電離性放射線を照射する方法、あるいは
これらの組み合わせによる方法などがある。これらの方
法の中で最も好ましくは光増感作用を有する化合物を添
加して紫外線を照射する方法である。
【0051】光増感作用を有する化合物としては、波長
2000〜5000Åの範囲において活性化し得るラジ
カル発生剤が効果的であり、一般にカルボニル化合物、
アゾ化合物、過酸化物、硫黄化合物、ハロゲン化物、キ
ノン系化合物等が使用可能で、これらの化合物は1種の
みならず2種以上組み合わせて使用することもできる。 電離性放射線による重合の場合全吸収線量としては、0
.1〜100Mradの範囲が利用され、好ましくは1
〜50Mradの範囲である。電離性放射線としては加
速機から得られる電子線、その他加速粒子、中性子線、
α線、β線等が用いられるが好ましくは加速電子線であ
る。
【0052】本発明の被覆剤組成物は合成樹脂成形品表
面に塗布し、重合硬化せしめるものである。架橋重合性
樹脂原料を鋳型及び/又は合成樹脂成形品表面に塗布す
る方法としては刷毛塗り法、流延法、ローラーコート法
、バーコート法、噴霧コート法、エアーナイフコート法
、ディッピング法等が挙げられるが特に限定されない。 これらの中で作業性あるいは生産性の点よりディッピン
グ法が特に好ましい。
【0053】被覆剤組成物の合成樹脂表面に対する塗布
量としては膜厚が1〜30μmの厚みになるように塗布
する必要がある。膜厚が1μm未満の場合は帯電防止性
、耐摩耗性に劣り、膜厚が30μmを越える場合には硬
化皮膜にクラック等が入り易く好ましくない。
【0054】本発明で使用される合成樹脂成形品として
は公知の合成樹脂成形品が使用できるが、特にポリメチ
ルメタクリレート又はメチルメタクリレートを主構成成
分とする共重合体、ポリスチレン、スチレン−メチルメ
タクリレート共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、ポリカーボネート、セルロースアセテートブチ
レート樹脂、ポリアリルジグリコールカーボネート樹脂
、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0055】
【実施例】次に、実施例によりさらに具体的に本発明を
説明するが、本発明はこれらによって限定されるもので
はない。なお実施例中「部」「%」は各々「重量部」、
「重量%」を表わす。
【0056】すべての試料の電気的性質は、20℃、6
5%相対湿度で1日間調湿した試料を測定した。電荷半
減時間は、スタティックオネストメーター(宍戸商会製
)を使用し印加電圧10000V、試料回転速度155
0rpm 、印加時間30秒、測定温度20℃、測定湿
度65%の条件で測定し、電圧印加時の試料電圧が印加
電圧切断後半分になるまでの時間を電荷半減時間(se
c)とした。表面抵抗率は超絶縁抵抗計(タケダ理研製
、TR−8601)を使用し、測定温度20℃測定湿度
65%の条件で印加電圧500Vで1分後の表面抵抗率
(Ω)を測定した。
【0057】耐摩耗性は、試験片を水平方向と45°の
角度で傾斜させて鉛直軸の回りに11rpm の速度で
回転させておき、70cm上方より60メッシュのカー
ボランダム200gを落下させ落砂前後の表面反射率を
測定し、反射率の減少率をもって表した。
【0058】
【数1】
【0059】実施例1 撹拌羽根付きガラス製フラスコに2−アクリルアミド2
−メチルプロパンスルホン酸312.4部、メタノール
450部を入れ、撹拌しながら水酸化テトラメチルアン
モニウム25%メタノール溶液550.3部を内温30
℃以下になるように滴下し、滴下終了後30分間撹拌を
続けアニオン系重合性単量体(M−1)溶液を得た。
【0060】この溶液にアゾビスイソブチロニトリル4
部、n−オクチルメルカプタン3部、メタノール38部
、ポリエチレングリコール(23)モノメタクリレート
モノメチルエーテル(カッコ内はポリエチレングリコー
ルユニットの数)450部を加え、60℃窒素雰囲気下
で6時間重合させた後、70℃で1日真空乾燥し制電性
を付与する共重合体を得た。
【0061】化合物(A)としてジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレート80部、化合物(B)としてテト
ラヒドロフルフリルアクリレート10部、共重合体(C
)として上記共重合体10部、光増感剤としてベンゾイ
ンエチルエーテル1.5部、有機溶剤としてイソプロピ
ルアルコール150部、トルエン25部を混合し皮膜樹
脂原料とした。
【0062】これらの皮膜樹脂原料混合物に3mm厚の
メタクリル樹脂板を浸漬して0.5cm/sec の速
度で板を引き上げ皮膜を形成させた。そのまま10分間
放置した後、空気中で高圧水銀灯(岩崎電気製2KW 
 HO−L21)の紫外線を板の両面各々20cmの距
離から15秒間照射し表面処理されたメタクリル樹脂板
を得た。
【0063】得られたメタクリル樹脂板の表面抵抗率は
8.1×1011Ω、電荷半減時間は1.5秒、耐摩耗
性は94%であった。
【0064】実施例2〜13、比較例1〜5共重合体(
C)中の化合物(a)の種類を以下に示すように、また
共重合体(C)の単量体種類、組成及び添加量、化合物
(A)及び化合物(B)の種類及び添加量を表1に示す
ように変えた以外は実施例1と同様にして厚み3mmの
メタクリル樹脂板を得た。得られた樹脂板の評価結果を
表1に示す。
【0065】比較例1〜5の結果から、皮膜樹脂組成が
本発明の範囲外であると良好な耐摩耗性又は帯電防止性
が得られないことが分かる。
【0066】実施例14〜18、比較例6〜10基材合
成樹脂成形品としてメタクリル樹脂板のかわりにポリス
チレン樹脂板、ポリカーボネート樹脂板、ABS樹脂(
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)板、A
S樹脂(アクリロニトリル−スチレン樹脂)板、フェノ
ール樹脂板を使用して実施例1に準じて厚み約3mmの
樹脂板を得た。
【0067】得られた樹脂板の評価結果を表2に示す。 併せて皮膜樹脂を使用しない場合の結果を比較例として
表2に示す。
【0068】比較例11 撹拌羽根付きガラス製フラスコに2−アクリルアミド2
−メチルプロパンスルホン酸312.4部、メタノール
450部を入れ撹拌しながらモノメチルアミン25%メ
タノール溶液187.5部を内温30℃以下になるよう
に滴下し、滴下終了後30分間撹拌を続けアニオン系重
合性単量体(M−4)溶液を得た。得られたアニオン系
重合性単量体(M−4)を使用し、実施例1と同様にし
て厚み3mmのメタクリル樹脂板を得た。しかしながら
、得られたメタクリル樹脂板は若干黄色に帯色したもの
となった。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】但し表中略語は以下のとおりM−2  …
  スチレンスルホン酸テトラブチルホスホニウム M−3  …  スルホエチルメタクリレートテトラメ
チルアンモニウム PEG(4)MA  …  ポリエチレングリコール(
4)モノメタクリレートモノメチルエーテル PEG(23)MA   …  ポリエチレングリコー
ル(23)モノメタクリレートモノメチルエーテル MMA  …  メチルメタクリレートBMA  … 
 ブチルメタクリレート2P5A  …  ジペンタエ
リスリトールペンタアクリレート TEGDA  …  テトラエチレングリコールジアク
リレート BETDA  …  ビス(エチレングリコール)フタ
レートジアクリレート THFA  …  テトラヒドロフルフリルアクリレー
トHEMA  …  2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートHEA  …  2−ヒドロキシエチルアクリレー
トIPA  …  イソプロピルアルコール(カッコ内
はポリエチレングリコールユニットの数)
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、良好な耐摩耗性、及び
良好な帯電防止性を有する樹脂成形品が得られるので、
合成樹脂を利用する上で問題となっていた静電気による
トラブル、キズによる審美性の低下を解消することがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  分子中に少なくとも2個のアクリロイ
    ルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する
    重合性化合物(A)30〜99.5重量部、分子中に1
    個のα、β−エチレン系不飽和結合を有する化合物(B
    )0〜69.5重量部、 一般式(I) 【化1】 (但し、R1 は水素原子又はメチル基R2 〜R5 
    は炭素数1〜9の置換基を含んでいても良いアルキル基
    、アリール基、アルアルキル基を表し、各々同一又は異
    なっていても良い。 【化2】 Bは炭素数1〜9の置換基を含んでいても良いアルキル
    基、アリール基、アルアルキル基R6 は水素原子又は
    炭素数1〜9の置換基を含んでいても良いアルキル基、
    アリール基、アルアルキル基 m=0〜2の整数 Xは窒素原子又はリン原子)で表されるアニオン系重合
    性化合物(a)20〜99重量%と共重合可能な1つの
    不飽和二重結合を有する化合物(b)80〜1重量%と
    を重合して得られた共重合体(C)0.5〜40重量部
    よりなり空気中で活性エネルギー線を照射することによ
    り耐擦傷性及び帯電防止性に優れた皮膜を形成しうるこ
    とを特徴とする合成樹脂成形品用被覆剤組成物。
  2. 【請求項2】  共重合可能な1つの不飽和二重結合を
    有する化合物(b)が一般式(II) 【化3】 (但し、R7 は水素原子又はメチル基、R8 は水素
    原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基、ア
    ラルキル基、A2 は炭素数2〜4のアルキレン基、n
    は0〜500)で表される化合物である請求項第1項に
    記載の被覆剤組成物。
  3. 【請求項3】  分子中に少なくとも2個のアクリロイ
    ルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する
    重合性化合物(A)が下記一般式 【化4】 (但し、Y11,Y12,Y13,Y22,Y23,…
    …Yp2,Yp3,Y14のうち少なくとも2個はアク
    リロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基、
    残りは水酸基、アミノ基、アルキル基、又は置換された
    アルキル基pは2〜5) 【化5】 (但し、R9 は水素原子又はメチル基、R10は2〜
    20個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素又はその誘導
    体の基、R11は2〜20個の炭素原子を有する脂肪族
    もしくは芳香族の炭化水素又はその誘導体の基、qは1
    〜20の整数を示す。) 【化6】 (但し、R12及びR13は水素原子又はメチル基、r
    は2〜20の整数、sは1〜50の整数)で表される化
    合物より選ばれた少なくとも1種類である請求項第1項
    に記載の被覆剤組成物。
  4. 【請求項4】  分子中に1個のα、β−エチレン系不
    飽和結合を有する化合物(B)が分子中に1個のアクリ
    ロイルオキシ基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有
    し、かつ分子中の側鎖に水酸基及び/又は環状エーテル
    結合及び/又は鎖状エーテル結合を有する化合物である
    請求項第1項に記載の被覆剤組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002201238A (ja) * 2000-12-01 2002-07-19 Clariant Gmbh アクリロイルジメチルタウリン酸をベースとするグラフトくし形コポリマー
JP2009173925A (ja) * 2007-12-27 2009-08-06 Sanyo Chem Ind Ltd 活性エネルギー線硬化型帯電防止性樹脂組成物
JP2010229189A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Kohjin Co Ltd 紫外線硬化型塗料組成物

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