JPS6052182B2 - 塗料組成物 - Google Patents

塗料組成物

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JPS6052182B2
JPS6052182B2 JP52018485A JP1848577A JPS6052182B2 JP S6052182 B2 JPS6052182 B2 JP S6052182B2 JP 52018485 A JP52018485 A JP 52018485A JP 1848577 A JP1848577 A JP 1848577A JP S6052182 B2 JPS6052182 B2 JP S6052182B2
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weight
coating composition
coating
film
parts
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JP52018485A
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和正 釜田
憲治 串
慶祐 吉原
英夫 中本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は塗布作業性、均一な被膜形成性ならびに貯蔵安
定性に極めて優れ、かつ耐摩耗性、表面平滑性、可撓性
、耐水性、耐熱性、耐溶剤性、耐久性ならびに基材との
密着性に優れた架橋硬化被膜を形成しうる塗料組成物に
関する。
ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂
、ポリアリルジグリコールカーポネート樹脂、ポリスチ
レン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合樹脂(A
S樹脂)、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、アク
リロエトリルーブタジエンースチレン共重合樹脂(AB
S樹脂)、ポリエステル樹脂などから製造された合成樹
脂成形品はガラス製品に比較して軽量で耐衝撃性に優れ
ているばかりでなく、安価で成形加工が容易であるなど
種々の利点を有しており、有機板ガラス、照明器具カバ
ー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、反射鏡、鏡などの光
学的用途、看板、ディスプレーなどの装飾的用途、ある
いはネームプレート、ダストカバーケース、自動車部品
など多くの分野でその用途開発が進められている。
しかしこれらの合成樹脂成形品はその表面の耐摩耗性が
不足しているため成形品の輸送中、部品の取付時あるい
は使用中に他の物体との接触、衝突、引つかきなどの作
用によつて表面が損傷を受け製品歩留を低下させたり、
美観が損なわれたりする。
特に成形品の用途がカメラ、虫メガネなどの光学用レン
ズ、ファッショングラス、サングラス、矯正用レンズな
どの眼鏡用レンズあるいは窓ガラス、装飾用のケース、
カバー、時計用レンズ、反射鏡、鏡などの場合には、そ
の表面に発生する損傷はその商品価置を著しく低下させ
たり、短期間で使用不能となるので、表面の耐摩耗性を
改良することが強く要求されている。このような合成樹
脂成形品の欠点を改良する方法が従来より種々検討され
てきており、例えばそ,の1つとして合成樹脂成形品の
表面にシリコン系塗料あるいはメラミン系塗料を塗布し
、加熱硬化処理するいわゆる熱硬化型の架橋硬化被膜を
合成樹脂成形品の表面に形成させる方法がある。
しかしこれらの方法は熱硬化型であるために塗料の貯.
蔵安定性が良くないばかりでなく、架橋硬化被膜を形成
させるのに高温で長時間加熱する必要があり、そのため
に作業性、生産性も悪く、更に架橋硬化処理をした後に
おいても、徐々に硬化反応が進行するために製品化した
後の架橋硬化膜にクラ!ツクが発生したり、基材との界
面に亀裂を生じ基材との密着性が低下したり、又耐水性
、耐候性などの性能上の欠点がある。もう1つの方法と
して1分子中に重合性のエチレン性不飽和基を2個以上
有する多官能のアクリ・レートあるいはメタアクリレー
ト単量体を架橋硬化用塗料として合成樹脂成形品の表面
に塗布し、活性エネルギー線を照射して合成樹脂成形品
の表面でラジカル重合によつて架橋硬化被膜を形成させ
る方法がある。
従来このような多官能の(メタ)アクリレート(アクリ
レート又はメタアクリレートの意、以下同じ)単量体は
活性エネルギー線照射による重合活性が優れているので
、速乾性のインキ用素材として、米国特許第3,661
,614号、同第3,551,311号、同第3,55
1,246号あるいは英国特許第1,198,2関号明
細書などに提案されており、又これら多官能の(メタ)
アクリレート単量・体を合成樹脂成形品の表面改質材と
しての応用に関して米国特許第3,552,986号、
同第2,413,973号あるいは同第3,770,4
(社)号明細書などに提案されている。
一方、本出願人らも早くより多官能の(メタ)アクリレ
ート単量体が活性エネルギー線照射による架橋硬化重合
性に優れ、かつそれが合成樹脂成形品の表面の耐摩耗性
を改良しうる架橋硬化膜形成用素材として有効てあるこ
とを見出し多くの提案を行なつてきた(特公昭48−4
2211号、同49一12886号、同49−2295
1号、同49−14859号、及び同49−229♀号
公報)。
これら多官能の(メタ)アクリレート単量体を架橋硬化
性塗料として合成樹脂成形品の表面に塗布し、活性エネ
ルギー線を照射して合成樹脂成形品の表面に架橋硬化被
膜を形成させる方法は前記の熱硬化型の塗料を用いて、
加熱処理によつて架橋硬化被膜を形成させる方法に比べ
、塗料の貯蔵安定性も良く、活性エネルギー線を照射し
て重合架橋硬化せしめるので、常温て分あるいは秒オー
ダーの短時間て架橋硬化被膜を形成させることができ、
生産性の面でも優れており、かつ性能的にも耐摩耗性に
優れ、硬橋膜の経時変化もなく、耐水性、耐候性ならび
に基材との初期密着性に優れるなど多くの利点を有して
いる。
しかし反面次のような問題点もあることが判明している
すなわち多管官の(メタ)アクリレートは常温で高粘度
のものが多く、しかも合成樹脂成形品の表面耐摩耗性の
改良に対して有効なもの程高粘度となり、それにつれて
塗料の塗布作業性も悪くなり、耐摩耗性に優れた架橋硬
化被膜を形成させることと塗料の塗布作業性とのバラン
スをとることが極めて困難である。このために塗料の塗
布方法が限定されるばかりでなく、表面平滑性に優れた
均一な架橋硬化被膜を形成させたり、膜厚の薄い硬化膜
が要求されたりする場合には、極めて煩雑な操作を必要
とし、成形品の形状によつては不可能の場合もある。更
に本発明者らが詳細な検討を行なつたところ、単に多官
能の(メタ)アクリレート単量体を塗料として合成樹脂
成形品の表面に通常の方法で塗布し、活性エネルギー線
を照射して架橋硬化させた被膜は成形品にくり返し変形
を加えた場合、架橋硬化膜に微細なりラックを生じ、そ
れが原因となつて成形品自体の強度が低下すること、及
び温水浸漬→冷水浸漬→高温乾燥よりなる苛酷なくり返
し試験を行なうと架橋硬化膜の基材との密着性が大巾に
低下することなど最終商品の耐久性に重要な問題点があ
ることが判明した。前述の如く、多官能の(メタ)アク
リル単量体を塗料として合成樹脂成形品の表面に塗布し
、活性エネルギー線を照射して得られる表面に架橋硬化
被膜を有する合成樹脂成形品は改良すべき多くの問題点
を残しており、有用な利点があるにもかかわらず今だに
実用化に至つていないのが現状で5ある。
本発明者らはこのような状況に鑑み、上記した問題点を
改良すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の多官能の(メ
タ)アクリレート単量体、有機溶剤及び光増感剤を特定
の割合に配合させた塗料組,成物が塗布作業性、均一な
被膜形成性ならびに貯蔵安定性に優れ、かつ耐摩耗性、
表面平滑性、可撓性、耐久性、耐水性、耐熱性、耐溶剤
性ならびに基材との密着性に優れた透明な架橋硬化被膜
を形成させることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明は、アクリル酸又はメタクリル酸ある
いはそのハロゲン化物と2価以上の多価アルコール又は
分子中に1〜2個のエーテル結合を有する2価以上の多
価アルコールとの反応によつて得られた1分子中に3個
以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタアクリロイ
ルオキシ基を有しかつ各アクリロイルオキシ基及び/又
はメタアクリロイルオキシ基間が(9)個以下の炭素原
子を有する炭化水素残基又はエーテル結合を1〜2個有
する炭化水素残基で結合された多官能単量体30〜9鍾
量%とアクリル酸又はメタクリル酸あるいはそのハロゲ
ン化物と2価のアルコール又は分子中に1〜2個のエー
テル結合を有する2価のアルコールとの反応によつて得
られた1分子中に2個のアクリロイルオキシ基及び/又
はメタアクリロイルオキシ基を有しかつ各アクリロイル
オキシ基及び/又はメタアクリロイルオキシ基間が(9
)個以下の炭素原子を有する炭化水素残基又はエーテル
結合を1〜2個有する炭化水素残基で結合された2官能
単重体70〜2重量%からなる単量体混合物〔A〕5〜
9鍾量%と、該単量体混合物〔A〕と混合して均一な溶
液を形成する少なくとも1種の有機溶剤〔B〕95〜1
唾量部と光増惑剤〔C〕0〜1唾量部(前記単量体混合
物〔A〕と有機溶剤〔B〕との合計10鍾量部に対し)
とよりなる活性エネルギー線照射により重合可能な塗料
組成物に関する。本発明において使用する1分子中に3
個以上のアクリロイルオキシ基及び/又はメタアクリロ
イルオキシ基を有する多官能単量体は活性エネルギー線
の照射によつて形成される架橋硬化被膜に高度の耐摩耗
性を付与するのに必要不可欠であり、単量体混合物〔A
〕中の割合が30〜9踵量%の範囲に、好ましくは40
〜9鍾量%の範囲あることが必要である。
単量体混合物〔A〕中の割合が3鍾量%未満の場合には
十分な耐摩耗性を有する架橋硬化被膜が得られず、また
部重量%をこえると耐摩耗性の面では問題ないが、架橋
硬化被膜の可撓性ならびに基材との密着性が低下するた
めクラックの発生あるいは膜はげなどの好ましくない現
象を生ずる。この3官能以上の多官能単量体は1種を単
独て使用してもよく、又上記の組成範囲内で2種以上混
合して使用してもよい。また本発明において使用する1
分子中に2個のアクリロイルオキシ基及び/又はメタア
クリロイルオキシ基を有する2官能単量体は架橋硬化被
膜の基材に対する密着性を高め、被膜に可撓性を与え耐
久性を増大させるために必要であつて、単量体混合物〔
A〕中での成分割合としては70〜2重量%の範囲にあ
る必要があり、より好ましくは60〜4重量%の範囲で
ある。
組成中の割合が7鍾量%をこえると硬化被膜の耐摩耗性
が劣り、一方2重量%未満の場合には可撓性に劣り、基
材に変形”歪を加えたときに硬化被膜にクラックが発生
し、基材との密着性も低下するので好ましくない。この
2官能単量体も1種を単独で使用してもよく、また上記
組成範囲内であれば2種以上混合して使用してもよい。
1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を
有する多官能単量体及び2個の(メタ)アクリロイルオ
キシ基を有する2官能単量体としては1分子中の各(メ
タ)アクリロイルオキシ基間を結合する基が3C@以下
好ましくは2嘩以下の炭素原子を有する炭化水素残基又
はエーテル結合を1〜2個を有する炭化水素残基である
単量体である。
これら炭化水素残基の炭素数が3帽より多い多官能単量
体より形成される架橋硬化被膜は耐摩耗性ならびに基材
に対する密着性が低下する傾向が認められるので好まし
くない。使用しうる2官能以上の多官能単量体は通常ア
クリル酸又はメタクリル酸あるいはそのハロゲン化物と
2価以上の多価アルコール又は分子中に1〜2個のエー
テル結合を有する2価以上の多価アルコールとの脱ハロ
ゲン化反応と脱水反応などによつて合成することができ
る。
出発原料として用いうる2価以上の多価アルコールとし
ては、例えばエチレングリコール、1,4ブタンジオー
ル、1,6ヘキサンジオール、プロピレングリコール、
1,3ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、グリ
セリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタグリセロール、ペンタエリスリトールなどが
あり、又エーテル結合を有する多価アルコールとしては
、ジエチレングリコール、ジペンタエリスリトール、ジ
グリセロールなどがある。
本発明を実施するに際して用いられる前記多官能単量体
の特に好ましい具体例を挙げると、3官能以上の多官能
単量体としてはペンタエリスリトールテトラ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート
、ペンタグリセロールトリ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが
あり、2官能単量体としてはエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレー・ト、1,3プロピレングリコールジ(
メタ)アクリレート、1,4ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
トなどがある。以上が本発明に使用する塗料組成物の1
成分を構成する単量体混合物〔A〕についての必要不可
欠な構成成分であるが、もし必要があればこの構成条件
が満される範囲内において、形成される架橋硬化被膜に
制電性、防曇性あるいはその他の機能を付与する目的で
、これら多官能単量体と共重合可能でかつ活性エネルギ
ーで重合活性のある他の1官能のビニル系単量体の少な
くとも1種を50”重量%以下併用してもよい。
これらの単量体としては(メタ)アクリル酸エステルの
第4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコールのモノ
(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。本発明に使用する塗料組成物を構成す
る単量体混合物〔A〕と混合して使用する有機溶剤〔B
〕は塗料組成物を合成樹脂成形品の表面に塗布する場合
の塗布作業性、均一な塗布被膜形成性あるいは貯蔵安定
性に極めて好ましい効果を付与するばかりでなく、架橋
硬化被膜の基材に対する密着性を飛躍的に増大させる作
用を有している。
例えは架橋硬化被膜を形成させて表面の耐摩耗性を改良
した合成樹脂成形品を、温水浸漬→冷水浸漬→高温乾燥
よりなる苛酷なくり返し試験を数回行なつた後において
も架橋硬化被膜の基材との密着性の低下はなく、更に成
形品にくり返し変形を加えた場合においても表面の架橋
硬化被膜にクラックの発生が認められず、耐水性、耐熱
性あるいは耐久性に優れた架橋硬化被膜が形成されるこ
とが判明した。これは全くおどろくべきことであり、そ
の理由については明確ではないが、有機溶剤の基材なら
びに多官能単量体に対する微妙な相互作用、均一でかつ
表面平滑性に極めて優れた架橋硬化被膜が形成されたこ
と、あるいはこれらの相乗作用などがその理由の一つと
して推定される。従来、多官能の(メタ)アクリレート
単量体を合成樹脂成形品その他の物体の表面に塗布し活
性エネルギー線を照射して架橋硬化被膜を形成させる方
法においては、重合による架橋硬化反応が非常に速いた
め、多官能の(メタ)アクリレート単量体に有機溶剤を
併用することは、架橋硬化被膜中に有機溶剤が残存した
り、硬化膜の表面平滑性を損なう可能性が強いため、む
しろ有機溶剤を使用しない方向でのみその検討が進めら
れてきた。
本発明者らは有機溶剤併用による塗布作業性の利点を有
効に生かすべくこの点に関して詳細な検討を重ねた結果
、有機溶剤が次のような要件を満している場合に初めて
使用可能となり、そればかりか、むしろ前記した如き架
橋硬化被膜の密着性あるいは耐久性に全く予想外の効果
があることを見出した。すなわち、使用する有機溶剤は 1多官能の(メタ)アクリレート単量体混合物〔A〕と
混合して均一な溶液を形成する。
2常圧での沸点が50℃以上200℃以下であること。
3常温での粘度が10センチポイズ以下であること。4
多官能の(メタ)アクリレート単量体混合物〔A〕5〜
9唾量部に対して95〜1呼量部(合計10唾量部)の
割合で使用する。
等の条件を満足する必要がある。
先ず多官能の(メタ)アクリレート単量体混合物〔A〕
と均一な溶液を形成することは第1条件であつて、例え
ばn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンなどの
飽和炭化水素系の有機溶剤は均一溶液を形成しないので
使用できない。第2の常圧での沸点50℃以上200℃
以下の条件は合成樹脂成形品の表面に塗布した際の均一
な被膜形成性あるいは表面平滑性の優れた架橋硬化被膜
を形成させるために重要でかつ必要な要件である。常圧
での沸点が50℃未満の場合には塗料組成物を塗布した
後、塗膜から揮発する有機溶剤の潜熱で基材表面が冷却
され、そこに空気中の水分が凝結して塗膜の表面平滑性
が失われまた200℃をこえる場合には逆に塗膜からの
有機溶剤の揮発が非常に遅いため作業性に問題があるこ
とと、活性エネルギー線照射工程で残存有機溶剤の揮発
逃散と重合による架橋硬化被膜の形成とのバランスがと
れないため架橋硬化被膜の均一性、表面平滑性が失われ
たり、あるいは架橋硬化被膜中に有機溶剤が残存し被膜
が白化するので好ましくない。したがつて使用する有機
溶剤の沸点としては常圧で50℃以上200℃以下のも
のである必要があり、より好ましくは60〜150℃の
範囲のものである。また使用する有機溶剤の粘度も10
センチポイズ以下であることが必要であり、10センチ
ポイズをこえる場合には塗料組成物の粘度が高くなり塗
装性や架橋硬化被膜性能を低下させるのて好ましくない
有機溶剤の使用量は前述の単量体混合物〔A〕5〜9踵
量部に対して95〜1呼量部(合計100重量部)の範
囲がよく、10重量部未満の場合には、塗料組成物の粘
度が高いため塗布作業性に劣り、”塗布被膜の膜厚コン
トロールが困難となつたり、均一な被膜形成性が低下し
たり、更には架橋硬化被膜の基材との密着性も苛酷な条
件下では低下する。
一方95重量部をこえる場合には、架橋硬化被膜の膜厚
コントロールが困難で表面平滑性が失われ、耐摩耗性が
劣つたりして好ましくない。架橋硬化被膜を形成させる
物品によつては、架橋硬化被膜の表面平滑性の極めて高
いものが要求されたり、可撓性や被膜の薄さが要求され
る。そのためには塗料組成物の粘度を調整して、塗布作
業性、塗布被膜の均一性を高め、膜厚コントロールを容
易にすることが実用上極めて重要である。このような場
合には単量体混合物中の各成分単量体の配合割合ならび
に有機溶剤の使用量を調整して塗料組成物の粘度をコン
トロールし、かつ塗布被膜の形成法を目的に応じて選択
する必要がある。使用する有機溶剤の種類としては前述
の条件を満足する必要があり、具体的にはエタノール、
イソプ酌ぐノール、ノルマルプロパノール、イソブチル
アルコール、ノルマルブチルアルコールなどのアルコー
ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン
などの芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸
エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、プロピオ
ン酸エチルなどの酸エステル類などがある。
これらの有機溶剤は1種を単独で使用してもよく、また
混合したものの沸点、成分割合が前述の要件を満す範囲
内てあれは、2種以上を混合して使用してもよ“い。又
特定の目的がありかつ有機溶剤と同じような条件を満た
し同じ効果を有するものであればメチルアクリレート、
エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、スチレ
ンなどの重合性単量体を有機溶剤の1種として使用する
こともできる。
これらの有機溶剤は基材となる合成樹脂の種類によつて
は、透明な目的て使用するものを曇価させたり、着色基
材の染顔料を溶出して変色させたり、あるいは基材その
薄のにクラックを発生しやすくしたりする場合があるの
で、使用する有機溶剤の種類は表面に架橋硬化被膜を形
成させる基材の種類あるいは目的に応じて適宜選択して
使用することが望ましい。本発明において塗料組成物を
合成樹脂成形品の表面に塗布し、架橋硬化被膜を形成せ
しめるためには、紫外線、電子線あるいは放射線など活
性エネルギー線を照射する必要がある。
その中でも紫外線照射による方法は実用的な面からみて
最も好ましい架橋硬化方法てある。紫外線を塗布被膜の
架橋硬化エネルギー線として利用する場合には塗料組成
物中に紫外線照射によつて重合開始反応を開始しうる光
増感剤を加えておく必要がある。
このような光増感剤の具体例としては、たとえばベンゾ
イン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテル、アセトイン、ブチロイン、トルオ
イン、ベンジル、ベンゾフェノン、p−クロルベンゾフ
ェノン、p−メトキシベンゾフェノンなどの−カルボニ
ル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テト
ラメチルチウラムジスルフイドなどの硫黄化合物、アゾ
ビスイソブチロニトリル、アゾビスー2,4−ジメチル
バレロニトリルなどのアゾ化合物、ベンゾイルパーオキ
サイド、ジタ.ーシヤリーブチルパーオキサイドなどの
パーオキサイド化合物などが挙げられる。これらの光増
惑剤は単独で使用してもよいし2種以上組合せて用いて
もよい。これら光増感剤の塗料組成物中への添加量は単
.量体混合物〔A〕と有機溶剤〔B〕の合計100重量
部に対して0〜1呼量部、好ましくは0.01〜10重
量部の範囲である。
あまり多量の添加は架橋硬化被膜を着色させたり、耐候
性の低下なとを引き起こすので好ましくない。又本発明
に使用する塗料組成物には必要に応じて帯電防止剤、界
面活性剤あるいは貯蔵安定剤などの添加剤を適宜添加し
て使用することができる。
次に、上述した塗料組成物を用いた耐摩耗性合成樹脂成
形品の製造は、塗料組成物を合成樹脂成形品の表面に塗
布した後、活性エネルギー線を照射することによつて製
造される。
本発明の塗料組成物を用いて耐摩耗性合成樹脂成形品を
製造する場合に用いられる合成樹脂成形品としては、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を問わず各種合成樹脂成形品
、例えばポリメチルメタアクリレート樹脂、ポリカーボ
ネート樹脂、ポリアリルジグリコールカーボネート樹脂
、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重
合樹脂(AS樹脂)、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート
樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂などから製造され
るシート状成形品、フィルム状成形品、ロッド状成形品
ならびに各種射出成形品などが具体例として挙げられる
これらの成形品の内でもポリメチルメタアクリレート樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリルジグリコールカ
ーポネート樹脂などから製造される成形品はその光学的
性質、耐熱性、耐衝撃性などの特性を生かして使用され
る場合が多く、かつ耐摩耗性改良への要求も強いので、
これらの成形品は本発明に使用される合成樹脂成形品と
しては特に好ましいものである。
前記した各種成形品はそのままでも使用することができ
るが、必要であれば洗浄、エッチング、コロナ放電、活
性エネルギー線照射、染色、印刷などの前処理を施した
ものも使用できる。
また合成樹脂成形品に対する前述した塗料組成物の塗布
方法としては刷毛塗り、流し塗り、スプレー塗布、回転
塗布あるいは浸漬塗布などの方法が採用される。
それぞれの方法には一長一短があり、合成樹脂成形品に
対する要求性能あるいはその使用用途によつて適宜その
塗布方法も選択する必要がある。例えば目的とする合成
樹脂成形品の一部分のみに耐摩耗性を付与したい場合に
は刷毛塗り、あるいは流し塗りが適しており、成形品の
表面形状が複雑な場合にはスプレー塗布、成形品が比較
的平たんで対称的な場合には回転塗布、成形品の形状が
ロッドあるいはシート状の場合には浸漬塗布がそれぞれ
適している。塗料組成物の合成樹脂成形品の表面に対す
る塗布量としては、塗料組成物中に含まれる単量体混合
物〔A〕の量あるいは目的によつても異なるが、合成樹
脂成形品の表面に形成される架橋硬化被膜の膜厚が1〜
30μの範囲になるように塗布する必要がある。
これに対応する塗料組成物の塗布量はおよそ15〜30
0μの塗布被膜になるようにすればよい。合成樹脂成形
品の表面に形成される架橋硬化被膜の膜厚が1μ未満の
場合には耐摩耗性に劣り、30μをこえる場合には硬化
被膜が可撓性に劣り、クラックなどが発生しやすくなる
ために成形品自体の強度低下をきたすことがあるのて叶
ましくない。
\塗料組成物
を塗布するに際しての塗布方法ど、しては前記した如く
各種方法があるが、それらのなかでも浸漬塗布方法は合
成樹脂成形品の形状によつてはある程度制約される面も
あるが、塗布作業工程が簡単で塗料組成物のロスも少な
く作業性、あるいは生産性に優れている以外に再現性に
優れているなどの利点がある。しかし反面浸漬塗布が可
能でかつその利点を生かすためにはこれに使用する塗料
には次のような条件が満たされることが−必要である。
すなわち、塗料組成物の粘度が低く浸漬による塗布被膜
形成性に優れていること、塗布被膜の膜厚コントロール
が可能でかつ再現性に優れていること、塗料組成物の粘
度の経時変化がなく貯蔵安定性に優れていることなどが
要求される。
本発明に使用する塗料組成物は、25゜Cでのその粘度
が10センチポイズ以下の場合、これらの要件を満足し
かつ耐摩耗性、表面平滑性、膜厚均一性、可撓性、耐久
性、耐水性、耐熱性、耐溶剤性ならびに基材との密着性
などに優れた透明な架橋硬化被膜が形成され、浸漬塗布
に優れた適応性を有する。
また表面に架橋硬化被膜を形成させた合成樹脂成形品の
用途によつては、硬化被膜を形成させた後に適当な加熱
下で曲げ加工を行なつたり、切断ならびに穴あけなどの
切削加工を行なつたり、部品取付時にあるいは使用中に
大きい変形歪みが加わつたりなどの苛酷な条件にも耐え
ることが要求される。
このような場合には、架橋硬化被膜自体の可撓性ならび
に基材樹脂との密着性などの特性に優れていることが当
然必要であるが、第2の因子として硬化被膜の膜厚があ
る。すなわち膜厚としては薄いもの程好ましいが、反面
極度に薄くなると耐摩耗性が低下するのでそのバランス
を考慮して、このような場合には架橋硬化被膜の膜厚が
1〜9μの範囲にあることが好ましい。従来の多官能(
メタ)アクリレート単量体あるいはその混合物を架橋硬
化被膜形成材として利用する技術レベルにおいては、耐
摩耗性に優れかつ表面平滑性、膜厚均一性ならびに透明
性、被膜外観などに優れた上記のような薄い範囲の架橋
硬化被膜を合成樹脂成形品の表面に形成させることは不
可能であつた。
ところが本発明に用いられる塗料組成物において、25
℃の粘度が10センチポイズ以下となるように調製され
た塗料組成物を浸漬塗布法によつて合成樹脂成形品の表
面に塗布し、架橋硬化せしめることにより、耐摩耗性、
表面平滑性、膜厚均一性、外膜外観ならびに基材との密
着性に優れた1〜9μの薄い範囲の透明な架橋硬化被膜
を形成させることが可能となつた。
これは本発明の最も重要な点の1つである。活性エネル
ギー線を照射する工程では、合成樹脂成形品表面に塗布
された塗膜に活性化エネルギー線を照射して硬化せしめ
られるが、好ましくは、活性エネルギー線で架橋硬化を
行なう前に特定の条件下に置いて合成樹脂成形品の表面
に塗布した塗料組成物の被膜中に含まれる有機溶剤〔B
〕を50重量%以上揮発させた後、活性エネルギー線を
照射した方がよい。
有機溶剤を5唾量%以上含有した塗布被膜に活性エネル
ギー線を照射すると有機溶剤の種類によつては架橋硬化
被膜の表面平滑性が損われたり、被膜に気泡が発生した
り、あるいは架橋硬化被膜中に有機溶剤が残存したり、
被膜が白化したりするなどの現象を生じ好ましくない。
塗布した被膜を架橋硬化せしめるために、キセ・ノンラ
ンプ、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯又は超高圧
水銀灯などの光源から発せられる紫外線又は通常20〜
2000Kの電子線加速器から取り出される電子線、α
線、β線、γ線などの放射線などの活性エネルギー線を
照射しなければならノない。
実用性あるいは作業性からみた場合、照射線源としては
紫外線が最も好ましい。活性エネルギー線を照射する雰
囲気としては通常窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性ガス
雰囲気下が好ましいが、紫外線によつて架橋硬化せしめ
る場合には光増感剤の種類を変えたり、あるいは2種以
上の増感剤を組合せて用いることによつて、照射雰囲気
中の酸素含有量がある程度高い場合にも十分に架橋硬化
被膜を形成させることも可能である。
又雰囲気温度としては必要性に応じて加温あるいは冷却
などの操作を行なつてもよい。増感剤を組合せて用いる
場合はベンゾインアルキルエーテル又はその誘導体とベ
ンゾフェノン又はその誘導体との組合せ、あるいはベン
ゾフェノン又はその誘導体とベンジル又はその誘導体の
組合せが有効である。本発明の組成物を用いて製造され
た表面に架橋硬化被膜を有する合成樹脂成形品は、表面
平滑性と美観に優れ、かつ表面硬度、耐摩耗性、耐擦傷
性に極めて優れたものである。
更に表面に形成された架橋硬化被膜は透明で可撓性を有
する均一な被膜であり、基材との密着性は極めて優れ、
苛酷な条件、環境下においても被膜の剥離、亀裂がおこ
らず、有機窓ガラス、照明器具カバー、反射鏡、鏡、眼
鏡用レンズ、サングラス用レンズ、光,学用レンズ、時
計用レンズなどの用途に極めて有用である。以下実施例
によつて本発明の内容を更に詳細に説明する。
なお実施例中の評価は次のような方法で行なつた。(1
)耐摩耗性 a表面硬度・・・JISK565l−1966に準じた
鉛筆硬度b擦傷テスト・・#000のスチールウールに
よる擦傷テスト0・・・軽くこすつてもその表面にほと
んど傷がつかないΔ・・・軽くこするとその表面に少し
傷がつく×・・・軽くこすつてもその表面にひどく傷が
つく(基材樹脂と同程度)(2)密着性 架橋硬化被膜に対するクロスカツトーセロテープ剥離テ
スト。
すなわち被膜に17177!間かくに基材に達する被膜
切断線を、縦、横それぞれに11本人れて1iの目数を
10柵つくり、その上にゼロテープを貼りつけ、急激に
はがす。このゼロテープの操作を同一個ケ所で3回くり
返す。0・・・3回くり返しても架橋硬化被膜の剥離目
なしΔ・・・3回くり返した後の剥離目の数1〜5C@
×・・・3回くり返した後の剥離目の数51〜10柵(
3)可撓性(最大曲げ角度)厚さ2TIrInのシート
状成形品の表面に架橋硬化被膜を形成させ、これから巾
6m1長さ5C!nの短冊状の試験片を切り出し、この
短冊の両端から力を加えて曲げ変型歪を与え、被膜にク
ラックが発生したときの試験片の水平面からの角度を求
める。
これが“゜最大曲げ角度゛でこの角度が大きい程被膜の
可撓性がよい。(4)折り曲げ試験 表面に架橋硬化被膜を形成させた成形品を手で折り曲げ
、成形品が切断破損する直前まで被膜にクラックが発生
しないか(合格)、するか(不合格)の試験。
(5)サーマル、サイクル試験 表面に架橋硬化被膜を形成させた成形品を65℃の温水
に1時間浸漬した後ただちに0℃の氷水に1紛間浸漬し
、つづいて80℃で1時間熱して乾燥する。
これを数回くり返した後で各種試験を行なう。実施例1 第1表に示すような塗料組成物を調製し、これに厚さ2
77!77!のメタクリル樹脂製キャスト成形板を浸漬
した後0.5cm/Secの速度でゆつくりと引上げ成
形後の表面に該組成物の塗布被膜を形成せしめた。
これを40℃に保ち窒素ガスを流通した石英筒内に入れ
、3分間保持した後、そのままの状態で塗布成形板の両
面20C7Iの距離から高圧水銀灯(100W1ウシオ
電気製)の光線を1紛間照射して成形板の表面に架橋硬
化被膜を形成せしめた。得られた結果を第1表に示す。
この結果から明らかな如く、本発明の方法(実験番号1
)によつて得られたものは、各種性能にバランスのとれ
た成形品が得られているが、単量体混合物の組成割合が
異なつたり、有機溶剤を併用しない本発明以外のものは
、密着性、可撓性、耐久性に劣つたり(実験番号2)、
あるいは耐摩耗性に劣つたり(実験番号3及び4)、被
膜の平滑性、均一性、可撓性、密着性、耐久性などに劣
つたり(実験番号5)してバランスのとれた成形品は得
られない。
実施例2 ペンタエリスリトールテトラアクリレート120重量部
、トリメチロールプロパントリアクリレート16唾量部
ならびに1,6ヘキサンジオールジアクリレート12濾
量部を混合して単量体混合物〔A〕を得た。
これにベンゾインイソブチルエーテル2睡量部及びエタ
ノールを第2表に示したような種々の割合に混合して均
一な塗料組成物を得た。これに厚さ27rr!nのメタ
クリル樹脂製キャスト成形板を浸漬した後0.5C71
/Secの速度でゆつくりと引上げ成形板の表面に該塗
料組成物の塗布被膜を形成せしめた。
これに実施例1で行なつたと全く同様な方法て紫外線を
照射して成形板の表面に架橋硬化被膜を形成させた。各
種性能に評価した結果を同じ第2表に示した。この結果
から明らかな如く得られた成形品はいずれた表面平滑性
に優れており、とりわけ浸漬塗布法では架橋硬化被膜の
膜厚のコントロールが比較的容易てあり、又膜厚が9μ
以下の場合は上下の膜厚差がなく可撓性にも優れている
ことがわかる。
実施例3 ペンタエリスリトールテトラアクリレート4鍾量部、ペ
ンタグリセロールトリアクリレート25重量部、1,6
ヘキサンジオールジアクリレート20重量部、イソプロ
ピルアルコール15重量部およびベンゾインエチルエー
テル2重量部を混合して均一な塗料組成物Aならびに該
組成物Aにイソプロピルアルコール9呼量部、ベンゾイ
ンエチルエーテル1.8重量部を混合して塗料組成物B
を調製した。
一方回転駆動体を装備した石英筒内の回転板の上に厚さ
2Tmn、直径6cmの円板状のメタクリル樹脂射出成
形品を回転軸の中心に成形品の中心がくるように回転板
上に動かないように貼りつけ、この成形品の上面中央部
に上記の塗料組成物約1f1程度を流した後、ただちに
回転板を第3表に示したような回転速度で回転させ成形
品の上部表面に塗料組成物を回転塗布した。
次いで回転数を5回転/分の速度におとし、ゆつくり回
転させながら窒素ガスを3紛間放流させた後、そのまま
の状態を保ちながら石英筒外ななめ上方より100W高
圧水銀灯を1紛間照射して成形品の上部表面に架橋硬化
被膜を形成させた。各種性能を評価した結果を第3表に
まとめて示した。
なおダインシユタツト衝撃強度は、成形品から1cm×
2cmの長方形の試験片を切り出し、架橋硬化被膜を形
成させた面から衝撃を加えてその衝撃強度を測定した(
BS−1330に準じて測定した)。この結果から明ら
かな如く、本発明のものは優れた性能を示すが、本発明
外で架橋硬化被膜の膜厚が30μよりこえるものは衝撃
強度が大きく低下し、逆に膜厚が1μ未満のものは耐摩
耗性に劣る。
実施例4 ペンタエリスリトールテトラアクリレート1轍量部、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレート10,I.重量部
、1,4ブタンジオールジアクリレート10重量部、第
4表に示すような有機溶剤7鍾量部およびベンゾインイ
ソブチルエーテル2.5重量部を混合して均一な塗料組
成物を得た。
これに厚さ2Trr!nのメタクリル樹脂キャスト成形
板を浸漬塗布した後、実施例1と全く同様にして成形品
の表面に架橋硬化被膜を形成させた。
この成形品の評価結果を第4表に示した。この結果から
明らかな如く、本発明に使用する以外の有機溶剤(常圧
での沸点が50′C未満あるいは200′Cをこえるも
の)を使用した場合は、架橋硬化被膜の表面平滑性ある
いは外観が劣るとともに硬化被膜の密着性も劣つている
実施例5 ペンタエリスリトールテトラアクリレート6重量部、ト
リメチロールプロパントリアクリレート15重量部、1
,4ブタンジオールジアクリレート9重量部、n−ブチ
ルアルコール冗重量部ならびにベンゾインイソブチルエ
ーテル2重量部からなる塗料組成物に厚さ2Tr!Jn
の板状ポリカーボネート成形品を浸漬して塗布被膜を形
成させた。
これを窒素ガスを流通した石英筒内に入れ、そのまま2
紛間放置した後、塗布成形板の両面より20cmの距離
にある100Wの高圧水銀灯からの光線を石英筒外より
1紛間照射してポリカーボネート成形板の表面に架橋硬
化被膜を形成させた。
得られた成形品の表面平滑性は極めて優れ、硬化被膜の
膜厚は6μであつた。表面の鉛筆硬度は測で被膜の密着
性はクロスカットゼロテープテストでも剥離しなかつた
。又サーマルサイクル試験を5回くり返した後も耐摩耗
性、被膜の密着性とも変化は認められなかつた。実施例
6 ペンタエリスリトールテトラアクリレート2鍾量部、ト
リメチロールプロパントリアクリレート1呼量部、1,
4ブタンジオールジアクリレート1唾量部、プロピオン
酸エチル60重量部およびベンゾインイソプロピルエー
テル2重量部からなる塗料組成物を厚さ3Trr1n1
半径6cm1高さ5cmの円錐状メタクリル樹脂射出成
形品の外面にスプレー塗布し、塗布被膜の平均膜厚が2
5μ程度になるような被膜を形成せしめた。
これを25゜Cの室温に30分間放置した後、窒素雰囲
気中て被覆面約30cmの距離から2KWの高圧水銀灯
を2鰍間照射して、該成形品の外面に平均膜厚10μの
架橋硬化被膜を形成させた。得られた成形品の表面の耐
摩耗性は鉛筆硬度で8H1スチールウール擦傷テストで
も優れた性能を有していた。
硬化被膜の密着性はクロスカットゼロテープテストで剥
離する個所がなく、またサーマルサイクル試験5回後も
変化は認められなかつた。実施例7 ペンタエリスリトールテトラアクリレート20重量部、
ペンタエリスリトールトリアクリレート10重量部、ジ
エチレングリコールジアクリレート5重量部、イソプロ
ピルアルコール55重量部、キシレン1呼量部を混合し
て均一な溶液とした。
更にこれに光増感剤としてベンゾインイソブチルエーテ
ル0.4重量部、ベンゾインエチルエーテル0.4重量
部ならびにベンゾフェノン2重量部よりなる増感剤混合
物を溶解させて塗料組成物を得た。この塗料組成物に厚
さ277177!のメタクリル樹脂セルキャスト成形板
を浸漬し、2T!Rm/Secの等速度てゆつくりと引
き上け成形品の表面に塗布被膜を形成させた。この被膜
成形板を、2KWの高圧水銀灯2本を待向させ、窒素ガ
スを流して室内の酸素濃度を5%に保つた高出力対向紫
外線照射ボックス内に搬送できる駆動体にとりつけた。
次いでボックス内での紫外線照射時間が10秒になるよ
うにセットし、駆動体を動かし照射ボックスを通過させ
、成形板の表面に架橋硬化被膜を形成させた。得られた
成形品の表面平滑性、表面外観は極めて優れたものてあ
り、各種性能を評価した結果は次の通りであつた。実施
例8 − 直径1.5Cr!11長さ3cmの円筒状のABS樹脂
射出成形品の上部円形状の表面に光増感剤を含んでいな
い以外は実施例3実験番号1〜3で用いたと全く同じ塗
料組成物を刷毛塗りして、およそ20μ前後になるよう
な塗布被膜を形成させた。
その後20分間以上放置した後、この成形品の表面を窒
素ガスでおおいながら電子線加速器からの線量率1(7
′γAb/秒の電子線を1C@)間照射して成形品の表
面の1部分に架橋硬化被膜を形成させた。架橋硬化被膜
の厚さは15〜19μであつた。この成形品の被膜を形
成させた部品の表面の光沢は非常に優れ、鉛筆硬度叱で
被膜の密着性もクロスカットゼロテープテストで剥離す
る個所がなかつた。実施例9ペンタエリスリトールテト
ラアクリレート1呼量部、トリメチロールプロパントリ
アクリレート15重量部、1,4ブタンジオールジメタ
アクリレート10重量部、メチルメタアクリレート45
重量部、n−ブチルアルコール加重量部およびベンゾイ
ンイソブチルエーテル2重量部よりなる塗料組成物にポ
リアリルジグリコールカーボネート樹脂製レンズ(CR
−3代レンズ)を浸漬し、ゆつくりと引きーヒげて、該
レンズの表面に塗料組成物を浸漬塗布した。これに実施
例1で行なつたと全く同様にして紫外線を照射して同時
に両面から300Wの遠赤外線を最初の2分間照射して
レンズの表面に6μの架橋硬化被膜を形成せしめた。得
られた成形品の表面は平滑性、密着性にすぐれ、又表面
の鉛筆硬度は測と高いものであつた。実施例10ジペン
タエリスリトールペンタアクリレート5重量部、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート1呼量部、トリメチ
ロールプロパントリアクリレートw重量部、エチレング
リコールジアクリレートw重量部、メタクリル酸メチル
5重量部、イソプロピルアルコール4唾量部、キシレン
2唾量部およびベンゾインエチルエーテル2重量部を混
合して均一に溶解させた塗料組成物を用いた以外は実施
例1と全く同様にして架橋硬化被膜を形成させた成形品
を得た。
この成形品の表面平滑性は優れ、硬化被膜の膜厚は5.
5μであつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アクリル酸又はメタクリル酸あるいはそのハロゲン
    化物と2価以上の多価アルコール又は分子中に1〜2個
    のエーテル結合を有する2価以上の多価アルコールとの
    反応によつて得られた1分子中に3個以上のアクリロイ
    ルオキシ基及び/又はメタアクリロイルオキシ基を有し
    かつ各アクリロイルオキシ基及び/又はメタアクリロイ
    ルオキシ基間が30個以下の炭素原子を有する炭化水素
    残基又はエーテル結合を1〜2個有する炭化水素残基で
    結合された多官能単量体30〜98重量%とアクリル酸
    又はメタクリル酸あるいはそのハロゲン化物と2価のア
    ルコール又は分子中に1〜2個のエーテル結合を有する
    2価のアルコールとの反応によつて得られた1分子中に
    2個のアクリロイルオキシ基及び/又はメタアクリロイ
    ルオキシ基を有しかつ各アクリロイルオキシ基及び/又
    はメタアクリロイルオキシ基間が30個以下の炭素原子
    を有する炭化水素残基又はエーテル結合を1〜2個有す
    る炭化水素残基で結合された2官能単重体70〜2重量
    %からなる単量体混合物〔A〕5〜90重量%と、該単
    量体混合物〔A〕と混合して均一な溶液を形成する少な
    くとも1種の有機溶剤〔B〕95〜10重量部と光増感
    剤〔C〕0〜10重量部(前記単重量部に対し)とより
    なる活性エネルギー線照射により重合可能な塗料組成物
    。 2 有機溶剤が常圧で50℃以上200℃以下の沸点の
    ものである特許請求の範囲第1項記載の塗料組成物。 3 有機溶剤が25℃において10センチボイズ以下の
    粘度を有するものである特許請求の範囲第1項又は第2
    項記載の塗料組成物。 4 光増感剤の添加量が0.01〜10重量部、活性エ
    ネルギー線が紫外線である特許請求の範囲第1項記載の
    塗料組成物。 5 塗料組成物が25℃において、10センチポイズ以
    下の粘度を有するものである特許請求の範囲第1項記載
    の塗料組成物。
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