JP4576173B2 - アダマンチル(メタ)アクリレート化合物の製造法 - Google Patents

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本発明は、アダマンチル(メタ)アクリレート化合物の製造法に関する。さらに詳しくは、合成潤滑油、可塑剤などの原料として好適に使用しうるアダマンチル(メタ)アクリレート化合物の製造法に関する。
アダマンチル(メタ)アクリレート化合物の製造法としては、例えば、(メタ)アクリル酸とアマダンタノール類とをベンゼン、トルエンおよびキシレンからなる群より選ばれた少なくとも1種の芳香族系有機溶媒中で反応させることによって製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この方法によれば、生成するアダマンチル(メタ)アクリレート化合物の着色を防止することができるが、収率よくアダマンチル(メタ)アクリレート化合物を製造することができず、その収率をより高めるために反応時間を長くすると、例えば、トルエンなどの有機溶媒は、アダマンチルアルコールと水の脱離反応を生じ、式(II):
Figure 0004576173
で表される、有機溶媒とアダマンチルアルコールとの付加体を生じるため、かえってアダマンチル(メタ)アクリレート化合物を高純度で効率よく製造することができないという欠点がある。
特開平8−310995号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、高選択性でアダマンチル(メタ) アクリレート化合物を高収率で製造しうる方法を提供することを課題とする。
本発明は、(メタ)アクリル酸とアダマンタノール化合物とを酸触媒の存在下、飽和脂肪族炭化水素化合物および飽和脂環式炭化水素化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒中で反応させることを特徴とするアダマンチル(メタ)アクリレート化合物の製造法に関する。
本発明によれば、高選択性でアダマンチル(メタ) アクリレート化合物を高収率で効率よく製造することができる。
本発明によれば、(メタ)アクリル酸とアダマンタノール化合物とを酸触媒の存在下、飽和脂肪族炭化水素化合物および飽和脂環式炭化水素化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒中で反応させることにより、アダマンチル(メタ)アクリレート化合物を製造することができる。
本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を意味する。
(メタ)アクリル酸の量は、残存するアダマンタノール化合物および(メタ)アクリル酸の量を低減させる観点から、アダマンタノール化合物の水酸基1当量あたり、1〜5当量、好ましくは1. 1〜3. 0当量であることが望ましい。
本発明で用いられるアダマンタノール化合物は、式(I):
Figure 0004576173
(式中、R1 〜R3 は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基またはハロゲン原子を示す)
で表される化合物である。
式(I) において、炭素数1〜10のアルキル基の中では、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。炭素数6〜12のアリール基の中では、フェニル基およびナフチル基が好ましい。また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が好ましく、フッ素原子、塩素原子および臭素原子がより好ましい。
酸触媒としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、およびp−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、キシレンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。これらのなかでは、反応速度および副生成物の抑制の観点から、無機酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸およびキシレンスルホン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸およびキシレンスルホン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種がより好ましく、p−トルエンスルホン酸がさらに好ましい。
酸触媒の量は、反応速度を高める観点およびアダマンチル(メタ) アクリレート化合物の選択性を高める観点から、アダマンタノール化合物1モルあたり、0. 005〜1モル、好ましくは0. 01〜0. 1モルであることが望ましい。
(メタ)アクリル酸とアダマンタノール化合物との反応は、飽和脂肪族炭化水素化合物および飽和脂環式炭化水素化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種の有機溶媒中で行われる。
本発明においては、このように、特定の有機溶媒中で(メタ)アクリル酸とアダマンタノール化合物との反応を行う点に、1つの大きな特徴があり、前記特定有機溶媒が用いられているので、選択性よく、アダマンチル(メタ) アクリレート化合物を高収率で得ることができる。
好適な飽和脂肪族炭化水素化合物の例としては、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、オクタン、デカンなどの炭素数6〜10の飽和脂肪族炭化水素化合物が挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
好適な飽和脂環式炭化水素化合物の例としては、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭素数6〜10の飽和脂環式炭化水素化合物が挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
前記有機溶媒の量は、反応生成する水の共沸に必要な量であって、原料アルコールの溶解性を高める観点から、アダマンタノール化合物100重量部あたり、10〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部であることが望ましい。
なお、(メタ)アクリル酸とアダマンタノール化合物との反応の際には、重合禁止剤を用いることができる。
重合禁止剤の例としては、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、p−ベンゾキノン、フェノチアジン、ジブチルヒドロキシトルエン、N,N−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、分子状酸素、硫黄、塩化第二銅などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
重合禁止剤の量は、重合反応を十分に抑制する観点および重合禁止剤に由来の副生成物の生成を抑制する観点から、(メタ)アクリル酸1モルあたり、0. 00005〜0.015モル、好ましくは0. 0001〜0. 005モルであることが望ましい。
重合禁止剤は、通常、前記有機溶媒に溶解させて用いることができる。
(メタ)アクリル酸とアダマンタノール化合物とを反応させる際の反応温度は、反応速度とアダマンチル(メタ) アクリレート化合物の選択性を高める観点から、50〜200℃、好ましくは90〜150℃であることが望ましい。
なお、(メタ)アクリル酸とアダマンタノール化合物との反応は、エステル化反応であるため、副生する水を除去することが好ましい。共沸による水の除去の際には、Dean-Stark水分離器などを用いることができる。
反応時間は、通常、11〜40時間、好ましくは15〜40時間、より好ましくは20〜35時間であることが望ましい。本発明においては、反応時間を長くすれば、副生物の量が増大すると考えられている、溶媒としてトルエンなどの芳香族系有機溶媒が用いられた従来法からの予想に反し、反応時間を長くした場合であっても、副生物の生成量を抑制することができるという利点がある。
反応終了後は、得られた反応混合物を水またはアルカリ水で洗浄することにより、触媒及び未反応の(メタ)アクリル酸などを除去することができる。洗浄は、1回または複数回行ってもよい。
洗浄の際には、アダマンチル(メタ) アクリレート化合物の溶解度を高めるために、反応混合物に有機溶媒を添加してもよい。添加する有機溶媒は、前記(メタ)アクリル酸とアダマンタノール化合物との反応の際に用いたものと同一であってもよく、あるいは異なるものであってもよい。この有機溶媒として、(メタ)アクリル酸とアダマンタノール化合物との反応の際に用いることができないトルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素化合物を用いてもよい。
生成したアダマンチル(メタ) アクリレート化合物は、反応混合物の有機層から濃縮、濾過、蒸留、晶析などの公知の方法により、分離することができる。
かくしてアダマンチル(メタ) アクリレート化合物が得られる。このアダマンチル(メタ) アクリレート化合物の具体例としては、アダマンチルモノ(メタ) アクリレート、アダマンチルジ(メタ) アクリレート、アダマンチルトリ(メタ) アクリレート、アダマンチルテトラ(メタ) アクリレートなどが挙げられる。アダマンチル(メタ) アクリレートは、その用途などに応じて置換基を有していてもよい。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
攪拌装置、空気導入管、冷却管、分水器(デカンター) および温度計を取り付けた四つ口フラスコ内に、1 −アダマンタノール50g(0. 33mol)、メタクリル酸34g(0. 39mol)およびメチルシクロヘキサン100g(1. 02mol)を溶かし、p−トルエンスルホン酸5.0g(8mol%)を添加した。重合防止剤としてメトキノン0.29gとハイドロキノン0.07gを加え、少量の空気を吹き込みながら100〜110℃の温度でメチルシクロヘキサンと水との共沸下で33時間攪拌した。
得られた反応混合物をイオン交換水12.5gで洗浄した後、15%水酸化ナトリウム水溶液13gで2回、さらにイオン交換水12.5gで4回洗浄し、最終洗浄廃水のpHが7であることを確認した。有機相を減圧濃縮し、濾過し、アダマンチルメタクリレートを主成分とする淡黄色透明の液体69.5gを得た。アダマンチルメタクリレートの収率は96.0%、アダマンチルメタクリレートの純度は99.6%、未反応の1−アダマンタノールの残存量は0.4%であり、付加体等の副反応は起きていなかった。メタクリル酸の重合物が形成されないことを、生成したエステルにメタノールを添加し、白濁しないことにより確認した。
実施例2
触媒をp−トルエンスルホン酸から70%メタンスルホン酸に代え、実施例1と同様の方法で実験を行った。1 −アダマンタノール50g(0. 33mol)、メタクリル酸34g(0. 39mol)およびメチルシクロヘキサン100g(1. 02mol)を溶かし、70%メタンスルホン酸33.86g(25mol%)を添加した。重合防止剤としてメトキノン0.29gとハイドロキノン0.07gを加え、少量の空気を吹き込みながら100〜110℃の温度でメチルシクロヘキサンと水との共沸下で21時間攪拌した。
得られた反応混合物をイオン交換水12.5gで洗浄した後、15%水酸化ナトリウム水溶液13gで3回、さらにイオン交換水12.5gで5回洗浄し、最終洗浄廃水のpHが7であることを確認した。有機相を減圧濃縮し、濾過し、アダマンチルメタクリレートを主成分とする淡黄色透明の液体68.6gを得た。アダマンチルメタクリレートの収率は94.8%、アダマンチルメタクリレートの純度は98.5%、未反応の1−アダマンタノールの残存量は1.5%であり、付加体等の副反応は起きていなかった。メタクリル酸の重合物が形成されないことを、生成したエステルにメタノールを添加し、白濁しないことにより確認した。
実施例3(参考例)
触媒を70%メタンスルホン酸から硫酸に代え、実施例1と同様の方法で実験を行った。1 −アダマンタノール50g(0. 33mol)、メタクリル酸34g(0. 39mol)およびメチルシクロヘキサン100g(1. 02mol)を溶かし、硫酸0.83g(2.5mol%)を添加した。重合防止剤としてメトキノン0.29gとハイドロキノン0.07gを加え、少量の空気を吹き込みながら100〜110℃の温度でメチルシクロヘキサンと水との共沸下で28時間攪拌した。
得られた反応混合物をイオン交換水12.5gで洗浄した後、15%水酸化ナトリウム水溶液13gで2回、さらにイオン交換水12.5gで5回洗浄し、最終洗浄廃水のpHが7であることを確認した。有機相を減圧濃縮し、濾過し、アダマンチルメタクリレートを主成分とする淡黄色透明の液体64.4gを得た。アダマンチルメタクリレートの収率は89.0%、アダマンチルメタクリレートの純度は99.2%、未反応の1−アダマンタノールの残存量は0.8%であり、付加体等の副反応は起きていなかった。メタクリル酸の重合物が形成されないことを、生成したエステルにメタノールを添加し、白濁しないことにより確認した。
実施例4
触媒をメチルシクロヘキサンからエチルシクロヘキサンに代え、実施例1と同様の方法で実験を行った。1 −アダマンタノール58g(0. 38mol)、メタクリル酸40g(0. 46mol)およびエチルシクロヘキサン118g(1. 05mol)を溶かし、p−トルエンスルホン酸5.88g(9mol%)を添加した。重合防止剤としてメトキノン0.29gとハイドロキノン0.07gを加え、少量の空気を吹き込みながら130〜140℃の温度でエチルシクロヘキサンと水との共沸下で30時間攪拌した。
得られた反応混合物をイオン交換水12.5gで洗浄した後、15%水酸化ナトリウム水溶液15gで2回、さらにイオン交換水15gで5回洗浄し、最終洗浄廃水のpHが7であることを確認した。有機相を減圧濃縮し、濾過し、アダマンチルメタクリレートを主成分とする淡黄色透明の液体75.1gを得た。アダマンチルメタクリレートの収率は89.5%、アダマンチルメタクリレートの純度は99.5%、未反応の1−アダマンタノールの残存量は0.5%であり、付加体等の副反応は起きていなかった。メタクリル酸の重合物が形成されないことを、生成したエステルにメタノールを添加し、白濁しないことにより確認した。
比較例1
従来法として、溶媒をトルエンに、触媒をp−トルエンスルホン酸に代え、実施例1と同様の方法で比較検討を行った。1 −アダマンタノール40g(0. 26mol)、メタクリル酸27.3g(0. 32mol)およびトルエン160g(1. 63mol)を溶かし、p−トルエンスルホン酸5.0g(11mol%)を添加した。重合防止剤としてメトキノン0.24gとハイドロキノン0.06gを加え、少量の空気を吹き込みながら110〜120℃の温度でトルエンと水との共沸下で4時間攪拌した。
得られた反応混合物をイオン交換水12.5gで洗浄した後、15%水酸化ナトリウム水溶液13gで3回、さらにイオン交換水12.5gで6回洗浄し、最終洗浄廃水のpHが7であることを確認した。有機相を減圧濃縮し、濾過し、アダマンチルメタクリレートを主成分とする淡黄色透明の液体55.4gを得た。アダマンチルメタクリレートの収率は95.7%、アダマンチルメタクリレートの純度は85.2%、未反応の1−アダマンタノールの残存量は13.0%、副反応として生成するトルエン溶媒との付加体の量は1.0%であった。メタクリル酸の重合物が形成されないことを、生成したエステルにメタノールを添加し、白濁しないことにより確認した。
比較例2
従来法として、比較例1と同様の方法で反応時間を延長して反応を行った。1 −アダマンタノール40g(0. 26mol)、メタクリル酸27.3g(0. 32mol)およびトルエン160g(1. 63mol)を溶かし、p−トルエンスルホン酸5.0g(11mol%)を添加した。重合防止剤としてメトキノン0.24gとハイドロキノン0.06gを加え、少量の空気を吹き込みながら110〜120℃の温度でトルエンと水との共沸下で12時間攪拌した。
得られた反応混合物をイオン交換水12.5gで洗浄した後、15%水酸化ナトリウム水溶液13gで3回、さらにイオン交換水12.5gで6回洗浄し、最終洗浄廃水のpHが7であることを確認した。有機相を減圧濃縮し、濾過し、アダマンチルメタクリレートを主成分とする淡黄色透明の液体55.4gを得た。アダマンチルメタクリレートの収率は95.7%、アダマンチルメタクリレートの純度は93.1%、未反応の1−アダマンタノールの残存量は0.41%、副反応として生成するトルエン溶媒との付加体の量は4.98%であった。メタクリル酸の重合物が形成されないことを、生成したエステルにメタノールを添加し、白濁しないことにより確認した。
比較例3
従来法として、比較例1と同様の方法で触媒をクレゾールスルホン酸に代え、反応を行った。1 −アダマンタノール40g(0. 26mol)、メタクリル酸27.3g(0. 32mol)およびトルエン160g(1. 63mol)を溶かし、クレゾールスルホン酸2.32g(11mol%)を添加した。重合防止剤としてメトキノン0.24gとハイドロキノン0.06gを加え、少量の空気を吹き込みながら110〜120℃の温度でトルエンと水との共沸下で8時間攪拌した。
得られた反応混合物をイオン交換水12.5gで洗浄した後、15%水酸化ナトリウム水溶液13gで3回、さらにイオン交換水12.5gで6回洗浄し、最終洗浄廃水のpHが7であることを確認した。有機相を減圧濃縮し、濾過し、アダマンチルメタクリレートを主成分とする淡黄色透明の液体53.3gを得た。アダマンチルメタクリレートの収率は92.1%、アダマンチルメクリレートの純度は95.2%、未反応の1−アダマンタノールの残存量は3.0%、副反応として生成するトルエン溶媒との付加体の量は1.5%であった。メタクリル酸の重合物が形成されないことを、生成したエステルにメタノールを添加し、白濁しないことにより確認した。
以上の各実施例および各比較例の結果を表1に示す。
Figure 0004576173
表1に示された結果から、各実施例によれば、副生物の生成もなく、アダマンチルメタクリレートを高収率で得ることができることがわかる。また、実施例1と実施例4との対比結果から、反応時間を長くすれば、副生物を生成させずに、未反応の1−アダマンタノールの残存量を低減させることができることがわかる。
一方、各比較例によれば、アダマンチルメタクリレートを高収率で得ることができないのみならず、副生物の生成が認められ、また、比較例1と比較例2との対比結果から、反応時間を長くすれば、未反応の1−アダマンタノールの残存量を低減させることができる反面、副生物が生成することがわかる。
本発明の製造法によって得られたアダマンチル(メタ) アクリレート化合物は、例えば、合成潤滑油、可塑剤などの原料として好適に使用しうるものである。

Claims (3)

  1. (メタ)アクリル酸と、式(I):
    Figure 0004576173
    (式中、R 1 〜R 3 は、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基またはハロゲン原子を示す)
    で表されるアダマンタノール化合物とを、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸およびキシレンスルホン酸からなる群より選ばれた少なくとも1種の酸触媒の存在下、飽和脂環式炭化水素中で反応させることを特徴とするアダマンチル(メタ)アクリレート化合物の製造法。
  2. 飽和脂環式炭化水素が炭素数6〜10の飽和脂環式炭化水素である請求項1記載の製造法。
  3. 炭素数6〜10の飽和脂環式炭化水素がメチルシクロヘキサンまたはエチルシクロヘキサンである請求項記載の製造法。
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