JP4576145B2 - 高反射プレコートアルミニウム合金板 - Google Patents
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特に、液晶ディスプレイの裏側面に配置される液晶バックパネルは、可視光の全波長で均一に反射する必要があり、また、蛍光灯からの発熱に対する耐熱性および高寿命が必要である。また、最近では、薄型タイプが望まれ、特殊な形状も増え、素材となるプレコートアルミニウム合金板に対しては、様々な形状に成形可能な優れた成形性が強く求められている。
しかしながら、例えば高反射のフィルムを貼り付けたアルミニウム板等を作製するに当たっては、複雑なプロセスが必要となり、製造コストが高い。このことが、液晶バックパネルの今後の低価格化には大きな問題となっている。そのため、製造コストが低く、高反射特性を有する材料の開発が望まれている。
さらに、上記高反射特性を有する材料としては、複雑なプレス成形にも耐えうる成形性を具備し、かつ、薄肉軽量で高強度であるという特性も求められている。
少なくとも一方の上記プレコート層は、ベース樹脂中に、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、アルミナ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、硝子、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ、酸化ジルコニウムの1種または2種以上よりなる高反射物質を含有した高反射層を一層又は複数層有しており、
上記高反射層は、上記ベース樹脂として、数平均分子量5000〜50000の合成樹脂を主成分として含有する合成樹脂塗料を用いており、
上記高反射物質は、それぞれの単独の含有量が、上記ベース樹脂100重量部に対して、50〜300重量部であり、その平均粒径が0.1〜10μmであり、
上記高反射層の膜厚は、20〜100μmであることを特徴とする高反射プレコートアルミニウム合金板にある(請求項1)。
これにより、上記高反射プレコートアルミニウム合金板は、薄肉軽量化、製造コスト低減が可能で、成形性および反射特性に優れたものとなる。
また、上記合成樹脂としては、特にポリエステル樹脂を適用することが好ましい。なお、上記数平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)という方法により測定することができる。
また、上記合成樹脂塗料としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、脂肪酸変性したポリエステル樹脂(アルキド樹脂)、オイルフリーアルキド樹脂、綿状ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、その他、エポキシ系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フェノール系樹脂の塗料がある。
上記インナーワックス量が0.05%未満の場合には摺動性が低下し、一方、3重量部を超える場合には、コストアップとなるという問題がある。
上記化成処理皮膜としては、リン酸クロメート、クロム酸クロメート等のクロメート処理、クロム化合物以外のリン酸チタンやリン酸ジルコニウム、リン酸モリブデン、リン酸亜鉛等によるノンクロメート処理等の化学皮膜処理、いわゆる化成処理により得られる皮膜が採用される。
なお、上記クロメート処理やノンクロメート処理等の化成処理方法には、反応型及び塗布型があるが、本発明においてはいずれの手法が採用されても何ら差し支えない。
本例では、図1に示す構成のプレコートアルミニウム合金板1として、複数種類のサンプル(実施例1〜126、比較例1〜84)を作製し、その性能を評価した。
表1〜表6には、高反射層40に含有させた高反射物質42の種類、平均粒径、含有量、膜厚、インナーワックス含有量を示す。
<反射率>
反射率の測定は、X-Rite社製積分球分光測色計を用い、硫酸バリウムの微粉末を固めた白色板の反射率を100%として、各々のサンプルについて400〜700nmの波長域の反射率を測定した。その反射率が90%以上を良好とし○印で、90%未満を不良として×印で示した。
耐傷付き性は、バウデン試験にて、荷重500g、1/4インチの鋼球を100回摺動させたときの摺動痕跡の幅を評価に用いた。0.5mm未満を良好として○印で、0.5mm以上を不良として×印で示した。
結果を表1〜表6に示す。
一方、表4〜表6に示すごとく、比較例1〜78においては、いずれの高反射物質を用いても、その含有量が50重量部未満の場合および300重量部を超える場合、その粒径が0.1μm未満の場合および10μmを超える場合、並びに高反射層の膜厚が20μm未満の場合には、十分な反射特性が得られないことがわかる。さらには、インナーワックスを含有させた場合にその含有量が0.05重量部未満の場合には十分な耐傷付き性が得られないこともわかる。
また、比較例79〜84においては、中空ガラスビーズの含有量が5重量部未満の場合および200重量部を超える場合、その粒径が0.01μm未満の場合および200μmを超える場合、並びに高反射層の膜厚が20μm未満の場合には、十分な反射特性が得られないことがわかる。さらには、インナーワックスを含有させた場合にその含有量が0.05重量部未満の場合には十分な耐傷付き性が得られないこともわかる。
2 基板
3 化成処理皮膜(クロメート皮膜)
4 プレコート層
40 高反射層
41 ベース樹脂
42 高反射物質
Claims (3)
- アルミニウム合金板よりなる基板と、該基板の片面又は両面に形成したプレコート層とよりなり、
少なくとも一方の上記プレコート層は、ベース樹脂中に、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、アルミナ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、硝子、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ、酸化ジルコニウムの1種または2種以上よりなる高反射物質を含有した高反射層を一層又は複数層有しており、
上記高反射層は、上記ベース樹脂として、数平均分子量5000〜50000の合成樹脂を主成分として含有する合成樹脂塗料を用いており、
上記高反射物質は、それぞれの単独の含有量が、上記ベース樹脂100重量部に対して、50〜300重量部であり、その平均粒径が0.1〜10μmであり、
上記高反射層の膜厚は、20〜100μmであることを特徴とする高反射プレコートアルミニウム合金板。 - 請求項1において、上記高反射層は、上記ベース塗膜100重量部に対して、0.05〜3重量部の動物性ワックス、植物性ワックス、合成ワックス、石油ワックスの1種あるいは2種よりなるインナーワックスを含有していることを特徴とする高反射プレコートアルミニウム合金板。
- 請求項1又は2において、上記プレコート層と上記基板との間には、化成処理皮膜が形成されていることを特徴とする高反射プレコートアルミニウム合金板。
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