JP2006123463A - 光反射性と加工性に優れた樹脂被覆アルミニウム反射板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低コストで光反射性、加工性の良い反射板を得る。
【解決手段】 両面に化成皮膜を有するアルミニウム板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、白色顔料を含有する全反射率80%以上95%以下の白色系熱硬化性樹脂塗膜が形成され、さらにその表面に接着剤を介して白色顔料及び/又は気泡を含有する膜厚150μm以上250μm以下、全反射率96%以上の白色系熱可塑性樹脂フィルム層を施すことにより、複合皮膜の全反射率を97%以上にする。白色系熱硬化性樹脂塗膜の膜厚は30μm以上60μm以下、光沢は70%以上90%以下が好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 両面に化成皮膜を有するアルミニウム板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、白色顔料を含有する全反射率80%以上95%以下の白色系熱硬化性樹脂塗膜が形成され、さらにその表面に接着剤を介して白色顔料及び/又は気泡を含有する膜厚150μm以上250μm以下、全反射率96%以上の白色系熱可塑性樹脂フィルム層を施すことにより、複合皮膜の全反射率を97%以上にする。白色系熱硬化性樹脂塗膜の膜厚は30μm以上60μm以下、光沢は70%以上90%以下が好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、パソコンやテレビ等の液晶ディスプレイにおけるバックライト反射板などとして、特に高輝度が必要とされる反射板に使用される白色の樹脂被覆アルミニウム反射板に関するものである。
各種照明器具や、液晶ディスプレイのバックライト反射板としては、従来からアルミニウム板を基板としてその表面に白色顔料を含有する樹脂塗料(白色塗料)を塗装してなるいわゆる白色カラーアルミニウム板や、アルミニウム基板表面に白色顔料や気泡を含有する樹脂フィルムをラミネートしたいわゆるラミネート板が使用されている。
前者の塗装による白色カラーアルミニウム板の従来の一般的な例を図2に示す。図2において、アルミニウム合金板3に、化成皮膜2を設け、その上に白色顔料を含有する樹脂塗料が塗装されて、白色系熱硬化性樹脂塗膜1が形成され、白色カラー塗装板とされている。このようなものの代表的な例としては、照明器具の反射板として、チタン系白色顔料を含有する樹脂塗料を膜厚30〜60μmで塗装したものがある。
また、後者のラミネート板の従来の一般的な例を図3に示す。図3において、アルミニウム合金板3に、化成皮膜2を設け、その上に白色顔料及び/又は気泡を含有する白色系熱可塑性樹脂フィルム4が、接着剤5を介して接合されている。このようなものの代表的な例としては、液晶バックライト用反射板として、膜厚188μmの気泡含有タイプ白色ポリエステル系フィルムを適用したものがあり、波長380nmから780nmの可視光領域で、96%以上の高い反射率が得られている。
また、特許文献の先行技術としては、特開2002−116436号(特許文献1)、特開2002−50222号(特許文献2)、特開2004−163512号(特許文献3)などがある。特許文献1は、白色カラーアルミニウム板タイプのもので、特許文献2は、ラミネートタイプのものである。また、特許文献3は、ラミネートタイプと白色カラーアルミニウム板タイプの複合板タイプである。特許文献1の発明では、酸化チタン含有白色塗膜の膜厚を厚くすることにより反射率を高めている。また、特許文献2の発明では、白色樹脂フィルムの内部に気泡を含有させることにより反射率を高めており、さらに、特許文献3の発明では、白色塗膜と白色樹脂フィルムを複合化することにより反射率を高めることとしている。
特開2002−116436号公報
特開2002−50222号公報
特開2004−163512号公報
白色塗装反射板の場合、反射率を上げるためには樹脂塗料中への白色顔料の添加量を増加することが考えられるが、実際上は塗装性や塗膜強度を考慮すれば、白色顔料の添加量は最大50%程度までに制約される。そこでより反射率を向上させるために塗膜の膜厚を厚くすることが必要となる。しかしながら、特許文献1のように80μm程度まで厚くすると、加工性が低下するばかりでなく、数回の塗装焼付作業が必要であり、コスト高になるばかりでなく塗装チャンスにより色味が変化してしまって、安定した製品を得ることが困難となってしまう問題も生じる。ちなみに、図1に示した塗膜厚み60μmの白色塗装反射板の例では、全反射率は94%〜95%程度である。近年、液晶表示装置の輝度は高輝度化が進んでいる。高輝度化の達成方法としては、ランプを複数にしたりランプの出力をアップする方法もあるが、ランプからの熱により液晶表示性能の品質が低下してしまう問題が顕著になるためこのような方法による輝度向上は大きく制限される。そこで高輝度化の他の達成方法として、反射板の全反射率を97%以上とすることが望まれている。したがって、従来の塗装方式の反射板では、反射率が不足しているという問題があった。
一方、白色樹脂フィルムをラミネートした反射板の場合も、反射率を高めるためには樹脂フィルム中の白色顔料の量を増やすことが考えられるが、樹脂フィルムにおける白色顔料の添加量は、主としてフィルムの製造上の理由から
30%程度が限界である。そこで、一般的には、白色樹脂フィルムを、その膜厚が150μmを超えるような厚肉として反射率を高めることが行なわれている。さらに、前記特許文献2に示されるように内部に気泡を含有することにより反射率は96%〜97%程度となる。しかし、先述のように近年の高輝度化に対応するためにはさらなる全反射率の向上が望まれており、上記樹脂フィルムを2枚貼りにして反射率を高めることが行なわれているが、このような厚肉の場合、高コストとならざるを得ない。またこのような反射板では、液晶ディスプレイ等に組み込むために周辺部などに曲げ加工を施すことが多いが、300μmを超えるような厚肉の樹脂フィルムを用いれば、曲げ加工時においてフィルムの剥離が生じたり、しわが発生したりしてしまう問題もある。
30%程度が限界である。そこで、一般的には、白色樹脂フィルムを、その膜厚が150μmを超えるような厚肉として反射率を高めることが行なわれている。さらに、前記特許文献2に示されるように内部に気泡を含有することにより反射率は96%〜97%程度となる。しかし、先述のように近年の高輝度化に対応するためにはさらなる全反射率の向上が望まれており、上記樹脂フィルムを2枚貼りにして反射率を高めることが行なわれているが、このような厚肉の場合、高コストとならざるを得ない。またこのような反射板では、液晶ディスプレイ等に組み込むために周辺部などに曲げ加工を施すことが多いが、300μmを超えるような厚肉の樹脂フィルムを用いれば、曲げ加工時においてフィルムの剥離が生じたり、しわが発生したりしてしまう問題もある。
上記してきた様に、全反射率向上にはフィルム、塗装皮膜いずれの場合も膜厚向上が有効であるが、全反射率95%を超えるような高反射性領域の場合、すでに厚膜であるため、さらに膜厚を厚くすると加工性低下、放熱性低下(断熱)、コストアップ等の問題が大きくなり、これ以上の著しい厚膜化、著しい全反射率向上は事実上困難である。従って高輝度化に対応可能な全反射率95%を超える高反射性反射板の場合、たとえ約1%程度の全反射率の向上であっても、強く望まれている。
また、特許文献3に示されるように白色塗膜と白色樹脂フィルムを各層の合計厚みを100μm以下で形成し複合化した場合、全反射率は96%程度であり、やはり全反射率が不足している。また、開示されている複合皮膜の構成は、基材+樹脂フィルム+塗膜、基材+塗膜+樹脂フィルム+塗膜である。このような内層又は中間層に樹脂フィルムかつ最外層に塗膜を有する複合皮膜構成の場合、内層又は中間層の樹脂フィルムは気泡により反射性を向上しており気泡での可視光線の吸収はないのに対して、最外層の塗膜は白色顔料を添加することによって反射性を向上しているため可視光線の一部(特に短波長側)を白色顔料は吸収していることから複合皮膜の光反射性の向上は小さい。さらに、最外層の塗膜は比較的硬く脆いため、樹脂フィルムと塗膜の総厚が100μmを超えると曲げ加工時に最外層の塗膜に大きなひずみが加わり割れが入りやすくなり加工性が低下する。
以上のように従来は、白色塗装反射板、白色樹脂フィルムラミネート反射板、白色塗装+白色樹脂フィルムラミネート反射複合板のいずれの場合においても、大幅なコスト上昇をまねくことなく、反射率を高めると同時に、加工性を満足する反射板を提供することは困難であった。
この発明は、以上の事情を背景としてなされたもので、高コスト化をまねくことなく、高輝度が達成可能な非常に高い反射率を有すると同時に、加工性に優れた反射板を提供することを課題とするものである。
このようなことから、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、アルミニウム板上に化成皮膜を設け、少なくとも一方の面の化成皮膜上に特定の白色系熱硬化性樹脂塗膜を施し、さらに接着剤を介して特定の白色系熱可塑性樹脂フィルム層を設けることにより、比較的低コストで高い光反射性と加工性に優れた樹脂被覆アルミニウム反射材が得られることを見出した。
白色系熱可塑性樹脂フィルムは主に独立気泡を含有することにより光反射性を付与しているのに対して、一方白色系熱硬化性樹脂塗膜は、通常約1μm以下の微粒子である酸化チタン等の白色顔料を高密度な状態で含有することにより光反射性を付与しているため、単位厚み当りの光反射性は白色系熱硬化性樹脂塗膜が優れる。よって、白色系熱可塑性樹脂フィルム程度の厚い膜厚にすることができれば白色系熱硬化性樹脂塗膜の光反射性は白色系熱可塑性樹脂フィルムの光反射性を凌ぐものとなる。しかし、コスト、加工性等の光反射性以外の性能に問題が発生し実用上実現不可能である。本発明は、白色系熱可塑性樹脂フィルムを透過した僅かな(であるが貴重な)可視光線を、複合化した光反射効率の良い比較的薄い膜厚の白色系熱硬化性樹脂塗膜によって反射し有効に利用することにより比較的低コストで高い光反射性と加工性を両立したものである。
すなわち、請求項1の発明は、両面に化成皮膜を有するアルミニウム板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、白色顔料を含有する全反射率80%以上95%以下の白色系熱硬化性樹脂塗膜が形成され、さらにその表面に接着剤を介して白色顔料及び/又は気泡を含有する膜厚150μm以上250μm以下、全反射率96%以上の白色系熱可塑性樹脂フィルム層が形成され、かつこの複合皮膜の全反射率が97%以上であることを特徴とする、光反射性と加工性に優れた樹脂被覆アルミニウム反射板である。
また、請求項2の様に、白色系熱硬化性樹脂塗膜の膜厚を30μm以上60μm以下とするのが、光反射性を低下させずにさらに加工性が向上するので好ましい。
さらに請求項3の様に、白色系熱硬化性樹脂塗膜の光沢が70%以上90%以下であるのが加工性の観点から好ましい。
本発明の樹脂被覆アルミニウム反射板は、比較的低コストで高い光反射性を有し、かつ加工性に優れたもので、特に高輝度が必要とされる直下型液晶表示装置用反射板として好適に使用される。
本発明において、基材のアルミニウム板は特に限定されるものでないが、照明装置や反射部材を形成・保持するに足る強度を有し、また絞り加工、曲げ加工時において充分な成形加工性を有することから1000系、3000系、5000系のアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板上に設ける化成皮膜は、塗布型と反応型があり、特に制限されないが、アルミニウムと樹脂皮膜の両方に密着性が良好な反応型化成皮膜が用いられる。反応型化成皮膜とは、具体的にはリン酸クロメート、クロム酸クロメート、リン酸ジルコニウム、リン酸チタニウムなどの処理液で形成される皮膜である。特にリン酸クロメート処理皮膜が、コスト、汎用性の点で好ましい。
化成皮膜上に設けた白色系熱硬化性樹脂塗膜の全反射率は80%以上
95%以下とする。全反射率が80%未満では、白色系熱可塑性樹脂フィルムと複合化した場合でも、複合皮膜の全反射率は熱可塑性樹脂フィルム単体の全反射率と変わらず、コストアップになるのみである。また、全反射率が95%を超える白色系熱硬化性樹脂塗膜は、白色顔料濃度、膜厚を大幅にアップしなければ達成できず大幅なコストアップとなるにもかかわらず、熱可塑性樹脂フィルムと複合化しても、熱可塑性樹脂フィルム単体からの全反射率の向上は小さいので効率的でない。なお、全反射率80%以上を達成する方法としては、樹脂に添加する白色顔料の添加量と塗膜厚を調整することにより達成できる。
95%以下とする。全反射率が80%未満では、白色系熱可塑性樹脂フィルムと複合化した場合でも、複合皮膜の全反射率は熱可塑性樹脂フィルム単体の全反射率と変わらず、コストアップになるのみである。また、全反射率が95%を超える白色系熱硬化性樹脂塗膜は、白色顔料濃度、膜厚を大幅にアップしなければ達成できず大幅なコストアップとなるにもかかわらず、熱可塑性樹脂フィルムと複合化しても、熱可塑性樹脂フィルム単体からの全反射率の向上は小さいので効率的でない。なお、全反射率80%以上を達成する方法としては、樹脂に添加する白色顔料の添加量と塗膜厚を調整することにより達成できる。
白色系熱硬化性樹脂塗膜に使用する樹脂は、特に制限されないが、例えば耐候性の良いフッ素系樹脂やアクリル系樹脂、また加工性の良いポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂などの1種または2種以上が用いられる。また、単独層、多層構造のいずれでもかまわない。
白色系熱硬化性樹脂塗膜に含有される白色顔料としては、特に制限されないが例えば、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが用いられる。特に、酸化チタンがコスト、汎用性、安全性の点で好ましい。
白色系熱硬化性樹脂塗膜の膜厚は、特に制限されないが、膜厚30μm以上60μm以下とすることによって光反射性を低下させずにさらに加工性が向上する。膜厚30μm未満では塗膜中の可視光線を反射する白色顔料の総数が少なく、光反射性が低下し、膜厚60μmを超えるとでは曲げ加工時塗膜に亀裂が入りやすくなり、加工性が低下する。
白色系熱硬化性樹脂塗膜の光沢は、特に制限されないが、光沢70%以上90%以下とすることによって加工性がさらに向上する。光沢は主に塗膜表面のミクロ的な粗さにより決定され、荒れている場合に光沢は低く、また平滑な場合に光沢は高くなる。光沢70%未満では塗膜表面が荒れているため接着剤と熱可塑性樹脂フィルム層との密着が低下し、この結果、曲げ加工性が低下する。光沢90%を超えるとでは塗膜表面が過剰に平滑なため、白色系熱硬化性樹脂塗膜と接着剤との密着性が低下し、この結果曲げ加工性が低下する。
接着剤としては、耐久性や加工性など、用途や目的に応じて、オレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の熱可塑性樹脂タイプの接着剤、あるいはエポキシ系、フェノール系、メラミン系等の熱硬化性タイプの接着剤のうちから適宜選択して使用すれば良い。
白色系熱可塑性樹脂フィルムとしては、加工性、耐湿性、耐薬品性、コスト等を考慮すれば、ポリオレフィン系やポリエステル系、ポリアミド系等が適当である。
白色系熱可塑性樹脂フィルムの膜厚は、150μm以上250μm以下とする。150μm未満の場合、光反射性に寄与する白色顔料や気泡の総数が不足し、その結果全反射率が劣る。250μmを超えると可とう性が低下し、その結果加工性が劣る。また、フィルムを透過する可視光線自体が極端に少なくなる場合もあり、この場合下層の白色系熱硬化性樹脂塗膜の効果が期待できなくなる。
白色系熱可塑性樹脂フィルムの全反射率は、96%以上とする。96%未満では、白色系熱硬化性樹脂塗膜と複合化した場合でも、その複合塗膜の全反射率が低く、高輝度に対応する反射板として適さない。
また、本発明において成形性を向上させる目的で、白色系熱硬化性樹脂塗膜及び白色系熱可塑性樹脂フィルムの樹脂に潤滑付与剤を添加しても良い。添加量としては、樹脂成分100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。潤滑付与成分が30質量部を超えると加工時の塗膜カスの発生や塗膜割れ等の加工性低下が起こりやすくなる。この際に使用される潤滑付与剤の種類としては、ポリエチレンワックス等のオレフィン系ワックス、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス等が挙げられる。
また、本発明に使用する白色系熱硬化性樹脂塗膜形成用の塗料には、塗装性及びプレコート材としての一般性能を確保するために通常塗料で使用される、溶剤、レベリング剤、顔料分散剤、ワキ防止剤等を適宜使用しても良い。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
アルミニウム板(材質:JIS A 5052、板厚:1.0mm)に対し、市販のアルミニウム用脱脂剤にて脱脂処理を行い、水洗後、市販のリン酸クロメート処理液にて下地処理を行い、その上に表1に示す条件でアクリル系樹脂100質量部に対して酸化チタンを80質量部〜120質量部含有する塗料をロールコーターで塗装し、PMT(最高到達板温度)200℃にて焼付することにより白色系熱硬化性樹脂皮膜を設けた。次いで、白色系熱硬化性樹脂皮膜の上に表1に示す条件で白色系ポリエステルフィルムを、ポリエステル系熱硬化型接着剤を用いて接着し、図1に模式的に断面図を示す樹脂被覆アルミニウム反射板を製造した。図中、1は白色系熱可塑性樹脂皮膜、2は接着剤層、3は白色系熱硬化性樹脂皮膜、4は化成皮膜、5はアルミニウム合金板である。
アルミニウム板(材質:JIS A 5052、板厚:1.0mm)に対し、市販のアルミニウム用脱脂剤にて脱脂処理を行い、水洗後、市販のリン酸クロメート処理液にて下地処理を行い、その上に表1に示す条件でアクリル系樹脂100質量部に対して酸化チタンを80質量部〜120質量部含有する塗料をロールコーターで塗装し、PMT(最高到達板温度)200℃にて焼付することにより白色系熱硬化性樹脂皮膜を設けた。次いで、白色系熱硬化性樹脂皮膜の上に表1に示す条件で白色系ポリエステルフィルムを、ポリエステル系熱硬化型接着剤を用いて接着し、図1に模式的に断面図を示す樹脂被覆アルミニウム反射板を製造した。図中、1は白色系熱可塑性樹脂皮膜、2は接着剤層、3は白色系熱硬化性樹脂皮膜、4は化成皮膜、5はアルミニウム合金板である。
表1で、白色系熱硬化性樹脂塗膜、白色系熱可塑性樹脂フィルム欄に「−」が記入されている従来例は、これらの層が存在しないことを示す。
さらに、本発明例3の白色系熱硬化性樹脂塗膜と白色系熱可塑性樹脂フィルムの構成を逆にした、つまり下地処理を施したアルミニウム板の上に白色系ポリエステルフィルムをポリエステル系熱硬化型接着剤を用いて接着し、さらにその上に白色系熱硬化性樹脂皮膜を設けた従来例16も製造した。
得られた樹脂被覆アルミニウム反射板について下記の試験方法にて性能試験を行なった。
(光反射性)
全反射率はスガ試験機社製多光源分光測色計MSC−IS−2DH(積分球使用、拡散光照明8°方向受光)を用い、波長550nmでの初期の全反射率(正反射成分を含む)をBaSO4白板を100とした時の百分率で表した。さらに、複合皮膜の全反射率から白色系熱可塑性樹脂フィルム単体の全反射率を引いたΔ全反射率を算出した。そして、○:0.8%以上、○△:0.5%
以上〜0.8%未満、△:0.2%以上〜0.5%未満、×:0.2%未満のもの、の基準で評価した。なお、高輝度に対応可能な反射板として用いるため、全反射率が97%以上、かつΔ全反射率が0.2%以上であることを使用可能レベルとした。
全反射率はスガ試験機社製多光源分光測色計MSC−IS−2DH(積分球使用、拡散光照明8°方向受光)を用い、波長550nmでの初期の全反射率(正反射成分を含む)をBaSO4白板を100とした時の百分率で表した。さらに、複合皮膜の全反射率から白色系熱可塑性樹脂フィルム単体の全反射率を引いたΔ全反射率を算出した。そして、○:0.8%以上、○△:0.5%
以上〜0.8%未満、△:0.2%以上〜0.5%未満、×:0.2%未満のもの、の基準で評価した。なお、高輝度に対応可能な反射板として用いるため、全反射率が97%以上、かつΔ全反射率が0.2%以上であることを使用可能レベルとした。
(曲げ加工性)
曲げ加工性は評価面を外側にして180度4T曲げを行い、樹脂皮膜層の割れ、しわを目視で観察し、○:塗膜の割れ、しわなし、△:小さな塗膜の割れ、しわのいずれかあるが使用可能、×:大きな塗膜の割れ、しわのいずれかあり使用不可、の基準で評価した。
曲げ加工性は評価面を外側にして180度4T曲げを行い、樹脂皮膜層の割れ、しわを目視で観察し、○:塗膜の割れ、しわなし、△:小さな塗膜の割れ、しわのいずれかあるが使用可能、×:大きな塗膜の割れ、しわのいずれかあり使用不可、の基準で評価した。
(コスト評価)
経済的な場合を○印、やや経済的な場合を△印、コスト高の場合を×印とした。
経済的な場合を○印、やや経済的な場合を△印、コスト高の場合を×印とした。
得られた性能試験結果を表1に示す。
表1に示される結果から明らかなように、発明例1〜8は、光反射性、曲げ加工性、コスト評価のいずれも良好である。
一方、比較例9、10及び従来例11〜16は、光反射性、曲げ加工性、コスト評価のいずれかが劣り、反射板用樹脂被覆アルミニウム材としては不適当である。すなわち、比較例9は、白色系熱可塑性樹脂フィルム層の膜厚が厚いため、曲げ加工性が劣る。比較例10は、白色系熱可塑性樹脂フィルム層の全反射率が低いため、その結果複合皮膜の全反射率が低く、光反射性が劣る。従来例11は、白色系熱可塑性樹脂フィルム層の膜厚が厚いため、曲げ加工性、コスト評価が劣る。従来例12及び13は、白色系熱可塑性樹脂フィルムと複合化していないため全反射率が低く、光反射性が劣る。従来例14は、白色系熱硬化性樹脂塗膜と複合化していないため全反射率が低く、光反射性が劣る。従来例15は、白色系熱可塑性樹脂フィルム層の全反射率が低いため、その結果複合皮膜の全反射率が低く、光反射性が劣る。従来例16は、白色顔料を添加した比較的硬くて脆い白色系熱硬化性樹脂塗膜が最外層であるため複合皮膜の光反射性及び曲げ加工性が劣る。
1 白色系熱硬化性樹脂塗膜
2 化成皮膜
3 アルミニウム板
4 白色系熱可塑性樹脂フィルム
5 接着剤
2 化成皮膜
3 アルミニウム板
4 白色系熱可塑性樹脂フィルム
5 接着剤
Claims (3)
- 両面に化成皮膜を有するアルミニウム板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、白色顔料を含有する全反射率80%以上95%以下の白色系熱硬化性樹脂塗膜が形成され、さらにその表面に接着剤を介して白色顔料及び/又は気泡を含有する膜厚150μm以上250μm以下、全反射率96%以上の白色系熱可塑性樹脂フィルム層が形成され、かつこの複合皮膜の全反射率が97%以上であることを特徴とする、光反射性と加工性に優れた樹脂被覆アルミニウム反射板。
- 白色系熱硬化性樹脂塗膜の膜厚が30μm以上60μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光反射性と加工性に優れた樹脂被覆アルミニウム反射板。
- 白色系熱硬化性樹脂塗膜の光沢が70%以上90%以下であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の光反射性と加工性に優れた樹脂被覆アルミニウム反射板。
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US7989053B2 (en) | 2008-01-08 | 2011-08-02 | Kobe Steel, Ltd. | Electroconductive diffuse reflective film and method of producing the same |
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