JP2006258849A - 光反射性に優れた樹脂被覆金属板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低コストで光反射性、加工性の良い反射板を得る。
【解決手段】 両面に化成皮膜を有する金属板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、屈折率が1.7以上で、平均一次粒子径が100〜1000nmの白色顔料を樹脂100質量部に対して70〜150質量部含有する皮膜厚30〜150μmの白色樹脂皮膜を施す。一次粒子径400nm以上の白色顔料が全白色顔料中40%以下であること、白色顔料がルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンの1種又は2種以上で、かつその表面が少なくともアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアの1種又は2種以上で表面処理されていることが好ましい。
またさらに反対の面に放熱性樹脂皮膜または放熱導電性樹脂皮膜を施し放熱面または放熱導電面とするのが好ましい。
【選択図】 無し
【解決手段】 両面に化成皮膜を有する金属板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、屈折率が1.7以上で、平均一次粒子径が100〜1000nmの白色顔料を樹脂100質量部に対して70〜150質量部含有する皮膜厚30〜150μmの白色樹脂皮膜を施す。一次粒子径400nm以上の白色顔料が全白色顔料中40%以下であること、白色顔料がルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンの1種又は2種以上で、かつその表面が少なくともアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアの1種又は2種以上で表面処理されていることが好ましい。
またさらに反対の面に放熱性樹脂皮膜または放熱導電性樹脂皮膜を施し放熱面または放熱導電面とするのが好ましい。
【選択図】 無し
Description
本発明は、パソコンやテレビ等の液晶ディスプレイにおけるバックライト用反射板などとして、安価で光反射性、加工性、放熱性、導電性に優れた樹脂被覆金属板に関する。
従来、光反射板としては、(1)白色のフィルムを接着剤等を用いて金属板に貼り付けたフィルム被覆金属板(例えば、特許文献1参照)、(2)白色の塗装を施した白色塗装金属板(例えば、特許文献2参照)、等が提案されている。
特開平10−177805号公報
特開2002−172735号公報
また、近年液晶表示装置の表示輝度を高くするためバックライトの光源の出力が高くなり発熱量が増大し、表示装置、特にバックライトユニット室内の温度が上昇するとともに部分的に高温になる等のバラツキが大きくなりその結果、色のアンバランスやコントラストの不均一といった表示装置としての問題が発生した。この問題に対して、片面が白色フィルム又は白色塗膜からなる反射面、もう一方の片面がカーボンブラック、酸化チタン等の放熱性添加剤を含有した熱硬化性樹脂皮膜からなる放熱面又は前記放熱性添加剤に加えニッケルを含有した熱硬化性樹脂皮膜からなる放熱導電面とする放熱性の高い反射材が提案されている。
特開2004−160979号公報
しかしながら、前記(1)のフィルム被覆金属板の場合、成形加工時に曲げ部等でのシワの発生、フィルムの剥がれが生じる成形加工性の問題およびフィルムの厚みが厚く、さらにフィルム貼付け工程が必要なため、トータルコストが非常に高いという問題がある。
また、前記(2)の白色塗装金属板の場合、比較的低コストで、酸化チタン含有量、白色塗装皮膜の厚みを規定することにより反射性を向上させているが、反射率が近年の高輝度用反射板として十分満足できるものではなく、また酸化チタンの含有量が多く加工性が悪いという問題がある。
したがって、低コストで加工性と反射性の良い反射板が強く求められている。
また、前記(2)の白色塗装金属板の場合、比較的低コストで、酸化チタン含有量、白色塗装皮膜の厚みを規定することにより反射性を向上させているが、反射率が近年の高輝度用反射板として十分満足できるものではなく、また酸化チタンの含有量が多く加工性が悪いという問題がある。
したがって、低コストで加工性と反射性の良い反射板が強く求められている。
また、前記(3)の片面白色皮膜、片面放熱または放熱導電塗膜の樹脂被覆金属板の場合、片面の白色皮膜が白色塗膜の時は反射率が十分ではなく、白色フィルムの時はコストが高い、成形加工性が劣るという問題が発生している。さらに、片面放熱導電塗膜の時は、導電性が十分ではなく、低コストで反射性と放熱性又は放熱導電性に優れる反射板が強く求められている。
このようなことから、本発明者らは反射面側の白色樹脂皮膜中の白色顔料について添加量はもとより屈折率、さらに従来詳細な検討のされていない平均粒子径と粒子径の分布を制御することにより反射性を向上し得ることを見出し、また、反射面の反対面に放熱性樹脂皮膜、放熱導電性樹脂皮膜設けることにより反射性を低下させずに放熱性、導電性を向上し得ることを見出し、さらに研究を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち請求項1記載の発明は、両面に化成皮膜を有する金属板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、屈折率が1.7以上で、平均一次粒子径が100〜1000nmの白色顔料を樹脂100質量部に対して70〜150質量部含有する皮膜厚30〜150μmの白色樹脂皮膜を施したことを特徴とする光反射性に優れた樹脂被覆金属板である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1において一次粒子径400nm以上の白色顔料が全白色顔料中40%以下であることを特徴とするものである。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1〜2において、白色顔料がルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンの1種又は2種以上で、かつその表面が少なくともアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、の1種又は2種以上で表面処理されていることを特徴とするものである。
そして、請求項4記載の発明は、片面が請求項1〜3記載の光反射性白色樹脂皮膜で、もう一方の面の化成皮膜上にフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の中から選ばれた1種又は2種以上からなり、かつ少なくともカーボンブラック、グラファイト、二酸化チタンの中から選ばれた1種又は2種以上の放熱性顔料を含有する皮膜厚0.3〜30μmの放熱性樹脂皮膜を施した放熱面を有することを特徴とする放熱性と光反射性に優れた樹脂被覆金属板である。
最後に、請求項5記載の発明は、片面が請求項1〜3記載の光反射性白色樹脂皮膜で、もう一方の面の化成皮膜上にフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の中から選ばれた1種又は2種以上からなり、かつ放熱性顔料として少なくともグラファイトを、導電性顔料として少なくともニッケル粉末を含有する皮膜厚0.3〜5μmの放熱導電性樹脂皮膜を施した放熱導電面を有することを特徴とする放熱性、導電性と光反射性に優れた樹脂被覆金属板である。
本発明の樹脂被覆金属板は、基本的に良好な反射性を有しかつ加工性に優れ、また放熱性や導電性にも優れたものにできるので、特に液晶ディスプレイのバックライト用反射板として好適に使用される。
本発明において、基材の金属板は特に限定されるものでなく、例えばアルミニウム板、ステンレス鋼板、低炭素鋼、高炭素鋼、高張力鋼板等に使用される低合金鋼からなる鋼板、あるいは、これらの鋼板を母材としてその表面にめっきを施しためっき鋼板などが用いられる。特に、照明装置や反射部材を形成・保持するに足る強度を有し、また絞り加工、曲げ加工時において充分な成形加工性を有し、かつ内部で発生した熱をより速やかに外部に発散させることができる熱伝導性に優れる1000系、3000系、5000系のアルミニウム板が好ましい。
前記アルミニウム材上に設ける化成皮膜は、塗布型と反応型があり、特に制限されないが、アルミニウムと樹脂皮膜の両方に密着性が良好な反応型化成皮膜が好適に用いられる。反応型化成皮膜とは、具体的にはリン酸クロメート、クロム酸クロメート、リン酸ジルコニウム、リン酸チタニウムなどの処理液で形成される皮膜である。特にリン酸クロメート処理皮膜が、コスト、汎用性の点で好ましい。
前記化成皮膜上に設ける白色樹脂皮膜には、樹脂100質量部に対して白色顔料を70〜150質量部含有させる。白色顔料は一般的に可視光線を反射する性質を有する。すなわち、白色顔料の含有量が70質量部未満では、光反射性が低下し、含有量が150質量部を超えると加工性が低下する。
前記白色樹脂皮膜の厚みは30〜150μmとする。30μm未満では塗膜中の可視光線を反射する白色顔料の総量が少なく、その結果光反射性が低下し、150μmを超えると加工性及び金属と比較し熱伝導性の劣る樹脂層が厚くなりすぎ、断熱効果が発生し放熱面への熱の伝達がうまく行われず、その結果放熱性が低下する。
前記白色樹脂皮膜中の白色顔料の屈折率は1.7以上とする。樹脂成分の屈折率はおおよそ1.4〜1.6である。樹脂成分と白色顔料の屈折率の差が大きいほど樹脂と白色顔料の境界面での反射が増え、その結果反射率が向上する。したがって、屈折率が1.7未満では、樹脂成分との屈折率の差が小さいため光反射性が劣る。
前記白色顔料の平均一次粒子径は100〜1000nmとする。100nm未満では粒子径が可視光線の波長よりも小さすぎるため可視光線が白色顔料粒子に反射される確率が低下し、その結果光反射性が低下する。1000nmを超えると同一含有量の場合白色顔料粒子の絶対数が不足し光反射性が低下する。また粒子径が大きくなると塗膜にクラックが入りやすくなり曲げ加工性が低下する。
前記白色顔料の粒子径分布に関しては特に制限されないが、一次粒子径400nm以上のものが全白色顔料中40%以下とすることによりさらに光反射性が向上する。40%を超えると白色顔料粒子の絶対量が不足し光反射性が低下する。より好ましくは20%以下である。
前記白色顔料の種類は特に制限されず、例えば二酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華などが用いられるが、特に可視光線の反射性、汎用性、安全性の点でルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンが好ましい。また、前記二酸化チタンを用いる場合は光触媒反応により樹脂成分を劣化させる作用があるため表面をアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニアの1種又は2種以上で表面処理することにより耐光性が向上する。また、顔料の分散性を向上させる目的でさらにポリオール系、アミン系、シリコン系等の有機物処理を行ってもかまわない。
一方、前記光反射性白色樹脂皮膜を施した面の他方の面には、放熱性を重視する場合は請求項4のように化成皮膜上に放熱性顔料を含有する放熱性樹脂皮膜を施すのが好ましい。
前記放熱性顔料としては少なくともカーボンブラック、グラファイト、二酸化チタンの中から選ばれた1種又は2種以上であることが好ましい。特に、黒色系顔料であるカーボンブラック、グラファイトを用いると放熱性が向上する。これらの顔料の含有量は総量で樹脂100質量部に対して1〜60質量部であるのが好ましい。
また、前記放熱性樹脂皮膜層の厚さは、0.3〜30μmが好ましい。0.3μm未満では、赤外線を放射する性質のある顔料及び樹脂成分の量が不足し、充分な放熱効果は望めない。また、30μmを超えると熱伝導性が低下し、結果として放熱性が劣る。
前記放熱性樹脂皮膜としては、特に制限されないがフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の中から選ばれた1種または2種以上を用いると各種性能が向上する。これらの内、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いると高度の加工性が得られる。フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂は耐光性に優れ、またフッ素系、ポリエステル系樹脂は赤外吸収能が高く、これらを用いることによって放熱性がより向上する。
また、前記光反射性白色樹脂皮膜を施した面の他方の面には、導電性も重視する場合は請求項5のように化成皮膜上に放熱性顔料と導電性顔料の両方を含有する放熱導電性樹脂皮膜を施すのが好ましい。
この場合、放熱性顔料としては少なくともグラファイト、導電性顔料として少なくともニッケル粉末であることが好ましい。これらの顔料の含有量は総量で樹脂100質量部に対して30〜200質量部であるのが好ましい。また、放熱性顔料のグラファイトは特に平均粒径0.1〜20μmが好ましい。0.1μm未満では、グラファイト粉末の分散性が低下し塗料化が困難となる場合があり、20μmを超えると加工性が低下する場合がある。
また、前記放熱導電性樹脂皮膜層の厚さは、0.3〜5μmが好ましい。0.3μm未満では、赤外線を放射する性質のある顔料及び樹脂成分の量が不足し、充分な放熱効果は望めない。また、5μmを超えると絶縁性である樹脂成分に導電性顔料が被覆されてしまい導電性が低下する。
前記放熱導電性樹脂皮膜としては、特に制限されないがフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の中から選ばれた1種または2種以上を用いると各種性能が向上する。これらの内、フッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いると高度の加工性が得られる。フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂は耐光性に優れ、またフッ素系、ポリエステル系樹脂は赤外吸収能が高く、これらを用いることによって放熱性がより向上する。
また、本発明において成形性を向上させる目的で、光反射性白色樹脂皮膜、放熱性樹脂皮膜、放熱導電性樹脂皮膜のそれぞれの樹脂に潤滑付与剤を添加しても良い。添加量としては、樹脂成分100質量部に対して30質量部以下であることが好ましい。潤滑付与成分が30質量部を超えると加工時の塗膜カスの発生や塗膜割れ等の加工性低下が起こりやすくなる。この際に使用される潤滑付与剤の種類としては、ポリエチレンワックス等のオレフィン系ワックス、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ミツロウ、ラノリン、カルナバワックス等が挙げられる。
また、本発明に使用する光反射性白色樹脂皮膜、放熱性樹脂皮膜、放熱導電性樹脂皮膜の塗料には、塗装性及びプレコート材としての一般性能を確保するために通常塗料で使用される、溶剤、レベリング剤、顔料分散剤、ワキ防止剤等を適宜使用しても良い。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明する。
アルミニウム板(材質:JIS A 5052、板厚:0.5mm)に対し、市販のアルミニウム用脱脂剤にて脱脂処理を行い、水洗後、市販のリン酸クロメート処理液にて下地処理を行い、その上にアクリル系樹脂をベース樹脂とし表1、表2、表3に示す条件で塗料をロールコーターで塗装し、PMT(最高到達板温度)200℃にて焼付した。なお、こうして図1に模式的に断面図を示す樹脂被覆金属板を製造した。図中1は、光反射性白色樹脂皮膜、2は化成皮膜、3は金属板である。
さらに、特許文献2をもとに、化成処理を施したアルミニウム板の上にアクリル系樹脂100質量部に対して平均一次粒子径300nmのルチル型酸化チタンを250質量部含有する塗料を乾燥膜厚80μmで塗装し下塗り層とし、その上に下塗りと同一の酸化チタンをアクリル系樹脂100質量部に対して150質量部含有する塗料を乾燥膜厚20μmで塗装し上塗り層とし従来例30も製造した。
得られた光反射性に優れた樹脂被覆金属板について下記の試験方法にて性能試験を行なった。
(光反射性)
全反射率はスガ試験機社製多光源分光測色計MSC−IS−2DH(積分球使用、拡散光照明8°方向受光)を用い、波長550nmでの全反射率(正反射成分を含む)を
BaSO4白板を標準板とした時の百分率で表した。なお、液晶反射板として用いるためには全反射率が90%以上であることが適しており、90%以上を使用可能レベルとした。
全反射率はスガ試験機社製多光源分光測色計MSC−IS−2DH(積分球使用、拡散光照明8°方向受光)を用い、波長550nmでの全反射率(正反射成分を含む)を
BaSO4白板を標準板とした時の百分率で表した。なお、液晶反射板として用いるためには全反射率が90%以上であることが適しており、90%以上を使用可能レベルとした。
(耐光性)
メタルハライドランプによる紫外線照射240時間処理後の全反射率を測定した。なお、液晶反射板として用いるため、全反射率が90%以上であることが適しており、90%以上を使用可能レベルとした。
メタルハライドランプによる紫外線照射240時間処理後の全反射率を測定した。なお、液晶反射板として用いるため、全反射率が90%以上であることが適しており、90%以上を使用可能レベルとした。
(曲げ加工性)
曲げ加工性は評価面を外側にして180度5T曲げを行い、樹脂皮膜層の割れを目視で観察し、○:塗膜の割れなし、△:小さな塗膜の割れあるが使用可能、×:大きな塗膜割れあり使用不可、の基準で評価した。
更に、割れ観察後、曲げ部にセロハンテープを密着させ、テープを急激に剥離した際の塗膜の剥れ具合を観察し、○:剥離なし、×:剥離ありの基準で評価した。
曲げ加工性は評価面を外側にして180度5T曲げを行い、樹脂皮膜層の割れを目視で観察し、○:塗膜の割れなし、△:小さな塗膜の割れあるが使用可能、×:大きな塗膜割れあり使用不可、の基準で評価した。
更に、割れ観察後、曲げ部にセロハンテープを密着させ、テープを急激に剥離した際の塗膜の剥れ具合を観察し、○:剥離なし、×:剥離ありの基準で評価した。
(放熱性)
放熱性は下記の方法で筐体を作製し、筐体内温度を測定し、○:28℃以下、△:29℃〜31℃、×:32℃以上、の基準で評価した。なお、筐体として用いるため△以上を使用可能レベルとした。得られた光反射性に優れた樹脂被覆金属板により底面が150mm×150mm、高さ200mmの筐体を作製し、ここでは一例として液晶表示装置と同様の状態とするために筐体上面のみをアクリル板とした。作製した筐体を図2に示す。図中4は、ガラス、5は液晶、6はアクリル拡散板、7は光源(陰極管)、8は反射板、9は光反射性白色樹脂皮膜、10は金属板、11は放熱性樹脂皮膜又は放熱導電性樹脂皮膜である。この筐体の内部に光源として60Wの電球を入れて通電し、発光・発熱させ、筐体内部の温度が定常状態となった時点における筐体内の雰囲気温度を測定した。
放熱性は下記の方法で筐体を作製し、筐体内温度を測定し、○:28℃以下、△:29℃〜31℃、×:32℃以上、の基準で評価した。なお、筐体として用いるため△以上を使用可能レベルとした。得られた光反射性に優れた樹脂被覆金属板により底面が150mm×150mm、高さ200mmの筐体を作製し、ここでは一例として液晶表示装置と同様の状態とするために筐体上面のみをアクリル板とした。作製した筐体を図2に示す。図中4は、ガラス、5は液晶、6はアクリル拡散板、7は光源(陰極管)、8は反射板、9は光反射性白色樹脂皮膜、10は金属板、11は放熱性樹脂皮膜又は放熱導電性樹脂皮膜である。この筐体の内部に光源として60Wの電球を入れて通電し、発光・発熱させ、筐体内部の温度が定常状態となった時点における筐体内の雰囲気温度を測定した。
(導電性)
導電性は、四端子法により、銀製のプローブ(直径5mm、先端2.5R)を荷重100gで塗膜面に接触させた時の抵抗値を測定した。そして、◎:4Ω以下、○:4Ωを超え7Ω以下、△:7Ωを超え10Ω以下、×:10Ωを超えるもの、の基準で評価した。
なお、電気抵抗値が10Ωを超える場合、電子機器部品にしたときに、所望の電気特性(アース性やシールド性)が得られないため電気抵抗値10Ω以下を使用可能とした。
導電性は、四端子法により、銀製のプローブ(直径5mm、先端2.5R)を荷重100gで塗膜面に接触させた時の抵抗値を測定した。そして、◎:4Ω以下、○:4Ωを超え7Ω以下、△:7Ωを超え10Ω以下、×:10Ωを超えるもの、の基準で評価した。
なお、電気抵抗値が10Ωを超える場合、電子機器部品にしたときに、所望の電気特性(アース性やシールド性)が得られないため電気抵抗値10Ω以下を使用可能とした。
得られた性能試験結果を表1に示す。
表1に示される結果から明らかなように、本発明例1〜22は光反射性、耐光性、曲げ加工性のいずれも良好である。
一方、比較例であるNo.23〜29及び従来例であるNo.30は、光反射性、耐光性、曲げ加工性のいずれかが劣り、反射板用樹脂被覆金属板としては不適当である。すなわち、No.23は、膜厚が薄いため光反射性が劣る。No.24は、膜厚が厚いため曲げ加工性が劣る。No.25は、白色顔料の含有量が少ないため光反射性が劣る。No.26は、白色顔料の含有量が多いため曲げ加工性が劣る。No.27は、白色顔料の屈折率が低いため光反射性が劣る。No.28は、白色顔料の平均一次粒子径が小さいため光反射性が劣る。No.29は、白色顔料の平均一次粒子径が大きいため光反射性と曲げ加工性が劣る。No.30は、白色顔料の含有量が多いため曲げ加工性が劣る。
一方、比較例であるNo.23〜29及び従来例であるNo.30は、光反射性、耐光性、曲げ加工性のいずれかが劣り、反射板用樹脂被覆金属板としては不適当である。すなわち、No.23は、膜厚が薄いため光反射性が劣る。No.24は、膜厚が厚いため曲げ加工性が劣る。No.25は、白色顔料の含有量が少ないため光反射性が劣る。No.26は、白色顔料の含有量が多いため曲げ加工性が劣る。No.27は、白色顔料の屈折率が低いため光反射性が劣る。No.28は、白色顔料の平均一次粒子径が小さいため光反射性が劣る。No.29は、白色顔料の平均一次粒子径が大きいため光反射性と曲げ加工性が劣る。No.30は、白色顔料の含有量が多いため曲げ加工性が劣る。
次に、表4に示す原板を用い、先述の方法にて前記発明例2の光反射性白色樹脂皮膜を設け光反射面とし、もう一方の面にポリエステル系樹脂100質量部に対してカーボンブラックを5質量部含有する塗料を塗装焼付けすることにより皮膜厚10μm、赤外放射率86%の放熱性樹脂皮膜を設けた発明例31、同様に前記発明例2の光反射性白色樹脂皮膜を設け光反射面とし、もう一方の面の化成皮膜上にポリエステル系樹脂100質量部に対してグラファイトを40質量部、ニッケル粉を40質量部含有する塗料を塗装焼付けすることにより皮膜厚1μm、赤外放射率75%の放熱導電性樹脂皮膜を設けた発明例32〜35を作製し放熱性、導電性を測定した。図3に模式的に断面図を示し、得られた結果を表4に示す。なお表4には記さないが当然、発明例31〜35の光反射性白色樹脂皮膜の特性は発明例2と同等である。
表4から光反射性白色樹脂皮膜の反対面に放熱性樹脂皮膜を設けた発明例31は放熱性も良好で、放熱導電性樹脂皮膜を設けた発明例32は放熱性と導電性も良好なことがわかる。
1 光反射性白色樹脂皮膜
2 化成皮膜
3 金属板
4 ガラス
5 液晶
6 アクリル拡散板
7 光源(陰極管)
8 反射板
9 光反射性白色樹脂皮膜面
10 金属板
11 放熱性樹脂皮膜又は放熱導電性樹脂皮膜面
2 化成皮膜
3 金属板
4 ガラス
5 液晶
6 アクリル拡散板
7 光源(陰極管)
8 反射板
9 光反射性白色樹脂皮膜面
10 金属板
11 放熱性樹脂皮膜又は放熱導電性樹脂皮膜面
Claims (5)
- 両面に化成皮膜を有する金属板の少なくとも一方の面の化成皮膜上に、屈折率が1.7以上で、平均一次粒子径が100〜1000nmの白色顔料を樹脂100質量部に対して70〜150質量部含有する皮膜厚30〜150μmの白色樹脂皮膜を施したことを特徴とする光反射性に優れた樹脂被覆金属板。
- 一次粒子径400nm以上の白色顔料が全白色顔料中40%以下であることを特徴とする請求項1記載の光反射性に優れた樹脂被覆金属板。
- 白色顔料がルチル型二酸化チタン、アナターゼ型二酸化チタンの1種又は2種以上で、かつその表面が少なくともアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、の1種又は2種以上で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜2記載の耐光性及び光反射性に優れた樹脂被覆金属板。
- 片面が請求項1〜3記載の光反射性白色樹脂皮膜で、もう一方の面の化成皮膜上にフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の中から選ばれた1種又は2種以上からなり、かつ少なくともカーボンブラック、グラファイト、二酸化チタンの中から選ばれた1種又は2種以上の放熱性顔料を含有する皮膜厚0.3〜30μmの放熱性樹脂皮膜を施した放熱面を有することを特徴とする放熱性と光反射性に優れた樹脂被覆金属板。
- 片面が請求項1〜3記載の光反射性白色樹脂皮膜で、もう一方の面の化成皮膜上にフッ素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂の中から選ばれた1種又は2種以上からなり、かつ放熱性顔料として少なくともグラファイトを、導電性顔料として少なくともニッケル粉末を含有する皮膜厚0.3〜5μmの放熱導電性樹脂皮膜を施した放熱導電面を有することを特徴とする放熱性、導電性と光反射性に優れた樹脂被覆金属板。
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