JP2007190792A - 反射体 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射層が薄く、反射層の強度が高く、かつ550nmにおける拡散反射率が95%以上である反射体を提供する。
【解決手段】基材20と、基材20の表面に形成された反射層30とを有し、反射層30が、樹脂および下記顔料を含み、顔料体積濃度が65〜88%である樹脂組成物からなる、厚さが100〜200μmの反射層30である反射体10。顔料:二酸化チタンおよびウイスカ状白色顔料を含み、ウイスカ状白色顔料の割合が、二酸化チタンとウイスカ状白色顔料との合計100質量%のうち2.3〜8.3質量%である顔料。
【選択図】図1
【解決手段】基材20と、基材20の表面に形成された反射層30とを有し、反射層30が、樹脂および下記顔料を含み、顔料体積濃度が65〜88%である樹脂組成物からなる、厚さが100〜200μmの反射層30である反射体10。顔料:二酸化チタンおよびウイスカ状白色顔料を含み、ウイスカ状白色顔料の割合が、二酸化チタンとウイスカ状白色顔料との合計100質量%のうち2.3〜8.3質量%である顔料。
【選択図】図1
Description
本発明は、高拡散反射率を有する反射体に関し、特に液晶ディスプレイのバックライト用反射体として有用な反射体に関する。
液晶ディスプレイのバックライト用反射体としては、高拡散反射率が要求されるところから、高拡散反射率を有する白色のフィルムを金属基材に貼付した反射体が用いられている。しかし、該反射体には以下の問題がある。
(i)基材への貼付の際、フィルムにしわが寄りやすく、生産効率が低下する。
(ii)高拡散反射率を得るためにフィルムに多くの気泡を含有させているため、フィルムが保温材として作用し、液晶ディスプレイの内部温度が上昇する。
(i)基材への貼付の際、フィルムにしわが寄りやすく、生産効率が低下する。
(ii)高拡散反射率を得るためにフィルムに多くの気泡を含有させているため、フィルムが保温材として作用し、液晶ディスプレイの内部温度が上昇する。
また近年、液晶ディスプレイの発光体として、従来の冷陰極管にかわり、白色LEDまたは3原色LEDを有する発光体が採用されている。しかし、これらLEDは、冷陰極管よりもより多くの熱を発生させるため、液晶ディスプレイ内部にこもる熱はさらに多くなる傾向にある。
(ii)の問題については、液晶ディスプレイ内部にこもった熱を排出するために、排気ファン、ヒートパイプ等の廃熱装置を設ける必要があり、液晶ディスプレイの重量増、消費電力の増大を招く。
(ii)の問題については、液晶ディスプレイ内部にこもった熱を排出するために、排気ファン、ヒートパイプ等の廃熱装置を設ける必要があり、液晶ディスプレイの重量増、消費電力の増大を招く。
(i)の問題については、基材にフィルムを貼付する代わりに基材に塗工剤を塗工することによって、生産効率を上げることが検討されている。しかし、基材に塗工剤を単に塗工しただけでは、液晶ディスプレイのバックライト用反射板に適用できる高拡散反射率を達成することは困難である。
塗膜の厚さが薄く、かつ高拡散反射率を有する反射体としては、たとえば、以下の反射板が開示されている。
(1)アルミニウム板上に、樹脂100質量部に対し二酸化チタン150〜300質量部を含有する厚さ50〜100μmの下塗り層と、樹脂100質量部に対し、二酸化チタン100〜250質量部を含有し、光沢が15以下で厚さ10〜30μmの上塗層とが形成された高拡散反射塗装金属板(特許文献1)。
(1)アルミニウム板上に、樹脂100質量部に対し二酸化チタン150〜300質量部を含有する厚さ50〜100μmの下塗り層と、樹脂100質量部に対し、二酸化チタン100〜250質量部を含有し、光沢が15以下で厚さ10〜30μmの上塗層とが形成された高拡散反射塗装金属板(特許文献1)。
(2)アルミニウム合金板と、プレコート層とからなり、プレコート層が、ベース樹脂中に、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、アルミナ、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化亜鉛、硝子、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、シリカ、酸化ジルコニウム、中空ガラスビーズから選ばれる高反射物質を含有し、ベース樹脂と反射物質との質量比が100/50〜100/300である高反射プレコートアルミニウム合金板(特許文献2)。
しかし、(1)の反射体は、二回の塗工が必要であり、生産効率が低い。また、樹脂100質量部に対し二酸化チタン300質量部を含有する下塗り層における顔料体積濃度は約51%であり、この濃度では550nmにおける拡散反射率を95%以上にすることは事実上困難である。
(2)の反射体も、顔料体積濃度が最大で約51%であり、この濃度では550nmにおける拡散反射率を95%以上にすることは事実上困難である。また、高反射物質の選択によっては、さらに拡散反射率は低下する。さらに、高反射物質として中空ガラスビーズを選択した場合には、プレコート層が断熱材として作用し、液晶ディスプレイ内部に熱がこもってしまう。
(2)の反射体も、顔料体積濃度が最大で約51%であり、この濃度では550nmにおける拡散反射率を95%以上にすることは事実上困難である。また、高反射物質の選択によっては、さらに拡散反射率は低下する。さらに、高反射物質として中空ガラスビーズを選択した場合には、プレコート層が断熱材として作用し、液晶ディスプレイ内部に熱がこもってしまう。
550nmにおける拡散反射率を95%以上とするためには、顔料体積濃度をさらに高くするか、塗膜を厚くすることが考えられる。しかし、顔料体積濃度が50%を超えると塗膜が脆くなり、塗工後の加工に耐える充分な強度を確保することが困難である。また、塗膜を厚くしすぎても塗膜が脆くなり、充分な強度を確保することが困難であるばかりか、液晶ディスプレイ内部の熱が基材に伝わりにくくなり、液晶ディスプレイ内部に熱がこもってしまう。
特開2002−172735号公報
特開2005−096405号公報
本発明の目的は、基材上に反射層が形成された反射体であって、反射層が薄く、反射層の強度が高く、かつ550nmにおける拡散反射率が95%以上である反射体を提供することにある。
本発明の反射体は、基材と、該基材の表面に形成された反射層とを有し、前記反射層が、樹脂および下記顔料を含み、顔料体積濃度が65〜88%である樹脂組成物からなる、厚さが100〜200μmの反射層であることを特徴とする。
顔料:二酸化チタンおよびウイスカ状白色顔料を含み、ウイスカ状白色顔料の割合が、二酸化チタンとウイスカ状白色顔料との合計100質量%のうち2.3〜8.3質量%である顔料。
顔料:二酸化チタンおよびウイスカ状白色顔料を含み、ウイスカ状白色顔料の割合が、二酸化チタンとウイスカ状白色顔料との合計100質量%のうち2.3〜8.3質量%である顔料。
前記樹脂は、含フッ素樹脂であることが好ましい。
前記ウイスカ状白色顔料は、チタン酸カリウムウイスカ、ほう酸アルミニウムウイスカおよびウォラストナイトからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記ウイスカ状白色顔料は、チタン酸カリウムウイスカ、ほう酸アルミニウムウイスカおよびウォラストナイトからなる群より選ばれる1種以上であることが好ましい。
本発明の反射体は、反射層が薄く、反射層の強度が高く、かつ550nmにおける拡散反射率が95%以上である。
図1は、本発明の反射体の一例を示す概略断面図である。該反射体10は基材20と基材20上に形成された反射層30とを有して概略構成される。
(基材)
基材20としては、金属基材、ガラス基材、樹脂基材等が挙げられ、液晶ディスプレイ内部の熱を外部に放出しやすい点から、金属基材が好ましい。金属基材としては、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金等からなる基材が挙げられ、成形性の点から、アルミニウムまたはその合金からなる基材(以下、アルミニウム基材と記す。)、鉄またはその合金からなる基材(以下、鉄基材と記す。)が特に好ましい。アルミニウム基材および鉄基材は、表面処理されたものであってもよい。該表面処理剤としては、クロメート処理、燐酸処理、燐酸亜鉛処理、プライマー処理等が挙げられる。
基材20の厚さは、通常、0.6〜2mmである。
基材20としては、金属基材、ガラス基材、樹脂基材等が挙げられ、液晶ディスプレイ内部の熱を外部に放出しやすい点から、金属基材が好ましい。金属基材としては、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、チタン、チタン合金、鉄、鉄合金等からなる基材が挙げられ、成形性の点から、アルミニウムまたはその合金からなる基材(以下、アルミニウム基材と記す。)、鉄またはその合金からなる基材(以下、鉄基材と記す。)が特に好ましい。アルミニウム基材および鉄基材は、表面処理されたものであってもよい。該表面処理剤としては、クロメート処理、燐酸処理、燐酸亜鉛処理、プライマー処理等が挙げられる。
基材20の厚さは、通常、0.6〜2mmである。
(反射層)
反射層30は、樹脂および特定の顔料を含む樹脂組成物からなる層である。
樹脂としては含フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、耐光性がよい点、比較的屈折率が低く、二酸化チタンとの屈折率差が大きいことで高い拡散反射率を得ることができる点から、含フッ素樹脂が好ましい。
反射層30は、樹脂および特定の顔料を含む樹脂組成物からなる層である。
樹脂としては含フッ素樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、耐光性がよい点、比較的屈折率が低く、二酸化チタンとの屈折率差が大きいことで高い拡散反射率を得ることができる点から、含フッ素樹脂が好ましい。
含フッ素樹脂としては、含フッ素単量体と他の単量体との共重合物等が挙げられる。
含フッ素単量体としては、テトラフルオロエチレン、クロロテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等が挙げられる。
含フッ素単量体としては、テトラフルオロエチレン、クロロテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等が挙げられる。
他の単量体としては、ビニルエーテル系単量体、ビニルエステル系単量体、アクリル系単量体、アリルエーテル単量体等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、アルキルビニルエーテル類、シクロアルキルビニルエーテル類、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、バーサテック酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等が挙げられる。
アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
また、他の単量体の水素原子が部分的にフッ素原子に置換された化合物を用いてもよい。
ビニルエーテル系単量体としては、アルキルビニルエーテル類、シクロアルキルビニルエーテル類、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエステル系単量体としては、バーサテック酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、p−t−ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等が挙げられる。
アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等が挙げられる。「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する。
また、他の単量体の水素原子が部分的にフッ素原子に置換された化合物を用いてもよい。
含フッ素樹脂としては、溶剤に可溶であり、かつ実質的に透明である点から、テトラフルオロエチレンまたはクロロトリフルオロエチレン(以下、これらをフルオロエチレン系単量体と記す。)とビニルエーテル系単量体との共重合体、フルオロエチレン系単量体とビニルエステル系単量体との共重合体、フルオロエチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体が好ましい。
含フッ素樹脂としては、後述の硬化剤(ポリイソシアネート樹脂)と併用することにより強靭な塗膜が形成できることから、水酸基を有する含フッ素共重合体が好ましい。水酸基を有するフッ素樹脂の水酸基価は、30〜130mgKOH/gが好ましい。
含フッ素樹脂としては、後述の硬化剤(ポリイソシアネート樹脂)と併用することにより強靭な塗膜が形成できることから、水酸基を有する含フッ素共重合体が好ましい。水酸基を有するフッ素樹脂の水酸基価は、30〜130mgKOH/gが好ましい。
樹脂の含有量は、後述の顔料体積濃度に応じて適宜決定され、たとえば、樹脂組成物(固形分)の100質量%中に7〜13質量%程度である。「固形分」とは、溶剤を除いた成分を意味する。
顔料は、二酸化チタンおよびウイスカ状白色顔料を含む顔料である。
二酸化チタンは、比較的屈折率が高く、樹脂との屈折率差が大きいことで高拡散反射を得ることができる。二酸化チタンとしては、塩素法で製造されたルチル型二酸化チタンをアルミナ、シリカ、ジルコン等で表面処理したものが好ましい。
二酸化チタンは、比較的屈折率が高く、樹脂との屈折率差が大きいことで高拡散反射を得ることができる。二酸化チタンとしては、塩素法で製造されたルチル型二酸化チタンをアルミナ、シリカ、ジルコン等で表面処理したものが好ましい。
ウイスカ状白色顔料としては、チタン酸カリウムウイスカ、ほう酸アルミニウムウイスカ、ウォラストナイト(カオリンシリケートの針状結晶)等が挙げられ、白色度が高く、拡散反射率を損なわない点から、チタン酸カリウムウィスカが好ましい。
ウイスカ状白色顔料としては、繊維径が5μm以下であり、アスペクト比が10以上であるものが好ましい。また、ウイスカ状白色顔料は、樹脂との接着性を高める目的で、シランカップリング剤等で処理したものであってもよい。
ウイスカ状白色顔料としては、繊維径が5μm以下であり、アスペクト比が10以上であるものが好ましい。また、ウイスカ状白色顔料は、樹脂との接着性を高める目的で、シランカップリング剤等で処理したものであってもよい。
ウイスカ状白色顔料の割合は、二酸化チタンとウイスカ状白色顔料との合計100質量%のうち2.3〜8.3質量%であり、3.5〜5.9質量%が好ましい。ウイスカ状白色顔料の割合がこの範囲であれば、強靭な塗膜を得ることができる。ウイスカ状白色顔料の割合が多くなりすぎると、塗膜が逆に脆くなってしまう。
顔料は、本発明の目的を損なわない範囲で、二酸化チタンおよびウイスカ状白色顔料以外の公知の顔料を含んでいてもよい。
樹脂組成物の顔料体積濃度は、65〜88%であり、68〜86%が好ましい。顔料体積濃度を65%以上とすることにより、反射層30の厚さを200μm以下にしても550nmにおける拡散反射率を95%以上にすることができる。顔料体積濃度を88%以下とすることにより、塗工後の成膜性がよくなる。
顔料体積濃度は以下の式で求められる。
顔料体積濃度(%)=(樹脂組成物(固形分)100g中の顔料の体積)/(樹脂組成物(固形分)100gの体積)。
樹脂組成物の顔料体積濃度は、65〜88%であり、68〜86%が好ましい。顔料体積濃度を65%以上とすることにより、反射層30の厚さを200μm以下にしても550nmにおける拡散反射率を95%以上にすることができる。顔料体積濃度を88%以下とすることにより、塗工後の成膜性がよくなる。
顔料体積濃度は以下の式で求められる。
顔料体積濃度(%)=(樹脂組成物(固形分)100g中の顔料の体積)/(樹脂組成物(固形分)100gの体積)。
樹脂組成物には、必要に応じて、硬化剤、蛍光体、界面活性剤、顔料分散剤、触媒、皮貼り防止剤、シランカップリング剤、レベリング剤、チクソ性付与等、通常、塗料組成物に使用する添加剤等が含まれていてもよい。
硬化剤は、塗工後の成膜性をよくし、反射層30の強度を高めるものである。硬化剤としては、ポリイソシアネート樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
蛍光体は、波長変換によって拡散反射率の低い可視光域の拡散反射率を上げ、可視光域全体にわたっての拡散反射率を高めるものである。蛍光体としては、希土類をドープした金属酸化物、たとえばY2O3:Eu(赤色蛍光)等が挙げられる。
硬化剤は、塗工後の成膜性をよくし、反射層30の強度を高めるものである。硬化剤としては、ポリイソシアネート樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
蛍光体は、波長変換によって拡散反射率の低い可視光域の拡散反射率を上げ、可視光域全体にわたっての拡散反射率を高めるものである。蛍光体としては、希土類をドープした金属酸化物、たとえばY2O3:Eu(赤色蛍光)等が挙げられる。
反射層30の厚さは、100〜200μmであり、120〜150μmが好ましい。反射層30の厚さを100μm以上とすることにより、高反射率および充分な強度が得られる。反射層30の厚さを200μm以下とすることにより、液晶ディスプレイ内部の熱が基材20に伝わりやすく、かつ反射層30の強度が充分となる。反射層30の厚さは、反射層30が基材20に付着したままで、高周波渦電流方式膜厚測定器を用いて測定し、平均した値である。
(反射体の製造)
反射体10は、基材20上に、樹脂組成物を含む塗工剤を、スプレー、カーテン塗工法、ロール塗工法、ダイコート、浸漬塗工法等によって塗工した後、常温または加熱により乾燥させて、反射層30を形成することにより製造される。
反射体10は、基材20上に、樹脂組成物を含む塗工剤を、スプレー、カーテン塗工法、ロール塗工法、ダイコート、浸漬塗工法等によって塗工した後、常温または加熱により乾燥させて、反射層30を形成することにより製造される。
塗工剤は、樹脂組成物を溶剤に溶解または分散させることにより調製される。
溶剤としては、キシレン、n−ヘキサン等の炭化水素系溶剤;フロン等のHCFC、HFC等のフッ素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルエチレングリコールモノエーテルアセテート、ターシャリブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル等のエーテルアルコール系溶媒;エタノール、メタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤としては、キシレン、n−ヘキサン等の炭化水素系溶剤;フロン等のHCFC、HFC等のフッ素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルエチレングリコールモノエーテルアセテート、ターシャリブチルアセテート、エトキシエチルプロピオネート等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル等のエーテルアルコール系溶媒;エタノール、メタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。これら溶剤は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
以上説明した反射体10にあっては、反射層30を構成する樹脂組成物が、二酸化チタンおよびウイスカ状白色顔料を含む顔料を顔料体積濃度で65〜88%含有しているため、反射層30の厚さが200μm以下の薄さであっても550nmにおける拡散反射率を95%以上にすることができる。また、反射層30が、二酸化チタンおよびウイスカ状白色顔料を含む顔料を顔料体積濃度で65〜88%含有していても、ウイスカ状白色顔料の割合が、二酸化チタンとウイスカ状白色顔料との合計100質量%のうち2.3〜8.3質量%であれば、ウイスカ状白色顔料が膜構造体として機能するため、反射層30が脆くなることはなく、反射層30の強度が高い。
なお、本発明の反射体は図示例のものには限定されず、必要に応じて他の層を有していてもよい。たとえば、反射層上または反射層と基材との間に、蛍光体を含有する蛍光体層を設けてもよく、基材表面に下塗り層を設けてもよい。
本発明の反射体は、液晶ディスプレイのバックライト用反射板等として用いることができる。
(塗工剤Aの調製)
フルオロエチレン系単量体とビニルエーテル系単量体との共重合体(旭硝子社製、商品名:ルミフロンLF600X、固形分50質量%、固形分換算水酸基価55mgKOH/g)の15質量部、二酸化チタン顔料(デュポン社製、商品名:TIPURE R−960)の75質量部、チタン酸カリウムウィスカ(大塚化学社製、商品名:TISMO D)の10質量部、顔料湿潤分散剤(Byk−Chemie社製、商品名:BYK−172)の0.005質量部、酢酸n−ブチルの80質量部、ポリイソシアネート樹脂(バイエル社製、商品名:ディスモデュールN3300)の0.2質量部を混合、分散し、塗工剤A(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合11.8質量%)を調製した。
フルオロエチレン系単量体とビニルエーテル系単量体との共重合体(旭硝子社製、商品名:ルミフロンLF600X、固形分50質量%、固形分換算水酸基価55mgKOH/g)の15質量部、二酸化チタン顔料(デュポン社製、商品名:TIPURE R−960)の75質量部、チタン酸カリウムウィスカ(大塚化学社製、商品名:TISMO D)の10質量部、顔料湿潤分散剤(Byk−Chemie社製、商品名:BYK−172)の0.005質量部、酢酸n−ブチルの80質量部、ポリイソシアネート樹脂(バイエル社製、商品名:ディスモデュールN3300)の0.2質量部を混合、分散し、塗工剤A(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合11.8質量%)を調製した。
(塗工剤Bの調製)
二酸化チタン顔料を80質量部、チタン酸カリウムウィスカを5質量部に変更した以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤B(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合5.9質量%)を調製した。
二酸化チタン顔料を80質量部、チタン酸カリウムウィスカを5質量部に変更した以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤B(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合5.9質量%)を調製した。
(塗工剤Cの調製)
二酸化チタン顔料を82質量部、チタン酸カリウムウィスカを3質量部に変更した以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤C(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合3.5質量%)を調製した。
二酸化チタン顔料を82質量部、チタン酸カリウムウィスカを3質量部に変更した以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤C(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合3.5質量%)を調製した。
(塗工剤Dの調製)
二酸化チタン顔料を82質量部、チタン酸カリウムウィスカをほう酸アルミニウムウイスカ(四国化成工業社製、商品名:アルボレックス)の3質量部に変更した以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤D(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合3.5質量%)を調製した。
二酸化チタン顔料を82質量部、チタン酸カリウムウィスカをほう酸アルミニウムウイスカ(四国化成工業社製、商品名:アルボレックス)の3質量部に変更した以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤D(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合3.5質量%)を調製した。
(塗工剤Eの調製)
二酸化チタン顔料を82質量部、チタン酸カリウムウィスカをウォラストナイト(NYCO社製、商品名:NYGLOS4W)の3質量部に変更した以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤E(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合3.5質量%)を調製した。
二酸化チタン顔料を82質量部、チタン酸カリウムウィスカをウォラストナイト(NYCO社製、商品名:NYGLOS4W)の3質量部に変更した以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤E(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合3.5質量%)を調製した。
(塗工剤Fの調製)
二酸化チタン顔料を85質量部に変更し、ウイスカ状白色顔料を添加しない以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤F(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合0質量%)を調製した。
二酸化チタン顔料を85質量部に変更し、ウイスカ状白色顔料を添加しない以外は、塗工剤Aと同様にして塗工剤F(顔料体積濃度79%、ウイスカ状白色顔料の割合0質量%)を調製した。
(塗工剤Gの調製)
ルミフロンLF600Xの7質量部、二酸化チタン顔料の90質量部、チタン酸カリウムウィスカの3質量部、顔料湿潤分散剤の0.005質量部、酢酸n−ブチルの70質量部、ポリイソシアネート樹脂の0.1質量部を混合、分散し、塗工剤G(顔料体積濃度90%、ウイスカ状白色顔料の割合3.2質量%)を調製した。
ルミフロンLF600Xの7質量部、二酸化チタン顔料の90質量部、チタン酸カリウムウィスカの3質量部、顔料湿潤分散剤の0.005質量部、酢酸n−ブチルの70質量部、ポリイソシアネート樹脂の0.1質量部を混合、分散し、塗工剤G(顔料体積濃度90%、ウイスカ状白色顔料の割合3.2質量%)を調製した。
(塗工剤Hの調製)
ルミフロンLF600Xの30質量部、二酸化チタン顔料の67質量部、チタン酸カリウムウィスカの3質量部、顔料湿潤分散剤の0.005質量部、酢酸n−ブチルの90質量部、ポリイソシアネート樹脂の0.4質量部を混合、分散し、塗工剤H(顔料体積濃度61%、ウイスカ状白色顔料の割合4.3質量%)を調製した。
ルミフロンLF600Xの30質量部、二酸化チタン顔料の67質量部、チタン酸カリウムウィスカの3質量部、顔料湿潤分散剤の0.005質量部、酢酸n−ブチルの90質量部、ポリイソシアネート樹脂の0.4質量部を混合、分散し、塗工剤H(顔料体積濃度61%、ウイスカ状白色顔料の割合4.3質量%)を調製した。
〔例1〜8〕
(反射体の製造)
塗工剤A〜Hを、クロメート処理アルミニウム基板(厚さ0.8mm)に、乾燥膜厚で110〜130μmになるようスプレー塗装し、80℃の乾燥炉で20分間乾燥を行い、例1〜8の反射体a〜hを製造した。
(反射体の製造)
塗工剤A〜Hを、クロメート処理アルミニウム基板(厚さ0.8mm)に、乾燥膜厚で110〜130μmになるようスプレー塗装し、80℃の乾燥炉で20分間乾燥を行い、例1〜8の反射体a〜hを製造した。
(反射体の評価)
反射体a〜hについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。例2〜5は実施例であり、例1、例6〜8は比較例である。
反射体a〜hについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。例2〜5は実施例であり、例1、例6〜8は比較例である。
(1)550nm拡散反射率:
分光光度計(島津製作所社製、UV3100)を用い、硫酸バリウムを標準とした550nmでの全反射率(鏡面反射+拡散反射)を測定し、これを550nmにおける拡散反射率とした。
分光光度計(島津製作所社製、UV3100)を用い、硫酸バリウムを標準とした550nmでの全反射率(鏡面反射+拡散反射)を測定し、これを550nmにおける拡散反射率とした。
(2)屈曲性試験:
JIS K5600−5−1に準拠し、8mm径の円筒形マンドレルを用い、塗装側(反射層側)および未塗装側に90度折り曲げたときの、反射層の状態を観察した。
○:反射層の剥落、ワレなし、
△:反射層の剥落はないが、ワレは認められる、
×:反射層の剥落、ワレともにあり。
JIS K5600−5−1に準拠し、8mm径の円筒形マンドレルを用い、塗装側(反射層側)および未塗装側に90度折り曲げたときの、反射層の状態を観察した。
○:反射層の剥落、ワレなし、
△:反射層の剥落はないが、ワレは認められる、
×:反射層の剥落、ワレともにあり。
(3)打ち抜き試験:
紙パンチを用い、反射体に、直径5mmの穴を、塗装側(反射層側)および未塗装側から基材のアルミ板ごとあけたときの、打ち抜き部の反射層の状態を観察した。
○:反射層の剥落なし、
×:反射層の剥落あり。
紙パンチを用い、反射体に、直径5mmの穴を、塗装側(反射層側)および未塗装側から基材のアルミ板ごとあけたときの、打ち抜き部の反射層の状態を観察した。
○:反射層の剥落なし、
×:反射層の剥落あり。
本発明の要件を満足する例2〜5は、550nm拡散反射率に優れ、屈曲性試験および打ち抜き試験の結果は良好であった。
ウイスカ状白色顔料の割合の多い例1、ウイスカ状白色顔料を添加していない例6、顔料体積濃度が高すぎる例7では、屈曲性試験および打ち抜き試験の結果が悪かった。顔料体積濃度が低すぎる例8は、拡散反射率が劣っていた。
ウイスカ状白色顔料の割合の多い例1、ウイスカ状白色顔料を添加していない例6、顔料体積濃度が高すぎる例7では、屈曲性試験および打ち抜き試験の結果が悪かった。顔料体積濃度が低すぎる例8は、拡散反射率が劣っていた。
本発明の反射体は、反射層が薄く、反射層の強度が高く、かつ550nmにおける拡散反射率が95%以上であり、液晶ディスプレイのバックライト用反射体;側色計および分光光度計に用いられる積分球の反射体等に有用である。
10 反射体
20 基材
30 反射層
20 基材
30 反射層
Claims (3)
- 基材と、該基材の表面に形成された反射層とを有し、
前記反射層が、樹脂および下記顔料を含み、顔料体積濃度が65〜88%である樹脂組成物からなる、厚さが100〜200μmの反射層である、反射体。
顔料:二酸化チタンおよびウイスカ状白色顔料を含み、ウイスカ状白色顔料の割合が、二酸化チタンとウイスカ状白色顔料との合計100質量%のうち2.3〜8.3質量%である顔料。 - 前記樹脂が、含フッ素樹脂である、請求項1に記載の反射体。
- 前記ウイスカ状白色顔料が、チタン酸カリウムウイスカ、ほう酸アルミニウムウイスカおよびウォラストナイトからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1または2に記載の反射体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006010770A JP2007190792A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | 反射体 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007190792A true JP2007190792A (ja) | 2007-08-02 |
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ID=38446848
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JP2006010770A Withdrawn JP2007190792A (ja) | 2006-01-19 | 2006-01-19 | 反射体 |
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JP (1) | JP2007190792A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011006540A (ja) * | 2009-06-24 | 2011-01-13 | Teijin Dupont Films Japan Ltd | Led照明の反射フィルムとして用いられる熱可塑性樹脂フィルム |
KR20150043350A (ko) * | 2012-08-10 | 2015-04-22 | 에누오케 가부시키가이샤 | 불소 고무 조성물 |
-
2006
- 2006-01-19 JP JP2006010770A patent/JP2007190792A/ja not_active Withdrawn
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KR102015862B1 (ko) | 2012-08-10 | 2019-08-29 | 에누오케 가부시키가이샤 | 불소 고무 조성물 |
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