JP2007276205A - 被覆基材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は,高い拡散反射率を有する被覆基材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明によれば,基材表面の少なくとも一部に被覆層を有し,被覆層は,平均粒径0.20〜0.40μmのルチル型酸化チタンと,ルチル型酸化チタンとは異なる平均粒径0.10〜1.0μmの微粒子と,を含有することを特徴とする,被覆基材とその製造方法および電子機器が提供される。かかる構成により,ルチル型酸化チタンの濃度を高くした場合でも,ルチル型酸化チタン同士の凝集を抑制できるようになり,既存の被覆層を有する材料より高拡散反射率が得られるようになる。
【選択図】なし

Description

本発明は,高い拡散反射率を有する被覆基材とその製造方法に関する。
照明器具,AV機器,電子機器,モバイル機器,液晶テレビ,プラズマディスプレイ等は,可視光線を発することで,周囲を明るくする,光信号を伝える,もしくは光画像を映し出す等の機能を有している。これらの機器では,反射板を設けて,この反射板に光を反射させることで,光の輝度を向上させる,光の方向を変える等を行っているものもある。そのため,反射板に光が反射したときに光量低下を避けるために,反射板表面には高い可視光線反射率が要求される。従来,反射板表面の反射率を高める手段として,金属を研磨して鏡面にする,反射率の高い白色系の塗料を塗装する等が行われていた。また,新日本製鐵(株)カタログ「ビューコート(登録商標)」には,予め白色塗料を塗布した照明器具反射板用プレコート鋼板等も公開されている。
また,特許文献1では,基材フィルムの片表面に金属薄膜層,無機微粒子を含有する樹脂層を順次積層し,当該金属薄皮膜層がアルミニウムからなり,無機微粒子を含有する樹脂層を構成する無機微粒子の屈折率nと同層を構成する樹脂の屈折率nとがn−n≧0.4とすることで,液晶表示装置の反射板として優れた光反射フィルムの技術が開示されている。更に,特許文献2では,液晶ディスプレイのバックパネル用として,アルミニウム板上に樹脂100質量部に対してルチル型酸化チタン150〜300質量部を含有する膜厚50〜100μmの下塗り層と,該下塗り層状に,樹脂100質量部に対してルチル型酸化チタンを100〜250質量部含有し,光沢が15以下で,且つ膜厚10〜30μmの上塗り層を形成させた液晶ディスプレイのバックパネル用の高拡散反射塗装金属板の技術が開示されている。
しかし,近年では照明器具反射板や液晶ディスプレイ等の電気製品に用いる反射板は,電気製品の構造やデザインが複雑化し,これに伴い,反射板も様々な形状に成形加工して使用するニーズが高まってきている。しかし,特許文献1に記載された技術のように基材にフィルムを用いた場合は,予め金属薄皮膜層や無機微粒子を含有する樹脂層を積層させたフィルムを目的の形状に成形することは困難であり,予めフィルムを目的の形状に成形した後に金属薄皮膜層や無機微粒子を含有する樹脂層を積層させる必要がある。しかし,反射板の成形形状が複雑な場合,加工部分で被膜を均一膜厚で積層させることが困難である。一方,特許文献2に記載された技術では,下塗り層と上塗り層をアルミニウム板上に予め塗布させた後に成形加工することはできるが,一般的なプレコート塗装ラインでの塗装では,1回で当該膜厚の下塗り層(50〜100μm)を塗装することは非常に困難であり,2回以上の重ね塗りが必要となるため,生産性が低い等の欠点がある。
特開平10−730号公報 特開2002−172735号公報
したがって,電気製品の構造上やデザイン上の理由で,反射板を成形加工して使用しなければならないこと,反射板の生産性を考えると,特許文献1や特許文献2等に記載された反射板を使用することは困難であり,従来の予め白色塗料を塗布した照明器具反射板用プレコート鋼板等を使用しなければならなかった。
本発明は,上記現状に鑑み,基材上に成型加工が可能で且つ,高い拡散反射率を示す被覆層を形成することで,高い拡散反射率を有する被覆基材及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明者らは,鋭意検討した結果,ルチル型酸化チタンの濃度を高くした場合に,ルチル型酸化チタン同士の凝集により拡散反射率の上昇が鈍化する濃度域において,ルチル型酸化チタンとは異なる微粒子を加えることで,ルチル型酸化チタン同士の凝集を抑制し,より高い拡散反射率が得られることを見出し,かかる知見をもとに本発明を完成させたものであって,本発明がその要旨とするのは,以下のとおりである。
(1) 基材表面の少なくとも一部に被覆層を有し,前記被覆層は,平均粒径0.20〜0.40μmのルチル型酸化チタンと,前記ルチル型酸化チタンとは異なる平均粒径0.10〜1.0μmの微粒子と,を含有することを特徴とする,被覆基材。
(2) 前記被覆層中の前記ルチル型酸化チタンの濃度は,35vol%超70vol%未満であることを特徴とする,(1)に記載の被覆基材。
(3) 前記微粒子は,中空粒子であることを特徴とする,(1)または(2)に記載の被覆基材。
(4) 基材表面の少なくとも一部に複数層からなる被覆層を有し,前記複数層のうちの少なくとも一層は,(1)〜(3)のいずれかに記載の被覆層であることを特徴とする,被覆基材。
(5) 基材表面の少なくとも一部に,少なくともプライマー層,中塗り層および上塗り層の複層構造からなる被覆層を有する被覆基材であって,前記プライマー層は,ルチル型酸化チタンを20〜35vol%含有し,前記中塗り層は,請求項1〜3のいずれかに記載の被覆層であり,前記上塗り層は,ルチル型酸化チタンを0〜35vol%含有し,前記積層構造からなる被覆層の中で,前記中塗り層の膜厚が最も厚いことを特徴とする,被覆基材。
(6) 前記プライマー層の主樹脂は,フッ素樹脂であることを特徴とする,(5)に記載の被覆基材。
(7) 前記上塗り層の主樹脂は,フッ素樹脂であることを特徴とする,(5)または(6)に記載の被覆基材。
(8) 前記被覆層全体の膜厚は,100μm未満であることを特徴とする,(5)〜(7)のいずれかに記載の被覆基材。
(9) 前記被覆基材は,450nm〜750nmの波長領域における光の拡散反射率の最低値が92.5%以上で,且つ555nmの波長の光の拡散反射率が95%以上であることを特徴とする,(5)〜(8)のいずれかに記載の被覆基材。
(10) 前記基材は,金属板であることを特徴とする,(1),(4)又は(5)に記載の被覆基材。
(11) 基材表面の少なくとも一部に,前記基材側から順に,塗料固形分中にルチル型酸化チタンを20〜35vol%含有したプライマー層用塗料,塗料固形分中にルチル型酸化チタンと他の微粒子を含有した中塗り層用塗料,塗料固形分中にルチル型酸化チタンを0〜35vol%含有した上塗り層用塗料を塗布し,焼き付けることを特徴とする,被覆基材の製造方法。
(12) 前記上塗り層用塗料と前記中塗り層用塗料を同時に焼き付けることを特徴とする,(11)に記載の被覆基材の製造方法。
(13) (1)〜(10)のいずれかに記載の被覆基材を使用した電子機器。
本発明により,ルチル型酸化チタンの濃度を高くした場合でも,ルチル型酸化チタン同士の凝集を抑制できるようになり,ルチル型酸化チタンの濃度は一定である既存の被覆層を有する材料より高拡散反射率が得られるようになった。これにより,連続塗装ラインの塗装による製造でも高拡散反射率を容易に確保できる材料を提供できるようになったため,これまで高拡散反射率が求められるため,高拡散反射率の白色フィルムを作製し,それを貼り付けると言った二つの工程により作製したものが主に用いられていた反射板を,連続塗装ラインでの基材へ塗料を直接塗装すると言う一つの工程で製造できるようになり,工程の省略ができるようになった。したがって,本発明は極めて産業上の価値の高い発明であると言える。
以下,本発明について詳細に説明する。
本発明では,ルチル型酸化チタンと共に,他の微粒径顔料を混和することで,微粒子がルチル型酸化チタン間の凝集を抑制するスペーサーとして働き,ルチル型酸化チタン単独より高い拡散反射率を達成することに成功した。
本発明では,主顔料としてルチル型酸化チタンを使用している。これは,ルチル型酸化チタンの屈折率が,他の顔料よりも高く,バインダーとして使用する樹脂との屈折率差を大きくできるため,顔料と樹脂の界面における反射率を高めることができるためである。
本発明の高い拡散反射率を有する被覆基材は,主に可視光を反射することを目的としているため,人の目の感度が高いとされている波長域の拡散反射率が高いことが重要である。人の目は,個人差はあるものの,380〜780nmの波長の光を感受することができ,その感度のピークは555nm付近にある。そのため,555nmを中心とした波長の光を強く反射する必要がある。
顔料として用いるルチル型酸化チタンの平均粒径は,小さい方が同一体積では表面積が広くなり,反射界面が広くなることになるため,拡散反射率も高くなるが,顔料の粒径が小さくなり過ぎると,長い波長の光の透過してしまう。そのため,なるべく反射界面を広くし,可視光を強く反射するには,ルチル型酸化チタンの平均粒径を0.20〜0.40μm(200〜400nm)とすると好ましく,更に好ましくは0.25〜0.35μm(250〜350nm)のものが良い。ここでのルチル型酸化チタンの平均粒径は,確認したい部分を電子顕微鏡により10,000倍で観察し,視野中に映し出されるルチル型酸化チタンの内,数で粒径の小さい方から20%と大きい方から5%を除いた残りのルチル型酸化チタンの粒径の相加平均値である。また,ルチル型酸化チタンに,シリカ,アルミナ,ジルコニア,酸化亜鉛,酸化アンチモン,有機物等でコーティングを施したものを使用しても良い。具体的には石原産業社製「タイペーク(登録商標)」シリーズ,富士チタン社製「TA」シリーズ,テイカ社製「TITANIX(登録商標)」シリーズ等を用いることができる。本発明におけるルチル型酸化チタンは,何れも同様ものを用いれば良い。有機物としては特に限定されるものではないが,ペンタエリトリット・トリメチロールプロパンなどのポリオール系,トリエターノールアミン・トリメチロールアミンの有機酸塩などのアルカノールアミン系,シリコン樹脂・アルキルクロロシランなどのシリコン系などで処理したものを用いでも良い。
ルチル型酸化チタンとその凝集の抑制を目的とした微粒子の比率,さらにバインダーとなる樹脂は,特に限定されるものではないが,ルチル型酸化チタンの濃度が35vol%超過であると,特に微粒子混和の効果が得易い。これは,ルチル型酸化チタンの濃度が35vol%を超える範囲では,顔料同士が凝集し易く,各ルチル型酸化チタンが最大の能力を発揮し難い。その中に,ルチル型酸化チタンとは異なる微粒子を混和すると,ルチル型酸化チタン同士の凝集が抑制され,各ルチル型酸化チタンが,最大の効果を発揮し易くなるためである。そのため,微粒子の効果は,ルチル型酸化チタンの濃度が高い方が,発揮され易く,ルチル型酸化チタンの濃度が40vol%以上であると,特にその効果が分かり易い。ルチル型酸化チタンの濃度の上限は,拡散反射率と言う点からは全く規定する必要が無いが,被覆層としての強度を保持すると言う面からはルチル型酸化チタンの濃度が80vol%未満であると好ましく,被覆層形成後に軽加工を必要とする場合はルチル型酸化チタンの濃度が70vol%未満になるようにした方が好ましく,被覆層形成後にプレス成型等の加工を必要とする場合は,ルチル型酸化チタンの濃度が60vol%未満になるようにするとさらに好ましい。
微粒子の役割は,ルチル型酸化チタンの凝集を抑制することなので,少量であっても混和した分だけ効果を発揮できるため,下限の濃度については全く限定する必要が無いが,その中でも,効果が分かり易い範囲は,(微粒子の体積÷ルチル型酸化チタンの体積)が1/25以上のときで,より高い効果を求める場合は,(微粒子の体積÷ルチル型酸化チタンの体積)が1/10以上であれば良い。
微粒子単独の濃度については,特に上限は定める必要は無いが,微粒子混和の目的が,微粒子による拡散反射率の向上ではなく,ルチル型酸化チタンの凝集を抑制すると言う,ルチル型酸化チタンの性能を最大限に発揮させることなので,微粒子の濃度はあまり高過ぎない方が良く,(微粒子の体積÷ルチル型酸化チタンの体積)が1/2以下であると良い。
微粒子の種類としては,いずれも特に限定されるものでは無いが,ルチル型酸化チタンとの屈折率差が1以上あると特に好ましく,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,酸化亜鉛等の無機粒子や,樹脂ビーズ等の有機粒子を用いることができる。
これら微粒子の粒径は,ルチル型酸化チタンの周りに均一に分散し,ルチル型酸化チタンの凝集を抑制すると言う考え方からは,粒径が小さい方が良く,1μm未満であると良い。特に,高濃度のルチル型酸化チタンの凝集を抑制させる場合には,より粒径小さい方が良く,ルチル型酸化チタン同様の0.40μm以下であるとさらに好ましい。ただし,あまりに粒径が小さいと,ルチル型酸化チタン同士の距離が短くなり,光学的には密着,凝集している状態と変わらなくなってしまうため,粒径が0.10μm以上は必要であり,均一に分散するという考え方から,下限もルチル型酸化チタン同様の0.20μm以上であるとさらに好ましい。
また,これら微粒子が中空であるとさらに好ましい。これは,中空部を持つことで,空気との界面を被覆層内に持つことができるためである。
ルチル型酸化チタン以外の微粒子が,無機微粒子の場合,その種類をX線回折や赤外分光により確認できるため,ルチル型酸化チタン以外の微粒子であることは,簡単に確認することができる。
ルチル型酸化チタン以外の微粒子が,有機微粒子の場合は,被覆層をミクロトームで削り取り,透過型電子顕微鏡で観察すると電子線の透過率の違いから,どのような粒径,形状のルチル型酸化チタン以外の微粒子が含まれていることを簡単に確認することができる。
また,無機,有機に関わらず,ルチル型酸化チタンと微粒子の構成元素が異なる場合は,高分解能型電子プローブマイクロアナライザ等,分解能の高い元素マッピングができる装置を用いると,どのような粒径,形状のルチル型酸化チタン以外の微粒子が含まれていることを簡単に確認することができる。
粒子が中空粒子であるかどうかも,被覆層をミクロトームで削り取り,透過型電子顕微鏡で観察すると,簡単に確認することができる。
微粒子のルチル型酸化チタンに対する比率は,微粒子が樹脂ビーズのように電子線の透過性がルチル型酸化チタンと全く異なる場合は,被覆層の断面を走査型電子顕微鏡で観察するか,被覆層をミクロトーム等で薄く削り取り,それを透過型電子顕微鏡で観察する方法がある。具体的には,視野内に認められるルチル型酸化チタンと微粒子の数を数えることで求めることができる。ただし,数が少ないと,誤差が大きくなるため,最低,ルチル型酸化チタンが100個以上の範囲で数を数える必要がある。
また,微粒子の電子線透過性がルチル型酸化チタンとあまり差が無く,走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡では微粒子とルチル型酸化チタンの違いが分かり難いものの場合は,その断面における元素組成を確認し,その組成から,ルチル型酸化チタン,その他の微粒子の比率を求めることができる。元素組成は,EPMA(電子線マイクロアナライザ),GDS(グロー放電発光分光分析装置)等で確認してよい。
被覆層の膜厚は特に限定されるものではないが,高拡散反射率を達成するには,15μmはあった方が良く,可能であれば,20μm以上あった方が良い。上限は製造上問題にならない限り,特に定めなくても良いが,一定以上の膜厚になると,拡散反射率の上昇率が鈍化し,膜厚を上げるにかかる費用に見合った効果が得られない。そのため,上限は80μm以下で,製造上の容易さからは,50μm程度までである。
ルチル型酸化チタンと微粒子を含む被覆層は,通常の被覆層より顔料濃度が高い。そのため,基材との密着性向上,被覆層の保護のために,プライマー層や上塗り層等の層を同時に施工していると,被覆層の強度の面からはさらに好ましい。
ここでのプライマー層は,基材と最も近い層のことを示す。ただし,基材から最も近い層であっても,基材と塗膜の密着性向上や耐食性向上を目的とした1μm未満の膜厚の層については,プライマー層とは考えず,その上の層をプライマー層とする。
上塗り層は,基材から最も離れた表面に露出した層を示す。
中塗り層は,3層構造の場合,プライマー層と上塗り層に接して挟まれた部分に相当するが,4層以上の複層構造を有する被覆層においては,上塗り層とプライマー層に挟まれた,ルチル型酸化チタンと他の微粒子が含まれている層を全て中塗り層と見做し,その厚さの合計が他の層より厚いと,高い拡散反射率を得易い。また,顔料組成が連続的に変化して,各層の境界が不明確な場合も,ルチル型酸化チタンと他の微粒子が含まれている層の範囲を全て中塗り層とする。
プライマー層中のルチル型酸化チタンの濃度については,プライマー層には基材を隠蔽し高拡散反射率を示すことと同時に,被覆される基材と被覆層との密着性を確保するため,柔軟性が必要とされる。ルチル型酸化チタンの濃度は高くし過ぎると塗膜が脆くなり,密着性の確保が難しくなるため,プライマー層については,極端にルチル型酸化チタンの濃度を高くしない方が良い。塗膜の隠蔽力は,ルチル型酸化チタンの濃度を高くしていくと,35vol%程度までは,上昇率が高いため,プライマー層のルチル型酸化チタンの濃度としては20〜35vol%であることが好ましい。
中塗り層中のルチル型酸化チタンの濃度については,中塗り層には隠蔽性,高拡散反射率が要求されるが,プライマー層ほどの柔軟性は必要とされない。したがって,ルチル型酸化チタンの濃度をプライマー層よりも高くすることができる。しかし,ルチル型酸化チタンの体積濃度が70vol%以上では非常に脆くなるため,中塗り層のルチル型酸化チタンの濃度は35vol%超70vol%未満が好ましい。特に,加工性を必要とする被覆基材の場合,ルチル型酸化チタンの濃度は60vol%未満が好ましく,特に厳しい加工を必要とする場合のルチル型酸化チタンの濃度は55vol%未満にすると,加工性を充分に確保でき好ましい。
上塗り層中のルチル型酸化チタン濃度について,上塗り層でも高拡散反射率化ができた方が良いが,上塗り層の最大の役割は,被覆層全体を保護することである。そのため,あまり脆い塗膜は好ましくない。また,ルチル型酸化チタン濃度が高くなると,塗膜表面に露出した状態のルチル型酸化チタンが増える。そのような塗膜に金属が触れると,ルチル型酸化チタンにより金属が摩耗し,塗膜表面に黒い痕がついてしまう。このような黒い痕は,高拡散反射率を発揮することを最大の目的にする本発明の被覆基材には好ましくない。そのため,上塗り層中のルチル型酸化チタン濃度の上限は,プライマー層と同程度が好ましく,下限については限定するものではなく,ルチル型酸化チタンを全く含まない場合を含め,0〜35vol%とする。ただし,上塗り層にも被覆層全体の保護だけで無く高拡散反射率化も求め,両方を高次元で両立させたいのであれば,ルチル型酸化チタン濃度を20〜30vol%とするとさらに好ましい。
ルチル型酸化チタンの体積濃度は,次のようにして測定することができる。一つは,まず,測定目的の層のみを削り取る。削り取った面積A1及び深さD1から,塗膜の体積V1をV1=A1×D1として求める。次に,削り取った塗膜を500℃で1時間加熱し,バインダー成分を分解させる。残った部分をルチル型酸化チタンと考えることができる。そのルチル型酸化チタンの体積Vt1を液体に浸漬する等の方法で測定しても良いが,その質量Mt1を測定し,一般的なルチル型酸化チタン顔料の密度は3800〜4200kg・m−3程度なので,ルチル型酸化チタン顔料の密度を4000kg・m−3として,体積をVt1=Mt1÷4000kg・m−3として求めても良い。このように求めた塗膜の体積V1,ルチル型酸化チタンの体積Vt1からルチル型酸化チタンの体積濃度Ct1は,Ct1=Vt1÷V1×100(vol%)として求めることができる。
もう一つは,被覆面に対して垂直な面で被覆基材をカットし,その断面から被覆層の膜厚T2光学顕微鏡,電子顕微鏡で確認するか,まず,被覆基材の厚さをマイクロメータで測定し,その後,被覆層を剥離して,再度,同じ場所の厚さをマイクロメータで測定し,その差から被覆層の膜厚T2を求める等の方法で確認する。次に,任意の面積A2だけ被覆層を剥離する。剥離した被覆層をるつぼで500℃,1時間加熱する。残った灰分に含まれる酸化チタンの質量Mt2を求める。ルチル型酸化チタン顔料の一般的な密度は4000kg・m−3程度なので,被覆層の体積V2はV2=A2×T2,その中のルチル型酸化チタンの体積Vt2はVt2=Mt2÷4000kg・m−3と計算することができる。このように求めた被覆層の体積,ルチル型酸化チタンの体積から,被覆層全体の平均ルチル型酸化チタンの濃度は体積濃度Ct2は,Ct2=Vt2÷V2×100(vol%)と求めることができる。次に,被覆層の膜厚方向の元素分布をGDSや被覆層断面のEMPAなどで確認する。その元素分布と先に求めた平均ルチル型酸化チタン体積濃度から,各深さ,各層におけるルチル型酸化チタンの体積濃度を求めることができる。
また,有機分の加熱分解による有機分と無機分の質量比の確認はTG(熱重量分析)によって行っても良い。
プライマー層には,基材の隠蔽と,被覆層の基材への密着性の確保と言う役割がある。ルチル型酸化チタンの濃度を高くしていくと,密着性の確保が困難になっていくことから,密着性が確保できるルチル型酸化チタンの濃度範囲で,より高い隠蔽性を発揮する必要があるため,バインダーの主樹脂にはルチル型酸化チタンとの組み合わせで,より高い拡散反射率を示すことができるものを選択した方が良い。顔料とバインダー樹脂の屈折率差が大きいと,顔料−バインダー樹脂界面での反射率が高くなり,高い拡散反射率が得られることが知られているが,フッ素樹脂は他の樹脂より屈折率が低いため,ルチル型酸化チタンのように屈折率高い顔料とフッ素樹脂と組み合わせると,顔料とバインダーの屈折率差が大きくなり,高い拡散反射率を得ることができる。そのため,プライマー層のバインダー樹脂としては,フッ素樹脂を選択するのが好ましい。また,基材と中塗り層との密着性を確保するため,エポキシ樹脂を含有していると更に好ましい。
フッ素樹脂としては,何れも特に限定されるものではないが,ポリフルオロエチレン系のポリテトラフルオロエチレン,ポリトリフルオロエチレン,ポリジフルオロエチレンや,ポリヘキサフルオロプロピレン,ポリパーフロロアルキルビニルエーテル構造を分子鎖中に持つものであれば良く,これらの構造やビニルエーテル,ビニルエステル等との共重合体であったり,アクリル樹脂をブレンドしたものであっても良い。具体的には,旭硝子社製「ルミフロン(登録商標)」,日本ペイント社製「デュフロン(登録商標)」,3M社製「ダイオニン」,大日本インキ化学工業社製「フルオネート(登録商標)」,ダイキン社製「ゼッフル(登録商標)」,東亞合成社製「ザフロン(登録商標)」等を用いることができる。フッ化ビニリデン単独重合体の場合は,アクリル樹脂と混合して用いるのが一般的である。
また,これらの樹脂は,必要に応じて一般に公知の架橋剤,例えば,イソシアネートやメラミン樹脂で架橋させても良い。イソシアネートも,一般に市販されているもの,例えば,住化バイエル社製「スミジュール(登録商標)」,「デスモジュール(登録商標)」シリーズ,三井武田ケミカル社製「タケネート(登録商標)」シリーズ等を使用することができる。メラミン樹脂も,一般に市販されているもの,例えば,三井サイテック社製「サイメル(登録商標)」,「マイコート(登録商標)」シリーズ,大日本インキ化学工業社製「ベッカミン(登録商標)」,「スーパーベッカミン(登録商標)」シリーズ等を使用することができる。
また,本発明で主樹脂とは,被覆層のバインダーとなる成分の内,質量比で50%以上であるものを言う。これらの樹脂が主成分であるかどうかは,赤外分光,核磁気共鳴スペクトル,質量分析等を組み合わせることで確認することができる。
中塗り層は,本発明の最大の目的である拡散反射率を稼ぐための層であるため,被覆層の中で最も厚くすると良い。ルチル型酸化チタンとの屈折率差を大きくすると言う観点からは,プライマー層同様にフッ素樹脂を主樹脂としても良いが,本発明の中塗り層は,ルチル型酸化チタンと異種顔料を混和することによって,ルチル型酸化チタンの凝集を抑制しているため,ルチル型酸化チタンの濃度が35vol%超の比較的高い濃度域で,特に高い拡散反射率を示す。また,上塗り層とプライマー層に挟まれ保護されているため,単層では脆くなってしまうようなルチル型酸化チタンの濃度であっても良いため,主樹脂が必ずしもフッ素樹脂で無くても,高拡散反射率化が可能である。また,ルチル型酸化チタンを高濃度化した場合の塗膜強度の確保を考えるのであれば,フッ素樹脂は化学的に安定であるがゆえに構造の変更が難しく,樹脂の物性を調整するのが簡単ではなく,コスト的にも他の樹脂より高くなることが多いため,樹脂の物性がフッ素樹脂よりも調整し易くコスト的にも有利なポリエステル樹脂又はアクリル樹脂又はこれらを混合したものを用いた方が良い。
上塗り層は,被覆層を保護することを目的とした層であり,拡散反射率については,プライマー層,中塗り層で確保した拡散反射率に悪影響を及ぼさないことが重要である。そのため,膜厚は,プライマー層,中塗り層より薄くて良く,ルチル型酸化チタンの濃度についても,塗膜強度が得られることを前提に決める必要がある。主樹脂についても,必ずしも高拡散反射率が得られるフッ素樹脂を選択する必要はなく,塗膜強度の確保をし易い樹脂を選択しても良く,ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂又はそれらを混合したものを選択すれば良い。ただし,高拡散反射率,長期安定性を要求する場合は,フッ素樹脂を主樹脂とするのが好ましい。本発明の被覆基材を反射板用途で長期に渡って連続的に使用する場合,光によって樹脂が劣化し,拡散反射率が低下する可能性が考えられるが,フッ素樹脂を上塗り層の主樹脂とした場合,フッ素樹脂は化学的に安定なため,光による劣化を抑制することができる。フッ素樹脂としては,プライマー層に用いたものと同様のものを用いることができる。
また,上塗り層には,光の拡散性を高めるため,必要に応じてシリカ等の艶消し剤を加えても良い。
各層の膜厚は,中塗り層が最も厚いこと以外は,特に限定されるものではないが,高拡散反射率化には厚膜化が必要で,加工性や経済性からは薄膜化が必要であるため,そのバランスが取れるようにすれば良い。
プライマー層の膜厚は,薄過ぎると高い隠蔽性が得難い,加工した場合に中塗りにかかる応力を緩和し難いため,下限としては3μm程度で,可能であれば5μm以上あった方が好ましい。上限は,製造上問題にならない限り,特に定めなくても良いが,この上により厚い層が積層されるため,あまり厚くして隠蔽性を高くしても,最終製品ではその効果が薄らいでしまい,費用に見合った効果が得られない。そのため,上限は50μm以下で,通常は35μm程度までである。
中塗り層の膜厚は,この層が本発明の最大の効果を示す層であるため,他の層よりも厚いことが好ましく,高拡散反射率を達成するには,15μmはあったほうが良く,可能であれば,20μm以上あったほうが良い。上限は製造上問題にならない限り,特に定めなくても良いが,一定以上の膜厚になると,拡散反射率の上昇率が鈍化し,膜厚を上げるにかかる費用に見合った効果が得られない。そのため,上限は80μm以下で,製造上の容易さからは,50μm程度までである。
上塗り層の膜厚は,この層を形成する主目的が本発明の主目的である高拡散反射率化ではなく,被覆層全体の保護であったり,光沢の低下であるため,あまり厚い必要は無い。保護という観点からは,均一に被覆できれば,0.1μm以上の膜厚であれば役割を果たせるが,安定した効果を発揮するには,1μm以上であると更に好ましい。上限については,上塗り層の拡散反射性が,他の層と変わらないレベルであれば,特に限定する必要は無いが,拡散反射性が他の層より劣っていても悪影響を及ぼし難い程度の膜厚すると良く,20μm以下であると好ましく,通常は10μm以下にすると良い。ただし,上塗り層が殆ど顔料を含まない層で,表面の保護と,低光沢化による光の拡散性向上に特に主目的をおいている場合は,5μm以下であった方が,拡散反射率に対する悪影響が少なくより好ましい。
被覆層の全体厚さは,特に限定されるものではないが,厚過ぎると加工性が悪化する懸念があること,連続塗装焼付けライン塗料を塗布,焼付けることで被覆層を形成する場合,焼付け時に沸きが発生し易くなるため,100μm未満の膜厚で高拡散反射率を達成できると好適である。また,あまり厚過ぎると経済的でないと言うこともあり,80μm未満の膜厚で高拡散反射率を達成できるとさらに好適である。
一方,450nm〜750nmの波長領域における光の拡散反射率の最低値が92.5%以上で,且つ555nmの波長の光の拡散反射率が95%以上である材料を照明器具の反射板として用いると,高い照度を得ることができる。特に,液晶ディスプレイの反射板として使用する場合は,555nmの拡散反射率だけが高いものでは,画面の輝度は得られるものの,彩度を出すのが難しくなる。そのため,このような膜厚で450nm〜750nmの波長領域における光の拡散反射率の最低値が92.5%以上,且つ555nmの波長の光の拡散反射率が95%以上にできれば,反射材料の生産性,経済性と,反射特性にも優れ好適である。
本発明の被覆基材の基材としては,いずれも特に限定されるものではないが,金属板を用いると,基材へ被覆層を形成した後に加工成型が容易であり,好適である。金属板としてもいずれも特に限定されるものではないが,鋼板,ステンレス板,アルミ板,亜鉛板,銅板,また,これらの合金板等が挙げられ,さらに,これらの金属板上にめっき処理した金属が挙げられる。この内,鋼板上にめっき処理した例として,溶融亜鉛めっき鋼板,電気亜鉛めっき鋼板,合金化溶融亜鉛めっき鋼板,アルミめっき鋼板,アルミ−亜鉛合金めっき鋼板,亜鉛−アルミ−マグネシウム合金めっき鋼板,亜鉛−アルミ−マグネシウム−シリコン合金めっき鋼板,亜鉛−マグネシウム合金めっき鋼板,錫めっき鋼板,鉛めっき鋼板,クロムめっき鋼板等の各種めっき鋼板等が挙げられる。また,これら金属板に,化成処理を施したものに処理を施すこともできる。化成処理には,一般に公知の化成処理,例えば,塗布クロメート処理,電解クロメート処理,リン酸亜鉛処理や近年開発されている6価クロムを含まないクロメートフリー処理等を使用することができる。
本発明の高い拡散反射率を有する被覆基材の製造方法としては,特に限定されるものではないが,少なくとも基材表面の一部に,基材側から順に,組成物の固形分中にルチル型酸化チタンを20〜35vol%含有し,その他の固形分の内80質量%以上が樹脂成分であるものに必要に応じて有機溶剤を加えたプライマー層用塗料,組成物の固形分中にルチル型酸化チタンと他の微粒子を含有し,その他の固形分の内80質量%以上が樹脂成分であるものに必要に応じて有機溶剤を加えた中塗り層用塗料,組成物の固形分中にルチル型酸化チタンを0〜35vol%含有し,その他の固形分の内80質量%以上が樹脂成分であるものに必要に応じて有機溶剤を加えた上塗り層用塗料を塗装,焼き付けることによる方法が好ましい。このように被覆層を塗装により形成すれば,被覆層をフィルムとして別に作製した場合,フィルム作成と基材への貼り付けと言った複数の工程が必要であるのに対し,基材上に直接被覆層を形成でき,工程を少なくすることができると言ったメリットがある。塗装方法は,特に限定されるものではなく,ロール塗工,ローラーカーテン塗工,カーテンフロー塗工,エアスプレー塗工,刷毛塗り塗工,ダイコーター塗工,浸漬塗工,インクジェット塗工等の通常の方法が挙げられる。
各層は,それぞれの塗料を順次塗布し,焼き付けて,積層しても良いが,硬化前の状態で積層されたものを同時に焼き付けても,両方の方法を組み合わせてもよい。例えば,中塗り層と上塗り層とを同時に焼き付けると,焼き付け工程がプライマー層の1回と中塗り層,上塗り層の1回の合計2回で良いため,プライマー層,中塗り層,上塗り層を別々に焼き付けるなら,連続塗装ラインで比較的ライン上の長いスペースを取る焼き付け工程の設備を3つ設置しなくてはならないか,2つしか焼き付け工程を持たないラインでは2回ラインを通さないといけないのに対して,同時に焼き付けすると,焼き付け装置が2つ設置されていれば1回ラインを通すだけで良いため,生産性を高めることができ好ましい。塗料状態で積層する方法は,特には限定されるものではないが,大きく二つある。一つは各層を別々に塗布する方法で,一つは複数の層を同時に塗布する方法である。各層を別々に塗布する場合,下層の塗装は上述のような通常の塗装方法で構わないが,上層の塗装は,未硬化の下層に大きな衝撃を加えない方法で塗布することが好適である。下層に大きな衝撃を加えてしまう方法で塗装をすると,上層と下層が混ざってしまう。上層の塗装方法としては,下層を激しく乱さない方法であれば,特に限定されるものではないが,ローラーカーテン塗工,カーテンフロー塗工,エアスプレー塗工,ダイコーター塗工,浸漬塗工,インクジェット塗工等が挙げられる。複数の層を同時に塗布する場合,各層が塗布時に混ざらない必要がある。塗装方法としては,特に限定されるものではないが,多層スライドカーテン塗工等の方法が挙げられる。このような方法で形成した多層を同時に焼き付けると,同時に焼き付けた層間の密着性が高くなり好ましい。
本発明による被覆基材を使用した電気電子機器では,この被覆基材が可視光域で高い拡散反射率を持つため,同一光源の場合はこれまでよりも明るくなり,また,これまでより光源の数を少なくしたり,投入電力を少なくしたりしても,これまでと同等の明るさを確保することができる。このような特性を生かすことができる電気電子機器は,何れも特に限定されるものではなく,照明器具,電飾,AV機器,モバイル機器,各種ディスプレイ等が挙げられるが,液晶ディスプレイのバックライト反射板,照明反射板,内飾看板内の反射板等に用いると好ましい。
実施例に基づき,本発明をさらに説明する。
まず,評価方法について説明する。
1) 拡散反射率測定
島津製作所社製の分光光度計「UV265」に,積分球反射付属装置を取り付けたものを用い,基準板としては硫酸バリウム粉末を押し固めたものを用いた。評価は,人の目の感度が最も高い波長である555nmにおける拡散反射率については,95%を基準とし,95%以上のものは達成,95%未満のものは未達とした。450nm〜750nmの拡散反射率については,92.5%を基準とし,その波長域での拡散反射率の最低値が92.5%以上のものは達成,92.5%未満のものは未達とした。
2) 照明器具の照度測定
図1に実験装置の概要を記載する。木製の箱(1)の中に市販の蛍光灯照明器具(2)を取り付け,蛍光灯(3)から30cm離れた箇所に市販の照度計のセンサー(4)を設置し,照度を測定した。反射板(5)は,新日本製鐵(株)カタログ「ビューコート(登録商標)」に紹介されている白色塗料を塗布した照明器具反射板用プレコート鋼板で作製した反射板(以下,既存の反射板と称す)の照度を測定し,それに対して作製した被覆基材を用いて作製した反射板を取り付けたときの照度を測定した。そして,既存の反射板で測定した時の照度と作製した被覆基材の反射板で測定したときの照度から,照度変化率=([作製した被覆基材による反射板での照度]−[既存の反射板での照度])×100/[既存の反射板での照度]と定義し,照度変化率が15%以上の場合:○,照度変化率が5%以上15%未満の場合:△,照度変化率が5%未満の場合:×として評価した。なお,本実験では,16形ランプ出力16Wの蛍光灯を用いた。
次に,供試材について説明する。
被覆基材の基材には,電気亜鉛めっき鋼板にクロメート処理を施したものを用いた。被覆層は,各層を塗料化したものを塗布焼き付け硬化することで形成した。
被覆層のバインダーには,フッ素樹脂,アクリル樹脂,ポリエステル樹脂を用いた。フッ素樹脂としては,市販の3フッ化エチレン系樹脂である旭硝子社製「ルミフロン(登録商標)LF552」を用いた。架橋剤には,市販のHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)をベースとしたブロック化イソシアネートである住化バイエルウレタン社製「スミジュール(登録商標)BL3175」をOH/NCO=1:1等量で混合し,更に,三井武田ケミカル社製反応触媒「TK−1」を樹脂固形質量分に対して0.05質量%添加することで,フッ素系クリア塗料を得た。アクリル樹脂としては,市販のアクリル樹脂である日本触媒化学工業社製「アロセット(登録商標)5535」を用いた。架橋剤には,市販のヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体のオキシムブロック体である住友バイエルウレタン社製「デスモジュール(登録商標)BL3175」をOH/NCO=1:1等量で混合し,硬化触媒として,ジブチルチンジラウレートを樹脂固形質量分に対して0.025質量%添加することで,アクリル系クリア塗料を得た。ポリエステル樹脂としては,市販の有機溶剤可溶型/非晶性ポリエステル樹脂である東洋紡績社製「バイロン(登録商標)GK140」を有機溶剤(ソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したもの)に溶解したものを用いた。架橋剤には市販のヘキサ−メトキシ−メチル化メラミンである三井サイテック社製の「サイメル(登録商標)303」をポリエステル樹脂の固形分100質量部に対して15質量部添加し,更に,市販の酸性触媒である三井サイテック社製の「キャタリスト(登録商標)6003B」を0.5質量部添加することで,ポリエステル系クリア塗料を得た。
ルチル型酸化チタンには,平均粒径0.28μm(280nm),密度4.0g・cm−3の石原産業社製「タイペーク(登録商標)CR−95」,平均粒径0.21μm(280nm),密度4.2g・cm−3の石原産業社製「タイペーク(登録商標)CR−63」,平均粒径0.30μm(300nm),密度4.1g・cm−3のテイカ社製「TITANIX(登録商標)JR−301を用いた。他の粒子としては,炭酸カルシウムと樹脂中空粒子を用いた。炭酸カルシウムには,軽質炭酸カルシウムをボールミルで粉砕して,平均粒径0.15μm,0.30μm,0.90μmのものを作成した。樹脂中空粒子には,架橋スチレン−アクリルからなる,平均外径0.30μm(300nm),平均内径0.20μm(200nm),密度0.76g・cm−3のJSR社製の「SX866(A)」を用いた。
(実施例1)
実施例1では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の45vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを47vol%,平均粒径0.30μmの炭酸カルシウムを8vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例2)
実施例2では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の45vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを体積部で47vol%,中空ビーズ(樹脂中空粒子)を8vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例3)
実施例3では,プライマー層として,フッ素樹脂クリア塗料固形分の70vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを30vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が25μmになるようにバーコートで基材に塗装し,最高到達板温210℃で焼き付けた。その上に,中塗り層として,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の45vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを47vol%,中空ビーズ(樹脂中空粒子)を8vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が40μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温210℃で焼き付けた。更にその上に,上塗り層として,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の70vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを30vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が5μmになるようにブレードコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例4)
実施例4では,プライマー層として,フッ素樹脂クリア塗料固形分の70vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを30vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が25μmになるようにバーコートで基材に塗装し,最高到達板温210℃で焼き付けた。その上に,中塗り層として,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の45vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを47vol%,中空ビーズ(樹脂中空粒子)を8vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が40μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温210℃で焼き付けた。更にその上に,上塗り層として,フッ素樹脂クリア塗料固形分の70vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを30vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が5μmになるようにブレードコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例5)
実施例5では,プライマー層として,フッ素樹脂クリア塗料固形分の70vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを30vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が25μmになるようにバーコートで基材に塗装し,最高到達板温210℃で焼き付けた。その上に,中塗り層として,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の45vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを47vol%,中空ビーズ(樹脂中空粒子)を8vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が40μmになるようにブレードコーターで基材に塗装し,焼き付けしないまま,更にその上に,上塗り層として,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の70vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを30vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼付け焼き付け後の膜厚が5μmになるようにブレードコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で二層を同時に焼き付けた。
(実施例6)
実施例6では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の45vol%に対して,平均粒径0.21μmのルチル型酸化チタンを47vol%,平均粒径0.30μmの炭酸カルシウムを8vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例7)
実施例7では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の45vol%に対して,平均粒径0.30μmのルチル型酸化チタンを47vol%,平均粒径0.30μmの炭酸カルシウムを8vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例8)
実施例8では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の30vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを65vol%,平均粒径0.15μmの炭酸カルシウムを5vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例9)
実施例9では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の30vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを65vol%,平均粒径0.90μmの炭酸カルシウムを5vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例10)
実施例10では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の30vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを65vol%,平均粒径0.30μmの炭酸カルシウムを5vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例11)
実施例11では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の40vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを54vol%,平均粒径0.30μmの炭酸カルシウムを6vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(実施例12)
実施例12では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の56vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを36vol%,平均粒径0.30μmの炭酸カルシウムを8vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
(比較例1)
比較例1では,ポリエステル樹脂クリア塗料固形分の45vol%に対して,平均粒径0.28μmのルチル型酸化チタンを55vol%混和して塗料を調合し,塗装できる粘度になるまでソルベッソ150とシクロヘキサノンとを質量比で1:1に混合したものを加えた塗料を,焼き付け硬化後の膜厚が55μmになるようにバーコーターで基材に塗装し,最高到達板温230℃で焼き付けた。
各実施例及び比較例の拡散反射率と照度を評価した結果を表1に示した。
Figure 2007276205
実施例1〜12は,拡散反射率,照度共に良好な結果であった。それに対して,比較例1は,拡散反射率,照度共に目標レベルに達しなかった。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の各実施例および比較例において使用した照度測定装置の模式図である。
符号の説明
1 木製の箱
2 照明器具
3 蛍光灯
4 照度計
5 反射板

Claims (13)

  1. 基材表面の少なくとも一部に被覆層を有し,
    前記被覆層は,平均粒径0.20〜0.40μmのルチル型酸化チタンと,前記ルチル型酸化チタンとは異なる平均粒径0.10〜1.0μmの微粒子と,を含有することを特徴とする,被覆基材。
  2. 前記被覆層中の前記ルチル型酸化チタンの濃度は,35vol%超70vol%未満であることを特徴とする,請求項1に記載の被覆基材。
  3. 前記微粒子は,中空粒子であることを特徴とする,請求項1または2に記載の被覆基材。
  4. 基材表面の少なくとも一部に複数層からなる被覆層を有し,
    前記複数層のうちの少なくとも一層は,請求項1〜3のいずれかに記載の被覆層であることを特徴とする,被覆基材。
  5. 基材表面の少なくとも一部に,少なくともプライマー層,中塗り層および上塗り層の複層構造からなる被覆層を有する被覆基材であって,
    前記プライマー層は,ルチル型酸化チタンを20〜35vol%含有し,
    前記中塗り層は,請求項1〜3のいずれかに記載の被覆層であり,
    前記上塗り層は,ルチル型酸化チタンを0〜35vol%含有し,
    前記積層構造からなる被覆層の中で,前記中塗り層の膜厚が最も厚いことを特徴とする,被覆基材。
  6. 前記プライマー層の主樹脂は,フッ素樹脂であることを特徴とする,請求項5に記載の被覆基材。
  7. 前記上塗り層の主樹脂は,フッ素樹脂であることを特徴とする,請求項5または6に記載の被覆基材。
  8. 前記被覆層全体の膜厚は,100μm未満であることを特徴とする,請求項5〜7のいずれかに記載の被覆基材。
  9. 前記被覆基材は,450nm〜750nmの波長領域における光の拡散反射率の最低値が92.5%以上で,且つ555nmの波長の光の拡散反射率が95%以上であることを特徴とする,請求項5〜8のいずれかに記載の被覆基材。
  10. 前記基材は,金属板であることを特徴とする,請求項1,4又は5に記載の被覆基材。
  11. 基材表面の少なくとも一部に,前記基材側から順に,塗料固形分中にルチル型酸化チタンを20〜35vol%含有したプライマー層用塗料,塗料固形分中にルチル型酸化チタンと他の微粒子を含有した中塗り層用塗料,塗料固形分中にルチル型酸化チタンを0〜35vol%含有した上塗り層用塗料を塗布し,焼き付けることを特徴とする,被覆基材の製造方法。
  12. 前記上塗り層用塗料と前記中塗り層用塗料を同時に焼き付けることを特徴とする,請求項11記載の被覆基材の製造方法。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の被覆基材を使用した電子機器。
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