JP4574271B2 - 粉末状抄紙用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、抄紙用添加剤として使用できる、効果発現や作業性の改善に適した粉末状抄紙用組成物、前記組成物を用いたパルプシートの製造方法、前記製造方法により得られたパルプシートに関する。
地球環境保護の面から、パルプの使用量削減が求められ、その結果、紙の軽量化と古紙パルプの増配合が求められている。しかしながら、単に紙中のパルプ量を削減して得られる紙は、紙が薄くなることによる不透明度低下が起こり、品質の劣るものとなる。
一方、古紙パルプの配合比率を高めると、古紙パルプ中の残インキなどによる白色度の低下や、リサイクル過程でパルプ自体が細くなることなどにより紙厚が低下し、不透明度低下が起こる。
軽量化による厚さの低下を防止することを目的として、種々の嵩向上方法が試みられており、架橋パルプを用いる方法、合成繊維と混抄する方法、パルプ繊維間に無機物などの充填物を満たす方法、空隙をもたらす方法などが知られているが、これらの方法では、パルプのリサイクルが不可能であったり、紙の平滑度が損なわれたりする。
一方、不透明度、白色度を向上させるために、炭酸カルシウム、カオリン、ホワイトカーボンなどの無機填量を多量(例えば5〜20質量%)に添加する方法が当業界で実施されている。しかしながら、単に無機填量を多量に添加すると紙の重量増加が著しく、たとえパルプ量を削減して無機填量を添加しても、紙の軽量化を達成できない。特に古紙パルプに無機填量を添加する場合は多量必要となり、紙の軽量化は益々困難となる。
最近では、抄紙工程へ添加して紙の嵩高性を向上させる嵩高剤(特許文献1)が開示されているが、より作業性や効果の高い嵩高剤が望まれている。また、内添サイズ剤のロジンサイズ剤やアルケニル無水コハク酸サイズ剤等も固形分濃度が20質量%程度であったり、固体であっても加熱溶解や乳化等の工程が必要となり、高濃度化や作業性の向上が望まれている。
特許第2971447号公報 WO98/03730 特開2001−40098号公報
本発明は、従来の抄紙用添加剤と同等以上の効果を発現し、作業性を向上できる粉末状抄紙用組成物、前記組成物を用いたパルプシートの製造方法、前記製造方法により得られたパルプシートを提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、抄紙用添加剤に用いられる疎水性有機化合物(A)と乳化・分散剤(B)とを含有し、平均粒子径が0.1〜2000μmである、粉末状抄紙用組成物、前記組成物を用いたパルプシートの製造方法、前記製造方法により得られたパルプシートを提供する。
本発明の粉末状抄紙用組成物を用いることにより、加熱溶解や乳化等の前工程を必要とせず、嵩高性やサイズ性等の紙質向上と作業性を改善できる。特に、最近抄紙薬剤として用いられるようになってきた嵩高剤用途に有効である。
<(A)成分>
(A)成分の疎水性有機化合物は、本発明の効果を得る上で紙質向上剤として作用するものであり、内添サイズ剤や消泡剤等が挙げられるが、特に嵩高剤として適したものである。本発明における「嵩高剤」とは、紙の嵩を高める(密度を小さくする)ように作用する成分を意味するものであり、具体的には、実施例において示された「緊度」を小さくできるものである。
(A)成分の疎水性有機化合物は、パルプに対して1.0質量%添加したときに、化合物無添加の紙よりも緊度を0.02以上小さくできる化合物が好ましく、特に0.03以上小さくできる化合物が好ましく、更に0.05以上小さくできる化合物が好ましい。
(A)成分の疎水性有機化合物としては、下記(i)〜(viii)からなる群より選ばれる1種以上の化合物が好ましく、サイズ性能の点から、20℃で固体状態のものが好ましい。固体状態とは、融点以下の状態にあるもの、或いは融点を超える状態であっても、流動性を持たないか、著しく流動性が低下した状態にあるものを意味する。
また(A)の疎水性有機化合物は、1.0質量%濃度になるように水に添加・攪拌した後(途中で100℃以下に加温しても良い)、20℃に維持した場合に均一透明にならないものが好ましい。
ここで「均一透明にならないもの」とは、系全体が一様(沈殿物や浮遊物がない状態)でないものか、一様であっても20℃での(A)成分1.0質量%水溶液の可視光660nmにおける光路10mmでの透過率(T%)が、水を100%としたときに5%以下であるものを意味する。
(i)オルガノポリシロキサン化合物
25℃の粘度が10〜1,000,000mPa・sのメチルポリシロキサン、グリフィン法によるHLBが1〜14のポリオキシエチレンメチルポリシロキサン共重合体、HLBが1〜14のポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体などが挙げられる。
(ii)アミン化合物、(iii)アミン酸塩化合物、(iv)4級アンモニウム化合物、(v)イミダゾール化合物
下記一般式(b)〜(j)で示される化合物などが挙げられる。なお、アミン酸塩はイオン化したものも、イオン化してないものも含む。
〔式中、
Y,Y:互いに同一又は相異なって、水素原子、R、RCO-、-(AO)-COR又は-(AO)-H
AO:炭素数2〜4のアルキレンオキシド
Y:水素原子又は-COR
R:炭素数8〜35のアルキル基、アルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基である
R,R,R,R:炭素数7〜35のアルキル基、アルケニル基又はβ−ヒドロキシアルキル基
R,R:水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基
R,R:炭素数1〜3のアルキル基
R10:水素原子又はR
n:1〜20の数で平均モル数
X:陰イオン〕
(vi)炭化水素化合物
ワックス、パラフィン、ポリエチレンなどが挙げられる。
(vii)アルコール化合物
炭素数6〜22の直鎖又は分岐鎖の1価アルコール、多価アルコール、又はこれらの炭素数2〜4のオキシアルキレン基付加物等が挙げられる。更に、前記アルコールの末端の一部又は全部にアルキル基が付加されたエーテル化合物も含まれる。
多価アルコールは、エーテル基を含んでいてもよい総炭素数2〜24の2〜14価アルコールが好ましく、2〜8価アルコールがより好ましく、3〜6価アルコールが特に好ましい。
2価アルコールとしては、エーテル基を含んでいてもよい総炭素数2〜10のもの、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ジブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
3価以上のアルコールとしては、エーテル基を有していてもよい総炭素数3〜24のアルコールで、1分子中の総水酸基数/総炭素数=0.4〜1であるもの、例えばグリセリン、ポリグリセリン(平均縮合度2〜5)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、アラビトール、ソルビトール、スタキオース、エリトリット、アラビット、マンニット、グルコース、ショ糖などが挙げられる。
より好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、エーテル基を有していてもよい総炭素数3〜12のアルコールで、1分子中の水酸基数/総炭素数=0.5〜1である3価以上のアルコールである。特に好ましくはグリセリン、ポリグリセリン(平均縮合度2〜4)、ペンタエリスリトールである。
(viii)その他の化合物
脂肪酸、脂肪酸とアルコールのエステル、脂肪酸アミド、脂肪酸アミドアミン、又はこれらの炭素数2〜4のオキシアルキレン基付加物、ロジン、アルケニル無水コハク酸などが挙げられる。これらの中でも、脂肪酸、脂肪酸とアルコールのエステルが好ましい。
脂肪酸は、炭素数1〜24、好ましくは炭素数10〜22の脂肪酸が挙げられ、飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖の何れでもよく、特に直鎖脂肪酸が好ましい。更に好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸であり、特にステアリン酸が好ましい。
脂肪酸とアルコールのエステルに用いられる脂肪酸は前記のものが挙げられ、アルコールの具体例としては、(vii)アルコール化合物において例示したものが挙げられる。
これらのエステルは、公知のエステル化反応及びアルキレンオキシド付加反応により、得ることができる。例えば、脂肪酸と多価アルコールの混合物に、要すればエステル化触媒を添加し、150〜250℃で反応させることによりエステルが得られ、更にアルカリ触媒などの存在下に炭素数2〜4のアルキレンオキシドを付加することにより、アルキレンオキシド付加エステルが得られる。また、脂肪酸あるいは多価アルコールにアルキレンオキシドを付加後、エステル化してもよい。更に、脂肪酸にアルキレンオキシド付加のみを行って得られる場合もある。
このエステルのエステル平均置換度は、好ましくは1モルの多価アルコール当たり、アルコール中のOHが10〜95当量%置換されたものであり、特に好ましくは1モルの多価アルコール当たり1〜2モルのエステル基を有するものである。
アルキレンオキシド付加エステルを用いる場合、アルキレンオキシド(AO)の平均付加モル数は、エステル1モル当たり平均で0モル超12モル未満であり、0.1〜6モルが好ましい。なお、エチレングリコールなどのようにAO基となり得る多価アルコールを使用した場合においては、それらもAO基の数に算入する。アルキレンオキシドは、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)が好ましい。これらはEO、POの単独あるいはEOとPOの混合の何れでもよい。本発明では、AO基を含まない多価アルコールと脂肪酸のエステルを用いることが特に好ましい。
特にグリセリン、ポリグリセリン(平均縮合度2〜4)、ペンタエリスリトールから選ばれるアルコールとステアリン酸とのエステル化合物が好ましい。
<(B)成分>
(B)成分の乳化・分散剤は、(A)成分の疎水性有機化合物を安定に乳化・分散させるためのものである。
(B)成分の乳化・分散剤は、(A)成分とは異なる化合物であって、カチオン基を有する高分子化合物;アルコール系、脂肪酸系及びエステル系の非イオン界面活性剤;カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系の陰イオン界面活性剤;4級アンモニウム塩などの陽イオン界面活性剤;アミノ酸、ベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。これらの中でもカチオン基を有する高分子化合物から選ばれる1種以上の化合物が好ましく、具体的には、カチオン基を有する天然高分子化合物、非イオン性モノマー単位とカチオン性モノマー単位を含む重合体が好ましい。高分子化合物の重量平均分子量は、1万以上が好ましい。
カチオン基を有する天然高分子化合物としては、例えば、カチオン化(両性)澱粉、カ チオン化(両性)セルロース、カチオン化(両性)ポバール、カチオン化(両性)グァムが挙げられる。これらの中でもカチオン化(両性)澱粉が好ましい。
カチオン化(両性)澱粉における澱粉は、例えばトウモロコシ澱粉、バレイショ澱粉、小麦澱粉及びタピオカ澱粉等の天然澱粉のほか、変性澱粉が挙げられる。変性澱粉は、「紙と加工の薬品事典」(テックタイムス発行、1991年)の36〜37頁に記載されている、澱粉に物理的及び/又は化学的処理を施した加工澱粉のことであり、特に、例えば次亜塩素酸ソーダや過よう素酸塩等の酸化剤で処理した酸化澱粉や、例えば3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド又はジエチルアミノエチルクロライド塩酸塩等のカチオン性基を分子中に導入したカチオン化澱粉が好ましい。なお、「紙と加工の薬品事典」の283頁にあるように、上記カチオン化澱粉に更にリン酸基を導入した変性澱粉を両性澱粉と呼ぶことがあるが、本発明ではこれもカチオン化澱粉に含むものとする。
カチオン化(両性)澱粉のカチオンの置換度は0.005〜0.1が好ましく、0.01〜0.08が更に好ましい。なお、カチオン化(両性)澱粉のカチオンの置換度は、カチオン化(両性)澱粉を構成するグルコース残基1個が有する全水酸基のうち、カチオン基が導入された水酸基数の平均値のことであり、全水酸基に導入された場合は3になる。
非イオン性モノマー単位とカチオン性モノマー単位を含む重合体は、非イオン性の不飽和モノマーと不飽和カチオン性モノマーを用いた重合体が好ましい。
非イオン性の不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜40、好ましくは炭素数2〜24のアルキルエステル、ビニルアルコールの炭素数1〜40、好ましくは炭素数2〜24のアルキル酸エステル、炭素数2〜40、好ましくは炭素数3〜24のアルキル変性(メタ)アクリルアミド、炭素数2〜40、好ましくは炭素数3〜24のアルコキシ変性(メタ)アクリルアミド、マレイン酸の炭素数1〜40のモノ又はジアルキルエステル、フマル酸の炭素数1〜40のモノ又はジアルキルエステル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、アルコキシポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールアルケニルエーテル、アルコキシポリアルキレングリコールアルケニルエーテルなどが挙げられる。これらの中でも(メタ)アクリル酸の炭素数2〜24のアルキルエステルが好ましく、特に(メタ)アクリル酸の炭素数10〜24のアルキルエステルが好ましい。
カチオン性モノマーとしては、不飽和モノマーが好ましく、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン;又はこれらの塩酸、硫酸、酢酸、燐酸などの無機酸、有機酸の塩類、もしくはメチルハライド(クロライド、ブロマイドなど)、エチルハライド(クロライド、ブロマイドなど)、ベンジルハライド(クロライド、ブロマイドなど)、ジアルキル(メチル、エチルなど)硫酸、ジアルキル(メチル、エチルなど)炭酸、エピクロロヒドリンなどの四級化剤との反応によって得られる四級アンモニウム塩を含有するビニルモノマーが使用される。なお、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミンは共重合した後、塩酸、硫酸、酢酸、燐酸などの無機酸、有機酸の塩類で処理することによっても用いることができる。これらの中でも、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの四級化剤との反応によって得られる四級アンモニウム塩が好ましい。
非イオン性モノマーとカチオン性モノマーの重合方法は特に限定されず、例えば重合開始剤を用いての溶液重合や塊状重合などの公知の重合方法を採用できる。重合方法は、回分式でも連続式でも行なうことができる。
非イオン性モノマーの使用量は、全モノマーに対して0.5〜84モル%が好ましく、3〜84モル%がより好ましく、5〜70モル%がより好ましく、5〜60モル%が特に好ましく、5〜50モル%が更に好ましい。カチオン性モノマーの使用量は、5〜99.5モル%が好ましく、5〜97モル%がより好ましく、30〜95モル%がより好ましく、40〜95モル%が特に好ましく、50〜95モル%が更に好ましい。非イオン性モノマー単位が炭素数12のメタクリル酸エステルの場合に特に好ましい。
非イオン性モノマー単位が炭素数16〜24のメタクリル酸エステルの場合には、非イオン性モノマーの使用量は、全モノマーに対して0.5〜84モル%が好ましく、0.5〜25モル%がより好ましく、1〜10モル%が特に好ましく、2〜5モル%が更に好ましい。カチオン性モノマーの使用量は、5〜99.5モル%が好ましく、75〜99.5モル%がより好ましく、90〜99モル%が特に好ましく、95〜98モル%が更に好ましい。
他のモノマーとして、架橋性モノマーを併用できる。架橋性モノマーとしては、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリル(メタ)アクリルアミドなどの2官能型架橋性モノマー、あるいは、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンアクリレート、トリアクリルホルマール、ジアクリロイルイミドなどの多官能型架橋性モノマーなどが挙げられる。
架橋性モノマーを併用する場合の使用量は、全モノマーに対して0.001〜5モル%が好ましく、0.01〜1モル%がより好ましく、0.05〜0.5モル%が特に好ましい。
また、必要に応じて重合時に使用する溶媒は公知のものでよく特に限定されないが、例えば水;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素類;酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;などが挙げられる。特に単量体混合物及び得られる共重合体の溶解性の点から、水および炭素数1〜4の低級アルコールよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾイソブチロニトリル、2,2’アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドなどのパーオキシド;などを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。この際、促進剤として亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、モール塩、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸などの還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシンなどのアミン化合物;などの1種又は2種以上を併用することもできる。
連鎖移動剤も必要に応じて使用できる。連鎖移動剤としては、公知のものを使用でき特に限定されないが、例えばメルカプトエタノール、メルカプトグリセリン、メルカプトコハク酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチルエステル、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタン、デカントリチオール、ドデシルメルカプタン、ヘキサデカンチオール、デカンチオール、四塩化炭素、四臭化炭素、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、2−アミノプロパン−1−オールなどを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
重合温度は、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤により適宜定められるが、通常0〜150℃の範囲内で行なわれる。
重合後に得られた反応物から減圧乾燥などにより溶媒を抽出し、粉砕などの操作によって重合体の分離操作を行っても良い。
(B)成分として用いられる非イオン界面活性剤としては、アルコール系、脂肪酸系及びエステル系が挙げられ、例えば、炭素数8〜24のアルコールや脂肪酸、エステルに炭素数2〜4のオキシアルキレン基を付加したものが挙げられる。
(B)成分として用いられる陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系及びリン酸エステル系が挙げられ、例えば、炭素数8〜24のアルキル基を有するカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
(B)成分として用いられる陽イオン界面活性剤としては、4級アンモニウム塩等が挙げられ、例えば、炭素数8〜24のアルキル基を有する塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
(B)成分として用いられる両性界面活性剤としては、アミノ酸、ベタイン等が挙げられ、例えば、アルキルトリメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイド、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
<(C)成分>
(C)成分の水溶性糖類は必要に応じて配合される成分で、(A)成分、(B)成分とは異なる化合物であって、賦形性を向上させ、粉末形状を形成し易くするための成分である。
(C)成分の水溶性糖類は、水に接触した場合に速やかに溶解する糖類が好ましく、例えば、グルコース、果糖、乳糖、麦芽糖、蔗糖、デキストリン、マルトース、フルクトース、プルランが挙げられ、そのほかもにソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールが挙げられる。これらは2種以上を組み合わせてもよい。これらの中でも、溶解性、吸湿性、粒子形成性の観点から、デキストリンが好ましい。
<粉末状抄紙用組成物>
本発明の組成物は、(A)及び(B)成分、必要に応じて(C)成分及びその他の成分を含有するものである。
(A)成分の含有量は、本発明の組成物中に好ましくは20〜99.99質量%、より好ましくは40〜99.99質量%、更に好ましくは50〜99.99質量%である。
(B)成分の含有量は、本発明の組成物中に好ましくは0.01〜80質量%、より好ましくは0.01〜60質量%、更に好ましくは0.01〜50質量%である。
(C)成分を配合する場合の含有量は、本発明の組成物中に好ましくは5〜70質量%、より好ましくは7〜60質量%、更に好ましくは10〜50質量%である。
(C)成分を配合する場合の配合比率(質量比)は、好ましくは〔(A)+(B)〕/(C)が95/5〜30/70、より好ましくは95/5〜50/50、更に好ましくは90/10〜50/50である。
本発明の組成物は、水への分散性を高めるため、平均粒子径が0.1〜2000μm、好ましくは1〜1000μm、より好ましくは10〜700μm、更に好ましくは20〜500μmである。
平均粒子径は、堀場製作所(株)製のLA−910を用い、光散乱法(相対屈折率:1.20、粒子径基準:体積)により測定される値である。なお、測定時の分散媒は、(C)成分を含有しない組成のものには水を用い、(C)成分を含有する組成のものにはエタノールを用いる。但し、どちらにおいても平均粒子径が50μmを超える値が得られたものについては、大きい粒子が沈降等によりうまく測定されていない可能性があるため、JIS K−3362に規定された乾式篩分法を用いる。乾式篩分法により測定される平均粒子径は質量基準となるが、その値を用いる。
後述の噴霧乾燥を用いる場合は、水への分散性と粉末の収率の点から、平均粒径20〜500μmが好ましい。
本発明の組成物は、各成分に対して、必要に応じて、乳鉢等を用いて粉砕して粒径を調整し、ドライブレンドする方法、各成分を含む乳液を噴霧乾燥(好ましくは100〜200℃)する方法、各成分を含む乳液を凍結乾燥する方法を適用して製造することができる。
本発明の組成物は、(A)及び(B)成分の併用系では、それぞれが均一に混合された粉末粒子の形態であることが好ましく、(A)、(B)及び(C)成分の併用系では、(C)成分中に、(B)成分の作用により均一分散された(A)成分が(C)成分により包み込まれた状態の粉末粒子((C)成分が粉末粒子の皮膜を形成している)の形態が好ましい。
本発明の組成物に含まれる粉末粒子は、製造工程において乾燥処理をすることで、内部に中空部を有するものを製造することが好ましく、特に粉末粒子の中心部付近に中空部を有するものが好ましい。このような中空部を有する粉末粒子の形態にすることにより、水に分散させたときの崩壊性が高められ、水への分散性が高められるので好ましい。
本発明の組成物は、(A)及び(B)成分、又は(A)、(B)及び(C)成分を含有すること、所定粒子径範囲の粉末状であること、更には中空構造にできることから、常温(20〜30℃)における水への分散性が非常に高く、分散性を高めるための温水の使用が不要となり、ラインミキサー等の乳化設備が不要となるため、製造工程が簡略化でき、生産性が大幅に向上される。
<パルプシートの製造方法及びパルプシート>
本発明のパルプシートの製造方法は、公知の紙の製造工程中において、本発明の組成物を直接パルプスラリーに添加する、又は予め水に分散させたものをパルプスラリーに添加する方法である。
本発明の製造方法は、サーモメカニカルパルプ(TMP)などの機械パルプ、広葉樹晒パルプ(LBKP)などの化学パルプなどのヴァージンパルプ、古紙パルプなどのパルプ原料、これらの混合原料に広く適用できる。
本発明の製造方法において、組成物は、パルプシートの製造における抄紙工程以前のパルプスラリーや使用水中に添加される(内添)。その添加場所は、パルプ原料の稀薄液が金網上を進む間に濾水されて紙層を形成する抄紙工程以前で、ミキシングチェスト、種箱、マシンチェストやヘッドボックスや白水タンクなどのタンク、あるいはこれらの設備と接続された配管中(ファンポンプ等)に添加してもよいが、ミキシングチェスト、種箱、マシンチェスト、ファンポンプで添加するなど、均一にパルプ原料にブレンドできる場所が望ましい。
本発明では、必要に応じて、サイズ剤、填料、歩留り向上剤、濾水性向上剤、紙力向上剤、硫酸アルミニウム、アクリルアミド基を有する化合物、ポリエチレンイミンなどの定着促進剤(パルプへの定着促進剤)などを併用してもよいが、これらの成分は、パルプシートの製造工程において、本発明の組成物とは別に添加することが望ましい。
本発明の製造方法において、組成物は、パルプ原料100質量部に対して0.01〜5質量部の添加、特に0.1〜2質量部の少量添加した場合でも、紙質の向上効果を示し、また作業性が改善される。
また、本発明の製造方法を適用して得られたパルプシートは、紙パルプ技術便覧(紙パルプ技術協会発行、455〜460頁、1992年)に記載された品目分類の中の新聞巻取紙、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙などの紙、又は板紙に好適に用いられる。
<粉末状抄紙用組成物の製造>
表1〜表4に示す本発明品及び比較品の各成分を用い、下記のとおりの異なる粉末化法を適用して製造した。
1)粉砕、ドライブレンド:各成分をドライブレンドした後、乳鉢により粉砕して、ふるいにより分級して粒子径を調整した;
2)噴霧乾燥:各成分を水に均一乳化させたものを140〜200℃で噴霧乾燥(RA-302MZ,アシザワ・ニロアトマイザー(株)製)した;
3)凍結乾燥法:各成分を混合し、凍結したものを減圧下で保持し、凍結乾燥(FREEZEDRYER FDV-540,東京理化器械(株)製)した;
4)粉砕のみ(比較品6〜8):乳鉢により粉砕処理のみをしたもの;
比較品5は室温で液体品。
なお、表1の実施例3の粉末の断面写真(走査型電子顕微鏡写真)を図1に示す。図1のSEM写真からは、粉末の中心部に中空部が存在し、残部残面は、微細孔を有する緻密な構造であることが確認できた。
<粉末状抄紙用組成物を用いた抄紙方法>
1質量%のLBKPパルプスラリーを、抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように量りとり、攪拌下、硫酸アルミニウム0.5質量%(対パルプ量)、カチオン化澱粉としてCato302(日本エヌエスシー(株)製)0.3質量%、アルキルケテンダイマーサイズ剤としてサイリーン−94(花王(株)製)0.2質量%、軽質炭酸カルシウムとしてホワイトンPC(白石工業(株)製)15質量%を順次添加した後、パルプ濃度0.5質量%に希釈した。
更に表1〜表4に示す添加方法により、攪拌下、室温(20-25℃)にて、本発明品及び比較品の組成物を(A)成分の量でパルプに対して1.0質量%になるように添加し、歩留まり剤としてパーコール47(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.015質量%を添加した。添加方法は、粉末状抄紙用組成物を水希釈することなく、そのままパルプに添加する方法と、水希釈による方法で行った。水希釈法による添加方法は、(A)、(B)、(C)成分の合計で1質量%の水溶液を調製し、この水溶液を(A)成分が1.0質量%となる量添加した。
これを丸型タッピー抄紙機にて150メッシュワイヤーで抄紙し、湿紙を得た後、湿紙の両面を各2枚ずつのアドバンテック製No.26丸型濾紙で挟み、3.5kg/cmで5分間プレスし、鏡面ドライヤーを用いて105℃で2分間乾燥した。乾燥されたシートを、23℃、50%RHの条件で1日間調湿した後、表1〜表4に示す各項目の測定をした。
<サイズ剤無添加でのサイズ性評価用抄紙方法>
1質量%のLBKPパルプスラリーを抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように 量りとり、表1〜表3に示す添加方法により、攪拌下、室温(20-25℃)にて、本発明品及び比較品の組成物を(A)成分の量でパルプに対して1.0質量%になるように添加した。
これを丸型タッピー抄紙機にて150メッシュワイヤーで抄紙し、湿紙を得た後、湿紙の両面を片面に2枚ずつのアドバンテック製No.26丸型濾紙で挟み、3.5kg/cmで5分間プレスし、鏡面ドライヤーを用いて105℃で2分間乾燥した。乾燥されたシートを、23℃、50%RHの条件で1日間調湿した後、紙のサイズ性を測定した。
<透過率>
組成物の1.0質量%水溶液における20℃、可視光660nm、光路10mmでの透過率(%)。
<平均粒子径測定法>
「発明を実施するための最良の形態」に記載した条件により、堀場製作所(株)製のLA−910を用いた光散乱法又は乾式篩分法により測定した。
<収率測定法>
噴霧乾燥機に送液する乳液中の固形分量〔(A)、(B)及び(C)成分の合計量〕と、得られた粉末量から算出した。
<水への分散性>
100gの水(25℃)に本発明品及び比較品1gを室温(20-25℃)にて添加し、DCスターラーにて1時間攪拌したときの状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。なお、粗大粒子は、肉眼で確認できる粒子である。
◎:均一に分散しており、粗大粒子が確認できない。
○:均一に分散しているが、粗大粒子が確認できる。
△:沈殿等があり均一分散しておらず、粗大粒子が確認できる。
×:分散しない。
<緊度>
紙の坪量(g/m)と厚み(μm)を測定し、次式:坪量/厚みにより、緊度(g/m)を求める。緊度は、絶対値が小さいほど嵩が高く、緊度の0.02の差は有意差として十分に認識されるものである。
<白色度>
JIS P8123のハンター白色度により測定した。
<不透明度>
JIS P8138Aにより測定した。
<サイズ性>
JIS P8122−54の紙のステキヒトサイズ度試験方法で行った。
<オイルスポット判定法>
目視にて、紙に油滴状の汚れの有無を観察した。
<消泡性>
1質量%のLBKPパルプスラリーを、抄紙後のシートの坪量が80g/mになるように量りとり、攪拌下、硫酸バンド0.5質量%(対パルプ量)、カチオン化澱粉としてCato302(日本エヌエヌシー(株)製)0.3質量%、AKDサイズ剤としてサイリーン−94(花王(株)製)0.2質量%、軽質炭酸カルシウムとしてホワイトンPC(白石工業(株)製)15質量%を順次添加した後、パルプ濃度0.5質量%に希釈した。
更に攪拌下、歩留まり剤としてパーコール47(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.015質量%を添加し、インレットスラリーを得た。これを丸型タッピー抄紙機にて150メッシュワイヤーで抄紙し、その濾液(白水)を採取した。
このインレットスラリー及び白水(合計で100g)を別々に有栓メスシリンダー(容量250ml)に入れ、40℃に加温した。本発明の組成物を(A)成分の量で0.1g添加し、有栓メスシリンダーを手で約30秒間激しく振とうさせた直後の泡立ちを、本発明品を添加しないものと比較した。
○:泡量10ml未満
△:泡量10ml以上30ml未満
×:泡量30ml以上
表1〜表4中の(A)、(B)、(C)成分の詳細は下記のとおり;
(A)成分
A−1:ペンタエリスリトールステアレート(エステル平均置換度45当量%)
A−2:長鎖脂肪酸ポリアミドポリアミン(MW=3000〜4000)
ポリエチレンイミン(MW=1000)と花王(株)製のルナックS-40(モル比1/7)を反応させて得られた化合物に、エピクロルヒドリン(モル比1/3)を滴下して得たもの
A−3:ジステアリルアミン
A−4:エチレングリコールモノベヘネート
A−5:ペンタエリスリトールモノオレエート(エステル平均置換度45当量%)
A−6:ステアリルアルコールPO付加物(PO=10モル)
A−7:オレイン酸
A−8:牛脂
A−9:硬化ヒマシ油
A−10:ラウリルアルコールEO付加物(EO=15モル)
A−11:ステアリルアルコールEO/PO付加物(EO24/PO18のランダム付加物)
A−12:KB−115(花王(株)製)(主成分:多価アルコールの脂肪酸エステル)
A−13:ロジン(ハリマ化成工業社製,ハートールR-WW)
A−14:アルケニル無水コハク酸
三菱化学社製のダイアレン168と無水マレイン酸とをモル比3/2で付加反応させて得られたもの
A−15:メチルポリシロキサン(信越シリコーンKF96A-1000)
A−1からA−12は嵩高剤、A−13、A−14はサイズ剤、A−15は消泡剤に該当する化合物である。
(B)成分
B−1:セチルトリメチルアンモニウム塩酸塩
B−2:ドデシル硫酸ナトリウム
B−3:カチオン化澱粉(Cato308,日本エヌエスシー(株)製)
B−4:オクテニルコハク酸澱粉(エマルスター#30A,松谷化学工業(株)製)
B−5:シュガーエステル(リョートーシュガーエステルS-270,三菱化学フーズ(株)製)
B−6:合成例1
B−7:合成例2
B−8:合成例3
B−9:合成例4
B−10:合成例5
B−11:合成例6
B−12:モノマー(I)をステアリルメタクリレートに代え、(I)/(II)モル比を2/98にかえた以外は、合成例5と同様にして得られたもの。
B−13:モノマー(I)をステアリルメタクリルレートに代え、(I)/(II)モル比を3/97にかえた以外は、合成例5と同様にして得られたもの。
B−14:モノマー(I)をステアリルメタクリルレートに代え、(I)/(II)モル比を5/95にかえた以外は、合成例5と同様にして得られたもの。
B−15:モノマー(I)をベヘニルメタクリルレートに代え、(I)/(II)モル比を2/98にかえた以外は、合成例5と同様にして得られたもの。
B−16:モノマー(I)をベヘニルメタクリルレートに代え、(I)/(II)モル比を3/97にかえた以外は、合成例5と同様にして得られたもの。
B−17:モノマー(I)をベヘニルメタクリルレートに代え、(I)/(II)モル比を4/96にかえた以外は、合成例5と同様にして得られたもの。
B−6〜B−11は、下記表5に示す合成例1〜6により得られたもの。
各合成例における合成方法は、次の方法に準じて行った。温度計、撹拌機、滴下ロート、窒素導入管、及び還流冷却器を備えたガラス製反応容器に、溶媒(III)、溶媒(IV)、モノマー(I)、モノマー(II)を仕込み窒素置換を行った。続いて窒素雰囲気下で重合温度まで昇温した後、2%−開始剤(V)のエタノール溶液を90分かけて滴下した。次に同温度で1〜6時間(VI)熟成した後、2%−開始剤(VII)のエタノール溶液を30分かけて滴下し、滴下後同温度で0〜5.5時間(VIII)熟成させた後、冷却し、共重合体溶液を得 た。
(C)成分
C−1:デキストリン(パインデックス#2,松谷化学工業(株)製)
実施例3で得られた粉末の走査型電子顕微鏡写真による断面図。

Claims (6)

  1. 抄紙用添加剤に用いられる疎水性有機化合物(A)乳化・分散剤(B)、水溶性糖類(C)とを含有し、前記(A)、(B)及び(C)成分が下記のものであり、
    組成物中の(C)成分の配合比率(質量比)が、〔(A)+(B)〕/(C)が95/5〜30/70を満たす範囲であり、
    粉砕して粒径を調整し、ドライブレンドする方法、各成分を含む乳液を噴霧乾燥する方法又は各成分を含む乳液を凍結乾燥する方法を適用して製造された、平均粒子径が0.1〜2000μmの粉末粒子である、粉末状抄紙用組成物。
    疎水性有機化合物(A)
    下記(i)〜(viii)からなる群より選ばれる1種以上の化合物である。
    (i)オルガノポリシロキサン化合物
    (ii)アミン化合物
    (iii)アミン酸塩化合物
    (iv)4級アンモニウム化合物
    (v)イミダゾール化合物
    (vi)炭化水素化合物
    (vii)アルコール化合物
    (viii)脂肪酸、脂肪酸とアルコールのエステル、脂肪酸アミド、脂肪酸アミドアミン、又はこれらの炭素数2〜4のオキシアルキレン基付加物、ロジン、アルケニル無水コハク酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
    乳化・分散剤(B)
    カチオン化(両性)澱粉、カチオン化(両性)セルロース、カチオン化(両性)ポバール、カチオン化(両性)グァムから選ばれるカチオン基を有する天然高分子化合物と、非イオン性モノマー単位とカチオン性モノマー単位を含む重合体から選ばれるもの
    水溶性糖類(C)
    グルコース、果糖、乳糖、麦芽糖、蔗糖、デキストリン、マルトース、フルクトース、プルランから選ばれるもの
  2. 平均粒子径が0.1〜2000μmの粉末粒子が各成分を含む乳液を噴霧乾燥する方法で製造されたものであり、
    前記平均粒子径が0.1〜2000μmの粉末粒子が、(B)成分の作用により均一分散された(A)成分が(C)成分により包み込まれた状態のものである請求項1記載の粉末状抄紙用組成物。
  3. 平均粒子径が0.1〜2000μmの粉末粒子が各成分を含む乳液を噴霧乾燥する方法で製造されたものであり、
    前記平均粒子径が0.1〜2000μmの粉末粒子が内部に中空部を有しているものである請求項1記載の粉末状抄紙用組成物。
  4. 乳化・分散剤(B)が、非イオン性モノマー単位とカチオン性モノマー単位を含む重合体であり、前記非イオン性モノマー単位が、(メタ)アクリル酸の炭素数2〜24のアルキルエステルに由来するものであり、前記カチオン性モノマー単位が、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの四級化剤との反応によって得られる四級アンモニウム塩に由来するものであり、
    水溶性糖類(C)がデキストリンである請求項1〜3のいずれか1項記載の粉末状抄紙用組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の粉末状抄紙用組成物を、直接パルプスラリーに添加する又は水に分散させたものをパルプスラリーに添加するパルプシートの製造方法。
  6. 請求項記載の製造方法により得られたパルプシート。
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