JP2000178896A - 乳化組成物 - Google Patents

乳化組成物

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JP2000178896A
JP2000178896A JP10358164A JP35816498A JP2000178896A JP 2000178896 A JP2000178896 A JP 2000178896A JP 10358164 A JP10358164 A JP 10358164A JP 35816498 A JP35816498 A JP 35816498A JP 2000178896 A JP2000178896 A JP 2000178896A
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emulsifier
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JP10358164A
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Yoshihiro Kawaguchi
芳広 川口
Yasuo Sekine
康雄 関根
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Katayama Chemical Inc
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Katayama Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性の観点から、合成界面活性剤を配合し
ないで、均一かつ長期間安定で、取扱い性や作業性が良
好なO/W型エマルションである、セルロース繊維およ
びその製品に柔軟性と保湿性を付与しうる乳化組成物を
提供することを課題とする。 【解決手段】 セルロース繊維もしくはその製品に柔軟
性を付与しうる油性成分ならびに保湿性を付与しうる水
溶性成分と、水と乳化剤とからなり、乳化剤が、穀物蛋
白質の部分分解物であって、分解後の重量平均分子量M
wが約5,000〜約90,000で、かつMwと分解
前の重量平均分子量Moとの比率(Mw/Mo)が0.
04〜0.72である穀物蛋白質部分分解物であること
を特徴とするO/W型の乳化組成物により、上記の課題
を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】この発明は、乳化組成物に
関する。さらに詳しくは、この発明は、セルロース繊維
もしくはその製品に柔軟性(肌触り感)と保湿性(シッ
トリ感)を付与しうる乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、低コスト化の実現によりトイレッ
トペーパー、ティッシュペーパー、紙おむつおよびペー
パータオルなどの家庭用の紙製品や不織布のような繊維
ウエブの消費量が増加している。そして、セルロース繊
維を原料とするこれらの製品の使用目的の多様化に伴っ
て、高機能・高付加価値の製品開発が望まれている。例
えば、ティッシュペーパーについては、紙粉の発生を抑
え、かつ柔軟性とシットリ感を付与することが望まれて
いる。特に、このようなティッシュペーパーは、花粉症
や鼻炎などの患者にとって、衛生的で、かつ洟をかむと
きの不快感を解消できるという機能を有する。
【0003】ティッシュペーパーに柔軟性とシットリ感
を付与するためには、製造時に柔軟剤を使用することが
知られている。柔軟剤としては、多価アルコール、脂肪
酸エステル、パラフィン乳化物、ワックスエマルション
および第4級アンモニウム塩などが用いられている。ま
た、最近では、ティッシュペーパーにシルキーな感触と
マット感をもたせるために、シリコーン系の成分も使用
されている。
【0004】例えば、特開平10−23988号公報に
は、パーム油のような植物油、界面活性剤、2価および
3価の水溶性多価アルコールの配合組成物に1〜5部の
水分を添加し、さらに抗菌剤を添加した保湿および柔軟
性に優れたティッシュペーパー用組成物が開示されてい
る。また、特開平10−226986号公報には、炭化
水素類、植物油、ロウ類、高級アルコール類のうち1種
以上の油類物質と、水溶性ワックスとを含み、さらに保
湿剤や脂肪酸類、シリコーン類および界面活性剤を含む
紙製品が開示されている。
【0005】一方、特定の穀物蛋白質部分分解物が、安
全性の高い界面活性剤として、マヨネーズやドッレシン
グなどの乳化油性食品の安定化剤として知られている
(特公平6−91793号公報および特許掲載公報第2
512521号参照)。また、この穀物蛋白質部分分解
物を、皮膚および毛髪に潤いを与える保湿剤として、シ
ャンプーやリンスなどに配合することも提案されている
(特開平3−206015号公報参照)。
【0006】ティッシュペーパーをはじめとする家庭
用、衛生用、食品用などの紙製品および繊維ウェブにお
いて、皮膚、粘膜、食品などに直接接触するものについ
ては、高い安全性が求められる。上記の公知文献に記載
されている柔軟剤では、柔軟性などの性能付与のために
油性成分の添加がほぼ必須のものとされ、この油性成分
を組成物中に均一に分散させるための乳化剤として、通
常、合成界面活性剤などが用いられている。しかしなが
ら、安全面や皮膚、粘膜等への刺激性を考慮すると、合
成界面活性剤の使用は好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、安全性の
観点から、合成界面活性剤を配合しないで、均一かつ長
期間安定で、取扱い性や作業性が良好なO/W型エマル
ションである、セルロース繊維およびその製品に柔軟性
と保湿性を付与しうる乳化組成物を提供することを課題
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、上記の
課題を達成するため、特に安全性が高く、かつ皮膚や粘
膜などへの刺激性のない成分の配合を見出すべく鋭意検
討した結果、食品または化粧品の成分から選択された油
性成分、水溶性成分、それ自体一種の食品の変性物であ
る特定の穀物蛋白質部分分解物および水とからなる組成
物が、均一なO/W型エマルションとして極めて長期間
安定であることを見出し、さらにティッシュペーパーに
上記組成物を含浸、スプレー塗布または塗工などの手段
により処理した場合、市販の柔軟剤で処理したものと比
較して、優れた柔軟・保湿効果が発揮され、シットリ感
および柔軟性における触感が顕著に向上するとともに紙
粉の発生が抑制されることにより、優れた使用感が発揮
されるという事実を見出し、この発明を完成するに到っ
た。
【0009】かくして、この発明によれば、セルロース
繊維もしくはその製品に柔軟性を付与しうる油性成分な
らびに保湿性を付与しうる水溶性成分と、水と乳化剤と
からなり、乳化剤が、穀物蛋白質の部分分解物であっ
て、分解後の重量平均分子量Mwが約5,000〜約9
0,000で、かつMwと分解前の重量平均分子量Mo
との比率(Mw/Mo)が0.04〜0.72である穀
物蛋白質部分分解物であることを特徴とするO/W型の
乳化組成物(以下、「組成物」と略称する)が提供され
る。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の組成物における「油性
成分」は、主にセルロース繊維もしくはその製品に柔軟
性を付与するために配合される。この油性成分として
は、植物油、動物油、炭化水素類およびロウ類などが挙
げられる。
【0011】「植物油」としては、コメヌカ油、オリー
ブ油、大豆油、ヒマシ油およびツバキ油などが挙げら
れ、「動物油」としては、卵黄油、ミンク油、タラ肝油
およびタートル油などが挙げられる。
【0012】「炭化水素類」としては、流動パラフィン
およびスクワランなどが挙げられ、「ロウ類」として
は、ミツロウ、ラノリン、カルナバロウおよびモンタン
ロウなどが挙げられる。これらの油性成分は、二種以上
が混合して配合されてもよい。上記の油性成分のなかで
も食用油としても用いられるコメヌカ油、オリーブ油お
よび大豆油などが好ましく、コネヌカ油が特に好まし
い。
【0013】この発明の組成物における「水溶性成分」
は、主にセルロース繊維もしくはその製品にシットリ感
を付与し、組成物の粘度を保持するために配合される。
この水溶性成分としては、吸湿性を有するポリオールお
よび糖類などが挙げられる。
【0014】「吸湿性を有するポリオール」としては、
分子内に2個以上の水酸基を有する化合物が好ましく、
具体的には、グリセリン、エチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピ
レングリコールなどが挙げられる。ここで「吸湿性を有
する」とは、相対湿度65%における1ヵ月後の吸湿量
が15〜40重量%であることを意味する。
【0015】「糖類」としては、ソルビトール、マンニ
トール、ブドウ糖、蔗糖および果糖などが挙げられる。
これらの水溶性成分は、二種以上が混合して配合されて
もよい。上記の水溶性成分のなかでもグリセリンおよび
ポリエチレングリコールが好ましく、グリセリンが特に
好ましい。
【0016】この発明の組成物における乳化剤としての
「穀物蛋白質部分分解物」は、主に組成物自体を均一に
し、かつ安定なO/W型エマルションとするために、ま
たセルロース繊維もしくはその製品に保湿性を付与する
ために配合される。「O/W型エマルション」は一般
に、水または水溶液相に油が微粒子状に分散した系を意
味するが、この発明においては、水と水溶性成分との混
合溶液に油性成分が分散した系を意味するものとする。
【0017】「穀物蛋白質部分分解物」としては、ゲル
濾過法での分解後の重量平均分子量Mwが約5,000
〜約90,000で、かつMwと分解前の重量平均分子
量Moとの比率(Mw/Mo)が0.04〜0.72の
ものが好ましい。穀物蛋白質部分分解物は、組成物の乳
化効果とセルロース繊維もしくはその製品に対する保湿
性付与効果の点で、Mwが約10,000〜約80,0
00、さらに好ましくは約30,000〜約70,00
0で、かつMw/Moが0.24〜0.56のものが好
ましい。
【0018】これらの重量平均分子量は、標準物質とし
て1,600、6,500、16,000、65,00
0、88,000の分子量を有するポリスチレンスルホ
ン酸ソーダを用い、ファルマシア社製のセファデックス
G−75またはG−100を担体として、ゲル濾過法に
よって測定した値である。
【0019】なお、穀物蛋白質部分分解物の「穀物蛋白
質」とは、穀物に含有される蛋白質を意味し、「穀物」
としては、麦類(例えば、小麦)、とうもろこし類およ
び豆類(例えば、大豆)などが挙げられる。これらの穀
物に含まれる蛋白質において、例えば、小麦蛋白質はグ
ルテニンとグリアジンを主成分として含み、通常、小麦
グルテンと称せられる。また、とうもろこし蛋白質はゼ
インを主成分として含み、通常、トウモロコシグルテン
と称せられる。これらの蛋白質はいずれも公知の物質で
あり、穀物から常法、すなわち分離や抽出により得るこ
とができる。
【0020】この発明で用いられる「穀物蛋白質部分分
解物」は、上記の穀物蛋白質をアルカリ、酸、酵素、還
元剤または酸化剤を用いた分解処理により得ることがで
きる。このような分解処理は2種以上の方法を組み合わ
せて行ってもよい。特に、この発明者らの知見によれ
ば、酸、酵素、酸化剤および還元剤から選択される1種
または2種以上の分解処理と、アルカリによる分解処理
との組み合わせが好ましい。
【0021】具体的には、特公平6−91793号公報
に記載の方法が挙げられ、この方法により得られる穀物
蛋白質部分分解物は、従来の分解物とは異なり、この発
明において好適に用いることができる。なかでも、酸に
よる分解処理とアルカリによる分解処理との組み合わせ
により得られる分解物が、この発明に用いる穀物蛋白質
部分分解物として特に好ましい。
【0022】この発明の組成物の配合割合は、柔軟・保
湿性を付与する対象であるセルロース繊維もしくはその
製品の種類、ならびにその付与する程度により適宜調整
される。上記の配合割合は、一般に油性成分0.1〜5
重量%、水溶性成分1〜99.5重量%、乳化剤として
の穀物蛋白質部分分解物0.1〜5重量%および水0.
3〜98.8重量%である。組成物の配合割合が上記の
範囲であれば、組成物を均一なO/W型エマルションと
して極めて長期間安定に維持することができ、かつセル
ロース繊維もしくはその製品に良好な柔軟・保湿性を付
与することができる。
【0023】油性成分の配合割合としては、0.1〜
2.5重量%がより好ましく、乳化剤の配合割合として
は、1〜5重量%がより好ましい。水溶性成分の配合割
合の下限としては、12.5重量%がより好ましく、2
0重量%が特に好ましい。また、水溶性成分の配合割合
の上限としては、90重量%がより好ましく、78.9
重量%が特に好ましい。水の配合割合の下限としては、
2.5重量%がより好ましく、20重量%が特に好まし
い。また、水の配合割合の上限としては、80重量%が
より好ましく、78.9重量%が特に好ましい。
【0024】組成物の調製方法としては、例えば、水溶
性成分と水との混合物に穀物蛋白質部分分解物を混合し
た後、油性成分を滴下しながら混合するのが、均一なO
/W型エマルションを得る上で好ましい。また、すべて
の成分を混合し、ホモジナイザーで強制混合してもよ
く、混合順序は特に限定されない。
【0025】この発明の組成物には、この発明の効果が
阻害されない限りにおいて、保水効果のあるアルギン酸
ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロ
ース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、繊維
素グリコール酸ナトリウム(CMC)、繊維素グリコー
ル酸カルシウム、澱粉グリコール酸ナトリウム、澱粉リ
ン酸エステルナトリウム、カゼインおよびカゼインナト
リウムなどをさらに配合してもよい。さらに、必要に応
じて、食品用乳化剤として広く使用されているポリグリ
セリン脂肪酸エステルを用いることができる。ポリグリ
セリン脂肪酸エステルは食品添加物に認可されており、
モノ、ジ、トリ、テトラ、ヘキサ、デカおよびポリグリ
セリンの各種脂肪酸によりエステル化度の異なるものを
油性成分の種類などに応じて使用することができる。こ
の場合には、この発明の乳化剤の配合割合を低減できる
ので好ましい。
【0026】この発明の柔軟・保湿性を付与する対象と
なる「セルロース繊維もしくはその製品」の「セルロー
ス繊維」は、天然由来のものおよび合成されたもののい
ずれであってもよい。「その製品」としては、例えば、
ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの紙製
品、ならびに不織布のような繊維ウエブなどが挙げら
れ、この発明の組成物は、ティッシュペーパーに好適に
用いることができる。
【0027】この発明の組成物の特徴は、特定の穀物蛋
白質部分分解物を配合する点にある。この穀物蛋白質部
分分解物を配合することにより、合成界面活性剤やさら
なる保湿剤を配合しないでも、セルロース繊維もしくは
その製品に優れた柔軟・保湿性を付与することができ
る。さらに、この発明の組成物により処理されたセルロ
ース繊維は、低温度の環境下において、経時的変化によ
る水分の蒸散が極めて少なく、長期間にわたり柔軟・保
湿効果を維持することができる。このような効果は、油
性成分と水溶性成分との配合割合と、これらの成分と特
定の穀物蛋白質部分分解物との相性に由来する、いわゆ
る相乗効果によるものと考えられる。
【0028】セルロース繊維もしくはその製品を本発明
の組成物で処理する。その処理方法は、含浸、スプレー
または塗工などのいずれの方法であってもよく、特に限
定されない。また、その処理は、セルロース繊維もしく
はその製品の製造工程中の乾燥前・後のいずれであって
もよい。
【0029】セルロース繊維もしくはその製品中の本発
明の組成物の含有量は、それらの種類や柔軟・保湿性を
付与する程度により異なるが、0.4〜45重量%程
度、好ましくは5.5〜20重量%程度である。特に、
ティッシュペーパーの場合、2PLY当たりの塗工重量
で0.1〜20g/m2 程度、好ましくは1.5〜5g
/m2 程度である。
【0030】
【実施例】この発明を合成例、製剤例および実施例によ
り以下に説明するが、これらの実施例によりこの発明が
限定されるものではない。
【0031】合成例1 塩化水素換算で2gの塩化水素を含有する塩酸水溶液1
00gを入れた容量200mlのフラスコに、小麦グル
テン20gを加え、100℃で60分間、加熱攪拌し
た。次いで、この溶液を水酸化ナトリウムで中和し、純
水を加えて総量を200gにして小麦グルテンの部分分
解物を調整した。得られた部分分解物に、水酸化ナトリ
ウム2gを加え、100℃で60分間、加熱攪拌した。
次いで、この溶液を塩酸で中和し、純水を加えて総量を
400gとした。得られた溶液をスプレードライヤーで
粉末化し、小麦蛋白質部分分解物を得た。ゲル透過法で
測定したこの分解物の平均分子量Mwは、22,000
であった。
【0032】製剤例1〜3 容量200mlのビーカーに入れた水28.8g、2
8.5gおよび28.0gに、合成例1で調製した小麦
蛋白質部分分解物1gをそれぞれ加えて溶解した。次い
で、各溶液にグリセリン70gを加えて混合し、60℃
に加熱した。さらに、各溶液に予め60℃に加熱してお
いたコメヌカ油0.2g、0.5gおよび1gをそれぞ
れ加えて、T.K.ホモミキサー(特殊機化工社製)を
用いて8,000回転で10分間、乳化処理を行った。
次いで、得られた乳化液を室温まで冷却して、組成物1
〜3を得た。
【0033】製剤例4〜5 容量200mlのビーカーに入れた水28.3g、2
8.0gおよび27.5gに、合成例1で調製した小麦
蛋白質部分分解物0.5gをそれぞれ加えて溶解した。
次いで、各溶液にグリセリン70gを加えて混合し、6
0℃に加熱した。さらに、各溶液に予め60℃に加熱し
たコメヌカ油0.2g、0.5gおよび1gにそれぞれ
ポリグリセリンエステル(SYグリスター、MS−31
0:阪本薬品社製)0.5gを溶解したものをそれぞれ
加えて、T.K.ホモミキサー(特殊機化工社製)を用
いて8,000回転で10分間、乳化処理を行った。次
いで、得られた乳化液を室温まで冷却して、組成物4〜
5を得た。
【0034】製剤例6〜9 容量200mlのビーカーに入れた水68.8g、6
8.5gおよび68gに、合成例1で調製した小麦蛋白
質部分分解物1gをそれぞれ加えて溶解した。次いで、
各溶液にグリセリン30gを加えて混合し、60℃に加
熱した。さらに、各溶液に予め60℃に加熱しておいた
コメヌカ油0.2g、0.5gおよび1gをそれぞれ加
えて、T.K.ホモミキサー(特殊機化工社製)を用い
て8,000回転で10分間、乳化処理を行った。次い
で、得られた乳化液を室温まで冷却して、組成物6〜9
を得た。
【0035】製剤例10〜12 容量200mlのビーカーに入れた水68.3g、6
8.0gおよび67.5gに、合成例1で調製した小麦
蛋白質部分分解物0.5gをそれぞれ加えて溶解した。
次いで、各溶液にグリセリン30gを加えて混合し、6
0℃に加熱した。さらに、各溶液に予め60℃に加熱し
ておいたコメヌカ油0.2g、0.5gおよび1gをそ
れぞれ加えて、T.K.ホモミキサー(特殊機化工社
製)を用いて8,000回転で10分間、乳化処理を行
った。次いで、得られた乳化液を室温まで冷却して、組
成物10〜12を得た。
【0036】実施例1 100ml用スクリューバイアル瓶(縦長タイプ)に、
製剤例1〜12において調製した組成物1〜12をそれ
ぞれ100mlずつ入れ、冷所(5℃)に保存し、エマ
ルションの安定性を経時的に観察した。1日後、3日
後、7日後、10日後および14日後において、いずれ
の組成物にも水層の分離は認められず、本発明の組成物
が安定であることが確認できた。
【0037】実施例2 保存温度を高温(50℃)とする以外は実施例1と同様
にして、組成物1〜12のエマルションの安定性を経時
的に観察した。1日後、3日後、7日後、10日後およ
び14日後において、いずれの組成物にも水層の分離は
認められず、本発明の組成物が安定であることが確認で
きた。
【0038】実施例3 バーコーターNo.10(R.D.SPECIALTIES INK 社製)
を用いて、製剤例3において調製した組成物3を、市販
の合板(縦200mm×横230mm×板厚12mm)
上に均一に塗工した。次いで、合板の塗工面に、予め秤
量しておいた市販のティッシュペーパーを密着させ、軽
く上から押さえつけることにより、組成物をティッシュ
ペーパーに吸収させた。このティッシュペーパーを合板
から剥離して秤量し、塗工後の重量増加から単位面積1
2 当りの組成物の塗工重量(g/m2 )を求めた。上
記の塗工から秤量の操作を繰り返して塗工重量が2g/
2 、3g/m2 、4g/m2、4.5g/m2 、6.
5g/m2 および9g/m2 の塗工試作品1〜6を作成
した。塗工試作品はティッシュペーパーを複数枚同じ向
きに積み重ねて、1週間エージングを行った。
【0039】実施例4 予め秤量しておいた市販ティッシュペーパーを平板上に
広げ、製剤例9において調製した組成物9を噴霧器を用
いて、ティッシュペーパーの四方からスプレー塗工し
た。次いで、組成物9を吸収したティッシュペーパー
を、平均室温25℃、平均湿度65%の条件下で一晩放
置し、塗工後の重量増加から単位面積1m2当りの組成
物の塗工重量(g/m2 )を求めた。上記のスプレー塗
工から秤量の操作を繰り返して塗工重量が0.4g/m
2 、1.4g/m2 、2.2g/m2、3.7g/m2
および4.4g/m2 の塗工試作品7〜11を作成し
た。
【0040】実施例5 実施例3および4において作成した塗工試作品1〜11
の耐光性を評価した。すなわち、評価は、JIS L0
843「キセノンアーク灯光に対する染色堅ろう度試験
方法」に準じ、JIS B7754「キセノンアーク橙
式耐光性および耐侯性試験機」に相当するSuper Xenon
Weather Meter SC-750(スガ試験機社製)を用いて、下
記の試験条件で行った。 得られた結果を、対照として市販のティッシュペーパー
の結果とともに表1および表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】各塗工試作品のハンター白色度および色差
は、市販のティッシュペーパーと比べて差が認められ
ず、本発明の組成物が紙の日焼けを促進・助長するもの
ではないことがわかる。
【0044】実施例6 実施例3において作成した塗工試作品1〜6について、
下記の手順でパネラー14名による触感試験を行った。
触感評価項目としては、柔軟性とシットリ感を設定し
た。評価ポイントは、良いものから順位付けをして、最
下位から順に1点ずつの加算ポイントを与え(同順位の
場合は同ポイント)、評価ポイントの合計を触感評価指
数として求めた。得られた結果を塗工重量とともに図1
に示す。図1から、塗工重量の増加とともに柔軟性およ
びシットリ感における触感評価指数が向上することがわ
かる。
【0045】また、各塗工試作品の好感度を評価した。
すなわち、各パネラーに各塗工試作品の好感度を○、△
および×で判定してもらい、各々3点、2点および1点
の好感度ポイントを与え(同順位の場合は同ポイン
ト)、好感度指数を求めた。得られた結果を塗工重量と
ともに図2に示す。図2によれば、塗工重量4.5g/
2 程度のもの(例えば、塗工試作品4)が高い好感度
指数を示し、使用上、好適であることを示している。
【0046】実施例5 塗工試作品1〜6の代わりに、実施例4において作成し
た塗工試作品7〜11を用いる以外は実施例6と同様に
して、触感試験を行った。また、市販の通常のティッシ
ュペーパー(薬剤塗工なし、K社製、図3「A」で示
す)および市販のローション加工したティッシュペーパ
ー(D社製、図3「B」で示す)について、比較試験を
行った。得られた結果を塗工重量とともに図3に示す。
【0047】図3から、塗工重量の増加とともに柔軟性
およびシットリ感における触感評価指数が向上するこ
と、ならびに塗工重量2.2g/m2 程度のもの(例え
ば、塗工試作品9)が好適であることがわかる。また、
本発明の組成物を塗工したティッシュペーパーは、市販
の通常のティッシュペーパーより優れた触感を有してい
ることがわかる。さらに、本発明の組成物を約2g/m
2 以上塗工したティッシュペーパーは、市販のローショ
ン加工したティッシュペーパーより優れた触感を有する
ことがわかる。図4に、市販品A、Bおよび塗工試作品
7〜11の塗工重量と総合触感評価指数(柔軟性および
シットリ感の触感評価指数の合計)との関係を示す。図
4においても図3と同様の傾向を示していることがわか
る。
【0048】
【発明の効果】この発明は、安全性の観点から、合成界
面活性剤を配合しないで、均一かつ長期間安定で、取扱
い性や作業性が良好なO/W型エマルションである、セ
ルロース繊維およびその製品に柔軟性と保湿性を付与し
うる乳化組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の組成物を塗工したティッシュペーパ
ーの塗工重量と触感評価指数との関係を示す図である
(実施例6)。
【図2】この発明の組成物を塗工したティッシュペーパ
ーの塗工重量と好感度指数との関係を示す図である(実
施例6)。
【図3】この発明の組成物を塗工したティッシュペーパ
ーの塗工重量と触感評価指数との関係を示す図である
(実施例7)。
【図4】この発明の組成物を塗工したティッシュペーパ
ーの塗工重量と総合触感評価指数との関係を示す図であ
る(実施例7)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 F B01F 17/00 B01F 17/00 // B01J 13/00 B01J 13/00 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース繊維もしくはその製品に柔軟
    性を付与しうる油性成分ならびに保湿性を付与しうる水
    溶性成分と、水と乳化剤とからなり、 乳化剤が、穀物蛋白質の部分分解物であって、分解後の
    重量平均分子量Mwが約5,000〜約90,000
    で、かつMwと分解前の重量平均分子量Moとの比率
    (Mw/Mo)が0.04〜0.72である穀物蛋白質
    部分分解物であることを特徴とするO/W型の乳化組成
    物。
  2. 【請求項2】 乳化組成物の配合割合が、油性成分0.
    1〜5重量%、水溶性成分1〜99.5重量%、乳化剤
    0.1〜5重量%および水0.3〜98.8重量%であ
    る請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 油性成分が植物油、動物油、炭化水素類
    およびロウ類から選択された少なくとも1種であり、か
    つ水溶性成分が吸湿性を有するポリオールおよび糖類か
    ら選択された少なくとも1種である請求項1または2に
    記載の組成物。
  4. 【請求項4】 セルロース繊維の製品がティッシュペー
    パーである請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成
    物。
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