JP2864022B2 - カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方法 - Google Patents

カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規にして有用なカチオン性ロジンエマル
ジョンサイズ剤の製法に関するものであり、変性(メ
タ)アクリルアミド系ポリマー存在下に、アニオン性ロ
ジンエマルジョン及び多価金属塩、あるいはアニオン性
ロジンエマルジョン及び多価金属塩とカチオン性樹脂を
混合することにより、保存安定性に優れたカチオン性ロ
ジンエマルジョンサイズ剤を提供するものである。
〔従来の技術〕
製紙業界では紙質の向上、抄紙系のクローズド化、及
びパルプ原料としての炭酸カルシウムを含んだ古紙や損
紙を再生使用すること等の課題を抱えており、その対策
として硫酸バン土の添加率を減らした中性領域での抄紙
を行おうとする傾向が強くなってきている。
しかし、従来のロジン系サイズ剤、特に強化ロジンの
アルカリ中和物である溶液型ロジンサイズ剤を使用した
場合、硫酸バン土の添加率を減らして抄紙pHを高くする
と、急激なサイズ効果の低下を招き、特に抄紙系に炭酸
カルシウムが混入するとその傾向が著しくなるため、そ
の対策としてさらに多量の硫酸バンドを添加しなくては
ならず、その結果紙質の低下や操業面、コスト面に問題
を残していた。また、溶液型ロジンサイズ剤よりもサイ
ズ効果に優れ、適用pH範囲のより広いアニオン性ロジン
エマルジョンサイズ剤(強化ロジンをアニオン性の乳化
分散剤を用いて水中に微細粒子として分散せさてもの)
を使用した場合でも、溶液型ロジンサイズ剤に比べて硫
酸バン土の添加率を減らすことはできるものの、中性pH
領域でのサイズ効果の低下や変動は避けられず、満足の
いくものではなかった。
その理由の一つとして、アニオン性のエマルジョン粒
子がサイズ発現のためにアニオン性のパルプ繊維に定着
するには、カチオン電荷を有する定着剤としての硫酸バ
ン土が必要不可欠であるということが考えられる。この
ような事情から、硫酸バン土の添加率が低く、中性に近
いpH領域でもサイズ効果を発揮するロジン系のサイズ剤
が強く求められている。
この要求に応えることのできるサイズ剤としてカチオ
ン性ロジンエマルジョンサイズ剤が注目されている。カ
チオン性を有するロジンエマルジョンサイズ剤はパルプ
繊維に対する自己定着性をもち、サイズ効果発現に要求
される硫酸バン土量の低減が可能で、中性付近のpH領域
でも優れたサイズ効果を発揮することが示されている
(TAPPI Papermakers Conference 1988 pp.181−18
8)。
しかし、カチオン性ロジンエマルジョンは、従来一般
的であったアニオン性のものに比べると、工業的な製造
が難しく、また製品の静置安定性や性能的にもまだ問題
点を残しており、さらに改良が求められている。
カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関する先行
技術はいくつか存在するが、それらは大きく分けて二つ
の製造方法に分類される。その一つは水に不溶のロジン
系物質をカチオン性乳化分散剤を用いてエマルジョン化
する方法であり、他の方法はアニオン性ロジンエマルジ
ョンにカチオン性物質を混合し、カチオン性エマルジョ
ンに変換する方法である。
前者については、特公昭58−34509号公報(特開昭50
−36703号公報、米国特許No.3966654)が挙げられ,こ
れには強化ロジンをポリアミノポリアミド−エピクロル
ヒドリン樹脂、アルキレンポリアミン−エピクロルヒド
リン樹脂、ポリ(ジアリルアミン)−エピクロルヒドリ
ン樹脂といった水溶性陽イオン型樹脂分散剤で分散する
方法が記載されており、この方法はホモジナイザー等を
用いて水に不溶な強化ロジンを直接、陽イオン型樹脂分
散剤で乳化分散させるものである。しかし、これら陽イ
オン性樹脂のロジン系物質に対する乳化分散機能が十分
でないため、特開昭53−27649号公報でも言及されてい
るように、保存安定性に問題がある。さらにはエマルジ
ョン中における陽イオン性樹脂の含有量も多くならざる
を得ず、製品のコスト高や、これを使用する抄紙系で発
泡が多いと言った問題も生じている。
一方後者の先行技術としは、英国特許No.2141751A及
び英国特許No.2159183Aが挙げられ、これには通常使用
されているアニオン性ロジンエマルジョンと正電荷を有
する有機高分子電解質(好ましくはポリジ(低級アルキ
ル)ジアリル4級アンモニウムクロリド)あるいは無機
カチオン性ポリマー(好ましくはアルミニウムポリヒド
ロキシクロライド)とをハイスピードミキサーを使用し
て混合し、“one shot"サイジング組成物として使用す
ることが記載されている。これらの方法では、ロジンエ
マルジョンとカチオン性物質を混合すると、はじめは凝
集を生じるが、さらに撹拌を行うと2,3週間は安定であ
るものができ、たとえ分離が生じても撹拌で再分散す
る、と記載されているように、本質的には不均一な凝集
粒子からなる極めて不安定な分散体である。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、従来のカチオン性ロジンエマルジョン
サイズ剤は保存安定性に問題があり、その改善が望まれ
ていた。
したがって、本発明は、保存安定性に優れ、中性付近
の抄紙pHにおいても優れたサイズ効果を発揮するととも
に、工業規模で容易に製造することができるカチオン性
ロジンエマルジョンサイズ剤及びその製造方法を提供す
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、カチオン性ロジンエマルジョンの製造
方法について鋭意研究した結果、従来市販されているア
ニオン性ロジンエマルジョンを(メタ)アクリルアミド
系ポリマー存在下に、多価金属塩で混合処理する、ある
いは多価金属塩とカチオン性樹脂とで混合処理すること
により、エマルジョン粒子の凝集を全く生じることなく
アニオン性粒子をカチオン性に変換でき、保存安定性に
優れたカチオン性ロジンエマルジョンが得られることを
見出し本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、 (a)アニオン性を有するロジンエマルジョン (b)アクリルアミド系ポリマー及び/又はメタクリル
アミド系ポリマー (c)多価金属塩 を含有し(カチオン性樹脂を除く)、上記(b)成分の
存在下に上記(a)成分を混合分散し、ついで上記
(c)成分を混合分散し、該(a)成分のアニオン性ロ
ジンエマルジョンを安定なカチオン性ロジンエマルジョ
ンに変換するカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の
製造方法を提供するものである。
また、(c)成分を多価金属塩とカチオン性樹脂にし
た以外は上記と同様にしたカチオン性ロジンエマルジョ
ンサイズ剤の製造方法を提供するものである。
この際、上記(b)成分が (b−1)カチオン性モノマー10モル%以下 (b−2)アニオン性モノマー5モル%以下 (b−3)疎水性モノマー15モル%以下 (b−4)アクリルアミド及び/又はメタクリルアミ
ド70モル%以上100モル%以下 からなるモノマーを、全モノマーに対して10モル%以下
の炭素数6〜22のアルキルメルカプタン存在下、上記
(b−3)疎水性モノマーとアルキルメルカプタンのい
ずれか又は両者の合計で0.01モル%以上を含有させて重
合させたポリマーである。また、(c)成分の多価金属
塩が硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化ア
ルミニウム、アルミニウムポリヒドロキシクロライドの
群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましく、
また、(c))成分のカチオン性樹脂がポリアミド−エ
ピクロルヒドリン樹脂、アミン−エピクロルヒドリン樹
脂、アルキレンポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、
ポリ(ジアリルアミン)−エピクロルヒドリン樹脂、カ
チオン性モノマーを12モル%以上共重合させた合成ポリ
マー、カチオン化澱粉の群から選ばれた少なくとも1種
である。
次に本発明を詳細に説明する。
アニオン性を示すロジンエマルジョンにカチオン性物
質を直接混合すると、一般にはエマルジョン粒子のひど
い凝集を起こし、安定なエマルジョン(分散体)として
存在できない。前述した“one shot"サイジング組成物
のごとく,凝集したエマルジョン粒子を強力な撹拌によ
り一時的に分散させることは可能であるが、安定なエマ
ルジョンとは言えず、保存安定性の良いもの及び一定し
たサイズ効果を得ることが困難である。
一方、アニオン性のエマルジョン、ラテックス及び分
散体をカチオン性に変換する方法はいくつか見出されて
いる。例えば、アニオン性ラテックスを過剰量の高分子
電解質溶液(ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ム塩)に激しい撹拌下で添加する方法(米国特許第3205
187号)、アニオン性ラテックスを両性乳化剤と混合し
た後カチオン性乳化剤を添加する方法(特開昭60−1525
37号公報)、及びアニオン性エマルジョンにpH6.5以下
でカチオン性を有するアミン系安定剤及びアニオン性分
散剤を添加した後、該エマルジョンのpHを6.5以下に下
げる方法(特開昭64−34434号公報)等が存在する。し
かし、本願のように(メタ)アクリルアミド系ポリマー
と多価金属塩、あるいは(メタ)アクリルアミド系ポリ
マーと多価金属塩とカチオン性樹脂との組合わせによる
変換方法は過去において見出されていない。
また、ロジンエマルジョンサイズ剤に関する先行技術
の中には、上記した水溶性陽イオン型樹脂(ポリアミノ
ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂等)を分散剤とし
たカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関するもの
(特開昭50−36703号公報)、変性ポリアクリルアミド
樹脂を含有したロジンエマルジョン剤に関するもの(特
開昭56−169898号公報)は存在するが、本発明のごとく
アニオン性ロジンエマルジョン、(メタ)アクリルアミ
ド系ポリマー及び多価金属塩、あるいは(メタ)アクリ
ルアミド系ポリマー、多価金属塩及びカチオン性樹脂を
含んでなる安定なカチオン性ロジンエマルジョンサイズ
剤に関する記述は見出せない。
本発明における(a)アニオン性ロジンエマルジョン
は、アニオン性界面活性剤やアニオン性高分子分散剤を
用いてロジン系物質を乳化分散させたものであり、一般
に市販されているものが使用可能である。このアニオン
性ロジンエマルジョンのサイズの性能、機械的安定性な
どの性質や、特に粒度分布などの粒子状態は最終製品で
あるカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の性能に影
響を及ぼすため、アニオン性ロジンエマルジョンは高分
子分散剤を用いた粒度分布の狭い、諸性能の良いものが
望ましい。
本発明の(b)アクリルアミド系ポリマー及び/又は
メタクリルアミド系ポリマーは、モノマー成分として
(b−1)カチオン性モノマーを0〜10モル%好ましく
は0〜7モル%、(b−2)アニオン性モノマーを0〜
5モル%、好ましくは0〜3モル%、(b−3)疎水性
モノマーを0〜15モル%、好ましくは0〜10モル%及び
(b−4)アクリルアミド及びメタクリルアミドのいず
れか一方又は両者の混合物を70〜100モル%、好ましく
は80〜100モル%を含み、全モノマーに対して0〜10モ
ル%、好ましくは0.01〜5モル%の炭素数6〜22のアル
キルメルカプタン存在下に、上記モノマーを重合あるい
は共重合して得られるものである。但し、(b−3)疎
水性モノマーとアルキルメルカプタンのいずれか一方又
は両者の合計で0.01モル%以上は必ず含まれるものとす
る。
上記(b)のポリマーのモノマー成分組成比が上記範
囲外である場合には、得られたカチオン性ロジンエマル
ジョンの粒子の凝集あるいは増粘(クリーミング)を引
き起こす傾向にある。また、該ポリマーは弱アニオン〜
ノニオン〜弱カチオンの電荷を有することが好ましく、
上記モノマー組成比の範囲において(b−1)カチオン
性及び(b−2)アニオン性モノマーのいずれかあるい
は両方を組合わせてこれを実現することができる。
(b−1)カチオン性モノマーとしては例えば(モノ
−又はジ−アルキル)アミノ(ヒドロキシルアルキル
(メタ)アクリレート、(モノ−又はジ−アルキル)ア
ミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジ
ン、ビニルイミダゾール、ジアリルアミン等やさらには
これらの第4級アンモニウム塩を挙げることができ、こ
れらより一種単独又は二種以上を混合して用いられる。
(b−2)アニオン性モノマーとしては、(メタ)アク
リル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、クロトン酸等のカルボン酸基を有するモノマー、
ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホ
ン化スチレン等のスルホン酸基を有するモノマー或いは
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのリン酸エス
テル等のリン酸エステル基を有するモノマーを挙げるこ
とができ、一種単独又は二種以上を混合して用いられ
る。
上記(b−3)疎水性モノマー及びアルキルメルカプ
タンは、上記(b)のポリマーに疎水性を付与するため
のものであり、少なくともいずれか一方あるいは両者の
合計として0.01モル%以上は必要とされる成分である。
両者を共に含有しないかあるいは両者の合計で0.01モル
%未満しか含有しないポリマーを使用した場合には得ら
れたカチオン性エマルジョンの安定性が悪く、粒子の凝
集及び増粘傾向が認められた。これら疎水性付与剤が安
定性へ寄与する理由については明らかではないが、ポリ
マー分子中あるいは末端に適当量の疎水基が存在するこ
とによりエマルジョン粒子への吸着性が強くなり、より
粒子を安定化するものと想像される。
上記(b−3)疎水性モノマーとしては、スチレンあ
るいはその誘導体、アルミル(メタ)アクリレート、酢
酸ビニル又はプロピオン酸ビニル等のビニルエステル
類、あるいはメチルビニルエーテル等が挙げられ、これ
らのモノマーの一種あるいは二種以上を組み合わせて使
用できる。該モノマーを全モノマーに対して15モル%を
越えて用いると、得られるエマルジョンの安定性が悪い
か、あるいは安定にするために(メタ)アクリルアミド
系ポリマーの量が多くなり過ぎ、結果としてサイズ性能
の低下をもたらすため好ましくない。
また、炭素数6〜22のアルキルメルカプタンとして
は、アルキル基は直鎖状又は分岐状のいずれでも良く、
アルキル基の原料は天然のものあるいはエチレンやプロ
ピレンなどの低重合パラフィンのクラッキング等人為的
に製造されたもののいずれでも良い。例えばノルマルオ
クチルメルカプタン、ターシャリードデシルメルカプタ
ン、ノルマルドデシルメルカプタン、ノルマルヘキサデ
シルメルカプタン、あるいはノルマルオクタデシルメル
カプタン等を挙げることができ、これらの一種又は二種
以上を混合して用いられる。これらの内、ノルマルオク
チルメルカプタン、ノルマルドデシルメルカプタンが好
ましい。アルキルメルカプタンを全モノマーに対して10
モル%を越えて用いてもエマルジョンの安定性に寄与し
ないばかりか、重合反応時にポリマーに導入されないア
ルキルメルカプタンの量が多くなりエマルジョンの安定
性やサイズ効果にも悪影響を及ぼすことがあり、また経
済的にも好ましくない。該アルキルメルカプタンは上記
したごとくポリマーに疎水性基を導入するためのみでは
なく、連鎖移動剤としてポリマーの分子量を調節する機
能を果たしていることは勿論である。
前記(b)の(メタ)アクリルアミド系ポリマーの合
成方法としては、従来公知の方法が適用できる。例えば
炭素数6〜22のアルキルメルカプタン存在下に前記(b
−1)〜(b−4)のモノマーをメチルアルコール、エ
チルアルコールあるいはイソプロピルアルコール等の低
級アルコール中、あるいはこれら低級アルコール又は水
との混合液中においてラジカル重合触媒によって重合さ
せ、重合終了後低級アルコールを留去することによって
得られる。ラジカル重合触媒としては、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム,過硫酸ナトリウムなどの過硫酸
塩、これら過硫酸塩と還元剤の組合わせによるレドック
ス系重合触媒、あるいは2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル等のアゾ系触媒を挙げることができる。また、必
要に応じて公知の連鎖移動剤を適宜併用しても良い。
このようにして得られる前記(b)のポリマー溶液の
粘度は、20重量%水溶液で10〜5000センチポイズ(但
し、ブルックフィールド粘度計による毎分60回転での25
℃における測定値)のものが好ましく、特に上記粘度が
100〜1000センチポイズのものがより好ましい。この粘
度が上記範囲外の時にはアニオン性エマルジョンとの混
合性や、これを用いて調整したカチオン性エマルジョン
サイズ剤の安定性が劣る傾向にある。
前記(b)のポリマーは前記(a)アニオン性エマル
ジョンの固形分に対して固形分で1重量%以上必要であ
るが、得られるエマルジョンサイズ剤のサイズ性能及び
経済性の面から、2〜10重量%の範囲が好ましい。
本発明の(c)は多価金属塩あるいは多価金属塩とカ
チオン性樹脂の併用である。多価金属塩としては硫酸ア
ルミニウム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウ
ム、アルミニウムポリヒドロキシクロライドなどのアル
ミニウム塩あるいはFe,Mg、Ca、Znなどの金属塩などが
挙げられる。なお、多価金属塩の中には含水塩も含まれ
る。
また、カチオン性樹脂は、ポリアミド−エピクロルヒ
ドリン樹脂、アミン−エピクロルヒドリン樹脂、アルキ
レンポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、ポリ(ジア
リルアミン)−エピクロルヒドリン樹脂、カチオン性モ
ノマー12モル%以上共重合させた合成ポリマー〔(モノ
又はジアルキル)アミノ(ヒドロキシル)アルキル(メ
タ)アクリレート、(モノ又はジアルキル)アミノアル
キル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニル
イミダゾール、ジアリルアミン等あるいはこれらの第4
級アンモニウム塩の一種又は二種以上の混合物をカチオ
ン性モノマーとして12モル%以上含むカチオン性水溶性
合成ポリマーであり、その20重量%水溶液の粘度が5〜
5000センチポイズのものが好ましく、さらに好ましくは
5〜100センチポイズである。〕カチオン化澱粉の中か
ら選ばれる一種あるいは二種以上の混合物であり、一般
に市販されているものが使用可能である。
多価金属塩あるいは多価金属塩とカチオン性樹脂の使
用量は、アニオン性ロジンエマルジョンのアニオン性及
び(b)の(メタ)アクリルアミド系ポリマーのイオン
性によるが、ロジンエマルジョンを本質的にカチオン性
に変換できる量以上であればよいが、経済性の面からア
ニオン性ロジンエマルジョンの固形分に対し固形分2〜
50重量%が好ましい。
混合方法については、(b)の(メタ)アクリルアミ
ド系ポリマーに、(a)アニオン性のロジンエマルジョ
ンを穏やかな撹拌下で添加し、ついで(c)多価金属塩
あるいは多価金属塩とカチオン性樹脂を添加する方法を
用いる。
かくして得られた本発明のカチオン性ロジンエマルジ
ョンサイズ剤は、従来の方法に比べ製造が容易であるば
かりでなく、アニオン性ロジンエマルジョンが(メタ)
アクリルアミド系ポリマーを介在させることにより、粒
子凝集をほとんど起こさず、効率よく多価金属塩あるい
は多価金属塩とカチオン性樹脂によりカチオン化されて
いるため、非常に保存安定性及び機械的安定性に優れて
いる。また、酸性抄紙系はもとより、特に中性抄紙系に
おいても、従来のサイズ剤にはみられなかったような卓
越したサイズ効果を発揮する上に、抄紙系の泡立ちも少
ないという利点を具備している。
〔実施例〕
次に本発明を実施例による具体的に説明する。なお、
「部」は重量部、%は重量%を示す。
アニオン性を有するロジンエマルジョンの製造。
−1 フマル酸強化ロジンの製造 約200℃で溶融状態にあるガムロジン46部にフマル酸
7部を徐々に加えていき、ほとんど全部のフマル酸が反
応し終わった後、さらにホルムアルデヒド処理(変性率
3%)トール油ロジンを47部加え、溶融撹拌して均質化
し、その後に反応生成物を室温に冷却した。この反応生
成物(強化ロジン)はフマル酸が7%付加されたロジン
であった。
−2ロジンエマルジョンの製造 以下のようにしてロジンエマルジョン(A−1)〜
(A−3)を得た。
(A−1)のエマルジョン アニオン性高分子分散剤を用いたロジンエマルジョン
の代表例として、特開昭61−108795号公報の参考例8の
スチレン−メタクリル酸系共重合体ケン化物を用い、そ
の実施例3に準じてアニオン性ロジンエマルジョン(A
−1)を得た。
すなわち、−1で得たフマル酸強化ロジン250部を
約150℃に加熱溶融し、激しく撹拌しながら上記公報の
参考例8のスチレン−メタクリル酸共重合体ケン化物13
5部と、20%ポリオキシエチレン(重合度12)ドデシル
フェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩7部を添
加混合して油中水型のエマルジョンとした。これに熱水
を徐々に加えて転相させ水中油型のエマルジョンとし、
これにさらに熱水を素早く添加して安定な水中油型エマ
ルジョンとした後、室温まで冷却した。転相及び希釈に
用いた熱水の合計は211部であり、かくして得られたエ
マルジョン(A−1)は約45%の固形物を含み、その固
形物の約0.5%が上記アニオン性界面活性剤であり、約
7.5%がスチレン−メタクリル酸系共重合体ケン化物
で、長時間にわたって安定なものであった。
(A−2)のエマルジョン アニオン性の低分子界面活性剤を用いたアニオン性ロ
ジンエマルジョンの代表例は以下の方法で得た。
−1で得たフマル酸強化ロジン250部を約150℃に加
熱溶融し、少量の水を加えた後、約130℃に降温して、2
0%ポリオキシエチレン(重合度12)オクチルフェニル
エーテル硫酸エステルのアンモニウム塩50部を添加混合
し、油中水型エマルジョンとした。これに熱水を徐々に
加えて転相させ水中油型のエマルジョンとし、これをさ
らに熱水を素早く添加して安定な水中油型エマルジョン
とした後、室温まで冷却した。転相及び希釈に用いた熱
水の合計は220部であった。
ここに得られたエマルジョン(A−2)は約50%の固
形物を含有し、長時間安定なものであった。
(A−3)のエマルジョン カゼインを分散剤として用いたアニオン性ロジンエマ
ルジョンの代表例は、特開昭63−288297号公報を参考に
して以下の方法で得た。
−1で得たフマル酸強化ロジン350部を約150℃に加
熱溶融し、少量の水を加えた後、約130℃に降温して、
カゼイン17部、苛性カリ3.5部、テトラホウ酸ナトリウ
ム4部を含む15%のカゼイン水溶液を添加し、油中水型
エマルジョンとした。これに熱水を徐々に加えて転相さ
せ水中油型のエマルジョンとし、これにさらに熱水を素
早く添加して安定な水中油型エマルジョンとした後、室
温まで冷却した。
ここに得られたエマルジョン(A−3)は約50%の固
形物を含有し、長時間安定なものであった。
(メタ)アクリルアミド系ポリマーの製造 以下のようにして(B−1)〜(B−9)の(メタ)
アクリルアミド系ポリマーを製造した。
(B−1)のポリマー水溶液 撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備
えた1の4つ口フラスコにジメチルアミノエチルメタ
アクリレート9.4部、アクリルアミドの50%水溶液131
部、アクリル酸1.4部、イオン交換水107.6部、イソプロ
ピルアルコール134.6部、n−ドデシルメルカプタン0.8
部を仕込み、20%硫酸水溶液にてpH4に調節した。
この混合液を撹拌しながら窒素ガス雰囲気下で60℃ま
で昇温した。重合開始剤として過硫酸アンモニウムの5
%水溶液2.3部を加え、78℃まで昇温し、1.5時間保持し
た後、過硫酸アンモニウムの5%水溶液0.7部を追加し
た。さらに、1時間同温度に保持した後、イオン交換水
200部を加え、イソプロピルアルコールの留去を行っ
た。
留去終了後、イオン交換水を加えて得られたポリマー
溶液(B−1)の固形分濃度は20.3%、25℃、毎分60回
転で測定したブルックフィールド粘度(以下粘度とい
う)は410センチポイズ(cps)であった。その固形分、
粘度等を表1に示す。
(B−2)〜(B−9)のポリマー水溶液 表1に示すモノマー組成にし、イソプロピルアルコー
ルと水の比を粘度調節のため適宜変更した以外は上記
(B−1)のポリマーの製造方法と同様にしてそれぞれ
(B−2)〜(B−9)のポリマー水溶液を得た。その
固形分、粘度等を表1に示す。
カチオン性樹脂の製造 以下のようにしてカチオン性樹脂(C−1)〜(C−
3)を製造した。
(C−1)アミノポリアミドエピクロルヒドリン樹脂の
製造 米国特許3,966,654号明細書中の例Aに従い、以下の
ようにしてカチオン性アミノポリアミドエピクロルヒド
リン樹脂を得た。
撹拌機及び蒸発水分の捕集用冷却管の付いたフラスコ
中に存在する151.3部のジエチレントリアミンに219.3部
のアジピン酸を撹拌下にゆっくり加えた。アミノポリア
ミドの生成が完結するまで窒素雰囲気下で170〜180℃に
加熱した。約140℃まで空冷後、撹拌しながら熱水を加
え、固形分を50%とした(1N NH4Clを用い2%に希釈し
た溶液の極限粘度は0.14であった)。該アミノポリアミ
ドの50%溶液約50部に約110.25部の水を加え、次いで14
部のエピクロルヒドリンを加えることによってアミノポ
リアミドエピクロルヒドリン樹脂を調製した。反応混合
物をガードナー粘度でEからFに達する迄70℃で加熱還
流した。固形分が約12.5%になるように水で希釈した。
(C−2)カチオン化澱粉の製造 水285部に過酸化水素処理コーンスターチ100部を投入
し、85℃で1時間撹拌した。次に、温度を60℃以下に下
げて水酸化ナトリウム1.7部、グリシジルトリメチルア
ンモニウムクロライド27部を加え、4.5時間撹拌した。
その後、温度を30℃以下にして、水127部、98%硫酸1.8
部加えた。得られた加工澱粉溶液は、固形分濃度20%で
あり、粘度は25℃で260センチポイズであった。
(C−3)カチオン性合成ポリアクリルアミド系ポリマ
ーの製造 撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備
えた1の4つ口フラスコに、ジメチルアミノメタクリ
レート34部、アクリルアミドの50%水溶液114部、イオ
ン交換水150部、イソプロピルアルコール161部、n−ド
デシルメルカプタン1部を仕込み、20%硫酸水溶液に
て、pH4に調節した。この混合液を撹拌しながら窒素ガ
ス雰囲気下で、60℃まで昇温した。
重合開始剤として過硫酸アンモニウムの5%水溶液2.
3部を加え、78℃まで昇温し、1.5時間保持した後過硫酸
アンモニウムの5%水溶液0.7部追加した。さらに、1
時間同温度に保持した後、イオン交換水200部を加え、
イソプロピルアルコールの留去を行った。留去終了後、
イオン交換水を加え、得られたポリマー溶液の固形分濃
度は20%、粘度は200センチポイズであった。
(C−4)カチオン性合成ポリアクリルアミド系ポリマ
ーの製造(比較例用) 撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を備
えた1の4つ口フラスコにジメチルアミノメタクリレ
ート17部、アクリルアミドの50%水溶液128部、イオン
交換水120部、イソプロピルアルコール144部、n−ドデ
シルメルカプタン1部を仕込み、20%硫酸水溶液にて、
pH4に調節した。この混合液を撹拌しながら窒素ガス雰
囲気下で60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウムの5%水溶液2.3部を加え78℃まで昇温し1.5
時間保持した後、過硫酸アンモニウムの5%水溶液0.7
部追加した。さらに、1時間同温度に保持した後、イオ
ン交換水200部を加えイソプロピルアルコールの留去を
行った。留去終了後、イオン交換水を加え得られたポリ
マー溶液の固形分濃度は20%、粘度235センチポイズで
あった。
カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造 −1実施例1〜8 表2に示すような配合比(固形分重量比)で所定の
(メタ)アクリルアミド系ポリマーと水とを撹拌機付き
のフラスコに仕込み、ロジンエマルジョンを撹拌下で添
加し、次いで多価金属塩及びカチオン性樹脂を添加し、
約10分間撹拌し、カチオン性ロジンエマルジョンサイズ
剤を得た。
得られたサイズ剤は表2に示したゼータ電位の値から
明らかのように全てカチオン性であり、平均粒子径から
みてほとんど凝集がみられなく、安定なカチオン性ロジ
ンエマルジョンサイズ剤であった。
なお、ゼータ電位の測定方法は、サイズ剤サンプルを
10-3M KCl溶液にて0.01%を希釈し、KOHでpH7.0に調整
後、ゼータメータ(Lazer−Zee Meterペンケム社製)に
より測定し、mVで表示した。
また、平均粒子径は、サイズ剤サンプルを水にて0.2
%に希釈し、Master Sizer(マルバーン社製)にて測定
した。μmで表示した。
−2比較例 比較例1〜9 表2に示したような配合比で実施例1〜8と同様にし
てサイズ剤を調整した。但し、比較例5は(メタ)アク
リルアミド系ポリマーを、比較例6〜8は多価金属塩を
使用しなかった。
比較例6、9以外は、凝固を起こしたものあるいは凝
固しなかったが凝集物を多く含み、結果として平均粒子
径が大きく、保存安定性が劣った。
比較例10 米国特許第3966654号明細書の例1に従い、以下のよ
うにエマルジョンを得た。
上記−1のフマル酸強化ロジン300部を300部のベン
ゼンに溶解し、上記米国特許明細書の参考例17で調製し
たアミノポリアミドエピクロルヒドリン樹脂溶液400部
(固形分50部)及び350部の水を混合した。該混合物を
約150Kg/cm2の圧力で2回にわたって工業用ホモジナイ
ザーを通し、その後減圧蒸溜により全てのベンゼンを除
去した。得られたロジンエマルジョンは約35%の固形分
を有し、そのうちの約85%が強化ロジンであり、約15%
がアミノポリアミドエピクロルヒドリン樹脂であった。
比較例11 (メタ)アクリルアミド系ポリマー及びカチオン性エ
ピクロルシドリン系樹脂を加えないで35%(固形分)濃
度に希釈した。
上記実施例、比較例のサイズ剤の組成を表2、性状を
表3に示す。
以上の実施例及び比較例で調製された各サイズ剤を用
いて、サイズ効果、静置安定性及び泡立ち性の試験を行
った。
試験条件は以下の通りである。
サイズ効果試験 晒クラフトパルプ(針葉樹対広葉樹のパルプ比が1対
4である混合パルプ)をパルプ濃度が2.5%になる量の
硬度100ppmの希釈水で、ビーターを用いて350mlカナデ
アンスタンダードフリーネスまで叩解した。
次いで該パルプスラリー1.2を離解機に秤取り、対
パルプ0.5%(固型分重量比)のサイズ剤と対パルプ0.2
5%(固型分重量比)の硫酸バン土を同時に添加し、NaO
HによってpHを7.0の値に調節し、その後3分間撹拌し
た。次いでpH7の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.2
5%まで希釈しカチオン性ポリアクリルアミド系ポリマ
ーを定着剤として対パルプ0.05%(固型分重量比)添加
し、ノーブルアンドウッド抄紙機にて抄紙した。
ここに得られた湿紙を40%固形分になるようにプレス
し、次いでドラムドライヤーで100℃で60秒乾燥した。
かくして得られた紙片を恒温恒湿(20℃−60%相対湿
度)環境で24時間調湿して試験用紙料とした(坪量65g/
m2)。サイズ度はステキヒト法で測定した。結果を表4
に示す。
泡立ち性試験 上記抄紙試験と同じパルプスラリーを用い同様に対パ
ルプ0.5%のサイズ剤と対パルプ0.25%の硫酸バン土と
を同時に添加し、NaOHでpH7.0に調節した。3分間撹拌
した後,pH7.0の希釈用水でこのパルプスラリーを0.25%
まで希釈し、定着剤としてカチオン性アクリルアミド系
ポリマーを対パルプ0.05%添加し、1分間撹拌した後、
円筒型の容器に入れこのパルプスラリーの一部をポンプ
で循環してこれを約1mの高さから容器中に落下させ、10
分後の液面に蓄積する泡の面積を求め液面全体に対する
蓄積した泡面積を百分率で表わした。
静置安定性試験 長さ30cm、管内径2.1cmの試験管に100mlのサイズ剤サ
ンプルを入れ、1ケ付静置後、底部に沈澱した沈澱物の
高さ(mm)を測定した。
〔発明の効果〕 本発明によれば、所定のモノマー組成であって所定の
アルキルメルカプタンを使用した所定の条件下に得られ
たアクリルアミド系ポリマー及び/又はメタクリルアミ
ド系ポリマーの存在下にアニオン性を有するロジンエマ
ルジョンを混合分散し、ついで多価金属塩あるいは多価
金属塩とカチオン性樹脂を混合分散し、上記のアニオン
性ロジンエマルジョンを安定なカチオン性ロジンエマル
ジョンに変換したので、従来のカチオン性ロジンエマル
ジョンの製造方法に比べ、製造が容易であるばかりでな
く、アニオン性ロジンエマルジョンが上記アクリルアミ
ド系ポリマー及び/又はメタクリルアミド系ポリマーを
介在させることにより、粒子凝集をほとんど起こさず、
効率よく多価金属塩あるいは多価金属塩とカチオン性樹
脂によりカチオン化されているため、非常に保存安定性
及び機械的安定性に優れている。また、酸性抄紙系はも
とより、特に中性抄紙系において、従来のサイズ剤には
みられなかったような卓越したサイズ効果を発揮する上
に、抄紙系の泡立ちも少ないという利点を具備してい
る。
フロントページの続き (72)発明者 中村 勝則 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 ディ ック・ハーキュレス株式会社研究所内 (72)発明者 高橋 瑞知 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 ディ ック・ハーキュレス株式会社研究所内 (72)発明者 酒川 靖子 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 ディ ック・ハーキュレス株式会社研究所内 (72)発明者 篠原 真理子 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 ディ ック・ハーキュレス株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−169898(JP,A) 特開 昭53−58006(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 3/34,3/38,3/66

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アニオン性を有するロジンエマルジ
    ョン (b)アクリルアミド系ポリマー及び/又はメタクリル
    アミド系ポリマー (c)多価金属塩 を含有し(カチオン性樹脂を除く)、これらの各成分に
    ついては上記(b)成分の存在下に上記(a)成分を混
    合分散し、ついで上記(c)成分を混合分散し、該
    (a)成分のアニオン性ロジンエマルジョンを安定なカ
    チオン性ロジンエマルジョンに変換するカチオン性ロジ
    ンエマルジョンサイズ剤の製造方法であって、上記
    (b)成分が (b−1)カチオン性モノマー10モル%以下 (b−2)アニオン性モノマー5モル%以下 (b−3)疎水性モノマー15モル%以下 (b−4)アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド
    70モル%以上100モル%以下 からなるモノマーを、全モノマーに対して10モル%以下
    の炭素数6〜22のアルキルメルカプタン存在下、上記
    (b−3)疎水性モノマーと該アルキルメルカプタンの
    いずれか又は両者の合計で0.01モル%以上を含有させて
    重合させたポリマーであることを特徴とするカチオン性
    ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方法。
  2. 【請求項2】(a)アニオン性を有するロジンエマルジ
    ョン (b)アクリルアミド系ポリマー及び/又はメタクリル
    アミド系ポリマー (c)多価金属塩とカチオン性樹脂 を含有し、これらの各成分については上記(b)成分の
    存在下に上記(a)成分を混合分散し、ついで上記
    (c)成分を混合分散し、該(a)成分のアニオン性ロ
    ジンエマルジョンを安定なカチオン性ロジンエマルジョ
    ンに変換するカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の
    製造方法であって、上記(b)成分が (b−1)カチオン性モノマー10モル%以下 (b−2)アニオン性モノマー5モル%以下 (b−3)疎水性モノマー15モル%以下 (b−4)アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド
    70モル%以上100モル%以下 からなるモノマーを、全モノマーに対して10モル%以下
    の炭素数6〜22のアルキルメルカプタン存在下、上記
    (b−3)疎水性モノマーと該アルキルメルカプタンの
    いずれか又は両者の合計で0.01モル%以上を含有させて
    重合させたポリマーであり、かつ上記(c)成分のカチ
    オン性樹脂がポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ア
    ミン−エピクロルヒドリン樹脂、アルキレンポリアミン
    −エピクロルヒドリン樹脂、ポリ(ジアリルアミン)−
    エピクロルヒドリン樹脂、カチオン性モノマーを12モル
    %以上共重合させた合成ポリマー、カチオン化澱粉の群
    から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするカ
    チオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方法。
  3. 【請求項3】(b−1)、(b−2)、(b−3)のい
    ずれか1成分又はいずれか2成分又は全成分のモノマー
    を0にしたことを特徴とする請求項1又は2記載のカチ
    オン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造方法。
  4. 【請求項4】アルキルメルカプタンが0であることを特
    徴とする請求項1又は2記載のカチオン性ロジンエマル
    ジョンサイズ剤の製造方法。
  5. 【請求項5】(c)成分の多価金属塩が硫酸アルミニウ
    ム、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アルミ
    ニウムポリヒドロキシクロライドの群から選ばれた少な
    くとも1種であることを特徴とする請求項1ないし4の
    いずれかに記載のカチオン性ロジンエマルジョンサイズ
    剤の製造方法。
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