JP2955763B2 - カチオン性ロジンエマルジヨンサイズ剤 - Google Patents
カチオン性ロジンエマルジヨンサイズ剤Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規にして有用なカチオン性ロジンエマル
ジョンサイズ剤に関するものであり、ロジン系物質を、
疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒ
ドリン樹脂で乳化することにより、保存安定性に優れ、
かつ酸性から中性領域で優れたサイズ効果を発現するカ
チオン性ロジンエマルジョンサイズ剤を提供するもので
ある。
ジョンサイズ剤に関するものであり、ロジン系物質を、
疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒ
ドリン樹脂で乳化することにより、保存安定性に優れ、
かつ酸性から中性領域で優れたサイズ効果を発現するカ
チオン性ロジンエマルジョンサイズ剤を提供するもので
ある。
[従来の技術] 製紙業界では、紙質の向上、抄紙系のクローズド化、
および製紙原料として炭酸カルシウムを含んだ古紙や損
紙の使用等の課題を抱えており、その対策として硫酸バ
ン土の添加率を減らした中性領域で抄紙を行おうとする
傾向が強まってきている。しかし、従来のアニオン性ロ
ジン系サイズ剤、特に強化ロジンのアルカリ中和物であ
る溶液ロジンサイズ剤を使用した場合、硫酸バン土の添
加率を減らして抄紙pHを高くすると、急激なサイズ効果
の低下を招く。特に抄紙系に炭酸カルシウムが混入する
とその傾向が著しくなる。このサイズ効果の低下に対す
る対策として、さらに多量の硫酸バン土を添加しなくて
はならず、その結果、紙質の低下や操業面、コスト面に
問題を残していた。また、溶液型ロジンサイズ剤よりも
サイズ効果に優れ、適用pH範囲のより広いアニオン性ロ
ジンエマルジョンサイズ剤(強化ロジンをアニオン性の
乳化分散剤を用いて水中に微細粒子として分散させたも
の)を使用した場合でも、溶液ロジンに比べれば硫酸バ
ン土の添加率を減らすことはできるものの、中性pH領域
でのサイズ効果の低下は避けられず満足いくものではな
かった。このような事情から、硫酸バン土の添加率が低
く、中性に近いpH領域でも優れたサイズ効果を発揮する
ロジン系のサイズ剤が強く求められている。
および製紙原料として炭酸カルシウムを含んだ古紙や損
紙の使用等の課題を抱えており、その対策として硫酸バ
ン土の添加率を減らした中性領域で抄紙を行おうとする
傾向が強まってきている。しかし、従来のアニオン性ロ
ジン系サイズ剤、特に強化ロジンのアルカリ中和物であ
る溶液ロジンサイズ剤を使用した場合、硫酸バン土の添
加率を減らして抄紙pHを高くすると、急激なサイズ効果
の低下を招く。特に抄紙系に炭酸カルシウムが混入する
とその傾向が著しくなる。このサイズ効果の低下に対す
る対策として、さらに多量の硫酸バン土を添加しなくて
はならず、その結果、紙質の低下や操業面、コスト面に
問題を残していた。また、溶液型ロジンサイズ剤よりも
サイズ効果に優れ、適用pH範囲のより広いアニオン性ロ
ジンエマルジョンサイズ剤(強化ロジンをアニオン性の
乳化分散剤を用いて水中に微細粒子として分散させたも
の)を使用した場合でも、溶液ロジンに比べれば硫酸バ
ン土の添加率を減らすことはできるものの、中性pH領域
でのサイズ効果の低下は避けられず満足いくものではな
かった。このような事情から、硫酸バン土の添加率が低
く、中性に近いpH領域でも優れたサイズ効果を発揮する
ロジン系のサイズ剤が強く求められている。
この要求に応えることのできるサイズ剤としてカチオ
ン性ロジンエマルジョンサイズ剤が注目されている。カ
チオン性を有するロジンエマルジョンサイズ剤はパルプ
繊維に対する自己定着性をもち、サイズ効果発現に要求
される硫酸バン土の使用量の低減が可能で、中性付近の
pH領域でも優れたサイズ効果を発揮することが示されて
いる(TAPPI Papermakers Conference 1988 pp.181−18
8)。しかし、カチオン性ロジンエマルジョンは、従来
一般的であったアニオン性のものに比べると、工業的な
製造が難しく、また製品の静置安定性やサイズ性能にも
まだ問題点を残しており、さらに改良が求められてい
る。
ン性ロジンエマルジョンサイズ剤が注目されている。カ
チオン性を有するロジンエマルジョンサイズ剤はパルプ
繊維に対する自己定着性をもち、サイズ効果発現に要求
される硫酸バン土の使用量の低減が可能で、中性付近の
pH領域でも優れたサイズ効果を発揮することが示されて
いる(TAPPI Papermakers Conference 1988 pp.181−18
8)。しかし、カチオン性ロジンエマルジョンは、従来
一般的であったアニオン性のものに比べると、工業的な
製造が難しく、また製品の静置安定性やサイズ性能にも
まだ問題点を残しており、さらに改良が求められてい
る。
カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関する先行
技術はいくつか存在するが、それらは大きく分けて二つ
の製造方法に分類される。その一つは水に不溶のロジン
系物質をカチオン性乳化分散剤を用いて直接エマルジョ
ン化する方法であり、他の方法はアニオン性ロジンエマ
ルジョンにカチオン性物質を混合し、カチオン性エマル
ジョンに変換する方法である。
技術はいくつか存在するが、それらは大きく分けて二つ
の製造方法に分類される。その一つは水に不溶のロジン
系物質をカチオン性乳化分散剤を用いて直接エマルジョ
ン化する方法であり、他の方法はアニオン性ロジンエマ
ルジョンにカチオン性物質を混合し、カチオン性エマル
ジョンに変換する方法である。
前者の直接エマルジョン化する方法については、特公
昭58−34509号公報(特開昭50−36703号公報、米国特許
No.3966654)および特開昭63−120198号公報が挙げられ
る。特公昭58−34509号公報には、強化ロジンをポリア
ミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、アルキレン
ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、あるいはポリ
(ジアリルアミン)−エピクロルヒドリン樹脂といった
水溶性陽イオン型樹脂分散剤で分散する方法が記載され
ており、この方法は、ホモジナイザー等を用いて水に不
溶な強化ロジンを直接、陽イオン型樹脂分散剤で乳化分
散させるものである。しかし、これら陽イオン性樹脂の
ロジン系物質に対する乳化分散能が十分ではないため、
保存安定性に問題がある。さらには、エマルジョン中に
おける陽イオン性樹脂の含有量も多くならざるを得ず、
製品のコスト高や、これを使用する抄紙系で発泡が多い
等の問題も生じている。また、特開昭63−120198号公報
には、疎水性モノマーである(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルおよび/またはスチレン化合物とカチオン性
モノマーである(メタ)アクリル酸アルキルアミノアル
キルエステルまたは(メタ)アクリル酸アルキルアミノ
アルキルアミドとの共重合体の4級化物を強化ロジンの
分散剤として用いたカチオン性ロジンエマルジョンサイ
ズ剤を得る方法が記載されているが保存安定性のよい製
品を得るためには分散剤の使用量が多くなり過ぎるため
サイズ性能と低下および抄紙系での発泡が多いという問
題点がある。
昭58−34509号公報(特開昭50−36703号公報、米国特許
No.3966654)および特開昭63−120198号公報が挙げられ
る。特公昭58−34509号公報には、強化ロジンをポリア
ミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、アルキレン
ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、あるいはポリ
(ジアリルアミン)−エピクロルヒドリン樹脂といった
水溶性陽イオン型樹脂分散剤で分散する方法が記載され
ており、この方法は、ホモジナイザー等を用いて水に不
溶な強化ロジンを直接、陽イオン型樹脂分散剤で乳化分
散させるものである。しかし、これら陽イオン性樹脂の
ロジン系物質に対する乳化分散能が十分ではないため、
保存安定性に問題がある。さらには、エマルジョン中に
おける陽イオン性樹脂の含有量も多くならざるを得ず、
製品のコスト高や、これを使用する抄紙系で発泡が多い
等の問題も生じている。また、特開昭63−120198号公報
には、疎水性モノマーである(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルおよび/またはスチレン化合物とカチオン性
モノマーである(メタ)アクリル酸アルキルアミノアル
キルエステルまたは(メタ)アクリル酸アルキルアミノ
アルキルアミドとの共重合体の4級化物を強化ロジンの
分散剤として用いたカチオン性ロジンエマルジョンサイ
ズ剤を得る方法が記載されているが保存安定性のよい製
品を得るためには分散剤の使用量が多くなり過ぎるため
サイズ性能と低下および抄紙系での発泡が多いという問
題点がある。
一方後者のカチオン性ロジンエマルジョンに変換する
先行技術としては、英国特許No.2141751Aおよび英国特
許No.2159183Aが挙げられ、これらには通常使われてい
るアニオン性ロジンエマルジョンと正電荷を有する有機
高分子電解質(好ましくはポリジ(低級アルキル)ジア
リル4級アンモニウムクロライド)あるいは無機カチオ
ン性ポリマー(好ましくはアルミニウムポリヒドロキシ
クロライド)とをハイスピードミキサーを使用して混合
し、“One shot"サイジング組成物として使用すること
が記載されている。これらの方法では、「ロジンエマル
ジョンとカチオン性物質を混合すると、はじめは凝集を
生じるが、さらに撹拌を行うと、2,3週間は安定なもの
ができ、たとえ分離が生じても撹拌で再分散する」と記
載されているように、本質的には不均一な凝集粒子から
なる極めて不安定な分散体である。
先行技術としては、英国特許No.2141751Aおよび英国特
許No.2159183Aが挙げられ、これらには通常使われてい
るアニオン性ロジンエマルジョンと正電荷を有する有機
高分子電解質(好ましくはポリジ(低級アルキル)ジア
リル4級アンモニウムクロライド)あるいは無機カチオ
ン性ポリマー(好ましくはアルミニウムポリヒドロキシ
クロライド)とをハイスピードミキサーを使用して混合
し、“One shot"サイジング組成物として使用すること
が記載されている。これらの方法では、「ロジンエマル
ジョンとカチオン性物質を混合すると、はじめは凝集を
生じるが、さらに撹拌を行うと、2,3週間は安定なもの
ができ、たとえ分離が生じても撹拌で再分散する」と記
載されているように、本質的には不均一な凝集粒子から
なる極めて不安定な分散体である。
[発明が解決しようとする課題] 以上のように、従来のカチオン性ロジンエマルジョン
サイズ剤は保存安定性が悪く、また特に中性領域でのサ
イズ性能が不十分であるという問題点があり、その改善
が望まれていた。
サイズ剤は保存安定性が悪く、また特に中性領域でのサ
イズ性能が不十分であるという問題点があり、その改善
が望まれていた。
したがって、本発明は、保存安定性に優れ、中性付近
の抄紙pHにおいても優れたサイズ効果を発揮するととも
に、工業規模で容易に製造することができるカチオン性
ロジンエマルジョンサイズ剤を提供するものである。
の抄紙pHにおいても優れたサイズ効果を発揮するととも
に、工業規模で容易に製造することができるカチオン性
ロジンエマルジョンサイズ剤を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、上記課題を克服するカチオン性ロジン
エマルジョンについて鋭意研究した結果、ロジン系物質
を、特定の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エ
ピクロルヒドリン樹脂で乳化することにより、保存安定
性に優れかつ中性付近の抄紙pHにおいても優れたサイズ
効果を発揮するカチオン性ロジンエマルジョンが得られ
ることを見出し本発明を完成するに至った。
エマルジョンについて鋭意研究した結果、ロジン系物質
を、特定の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エ
ピクロルヒドリン樹脂で乳化することにより、保存安定
性に優れかつ中性付近の抄紙pHにおいても優れたサイズ
効果を発揮するカチオン性ロジンエマルジョンが得られ
ることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、 主成分が、(A)ロジン系物質および(B)疎水性基を
有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂
を含有し、上記(A)成分を上記(B)成分により直接
水中に分散させ、安定化させたカチオン性ロジンエマル
ジョンサイズ剤であって、上記(B)成分の疎水性基を
有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂
が (b−1)ポリアルキレンポリアミン (b−2)ジカルボン酸又はその誘導体 (b−3)エピクロルヒドリン (b−4)疎水性基導入物質として下記の群の少なくと
も1つの群の各群少なくとも一種類の化合物 を主成分として合成された化合物であることを特徴とす
るカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤を提供するも
のである。
有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂
を含有し、上記(A)成分を上記(B)成分により直接
水中に分散させ、安定化させたカチオン性ロジンエマル
ジョンサイズ剤であって、上記(B)成分の疎水性基を
有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂
が (b−1)ポリアルキレンポリアミン (b−2)ジカルボン酸又はその誘導体 (b−3)エピクロルヒドリン (b−4)疎水性基導入物質として下記の群の少なくと
も1つの群の各群少なくとも一種類の化合物 を主成分として合成された化合物であることを特徴とす
るカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤を提供するも
のである。
(b−4−1)炭素数6以上の一塩基性カルボン酸、そ
の無水物、及びこれらのエステル化物 (b−4−2)炭素数6以上のアルキルアミン (b−4−3)アルキルケテンダイマー (b−4−4)アルキル又はアルケニル無水コハク酸 (b−4−5)アルキレンオキシド (b−4−6)テルペノイド及びその誘導体 また、このポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリ
ン樹脂含有量が、全固形分に対して0.5〜20重量%で、
サイズ剤の全固形分が30〜60重量%であることが好まし
い。
の無水物、及びこれらのエステル化物 (b−4−2)炭素数6以上のアルキルアミン (b−4−3)アルキルケテンダイマー (b−4−4)アルキル又はアルケニル無水コハク酸 (b−4−5)アルキレンオキシド (b−4−6)テルペノイド及びその誘導体 また、このポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリ
ン樹脂含有量が、全固形分に対して0.5〜20重量%で、
サイズ剤の全固形分が30〜60重量%であることが好まし
い。
次に本発明を詳細に説明する。
カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関する先行
技術の中には、上記した水溶性陽イオン型樹脂(ポリア
ミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂等)を分散剤
としたカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関する
もの(特開昭50−36703号公報)、変性ポリアクリルア
ミド樹脂を含有したロジンエマルジョンサイズ剤に関す
るもの(特開昭56−169898号公報)は存在するが、本発
明のごとく、疎水性基を有したポリアミノポリアミド−
エピクロルヒドリン樹脂を分散剤としてロジン系物質を
乳化したカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関す
る記述は見出せない。
技術の中には、上記した水溶性陽イオン型樹脂(ポリア
ミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂等)を分散剤
としたカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関する
もの(特開昭50−36703号公報)、変性ポリアクリルア
ミド樹脂を含有したロジンエマルジョンサイズ剤に関す
るもの(特開昭56−169898号公報)は存在するが、本発
明のごとく、疎水性基を有したポリアミノポリアミド−
エピクロルヒドリン樹脂を分散剤としてロジン系物質を
乳化したカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤に関す
る記述は見出せない。
本発明のサイズ剤を構成するロジン系物質とは、良好
なサイズ効果および良い乳化性を得るためにα,β−不
飽和カルボン酸をロジンに対して1〜20重量%、さらに
好ましくは3〜15重量%付加反応させた反応生成物であ
る。このロジン系物質の製造に用いられるロジンとして
代表的なものは、ガムロジン、トール油ロジンまたはウ
ッドロジンなどであり、これらは単独で、あるいは2種
以上の混合物として用いられる。そしてこのロジンは水
素化されたものでも、あるいは重合化されたもの、さら
にはホルムアルデヒドなどで変性されたものであっても
よい。なお、α,β−不飽和カルボン酸を反応させない
ロジン及びその他ロジン誘導体も使用できる。そのα,
β−不飽和カルボン酸の代表的な例としては、フマル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イ
タコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、アクリル
酸またはメタクリル酸などが挙げられる。
なサイズ効果および良い乳化性を得るためにα,β−不
飽和カルボン酸をロジンに対して1〜20重量%、さらに
好ましくは3〜15重量%付加反応させた反応生成物であ
る。このロジン系物質の製造に用いられるロジンとして
代表的なものは、ガムロジン、トール油ロジンまたはウ
ッドロジンなどであり、これらは単独で、あるいは2種
以上の混合物として用いられる。そしてこのロジンは水
素化されたものでも、あるいは重合化されたもの、さら
にはホルムアルデヒドなどで変性されたものであっても
よい。なお、α,β−不飽和カルボン酸を反応させない
ロジン及びその他ロジン誘導体も使用できる。そのα,
β−不飽和カルボン酸の代表的な例としては、フマル
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イ
タコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、アクリル
酸またはメタクリル酸などが挙げられる。
本発明における疎水性基を有するポリアミノポリアミ
ド−エピクロルヒドリン樹脂は、疎水性基を有するポリ
アミノポリアミドとエピクロルヒドリンとの水溶性反応
重合物、または特に疎水性基を有しない通常のポリアミ
ノポリアミドとエピクロルヒドリン及び疎水性基を与え
る物質との反応物である。ここで、疎水性基を有するポ
リアミノポリアミドは、基本的にはポリアルキレンポリ
アミン、ジカルボン酸あるいはその誘導体及び疎水性基
を与える物質の反応により得られる。
ド−エピクロルヒドリン樹脂は、疎水性基を有するポリ
アミノポリアミドとエピクロルヒドリンとの水溶性反応
重合物、または特に疎水性基を有しない通常のポリアミ
ノポリアミドとエピクロルヒドリン及び疎水性基を与え
る物質との反応物である。ここで、疎水性基を有するポ
リアミノポリアミドは、基本的にはポリアルキレンポリ
アミン、ジカルボン酸あるいはその誘導体及び疎水性基
を与える物質の反応により得られる。
ポリアルキレンポリアミンとしては、例えばジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、イミノビスプロピルアミン等が代表的な
ものであり、これらは一種類のみでも、二種類以上を併
用して使用しても良いことはもちろんである。また、エ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン
類も併用することが出来る。
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、イミノビスプロピルアミン等が代表的な
ものであり、これらは一種類のみでも、二種類以上を併
用して使用しても良いことはもちろんである。また、エ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン
類も併用することが出来る。
また、ジカルボン酸あるいはその誘導体としては、例
えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマ
ル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸及びそ
れらの酸の無水物、あるいは、これらの酸のエステル等
が挙げられるが、これらのうち一種類もしくは二種類以
上を併用して使用することもできる。
えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマ
ル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸及びそ
れらの酸の無水物、あるいは、これらの酸のエステル等
が挙げられるが、これらのうち一種類もしくは二種類以
上を併用して使用することもできる。
さらに、疎水性基を与える物質としては、例えばポリ
アルキレンポリアミンまたはジカルボン酸あるいはその
誘導体と反応して最終的にはポリアミノポリアミドに疎
水性基を導入し得るか、または、ポリアルキレンポリア
ミンとジカルボン酸あるいはその誘導体との反応により
得られたポリアミノポリアミドと反応して疎水性基を導
入し得るか、または、エピクロルヒドリンと反応してポ
リアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂に疎水性
基を導入しうる化合物の事であり、具体的には、例え
ば、1)ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘ
ニン酸等の好ましくは炭素数6以上のアルキル鎖を有す
る一塩基性カルボン酸及びこれらカルボン酸のエステル
あるいはその無水物、2)シクロヘキシルアミン、ステ
アリルアミン等の好ましくは炭素数6以上のアルキルア
ミン、3)デシル、テトラデシル、ヘキサデシル等のア
ルキルケテンダイマー、4)ヘキシル、ヘキセニル、ド
デシル、ドデセニル等のアルキルまたはアルケニル無水
コハク酸、5)シクロヘキセンオキシド、スチレンオキ
シド等のアルキレンオキシド、6)ロジン、ロジンアミ
ン、ロジンエステル類等のテルペノイドあるいはその誘
導体が挙げられる。
アルキレンポリアミンまたはジカルボン酸あるいはその
誘導体と反応して最終的にはポリアミノポリアミドに疎
水性基を導入し得るか、または、ポリアルキレンポリア
ミンとジカルボン酸あるいはその誘導体との反応により
得られたポリアミノポリアミドと反応して疎水性基を導
入し得るか、または、エピクロルヒドリンと反応してポ
リアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂に疎水性
基を導入しうる化合物の事であり、具体的には、例え
ば、1)ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘ
ニン酸等の好ましくは炭素数6以上のアルキル鎖を有す
る一塩基性カルボン酸及びこれらカルボン酸のエステル
あるいはその無水物、2)シクロヘキシルアミン、ステ
アリルアミン等の好ましくは炭素数6以上のアルキルア
ミン、3)デシル、テトラデシル、ヘキサデシル等のア
ルキルケテンダイマー、4)ヘキシル、ヘキセニル、ド
デシル、ドデセニル等のアルキルまたはアルケニル無水
コハク酸、5)シクロヘキセンオキシド、スチレンオキ
シド等のアルキレンオキシド、6)ロジン、ロジンアミ
ン、ロジンエステル類等のテルペノイドあるいはその誘
導体が挙げられる。
ポリアルキレンポリアミン、ジカルボン酸又はその誘
導体、及び疎水性基を与える物質との反応の際のモル比
は、1:(0.2〜3):(0.01〜0.5)の範囲が好ましく、
ジカルボン酸又はその誘導体のモル比、及び疎水性基を
与える物質のモル比がこの範囲より多くても少なくて
も、粒子状態、サイズ性能はこの範囲内のものより劣
る。
導体、及び疎水性基を与える物質との反応の際のモル比
は、1:(0.2〜3):(0.01〜0.5)の範囲が好ましく、
ジカルボン酸又はその誘導体のモル比、及び疎水性基を
与える物質のモル比がこの範囲より多くても少なくて
も、粒子状態、サイズ性能はこの範囲内のものより劣
る。
ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸あるいはそ
の誘導体との反応は、公知の方法にしたがって、110〜2
50℃の温度で0.5〜6時間にわたって行われる。疎水性
基を与える物質は、予めポリアルキレンポリアミンある
いは、ジカルボン酸と反応させておいても良く、ポリア
ルキレンポリアミンとジカルボン酸あるいはその誘導体
との反応の際に同時に反応させても良い。また、ポリア
ルキレンポリアミンとジカルボン酸あるいはその誘導体
との反応によりポリアミノポリアミドが得られた後、反
応させても良い。
の誘導体との反応は、公知の方法にしたがって、110〜2
50℃の温度で0.5〜6時間にわたって行われる。疎水性
基を与える物質は、予めポリアルキレンポリアミンある
いは、ジカルボン酸と反応させておいても良く、ポリア
ルキレンポリアミンとジカルボン酸あるいはその誘導体
との反応の際に同時に反応させても良い。また、ポリア
ルキレンポリアミンとジカルボン酸あるいはその誘導体
との反応によりポリアミノポリアミドが得られた後、反
応させても良い。
次いで、上記のようにして得られた疎水性基を有する
ポリアミノポリアミドを必要に応じて水で希釈して、20
〜50%水溶液とし、疎水性基を有するポリアミノポリア
ミド中のアミノ基に対し0.1〜3モル当量のエピクロル
ヒドリンと反応させる。
ポリアミノポリアミドを必要に応じて水で希釈して、20
〜50%水溶液とし、疎水性基を有するポリアミノポリア
ミド中のアミノ基に対し0.1〜3モル当量のエピクロル
ヒドリンと反応させる。
疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロル
ヒドリン樹脂の製造は、通常30〜80℃の範囲で行うが、
最終生成物の25%の水溶液の粘度が20〜2000cps(BM型
粘度計、60rpm、測定温度25℃)になるまで継続するこ
とが好ましい。
ヒドリン樹脂の製造は、通常30〜80℃の範囲で行うが、
最終生成物の25%の水溶液の粘度が20〜2000cps(BM型
粘度計、60rpm、測定温度25℃)になるまで継続するこ
とが好ましい。
25%水溶液の粘度が20cps以下であると、粒子状態の
良いカチオン性ロジンエマルジョンが得られ難く、ま
た、粒子状態の良いカチオン性ロジンエマルジョンが得
られた場合でも、そのサイズ性能は満足すべきものでは
ない。また、2000cps以上では、カチオン性ロジンエマ
ルジョンの粘度が高くなりすぎて、固形分30%以上のカ
チオン性ロジンエマルジョンを得ることが困難になり経
済性の面から好ましくない。
良いカチオン性ロジンエマルジョンが得られ難く、ま
た、粒子状態の良いカチオン性ロジンエマルジョンが得
られた場合でも、そのサイズ性能は満足すべきものでは
ない。また、2000cps以上では、カチオン性ロジンエマ
ルジョンの粘度が高くなりすぎて、固形分30%以上のカ
チオン性ロジンエマルジョンを得ることが困難になり経
済性の面から好ましくない。
このように、疎水性基を有するポリアミノポリアミド
とエピクロルヒドリンを25%水溶液の粘度が20〜2000cp
sになるまで反応させた後、固形分濃度が10〜60%、好
ましくは30〜60%になるように水で希釈調製し、次いで
酸を加えてpHを2〜6に調整する。ここで使用する酸と
しては、硫酸、塩酸、等の無機酸及び、蟻酸、酢酸等の
有機酸が挙げられる。
とエピクロルヒドリンを25%水溶液の粘度が20〜2000cp
sになるまで反応させた後、固形分濃度が10〜60%、好
ましくは30〜60%になるように水で希釈調製し、次いで
酸を加えてpHを2〜6に調整する。ここで使用する酸と
しては、硫酸、塩酸、等の無機酸及び、蟻酸、酢酸等の
有機酸が挙げられる。
疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロル
ヒドリン樹脂の製造に関して、予め疎水性基を有するポ
リアミノポリアミドを製造し、さらにエピクロルヒドリ
ンと反応させることによる方法を記述したが、その他に
疎水性基を有しないポリアミノポリアミドの水溶液に、
エピクロルヒドリンと疎水性基導入物質とを反応させる
ことによっても疎水性基を有するポリアミノポリアミド
−エピクロルヒドリン樹脂を製造することが出来る。
ヒドリン樹脂の製造に関して、予め疎水性基を有するポ
リアミノポリアミドを製造し、さらにエピクロルヒドリ
ンと反応させることによる方法を記述したが、その他に
疎水性基を有しないポリアミノポリアミドの水溶液に、
エピクロルヒドリンと疎水性基導入物質とを反応させる
ことによっても疎水性基を有するポリアミノポリアミド
−エピクロルヒドリン樹脂を製造することが出来る。
本発明によるサイズ剤は基本的には前記したようにロ
ジン系物質、疎水性基を有するポリアミノポリアミド−
エピクロルヒドリン樹脂および水から成るものである
が、ロジン系物質と疎水性基を有するポリアミノポリア
ミド−エピクロルヒドリン樹脂との使用割合は、生成し
たエマルジョンが長期間にわたって安定であり、抄紙系
に添加するときまたは抄紙系において加わる剪断力に対
して安定であり、しかもサイズ剤としての効果を充分発
揮する範囲であることが好ましい。
ジン系物質、疎水性基を有するポリアミノポリアミド−
エピクロルヒドリン樹脂および水から成るものである
が、ロジン系物質と疎水性基を有するポリアミノポリア
ミド−エピクロルヒドリン樹脂との使用割合は、生成し
たエマルジョンが長期間にわたって安定であり、抄紙系
に添加するときまたは抄紙系において加わる剪断力に対
して安定であり、しかもサイズ剤としての効果を充分発
揮する範囲であることが好ましい。
従って、疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エ
ピクロルヒドリン樹脂の使用量は、製品の安定性、サイ
ズ性能および経済性の面からロジン系物質に対し固形分
で0.5〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜15
重量%、最も好ましくは2〜10重量%である。該ポリマ
ーがこの範囲より多く使用しても安定な製品が得られる
が経済性及びサイズ性能の面から好ましくない。
ピクロルヒドリン樹脂の使用量は、製品の安定性、サイ
ズ性能および経済性の面からロジン系物質に対し固形分
で0.5〜20重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜15
重量%、最も好ましくは2〜10重量%である。該ポリマ
ーがこの範囲より多く使用しても安定な製品が得られる
が経済性及びサイズ性能の面から好ましくない。
本発明のサイズ剤は必要に応じてカチオン性または非
イオン性の界面活性剤を含んでいてもよい。
イオン性の界面活性剤を含んでいてもよい。
このような界面活性剤の例として、カチオン性のもの
としてはテトラアルキルアンモニウムクロリド、トリア
ルキルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルアミン
酢酸塩、アルキルアミン塩酸塩、オキシエチレンアルキ
ルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げ
られる。非イオン性のものとしては、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ
ーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリ
コールグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸
エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸ジエチノール
アミド等が挙げられる。
としてはテトラアルキルアンモニウムクロリド、トリア
ルキルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルアミン
酢酸塩、アルキルアミン塩酸塩、オキシエチレンアルキ
ルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げ
られる。非イオン性のものとしては、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ
ーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリ
コールグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸
エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸ジエチノール
アミド等が挙げられる。
本発明のサイズ剤はこれらの界面活性剤のほか、さら
に必要に応じて公知慣用の種々の添加剤、例えばカチオ
ン性、両性またはアニオン性ポリアクリルアミド、疎水
性基を有しない従来のポリアルキレンポリアミド−エピ
クロルヒドリン樹脂、カチオン化澱粉、カルボキシメチ
ルセルロースあるいは硫酸バン土、ポリ塩化アルミニウ
ム等のアルミニウム化合物が使用できる。
に必要に応じて公知慣用の種々の添加剤、例えばカチオ
ン性、両性またはアニオン性ポリアクリルアミド、疎水
性基を有しない従来のポリアルキレンポリアミド−エピ
クロルヒドリン樹脂、カチオン化澱粉、カルボキシメチ
ルセルロースあるいは硫酸バン土、ポリ塩化アルミニウ
ム等のアルミニウム化合物が使用できる。
本発明のカチオン性ロジンエマルジョンの製造方法
は、特に限定されるものでないが、公知の方法例えば、
ロジンをあらかじめ油溶性の溶剤に溶かした溶液と乳化
剤及び水を混合しホモジナイザー処理した後溶剤を留去
するいわゆる溶剤法、溶融したロジンを高温高圧下で乳
化剤と水とを混合しホモジナイザー処理するいわゆるメ
カニカル法、あるいは溶融したロジンに乳化剤と一部の
水を撹拌下で混合しさらに水を加えて油中水型エマルジ
ョンから水中油型エマルジョンに相転移させるいわゆる
転相法等が用いられる。
は、特に限定されるものでないが、公知の方法例えば、
ロジンをあらかじめ油溶性の溶剤に溶かした溶液と乳化
剤及び水を混合しホモジナイザー処理した後溶剤を留去
するいわゆる溶剤法、溶融したロジンを高温高圧下で乳
化剤と水とを混合しホモジナイザー処理するいわゆるメ
カニカル法、あるいは溶融したロジンに乳化剤と一部の
水を撹拌下で混合しさらに水を加えて油中水型エマルジ
ョンから水中油型エマルジョンに相転移させるいわゆる
転相法等が用いられる。
かくして得られた本発明のカチオン性ロジンエマルジ
ョンサイズ剤は、任意成分である前記界面活性剤を含ん
でいない場合においても優れたエマルジョンとしての安
定性を示す。このことから本発明のサイズ剤の主成分の
1つである前記の疎水性基を有するポリアミノポリアミ
ド−エピクロルヒドリン樹脂がエマルジョン安定化効果
に大きな役割を果していることが知れる。また、従来の
カチオン性の分散剤を用いた方法に比べ、製造が容易で
あるばかりでなく、粗大粒子および粒子の凝集がほとん
どないため、非常に保存安定性および機械的安定性に優
れている。さらに、酸性抄紙系はもとより、特に中性抄
紙系においても、従来のサイズ剤にはみられなかったよ
うな卓越したサイズ効果を発揮する上に、抄紙系の泡立
ちも少ないという利点を具備している。
ョンサイズ剤は、任意成分である前記界面活性剤を含ん
でいない場合においても優れたエマルジョンとしての安
定性を示す。このことから本発明のサイズ剤の主成分の
1つである前記の疎水性基を有するポリアミノポリアミ
ド−エピクロルヒドリン樹脂がエマルジョン安定化効果
に大きな役割を果していることが知れる。また、従来の
カチオン性の分散剤を用いた方法に比べ、製造が容易で
あるばかりでなく、粗大粒子および粒子の凝集がほとん
どないため、非常に保存安定性および機械的安定性に優
れている。さらに、酸性抄紙系はもとより、特に中性抄
紙系においても、従来のサイズ剤にはみられなかったよ
うな卓越したサイズ効果を発揮する上に、抄紙系の泡立
ちも少ないという利点を具備している。
[実施例] 次に本発明を実施例および比較例により具体的に説明
する。なお、「部」は、重量部、%は重量%を示す。
する。なお、「部」は、重量部、%は重量%を示す。
疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロ
ルヒドリン樹脂の製造 以下のようにして(A−1)〜(A−7)の疎水性基
を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹
脂を製造した。
ルヒドリン樹脂の製造 以下のようにして(A−1)〜(A−7)の疎水性基
を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹
脂を製造した。
−1(A−1)の樹脂水溶液 温度計、冷却管及び撹拌棒を備えた四つ口フラスコ
に、ジエチレントリアミン309部(3モル)、アジピン
酸428部(2.93モル)及びステアリン酸42.7部(0.15モ
ル)を仕込み、窒素気流下170℃で脱水しながら反応を
2時間行った後、水500部を徐々に加え、ポリアミノポ
リアミドの55.5%水溶液を得た。この得られた水溶液12
1部を同様の反応容器に仕込み、次いで水118部を加えて
希釈後、エピクロルヒドリン47.2部を加え、60℃に昇温
して1時間加熱撹拌した。その後、水45.8部、濃硫酸3.
7部を順次加え、冷却して固形分濃度31.9%の疎水性基
を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹
脂(A−1)を得た。このものの25%水溶液の粘度は20
3cpsであった。
に、ジエチレントリアミン309部(3モル)、アジピン
酸428部(2.93モル)及びステアリン酸42.7部(0.15モ
ル)を仕込み、窒素気流下170℃で脱水しながら反応を
2時間行った後、水500部を徐々に加え、ポリアミノポ
リアミドの55.5%水溶液を得た。この得られた水溶液12
1部を同様の反応容器に仕込み、次いで水118部を加えて
希釈後、エピクロルヒドリン47.2部を加え、60℃に昇温
して1時間加熱撹拌した。その後、水45.8部、濃硫酸3.
7部を順次加え、冷却して固形分濃度31.9%の疎水性基
を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹
脂(A−1)を得た。このものの25%水溶液の粘度は20
3cpsであった。
−2(A−2)の樹脂水溶液 −1と同様の反応容器に、グルタル酸ジメチル379
部(2.37モル)、アジピン酸ジメチル107部(0.61モ
ル)及びロジンアミン(デヒドロアビエチルアミン)4
7.4部(0.15モル)を仕込み、窒素気流下170℃で脱メタ
ノールを行いながら反応を1時間行った後、100℃に冷
却してジエチレントリアミン301部(2.92モル)を加え
た。150℃に昇温して1時間脱メタノール反応を続けた
後、水500部を徐々に加え、ポリアミノポリアミド56.6
%水溶液を得た。この得られた水溶液を116部用い、エ
ピクロルヒドリン52.7部を用いた他は、−1と同様の
反応を行って、固形分濃度27.9%の疎水性基を有するポ
リアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂(A−
2)を得た。このものの25%水溶液の粘度は131cpsであ
った。
部(2.37モル)、アジピン酸ジメチル107部(0.61モ
ル)及びロジンアミン(デヒドロアビエチルアミン)4
7.4部(0.15モル)を仕込み、窒素気流下170℃で脱メタ
ノールを行いながら反応を1時間行った後、100℃に冷
却してジエチレントリアミン301部(2.92モル)を加え
た。150℃に昇温して1時間脱メタノール反応を続けた
後、水500部を徐々に加え、ポリアミノポリアミド56.6
%水溶液を得た。この得られた水溶液を116部用い、エ
ピクロルヒドリン52.7部を用いた他は、−1と同様の
反応を行って、固形分濃度27.9%の疎水性基を有するポ
リアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂(A−
2)を得た。このものの25%水溶液の粘度は131cpsであ
った。
−3(A−3)の樹脂水溶液 −1と同様の反応容器に、ジエチレントリアミン30
9部(3モル)及びアビエチン酸45.3部(0.15モル)を
仕込み、窒素気流下200℃で脱水しながら反応を2時間
行った後、100℃に冷却してアジピン酸416部(2.85モ
ル)を加えた。170℃に昇温して2時間脱水反応を続け
た後、水500部を徐々に加え、ポリアミノポリアミドの5
8.5%水溶液を得た。この得られた水溶液を108部用いた
他は、−1と同様の反応を行って、固形分濃度32.4%
の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロル
ヒドリン樹脂(A−3)を得た。このものの25%水溶液
の粘度は25cpsであった。
9部(3モル)及びアビエチン酸45.3部(0.15モル)を
仕込み、窒素気流下200℃で脱水しながら反応を2時間
行った後、100℃に冷却してアジピン酸416部(2.85モ
ル)を加えた。170℃に昇温して2時間脱水反応を続け
た後、水500部を徐々に加え、ポリアミノポリアミドの5
8.5%水溶液を得た。この得られた水溶液を108部用いた
他は、−1と同様の反応を行って、固形分濃度32.4%
の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロル
ヒドリン樹脂(A−3)を得た。このものの25%水溶液
の粘度は25cpsであった。
−4(A−4)の樹脂水溶液 ジエチレントリアミン309部(3モル)、アジピン酸4
38部(3モル)を用いて、−1と同様の反応を行い、
特に疎水性基は有しない通常のポリアミノポリアミドの
55.8%水溶液を得た。この得られた水溶液115部を同様
の反応容器に仕込み、次いで水133部を加えて希釈後、
エピクロルヒドリン55.5部及びシクロヘキシルアミン3.
0部を加え、60℃に昇温して2時間加熱撹拌した。その
後、水43.6部、濃硫酸3.7部を順次加え、冷却して固形
分濃度31.3%の疎水性基を有するポリアミノポリアミド
−エピクロルヒドリン樹脂(A−4)を得た。このもの
の25%使用液の粘度は120cpsであった。
38部(3モル)を用いて、−1と同様の反応を行い、
特に疎水性基は有しない通常のポリアミノポリアミドの
55.8%水溶液を得た。この得られた水溶液115部を同様
の反応容器に仕込み、次いで水133部を加えて希釈後、
エピクロルヒドリン55.5部及びシクロヘキシルアミン3.
0部を加え、60℃に昇温して2時間加熱撹拌した。その
後、水43.6部、濃硫酸3.7部を順次加え、冷却して固形
分濃度31.3%の疎水性基を有するポリアミノポリアミド
−エピクロルヒドリン樹脂(A−4)を得た。このもの
の25%使用液の粘度は120cpsであった。
−5(A−5)の樹脂水溶液 トリエチレンテトラミン438部(3モル)、アジピン
酸219部(1.5モル)、ドデセニル無水コハク酸339部
(1.5モル)を用いて、上記−1と同様の反応を行
い、ポリアミノポリアミドの65.2%水溶液を得た。この
得られた水溶液74.8部及びエピクロルヒドリン52.7部を
用いた他は、−1と同様の反応を行って、固形分濃度
30.6%の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピ
クロルヒドリン樹脂水溶液(A−5)を得た。このもの
の25%水溶液の粘度は22cpsであった。
酸219部(1.5モル)、ドデセニル無水コハク酸339部
(1.5モル)を用いて、上記−1と同様の反応を行
い、ポリアミノポリアミドの65.2%水溶液を得た。この
得られた水溶液74.8部及びエピクロルヒドリン52.7部を
用いた他は、−1と同様の反応を行って、固形分濃度
30.6%の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピ
クロルヒドリン樹脂水溶液(A−5)を得た。このもの
の25%水溶液の粘度は22cpsであった。
−6(A−6)の樹脂水溶液 ジエチレントリアミン309部(3モル)、アジピン酸3
94部(2.7モル)、ヘキサデシルケテンダイマー79.8部
(0.3モル)を用いて、−1と同様の反応を行い、ポ
リアミノポリアミドの57.5%水溶液を得た。この得られ
た水溶液108部及びエピクロルヒドリン52.7部を用いた
他は、−1と同様の反応を行って、固形分濃度31.1%
の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロル
ヒドリン樹脂水溶液(A−6)を得た。このものの25%
水溶液の粘度は64cpsであった。
94部(2.7モル)、ヘキサデシルケテンダイマー79.8部
(0.3モル)を用いて、−1と同様の反応を行い、ポ
リアミノポリアミドの57.5%水溶液を得た。この得られ
た水溶液108部及びエピクロルヒドリン52.7部を用いた
他は、−1と同様の反応を行って、固形分濃度31.1%
の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロル
ヒドリン樹脂水溶液(A−6)を得た。このものの25%
水溶液の粘度は64cpsであった。
−7(A−7)の樹脂水溶液 ジエチレントリアミン309部(3モル)、アジピン酸4
16部(2.85モル)、シクロヘキセンオキサイド29.4部
(0.3モル)を用いて、上記の−1と同様の反応を行
い、ポリアミノポリアミドの56.3%水溶液を得た。この
得られた水溶液105部及びエピクロルヒドリン41.6部を
用いた他は、−1と同様の反応を行って、固形分濃度
30.3%の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピ
クロルヒドリン樹脂水溶液(A−7)を得た。このもの
の25%水溶液の粘度は21cpsであった。
16部(2.85モル)、シクロヘキセンオキサイド29.4部
(0.3モル)を用いて、上記の−1と同様の反応を行
い、ポリアミノポリアミドの56.3%水溶液を得た。この
得られた水溶液105部及びエピクロルヒドリン41.6部を
用いた他は、−1と同様の反応を行って、固形分濃度
30.3%の疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピ
クロルヒドリン樹脂水溶液(A−7)を得た。このもの
の25%水溶液の粘度は21cpsであった。
フマル酸強化ロジンの製造 約200℃で溶融状態にあるガムロジン460部にフマル部
70部を徐々に加えていき、ほとんど全部のフマル酸が反
応し終わった後、さらにホルムアルデヒド処理(変性率
3%)トール油ロジンを470部加え、溶融撹拌して均質
化し、その後に、反応生成物を室温に冷却した。この反
応生成物(強化ロジン)はフマル酸が7%付加されたロ
ジンであった。
70部を徐々に加えていき、ほとんど全部のフマル酸が反
応し終わった後、さらにホルムアルデヒド処理(変性率
3%)トール油ロジンを470部加え、溶融撹拌して均質
化し、その後に、反応生成物を室温に冷却した。この反
応生成物(強化ロジン)はフマル酸が7%付加されたロ
ジンであった。
カチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤の製造 実施例1 上記で得たフマル酸強化ロジン150部を約150℃に加
熱溶融し、激しく撹拌しながら(A−1)の疎水性基を
有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂
52.3部を添加混合して油中水型のエマルジョンとした。
これに熱水を徐々に加えて転相させ水中油型のエマルジ
ョンとし、これにさらに熱水を素速く添加して安定な水
中油型エマルジョンとした後、室温まで冷却した。転相
および希釈に用いた熱水の合計は228部であり、かくし
て得られたエマルジョンの固形分は38.7%、平均粒子径
は0.52μmであり長期間安定なものであった。
熱溶融し、激しく撹拌しながら(A−1)の疎水性基を
有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂
52.3部を添加混合して油中水型のエマルジョンとした。
これに熱水を徐々に加えて転相させ水中油型のエマルジ
ョンとし、これにさらに熱水を素速く添加して安定な水
中油型エマルジョンとした後、室温まで冷却した。転相
および希釈に用いた熱水の合計は228部であり、かくし
て得られたエマルジョンの固形分は38.7%、平均粒子径
は0.52μmであり長期間安定なものであった。
実施例2 表1に示すような配合比(固形分重量比)で、疎水性
基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン
樹脂(A−2)を用い実施例1と同様の方法で、カチオ
ン性ロジンエマルジョンサイズ剤を得た。
基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン
樹脂(A−2)を用い実施例1と同様の方法で、カチオ
ン性ロジンエマルジョンサイズ剤を得た。
実施例3 上記で得たフマル酸強化ロジン150部をトルエン150
部に溶解し、疎水性基を有するポリアミノポリアミド−
エピクロルヒドリン樹脂(A−3)9.4部および300部の
水を混合した。該混合物を約150Kg/cm2の圧力で2回に
わたって工業用ホモジナイザーを通し、その後減圧蒸留
により全てのトルエンを除去し、固形分35.3%のロジン
エマルジョンを得た。
部に溶解し、疎水性基を有するポリアミノポリアミド−
エピクロルヒドリン樹脂(A−3)9.4部および300部の
水を混合した。該混合物を約150Kg/cm2の圧力で2回に
わたって工業用ホモジナイザーを通し、その後減圧蒸留
により全てのトルエンを除去し、固形分35.3%のロジン
エマルジョンを得た。
実施例4 表1に示すような配合比(固形分重量比)で、疎水性
基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン
樹脂(A−4)を用い実施例3と同様の方法でカチオン
性ロジンエマルジョンサイズ剤を得た。
基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン
樹脂(A−4)を用い実施例3と同様の方法でカチオン
性ロジンエマルジョンサイズ剤を得た。
実施例5 表1に示すような配合比(固形分重量比)で、疎水性
基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン
樹脂(A−5)を用い実施例3と同様の方法でカチオン
性ロジンエマルジョンサイズ剤を得た。
基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン
樹脂(A−5)を用い実施例3と同様の方法でカチオン
性ロジンエマルジョンサイズ剤を得た。
実施例6 上記で得たフマル酸強化ロジン150部を170℃で溶融
し、疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロ
ルヒドリン樹脂(A−6)20.1部および220部の水とを
高温高圧下で混合し、該混合物を約150Kg/cm2の圧力で
2回にわたって工業用ホモジナイザーを通し、固形分40
%のロジンエマルジョンを得た。
し、疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロ
ルヒドリン樹脂(A−6)20.1部および220部の水とを
高温高圧下で混合し、該混合物を約150Kg/cm2の圧力で
2回にわたって工業用ホモジナイザーを通し、固形分40
%のロジンエマルジョンを得た。
実施例7 表1に示すような配合比(固形分重量比)で、疎水性
基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン
樹脂(A−7)を用い実施例6と同様の方法でカチオン
性ロジンエマルジョンサイズ剤を得た。
基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン
樹脂(A−7)を用い実施例6と同様の方法でカチオン
性ロジンエマルジョンサイズ剤を得た。
以上、実施例1〜7で得られたサイズ剤は表1に示し
たゼータ電位の値から明らかのように全てカチオン性で
あり、凝集がみられず、安定なカチオン性ロジンエマル
ジョンサイズ剤であった。
たゼータ電位の値から明らかのように全てカチオン性で
あり、凝集がみられず、安定なカチオン性ロジンエマル
ジョンサイズ剤であった。
なお、ゼータ電位の測定は、サイズ剤サンプルを10-3
M塩化カリウム溶液にて0.01%に希釈し、苛性カリでpH7
に調整後ゼータメータ(Lazer−Zee Meterペンケム社
製)により測定し、mvで表示した。
M塩化カリウム溶液にて0.01%に希釈し、苛性カリでpH7
に調整後ゼータメータ(Lazer−Zee Meterペンケム社
製)により測定し、mvで表示した。
また、平均粒子径は、サイズ剤サンプルを水で0.2%
に希釈後Master Sizer(マルバーン社製)にて測定し、
その値をμmで表示した。
に希釈後Master Sizer(マルバーン社製)にて測定し、
その値をμmで表示した。
比較例1 疎水性基を有しないポリアミノポリアミド−
エピクロルヒドリン樹脂を用いたカチオン性ロジンエマ
ルジョン ステアリン酸を除外した以外は、上記−1と同様の
反応を行い、ポリアミノポリアミドの55.0%水溶液を得
た。この得られた水溶液110部を用いた以外は−1と
同様の反応を行い、固形分濃度31.2%のポリアミノポリ
アミド−エピクロルヒドリン樹脂(A−9)を得た。こ
のものの25%水溶液の粘度は250cpsであった。
エピクロルヒドリン樹脂を用いたカチオン性ロジンエマ
ルジョン ステアリン酸を除外した以外は、上記−1と同様の
反応を行い、ポリアミノポリアミドの55.0%水溶液を得
た。この得られた水溶液110部を用いた以外は−1と
同様の反応を行い、固形分濃度31.2%のポリアミノポリ
アミド−エピクロルヒドリン樹脂(A−9)を得た。こ
のものの25%水溶液の粘度は250cpsであった。
疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロル
ヒドリン樹脂(A−1)のかわりに疎水性基を有しない
ポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂(A−
9)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行ったとこ
ろ、エマルジョンは全く得られず凝集物のみが生成し
た。
ヒドリン樹脂(A−1)のかわりに疎水性基を有しない
ポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂(A−
9)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行ったとこ
ろ、エマルジョンは全く得られず凝集物のみが生成し
た。
比較例2 従来のカチオン性ロジンエマルジョンサイズ
剤 米特許第3966654号明細書の例1に従い、以下のよう
にしてエマルジョンを得た。
剤 米特許第3966654号明細書の例1に従い、以下のよう
にしてエマルジョンを得た。
上記のフマル酸強化ロジン300部を300部のベンゼン
に溶解し、上記米国特許明細書の参考例17で調製したア
ミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂溶液400部
(固形分50部)および350部の水を混合した。該混合物
を約150Kg/cm2の圧力で2回にわたって工業用ホモジナ
イザーを通し、その後減圧蒸留により全てのベンゼンを
除去した。得られたロジンエマルジョンは約35%の固形
分を有し、そのうちの約85%が強化ロジンであり、約15
%がアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂であっ
た。
に溶解し、上記米国特許明細書の参考例17で調製したア
ミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂溶液400部
(固形分50部)および350部の水を混合した。該混合物
を約150Kg/cm2の圧力で2回にわたって工業用ホモジナ
イザーを通し、その後減圧蒸留により全てのベンゼンを
除去した。得られたロジンエマルジョンは約35%の固形
分を有し、そのうちの約85%が強化ロジンであり、約15
%がアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂であっ
た。
比較例3 従来のアニオン性ロジンエマルジョンサイズ
剤 アニオン性高分子分散剤を用いたロジンエマルジョン
の代表例として、特開昭61−108795号公報の参考例8の
スチレン−メタクリル酸系共重合体ケン化物を用い、そ
の実施例3に準じてアニオン性ロジンエマルジョンを得
た。
剤 アニオン性高分子分散剤を用いたロジンエマルジョン
の代表例として、特開昭61−108795号公報の参考例8の
スチレン−メタクリル酸系共重合体ケン化物を用い、そ
の実施例3に準じてアニオン性ロジンエマルジョンを得
た。
すなわち、本欄の上記ので得たフマル酸強化ロジン
250部を約150℃に加熱溶融し、激しく撹拌しながら上記
公報の参考例8のスチレン−メタクリル酸共重合体ケン
化物135部と20%ポリオキシエチレン(重合度12)ドデ
シルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩7部
を添加混合して油中水型のエマルジョンとした。これに
熱水を徐々に加えて転相させ水中油型のエマルジョンと
し、これにさらに熱水を素速く添加して安定な水中油型
エマルジョンとした後、室温まで冷却した。転相および
希釈に用いた熱水の合計は211部であり、かくして得ら
れたエマルジョンは約45%の固形物を含み、その固形物
の約0.5%が上記アニオン性界面活性剤であり、約7.5%
がスチレン−メタクリル酸系共重合体ケン化物で、長時
間にわたって安定なものであった。
250部を約150℃に加熱溶融し、激しく撹拌しながら上記
公報の参考例8のスチレン−メタクリル酸共重合体ケン
化物135部と20%ポリオキシエチレン(重合度12)ドデ
シルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩7部
を添加混合して油中水型のエマルジョンとした。これに
熱水を徐々に加えて転相させ水中油型のエマルジョンと
し、これにさらに熱水を素速く添加して安定な水中油型
エマルジョンとした後、室温まで冷却した。転相および
希釈に用いた熱水の合計は211部であり、かくして得ら
れたエマルジョンは約45%の固形物を含み、その固形物
の約0.5%が上記アニオン性界面活性剤であり、約7.5%
がスチレン−メタクリル酸系共重合体ケン化物で、長時
間にわたって安定なものであった。
以上の実施例並びに比較例で調製された各サイズ剤を
用いて、サイズ効果、静置安定性および泡立ち性の試験
を行った。試験条件は以下に示す。
用いて、サイズ効果、静置安定性および泡立ち性の試験
を行った。試験条件は以下に示す。
サイズ効果試験 晒クラフトパルプ(針葉樹対広葉樹のパルプ比が1対
4である混合パルプ)をパルプ濃度が2.5%になる量の
硬度の硬度100ppmの希釈用水で、ビーターを用いて350m
lカナデアンスタンダ−ドフリーネスまで叩解した。
4である混合パルプ)をパルプ濃度が2.5%になる量の
硬度の硬度100ppmの希釈用水で、ビーターを用いて350m
lカナデアンスタンダ−ドフリーネスまで叩解した。
次いで該パルプスラリー1.2を離解機に秤取し、対
パルプ0.5%(固形分重量比)のサイズ剤と対パルプ0.2
5%(固形分重量比)の硫酸バン土を同時に添加し苛性
ソーダによってpHを7に調節し、その後30分間撹拌し
た。次いでpH7の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.2
5%まで希釈しカチオン性ポリアクリルアミドポリマー
を定着剤として対パルプ0.05%(固形分重量比)添加
し、ノーブルアンドウッド抄紙機で抄紙した。
パルプ0.5%(固形分重量比)のサイズ剤と対パルプ0.2
5%(固形分重量比)の硫酸バン土を同時に添加し苛性
ソーダによってpHを7に調節し、その後30分間撹拌し
た。次いでpH7の希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.2
5%まで希釈しカチオン性ポリアクリルアミドポリマー
を定着剤として対パルプ0.05%(固形分重量比)添加
し、ノーブルアンドウッド抄紙機で抄紙した。
ここに得られた湿紙を40%固形分になるようにプレス
し、次いでドラムドライヤーで100℃で60秒乾燥した。
かくして得られた紙片を恒温恒湿(20℃−60%相対湿
度)環境で24時間調湿して試験用紙料とした(坪量65g/
m2)。サイズ度はステキヒト法で測定した。結果を表2
に示す。
し、次いでドラムドライヤーで100℃で60秒乾燥した。
かくして得られた紙片を恒温恒湿(20℃−60%相対湿
度)環境で24時間調湿して試験用紙料とした(坪量65g/
m2)。サイズ度はステキヒト法で測定した。結果を表2
に示す。
泡立ち性試験 上記抄紙試験と同じパルプスラリーを用い同様に対パ
ルプ0.5%(固形分重量比)のサイズ剤と対パルプ0.25
%(固形分重量比)の硫酸バン土とを同時に添加し、苛
性ソーダでpH7に調節した。3分間撹拌した後、pH7の希
釈用水でこのパルプスラリーを0.25%まで希釈し、定着
剤としてカチオン性ポリアクリルアミド系ポリマーを対
パルプ0.05%(固形分重量比)添加し、1分間撹拌した
後、円筒型の容器に入れこのパルプスラリーの一部をポ
ンプで循環してこれを約1mの高さから容器中に落下さ
せ、10分間後の液面に蓄積する泡の面積を液面全体に対
する百分率で表した。
ルプ0.5%(固形分重量比)のサイズ剤と対パルプ0.25
%(固形分重量比)の硫酸バン土とを同時に添加し、苛
性ソーダでpH7に調節した。3分間撹拌した後、pH7の希
釈用水でこのパルプスラリーを0.25%まで希釈し、定着
剤としてカチオン性ポリアクリルアミド系ポリマーを対
パルプ0.05%(固形分重量比)添加し、1分間撹拌した
後、円筒型の容器に入れこのパルプスラリーの一部をポ
ンプで循環してこれを約1mの高さから容器中に落下さ
せ、10分間後の液面に蓄積する泡の面積を液面全体に対
する百分率で表した。
静置安定性試験 長さ30cm、内径2.1cmの試験管に100ccのサイズ剤サン
プルを入れ、1ヶ月静置後、底部に沈澱した沈澱物の高
さ(mm)を測定した。
プルを入れ、1ヶ月静置後、底部に沈澱した沈澱物の高
さ(mm)を測定した。
発明の効果 本発明によれば、ロジン系物質の乳化分散剤として疎
水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒド
リン樹脂を用いているので、従来のカチオン性ロジンエ
マルジョンに比べ、高濃度でかつ有効分の高いカチオン
性ロジンエマルジョンが容易に製造できる。得られたカ
チオン性ロジンエマルジョンサイズ剤は、粒子凝集がほ
とんどなく均一で微細な粒子であるため、非常に保存安
定性および機械的安定性に優れている。また、酸性抄紙
系はもとより、特に中性抄紙系においても、従来のアニ
オン性及びカチオン性ロジンサイズ剤にはみられなかっ
たような卓越したサイズ効果を発揮する上に、抄紙系の
泡立ちも少ないという利点を具備している。
水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒド
リン樹脂を用いているので、従来のカチオン性ロジンエ
マルジョンに比べ、高濃度でかつ有効分の高いカチオン
性ロジンエマルジョンが容易に製造できる。得られたカ
チオン性ロジンエマルジョンサイズ剤は、粒子凝集がほ
とんどなく均一で微細な粒子であるため、非常に保存安
定性および機械的安定性に優れている。また、酸性抄紙
系はもとより、特に中性抄紙系においても、従来のアニ
オン性及びカチオン性ロジンサイズ剤にはみられなかっ
たような卓越したサイズ効果を発揮する上に、抄紙系の
泡立ちも少ないという利点を具備している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 剛 千葉県市原市八幡海岸通17番地2 ディ ック・ハーキュレス株式会社研究所内 (56)参考文献 特開 昭50−36703(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 17/55 D21H 17/62 D21H 17/37
Claims (3)
- 【請求項1】主成分に(A)ロジン系物質および(B)
疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒ
ドリン樹脂を含有し、上記(A)成分を上記(B)成分
により直接水中に分散させ、安定化させたカチオン性ロ
ジンエマルジョンサイズ剤であって、上記(B)成分の
疎水性基を有するポリアミノポリアミド−エピクロルヒ
ドリン樹脂が (b−1)ポリアルキレンポリアミン (b−2)ジカルボン酸又はその誘導体 (b−3)エピクロルヒドリン (b−4)疎水性基導入物質として下記の群の少なくと
も1つの群の各群少なくとも一種類の化合物 を主成分として合成された化合物であることを特徴とす
るカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤。 (b−4−1)炭素数6以上の一塩基性カルボン酸、そ
の無水物、及びこれらのエステル化物 (b−4−2)炭素数6以上のアルキルアミン (b−4−3)アルキルケテンダイマー (b−4−4)アルキル又はアルケニル無水コハク酸 (b−4−5)アルキレンオキシド (b−4−6)テルペノイド及びその誘導体 - 【請求項2】(B)成分の疎水性基を有するポリアミノ
ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂含有量が、全固形
分に対して0.5〜20重量%であることを特徴とする請求
項1記載のカチオン性ロジンエマルジョンサイズ剤。 - 【請求項3】サイズ剤の全固形分が30〜60重量%である
ことを特徴とする請求項1又は2記載のカチオン性ロジ
ンエマルジョンサイズ剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9408290A JP2955763B2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | カチオン性ロジンエマルジヨンサイズ剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9408290A JP2955763B2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | カチオン性ロジンエマルジヨンサイズ剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03294596A JPH03294596A (ja) | 1991-12-25 |
JP2955763B2 true JP2955763B2 (ja) | 1999-10-04 |
Family
ID=14100558
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9408290A Expired - Fee Related JP2955763B2 (ja) | 1990-04-11 | 1990-04-11 | カチオン性ロジンエマルジヨンサイズ剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2955763B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8747616B2 (en) * | 2012-09-12 | 2014-06-10 | Ecolab Usa Inc | Method for the emulsification of ASA with polyamidoamine epihalohydrin (PAE) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19719059A1 (de) | 1997-05-06 | 1998-11-12 | Basf Ag | Verfahren zur Herstellung von Papier, Pappe und Karton |
JP6180917B2 (ja) * | 2013-12-19 | 2017-08-16 | ハリマ化成株式会社 | サイズ剤用分散剤、サイズ剤組成物および紙 |
JP6525397B2 (ja) * | 2015-09-28 | 2019-06-05 | 荒川化学工業株式会社 | ロジン系エマルジョンサイズ剤及び該サイズ剤を用いて得られる紙 |
-
1990
- 1990-04-11 JP JP9408290A patent/JP2955763B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8747616B2 (en) * | 2012-09-12 | 2014-06-10 | Ecolab Usa Inc | Method for the emulsification of ASA with polyamidoamine epihalohydrin (PAE) |
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---|---|
JPH03294596A (ja) | 1991-12-25 |
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