JPH04361690A - 製紙用サイズ剤組成物 - Google Patents

製紙用サイズ剤組成物

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JPH04361690A
JPH04361690A JP13291991A JP13291991A JPH04361690A JP H04361690 A JPH04361690 A JP H04361690A JP 13291991 A JP13291991 A JP 13291991A JP 13291991 A JP13291991 A JP 13291991A JP H04361690 A JPH04361690 A JP H04361690A
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JP
Japan
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acid
ketene dimer
sizing
sizing agent
paper
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JP13291991A
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Junji Kondo
純二 近藤
Masaki Inoue
雅喜 井上
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製紙用サイズ剤組成物に
関する。更に詳しくは、サイズ性能の立ち上がりが良く
、優れたサイズ性能効果を示すケテン二量体系製紙用サ
イズ剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より紙及び板紙のサイジング方法と
してロジンもしくは強化ロジン(マレイン化ロジン)と
硫酸アルミニウムを併用する酸性サイジングが一般的に
行われてきた。これに対して、近年、抄紙工程での白水
のクローズド化、填料として安価で白色度の高い炭酸カ
ルシウムの利用及びこれを含む損紙の利用とコートブロ
ーク処理等の観点から中性サイジングが導入されてきて
いる。
【0003】この中性サイジングに用いられるサイズ剤
としては、ケテン二量体系サイズ剤、置換環状ジカルボ
ン酸無水物系サイズ剤等が知られているが、使用上の簡
便性及び少量添加で強サイズ性が期待できることから、
ケテン二量体系サイズ剤が広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ケテン
二量体系サイズ剤には、サイズ効果の発現に時間がかか
るという欠点が依然としてある。
【0005】一般にケテン二量体系サイズ剤を使用した
場合、抄造直後のサイズ性能が悪く、使用したサイズ剤
の量に対して充分なサイズ性能を得るためには経時が必
要であると言われている。この問題は一般にはサイズ効
果の立ち上がりが悪いという表現で指摘されているが、
この立ち上がりの悪さは次のような欠点につながること
は容易に想像される。即ち、筆記用紙や包装紙、ミルク
カートンのような最終製品に高いサイズ効果を要する紙
に対しては、乾燥後から使用までの時間や、必要とされ
るサイズ効果の違いによりサイズ剤の使用量を加減せね
ばならず、その品質管理を困難とすることである。また
高いサイズ効果を得るために、数日を経過して出荷しな
ければならないが、この出荷までの保存は紙のコスト高
になることは言うまでもない。一方、塗工紙の場合には
塗工の工程における吸液量を抑制するために内添サイズ
剤が使用されている。現在、塗工は抄紙から連続的に行
われることが多く、この場合には、湿紙が乾燥された直
後(抄造直後)にサイズ効果が発現しないと全く役立た
ない。
【0006】ケテン二量体系サイズ剤には、中性領域で
使用できる、低添加量でサイズ効果が現われる、高いサ
イズ紙が得られる等の優れた性能があるにもかかわらず
、上記の理由によりその使用が制限されているのが現状
である。
【0007】そこで、本発明はサイズ性能の立ち上がり
が良く、優れたサイズ性能効果を示すケテン二量体系製
紙用サイズ剤組成物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、多価アルコールと炭
素数10〜30の直鎖飽和脂肪酸とのエステル化合物で
あって、前記ケテン二量体の融点よりも高い融点を有す
るエステル化合物をケテン二量体と混合することにより
、サイズ性能の立ち上がりが良く、優れたサイズ性能効
果を持つサイズ剤組成物が得られることを見い出し、本
発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式(1)
【00
10】
【化1】
【0011】(式中、R1およびR2は炭素数8〜24
のアルキル基、アルケニル基又はアリール基である。)
で示されるケテン二量体(a) と、ヒドロキシル基を
2個以上有する多価アルコールと炭素数10〜30の直
鎖飽和脂肪酸とのエステル化合物であって、前記ケテン
二量体の融点よりも高い融点を有するエステル化合物(
b) の水分散物を含有してなることを特徴とする製紙
用サイズ剤組成物を提供するものである。
【0012】本発明の作用についてはまだ明らかではな
いが、以下のように推定される。即ち、ケテン二量体系
サイズ剤は、通常、親水性の高い保護コロイド剤に包含
された微少な粒子を水に分散した形態で用いられる。そ
して、このものをパルプスラリーに添加して抄紙するこ
とによって、サイジングが行われる。パルプスラリーは
順次脱水、乾燥されて行くが、それに伴ってケテン二量
体粒子の回りの保護コロイド剤層も脱水される。乾燥工
程において、保護コロイド剤層の水がほとんど無くなる
と開裂が起こり、同時に中のケテン二量体も溶融してセ
ルロース等の上を塗れ広がる。この状態で冷やされたの
が乾燥直後の低いサイズ効果に当たる。その後、ケテン
二量体表面にはその歪んだ構造に起因する鱗片状の結晶
が成長し、空間を効率よく疎水化する。これが、結果的
に高いサイズ効果を示す。この結晶成長の過程で本発明
に係わるエステル化合物が結晶核となって、ケテン二量
体の鱗片状結晶の成長を促進するために、サイズ性能の
立ち上がりがよく、優れたサイズ性能効果を示すものと
推察される。
【0013】ケテン二量体系サイズ剤のサイズ性能の立
ち上がりを向上させるために、特公平2−15677 
号公報に単環式芳香環を骨格とするエステルをアルキル
ケテン二量体と混合したサイズ剤によりサイジングする
方法が開示されているが、この方法で用いるサイズ剤で
も紙が乾燥された直後のサイズ性能が不充分である。即
ち、ケテン二量体の結晶化促進のためには、炭素数10
〜30の直鎖飽和アルキル基が2本以上必要で、しかも
、混合するケテン二量体の融点よりも高い融点を持たな
いと結晶核となり得ず、ともに充分なサイズ性能の立ち
上がり効果を示さない。
【0014】次に本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明の製紙用サイズ剤組成物を構成する
ケテン二量体は、上記一般式(1) で示される化合物
であり、公知のケテン二量体をいずれも使用できる。上
記一般式(1) 中、R1及びR2は炭素数8〜24、
好ましくは12〜22の同一又は異なる炭化水素基を示
す。これら炭化水素基としては、例えばオクチル、デシ
ル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデ
シル、エイコシル基等のアルキル基、オクテニル、デセ
ニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、
オクタデセニル、エイコセニル基等のアルケニル基、オ
クチルフェニル、ノニルフェニル、ドデシルフェニル基
等のアリール基等が例示でき、これらのうちアルキル基
が好ましい。更に、物理化学的定数としては、ケテン二
量体の融点が20〜80℃が好ましく、R1,R2が前
記の範囲内のものであれば1種単独でも又2種以上混合
しても使用できる。尚、ここで融点とは上昇融点をいい
、毛管法で測定した値である。
【0016】本発明に係わる上記一般式(1) で示さ
れるケテン二量体を得るには、例えば原料である脂肪酸
混合物を三塩化リンと反応させることにより得られる脂
肪酸塩化物の脱塩酸反応を、3級アミン触媒の存在下で
行う公知の方法を適用すれば良い。
【0017】本発明を構成するもう一つの成分であるエ
ステル化合物は、次のようにして製造することができる
【0018】即ち、ヒドロキシル基を2個以上有する多
価アルコールと、少なくとも2個のエステル結合に関与
する炭素数10〜30の直鎖飽和脂肪酸及び必要により
他の脂肪酸とを反応させてエステル化することによって
得られる。このヒドロキシル基を2個以上有する多価ア
ルコールとしては、ヒドロキシル基1個当り1〜50モ
ルの炭素数2〜4のオキシアルキレン基を有する化合物
が好ましい。
【0019】本発明に使用される多価アルコールとして
は、例えば、2〜8価のアルカンポリオール、糖類、糖
類誘導体、ポリアルカンポリオール及びこれらの混合物
が挙げられる。
【0020】アルカンポリオールの例を挙げると、アル
カンジオールとして、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコー
ル等;アルカントリオールとして、グリセリン、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロ
ールブタン、1,2,3 −ブタントリオール、1,2
,4 −ブタントリオール、1,2,6 −ヘキサント
リオール等;4価以上のアルカンポリオールとしては、
ペンタエリスリトール、ブタンテトラオール等;糖類と
しては、蔗糖等;糖類誘導体としては、糖アルコール、
例えばソルビトール、マンニトール等;ポリアルカンポ
リオールとしては、アルカンポリオール(グリセリン、
ペンタエリスリトール等)の縮重合物(重合度は2〜1
0、又はそれ以上)、例えばポリグリセリン(重合度は
3〜10)、ジ又はトリペンタエリスリトール等が挙げ
られる。
【0021】これらのうちで好ましいものは、3〜8価
のアルカンポリオール、糖類及び糖類誘導体であり、特
に好ましいものは、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ソルビトール
及び蔗糖である。
【0022】本発明のエステル化合物の原料となるヒド
ロキシル基を2個以上有する多価アルコールとしては、
ヒドロキシル基1個当り、1〜50モル、好ましくは1
〜30モルの炭素数2〜4のオキシアルキレン基、具体
的には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレン(1,2 −、2,3 −、1,3 −及び1
,4 −ブチレン)オキサイドから誘導される基を有す
る化合物が好ましく、これらのうち特に好ましいものは
エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドで
ある。もちろんそれらがランダム及び/又はブロック状
につながった混合物であっても構わない。
【0023】本発明でいうエステル化合物とは、モノエ
ステルを除くジエステル、トリエステル等のエステル結
合を複数有する化合物を意味する。
【0024】本発明のエステル化合物において少なくと
も2個を占める炭素数10〜30の直鎖飽和脂肪酸残基
を形成する脂肪酸としては、例えばカプリン酸、ウンデ
カン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、
セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられ、な
かでも好ましいものは、ステアリン酸、アラキン酸、ベ
ヘン酸及びリグノセリン酸である。これらは単独で用い
られても2種以上併用してもよく、例えば、牛脂、ナタ
ネ油のような天然油脂を加水分解して得られる脂肪酸を
水素添加して得られる混合脂肪酸をそのまま利用するこ
ともできる。又、本エステル化合物においては、炭素数
10〜30の直鎖飽和脂肪酸の残基が2個以上であるこ
とが、サイズ性能の立ち上がり向上と優れたサイズ性能
効果発現に必要であり、エステル化されていないヒドロ
キシル基を有するものであってもよく、必要により他の
炭素数1〜30のカルボン酸、例えば炭素数1〜9の直
鎖飽和脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸
、カプリル酸、ペラルゴン酸等)、不飽和脂肪酸(オレ
イン酸、リノール酸、リノレイン酸等)、オキシ酸、(
グリコール酸、シリノレイン酸等)、分岐脂肪酸(2−
エチルヘキサン酸、イソステアリン酸等)、芳香族カル
ボン酸(安息香酸、ナフタレンカルボン酸等)及びこれ
ら2種以上の混合物を併用してもよい。これらのうち好
ましいものは、上記炭素数1〜9の直鎖飽和脂肪酸及び
不飽和脂肪酸である。但し、エステル化されていないヒ
ドロキシル基や、炭素数1〜9の直鎖飽和脂肪酸、不飽
和脂肪酸、オキシ酸、分岐脂肪酸、芳香族カルボン酸等
の残基が多い場合には、エステル化合物の融点が低下す
る傾向にあり、併用できる高融点のケテン二量体が限ら
れるために、エステル化の程度は高い方が、更に、脂肪
酸残基中の炭素数10〜30の直鎖飽和脂肪酸残基の含
有率も高い方がよい。
【0025】本発明のエステル化合物の具体的な製造方
法は、例えば、必要により適当な溶媒を用いて、多価ア
ルコールを苛性アルカリのような触媒の存在下、加熱し
ながら炭素数2〜4のアルキレンオキシド(エチレンオ
キシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)を
液状又は気体状で加えて反応させる。2種以上のアルキ
レンオキシドを混合して反応させるランダム付加重合、
又、最初に1種のアルキレンオキシドを順次付加させる
ブロック付加重合のいずれを行ってもよい。得られたポ
リオキシアルキレンエーテルは、そのまま又は精製して
未反応物質や触媒を除去した後、通常パラトルエンスル
ホン酸等の触媒を加えて加熱下にて、カルボン酸とエス
テル化する。エステル化の反応の進行は、酸価、ヒドロ
キシル価、ケン化価等の追跡を行うことによって確認で
きる。
【0026】本発明においては、エステル化合物の融点
も重要であって、併用するケテン二量体の融点よりも高
いことが必要である。融点が低い場合には、結晶成長の
核とは成り得ないために、サイズ性能の立ち上がり向上
に寄与しない。尚、ここで融点とはケテン二量体の場合
と同様に上昇融点をいい、毛管法で測定した値である。
【0027】本発明においては又、一般式(1) で示
されるケテン二量体とエステル化合物の配合割合も重要
である。即ち、その重量比率は 99.98/0.02
〜80/20、好ましくは99.5/0.5 〜90/
10の範囲内であるのが良い。その重量比率が 99.
98/0.02より大きくなると、結晶核として作用す
るには量が少なすぎるため、充分なサイズ性能の立ち上
がり促進効果が得られにくい。また、80/20より少
なくなると、サイズ性能を発現すべきケテン二量体の量
が少なすぎて、充分に高い最終的なサイズ効果が得られ
にくくなる。
【0028】本発明の製紙用サイズ剤組成物には、ケテ
ン二量体を安定に分散させるために保護コロイド剤を使
用するのが好ましい。保護コロイド剤としては、カチオ
ン澱粉、カチオン性ビニルモノマーの共重合物もしくは
重合物、ポリアルキレンポリアミドのエピハロヒドリン
変性物(特開昭48−48702 号公報) 、ポリエ
チレンイミン、カチオン性ポリウレタン樹脂(特開昭5
5−132799号公報) 等の化合物を挙げることが
できる。尚、これらのカチオン性保護コロイド剤は単独
で単一系として用いてもよいし、又、二種類以上の混合
系として用いることも可能である。
【0029】保護コロイド剤の製造法の一例を挙げると
、カチオン澱粉の場合、原料澱粉として、コーン澱粉、
馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉及びそれらの澱粉
を含有する種子粉末又は根茎粉末等を使用し、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属の水酸化物等のアルカリ物
質存在下で、2−ジエチルアミノエチルクロライド、3
−ジエチルアミノ−1,2 −エポキシプロパン、3−
ジブチルアミノ−1,2 −エポキシプロパン、2−ク
ロロエチルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシ
ジルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン化
試薬と澱粉とを反応させることにより得られる。又、澱
粉の低分子化はカチオン性の基を導入する反応の前後の
どちらでも構わない。
【0030】非天然物系のカチオン性ビニルモノマーの
共重合物の場合、溶媒として、エタノール、イソプロパ
ノール、ターシャリーブタノール、メチルエチルケトン
、トルエン、水等を用い、数種類のビニルモノマーを溶
解させ、またラジカル重合開始剤として、溶媒に可溶な
ものを選択して反応させれば良い。例えば、水又は含水
有機溶媒を用いた場合は過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウム、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン
)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノ吉草酸
)塩等が使用できる。また、有機溶媒あるいは含水有機
溶媒を用いた場合は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロ
イル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2
’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が
使用できる。
【0031】又、重合温度は、ラジカル開始剤の分解温
度(通常50〜100 ℃である)に設定されるが、硫
酸第一鉄−過酸化水素、過硫酸カリウム−亜硫酸ナトリ
ウム等のレドックス系開始剤を使用する場合は、より低
温にしても良い。
【0032】本発明のケテン二量体系サイズ剤組成物を
得るには、まず上記のカチオン性の保護コロイド剤を1
〜30重量%、好ましくは2〜10重量%水中に溶解し
昇温する。昇温されたカチオン性保護コロイド剤の水溶
液中に、予めエステル化合物の融点以上で加温融解して
充分に混合したケテン二量体とエステル化合物との混合
物を5〜35重量%好ましくは15〜30重量%混合分
散する。この分散時の温度は 100℃以下、好ましく
は80℃以下であることが望ましい。あまり高温である
と、ケテン二量体は水と反応してサイズ効果を有しない
反応生成物を与える可能性がある。又、本発明に係るケ
テン二量体系サイズ剤組成物のサイズ性能の立ち上がり
向上と優れたサイズ性能効果を損なわない範囲内であれ
ば、他の分散剤あるいは乳化剤を添加することは何ら差
し支えない。
【0033】既に述べた様に、本発明のサイズ剤組成物
は水に分散された形態で用いられるが、水中に分散され
たサイズ剤粒子の粒径は5ミクロン以下、好ましくは1
ミクロン以下であることが望ましい。粒径が5ミクロン
より大きい場合には分散液の安定性が損なわれたり、サ
イズ効果が劣ったりする恐れがある。サイズ剤粒子の分
散にはホモミキサー、超音波乳化機、高圧吐出型ホモジ
ナイザー等が使用できる。
【0034】本発明のサイズ剤組成物を歩留り良く使用
するためには、定着剤の使用が有効であり、またその定
着剤としてはカチオン性ポリマーが好ましい。定着剤と
して使用されるカチオン性ポリマーの好ましい例として
は、カチオン化澱粉、カチオン化セルロース、ポリアミ
ド−エピハロヒドリン系ポリマー、ポリエチレンイミン
、ポリビニルピリジン及びその四級化物、ポリジメチル
アミノエチルメタクリレート及びその四級化物、ポリジ
エチルアミノエチルメタクリレート及びその四級化物、
またこれらカチオン性モノマーとアクリルアミドとの共
重合物等を挙げることができる。
【0035】本発明の実施にあたって、本発明のサイズ
剤組成物はパルプ重量に対する固型分として、0.01
〜2重量%、好ましくは0.05%〜1重量%添加すれ
ば良い。 これらのサイズ剤の添加量の規準は目的とする紙に要求
されるサイズ度に応じて加減しなければいけないことは
いうまでもない。
【0036】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の
みに制限されるものではない。
【0037】尚、例中、「部」は特記しない限り重量基
準である。
【0038】製造例1 平均分子量92、ヒドロキシル価1830のグリセリン
92部(1モル)とベヘン酸1026部(3モル)及び
パラトルエンスルホン酸 6.5部を2リットルの四つ
口フラスコに入れ、窒素気流下、生成水を除去しながら
 140〜160 ℃で3時間加熱撹拌してエステル化
合物を得た。このエステル化合物の酸価は 7.8であ
った。
【0039】製造例2 平均分子量 533、ヒドロキシル価 316のグリセ
リン(EO)10(グリセリンのエチレンオキサイド1
0モル付加物)533 部(1モル)と、ベヘン酸10
26部(3モル)及びパラトルエンスルホン酸 7.8
部を製造例1に準じた方法で反応させ、グリセリン(E
O)10とベヘン酸のトリエステルを得た。このトリエ
ステル化合物の酸価は5.9であった。
【0040】製造例3 平均分子量953、ヒドロキシル価235.6のペンタ
エリスリトール(PO)8(EO)8(ペンタエリスリ
トールのプロピレンオキサイド8モル付加物に更にエチ
レンオキサイド8モル付加したもの)953部(1モル
)と、ベヘン酸 684部(2モル)、ステアリン酸 
287部(1モル)及びパラトルエンスルホン酸 8.
2部を製造例1に準じた方法で反応させ、ペンタエリス
リトール(PO)8(EO)8の脂肪酸混合物(ベヘン
酸/ステアリン酸=2/1、モル比)トリエステルを得
た。このトリエステル化合物の酸価は10.2であった
【0041】製造例4 平均分子量 224、ヒドロキシル価 751のグリセ
リン(EO)3 112 部( 0.5モル)と硬化ナ
タネ脂肪酸 474部( 1.5モル)及びパラトルエ
ンスルホン酸6部を製造例1に準じた方法で反応させ、
グリセリン(EO)3 と硬化ナタネ脂肪酸とのトリエ
ステル化合物を得た。このトリエステル化合物の酸価は
 5.4であった。
【0042】製造例5 平均分子量 865、ヒドロキシル価195 のトリメ
チロールプロパン(PO)5(EO)10 865部(
1モル)と、ステアリン酸 431部(1.5 モル)
、ベヘン酸 513部(1.5モル)及びパラトルエン
スルホン酸9部を製造例1に準じた方法で反応させ、ト
リメチロールプロパン(PO)5(EO)10 の脂肪
酸混合物(ステアリン酸/ベヘン酸=1/1、モル比)
トリエステルを得た。このトリエステル化合物の酸価は
 9.3であった。
【0043】比較製造例1 平均分子量402、ヒドロキシル価140のステアリル
アルコール(EO)3 402 部(1モル)とステア
リン酸287 部(1モル)及びパラトルエンスルホン
酸5部を製造例1に準じた方法で反応させ、ステアリル
アルコール(EO)3 とステアリン酸のエステル化合
物を得た。このエステル化合物の酸価は 3.1であっ
た。
【0044】実施例1〜7及び比較例1〜9<サイズ剤
分散液の調整>製造例1〜5及び製造比較例1で製造し
たエステル化合物と、表1に示すようなアルキル基の炭
素数分布を有する原料脂肪酸から常法によって製造した
ケテン二量体を70〜80℃で融解混合し、表2に示す
各種分散剤を含む温水(70〜80℃)を加え、高圧吐
出型ホモジナイザーで圧力 200kg/cm2 にて
乳化し、更に冷却してサイズ剤組成物を得た。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】サイズ剤組成物の調製に用いたケテン二量
体、エステル化合物、分散剤及びこれらの重量比を表3
に示す。
【0048】
【表3】
【0049】<抄紙条件>本試験に用いた成紙は次に示
す条件下で製造した。 パ  ル  プ:LBKP(カナディアンスタンダード
フリーネス 400ml) 填      料:軽質炭酸カルシウム(タマパール1
21 、奥多摩工業製)、紙中炭酸カルシウムが12%
になるように調節して添加 定  着  剤:カチオン化澱粉(CATO 302、
王子ナショナル製) 、パルプ重量に対する固形分 0
.5%サイズ剤  :表3記載のケテン二量体系サイズ
剤、パルプ重量に対する固形分0.07% 歩留向上剤:カチオン性ポリアクリルアミド系高分子(
パーコール47、協和産業製) 、パルプ重量に対する
固形分0.02% 定着時pH  :8.0 添加順序  :パルプ→填料→定着剤→サイズ剤→歩留
向上剤 抄      造:タッピー角型手抄き機プ  レ  
ス:3.5kgw/cm2 ×2分間乾      燥
:回転式ドライヤー、100 ℃/40秒間秤    
  量:70g/m2 <サイズ度試験> サイズ度試験は次に示す方法にて行った。 サイズ度試験: ステキヒト法(JIS P−8122) による。すな
わち、試験紙の四方を上方に折り曲げて舟型にし、2%
NH4SCN水溶液上に浮かべる。浮かべると同時に上
方より1%FeCl3 水溶液を一滴試験紙上に落とし
、両水溶液が紙に浸透して接し、チオシアン酸鉄の赤い
斑点が3つ出現するまでの時間(秒)を測定した。抄造
直後のサイズ度は、サイズ効果の立ち上がりの良否を示
し、数値の高い物程良である。上記の条件にて抄造した
紙のサイズ度を抄造直後、1日調湿(20℃×60%)
 後に測定した結果を表4に示す。
【0050】
【表4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式(1) 【化1】 (式中、R1およびR2は炭素数8〜24のアルキル基
    、アルケニル基又はアリール基である。)で示されるケ
    テン二量体(a) と、ヒドロキシル基を2個以上有す
    る多価アルコールと炭素数10〜30の直鎖飽和脂肪酸
    とのエステル化合物であって、前記ケテン二量体の融点
    よりも高い融点を有するエステル化合物(b) の水分
    散物を含有してなることを特徴とする製紙用サイズ剤組
    成物。
  2. 【請求項2】  ヒドロキシル基を2個以上有する多価
    アルコールがヒドロキシル基1個当り1〜50モルの炭
    素数2〜4のオキシアルキレン基を有する化合物である
    請求項1記載の製紙用サイズ剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002081587A1 (en) * 2001-03-22 2002-10-17 Kemira Chemicals Oy Sizing dispersion for improving hydrophobicity
JP2005060921A (ja) * 2003-07-31 2005-03-10 Kao Corp 粉末状抄紙用組成物

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