JPH04361689A - 製紙用サイズ剤組成物 - Google Patents

製紙用サイズ剤組成物

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JPH04361689A
JPH04361689A JP13291891A JP13291891A JPH04361689A JP H04361689 A JPH04361689 A JP H04361689A JP 13291891 A JP13291891 A JP 13291891A JP 13291891 A JP13291891 A JP 13291891A JP H04361689 A JPH04361689 A JP H04361689A
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JP
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ketene dimer
acid
sizing
ester compound
melting point
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JP13291891A
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Junji Kondo
純二 近藤
Hisakazu Moriwaki
森脇 久和
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製紙用サイズ剤組成物に
関する。更に詳しくは、サイズ性能の立ち上がりが良く
、優れたサイズ性能効果を示すケテン二量体系製紙用サ
イズ剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より紙及び板紙のサイジング方法と
してロジンもしくは強化ロジン(マレイン化ロジン)と
硫酸アルミニウムを併用する酸性サイジングが一般的に
行われてきた。これに対して、近年、抄紙工程での白水
のクローズド化、填料として安価で白色度の高い炭酸カ
ルシウムの利用及びこれを含む損紙の利用とコートブロ
ーク処理等の観点から中性サイジングが導入されてきて
いる。
【0003】この中性サイジングに用いられるサイズ剤
としては、ケテン二量体系サイズ剤、置換環状ジカルボ
ン酸無水物系サイズ剤等が知られているが、使用上の簡
便性及び少量添加で強サイズ性が期待できることから、
ケテン二量体系サイズ剤が広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ケテン
二量体系サイズ剤には、サイズ効果の発現に時間がかか
るという欠点が依然としてある。
【0005】一般にケテン二量体系サイズ剤を使用した
場合、抄造直後のサイズ性能が悪く、使用したサイズ剤
の量に対して充分なサイズ性能を得るためには経時が必
要であると言われている。この問題は一般にはサイズ効
果の立ち上がりが悪いという表現で指摘されているが、
この立ち上がりの悪さは次のような欠点につながること
は容易に想像される。即ち、筆記用紙や包装紙、ミルク
カートンのような最終製品に高いサイズ効果を要する紙
に対しては、乾燥後から使用までの時間や、必要とされ
るサイズ効果の違いによりサイズ剤の使用量を加減せね
ばならず、その品質管理を困難とすることである。また
高いサイズ効果を得るために、数日を経過して出荷しな
ければならないが、この出荷までの保存は紙のコスト高
になることは言うまでもない。一方、塗工紙の場合には
塗工の工程における吸液量を抑制するために内添サイズ
剤が使用されている。現在、塗工は抄紙から連続的に行
われることが多く、この場合には、湿紙が乾燥された直
後(抄造直後)にサイズ効果が発現しないと全く役立た
ない。
【0006】ケテン二量体系サイズ剤には、中性領域で
使用できる、低添加量でサイズ効果が現われる、高いサ
イズ紙が得られる等の優れた性能があるにもかかわらず
、上記の理由によりその使用が制限されているのが現状
である。
【0007】そこで、本発明はサイズ性能の立ち上がり
が良く、優れたサイズ性能効果を示すケテン二量体系製
紙用サイズ剤組成物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、多価カルボン酸及び
/又はその酸無水物と炭素数10〜30の直鎖飽和アル
コールとのエステル化合物であって、前記ケテン二量体
の融点よりも高い融点を有するエステル化合物をケテン
二量体と混合することにより、サイズ性能の立ち上がり
が良く、優れたサイズ性能効果を持つサイズ剤組成物が
得られることを見い出し、本発明を完成させた。
【0009】即ち、本発明は、一般式(1)
【0010
【化2】
【0011】(式中、R1およびR2は炭素数8〜24
のアルキル基、アルケニル基又はアリール基である。)
で示されるケテン二量体と、カルボキシル基を2個以上
有する多価カルボン酸及び/又はその酸無水物と炭素数
10〜30の直鎖飽和アルコールとのエステル化合物で
あって、前記ケテン二量体の融点よりも高い融点を有す
るエステル化合物を水に分散した水分散体からなること
を特徴とする製紙用サイズ剤組成物を提供するものであ
る。
【0012】本発明の作用についてはまだ明らかではな
いが、以下のように推定される。即ち、ケテン二量体系
サイズ剤は、通常、親水性の高い保護コロイド剤に包含
された微小な粒子を水に分散した形態で用いられる。そ
して、このものをパルプスラリーに添加して抄紙するこ
とによって、サイジングが行われる。パルプスラリーは
順次脱水、乾燥されて行くが、それに伴ってケテン二量
体粒子の回りの保護コロイド剤層も脱水される。乾燥工
程において、保護コロイド剤層の水がほとんど無くなる
と開裂が起こり、同時に中のケテン二量体も溶融してセ
ルロース等の上を塗れ広がる。この状態で冷やされたの
が乾燥直後の低いサイズ効果に当たる。その後、ケテン
二量体表面にはその歪んだ構造に起因する鱗片状の結晶
が成長し、空間を効率よく疎水化する。これが、結果的
に高いサイズ効果を示す。この結晶成長の過程で本発明
に係わるエステル化合物が結晶核となって、ケテン二量
体の鱗片状結晶の成長を促進するために、サイズ性能の
立ち上がりがよく、優れたサイズ性能効果を示すものと
推察される。
【0013】ケテン二量体系サイズ剤のサイズ性能の立
ち上がりを向上させるために、特公平2−15677 
号公報に単環式芳香環を骨格とするエステルをアルキル
ケテン二量体と混合したサイズ剤によりサイジングする
方法が開示されているが、この方法で用いるサイズ剤で
も紙が乾燥された直後のサイズ性能が不充分である。即
ち、ケテン二量体の結晶化促進のためには、炭素数10
〜30の直鎖飽和アルキル基が2本以上必要で、しかも
、混合するケテン二量体の融点よりも高い融点を持たな
いと結晶核となり得ず、ともに充分なサイズ性能の立ち
上がり効果を示さない。
【0014】次に本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明の製紙用サイズ剤組成物を構成する
ケテン二量体は、上記一般式(1) で示される化合物
であり、公知のケテン二量体をいずれも使用できる。上
記一般式(1) 中、R1及びR2は炭素数8〜24、
好ましくは12〜22の同一又は異なる炭化水素基を示
す。これら炭化水素基としては、例えばオクチル、デシ
ル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデ
シル、エイコシル基等のアルキル基、オクテニル、デセ
ニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、
オクタデセニル、エイコセニル基等のアルケニル基、オ
クチルフェニル、ノニルフェニル、ドデシルフェニル基
等のアリール基等が例示でき、これらのうちアルキル基
が好ましい。更に、物理化学的定数としてはケテン二量
体の融点が20〜80℃が好ましく、R1,R2が前記
の範囲内のものであれば1種単独でも又2種以上混合し
ても使用できる。尚、ここで融点とは上昇融点をいい、
毛管法で測定した値である。
【0016】本発明に係わる上記一般式(1) で示さ
れるケテン二量体を得るには、例えば原料である脂肪酸
混合物を三塩化リンと反応させることにより得られる脂
肪酸塩化物の脱塩酸反応を、3級アミン触媒の存在下で
行う公知の方法を適用すれば良い。
【0017】本発明を構成するもう一つの成分であるエ
ステル化合物は、次のようにして製造することができる
【0018】即ち、カルボキシル基を2個以上有する多
価カルボン酸及び/又はその酸無水物と、少なくとも2
個のエステル結合に関与する炭素数10〜30の直鎖飽
和アルコール及び必要により他のアルコールとを反応さ
せてエステル化することによって得られる。この炭素数
10〜30の直鎖飽和アルコールとしては、水酸基1個
当り1〜50個の炭素数2〜4のオキシアルキレン基を
有する化合物が好ましい。
【0019】この際に使用される多価カルボン酸として
は、例えば、R−(COOH)m 、R−(COOH)
m−2(CO)2O(式中、m は2以上の整数であり
、R は1個以上のエーテル酸素原子又はチオエーテル
硫黄原子を含んでもよい。 又、R はヒドロキシル基を1〜3個含んでもよい多価
の基である。)が挙げられる。本発明に使用することの
できる多価カルボン酸としては、2個以上のカルボキシ
ル基を有する化合物又は2個以上のカルボキシル基から
脱水が起こって得られる酸無水物であればいずれのもの
でもよい。多価カルボン酸の具体例としては、例えば、
2価のカルボン酸としては、シュウ酸、マレイン酸、無
水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水
フタル酸、マロン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ア
ジピン酸、コハク酸、無水コハク酸、アルケニルコハク
酸、無水アルケニルコハク酸、ポリブテニルコハク酸、
リンゴ酸、酒石酸、ダイマー酸、グルタル酸などがあり
、3価カルボン酸としては、クエン酸、トリメリット酸
、無水トリメリット酸、トリマー酸、ブタントリカルボ
ン酸などがあり、4価カルボン酸としては、ピロメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸等が挙げられる。又、合成ポ
リカルボン酸も使用することができる。これらのうちで
好ましいものは2〜4価のポリカルボン酸であり、特に
好ましいのは、マレイン酸、無水マレイン酸、アジピン
酸、クエン酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸で
ある。これらは2種以上併用してもよい。
【0020】本発明でいうエステル化合物とは、モノエ
ステルではないジエステル、トリエステル等のエステル
結合を2以上有する化合物を意味する。
【0021】本発明のエステル化合物において少なくと
も2個のエステル結合を占める炭素数10〜30の直鎖
飽和アルコール残基を形成するアルコールとしては、例
えばデシルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデ
シルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクタデシ
ルアルコール、エイコシルアルコール、ベヘニルアルコ
ール、チーグラー法による高級アルコール等の炭素数1
0〜30の直鎖状1価アルコール等が挙げられ、これら
のうちで特に好ましいのはオクタデシルアルコール、エ
イコシルアルコール、ベヘニルアルコールである。これ
らは単独で用いても2種以上併用してもよく、例えばナ
タネ脂肪酸を加水分解して得られる脂肪酸を還元後水添
して得られる混合アルコールをそのまま利用することも
できる。又、本エステル化合物においては、炭素数10
〜30の直鎖飽和アルコールの残基が2個以上であるこ
とが、サイズ性能の立ち上がり向上と優れたサイズ性能
効果発現に必要であり、エステル化されていないカルボ
キシル基を有するものであってもよく、必要により他の
アルコール、例えば分岐アルコール、不飽和アルコール
等を併用してもよい。但し、エステル化されていないカ
ルボキシル基や、分岐アルコール、不飽和アルコール等
の残基が多い場合には、エステルの融点が低下する傾向
にあり、併用できる高融点のケテン二量体が限られるた
めに、エステル化の程度は高い方が、更に、アルコール
残基中の炭素数10〜30の直鎖飽和アルコール残基の
含有率も高い方がよい。
【0022】本発明のエステル化合物の原料となる炭素
数10〜30の直鎖飽和アルコールとしては、水酸基1
個当り、1〜50モル、好ましくは1〜30モルの炭素
数2〜4のオキシアルキレン基、具体的には、エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン(1,2
 −、2,3−、1,3 −及び1,4 −ブチレン)
オキサイドから誘導される基を有する化合物が好ましく
、これらのうち特に好ましいものはエチレンオキサイド
及び/又はプロピレンオキサイドである。もちろんそれ
らがランダム及び/又はブロック状につながった混合物
であっても構わない。
【0023】本発明のエステル化合物の具体的な製造方
法は、例えば、必要により適当な溶媒を用いて、アルコ
ールを苛性アルカリのような触媒の存在下、加熱しなが
ら炭素数2〜4のアルキレンオキシド(エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)を液状
又は気体状で加えて反応させる。2種以上のアルキレン
オキシドを混合して反応させるランダム付加重合、又、
最初に1種のアルキレンオキシドを順次付加させるブロ
ック付加重合のいずれを行ってもよい。得られたポリオ
シキアルキレンエーテルは、そのまま又は精製して未反
応物質や触媒を除去した後、通常パラトルエンスルホン
酸等の触媒を加えて加熱下にて、多価カルボン酸とエス
テル化する。エステル化の反応の進行は、酸価、ヒドロ
キシル価、ケン化価等の追跡を行うことによって確認で
きる。
【0024】本発明においては、エステル化合物の融点
も重要であって、併用するケテン二量体の融点よりも高
いことが必要である。融点が低い場合には、結晶成長の
核とは成り得ないために、サイズ性能の立ち上がり向上
に寄与しない。尚、ここで融点とはケテン二量体の場合
と同様に上昇融点をいい、毛管法で測定した値である。
【0025】本発明においては又、一般式(1) で示
されるケテン二量体とエステル化合物の配合割合も重要
である。即ち、その重量比率は 99.98/0.02
〜80/20、好ましくは99.5/0.5 〜90/
10の範囲内であるのが良い。その重量比率が 99.
98/0.02より大きくなると、結晶核として作用す
るには量が少なすぎるため、充分なサイズ性能の立ち上
がり促進効果が得られにくい。また、80/20より少
なくなると、サイズ性能を発現すべきケテン二量体の量
が少なすぎて、充分に高い最終的なサイズ効果が得られ
にくくなる。
【0026】本発明の製紙用サイズ剤組成物には、ケテ
ン二量体を安定に分散させるために保護コロイド剤を使
用するのが好ましい。保護コロイド剤としては、カチオ
ン澱粉、カチオン性ビニルモノマーの共重合物もしくは
重合物、ポリアルキレンポリアミドのエピハロヒドリン
変性物(特開昭48−48702 号公報) 、ポリエ
チレンイミン、カチオン性ポリウレタン樹脂(特開昭5
5−132799号公報) 等の化合物を挙げることが
できる。尚、これらのカチオン性保護コロイド剤は単独
で単一系として用いてもよいし、又、二種類以上の混合
系として用いることも可能である。
【0027】保護コロイド剤の製造法の一例を挙げると
、カチオン澱粉の場合、原料澱粉として、コーン澱粉、
馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦澱粉及びそれらの澱粉
を含有する種子粉末又は根茎粉末等を使用し、アルカリ
金属またはアルカリ土類金属の水酸化物等のアルカリ物
質存在下で、2−ジエチルアミノエチルクロライド、3
−ジエチルアミノ−1,2 −エポキシプロパン、3−
ジブチルアミノ−1,2 −エポキシプロパン、2−ク
ロロエチルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシ
ジルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン化
試薬と澱粉とを反応させることにより得られる。又、澱
粉の低分子化はカチオン性の基を導入する反応の前後の
どちらでも構わない。
【0028】非天然物系のカチオン性ビニルモノマーの
共重合物の場合、溶媒として、エタノール、イソプロパ
ノール、ターシャリーブタノール、メチルエチルケトン
、トルエン、水等を用い、数種類のビニルモノマーを溶
解させ、またラジカル重合開始剤として、溶媒に可溶な
ものを選択して反応させれば良い。例えば、水又は含水
有機溶媒を用いた場合は過硫酸アンモニウム、過硫酸カ
リウム、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン
)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−(4−シアノ吉草酸
)塩等が使用できる。また、有機溶媒あるいは含水有機
溶媒を用いた場合は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロ
イル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2
’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が
使用できる。
【0029】又、重合温度は、ラジカル開始剤の分解温
度(通常50〜100 ℃である)に設定されるが、硫
酸第一鉄−過酸化水素、過硫酸カリウム−亜硫酸ナトリ
ウム等のレドックス系開始剤を使用する場合は、より低
温にしても良い。
【0030】本発明のケテン二量体系サイズ剤組成物を
得るには、まず上記のカチオン性の保護コロイド剤を1
〜30重量%、好ましくは2〜10重量%水中に溶解し
昇温する。昇温されたカチオン性保護コロイド剤の水溶
液中に、予めエステル化合物の融点以上で加温融解して
充分に混合したケテン二量体とエステル化合物との混合
物を5〜35重量%好ましくは15〜30重量%混合分
散する。この分散時の温度は 100℃以下、好ましく
は80℃以下であることが望ましい。あまり高温である
と、ケテン二量体は水と反応してサイズ効果を有しない
反応生成物を与える可能性がある。又本発明に係るケテ
ン二量体系サイズ剤組成物のサイズ性能の立ち上がり向
上と優れたサイズ性能効果を損なわない範囲内であれば
、他の分散剤あるいは乳化剤を添加することは何ら差し
支えない。
【0031】既に述べた様に、本発明のサイズ剤組成物
は水に分散された形態で用いられるが、水中に分散され
たサイズ剤粒子の粒径は5ミクロン以下、好ましくは1
ミクロン以下であることが望ましい。粒径が5ミクロン
より大きい場合には分散液の安定性が損なわれたり、サ
イズ効果が劣ったりする恐れがある。サイズ剤粒子の分
散にはホモミキサー、超音波乳化機、高圧吐出型ホモジ
ナイザー等が使用できる。
【0032】本発明のサイズ剤組成物を歩留り良く使用
するためには、定着剤の使用が有効であり、またその定
着剤としてはカチオン性ポリマーが好ましい。定着剤と
して使用されるカチオン性ポリマーの好ましい例として
は、カチオン化澱粉、カチオン化セルロース、ポリアミ
ド−エピハロヒドリン系ポリマー、ポリエチレンイミン
、ポリビニルピリジン及びその四級化物、ポリジメチル
アミノエチルメタクリレート及びその四級化物、ポリジ
エチルアミノエチルメタクリレート及びその四級化物、
またこれらカチオン性モノマーとアクリルアミドとの共
重合物等を挙げることができる。
【0033】本発明の実施にあたって、本発明のサイズ
剤組成物はパルプ重量に対する固型分として、0.01
〜2重量%、好ましくは0.05%〜1重量%添加すれ
ば良い。 これらのサイズ剤の添加量の規準は目的とする紙に要求
されるサイズ度に応じて加減しなければいけないことは
いうまでもない。
【0034】
【実施例】以下に製造例、実施例及び比較例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例の
みに制限されるものではない。
【0035】尚、例中の部は特記しない限り重量基準で
ある。
【0036】製造例1 ベヘニルアルコール 654g(2.0モル)、マレイ
ン酸 116g(1.0モル)及びパラトルエンスルホ
ン酸 3.3g(0.5重量%) を1リットルの四つ
口フラスコに入れ、窒素気流下、生成水を除去しながら
 140〜160 ℃で3時間加熱撹拌してエステル化
合物を得た。このエステル化合物の酸価は 1.7であ
った。
【0037】製造例2 1リットルのオートクレーブに、分子量 327、ヒド
ロキシル価 172のベヘニルアルコール 327g(
1.0モル)を入れ、 100℃の温度で加熱溶解させ
た。次に水酸化カリウム0.56g (0.01モル)
を入れ、オートクレーブを窒素置換した後、110℃、
70mmHgで1時間加熱減圧して脱水した。その後、
 140〜160 ℃で3時間エチレンオキシドと反応
させ、付加させた。エチレンオキシドの付加モル数は 
4.0であった。次にベヘニルアルコールのエチレンオ
キシド付加物 503g(1.0モル)とマレイン酸5
8.0g(0.5モル)から、製造例1に準じてエステ
ル化合物を得た。 このエステル化合物の酸価は 3.7であった。
【0038】製造例3 製造例2で用いたベヘニルアルコールのエチレンオキシ
ド付加物 603.6g(1.2モル)とクエン酸(無
水物)76.9g(0.4モル)から、製造例1に準じ
てエステル化合物を得た。このエステル化合物の酸価は
 4.3であった。
【0039】製造例4 ベヘニルアルコール1モルにエチレンオキシド5モル、
プロピレンオキシド5モルを付加させて得た生成物3モ
ルと、トリメリット酸1モルから、製造例1に準じてエ
ステル化合物を得た。このエステル化合物の酸価は 5
.1であった。
【0040】製造例5 ステアリルアルコール1モルにエチレンオキシド6モル
を付加させて得た生成物4モルと、ピロメリット酸1モ
ルとから、製造例1に準じてエステル化合物を得た。こ
のエステル化合物の酸価は 6.2であった。
【0041】製造例6 硬化ナタネアルコール1モルにプロピレンオキシド3モ
ルを付加させて得た生成物3モルと、トリメリット酸1
モルとから、製造例1に準じてエステル化合物を得た。 このエステル化合物の酸価は 1.8であった。
【0042】比較製造例1 ステアリルアルコール1モルにエチレンオキシド3モル
を付加させて得た生成物1モルと、ステアリン酸1モル
とから、製造例1に準じてエステル化合物を得た。この
エステル化合物の酸価は 5.4であった。
【0043】実施例1〜11及び比較例1〜9<サイズ
剤分散液の調整>製造例1〜6及び製造比較例1で製造
したエステル化合物と、表1に示すようなアルキル基の
炭素数分布を有する原料脂肪酸から常法によって製造し
たケテン二量体を70〜80℃で融解混合し、表2に示
す各種分散剤を含む温水(70〜80℃)を加え、高圧
吐出型ホモジナイザーで圧力 200kg/cm2 に
て乳化し、更に冷却してサイズ剤組成物を得た。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】サイズ剤組成物の調製に用いたケテン二量
体、エステル化合物、分散剤及びこれらの重量比を表3
に示す。
【0047】
【表3】
【0048】<抄紙条件>本試験に用いた成紙は次に示
す条件下で製造した。 パ  ル  プ:LBKP(カナディアンスタンダード
フリーネス 400ml) 填      料:軽質炭酸カルシウム(タマパール1
21 、奥多摩工業製)、紙中炭酸カルシウムが12%
になるように調節して添加 定  着  剤:カチオン化澱粉(CATO 302、
王子ナショナル製) 、パルプ重量に対する固形分 0
.5%サイズ剤  :表3記載のケテン二量体系サイズ
剤、パルプ重量に対する固形分0.07% 歩留向上剤:カチオン性ポリアクリルアミド系高分子(
パーコール47、協和産業製) 、パルプ重量に対する
固形分0.02% 定着時pH  :8.0 添加順序  :パルプ→填料→定着剤→サイズ剤→歩留
向上剤 抄      造:タッピー角型手抄き機プ  レ  
ス:3.5kgw/cm2 ×2分間乾      燥
:回転式ドライヤー、100 ℃/40秒間秤    
  量:70g/m2 <サイズ度試験> サイズ度試験は次に示す方法にて行った。 サイズ度試験: ステキヒト法(JIS P−8122) による。すな
わち、試験紙の四方を上方に折り曲げて舟型にし、2%
NH4SCN水溶液上に浮かべる。浮かべると同時に上
方より1%FeCl3 水溶液を一滴試験紙上に落とし
、両水溶液が紙に浸透して接し、チオシアン酸鉄の赤い
斑点が3つ出現するまでの時間(秒)を測定した。抄造
直後のサイズ度は、サイズ効果の立ち上がりの良否を示
し、数値の高い物程良である。上記の条件にて抄造した
紙のサイズ度を抄造直後、1日調湿(20℃×60%)
 後に測定した結果を表4に示す。
【0049】
【表4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式(1) 【化1】 (式中、R1およびR2は炭素数8〜24のアルキル基
    、アルケニル基又はアリール基である。)で示されるケ
    テン二量体(a) と、カルボキシル基を2個以上有す
    る多価カルボン酸及び/又はその酸無水物と炭素数10
    〜30の直鎖飽和アルコールとのエステル化合物であっ
    て、前記ケテン二量体の融点よりも高い融点を有するエ
    ステル化合物(b) の水分散物を含有してなることを
    特徴とする製紙用サイズ剤組成物。
  2. 【請求項2】  炭素数10〜30の直鎖飽和アルコー
    ルが、水酸基1個当り1〜50モルの炭素数2〜4のオ
    キシアルキレン基を有する化合物である請求項1記載の
    製紙用サイズ剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020133040A (ja) * 2019-02-19 2020-08-31 荒川化学工業株式会社 紙の製造方法

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