JP4573947B2 - ファインダー光学系及びそれを用いた光学機器 - Google Patents

ファインダー光学系及びそれを用いた光学機器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファインダー光学系及びそれを用いた光学機器に関し、例えば銀塩カメラや撮像素子にCCDなどを用いたデジタルカメラ、ビデオカメラ等の光学機器に用いられ特に、いわゆる35mmフィルムよりもイメージサークルの小さい撮像手段を用いた光学機器に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一眼レフカメラのファインダー光学系では撮影レンズによる被写体像を撮影レンズの像面側に配置されたクイックリターンミラーによって反射させて焦点板上に形成し、該焦点板上の被写体像(ファインダー像)をペンタプリズム等を介して正立像とした後、接眼レンズによって拡大して観察するように構成している。
【0003】
このようなファインダー光学系に用いられる接眼レンズとしてはカメラの小型化や簡素化の為に1枚の正レンズ又は正レンズと負レンズとを接合した貼合わせレンズより構成しているものが多い。
【0004】
一眼レフカメラ用のファインダー光学系ではペンタプリズムの大きさに依存する焦点板から接眼レンズまでの光路長によって、ファインダーの観察倍率や接眼レンズから観察者の瞳孔までの距離(以後、アイレリーフと記す。)等のファインダーの仕様が決定されている。
【0005】
このような一眼レフカメラのファインダー光学系(以下「ファインダー」ともいう。)において、ファインダーの観察倍率を大きくしようとしたものや、アイレリーフを十分に長くしようとしたものが従来より各種提案されている。
【0006】
一般にファインダーの観察倍率を大きくするためには、接眼レンズの焦点距離を短くすることが必要となる。しかしながら一眼レフカメラのファインダーにおいては、視度を−1ディオプトリー付近に設定することが必要となるため、焦点板から接眼レンズまでの距離(接眼レンズの主点位置までの光路長)によって実質的な接眼レンズの焦点距離は決定されてしまう。
【0007】
従って最も単純にファインダーの観察倍率を大きくするにはペンタプリズムの光路長を短くし、接眼レンズをペンタプリズムに近接させて配置すれば良いのだが、このような構成としてしまうと、ファインダーの観察部がカメラの後面より物体側に奥まってしまい、観察者が瞳を接眼レンズに近接させることが困難となるため好ましくない。
【0008】
そこで接眼レンズそのものをペンタプリズムに近接させて配置する代わりに、接眼レンズの主点を近接させて配置することによって観察倍率を大きくしたものが提案されている。
【0009】
特開平1−142521号公報では、接眼レンズを厚いメニスカス形状の単レンズで構成することによって、接眼レンズの主点位置を前方に配置させ、ファインダーの観察倍率を大きくしたファインダーが開示されている。
【0010】
特開平6−109984号公報では、接眼レンズを正の屈折力のレンズと負の屈折力のレンズの2枚構成とし、この2枚のレンズを空気間隔を隔てて配置することによって、やはり接眼レンズの主点位置を前方に配置させ、ファインダーの観察倍率を大きくしようとしたファインダーが開示されている。
【0011】
また一般に、アイレリーフを十分に長くしようとしたとき、まずペンタプリズムを十分に大きく構成して、ペンタプリズムによる光線のけられを極力少なくすることが必要となるが、この際、焦点板から接眼レンズまでの光路長が必然的に長くなり、ファインダーの観察倍率は一層小さくなってしまう。
【0012】
このように従来より最も一般的に実施されている一眼レフカメラのファインダー光学系においては、ファインダーの観察倍率を大きくすることとアイレリーフを十分に長く設定することは相反することであった。
【0013】
一眼レフカメラのファインダー光学系において、これらの仕様の双方を十分なものとしたものにウエストレベルファインダーのようにペンタプリズム等の正立像形成用の光学系を介在しないファインダーはあるものの、ペンタプリズム等を使用するものでは十分なものは少なかった。
【0014】
一方、ファインダー光学系において、観察者それぞれの視度に対応するためファインダー視度を適宜変更可能とすることは、要望の多い機能の1つである。
【0015】
この機能が搭載されていないと、必要に応じて観察者は眼鏡等を使用することになり、その結果、接眼レンズに対してさらに瞳を近接させることができなくなって、ファインダー像がより見づらいものとなってしまう。
【0016】
一眼レフカメラのファインダー光学系において、ファインダー視度を適宜変更可能に構成したものも従来より種々と提案されている。特開昭57−190934号公報では、ペンタプリズムの後方に配置する接眼レンズをペンタプリズム側から順に負レンズ、正レンズ、正レンズの3群3枚構成とし、かつ第2レンズ、及び第3レンズの屈折力を適切に設定し、さらに第2レンズを光軸上を移動させることによって、諸収差を良好に補正しつつ、ファインダー視度を変更可能としたファインダーが開示されている。
【0017】
特開昭56−91210号公報では、ペンタプリズムの後方に配置する接眼レンズをペンタプリズム側から順に負レンズ、正レンズ、正レンズ、負レンズの4群4枚構成とし、かつ第4レンズ等の屈折力を適切に設定し、さらに第2レンズ、及び第3レンズを光軸上を移動させることによって、諸収差を良好に補正しつつ、広範囲にわたってファインダー視度を変更可能としたファインダーが開示されている。
【0018】
特開平9−329752号公報では、ペンタプリズムの後方に配置する接眼レンズをペンタプリズム側から順に負レンズ、正レンズ、正レンズ、負レンズの4群4枚構成とし、各レンズの形状を適切に設定することで、諸収差を良好に補正しつつ、ハイアイポイントを実現しながらも、視度調節を可能としたファインダを開示している。
【0019】
このように接眼レンズを複数枚のレンズで構成して、そのうちの一部のレンズを移動させてファインダー視度を変更可能としたものは、従来より数多く提案されている。
【0020】
【発明が解決しようとしている課題】
一眼レフカメラのファインダー光学系においては観察倍率が大きいこと、アイレリーフが長いこと、そしてファインダーの視度が可変であること等が観察者にとって大変便利である。しかしながらこれらの各機能を1つのファインダー光学系で達成しようとすると、光学系全体が複雑化することでレンズ枚数が増加し、また、ファインダー視度可変用の駆動部の鏡筒等の部品が増えるために、装置全体が複雑になってしまい、製品化が大変困難になってくる。
【0021】
本発明は、撮影レンズ(対物レンズ)によって所定面に形成した被写体像(ファインダー像)を観察する際、各要素を適切に設定することにより光学系全体の小型化を図りつつ、所定の大きさの観察倍率及び所定の長さのアイレリーフが容易に得られ、又、ファインダー視度調整も容易な観察者の要望に適宜対応することができ、しかも良好なるファインダー像の観察ができる一眼レフカメラ等に好適なファインダー光学系及びそれを用いた光学機器の提供を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のファインダー光学系は、対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系において、該接眼レンズは、物体側から順に、負レンズL1と、両レンズ面が凸面の正レンズL2と、アイポイント側に凹面を向けた負レンズL3より構成され、前記正レンズL2を光軸方向に移動させることにより視度調節を行い、視度−1ディオプトリーであるとき前記接眼レンズの焦点距離をf前記正レンズL2の焦点距離をf2前記負レンズL3の物体側のレンズ面の曲率半径をR3f前記負レンズL3のアイポイント側のレンズ面の曲率半径をR3rとしたとき、
0.25<|f2/f|<0.75 ・・・(1a)
2.395≦(R3f+R3r)/(R3f−R3r) ・・・(2a)
満足することを特徴としている。
【0023】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記正レンズL2は少なくとも1つの非球面を有することを特徴としている。
【0024】
請求項3の発明は請求項2の発明において、前記負レンズL3は少なくとも1つの非球面を有することを特徴としている。
【0025】
請求項4の発明は請求項2の発明において、前記負レンズL3は両レンズ面が非球面であることを特徴としている。
【0026】
請求項5の発明は請求項1の発明において、前記負レンズL1は成型材料であり、前記負レンズL1の材質のアッベ数をνdとしたとき、
20.0<νd<40.0 ・・・(3a)
を満足することを特徴としている。
【0027】
請求項6の発明は請求項1の発明において、前記対物レンズによって形成された像を正立像形成用の光学部材を介して観察することを特徴としている。
【0028】
請求項7の発明は請求項1の発明において、前記負レンズL3のレンズ厚をD3としたとき、
0.07<D3/f<0.15 ・・・(3b)
満足することを特徴としている。
【0029】
請求項8の発明の光学機器は、請求項1からのいずれか1項に記載のファインダー光学系を有ることを特徴としている。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は本発明のファインダー光学系を光学機器として一眼レフカメラに適用したときの要部断面図である。図2、図6、図8、図12、図16は本発明に係わる接眼レンズの数値実施例1〜5のレンズ断面図である。
【0036】
図3〜5、図9〜図11、図13〜図15、図17〜図19は本発明に係わる接眼レンズの数値実施例1、3、4、5のファインダー視度が−1ディオブトリー、−3ディオブトリー、+1ディオブトリーのときの収差図である。
【0037】
図7は本発明に係わる接眼レンズの数値実施例2のファインダー視度か−1ディオブトリーの収差図である。
【0038】
尚、図6の数値実施例2ではファインダー視度補正を行った例ではないが正レンズ6bを光軸上、僅かに移動させてファインダー視度調節を行っても良い。
【0039】
図において1は撮像レンズ、(対物レンズ)である。2はクイックリターンミラーであり、回転軸2aを中心に回動可能となっている。3はピント板(フレネルレンズ)、4はピント板(焦点板)(マット面)であり、撮影レンズ1による物体像が形成されている5はペンタプリズムであり、像反転作用を有している。6は接眼レンズである。
【0040】
IPは感光面であり、その面上では撮像手段やフィルム等が配置されている。
【0041】
7は観察者の瞳孔の位置(アイポイント)であり、そこよりピント板4上の物体像をペンタプリズム5を介して正立像とし、接眼レンズ6を介して観察している。
【0042】
本発明のフィルター光学系の一要素を構成する接眼レンズ6は物体側より、負レンズ6a(L1)、両レンズ面が凸面の正レンズ6b(L2)、アイポイント7側に凹面を向けたメニスカス状の負レンズ6c(L3)の3枚のレンズより成ることを基本構成している。
【0043】
そして発明では前述の条件式(1a)(2a)を満足するようにしている。
【0044】
これによってファインダー倍率を十分に大きくしながらも接眼レンズ6の射出面から観察者の瞳孔7までの距離(アイレリーフ)を十分に長くしている。
【0045】
本実施形態では撮影レンズ1によってフィルム面IPに結像される被写体像を回転ミラー2で反射させフレネルレンズ3を介して焦点板4上に結像させている。
【0046】
そして被写体像をペンタプリズム5によって正立像とし、接眼レンズ6によって十分に拡大して観察者の瞳孔位置7から観察するように構成している。
【0047】
又、ファインダー光学系の光路長を短くし、かつ接眼レンズ6を所定形状の3つのレンズにより構成することによって正立像形成用の光学部材として作用するぺンタプリズムの大きさを小さくしながらも十分に長いアイレリーフを持つように構成している。その結果、ファインダー光学系としては、その観察倍率を十分に大きくし、かつアイレリーフを十分に長くしたファインダー光学系を実現している。
【0048】
尚、発明において、更にファインダー倍率を十分大きくしつつ、また、ファインダー視度調節も容易でありながら、実用的なアイレリーフを十分に長く保ち、諸収差の良好に補正された見やすいファインダー光学系を実現するには次の諸条件のうちの少なくとも1つ以上を満足させるのが良い。
【0049】
発明においては(ア−1)前記正レンズ6bは少なくとも1つの非球面を有する事である。
【0050】
(ア−2)前記負レンズ6cは少なくとも1つの非球面を有する事である。
【0051】
(ア−3)前記負レンズ6cは両レンズ面が非球面である事である。
【0052】
(ア−4)前記正レンズ6bを光軸方向に移動させることで、視度調節を行うことである。
【0053】
(ア−5)前記負レンズ6aは成型材料であり、該負レンズ6aの材質のアッベ数をνdとしたとき20.0<νd<40.0 …(3a)を満足することである。
【0054】
(ア−6)前記接眼レンズにより、前記対物レンズによって形成された像を正立像形成用の光学部材を介して観察していることである
【0055】
ア−7前記負レンズ6cのレンズ厚をD3としたとき
0.07<D3/f<0.15 ・・・(3b)
を満足することである。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
本発明では正レンズ6bを光軸方向に移動させることで、収差変動を少なくしつつファインダー視度の調整を行っている。
【0060】
そして物体側より、2枚目の正レンズ6bを樹脂による成型品とし、物体側のレンズ面を非球面形状にすることにより歪曲収差の発生を押さえている。同様に、樹脂成型された3枚目の負レンズ6Cを、両レンズ面を非球面により構成し、主にコマ収差等を良好に補正している。
【0061】
以上のように、本発明では接眼レンズに非球面レンズを用いることで、より良好なファインダー光学系を実現している。
【0062】
次に、前述の各条件式の技術的意味について、説明する。
【0063】
条件式(1a)は、接眼レンズの物体側から2枚目の正レンズ6bの焦点距離と、接眼レンズ全体の焦点距離の比を規定するものであり、主として、ファインダー視度調整の際のレンズの駆動量の敏感度を適切に設定するためのものである。条件式(1a)の下限を超えて、正レンズ6bの焦点距離が短くなると、ファインダー視度調整のためのレンズの駆動量は少なくなるが、全体のファインダー倍率を保つために、物体側から1枚目の負レンズ6aの焦点距離も短くしなければならなくなる。その場合、1枚目の負レンズの発散作用で光線が跳ね上げられるため、正レンズ6bの有効径を大きくする必要がある。正レンズは焦点距離が短い場合、レンズ中心と、レンズ周辺の偏肉比が大きくなるため有効径確保のためには、レンズの厚みを厚くしなければならず、成型性が低下し、製作が難しくなってくる。
【0064】
逆に、条件式(1a)の上限を超えて、正レンズ6bの焦点距離が長くなると、物体側から1枚目の負レンズ6aのパワーも弱く設定でき、発散性が弱まり、正レンズ6bの有効径がさほど大きくならなく、また、正レンズ自体のパワーも弱いことから正レンズの形状は偏肉比が小さく押さえられるが、ファインダー視度調整のための正レンズの駆動量が増大し駆動スペースを確保するために、ファインダー全長を長くする必要があり、そのため、十分な倍率とアイポイントを得ることが困難となり好ましくない。
【0065】
条件式(2a)は、物体側より3枚目の負レンズ6Cシェイプファクターを規定するものであり、主として、負レンズ6Cの前側主点位置を設定するものである。
【0066】
条件式(2a)を満たす状態においては、負レンズ6Cは像面に凹面を向けたメニスカスレンズになっており、前側主点の位置はレンズ自体よりも物体面側に存在する。この事は、負レンズ6C1枚で、物体側のレンズ面で正レンズの役割を、アイポイント側のレンズ面で負レンズの役割をすることになり、両レンズ面でテレフォト系を構成することになるため、ファインダーの倍率アップに役立っている。
【0067】
条件式(2a)の下限を超えた値をとる場合、すなわち、物体側のレンズ面の正レンズの作用が弱くなる場合、レンズの前側主点位置は後ろ側に移動するため、テレフォト系の効果が弱まり十分な倍率を得られない。
【0068】
条件式(3b)は、物体側から3枚目の負レンズ6Cの肉厚と接眼レンズ全体の焦点距離の比を規定するものであり、特に、所望の倍率(見かけの視野角)を得るための条件式である。条件式(2a)と同様に、負レンズ6Cでのテレフォト系効果を設定するためのものである。負レンズ6Cは、物体側のレンズ面の正レンズ作用と、アイポイント側のレンズ面の負レンズ作用によってテレフォト系効果を得ているが、その効果は、両面の間隔が広いほど大きくなる。よって、条件式(3b)の下限を超えてレンズ厚が薄くなると、テレフォト系の効果が十分得られず、ファインダー倍率が高くならない。
【0069】
一方、条件式(3b)の上限を超えて、レンズ厚が厚くなると、テレフォト系の効果は高まるが、レンズの成型性が悪くなり、製作が難しくなってくる。
【0070】
条件式(3a)は物体側より1枚目の負レンズ6aの材質のアッベ数を規定するものである。負レンズ6aは条件式(3a)の範囲の高分散の材質を選ぶことにより、色消し効果を得るためのものである。適切なアッベ数の材料を選ぶことで、倍率の色収差の補正を行うことができる。2枚目の正レンズ6bで発生する倍率色収差を補正するためには1枚目の負レンズ6aに高分散の材質を用いることが最適で、数値実施例1ではポリカーボをもちいている。2枚目、3枚目のレンズにもアクリル材質を使うことで、3つのレンズ全てがモールド成型で構成でき、たいへん製作しやすいファインダー系を構成している。
【0071】
以上説明したように、各条件式を満足することで、比較的簡易な構成の接眼レンズを使用したファインダー光学系でありながら、ファインダー倍率を十分大きくしつつ、また、ファインダー視度調節も容易でありながら、実用的なアイポイントを十分に長く保ちつつ、諸収差を良好に補正することに成功している。
【0072】
以下に本発明の数値実施例を示す。
【0073】
各数値実施例においてriは物体側より順に第i番目の面の曲率半径、diは物体側より順に第i番目の面と第(i+1)番目の面の間隔、niとνi各々物体側より順に第i番目の光学部材のガラスの屈折力とアッベ数である。
【0074】
なお、各数値実施例において*印は非球面を表わしており、非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にY軸、光の進行方向を正としRを近軸曲率半径、K、B、C、を各々非球面係数としたとき、
【0075】
【数1】
【0076】
によって定義されるものである。
【0077】
また「e−0X」の表示は「10-X」を意味している。
また前述の各条件式と数値実施例における諸数値との関係を表−1に示す。

数値実施例 1
r 1= 0.000 d 1= 82.75 n 1=1.51633 v 1=64.2
r 2= 0.000 d 2= 0.80
r 3= -100.460 d 3= 2.00 n 2=1.58306 v 2=30.2
r 4= 39.907 d 4= 可変
r 5= 16.063(非球面)d 5= 4.60 n 3=1.49171 v 3=57.4
r 6= -29.972 d 6= 可変
r 7= 30.963(非球面)d 7= 6.00 n 4=1.49171 v 4=57.4
r 8= 14.000(非球面)d 8= 23.00
r 9= 0.000

焦点距離 58.16 56.56 60.03
可変間隔
d 4 2.55 4.20 1.00
d 6 3.75 2.10 5.30

非球面係数
第 5面 k b c
-2.463429e+00 1.749987e-05 -5.616213e-08
第 7面 k b c
523295e+00 -1.364678e-05 -3.196562e-07
第 8面 k b c
-3.590003e+00 1.613739e-04 -8.376741e-07

数値実施例 2
r 1= 0.000 d 1= 82.75 n 1=1.51633 v 1=64.2
r 2= 0.000 d 2= 2.20
r 3= 0.000 d 3= 2.30 n 2=1.58306 v 2=30.2
r 4= 29.416 d 4= 0.20
r 5= 23.121 d 5= 6.80 n 3=1.49171 v 3=57.4
r 6= -14.988(非球面)d 6= 1.30
r 7= 23.828 d 7= 6.70 n 4=1.49171 v 4=57.4
r 8= 9.793(非球面)d 8= 22.60
r 9= 0.000
焦点距離 54.88
非球面係数
第 6面 k b c
-5.157848e+00 -6.674128e-06 2.451395e-08
第 8面 k b c
-3.065774e+00 3.218130e-05 3.309122e-07

数値実施例 3
r 1= 0.000 d 1= 82.75 n 1=1.51633 v 1=64.2
r 2= 0.000 d 2= 0.50
r 3= 44.427 d 3= 2.10 n 2=1.59270 v 2=35.3
r 4= 18.989(非球面)d 4= 可変
r 5= 19.491 d 5= 3.80 n 3=1.49171 v 3=57.4
r 6= -42.756(非球面)d 6= 可変
r 7= 19.599 d 7= 6.00 n 4=1.49171 v 4=57.4
r 8= 14.000(非球面)d 8= 23.00
r 9= 0.000
焦点距離 58.48 55.93 61.36
可変間隔
d 4 2.60 4.20 1.00
d 6 4.70 3.10 6.30

非球面係数
第 4面 k b c
-3.988058e+00 3.690123e-05 -3.224454e-08
第 6面 k b c
-3.190630e+01 1.033277e-05 -1.960947e-08
第 8面 k b c
-6.198807e-01 -2.505320e-05 6.616713e-07

数値実施例 4
r 1= 0.000 d 1= 82.75 n 1=1.51633 v 1=64.2
r 2= 0.000 d 2= 0.80
r 3= -100.460 d 3= 2.00 n 2=1.58306 v 2=30.2
r 4= 39.907 d 4= 可変
r 5= 16.063(非球面)d 5= 4.60 n 3=1.49171 v 3=57.4
r 6= -29.972 d 6= 可変
r 7= 29.546(非球面)d 7= 4.80 n 4=1.49171 v 4=57.4
r 8= 14.000(非球面)d 8= 3.00
r 9= 0.000 d 9= 1.20 n 5=1.51633 v 5=64.2
r10= 0.000 d10= 23.00
r11= 0.000

焦点距離 59.71 58.07 61.63
可変間隔
d 4 2.55 4.20 1.00
d 6 3.75 2.10 5.30

非球面係数
第 5面 k b c
-2.463429e+00 1.749987e-05 -5.616213e-08
第 7面 k b c
3.530366e+00 -1.506647e-05 -3.154533e-07
第 8面 k b c
-3.633192e+00 1.559255e-04 -8.321652e-07

数値実施例 5
r 1= 0.000 d 1= 82.75 n 1=1.51633 v 1=64.2
r 2= 0.000 d 2= 0.80
r 3= -100.460 d 3= 2.00 n 2=1.58306 v 2=30.2
r 4= 39.907 d 4= 可変
r 5= 16.349(非球面)d 5= 4.50 n 3=1.49171 v 3=57.4
r 6= -36.008 d 6= 可変
r 7= 20.860 d 7= 6.00 n 4=1.63930 v 4=44.9
r 8= 12.862 d 8= 3.00
r 9= 0.0000 d 9= 23.00
r10= 0.000

焦点距離 57.14 54.76 59.78
可変間隔
d 4 2.65 4.30 1.10
d 6 3.75 2.10 5.30

非球面係数
第 5面 k b c
-4.014993e-01 -3.290166e-05 -3.141101e-08
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、各要素を適切に設定することにより光学系全体の小型化を図りつつ、所定の大きさの観察倍率及び所定の長さのアイレリーフが容易に得られ、又ファインダー視度調整も容易な観察者の要望に適宜対応することができ、しかも良好なるファインダー像の観察ができる一眼レフカメラ等に好適なファインダー光学系及びそれを用いた光学機器を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファインダー光学系を用いた光学機器の電部断面図
【図2】本発明の数値実施例1の接眼レンズのレンズ断面図
【図3】本発明の数値実施例1の接眼レンズの−1ディオプターの収差図
【図4】本発明の数値実施例1の接眼レンズの−3ディオプターの収差図
【図5】本発明の数値実施例1の接眼レンズの+1ディオプターの収差図
【図6】本発明の数値実施例2の接眼レンズのレンズ断面図
【図7】本発明の数値実施例2の接眼レンズの−1ディオプターの収差図
【図8】本発明の数値実施例3の接眼レンズのレンズ断面図
【図9】本発明の数値実施例3の接眼レンズの−1ディオプターの収差図
【図10】本発明の数値実施例3の接眼レンズの−3ディオプターの収差図
【図11】本発明の数値実施例3の接眼レンズの+1ディオプターの収差図
【図12】本発明の数値実施例4の接眼レンズのレンズ断面図
【図13】本発明の数値実施例4の接眼レンズの−1ディオプターの収差図
【図14】本発明の数値実施例4の接眼レンズの−3ディオプターの収差図
【図15】本発明の数値実施例4の接眼レンズの+1ディオプターの収差図
【図16】本発明の数値実施例5の接眼レンズのレンズ断面図
【図17】本発明の数値実施例5の接眼レンズの−1ディオプターの収差図
【図18】本発明の数値実施例5の接眼レンズの―3ディオプターの収差図
【図19】本発明の数値実施例5の接眼レンズの+1ディオプターの収差図
【符号の説明】
1:撮像レンズ,2:クイックリターンミラー,3:ピント板(フレネル),4:ピント板(マット面),5:ペンタプリズム,6a:接眼レンズを構成する負レンズ,6b:接眼レンズを構成する正レンズ, 6c:接眼レンズを構成する負レンズ

Claims (8)

  1. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系において、該接眼レンズは、物体側から順に、負レンズL1と、両レンズ面が凸面の正レンズL2と、アイポイント側に凹面を向けた負レンズL3より構成され、前記正レンズL2を光軸方向に移動させることにより視度調節を行い、視度−1ディオプトリーであるとき前記接眼レンズの焦点距離をf前記正レンズL2の焦点距離をf2前記負レンズL3の物体側のレンズ面の曲率半径をR3f前記負レンズL3のアイポイント側のレンズ面の曲率半径をR3rとしたとき、
    0.25<|f2/f|<0.75
    2.395≦(R3f+R3r)/(R3f−R3r)
    満足することを特徴とするファインダー光学系。
  2. 前記正レンズL2は少なくとも1つの非球面を有することを特徴とする請求項1記載のファインダー光学系。
  3. 前記負レンズL3は少なくとも1つの非球面を有することを特徴とする請求項2記載のファインダー光学系。
  4. 前記負レンズL3は両レンズ面が非球面であることを特徴とする請求項2記載のファインダー光学系。
  5. 前記負レンズL1は成型材料であり、前記負レンズL1の材質のアッベ数をνdとしたとき、
    20.0<νd<40.0
    を満足することを特徴とする請求項1記載のファインダー光学系。
  6. 前記対物レンズによって形成された像を正立像形成用の光学部材を介して観察することを特徴とする請求項1に記載のファインダー光学系。
  7. 前記負レンズL3のレンズ厚をD3としたとき、
    0.07<D3/f<0.15
    満足することを特徴とする請求項1に記載のファインダー光学系。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載のファインダー光学系を有ることを特徴とする光学機器。
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