JP4930832B2 - 接眼レンズ及びこれを備えたファインダー光学系並びに光学機器 - Google Patents

接眼レンズ及びこれを備えたファインダー光学系並びに光学機器 Download PDF

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本発明は、接眼レンズに関し、特に、一眼レフファインダーに用いられる接眼レンズに関する。
一眼レフファインダーは、撮影レンズの実像を正の屈折力の接眼レンズで観察する実像式ファインダーであり、撮影レンズの倒立像をクイックリターンミラーと呼ばれる表面鏡とペンタダハプリズムを用いて正立化し、色消しされた正レンズの接眼レンズによって観察するという構成が一般的である。撮影者の使い易さを向上させるため、一眼レフファインダーには、高い観察倍率、視度調節機能が求められている。また、暗い場所での使用や、撮影者の目と接眼レンズの射出瞳がずれていた場合を考えて、アイポイントで、約φ10mmで良好に収差補正された広い瞳を確保することも望まれている。
観察倍率を大きくするには、接眼レンズの焦点距離を短くすることが必要となる。しかしながら、視度を−1[1/m]付近に設定することが必要なため、焦点板から接眼レンズまでの距離によって実質的な接眼レンズの焦点距離が決定されてしまう。したがって、最も単純にファインダーの観察倍率を大きくするには、ペンタプリズムの光路長を短くし、接眼レンズをペンタプリズムに接近させて配置すればよい。一方、接眼レンズのアイポイント側レンズ面頂点からアイポイントまでの距離(アイレリーフ)を十分長くとろうとすると、ペンタプリズム射出面でのケラレを少なくするためにペンタプリズムを大型化しなければならない。そのため、ペンタプリズムの光路長が長くなり、観察倍率が低下してしまう。すなわち、観察倍率を上げることと、アイレリーフを十分長くとることは、互いに相反することであった。
なお、正立系を介して対物レンズの結像を観察する接眼レンズには、一眼レフカメラに用いられ、アイポイント側から順に、負レンズ群(第1レンズ群)と、正レンズ群(第2レンズ群)と、負レンズ群(第3レンズ群)とを備え、第2レンズ群および第3レンズ群の屈折力を適切に設定するとともに、第2レンズ群を光軸上に沿って移動させることにより、諸収差を良好に補正しつつ、観察倍率が高く、視度調節が可能なタイプのものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−324684号公報
近年、カメラのデジタル化に伴い、カメラには液晶画面や様々な電子部品が搭載され、撮像素子面またはフィルム面からカメラ後端面までの距離が大幅に長くなっている。撮影者がファインダーを覗きやすくするためには、アイポイントとカメラ後端面からの距離を十分長く確保しなくてはならないが、そのためには、接眼レンズをカメラの後端面付近に配置し、さらに、接眼レンズのアイレリーフを十分に確保する必要がある。
ところが、接眼レンズをカメラの後端面付近に配置すると、焦点板から接眼レンズまでの距離が長くなり、観察倍率を上げるのが困難になる。また、カメラの後端面付近に配置された接眼レンズのアイレリーフを十分に確保しようとすると、前述したように、ペンタプリズムを大型化しなければならず、ペンタプリズムの光路長(硝路長)が長くなって焦点板から接眼レンズまでの距離が長くなり、観察倍率を上げるのがさらに困難になる。このように、カメラのデジタル化に伴い、視野の高い観察倍率を確保することは非常に困難となっていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、比較的高い視野の観察倍率が確保された接眼レンズを提供することを目的とする。また、このような接眼レンズを備えたファインダー光学系および光学機器を提供することを目的とする。
このような目的達成のため、本発明では、対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する両凸形状の第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズとにより、実質的に3つのレンズからなり、第1レンズ、第2レンズ、および第3レンズのうち少なくとも1つを光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能に構成され、第1レンズおよび第3レンズがそれぞれ、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズから構成され、第2レンズのd線に対する屈折率をn2としたとき、n2>1.75の条件を満足し、第1レンズのアッベ数をν1とし、第3レンズのアッベ数をν3としたとき、30>(ν1+ν3)/2の条件を満足するようになっている。
また、上述の発明において、第2レンズにおける少なくとも一つの光学面が非球面であることが好ましい。
さらに、上述の発明において、第3レンズにおける物体側の面の曲率半径をRoとし、第3レンズにおけるアイポイント側の面の曲率半径をReとし、S3=(Ro+Re)/(Ro−Re)の条件式で定義される第3レンズのシェイプファクターをS3としたとき、S3>2.4の条件を満足することが好ましい。
さらに、上述の発明において、第1レンズ、第2レンズ、および第3レンズのうち第2レンズを光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能に構成されることが好ましい。
また、本発明に係るファインダー光学系は、対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系において、接眼レンズが本発明に係る接眼レンズであることを特徴とする。
さらに、本発明に係る光学機器は、対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系を備え、当該ファインダー光学系が本発明に係るファインダー光学系であることを特徴とする。
本発明によれば、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、比較的高い視野の観察倍率が確保された接眼レンズを得ることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図を参照しながら説明する。本発明に係る接眼レンズELおよびファインダー光学系VFを備えた一眼レフカメラCAMが図13に示されている。この一眼レフカメラCAMは、対物レンズOLと、ミラーMと、撮影用の撮像素子CCDと、ファインダー光学系VFとを備えて構成される。また、ファインダー光学系VFは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、焦点板Fと、コンデンサレンズCと、ペンタプリズムPと、接眼レンズELとを有して構成され、対物レンズOLによって焦点板F上に形成(結像)された像を接眼レンズELにより観察できるようになっている。なお、接眼レンズELの後方にアイポイントEPが設けられる。
対物レンズOLは、被写体像を撮像素子CCD上もしくは焦点板F上に結像する。ミラーMは、対物レンズOLを通る光軸に対して45度の角度で挿入されており、通常時(撮影待機状態)には、対物レンズOLを通った被写体(図示せず)からの光を反射して焦点板F上に結像させ、シャッターレリーズ時にはミラーアップ状態となって跳ね上がり、対物レンズOLを通った被写体(図示せず)からの光が撮像素子CCD上に結像するようになっている。すなわち、撮像素子CCDと焦点板Fとは、光学的に共役な位置に配設される。
ペンタプリズムPは、対物レンズOLによって結像された焦点板F上の被写体像(倒立像)を、上下左右反転して正立像にする。また、ペンタプリズムPは、観察者が被写体像を正立像として観察できるようにするとともに、ファインダー光学系VFをコンパクトに構成できるようにしている。焦点板FとペンタプリズムPとの間にコンデンサレンズCが設けられ、焦点板F上の被写体像をペンタプリズムPに導いている。コンデンサレンズCは、光束の発散を抑える正の屈折力を有しており、対物レンズOLの射出瞳から離れるに従い光束の広がりが大きくなることから、正立光学系や接眼光学系が大型化するのを防ぐため、対物レンズOLによって形成される被写体像の結像位置の近傍(例えば、本実施形態のように焦点板FとペンタプリズムPとの間)に配設されている。
接眼レンズELは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズL1と、正の屈折力を有する両凸形状の第2レンズL2と、負の屈折力を有する第3レンズL3とから構成され、第2レンズL2を光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことができるようになっている。また、第1レンズL1および第3レンズL3は、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズである。
さて、第2レンズL2のd線に対する屈折率をn2としたとき、第2レンズL2は次の条件式(1)で表される条件を満足する。
n2>1.75 …(1)
焦点板Fから接眼レンズELまでの距離が大きいため、視野範囲において高い観察倍率を確保するのが非常に困難であるが、第2レンズL2の屈折率を大きくしつつ第1レンズL1をメニスカスレンズにすることで、歪曲収差およびコマ収差を補正することができ、第3レンズL3をメニスカスレンズにすることで、十分なアイレリーフをとりつつ所定の観察倍率を確保することが可能になる。
第1レンズL1で大きく跳ね上げられた光は、第2レンズL2で大きく曲げられるが、第2レンズL2の物体側の曲率半径が小さすぎると、球面収差が補正しきれない。条件式(1)の条件を満足するように高屈折率のガラスを選択することで、第2レンズL2に大きな屈折力を持たせつつも、曲率半径を大きくすることができるので、球面収差の発生を抑えられ、全体として良好な収差補正が可能となる。また、曲率半径が小さいと、外径を確保するためにレンズ厚を厚くしなければならないが、高屈折率のガラスを用いることで従来よりも第2レンズL2を薄型化できる。レンズの薄型化により、ペンタプリズムPの射出面とアイポイントEPとの間の距離を短くすることができ、高い観察倍率の確保に繋がる。
またこのとき、第2レンズL2の光学面を非球面にすることで、球面収差をさらに良好に補正することが可能になる。特に、第2レンズL2の物体側の面を非球面にすることで、非球面を効果的に利用することができるため、視度調節時における各視度での球面収差およびコマ収差を良好に補正することが可能になり、視度調節時の収差変動を抑えることができる。また、第2レンズL2を光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことで、第2レンズL2が高屈折率を有することから、視度調節時にレンズを動かすことによる収差変動(特に、球面収差の収差変動)を少なくすることができる。
さらに、第3レンズL3は、十分なアイレリーフを確保しつつ観察倍率を高めるため、次の条件式(2)で表される条件を満足することが好ましい。
S3>2.4 …(2)
ここで、S3は第3レンズL3のシェイプファクターであり、S3=(Ro+Re)/(Ro−Re)の条件式で定義される。また、Roは第3レンズL3における物体側の面の曲率半径であり、Reは第3レンズL3におけるアイポイントEP側の面の曲率半径である。
条件式(2)は、第3レンズL3の形状を規定するものである。本来、第3レンズL3の負の屈折率が強いほど観察倍率を高めるには有利である。しかしながら、視度調節を行うためには、第1レンズL1の負の屈折力が強くなくてはならない。そこで、第3レンズL3は、負の屈折力を小さくしつつもレンズ厚を厚くし、条件式(2)を満たすような形状を取ることにより、第3レンズL3における物体側の面がランド光に対して正の働きをし、アイポイントEP側の面が負の働きをすることで、主点をアイポイントEP側にし、主点間隔を広げ、観察倍率を高めている。なお、ランド光とは、像高が零に達する光線のうち、最も光軸から離れた光線のことである。
また、条件式(2)の形状はアイレリーフの確保も容易にしている。さらに、条件式(2)の下限値を3.4以上にすることで、アイポイントEP側から光の軌跡を考えると、斜光束に対して、第3レンズL3はアイポイントEPから光を大きく屈折させることなく第2レンズL2へと結び、これにより、ペンタプリズムPの射出面での光線高を抑えてケラレを防止できることから、ペンタプリズムPの大型化を避けることができる。
また、色収差を良好に補正するため、さらに、次の条件式(3)で表される条件を満足することが好ましい。
30>(ν1+ν3)/2 …(3)
ここで、ν1は第1レンズL1のアッベ数であり、ν3は第3レンズL3のアッベ数である。
第2レンズL2が条件式(1)で表される条件を満足するとき、第2レンズL2では色収差が大きくなるため、第1レンズL1および第3レンズL3が条件式(3)で表される条件を満足することで、色収差の十分な補正が可能になる。なお、第1レンズL1および第3レンズL3が条件式(3)の上限値を上回る条件である場合、倍率色収差を補正しきれない。さらに、第1レンズL1および第3レンズL3が条件式(3)で表される条件を満足した上で、第2レンズL2のアッベ数ν2は、次の条件式(4)で表される条件を満足することが好ましい。
ν2>40 …(4)
このような構成の一眼レフカメラCAMにおいて、被写体(不図示)からの光は、対物レンズOLを通り、ミラーMで焦点板Fの方向に反射され、焦点板F上に被写体像が結像される。そして、ファインダー光学系VFにおいて、焦点板F上の被写体像からの光束は、コンデンサレンズC、ペンタプリズムP、および接眼レンズELを通過してアイポイントEPに導かれ、アイポイントEPにて観察者は被写体(不図示)の実像を観察することができる。また、シャッターレリーズ時には、対物レンズOLを通った被写体(不図示)からの光は、ミラーMがミラーアップ状態となるため、撮像素子CCD上に結像される。
以下、本発明の各実施例を添付図面に基づいて説明する。以下に、表1、表2、および表3を示すが、これらは本発明に係る接眼レンズの第1実施例,第2実施例および第3実施例における各レンズの諸元の表である。いずれの表においても、左端の項目は焦点板Fに形成される焦点面を1とする各光学面の番号(以下、面番号と称する)、rは各光学面の曲率半径、dは各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(以下、面間隔と称する)、n(d)はd線(波長587.6nm)に対する屈折率、νdはアッベ数をそれぞれ表している。
各表中において*印が付される非球面は、光軸に垂直な方向の高さ(入射高)をh、非球面の頂点における接平面から高さhにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(非球面量)をx、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をr、円錐定数をΚ、n次の非球面係数をCとしたとき、次の条件式(5)で表される。
x=(h/r)/{1+(1−Κ・h/r1/2
+C+C+C+C1010 …(5)
なお、表中の焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は「mm」である。但し、光学系は比例拡大または比例縮小しても、本発明と同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。
また、表中の視度の単位は[1/m]である。例えば、視度X[1/m]とは、接眼レンズによる像がアイポイントから光軸上に1/X[m(メートル)]の位置にできる状態を示している。なおこのとき、符号は、像がアイポイントより物体側にできた場合を負とする。
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1〜図4および表1を用いて説明する。図1は、第1実施例に係る接眼レンズ(視度−1[1/m]時)のレンズ構成図である。なお、図1(図5および図9についても同様)において、ペンタプリズムPは厚い平行面板に展開した状態で示され、また焦点板Fについては焦点板Fに形成される焦点面Iのみが示されている。また、表1は第1実施例における各レンズの諸元であるが、表1における面番号1〜11は図1における面1〜11と対応している。
(表1)
面番号 r d νd n(d)
1 ∞ 2.4 1.0000
2 ∞ 4.7 56.05 1.5688
3 −65.0349 2.8 1.0000
4 ∞ 111.498 56.05 1.5688
5 ∞ 0.1 1.0000
6 399.9059 1.1 23.78 1.8467
7 42.7155 (d1) 1.0000
8* 27.409 4.4 45.21 1.7911
9 −89.4324 (d2) 1.0000
10 34.2149 5.2 25.42 1.8052
11 20.9939 (d3) 1.0000
(非球面係数)
面番号 Κ C10
8 −0.3400 0.00000 0.00000 0.00000 0.00000
(可変間隔)
視度 −1 −3 +1
焦点距離 73.1 70.2 76.9
d1 2.8 0.7 5.4
d2 3.4 5.5 0.8
d3 23.7 20.7 27.7
(条件対応値)
条件式(1)n2=1.7911
条件式(2)S3=4.18
条件式(3)(ν1+ν3)/2=24.5
条件式(4)ν2=45
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
図2、図3、および図4はそれぞれ、第1実施例において、視度が−1[1/m]のときの諸収差図、視度が−3[1/m]のときの諸収差図、および視度が+1[1/m]のときの諸収差図である。各収差図は、d線(λ=587.6nm)、g線(λ=435.8nm)、C線(λ=656.3nm)、およびF線(λ=486.1nm)についての結果を示しており、αは半画角を、Dはディオプター(視度の単位であって[1/m]と同義)を示している。球面収差図では最大口径に対応するY2の値(軸上物体からの光線が焦点面(第1面)の次の面(第2面)に入射する入射高)を示し、非点収差図、歪曲収差図では半画角の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各半画角の値を示す。
また、非点収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示している。以上、収差図の説明は他の実施例においても同様である。各収差図で示されるように、ファインダー光学系VFの光路長が長く視度調節があるにもかかわらず、各視度での光学系の諸収差が良好に補正されている事がわかる。また、各収差図はアイポイントEPの瞳径をφ10mmとした場合の収差を示しているが、このような大きな瞳径において、コマ収差、球面収差、および歪曲収差が良好に補正されている事もわかる。
この結果、第1実施例に係る接眼レンズELによれば、ペンタプリズムPを利用する一眼レフカメラCAMのファインダー光学系VFにおいて、焦点板Fから接眼レンズELまでの距離が非常に長いにもかかわらず、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、比較的高い視野の観察倍率が確保された接眼レンズを得ることができる。また、このような接眼レンズELを備えたファインダー光学系VFおよび一眼レフカメラCAMによれば、焦点板Fから接眼レンズELまでの距離が非常に長いにもかかわらず、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、比較的高い視野の観察倍率を確保することができる。
(第2実施例)
以下、本発明の第2実施例について図5〜図8および表2を用いて説明する。図5は、第2実施例に係る接眼レンズ(視度−1[1/m]時)のレンズ構成図である。なお、第2実施例の接眼レンズは、第1実施例の接眼レンズと同様の構成であり、各部に第1実施例の場合と同一の符号を付すことにする。
下の表2に、第2実施例における各レンズの諸元を示す。なお、表2における面番号1〜11は、図5における面1〜11と対応している。また、表2において、非球面形状に形成されたレンズ面には、面番号の右に*印を付している。
(表2)
面番号 r d νd n(d)
1 ∞ 2.4 1.0000
2 ∞ 4.7 56.05 1.5688
3 −65.0349 2.8 1.0000
4 ∞ 111.498 56.05 1.5688
5 ∞ 0.1 1.0000
6 500.0000 1.1 23.78 1.8467
7 42.8065 (d1) 1.0000
8* 26.7871 5 45.46 1.8014
9 −88.4767 (d2) 1.0000
10 37.666 5.2 27.79 1.7408
11 21 (d3) 1.0000
(非球面係数)
面番号 Κ C10
8 −0.3859 0.00000 0.00000 0.00000 0.00000
(可変間隔)
視度 −1 −3 +1
焦点距離 73.6 70.5 78
d1 2.9 0.8 5.6
d2 3.5 5.6 0.8
d3 23.7 20.7 27.7
(条件対応値)
条件式(1)n2=1.8014
条件式(2)S3=3.52
条件式(3)(ν1+ν3)/2=26
条件式(4)ν2=46
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
図6、図7、および図8はそれぞれ、第2実施例において、視度が−1[1/m]のときの諸収差図、視度が−3[1/m]のときの諸収差図、および視度が+1[1/m]のときの諸収差図である。各収差図で示されるように、ファインダー光学系VFの光路長が長く視度調節があるにもかかわらず、各視度での光学系の諸収差が良好に補正されている事がわかる。また、第1実施例の場合と同様に、大きな瞳径(φ10mm)において、コマ収差、球面収差、および歪曲収差が良好に補正されている事もわかる。
この結果、第2実施例に係る接眼レンズELによれば、第1実施例の場合と同様の効果を得ることができる。また、このような接眼レンズELを備えたファインダー光学系VFおよび一眼レフカメラCAMによれば、第1実施例の場合と同様の効果を得ることができる。
(第3実施例)
以下、本発明の第3実施例について図9〜図12および表3を用いて説明する。図9は、第3実施例に係る接眼レンズ(視度−1[1/m]時)のレンズ構成図である。なお、第3実施例の接眼レンズは、第1実施例の接眼レンズと同様の構成であり、各部に第1実施例の場合と同一の符号を付すことにする。
下の表3に、第3実施例における各レンズの諸元を示す。なお、表3における面番号1〜11は、図9における面1〜11と対応している。また、表3において、非球面形状に形成されたレンズ面には、面番号の右に*印を付している。
(表3)
面番号 r d νd n(d)
1 ∞ 2.4 1.0000
2 ∞ 4.7 56.05 1.5688
3 −65.0349 2.8 1.0000
4 ∞ 111.498 56.05 1.5688
5 ∞ 0.1 1.0000
6 400.0000 1.1 22.76 1.8081
7 41.8967 (d1) 1.0000
8* 29.9677 4.5 40.76 1.8830
9 −130.4499 (d2) 1.0000
10 31.0801 4.7 18.9 1.9229
11 21 (d3) 1.0000
(非球面係数)
面番号 Κ C10
8 −0.1190 0.00000 0.00000 0.00000 0.00000
(可変間隔)
視度 −1 −3 +1
焦点距離 73.6 70.7 77.4
d1 2.9 0.7 5.6
d2 3.5 5.7 0.8
d3 24.2 21.2 28.2
(条件対応値)
条件式(1)n2=1.883
条件式(2)S3=5.17
条件式(3)(ν1+ν3)/2=21
条件式(4)ν2=41
このように本実施例では、上記条件式(1)〜(4)が全て満たされていることが分かる。
図10、図11、および図12はそれぞれ、第3実施例において、視度が−1[1/m]のときの諸収差図、視度が−3[1/m]のときの諸収差図、および視度が+1[1/m]のときの諸収差図である。各収差図で示されるように、ファインダー光学系VFの光路長が長く視度調節があるにもかかわらず、各視度での光学系の諸収差が良好に補正されている事がわかる。また、第1実施例の場合と同様に、大きな瞳径(φ10mm)において、コマ収差、球面収差、および歪曲収差が良好に補正されている事もわかる。
この結果、第3実施例に係る接眼レンズELによれば、第1実施例の場合と同様の効果を得ることができる。また、このような接眼レンズELを備えたファインダー光学系VFおよび一眼レフカメラCAMによれば、第1実施例の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態に係る接眼レンズは、一眼レフカメラのファインダー光学系に用いられる接眼レンズに限らず、広く実像光学系のファインダーの接眼レンズとしても利用可能である。また、上述の実施形態は例に過ぎず、上述の構成や形状に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜修正、変更が可能である。
また、上述の実施形態において、第2レンズL2を光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことができるように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、第1レンズL1を移動させたり、第1レンズL1および第2レンズL2を2つとも移動させたりして、視度調節を行うようにしてもよく、第1レンズL1、第2レンズL2、および第3レンズL3のうち少なくとも1つを光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことができるように構成されていればよい。
第1実施例に係る接眼レンズのレンズ構成図である。 第1実施例における視度が−1[1/m]のときの諸収差図である。 第1実施例における視度が−3[1/m]のときの諸収差図である。 第1実施例における視度が+1[1/m]のときの諸収差図である。 第2実施例に係る接眼レンズのレンズ構成図である。 第2実施例における視度が−1[1/m]のときの諸収差図である。 第2実施例における視度が−3[1/m]のときの諸収差図である。 第2実施例における視度が+1[1/m]のときの諸収差図である。 第3実施例に係る接眼レンズのレンズ構成図である。 第3実施例における視度が−1[1/m]のときの諸収差図である。 第3実施例における視度が−3[1/m]のときの諸収差図である。 第3実施例における視度が+1[1/m]のときの諸収差図である。 本発明に係る接眼レンズおよびファインダー光学系を備えた一眼レフカメラの概略構成図である。
符号の説明
CAM 一眼レフカメラ(光学機器) VF ファインダー光学系
OL 対物レンズ
EL 接眼レンズ L1 第1レンズ
L2 第2レンズ L3 第3レンズ

Claims (6)

  1. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、
    物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズと、正の屈折力を有する両凸形状の第2レンズと、負の屈折力を有する第3レンズとにより、実質的に3つのレンズからなり、前記第1レンズ、前記第2レンズ、および前記第3レンズのうち少なくとも1つを光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能に構成され、
    前記第1レンズおよび前記第3レンズがそれぞれ、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズから構成され、
    前記第2レンズのd線に対する屈折率をn2としたとき、次式
    n2>1.75
    の条件を満足し、
    前記第1レンズのアッベ数をν1とし、前記第3レンズのアッベ数をν3としたとき、次式
    30>(ν1+ν3)/2
    の条件を満足することを特徴とする接眼レンズ。
  2. 前記第2レンズにおける少なくとも一つの光学面が非球面であることを特徴とする請求項1に記載の接眼レンズ。
  3. 前記第3レンズにおける物体側の面の曲率半径をRo3とし、前記第3レンズにおけるアイポイント側の面の曲率半径をRe3とし、S3=(Ro3+Re3)/(Ro3−Re3)の条件式で定義される前記第3レンズのシェイプファクターをS3としたとき、次式
    S3>2.4
    の条件を満足することを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の接眼レンズ。
  4. 前記第1レンズ、前記第2レンズ、および前記第3レンズのうち前記第2レンズを光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能に構成されることを特徴とする請求項1から請求項のうちいずれか一項に記載の接眼レンズ。
  5. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系において、
    前記接眼レンズが請求項1から請求項のうちいずれか一項に記載の接眼レンズであることを特徴とするファインダー光学系。
  6. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系を備え、
    前記ファインダー光学系が請求項に記載のファインダー光学系であることを特徴とする光学機器。
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