JP2009020220A - ファインダー光学系、これを備える光学機器及びこれを用いた観察方法 - Google Patents

ファインダー光学系、これを備える光学機器及びこれを用いた観察方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 焦点板から接眼光学系までの距離を十分に確保しつつ、観察倍率が高いファインダー光学系を提供する。
【解決手段】 本発明は、対物レンズOLによって形成された像をペンタプリズム(正立像形成部材)Pを介して接眼レンズ(接眼光学系)ELにより観察するファインダー光学系VFにおいて、接眼レンズELは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、第1レンズ群は、ペンタプリズムP側に凸面を向けた1枚のメニスカスレンズL1で構成され、第3レンズ群は、2枚以上のレンズ成分L31,L32で構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ファインダー光学系、これを備える光学機器及びこれを用いた観察方法に関する。
一眼レフカメラのファインダー光学系は、対物レンズによる物体の実像(物体像)であって、クイックリターンミラーと呼ばれる表面鏡により反射して焦点板上に形成された物体像をペンタプリズム等の正立像形成部材により正立像にし、その像を色消しされた正レンズの接眼光学系で観察者が観察できるように構成されている。
撮影者の使いやすさを向上させるため、一眼レフカメラのファインダー光学系には、観察倍率が高いこと、アイレリーフ(接眼レンズのアイポイント側レンズ面の頂点からアイポイントまでの距離)が十分に長いこと、視度調節が可能なことが求められている。
ファインダー光学系の観察倍率を高くするためには、接眼光学系の焦点距離を短くすることが必要である。しかしながら、一眼レフカメラのファインダー光学系においては、視度を−1[1/m]付近に設定することが必要となるため、焦点板から接眼光学系までの距離(光路長)によって、実質的なファインダー光学系の焦点距離は決定されてしまう。
したがって、観察倍率を高くする最も単純な方法は、正立像形成部材の光路長を短くし、焦点板から接眼光学系までの距離を短くすればよい。しかしながら、この方法の場合、観察倍率を高くしようとするとファインダー光学系がカメラの背面より物体側に奥まってしまい、ファインダー光学系の最もアイポイント側のレンズ面の頂点からカメラボディの後端面までの距離が長くなり、観察者が眼をファインダー光学系に近づけることが困難となってしまうおそれがある。
また、アイレリーフを十分に長くしようとすると、正立像形成部材の射出面でのケラレを少なくするために、該正立像形成部材を大型化しなければならない。これにより、正立像形成部材の光路長は必然的に長くなり、ファインダー光学系の観察倍率が低下してしまう。
このように、一眼レフカメラのファインダー光学系において、観察倍率を高くすることと、アイレリーフを長く取ることは、相反することであった。
なお、従来の観察倍率を高くするとともにアイレリーフを長くとる方法としては、接眼レンズの最も物体側とアイポイント側とを負レンズとする4枚構成にすることにより、正立像形成部材の射出面からアイポイントまでの距離を長く確保した、ファインダー光学系が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−215471号公報
近年、カメラのデジタル化に伴い、カメラの背面には液晶画面や様々な電子部品が配置され、撮像素子面またはフィルム面からカメラ後端面までの距離が大幅に長くなっている。撮影者がファインダー光学系を覗きやすくするために、アイポイントからカメラ後端面までの距離を十分に確保しなくてはならないが、そのために、接眼光学系をカメラの後端面付近に配置すると、焦点板から接眼光学系までの距離が長くなり、観察倍率を上げることが難しい。
また、カメラの後端面付近に配置した接眼光学系のアイレリーフを十分に確保しようとすると、前述したように、正立像形成部材を大型化せねばならず、正立像形成部材の光路長(硝路長)が長くなる。すなわち、焦点板から接眼光学系までの距離が長くなり、観察倍率を上げるのがさらに難しくなる。
このように、一眼レフカメラのファインダー光学系において、観察倍率が高いこと、アイレリーフが長いこと等の機能を有することは、観察者の利便性の向上に繋がる。しかしながら、カメラのデジタル化に伴い、これらの各機能を一つのファインダー光学系で達成しようとすることは、光学系全体が複雑化し、各機能を良好に発揮させるのがより難しくなっている。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、焦点板から接眼光学系までの距離を十分に確保しつつ、観察倍率が高いファインダー光学系、これを備える光学機器及びこれを用いた観察方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明は、対物レンズによって形成された像を正立像形成部材(例えば、本実施形態におけるペンタプリズムP)を介して接眼光学系(例えば、本実施形態における接眼レンズEL)により観察するファインダー光学系において、前記接眼光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、前記第1レンズ群は、前記正立像形成部材側に凸面を向けた1枚のメニスカスレンズL1で構成され、前記第3レンズ群は、2つ以上のレンズ成分を有している。
なお、上記発明は、前記第1レンズ群において、前記メニスカスレンズL1のシェイプファクターS1を、前記メニスカスレンズL1の物体側の面の曲率半径をR1Oとし、前記メニスカスレンズL1のアイポイント側の面の曲率半径をR1Eとして、式S1=(R1O+R1E)/(R1O−R1E)により定義したとき、次式1.0<S1<2.0を満足することが好ましい。
また、上記発明は、前記第2レンズ群は、正の屈折力を有するレンズ成分L2(例えば、本実施形態における両凸レンズL2)を有し、前記第3レンズ群は、前記正立像形成部材側から順に、正の屈折力を有するレンズ成分L31と、負の屈折力を有するレンズ成分L32とを有していることが好ましい。
また、上記発明は、前記第3レンズ群は、前記正立像形成部材側から順に、正の屈折力を有するレンズ成分L31と、負の屈折力を有するレンズ成分L32とを有しており、前記正の屈折力を有するレンズ成分L31のシェイプファクターS31を、前記正の屈折力を有するレンズ成分L31の物体側の面の曲率半径をR31Oとし、前記正の屈折力を有するレンズ成分L31のアイポイント側の面の曲率半径をR31Eとし、式S31=(R31O+R31E)/(R31O−R31E)により定義し、前記負の屈折力を有するレンズ成分L32のシェイプファクターS32を、前記負の屈折力を有するレンズ成分L32の物体側の面の曲率半径をR32Oとし、前記負の屈折力を有するレンズ成分L32のアイポイント側の面の曲率半径をR32Eとし、式S32=(R32O+R32E)/(R32O−R32E)により定義したときに、次式−5.0<S31<−0.5及び0.5<S32<5.0を満足することが好ましい。
また、上記発明は、前記第2レンズ群は、正の屈折力を有するレンズ成分L2を有し、前記正の屈折力を有するレンズ成分L2のシェイプファクターS2を、前記正の屈折力を有するレンズ成分L2の物体側の面の曲率半径をR2Oとし、前記正の屈折力を有するレンズ成分L2のアイポイント側の面の曲率半径をR2Eとして、式S2=(R2O+R2E)/(R2O−R2E)により定義したときに、次式−1.0<S2<−0.2を満足することが好ましい。
また、上記発明は、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記ファインダー光学系全体の焦点距離をfとしたとき、次式0.7<|f1/f|<1.3を満足することが好ましい。
また、上記発明は、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、次式0.3<f1/f3<1.0を満足することが好ましい。
また、上記発明は、前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが好ましい。
また、本発明は、前記ファインダー光学系を備える光学機器である。
さらに、本発明は、対物レンズによって形成された像を正立像形成部材を介して接眼光学系により観察するファインダー光学系を用いた観察方法であって、前記接眼光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、前記第1レンズ群は、1枚の前記正立像形成部材側に凸面を向けたメニスカスレンズL1で構成され、前記第3レンズ群は、2つ以上のレンズ成分を有している。
以上説明したように、本発明によれば、焦点板から接眼光学系までの距離を十分に確保しつつ、観察倍率が高いファインダー光学系を提供できる。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係るファインダー光学系VFを搭載した一眼レフカメラ(光学機器)CAMの概略構成図である。一眼レフカメラCAMは、対物レンズOLと、ミラーMと、撮影用の撮像素子CCDと、ファインダー光学系VFとを備えて構成されている。ファインダー光学系VFは、物体側から順に光軸に沿って、焦点板Fと、コンデンサレンズCと、ペンタプリズム(正立像形成部材)Pと、接眼レンズ(接眼光学系)ELとが配置されている。尚、撮像素子としてCCD以外、CMOS、フィルム等を使用してもよい。
対物レンズOLは、被写体像を撮像素子CCD上もしくは焦点板F上に結像する。ミラーMは、対物レンズOLの光軸に対して45度の角度で挿入されており、対物レンズOLを通った被写体(不図示)からの光を、通常時(撮影待機状態)には反射して焦点板F上に結像させ、シャッターレリーズ時には被写体からの光が通らない位置に跳ね上がり(ミラーアップ状態)、撮影用の撮像素子CCD上に結像させる。すなわち、撮像素子CCDと焦点板Fは、光学的に共役な位置に配置されている。コンデンサレンズCは、対物レンズOLにより結像された焦点板F上の被写体像を、ペンタプリズムPに導く。なお、コンデンサレンズCは、光束の発散を抑える正の屈折力を有しており、対物レンズOLの射出瞳から離れるに従って光束の広がりが大きくなって、正立像形成部材や接眼光学系が大型化するのを防ぐため、対物レンズOLによって形成される被写体像の結像位置の近傍(例えば、本実施形態のように、焦点板FとペンタプリズムPとの間)に配設されている。ペンタプリズムPは、対物レンズOLによって結像された焦点板F上の被写体像(倒立像)を、上下左右反転して正立像とする。接眼レンズELは、ペンタプリズムPで正立像となった被写体像を、観察者の目に導く。なお、詳細は後述するが、本願に係る接眼レンズELは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、第1レンズ群は1枚のペンタプリズムP側に凸面を向けたメニスカスレンズL1で構成され、第3レンズ群は2つのレンズ成分L31,L32で構成されている。
このような構成の一眼レフカメラCAMにより観察を行うには、被写体(不図示)からの光を、対物レンズOLを通し、ミラーMで反射させ、焦点板F上に結像させた後に、コンデンサレンズCを介して、ペンタプリズムPに入射させて正立像とさせ、接眼レンズELを通し、アイポイントEPに導く。観察者は、このアイポイントEPにて、被写体(不図示)の実像を観察することができる。なお、シャッターレリーズ時には、ミラーMがミラーアップ状態となるため、対物レンズOLを通った被写体(不図示)からの光は、撮像素子CCD上に結像される。
本願において、上記の接眼レンズELは、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とからなる、3群構成である。
そして、第1レンズ群は、ペンタプリズムP側に凸面を向けた負メニスカスレンズL1で構成され、第2レンズ群は、両凸レンズL2(正の屈折力を有するレンズ成分)で構成されるのが好ましく、第3レンズ群は、ペンタプリズムP側から順に、正の屈折力を有するレンズ成分L31及び負の屈折力を有するレンズ成分L32で構成されているのが好ましい。
このように、接眼レンズ全体を少なくとも4枚のレンズで構成することにより、接眼レンズELの総厚を厚くし、カメラCAMの背面からアイポイントEPまでの距離を十分に確保することができる。
また、上記のように、第3レンズ群を、ペンタプリズムP側から順に、正の屈折力を有するレンズ成分L31と、負の屈折力を有するレンズ成分L32とを有していることが好ましい。これにより、第3レンズ群の主点位置をペンタプリズムP側にして、接眼レンズEL全体の主点位置をペンタプリズムP側に近づけることができるため、焦点板FからアイポイントEPまでの距離が長いにもかかわらず、視度を保ち、高い観察倍率を確保することが可能となる。
さらに、本願では、第3レンズ群を2枚以上で構成することが可能である。これにより、観察倍率を維持しながらも、諸収差の改善をより図ることができる。また、接眼レンズ全長を伸ばすことができるため、カメラの厚みに柔軟に対応することができる。
また、本願では、第2レンズ群を、光軸方向に移動させて、視度調節を行うことが好ましい。これにより、視度全域にて球面収差を補正することができるとともに、歪曲収差の変動を小さく抑えることができる。その結果、少ない移動量で効果的に視度調節を行うことが可能となる。
本願のファインダー光学系VFは、以下に示す条件式(1)〜(7)を満足することが好ましい。
第1レンズ群において、メニスカスレンズL1のシェイプファクターS1を、メニスカスレンズL1の物体側の面の曲率半径をR1Oとし、メニスカスレンズL1のアイポイントEP側の面の曲率半径をR1Eとして、式S1=(R1O+R1E)/(R1O−R1E)により定義したとき、次式(1)を満足することが好ましい。
1.0<S1<2.0 …(1)
上記条件式(1)は、第1レンズ群のメニスカスレンズL1の形状について、適切な範囲を規定するものである。この条件式(1)を満足することにより、第1レンズ群のレンズは、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズL1となる。このような形状にすることにより、焦点板Fから接眼レンズELまでの距離を長くとっても、接眼レンズEL全体で高い観察倍率を確保することができる。また、ディストーションを良好に補正することができる。一般に、第1レンズ群の負のパワーが小さいと視度調節が困難である。本願のように、第1レンズ群のレンズL1にメニスカスの形状を取ることは、負のパワーが小さくなりやすく、視度調節が困難となりやすい。しかしながら、本実施形態の接眼レンズELは、レンズ間隔を広く取り、第2レンズ群の視度調節レンズL2の移動距離を大きく確保することで、第1レンズ群のレンズL1にメニスカスの形状を取りつつも、十分に視度調節が可能となっている。
なお、上記条件式(1)の下限値を下回ると、焦点板Fから接眼レンズELまでの距離を維持しつつ、視度を−1[1/m]に保つことが困難となってしまう。なお、下限値は1.1であることが好ましい。また、上限値は、1.8であることが好ましい。これにより、良好にコマ収差が補正できるとともに、視度調節の範囲を広く確保することができる。
また、第3レンズ群は、正立像形成部材側から順に、正の屈折力を有するレンズ成分L31と、負の屈折力を有するレンズ成分L32とを有しており、前記正の屈折力を有するレンズ成分L31のシェイプファクターS31を、この正の屈折力を有するレンズ成分L31の物体側の面の曲率半径をR31Oとし、正の屈折力を有するレンズ成分L31のアイポイントEP側の面の曲率半径をR31Eとし、式S31=(R31O+R31E)/(R31O−R31E)により定義し、前記負の屈折力を有するレンズ成分L32のシェイプファクターS32を、前記負の屈折力を有するレンズ成分L32の物体側の面の曲率半径をR32Oとし、前記負の屈折力を有するレンズ成分L32のアイポイントEP側の面の曲率半径をR32Eとし、式S32=(R32O+R32E)/(R32O−R32E)により定義したときに、次式(2)及び(3)を満足することが好ましい。
−5.0<S31<−0.5 …(2)
0.5<S32<5.0 …(3)
上記条件式(2)及び(3)は、第3レンズ群の正の屈折力を有するレンズ成分L31の形状及び負の屈折力を有するレンズ成分L32の形状について、それぞれ適切な範囲を規定するものである。上記条件式(2)を満足することにより、第2レンズ群からの斜光束を緩やかに第3レンズ群の正の屈折力を有するレンズ成分L32へと導くことができ、コマ収差の発生を抑えることができる。また、上記条件式(3)を満足することにより、ランド光に対して大きく作用し、球面収差を補正しつつ、コマ収差も抑えることができる。なお、ランド光とは、像高が零に達する光線のうち、最も光軸から離れた光線のことである。つまり、第3レンズ群を2枚構成とすることで、主点位置の自由度が増し、高倍率化に有利となるが、上記条件式(2)及び(3)を満足することにより、第2レンズ群からの斜光束に対しては緩やかに光を導く一方で、ランド光に対して大きく作用する形状となる。したがって、焦点板Fから接眼レンズELまでの距離が非常に長いにもかかわらず、視野での高い観察倍率を確保しつつ、球面収差及び上側コマ収差を良好に補正できるようになっている。また、アイポイントEP側から光線を追った場合に、第2レンズ群からの斜光束を第3レンズ群の負の屈折力を有するレンズ成分L32で大きく跳ね上げず、ペンタプリズムPの射出面での光線高を抑えてペンタプリズムPの大型化を避けることにより、高倍率化を実現している。
なお、レンズ成分L31が上記条件式(2)の下限値を下回るか、あるいは、レンズ成分L32が上記条件式(3)の上限値を上回ると、球面収差の補正が困難となる。また、第3レンズ群のパワーが非常に弱くなるため、接眼レンズEL全体の倍率を保つことと、焦点板から接眼レンズまでの距離が遠い構成において視度を−1[1/m]付近にすることの両立が困難となる。逆に、レンズ成分L31が上記条件式(2)の上限値を上回るか、あるいは、レンズ成分L32が上記条件式(3)の下限値を下回ると、斜光束に対して第3レンズ群が大きく作用するため、全体で上側コマ収差の補正が困難となる。
また、接眼レンズELの高倍率化に伴い、正の屈折力を有する第2レンズ群に高屈折力を用いる場合、パワーの強い第2レンズ群のアッベ数が小さくなり、接眼レンズEL全体での色収差の補正が難しくなる。しかしながら、本願のように、第3レンズ群を正の屈折力を有するレンズ成分L31と負の屈折力を有するレンズ成分L32とに分割することにより、効率の良い色収差の補正が可能となる。なお、このとき、第3レンズ群において、正の屈折力を有するレンズ成分L31のアッベ数をνd31とし、負の屈折力を有するレンズ成分L32のアッベ数をνd32としたとき、次式(4)を満足することが好ましい。
νd31−νd32>8.5 …(4)
また、第2レンズ群の正の屈折力を有するレンズ成分L2の物体側の面を非球面とすることで、非常に効率良く、視度全域にわたる球面収差を補正することができる。非球面レンズは、研削加工による非球面レンズ、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでも構わない。
また、第2レンズ群は、正の屈折力を有するレンズ成分L2のシェイプファクターS2を、前記正の屈折力を有するレンズ成分L2の物体側の面の曲率半径をR2Oとし、前記正の屈折力を有するレンズ成分L2のアイポイントEP側の面の曲率半径をR2Eとして、式S2=(R2O+R2E)/(R2O−R2E)により定義したときに、次式(5)を満足することが好ましい。
−1.0<S2<−0.2 …(5)
上記条件式(5)は、第2レンズ群の正の屈折力を有するレンズ成分L2の形状について、適切な範囲を規定するものである。上記条件式(5)を満足することにより、第2レンズ群の正の屈折力を有するレンズ成分L2を、ペンタプリズムP側の面に大きな屈折力を持たせる形状としている。これにより、レンズ成分L2の主点位置をよりペンタプリズムP側にし、接眼レンズEL全体の主点位置をペンタプリズムP側にすることができる。さらに、この形状をとることで、特に球面収差を補正することができる。また、上記条件式(5)を満足したときに、第2レンズ群の正の屈折力を有するレンズ成分L2の物体側の面を非球面とすることで、視度全域にわたる球面収差を広い視野範囲において、効率よく補正することができる。なお、本願では、第2レンズ群の正の屈折力を有するレンズ成分L2の物体側の面以外にも、非球面を用いることで、諸収差を改善することが可能である。
上記条件式(5)の上限値を上回ると、球面収差及びコマ収差の補正が難しくなる。逆に、上記条件式(5)の下限値を下回ると、球面収差の補正が難しくなるとともに、パワー不足となり、観察倍率を確保するのが困難となる。
また、第1レンズ群の焦点距離をf1とし、接眼レンズEL全体の焦点距離をfとしたとき、次式(6)を満足することが好ましい。
0.7<|f1/f|<1.3 …(6)
上記条件式(6)は、第1レンズ群の焦点距離f1と接眼レンズEL全体の焦点距離fとの比の適切な範囲を規定するものである。上記条件式(6)の上限値を上回ると、ペンタプリズムPの射出面からの光束を発散させる力が弱くなり、第2レンズ群の移動量に対する視度変化の割合が小さくなり、視度調節範囲を確保することが困難となる。逆に、上記条件式(6)の下限値を下回ると、ペンタプリズムPの射出面からの光束を発散させる力が強くなり、第2レンズ群の大型化を招き、さらに収差補正上も好ましくない。なお、本発明の効果を十分に発揮させるためには、条件式(6)の上限値を1.0とすることが好ましい。また、条件式(6)の下限値を0.4とすることが好ましい。
また、第1レンズ群の焦点距離をf1とし、第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、次式(7)を満足することが好ましい。
0.3<f1/f3<1.0 …(7)
上記条件式(7)は、第1レンズ群の焦点距離f1と第3レンズ群の焦点距離f3との比の適切な範囲を規定するものである。上記条件式(7)の下限値を下回ると、f3のパワーが強いと、主点位置がペンタプリズムP側になることで、視度を一定に保った場合、視野倍率を高倍率にしても、焦点板Fから接眼レンズELまでの距離を長くとることができるが、f1に対してのf3の屈折力が小さくなりすぎるため、視度調節のマイナス側を確保することが難しくなる。逆に、上記条件式(7)の上限値を上回ると、f1に対してのf3の屈折力が大きくなりすぎるため、視度調節のプラス側を確保することが難しくなる。なお、本発明の効果を十分に発揮させるためには、条件式(7)の上限値を0.7とすることが好ましい。また、条件式(7)の下限値を0.4とすることが好ましい。
以下、本願に係るファインダー光学系の各実施例について、図面及び表を用いて説明する。
以下に示す表1、表2及び表3は、本願に係るファインダー光学系の第1実施例、第2実施例及び第3実施例の各レンズの諸元の表である。いずれの表においても、第1欄mは物体側からの各光学面の番号(以下、面番号と称する。また、焦点板Fに形成される焦点面を面番号1としている)、第2欄rは各光学面の曲率半径(なお、∞は平面を示す)、第3欄dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離(以下、面間隔と称する)、第4欄νdはd線(波長587.6nm)に対するアッベ数、第5欄ndはd線に対する屈折率をそれぞれ表している。
表中において*印が付される非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐係数をKとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の式(8)で表される。
S(y)=(y/r)/{1+(1−K・y/r1/2
+C2×y+C4×y+C6×y+C8×y+C10×y10 …(8)
なお、表中では、記載されている長さの単位は、特記の無い場合「mm」が使われている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
また、表中では、視度の単位を「1/m」で示している。視度X[1/m]とは、接眼レンズEL(第1レンズ群〜第3レンズ群のレンズL1、L2、L31及びL32により構成される光学系が該当)による像が、アイポイントEPから光軸上に1/X[m(メートル)]の位置にできる状態のことを示している。なお、符号は、像がアイポイントEPより物体側にできた時を負とする。
また、表中では、上記の条件式(1)〜(7)に対応する値、すなわち条件対応値も示している。
(第1実施例)
本願の第1実施例に係るファインダー光学系VFについて、図2、図3及び表1を用いて説明する。図2は、第1実施例に係るファインダー光学系VFのレンズ構成図(接眼レンズELの視度が−1.00[1/m]の状態)である。なお、図2では、ペンタプリズムPについては光軸上に展開した状態で示し、焦点板Fについて該焦点板Fに形成される焦点面Iのみが示している。表1は、第1実施例に係るファインダー光学系VFの諸元の値を示すものであり、表1における面番号1〜13は図2における面1〜13と対応している。
なお、表1では、面番号8に相当する面が非球面である。また、表1では、面番号7に示す面間隔d1(すなわち面番号7と面番号8との面間隔)、面番号9に示す面間隔d2(すなわち面番号9と面番号10との面間隔)は、それぞれ視度調節が行われる際に変化するため、−1.00[1/m]状態、−3.00[1/m]状態、+1.25[1/m]状態の各視度状態における可変間隔データを示している。
(表1)
面番号 r d νd n(d)
1 ∞ 2.4 1.0000
2 ∞ 4.7 56.05 1.5688
3 -65.0000 2.8 1.0000
4 ∞ 98.0 56.05 1.5688
5 ∞ 1.1 1.0000
6 1000.0000 1.0 23.78 1.8467
7 49.0603 (d1) 1.0000
8 32.9359 6.0 45.34 1.7967
9 -90.0326 (d2) 1.0000
10 24.9648 4.5 55.53 1.6968
11 -221.7192 0.5 1.0000
12 -150.0000 0.9 41.98 1.7200
13 19.2952 24.0 1.0000
(非球面係数)
面番号 K C2 C4
8 -0.2109 0.0000 0.0000
C6 C8 C10
0.0000 0.0000 0.0000
(可変間隔)
視度 -1.00 -3.00 +1.25
焦点距離 66.5 64.9 68.3
d1 2.8 0.7 5.3
d2 3.3 5.4 0.8
(条件対応値)
条件式(1)S1=1.1
条件式(2)S31=-0.8
条件式(3)S32=0.8
条件式(4)νd31−νd32=13.6
条件式(5)S2=-0.5
条件式(6)|f1/f|=0.9
条件式(7)f1/f3=0.4
表1に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係るファインダー光学系VFでは、上記条件式(1)〜(7)を全て満たすことが分かる。
図3は、それぞれ第1実施例において、(A)視度が−1.00[1/m]のときの諸収差図(球面収差、像面湾曲、歪曲収差、コマ収差及び倍率色収差)、(B)視度が−3.00[1/m]のときの諸収差図、及び、(C)視度が+1.25[1/m]のときの諸収差図である。
各収差図では、アイポイントEPの瞳径φを4mmとした場合の収差を示している。なお、各収差図では、Dはd線(波長587.6nm)、Gはg線(波長435.8nmm)、CはC線(波長656.3nm)、FはF線(波長486.1nm)の収差曲線をそれぞれ示す。また、球面収差図における、縦軸はファインダー光学系VFへの光線の入射高を、横軸は視度[1/m]をそれぞれ示す。像面湾曲における、縦軸は焦点板F上での像高を、横軸は視度[1/m]を、実線はサジタル像面を、点線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。歪曲収差図における、縦軸は焦点板F上での像高を、横軸は百分率をそれぞれ示す。コマ収差図における、縦軸は焦点板F上の物体高を示し、単位として角度単位を用いている。倍率色収差図における、縦軸は焦点板F上の物体高を示し、単位として角度単位を用いている。以上、収差図の説明は、他の実施例においても同様である。
図3に示す各収差図から明らかであるように、本願に係る第1実施例では、ファインダー光学系VFの光路長が長く、視度調節が可能でありながら、大きな瞳径(φ4mm)において、−3.00[1/m]状態から、−1.00[1/m]状態を経て、+1.25[1/m]状態までの視度補正範囲の全域に亘って、諸収差が良好に補正されていることが分かる。
上記第1実施例のファインダー光学系VFを搭載した、本願に係る一眼レフカメラCAM(光学機器)は、大きな瞳径でも良好に収差補正できるため、暗い場所での使用や、撮影者の目と接眼レンズELの射出瞳がずれていた場合にも対応することができるとともに、優れた光学性能を確保することができる。
(第2実施例)
本願の第2実施例に係るファインダー光学系VFについて、図4,図5及び表2を用いて説明する。図4は、第2実施例に係るファインダー光学系VFのレンズ構成図(接眼レンズELの視度が−1.00[1/m]の状態)である。なお、図4では、ペンタプリズムPについては光軸上に展開した状態で示し、焦点板Fについて該焦点板Fに形成される焦点面Iのみが示している。表2は、第1実施例に係るファインダー光学系VFの諸元の値を示すものであり、表2における面番号1〜13は図4における面1〜13と対応している。
なお、表2では、面番号7に相当する面が非球面である。また、表2では、面番号7に示す面間隔d1(すなわち面番号7と面番号8との面間隔)、面番号9に示す面間隔d2(すなわち面番号9と面番号10との面間隔)は、それぞれ視度調節が行われる際に変化するため、−1.00[1/m]状態、−3.00[1/m]状態、+1.16[1/m]状態の各視度状態における可変間隔データを示している。
(表2)
面番号 r d νd n(d)
1 ∞ 2.4 1.0000
2 ∞ 4.7 56.05 1.5688
3 -65.0000 2.8 1.0000
4 ∞ 110.0 56.05 1.5688
5 ∞ 0.1 1.0000
6 584.0701 0.7 18.90 1.9229
7 54.4404 (d1) 1.0000
8 34.5680 8.0 45.34 1.7967
9 -93.0134 (d2) 1.0000
10 21.9338 6.0 44.20 1.7859
11 119.2636 1.0 1.0000
12 241.4116 0.8 42.71 1.8348
13 17.0059 22.0 1.0000
(非球面係数)
面番号 K C2 C4
7 -0.1331 0.0000 0.0000
C6 C8 C10
0.0000 0.0000 0.0000
(可変間隔)
視度 -1.00 -3.00 +1.16
焦点距離 66.1 64.0 68.3
d1 2.9 0.8 5.3
d2 3.2 5.3 0.8
(条件対応値)
条件式(1)S1=1.2
条件式(2)S31=-1.5
条件式(3)S32=1.2
条件式(4)νd31−νd32=13.6
条件式(5)S2=-0.5
条件式(6)|f1/f|=1.0
条件式(7)f1/f3=0.5
表2に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係るファインダー光学系VFでは、上記条件式(1)〜(7)を全て満たすことが分かる。
図5は、それぞれ第2実施例において、(A)視度が−1.00[1/m]のときの諸収差図(球面収差、像面湾曲、歪曲収差、コマ収差及び倍率色収差)、(B)視度が−3.00[1/m]のときの諸収差図、及び、(C)視度が+1.16[1/m]のときの諸収差図である。
図5に示す各収差図から明らかであるように、本願に係る第2実施例では、ファインダー光学系VFの光路長が長く、視度調節が可能でありながら、大きな瞳径(φ4mm)において、−3.00[1/m]状態から、−1.00[1/m]状態を経て、+1.16[1/m]状態までの視度補正範囲の全域に亘って、諸収差が良好に補正されていることが分かる。
また、本願に係る一眼レフカメラCAM(光学機器)は、第2実施例のファインダー光学系VFを搭載することにより、大きな瞳径でも良好に収差補正できるため、暗い場所での使用や、撮影者の目と接眼レンズELの射出瞳がずれていた場合にも対応することができるとともに、優れた光学性能を確保することができる。
(第3実施例)
本願の第3実施例に係るファインダー光学系VFについて、図6,図7及び表3を用いて説明する。図6は、第3実施例に係るファインダー光学系VFのレンズ構成図(接眼レンズELの視度が−1.00[1/m]の状態)である。なお、図6では、ペンタプリズムPについては光軸上に展開した状態で示し、焦点板Fについて該焦点板Fに形成される焦点面Iのみが示している。表3は、第1実施例に係るファインダー光学系VFの諸元の値を示すものであり、表3における面番号1〜13は図6における面1〜13と対応している。
なお、表3では、面番号7に相当する面が非球面である。また、表3では、面番号7に示す面間隔d1(すなわち面番号7と面番号8との面間隔)、面番号9に示す面間隔d2(すなわち面番号9と面番号10との面間隔)は、それぞれ視度調節が行われる際に変化するため、−1.00[1/m]状態、−3.00[1/m]状態、+1.27[1/m]状態の各視度状態における可変間隔データを示している。
(表3)
面番号 r d νd n(d)
1 ∞ 2.4 1.0000
2 ∞ 4.7 56.05 1.5688
3 -65.0000 2.8 1.0000
4 ∞ 98.0 56.05 1.5688
5 ∞ 1.1 1.0000
6 559.0721 1.0 23.78 1.8467
7 43.9181 (d1) 1.0000
8 24.8551 5.5 45.34 1.7967
9 -125.4310 (d2) 1.0000
10 57.8576 3.5 35.28 1.7495
11 104.5102 0.2 1.0000
12 33.3029 1.5 26.29 1.7847
13 18.4456 24.0 1.0000
(非球面係数)
面番号 K C2 C4
7 -0.2815 0.0000 0.0000
C6 C8 C10
0.0000 0.0000 0.0000
(可変間隔)
視度 -1.00 -3.00 +1.27
焦点距離 67.4 65.2 70.1
d1 2.8 0.7 5.3
d2 3.3 5.4 0.8
(条件対応値)
条件式(1)S1=1.2
条件式(2)S31=-3.5
条件式(3)S32=3.5
条件式(4)νd31−νd32=9.0
条件式(5)S2=-0.7
条件式(6)|f1/f|=0.8
条件式(7)f1/f3=0.6
表3に示す諸元の表から分かるように、本実施例に係るファインダー光学系VFでは、上記条件式(1)〜(7)を全て満たすことが分かる。
図7は、それぞれ第3実施例において、(A)視度が−1.00[1/m]のときの諸収差図(球面収差、像面湾曲、歪曲収差、コマ収差及び倍率色収差)、(B)視度が−3.00[1/m]のときの諸収差図、及び、(C)視度が+1.27[1/m]のときの諸収差図である。
図7に示す各収差図から明らかであるように、本願に係る第3実施例では、ファインダー光学系VFの光路長が長く、視度調節が可能でありながら、大きな瞳径(φ4mm)において、−3.00[1/m]状態から、−1.00[1/m]状態を経て、+1.27[1/m]状態までの視度補正範囲の全域に亘って、諸収差が良好に補正されていることが分かる。
また、本願に係る一眼レフカメラCAM(光学機器)は、第3実施例のファインダー光学系VFを搭載することにより、大きな瞳径でも良好に収差補正できるため、暗い場所での使用や、撮影者の目と接眼レンズELの射出瞳がずれていた場合にも対応することができるとともに、優れた光学性能を確保することができる。
以上のような、本実施形態に係るファインダー光学系は、一眼レフカメラだけでなく、広く実像光学系にも利用することができる。また、本実施形態に係るファインダー光学系は、硝路長が長い(例えば、80mm以上)のペンタプリズムを用いた場合でも、0.7以上の観察倍率で長いアイレリーフを確保することが可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば適宜修正・変更が可能である。なお、本発明の接眼レンズは、少なくとも4つのレンズ成分を有していればよく、適宜レンズ成分を追加してもよい。特に、上記実施例の第3レンズ群を3つのレンズ成分から構成するのが好ましく、最もアイポイント側に負メニスカスレンズを追加するのが好ましい。また、いずれかのレンズ面に反射防止膜を施し、フレアやゴーストを軽減し、高コントラストの高い光学性能を達成してもよい。
本発明に係るファインダー光学系を備えた一眼レフカメラの概略構成図である。 本発明の第1実施例に係るファインダー光学系の展開図である。 第1実施例における視度が、(A)−1.00[1/m]のとき、(B)−3.00[1/m]のとき、(C)+1.25[1/m]のときの諸収差図である。 本発明の第2実施例に係るファインダー光学系の展開図である。 第2実施例における視度が、(A)−1.00[1/m]のとき、(B)−3.00[1/m]のとき、(C)+1.16[1/m]のときの諸収差図である。 本発明の第3実施例に係るファインダー光学系の展開図である。 第3実施例における視度が、(A)−1.00[1/m]のとき、(B)−3.00[1/m]のとき、(C)+1.37[1/m]のときの諸収差図である。
符号の説明
CAM 一眼レフカメラ(光学機器) VF ファインダー光学系
OL 対物レンズ EL 接眼レンズ
P ペンタプリズム(正立像形成部材)
L1 第1レンズ群のメニスカスレンズ L2 第2レンズ群の両凸レンズ
L31,L32 第3レンズ群のレンズ成分

Claims (10)

  1. 対物レンズによって形成された像を正立像形成部材を介して接眼光学系により観察するファインダー光学系において、
    前記接眼光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、
    前記第1レンズ群は、前記正立像形成部材側に凸面を向けた1枚のメニスカスレンズL1で構成され、
    前記第3レンズ群は、2つ以上のレンズ成分を有していることを特徴とするファインダー光学系。
  2. 前記第1レンズ群において、前記メニスカスレンズL1のシェイプファクターS1を、前記メニスカスレンズL1の物体側の面の曲率半径をR1Oとし、前記メニスカスレンズL1のアイポイント側の面の曲率半径をR1Eとして、式S1=(R1O+R1E)/(R1O−R1E)により定義したとき、次式
    1.0<S1<2.0
    を満足することを特徴とする請求項1に記載のファインダー光学系。
  3. 前記第2レンズ群は、正の屈折力を有するレンズ成分L2を有し、
    前記第3レンズ群は、前記正立像形成部材側から順に、正の屈折力を有するレンズ成分L31と、負の屈折力を有するレンズ成分L32とを有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のファインダー光学系。
  4. 前記第3レンズ群は、前記正立像形成部材側から順に、正の屈折力を有するレンズ成分L31と、負の屈折力を有するレンズ成分L32とを有しており、
    前記正の屈折力を有するレンズ成分L31のシェイプファクターS31を、前記正の屈折力を有するレンズ成分L31の物体側の面の曲率半径をR31Oとし、前記正の屈折力を有するレンズ成分L31のアイポイント側の面の曲率半径をR31Eとし、式S31=(R31O+R31E)/(R31O−R31E)により定義し、
    前記負の屈折力を有するレンズ成分L32のシェイプファクターS32を、前記負の屈折力を有するレンズ成分L32の物体側の面の曲率半径をR32Oとし、前記負の屈折力を有するレンズ成分L32のアイポイント側の面の曲率半径をR32Eとし、式S32=(R32O+R32E)/(R32O−R32E)により定義したときに、次式
    −5.0<S31<−0.5
    0.5<S32<5.0
    を満足することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のファインダー光学系。
  5. 前記第2レンズ群は、正の屈折力を有するレンズ成分L2を有し、
    前記正の屈折力を有するレンズ成分L2のシェイプファクターS2を、前記正の屈折力を有するレンズ成分L2の物体側の面の曲率半径をR2Oとし、前記正の屈折力を有するレンズ成分L2のアイポイント側の面の曲率半径をR2Eとして、式S2=(R2O+R2E)/(R2O−R2E)により定義したときに、次式
    −1.0<S2<−0.2
    を満足することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のファインダー光学系。
  6. 前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記ファインダー光学系全体の焦点距離をfとしたとき、次式
    0.7<|f1/f|<1.3
    を満足することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のファインダー光学系。
  7. 前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、前記第3レンズ群の焦点距離をf3としたとき、次式
    0.3<f1/f3<1.0
    を満足することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のファインダー光学系。
  8. 前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のファインダー光学系。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のファインダー光学系を備えることを特徴とする光学機器。
  10. 対物レンズによって形成された像を正立像形成部材を介して接眼光学系により観察するファインダー光学系を用いた観察方法において、
    前記接眼光学系は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、
    前記第1レンズ群は、1枚の前記正立像形成部材側に凸面を向けたメニスカスレンズL1で構成され、
    前記第3レンズ群は、2つ以上のレンズ成分を有していることを特徴とする観察方法。
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