JP5891618B2 - 接眼レンズ及びこれを備えたファインダー光学系並びに光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、接眼レンズに関し、特に、一眼レフファインダーに用いられる接眼レンズに
関する。
一眼レフファインダーは、撮影レンズの実像を正の屈折力の接眼レンズで観察する実像
式ファインダーであり、撮影レンズの倒立像をクイックリターンミラーと呼ばれる表面鏡
とペンタダハプリズムを用いて正立化し、色消しされた正レンズの接眼レンズによって観
察するという構成が一般的である。撮影者の使い易さを向上させるため、一眼レフファイ
ンダーには、高い観察倍率、視度調節機能が求められている。また、暗い場所での使用や
、撮影者の目と接眼レンズの射出瞳がずれていた場合を考えて、アイポイントで、約φ1
0mmで良好に収差補正された広い瞳を確保することも望まれている。
観察倍率を大きくするには、接眼レンズの焦点距離を短くすることが必要となる。しか
しながら、視度を−1[1/m]付近に設定することが必要なため、焦点板から接眼レン
ズまでの距離によって実質的な接眼レンズの焦点距離が決定されてしまう。したがって、
最も単純にファインダーの観察倍率を大きくするには、ペンタプリズムの光路長を短くし
、接眼レンズをペンタプリズムに接近させて配置すればよい。一方、接眼レンズのアイポ
イント側レンズ面頂点からアイポイントまでの距離(アイレリーフ)を十分長くとろうと
すると、ペンタプリズム射出面でのケラレを少なくするためにペンタプリズムを大型化し
なければならない。そのため、ペンタプリズムの光路長が長くなり、観察倍率が低下して
しまう。すなわち、観察倍率を上げることと、アイレリーフを十分長くとることは、互い
に相反することであった。
なお、正立系を介して対物レンズの結像を観察する接眼レンズには、一眼レフカメラに
用いられ、アイポイント側から順に、負レンズ群(第1レンズ群)と、正レンズ群(第2
レンズ群)と、負レンズ群(第3レンズ群)とを備え、第2レンズ群および第3レンズ群
の屈折力を適切に設定するとともに、第2レンズ群を光軸上に沿って移動させることによ
り、諸収差を良好に補正しつつ、観察倍率が高く、視度調節が可能なタイプのものが知ら
れている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2001−324684号公報
近年、カメラのデジタル化に伴い、カメラには液晶画面や様々な電子部品が搭載され、
撮像素子面またはフィルム面からカメラ後端面までの距離が大幅に長くなっている。撮影
者がファインダーを覗きやすくするためには、アイポイントとカメラ後端面からの距離を
十分長く確保しなくてはならないが、そのためには、接眼レンズをカメラの後端面付近に
配置し、さらに、接眼レンズのアイレリーフを十分に確保する必要がある。
ところが、接眼レンズをカメラの後端面付近に配置すると、焦点板から接眼レンズまで
の距離が長くなり、観察倍率を上げるのが困難になる。また、カメラの後端面付近に配置
された接眼レンズのアイレリーフを十分に確保しようとすると、前述したように、ペンタ
プリズムを大型化しなければならず、ペンタプリズムの光路長(硝路長)が長くなって焦
点板から接眼レンズまでの距離が長くなり、観察倍率を上げるのがさらに困難になる。こ
のように、カメラのデジタル化に伴い、視野の高い観察倍率を確保することは非常に困難
となっていた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、視度調節が可能で大きな瞳径
を有しながら、比較的高い視野の観察倍率が確保された接眼レンズを提供することを目的
とする。また、このような接眼レンズを備えたファインダー光学系および光学機器を提供
することを目的とする。
このような目的を達成するため、第1の発明に係る接眼レンズは、対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のうち前記第2レンズ群を含む1つ以上のレンズ群を独立に、または前記第1レンズ群と前記第3レンズ群の両者を独立にあるいは一体に、光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能であり、前記3つのレンズ群のうち互いに隣接するレンズ群同士の間隔が各々変化するように構成され、前記第2レンズ群は、両凸レンズ成分を有し、前記第3レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズ成分を有し、以下の条件式を満足する。
Nn(ABE) > 1.870
N2p(ABE) ≧ 1.750
但し、
Nn(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する屈折率の平均値、
N2p(ABE):前記第2レンズ群に含まれる正レンズのd線に対する屈折率の平均値。
また、第2の発明に係る接眼レンズは、対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、記第1レンズ群、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のうち前記第2レンズ群を含む1つ以上のレンズ群を独立に、または前記第1レンズ群と前記第3レンズ群の両者を独立にあるいは一体に、光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能であり、前記3つのレンズ群のうち互いに隣接するレンズ群同士の間隔が各々変化するように構成され、前記第2レンズ群は、両凸レンズ成分を有し、前記第3レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズ成分を有し、以下の条件式を満足する。
Nn(ABE) > 1.870
29.0 > ν(ABE)
但し、
Nn(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する屈折率の平均値、
ν(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線を基準とするアッベ数の平均値。
また、第3の発明に係る接眼レンズは、対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のうち前記第1レンズ群と前記第3レンズ群のいずれか一方のレンズ群を、または前記3つのレンズ群のうち互いに隣接する2つ以上のレンズ群を一体に、光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能であり、前記第2レンズ群は、単一の両凸レンズ成分からなり、前記第3レンズ群は、物体側に凸面を向けた単一のメニスカスレンズ成分からなり、以下の条件式を満足する。
Nn(ABE) > 1.870
N2p(ABE) ≧ 1.750
但し、
Nn(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する屈折率の平均値、
N2p(ABE):前記第2レンズ群に含まれる正レンズのd線に対する屈折率の平均値。
また、第4の発明に係る接眼レンズは、対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、前記第1レンズ群、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のうち前記第1レンズ群と前記第3レンズ群のいずれか一方のレンズ群を、または前記3つのレンズ群のうち互いに隣接する2つ以上のレンズ群を一体に、光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能であり、前記第2レンズ群は、単一の両凸レンズ成分からなり、前記第3レンズ群は、物体側に凸面を向けた単一のメニスカスレンズ成分からなり、以下の条件式を満足する。
Nn(ABE) > 1.870
29.0 > ν(ABE)
但し、
Nn(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する屈折率の平均値、
ν(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線を基準とするアッベ数の平均値。
ここで、レンズ成分とは、単レンズ、または、複数枚のレンズが貼り合わされた接合レ
ンズを示す。
なお、本発明において、以下の条件式を満足することが好ましい。
30.0 > ν(ABE)
但し、
ν(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有す
るレンズのd線を基準とするアッベ数の平均値。
また、本発明において、前記第2レンズ群における少なくとも一つの光学面が非球面で
あることが好ましい。
また、本発明において、以下の条件式を満足することが好ましい。
S3>2.4
但し、
S3:前記第3レンズ群の最もアイポイント側に位置するレンズ成分のシェイプファク
ター(すなわち、前記第3レンズ群の最もアイポイント側に位置する前記レンズ成分にお
ける物体側の面の曲率半径をRo3とし、前記第3レンズ群の最もアイポイント側に位置
する前記レンズ成分におけるアイポイント側の面の曲率半径をRe3としたとき、(Ro3
+Re3)/(Ro3−Re3)で定義される値)。
また、本発明において、前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより視度調
節を行うことが可能であることが好ましい。
また、本発明に係るファインダー光学系は、対物レンズによって形成された像を接眼レ
ンズにより観察するファインダー光学系において、前記接眼レンズが上記いずれかの接眼
レンズである。
また、本発明に係る光学機器は、対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより
観察するファインダー光学系を備え、前記ファインダー光学系が上記いずれかのファイン
ダー光学系である。
本発明によれば、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、比較的高い視野の観察倍
率が確保された接眼レンズを得ることができる。また、このような接眼レンズを備えたフ
ァインダー光学系および光学機器を提供することができる。
第1実施例に係る接眼レンズの構成図である。 第1実施例に係る接眼レンズの諸収差図(球面収差、非点収差、コマ収差及び歪曲収差)であり、(a)は視度−1[1/m]時の諸収差図、(b)は視度−3[1/m]時の諸収差図、(c)は視度+1[1/m]時の諸収差図をそれぞれ示す。 第2実施例に係る接眼レンズの構成図である。 第2実施例に係る接眼レンズの諸収差図(球面収差、非点収差、コマ収差及び歪曲収差)であり、(a)は視度−1[1/m]時の諸収差図、(b)は視度−3[1/m]時の諸収差図、(c)は視度+1[1/m]時の諸収差図をそれぞれ示す。 第3実施例に係る接眼レンズの構成図である。 第3実施例に係る接眼レンズの諸収差図(球面収差、非点収差、コマ収差及び歪曲収差)であり、(a)は視度−1[1/m]時の諸収差図、(b)は視度−3[1/m]時の諸収差図、(c)は視度+1[1/m]時の諸収差図をそれぞれ示す。 本実施形態に係る接眼レンズおよびファインダー光学系を備えた一眼レフカメラの概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態に係る接
眼レンズELおよびファインダー光学系VFを備えた一眼レフカメラCAMが図7に示さ
れている。この一眼レフカメラCAMは、対物レンズOLと、ミラーMと、撮影用の撮像
素子CCDと、ファインダー光学系VFとを備えて構成される。また、ファインダー光学
系VFは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、焦点板Fと、コンデンサレンズCと、ペ
ンタプリズムPと、接眼レンズELとを有して構成され、対物レンズOLによって焦点板
F上に形成(結像)された像を接眼レンズELにより観察できるようになっている。なお
、接眼レンズELの後方にアイポイントEPが設けられる。
対物レンズOLは、被写体像を撮像素子CCD上もしくは焦点板F上に結像する。ミラ
ーMは、対物レンズOLを通る光軸に対して45度の角度で挿入されており、通常時(撮
影待機状態)には、対物レンズOLを通った被写体(図示せず)からの光を反射して焦点
板F上に結像させ、シャッターレリーズ時にはミラーアップ状態となって跳ね上がり、対
物レンズOLを通った被写体(図示せず)からの光が撮像素子CCD上に結像するように
なっている。すなわち、撮像素子CCDと焦点板Fとは、光学的に共役な位置に配設され
る。
ペンタプリズムPは、対物レンズOLによって結像された焦点板F上の被写体像(倒立
像)を、上下左右反転して正立像にする。また、ペンタプリズムPは、観察者が被写体像
を正立像として観察できるようにするとともに、ファインダー光学系VFをコンパクトに
構成できるようにしている。焦点板FとペンタプリズムPとの間にコンデンサレンズCが
設けられ、焦点板F上の被写体像をペンタプリズムPに導いている。コンデンサレンズC
は、光束の発散を抑える正の屈折力を有しており、対物レンズOLの射出瞳から離れるに
従い光束の広がりが大きくなることから、正立光学系や接眼光学系が大型化するのを防ぐ
ため、対物レンズOLによって形成される被写体像の結像位置の近傍(例えば、本実施形
態のように焦点板FとペンタプリズムPとの間)に配設されている。
接眼レンズELは、物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レン
ズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を有する第3レンズ群
G3とを備え、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うこ
とができるようになっており、第2レンズ群G2は両凸レンズ成分L2を有している。ま
た、第3レンズ群G3は、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズ成
分L3を有している。なお、本実施形態では、第3レンズ群G3を構成する前記メニスカ
スレンズ成分L3は、第3レンズ群G3内において最もアイポイントEP側に位置してい
る。
このように、第3レンズ群G3を物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカス
レンズ成分L3を含む構成にすることで、十分なアイレリーフをとりつつ、所定の観察倍
率を確保することが可能になる。
ここで、一般に、d線に対する屈折率の高い高屈折率材料が知られている。例えば、第
1レンズ群G1に含まれる負の屈折力を有するレンズの屈折率の平均値n1が小さいと、
第1レンズ群G1に含まれるレンズの曲率半径が小さくなる傾向があり、その結果、歪曲
収差および像面湾曲が悪化しやすくなる。また、第3レンズ群G3に含まれる負の屈折力
を有するレンズの屈折率の平均値n3が小さいと、第3レンズ群G3に含まれるレンズの
曲率半径が小さくなる傾向があり、その結果、球面収差およびコマ収差が悪化しやすくな
る。そこで、第1レンズ群G1,第3レンズ群G3に含まれる負の屈折力を有するレンズ
の屈折率の平均値n1,n3をそれぞれ高くすることで、第1レンズ群G1,第3レンズ
群G3にそれぞれ大きな屈折力を持たせつつも、これらレンズ群G1,G3に含まれる負
の屈折力を有するレンズの曲率半径を大きくすることが可能になり、その結果、歪曲収差
、像面湾曲、球面収差およびコマ収差を良好に補正することができる。
そして、本実施形態に係る接眼レンズELは、以下の条件式(1)を満足する。
Nn(ABE) > 1.870 …(1)
但し、
Nn(ABE):第1レンズ群G1および第3レンズ群G3に含まれる負の屈折力を有
するレンズのd線に対する屈折率の平均値。
このように、本実施形態に係る接眼レンズELは、条件式(1)を満足するように、第
1レンズ群G1および第3レンズ群G3に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対
する屈折率の平均値を高くすることで、第1レンズ群G1又は第3レンズ群G3に含まれ
る負の屈折力を有するレンズの少なくとも一つに高屈折率材料を採用した際に増加する傾
向にあるペッツバール和を最適化することが可能となり、その結果、像面湾曲をより良好
に補正することができる。つまり、本実施形態に係る接眼レンズELは、単に第1レンズ
群G1又は第3レンズ群G3に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する屈折率
の平均値n1又はn3を高くするのとは異なり、条件式(1)を満足するように、第1レ
ンズ群G1および第3レンズ群G3に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する
屈折率の平均値を高くするので、ペッツバール和を最適にして像面湾曲を良好に補正する
ことができる。
なお、条件式(1)の下限値を1.875にすることにより、本実施形態の効果をより
発揮できる。
さらに、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3に含まれる負の屈折力を有するレン
ズの屈折率の平均値が条件式(1)を満たし、かつ、第1レンズ群G1に含まれる負の屈
折力を有するレンズの屈折率の平均値n1及び第3レンズ群G3に含まれる負の屈折力を
有するレンズの屈折率の平均値n3を大きくする(例えば、n1>1.83、n2>1.
83)ことで、歪曲収差、像面湾曲、球面収差およびコマ収差を補正することができ、よ
り良好な光学性能を得ることができる。
また、第2レンズ群G2に含まれる正の屈折力を有するレンズは、曲率半径が小さいと
、外径を確保するためにレンズ厚を厚くしなければならないが、高屈折率のガラスを用い
ることで従来よりも薄型化することができる。レンズの薄型化により、ペンタプリズムP
の射出面とアイポイントEPとの間の距離を短くすることができ、高い観察倍率の確保に
繋げることができる。
なお、本実施形態において、第2レンズ群G2に含まれる正レンズのd線に対する屈折
率の平均値は、1.75以上であることが好ましい。
またこのとき、第2レンズ群G2における少なくとも一つの光学面を非球面にすること
で、球面収差をさらに良好に補正することが可能になる。特に、第2レンズ群G2の両凸
レンズ成分の物体側の光学面を非球面にすることで、非球面を効果的に利用することがで
きるため、視度調節時における各視度での球面収差およびコマ収差を良好に補正すること
が可能となり、視度調節時の収差変動を抑えることができる。
また、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことで、
視度調節時にレンズを動かすことによる収差変動(特に、球面収差の収差変動)を少なく
することができる。
また、本実施形態においては、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
30.0 > ν(ABE)…(2)
但し、
ν(ABE):第1レンズ群G1および第3レンズ群G3に含まれる負の屈折力を有す
るレンズのd線を基準とするアッベ数の平均値。
条件式(2)を満足することで、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3により第2
レンズ群G2で発生する色収差、本実施形態においては倍率色収差と軸上色収差の両方に
おいて十分な補正が可能になる。なお、条件式(2)の上限値を上回る場合、第1レンズ
群G1および第3レンズ群G3により、第2レンズ群G2で発生する倍率色収差を補正し
きれない。
なお、条件式(2)の上限値を29.5にすることで、本実施形態の効果をより発揮で
きる。また、条件式(2)の上限値を29.0とすることで、本実施形態の効果をさらに
発揮できる。
さらに、第1レンズ群G1および第3レンズ群G3が条件式(2)を満足した上で、第
2レンズ群G2は次の条件式(3)を満足することが好ましい。
ν2>40 …(3)
但し、
ν2:第2レンズ群G2に含まれるレンズのd線を基準とするアッベ数の平均値。
条件式(3)を満足することで、第2レンズ群G2で発生する色収差、具体的には倍率
色収差と軸上色収差をともに抑えることができる。なお、条件式(3)の下限値を下回る
場合、第1レンズ群G1に負荷がかかり、ここで除去している像面湾曲および歪曲収差の
悪化を招き、好ましくない。
また、第3レンズ群G3は、十分なアイレリーフを確保しつつ、観察倍率を高めるため
、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
S3>2.4 …(4)
ここで、S3は第3レンズ群G3の最もアイポイントEP側に位置するレンズ成分のシ
ェイプファクターであり、S3=(Ro3+Re3)/(Ro3−Re3)の条件式で定義さ
れる。なお、Ro3は第3レンズ群G3の最もアイポイントEP側に位置するレンズ成分
における物体側の面の曲率半径であり、Re3は第3レンズ群G3の最もアイポイントE
P側に位置するレンズ成分におけるアイポイントEP側の面の曲率半径である。
条件式(4)は、第3レンズ群G3の最もアイポイントEP側に位置するレンズ成分(
本実施形態ではメニスカスレンズ成分L3が該当)の形状を規定するものである。本来、
このレンズ成分の負の屈折率が強いほど、観察倍率を高めるには有利である。しかしなが
ら、視度調節を行うためには、第1レンズ群G1の負の屈折力が強くなくてはならない。
そこで、第3レンズ群G3の最もアイポイントEP側に位置するレンズ成分は、負の屈折
力を小さくしつつもレンズ厚を厚くし、条件式(4)を満たすような形状を取ることによ
り、当該レンズ成分における物体側の面がランド光に対して正の働きをし、アイポイント
EP側の面が負の働きをすることで、主点をアイポイントEP側にし、主点間隔を広げ、
観察倍率を高めている。なお、ランド光とは、像高が零に達する光線のうち、最も光軸か
ら離れた光線のことである。
さらに、アイポイントEP側から光の軌跡を考えると、斜光束に対して、第3レンズ群
G3の最もアイポイントEP側に位置するレンズ成分はアイポイントEPから光を大きく
屈折させることなく第2レンズ群G2へと結び、これにより、ペンタプリズムPの射出面
での光線高を抑えてケラレを防止できることから、ペンタプリズムPの大型化を避けるこ
とができる。また、条件式(4)の形状は、アイレリーフの確保も容易にしている。
なお、条件式(4)の下限値を3.4にすることで、本実施形態の効果をより発揮でき
る。また、条件式(4)の下限値を4.0とすることで、本実施形態の効果をさらに発揮
できる。
以上のような構成の一眼レフカメラCAMにおいて、被写体(不図示)からの光は、対
物レンズOLを通り、ミラーMで焦点板Fの方向に反射され、焦点板F上に被写体像が結
像される。そして、ファインダー光学系VFにおいて、焦点板F上の被写体像からの光束
は、コンデンサレンズC、ペンタプリズムP、および接眼レンズELを通過してアイポイ
ントEPに導かれ、アイポイントEPにて観察者は被写体(不図示)の実像を観察するこ
とができる。また、シャッターレリーズ時には、対物レンズOLを通った被写体(不図示
)からの光は、ミラーMがミラーアップ状態となるため、撮像素子CCD上に結像される
以下、本実施形態に係る接眼レンズの各実施例について、図面に基づいて説明する。以
下に、表1〜表3を示すが、これらは本発明に係る接眼レンズの第1〜第3実施例におけ
る各レンズの諸元の表である。
表中、[レンズデータ]において、面番号は焦点板Fに形成される焦点面を1として光
線の進行する方向に沿った物体側からの光学面の順序を、rは各光学面の曲率半径を、d
は各光学面から次の光学面までの光軸上の距離である面間隔を、n(d)はd線(波長58
7.6nm)に対する屈折率を、νdはd線を基準とするアッベ数を示す。なお、レンズ面が
非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径rの欄には近軸曲率半径を示す。
また、曲率半径の「∞」は平面を、EPはアイポイントを示す。また、空気の屈折率「1.
00000」の記載は省略する。[可変間隔データ]において、fは接眼レンズ全系の焦点距
離を、di(但し、iは整数)は第i面の可変の面間隔を示す。[条件式]には、上記の
条件式(1)〜(4)に対応する値を示す。
また、表中の[非球面データ]には、[レンズデータ]において*印が付された非球面
について、その形状を次式(a)で示す。すなわち、光軸に垂直な方向の高さをyとし、
非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離
(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐係数を
κとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(a)で示している。また、E-n
は、×10-nを表す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。
S(y)=(y2/r)/{1+(1−κ・y2/r21/2
+A4×y4+A6×y6+A8×y8 …(a)
なお、表中の焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他の長さの単位は「mm」である
。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は
「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
また、表中の視度の単位は[1/m]である。例えば、視度X[1/m]とは、接眼レ
ンズによる像がアイポイントEPから光軸上に1/X[m(メートル)]の位置にできる
状態を示している。なおこのとき、符号は、像がアイポイントEPより物体側にできた場
合を負とする。
(第1実施例)
第1実施例について、図1、図2及び表1を用いて説明する。図1は、第1実施例に係
る接眼レンズEL(EL1)のレンズ構成図(視度−1[1/m]時)である。なお、図
1では、ペンタプリズムPは厚い平行平面板に展開した状態で示され、焦点板Fは該焦点
板Fに形成される焦点面Iのみが示されている。
第1実施例に係る接眼レンズEL1は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、負の屈折
力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を
有する第3レンズ群G3とを備え、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させることによ
り視度調節を可能としている。第1レンズ群G1は物体側に凸面を向けたメニスカスレン
ズL1を有し、第2レンズ群G2は両凸レンズL2を有し、第3レンズ群G3は物体側に
凸面を向けたメニスカスレンズL3を有して構成されている。
本実施例では、焦点面Iと第1レンズ群G1との間に、不図示の対物レンズの実像面す
なわち焦点面I側から順に、光軸に沿って、焦点面I近傍に配置されたコンデンサレンズ
Cと、ペンタプリズムPとが配置されている。
上記構成を有する第1実施例に係る接眼レンズEL1では、(不図示の対物レンズによ
り結像された)焦点面I上の像を、コンデンサレンズC、ペンタプリズムPを順に介して
正立像とした後に、第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3で構成された接眼レンズEL1
により拡大し、アイポイントEPにて観察するようになっている。
以下の表1に、第1実施例に係る接眼レンズEL1の諸元値を掲げる。なお、表1にお
ける面番号1〜11は、図1に示す面1〜11に対応している。
(表1)
[レンズデータ]
面番号 r d n(d) νd
1 ∞ 2.10
2 ∞ 4.70 1.56883 56.34
3 -65.035 1.30
4 0.000 110.53 1.51680 64.10
5 0.000 0.35
6 501.286 1.10 1.84666 23.78
7 44.978 d7(可変)
8* 26.575 5.40 1.77387 47.25
9 -115.804 d9(可変)
10 27.617 5.00 1.90366 31.27
11 19.001 d11(可変)
EP

[非球面データ]
第8面
κ=1.0000 , A4=-7.4129E-06 , A6=-7.2215E-09, A8=1.6391E-12

[可変間隔データ]
視度 -1 -3 +1
f 72.8 70.0 76.2
d7 0.6 2.8 5.3
d9 5.3 3.1 0.6
d11 20.6 23.6 25.6

[条件式]
条件式(1)Nn(ABE)=1.875
条件式(2)ν(ABE)=27.5
条件式(3)ν2=47.3
条件式(4)S3=5.42
表1に示す諸元の表から、第1実施例に係る接眼レンズEL1は、上記条件式(1)〜
(4)を満たすことが分かる。
図2は、第1実施例に係る接眼レンズEL1の諸収差図(紙面左から、球面収差、非点
収差、コマ収差及び歪曲収差)であり、(a)は視度−1[1/m]時の諸収差図、(b
)は視度−3[1/m]時の諸収差図、(c)は視度+1[1/m]時の諸収差図をそれ
ぞれ示す。
各収差図において、Y1はペンタプリズムPへの光線の入射高さを、Y0は焦点面I上
での物体高を示す。非点収差図では、実線はサジタル像面を、破線はメリディオナル像面
を示す。コマ収差図では、「min」は角度単位の「分」を示す。球面収差図および非点
収差図では、それぞれ横軸の単位は[1/m]であり、図中では「D」で表す。また、C
はC線(波長656.3nm)、Dはd線(波長587.6nm)、FはF線(波長486.1nm)、Gはg
線(波長435.8nm)における収差曲線を示す。以上、収差図の説明は他の実施例において
も同様とし、その説明を省略する。
第1実施例は、各収差図から明らかなように、ファインダー光学系VFの光路長が長く
視度調節が可能であるにもかかわらず、各視度での光学系の諸収差が良好に補正されてい
ることが分かる。また、第1実施例は、各収差図はアイポイントEPの瞳径をφ10mmと
した場合の収差を示しているが、このような大きな瞳径において、コマ収差、球面収差、
および歪曲収差が良好に補正されていることも分かる。
その結果、第1実施例に係る接眼レンズEL1によれば、ペンタプリズムPを利用する
一眼レフカメラCAMのファインダー光学系VFにおいて、焦点板Fから接眼レンズEL
1までの距離が非常に長いにもかかわらず、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、
比較的高い視野の観察倍率が確保された接眼レンズEL1を得ることができる。また、こ
のような接眼レンズEL1を備えたファインダー光学系VFおよび一眼レフカメラCAM
(図7参照)によれば、焦点板Fから接眼レンズEL1までの距離が非常に長いにもかか
わらず、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、比較的高い視野の観察倍率を確保す
ることができる。
(第2実施例)
第2実施例について、図3、図4及び表2を用いて説明する。図3は、第2実施例に係
る接眼レンズEL(EL2)のレンズ構成図(視度−1[1/m]時)である。なお、図
3では、ペンタプリズムPは厚い平行平面板に展開した状態で示され、焦点板Fは該焦点
板Fに形成される焦点面Iのみが示されている。
第2実施例に係る接眼レンズEL2は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、負の屈折
力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を
有する第3レンズ群G3とを備え、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させることによ
り視度調節を行うことができるようになっている。第1レンズ群G1は物体側に凸面を向
けたメニスカスレンズL1を有し、第2レンズ群G2は両凸レンズL2を有し、第3レン
ズ群G3は物体側に凸面を向けたメニスカスレンズL3を有して構成されている。
本実施例では、焦点面Iと第1レンズ群G1との間に、不図示の対物レンズの実像面す
なわち焦点面I側から順に、光軸に沿って、焦点面I近傍に配置されたコンデンサレンズ
Cと、ペンタプリズムPとが配置されている。
上記構成を有する第2実施例に係る接眼レンズEL2では、(不図示の対物レンズによ
り結像された)焦点面I上の像を、コンデンサレンズC、ペンタプリズムPを順に介して
正立像とした後に、第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3で構成された接眼レンズEL2
により拡大し、アイポイントEPにて観察するようになっている。
以下の表2に、第2実施例に係る接眼レンズEL2の諸元値を掲げる。なお、表2にお
ける面番号1〜11は、図3に示す面1〜11に対応している。
(表2)
[レンズデータ]
面番号 r d n(d) νd
1 ∞ 2.00
2 ∞ 4.70 1.56883 56.34
3 -65.035 1.30
4 0.000 110.53 1.51680 64.10
5 0.000 0.25
6 1159.197 2.82 2.00069 25.45
7 56.134 d7(可変)
8* 27.121 5.40 1.75550 55.10
9 -104.236 d9(可変)
10 25.552 4.93 1.90366 31.27
11 18.069 d11(可変)
EP

[非球面データ]
第8面
κ=0.4984 , A4=-4.6337E-06 , A6=-5.1922E-09, A8=1.1396E-11

[可変間隔データ]
視度 -1 -3 +1
f 73.4 70.7 76.6
d7 2.7 0.5 5.1
d9 2.8 5.0 0.4
d11 2.8 5.0 0.4

[条件式]
条件式(1)Nn(ABE)=1.952
条件式(2)ν(ABE)=28.4
条件式(3)ν2=55.1
条件式(4)S3=5.83
表2に示す諸元の表から、第2実施例に係る接眼レンズEL2は、上記条件式(1)〜
(4)を満たすことが分かる。
図4は、第2実施例に係る接眼レンズEL2の諸収差図(紙面左から、球面収差、非点
収差、コマ収差及び歪曲収差)であり、(a)は視度−1[1/m]時の諸収差図、(b
)は視度−3[1/m]時の諸収差図、(c)は視度+1[1/m]時の諸収差図をそれ
ぞれ示す。各収差図から明らかなように、第2実施例は、ファインダー光学系VFの光路
長が長く視度調節が可能であるにもかかわらず、各視度での光学系の諸収差が良好に補正
されていることが分かる。また、第2実施例は、各収差図はアイポイントEPの瞳径をφ
10mmとした場合の収差を示しているが、このような大きな瞳径において、コマ収差、球
面収差、および歪曲収差が良好に補正されていることも分かる。
その結果、第2実施例に係る接眼レンズEL2によれば、ペンタプリズムPを利用する
一眼レフカメラCAMのファインダー光学系VFにおいて、焦点板Fから接眼レンズEL
2までの距離が非常に長いにもかかわらず、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、
比較的高い視野の観察倍率が確保された接眼レンズEL2を得ることができる。また、こ
のような接眼レンズEL2を備えたファインダー光学系VFおよび一眼レフカメラCAM
(図7参照)によれば、焦点板Fから接眼レンズEL2までの距離が非常に長いにもかか
わらず、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、比較的高い視野の観察倍率を確保す
ることができる。
(第3実施例)
第3実施例について、図5、図6及び表3を用いて説明する。図5は、第3実施例に係
る接眼レンズEL(EL3)のレンズ構成図(視度−1[1/m]時)である。なお、図
5では、ペンタプリズムPは厚い平行平面板に展開した状態で示され、焦点板Fは該焦点
板Fに形成される焦点面Iのみが示されている。
第3実施例に係る接眼レンズEL3は、光軸に沿って物体側から順に並んだ、負の屈折
力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、負の屈折力を
有する第3レンズ群G3とを備え、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させることによ
り視度調節を行い、第1レンズ群G1は物体側に凸面を向けたメニスカスレンズL1を有
し、第2レンズ群G2は両凸レンズL2を有し、第3レンズ群G3は物体側に凸面を向け
たメニスカスレンズL3を有して構成されている。
本実施例では、焦点面Iと第1レンズ群G1との間に、不図示の対物レンズの実像面す
なわち焦点面I側から順に、光軸に沿って、焦点面I近傍に配置されたコンデンサレンズ
Cと、ペンタプリズムPとが配置されている。
上記構成を有する第1実施例に係る接眼レンズEL3では、(不図示の対物レンズによ
り結像された)焦点面I上の像を、コンデンサレンズC、ペンタプリズムPを順に介して
正立像とした後に、第1レンズ群G1〜第3レンズ群G3で構成された接眼レンズEL3
により拡大し、アイポイントEPにて観察するようになっている。
以下の表3に、第3実施例に係る接眼レンズEL3の諸元値を掲げる。なお、表3にお
ける面番号1〜11は、図5に示す面1〜11に対応している。
(表3)
[レンズデータ]
面番号 r d n(d) νd
1 ∞ 2.10
2 ∞ 4.70 1.56883 56.34
3 -65.035 1.30
4 0.000 110.53 1.51680 64.10
5 0.000 0.25
6 3941.586 1.10 2.00069 25.45
7 57.369 d7(可変)
8* 28.042 5.32 1.77250 49.61
9 -104.701 d9(可変)
10 25.668 4.90 2.00069 25.45
11 18.606 d11(可変)
EP

[非球面データ]
第8面
κ=-0.1749 , A4=-5.2054E-07 , A6=-4.5613E-09, A8=1.2666E-11

[可変間隔データ]
視度 -1 -3 +1
f 70.4 72.9 75.9
d7 0.6 2.8 5.2
d9 5.2 3.0 0.6
d11 24.0 26.0 28.0

[条件式]
条件式(1)Nn(ABE)=2.001
条件式(2)ν(ABE)=25.5
条件式(3)ν2=49.6
条件式(4)S3=6.27
表3に示す諸元の表から、第3実施例に係る接眼レンズEL3は、上記条件式(1)〜
(4)を満たすことが分かる。
図6は、第3実施例に係る接眼レンズEL3の諸収差図(紙面左から、球面収差、非点
収差、コマ収差及び歪曲収差)であり、(a)は視度−1[1/m]時の諸収差図、(b
)は視度−3[1/m]時の諸収差図、(c)は視度+1[1/m]時の諸収差図をそれ
ぞれ示す。各収差図から明らかなように、第3実施例は、ファインダー光学系VFの光路
長が長く視度調節が可能であるにもかかわらず、各視度での光学系の諸収差が良好に補正
されていることが分かる。また、第3実施例は、各収差図はアイポイントEPの瞳径をφ
10mmとした場合の収差を示しているが、このような大きな瞳径において、コマ収差、球
面収差、および歪曲収差が良好に補正されていることも分かる。
その結果、第3実施例に係る接眼レンズEL3によれば、ペンタプリズムPを利用する
一眼レフカメラCAMのファインダー光学系VFにおいて、焦点板Fから接眼レンズEL
3までの距離が非常に長いにもかかわらず、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、
比較的高い視野の観察倍率が確保された接眼レンズEL3を得ることができる。また、こ
のような接眼レンズEL3を備えたファインダー光学系VFおよび一眼レフカメラCAM
(図7参照)によれば、焦点板Fから接眼レンズEL3までの距離が非常に長いにもかか
わらず、視度調節が可能で大きな瞳径を有しながら、比較的高い視野の観察倍率を確保す
ることができる。
なお、本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本
発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
例えば、本実施形態に係る接眼レンズELは、図7に示すような一眼レフカメラのファ
インダー光学系VFに用いられる接眼レンズに限らず、広く実像光学系のファインダー光
学系の接眼レンズとして利用することも可能である。
また、上記実施形態においては、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させることによ
り視度調節を行うことができるように構成されているが、これに限られものではない。例
えば、第1レンズ群G1を移動させたり、第1レンズ群G1および第2レンズ群G2を2
つとも移動させたりするなど、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2および第3レンズ群
G3のうち少なくとも1つを光軸に沿って移動させることにより、視度調節を行うことが
できるように構成されていればよい。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
EL(EL1〜EL3) 接眼レンズ
VF ファインダー光学系
CAM デジタル一眼レフカメラ(光学機器)

Claims (10)

  1. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、
    物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、
    前記第1レンズ群、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のうち前記第2レンズ群を含む1つ以上のレンズ群を独立に、または前記第1レンズ群と前記第3レンズ群の両者を独立にあるいは一体に、光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能であり、
    前記3つのレンズ群のうち互いに隣接するレンズ群同士の間隔が各々変化するように構成され、
    前記第2レンズ群は、両凸レンズ成分を有し、
    前記第3レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズ成分を有し、
    以下の条件式を満足することを特徴とする接眼レンズ。
    Nn(ABE) > 1.870
    N2p(ABE) ≧ 1.750
    但し、
    Nn(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する屈折率の平均値、
    N2p(ABE):前記第2レンズ群に含まれる正レンズのd線に対する屈折率の平均値。
  2. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、
    物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、
    前記第1レンズ群、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のうち前記第2レンズ群を含む1つ以上のレンズ群を独立に、または前記第1レンズ群と前記第3レンズ群の両者を独立にあるいは一体に、光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能であり、
    前記3つのレンズ群のうち互いに隣接するレンズ群同士の間隔が各々変化するように構成され、
    前記第2レンズ群は、両凸レンズ成分を有し、
    前記第3レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカスレンズ成分を有し、
    以下の条件式を満足することを特徴とする接眼レンズ。
    Nn(ABE) > 1.870
    29.0 > ν(ABE)
    但し、
    Nn(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する屈折率の平均値、
    ν(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線を基準とするアッベ数の平均値。
  3. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、
    物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、
    前記第1レンズ群、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のうち前記第1レンズ群と前記第3レンズ群のいずれか一方のレンズ群を、または前記3つのレンズ群のうち互いに隣接する2つ以上のレンズ群を一体に、光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能であり、
    前記第2レンズ群は、単一の両凸レンズ成分からなり、
    前記第3レンズ群は、物体側に凸面を向けた単一のメニスカスレンズ成分からなり、
    以下の条件式を満足することを特徴とする接眼レンズ。
    Nn(ABE) > 1.870
    N2p(ABE) ≧ 1.750
    但し、
    Nn(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する屈折率の平均値、
    N2p(ABE):前記第2レンズ群に含まれる正レンズのd線に対する屈折率の平均値。
  4. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系に用いられる接眼レンズにおいて、
    物体側から順に光軸に沿って並んだ、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを備え、
    前記第1レンズ群、前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のうち前記第1レンズ群と前記第3レンズ群のいずれか一方のレンズ群を、または前記3つのレンズ群のうち互いに隣接する2つ以上のレンズ群を一体に、光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能であり、
    前記第2レンズ群は、単一の両凸レンズ成分からなり、
    前記第3レンズ群は、物体側に凸面を向けた単一のメニスカスレンズ成分からなり、
    以下の条件式を満足することを特徴とする接眼レンズ。
    Nn(ABE) > 1.870
    29.0 > ν(ABE)
    但し、
    Nn(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線に対する屈折率の平均値、
    ν(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線を基準とするアッベ数の平均値。
  5. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1または3に記載の接眼レンズ。
    30.0 > ν(ABE)
    但し、
    ν(ABE):前記第1レンズ群および前記第3レンズ群に含まれる負の屈折力を有するレンズのd線を基準とするアッベ数の平均値。
  6. 前記第2レンズ群における少なくとも一つの光学面が非球面であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の接眼レンズ。
  7. 以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の接眼レンズ。
    S3>2.4
    但し、
    S3:前記第3レンズ群の最もアイポイント側に位置するレンズ成分のシェイプファクター(すなわち、前記第3レンズ群の最もアイポイント側に位置する前記レンズ成分における物体側の面の曲率半径をRo3とし、前記第3レンズ群の最もアイポイント側に位置する前記レンズ成分におけるアイポイント側の面の曲率半径をRe3としたとき、(Ro3+Re3)/(Ro3−Re3)で定義される値)。
  8. 前記第2レンズ群を光軸に沿って移動させることにより視度調節を行うことが可能であることを特徴とする請求項1〜のうちいずれか一項に記載の接眼レンズ。
  9. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系において、前記接眼レンズが請求項1〜のうちいずれか一項に記載の接眼レンズであることを特徴とするファインダー光学系。
  10. 対物レンズによって形成された像を接眼レンズにより観察するファインダー光学系を備え、前記ファインダー光学系が請求項に記載のファインダー光学系であることを特徴とする光学機器。
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