JP5611095B2 - ファインダー光学系及びそれを有する撮像装置 - Google Patents

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本発明はファインダー光学系及びそれを有する撮像装置に関する。特に焦点板に形成された被写体像の虚像を形成する接眼光学系と、焦点板に形成された被写体像を撮像素子に再結像し、電子画像を得るための撮像光学系とを有する一眼レフカメラ等の撮像装置に好適なものである。
従来より、一眼レフカメラ等の撮像装置に用いられるファインダー光学系として、焦点板に形成された被写体像の虚像を形成する接眼光学系の他に、焦点板上の被写体像の明るさを測光する測光光学系を設けたものが知られている(特許文献1)。特許文献1のファインダー光学系における測光光学系では、ペンタプリズム(正立光学系)の光出射側後方に集光レンズと受光素子を配置している。そして受光素子を測光レンズの傾き角度以上に傾けることで、シャインプルーフの法則に従って、像面湾曲を改善した測光光学系を開示している。
この他、一眼レフカメラ等の撮像装置に用いられているファインダー光学系として、焦点板に形成された被写体像の虚像を形成する接眼光学系と、焦点板に形成された被写体像より電子画像を得るための撮像光学系を設けたものが知られている(特許文献2)。特許文献2のファインダー光学系における観察光学系は、焦点板上に形成された被写体像をペンタプリズムで正立像とした後、接眼光学系を介して拡大して観察している。
特許文献2の撮像光学系では、焦点板に形成された被写体像を、正立光学系を介して撮像光学系で撮像素子に再結像し、それより電子画像を得ている。そして例えば、被写体の顔を認識して、ピントや露出を調整する機能や、被写体の動きに合わせて測距点を移動させる機能や、カメラ本体の背面に設けた液晶画面にリアルタイムで被写体像を表示する機能を持つようにしている。また特許文献2のファインダー光学系では、ペンタプリズムの光出射側に光路を分割するハーフミラーより成る光路分割手段を設け、光路分割手段で分割した一部の光束を撮像光学系を用いて、撮像素子に結像させている。
特開昭63−74042号公報 特開2007−93888号公報
ファインダー光学系の一部に撮像光学系を配置して被写体像を撮像素子に形成して電子画像を得る際、高画質の電子画像を得るには画素の多い大型の撮像素子を用いることが必要となる。
一方、焦点板に形成された被写体像を明るい状態で高倍率で観察するには接眼光学系に大口径で高倍率のものを用いる必要がある。高画質の電子画像をリアルタイムで得て観察するとともに接眼光学系を介して明るい被写体像の観察を行うためには、正立光学系の光出射側、例えばペンタプリズムの光出射側に大型の撮像素子を含む撮像光学系と大口径の接眼光学系を配置しなければならない。しかしながらこのような構成の接眼光学系と撮像光学系を正立光学系の光出射側に配置しようとすると、撮像素子と接眼光学系が機構的に干渉してきてしまい、双方を配置するのが困難になる。
このときの機構的な干渉を避けるため撮像光学系の光軸(撮像光軸)をペンタプリズムの出射軸の法線に対して平行でなく傾斜させて配置すると、プリズム効果により撮像画像に色ずれが発生している。このときの傾斜角度が大きくなると、画面中心においても色ずれ、即ち倍率色収差が多く発生し、また画面の上下端の光学性能の差異が大きくなってくる。このため、撮像光軸のペンタプリズムの出射面の法線に対する傾斜角度は倍率色収差の発生状態に応じて適切に設定することが重要になってくる。
特許文献2ではペンタプリズムからの光束をハーフミラーによって2つに分割して、一方を接眼光学系へ他方を撮像光学系へ導光している。この構成は撮像光軸のペンタプリズムの出射面の法線に対する傾斜角度は0である。このため画面中心の倍率色収差の発生は少ない。しかしながら特許文献2ではペンタプリズムからの光束を2つに分割しているため、接眼光学系で観察される被写体像の明るさが暗くなってくる。また撮像光学系で撮像素子に結像するときの光束の光量も少なくなり、良好なる画質の電子画像を得るのが難しい。
本発明は、焦点板に形成した被写体像より、高画質の電子画像をリアルタイムで得ることができ、しかも明るいファインダー像を観察することができるファインダー光学系を提供することを目的とする。
本発明のファインダー光学系は、撮影系からの光束によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、前記正立光学系によって形成された正立像の虚像を形成する接眼光学系と、前記焦点板に結像された被写体像を前記正立光学系を介して撮像素子に結像する撮像光学系とを有するファインダー光学系において、
前記撮像光学系と前記接眼光学系は、各々の光入射側の面が前記正立光学系の光出射面に対向するように配置されており、前記撮像光学系は前記正立光学系側から順に、絞り、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズから構成され、
前記焦点板に形成される被写体像の中心と前記撮像光学系により像が形成される結像面の中心とを結ぶ線を撮像光軸、前記接眼光学系の光軸を観察光軸とするとき、前記撮像光軸は前記観察光軸に対して傾いており、
前記第1レンズの物体側面前記撮像光軸との交点を通る、前記第1レンズの物体側面の法線と前記撮像光軸とのなす角をθ1、前記撮像光軸と前記観察光軸とのなす角をθ0、前記撮像光学系の焦点距離をf、前記第1レンズの物体側面の近軸曲率半径をr2とするとき、
0.9<θ1/(|1−(f/r2)|・θ0)<1.6
なる条件式を満足することを特徴としている。
この他本発明のファインダー光学系は、撮影系からの光束によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、前記正立光学系によって形成された正立像の虚像を形成する接眼光学系と、前記焦点板に結像された被写体像を前記正立光学系を介して撮像素子に結像する撮像光学系とを有するファインダー光学系において、
前記撮像光学系と前記接眼光学系は、各々の光入射側の面が前記正立光学系の光出射面に対向するように配置されており、前記撮像光学系は前記正立光学系側から順に、絞り、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズから構成され、
前記焦点板に形成される被写体像の中心と前記撮像光学系により像が形成される結像面の中心とを結ぶ線を撮像光軸、前記接眼光学系の光軸を観察光軸とするとき、前記撮像光軸は前記観察光軸に対して傾いており、
前記第1レンズの物体側面と前記撮像光軸との交点を通る、前記第1レンズの物体側面の法線と前記撮像光軸とのなす角をθ1、前記撮像光軸と前記観察光軸とのなす角をθ0、前記第2レンズの光軸と前記撮像光軸とのなす角をθ2、前記撮像光学系の焦点距離をf、前記第1レンズの物体側面の近軸曲率半径をr2とするとき、
0.9<θ1/(|1−(f/r2)|・θ0)<1.6
θ2/θ1<0.1
なる条件式を満足することを特徴としている。
この他本発明のファインダー光学系は、撮影系からの光束によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、前記正立光学系によって形成された正立像の虚像を形成する接眼光学系と、前記焦点板に結像された被写体像を前記正立光学系を介して撮像素子に結像する撮像光学系とを有するファインダー光学系において、
前記撮像光学系と前記接眼光学系は、各々の光入射側の面が前記正立光学系の光出射面に対向するように配置されており、前記撮像光学系は前記正立光学系側から順に、絞り、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズから構成され、
前記焦点板に形成される被写体像の中心と前記撮像光学系により像が形成される結像面の中心とを結ぶ線を撮像光軸、前記接眼光学系の光軸を観察光軸とするとき、前記撮像光軸は前記観察光軸に対して傾いており、
前記第1レンズは光入射面から入射した光束を内面反射面で反射させて光出射面より出射するプリズム体より成り、
前記第1レンズの物体側面と前記撮像光軸との交点を通る、前記第1レンズの物体側面の法線と前記撮像光軸とのなす角をθ1、前記撮像光軸と前記観察光軸とのなす角をθ0、前記撮像光学系の焦点距離をf、前記第1レンズの物体側面の近軸曲率半径をr2、前記撮像光軸と前記第1レンズの内面反射面の法線とのなす角をθとするとき、
0.9<θ1/(|1−(f/r2)|・θ0)<1.6
0.8<(2θ−90°)/θ0<1.2
なる条件式を満足することを特徴としている。
この他本発明のファインダー光学系は、撮影系からの光束によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、前記正立光学系によって形成された正立像の虚像を形成する接眼光学系と、前記焦点板に結像された被写体像を前記正立光学系を介して撮像素子に結像する撮像光学系とを有するファインダー光学系において、
前記撮像光学系と前記接眼光学系は、各々の光入射側の面が前記正立光学系の光出射面に対向するように配置されており、前記撮像光学系は前記正立光学系側から順に、絞り、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズから構成され、
前記焦点板に形成される被写体像の中心と前記撮像光学系により像が形成される結像面の中心とを結ぶ線を撮像光軸、前記接眼光学系の光軸を観察光軸とするとき、前記撮像光軸は前記観察光軸に対して傾いており、
前記第1レンズの物体側面と前記撮像光軸との交点を通る、前記第1レンズの物体側面の法線と前記撮像光軸とのなす角をθ1、前記撮像光軸と前記観察光軸とのなす角をθ0、前記撮像光学系の焦点距離をf、前記第1レンズの物体側面の近軸曲率半径をr2、前記第1レンズと第2レンズの材料のアッベ数を各々ν1、ν2とするとき、
0.9<θ1/(|1−(f/r2)|・θ0)<1.6
0.8<ν1/ν2<1.2
50<ν1
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明によれば、焦点板に形成した被写体像について、高画質の電子画像をリアルタイムで得ることができ、しかも明るいファインダー像の観察ができるファインダー光学系が得られる。
本発明の実施例1に係るファインダー光学系を備えた一眼レフカメラの概略構成図である。 本発明の実施例1に係る撮像光学系の光軸に沿った展開図である。 本発明の実施例1に係る撮像光学系の各収差図である。 (A)、(B) 本発明の実施例1に係る撮像光学系の撮影画面下方向と上方向の倍率色収差図である。 本発明の実施例2に係るファインダー光学系を備えた一眼レフカメラのファインダ光学系の概略構成図である。 本発明の実施例2に係る撮像光学系の光軸に沿った展開図である。 本発明の実施例2に係る撮像光学系の各収差である。 (A)、(B) 本発明の実施例2に係る撮像光学系の撮影画面下方向と上方向の倍率色収差図である。
以下に本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明のファインダー光学系は、撮影系からの光束によって焦点板に結像された被写体像(ファインダー像)を正立像とする正立光学系とを備えている。前記正立光学系によって形成された正立像の虚像を形成する接眼光学系と、前記焦点板に結像された被写体像を正立光学系を介して撮像素子に結像する撮像光学系を備えている。撮像光学系と、接眼光学系は正立光学系の光出射側に各々の光入射側の面が正立光学系の光出射面に対向するように配置されている。
撮像光学系は正立光学系側から順に、絞り、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズから構成されている。このときの第1レンズは光入射面から入射した光束を内面反射面で反射させて光出射面より出射する中実型のプリズム体(光学ブロック)より成っている。
図1は本発明の実施例1のファインダー光学系101を有する撮像装置の要部概略図である。図2は図1の光路を展開した一部分の説明図、図3、図4は実施例1の収差図である。図5は本発明の実施例2のファインダー光学系101を有する撮像装置の要部概略図である。図6は図5の光路を展開した一部分の説明図、図7、図8は実施例2の収差図である。
各々の実施例のファインダー光学系101は、撮影系11によりクイックリターンミラー12を介し焦点板13に形成された被写体像を、コンデンサーレンズ14を介し、又は介さないでペンタプリズム15より成る正立光学系によって正立像としている。接眼光学系16は正立像の拡大虚像を形成する。
そして接眼光学系16を介して虚像を観察する。更に、観察光軸(接眼光学系16の光軸)Oaに対して、焦点板13の中心13aを通る傾斜した撮像光軸AX0を有する、電子ファインダー像(電子画像)を得るための撮像光学系2を有する。撮像光学系2はペンタプリズム15側から順に絞りST、プリズム体よりなる正の屈折力の第1レンズ17と正の屈折力の第2レンズ18を有する。第1レンズ17の内部の光路中に内面反射面(裏面反射面)17aを設けることによって、光路を上方へ折り曲げている。
ここで上方とは撮影系11に対してファインダー光学系101側をいう。そして第1レンズ17の光出射面17cと第2レンズ18及び撮像素子20を上方またはカメラ本体の側面方向に退避させて配置することができるようにしている。これによって、撮像光学系2と接眼光学系16を配置する際の双方の機構的な干渉を防いでいる。
図1、図5において、19はローパスフィルタやIR(近赤外)カットフィルタ等のフィルタである。20は撮像素子である。21は撮像素子20で得られる被写体像(画像)を処理する画像処理手段である。撮像光学系2によって撮像素子20に形成された像は画像処理手段21で画像処理されてカメラ本体の背面に設けた液晶画面にリアルタイムで画像表示される。この他画像内の主被写体の移動に追従してフォーカス位置が変化して主被写体の合焦を行う自動追尾を行うこと等に用いられる。22は撮影系11によって形成される被写体像に相当する像を記録(受光)するCCD等の撮像手段である。
図2、図6では撮像光学系2のレンズ構成を光軸に沿って展開したときの光路展開図を示している。撮像光学系2は、物体側(ペンタプリズム15側)より順に、開口絞りST、第1レンズ17、第2レンズ18を有する。図2、図6において19はローパスフィルタやIRカットフィルタ等のフィルタである。IMGは撮像素子20の撮像面である。なお、第1レンズ17と第2レンズ18はプラスチックレンズである。第1レンズ17の光入出射面17b、17c、第2レンズ18の光入出射面18a、18bは非球面形状で構成されている。
図2、図6において、物体面中心13a(焦点板13の中心13a)から結像面中心20aを結ぶ線を撮像光軸AX0とする。第1レンズ17の物体側面(光入射面)17bの撮像光軸AX0との交点上17eの法線AX1と撮像光軸AX0とのなす角をθ1とする。第2レンズ18の軸(光軸)AX2と撮像光軸AX0とのなす角をθ2とする。
撮像光学系2の撮像光軸AX0と第1レンズ17の内面反射面17aの法線17dとのなす角をθとする。接眼光学系16の光軸を観察光軸0aとする。撮像光軸AX0は観察光軸0aに対して傾いている。θ0は撮像光軸AX0と観察光軸0aとのなす角である。
各実施例のファインダー光学系において、撮像光学系2の焦点距離をfとする。第1レンズ17の物体側面の近軸曲率半径をr2とする。このとき、
0.9<θ1/(|1−(f/r2)|・θ0)<1.6 ・・・(1)
なる条件式を満足している。
条件式(1)の物理的意味について説明する。撮像光学系2がペンタプリズム15の出射面15bに対してやぶにらんでいるため、ペンタプリズム15の出射面15bと第1レンズ17の物体側面17bの間のプリズム効果により、撮像範囲の上下方向で色ずれが発生する。そこで、第1レンズ17の物体側面17bが撮像光軸AX0に対して、条件式1に定義された適切な角度θ1で傾けることによって、この色ずれを補正している。結果的に画面中心付近での倍率色収差を低く抑えている。
本発明のファインダー光学系において更に好ましくは次の諸条件のうち1以上を満足するのが良い。第1レンズ17と第2レンズ18の材料のアッベ数を各々ν1、ν2とする。本発明のファインダー光学系101を有する撮像装置としては、撮像光学系によって形成される被写体像を受光する撮像素子20を有する。そして、撮像素子20の最大像高をHとする。
このとき、
θ2/θ1<0.1 ・・・(2)
0.8<(2θ−90°)/θ0<1.2 ・・・(3)
0.8<ν1/ν2<1.2 ・・・(4)
50<ν1 ・・・(5)
2.5<f/H<6.0 ・・・(6)
なる条件式のうち1以上を満足するのが良い。
条件式(2)を満たすように、第2レンズ18を第2レンズ18の光軸AX2と光軸AX0が平行又は略平行に配置すると、球面収差、像面湾曲、歪曲収差などを良好に補正するのが容易となる。かつ、光線有効範囲が第2レンズ18内で偏りが無いため、第2レンズ18の厚みを必要最小限に抑えることが出来、撮像光学系2全体をコンパクトにすることが容易になる。
条件式(3)は撮像光学系2の撮像光軸AX0と、第1レンズ17の反射面17aの法線17dとのなす角θに関する。条件式(3)の下限値を超えると、撮像光学系2がペンタプリズム15と干渉しやすくなる。このため、ペンタプリズム15を小さくするか、撮像光学系2のFナンバーを暗くしなければならない。さらに条件式(3)の上限値を超えると、撮像光学系2が、ファインダー光学系の接眼光学系16の部材と干渉しやすくなるため、接眼光学系16を小さくするか、撮像光学系2のFナンバーを暗くしなければならない。つまり、撮像光学系2が他の光学部材と干渉するのを防ぐためには、条件式(3)を満足することが望ましい。
条件式(4)、(5)は第1レンズ17の材料のアッベ数ν1と第2レンズ18の材料のアッベ数ν2の関係に関する。本実施例において第1、第2レンズ17、18はプラスチックレンズを使用し、かつ第1レンズ17、第2レンズ18ともに正のパワー(屈折力)を持つ。このため、色収差を抑えるためには、第1レンズ17、第2レンズ18は条件式(4)および(5)を満足する色分散の小さな硝材を用いることが望ましい。
条件式(6)は撮像素子20の最大像高Hと撮像光学系2の焦点距離fの関係に関する。撮像光学系2の焦点距離は焦点板13上での観察範囲と撮像素子20の大きさによって一義的に決まる。そのため条件式(6)の上限値を超えると、焦点板13上での観察範囲が狭すぎる。また、下限値を超えると、撮像光学系2の各面の曲率半径がきつくなるため、球面収差、非点収差等が増大してくる。つまり、撮像光学系2の撮像素子20で焦点板13上の適切な範囲を観察するためには、条件式(6)に適合することが望ましい。
図1の本発明の実施例1のファインダー光学系について説明する。図1のファインダー光学系は、撮影系11によりクイックリターンミラー12を介し、焦点板13に形成された被写体像を、コンデンサーレンズ14を介しペンタプリズム(ペンタダハプリズム)15(正立光学系)によって正立像としている。そして接眼光学系16を介して観察する。更に、観察光軸0aに対して焦点板13上の被写体像の中心13aから傾斜した撮像光軸AX0を有し、焦点板13に形成された被写体像を撮像素子20に結像する撮像光学系2をそなえている。
表−1に撮像光学系2の実施例1のレンズデータを示す。なお、表−1及びその他のレンズデータを示す表において、「ri」は物体側(焦点板13側)から開口絞りSTを第1番目としたとき第i番目の面の近軸曲率半径を示し、「di」は物体側からi番目の面とi+1番目の面との間の軸上面間隔を示す。さらに、「Ni」は物体側からi番目の硝材のd線(波長=578.6nm)に対する屈折率を示し、「νi」は物体側からi番目の硝材のd線に対するアッベ数を示す。また、「f」は撮像光学系2の焦点距離、「FNO.」はFナンバー、Hはセンサ(撮像素子)20の最大像高である。
さらに、第1レンズ17の両面(17b、17c)、第2レンズ18の両面(18a、18b)は非球面形状で構成されている。そして、この非球面形状は、次のa1式によって定義される。
なお、a1式において、xはレンズ面の頂点からの光軸方向の距離、hは光軸と垂直な方向の高さ、Rはレンズ面の頂点での近軸の曲率半径、kは円錐定数、Ciは多項式係数である。表−2に実施例1の第1レンズ17の両面(17b、17c)、第2レンズ18の両面(18a、18b)の非球面係数を示す。なお、表−2及び後述するその他の非球面係数を示す表において、「E−i」は10を底とする指数表現、すなわち「10−i」を表している。
図3は実施例1の各収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差を示すものである。なお、球面収差を表す図において、FnoはFナンバー、実線はd線に対する、2点鎖線はf線(波長=486.1nm)に対する球面収差を示す。非点収差図と歪曲収差図においてHは像高(撮像素子20の対角線長の1/2)である。非点収差図において、実線(DS)はサジタル像面、破線(DM)はメリディオナル像面における値を示す。歪曲収差はd線について示している。
さらに、図4(A)、(B)は、実施例1の撮像光学系2の撮影画面下方向および撮影画面上方向のd線に対するf線の倍率色収差をそれぞれ示す。図4(A)、(B)、倍率色収差の絶対値は撮影画面下方向および上方向でほぼ均等となっており、光軸AX0がペンタダハプリズム15の面に対してやぶにらむ結果、プリズム効果で発生した色ずれが、撮像光学系2によって補正されている。
図5の実施例2のファインダー光学系は図1の実施例1に比べて、焦点板13に形成した被写体像をコンデンサーレンズを介さないで直接ペンタプリズム(正立光学系)15に導光していることが異なっている。この他、接眼光学系16のレンズ構成や撮影光学系2の第1レンズ17と第2レンズ18のレンズ構成が異なっている。この他の実施例1と同じである。
図5の実施例2は、焦点板13上の被写体像を、ペンタダハプリズム15によって正立像とし、接眼光学系16を介して観察する。更に光軸0aに対して焦点板13上の中心13aから傾斜した光軸AX0を有する撮像光学系2をそなえている。表−3に撮像光学系2の実施例2のレンズデータを示す。
実施例2において、第1レンズ17の両面(17b、17c)、第2レンズ18の両面(18a、18b)は非球面形状で構成されている。そして、この非球面形状は、次のb1式によって定義される。
なお、b1式において、xはレンズ面の頂点からの光軸方向の距離、hは光軸と垂直な方向の高さ、Rはレンズ面の頂点での近軸の曲率半径、kは円錐定数である。表−4に実施例2の第1レンズ17の両面(17b、17c)、第2レンズ18の両面(18a、18b)の非球面係数を示す。
図7は実施例2の各収差、すなわち、球面収差、非点収差、歪曲収差を示すものである。これらの諸収差は実施例1と同様に表している。さらに、図8(A)、(B)は、実施例2の撮像光学系2の撮影画面下方向および撮影画面上方向の倍率色収差をそれぞれ示すものである。図8(A)、(B)により、倍率色収差の絶対値は撮影画面下方向および上方向でほぼ均等になっており、光軸AX0がペンタダハプリズム15の面に対してやぶにらむ結果、プリズム効果で発生した色ずれが、撮像光学系2によって補正されている。前述した各条件式に対する実施例1、2の数値実施例の数値との関係を表−5に示す。
表−1、表−3においてr1は絞りSTに相当している。r6乃至r9はフィルタに相当している。r10は撮像素子20の撮像面に相当している。
以上のように各実施例によれば画面中心付近の倍率色収差を補正した高解像な小型のファインダー光学系が得られる。
2 撮像光学系 11 撮影系 13 焦点板
14 コンデンサレンズ 15 ペンタプリズム 16 接眼光学系
17 第1レンズ 18 第2レンズ 20 撮像素子

Claims (6)

  1. 撮影系からの光束によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、前記正立光学系によって形成された正立像の虚像を形成する接眼光学系と、前記焦点板に結像された被写体像を前記正立光学系を介して撮像素子に結像する撮像光学系とを有するファインダー光学系において、
    前記撮像光学系と前記接眼光学系は、各々の光入射側の面が前記正立光学系の光出射面に対向するように配置されており、前記撮像光学系は前記正立光学系側から順に、絞り、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズから構成され、
    前記焦点板に形成される被写体像の中心と前記撮像光学系により像が形成される結像面の中心とを結ぶ線を撮像光軸、前記接眼光学系の光軸を観察光軸とするとき、前記撮像光軸は前記観察光軸に対して傾いており、
    前記第1レンズの物体側面前記撮像光軸との交点を通る、前記第1レンズの物体側面の法線と前記撮像光軸とのなす角をθ1、前記撮像光軸と前記観察光軸とのなす角をθ0、前記撮像光学系の焦点距離をf、前記第1レンズの物体側面の近軸曲率半径をr2とするとき、
    0.9<θ1/(|1−(f/r2)|・θ0)<1.6
    なる条件式を満足することを特徴とするファインダー光学系。
  2. 撮影系からの光束によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、前記正立光学系によって形成された正立像の虚像を形成する接眼光学系と、前記焦点板に結像された被写体像を前記正立光学系を介して撮像素子に結像する撮像光学系とを有するファインダー光学系において、
    前記撮像光学系と前記接眼光学系は、各々の光入射側の面が前記正立光学系の光出射面に対向するように配置されており、前記撮像光学系は前記正立光学系側から順に、絞り、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズから構成され、
    前記焦点板に形成される被写体像の中心と前記撮像光学系により像が形成される結像面の中心とを結ぶ線を撮像光軸、前記接眼光学系の光軸を観察光軸とするとき、前記撮像光軸は前記観察光軸に対して傾いており、
    前記第1レンズの物体側面と前記撮像光軸との交点を通る、前記第1レンズの物体側面の法線と前記撮像光軸とのなす角をθ1、前記撮像光軸と前記観察光軸とのなす角をθ0、前記第2レンズの光軸と前記撮像光軸とのなす角をθ2、前記撮像光学系の焦点距離をf、前記第1レンズの物体側面の近軸曲率半径をr2とするとき、
    0.9<θ1/(|1−(f/r2)|・θ0)<1.6
    θ2/θ1<0.1
    なる条件式を満足することを特徴とするファインダー光学系。
  3. 撮影系からの光束によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、前記正立光学系によって形成された正立像の虚像を形成する接眼光学系と、前記焦点板に結像された被写体像を前記正立光学系を介して撮像素子に結像する撮像光学系とを有するファインダー光学系において、
    前記撮像光学系と前記接眼光学系は、各々の光入射側の面が前記正立光学系の光出射面に対向するように配置されており、前記撮像光学系は前記正立光学系側から順に、絞り、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズから構成され、
    前記焦点板に形成される被写体像の中心と前記撮像光学系により像が形成される結像面の中心とを結ぶ線を撮像光軸、前記接眼光学系の光軸を観察光軸とするとき、前記撮像光軸は前記観察光軸に対して傾いており、
    前記第1レンズは光入射面から入射した光束を内面反射面で反射させて光出射面より出射するプリズム体より成り、
    前記第1レンズの物体側面と前記撮像光軸との交点を通る、前記第1レンズの物体側面の法線と前記撮像光軸とのなす角をθ1、前記撮像光軸と前記観察光軸とのなす角をθ0、前記撮像光学系の焦点距離をf、前記第1レンズの物体側面の近軸曲率半径をr2、前記撮像光軸と前記第1レンズの内面反射面の法線とのなす角をθとするとき、
    0.9<θ1/(|1−(f/r2)|・θ0)<1.6
    0.8<(2θ−90°)/θ0<1.2
    なる条件式を満足することを特徴とするファインダー光学系。
  4. 撮影系からの光束によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、前記正立光学系によって形成された正立像の虚像を形成する接眼光学系と、前記焦点板に結像された被写体像を前記正立光学系を介して撮像素子に結像する撮像光学系とを有するファインダー光学系において、
    前記撮像光学系と前記接眼光学系は、各々の光入射側の面が前記正立光学系の光出射面に対向するように配置されており、前記撮像光学系は前記正立光学系側から順に、絞り、正の屈折力の第1レンズ、正の屈折力の第2レンズから構成され、
    前記焦点板に形成される被写体像の中心と前記撮像光学系により像が形成される結像面の中心とを結ぶ線を撮像光軸、前記接眼光学系の光軸を観察光軸とするとき、前記撮像光軸は前記観察光軸に対して傾いており、
    前記第1レンズの物体側面と前記撮像光軸との交点を通る、前記第1レンズの物体側面の法線と前記撮像光軸とのなす角をθ1、前記撮像光軸と前記観察光軸とのなす角をθ0、前記撮像光学系の焦点距離をf、前記第1レンズの物体側面の近軸曲率半径をr2、前記第1レンズと第2レンズの材料のアッベ数を各々ν1、ν2とするとき、
    0.9<θ1/(|1−(f/r2)|・θ0)<1.6
    0.8<ν1/ν2<1.2
    50<ν1
    なる条件式を満足することを特徴とするファインダー光学系。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のファインダー光学系と、撮影系と、該撮影系によって結像される被写体像を受光する撮像手段とを有することを特徴とする撮像装置。
  6. 前記撮像光学系によって形成される被写体像を受光する撮像素子を有し、該撮像素子の最大像高をHとするとき、
    2.5<f/H<6.0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項5の撮像装置。
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