JP2503531B2 - 視度調整可能なファインダ―光学系 - Google Patents

視度調整可能なファインダ―光学系

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JP2503531B2 JP62239796A JP23979687A JP2503531B2 JP 2503531 B2 JP2503531 B2 JP 2503531B2 JP 62239796 A JP62239796 A JP 62239796A JP 23979687 A JP23979687 A JP 23979687A JP 2503531 B2 JP2503531 B2 JP 2503531B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一眼レフレックスカメラのファインダー、
特に視度調整可能な接眼レンズを有するファインダー光
学系に関する。
〔従来の技術〕
近年、一眼レフレックスカメラの多機能化に伴い、フ
ァインダー内に示される撮影画面外の表示情報も多くな
りつつあり、撮影画面のみならず、これらの表示情報を
も鮮明に確認できる事が、ファインダーの重要な機能の
一つと考えられてきている。しかしながら、従来の一眼
レフレックスカメラのファインダーは、上記表示を含め
て画面周辺の見えが不十分なものが多く、特に眼鏡をか
けた使用者には改善を望む声が強かった。この解決策と
して接眼レンズから多少眼を離した状態でも全視野をケ
ラレなく見ることができ、眼鏡をかけたままでもファイ
ンダーが見やすくなるように、接眼レンズの観察眼側レ
ンズ面頂点からアイポイント位置までの距離(アイレリ
ーフ:EL)の大きな、所謂ハイアイポイントタイプのフ
ァインダーとすることが知られている。
一方、一眼レフレックスカメラのファインダーでは接
眼レンズで観察する像の位置、すなわち視度を−1ディ
オプター近辺に設定されている場合が一般的であり、遠
視や強い近視の人にとってピント合わせ操作及び表示読
み取りが困難になる場合が多々起こり得る。そこで従
来、視度調整が可能なファインダーとして、特開昭54-1
26530号公報に代表される如く、観察眼側から順に正レ
ンズと負レンズからなり、そのいずれかを光軸に沿って
移動させることによって視度を補正する2群構成の接眼
レンズ光学系や、その改良型として提案された特開昭61
-156017号公報のような負・正・負からなる3群構成の
ものが知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これまで提案されている上記のごとき
視度調整可能なファインダーを、ハイアイポイントタイ
プのものとすることは難しく、画面周辺部の見えが極端
に悪くなるか、逆に広い視度調整範囲を得るために必要
なレンズの移動量が増大するという欠点が避けられなか
った。
そこで、本発明の目的は、上述の欠点を解消し、比較
的簡単な構成によって視度調整が可能でしかも良好な像
性能を維持し得るハイアイポイントタイプの一眼レフレ
ックスカメラ用のファインダー光学系を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によるファインダー光学系は、第1図に示した
実施例の如く、焦点板上の物体像を観察するための接眼
レンズのLが観察眼側から順に、負の第1レンズL1、正
の第2レンズL2、負の第3レンズL3を有し、第1、第3
レンズに対して、第2レンズL2を光軸方向に移動するこ
とにより視度調整を可能とするものである。そして、以
下の条件を満足するものである。
0.25<f2/f<0.33 (1) 1.75<N2 (2) −1<SF0<0 (3) ここで、f2は第2レンズL2の焦点距離、fは0ディオ
プター時のファインダー全系の焦点距離、N2は第2レン
ズL2の屈折率を表し、SF0は接眼レンズ全体の形状を示
すシェイプファクターであり、r1は接眼レンズの最も観
察眼側のレンズ面の曲率半径を、r6は最も焦点板側のレ
ンズ面の曲率半径を表すものとするとき、 と定義される。
〔作用〕
一般に、接眼レンズからアイポイントEPまでの距離
(アイレリーフ)を長く確保するためには、接眼レン
ズの口径を大きくすると共に、ペンタプリズムを大型
化してペンタプリズム射出面における有効開口部を拡大
することが不可欠である。第2A図、第2B図及び第3A図、
第3B図にこれらの比較を示した。第2A図は本発明の如き
ハイアイポイントのファインダーの断面図であり、第2B
図はこの場合のファインダーをアイポイントEP側からみ
た平面図であり、第3図及び第3B図は従来のハイアイポ
イントではないファインダーの構成を同様に示す図であ
る。
このようなハイアイポイント化によるペンタプリズム
の大型化に伴って、プリズム内展開光路長が増加するの
で、ファインダースクリーン上の像を観察するために
は、接眼レンズの焦点距離を長くすることが必要とな
る。このため、本発明の如く負・正・負からなるファイ
ンダーでは、接眼レンズ全系の焦点距離を長くすると、
それに比例して、可動レンズである正レンズの屈折力も
弱くなり、必要な視度補正範囲をカバーするための移動
量が増加し、レンズ間隔の増大をもたらしてファインダ
ーが観察眼側に伸びて大型化してしまう。
そして、本発明においては、条件式(1)の如く、正
の第2レンズL2の屈折力を規定することによって、視度
調整のための第2レンズの移動量の増加を抑えコンパク
トなファインダーを実現することを可能とした。f2/fの
値がこの条件の上限を超えると、第2レンズL2の屈折力
が弱くなり、移動量が増加し、コンパクトなファインダ
ーの実現が困難になる。一方、下限を超えて第2レンズ
L2の屈折力を強くすると移動量は少なくなるが、球面収
差、非点収差の劣化を招き良好な像性能が得られない。
条件式(2)は、第2レンズL2を構成する硝子の屈折
率に関するもので、条件式(1)のもとで、性能を良好
に保つ上で必要な条件である。すなわち、第2レンズL2
の屈折率N2が条件式の下限より小さいとレンズの曲率と
りわけ第2レンズの焦点板側レンズ面の曲率半径r4の値
が小さくなり、軸外光束の劣化が著しくなる。それと同
時に、コバ厚を確保するためレンズの中心厚d3を増加し
なければならず、後方への出張りが過度になる。
(3)式はファインダー倍率の低下を防ぐために接眼
レンズ全系の形状を規定するものである。
接眼レンズ全系の形状因子SF0はその内部の仔細の影
響を無視すれば、接眼レンズの最も観察眼側のレンズ面
r1(第1レンズL1の観察眼側レンズ面)と接眼レンズの
最も焦点板側のレンズ面r6(第3レンズL3の焦点板S側
のレンズ面)に支配されると考えられる。SF0の値が条
件(3)の上限値を超えると接眼レンズの合成主点が観
察眼側に移動するので焦点距離が長くなり、その結果フ
ァインダー倍率の低下を招く。
一方、条件(3)の下限値を超えて、最も焦点板側の
レンズ面r6の曲率が強くなると、第2レンズL2と第3レ
ンズL3とによる色消し状態を保つために第3レンズL3
観察眼側レンズ面r5の曲率が強くなり過ぎ、特に非点収
差の劣化による画面周辺の性能劣化をきたす。
以上(1)〜(3)の各条件範囲に諸量を設定するこ
とにより、ハイアイポイント仕様でありながら、簡単な
レンズ構成で、移動量が少なく、ファインダー倍率の著
しい低下の少ない性能良好な視度調整ファインダーを得
ることができる。
上記の如き本発明の構成においては、更に第2レンズ
L2の観察眼側レンズ面及び焦点板側レンズ面の曲率半径
をそれぞれ、r3,r4とするとき、 の条件を満たすことが望ましい。
この条件(4)は、正の第2レンズL2の形状に関する
ものである。この条件(4)の上限を超えると、第2レ
ンズL2のレンズ形状は両凸形状に近くなり、主点が観察
眼側に寄ってくるため、ペンタプリズムとの干渉を避け
るために接眼レンズ全体の焦点距離を長くする必要があ
り、その結果ファインダー倍率が小さくなる。他方、下
限の値を超えると、第2レンズL2の焦点板側レンズ面r4
の曲率が強くなり過ぎ、球面収差をはじめとして眼の位
置を光軸から外したとき著しい像性能の低下を生じる。
更に、本発明においては負の第1レンズL1の焦点距離
をf1とするとき、 0.9<|f1|/f<1.0 (5) の条件を満足することが望ましい。
この条件(5)の上限を超えると第1レンズの焦点距
離f1が伸びることにより、接眼レンズの合成主点を眼か
ら遠ざける効果が少なくなるため、ファインダー倍率が
低下する。一方、下限を外れると、光学設計の手法と同
じく観察眼側からの光線追跡に従って説明すれば、第1
レンズL1で過度に光束が発散されるため第2レンズL2
び第3レンズL3のレンズの周辺を光線が通過することに
より、軸外における像性能が低下する。
そして、このような本発明の構成において、実用上は
負の第1レンズL1と第3レンズL3を焦点板に対して固定
し、第2レンズL2を移動可能に構成することが望まし
い。このとき、視度調整のための第2レンズL2の移動形
態は、視度が基準状態よりも負方向になる場合には、第
1図中の矢印で示す如く、第3レンズL3側すなわち焦点
板側に移動し、視度が正方向になる場合には逆に第1レ
ンズL1側すなわち観察眼側に移動する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例について説明する。第1図中、
EPは観察眼の置かれる位置を示すアイポイントであり、
この観察眼側から順に負レンズの第1レンズL1、両凸正
レンズの第2レンズL2、観察眼側に凹面を向けた負メニ
スカスレンズの第3レンズL3の3個のレンズで接眼レン
ズLが構成されている。
図示なき対物レンズからの光束はクイックリターンミ
ラーMで反射されて図中下方から焦点板Sに入射し、こ
こに対物レンズによる物体像が形成される。この焦点板
Sからの光束はコンデンサーレンズCを通り、ペンタダ
ハプリズムPで反射された後、接眼レンズLに入射し、
アイポイント位置EPの観察眼により焦点板上の物体像が
観察される。
接眼レンズLを構成する3個のレンズのうち、第1、
第3レンズL1,L3を固定して、第2レンズL2のみを光軸
方向に移動することにより視度調整がなされる。ここ
で、焦点板の下面S1がピント面であり、焦点板の上面S2
にはフレネルレンズが形成されており、フレネルレンズ
の集光能力によってはコンデンサーレンズCを省略する
ことも可能である。
以下の表1〜表3に、本発明による第1〜第3実施例
の諸元を示す。表中、fは接眼レンズLとコンデンサー
レンズCを含めた0ディオプター時におけるファインダ
ー光学系全体の焦点距離を表し、f1,f2,f3はそれぞれ第
1レンズ、第2レンズ及び第3レンズの焦点距離を表
し、ELは眼距すなわちアイポイントから第1レンズまで
の距離を表すものとする。また、Dptはファインダーの
視度であるディオプター値を表し、各表の左端の数字は
アイポイント側からの順序を表すものとし、アイポイン
ト側に凸面を向けたレンズ面の曲率半径を正として示し
た。
上記第1、第2、第3実施例についての諸収差図を、
それぞれ順に第4A図〜第4C図、第5A図〜第5C図及び第6A
図〜第6C図に示す。各収差図のA図は視度+1ディオプ
ター、B図は−1ディオプター、C図は−3ディオプタ
ーの各視度調整状態における収差図である。尚、各収差
図は、観察眼側からの光線追跡により焦点板上での結像
性能として評価したものである。
各収差図に示されるとおり、本発明によるファインダ
ー光学系では、接眼レンズの観察眼側レンズ面頂点から
アイポイント位置までの距離が20mm程度以上と極めて大
きいにもかかわらず、視度調整の広い範囲にわたって良
好な像性能を維持していることが明らかてある。
〔発明の効果〕
以上の如く本発明によれば、従来と同一のレンズ枚数
からなる簡単な構成であるにもかかわらず、良好な像性
能を有する視度調整が可能なハイアイポイントタイプの
一眼レフレックスカメラ用のファインダーを実現するこ
とが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による視度調整が可能なファインダー光
学系の光学構成図、第2A図及び第2B図は本発明の如くア
イレリーフの大きなファインダーの説明図、第3A図及び
第3B図は従来のアイレリーフが小さいファインダーの場
合の説明図、第4A図〜第4C図は本発明による第1実施例
の諸収差図、第5A図〜第5C図は第2実施例の諸収差図、
第6A図〜第6C図は第3実施例の諸収差図である。 〔主要部分の符号の説明〕 L……接眼レンズ L1……第1レンズ L2……第2レンズ L3……第3レンズ EP……アイポイント S……焦点板

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焦点板上の物体像を観察するための接眼レ
    ンズを有するファインダー光学系において、該接眼レン
    ズは観察眼側から順に、負の第1レンズL1、正の第2レ
    ンズL2、負の第3レンズL3を有し、該第1、第3レンズ
    に対して、該第2レンズL2を光軸方向に移動することに
    より視度調整を可能とし以下の条件を満足することを特
    徴とする視度調整可能なファインダー光学系。 0.25<f2/f<0.33 (1) 1.75<N2 (2) −1<SF0<0 (3) 但し、f2は第2レンズL2の焦点距離、fは0ディオプタ
    ー時のファインダー全系の焦点距離、N2は第2レンズL2
    の屈折率を表し、SF0は接眼レンズ全体の形状を示すシ
    ェイプファクターであり、r1は接眼レンズの最も観察眼
    側のレンズ面の曲率半径を、r6は最も焦点板側のレンズ
    面の曲率半径を表すものとするとき、 と定義されるものとする。
  2. 【請求項2】前記第2レンズL2の観察眼側レンズ面及び
    焦点板側レンズ面の曲率半径をそれぞれ、r3,r4とする
    とき、 の条件を満たすことを特徴とする特許請求の範囲第1項
    記載の視度調整可能なファインダー光学系。
  3. 【請求項3】前記負の第1レンズL1の焦点距離をf1とす
    るとき、 0.9<|f1|/f<1.0 (5) の条件を満足することを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の視度調整可能なファインダー光学系。
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