JP4572359B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるフィーバー機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、弾球遊技機の裏面側に位置する裏機構盤に賞球・球貸し用としてタンク、タンクレール、補給通路等に貯留されている補給球を全てなくす(抜く)作業が行われている。この作業は、例えば、遊技店において弾球遊技機の新台交換時にホールに既に備え付けられている弾球遊技機を取り外す際、また、弾球遊技機を製造する製造ラインにおいて賞球・球貸しの試験用に入れた補給球を検査終了とともに抜く際に行われる。
【0003】
この球抜き作業は、始めに弾球遊技機の裏機構盤に設置されたタンク内の補給球をタンクレールから球抜き装置によって島設備に排出する。次に、このタンクレールに続く賞球・球貸し装置にいたるまでの補給球通路内に残った補給球を抜くために、賞球・球貸し装置を裏機構盤から取り外し、補給球通路内に残った補給球をそのまま落下させる。そして最後に、賞球・球貸し装置内に残っている補給球を手作業で取り除いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように球抜き作業を行うに際しては、裏機構盤から賞球・球貸し装置を手作業によって取り外して賞球・球貸し装置に残っている補給球を取り除いた後、再び裏機構盤に賞球・球貸し装置を装着しなければならない。また、賞球・球貸し装置を裏機構盤から取り外したり、裏機構盤に装着したりする度に、賞球・球貸し装置の裏機構盤への不完全装着やコネクタ部の破損等の要因となっていた。
【0005】
そこで、本発明の課題は、弾球遊技機の裏機構盤から賞球・球貸し装置を取り外すことなく、補給球通路及び賞球・球貸し装置内に残った補給球を取り除くことができる弾球遊技機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために、本発明の弾球遊技機は、
補給球を貯留するタンクと、
前記タンクに接続されて補給球通路へ補給球を送り出すタンクレールと、
前記補給球通路の末端部に接続された補給球排出手段と、
前記タンクレールに設けられ、前記タンクレール内を流下する補給球によって作動部が押圧されて補給球が存在することを検出する補給球切れ検出スイッチと、を備え、
前記補給球切れ検出スイッチが補給球を検出している場合には、前記補給球排出手段の駆動制御を可能とし、前記補給球切れ検出スイッチが補給球を検出していない場合には、前記補給球排出手段の駆動制御を不能とする弾球遊技機において、
前記補給球切れ検出スイッチの下方であって、前記タンクレールと前記補給球通路との間に設置され、球抜きレバーを有し、前記球抜きレバーを旋回することで、補給球を外部へ排出する排出口を形成する球抜き手段と、
レバー片を有し、前記レバー片が前記タンクレール内を流下する補給球に干渉しない退避位置と、前記レバー片が前記タンクレール内に介入して補給球の流下を阻止すると共に前記作動部を押圧する付勢位置と、に手動操作により旋回可能なメンテナンスレバーと、を備え、
前記タンク、前記タンクレール、前記補給球通路及び前記補給球排出手段内の補給球を外部へ排出する場合には、前記メンテナンスレバーを前記退避位置に位置させた状態で前記球抜きレバーを旋回して、前記タンク及び前記タンクレール内の補給球を排出し、次いで、前記メンテナンスレバーを前記付勢位置に旋回することで、前記補給球排出手段を駆動可能にすると共に新たな補給球の流入を阻止し、前記補給球通路及び前記補給球排出手段内に残った補給球を排出可能としたことを特徴とする。
【0007】
なお、上記弾球遊技機は、
補給球を貯留するタンクと、このタンクに接続されて補給球通路へ補給球を送り出すタンクレールと、前記補給球通路の末端部に接続された補給球排出手段と、通常の遊技モードから補給球を排出する非遊技モードへ移行した段階において前記補給球排出手段を作動させて補給球通路内の補給球を排出制御させる補給球排出制御手段とを少なくとも備える場合がある。
【0008】
また、上記弾球遊技機は、
補給球を貯留するタンクと、このタンクに接続されて補給球を送り出す複数列の球通路を有するタンクレールと、このタンクレールに接続された複数列の球通路を有する補給球通路と、その入側において補給球通路の複数列の球通路から受け入れた補給球を前記複数列の球通路よりも減じた列数に統合して排出する補給球排出手段と、この補給球排出手段に接続されて排出された補給球を賞球排出通路又は球貸し排出通路へ切替る補給球排出切り替え手段とを少なくとも備える場合がある。
【0009】
さらに、上記弾球遊技機は、
補給球を貯留するタンクと、このタンクに接続されて補給球を送り出す2列の球通路を有するタンクレールと、このタンクレールに接続された2列の球通路を有する補給球通路と、その入側において補給球通路の2列の球通路から受け入れた補給球を1列にまとめて排出する補給球排出手段と、この補給球排出手段を作動させて補給球通路内の補給球を排出制御させる補給球排出制御手段と、前記タンクレールと補給球通路との間に設置された球抜き手段と、前記補給球排出手段に接続されて排出され、補給球の排出経路を賞球排出通路と球貸し排出通路との間で切替る補給球排出切り替え手段とを少なくとも備える場合がある。
【0010】
また、弾球遊技機は、補給球を貯留する賞球タンクに接続されて補給球通路へ補給球を送り出すタンクレールと、この補給球通路から補給球を排出する賞球・球貸し装置と、前記タンクレールの末端部に設置されて補給球の有無を検出する補給球切れ検出スイッチと、この補給球切れ検出スイッチに対して手動操作によって強制的に付勢し、前記賞球・球貸し装置に内蔵されたモータを作動させ得る状態として補給球通路に貯留された補給球を排出させるメンテナンスレバーと、前記補給球切れ検出スイッチと賞球・球貸し装置との間に球抜き装置を配設することによって構成することも可能である。
【0011】
通常、弾球遊技機の可変表示装置の表示画面(例えば液晶表示盤)は、遊技盤の表面側の略中央部にその前面を露出側として配置されている。そして、この表示画面上には、遊技と関係ある遊技情報を表示する識別情報表示領域が形成される。この識別情報表示領域は、第一表示部、第二表示部及び第三表示部の3つの可変表示部を少なくとも含み、それら第一〜第三表示部がある配置方向(例えば横方向)に沿ってこの順序で配置されている。この場合、第一表示部は左図柄が表示される左図柄表示領域、第二表示部は中図柄が表示される中図柄表示領域、第三表示部は右図柄が表示される右図柄表示領域となる。
【0012】
一方、弾球遊技機の裏面部は非常に限られたスペースであって、この限られたスペース内に特定機能毎に分割された制御基板が一部立体的に配置され、取り付けられている。そして、弾球遊技機の裏機構盤の略中央部には、この識別情報表示領域に表示する特定の遊技状態における識別情報に関する表示態様を司る画像制御基板が画像制御基板用容器に収納されて取り付けられている。この画像制御基板の上方に位置して補給球を貯留するタンクが裏機構盤に取り付けられ、このタンクの一端下部から接続されたタンクレールによって補給球を送り出している。
【0013】
そして、このタンクレールには補給球切れ検出スイッチが近接して設置され、タンクレール内を流下する補給球によってその作動部が押圧されるときに付勢され、補給球の存在を確認している。また、この補給球切れ検出スイッチに直近してその作動部に対して手動操作により強制的に付勢させるメンテナンスレバーが設けられている。このメンテナンスレバーはそのレバー片をタンクレール内を流下する補給球に干渉しない退避位置と、補給球切れ検出スイッチの作動部をレバー片の先端にて押し付ける付勢位置との間を移動可能としている。
【0014】
また、この補給球切れ検出スイッチの下部には、機構盤に設けられたピン接点を枢支点として旋回しながら変位する球抜きレバーを備えた球抜き装置が設置されている。この球抜き装置は、補給球がタンクレールの蛇行した形状に沿って流下するようにその前面壁部がタンクレールの一部に合致した湾曲形状に形成されている。そして、補給球をタンクレールから排出しないときには球抜きレバーの前面壁部がタンクレールの内面と一体となる。また、補給球をタンクレールから排出するときにはピン接点を枢支点として球抜きレバーが上方へ旋回することにより、その前面壁部がタンクレールから離れて補給球が流下する出口となる。この出口を経た補給球は島設備へ排出される。
【0015】
このタンクレールの末端部分には補給球通路が接続され、この補給球通路は賞球・球貸し装置に接続されている。そして、この賞球・球貸し装置の直下には、賞球排出通路と球貸し排出通路とをその上部位置において分岐させた振り分け装置がユニット状に形成され、機構盤に対して設けられた枢支部を支点としてこのユニット状の振り分け装置を左右に開閉可能に設置している。なお、機構盤に形成された嵌め込み凹部にユニット状の振り分け装置から突出して形成された嵌め込み凸部を嵌め込んだり、取り外したりしてユニット状の振り分け装置を機構盤に対して着脱可能な構成とすることも可能である。
【0016】
この振り分け装置の分岐点には両通路への補給球の振り分けをするために舌状の切り替え片が枢支部を支点として旋回可能に設置されている。そして、この切り替え片は、通常においては起立状態に維持されて賞球・球貸し装置から排出される補給球を賞球排出通路へ導いている。また、賞球・球貸し装置から排出される補給球が球貸しであれば、切り替え片が枢支部を支点として賞球排出通路側へ倒伏して賞球排出通路を塞ぐとともに、切り替え片が球貸し排出通路へ架橋して補給球を球貸し排出通路へ導くことになる。このため、切り替え片の背面部は球貸し排出通路へ架橋したときにその形状に倣った曲面状の通路の一部を構成するように形成され、貸し球が流下しやすいようになっている。
【0017】
したがって、賞球を払い出す通常の遊技モードから補給球を排出する非遊技モードとなった状態において、賞球タンク及びタンクレール内に残っている補給球を排出する。この非遊技モードは補給球切れ検出スイッチが補給球切れを検出したことを前提として切り替わり、非遊技モードとなった状態において手動操作によって外部から強制的に前記補給球切れ検出スイッチを付勢させて補給球有りの状態とする。すなわち、ピン接点を枢支点として球抜きレバーを上方へ旋回させて、その前面壁部をタンクレールから離して補給球が流下する出口とし、この出口から排出された補給球は島設備へ排出される。
【0018】
次いで、補給球通路及び賞球・球貸し装置内に残っている補給球を排出するため、メンテナンスレバーを作動させることになる。すなわち、その一対のレバー片が作動軸を支点としてタンクレールの通路内に介入しながら、退避位置から付勢位置まで旋回することにより、補給球切れ検出スイッチの作動部をレバー片の先端にて押し付ける。このため、補給球切れ検出スイッチは補給球がタンクレール内に存在すると判断して、その検出信号を主制御基板を介して賞球制御基板へ送信して賞球・球貸し装置のモータを駆動可能な状態とする。なお、この補給球切れ検出スイッチの作動部をメンテナンスレバーで押し付け操作するほか、例えば球抜きレバー操作時に一定時間に限って賞球・球貸し装置のモータを駆動可能な状態とさせたり、補給球切れ検出スイッチが補給球を検出しなくなったときから一定時間に限って賞球・球貸し装置のモータを駆動可能な状態とさせ、補給球の排出制御を行うこともできる。
【0019】
そして、遊技盤上に配置されたいずれかの入賞口に遊技球を入れてその入賞口センサを通過させる。この検知信号に基づき賞球個数データが枠制御部へ送信され、枠制御部は賞球排出信号の送信により賞球・球貸し装置を作動させる。次いで、モータの駆動によってカムが回転して賞球・球貸し装置及び補給球通路内に残る補給球を排出させる。賞球・球貸し装置から排出された補給球は振り分け装置内の賞球排出通路を経て上皿部へいたる。なお、この補給球の排出作業時、島設備等からタンクレールに補給球の流入があった場合でも、メンテナンスレバーのレバー片がタンクレール内に介入しており、その後部が補給球の流下を阻止することになる。また、メンテナンスレバーの操作は手動であるので、遠隔操作による不正な球の排出操作も不可能であり、不正遊技者による不正行為も未然に防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるフィーバー機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(遊技機)を例に取り、その表面構造を図1、図2を参照して説明する。
まず、図1に示すように、パチンコ機1の前面部は、本体枠2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。本体枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図示略)と下板部(図示略)とを有して本体枠2の内周側に嵌合して取り付けられている。
【0021】
ここで枠体部は、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の枠飾りランプ用レンズ4bに対応して、左側に賞球表示LED(図示略)及び賞球表示LED基板(図示略)が、右側にストップ表示LED(図示略)及びストップ表示LED基板(図示略)が配設されている。
【0022】
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカ面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(以下音声情報等という)を発生させるスピーカー400(図12参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。さらに、下方には下皿部6が設けられ、右端中央には施錠装置7が設けられている。
【0023】
下皿部6は、灰皿や球抜きレバー等を備えて、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニットを操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者が発射ハンドル9にタッチしていることを検出するタッチセンサ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0024】
前面枠4は、全体がプラスチック製であり、遊技盤10を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11の形状に対応して上側が略円弧状を呈し、全体が略弾丸形状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示略)が装着されている。また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bが設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図12参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0025】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、球抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。またパチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカ面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図12参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0026】
次に、本実施例の遊技盤10の表面構造の詳細を図2を参照して説明する。
遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって、後述する裏機構盤102(図3参照)により保持され、その表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状に形成される遊技領域11内に、特別図柄表示装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左上入賞口19、右上入賞口20、左入賞口21、右入賞口22と、多数の障害釘23と、一対の風車24、25等が配設されて、構成されている。
【0027】
特別図柄表示装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、センター役物26と、液晶表示盤27とを備えている。この液晶表示盤27の映像画面は略長方形状を呈しており、その表示画面上に1又は複数の特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する特別図柄表示領域が形成されている。すなわち、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域28、中特別図柄を表示する中特別図柄表示領域29、及び右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域30が、横一列に設定された配置方向においてこの順序で並んで形成されている。各特別図柄表示領域28〜30は、これらの表示領域28〜30の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向に図柄変動方向が設定され、その向きで変動しているように識別情報としての複数の図柄(特別図柄)が順次表示されていく。また、この液晶表示盤27は、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球することにより、その映像画面の表示領域28〜30に表示される各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って確定表示すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置31の大入賞口(図示略)が開放される。また、センター役物26は、液晶表示盤27の前面周辺部に額縁状に突設して装着され、普通図柄表示装置32と、特別図柄保留表示LED16aと、ステージ33とを備えている。
【0028】
普通図柄表示装置32は、センター役物26の上部中央に配置され、7セグメント表示器32aと、普通図柄保留表示LED32bとを有している。7セグメント表示器32aは、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、後述する左右の普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより、変動して所定時間経過後に1種類の奇数数字が確定表示される。そして、例えば「7」で確定表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17の入口幅が所定時間(例えば、0.5秒)拡大される。
【0029】
前記センター役物26の外側部の左右両側には、前述した普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図12参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32における7セグメント表示器32aが変動表示する。
【0030】
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで記憶し、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bが消灯される。
【0031】
特別図柄保留表示LED16aは、前記センター役物26の上部内側部中央に配設され、4個の赤色LEDで構成されている。これは、第一種始動口(普通電動役物)17に入球した遊技球の数を4個まで記憶し、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の特別図柄の変動が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED16aが消灯される。
【0032】
第一種始動口(普通電動役物)17は、ステージ33の中央直下に配設され、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。
内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図12参照)が備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能な開放状態となり、一対の翼片部が閉じると、遊技球の入球困難な閉鎖状態となる。
【0033】
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設され、前面側が略逆台形状に形成された基板44に、大入賞装置31と、左入賞口21と右入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口(図示略)と、この大入賞口を開放・閉鎖する開閉板35と、この開閉板35を開閉するための大入賞口ソレノイド52(図12参照)と、連動杆(図示略)と、特定領域開閉シャッター(図示略)と、この特定領域開閉シャッターを作動させるための開閉シャッターソレノイド53(図12参照)と、特定領域(図示略)と、特定領域外領域(図示略)とから構成されている。
【0034】
また、左入賞口21は、大入賞装置31の左側方に配設されて内部に左入賞口通過検知スイッチ21s(図12参照)が設けられている。さらに、右入賞口22は、大入賞装置31の右側方に配設されて内部に右入賞口通過検知スイッチ22s(図12参照)が設けられている。アウト口46は、変動入賞装置18における大入賞装置31の中央直下に配設されている。バック球防止部材45は、アウト口46の下部に設けられ、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止するものである。ファール球防止部材47は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム48は、ファール球防止部材47の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0035】
左上入賞口19及び右上入賞口20はそれぞれ、変動入賞装置18の左右斜め上方に配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左上入賞口通過検知スイッチ19s(図12参照)、右上入賞口通過検知スイッチ20s(図12参照)が設けられている。一対の風車24、25はそれぞれ、特別図柄表示装置16の左右両側に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0036】
次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造を図3を参照して説明する。
機構盤102は中枠3(図1参照)に該機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により開閉可能に支持されている。遊技盤10は中枠3の枠体部に着脱可能に取り付けられている。この機構盤102の上部の左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。このタンクレール106は前記機構盤102の右側部分において下方へ方向変換され、賞球タンク105に貯留されている補給球を下方へ流下させる。
【0037】
図4〜図8にその詳細を示すように、下方へ方向変換されたタンクレール106の左側には補給球切れ検出スイッチ107が設置されている。そして、タンクレール106内を流下する補給球Tによってその作動部107aが押圧されるとき補給球Tの存在を確認している。また、この補給球切れ検出スイッチ107の直近上部にはその作動部107aに介在し得るメンテナンスレバー108が旋回可能に設けられている。このメンテナンスレバー108は作動軸108aに取り付けられた一対の鈎形のレバー片108bを、タンクレール106内を流下する補給球Tに干渉しない図5に示す退避位置と、作動軸108aの回動によって補給球切れ検出スイッチ107の作動部107aをレバー片108bの先端にて押し付ける図6に示す付勢位置との間を旋回可能としている。なお、タンクレール106は補給球Tを送り出す量を高めるために、図5(b)、図6(b)に示すように隔壁106aを設けて2列の通路を並列状態に形成している。
【0038】
この補給球切れ検出スイッチ107の直近下部には、機構盤102に設けられたピン109a接点を枢支点として旋回しながら変位する球抜きレバー109bを備えた球抜き装置109が設置されている。この球抜き装置109は、補給球Tがタンクレール106の蛇行した形状に沿って流下するようにその前面壁部109cがタンクレール106の一部に合致した湾曲形状に形成されている。そして、補給球Tをタンクレール106から排出しないときには球抜きレバー109bの前面壁部109cがタンクレール106と一体となる。また、補給球Tをタンクレール106から排出するときにはピン109a接点を枢支点として球抜きレバー109bが上方へ旋回することにより、その前面壁部109cがタンクレール106から離れて補給球Tが流下する出口となる。この出口を経た補給球Tは島設備(図示略)へ排出される。
【0039】
このタンクレール106の末端部分には補給球通路110が接続され、この補給球通路110は賞球・球貸し装置111に接続されている。この補給球通路110内には、図4(b)に示すようにタンクレール106の内部に設けられた隔壁106aに合致する隔壁110aが設けられ、2列の通路を並列状態に形成している。そして、この賞球・球貸し装置111の直下には、賞球排出通路112と球貸し排出通路113とをその上部位置において分岐させた振り分け装置114がユニット状に形成され、機構盤102に対して設けられた枢支部を支点としてこのユニット状の振り分け装置114を左右に開閉可能に設置している。すなわち、このユニット状の振り分け装置114を機構盤102との装着状態から離脱状態に開放させる場合には、振り分け装置114に設けられたフック状の係合突起部114aを機構盤102に形成された係合凹部(図示略)から外して、図4(a)の実線位置から二点鎖線位置まで右方向へほぼ180度ピン114b接点を枢支点として旋回させる。なお、機構盤102に形成された嵌め込み凹部(図示略)にユニット状の振り分け装置114から突出して形成された嵌め込み凸部(図示略)を嵌め込んだり、取り外したりしてユニット状の振り分け装置114を機構盤102に対して着脱可能な構成とすることも可能である。
【0040】
この振り分け装置114の分岐点には両通路112、113への補給球Tの振り分けをするために舌状の切り替え片114cが枢支部114dを支点として旋回可能に設置されている。そして、この切り替え片114cは、図8(a)に示すように、通常においては起立状態に維持されて賞球・球貸し装置111から排出される補給球Tを賞球排出通路112へ導いている。また、賞球・球貸し装置111から排出される補給球Tが球貸しであれば、図8(b)に示すように、ソレノイドの作動によって切り替え片114cが枢支部114dを支点として賞球排出通路112側へ倒伏して賞球排出通路112を塞ぐとともに、切り替え片114cが球貸し排出通路113へ架橋して補給球Tを球貸し排出通路113へ導くことになる。
【0041】
このため、切り替え片114cの背面部114eは球貸し排出通路113へ架橋したときにその形状に倣った曲面状の通路の一部を構成するように形成され、貸し球が流下しやすいようになっている。また、賞球排出通路112、球貸し排出通路113の出側付近の内部には賞球排出通路通過検知スイッチ112s、球貸し排出通路検知スイッチ113sがそれぞれ設置され、各通路112、113を通過した賞球個数あるいは球貸し個数が検知される。
【0042】
図9〜図11には賞球・球貸し装置111の内部構造が例示されている。まず、図9に示すように、賞球・球貸し装置111は、ガイドレール223上を流下される賞球あるいは貸し球を受け止め、この賞球あるいは貸し球を1個宛払い出すカム210と、このカム210のカム軸211を駆動させるモータ212と、このカム軸211にカム210と並列して取り付けられ、複数のスリットが形成された回転円板213と、この回転円板213に近接して配置され、カム210の回転角を検知する賞球払出センサ214と、この賞球払出センサ214が取り付けられている賞球・球貸し装置センサ基板215と、これらの部品を格納するケース本体217とそのケース蓋216とから構成されている。
【0043】
本実施例において前記カム210は、カム軸211と直交する方向に凸部210aが90度毎に4個設けられており、図11(c)に示すように、賞球あるいは貸し球は各凸部210a間に形成される凹所内に一旦乗せられ、カム軸211が90度回転されるとき、カム210の凸部210a間の凹所内に乗せられた賞球あるいは貸し球Tが払い出されることになる。本実施例においては前記タンクレール106内を流下される賞球あるいは貸し球Tがその流下能力を高めるために2列で送り出されているので、図10に示すように、ガイドレール223に隔壁を設けて賞球を流下させる2列の球通路218を並列状態に配置している。したがって、カム軸211には、払い出すべき賞球あるいは貸し球Tを受け止め、この賞球あるいは貸し球Tを1個宛払い出すために2個のカム210が、カム軸211と直交する方向に取付角度(本実施例では90度)を変えて、並列状態で取り付けられている。
【0044】
本実施例においてカム軸211には、上述したように、並列して2個のカム210が取付角度(本実施例では90度)を変えて取り付けられているので、カム軸211が90度回転されれば、各球通路218においてそれぞれ1個、合計2個の賞球あるいは貸し球Tが、またカム軸211が1回転されれば、それぞれ4個、合計8個の賞球あるいは貸し球Tが払い出されることになる。なお、このカム210の取付角度を上述した90度毎に4個から、図4〜図8に示す120度毎に3個とする形態のカム210とすることは任意である。この場合、カム軸211が120度回転されれば、各球通路218においてそれぞれ1個、合計2個の賞球あるいは貸し球Tが、またカム軸211が1回転されれば、それぞれ3個、合計6個の賞球あるいは貸し球Tが払い出されることになる。また、賞球・球貸し装置111の出側において各球通路218は1列に統合され(図4(b)参照)、それぞれ払い出された賞球あるいは貸し球Tは1列状となって前記振り分け装置114の賞球排出通路112あるいは球貸し排出通路113へ排出される。
【0045】
モータ212は前述した補給球切れ検出スイッチ107の作動部107aが補給球Tを検出しているとき、この検出信号が補給球切れ検出スイッチ107から後述する主制御基板117を介して賞球制御基板126へ送信されて駆動可能な状態となる。逆に、補給球切れ検出スイッチ107の作動部107aが補給球Tを検出していないと、主制御基板117から賞球制御基板126へ補給球切れエラーコマンドが送信され、賞球制御基板126によって賞球・球貸し装置111は停止され、モータ212は駆動不能な状態となる。
【0046】
したがって、補給球切れ検出スイッチ107の作動部107aが補給球Tを検出していれば、モータ212は払い出すべき賞球あるいは貸し球Tに応じて駆動され、この駆動に基づいてカム軸211は回転制御される。このカム軸211の回転数は、図11(a)に示すように賞球払出センサ214において、その回転円板213に所定角度間隔(例えば45度)毎に形成されたスリット位置を光電的に検知することによって求められる。求められた回転数はモータ212にフィードバックされるとともに、上述したように、賞球あるいは貸し球Tの払出数としてカウントされる。
【0047】
上述のパチンコ機1において、その裏面側の賞球タンク105、タンクレール106、補給球通路110及び賞球・球貸し装置111から全ての補給球Tを抜く場合がある。これは、例えば、遊技店においてパチンコ機1の新台交換時にホールに既に備え付けられているパチンコ機1を取り外す際、また、パチンコ機1を製造する製造ラインにおいて賞球・球貸しの試験用に入れた補給球Tを検査終了とともに抜く際に行われる。
【0048】
この場合、図4(a)に示すように補給球Tはタンクレール106、補給球通路110及び賞球・球貸し装置111内にほぼ並列状態で残っている。まず、ピン109a接点を枢支点として球抜きレバー109bを上方へ旋回させて、その前面壁部109cをタンクレール106から離して補給球Tが流下する出口とする(図5参照)。したがって、賞球タンク105及びタンクレール106内に残っている補給球Tはこの出口から排出され、この出口を経た補給球Tは島設備へ排出される。このとき、タンクレール106内の補給球Tは排出された状態であるので、補給球切れ検出スイッチ107の作動部107aが補給球Tを検出していない。したがって、主制御基板117から賞球制御基板126へ補給球切れエラーコマンドが送信され、賞球制御基板126によって賞球・球貸し装置111は停止され、モータ212は駆動不能な状態となっている。
【0049】
このため、補給球通路110及び賞球・球貸し装置111内に残っている補給球T(通常25球とされている:貸し球1回分に相当)を排出するため、メンテナンスレバー108を作動させることになる。すなわち、その一対のレバー片108bが作動軸108aを支点としてタンクレール106の2列の通路内に介入しながら、図5に示す退避位置から図6に示す付勢位置まで旋回させレバー位置固定バネ部材(図示略)で位置固定することにより、補給球切れ検出スイッチ107の作動部107aをレバー片108bの先端にて押し付ける。したがって、補給球切れ検出スイッチ107は補給球Tがタンクレール106内に存在すると判断して、その検出信号を主制御基板117を介して賞球制御基板126へ送信して賞球・球貸し装置111のモータ212を駆動可能な状態とする。
【0050】
そして、遊技盤10上に配置されたいずれかの入賞口、例えば左上入賞口19に遊技球を入れてその左上入賞口通過検知スイッチ19sを通過させる。この検知信号に基づき10個の賞球個数データが枠制御部150へ送信され、枠制御部150は賞球排出信号の送信により賞球・球貸し装置111を作動させる。次いで、モータ212の駆動によってカム210が回転して賞球・球貸し装置111及び補給球通路110内に残る補給球Tを排出させる。賞球・球貸し装置111から排出された補給球Tは振り分け装置114内の賞球排出通路112を経て上皿部5へいたる。なお、左上入賞口19の賞球個数は10個であるので、上記作業を繰り返して補給球通路110及び賞球・球貸し装置111内に残る補給球Tを排出することになる(図6参照)。この補給球Tの排出作業時、図7(b)に示すように島設備等からタンクレール106に補給球Tの流入があった場合でも、メンテナンスレバー108のレバー片108bがタンクレール106内に介入しており、その後部が補給球Tの流下を阻止することになる。
【0051】
全ての補給球Tを排出した後、図7(a)に示すように、ピン109a接点を枢支点として球抜きレバー109bを下方へ旋回させて、その前面壁部109cをタンクレール106と一体とさせ、一方、メンテナンスレバー108のレバー片108bを作動軸108aを支点として退避位置まで旋回させ位置固定させる。
【0052】
図3に戻り、タンクレール106の下側、すなわち機構盤102の略中央部には、特別図柄表示装置16における液晶表示盤27を格納した蓋付きの裏ケース115が取り付けられている。この裏ケース115上には特別図柄表示装置16に表示する識別情報の表示態様を制御する後述する特別図柄制御部160(図12参照)である画像制御基板116が画像制御基板用容器116cに収納されて取り付けられている。そして、この画像制御基板用容器116c上にはその一部に重なった状態で遊技盤10面上の遊技球検出スイッチ、ソレノイド等の信号を中継する端子基板118が配置される。
【0053】
また、前記画像制御基板用容器116cの左端側には、遊技状態に応じてランプの点灯表示、点滅表示、消灯表示等の表示形態を司る後述するランプ制御部170(図12参照)であるランプ制御基板119が縦長状に遊技盤10に配置され、ランプ制御基板用容器119cに収納された状態で取り付けられている。一方、タンクレール106の上方に位置する右端の隅角部には、電源受電基板120及び、大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の情報を遊技店の集中管理装置(図示略)に伝えるための遊技機枠用外部接続端子を備えた外部情報端子基板121、遊技状態に応じてLEDの点灯表示、点滅表示、消灯表示等の表示形態を司る表示LED中継基板122、同じくランプの点灯表示、点滅表示、消灯表示等の表示形態を司る効果ランプ中継基板123が機構盤102に取り付けられ、これらの基板120、121、122、123の各々のコネクター接続端子に対応する部分に窓を開口したカバー120c、121c、122c、123cにより、これらの基板120、121、122、123が被われている。
【0054】
一方、前記画像制御基板用容器116cの下方には、分電基板124が分電基板用容器124cに収納されて機構盤102の裏面側に取り付けられている。この分電基板124の下方には、遊技島の電源から電力を受電してパチンコ機1各部が必要とする電源を生成する電源ユニット125が機構盤102に取り付けられ、その上から電源カバー125cで電源ユニット125を被っている。電源カバー125cは上部、下部の部分に切り欠き及びカバー面に多数の通気用小孔を有し、空気の流通を良くして放熱性の良いものとしている。また、このカバーは音声制御基板用容器127cを以って代用させてもよい。そして、分電基板用容器124cに隣接した位置からこの電源ユニット125の一部に重畳して、賞球制御等の処理を行う賞球制御基板126が透明の賞球制御基板用容器126cに収納されて取り付けられている。
【0055】
また、音声制御を行う後述する音声制御部180(図12参照)である音声制御基板127は音声制御基板用容器127cに収納されて電源ユニット125の一部に重なるように重畳して取り付けられている。さらに、補給球詰まり、下皿部満タン、主電源電圧異常、発射停止、主制御基板通信異常、賞球モータ異常などを7セグメントLEDで表示する枠状態表示器、及びそのリセットスイッチを賞球制御基板126に備え、該賞球制御基板126を収納した賞球制御基板用容器126cの一側部に隣接して枠制御基板128が枠制御基板用容器128cに収納された状態で取り付けられている。
【0056】
遊技球の発射制御を司る発射装置制御基板129は、機構盤102の下方の左端に位置する隅角部に発射装置制御基板用容器129cに収納されて中枠3の裏側に取り付けられている。また、主制御基板117は画像制御基板116の下方よりこの発射装置制御基板129の一部に重なるように、透明の主制御基板用容器117cに収納されて前記機構盤102に取り付けられている。
【0057】
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置130について、図12を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部140と、共通信号伝送経路である共有バス500により、その主制御部140に直列的に接続された枠制御部150、特別図柄制御部160、ランプ制御部170及び音声制御部180とを含んで構成されている。主制御部140は、主制御基板117で形成され、主制御部140以外の4つの制御部150、160、170、180は、第一〜第四の周辺制御基板350〜380で形成されている。
【0058】
主制御部140は、CPU141と、RAM142と、ROM143と、入出力ポート144とをバス145により相互に接続したものである(演算回路構成要素)。そして、CPU141はROM143に格納された制御プログラムにより、RAM142をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM143に記憶された当否判定プログラムにより、CPU141が主体となって当否判断制御を行う。また、入出力ポート144には前記した共有バス500が接続され、後述する通り入出力ポート144からその共有バス500へ、各制御部150、160、170、180へ処理内容を指示する、指令信号たるコマンドデータを送信する。なお、主制御部140から各制御部150、160、170、180へは、一方向形式でデータが伝送される。また、該主制御部140には、電源ターミナル基板121が接続されている。
【0059】
中継基板200には、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、カウント検知スイッチ62、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ63等が接続され、中継基板200の出力端子は、入出力ポート144と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sも、入出力ポート144に接続されている。
【0060】
枠用端子基板200aには、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ202、左上入賞口通過検知スイッチ19s、右上入賞口通過検知スイッチ20s、左入賞口通過検知スイッチ21s、右入賞口通過検知スイッチ22s、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知センサ107等が接続され、枠用端子基板200aの出力端子は、枠制御部150の入出力ポート154と接続されている。
【0061】
枠制御部150は、主制御部140と同様の演算回路構成要素151〜155を含んで構成され、入出力ポート154において共有バス500に接続されている。また、入出力ポート154には、普通図柄表示装置基板32f、役物作動を司る各種ソレノイド52、53、賞球・球貸し装置111、発射装置制御基板129等が接続されている。
【0062】
特別図柄制御部160は、主制御部140と同様の演算回路構成要素161〜165を含んで構成され、入出力ポート164において共有バス500に接続されている。入出力ポート164には、液晶表示盤27が接続されている。
【0063】
ランプ制御部170は、主制御部140と同様の演算回路構成要素171〜175を含んで構成され、入出力ポート174において共有バス500に接続されている。入出力ポート174には、枠飾りランプ基板4g、各種ランプ基板261f、262f、各種LED基板4d、4f、19f、20f、21f、22f、263f、264fが接続されている。これら各基板にランプあるいはLEDが1又は複数個接続される。これらのランプ等はゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。
【0064】
音声制御部180は、主制御部140と同様の演算回路構成要素181〜185を含んで構成され、入出力ポート184において共有バス500に接続されている。入出力ポート184には、サウンドジェネレーター203、音量スイッチ基板12が接続されている。サウンドジェネレーター203は、図示しないLSI等に格納された音声データと音声出力モジュールとに基づいて、これに接続されたスピーカー400より、ゲームの進行に対応した各種の音声出力を行う。音量スイッチ基板12は、図示しない音量スイッチの操作に伴い、サウンドジェネレーター203に対して出力音量の設定を行うものである。
【0065】
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。
主制御部140は、遊技球がカウント検知スイッチ62またはカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ63を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、枠制御部150に対してその検知順に、枠制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した共有バス500を介して送信する。(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である。)枠制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球・球貸し装置111を作動させる。
【0066】
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを作成する。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、カウント検知スイッチ62、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ63等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び、特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動、または確定などの表示態様制御のためのデータが作成される。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した共有バス500を介して送信される。
【0067】
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター203は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(全回転、コマ送り、逆進、図柄の拡大・縮小など)、特別遊技態様、及び、遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、ランプ制御部170あるいは音声制御部180を作動指令対象とする指令信号として、前記した共有バス500を介して送信される。
【0068】
次に、主制御部140により実行されるメインジョブを図13を参照して説明する。これは主制御部140のROM143に格納されたプログラムに基づき、CPU141により所定のリセット周期(例えば約2ミリ秒毎)に実行されるものである。まず、スタックポインタをRAM142の所定アドレスに設定した後(S10)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブが実行され(S170)、終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。
【0069】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄作動保留球数の表示用のデータ(コマンド)や、特別図柄作動保留球数の表示用のデータ(コマンド)などが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、RAM142の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウンタメモリ(図示略)などが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。汎用カウンタメモリ(図示略)は、ユーザリセット毎の例えば「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、音声作成ジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。また、音声作成ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータ(コマンド)の作成が行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ボリューム検知信号、カウント検知信号、特定領域通過検知信号、普通図柄作動ゲート検知信号などの各種信号が外部接続端子基板を介して主制御部140に取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知用の始動口センサ17sから第一種始動口入賞検知信号がそれぞれ取り込まれる。
【0070】
さらに、カウント検知スイッチ62やカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ63に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S120)が実行される。
【0071】
特別図柄メインジョブ(S90)では、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータのジョブが行われる。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄作動保留球数の表示用のデータの作成が行われる。音声ジョブ(S110)では遊技状態に応じた音声のデータ(コマンド)が出力され、周辺制御部に送られる。さらに、ステップは明示していないが、ランプ制御ジョブでは、遊技状態に応じた各種ランプやLEDの点灯制御のデータ(コマンド)が出力され、周辺制御部に送られる。なお、これらの音声のコマンドやランプ点灯制御のコマンドは、周辺制御部への送信に対応して、これを補助機構作動通知信号として特別図柄制御部160へも送信するように処理を行うことができる。その結果、特別図柄制御部160では、これらのコマンドの受信タイミングを参照することにより、音声出力やランプ点灯の制御進捗状況を正確に把握でき、特別図柄の表示制御を音声出力ないしランプ点灯と同期させることも容易となる。この後、賞球信号ジョブ(S130)、情報信号ジョブ(S140)、コマンドジョブ(S150)、及び、残余時間ジョブ(S160)が実行される。
【0072】
賞球信号ジョブ(S130)では、賞球排出に関するデータの作成や出力が行われ、情報信号ジョブ(S140)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの作成が行われる。さらに、コマンドジョブ(S150)では、特別図柄管理のためのコマンドの入出力が行われ、残余時間ジョブ(S160)では、非等速乱数の呼出しや、汎用乱数メモリ(図示略)の更新が行われる。
【0073】
なお、本発明は、その技術的思想を踏襲し、発明の効果を著しく損なわない限度において、前記の態様の一部を変更して実施でき、その変更態様も当然に本発明の技術範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例たるパチンコ機の正面図。
【図2】その遊技盤の正面図。
【図3】図1のパチンコ機の裏面概略図。
【図4】図3の一部切り欠き拡大平面図(a)と、この拡大平面図(a)のA−A線矢視図(b)を示す図。
【図5】図4(a)の作動説明図(a)と、この作動説明図(a)のB−B線矢視図(b)を示す図。
【図6】図4(a)の作動説明図(a)と、この作動説明図(a)のC−C線矢視図(b)を示す図。
【図7】図4(a)の作動説明図。
【図8】振り分け装置の作動説明図。
【図9】賞球・玉貸し装置の説明図。
【図10】賞球・玉貸し装置の構造説明図。
【図11】図10の矢視断面図。
【図12】図1のパチンコ機の電子制御装置の一例を示すブロック図。
【図13】図12の電子制御装置におけるメインジョブの流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
106 タンクレール
107 補給球切れ検出スイッチ
108 メンテナンスレバー
109 球抜き装置
110 補給球通路
111 賞球・球貸し装置
114 振り分け装置
Claims (2)
- 補給球を貯留するタンクと、
前記タンクに接続されて補給球通路へ補給球を送り出すタンクレールと、
前記補給球通路の末端部に接続された補給球排出手段と、
前記タンクレールに設けられ、前記タンクレール内を流下する補給球によって作動部が押圧されて補給球が存在することを検出する補給球切れ検出スイッチと、を備え、
前記補給球切れ検出スイッチが補給球を検出している場合には、前記補給球排出手段の駆動制御を可能とし、前記補給球切れ検出スイッチが補給球を検出していない場合には、前記補給球排出手段の駆動制御を不能とする弾球遊技機において、
前記補給球切れ検出スイッチの下方であって、前記タンクレールと前記補給球通路との間に設置され、球抜きレバーを有し、前記球抜きレバーを旋回することで、補給球を外部へ排出する排出口を形成する球抜き手段と、
レバー片を有し、前記レバー片が前記タンクレール内を流下する補給球に干渉しない退避位置と、前記レバー片が前記タンクレール内に介入して補給球の流下を阻止すると共に前記作動部を押圧する付勢位置と、に手動操作により旋回可能なメンテナンスレバーと、を備え、
前記タンク、前記タンクレール、前記補給球通路及び前記補給球排出手段内の補給球を外部へ排出する場合には、前記メンテナンスレバーを前記退避位置に位置させた状態で前記球抜きレバーを旋回して、前記タンク及び前記タンクレール内の補給球を排出し、次いで、前記メンテナンスレバーを前記付勢位置に旋回することで、前記補給球排出手段を駆動可能にすると共に新たな補給球の流入を阻止し、前記補給球通路及び前記補給球排出手段内に残った補給球を排出可能としたことを特徴とする弾球遊技機。 - 前記メンテナンスレバーを前記付勢位置に旋回した状態で、遊技盤上に配置された入賞口に遊技球を入れることによって前記補給球排出手段を駆動させ、前記補給球通路及び前記補給球排出手段内に残った補給球を排出することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
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