以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は遊技枠11の前面を示す正面図である。図3は遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。また、図2には、遊技枠11の前面のうち打球供給皿(上皿)3の部分を拡大した図も示されている。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠200(図1〜図3において図示せず;図7、図8参照)と、外枠200の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠11とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠11に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠11は、外枠200に対して開閉自在に設置される前面枠2aと、機構部品等が取り付けられる機構板105(図1〜図3において図示せず;図7参照)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1〜図3に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、図3に示すように、遊技枠11の一部を構成するプラ枠(プラスチック枠)がある。プラ枠は、機構板105(図7参照)を含み、機構板105に電源回路(図示せず)やスピーカ27などの部品が取り付けられている。また、遊技枠11におけるプラ枠には、遊技枠11と遊技盤6との間の配線を中継する中継基板607が設けられている。また、遊技枠11の前面枠2aには、図3に示すように、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(画像表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば00〜99の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、2桁の数字を表示するものに限らず、0〜9など他の桁数の数字を可変表示するように構成されていてもよい。また、可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。
なお、遊技機では、識別情報としての図柄を表示する可変表示装置の表示結果があらかじめ定められた特定の表示態様の組合せ(特定表示結果)になることを、通常、「大当り」という。大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そして、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば15ラウンド)に固定されている。なお、各開放について開放時間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成する。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例えば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
特別図柄表示器8の右側には、始動入賞口13,14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、可変表示装置9の左側には、第2始動入賞口14を形成する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15が閉状態のときは第2始動入賞口14に遊技球が入賞せず、可変入賞球装置15が開状態のときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開閉される。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。第2始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。
図4は、遊技枠11を開いた状態を示す説明図である。図4に示すように、遊技枠11側の裏面には、ICなどを搭載するための4つの基板(枠側IC基板)602〜605が取り付けられている。遊技枠11の上部に取り付けられた枠側IC基板602は、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換IC611,612が搭載されている。各シリアル−パラレル変換IC611,612から、天枠ランプを構成する各LED281a〜281l(以下、天枠ランプ281a〜281lまたは枠ランプ281a〜281lという。)に制御信号が供給される。なお、ここでは、「ランプ」と「LED」とを同義で用いているが、各ランプとして、LED以外の発光体を用いてもよい。
また、遊技枠11の右側(裏面から見て左側)に取り付けられた枠側IC基板603は、シリアル−パラレル変換IC613が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC613から、右枠ランプを構成する各LED283a〜283e(以下、右枠ランプ283a〜283eまたは枠ランプ283a〜283eという。)および賞球払出がなされているときに点滅する右賞球LED(以下、右賞球ランプという。)51bに制御信号が供給される。また、遊技枠11の左側(裏面から見て右側)に取り付けられた枠側IC基板604は、シリアル−パラレル変換IC614が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC614から、左枠ランプを構成する各LED282a〜282e(以下、左枠ランプ282a〜282eまたは枠ランプ282a〜282eという。)および賞球払出がなされているときに点滅する左賞球LED(以下、左賞球ランプという。)51aに制御信号が供給される。以下、左賞球ランプ51aと右賞球ランプ51bとを賞球ランプと総称することがある。
また、遊技枠11の下部に取り付けられた枠側IC基板605は、シリアル−パラレル変換IC615、およびパラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC620が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC615から、操作ボタン81a〜81eに設けられた操作ボタンランプを構成するLED83(以下、ランプ83という。)および打球供給皿3に設けられた皿ランプを構成する各LED82a〜82d(以下、ランプ82a〜82dという。)に制御信号が供給される。また、操作ボタン81a〜81eからの検出信号が入力IC620に並列に入力される。なお、図4には、枠側IC基板605を横から見た図も示されている。
なお、図4に示すように、この実施の形態では、各枠側IC基板602〜605のうち遊技枠の上部に取り付けられた枠側IC基板602は、2つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されている。そのように構成することによって、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、図4に示すように、遊技枠11側には中継基板607が取り付けられている。中継基板607からの配線は、枠側IC基板604に接続され、枠側IC基板604から枠側IC基板602に接続され、さらに枠側IC基板602から枠側IC基板603に接続される。また、中継基板607からの配線は、枠側基板605に接続される。また、各枠側IC基板602〜604間の配線や、枠側IC基板604,605と中継基板607との間の配線は、図4に示すように、各基板にコネクタ156a〜156hを用いて接続される。なお、図4には、基板に垂直方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続がなされている構成が示されているが、例えば、基板に対して水平方向に接続するタイプのコネクタを用いて配線接続を行うようにしてもよい。
図4に示すように、中継基板607のコネクタ156aからの配線は、枠側IC基板604のコネクタ156bに接続される。枠側IC基板604の配線パターンは、コネクタ156bからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC614に接続され、他の一方がコネクタ156cに接続されるようになっている。また、枠側IC基板604において、コネクタ156cは、枠側IC基板602側の端部に配置されている。枠側IC基板604のコネクタ156cからの配線は、枠側IC基板602のコネクタ156dに接続される。枠側IC基板602の配線パターンは、コネクタ156dからさらに3つに分岐され、シリアル−パラレル変換IC611、シリアル−パラレル変換IC612およびコネクタ156eに接続される。また、枠側IC基板602において、コネクタ156eは、枠側IC基板603側の端部に配置されている。枠側IC基板602のコネクタ156eからの配線は、枠側IC基板603のコネクタ156fに接続される。枠側IC基板603の配線パターンは、シリアル−パラレル変換IC613に接続される。
また、中継基板607のコネクタ156gからの配線は、枠側IC基板605のコネクタ156hに接続される。枠側IC基板605の配線パターンは、コネクタ156hからさらに分岐され、一方がシリアル−パラレル変換IC615に接続され、他の一方が入力IC620に接続される。
また、図4に示すように、遊技枠11の上方には、前面枠2aに対してガラス扉枠2または機構板105が開放されたことを検出するためのドア開放スイッチ(1)154が取り付けられている。また、図4には示していないが、機構板105の右側方には、外枠200に対して遊技枠11自体が開放されたことを検出するためのドア開放スイッチ(2)155が取り付けられている。ドア開放スイッチ(1)154,155の詳細については後述する(図8、図9参照)。
図5は、遊技盤6の裏面を示す説明図である。図5に示すように、遊技盤6の裏面には、ICなどを搭載するための基盤(盤側IC基板)601が取り付けられている。盤側IC基板601には、シリアルデータをパラレルデータに変換する4つのシリアル−パラレル変換IC616〜619が搭載されている。シリアル−パラレル変換IC616から、各可動部材151〜153を駆動するためのモータ151a,152a,153aに制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC617から、センター飾り用ランプを構成する各LED125a〜125f(以下、センター飾り用ランプ125a〜125fまたはランプ125a〜125fという。)に制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC618から、ステージランプを構成する各LED126a〜126f(以下、ステージランプ126a〜126fまたはランプ126a〜126fという。)に制御信号が供給される。また、シリアル−パラレル変換IC619から、可動部材である骸骨153および特別可変入賞球装置20に設けられる各ランプ127a〜127bに制御信号が供給される。
なお、図5に示すように、この実施の形態では、盤側IC基板601は、4つのシリアル−パラレル変換ICを搭載した集合基板として構成されている。そのように構成することによって、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、盤側IC基板601は、パラレルデータをシリアルデータに変換する入力IC621が搭載されている。各可動部材151〜153の位置を検出するための位置センサ151b,152b,153bからの検出信号が入力IC621にパラレルに入力される。
また、図5に示すように、遊技盤6側には中継基板606が取り付けられ、遊技枠11側には中継基板607が設けられている。演出制御手段からの配線は、まず中継基板606に接続され、さらに中継基板607に接続される。そして、中継基板606からの配線は、盤側IC基板601に接続される。また、盤側IC基板601と中継基板606との間の配線や、中継基板606,607間の配線、中継基板606と演出制御手段との間の配線は、図5に示すように、各基板にコネクタ157a〜157eを用いて接続される。なお、コネクタ157a〜157eの接続方法は、図4に示すコネクタ156a〜156hの接続方法と同様である。
前面枠2aの上皿には遊技球を払い出す穴の上側に開口が形成され、開口に中継基板607が設けられる。中継基板607は表裏のコネクタを介して中継する基板であり、前面枠2a表側にコネクタ157bが配置され裏側にコネクタ156a,156gが配置されている。また、中継基板607は、遊技盤6が取り付けられる開口の端部に配置される。また、図4に示すように、中継基板607は、遊技盤6が取り付けられる開口の端部の形状に沿うような形状に形成されている。なお、中継基板607は、表側に配置されるコネクタ157bと裏側に配置されるコネクタ156a,156gとの位置が重ならないようにずれた状態とされている。
遊技盤6の裏側には中継基板606が設けられる。中継基板606は、図5に示すように、遊技盤6の端部に、プラ枠の中継基板607の近傍に位置するように設けられる。中継基板606はコネクタを介して中継する基板であり、コネクタ157b〜157dが配置されている。また、コネクタ157bは、遊技盤6が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ(電気的に駆動される電気部品の制御を行う電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)100に接続されている。
なお、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
次に、情報端子盤34の設置位置および情報端子盤34の内部構成について説明する。図6は、情報端子盤の設置位置を説明するための遊技盤を裏面から見た背面図である。図6に示すように、遊技盤6の裏面の右側上部に情報端子盤34が設けられている。なお、情報端子盤34の設置位置は任意の位置でよく、例えば遊技盤6の裏側から見た場合の演出制御基板ボックス2000の手前に取付部材を用いて設置するようにしてもよい。また、遊技盤6の裏面の下部には、主基板31を収容した主基板ボックス3000が設けられ、遊技盤6の裏面の中央部には、演出制御基板80を収容した演出制御基板ボックス2000が設けられている。また、遊技盤6の裏面における演出制御基板ボックス2000の奥に(遊技盤6を裏側から見た場合の演出制御基板ボックス2000の奥に)、中継基板77が設けられている。
また、情報端子盤34には、主基板31と接続されたケーブル(信号線)を接続するためのコネクタCNと、ホールコンピュータと接続されたケーブル(信号線)を接続するための複数のコネクタCN1〜CN9とが設けられている。コネクタCNとコネクタCN1〜CN9は、複数の半導体リレー(図6において図示せず)を介して接続されている。
一般に、遊技店が新しく遊技機を設置(導入)する場合、遊技枠11はそのままで、遊技盤6のみ新しいものに交換する場合が多い。この場合において、図6に示すように、情報端子盤34を遊技枠11側でなく遊技盤6側に設けているので、遊技機から情報端子盤34を介してホールコンピュータなどの外部装置に出力する信号として、異なる遊技機の遊技プログラムに合わせた信号を出力することが可能となる。例えば、小当りや突然確変大当りのない機種では、大当り信号を1種類にする、時短機能のない機種では時短信号を出力しない、というように、それぞれの機種に応じた信号を情報端子盤34を介してホールコンピュータなどの外部装置に出力することが可能となる。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図7〜図10を参照して説明する。図7は、パチンコ遊技機を背面側から見た状態を示す斜視図である。また、図8は、パチンコ遊技機を背面から見た背面図である。また、図9は、遊技球の流路を構成する各部材を背面から見た背面図である。また、図10は、遊技球の流路を構成する各部材の内部構造を示す断面図である。図7〜図10では、遊技盤6については省略している。
図7および図8に示すように、パチンコ遊技機1の裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板91Aが設けられている。なお、電源基板910は電源基板ケース910Aに収容され、発射制御基板91Aは発射制御基板ケースに収容されている。
電源基板910は、一部が払出制御基板37と重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズ(図26参照)が設けられている。なお、払出制御基板37は払出制御基板ケース37Aに収容されている。
図7および図8に示すように、パチンコ遊技機1裏面において、上方の右端(背面側から見て右端)には、遊技機内部を接地するための配線(図23に示す外部接続アース)と、カードユニット50を接地するための配線(図23に示す遊技球等貸出装置接続端子板に接続されたFGハーネス)と、遊技機外部(例えば遊技機設置島)に接続される配線1500(図23に示す外部接続アース)とが接続されるアース基板1000が設置されている。なお、アース基板1000の構成については後述する(図23〜図25参照)。
この実施の形態では、前面枠2a(遊技枠11)に対して前面側にガラス扉枠2が回動可能に取り付けられている。また、前面枠2aに対して裏面側に機構板105が回動可能に取り付けられている。この実施の形態では、ガラス扉枠2または機構板105の少なくとも一方が前面枠2aに対して開放されると、ドア開放スイッチ(1)154は、ドア開放状態を検出してドア開放1信号を出力する。
なお、具体的には、ドア開放スイッチ(1)154は、スプリング付きの棒状の部材が前面枠2aを貫通するような態様で取り付けられている。そして、機構板105に設けられた検出スイッチ154により棒状の部材が検出されている場合には、ドアが開放していない状態の信号が出力される状態となる。この場合、ガラス扉枠2および機構板105がともに閉じられた状態であれば、その棒状の部材がガラス扉枠2によって前方から押圧され前面枠2a後方に突出した状態となり、検出スイッチ154がドアの開放を検出していない状態となる。ガラス扉枠2が開放されれば、スプリングの弾力によって棒状の部材が前面枠2aの前面側に飛び出し、検出スイッチ154が棒状の部材により押圧されていない状態となるため、ドア(ガラス扉枠2または機構板105のいずれかまたは両方)が開放していることを検出した信号が出力される状態となる。また、機構板105が開放されれば、スプリングの弾力によって棒状の部材が前面枠2aの裏面側に飛び出している状態であるが、検出スイッチ154が棒状の部材により押圧されていない状態となるため、ドア(ガラス扉枠2または機構板105のいずれかまたは両方)が開放していることを検出した信号が出力される状態となる。
また、外枠200に対して遊技枠11が回動可能に取り付けられている。そして、この実施の形態では、図8および図9に示すように、機構板105の右側方(この実施の形態ではカーブ樋700の横)には、外枠200に対して遊技枠11自体が開放されたことを検出するためのドア開放スイッチ(2)155が取り付けられている。そして、遊技枠11が外枠200に対して開放されると、ドア開放スイッチ(2)155は、遊技枠11の開放状態を検出してドア開放2信号を出力する。なお、具体的には、ドア開放スイッチ(2)155は、機構板105に設けられ、遊技枠11が外枠200に対して開放されている場合には、遊技枠11の開放を検出したことを示す信号が出力される状態となる。また、遊技枠11が外枠200に対して開放されていない場合には、遊技枠11が開放されていない状態の信号が出力される状態となる。
図7〜図10に示すように、遊技機設置島から供給される球を貯留可能な遊技球貯留タンク38に貯留された遊技球は、タンクレール160を通り、2列(2条)に分かれたカーブ樋(遊技球通路ともいう)700を経てケースカバー731で覆われた球払出装置(払出ユニット)97に至る。球払出装置97の上方(カーブ樋700の経路上)には、通路内に球が存在するか否かを検出する遊技球検出手段としての球切れスイッチ197が設けられている。球切れスイッチ197が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ197は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、遊技球貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ(図示せず)もタンクレール160における上流部分(遊技球貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチが遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
図9に示すように、この実施の形態では、球切れスイッチ197がカーブ樋700の通路内における遊技球の存在を検出していないときに、操作者(例えば遊技機の設置者、遊技店の店員など)の操作に応じて球切れスイッチ197を強制的に遊技球を検出している状態に設定する強制スイッチ400が設けられている。なお、球切れスイッチ197および強制スイッチ400の構成については後述する(図11、図12、図15、図16参照)。
また、図8に示すように、球切れスイッチ197および強制スイッチ400は、球切れスイッチカバー197Aで覆われている(カバーされている)。球切れスイッチカバー197Aは、強制スイッチ400が誤って押されてしまうのを防止するために、球切れスイッチ197および強制スイッチ400の全体を覆うような形状となっている。操作者が強制スイッチ400を操作できるようにするために、また、球切れスイッチカバー197Aは、開閉可能(例えば開閉可能な蓋が取り付けられ、あるいは軸を介して回動可能に軸支され)、または着脱可能に構成されている。また、球切れスイッチカバー197Aは、例えばプラスチック材料で形成されている。なお、球切れスイッチカバー197Aは金属で形成されてもよく、また、カバー内を視認できるように透明な材料で形成されてもよい。また、球切れスイッチカバー197Aは、図8に示すような強制スイッチ400に対応する位置に開口部(孔)197Bが形成され、その開口部197Bを通して強制スイッチ400を押せるようになっている。なお、球切れスイッチカバー197Aを開放した位置で所定の位置に設けられた係止部(図示せず)と開口部197Bとが係合する構造になっていてもよい。また、球切れスイッチカバー197Aは、球切れスイッチカバー197Aが閉まった状態でない場合には遊技枠11が閉まらないような構造とされていてもよい。また、球切れスイッチカバー197Aは、球抜きレバー730が正常な位置(球抜きを行っていない状態の位置)でない場合は球切れスイッチカバー197Aが閉まらないような構造とされていてもよい。また、球切れスイッチカバー197Aは、球払出装置97(払出ユニット)のケースカバー731と一体形成されていても別々のカバーとして形成されていてもよい。
図8および図9に示すように、球切れスイッチ197の下方には、カーブ樋(遊技球通路)700内の遊技球を抜くための球抜きレバー730が設けられている。操作者が球抜きレバー730を所定方向に回転させると、球抜き弁720(図11参照)のロックが解除されて、遊技球が流れる通路がカーブ樋(遊技球通路)700側から球抜き通路710側に切り替わり、カーブ樋700内の遊技球が球抜き通路710(図11参照)へ誘導され、球抜き通路710を通って外部に排出される。
カーブ樋700内における遊技球の球抜き作業は、例えば、遊技機(遊技台)の移動、遊技機のメンテナンス、遊技機の清掃作業、遊技機の廃棄などのときに必要となる。ここで、操作者がカーブ樋700内における遊技球を球抜きレバー730を操作して排出させたとしても、カーブ樋700内の遊技球は完全には排出されない。すなわち、図8等に示すように、カーブ樋700内の遊技球を外部に排出されるための球抜き通路710(図11参照)は、一般に球払出装置97の上方(上流側、つまり貯留タンク38側)に設けられており、操作者が球抜きレバー730を操作して球抜き通路よりも上方の遊技球を排出させたとしても、カーブ樋700における球抜き通路710から球払出装置97までの区間の遊技球が残ってしまう。なお、球払出装置97の下方(下流側)に球抜き通路710を設けていないのは、球抜きレバー730が球抜き通路710側に操作されているときに、球払出装置97による遊技球の払い出しが行われるといった不都合があるし、球払出装置97で遊技球が止められているので球抜きレバー730を操作しても簡単に遊技球を外部に排出させることができなくなるからである。
このように残った遊技球を排出させるために、入賞口に手で球を入れることで球払出装置97を駆動させて球を抜くことも考えられる。しかし、球切れスイッチ197は球抜き通路の真上に位置しているので、球抜きレバー730により球が抜かれた状態では、球切れスイッチ197が球切れを検出してしまい、球払出装置97の駆動が停止される。この場合、球切れか否かにかかわらず強制的に球払出装置97に球払出動作を実行させるための強制払出スイッチを設けることも考えられるが、このようなスイッチを設けた場合、強制払出スイッチが不正に操作されて不正な遊技球の払出が行われる可能性がある。また、球払出装置97のケースカバー731を外して球を掻き出したり、ドライバーなどを使って手動でカム(スプロケット)を回転させて球を球払出装置97から排出させることも考えられるが、操作者(作業者)の手間がかかってしまう。そこで、この実施の形態では、強制スイッチ400を設けることにより球抜き作業の効率化を図っている。すなわち、操作者が強制スイッチ400を押すことによって強制的に球切れスイッチ197を遊技球を検出している状態に設定し、その上で入賞口に遊技球を入賞させて球払出装置97を駆動させ遊技球の払出を実行させる。
入賞口への遊技球の入賞や球貸し要求の発生にもとづく遊技球の払出条件が成立すると、球払出装置97が遊技球の払出動作を行う。すなわち、球払出装置97の払出モータ289を回転させ、払出モータ289が回転することによりギアを介してカムが回転し遊技球を1個ずつ払い出す。払出制御では、指定された払出個数に対応する払出モータの回転数をモータ位置センサ(図示せず)により検出し、払出個数カウントスイッチ301により払い出された個数を検出すると、払出モータの回転を停止させる。
球払出装置97によって払い出された遊技球は、誘導樋430を通って打球供給皿(上皿)3に導かれる。遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ48(図9参照)を押圧して、満タンスイッチ48がオンする。その状態では、球払出装置97内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。尚、満タンスイッチ48がオンした状態において、球払出装置97の動作および打球発射装置の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
次に、球切れスイッチ197の球切れ検出動作について説明する。図11は、球切れスイッチの内部構造を示す断面図である。図12は、複数方向から見た球切れスイッチの外観構造を示す側面図である。なお、図11において、左図は遊技球ありの状態を示し、右図は遊技球なしの状態を示している。
図11および図12に示すように、球切れスイッチ197は2列(2条)のカーブ樋700を囲うように配置されている。球切れスイッチ197の本体197aは、2列のカーブ樋700と接触した状態で固定されており(つまり、遊技球通路700内に配置されており)、また、球切れスイッチ197の本体197aにおける2列のカーブ樋700との接触位置は、縦方向にくり貫かれている(つまり、2つの開口部197hが形成されている)。そして、本体197aの側面から2つの球検知片197kが2列のカーブ樋700の下方内側に向かって突出している。2つの球検知片197kは、それぞれ、2列のカーブ樋700の内側に突出するようにバネなどの付勢手段(図示せず)によって付勢されている。従って、図11の右図に示す遊技球なしの状態では、球検知片197kはカーブ樋700の内側の方向に突出しているが、図11の左図に示す遊技球ありの状態では、球検知片197kは遊技球に押されて球切れスイッチ197の本体197aの方向に押し込まれている。球検知片197kが突出しているときは、球切れスイッチ197の本体197a内部のスイッチがオープン(オフ)の状態であり、球検知片197kが遊技球によって押し込まれているときは、球切れスイッチ197の本体197a内部のスイッチがクローズ(オフ)の状態となる。
球切れスイッチ197には、図12に示すように、払出制御基板37の入力ポート(図14に示す入力ポート372e)と接続される信号線を接続するための信号出力端子401が設けられている。球切れスイッチ197の本体197a内部のスイッチがクローズ(オン)の状態のとき、カーブ樋700内に遊技球が存在することを示す信号が、信号出力端子401に接続された信号線を介して払出制御基板37の入力ポートに入力され、その入力ポートから払出制御用CPU371に入力される。一方、球切れスイッチ197の本体197a内部のスイッチがオープン(オフ)の状態のとき、カーブ樋700内に遊技球が存在しないことを示す信号(球切れ信号)が、信号出力端子401に接続された信号線を介して払出制御基板37の入力ポートに入力され、その入力ポートから払出制御用CPU371に入力される。なお、この実施の形態では、払出制御用CPU371に球切れスイッチ197からの球切れ信号が入力されると、払出モータの回転を停止させる(払出処理を停止させる)制御が実行される。
また、図11および図12に示すように、球切れスイッチ197には、球切れスイッチ197がカーブ樋700の通路内における遊技球の存在を検出していないときに、操作者の操作に応じて球切れスイッチ197を強制的に遊技球を検出している状態に設定する強制スイッチ400が設けられている。
なお、球切れスイッチ197(および強制スイッチ400)の内部構成(内部回路)については後述する(図15および図16参照)。
なお、図11には、球抜きレバー730の操作に応じて遊技球の流れる通路を切り替える機構についても示されている。図11に示す構成において、操作者が球抜きレバー730を所定方向に回転させると、球抜きレバー730と連結された軸715が図示右方向に移動する。そして、軸715の移動に伴って球抜き弁720のロックが解除されて、遊技球が流れる通路がカーブ樋(遊技球通路)700側(球払出装置97に遊技球を導く通路側)から球抜き通路710側に切り替わり、球抜き弁720が図示右側の位置で固定される。このようにして、カーブ樋700内の遊技球が球抜き通路710へ誘導され、球抜き通路710を通って外部に排出される。
図13は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図13には、球払出装置97を制御して遊技球を払い出す制御を行う払出制御手段が搭載された払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56、I/Oポート部57、およびパラレルデータをシリアルデータに変換して出力するシリアル出力回路を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が接続されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数値を抽出するための条件が成立すると、乱数回路503から乱数値を読み出す。乱数回路503は、所定周波数のクロック信号を計数するカウンタであり、カウンタのカウント値が乱数値になる。乱数回路503に供給されている所定周波数のクロック信号は、監視回路(ウォッチドッグタイマ(WDT))504のクリア端子に入力されている。監視回路504は、クリア端子に入力されるクロック信号の周波数よりも高い周波数のクロック信号を計数するカウンタであるが、クリア端子に入力されるクロック信号が例えばハイレベルになるとカウント値がリセットされる。よって、クリア端子に入力されるクロック信号が何らかの理由で停止した場合には、監視回路504はカウントアップする。監視回路504がカウントアップしたということは、乱数回路503にクロック信号が供給されていないことを示す。監視回路504は、カウントアップすると、乱数回路503が正常に動作していないことを示す乱数エラー信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄の保留記憶数を表示する特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄の保留記憶数を表示する普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
また、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、情報端子盤(盤用外部端子基板)34を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。情報端子盤34は、遊技機の裏面に設置されている。情報端子盤34は主基板31のみと接続されている(図9参照)。
また、主基板31には、バックアップ電源(例えばバッテリ。コンデンサでもよい)505を含むバックアップ電源回路506が搭載されており、遊技機1への電力供給が停止されたときであっても、ドア開放スイッチ(1)154およびドア開放スイッチ(2)155にはバックアップ電源505からの電圧が加えられる。なお、バックアップ電源505をRAM55に供給するバックアップ電源と共通化してもよい。そのように共通化することによって、バックアップ電源のコストを削減することができる。また、ドア開放スイッチ(1)154からのドア開放1信号およびドア開放スイッチ(2)155からのドア開放2信号は、それぞれ2つに分岐され、バックアップ電源506を経由して情報端子盤34に入力され、また遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
なお、ドア開放スイッチ(1)154からのドア開放1信号およびドア開放スイッチ(2)155からのドア開放2信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560には入力させずに、情報端子盤34にのみ入力するようにしてもよい。
この実施の形態では、ドア開放スイッチ(1)154からのドア開放1信号およびドア開放スイッチ(2)155からのドア開放2信号の信号線が、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に物理的に接続されているので、遊技機への電力供給が停止された場合であっても、ドア開放スイッチ(1)154からのドア開放1信号およびドア開放スイッチ(2)155からのドア開放2信号が情報端子盤34に供給される。また、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505からの電力が情報端子盤34に供給されるので、遊技機への電力供給が停止された場合であっても、情報端子盤34は、バックアップ電源回路506を経由してドア開放1信号およびドア開放2信号を外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に出力することができる。
なお、この実施の形態において、RAM55用のバックアップ電源は、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505とは別に設けられる。この実施の形態では、そのようにバックアップ電源を別々に設けることによって、ドア開放の検出状態によりRAM55が記憶する情報が破損してしまう事態を防止している。
また、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアル信号方式(シリアル通信方式:データを一つの信号線で送出する方式)で受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられているセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ281a〜281l、左枠ランプ282a〜282eと左賞球ランプ51a、および右枠ランプ283a〜283eと右賞球ランプ51bの表示制御を行い、スピーカ27からの音出力の制御を行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、演出制御手段が出力する各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51bを表示制御するためのパラレルデータの制御信号をシリアルデータに変換するシリアル出力回路353が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路354が搭載されている。従って、演出制御手段は、シリアル出力回路353を介して制御信号をシリアル信号方式で出力することによって、各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51bの表示制御(具体的には、発光制御すなわち点灯制御(点滅制御))を行う。
また、遊技盤側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板601が設けられている。盤側IC基板601は、中継基板606を介して演出制御基板80と接続される。また、遊技枠11側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板602,603,604,605が設けられている。各枠側IC基板602,603,604,605は、中継基板606,607を介して演出制御基板80と接続される。
なお、演出制御基板80、中継基板606および中継基板607は、バス型の1系統の配線ルートで接続される。
図14は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図14に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ(電気的に駆動される電気部品の制御を行う電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)370が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAMが内蔵されている。払出制御用CPU371、RAM(図示せず)、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用CPU371、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されていてもよい。
球切れスイッチ187の検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。満タンスイッチ48の検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。払出個数カウントスイッチ301の検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。払出個数カウントスイッチ301は、入賞にもとづいて払い出される遊技球およびカードユニット50からの球貸し要求にもとづいて払い出される遊技球をそれぞれ検出し、検出信号を出力するスイッチである。また、払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出モータ289は、球払出装置97に設けられ、回転することによって、遊技機の裏面において貯留されている払出用の遊技球を払い出す。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわち、いわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示していたり、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、球払出処理を停止する。さらに、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していると、打球発射装置からの球発射を停止させる。なお、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示していても、打球発射装置からの球発射を停止させないようにしてもよい。また、打球発射装置に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの信号線が接続されるように構成されている場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が打球発射装置からの球発射を停止させるようにしてもよい。
入賞口への遊技球の入賞があると、主基板31の出力回路67から、払出指令信号として、払い出すべき賞球個数を示す賞球個数信号(払出数データ)および賞球個数信号の取り込み(受信)を要求する賞球REQ信号(取込要求信号)が出力(送信)される。具体的には、オン状態になる。賞球個数信号は、4ビットのデータ(2進4桁のデータ)によって構成され、4本の信号線によって出力される。なお、信号のオン状態すなわち出力状態は、信号が有意である状態であり、オン状態になることは、信号を受ける側に対してその信号にもとづく何らかの処理を開始することを指令することを意味する。例えば、賞球個数を示す賞球個数信号および賞球REQ信号がオン状態になるということは、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、賞球個数信号が示す払出数を認識するように指令することを意味する。また、信号を出力することによってオン状態とし、信号出力を停止することによってオフ状態としてもよいが、オン状態にするときにはオン状態に応じた信号を出力し、オフ状態にするときにはオフ状態に応じた信号を出力することによって、オン状態とオフ状態とを切り替えてもよい。
賞球REQ信号および賞球個数信号は、入力回路373Aを介してI/Oポート372eに入力される。払出制御用マイクロコンピュータ370は、I/Oポート372eを介して賞球個数信号を入力すると、賞球個数信号が示す個数の遊技球を払い出すために球払出装置97を駆動する制御を行う。なお、賞球REQ信号および賞球個数信号は、払出数を指定する払出指令信号に相当する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図14では記載省略されている。
遊技機に隣接して設置されているカードユニット50には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63(図1において図示せず)が接続される。
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66(図23に示す遊技球等貸出装置接続端子板)が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図14に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払い出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
なお、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合でも本発明を適用できる。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187および払出個数カウントスイッチ301の検出信号に相当する信号を出力ポート372bおよび出力回路373Bを介して主基板31に出力する。しかし、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される満タンスイッチ48、球切れスイッチ187および払出個数カウントスイッチ301の検出信号を、払出制御基板37において分岐させ、分岐された検出信号を出力回路373Bを介して主基板31に出力するように構成してもよい。そのように構成した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187および払出個数カウントスイッチ301の検出信号に相当する信号を出力ポート372bから出力する必要はない。
図15は、球切れスイッチの回路構成を示す回路図である。図15に示す回路構成において、球切れスイッチ197内に設けられたスイッチSW1は、2つの球検知片197kのうちの一方の球検知片に対応するスイッチであり、スイッチSW2は、2つの球検知片197kのうちの他方の球検知片に対応するスイッチである。また、端子1,2は、図11および図12に示した信号出力端子401である。
図15に示すように、スイッチSW1,SW2のいずれもクローズ状態(オン状態)のときに端子1,2間が短絡され、信号出力端子401から遊技球を検出したことを示す信号が払出制御用マイクロコンピュータ370に出力される。一方、スイッチSW1,SW2うち、少なくともいずれか一方がオープン状態(オフ状態)のときは、端子1,2間は開放されたままであり、信号出力端子401から遊技球を検出していないことを示す信号(球切れ信号)が出力される。
また、図15に示す回路構成において、球切れスイッチ197内に設けられたスイッチSW3は、球切れスイッチ197がカーブ樋700の通路内における遊技球の存在を検出していないときに、操作者の操作に応じて球切れスイッチ197を強制的に遊技球を検出している状態に設定する強制スイッチ400である。図15に示すように、スイッチSW3(強制スイッチ400)はスイッチSW1,SW2と並列に接続されている。従って、スイッチSW1,SW2のいずれか一方または双方がオープン状態であったとしても、強制スイッチSW3がクローズ状態となると、端子1,2間は短絡され、信号出力端子401から遊技球を検出したことを示す信号が払出制御用マイクロコンピュータ370に出力される。これにより、強制スイッチ400が押されたことによって強制的に球切れスイッチ197が遊技球を検出している状態に設定されることになる。
図16は、強制スイッチに設けられた付勢手段(バネ)の構成を示す拡大図である。図16に示すように、操作者によって強制スイッチ400の一端面が押されると、強制スイッチ400の他端面に設けられたの接点403が球切れスイッチ197の内部に設けられた基板404の接点と接触し、スイッチSW3がクローズ状態(オン状態)となる。ここで、強制スイッチ400は、一端が球切れスイッチ197の内部に固定され他端が強制スイッチ400に固定されたバネ402(付勢手段)によって、球切れスイッチ197の本体197aからの突出方向(図16の右図の矢印の方向)に付勢されている。従って、操作者が強制スイッチ400を押しているときにだけ、両接点が接触してスイッチSW3がクローズ状態となり、操作者が強制スイッチ400から手を離すと、両接点も離れてスイッチSW3がオープン状態となる。
このように、強制スイッチ400は、操作者に押されていないときは付勢手段によってオープン状態(オフ状態)に維持されるので、操作者が誤って強制スイッチ400を押してしまったとしても、強制スイッチ400のクローズ状態(オン状態)が維持されない。従って、強制スイッチ400が誤って押されたことによりクローズ状態のまま遊技が開始され、その後に球切れが発生したにもかかわらず球払出処理が継続されてしまうという不具合を防止することができる。また、上述したように、強制スイッチ400を含む球切れスイッチ197が球切れスイッチカバー197A(図8参照)で覆われているので、操作者が誤って強制スイッチ400を押してしまうこと自体を防止することができる。
なお、強制スイッチ400は、遊技球検出手段(球切れ検出スイッチ197)が遊技球を検出していないときに、操作者の操作に応じて遊技球検出手段を強制的に遊技球が存在している状態に変化させるように、すなわち、遊技球検出手段が遊技球を検出していないときに、操作者の操作に応じて遊技球検出手段が遊技球を検出している状態に強制的に作用させるように構成されていれば、適宜変更可能である。例えば、強制スイッチ400は、一端が固定され他端が支点(支軸)を介して強制スイッチ400と接続されたバネ(付勢手段)によって、球切れスイッチ197の本体197aからの突出方向に付勢されていてもよい。
なお、上記の図16に示す例では、強制スイッチ400は、押しボタン式のスイッチであったが、このような構成に限られず、レバー式のスイッチ(レバーを引くと接点が接触するスイッチ)などであってもよい。つまり、第1位置と第2位置を往復可能な接触子を有し、第1位置で接触子が接点と接触してオンとなり、第2位置で接触子が接点と離れてオフとなる構成であればよい。また、付勢手段として、塑性変形領域の抗力により物理的な力をスイッチSW3が開放する方向に付与するバネを例としたが、このような構成に限られず、重力により力をスイッチSW3が開放する方向に付与する錘や、力を加えれば歪んでスイッチSW3が閉じ、力を加えなくすると元に戻ってスイッチSW3を開く弾性体などで構成されていてもよい。また、強制スイッチ400が取り付けられている球切れスイッチ197の本体197aの側面が変形可能なプラスチック材料で形成され、操作者が強制スイッチ400を押すと、プラスチックの本体197a自体が変形し、操作者が強制スイッチ400を押していないときは、プラスチックの本体197aがプラスチックの塑性変形領域での抗力で元の位置に戻るように構成されていてもよい。
図17は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図17に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、ランプドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、ランプドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、RAM(図示せず)、シリアル出力回路353、シリアル入力回路354、クロック信号出力部356および入力取込信号出力部357を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路102は、シリアル信号方式で受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に可変表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して可変表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、可変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図17には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU101は、シリアル出力回路353を介してランプ(実際にはLEDである場合もある。)を駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したランプを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板606に出力する。また、演出制御用CPU101は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部356は、クロック信号を中継基板606に出力する。クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615や入力IC620に供給される。また、クロック信号出力部356からのクロック信号は、中継基板606を介して盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619や入力IC621に供給される。従って、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619および各入力IC620,621に共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部357は、演出制御用CPU101の指示に従って、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601または枠側IC基板602〜605に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板605に搭載された入力IC620は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアル信号方式として中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。また、盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、演出制御用マイクロコンピュータ100からの入力取込信号を入力すると、各位置センサ151b,152b,153bの検出信号をラッチし、シリアル信号方式で中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
図18は、情報端子盤34の構成例を示すブロック図である。図18に示す例では、情報端子盤34には、ケーブル343およびコネクタ341を介して主基板31から信号が入力される。そして、ケーブル343を介して入力された信号は、ドライバ回路345、コネクタ347およびケーブル349を介して、例えばホールコンピュータに対して出力される。
従来は、主基板31からの信号を入力してホールコンピュータなどの外部装置に出力するための情報端子盤(盤用外部端子基板)と払出制御基板37からの信号を入力して外部装置に出力するための情報端子盤(枠用外部端子基板)とが別々に設けられていたり、または主基板31からの信号と払出制御基板37からの信号とを入力して外部装置に出力するための1つの情報端子盤(枠盤兼用外部端子基板)が設けられていた。これに対し、この実施の形態では、図18に示すように、主基板31のみと接続され、主基板31から入力した信号を外部装置に出力するための1つの情報端子盤(盤用外部端子基板)34だけが設けられている。そして、払出制御基板37からの信号は主基板31に入力され、主基板31から情報端子盤34に出力されるようにしている。このような構成によれば、主基板31と払出制御基板37とは予め接続されているため、作業者は情報端子盤34に対する配線を行うときに情報端子盤34と主基板31を接続するだけでよく、情報端子盤34に対する配線処理作業が容易化されることになる。
図19および図20は、遊技制御手段における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図19に示すように、出力ポート0は、払出制御基板37に送信される払出指令信号(賞球個数信号、賞球REQ信号)および電源確認信号の出力ポートである。賞球個数信号のハイレベル「1」がオン状態に対応し、電源確認信号のハイレベル「1」がオン状態(電力供給が行われている状態)に対応する。また、賞球REQ信号のローレベル「0」がオン状態(払出要求が行われている状態)に対応する。
出力ポート1から、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21および可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号が出力される。
図20に示すように、出力ポート2,3は、情報端子盤34(を介してホールコンピュータ)に出力される信号の出力ポートである。出力ポート2から、図柄確定回数信号、始動口1信号、始動口2信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、確率変動信号が出力される。なお、出力ポート2から出力される信号は、遊技制御処理の実行中に発生する制御情報の信号である。
また、出力ポート3から、賞球情報信号(賞球信号、払出情報ともいう。)が出力される。なお、出力ポート3から出力される信号は、払出制御基板37から主基板31に入力された信号である。
なお、出力ポート1〜3は、図13に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が出力されている」状態に相当する。
図21は、遊技制御手段における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図21に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第2始動口スイッチ14a、第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。
また、入力ポート1のビット0〜3には、それぞれ、払出制御基板37からの賞球カウント信号、満タン信号、球切れ信号、払出エラー信号が入力される。賞球カウント信号のハイレベル「1」がオン状態(払出個数カウントスイッチ301がオンした状態)に対応する。満タン信号のハイレベル「1」がオン状態(満タンスイッチ48がオンした状態)に対応する。球切れ信号のハイレベル「1」がオン状態(球切れスイッチ187がオンした状態)に対応する。払出エラー信号のハイレベル「1」がオン状態(払出エラーが生じた状態)に対応する。
また、入力ポート1のビット4,5には、それぞれ、ドア開放スイッチ(1)154からのドア開放1信号およびドア開放スイッチ(2)からのドア開放2信号が入力される。ドア開放1信号のハイレベル「1」は、ドア開放スイッチ(1)154がガラス扉枠2または機構板105の開放を検出していない状態(ドアが閉鎖している状態)に対応する。ドア開放2信号のハイレベル「1」は、ドア開放スイッチ(2)155が遊技枠11の開放を検出していない状態(ドアが閉鎖している状態)に対応する。
また、入力ポート1のビット6には、監視回路504からの乱数エラー信号が入力される。乱数エラー信号のローレベル「0」がオン状態(乱数エラーが生じた状態)に対応する。すなわち、監視回路504は、正常時には乱数エラー信号をハイレベルに維持しているが、異常時には乱数エラー信号をローレベルに変化させる。
入力ポート2のビット1には、電源基板からのクリアスイッチの検出信号(クリア信号)が入力される。クリアスイッチは遊技店員等が操作可能なスイッチであり、RAM55を初期化したいときに操作されるスイッチである。入力ポート2のビット2には、払出制御基板37からの賞球BUSY信号が入力される。賞球BUSY信号は、賞球払出が行われているときに出力される信号である。なお、入力ポート0〜2は、図13に示されたI/Oポート部57の一部である。また、信号がオン状態になっているときが、「信号が入力されている」状態に相当する。
なお、図19〜図21に示された「論理」と逆の論理を用いてもよい。例えば、1がオン状態である入力信号を0をオン状態である入力信号にしてもよい。なお、図19〜図21に示されたポート(出力ポート、入力ポート)は、一時にアクセス可能なポート、すなわち、同一割込みでアクセス可能なポートである。
図22は、情報端子盤の内部構成を示す回路図である。図22に示す情報端子盤34において、左側のコネクタCNは、図18に示した主基板31からの信号を伝達するケーブル343を接続するためのコネクタ341に相当し、右側のコネクタCN1〜CN9は、図18に示したホールコンピュータに対して信号を伝達するケーブル349を接続するためのコネクタ347に相当する。また、半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC9は、図18に示したドライバ回路345に相当する。
主基板31からのケーブル343がコネクタCNに接続されることにより、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から各種信号が情報端子盤34に入力される。具体的には、コネクタCNの端子「2」に始動口1信号が入力され、コネクタCNの端子「3」に始動口2信号が入力され、コネクタCNの端子「4」に図柄確定回数信号が入力され、コネクタCNの端子「5」に大当り1信号が入力され、コネクタCNの端子「6」に大当り2信号が入力され、コネクタCNの端子「7」に時短信号が入力され、コネクタCNの端子「8」に確率変動信号が入力され、コネクタCNの端子「9」に賞球信号が入力される。
図22に示すように、情報端子盤34では、コネクタCNの端子「1」に基準電位の信号線が接続され、その信号線が分岐して、各々の半導体リレーPC1〜PC8の入力端子「1」に接続されている。また、コネクタCNの端子「2」〜「9」に接続された信号線は、それぞれ、1KΩの抵抗R1〜R8を介して半導体リレーPC1〜PC8の入力端子「2」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC8の出力端子「4」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN8の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC1〜PC8の出力端子「3」に接続された信号線は、それぞれ、コネクタCN1〜CN8の端子「2」に接続されている。
一方、図22に示すように、ドア開放信号については、ドア開放スイッチ(1)154からの検出信号(ドア開放1信号)およびドア開放スイッチ(2)155からの検出信号(ドア開放2信号)が、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に入力される。そして、情報端子盤34に搭載された半導体リレー9に入力される。図22に示すように、半導体リレーPC9の入力端子「1」には、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して基準電位の信号線が接続されている。また、半導体リレーPC9の入力端子「2」には、主基板31のバックアップ電源回路506を経由してグランド線が接続されている。また、半導体リレーPC9の出力端子「4」に接続された信号線は、コネクタCN9の端子「1」に接続されている。また、半導体リレーPC9の出力端子「3」に接続された信号線は、コネクタCN9の端子「2」に接続されている。なお、この実施の形態では、主基板31のバックアップ電源回路506の基準電位の入力側に逆流防止用のダイオード506aが設けられていることによって、情報端子盤34に設けられている半導体リレーPC9以外の各回路や各回路素子に、バックアップ電源505からの電流が逆流して供給されることを防止している。
なお、この実施の形態では、「ドア開放スイッチ(1)154からのドア開放1信号およびドア開放スイッチ(2)155からのドア開放2信号が入力される」などの表現を用いているが、具体的には、図22の回路図に示すように、ドア開放スイッチ(1)154またはドア開放スイッチ(2)155のいずれか一方または両方がオン状態(通電状態)となると、ドア開放スイッチ(1)154またはドア開放スイッチ(2)155のいずれか一方または両方からの検出信号が主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に入力された状態となる。また、この実施の形態では、「ドア開放スイッチ(1)154からドア開放1信号が入力される」などの表現を用いているが、具体的には、ドア開放スイッチ(1)154に含まれる検出スイッチがドア(ガラス扉枠2や機構板105)の開放を検出してドア開放1信号を出力し、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して、ドア開放1信号が情報端子盤34や演出制御基板80に入力される。
半導体リレーPC1〜PC9では、入力端子に信号電流が流れると、入力側の発光素子(LED)が発光する。発光された光は、LEDと対向に設けられた光電素子(太陽電池)に透明シリコンを通って照射される。光を受けた光電素子は、光の量に応じて電圧に交換し、この電圧は制御回路を通って出力部のMOSFETゲートを充電する。光電素子より供給されるMOSFETゲート電圧が設定電圧値に達すると、MOSFETが導通状態になり、負荷をオンさせる。入力端子の信号電流が切れると、発光素子(LED)の発光が止まる。LEDの発光が止まると、光電素子の電圧が下がり、光電素子から供給される電圧が下がると制御回路により、MOSFETのゲート負荷を急速に放電させる。この制御回路によりMOSFETが非導通状態になり、負荷をオフさせる。
以上のような半導体リレーPC1〜PC8の動作により、入力側のコネクタCNから入力された信号が出力側のコネクタCN1〜CN8に伝達され、ホールコンピュータに対して出力される。具体的には、コネクタCN1から始動口1信号が出力され、コネクタCN2から始動口2信号が出力され、コネクタCN3から図柄確定回数信号が出力され、コネクタCN4から大当り1信号が出力され、コネクタCN5から大当り2信号が出力され、コネクタCN6から時短信号が出力され、コネクタCN7から確率変動信号が出力され、コネクタCN8から賞球信号が出力される。また、以上のような半導体リレーPC9の動作により、主基板31のバックアップ電源回路506を経由して入力されたドア開放1信号およびドア開放2信号が出力側のコネクタCN9に伝達され、ホールコンピュータに対して出力される。
上記のように、半導体リレーPC1〜PC9を情報端子盤34に設けたことにより、外部から遊技機内部への信号入力を防止することができ、その結果、不正行為を確実に防止することができる。なお、上記の例では、情報端子盤34に半導体リレーPC1〜PC9を設けていたが、半導体リレーPC1〜PC9ではなく、機械式のリレー等の他のリレー素子であってもよい。
また、この実施の形態では、ドア開放スイッチ(1)154からのドア開放1信号およびドア開放スイッチ(2)155からのドア開放2信号を主基板31のバックアップ電源回路506を経由して情報端子盤34に入力するので、遊技機の電源が切られている場合であっても、バックアップ電源回路506が搭載するバックアップ電源505の電源がドア開放スイッチ(1)154、ドア開放スイッチ(2)155および情報端子盤34の半導体リレーPC9に供給され、ドア開放1信号およびドア開放2信号が出力側のコネクタ9に伝達されて、ホールコンピュータに対して出力される。
また、この実施の形態では、ドア開放スイッチ(1)154およびドア開放スイッチ(2)155は、ドア(ガラス扉枠2や機構板105)や遊技枠11が開放されていないときにはオフ状態(非通電状態)であり、開放されているときには通電状態となってオン状態となる。そのため、ドアや遊技枠11が開放されていないときにオン状態であり開放されているときにオフ状態となるようにドア開放スイッチ(1)154およびドア開放スイッチ(2)155を構成する場合と比較して、消費電力を低減することができる。なお、ドア開放スイッチ(1)154およびドア開放スイッチ(2)155として、ドア(ガラス扉枠2や機構板105)や遊技枠11が開放されていないときにはオン状態(通電状態)であり、開放されているときには非通電状態となってオフ状態となるものを用いてもよい。
次に、遊技機およびカードユニット50におけるアース配線接続について説明する。
図23は、アース基板、カードユニット側の基板および遊技機側の一部の基板についての配線状態を示す回路図である。また、図24は、アース基板内の構成を示すブロック図である。図23および図24に示すように、アース基板1000には、遊技機外部(例えば遊技機設置島)に接続され接地される1本の外部接続アースを接続するためのコネクタCN1と、遊技機本体に接続される1本のFGハーネスを接続するためのコネクタCN2と、遊技球等貸出装置接続端子板66(図13に示すインタフェース基板66と同じ基板である)に接続される2本のアース基板ハーネスを接続するためのコネクタCN3とが設けられている。そして、アース基板1000において、図24に示すように、コネクタCN1からの配線1001とコネクタCN2からの配線1002とが接続点で接続され、また、コネクタCN3からの2本の配線1003,1004が接続点で接続され、また、配線1001,1002の接続点と配線1003,1004の接続点とが配線1005で接続されている。
遊技機内では、遊技球が設置島から貯留タンク38、貯留タンク38からタンクレール160およびカーブ樋700を通って球払出装置97、球払出装置97から誘導樋430を通って打球供給皿(上皿)350、打球供給皿350から打球レールを通って遊技領域に至る過程において、遊技球同士、および遊技球と遊技機内の遊技球との接触部位とが接触して静電気を発生し得る。また、カードユニット50内においても、静電気が発生し得る。さらに、カードユニット50内において、漏電が発生する可能性もある。このような場合、静電気や漏電が遊技機内の制御部(マイクロコンピュータ等)やカードユニット50内の制御部の誤動作や故障につながってしまうので、図23および図24に示すように、外部接続アース、FGハーネスおよびアース基板ハーネスをそれぞれアース基板1000に接続することにより、遊技機本体およびカードユニット50のいずれも遊技機外部と接続して接地している。
ここで、アース基板1000において、外部接続アースとFGハーネスとが結線されるとともに、外部接続アースとアース基板ハーネスとが結線されているのは、遊技機の設置作業者に遊技機本体のアース配線接続を忘れずに行わせるようにするとともに、遊技機設置時の配線作業を軽減させるためである。
すなわち、従来は、アース基板が設けられておらず、カードユニット50(つまり、カードユニット50を他の基板と配線接続するための端子(コネクタ)を備えた遊技球等貸出装置接続端子板66)と遊技機本体とが2本のFGハーネスで結線され、そして、遊技機本体と遊技機外部とが外部接続アースで結線されていた。この場合、遊技機の設置作業者は、遊技機を設置する際に、カードユニット50と遊技機本体とを接続(配線)するとともに、遊技機本体と遊技機外部とを接続(配線)する必要がある。このため、カードユニット50と遊技機本体との配線接続、あるいは遊技機本体と遊技機外部との配線接続を忘れてしまうことが生じ得る。また、数多くの遊技機を設置する場合の配線作業も増加してしまう。
これに対し、図23および図24に示すように、この実施の形態では、アース基板1000を設け、遊技外部からの外部接続アースと、遊技機本体からのFGハーネスと、カードユニット50からのアース基板ハーネスとをアース基板1000に接続(配線)し、アース基板1000においてそれらの配線を結線するようにしているので、設置作業者は、アース基板1000と遊技機本体とをFGハーネスで接続(配線)するだけでよい。遊技機と違ってカードユニット50は頻繁に取り替えられる装置ではなく予め設置(固定)されているので、カードユニット50とアース基板1000とは既に接続(配線)されている状態だからである。したがって、遊技機の設置作業者の配線作業の負担を軽減させることができるとともに、遊技機本体のアース配線接続を忘れずに行わせることができることになる。
なお、遊技機の機種を変更する場合は、一般に遊技盤6のみ交換される。この実施の形態では、アース基板1000と遊技機本体とを接続するアース線(FGハーネス)は、遊技機側において機構板105と接続される。仮に、アース線が遊技盤6と接続されるとすると、機種の交換の度にアース線を遊技盤6と接続しなければならず、設置作業者がアース線を接続するのを忘れてしまうおそれがあるが、アース線が機構板105と接続されているので、遊技機の機種の変更時にアース線を遊技機に接続する必要はない。
図24に示すように、アース基板1000において、コネクタCN2からの配線1002上にサージアブソーバ1100が配置されている。サージアブソーバ(サージプロテクタともいう)は、雷、スイッチング、静電気放電などによって発生するサージ、すなわち過渡的な過大電圧からの機器や設備の保護のために用いられる素子である。落雷による誘導雷サージ、スイッチやリレーの開閉により発生する開閉サージ、静電気サージなどは、いずれも機器の誤動作や内部部品または機器そのものの破壊の原因となる。このため、サージアブソーバを用いてサージ電圧を吸収、制限し、回路に影響を与えないようにしている。
サージアブソーバは、電圧依存性を持つ素子であり、通常の状態では高い抵抗を持っているが、印加電圧がある電圧を超えたときに抵抗を急激に低下させることによって電圧の制限を行う。この際の動作としては、電圧を一定の値に保つように働くクランピング・タイプと、電圧が所定の値を超えると急速に導通して素子の両端の電圧を大幅に低下させるスイッチング・タイプとがある。
クランピング・タイプの例としては、バリスタ(金属酸化物バリスタ)やツェナーダイオードなどがある。バリスタは電圧依存性抵抗素子であり、電圧が小さいときには高抵抗を示すが、ある規定電圧以上の電圧を加えると導通状態となり、大電流が流れる。また、スイッチングタイプの例としては、放電管類やサイリスタなどがある。ガス避雷管のような放電式(ギャップ式)のものは、ガラスやセラミックスの気密容器内に放電電極を対向させ、その間に空気または不活性ガス(例えば窒素ガス)を充填した構造である。通常の状態では開放状態であるが、サージ電圧が印加されると電極間にアーク放電が発生し、短絡状態となりサージ電圧を制限する。
アース基板1000において、遊技機本体側のコネクタCN2からの配線1002上にサージアブソーバ1100を配置しているのは、遊技機内の遊技球の帯電(静電気)にもとづくサージ電圧を吸収するためである。また、遊技機とカードユニット50を共通にアース基板1000においてアース接続するように構成すると、カードユニット50側からの漏電や静電気ノイズなどにもとづくサージ電圧(漏電の場合は100V、静電気の場合は数kV)が遊技機側に流入するおそれがあり、そのようなサージ電圧の遊技機側への流入を防止するためである。カードユニット50において漏電や静電気ノイズが発生すると、そのサージ電圧がアース基板ハーネスを介してアース基板1000に伝達される。このとき、アース基板1000上にサージアブソーバ1100が設けられていなければ、カードユニット50側からのサージ電圧が遊技機本体側に伝達されてしまうが、図23および図24に示すように、アース基板1000上にサージアブソーバ1100が設けられているので、サージアブソーバ1100でサージ電圧が吸収、制限される。
この実施の形態では、サージアブソーバ1100によってサージ電圧をじわっと放電させて吸収、制限する。上述したように、サージアブソーバには様々な種類が存在するが、目的に応じたサージアブソーバ1100の種類を選択する必要がある。すなわち、サージアブソーバの種類によって、電圧−電流特性、サージ耐量(電流耐量あるいはエネルギー耐量)、応答時間、静電容量、漏電電流などのパラメータ(特性)が異なり、これらのパラメータを考慮してサージアブソーバ1100を選択する必要がある。例えば、漏電にもとづくサージ電圧を吸収、制限することを目的とするサージアブソーバや、静電気ノイズにもとづくサージ電圧を吸収、制限することを目的とするサージアブソーバ、漏電および静電気ノイズにもとづくサージ電圧を吸収、制限することを目的とするサージアブソーバなどを適宜選択しアース基板1000上に配置する。サージアブソーバ1100として、クランピング・タイプのものであってもよいし、スイッチングタイプのものであってもよいし、また、複数のサージアブソーバを組み合わせて用いるようにしてもよい。
カードユニット50の漏電にもとづくサージ電圧を吸収、制限することを目的とする場合は、サージアブソーバ1100の作動開始電圧(特性(抵抗値)が変化する電圧)を、遊技機で用いられる電圧よりも高くカードユニット50で用いられる電圧よりも低くするのが好ましい。例えば、この実施の形態では、遊技機で用いられる電圧(マイクロコンピュータ560,370,100の動作電圧)はAC24Vであるのに対し、プリペイドカードユニット50で用いられる電圧はAC100Vである(なお、図23に示す構成では、払出制御基板37から遊技球等貸出装置接続端子板66を介してカードユニット50にAC24Vの電源電圧が供給されているが、それとは別に100Vの電源電圧も供給され、カードユニット50の基本動作電圧は100Vとなっている)。そして、この場合、サージアブソーバ1100の作動開始電圧が24Vから100Vの間の電圧になるようなサージアブソーバ1100を使用する。このような構成によれば、カードユニット50側からの漏電によるサージ電圧を遊技機側に確実に流入しないようにすることができる。なお、この実施の形態では、サージアブソーバ1100は、着脱自在で交換可能に構成されている。
図23の説明に戻ると、遊技球等貸出装置接続端子板66(図20に示すインタフェース基板66と同じ基板)は、カードユニット50を他の基板と配線接続するための端子(コネクタ)を備えた基板である。図23に示すように、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN1とアース基板1000のコネクタCN3とがアース基板ハーネスで接続され、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN2と払出制御基板37のコネクタCN7とが遊技球等貸出装置接続端子板ハーネスで接続され、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN3と残高表示基板(プリペイドカードの残高を表示する表示器(度数表示LED60)を搭載した基板)のコネクタCN1とが残高表示基板ハーネスで接続され、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN4とカードユニット50のコネクタ(図示せず)とが複数の信号線(ハーネス)で接続されている。
なお、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN4とカードユニット50のコネクタ(図示せず)との間で入出力される信号(つまり遊技機とカードユニット50との間で送受信される信号)としては、AC24V電源、PSI信号(接続確認信号)、SEGA信号〜SEGG信号(7セグメントA信号〜7セグメントG信号;表示データ信号という)、LG(DC+18V電源用グラウンド)、TDLO信号(球貸し可表示信号)、BRDY信号、EXS信号、PRDY信号、DG1信号〜DG3信号(1桁目7セグメントLEDコモン信号〜3桁目LEDコモン信号;ストローブ信号という)、VL(DC+18V電源)、TDS信号(球貸しスイッチ信号)、RES信号(返却スイッチ信号)、BRQ信号、FG(フレームグラウンド;アース)、AC24V電源となっている。なお、遊技球等貸出装置接続端子板66のコネクタCN4におけるコネクタ番号「24」の「FG」とカードユニット50のアース用端子とが配線接続される。
また、払出制御基板37のコネクタCN1と電源基板910のコネクタCN2とが払出制御基板電源ハーネスで接続され、払出制御基板37のコネクタCN2と主制御基板(主基板31)とが複数の信号線で接続され、払出制御基板37のコネクタCN3とプラ枠中継基板のコネクタCN3とがプラ枠中継基板ハーネスで接続され、払出制御基板37のコネクタCN4と払出中継基板のコネクタCN1とが払出中継基板ハーネスで接続され、払出制御基板37のコネクタCN5とサンパック中継基板のコネクタCN3とがサンパック中継基板ハーネスで接続され、払出制御基板37のコネクタCN6と検査装置とが複数の信号線(ハーネス)で接続されている。
また、プラ枠中継基板のコネクタCN1と満タンスイッチ48とが満タンスイッチハーネスで接続され、プラ枠中継基板のコネクタCN2と発射制御基板91AのコネクタCN2とが発射制御基板ハーネスで接続されている。また、発射制御基板91AのコネクタCN2と発射レバー(タッチセンサ)および単発発射スイッチとが単発発射スイッチハーネスで接続され、発射制御基板91AのコネクタCN3と発射モータとが発射モータハーネスで接続されている。また、サンパック中継基板のコネクタCN1と球切れスイッチ197とが球切れスイッチハーネスで接続され、サンパック中継基板のコネクタCN2とドア開放スイッチ1,2(ドア開放スイッチ(1)154、ドア開放スイッチ(2)155)とがドアスイッチハーネスで接続されている。
また、払出中継基板のコネクタCN2と払出個数カウントスイッチとが払出個数カウントスイッチハーネスで接続され、払出中継基板のコネクタCN3と払出センサ基板のコネクタCN1とが払出センサハーネスで接続され、払出中継基板のコネクタCN4と払出モータとが払出モータハーネスで接続されている。
また、電源基板910のコネクタCN1と電源(AV24V)とが電源コードで接続され、電源基板910のコネクタCN3と主制御基板(主基板31)とが主制御基板電源ハーネスで接続され、電源基板910のコネクタCN4と枠シリアル中継基板とが枠シリアル中継基板電源ハーネスで接続され、電源基板910のコネクタCN5と演出制御基板80とが演出制御基板電源ハーネスで接続されている。
図25は、機構盤に取り付けられている各部材を、打球レール、アース基板およびカードユニットとともに示す結線図である。図25に示す構成において、打球レール(発射レール440、外レール441および内レール442;図3参照)は、ステンレススチール製であり、かつ、発射レール440、外レール441および内レール442は、遊技が行われるときには電気的に導通している。なお、図25には示していないが、打球供給皿3の通路にもステンレススチール製のレールが配置され、かつ、発射レール440等と電気的に導通している。
誘導樋430は、球払出装置97から払い出された遊技球を、パチンコ遊技機1の前面に設けられている打球供給皿(上皿)3に誘導する部材である。誘導樋430は、カーボン樹脂で形成され、かつ、アース板431と接触している。発射レール440と誘導樋430とはヒンジ部を介して配線2008で接続されている。また、誘導樋430は、配線2007によって、機構板105の金具410に接続された受け金具411に接続されている。金具410および受け金具411はステンレススチール製である。従って、打球レールおよび誘導樋430の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
貯留タンク38は、カーボン樹脂で形成され、かつ、その一部にはアース板381が取り付けられている。貯留タンク38は、配線2005によって、機構板105の金具410に接続されている。よって、貯留タンク38の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
また、ケースカバー731は、ポリカーボネートで形成されている。そして、ステンレススチール製の押え金具732がケースカバー731に接している。さらに、押え金具732は、配線2006によって、機構板105の金具410に接続されている。よって、ケースカバー731の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
従って、発射装置から発射された遊技球の通路となる打球レール、払い出される遊技球の通路の主要部となる貯留タンク38、球払出装置97内の球通路および誘導樋430の電位は、機構板105の金具410の電位と同じである。
図25に示すように、金具410は、アース基板1000を介して遊技機外部(設置島)と接続されて接地されている。すなわち、配線2004(FGハーネス)によって金具410とアース基板1000とが接続され、配線2001(外部接続アース)によってアース基板1000と遊技機外部(設置島)とが接続されている。よって、打球レール、貯留タンク38、球払出装置97内の球通路、誘導樋430および機構板105の金具410の電位は接地レベルである。なお、上述したように、アース基板1000内における遊技機本体(機構板105の金具410)から遊技機外部に至る経路上にサージアブソーバ1100が設けられている。サージアブソーバ1100により遊技機内の遊技球の帯電にもとづく静電気をじわっと放電させて吸収することができる。
また、図25に示すように、カードユニット50は、インタフェース基板(遊技球等貸出装置接続端子板)66およびアース基板1000を介して遊技機外部と接続されて接地されている。すなわち、配線2002によってカードユニット50とインタフェース基板66とが接続され、配線2003(アース基板ハーネス)によってインタフェース基板66とアース基板1000とが接続され、配線2001(外部接続アース)によってアース基板1000と遊技機外部(設置島)とが接続されている。さらに、カードユニット50は、配線2002,2003とは別の配線2000(外部接続アース)によって遊技機外部の電源コンセントと接続されている。つまり、電源コンセントのコードに内蔵された配線2000でカードユニット50が接地されている。このように、カードユニット50を配線2002,2003,2001の経路とは別の配線2000の経路によって接地しているので、配線2002または2003でカードユニット50とアース基板1000とが接続されなかった場合(配線2002または2003が断線した場合も含む)でも、カードユニット50を接地することができる。また、配線2001でアース基板1000と遊技機外部とが接続されなかった場合(配線2001が断線した場合も含む)でも、カードユニット50を接地することができるとともに、遊技機本体も配線2004,2003,2002,2000の経路を通じて接地することができる。なお、図23〜図25に示した構成では、サージアブソーバ1100は、アース基板1000における配線1002上に配置されていたが、このような構成に限られず、遊技機本体からカードユニット50のアース線までの経路上(図25の配線2004上)であればいずれの場所に配置されていてもよい。
なお、図25に示す例では、金具410とアース基板1000とが配線2004で接続されていたが、金具410に代えて、貯留タンク38とアース基板1000とを配線2004で接続するようにしてもよい。この場合、貯留タンク38のカーボン樹脂の抵抗により、さらに急激な放電を回避することができるので、アース配線の接続として好ましい。
次に、電源基板110の構成について説明する。図26は、電源基板内の回路構成を示す回路図である。図26に示す構成において、電源基板910のコネクタCN1に電源電圧AC24Vが入力される。そして、図26に示すように、コネクタCN1の他方の端子(図23に示すコネクタCN1の「2」)にヒューズ911が直列に接続されている。また、コネクタCN1の両端子間にバリスタ912、コンデンサ913およびトランス916が順次接続されている。また、コンデンサ913の他方の端子側とトランス916の他方の端子側との間に2つのパワーサーミスタ914,915が並列に接続されている。
バリスタ912は、上述したように、通常の状態(一定の電圧以下のとき)では高抵抗であって電流を流さないが、一定の電圧以上の電圧がかかると急激に電流が流れ始める素子である。また、パワーサーミスタ914,915は、温度により抵抗値が変化する素子であり、温度が上がると抵抗が下がる。
従来は、バリスタ912、コンデンサ913およびパワーサーミスタ914,915からなる回路を設けずに、ヒューズ911だけを設けていた。しかし、コネクタCN1から入力される電圧が高すぎた場合(例えば誤ってAC100Vの電源を接続したなどの場合)に、ヒューズ911が焼き切れる前に電源基板910内の回路に過大な電流が流れてしまい、回路素子が壊れてしまうという問題があった。そこで、この実施の形態では、バリスタ912、コンデンサ913およびパワーサーミスタ914,915からなる回路を設け、コネクタCN1から入力される電圧が高すぎた場合にヒューズ911が確実に切れるようにしている。具体的には、パワーサーミスタ914,915は温度が上がらないと電流を流さないので、突然AC100Vの電源電圧が入力されても、パワーサーミスタ914,915が発熱しておらず電流がトランス916側に流れない。そして、電源電圧がある一定の電圧値になるとバリスタ912が導通して電流を流し始める。これにより、ヒューズ911が焼き切れてコネクタCN1からの電源電圧の入力が停止する。このような回路構成を備えたことにより、誤って100Vの電源がコネクタCN1に接続されてしまった場合(主として遊技機を設置するときの配線接続ミスが起こった場合のコールドスタート時)でも、確実に電源基板910の内部回路の素子に過大な電流が流れてしまうのを防止することができ、その結果、電源回路が破壊されてしまうのを防止することができる。
図26に示す電源基板910に搭載されている電源回路は、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。電源回路は、複数種類の電源電圧を得るために複数系統に分かれている。
まず、コネクタCN1からの交流電源(AC24V)はトランス916の入力側(一次側)に入力される。トランス916は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。トランス916およびブリッジ回路931からブリッジ全波整流回路が構成され、トランス916とブリッジ回路932から別系統のブリッジ全波整流回路が構成される。ブリッジ全波整流回路が動作すると、正の半サイクルでブリッジ回路931,932における対向する一対のダイオードが導通し、一方、負の半サイクルではブリッジ回路931,932における対向する他の一対のダイオードが導通する。これにより、電源の交流波形が全波整流の波形に変換される。
次いで、ブリッジ回路931の後段(下流側)には、3系統の回路941,942,943が設けられている。これらの回路941,942,943は、それぞれ、前段(上流側)に設けられた平滑コンデンサ(電解コンデンサ)等からなる平滑回路と、後段(下流側)に設けられた定電圧回路としてのスイッチングレギュレータとを備えている。平滑回路によりブリッジ全波整流回路の出力波形が平滑化され(脈動分の除去が行われ)、平滑化された波形がスイッチングレギュレータで一定電圧に安定化される。
回路941の手前で分岐された電圧(ブリッジ回路931の出力電圧)は、ヒューズ951を介してコネクタCN5のVSL端子(「2A」「2B」)に出力される。回路941からの出力電圧は、ヒューズ952を介してコネクタCN4のVDD端子(「2」)に出力される。回路942からの出力電圧は、ヒューズ953を介してコネクタCN5のVDD端子(「3A」「3B」)に出力される。回路943からの出力電圧は、ヒューズ954を介してコネクタCN4のVCC端子(「3」)およびコネクタCN5のVCC端子(「4A」「4B」)に出力される。
また、ブリッジ回路932の後段(下流側)には、2系統の回路944,945が設けられている。これらの回路944,945は、それぞれ、前段(上流側)に設けられた平滑コンデンサ(電解コンデンサ)等からなる平滑回路と、後段(下流側)に設けられた定電圧回路としてのスイッチングレギュレータとを備えている。平滑回路によりブリッジ全波整流回路の出力波形が平滑化され(脈動分の除去が行われ)、平滑化された波形がスイッチングレギュレータで一定電圧に安定化される。
ブリッジ回路932の手前で分岐された電圧(トランス916の出力電圧)は、そのままコネクタCN2のAC24V端子(「2」「3」)に出力される。回路944の手前で分岐された電圧(ブリッジ回路932の出力電圧)は、ヒューズ955を介してコネクタCN2のVSL端子(「5」)に出力され、またヒューズ956を介してコネクタCN3のVSL端子(「2A」「2B」)に出力される。回路944からの出力電圧は、ヒューズ957を介してコネクタCN2のVDD端子(「6」)に出力され、またヒューズ958を介してコネクタCN3のVDD端子(「3A」「3B」)に出力される。回路945からの出力電圧は、ヒューズ959を介してコネクタCN2のVCC端子(「7」)に出力され、またヒューズ960を介してコネクタCN3のVCC端子(「4A」「4B」)に出力される。
また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAM(遊技制御用マイクロコンピュータ560のRAM55)に記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ922は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。コンデンサ922の両端の出力電圧は、コネクタCN3のVBB端子(「5A」)に出力される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード923が挿入される。また、基準電位がコネクタCN4のGND端子(「1」「4」)、コネクタCN5のGND端子(「1A」「1B」「5A」「5B」)、コネクタCN2のGND端子(「1」「4」「8」)、コネクタCN3のGND端子(「1A」「1B」「6A」「6B」)に出力される。さらに、コネクタCN3にはクリアスイッチ921と接続される端子(「5B」)が設けられている。クリアスイッチ921が押されていない状態では、ハイレベルの信号を出力し、クリアスイッチ921が押された状態では、ローレベルの信号が出力される。
なお、図23に示したように、コネクタCN2は、払出制御基板37に電力を供給するためのコネクタであり、コネクタCN3は、主基板31に電力を供給するためのコネクタであり、コネクタCN4は、枠シリアル中継基板に電力を供給するためのコネクタであり、コネクタCN5は、演出制御基板80に電力を供給するためのコネクタである。
図27は、演出制御基板80、中継基板606,607、盤側IC基板601、枠側IC基板602,603,604,605の構成例を示すブロック図である。演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ100は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板606に出力する。また、入力IC620,621に入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板606に出力する。
中継基板606は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619に供給する。そして、各シリアル−パラレル変換IC616〜619は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各ランプ125a〜125f,126a〜126f,127a〜127cや、各可動部材のモータ151a〜151cに供給する。
また、中継基板607は、バス型の1系統の配線ルートで中継基板606と接続されている。各シリアル−パラレル変換IC616〜619に接続されるシリアルデータ線300およびクロック信号線301は、盤側IC基板601上でバス形式で接続されている。
また、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図27に示すように、IC616のIDは06であり、IC617のIDは07であり、IC618のIDは08であり、IC619のIDは09である。
また、盤側IC基板601には、遊技盤6上に設けられた各可動部材の位置センサの検出信号を入力する入力IC621が搭載されている。この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された入力IC621と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606を介して入力信号線302、クロック信号線301および入力取込信号線303が接続されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606を介して入力IC621に出力する。すると、入力IC621は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて各位置センサの検出信号をラッチし、中継基板606を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC621は、各位置センサからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図27に示すように、入力IC621の固有のIDは11である。
中継基板607に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、図27に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615に供給される。そして、各シリアル−パラレル変換IC611〜615は、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技枠11に設けられた各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51b,82a〜82d,83に供給する。
また、各シリアル−パラレル変換IC611〜614に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板602〜604上でバス形式で接続されている。この実施の形態では、図27に示すように、まず、枠側IC基板604のシリアル−パラレル変換IC614に入力され、シリアル−パラレル変換IC614から枠側IC基板602のシリアル−パラレル変換IC611およびシリアル−パラレル変換IC612の順に入力され、さらにシリアル−パラレル変換IC612から枠側IC基板603のシリアル−パラレル変換IC613に入力される。また、シリアル−パラレル変換IC615に接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板607から直接接続される。
また、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレル変換IC611〜615にはそれぞれ固有のIDがある。この実施の形態では、図27に示すように、IC611のIDは01であり、IC612のIDは02であり、IC613のIDは03であり、IC614のIDは04であり、IC615のIDは05である。
また、枠側IC基板605には、遊技枠11に設けられた操作ボタン81a〜81eの検出信号を入力する入力IC620が搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板605に搭載された入力IC620と演出制御用マイクロコンピュータ100とは、中継基板606,607を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板606,607を介して入力IC620に出力する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力IC621に入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力IC620に出力する。すると、入力IC620は、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいて操作ボタン81a〜81eからの検出信号をラッチし、中継基板606,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ100に出力する。この場合、入力IC620は、操作ボタン81a〜81eからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。なお、この実施の形態では、図27に示すように、入力IC620の固有のIDは10である。
盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板606,607がバス型で接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換IC611〜619がバス型またはデイジーチェーン型で接続されていることである。すなわち、1系統の配線を介して接続されるとは、信号出力側(この例では、演出制御基板80)から出力された信号が、各基板(例えば、中継基板606,607)または各IC(例えば、シリアル−パラレル変換IC611〜619)に、信号の流れの上流側から下流側に伝達されるように接続されていることである。また、各基板(例えば、中継基板606,607)および各IC(例えば、シリアル−パラレル変換IC611〜619)に対して、独立した複数系統のいずれかで信号が伝達される構成ではないことを意味する。なお、この実施の形態では、図27に示すように、各シリアル−パラレル変換IC611〜619はバス型で接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板601に搭載された各シリアル−パラレル変換IC616〜619と、各枠側IC基板602〜605に搭載された各シリアル−パラレルIC611〜615とが、中継基板606,607を介してコネクタ156a〜156h,157a〜157eを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行うことができ、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615および入力IC620,621に、演出制御用マイクロコンピュータ100から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換IC611〜619へのクロック信号の配線と入力IC620,621へのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御手段と盤側IC601基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板602〜605との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換IC611〜619には、あらかじめアドレスが付与されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。各シリアル−パラレル変換IC611〜619は、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各ランプに供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ各ランプへの供給は行わない。
図28および図29は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619に付与されるアドレスの例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめRAMまたはROMに設けられた所定のアドレス記憶領域に、図28および図29に示す各シリアル−パラレル変換IC611〜619のアドレスを記憶している。
この実施の形態では、図28および図29に示すように、各枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615において、IC611にはアドレス01が付与され、IC612にはアドレス02が付与され、IC613にはアドレス03が付与され、IC614にはアドレス04が付与され、IC615にはアドレス05が付与されている。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619において、IC616にはアドレス06が付与され、IC617にはアドレス07が付与され、IC618にはアドレス08が付与され、IC619にはアドレス09が付与されている。
なお、各シリアル−パラレル変換IC611〜619に、アドレスとしてICの固有のIDと同じものを付与してもよく、ICの固有のIDとは異なる数字や文字、記号を含むアドレス(具体的には、文字や記号を表すJISコード等の符号データをアドレスとして使用)を付与してもよい。
また、図28および図29に示すように、アドレスが01であるシリアル−パラレル変換IC611は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプ(この例では天枠ランプ281a〜281lのうちのLED6個(281a〜281f))に供給する。また、アドレスが02であるシリアル−パラレル変換IC612は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の天枠ランプ(この例では天枠ランプ281a〜281lの他のLED6個(281g〜281l))に供給する。また、アドレスが03であるシリアル−パラレル変換IC613は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の右枠ランプおよび右賞球ランプ(この例ではLED6個(283a〜283e,51b))に供給する。また、アドレスが04であるシリアル−パラレル変換IC614は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の左枠ランプおよび左賞球ランプ(この例ではLED6個(282a〜282e,51a))に供給する。
また、アドレスが05であるシリアル−パラレル変換IC615は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技枠11の打球供給皿3に設けられた皿ランプ(この例ではLED4個(82a〜82d))に供給するとともに、操作ボタン81a〜81eに設けられた操作ボタンランプ83(この例ではランプ1個)に供給する。
また、アドレスが06であるシリアル−パラレル変換IC616は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6に設けられた各可動部材(この例では、梁、トロッコおよび骸骨の形状を模した役物)を駆動するためのモータ(この例ではモータ3個(151a,152a,153a)のそれぞれ正方向と逆方向)に供給する。また、アドレスが07であるシリアル−パラレル変換IC617は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、遊技盤6中央に設けられた装飾用構造物(センター飾り)の各ランプ(この例ではLED6個(125a〜125f))に供給する。また、アドレスが08であるシリアル−パラレル変換IC618は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可変表示装置9の周囲に設けられた各ステージランプ(この例ではLED6個(126a〜126f))に供給する。また、アドレスが09であるシリアル−パラレル変換IC619は、シリアルデータをパラレルデータに変換し、可動部材(この例では骸骨153)周辺に設けられたランプ(この例ではLED3個(127a〜127c))に供給する。
図30は、各シリアル−パラレル変換IC611〜619の構成を示すブロック図である。図30に示すように、シリアル−パラレル変換IC611〜619は、データラッチ部651、シフトレジスタ652、ヘッダ/アドレス検出部653、データバッファ655およびシンクドライバ656を含む。
データラッチ部651は、例えばラッチ回路によって構成され、シリアルデータが入力されると、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで入力データを1ビット毎にラッチし、シフトレジスタ652に出力する。シフトレジスタ652は、データラッチ部651から1ビットずつ入力されたデータを順に格納する。また、シフトレジスタ652は、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、格納データを1ビットずつシフトする。そのように繰り返し格納データを1ビットずつシフトしていくことによって、最終的にシフトレジスタ652にシリアルデータとして(すなわち、シリアル信号方式で)入力したデータが格納されることになる。
図31は、演出制御用マイクロコンピュータ100から出力されるシリアルデータのフォーマットの例を示す説明図である。図31(A)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプを構成するLEDを個別に点灯または消灯させるためのランプ点灯データとして出力されるシリアルデータのデータフォーマットである。また、図31(B)は、遊技盤6や遊技枠11に設けられた各ランプを構成するLEDをリセットして全て消灯させるためのリセットコマンドとして出力されるシリアルデータのフォーマットである。
図31(A)に示すように、ランプ点灯データは、28ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのアドレス、8ビットのデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、この例では1FF(H)である。(H)は、16進数であることを示す。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(この例では論理値0)であり、ヘッダデータとアドレスとの間、およびアドレスとデータとの間にそれぞれ挿入される。アドレスは、データ出力先のシリアル−パラレル変換ICのアドレスである。なお、アドレスとして、各シリアル−パラレル変換IC611〜619の固有の通し番号であるIDを用いてもよい。
データ(8ビット)は、各ランプを構成するLEDの点灯状態を制御するためのものであり、例えば、点灯対象のランプを構成するLEDに対応するビットとして論理値1を含み、非点灯対象のランプを構成するLEDに対応するビットとして論理値0を含む。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、この例では論理値0である。
図31(B)に示すように、リセットコマンドは、19ビットで構成され、9ビットのヘッダデータ、マークビット(M)、8ビットのリセットデータおよびエンドビット(E)を含む。
ヘッダデータは、データの先頭を表すものであり、この例では1FF(H)である。マークビット(M)は、データの区切りを表すビット(この例では論理値0)であり、ヘッダデータとリセットデータとの間に挿入される。リセットデータは、各ランプを構成するLEDの点灯状態をリセットして全て消灯させるためのものであり、例えば、全て論路値1を含むデータである。エンドビット(E)は、データの終了を示すものであり、この例では論理値0である。
この実施の形態では、図31(A)に示すランプ点灯データまたは図31(B)に示すリセットコマンドが入力され、クロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、ビット単位で繰り返しシフトされてシフトレジスタ652に格納されることになる。
ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652の格納データからヘッダおよびアドレスを検出する。まず、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からのデータを常時検出し、検出したデータの内容がヘッダデータに相当する1FF(H)と一致するか否かを確認する。ヘッダデータ(1FF(H))と一致すれば、そのヘッダデータと一致した箇所をデータの先頭と判断し、シフトレジスタ652に1セットのランプ点灯データまたはリセットコマンドが格納されたと判断する。次いで、ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652からアドレスに相当する先頭から11ビット目〜18ビット目のデータを検出し、そのシリアル−パラレル変換ICにあらかじめ付与されたアドレスと一致するか否かを確認する。盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605には、例えば、それぞれ搭載するシリアル−パラレル変換ICのアドレスを格納したアドレス格納レジスタ654が設けられている。ヘッダ/アドレス検出部653は、シフトレジスタ652から検出したアドレスが、あらかじめアドレス格納レジスタ654に格納するアドレスと一致するか否かを確認すればよい。アドレスが一致すれば、ヘッダ/アドレス検出653は、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータを入力したと判定し、入力取込信号(ラッチ信号)をデータバッファ655に出力する。アドレスが一致しなければ、ヘッダ/アドレス検出653は、入力取込信号をデータバッファ655に出力しない。すなわち、この場合、そのシリアル−パラレル変換ICを宛先とするデータではないので、シフトレジスタ652に格納したデータをデータバッファ655に出力することなく、そのまま破棄する。
なお、図30には、盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜605にあらかじめアドレス格納レジスタ654が設けられている場合を示されているが、アドレス格納レジスタ654に代えて、シリアル−パラレル変換ICに設けられているアドレス端子(8端子(8ビットのアドレスの各ビットにそれぞれ対応する))を介して、外部のハードウェア回路(例えば、演出制御基板80が搭載する回路)からアドレスを入力するようにしてもよい。そして、外部のハードウェア回路側から、各アドレス端子の入力を「H」(ハイレベル)または「L」(ローレベル)に制御することによって、シリアル−パラレル変換ICにアドレスを入力してもよい。この場合、例えば、外部のハードウェア回路は、アドレスのいずれかのビットに対応する端子に電圧をかけることによってその端子に対する入力を「H」にし、またはグランドにスイッチングすることによってその端子に対する入力を「L」にするように制御する。
データバッファ655は、例えば、ラッチレジスタによって構成され、ヘッダ/アドレス検出部653から入力取込信号を入力すると、シフトレジスタ652からデータ部分に相当する先頭から20ビット目〜27ビット目のデータを取り込んでラッチする。そして、データバッファ655は、取り込んだデータをパラレルデータ(Q0〜Q7)として各ランプを構成するLEDに供給(すなわち、出力)することになる。
なお、シフトレジスタ652が格納したデータがリセットコマンドであった場合には、先頭から11ビット目〜18ビット目が全て論理値1のデータを格納することになる。この場合、データバッファ655は全ての論理値が1であるデータを取り込んだ場合にはリセットコマンドを入力したと判断し、全てのランプを構成するLEDがリセットされ消灯されることになる。
シンクドライバ656は、所定の論理反転設定信号にもとづいて、データバッファ655が出力するパラレルデータの論理値を反転して出力したり、そのまま出力したりする。例えば、所定の論理反転設定信号が「H」である場合には、データバッファ655が出力するパラレルデータのビット値が1である(すなわち、ランプ点灯データの対応するビット値が1)ときにオンになり、各ランプを構成するLEDにオン信号を出力する。この実施の形態では、あらかじめ論理反転設定信号の設定値が盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605に設けられたレジスタなどに設定されている。あらかじめ設定された設定値に従って各ランプを構成するLEDにオン信号が出力され、各ランプを構成するLEDが点灯するものとする。
図32は、シリアル−パラレル変換ICへのシリアルデータおよびクロック信号の入力タイミングと、パラレルデータの出力タイミングとの例を示すタイミング図である。なお、図32では、シリアル信号方式でランプ点灯データを入力する場合を説明する。図32に示すように、シリアルデータは、ヘッダデータ、マークビット、アドレス、マークビット、データ、エンドビットの順に、シリアル−パラレル変換ICのシフトレジスタ652に1ビット単位で入力される。そして、この一連のデータを1セットとする。1セットのシリアルデータ(この例ではランプ点灯データ)が全て入力され終わるまで、ヘッダ/アドレス検出部653ではヘッダデータが検出されないので、データバッファ655の出力は変化しない。そのため、シリアル−パラレル変換ICからは、前回受信したシリアルデータにもとづく点灯パターンがそのままパラレル信号方式(データを複数の信号線で一時に送出する方式)で出力されている。
1セットのシリアルデータが全て入力され終わると、シフトレジスタ652の格納データからデータ部分がデータバッファ655にラッチされ、新たに受信したシリアルデータにもとづく点灯パターンがパラレル信号方式で出力される。なお、この実施の形態では、図32に示すように、シリアル−パラレル変換ICが出力するパラレルデータのうち、Q0,Q4は、シリアルデータ入力完了後の次のクロック信号のパルスの立ち上がりのタイミングで、直ちに新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q1,Q5は、Q0,Q4より1クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。また、Q2,Q6は、Q0,Q4より2クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。さらに、Q3,Q7は、Q0,Q4より3クロック分遅れて新たな点灯パターンのデータに切り替わる。
次に、遊技機の動作について説明する。図33および図34は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(この実施の形態では、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14Aに移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、可変表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、停止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、停止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、可変表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、入力ポート1のビット0〜6(図21参照)のデータ(入力データ)を入力し(ステップS14A)、入力データを2バイト目に設定した入力ポートデータ指定コマンド(図39参照)を演出制御基板に送信する(ステップS14B)。なお、遊技機に対する電源供給が開始された直後に、乱数回路503に対してクロック信号が供給されていない異常が生じているときには、入力ポート1のビット6のデータは「0」になっている。また、CPU56は、入力データを、RAM55の領域である入力ポート1バッファに保存する(ステップS14C)。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14D)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムR(大当り判定用乱数)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、CPU56は、遊技機への電力供給開始時に入力ポート1のビット0〜6の入力データを入力ポートデータ指定コマンドとして演出制御基板に送信するが(ステップS14A〜14C)、ステップS14A〜14Cの処理を実行せず、第1回目のタイマ割込処理において、入力ポート1のビット0〜6の入力データのうちの乱数エラー信号のビットがオフ状態(乱数エラーでない状態すなわち正常状態)を示しているか否か確認し、オフ状態であれば入力ポートデータ指定コマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、電力供給が開始されて制御を行うことが可能になってから所定時間内に入力ポートデータ指定コマンドを受信できない場合に乱数エラーが生じたと判定する。そのような制御を行う場合には、CPU56が所定時間内に乱数エラーが生じたか否か確認する場合に比べて、制御負担が軽減する。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図35に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23A:異常入賞報知処理)。
また、CPU56は、入力ポート1のビット0〜6(図21参照)の入力データに変化が生じたときに、入力ポート1のビット0〜6の入力データを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する入力ポートデータ確認処理を実行する(ステップS23B)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)
(2)ランダム2:特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(4)ランダム4:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図35に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、可変表示装置9における飾り図柄の表示制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。なお、この実施の形態では、ステップS29において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを構成するMODEデータまたはEXTデータ(送信先のシリアル−パラレル変換IC611〜619のアドレスが付加されたMODEデータまたはEXTデータ)に、ヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。そして、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってシリアルデータに変換され、中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
さらに、CPU56は、例えばホールコンピュータに出力される信号(具体的には、出力ポート2,3から出力される図柄確定回数信号、始動口1信号、始動口2信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、確率変動信号、ドア開放(負)信号、ドア開放(正)信号、賞球情報信号)を出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御信号(払出指令信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、払出指令信号に応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
次に、大当り(15ラウンド大当り)と、突然確変大当りと、小当りの違いについて説明する。
特別図柄および飾り図柄の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になると、大当り遊技状態(確変大当りまたは非確変大当り(通常大当りともいう))に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、特別図柄および飾り図柄の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞装置が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。なお、突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が開放される期間が短く、特別可変入賞装置の開放中に10個の遊技球が入賞しないので、10個の遊技球が大入賞口に入賞するまでを1ラウンドと定義する必要はない。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、可変表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
また、特別図柄および飾り図柄の停止図柄が小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値(例えば出球獲得数)が小さい小当り遊技状態に移行する。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞装置が2回開放される遊技状態に移行する。このように、小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。
なお、この実施の形態では、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間(可変表示時間)が同じであることをいう。
次に、この実施の形態における遊技状態の種類および遊技状態の遷移について説明する。
確変状態(確率変動状態)とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が通常遊技状態および時短状態よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態のことをいう。
また、時短状態(時間短縮状態)とは、特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9における飾り図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態(確変時短状態を除く)よりも短縮される遊技状態のことをいう。このように可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に図柄の可変表示が実行され、単位時間当たりの大当りの発生確率が向上する結果、遊技者にとって有利な状態となる。また、時短状態では、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態および確変状態(確変時短状態を除く)より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態および確変状態(確変時短状態を除く)よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。また、時短状態では、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態(確変時短状態を除く)よりも短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が向上し、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数の一方または双方が高められ、普通図柄の可変表示時間が短縮された状態を高ベース状態といい、高ベース状態以外の通常の状態を低ベース状態という。
確変時短状態とは、確変状態でかつ時短状態である遊技状態のことをいう。確変時短状態は、遊技者にとってきわめて有利な状態である。
この実施の形態では、以下のように遊技状態が遷移する。
(1)通常遊技状態および時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変時短状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(2)確変状態および確変時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変時短状態に移行され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変時短状態が変化しないで維持される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(3)通常遊技状態および時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変状態に移行される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(4)確変状態および確変時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変状態が変化しないで継続され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変状態に移行される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。また、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(5)通常遊技状態および時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常遊技状態であったときは通常遊技状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
(6)確変状態および確変時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態および確変時短状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
(7)通常遊技状態および確変状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、通常遊技状態および確変状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(8)時短状態および確変時短状態のときに小当り図柄で小当りになり、その小当り遊技が終了すると、時短状態および確変時短状態が変化しないで継続される。なお、小当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
なお、以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
次に、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄の対応関係(両図柄のはずれ図柄、確変図柄、非確変図柄、突然確変図柄および小当り図柄)について説明する。
特別図柄表示器8にて可変表示される特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」〜「3」,「8」,「9」がはずれ図柄であり、「7」が確変図柄であり、「6」が非確変図柄であり、「5」が突然確変図柄であり、「4」が小当り図柄である。
また、可変表示装置9にて可変表示される左中右の飾り図柄は、それぞれ、「0」〜「9」である。ここで、飾り図柄のはずれ図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など:なお後述する突然確変図柄および小当り図柄を除く。)である。なお、左右の飾り図柄が同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の飾り図柄だけ揃っていない状態もはずれ図柄である。
飾り図柄の大当り図柄は、左中右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態の図柄である。具体的には、「000」,「111」,「222」,「333」,「444」,「555」,「666」,「777」,「888」,「999」である。このうち、奇数の飾り図柄で揃った状態の図柄(「111」,「333」,「555」,「777」,「999」)が確変図柄であり、偶数の飾り図柄で揃った状態の図柄(「000」,「222」,「444」,「666」,「888」)が非確変図柄である。
飾り図柄の突然確変図柄は、左中右の飾り図柄が連続した数字になった状態の図柄である。具体的には、「123」,「234」,「345」,「456」,「567」,「678」,「789」である。突然確変図柄も大当り図柄の一種であるが、確変状態に突然移行されたように見せるためには、突然確変図柄によって大当りの発生を容易に認識させないようにするのが望ましい。このため、上記のように、突然確変図柄を大当り図柄とは異なる図柄としている。なお、上記の図柄は突然確変図柄の一例であって、例えば「135」「357」のように左中右の飾り図柄の各々が異なる奇数の図柄となった場合を突然確変図柄としてもよい。
飾り図柄の小当り図柄は、左中右の飾り図柄が連続した数字になった状態の図柄である。すなわち、飾り図柄の突然確変図柄と同じ図柄(「123」,「234」,「345」,「456」,「567」,「678」,「789」)である。このように、飾り図柄の小当り図柄を突然確変図柄と同じ図柄としたことにより、遊技者が飾り図柄の停止図柄から突然確変大当りが発生したのか小当りが発生したのかを認識できないことになる。また、後述するように、突然確変大当り状態のときと小当り状態のときは同じ特別な演出が実行されるので、遊技者は演出の内容からも突然確変大当りが発生したのか小当りが発生したのかを認識できないことになる。よって、突然確変大当りまたは小当りの終了後に、遊技者による確変状態への移行に対する期待を持続させることができることとなる。なお、特別図柄に関しては、突然確変図柄が「5」で小当り図柄が「4」であり、異なる図柄である。
図36は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図36において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。
この例では、特別図柄の各変動パターンは、飾り図柄の停止図柄が「はずれ図柄」となる場合の変動パターン(はずれ専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「非確変図柄」または「確変図柄」となる場合の変動パターン(通常大当り/確変大当り兼用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「確変図柄」となる場合の変動パターン(確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が「非確変図柄」となる場合の変動パターン(通常大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が「突然確変図柄」となる場合の変動パターン(突然確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が「小当り図柄」となる場合の変動パターン(小当り専用の変動パターン)とに区別されている。
はずれ専用の変動パターンは、通常遊技状態のときのリーチを伴わない通常変動の変動パターンと、時短状態(確変時短状態を含む)のときのリーチを伴わない時短時通常変動の変動パターンと、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとに分けられている。
通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンは、ノーマルリーチを伴う変動パターンと、ロングリーチを伴う変動パターンと、スーパーリーチAを伴う変動パターンと、スーパーリーチBを伴う変動パターンと、スーパーリーチCを伴う変動パターンとに分けられている。
確変大当り専用の変動パターンは、スーパーリーチDを伴う変動パターンだけである。通常大当り専用の変動パターンは、スーパーリーチEを伴う変動パターンだけである。
突然確変大当り専用の変動パターンは、突然確変用の特別変動の変動パターンだけである。小当り専用の変動パターンは、小当り用の特別変動の変動パターンだけである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。この実施の形態では、演出制御コマンドは、シリアル出力回路78によってパラレルデータからシリアルデータに変換され、主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図37は、シリアル信号方式で送信される演出制御コマンドのフォーマットの例を示す説明図である。図37に示すように、演出制御コマンドを送信する際、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、まず、MODEデータ(アドレスが付加されたMODEデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたMODEデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、EXTデータ(アドレスが付加されたEXTデータ)にヘッダデータやマークビット、エンドビットを付加して送信制御を行う。すると、シリアル出力回路78は、ヘッダデータやアドレス、マークビット、エンドビットが付加されたEXTデータをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。
図38および図39は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図38に示す例において、コマンド8000(H)〜800F(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800F(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、この実施の形態では、特別図柄の可変表示と飾り図柄の可変表示とは同期(可変表示開始時期および可変表示終了時期が同じ。)しているので、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を決定することは、特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定することも意味する。
コマンド8C00(H)〜8C06(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C00(H)〜8C06(H)を図柄情報指定コマンドという。
コマンド8C00(H)は、特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう。)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。
コマンド8C02(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され(つまり確変大当りと決定され)、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り1指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り2指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り3指定コマンド)である。
コマンド8C05(H)は、特別図柄の停止図柄が突然確変図柄と決定されたこと(つまり突然確変大当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド)である。コマンド8C06(H)は、特別図柄の停止図柄が小当り図柄と決定されたこと(つまり小当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(小当り指定コマンド)である。
ここで、「再抽選演出」とは、可変表示装置9において大当り図柄を停止表示させた後に大当り図柄を再抽選して導出表示するように見せかける演出のことをいう。具体的には、可変表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左中右の飾り図柄を同一の非確変図柄で停止表示し、その後に非確変図柄を再変動させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出である。再抽選演出としては、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合(非確変図柄を停止表示した後に確変図柄を導出表示する場合)と、非確変図柄から確変図柄に昇格させない場合(非確変図柄を停止表示した後に再び非確変図柄を導出表示する場合)とがあるが、この実施の形態では、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合のみ示している。従って、再抽選演出のことを「昇格演出」または「成り上がり演出」ということもある。
コマンド8F00(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド、図柄確定指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)〜9503(H)は、可変表示装置9における遊技状態に応じた背景表示を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。コマンド9500(H)は、可変表示装置9における通常遊技状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、可変表示装置9における確変状態(高確率状態)のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、可変表示装置9における時短状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンド9503(H)は、可変表示装置9におけるチャンスモード状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(チャンス状態背景指定コマンド)である。なお、チャンスモードは、突然確変大当りおよび小当りの終了後に確変状態への移行に対する期待を持たせる演出モードである。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
図39に示す例において、コマンドA000(H)〜A004(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA000(H)は、通常大当り(非確変大当り)が決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ3指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ4指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、突然確変大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ5指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)〜A305(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、通常大当り遊技の終了(大当り遊技の終了後に時短状態に移行する旨を表示すること)を指定する演出制御コマンド(エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選を実行すると決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、大当り遊技の終了後(エンディング演出中)の再抽選演出にて確変図柄に昇格させ、確変大当りになることを指定する演出制御コマンド(エンディング4指定コマンド)である。コマンドA305(H)は、突然確変大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング5指定コマンド)である。
コマンドA4XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」にはラウンド数が設定される。
コマンドA600(H)は、小当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(小当り用ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド)である。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
コマンドFFYY(H)は、入力ポート1の入力データを示す演出制御コマンド(入力ポートデータ指定コマンド)である。YYは、入力ポート1の入力データを示す。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図38および図39に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図38および図39に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、可変表示装置9に大当り中の入賞球数を表示する場合はカウントスイッチ23のカウント数を指定する演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
図40は、コマンドFFYY(H)(入力ポートデータ指定コマンド)のEXTデータ(YYの部分)の構成を示す説明図である。EXTデータのビット割り当ては、図21に示された入力ポート1のビット割り当てと同じである。すなわち、ビット6(D6)には、乱数エラー信号に対応する乱数エラー指定ビットが割り当てられている。ビット5(D5)には、ドア開放2信号に対応するドア開放2エラー指定ビットが割り当てられている。ビット4(D4)には、ドア開放1信号に対応するドア開放1エラー指定ビットが割り当てられている。ビット3(D3)には、払出エラー信号に対応する払出エラー指定ビットが割り当てられている。ビット2(D2)には、球切れエラー信号に対応する球切れエラー指定ビットが割り当てられている。ビット1(D1)には、満タンエラー信号に対応する満タンエラー指定ビットが割り当てられている。そして、ビット0(D0)には、賞球カウント信号に対応する賞球カウント指定ビットが割り当てられている。
なお、この実施の形態では、図39に示したように、大入賞口や第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことを指定する異常入賞報知指定コマンド(D000(H))を、入力ポートデータ指定コマンド(FFYY(H))とは別コマンドとしている。しかし、図40に示す例では、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータのビット7は未使用であるから、そのビットを、大入賞口等への異常入賞が生じたことを示す情報を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する場合に使用することができる。
図41および図42は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8や大入賞口を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS312)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS312のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS313)。ステップS313では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜ランダム3を抽出するとともに、ハードウェア乱数として乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。また、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS314)。なお、図41には示していないが、保留記憶数カウンタの値を1増やしたときは、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは始動入賞が発生したことにより始動入賞記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS315)、普通図柄プロセスフラグの値が3であるかどうかを確認する(ステップS316)。
ここで、普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、後述するように、普通図柄プロセス処理(ステップS28)における普通電動役物作動処理(図64)が実行され、可変入賞球装置(普通電動役物)15の開閉動作が行われていることを意味する。可変入賞球装置15の開閉動作が行われているときは(ステップS316のY)、第2始動入賞口14への入賞が発生し得るので、ステップS317〜S319の処理を実行する。一方、普通図柄プロセスフラグの値が3でないとき、つまり、可変入賞球装置15の開閉動作が行われていないときに、第2始動口スイッチ14aがオンしたということは、不正行為(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに可変入賞球装置15を開放させて遊技球を第2始動入賞口14に入賞させるような行為)にもとづく異常入賞が発生した可能性が高いことになる。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でないときは(ステップS316のN)、ステップS317〜S319の処理を実行せずに、第2始動入賞自体を無効にする。これにより、不正行為によって第2始動入賞口14への入賞を発生させたような場合であっても、その入賞にもとづいて大当りが発生するのを確実に防止することができる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図64に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンにもとづいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、高ベース状態のときのように可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
ステップS316で普通図柄プロセスフラグの値が3であると判定されたときは(ステップS316のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS317)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS317のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS318)。ステップS318においても、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜ランダム3を抽出するとともに、ハードウェア乱数として乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS319)。なお、このときも、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは始動入賞が発生したことにより始動入賞記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
その後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値0〜10)に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、大当りとするか否か(特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には、大当りフラグをセットし、大当りの種別(非確変大当り、確変大当り、突然確変大当りなど)を決定する。大当りとしない場合には、小当りとするか否かを決定する。小当りとする場合には、小当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(具体的には「1」)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(具体的には「2」)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド:図柄確定指定コマンドともいう)を演出制御基板80に送信する。特別図柄が停止表示される時間(図柄停止時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(具体的には「3」)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄変動中処理でセットされた図柄停止時間が経過すると、大当りフラグがセットされているかどうかを確認する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技を開始するまでの時間(大当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを示す合図の演出(ファンファーレ演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(具体的には「4」)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、小当りフラグがセットされているかどうかを確認する。小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄を停止表示してから小当り遊技を開始するまでの時間(小当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、小当り図柄を停止表示した後に小当り遊技における特別な演出(2ラウンド用演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(具体的には「8」)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態をステップS300に応じた値(具体的には「0」)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):大当り表示時間が経過したときに、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(具体的には「5」)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(具体的には「6」)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):インターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(具体的には「5」)に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに大当り終了処理の実行時間(大当り終了時間)を設定した後、内部状態をステップS307に応じた値(具体的には「7」)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態をステップS300に応じた値(具体的には「0」)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):小当り表示時間またはインターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに小当り開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(具体的には「9」)に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに小当り終了処理の実行時間(小当り終了時間)を設定した後、内部状態をステップS310に応じた値(具体的には「10」)に更新する。
小当り開放中処理(ステップS309):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。そして、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態をステップS308に応じた値(具体的には「8」)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):小当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態をステップS300に応じた値(具体的には「0」)に更新する。
図43〜図45は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値(具体的には「0」)となっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でも小当り中でもない場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態(通常遊技状態、確変状態、時短状態など)を確認し、遊技状態に応じた背景指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS55)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述するコマンドセット処理(図58)を実行する(ステップS56)。なお、現在の遊技状態が通常遊技状態であれば、通常状態背景指定コマンドを送信し、現在の遊技状態が確変時短状態であれば、確変状態背景指定コマンドを送信し、現在の遊技状態が時短状態であれば、時短状態背景指定コマンドを送信する。また、この実施の形態では、突然確変大当りや小当りの遊技の終了後にチャンスモードに移行したときは、チャンス状態背景指定コマンドを送信する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS57)、大当り判定処理モジュールを実行する(ステップS58)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。ここで、大当り判定では、遊技状態が確変状態(確変時短状態を含む)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルとを設けておく。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が確変状態(および確変時短状態)であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、高確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行い、遊技状態が通常遊技状態および時短状態であるときは、低確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行う。このような構成により、確変状態(および確変時短状態)のときの方が通常遊技状態および時短状態のときよりも大当りとなる確率が高くなる。
なお、現在の遊技状態が確変状態(確変時短状態も含む)であるか否かの確認は、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かにより行われる。
大当り判定モジュールで大当りとしないことに決定した場合には(ステップS59のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図44のステップS64の処理に移行する。
大当り判定モジュールで大当りとすることに決定した場合には(ステップS59のY)、大当りフラグをセットする(ステップS60)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当りの種別(通常大当り、再抽選演出を実行しない確変大当り、大当り遊技中に再抽選演出を実行する確変大当り、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行する確変大当り、突然確変大当り)を決定する処理を実行する(ステップS62)。
大当り種別の決定処理は、大当り種別決定テーブルを用いて行う。大当り種別決定テーブルには、大当りの種別ごとに所定数の大当り種別決定用乱数値が予め振り分けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS61で読み出した大当り種別決定用乱数値がどの範囲に属するかによって、大当り種別、すなわち、通常大当り、再抽選演出を実行しない確変大当り、確変大当り(大当り中昇格)、確変大当り(エンディング昇格)および突然確変大当りのいずれかを決定する。このように、大当り種別の決定処理によって、大当りを通常大当り、確変大当り、突然確変大当りにするかだけでなく、再抽選演出(昇格演出)を実行するかどうかと、再抽選演出をどのようなタイミングで実行するかについても決定されることになる。
図43には示していないが、大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定される。具体的には、通常大当り(非確変大当り)のときは非確変図柄「6」が決定され、確変大当りのときは確変図柄「7」が決定され、突然確変大当りのときは突然確変図柄「5」が決定されることになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62にて決定した大当り種別に応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストア(格納)し(ステップS63)、図45のステップS72の処理に移行する。
なお、ステップS63において、飾り図柄情報バッファに大当り種別に応じた飾り図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29、図57)が実行され、コマンドセット処理(図58)が実行される。これにより、大当り種別に応じた図柄情報指定コマンド(通常大当り指定コマンド、確変大当り1指定コマンド、確変大当り2指定コマンド、確変大当り3指定コマンド、突然確変大当り指定コマンド)が送信される。詳しい内容は後述する。
図44のステップS64において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS57で読み出した大当り判定用乱数の値にもとづいて小当りとするか否かを決定する小当り判定モジュールを実行する(ステップS64)。小当り判定モジュールは、あらかじめ決められている判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。
小当り判定モジュールで小当りとすることに決定した場合には(ステップS65のY)、小当りに応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストアし(ステップS66)、小当りフラグをセットする(ステップS67)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS68)。なお、図44には示していないが、小当りになると決定されたときは小当り図柄「4」が自動的に決定されることになる。
なお、ステップS66において、飾り図柄情報バッファに小当りに応じた飾り図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29、図57)が実行され、コマンドセット処理(図58)が実行される。これにより、小当りを指定する図柄情報指定コマンド(小当り指定コマンド)が送信される。詳しい内容は後述する。
小当り判定モジュールで小当りとしないことに決定した場合には(ステップS65のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出し(ステップS69)、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、特別図柄のはずれ図柄を決定する処理を実行する(ステップS70)。特別図柄のはずれ図柄として、「0」〜「3」,「8」,「9」のいずれかの図柄が決定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれに応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストアする(ステップS71)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS68)。
図45のステップS72において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62で決定した大当り種別が確変大当り(突然確変大当りを含む)であるかどうかを確認し、確変大当りでなかったときは(ステップS72のN)、大当りの種別を示すフラグのセットを行わずに、ステップS82の処理に移行する。
確変大当りであったときは(ステップS72のY)、確変大当りが発生することを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS73)。そして、確変大当りが突然確変大当りであるかどうかを確認する(ステップS74)。突然確変大当りであったときは(ステップS74のY)、突然確変大当りが発生することを示す突然確変フラグをセットし(ステップS75)、ステップS82の処理に移行する。
突然確変大当りでなかったときは(ステップS74のN)、再抽選演出が実行されるかどうかを確認する(ステップS76)。再抽選演出が実行されないときは(ステップS76のN)、ステップS82の処理に移行し、再抽選演出が実行されるときは(ステップS76のY)、再抽選演出が実行されることを示す再抽選実行フラグをセットして(ステップS77)、再抽選演出が大当り中に実行されるかどうかを確認する(ステップS78)。大当り中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS78のY)、大当り中に再抽選演出が実行されることを示す大当り中実行フラグをセットし(ステップS79)、ステップS82の処理に移行する。大当り中に実行されないときは(ステップS78のN)、再抽選演出がエンディング中に実行されるかどうかを確認する(ステップS80)。エンディング中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS80のY)、エンディング中に再抽選演出が実行されることを示すエンディング実行フラグをセットし(ステップS81)、ステップS82の処理に移行する。ステップS82では、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS82)。
図46は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。大当りフラグがセットされているときは(ステップS201のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS202)。突然確変フラグがセットされているときは(ステップS202のY)、突然確変大当りが発生することになるので、突然確変用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS203)。そして、ステップS207の処理に移行する。
突然確変用変動パターン決定テーブルには、予め図36に示した突然確変大当りのときに選択される変動パターン(「0EH」)のみ設定されている。
突然確変フラグがセットされていないときは(ステップS202のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS204A)。確変大当りフラグがセットされているときは(ステップS204AのY)、再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS204B)。再抽選実行フラグがセットされていないときは(ステップS204BのN)、確変大当りが発生することになるので、確変大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS205)。
確変大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図36に示した確変大当りのときに選択される変動パターン(「07H」〜「0CH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
再抽選実行フラグがセットされているときは(ステップS204BのY)、変動停止時に非確変図柄が揃って停止表示されて大当りが発生し、大当り遊技中あるいは大当り遊技後に確変大当りに昇格する(非確変図柄が確変図柄に昇格する)演出を実行することになるので、通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS206)。
ステップS204Aにおいて、確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS204AのN)、通常大当り(非確変大当り)が発生することになるので、通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS206)。
通常大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図36に示した通常大当りのときに選択される変動パターン(「07H」〜「0BH」,「0DH」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
ステップS207では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、突然確変用変動パターン決定テーブル、確変大当り用変動パターン決定テーブルまたは通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS207)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが次に可変表示される図柄の変動パターンと決定される。そして、ステップS213の処理に移行する。
ステップS201において、大当りフラグがセットされていないと判定されたときは(ステップS201のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS208)。小当りフラグがセットされているときは(ステップS208のY)、小当りが発生することになるので、小当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS209)。
小当り用変動パターン決定テーブルには、予め図36に示した小当りのときに選択される変動パターン(「0FH」)のみ設定されている。
小当りフラグがセットされていないときは(ステップS208のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS210)。時短フラグがセットされていないときは(ステップS210のN)、通常遊技状態のときに使用する通常時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS211)。
通常時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図36に示した通常遊技状態においてはずれのときに選択される変動パターン(「00H」,「02H」〜「06H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
一方、時短フラグがセットされているときは(ステップS210のY)、時短状態のときに使用する時短時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS212)。
時短時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図36に示した時短状態(確変時短状態も含む)においてはずれのときに選択される変動パターン(「01H」〜「06H」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上述したように、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、小当り用変動パターン決定テーブル、通常時はずれ用変動パターン決定テーブルまたは時短時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS207)。そして、ステップS213の処理に移行する。
なお、確変状態のときは、通常遊技状態のときと同様に、通常時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられ、確変時短状態のときは、時短状態のときと同様に、時短時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられて、変動パターンが決定される。
ステップS213では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS207において決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドデータを変動パターンバッファにストアする(ステップS213)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS214)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動コマンド送信テーブルのアドレスを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS215)。この処理が行われたことに応じて、飾り図柄コマンド制御処理(図35のステップS29、図57)において変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数監視処理を実行する(ステップS216)。
変動回数監視処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に時短状態(確変時短状態を除く)に移行された場合(時短フラグがセットされた場合)、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数を変動回数カウンタでカウントする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数カウンタのカウント値が時短状態を継続可能な所定の変動回数(例えば100回)を示す値となったかどうかを確認し、カウント値が所定の変動回数を示す値になったときに、時短フラグをリセットする。これにより、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定の変動回数になったときに時短状態から通常遊技状態に移行されることになる。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS217)。
図47は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS221)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)し(ステップS222)、タイムアップしていなければ(ステップS222のN)、そのまま処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS222のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS223)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄停止指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS224)、コマンドセット処理を実行する(ステップS225)。これによって、飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御が実行される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに特別図柄の停止図柄を停止表示させる図柄停止時間をセットし、タイマをスタートさせる(ステップS226)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄停止情報タイマに図柄確定回数出力時間をセットする(ステップS227)。特別図柄停止情報タイマは、後述する情報出力処理において図柄確定回数信号を出力する時間(図柄確定回数出力時間)を計測するタイマである。なお、図柄確定回数出力時間は500msとされている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS228)。
図48は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS231)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)する(ステップS232)。タイムアップしていなければ(ステップS232のN)、そのまま処理を終了する。
特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS232のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS233)。大当りフラグがセットされていれば(ステップS233のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(大当り表示時間)をセットする(ステップS234)。なお、大当り表示時間において、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)が実行される。
なお、15ラウンドの大当りのときと2ラウンドの大当りのときとで異なる大当り表示時間をセットするように構成されていてもよい。この場合、例えば、15ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が3秒で、2ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が5秒とされる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS235)、コマンドセット処理を実行する(ステップS236)。これによって、大当り種別に応じたファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。なお、大当り種別は、確変大当りフラグがセットされているか、突然確変フラグがセットされているか、再抽選実行フラグがセットされているか、大当り中実行フラグがセットされているか、エンディング実行フラグがセットされているかどうかにもとづいて確認することができる。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値(具体的には「4」)に更新する(ステップS237)。
なお、大当りフラグがセットされていて大当り遊技状態に移行する場合に、確変フラグや時短フラグがセットされているときは、それらのフラグをリセットする。大当り遊技中に高ベース状態にならないようにするためである。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS233のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS238)。小当りフラグがセットされていれば(ステップS238のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、小当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(小当り表示時間)をセットする(ステップS239)。なお、上述したように、飾り図柄の小当り図柄は突然確変図柄と同じ図柄である。また、小当り遊技が開始されると、突然確変大当りが開始されたときと同じ2ラウンド用演出が開始される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りのファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS240)、コマンドセット処理を実行する(ステップS241)。これによって、小当り用のファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に対応した値(具体的には「8」)に更新する(ステップS242)。
小当りフラグがセットされていなければ(ステップS238のN)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS243)。
図49は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS401)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS402)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるか2ラウンドであるかを判定する(ステップS403)。なお、確変大当りフラグがセットされていない場合および確変大当りフラグがセットされているが突然確変フラグがセットされていない場合は、15ラウンドの大当りであると判断することができ、確変大当りフラグおよび突然確変フラグがセットされている場合は、2ラウンドの大当りであると判断することができる。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS403のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS404)、コマンドセット処理を実行する(ステップS405)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値(大当り遊技における実際のラウンド数を示す値はラウンド数カウントの値に1加えた値である。ステップS410,S446,S457においても同様である。)を確認することにより認識する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉羽根20)を開放する制御を行うとともに(ステップS406)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS407)。
なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS406において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS32の出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートから出力回路59に出力される。出力回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
また、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(15ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS408)。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS414)。
ステップS403において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS403のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS409)、コマンドセット処理を実行する(ステップS410)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS411)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS412)。また、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(2ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS413)。なお、2ラウンド用のラウンド時間は短い時間であり、例えば5秒とされている。従って、2ラウンドの大当りでは、ラウンド中に大入賞口へ10個の遊技球(入賞可能な最大個数の遊技球)が入賞することはない。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS414)。
図50は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りであるか2ラウンドの大当りであるか)を確認する(ステップS422)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS422のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS423)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS423のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS424)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS424のN)、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS424のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS425)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS426)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS426のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS424のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS426のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉羽根20)を閉鎖する制御を行う(ステップS427)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS428)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS429)、コマンドセット処理を実行する(ステップS430)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(15ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS431)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS306)に応じた値(具体的には「6」)に更新する(ステップS432)。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
2ラウンドの大当りであれば(ステップS422のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認し(ステップS433)、大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS433のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップS433のY)、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉羽根20)を閉鎖する制御を行う(ステップS434)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド用の大入賞口開放後表示コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS435)、コマンドセット処理を実行する(ステップS436)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(2ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS437)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理(ステップS306)に応じた値(具体的には「6」)に更新する(ステップS432)。なお、2ラウンド用のインターバル時間は、15ラウンド用のインターバル時間と同じで、例えば5秒とされている。
図51および図52は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS441)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS442)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りか2ラウンドの大当りか)を判定する(ステップS443)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS443のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が15になっているかどうかを確認する(ステップS444)。ラウンド数カウンタの値が15になっていなければ(ステップS444のN)、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS445)、コマンドセット処理を実行する(ステップS446)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉羽根20)を開放する制御を行うとともに(ステップS447)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS448)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに15ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS449)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS450)。
ラウンド数カウンタの値が15になっていれば(ステップS444のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS451)、コマンドセット処理を実行する(ステップS452)。これによって、大当り種別に応じたエンディングコマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、大当り終了を遊技者に報知する大当り終了時間(エンディング演出の実行時間)をセットし(ステップS453)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値(具体的には「7」)に更新する(ステップS454)。
ステップS443において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS443のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(図52のステップS455)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS455のN)、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS456)、コマンドセット処理を実行する(ステップS457)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS458)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS459)。また、大入賞口制御タイマに2ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS460)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値(具体的には「5」)に更新する(ステップS461)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS455のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り用のエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS462)、コマンドセット処理を実行する(ステップS463)。これによって、突然確変大当り用のエンディングコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間をセットし(ステップS464)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値(具体的には「7」)に更新する(ステップS465)。
図53は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS471)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS472)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS472のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS472のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り後遊技状態設定処理を実行する(ステップS473)。
大当り後遊技状態設定処理では、大当り遊技終了後の遊技状態に応じた確変フラグ・時短フラグのセット・リセットの処理が実行される。具体的には、大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態に移行されるときは、時短フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行されるときは、確変フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変時短状態に移行されるときは、確変フラグおよび時短フラグをセットする。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをリセットし(ステップS474)、確変大当りフラグがセットされている場合は確変大当りフラグをリセットし(ステップS475)、突然確変フラグがセットされている場合は突然確変フラグをリセットし(ステップS476)、再抽選実行フラグがセットされている場合は再抽選実行フラグをリセットし(ステップS477)、大当り中実行フラグがセットされている場合は大当り中実行フラグをリセットする(ステップS478)。さらに、エンディング実行フラグがセットされている場合はエンディング実行フラグをリセットする(ステップS479)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値(具体的には「0」)に更新する(ステップS480)。
図54は、特別図柄プロセス処理における小当り開放前処理(ステップS308)を示すフローチャートである。小当り開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS501)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS502)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS502のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS502のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(ステップS503)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS503のN)、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉羽根20)を開放する制御を行うとともに(ステップS504)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS505)。
また、大入賞口制御タイマに、小当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(小当り用のラウンド時間)をセットする(ステップS506)。なお、小当り用のラウンド時間は、2ラウンド用のラウンド時間と同じ時間(例えば5秒)とされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放中処理(ステップS309)に対応した値(具体的には「9」)に更新する(ステップS507)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS503のY)、560は、大入賞口制御タイマに、小当り終了を遊技者に報知する小当り終了時間をセットし(ステップS508)、特別図柄プロセスフラグの値を小当り終了処理(ステップS310)に応じた値(具体的には「10」)に更新する(ステップS509)。
なお、小当り遊技中では、大入賞口開放中コマンドを送信するための制御は実行されない。
図55は、特別図柄プロセス処理における小当り開放中処理(ステップS309)を示すフローチャートである。小当り開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS511)。大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS512)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS512のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップS512のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉羽根20)を閉鎖する制御を行う(ステップS513)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの小当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(小当り用のインターバル時間)をセットし(ステップS514)、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開放前処理(ステップS308)に応じた値(具体的には「8」)に更新する(ステップS515)。なお、小当り用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
なお、小当り遊技中では、大入賞口開放後コマンドを送信するための制御は実行されない。
図56は、特別図柄プロセス処理における小当り終了処理(ステップS310)を示すフローチャートである。小当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS531)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS532)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS532のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS532のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、小当りフラグをリセットし(ステップS533)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値(具体的には「0」)に更新する(ステップS534)。
図57は、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)を示すフローチャートである。飾り図柄コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードする(ステップS552)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、変動パターンコマンドを送信するタイミングであれば、特別図柄プロセス処理(ステップS27)における変動パターン設定処理(ステップS301)のステップS215において、変動コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは変動コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが変動コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、変動パターンコマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
変動パターンコマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図58)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが変動コマンド送信テーブルのアドレスから図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、図柄情報指定コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図58)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスから始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、始動入賞記憶指定コマンドを送信する制御が実行される。なお、始動入賞記憶指定コマンドは、現在の始動入賞記憶数(保留記憶数)を指定(通知)する演出制御コマンドであるが、始動入賞記憶数は保留記憶カウンタの値で確認されて、その数が始動入賞記憶指定コマンドで指定される値として設定される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
この場合は、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図58)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されると、ポインタの指すアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスを示さないようになっている。従って、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンドの送信タイミングであるかどうかを判定するが(ステップS553)、ステップS553において、飾り図柄コマンドの送信タイミングでないと判定されることになる。
図58は、コマンドセット処理を示すフローチャートである。コマンドセット処理は、ステップS56,S225,S236,S241,S260,S266,S405,S410,S430,S436,S446,S452,S457,S463,S554,S1587において実行される。なお、ステップS13,S43においても、コマンド送信テーブルのアドレスがポインタにセットされコマンドセット処理が実行されることによって、コマンドの送信が行われる。
コマンドセット処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、コマンド送信テーブルのアドレスの指すコマンドデータ1をロードし(ステップS561)、コマンド送信処理を実行する(ステップS562)。
コマンド送信処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、送信コマンド(演出制御コマンド)をシリアル出力回路78に出力する。これにより、2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータが、シリアル出力回路78でパラレルデータからシリアルデータに変換された後に中継基板77を介して演出制御基板80に出力される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS563)。そして、コマンド送信テーブルのアドレスをスタック等に退避する(ステップS564)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビット(ビット7)をテストし(ステップS565)、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビットの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS566)。0でなければ(ステップS566のN)、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS567)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS568)。そして、そのアドレス(ポインタ)の指すエリアのデータ(コマンド拡張データ)をロードする(ステップS569)。
コマンド拡張データアドレステーブルには、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出されうるEXTデータ(2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のデータ)が順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照指定ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータがロードされ、ワークエリア参照指定ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのままロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信処理を実行する(ステップS570)。従って、送信コマンド(演出制御コマンド)がシリアル出力回路78に出力される。これにより、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータが、シリアル出力回路78でパラレルデータからシリアルデータに変換された後に中継基板77を介して演出制御基板80に出力される。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS571)、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS572)。なお、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されたときに、そのアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスであれば、上述したように、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行され、飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスでなければ、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行されない。
以上のようにして、2バイト構成の演出制御コマンドがシリアル出力回路78に出力され、シリアル出力回路78でパラレルデータからシリアルデータに変換されて演出制御用マイクロコンピュータ100に出力される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図59は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS112):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS100):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS101):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS102):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS103):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図60は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS121のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS122)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS125)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。例えば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変時短状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS126)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS127)。なお、この実施の形態では、図63に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS128)。
図61は、普通図柄変動処理(ステップS101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS131)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS131のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS135)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS131のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS132)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS133)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS134)。
図62は、普通図柄停止処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS141のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS141のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS125にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS143)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS125にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS143のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(ステップS145)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(ステップS145のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図63に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS146)。一方、低ベース状態であるときは(ステップS145のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図63に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS147)。図63に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS146またはS147で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS148)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS149)。
ステップS143において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS143のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS150)。
図64は、普通電動役物作動処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(ステップS161のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS164)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS164のN)、ステップS168の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS164のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS165)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS166のN)、つまり8以上である場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS167)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS161のY、S172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS168)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(ステップS169)。タイムアウトしていなければ(ステップS169のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS169のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS170)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS171)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のステップS168〜S171の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(ステップS161のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される制御信号について説明する。図65は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ370に対して送信される払出指令信号等の内容の一例を示す説明図である。
電源確認信号は、主基板31の立ち上がり時にハイレベル(オン状態)になり、電源断検出時にローレベル(オフ状態)になる信号である。賞球REQ信号は、賞球の払出要求時(賞球個数コマンドの送信時)にローレベル(オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。また、賞球REQ信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から賞球BUSY信号がオン状態になった後にオフ状態になると、ハイレベル(オフ状態)になる。4ビットの賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(1個〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
賞球BUSY信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370が賞球REQ信号のオン状態を確認するとハイレベル(オン状態)にされ、あらかじめ決められている所定期間後にオフ状態になる信号である。すなわち、賞球REQ信号に対する受付確認信号に相当する。従って、賞球BUSY信号がオフである状態は、賞球個数コマンド受信待ちの状態に相当する。払出エラー信号は、賞球払出のエラーが生じたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。球切れ信号は、球切れスイッチ187がオンしたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。満タン信号は、満タンスイッチ48がオンしたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。賞球カウント信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信される払出制御信号であり、払出個数カウントスイッチ301の検出信号に相当する信号である。ドア開放1信号は、ドア開放スイッチ(1)154がオンしたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。ドア開放2信号は、ドア開放スイッチ(2)155がオンしたときにハイレベル(オン状態)になる信号である。
なお、賞球REQ信号を、賞球の払出要求時(賞球個数コマンドの送信時)にローレベル(オン状態)になり、賞球の払出の完了受信時(賞球BUSY信号のオフ時)にハイレベル(オフ状態)になる信号とし、賞球BUSY信号を、賞球の払出の要求受信時(賞球REQ信号のオン時)にハイレベル(オン状態)になり、払出完了時にローレベル(オフ状態)になる信号としてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球の払出要求時に賞球REQ信号をオン状態にし、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号がオン状態になると、賞球BUSY信号をオン状態にするとともに賞球の払出制御を実行し、要求された個数の賞球払出が完了すると、賞球BUSY信号をオフ状態にし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球BUSY信号がオフ状態になると賞球REQ信号をオフ状態にするようにしてもよい。
図66は、図65に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図66には、払出に関する異常を示す信号(払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号)も、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して送信されることが示されている。また、図66には、ガラス扉枠2や機構板105が開放されたことを示す信号(ドア開放1信号)が、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されることが示されている。また、図66には、遊技枠11が開放されたことを示す信号(ドア開放2信号)が、主基板31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されることが示されている。また、図66には、主基板31に搭載されたバックアップ電源506からドア開放信号(少なくともドア開放1信号とドア開放2信号のいずれか一方がオンであることを示す信号)が情報端子盤34に出力されることも示されている。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して、賞球払出時の払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態を示す賞球カウント信号も送信される。図66に示すように、電源確認信号、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370によって出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
図67は、払出指令信号等の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図67に示すように、入賞検出スイッチ(第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことを入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数を総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると5個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号がオン状態になると、所定時間(賞球BUSY信号オン時間)だけ賞球BUSY信号のオン状態を継続し、所定時間が経過すると、賞球BUSY信号をオフ状態にする。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370において、球払出装置97を動作させることによって賞球払出の処理が実行される。具体的には、払出モータ289を賞球個数信号で指定された個数分回転させて、賞球個数信号で指定された個数の賞球の払出を行う。払出個数カウントスイッチ301が、賞球の払出を検出し、賞球が払出を検出する毎に検出信号を払出制御用マイクロコンピュータ370に出力する。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号を入力する毎に賞球カウント信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球BUSY信号がオフ状態に変化したことを確認すると所定時間(賞球REQ信号オフ待ち時間)の経過後に、賞球BUSY信号をオフ状態にする。そのとき、賞球個数信号の出力状態をクリアしてオフ状態にする。すなわち、賞球個数信号が0個を示す状態(無効コマンドを出力する状態)にする。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図68は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、上述したように、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、入力ポート0のビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図69は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、7つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図70は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS1201)と賞球制御処理(ステップS1202)とを実行する。そして、RAM55に形成されるポート0バッファの内容をポート0に出力する(ステップS1203)。なお、ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。
賞球個数加算処理では、図71に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図21参照)。
なお、図71に示す例では、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれに入賞したときも、賞球個数は5個とされているが、第1始動入賞口13に入賞したときと第2始動入賞口14に入賞したときとで、賞球個数を異ならせてもよい。例えば、第2始動入賞口14への入賞に対する賞球個数を、第1始動入賞口13への入賞に対する賞球個数よりも多くする。このような場合、時短状態のときのベースをさらに高くすることができる。
図72は、ステップS1201の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS356)。
ステップS355における演算結果が0でなければ(ステップS361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS362Aに移行する。ステップS355における演算結果が0であれば(ステップS361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS354に戻る(ステップS360)。
ステップS362Aでは、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS362AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS362B)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、特別図柄プロセス処理において、ステップS304の大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中または小当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。また、小当り遊技中は、小当り表示が開始されてから小当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
特別図柄プロセスフラグの値が4以上である場合には(ステップS362BのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態は、大当り遊技および小当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には(ステップS362BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合は(ステップS362AのN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(ステップS363A)。すなわち、ステップS361で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14aであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(ステップS363AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS363B)。普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、普通図柄プロセス処理において、ステップS103の普通電動役物作動処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合(ステップS363AのN)、および普通図柄プロセスフラグの値が3である場合(ステップS363BのY)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。そして、ステップS359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、可変入賞球装置15が動作しておらず、可変入賞球装置15を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出されたということは、第2始動入賞口14に異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合には(ステップS363BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS364,S365の処理をスキップする)。そして、ステップS359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理または小当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間、すなわち可変表示装置9において大当り終了表示または小当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(ステップS363B参照)、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図64に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンにもとづいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、高ベース状態のときのように可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に第2始動入賞口14に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせている。
具体的には、可変入賞球装置15が最後に閉鎖してから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまで(つまりステップS171で可変入賞球装置15が閉鎖してからステップS161のYとなるまで)の時間を、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定している。すなわち、ステップS170で普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間(例えば5秒)をセットし、ステップS171で普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間を閉鎖時間(例えば5秒)よりも短い時間(例えば3秒)になるように普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間(例えば3秒)は、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも十分長い時間である。このようにしておけば、可変入賞球装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞したことによって、異常入賞が発生したと誤検出してしまうのを防止することができる。
異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、上記の例では、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしていたが、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が3から0になった時点(例えば、図64のステップS172の直前あるいは直後)でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が3でないと判定されたときに(ステップS363BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、特別図柄プロセスフラグの値が7から0に又は10から0になった時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が4以上でないと判定されたときに(ステップS362BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにステップS364,S365の処理をスキップしてステップS359の処理に移行するようにする。
なお、ステップS362Bにおいて特別図柄プロセスフラグの値が4未満である場合(ステップS362BのN)やステップS363Bにおいて普通図柄プロセスフラグの値が3でない場合(ステップS363BのN)に、賞球払い出しを禁止する制御を行わないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞にもとづく賞球払い出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図73は、ステップS1202の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS1231〜S1234のいずれかの処理を実行する。
図74は、賞球プロセスコードの値が0の場合に実行される賞球待ち処理1(ステップS1231)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球待ち処理1において、賞球BUSY信号がオン状態になっていないか否か確認する(ステップS1241)。この段階では賞球BUSY信号はオン状態になっていないはずであるから、賞球BUSY信号がオン状態になっている場合には、賞球異常状態出力値(20(H))をポート0バッファにセットして処理を終了する(ステップS1242)。なお、賞球異常状態出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS1203(図70参照)においてポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号、電源確認信号および賞球個数信号の全てがオフ状態になる(図19参照)。
賞球BUSY信号がオフ状態であれば、賞球待機中出力値(30(H))をポート0バッファにセットする(ステップS1243)。なお、賞球待機中出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS1203においてポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオフ状態になり、電源確認信号のオン状態が維持される(図19参照)。また、賞球個数信号が無効コマンド(00(H))を出力する状態になる。次いで、賞球タイマが0であるか否か確認する(ステップS1244)。賞球タイマが0でなければ、賞球タイマの値を1減らして(ステップS1245)、処理を終了する。賞球タイマは賞球処理において必要となる時間を計測するためのタイマであるが、この段階で賞球タイマの値が0でないということは、前回の払出処理が完了した後、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に複数の賞球REQ信号をオン期間の間に間隔を設けるための時間、図67に示す00(H)の賞球個数信号が出力されている期間)が終了していないことを意味する。なお、賞球タイマは、後述する賞球待ち処理3のステップS1275でセットされる。また、ステップS1243〜S1245の処理は、ステップS1234の賞球待ち処理3の実行が完了して前回の払出処理が完了した後に、賞球REQ信号をオフ状態にするとともに、賞球個数信号として無効コマンド(00(H))を出力するための処理である。
賞球タイマの値が0であれば、次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS1247)。その値が0であれば処理を終了し、0でなければ、賞球プロセスコードの値を1にした後(ステップS1248)、処理を終了する。
図75は、賞球プロセスコードの値が1の場合に実行される賞球送信処理(ステップS1232)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球送信処理において、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS1251)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS1252)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS1253)。
その後、賞球REQ中出力値(10(H))をポート0バッファにセットする(ステップS1254)。なお、賞球REQ中出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS1203においてポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオン状態になり、電源確認信号のオン状態が維持される(図19参照)。また、賞球個数バッファの内容をポート0バッファの下位4ビットにセットする(ステップS1255)。その後、賞球プロセスコードの値を2にして(ステップS1256)、処理を終了する。
この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
図76は、賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される賞球待ち処理2(ステップS1233)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球待ち処理2において、賞球REQがオン状態になったことに応じて払出制御手段が出力する(オン状態にする)賞球BUSY信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS1261)。オン状態にならないときには、賞球タイマにBUSY開始判定時間値(例えば2)をセットする(ステップS1262)。BUSY開始判定時間値は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、その値が示す時間だけ賞球BUSY信号のオン状態が継続したら、確かに賞球BUSY信号が出力された(オンした)と確認するための値である。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球BUSY信号がオン状態になったら賞球タイマの値を確認し(ステップS1263)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS1264)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、確かに賞球BUSY信号がオンしたとして、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS1265)。そして、賞球プロセスコードの値を3にして(ステップS1266)、処理を終了する。
なお、図75に示した賞球送信処理および図76に示した賞球待ち処理2において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数信号を送信した後所定期間内に払出制御用マイクロコンピュータ370からの賞球BUSY信号を受信しなかったときには、遊技の進行を停止するための制御を行うように構成されていてもよい。具体的には、図75に示した賞球送信処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にした後に(ステップS1254)、賞球BUSYオン監視値を監視タイマ(ここで、監視タイマは、通信異常の発生を検出するためのタイマであり、賞球BUSYオン監視値は、払出制御手段および通信線が正常である場合に賞球BUSY信号がオン状態になるまでの時間に余裕を持たせた時間に相当する値である)にセットする。そして、図76に示した賞球待ち処理2において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球BUSY信号がオン状態になったか否かを確認し(ステップS1261)、オン状態にならないときには、監視タイマの値を1減算する。監視タイマの値が0になった場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御手段との間の通信の異常が発生したとして、具体的には、賞球BUSY信号がオン状態にならなかったとして、遊技の進行を停止するための制御を行う。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技の進行を停止する前に、現在の制御状態、例えば出力ポートの出力状態をRAM55に保存した後、出力ポートの出力状態をクリアする。そして、払出制御手段との間の通信の異常が解消されるまで遊技の進行を停止する。すなわち、新たな事象(遊技球の入賞等)が生じても、それに応じた処理を行わず、例えば新たに生じた事象を記憶しておく。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技の進行を停止する前に、可変表示装置9等を用いて通信異常の発生を報知するために通信エラー表示コマンドを演出制御基板80の演出制御手段に送信するように構成されていてもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通信異常が解消されると、RAM55に保存されている制御状態にもとづいて出力ポートを復元することができる。
図77は、賞球プロセスコードの値が3の場合に実行される賞球待ち処理3(ステップS1234)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球待ち処理3において、賞球BUSY信号がオフ状態になったか否か確認する(ステップS1271)。オフ状態にならないときには、賞球タイマにBUSY終了判定時間値(例えば3)をセットする(ステップS1272)。BUSY終了判定時間値は、賞球REQ信号オフ待ち期間を作成するための値である。
従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球BUSY信号がオフ状態になったら賞球タイマの値を確認し(ステップS1273)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS1274)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、すなわち賞球REQ信号オフ待ち期間が終了したら、賞球REQ待ち時間を賞球タイマにセットする(ステップS1275)。そして、賞球プロセスコードの値を0にして(ステップS1276)、処理を終了する。上述したように、賞球REQ待ち時間は、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に、複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間)である。
以上の処理によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出条件の成立にもとづいて払い出される賞球としての遊技球の総数を特定可能に総賞球数格納バッファに記憶する。総賞球数格納バッファは、遊技機への電力供給が停止した場合に変動データ保存手段としてのバックアップ電源により記憶内容を少なくとも所定期間保存する景品遊技媒体数記憶手段に相当する。また、遊技制御手段は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数にもとづいて払出制御手段に対して所定数の賞球の払出数を指定する払出指令信号を送信する。ここで、所定数は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数が15個以上であれば15であり、15個未満であれば、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数である。そして、所定の条件が成立すると総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数から払出指令信号で指定した払出数を減算する減算処理を行う。
この実施の形態では、減算処理を実行するための所定の条件は、払出制御用マイクロコンピュータ370から指令受付信号を受信したとき、具体的には、賞球BUSY信号がオンしたときである。なお、賞球BUSY信号がオンしたときには、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出指令信号で指令された個数の賞球払出をまだ行っていない。賞球払出が完了したときに総賞球数格納バッファの減算処理を行うように構成すると、賞球払出中に不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させるような不正行為によって、不正に多数の賞球払出が行われてしまう。例えば、払出指令信号で15個の賞球払出が指令された場合に、10個の賞球払出がなされた時点で、不正に遊技機の電力供給を停止させた後に電力供給を復旧させると、総賞球数格納バッファの内容はなんら減算されていないので、実際には10個の賞球払出はなされているにも関わらず、その10個の賞球払出はなされていないものとして、賞球制御を続行してしまう。
しかし、この実施の形態では、賞球BUSY信号がオンしたときに、すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370が払出指令信号を受け付けて指令受付信号を送信したときに総賞球数格納バッファの減算処理が実行されるので、上記の不正行為を防止することができる。
図78は、ステップS23Aの異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS251)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図33におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS255に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS252)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS253,S254)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS255)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS255のY)、大当り遊技中または小当り遊技中の状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS261の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態は、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が4未満であれば(ステップS255のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS256)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図71参照)との論理積をとる(ステップS257)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258のN)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS259,S260)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS259)、コマンドセット処理を実行する(ステップS260)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS258のY)、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS261の処理に移行する。
ステップS261では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS261)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば(ステップS261のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(ステップS261のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作していない状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(ステップS261のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS262)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H)、図71参照)との論理積をとる(ステップS263)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS264のN)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS265,S266)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS265)、コマンドセット処理を実行する(ステップS266)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS261のY)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないと判定し、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常入賞報知指定コマンドが送信される。
また、ステップS251〜S253の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、この実施の形態では、電源投入後の禁止期間において、大入賞口への異常入賞にもとづく異常入賞報知を禁止する(ステップS255〜S260の処理を実行しない)ように構成されているが、第2始動入賞口14への異常入賞にもとづく異常入賞報知についても、電源が投入されてから所定期間は禁止するようにしてもよい。すなわち、異常報知禁止フラグがセットされ(ステップS251のY)、禁止期間タイマが0でないときは(ステップS253のN)、ステップS261〜S266の処理についても実行せずに、処理を終了するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、電源投入後の禁止期間は、異常入賞報知指定コマンドを送信しない(ステップS259,S260を実行しない)ように構成することによって、電源投入の禁止期間における異常入賞の報知を行わないようにしているが、このような構成に限られず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入後の期間においても異常入賞指定コマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、電源投入後の期間に異常入賞指定コマンドを受信しても、その異常入賞指定コマンドにもとづく報知処理を実行しないように構成してもよい。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されたとき(電源投入指定コマンドや停電復旧指定コマンドを受信したとき)に、異常入賞の報知を禁止する禁止期間の計測を開始し、禁止期間内に異常入賞指定コマンドを受信したときは、その異常入賞指定コマンドにもとづく報知処理を実行しないように構成する。
なお、ステップS255の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS362Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置(開閉羽根20)が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS261の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、ステップS363Bの処理と同様に、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、上述したように、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値を3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
図79は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態と賞球カウント信号の出力状態との関係を示す説明図である。図79に示すように、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態と賞球カウント信号の出力状態とは、ほぼ相似している。賞球カウント信号の出力状態の、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態からの遅れ時間は、払出制御用マイクロコンピュータ370における処理時間に相当する。なお、この実施の形態では、カードユニット50からの球貸し要求にもとづく遊技球の払い出しが行われているときも払出個数カウントスイッチ301の検出信号はオン状態になるが、払出制御用マイクロコンピュータ370は、入賞にもとづく賞球払出が行われているときにのみ賞球カウント信号を送信する。
なお、払出制御用マイクロコンピュータ370が入賞にもとづく遊技球の払い出しが行われている場合のみならず、球貸し要求にもとづく遊技球の払い出しが行われているときも、賞球カウント信号を送信するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、例えば賞球REQ信号がオン状態であるかどうかなどによって、遊技球の払い出しが入賞にもとづく遊技球の払い出しであるかどうかを判定する。また、入賞にもとづく遊技球の払い出しを検出するカウントスイッチ(賞球払出個数カウントスイッチ)と球貸し要求にもとづく遊技球の払い出しを検出するカウントスイッチ(球貸し払出個数カウントスイッチ)とを別々に設けるようにしてもよい。この場合、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出個数カウントスイッチの検出信号の入力にもとづいて賞球カウント信号を出力する。また、賞球払出個数カウントスイッチと球貸し払出個数カウントスイッチとを別々に設けた場合に、賞球払出個数カウントスイッチの検出信号を伝達する信号線を分岐させて(例えば払出制御基板37上で分岐させて)、その信号線を主基板31に接続することにより、賞球払出個数カウントスイッチからの検出信号を直接、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)に入力させるようにしてもよい。この場合は、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に賞球カウント信号を出力する必要はない。
図80は、ステップS23Bの入力ポートデータ確認処理を示すフローチャートである。入力ポートデータ確認処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート1(図21参照)のデータ(入力データ)を入力ポート1から読み込み(ステップS1581)、入力ポート1の入力データと、RAMに形成されている入力ポート1バッファの内容との間でビット毎に排他的論理和をとる(ステップS1582)。入力ポート1の入力データとRAMに形成されている入力ポート1バッファの内容との間で、論理(「1」または「0」の意味)が異なっているビットがあれば、8ビットの排他的論理和の演算結果は00(H)にはならない。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、排他的論理和の演算結果が00(H)であるか否か判定する(ステップS1583)。演算結果が00(H)であれば処理を終了する。演算結果が00(H)でなければ、入力ポート1の入力データをコマンドバッファの2バイト目に設定する(ステップS1584)。また、コマンドバッファの1バイト目にFF(H)を設定する(ステップS1585)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポートデータ指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS1586)、コマンドセット処理を実行する(ステップS1587)。これにより、入力ポートデータ指定コマンドを送信する制御が行われる。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1581で入力した入力ポート1の入力データを入力ポート1バッファに保存する(ステップS1588)。
以上のような制御によって、入力ポート1の入力データが変化したことを条件に、入力ポート1の入力データが演出制御用マイクロコンピュータ100に伝達される。その際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート1の入力データを、そのまま演出制御コマンドとして送信する。よって、入力ポート1に入力される信号が示す情報が多数あっても、遊技制御手段の制御負担は軽い。ただし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポート1のデータを一旦取り込んで、取り込んだデータを、毎回、入力ポート1バッファに保存するようにしてもよい。
また、入力ポート1の入力データが変化したことを条件に入力ポート1の入力データに関する演出制御コマンドが主基板31から出力されるので、例えば、所定の制御期間(2ms間隔の期間)に常に1回演出制御コマンドを送信するように構成されている場合に比べて、演出制御コマンドの送信周期が把握されづらくなる。つまり、所定の制御期間の周期が把握されづらくなる。所定の制御期間では、大当りに関わる乱数を生成するためのカウンタの値が1づつ更新されるので、所定の制御期間の周期が把握されやすいとカウンタの値が所定値になるタイミングが把握されやすくなる。所定のタイミングとは、大当り判定用乱数をソフトウェアで作成したり、大当り図柄決定用乱数にもとづいて確変大当りとするか否か決定するように構成されている場合における大当り判定用乱数の値が大当り判定値と一致するタイミングや大当り図柄決定用乱数の値が確変図柄に対応する値と一致するタイミングなどである。カウンタの値が所定値になるタイミングが把握されやすくなるということは、不正行為を受けやすくなるということであるが、この実施の形態では、不正行為を受けにくくすることができる。
なお、この実施の形態では、図13に示すように乱数回路503および監視回路504が遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部に設けられ、乱数エラー信号は、外部から遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が乱数エラーが生じたか否か判定するようにしてもよい。例えば、乱数回路503に供給されるクロック信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560にも入力させ、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、クロック信号が途絶えていると判定したときに乱数エラーが生じているとして入力ポートデータ指定コマンド(図40参照)の乱数エラー指定ビットをエラーに対応した値に設定する。また、監視回路504からの乱数エラー信号の信号線のレベル(ハイレベルまたはローレベル)を複数回チェックして、例えば1回でも乱数エラー信号の信号線のレベルが乱数エラーに対応したレベルになったら乱数エラーが生じたと判定するようにしてもよい。それらの場合、CPU56は、入力ポート1の入力データを、そのまま演出制御コマンドとして送信するのではなく、入力ポート1の入力データに対して、演出制御コマンドの2バイト目(EXTデータ)における乱数エラー指定ビットに対応するビットの値を乱数エラーに対応した値(この実施の形態では「0」)に設定した上で、演出制御コマンドとする。また、それらの場合、CPU56は、電力供給開始時に乱数エラーが生じたか否か判定するようにしてもよいが、電力供給開始後、常に判定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、CPU56は、入力ポート1の入力データをそのまま演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドとして送信するが、CPU56は、入力ポート1の入力データのうちの一部をそのまま送信し、一部を加工して送信するようにしてもよい。例えば、加工として論理反転して送信するようにしてもよい。なお、論理反転はハードウェアの反転回路で実現してもよい。また、加工として、例えば1バイト中のビット位置を変更するようにしてもよい。ビット位置の変更(シフトを含む)は、ハードウェアの配線で実現してもよい。
また、この実施の形態では、CPU56は、図80に示す入力ポートデータ確認処理をタイマ割込処理で実行するが、メイン処理(図34に示すステップS16とS19の処理の間)で実行するようにしてもよい。
図81は、情報端子盤に出力される各種信号を示すブロック図である。図81に示すように、この実施の形態では、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から情報端子盤34に対して、始動口1信号、始動口2信号、図柄確定回数信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、確率変動信号、および賞球情報信号(賞球信号)が情報出力処理(ステップS30)によって出力される。なお、上述したように、主基板31に搭載されているバックアップ電源回路506から情報端子盤34に対して、ドア開放信号も出力される。
図柄確定回数信号は、特別図柄の変動回数を通知するための信号であり、始動口1信号は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を通知するための信号、始動口2信号は、第1始動入賞口13への入賞個数を通知するための信号である。大当り1信号は、大当り遊技中または小当り遊技中(特別可変入賞球装置の動作中)であることを通知するための信号であり、大当り2信号は、15ラウンドまたは2ラウンドの大当り遊技中であることを通知するための信号であり、時短信号は、特別図柄の変動時間短縮機能が作動中(時短状態中)であることを通知するための信号であり、確率変動信号は、確率変動機能が作動中(確変状態中)であることを通知するための信号である。
これらの信号のうち、始動口1信号、始動口2信号、図柄確定回数信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、および確率変動信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する遊技制御処理の実行中に発生する制御情報の信号である。他方、賞球情報信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が払出制御基板37から出力される信号(賞球カウント信号)にもとづいて生成した制御情報の信号である。
図82は、賞球個数カウントスイッチの賞球払出検出と賞球信号との関係を示す説明図である。図82に示すように、賞球払出時に払出個数カウントスイッチ301が10個の遊技球の通過を検出する度に(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に賞球カウント信号のパルスが10回入力される度に)賞球信号(賞球情報信号)が0.100秒間オン状態となる。なお、賞球信号が0.100秒間オン状態となった後は、少なくとも0.100秒間オフ状態となる。
図83〜図88は、ステップS30の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図83〜図88に示す処理のうち、ステップS1001〜S1030が始動口1信号を出力するための処理であり、ステップS1031〜S1052が始動口2信号を出力するための処理であり、ステップS1053〜S1058が図柄確定回数信号を出力するための処理であり、ステップS1059〜S1071が大当り1信号、大当り2信号、時短信号、および確率変動信号を出力するための処理であり、ステップS1085〜S1108が賞球信号(賞球情報信号)を出力するための処理である。
情報出力処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期値(00(H))をRAM55に形成されている情報バッファにセットする(ステップS1001)。そして、始動口1情報設定テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS1002)、ポインタの指す処理数をロードする(ステップS1003)。始動口1情報設定テーブルには、処理数(=2)と始動口1スイッチ入力ビット(第1始動口スイッチ入力ビット判定値(40(H))と始動口2スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H))とが設定されている。ステップS1003では、ポインタが始動口1情報設定テーブルの処理数のアドレスを指しているので、始動口1情報設定テーブルにおける処理数(=2)のデータがロードされることになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビット(このときは始動口1スイッチ入力ビット)をレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口1スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。スイッチオンバッファの内容が40(H)であったとき、すなわち第1始動口スイッチ13aがオンしているときは、論理積の演算結果は40(H)になる。第1始動口スイッチ13aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。
論理積の演算結果が0の場合には(ステップS1009のY)、ステップS1015の処理に移行する。論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS1009のN)、第1始動入賞口13への入賞が生じたと判定し、始動口1情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1010)。始動口1情報記憶カウンタは、始動口1信号の残り出力回数をカウントするカウンタである。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口1情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1011)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1012)。演算結果が0のときは(ステップS1012のN)、演算結果を1減算する(ステップS1013)。そして、演算結果を始動口1情報記憶カウンタにストアする(ステップS1014)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、処理数を1減算し(ステップS1015)、処理数が0でないかどうかを判定する(ステップS1015)。処理数が0でないときは(ステップS1015のY)、ステップS1004の処理に移行する。そして、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1004)、スイッチオンバッファをスイッチ入力データにセットする(ステップS1005)。そして、ポインタを1加算し(ステップS1006)、ポインタの指す始動口スイッチ入力ビット(このときは始動口2スイッチ入力ビット)をレジスタにロードし(ステップS1007)、始動口2スイッチ入力ビットとスイッチ入力データの論理積をとる(ステップS1008)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときは、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときは、論理積の演算結果は、00(H)になる。その後、上述したステップS1009〜S1016の処理が実行される。
ステップS1016で処理数が0であると判定されると(ステップS1016のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口1情報記憶タイマをロードし(ステップS1017)、始動口1情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1018)、始動口1信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS1019)。始動口1情報記憶タイマは、始動口1信号のオン時間およびオフ時間(後述するオン時間200msとオフ時間200ms)を計測するためのタイマである。始動口1情報記憶タイマの値が0でなければ始動口1信号が出力中であると判定され、始動口1情報記憶タイマの値が0であれば始動口1信号が出力中でないと判定される。
始動口1信号が出力中であれば(ステップS1019のY)、ステップS1026の処理に移行する。始動口1信号が出力中でなければ(ステップS1019のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口1情報記憶カウンタをロードし(ステップS1020)、始動口1情報記憶カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1021)、始動口1信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1022)。なお、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしたときは(ステップS1009のN)、始動口1情報記憶カウンタが1加算されるので、始動口1信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
始動口1信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1022のY)、ステップS1031の処理に移行する。始動口1信号の出力回数の残数があれば(ステップS1023のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口1情報記憶カウンタを1減算し(ステップS1023)、演算結果(1減算した結果)を始動口1情報記憶カウンタにストアする(ステップS1024)。そして、入賞情報動作時間(200)をレジスタにセットする(ステップS1025)。なお、入賞情報動作時間(200)は、2msのタイマ割込みが200回実行される時間、すなわち、0.400秒(400ms)の時間となっている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1025で入賞情報動作時間がセットされていなければ始動口1情報記憶タイマを1減算し、ステップS1025で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS1026)。そして、演算結果(1減算した結果)を始動口1情報記憶タイマにストアする(ステップS1027)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演算結果と入賞情報オン時間(100)を比較し(ステップS1029)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1030)。なお、入賞情報オン時間(100)は、2msのタイマ割込みが100回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口1情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(200ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1029のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報バッファの始動口1出力ビット位置(図20に示す例では出力ポート2のビット1)をセットする(ステップS1030)。情報バッファの始動口1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1110で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1111で出力値を出力ポート2に出力することによって、始動口1信号が出力ポート2から出力されることになる。
以上に示したステップS1001〜S1030の処理によって、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞(第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aのオン)が発生すると、始動口1信号が出力される。すなわち、始動口1信号が200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になる。この始動口1信号がホールコンピュータに入力されることによって、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を認識させることができる。
第2始動入賞口14への異常入賞(可変入賞球装置15の閉鎖状態における第2始動入賞口14への入賞)が発生したときや、無効入賞(保留記憶数が4のときの第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞)が発生したときでも、始動口1信号はホールコンピュータに出力される。すなわち、異常入賞や無効入賞を含め、全ての始動入賞に対して始動口1信号が出力される。
始動口1信号は、200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になるので、短時間に連続して始動入賞が発生した場合であっても、200ms間のオフ状態の後に次の始動口1信号が出力される。すなわち、始動口1信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力される。
このように、異常入賞や無効入賞を含め、全ての始動入賞に対して始動口1信号が出力され、また、始動口1信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力されるので、ホールコンピュータは、全始動入賞数を確実に把握することができる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS1031)、始動口1スイッチ入力ビットの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1032)、スイッチオンバッファの第1始動口スイッチ13aの入力ビットがセットされているかどうか、つまり、第1始動口スイッチ13aがオンしたかどうかを判定する(ステップS1033)。第1始動口スイッチ13aがオンしていなければ(ステップS1033のN)、ステップS1039の処理に移行する。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば(ステップS1033のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶カウンタをレジスタにロードする(ステップS1034)。始動口2情報記憶カウンタは、始動口2信号の残り出力回数をカウントするカウンタである。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶カウンタを1加算する(ステップS1035)。そして、演算結果(加算した結果)が0でないかどうかを確認する(ステップS1036)。演算結果が0のときは(ステップS1036のN)、演算結果を1減算する(ステップS1037)。そして、演算結果を始動口2情報記憶カウンタにストアする(ステップS1038)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶タイマをロードし(ステップS1039)、始動口2情報記憶タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1040)、始動口2信号が出力中であるか否かを判定する(ステップS1041)。始動口2情報記憶タイマは、始動口2信号のオン時間およびオフ時間を計測するためのタイマである。始動口2情報記憶タイマの値が0でなければ始動口2信号が出力中であると判定され、始動口2情報記憶タイマの値が0であれば始動口2信号が出力中でないと判定される。
始動口2信号が出力中であれば(ステップS1041のY)、ステップS1048の処理に移行する。始動口2信号が出力中でなければ(ステップS1041のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶カウンタをロードし(ステップS1042)、始動口2情報記憶カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1043)、始動口2信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1044)。なお、第1始動口スイッチ13aがオンしたときは(ステップS1033のY)、始動口2情報記憶カウンタが1加算されるので、始動口2信号の出力回数の残数があると判定されることになる。
始動口2信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1044のY)、ステップS1053の処理に移行する。始動口2信号の出力回数の残数があれば(ステップS1044のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動口2情報記憶カウンタを1減算し(ステップS1045)、演算結果(1減算した結果)を始動口2情報記憶カウンタにストアする(ステップS1046)。そして、入賞情報動作時間(200)をレジスタにセットする(ステップS1047)。なお、入賞情報動作時間(200)は、上述したように0.400秒(400ms)の時間となっている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1047で入賞情報動作時間がセットされていなければ始動口2情報記憶タイマを1減算し、ステップS1047で入賞情報動作時間がセットされていれば入賞情報動作時間を1減算する(ステップS1048)。そして、演算結果(1減算した結果)を始動口2情報記憶タイマにストアする(ステップS1049)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演算結果(始動口2情報記憶タイマの残り時間)と入賞情報オン時間(100)を比較し(ステップS1050)、演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1051)。なお、入賞情報オン時間(100)は、上述したように0.200秒(200ms)の時間となっている。
演算結果が入賞情報オン時間よりも短い時間でない場合、つまり、演算結果(始動口2情報記憶タイマの残り時間)が入賞情報オン時間(200ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1051のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報バッファの始動口2出力ビット位置(図20に示す例では出力ポート2のビット2)をセットする(ステップS1052)。情報バッファの始動口2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1110で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1111で出力値を出力ポート2に出力することによって、始動口2信号が出力ポート2から出力されることになる。
以上に示したステップS1031〜S1052の処理によって、第1始動入賞口13への入賞が発生すると(第1始動口スイッチ13aがオンすると)、始動口2信号が出力される。すなわち、始動口2信号が200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になる。この始動口2信号がホールコンピュータに入力されることによって、第1始動入賞口13への入賞個数を認識させることができる。上記のように、始動口1信号が第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞個数を示すので、始動口1信号と始動口2信号がホールコンピュータに入力されることによって、ホールコンピュータは第1始動入賞口13への入賞個数と、第2始動入賞口14への入賞個数と、第1始動入賞口13への入賞個数と第2始動入賞口14への入賞個数の合計とを認識することができる。
なお、無効入賞(保留記憶数が4のときの第1始動入賞口13への入賞)が発生したときでも、始動口2信号はホールコンピュータに出力される。また、始動口2信号は、200ms間オン状態となった後、200ms間オフ状態になるので、短時間に連続して第1始動入賞が発生した場合であっても、200ms間のオフ状態の後に次の始動口2信号が出力される。すなわち、始動口2信号は少なくとも200msの間隔をあけて出力される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄停止情報タイマをレジスタにロードし(ステップS1053)、特別図柄停止情報タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1054)、特別図柄停止情報タイマがタイムアウトしているかどうかを判定する(ステップS1055)。特別図柄変動中処理(ステップS302)のステップS227において、特別図柄停止情報タイマに図柄確定回数出力時間がセットされ、その図柄確定回数出力時間が経過していないときは、特別図柄停止情報タイマがタイムアウトしていないと判定され、図柄確定回数出力時間が経過したとき(特別図柄停止情報タイマの値が0のとき)に、特別図柄停止情報タイマがタイムアウトしたと判定される。
特別図柄停止情報タイマがタイムアウトしていなければ(ステップS1055のN)、特別図柄停止情報タイマを1減算し(ステップS1056)、演算結果を特別図柄停止情報タイマにストアする(ステップS1057)。そして、情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置(図20に示す例では出力ポート2のビット0)をセットする(ステップS1058)。情報バッファの図柄確定回数1出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1110で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1111で出力値を出力ポート2に出力することによって、図柄確定回数信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。なお、特別図柄停止情報タイマがタイムアウトすれば(ステップS1055のY)、ステップS1058の処理が実行されない結果、図柄確定回数信号はオフ状態となる。
以上に示したステップS1053〜S1058の処理によって、特別図柄の変動が停止(停止図柄が確定)する度に、図柄確定回数信号が図柄確定回数出力時間(例えば500ms)オン状態となる。
なお、第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合であっても、始動口1信号が情報端子盤34を介してホールコンピュータに出力されるが、第2始動入賞口14への異常入賞が発生すると、図41のステップS316でNとなり、始動入賞自体が無効にされるので、異常入賞にもとづく図柄の変動は開始されず、その結果、異常入賞にもとづく図柄確定回数信号もホールコンピュータに出力されない。従って、実際に行われた可変表示制御に合った図柄確定回数信号をホールコンピュータに出力することができることとなる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグをロードし(ステップS1059)、特別図柄プロセスフラグの値と大入賞口開放前処理指定値(「4」)を比較し(ステップS1060)、特別図柄プロセスフラグの値が4未満であるかどうかを判定する(ステップS1061)。特別図柄プロセスフラグの値が4未満であるときは(ステップS1061のY)、ステップS1065の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS1061のN)、情報バッファの大当り1出力ビット位置をセットする(ステップS1062)。そして、特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるかどうかを判定する(ステップS1063)。特別図柄プロセスフラグの値が8以上であるときは(ステップS1063のN)、ステップS1065の処理に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が8未満であるときは(ステップS1063のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報バッファの大当り2出力ビット位置をセットする(ステップS1064)。情報バッファの大当り1出力ビット位置および大当り2出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1110で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1111で出力値を出力ポート2に出力することによって、大当り1信号および大当り2信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、高確率状態であるか否かを確認する特別図柄高確率チェック処理を実行し(ステップS1065)、高確率状態であるか否かを判定する(ステップS1066)。高確率状態であるときは(ステップS1066のY)、情報バッファの確率変動出力ビット位置をセットする(ステップS1067)。情報バッファの確率変動出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1110で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1111で出力値を出力ポート2に出力することによって、確率変動信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短状態であるか否かを確認する時短チェック処理を実行し(ステップS1068)、時短状態であるか否かを判定する(ステップS1069)。時短状態であるときは(ステップS1069のY)、情報バッファの時短出力ビット位置をセットする(ステップS1071)。時短出力ビット位置がセットされると、その後のステップS1110で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1111で出力値を出力ポート2に出力することによって、時短信号が出力ポート2から出力される(オン状態となる)。
以上に示したステップS1059〜S1071の処理によって、大当りの種別や遊技状態に応じた大当り1信号、大当り2信号、確率変動信号、および時短信号が出力される(オン状態になる)。
ホールコンピュータは、大当り1信号および大当り2信号を入力し、これらの信号によって、15ラウンドの大当り、2ラウンドの大当り(突然確変大当りまたは小当り)のいずれが発生したかを把握することができる。具体的には、大当り1信号がオン状態、大当り2信号もオン状態であるとき(いずれの大当り信号もオン状態のとき)は、15ラウンドの大当りが発生していると判断することができ、大当り1信号がオン状態、大当り2信号がオフ状態であるときは、2ラウンドの大当り(突然確変大当り)または小当りが発生していると判断することができる。なお、突然確変大当りが発生したか小当りが発生したかを区別できるように、大当り1信号および大当り2信号とは別の大当り信号(例えば大当り3信号)をホールコンピュータに出力するようにしてもよい。
また、ホールコンピュータは、確率変動信号および時短信号を入力し、これらの信号によって、遊技状態を把握することができる。具体的には、確率変動信号がオン状態で、時短信号がオフ状態であるときは、遊技状態が確変状態であると判断することができ、確率変動信号がオン状態で、時短信号もオン状態であるときは、遊技状態が確変時短状態であると判断することができ、確率変動信号がオフ状態で、時短信号がオン状態であるときは、遊技状態が時短状態であると判断することができ、確率変動信号がオフ状態で、時短信号もオフ状態であるときは、遊技状態が通常遊技状態であると判断することができる。
なお、以上の信号の定義(信号がオン状態であるときに意味する内容)は一例であって、大当りの種別や遊技状態の違いがホールコンピュータにおいて認識可能であれば、異なる定義としてもよい。また、信号の数や種類も上記したものに限られるわけではない。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球払出個数カウンタのアドレスをポインタにセットする(ステップS1085)。賞球払出個数カウンタは、払出制御用マイクロコンピュータ370からの賞球カウント信号のパルスをカウントするカウンタである。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート1の賞球カウント信号のビットのデータを読み込む(ステップS1086)。そして、賞球カウント信号タイマをロードする(ステップS1087A)。賞球カウント信号タイマは、賞球カウント信号のオン状態の時間を判定するタイマである。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球カウント信号のビットのデータが「1」であるかどうかを判定し(ステップS1087B)、「1」であれば、賞球カウント信号タイマを1加算し(ステップS1087C)、「1」でなければ(「0」であれば)、賞球カウント信号タイマを0クリアする(ステップS1087D)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球カウント信号タイマとスイッチオン判定値(2)を比較し(ステップS1088)、賞球カウント信号タイマの値がスイッチオン判定値(2)と一致するかどうかを判定する(ステップS1089)。賞球カウント信号タイマの値がスイッチオン判定値(2)と一致しなければ(ステップS1089のY)、ステップS1095の処理に移行する。一致すれば(ステップS1089のN)、確かに賞球カウント信号が入力されたと判断して(4ms連続して賞球カウント信号が入力されたと判断して)、賞球払出個数カウンタを1加算する(ステップS1090)。なお、ステップS1087〜S1088の処理は、確実に賞球カウント信号が入力されたことを確認する処理であるが、払出制御用マイクロコンピュータ370においても、ステップS1087〜S1088と同様の処理で、確実に払出個数カウントスイッチ301からの検出信号が入力されたことを確認するようにしてもよい。
そして、賞球払出個数カウンタの値が10であるかどうかを判定する(ステップS1091)。賞球払出個数カウンタの値が10でなければ(ステップS1091のN)、ステップS1095の処理に移行する。賞球払出個数カウンタの値が10であれば(ステップS1091のY)、クリアデータを賞球払出個数カウンタにストアする(ステップS1092)。これにより、賞球払出個数カウンタがクリアされる。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球信号出力回数カウンタをロードし(ステップS1093)、賞球信号出力回数カウンタを1加算する(ステップS1094)。賞球信号出力回数カウンタは、賞球信号の残り出力回数をカウントするカウンタである。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球信号出力タイマをロードし(ステップS1095)、賞球信号出力タイマの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1096)、賞球信号が出力中であるかどうかを判定する(ステップS1097)。賞球信号出力タイマは、賞球信号のオン時間およびオフ時間(後述するオン時間100msとオフ時間100ms)を計測するためのタイマである。賞球信号出力タイマの値が0でなければ賞球信号が出力中であると判定され、賞球信号出力タイマの値が0であれば賞球信号が出力中でないと判定される。
賞球信号が出力中であれば(ステップS1097のY)、ステップS1106の処理に移行する。賞球信号が出力中でなければ(ステップS1097のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球信号出力回数カウンタをロードし(ステップS1098)、賞球信号出力回数カウンタの状態をフラグレジスタに反映させて(ステップS1099)、賞球信号の出力回数の残数があるかどうかを判定する(ステップS1101)。
賞球信号の出力回数の残数がなければ(ステップS1101のY)、ステップS1110の処理に移行する。賞球信号の出力回数の残数があれば(ステップS1101のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球信号出力回数カウンタを1減算し(ステップS1102)、演算結果(1減算した結果)を賞球信号出力回数カウンタにストアする(ステップS1103)。そして、遊技情報信号動作動作時間(100)をレジスタにセットする(ステップS1104)。なお、遊技情報信号動作時間(100)は、2msのタイマ割込みが100回実行される時間、すなわち、0.200秒(200ms)の時間となっている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS1104で遊技情報信号動作時間がセットされていなければ賞球信号出力タイマを1減算し、ステップS1104で遊技情報信号動作時間がセットされていれば遊技情報信号動作時間を1減算する(ステップS1105)。そして、演算結果(1減算した結果)を賞球信号出力タイマにストアする(ステップS1106)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演算結果(賞球信号出力タイマの残り時間)と遊技情報信号出力時間判定値(50)を比較し(ステップS1107)、賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値(50)よりも短い時間であるかどうかを判定する(ステップS1108)。なお、遊技情報信号出力時間判定値(50)は、2msのタイマ割込みが50回実行される時間、すなわち、0.100秒(100ms)の時間となっている。
賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値よりも短い時間でない場合、つまり、賞球信号出力タイマの残り時間が遊技情報信号出力時間判定値(100ms)よりも長い時間である場合は(ステップS1108のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、情報バッファの賞球出力ビット位置(図20に示す例では出力ポート3のビット2)をセットする(ステップS1109)。情報バッファの賞球出力ビット位置がセットされると、ステップS1110で情報バッファを出力値にセットし、ステップS1111で出力値を出力ポート3に出力することによって、賞球信号が出力ポート3から出力される。
以上に示したステップS1085〜S1111の処理によって、賞球カウント信号を10回カウントする度に賞球信号がホールコンピュータに出力される。すなわち、10個の賞球払出が行われる度に賞球信号がホールコンピュータに出力される(10個1パルス)。よって、ホールコンピュータは遊技機で払い出された遊技球数を認識することができる。
なお、上述した情報出力処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370から出力されるエラー信号(払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号)についてはホールコンピュータなどの外部装置に出力するように構成されていないが、それらの信号についても外部装置に出力するようにしてもよい。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370による払出制御手段の動作を説明する。図89は、払出制御用マイクロコンピュータ370における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図89に示すように、出力ポート0は、ステッピングモータによる払出モータ289に供給される各相の信号とを出力するための出力ポートである。また、出力ポート1は、遊技制御用マイクロコンピュータ560への払出エラー信号、球切れ信号、満タン信号および賞球カウント信号を出力するための出力ポートである。出力ポート2は、7セグメントLEDによるエラー表示LED374の各セグメント出力の出力ポートである。出力ポート3は、カードユニット50へのPRDY信号およびEXS信号を出力するための出力ポートである。なお、出力ポート0,1,2,3は、図14に示された出力ポート372a,372b,372c,372dに相当する。
図90は、払出制御用マイクロコンピュータ370における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図90に示すように、入力ポート0のビット0〜3には、4ビットの賞球個数信号が入力され、ビット4,5,6,7には、それぞれ、主基板31からの賞球REQ信号、主基板31からの電源確認信号、球切れスイッチ187の検出信号、払出モータ位置センサ295の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット1〜3には、それぞれ、払出個数カウントスイッチ301の検出信号、エラー解除スイッチ375からの操作信号、満タンスイッチ48の検出信号が入力される。入力ポート1のビット4〜6には、それぞれ、カードユニット50からのVL信号、BRDY信号、BRQ信号が入力される。また、出力ポート2には、電源基板からのクリア信号が入力される。なお、入力ポート0,1,2は、図14に示された入力ポート372e,372fに相当する。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370(具体的には、払出制御用CPU371)の動作について説明する。図91は、払出制御手段(払出制御用マイクロコンピュータ370)が実行する払出制御処理を示すフローチャートである。払出制御処理は、例えば、2ms毎に発生するタイマ割込にもとづくタイマ割込処理で実行される。払出制御処理において、払出制御用CPU371(払出制御用マイクロコンピュータ370)は、まず、入力判定処理を行う(ステップS752)。入力判定処理は、入力ポート0および入力ポート1の状態を検出して検出結果をRAMの所定の2バイト(入力状態フラグという。)に反映する処理である。なお、払出制御処理において、入力ポート0および入力ポート1の状態にもとづいて制御を行う場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。また、入力判定処理において、払出制御用CPU371は、入力ポート0,1の入力データを主基板31に送信する処理も行う。
次に、払出制御用CPU371は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行う。
また、払出制御用CPU371は、カードユニット50と通信を行うプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。次いで、払出制御用CPU371は、主基板31の遊技制御手段と通信を行う主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行い、また、主基板からの賞球個数信号が示す個数の賞球を払い出す制御を行う賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS756)。
そして、払出制御用CPU371は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、払出制御用CPU371は、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う表示制御処理を実行する(ステップS758)。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用CPU371は、出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファおよび出力ポート3バッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファおよび出力ポート3バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。
図92は、ステップS755の主制御通信処理を示すフローチャートである。主制御通信処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主制御通信制御コードの値に応じて、ステップS1531〜S1533のいずれかの処理を実行する。
図93は、主制御通信制御コードの値が0の場合に実行される主制御通信通常処理(ステップS1531)を示すフローチャートである。主制御通信通常処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラービット(主制御未接続エラービットまたは賞球REQ信号エラービット)がオンしている場合には、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS1541)。ステップS1541では、エラーフラグ中の2つのビットのうち1つでもセットされていたら、エラービットがセットされていると判断する。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、BRDY信号がオン状態であれば、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS1542)。BRDY信号がオン状態であるということは、カードユニット50から球貸し要求が発生していることを意味する。すなわち、球貸し要求が発生しているときには、主基板31の遊技制御手段との通信(賞球払出に関する通信)が進行しない。
ステップS1541〜S1542の条件が成立せず、電源確認信号がオン状態である場合には、払出制御用CPU371は、賞球REQ信号がオン状態になっているか否か確認する(ステップS1543,S1544)。オン状態になっている場合には、賞球個数信号が示す賞球数を賞球未払出個数カウンタの内容に加算し(ステップS1545)、賞球BUSY信号をオン状態にするための処理を行う(ステップS1546)。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける賞球BUSY信号に対応したビットをオン状態に設定する。そして、主制御通信制御タイマに賞球BUSY信号出力時間(この例では10)をセットし(ステップS1547)、主制御通信制御コードの値を1にして(ステップS1548)、処理を終了する。主制御通信制御タイマは、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560との通信に関わる時間の監視等に使用されるタイマであるが、この段階では、賞球BUSY信号をオフするタイミングを設定するための賞球BUSY信号出力時間がセットされる。なお、賞球未払出個数カウンタは、不揮発性(この例では電源バックアップされている)のRAM領域に形成されている。
図94は、主制御通信制御コードの値が1の場合に実行される主制御通信中処理(ステップS1532)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、電源確認信号がオン状態であれば(ステップS1551)、賞球REQ信号の状態を確認する(ステップS1552)。賞球REQ信号がオフ状態になっていたら、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットする(ステップS1553)。この段階で、直ちに賞球REQ信号がオフ状態になってしまうのはおかしいからである。
次いで、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主制御通信制御タイマの値を確認し(ステップS1554)、0になっていなければ主制御通信制御タイマの値を1減算して(ステップS1555)処理を終了する。主制御通信制御タイマの値が0になっていたら、賞球BUSY信号をオフ状態にするための処理を行う。具体的には、出力ポート1の出力状態に対応した出力ポート1バッファにおける賞球BUSY信号に対応したビットをオフ状態に設定する(ステップS1556)。また、主制御通信制御タイマに賞球REQ信号オフ監視時間(この例では24)をセットする(ステップS1557)。そして、主制御通信制御コードの値を2にして(ステップS1558)、処理を終了する。
図95は、主制御通信制御コードの値が2の場合に実行される主制御通信終了処理(ステップS1533)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラービット(主制御未接続エラービットまたは賞球REQ信号エラービット)がオンしている場合には、ステップS1567に移行する(ステップS1561)。また、電源確認信号がオフ状態である場合にもステップS1567に移行する(ステップS1562)。エラービットがともにオフ状態であって電源確認信号がオン状態である場合には、賞球REQ信号がオフ状態になったか否かを確認する(ステップS1563)。オフ状態になったらステップS1567に移行する。
賞球REQ信号がオフ状態になっていない場合には、主制御通信制御タイマの値を確認する(ステップS1564)。主制御通信制御タイマの値が0になっていなければ主制御通信制御タイマの値を−1する(ステップS1565)。主制御通信制御タイマの値が0になっていたら、監視時間内に賞球REQ信号がオフしなかったとして、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットし(ステップS1566)、ステップS1567に移行する。
ステップS1567では、主制御通信制御コードの値を0にして、処理を終了する。
図96は、ステップS756の賞球球貸し制御処理を示すフローチャートである。賞球球貸し制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になったことを確認したら(ステップS1601のY)、球貸し中であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減らし(ステップS1602のY,S1604)、球貸し中でなければ賞球未払出個数カウンタの値を1減らす(ステップS1602のN,S1603)。次に、RAMに形成されている払出制御状態フラグの払出球検知ビットをセットする(ステップS1605)。払出球検知ビットは、払出通過待ち処理において、1回の賞球払出処理(最大15個)または1回の球貸し処理において(25個の払出)、払出モータ289を駆動したにもかかわらず遊技球が1個も払出個数カウントスイッチ301を通過しなかったことを検知するために用いられる。その後、払出制御コードの値に応じてステップS1610〜S1612のいずれかの処理を実行する。
賞球球貸し制御処理において、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の確認や未払出個数カウンタの減算処理を行うときには、エラービットのチェックは実行されない。従って、遊技球の払い出しに関わるエラー状態であっても、払出個数カウントスイッチ301によって遊技球の払い出しが検出される毎に、払い出された遊技球が貸し球であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減算し、賞球であれば賞球未払出個数カウンタの値を1減算する処理を実行する。よって、払い出しに関わるエラーが発生しても、未払出の遊技球数を正確に管理することができる。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370がエラーの発生を検出する前に球払出装置97から払い出された遊技球は、払い出された時点からやや遅れて払出個数カウントスイッチ301によって検出されるのであるが、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球払出装置97から遊技球が払い出された後、その遊技球が払出個数カウントスイッチ301によって検出される前にエラーの発生を検出したような場合に、エラーの発生を検出する前に球払出装置97から払い出された遊技球を、賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタに反映できる。
図97は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS1610)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用CPU371は、エラービット(エラーフラグにおける全てのエラービット(図102参照)のうちの1つ以上)がセットされていたら、以降の処理を実行しない(ステップS1621)。なお、エラーフラグは、RAMに形成されている。
また、BRDY信号がオン状態でなければ、ステップS1631以降の賞球払出のための処理を実行する。BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号がオン状態になっていたら球貸し動作中フラグをセットする(ステップS1623,S1624)。そして、球貸し未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS1625)、払出モータ回転回数バッファに「25」をセットする(ステップS1626)。
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
その後、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS1627)、払出制御コードの値を1にして(ステップS1628)、処理を終了する。
なお、払出モータ制御処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御コードの値に応じて、払出モータ通常処理(ポインタをROMに格納されているテーブルの先頭アドレスにセットする等の処理)、払出モータ起動準備処理(出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に励磁パターンの初期値を設定する等の処理)、払出モータスローアップ処理(払出モータ289を滑らかに回転開始させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔に近づくような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する等の処理)、払出モータ定速処理(定期的に払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する等の処理)、払出モータブレーキ処理(払出モータ289を滑らかに停止させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する等の処理)、および球噛み時払出モータブレーキ処理(球噛みを解除するための回転の場合に、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する処理)のいずれかの処理を実行する。
ステップS1631では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS1631)。0であれば処理を終了する。なお、賞球未払出個数カウンタには、主制御通信終了処理において、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560との間で払出指令信号に関わる通信が正常に完了したときに、0でない値(賞球個数信号が示す数)が加算される。賞球未払出個数カウンタの値が0でない場合には、15以上であるか否か確認する(ステップS1632)。15未満であれば、払出モータ回転回数バッファに賞球未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS1633)、15以上であれば、払出モータ回転回数バッファに「15」をセットする(ステップS1634)。そして、賞球動作中フラグをセットし(ステップS1635)、ステップS1627に移行する。
図98は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS1611)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS1641)。
払出動作が終了した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS1642)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払い出されてから払出個数カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS1643)、処理を終了する。
図99〜図101は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS1612)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理では、賞球払出が行われているときには、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球の再払出動作を、2回を上限として試みる。再払出動作において払出個数カウントスイッチ301によって遊技球が実際に払い出されたことが検出されたら正常に払出が完了したと判定される。なお、この実施の形態では、1回の賞球払出動作で払い出される遊技球数は最大15個であり、また、賞球払出中に賞球個数信号を受信したら賞球未払出個数カウンタの値が増加するので、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。
また、球貸し払出が行われているときには、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、1個の遊技球または球貸し残数(球貸し未払出個数カウンタの値に相当)の再払出動作を試みる。なお、この実施の形態では、1回の球貸し払出動作で払い出される遊技球数は25個(固定値)であり、25個の遊技球が払い出されるように払出モータ289を回転させたのであるから、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、正常に払出が完了していないことになる。
払出通過待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていればステップS1653に移行する(ステップS1650)。払出制御タイマの値が0でなければ、払出制御タイマの値を−1する(ステップS1651)。そして、払出制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS1652)、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。なお、ステップS1650の処理は、後述する遊技球払出のリトライ動作が開始されたときのことを考慮した処理である。後述するステップS3007の処理が実行された場合には、ステップS1650からS1653に移行するルートを経てリトライ動作が開始される。
払出制御タイマがタイムアウトしていれば(ステップS1652)、球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたか否か確認する(ステップS1653)。球貸し動作を実行していたか否かは、RAMに形成されている払出制御状態フラグにおける球貸し動作中ビットがセットされているか否か(ステップS1623,S1624参照)によって確認される。球貸し動作を実行していない場合、すなわち、賞球払出処理(賞球動作)を実行していた場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS1654)。賞球未払出個数カウンタの値が0になっている場合には、正常に賞球払出処理が完了したとして、払出制御状態フラグにおける払出球検知ビット、再払出動作中1ビット、再払出動作中2ビット、賞球動作中フラグおよび球貸し動作中ビットをリセットし(ステップS1655)、払出制御コードを0にして(ステップS1656)、処理を終了する、なお、払出球検知ビットは、払出個数カウントスイッチ301がオンしたときにセットされるビットであり、払出動作中に払出個数カウントスイッチ301が少なくとも1個の遊技球を検出したことを示すビットである。また、再払出動作中1ビットおよび再払出動作中2ビットは、2回の再払出動作からなる再払出処理を実行する際に用いられる制御ビットである。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常エラー1ビット、払出スイッチ異常エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS1659)、また、払出球検知ビットがセットされていないことを条件として(ステップS1661)、再払出動作を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出動作を実行しない。
上述したように、この実施の形態では、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。そこで、払出球検知ビットがセットされていれば、すなわち払出個数カウントスイッチ301が賞球払出処理中に少なくとも1個の遊技球の払出を検出していたら、正常に賞球払出処理が完了したとして、ステップS1655に移行する。なお、例えば、1回の賞球払出処理で15個の遊技球を払い出すべきところ、実際には14個の遊技球しか払い出されなかった場合(払出個数カウントスイッチ301が14個の遊技球しか検出しなかった場合)にも、払出球検知ビットがセットされるので正常に賞球払出処理が完了したとみなされるが、その場合には、賞球未払出個数カウンタの値は14しか減算されていないはずであり、不足分は次回の賞球払出処理で払い出されるので、遊技者に不利益を与えることはない。
再払出処理を実行するために、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS1662)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS1663)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS1664)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS1665)、払出モータ回転回数バッファに再払出動作個数または球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする(ステップS1666)。払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。なお、ステップS1666において、球貸し未払出数個数カウンタの値も取り扱われるのは、球貸し払出処理における再払出処理でもステップS1666が用いられるからである。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370は、ステップS1666において、賞球払出処理における再払出処理では再払出動作個数をセットし、球貸し払出処理における再払出処理では球貸し未払出数個数カウンタの値をセットする。その後、払出制御コードを1にして(ステップS1667)、処理を終了する。
ステップS1663において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、2回目の再払出を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS1668)、再払出動作中1ビットをリセットし(ステップS1669)、再払出動作中2ビットをセットする(ステップS1670)。そして、ステップS1666に移行する。
ステップS1662において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払い出されなかった(払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS1672)。その際に、再払出動作中2ビットをリセットしておく(ステップS1671)。そして、処理を終了する。
以上のように、再払出処理(補正払出処理)において2回の再払出動作を行っても遊技球が1個も払い出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。
従って、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出検出手段としての払出個数カウントスイッチ301からの検出信号にもとづいて、遊技球の払い出しが行われなかったことを検出したときに、あらかじめ決められた所定回(この例では2回)を限度として、払出手段に1個の遊技球の払い出しを行わせるように制御を行う。なお、この実施の形態では、遊技球を払い出すためのリトライ動作を2回行っても遊技球の払い出しが行われなかった場合には、払出ケースエラービットをセットしてエラー発生中状態になるが(ステップS1672)、遊技球の払い出しが行われなかったことを初めて検知したときに払出ケースエラービットをセットしてもよい。なお、「リトライ動作(あるいは「リトライ」、「リトライ動作処理」)」とは、所定数の遊技球の払い出しを行うための通常の払出処理を実行したのにもかかわらず、実際の払い出し数が少ない場合に実行させる動作であって、通常の払出処理とは別に、未払出の遊技球を払い出すために払出処理を再度実行させるための動作を意味する。
賞球球貸し制御処理において、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を行うか否か判定するためにエラービットがチェックされるのは、図97に示された払出開始待ち処理においてのみである。図98に示された払出モータ停止待ち処理および図99等に示された払出通過待ち処理では、エラービットはチェックされない。なお、払出通過待ち処理におけるステップS1659等でもエラービットがチェックされているが、そのチェックは再払出動作を行うか否かを判断するためであって、払出動作(1回の賞球払出または1回の球貸し)を開始するか否か判定するためではない。従って、ステップS1626、S1633またはステップS1634の処理が行われて遊技球の払出処理が開始された後では、エラーが発生しても払出処理は中断されない。すなわち、エラーが発生すると、遊技球の払出処理は、切りのよい時点(1回の賞球払出または1回の球貸しが終了した時点)まで継続される。なお、ステップS1621でチェックされるエラーフラグにおけるエラービットの中には、主基板31からの電源確認信号がオフ状態になったことを示すエラービットが含まれている。よって、電源確認信号がオフ状態になったときにも、遊技球の払出処理は、切りのよい時点で停止される。
ステップS1653で球貸し払出処理(球貸し動作)を実行していたことを確認すると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっているか否か確認する(ステップS1657)。0になっていれば、正常に球貸し払出処理が完了したとしてステップS1655に移行する。
ステップS1657で、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていなければ、エラーフラグ(具体的には、払出スイッチ異常エラー1ビット、払出スイッチ異常エラー2ビットおよび払出ケースエラービットのうちのいずれか1ビットまたは複数ビット)がセットされていないことを条件として(ステップS1675)、再払出処理を実行する。なお、エラーフラグがセットされている場合には、再払出処理を実行しない。
再払出処理を実行するために、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、再払出動作中2ビットがセットされているか否か確認する(ステップS1676)。セットされていなければ、再払出動作中1ビットがセットされているか否か確認する(ステップS1677)。再払出動作中1ビットもセットされていなければ、初回の再払出動作を実行するために、再払出動作個数として1をセットし(ステップS1678)、再払出動作中1ビットをセットし(ステップS1679)、さらに払出球検知ビットをリセットした後(ステップS1680)、ステップS1666に移行する。
ステップS1677において、再払出動作中1ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、再払出動作を再度実行するための処理を行う。具体的には、再払出動作中1ビットをリセットする(ステップS1681)。そして、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、最初の再払出動作で遊技球が払い出されていたら、ステップS1683に移行する。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回目の再払出動作を実行するためにステップS1684に移行する。
ステップS1683では払出球検知ビットをリセットし、その後、ステップS1666に移行する。従って、この場合には、再払出動作中1ビットがセットされたままになっているので、再度、初回(最初)の再払出動作が行われる。ステップS1684では、再払出動作個数として1をセットし(ステップS1684)、再払出動作中2ビットをセットし(ステップS1685)、ステップS1666に移行する。
ステップS1676において、再払出動作中2ビットがセットされていることを確認したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、再払出動作中2ビットをリセットし(ステップS1686)、払出球検知ビットがセットされていたら、すなわち、再払出動作で遊技球が払い出されていたらステップS1683に移行して残りの未払出分を解消することを試みる。払出球検知ビットがセットされていなかったら、2回の再払出処理を実行しても遊技球が払い出されなかった(払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出しなかった)として、エラーフラグにおける払出ケースエラービットをセットする(ステップS1688)。そして、処理を終了する。
以上のように、球貸し処理に係る再払出処理(補正払出処理)において連続して2回の再払出動作を行っても遊技球が1個も払い出されない場合には、遊技球の払出動作不良として、払出個数カウントスイッチ未通過エラービット(払出ケースエラービット)がセットされる。なお、この実施の形態では、球貸し制御処理が賞球制御処理(ステップS1631以降の処理)よりも優先して実行されるが(ステップS1622参照)、賞球制御処理を球貸し制御処理よりも優先して実行するようにしてもよい。
次に、エラー処理について説明する。図102は、エラーの種類とエラー表示用LED374の表示との関係等を示す説明図である。なお、この実施の形態では、エラー表示用LED374に表示される数値と、エラーフラグの対応ビットとを同じにしている。例えば、「0」の表示は、エラーフラグのビット0に対応している。図102に示すように、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分における球詰まりが検出された場合には、払出スイッチ異常検知エラー1として、エラー表示用LED374に「0」を表示する制御を行う。なお、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分における球詰まりを検出したことは、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオフ状態にならなかったことによって判定される。
遊技球の払出動作中でないにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になった場合には、払出スイッチ異常検知エラー2として、エラー表示用LED374に「1」を表示する制御を行う。払出モータ289の回転異常または遊技球が払い出されたにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならない場合には、払出ケースエラーとして、エラー表示用LED374に「2」を表示する制御を行う。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態になった場合、または不正なタイミングで賞球REQ信号がオフ状態になった場合には、賞球REQ信号エラーとして、エラー表示用LED374に「3」を表示する制御を行う。なお、不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態またはオフ状態になったことは、主制御通信処理において検出される。
また、下皿満タン状態すなわち満タンスイッチ48がオン状態になった場合には、満タンエラーとして、エラー表示用LED374に「4」を表示する制御を行う。補給球の不足状態すなわち球切れスイッチ187がオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED374に「5」を表示する制御を行う。
さらに、カードユニット50からのVL信号がオフ状態になった場合には、プリペイドカードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する制御を行う。不正なタイミングでカードユニット50と通信がなされた場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとして、エラー表示用LED374に「7」を表示する制御を行う。なお、プリペイドカードユニット通信エラーは、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)において検出される。
以上のエラーのうち、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーが発生した後、エラー解除スイッチ375が操作されエラー解除スイッチ375から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、払出制御手段は、エラーが発生する前の状態に復帰する。
図103および図104は、ステップS757のエラー処理を示すフローチャートである。エラー処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラーフラグをチェックし、そのうちのセットされているビットが、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのみ(3つのうちのいずれかのビットのみ、もしくは3つのうちの2ビットのみ、またはそれら3ビットのみ)であるか否か確認する(ステップS3001)。セットされているビットがそれらのみである場合には、エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS3002)。操作信号がオン状態になったら、エラー復帰時間をエラー復帰前タイマにセットする(ステップS3003)。エラー復帰時間は、エラー解除スイッチ375が操作されてから、実際にエラー状態から通常状態に復帰するまでの時間である。
エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態でない場合には、エラー復帰前タイマの値を確認する(ステップS3004)。エラー復帰前タイマの値が0であれば、すなわち、エラー復帰前タイマがセットされていなければ、ステップS3008に移行する。エラー復帰前タイマがセットされていれば、エラー復帰前タイマの値を−1し(ステップS3005)、エラー復帰前タイマの値が0になったら(ステップS3006)、エラーフラグのうちの、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットをリセットし(ステップS3007)、ステップS3008に移行する。
なお、ステップS3007の処理が実行されるときに、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットのうちには、セット状態ではないエラービットがある場合もあるが、セット状態にないエラービットをリセットしても何ら問題はない。以上のように、この実施の形態では、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーのビットをセットする原因になったエラー(図102参照)が発生した場合には、エラー解除スイッチ375が押下されることによってエラー解除される。
ステップS3007の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、払出制御コードが「2」(図99〜図101に示す払出通過待ち処理の実行に対応)であって、賞球未払出個数カウンタの値または球貸し未払出個数カウンタの値が0でないときには、遊技球払出のリトライ動作が開始される。つまり、次にステップS756の賞球球貸し制御処理が実行されるときにステップS1612の払出通過待ち処理が実行されると、再び、再払出処理が行われる。例えば、賞球払出処理が行われていた場合には、賞球未払出個数カウンタの値が0でないときには、ステップS1654からステップS1659に移行し、ステップS1659においてエラービットがリセット状態であることが確認されるので、ステップS1662以降の再払出処理を開始するための処理が再度実行され、再払出処理が実行される。なお、エラー解除スイッチ375が押下されることによってリセットされた払出ケースエラービットに関して、そのビットがセットされたときには(ステップS1672が実行されたとき)、払出制御タイマは既にタイムアップしている。従って、ステップS3007の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、次に払出通過待ち処理が実行されるときには、ステップS1650の判断において払出制御タイマ=0と判定される。また、払出ケースエラービットがセットされたときには払出球検知ビットは0である(ステップS1661の判断で払出球検知ビットは0でないとステップS1672が実行されないので)。従って、ステップS1659においてエラービットがリセット状態であることが確認されると、必ずステップS1662が実行される。つまり、必ず、再払出処理が実行される。
以上のように、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球払出装置97が遊技球の払い出しを行ったにもかかわらず払出個数カウントスイッチ301が1個も遊技球を検出しなかったときには遊技球を払い出すためのリトライ動作をあらかじめ決められた所定回(例えば2回)を限度として球払出装置97に実行させる補正払出制御を行った後、払出個数カウントスイッチ301が1個も遊技球を検出しなかったことが検出されたときには(図100のステップS1661以降を参照)、払い出しに関わる制御状態をエラー状態に移行させ、エラー状態においてエラー解除スイッチ375からエラー解除信号が出力されたことを条件に再度補正払出制御を行わせる補正払出制御再起動処理を実行する。
さらに、エラー状態における再払出処理の実行中(具体的には払出ケースエラーをセットする前の再払出処理中およびエラー解除スイッチ375押下後の再払出処理中)でも、図96に示すステップS1601〜S1604の処理は実行されている。すなわち、払い出しに関わるエラーが生じているときでも、遊技球が払出個数カウントスイッチ301を通過すれば、賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値が減算される。従って、エラー状態から復帰したときの賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値は、実際に払い出された遊技球数を反映した値になっている。すなわち、払い出しに関わるエラーが発生しても、実際に払い出した遊技球数を正確に管理することができる。
また、図99〜図101に示された払出通過待ち処理において、再払出処理が実行された結果、遊技球が払い出されたことが確認されたときでも、払出ケースエラーのビットはリセットされない。払出ケースエラーのビットがリセットされるのは、あくまでも、エラー解除スイッチ375が操作されたとき(具体的は、操作後エラー復帰時間が経過したとき)である(ステップS3002,S3003,S3007)。すなわち、遊技球が払出個数カウントスイッチ301を通過したこと等にもとづいて自動的に払出ケースエラー(払出不足エラー)の状態が解除されるということはなく、人為的な操作を経ないと払出ケースエラーは解除されない。従って、遊技店員等は、確実に払出不足が発生したことを認識することができる。
ステップS3008では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、満タンスイッチ48の検出信号を確認する。満タンスイッチ48の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの満タンエラービットをセットする(ステップS3009)。満タンスイッチ48の検出信号がオフ状態であれば、満タンエラービットをリセットする(ステップS3010)。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187の検出信号を確認する(ステップS3011)。球切れスイッチ187の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの球切れエラービットをセットする(ステップS3012)。球切れスイッチ187の検出信号がオフ状態であれば、球切れエラービットをリセットする(ステップS3013)。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の状態が設定されるスイッチタイマの値を確認し、その値がスイッチオン最大時間(例えば「240」)を越えていたら(ステップS3018)、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー1のビットをセットする(ステップS3019)。
スイッチタイマとは、ステップS752の入力判定処理において更新されるカウンタである。スイッチタイマの値がスイッチオン最大時間以下であれば、払出スイッチ異常検知エラー1のビットをリセットする(ステップS3020)。なお、スイッチタイマの値は、ステップS752の入力判定処理において、払出個数カウントスイッチ301の検出信号を入力する入力ポートの状態がスイッチオン状態であれば+1され、オフ状態であれば0クリアされる。従って、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間を越えていたということは、スイッチオン最大時間を越えて払出個数カウントスイッチ301がオン状態になっていることを意味し、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分で遊技球が詰まっていると判断される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン判定値(例えば「2」)になった場合に(ステップS3021)、球貸し動作中フラグおよび賞球動作中フラグがともにリセット状態であれば、払出動作中でないのに払出個数カウントスイッチ301を遊技球が通過したとして、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー2のビットをセットする(ステップS3022,S3023)。また、球貸し動作中フラグまたは賞球動作中フラグがセットされていれば、払出スイッチ異常検知エラー2のビットをリセットする(ステップS3024)。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50からのVL信号の入力状態を確認し(ステップS3025)、VL信号が入力されていなければ(オフ状態であれば)、エラーフラグのうちプリペイドカードユニット未接続エラービットをセットする(ステップS3026)。また、VL信号が入力されていれば(オン状態であれば)、プリペイドカードユニット未接続エラービットをリセットする(ステップS3027)。
なお、この実施の形態では、払い出しに関わるエラーが発生したことを、遊技機裏面に設置されている払出制御基板37に搭載されているエラー表示LED374によって報知するようにしたが、さらに、遊技機の表側に設置されているランプによって報知される。
図105は、ステップS752の入力判定処理のうち、入力ポート0,1(図90参照)の入力データを主基板31に送信する部分の処理を示すフローチャートである。入力判定処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、入力ポート0の入力データを読み込む(ステップS3031)。そして、入力データにおける球切れスイッチ187の検出信号を、出力ポート1(図89参照)の球切れ信号のビットに出力する(ステップS3032)。また、入力ポート1の入力データを読み込む(ステップS3033)。そして、入力データにおける満タンスイッチ48の検出信号を、出力ポート1の満タン信号のビットに出力する(ステップS3034)。
さらに、賞球動作中フラグがセットされている場合には(ステップS3035)、入力データにおける払出個数カウントスイッチ301の検出信号を、出力ポート1の賞球カウント信号のビットに出力する(ステップS3036)。また、エラーフラグ(図102参照)のビット0,1,2,3,6,7のいずれかがセットされている場合には、出力ポート1の払出エラー信号のビットを「1」にする(ステップS3037,S3038)。エラーフラグのビット0,1,2,3,6,7のいずれもセットされていなければ、出力ポート1の払出エラー信号のビットを「0」にする(ステップS3037,S3039)。出力ポートは、一般にCPU側から異なるデータが出力されるまで、その出力を維持するので、ステップS3038の処理が実行されてからステップS3039の処理が実行されるまで払出エラー信号のビットの出力状態を「1」に維持し、ステップS3039の処理が実行されてからステップS3038の処理が実行されるまで払出エラー信号のビットの出力状態を「0」に維持する。
すなわち、払出エラー信号が出力される(オン状態になること)ということは、図102に示すエラーフラグのビット0,1,2,3,6,7に対応するエラーのいずれかが生じたことを意味する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図106は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。また、所定の乱数(例えば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。また、可変表示装置9等の演出装置を用いて遊技機の状態に関する複数種類の情報の報知を行う報知制御プロセス処理を実行する(ステップS707)。さらに、コマンド解析処理や演出制御プロセス処理、報知制御プロセス処理でセットされたデータをシリアル出力回路353に出力したり、各入力IC620,621から受信したデータをシリアル入力回路354から読み込むシリアル入出力処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
図107は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、シリアル入力回路102は、例えば、自回路の段数分(ビット分)のシリアルデータを受信したら、受信完了信号を演出制御用CPU101に出力する。受信完了信号は、例えば演出制御用CPU101の割込端子に入力される。演出制御用CPU101は、受信完了信号が割込端子に入力されたことにもとづいて開始される割込処理で、入力ポート103を介してシリアル入力回路102からデータを入力する。そして、入力したデータを、コマンド受信バッファにおけるコマンド受信個数カウンタが指す受信コマンドバッファに格納するとともに、コマンド受信個数カウンタの値を+1する。コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図38および図39参照)であるのか解析する。
図108〜図112は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドであるかどうかを判定する(ステップS613A)。電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドであれば(ステップS613AのY)、ステップS617の処理に移行する。電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドでなければ(ステップS613AのN)、乱数エラーチェック済みフラグがセットされていないことを条件に(ステップS613B)、受信した演出制御コマンドが入力ポートデータ指定コマンドであり(つまり、MODEデータがFF(H)であり)、かつ、そのEXTデータにおける乱数エラー指定ビットが「0」であるか否か確認する(ステップS614)。「0」である場合すなわち乱数エラーが検出されている場合(図21参照)には、乱数エラーフラグをセットする(ステップS615)。また、乱数エラーチェック済みフラグをセットする(ステップS616)。その後、ステップS617に移行する。ステップS613A,S613B,S614,S616の処理によって、受信した演出制御コマンドが入力ポートデータ指定コマンドであり、かつ、そのEXTデータにおける乱数エラー指定ビットが「0」であるか否かの確認は、演出制御用マイクロコンピュータ100が動作を開始してから1回だけ実行されることになる。また、最初に遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンド以外の演出制御コマンドが入力ポートデータ指定コマンドであり、かつ、そのEXTデータにおける乱数エラー指定ビットが「0」である場合に限り、乱数エラーフラグがセットされる。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9503(H))であれば(ステップS617のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドの内容にもとづいて遊技状態を確認し、確認した遊技状態をRAMの所定領域に設定する(ステップS618)。そして、遊技状態に応じた背景画像を可変表示装置9に表示する制御を実行する(ステップS619)。
受信した演出制御コマンドが、変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜800F(H))であれば(ステップS620)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS621)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS622)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであるかどうかを確認し(ステップS623)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドでなければ(ステップS623のN)、第1の飾り図柄決定処理を実行する(ステップS624)。第1の飾り図柄決定処理は、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターン以外の変動パターン(はずれを指定する変動パターン等の専用の変動パターン)を指定する変動パターンコマンドにもとづいて、飾り図柄の停止図柄を決定する処理である。通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであれば(ステップS623のY)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンであることを示す兼用フラグをセットする(ステップS625)。
受信した演出制御コマンドが、図柄情報を指定する演出制御コマンド(図柄情報指定コマンド:8C00(H)〜8C06(H))であれば(ステップS626のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドを受信したことを示す図柄情報コマンド受信フラグをセットする(ステップS627)。なお、図柄情報コマンド受信フラグは、図柄の変動終了時、大当りの終了時または小当りの終了時にリセットされる(ステップS867,S974,S987参照)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1の飾り図柄決定処理で飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認する(ステップS628)。ここで、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定するコマンドでない場合には、第1の飾り図柄決定処理において既に飾り図柄の停止図柄が決定されている。従って、兼用フラグがセットされているかどうかによって、飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認することができる。
飾り図柄の停止図柄が未だ決定されていないときは(ステップS628のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2の飾り図柄決定処理を実行する(ステップS629)。第2の飾り図柄決定処理は、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信した場合に、図柄情報指定コマンドにもとづいて、飾り図柄の停止図柄として確変図柄または非確変図柄を決定する処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行する必要があるかどうかを確認する(ステップS630)。ここで、図柄情報指定コマンドは、大当り種別として大当り遊技開始後の再抽選演出の実行の有無も特定しているので、図柄情報指定コマンドの内容によって再抽選演出の実行の必要性を確認することができる。再抽選演出を実行する必要があるときは(ステップS630のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選後停止図柄決定処理を実行する(ステップS631)。再抽選後停止図柄とは、再抽選演出が実行された後に停止表示(導出表示)される停止図柄(この実施の形態では確変図柄)のことをいう。なお、再抽選演出が実行される前に停止表示される停止図柄(この実施の形態では非確変図柄)のことを仮停止図柄ということがある。
受信した演出制御コマンドが、始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド:C0XX(H))であれば(ステップS632)、始動入賞記憶表示制御処理を実行する(ステップS633)。始動入賞記憶表示制御処理は、始動入賞記憶数を特定可能な表示(始動入賞記憶表示)を可変表示装置9の所定領域に表示する制御を行う処理である。当該処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドにもとづいて、始動入賞記憶数を確認し、確認した数の始動入賞記憶表示を可変表示装置9に表示する。
受信した演出制御コマンドが、大当りまたは小当りの開始(ファンファーレ)を指定する演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A000(H)〜A004(H),A600(H))であれば(ステップS635のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの内容に応じたファンファーレ受信フラグをセットする(ステップS636)。例えば、ファンファーレコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、突然確変大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグ、小当りの開始を示すファンファーレ受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが、大当りの終了(エンディング)を指定する演出制御コマンド(エンディングコマンド:A301(H)〜A305(H))であれば(ステップS637のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドの内容に応じたエンディング受信フラグをセットする(ステップS638)。例えば、エンディングコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、突然確変大当りの終了を示すエンディング受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド:9000(H))であれば(ステップS639のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS640)。初期画面には、あらかじめ決められている飾り図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットする(ステップS641)。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンド(9200(H))であれば(ステップS642のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS643)。また、初期報知フラグをセットする(ステップS644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンド(D000(H))であれば(ステップS645)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドのMODEデータがFF(H)であれば、すなわち入力ポートデータ指定コマンドを受信した場合には(ステップS647のY)、ステップS648A〜S669の処理を行う。
まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入力ポートデータ指定コマンドにもとづいて、ガラス扉枠2の開閉を確認する第1ドア開閉確認処理を実行する(ステップS648A)。
図113は、第1ドア開閉確認処理を示すフローチャートである。第1ドア開閉確認処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内部フラグである第1ドア閉鎖状態フラグ(ガラス扉枠2が閉鎖していると演出制御用マイクロコンピュータ100によって認識されている状態であることを示すフラグ)がセットされているか否か確認する(ステップS685)。第1ドア閉鎖状態フラグがセットされていない場合には、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)におけるドア開放1エラー指定ビットが「1」(閉鎖に対応。図21参照)であるかどうかを確認する(ステップS686)。ドア開放1エラー指定ビットが「1」であるときには、第1ドア閉鎖状態フラグをセットする(ステップS687)。
第ドア閉鎖状態フラグがセットされている場合には(ステップS685のY)、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおけるドア開放1エラー指定ビットが「0」(開放に対応)であるかどうかを確認する(ステップS688)。ドア開放1エラー指定ビットが「0」であるときには、第1ドア閉鎖状態フラグをリセットする(ステップS689)。
以上の処理によって、第1ドア閉鎖状態フラグがセットされている場合に、ドア開放1エラー指定ビットが「0」である入力ポートデータ指定コマンドを受信したら、第1ドア閉鎖状態フラグをリセットする。また、第1ドア閉鎖状態フラグがセットされていない場合に、ドア開放1エラー指定ビットが「1」である入力ポートデータ指定コマンドを受信したら、第1ドア閉鎖状態フラグをセットする。なお、入力ポートデータ指定コマンドを所定期間(例えば2ms)毎に送信するようにした場合(なお、図80に示した入力ポートデータ確認処理では、入力ポートのデータが「0」から「1」に、または「1」から「0」に変化した場合に入力ポートデータ指定コマンドが送信される。)において、ドア開放1エラー指定ビットが「0」である入力ポートデータ指定コマンドを所定期間継続して受信した場合に、第1ドア閉鎖状態フラグをリセットし、ドア開放1エラー指定ビットが「1」である入力ポートデータ指定コマンドを所定期間継続して受信した場合に、第1ドア閉鎖状態フラグをセットするようにしてもよい。この場合、第1ドア閉鎖状態フラグのセット/リセット状態の変化が一時的に繰り返されることは防止され、その結果、第1ドア開放エラー報知フラグのセット/リセット状態の変化が一時的に繰り返されることが防止される。
その後、第1ドア閉鎖状態フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS648B)。第1ドア閉鎖状態フラグがセットされているときは(ステップS648BのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ドア開放エラー報知の開始を要求するための第1ドア開放エラー報知フラグがセットされていれば、その第1ドア開放エラー報知フラグをリセットする(ステップS648C)。そして、第1エラー報知解除フラグをセットする(ステップS648D)。そして、ステップS650Aの処理に移行する。
ステップS648Bにおいて、第1ドア閉鎖状態フラグがセットされていないときは(ステップS648BのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1ドア開放エラー報知フラグをセットする(ステップS648E)。そして、ステップS650Aの処理に移行する。
ステップS650Aでは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入力ポートデータ指定コマンドにもとづいて、遊技枠11の開閉を確認する第2ドア開閉確認処理を実行する(ステップS650A)。第2ドア開閉確認処理では、上述した第1ドア開閉確認処理と同内容の処理が行われる。すなわち、第2ドア開閉確認処理では、図113に示した第1ドア開閉確認処理における「第1」を「第2」に読み替え、「ドア開放エラー1指定」を「ドア開放エラー2指定」に読み替えた処理が実行される。ここで、第2ドア閉鎖状態フラグは、遊技枠11が閉鎖していると演出制御用マイクロコンピュータ100によって認識されている状態であることを示すフラグである。
第1ドア開閉確認処理と同様に、第2ドア開閉確認処理では、第2ドア閉鎖状態フラグがセットされている場合に、ドア開放2エラー指定ビットが「0」である入力ポートデータ指定コマンドを受信したら、第2ドア閉鎖状態フラグをリセットする。また、第2ドア閉鎖状態フラグがセットされていない場合に、ドア開放2エラー指定ビットが「1」である入力ポートデータ指定コマンドを受信したら、第2ドア閉鎖状態フラグをセットする。
その後、第2ドア閉鎖状態フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS650B)。第2ドア閉鎖状態フラグがセットされているときは(ステップS650BのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ドア開放エラー報知の開始を要求するための第2ドア開放エラー報知フラグがセットされていれば、その第2ドア開放エラー報知フラグをリセットする(ステップS650C)。そして、第2エラー報知解除フラグをセットする(ステップS650D)。そして、ステップS651の処理に移行する。
ステップS650Bにおいて、第2ドア閉鎖状態フラグがセットされていないときは(ステップS650BのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2ドア開放エラー報知フラグをセットする(ステップS650E)。そして、ステップS651の処理に移行する。
ステップS651では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける払出エラー指定ビットが「1」から「0」に変化したか否か確認し(ステップS651)、「1」から「0」に変化した場合すなわち払出エラーの解除が検出された場合(図21参照)には、払出エラー報知フラグをリセットし、エラー報知解除フラグをセットして(ステップS652)、ステップS667に移行する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)とEXTデータ保存領域に保存されている入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ)とを比較することによって、払出エラービットが変化したか否かを判定する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける払出エラー指定ビットが「0」から「1」に変化したか否か確認し(ステップS653)、「0」から「1」に変化した場合すなわち払出エラーの検出された場合には、払出エラー報知の開始を要求するために払出エラー報知フラグをセットして(ステップS654)、ステップS667に移行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける球切れエラー指定ビットが「1」から「0」に変化したか否か確認し(ステップS655)、「1」から「0」に変化した場合すなわち球切れエラーの解除が検出された場合(図21参照)には、球切れエラー報知フラグをリセットし、エラー報知解除フラグをセットして(ステップS656)、ステップS667に移行する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)とEXTデータ保存領域に保存されている入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ)とを比較することによって、球切れエラービットが変化したか否かを判定する。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける球切れエラー指定ビットが「0」から「1」に変化したか否か確認し(ステップS657)、「0」から「1」に変化した場合すなわち球切れエラーが検出された場合には、球切れエラー報知の開始を要求するために球切れエラー報知フラグをセットして(ステップS658)、ステップS667に移行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける満タンエラー指定ビットが「1」から「0」に変化したか否か確認し(ステップS659)、「1」から「0」に変化した場合すなわち満タンエラーの解除が検出された場合(図21参照)には、満タンエラー報知フラグをリセットし、エラー報知解除フラグをセットして(ステップS660)、ステップS667に移行する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)とEXTデータ保存領域に保存されている入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ)とを比較することによって、満タンエラービットが変化したか否かを判定する。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける満タンエラー指定ビットが「0」から「1」に変化したか否か確認し(ステップS661)、「0」から「1」に変化した場合すなわち満タンエラーが検出された場合には、満タンエラー報知の開始を要求するために満タンエラー報知フラグをセットして(ステップS662)、ステップS667に移行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球払出報知が実行されている状態であることを示す賞球払出報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS663)。賞球払出報知フラグがセットされていない場合には(ステップS663のN)、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける賞球カウント指定ビットが「0」から「1」に変化したか否か確認し(ステップS664)、「0」から「1」に変化した場合すなわち払出個数カウントスイッチ301がオン状態になった場合には(ステップS664のY)、賞球払出報知の開始を要求するために賞球払出報知フラグをセットする(ステップS665)。そして、賞球カウント指定監視タイマに所定値(例えば、1秒に相当する値)をセットする(ステップS666)。賞球カウント指定監視タイマとは、賞球払出が終了したか否か確認するためのタイマであり、賞球カウント指定監視タイマがタイムアウトすると、賞球払出報知が終了される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)とEXTデータ保存領域に保存されている入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ(前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータ)とを比較することによって、賞球カウント指定ビットが変化したか否かを判定する。
賞球払出報知フラグがセットされている場合には(ステップS663のY)、入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータにおける賞球カウント指定ビットが「0」から「1」に変化したときには(ステップS668のY)、賞球カウント指定監視タイマに所定値を再セットする(ステップS669)。ステップS668,S669の処理によって、払出個数カウントスイッチ301のオンが連続する場合には、賞球カウント指定監視タイマはタイムアウトしない。
ステップS667では、受信した入力ポートデータ指定コマンド(FFYY(H))のEXTデータ(コマンド受信バッファに格納されているが、コマンド受信バッファからレジスタに転送した場合にはそのレジスタのデータ)を、次に入力ポートデータ指定コマンドを受信したときに、前回受信した入力ポートデータ指定コマンドのEXTデータとして使用するためにRAMのEXTデータ保存領域に保存する。なお、ステップS701の初期化処理において、EXTデータ保存領域の内容は70(H)に初期化されている。70(H)は、各エラー信号および賞球カウント信号がオフ状態である場合に相当する(図21における入力ポート0参照)。そして、ステップS611に移行する。
また、ステップS647において、演出制御コマンドのMODEデータがFF(H)でないことを確認した場合には(ステップS647のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS649)。そして、ステップS611に移行する。
図114は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S808のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示す変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理におけるステップS622で設定される。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。また、突然確変大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、2ラウンド用演出を実行する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。なお、所定のラウンド中に再抽選演出を実行することもある。この実施の形態では、再抽選演出を実行するラウンドは予め決められているものとする(例えば第7ラウンドあるいは第15ラウンド)。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後コマンドを受信したら、インターバル表示等を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。なお、エンディング演出中に再抽選演出を実行することもある。
小当り演出処理(ステップS808):変動時間の終了後、小当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、小当り中の演出である2ラウンド用演出を実行する。
図115は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図115に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。報知用プロセステーブルについては後述する。
図116は、各演出制御コマンドを受信した場合にプロセスデータ(報知用プロセスデータを含む)に応じて実行されるランプの制御内容の例を示す説明図である。図116に示すように、演出制御用CPU101は、例えば、ファンファーレ指定コマンドを受信し大当りとなった場合には、遊技盤6上のセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fを点滅させるとともに、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを確変状態よりも速い時間間隔(例えば0.5秒)で点滅させるような演出を行う。そのような演出を行うことによって、より多くのランプをより速い時間間隔で点滅表示させることによって、大当りの発生時に派手な印象を与える演出を行うことができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、エンディング指定コマンドを受信した場合には、遊技盤6上のセンター飾り用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fのみを点灯させるように制御するとともに、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを所定時間間隔(例えば1秒)で点滅させるように制御する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数エラー指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、乱数エラー報知を行う場合には、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるような演出を行う。満タンエラー指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、満タンエラー報知を行う場合には、皿ランプ82a〜82dを点滅させるような演出を行う。ドア開放エラー指定ビット(ドア開放1エラー指定ビット、ドア開放2エラー指定ビット)がセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、ドア開放エラー報知を行う場合には、遊技枠11側の各ランプ(皿ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させるような演出を行う。球切れエラー指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、球切れエラー報知を行う場合には、遊技枠11側の天枠ランプ281a〜281lを点滅させるような演出を行う。払出エラー指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、払出エラー報知を行う場合には、遊技枠11側の天枠ランプ281a〜281lを点滅させるような演出を行う。異常入賞報知指定コマンドを受信し、異常入賞の報知を行う場合には、遊技枠11側の天枠ランプ281a〜281lを点滅させるような演出を行う。
また、演出制御用CPU101は、賞球カウント指定ビットがセットされている入力ポートデータ指定コマンドを受信し、賞球払出報知を行う場合には、遊技枠11側の左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを点滅させるような演出を行う。
図117は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで指定された内容(変動パターン、変動時間)にもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS813)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS814)。
図118は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS821)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS822)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれかのエラーフラグ(乱数エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、第1ドア開放エラー報知フラグ、第2ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、払出エラー報知フラグ、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ)がセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての可変表示装置9、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS824)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプ制御実行データ1に従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS825)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、センター装飾用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS825でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
ステップS823において、いずれかのエラーフラグがセットされている場合には(ステップS823のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音番号データ1およびランプ制御実行データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS826)。つまり、いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、各種エラー報知(乱数エラー報知、満タンエラー報知、第1ドア開放エラー報知、第2ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、払出エラー報知、異常入賞エラー報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、ステップS826の処理を行うときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(エラー報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、各種エラー報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS827)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS828)。
図119は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS841)、変動時間タイマの値を−1(1減算)する(ステップS842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS843)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS844)。
また、いずれかのエラーフラグ(乱数エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、第1ドア開放エラー報知フラグ、第2ドア開放エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、払出エラー報知フラグ、異常入賞指定コマンド受信フラグ)がセットされていないことを条件に(ステップS845AのN)、その次に設定されている表示制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出用装置としての可変表示装置9に対する制御状態を変更する(ステップS845B)。
ステップS845Bにおいて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声合成用IC173に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS845C)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、センター装飾用ランプ125a〜125fおよびステージランプ126a〜126fを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。また、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS845Cでセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜604に出力される。
いずれかのエラーフラグがセットされている場合には(ステップS845AのY)、次のプロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiおよびランプ制御実行データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS845D)。よって、いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた音演出およびランプによる表示演出が実行されるのではなく、各種エラー報知(乱数エラー報知、満タンエラー報知、第1ドア開放エラー報知、第2ドア開放エラー報知、球切れエラー報知、払出エラー報知、異常入賞報知)に応じた音出力およびランプによる表示演出が継続される。
また、ステップS845Dの処理が行われるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、いずれかのエラーフラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、各種エラー報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS846のY)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS847のY)、ステップS848に移行する。このように変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、飾り図柄の変動を終了させることができる。
図120は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)。確定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS851のY)、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS852)、コマンド解析処理において決定され格納されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する制御を行う(ステップS853)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)の受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
ステップS853で導出表示された飾り図柄の停止図柄が小当り図柄である場合(ステップS854のY)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、小当り用のファンファーレ受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS855)。小当り用のファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS855のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、格納されたファンファーレコマンドの内容にもとづいて、2ラウンド用演出を選択する(ステップS856)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択した2ラウンド用演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS857)。そして、プロセスタイマをスタートさせるとともに(ステップS858)、2ラウンド用演出の実行時間を計測する2R用演出時間タイマをスタートさせる(ステップS859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り演出処理(ステップS808)に対応した値に更新する(ステップS860)。
ステップS853で導出表示された飾り図柄の停止図柄が小当り図柄でなく大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)である場合は(ステップS861のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS862)。ファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS862のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、格納されたファンファーレコマンドの内容にもとづいて、ファンファーレ演出または2ラウンド用演出のいずれかを選択する(ステップS863)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したファンファーレ演出または2ラウンド用演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS864)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS865)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する(ステップS866)。
ステップS861で導出表示された飾り図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)でない場合、すなわち、はずれ図柄である場合(ステップS861のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグをリセットする(ステップS867)。例えば、図柄情報コマンド受信フラグなどをリセットする。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS868)。
図121は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901)。なお、大入賞口開放中フラグは、コマンド解析処理でセットされる(ステップS649参照)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902)、プロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS903A)。例えば、15ラウンド大当りの場合は、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、例えば、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS903B)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS907)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを受信したときは、ラウンド中も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド毎に2ラウンド用演に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド毎に新たに選択するようにしてもよい。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS908)、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS911)。
図122は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS921)。なお、大入賞口開放後フラグはコマンド解析処理でセットされる(ステップS649参照)。大入賞口開放後フラグもセットされていないときは(ステップS921のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS922)、プロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS923)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。なお、大当り遊技中に再抽選演出を実行することとされているとき(大当り中再抽選実行フラグがセットされているとき)は、所定のラウンド(例えば第7ラウンドや第15ラウンドなど)のラウンド中演出において再抽選演出が実行される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS923B)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS924)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS925)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS926)。
ステップS921において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS921のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS928)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを受信したときは、ラウンド後も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド後に2ラウンド用演出に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド後に新たに選択するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS928)、選択したインターバル演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS929)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS930)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS931)。
図123および図124は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS940)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS940のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS941のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS942)、プロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS943A)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS943B)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS944)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS945)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS946)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS941のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中(ラウンド中)に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS947)。具体的には、大当り中に再抽選演出を実行することを指定するファンファーレコマンドの受信に応じたファンファーレ受信フラグがセットされているときで、かつ再抽選演出を実行する実行ラウンドのときは、大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断したときは(ステップS947のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するラウンド中演出を選択する(ステップS948)。そして、再抽選実行済フラグをセットする(ステップS949)。一方、大当り中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS947のN)、再抽選演出を実行しないラウンド中演出を選択する(ステップS950)。
次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS951)、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS952)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS953)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS954)。
ステップS940においてエンディング受信フラグがセットされたときは(ステップS940のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS955)。具体的には、エンディング演出中に再抽選演出を実行することを指定するエンディングコマンドの受信に応じたエンディング受信フラグがセットされているときは、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断したときは(ステップS955のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するエンディング演出を選択する(ステップS956)。一方、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS955のN)、再抽選演出を実行しないエンディング演出を選択する(ステップS957)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング受信フラグをリセットし(ステップS958)、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS959)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS960)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS961)。
図125は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS971)、プロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS972A)。例えば、大当りが終了することを表示したり、エンディング演出において再抽選演出が含まれているときは、再抽選演出を実行する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS972B)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS973)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、所定のフラグ(図柄情報コマンド受信フラグなど)をリセットし(ステップS974)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS975)。
図126は、演出制御プロセス処理における小当り演出処理(ステップS808)を示すフローチャートである。小当り演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS981)、プロセスデータの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS982A)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプ制御実行データに従って、演出用部品としての各種ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS982B)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、2R用演出時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS983)。タイムアウトしていなければ、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS984)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切り替えを行う(ステップS985)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS986)。
2R用演出時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS983のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグ(小当りフラグ、図柄情報コマンド受信フラグなど)をリセットし(ステップS987)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS988)。
次に、ステップS707の報知制御プロセス処理について説明する。まず、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知の態様について説明する。図127は、報知制御プロセス処理において実行される各種エラー報知および賞球払出報知の態様の例を示す説明図である。図127に示すように、ドア開放エラー報知(第1ドア開放エラー報知および第2ドア開放エラー報知で共通)は、ガラス扉枠2または遊技枠11が開放されている間(例えば、第1ドア開放スイッチ(1)154または第2ドア開放スイッチ(2)155の検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ドア開放エラー報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させる制御を行う。また、スピーカ27に「扉が開いています」という音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。
また、球切れエラー報知は、球切れ発生から球切れ状態が解除されるまで(例えば、球切れスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、球切れエラー報知を行う場合、遊技枠11側の天枠ランプ281a〜281lを点滅させる制御を行う。また、満タンエラー報知は、下皿の満タン状態の発生から満タン状態が解除されるまで(例えば、満タンスイッチの検出信号が入力されている間)実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、満タンエラー報知を行う場合、遊技枠11側の皿ランプ82a〜82dを点滅させるとともに、「下皿が満タンです」という音声を出力させる制御を行う。また、可変表示装置9に「下皿が満タンです」と表示させる制御を行う。この場合、可変表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の可変表示)が行われている場合には、可変表示装置9に「下皿が満タンです」という文字列を重畳表示させる。
また、払出エラー報知は、払出エラー発生から払出エラー状態が解除されるまで実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、払出エラー報知を行う場合、遊技枠11側の天枠ランプ281a〜281lを点滅させる制御を行う。また、乱数エラー報知は、遊技機の電源投入の際に乱数エラーを検出してから電源がオフされるまで実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数エラー報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。また、可変表示装置9に「エラー」と表示させる制御を行う。この場合、可変表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の可変表示)が行われている場合には、可変表示装置9に「エラー」という文字列を重畳表示させる。
また、賞球払出報知は、賞球払出が実行されている期間において実行される。ただし、賞球払出報知の終了時点は、演出制御用マイクロコンピュータ100が入力ポートデータ指定コマンドにおける賞球カウント指定ビットにもとづいて判定していることから、実際の賞球払出の終了時点からやや遅れる。演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球払出報知を行う場合、遊技枠11側の左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを点滅させるとともに、所定の報知音(賞球払出報知音)を出力させる制御を行う。
また、異常入賞報知は、異常入賞の発生から電源がオフされるまで実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知を行う場合、遊技枠11側の全ランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるとともに、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる制御を行う。また、可変表示装置9に「入賞エラーが起きました」と表示させる制御を行う。この場合、可変表示装置9において遊技演出による表示(例えば、飾り図柄の可変表示)が行われている場合には、可変表示装置9に「入賞エラーが起きました」という文字列を重畳表示させる。
図128は、メイン処理における報知制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。報知制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知制御プロセスフラグの値に応じてステップS1900,S1901のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
報知開始処理(ステップS1900)は、コマンド解析処理でセットされる初期報知フラグ、各エラーフラグ(乱数エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、払出エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ(第1ドア開放エラー報知フラグ、第2ドア開放エラー報知フラグ)、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ)および賞球払出報知フラグにもとづいて、エラー等の報知を開始する処理である。報知を開始すると、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
報知中処理(ステップS1901)は、初期報知フラグ、各エラーフラグ(乱数エラーフラグ、満タンエラー報知フラグ、払出エラー報知フラグ、球切れエラー報知フラグ、ドア開放エラー報知フラグ、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ)および賞球払出報知フラグにもとづいて、報知を継続する処理である。また、コマンド解析処理でセットされるエラー報知解除フラグにもとづいて、または賞球払出報知フラグがリセットされたことにもとづいて、報知を終了する。報知を終了すると、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1901)に対応した値に変更する。
図129および図130は、報知制御プロセス処理における報知開始処理(ステップS1900)を示すフローチャートである。報知開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、初期報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1911)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンド(電源投入指定コマンド、停電復旧指定コマンド)を受信した場合にセットされている(図110におけるステップS641,S644参照)。セットされている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、期間タイマ1に、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS1912)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行う期間である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。
初期報知フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ドア開放エラー報知フラグ(第1ドア開放エラー報知フラグ、第2ドア開放エラー報知フラグ)がセットされているか否かを確認する(ステップS1913)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ドア開放エラーに応じた報知用プロセスデータを選択する(ステップS1914)。この実施の形態では、各種報知を行う際にスピーカ27および各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,51a,51b,82a〜82dを制御するための報知用のプロセステーブル(報知用プロセステーブル)があらかじめ用意されている。なお、報知用プロセステーブルについては後述する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1915)とともに、報知用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1916)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「扉が開いています」などの音声とともに所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1917)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1917でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、ステップS1949に移行する。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1918)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数エラーであることを示す乱数エラー表示画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS1919)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数エラーに応じた報知用プロセステーブルを選択する(ステップS1920)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1921)とともに、報知用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1922)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のエラー音(例えばビープ音)を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1923)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1923でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602〜604に出力される。そして、ステップS1949に移行する。
乱数エラーフラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球払出報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1924)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球払出報知に応じた報知用プロセステーブルを選択する(ステップS1925)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1926)とともに、報知用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1927)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の賞球払出報知音を出力するようにスピーカ27を制御する。
なお、この実施の形態では、賞球払出中であることを報知する場合にランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしたが、ランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行わないようにしてもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1928)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠に設けられた左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1928でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板603,604に出力される。そして、ステップS1949に移行する。
賞球払出報知フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、満タンエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1929)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、満タンエラーであることを示す満タンエラー表示画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS1930)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、満タンエラーに応じた報知用プロセステーブルを選択する(ステップS1931)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1932)とともに、報知用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1933)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「下皿が満タンです」などの音声を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1934)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられた皿ランプ82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1934でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して枠側IC基板605に出力される。
満タンエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、払出エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1935)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、払出エラーに応じた報知用プロセステーブルを選択する(ステップS1936)とともに、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1937)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1938)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられた天枠ランプ281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1938でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
なお、この実施の形態では、払出エラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行わない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしてもよい。
払出エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、球切れエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1939)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、球切れエラーに応じた報知用プロセステーブルを選択する(ステップS1940)とともに、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1941)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1942)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられた天枠ランプ281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1942でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して各枠側IC基板602に出力される。
なお、この実施の形態では、球切れエラーを報知する場合にランプを用いた報知処理のみを行いスピーカ27を用いた音による報知処理を行わない場合を説明するが、ランプに加えてスピーカ27を用いた報知を行うようにしてもよい。
球切れエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1943)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したことを示す異常入賞表示画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS1944)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞に応じた報知用プロセステーブルを選択する(ステップS1945)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマをスタートさせる(ステップS1946)とともに、報知用プロセスデータ1の内容に従ってスピーカ27を制御する(ステップS1947)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、「入賞エラーが起きました」などの音声を出力するようにスピーカ27を制御する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、各ランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283e,82a〜82dを制御するために、ランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットするシリアル設定処理を実行する(ステップS1948)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられた皿ランプ82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1948でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して枠側IC基板605に出力される。
ステップS1949では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知制御プロセスフラグの値を報知中処理(ステップS1901)に対応した値に変更し、処理を終了する。
図131〜図133は、報知制御プロセス処理における報知中処理(ステップS1901)を示すフローチャートである。報知中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1960)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンド(電源投入指定コマンド、停電復旧指定コマンド)を受信した場合にセットされている(図110におけるステップS641,S644参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1965に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS1912で設定された期間タイマ1の値を−1する(ステップS1961)。そして、期間タイマ1の値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1962,S1963)。なお、期間タイマ1の値が0でなければ、そのまま処理を終了する。このように、この実施の形態では、初期報知期間(異常入賞報知禁止期間)は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で計測するように構成されている。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1964)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。そして、ステップS2010に移行する。
初期報知フラグがセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ドア開放エラー報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1965)。セットされていなければ、ステップS1971に移行する。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS1966)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1967)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS1968)。
図134は、報知用プロセステーブルの構成例を示す説明図である。報知用プロセステーブルとは、演出制御用マイクロコンピュータ100が演出装置の制御を実行して各種報知を行う際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセステーブルに設定されているデータに従ってスピーカ27および各ランプの制御を行ってエラー報知等の報知を行う。報知用プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、報知用ランプ制御実行データおよび報知用音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。プロセスタイマ設定値には、その音出力状態およびランプの表示状態での継続時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ表示制御実行データに設定されている態様で各ランプの点灯、非点灯状態を制御するとともに、スピーカ27を用いた音出力を制御する。
図134に示す報知用プロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、報知用プロセステーブルは、エラーの種類(乱数エラー、満タンエラー、ドア開放エラー、球切れエラー、払出エラー、異常入賞エラー)に応じて用意されている。また、この実施の形態では、報知用プロセスタイマがタイムアウトする毎に、パターンAの点灯とパターンBの点灯とを切り替えて、点灯または点滅するように制御される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1969)。ステップS1969において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、対応する報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27に「扉が開いています」との音声と所定のエラー音(例えばビープ音)とを出力させる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1970)。例えば、ステップS1970において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1970でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
ドア開放エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数エラーフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1971)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS1972)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1973)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS1974)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1975)。ステップS1975において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、対応する報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1976)。例えば、ステップS1976において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1976でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
乱数エラーフラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1977)。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS1978)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1979)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS1980)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1981)。ステップS1981において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、対応する報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27に所定のエラー音(例えばビープ音)を出力させる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1982)。例えば、ステップS1982において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを点灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1982でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
異常入賞報知指定コマンド受信フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球払出報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1983)。セットされていなければ、ステップS1993に移行する。セットされていれば、賞球カウント指定監視タイマの値を−1する(ステップS1984)。そして、賞球カウント指定監視タイマがタイムアウトした場合には(ステップS1985)、賞球払出報知フラグをリセットし(ステップS1991)、左賞球ランプ51aおよび右賞球ランプ51bを消灯させる制御を行う(ステップS1992)。具体的には、シリアル−パラレル変換IC613,614に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号を送信する。そして、ステップS2010に移行する。
賞球カウント指定監視タイマがタイムアウトしていない場合には、報知用プロセスタイマを−1し(ステップS1986)、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1987)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS1988)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1989)。ステップS1989において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、賞球払出報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の賞球払出報知音を出力するようにスピーカ27を制御する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用ランプ制御実行データに従って、賞球払出の報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1990)。ステップS1990において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11側に設けられた賞球ランプ51a,51bを点灯または消灯させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1990でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
賞球払出報知フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、満タンエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1993)。セットされていなければ、ステップS1999に移行する。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS1994)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS1995)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS1996)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用音番号データにもとづいてスピーカ27を制御する(ステップS1997)。ステップS1997において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、対応するエラー報知に応じた音出力を示す音データを音声合成用IC173に出力する。音声合成用IC173は、入力された音データに対応したデータを音声データROM174から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、スピーカ27に「下皿が満タンです」との音声を出力させる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS1998)。例えば、ステップS1998において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、皿ランプ82a〜82dを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS1998でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
満タンエラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、払出エラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1999)。セットされていなければ、ステップS2004に移行する。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS2000)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2001)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS2002)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2003)。例えば、ステップS2003において、演出制御用CPU101は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2003でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
払出エラー報知フラグもセットされていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、球切れエラー報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS2004)。セットされていなければ、ステップS2009に移行する。セットされていれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用プロセスタイマを−1する(ステップS2005)とともに、報知用プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS2006)、報知用プロセスデータの切替を行う。すなわち、報知用プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を報知用プロセスタイマに設定する(ステップS2007)。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用ランプ制御実行データに従って、対応するエラー報知に応じた各ランプを制御するためにシリアル設定処理を実行する(ステップS2008)。例えば、ステップS2008において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lを点滅させるためのランプ制御信号を所定のデータ格納領域にセットする。なお、ステップS2008でセットされたランプ制御信号は、メイン処理におけるシリアル入出力処理(ステップS708)でシリアル出力回路353に出力され、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換されて、中継基板606,607を介して盤側IC基板601および各枠側IC基板602〜604に出力される。
なお、この実施の形態では、図127に示すように、球切れエラーまたは払出エラーを報知する場合には、スピーカ27からの音出力を行わないが、球切れエラーや払出エラーを報知する場合にも、スピーカ27を用いた音出力制御を行うようにしてもよい。
ステップS2009では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エラー報知解除フラグがセットされているか否かを確認する。セットされていれば、ステップS2010に移行する。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。ステップS2010では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1900)に対応した値に変更し、処理を終了する。なお、報知制御プロセスフラグの値を報知開始処理(ステップS1900)に対応した値に変更するということは、エラー報知を直ちに停止するということであるが、そのときに、各種エラー報知の態様(図127参照)を元の状態に戻す。エラー報知解除フラグがセットされる場合にはエラー報知フラグもリセットされるので、そのときに飾り図柄の変動が実行されている場合には、他のエラー報知フラグがセットされていないことを条件に、可変表示装置9、各種ランプおよびスピーカ27の態様は、変動パターンに対応した態様に戻る(図119のステップS845A〜S845C参照)。
以上のような処理が実行されることによって、各種の報知が実行される。また、乱数エラー報知は、遊技機への電力供給が開始されてから電源投入指定コマンドおよび停電復旧指定コマンド以外の最初に送信される演出制御コマンドによって遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に乱数エラーが報知されるので、制御の順序にかかわらず、最も優先度が高いことになる。
なお、この実施の形態では、あるエラー報知が実行されているときに他のエラーが生じた場合(複数のエラーが同時に生じた場合を含む。)には、エラー報知の態様が、他のエラーについてのエラー報知の態様に変更されることがある。例えば、満タンエラーの報知の実行中にドア開放エラー報知フラグがセットされた場合には、エラー報知の態様は、ドア開放エラーの報知態様になる(プログラム上、ステップS1993〜S1998の処理よりも先にステップS1965の処理が実行されるように構成されているので)。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、使用する報知用プロセステーブルを切り替える。また、エラー報知の態様は変わらず、実行されているエラー報知が終了してから、他のエラーについてのエラー報知が開始されることがある。例えば、満タンエラーの報知の実行中に球切れエラー報知フラグがセットされた場合には、満タンエラーの報知は続行され、満タンエラーの報知が終了してから、球切れエラーについてのエラー報知が開始される(プログラム上、ステップS1993〜S1998の処理が実行される場合にはステップS2004の処理が実行されないように構成されているので。また、実行されているエラー報知中は、他のエラーについてのエラー報知フラグがセットされたままの状態になるので)。
しかし、あるエラー報知が実行されているときに他のエラーが生じた場合には、エラー報知の態様を、常に、他のエラーについてのエラー報知の態様に変更するようにしてもよい。そのように制御する場合には、ステップS1960で「N」と判定されたときには、演出制御用マイクロコンピュータ100は、全てのエラー報知フラグ(乱数エラーフラグ、ドア開放エラー報知フラグ、満タンエラー報知フラグ、満タンエラー報知フラグ、異常入賞報知指定コマンド受信フラグ)について、セットされているか否か確認する。また、エラー報知の態様として、それぞれのエラーが単独に生じた場合のエラー報知の態様(図127および図135参照)に加えて、複数種類のエラーが生じた場合のエラー報知の態様を定義する。例えば、ドア開放エラーのみが生じた場合のエラー報知の態様、ドア開放エラーと乱数エラーとが生じた場合のエラー報知の態様、ドア開放エラーと乱数エラーと満タンエラーとが生じた場合のエラー報知の態様、ドア開放エラーと乱数エラーと満タンエラーと球切れエラーとが生じた場合のエラー報知の態様を定義する。他のエラーについても、エラーが単独に生じた場合のエラー報知の態様に加えて、別の1つ以上のエラーがともに生じている場合のエラー報知の態様を定義する。それらのエラー態様を示すデータは、例えばROMにテーブルとして記憶される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、セットされている1つ以上のエラー報知フラグに対応するテーブルを参照してエラー報知の態様を選択する。そして、選択したエラー報知の態様にもとづくエラー報知を実行する。また、複数のエラーに対応したエラー報知の実行中に、いずれかのエラー報知フラグがリセットされた場合には、エラー報知の態様を、そのエラー報知フラグに対応するエラーを除いたエラー報知の態様に変更する。
なお、この実施の形態では、賞球払出報知フラグのセット/リセットについても報知制御プロセス処理で判定されているが、賞球払出報知フラグのセット/リセット、およびセットされたことにもとづく賞球払出報知の制御を、報知制御プロセス処理とは別の処理で実行するようにしてもよい。
次に、報知用ランプ制御実行データに従って所定のデータ格納領域にセットされるランプ制御信号について説明する。図135は、報知制御プロセス処理においてシリアル信号方式で出力されるランプ制御信号の例を示す説明図である。図135に示すように、この実施の形態では、報知の種類ごとに2パターン(パターンAとパターンB)の報知用ランプ制御実行データが用いられる。この実施の形態では、パターンAとパターンBの報知用ランプ制御実行データを切り替えて用いることにより、ランプの点滅表示が制御される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図135に示すランプ制御信号を、報知用ランプ制御実行データに対応付けて、あらかじめROMに設けられた所定のランプ制御信号格納領域に記憶している。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、報知用ランプ制御実行データにもとづいて、所定のランプ制御信号格納領域からランプ制御信号を抽出し、シリアル出力回路353に出力する。
また、各ランプ制御信号は、図135に示すように、出力先のシリアル−パラレル変換IC611〜615のアドレスが付加された状態で所定のランプ制御信号格納領域に記憶されている。例えば、天枠ランプのうちの一部のランプ281a〜281fに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC611のアドレスは「01」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0001」が付加された状態で格納されている。また、天枠ランプのうちの他の一部のランプ281g〜281lに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC612のアドレスは「02」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0010」が付加された状態で格納されている。また、右枠ランプのランプ283a〜283eおよび右賞球ランプ51bに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC613のアドレスは「03」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0011」が付加された状態で格納されている。また、左枠ランプのランプ282a〜282eおよび左賞球ランプ51aに制御信号を供給するシリアル−パラレル変換IC614のアドレスは「04」であるので、ランプを制御するための8桁のデータ本体にアドレス「0100」が付加された状態で格納されている。
乱数エラーを報知する場合には、図135に示すように、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」または「00011111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eが点灯される。
ドア開放エラーを報知する場合には、図135に示すように、まず、パターンAの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00111111」または「00011111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ(皿ランプおよび賞球ランプを除く)281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」から「04」までの各シリアル−パラレル変換IC611〜614に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、各ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた全てのランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、ドア開放エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた全てのランプ281a〜281l,282a〜282e,283a〜283eを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
払出エラーを報知する場合には、図135に示すように、まず、パターンAの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプを構成する一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281fのみが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」のシリアル−パラレル変換IC611に制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信され、アドレスが「02」のシリアル−パラレル変換IC612に制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプの他の一部のLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプの他の一部を構成するLEDのみが点灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、払出エラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281fと天枠ランプ281g〜281lとが交互に所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
球切れエラーを報知する場合には、図135に示すように、まず、パターンAの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、球切れエラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
満タンエラーを報知する場合には、図135に示すように、まず、パターンAの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00001111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプ82a〜82dに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、皿ランプ82a〜82dが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「05」のシリアル−パラレル変換IC615に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、皿ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、皿ランプ82a〜82dが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、満タンエラーを報知する場合、皿ランプ82a〜82dのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
なお、シリアル−パラレル変換IC615に出力されるランプ制御信号において、1ビット目はランプ82aへの入力信号、2ビット目はランプ82bへの入力信号、3ビット目はランプ82cへの入力信号、4ビット目はランプ82dへの入力信号、5ビット目はランプ83への入力信号に対応している。
賞球払出を報知する場合には、図135に示すように、アドレスが「03」および「04」の各シリアル−パラレル変換IC613,614に、制御データ本体が「00100000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、賞球ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた左賞球51aおよび右賞球ランプ51bが点灯される。
また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、賞球ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた左賞球51aおよび右賞球ランプ51bが消灯される。
異常入賞を報知する場合には、図135に示すように、まず、パターンAの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00111111」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て1であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lが点灯される。また、プロセスデータ切替時に、パターンBの報知用ランプ制御実行データにもとづいて、アドレスが「01」、「02」の各シリアル−パラレル変換IC611,612に、制御データ本体が「00000000」であるランプ制御信号が送信される。すなわち、天枠ランプを構成するLEDに対応するビットの論理値が全て0であるランプ制御信号が出力され、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lが消灯される。そのような制御が繰り返し行われることによって、球切れエラーを報知する場合、遊技枠11側に設けられた天枠ランプ281a〜281lのみを所定時間間隔で点滅させるような制御が行われる。
なお、図135に示す例では、報知を行う際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にもランプ制御信号が供給される。そのようにすることによって、エラー報知の際の制御対象ではないランプを確実に消灯させた状態にすることができる。
ただし、各種の報知を行う際に、表示制御対象となっていないランプのシリアル−パラレル変換IC611〜615にはランプ制御信号を出力(送信)しないようにしてもよい。
次に、シリアル設定処理について説明する。図136は、シリアル設定処理の一例を示すフローチャートである。シリアル設定処理は、例えば、演出制御プロセス処理において飾り図柄の可変表示を行うとき(ステップS825,845C参照)や、大当り中の演出を行うとき(ステップS903B,S923B,S943B,S972B,S982B)、各種の報知を行うとき(ステップS1917,S1923,S1928,S1934,S1938,S1942,S1948,S1970,S1976,S1982,S1990,S1998,S2003,S2008)に実行される。なお、ここでは、可動部材151〜153の制御にも言及する。
シリアル設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ROMからランプ制御実行データ(変動パターンに伴うランプの点灯パターンのデータや、モータ制御用データ(ステップS845Cのみ)など)を読み出す(ステップS4000)。この場合、演出制御用CPU101は、例えば、飾り図柄の可変表示の実行中にシリアル設定処理を行う場合には、図115に示したプロセステーブルのランプ制御実行データを読み出すことになる。また、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行う場合には、図134に示した報知用プロセステーブルの報知用ランプ制御実行データを読み出すことになる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、読み出したランプ制御実行データにもとづいて、各ランプの表示状態に変更があるか否かを確認する(ステップS4001)。各ランプの表示状態に変更があれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御対象のランプのシリアル−パラレル変換ICのアドレスが付加されたランプ制御信号を、所定のランプ制御信号格納領域から抽出する(ステップS4002)。次いで、抽出したランプ制御信号に、図31に示すヘッダデータ(1FF(H))やマークビット、エンドビットを付加して、図137に示すようなRAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS4003)。そして、ランプ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS4004)。
例えば、報知制御プロセス処理におけるステップS1917,S1923,S1928でシリアル設定処理が実行された場合には、ステップS4002で図135に示すいずれかのアドレス付きのランプ制御信号が読み出され、ステップS4003でデータ格納領域に設定されることになる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ROMから表示制御実行データを読み出す(ステップS4005)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、飾り図柄の可変表示の実行中にシリアル設定処理を行う場合には、図115に示したプロセステーブルの表示制御実行データを読み出すことになる。一方、報知制御プロセス処理においてシリアル設定処理を行う場合には、図134に示した報知用プロセステーブルには表示制御実行データは含まれないので、次のステップS4006でそのままNと判定されることになる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、読み出した表示制御実行データにもとづいて、いずれかの可動部材151〜153の可動が遊技演出に含まれるか否かを確認する(ステップS4006)。可動部材151〜153の可動がある場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可動対象の可動部材151〜153のシリアル−パラレル変換ICのアドレス(この例では「06」)が付加されたモータ制御信号を、所定のモータ制御信号格納領域から抽出する(ステップS4007)。次いで、抽出したモータ制御信号に、図31に示すヘッダデータ(1FF(H))やマークビット、エンドビットを付加して、図137に示すようなRAMに設けられた所定のデータ格納領域に設定する(ステップS4008)。そして、モータ制御信号出力要求フラグをセットする(ステップS4009)。
図138は、シリアル入出力処理(ステップS708)の具体例を示すフローチャートである。シリアル入出力処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、ランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS4020)。セットされていれば、それらのランプ制御信号出力要求フラグまたはモータ制御信号出力要求フラグをリセットし(ステップS4021)、データ格納領域に格納されているランプ制御信号やモータ制御信号をシリアル出力回路353に出力する(ステップS4022)。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、複数のランプ制御信号がデータ格納領域にセットされている場合には、ステップS4022において各ランプ制御信号を順に読み出し、シリアル出力回路353に出力する。そして、出力されたランプ制御信号やモータ制御信号は、シリアル出力回路353によってシリアルデータに変換され、中継基板606,607を介して、盤側IC基板601や各枠側IC基板602〜605にシリアル信号方式で出力されることになる。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力取込信号出力部357に、盤側IC基板601に対して中継基板606,607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS4023)。盤側IC基板601に搭載された入力IC621は、入力取込信号が入力されたことにもとづいて、各位置センサ151b,152b,153bの検出信号をラッチし、シリアル信号方式で中継基板606,607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS4024)。なお、ステップS4024では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル入力回路354が入力IC621から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入力取込信号出力部357に、枠側IC基板605に対して中継基板607を介して入力取込信号(ラッチ信号)を出力させる(ステップS4025)。盤側IC基板605に搭載された入力IC620は、入力取込信号が入力されたことにもとづいて、各操作ボタン81a〜81eの検出信号をラッチし、シリアル信号方式で中継基板607を介して演出制御基板80に出力することになる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル入力回路354から入力データを読み込んでRAMの所定の格納領域に格納する(ステップS4026)。なお、ステップS4026では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル入力回路354が入力IC620から入力データを受信する時間分遅延させてからシリアル入力回路354から入力データを読み込むように制御する。
以上のように、この実施の形態によれば、ドア(ガラス扉枠2や機構板105)が開放されたか否かを検出するドア開放スイッチ(1)154と、遊技機への電力供給が停止した場合であっても、ドア開放スイッチ(1)154に電力供給可能なバックアップ電源505とを備える。また、ドア開放スイッチ(1)154によってドア(ガラス扉枠2や機構板105)が開放されたことが検出されたことにもとづいて、遊技機への電力供給が停止した場合であっても、所定の第2の枠の開放を検出したことを示すドア開放信号を遊技機1の外部に設けられている外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に出力可能な情報端子盤34を備える。そのため、ドア(ガラス扉枠2や機構板105)を開放して行われる不正行為を有効に防止することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態以外の遊技状態においてカウントスイッチ23から入賞検出信号を入力したことにもとづいて、異常入賞が発生したと判定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞が発生したと判定されたことにもとづいて、異常入賞が発生したことを示す異常報知を実行する。そのため、ドア(ガラス扉枠2や機構板105)を開放することなく不正入賞を発生させる不正行為も効果的に防止することができる。したがって、遊技機に設けられたドア(ガラス扉枠2や機構板105)を開放して行われる不正行為を防止するとともに、ドア(ガラス扉枠2や機構板105)を開放することなく不正入賞を発生させる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、情報端子盤34には、半導体リレー(PhotoMOSリレー)PC1〜PC9が設けられ、半導体リレーPC1〜PC9が、遊技機1への電力供給が停止された場合であっても、バックアップ電源505から供給される電力によって駆動される。そのため、情報端子盤34への不正な信号の入力を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技機1への電力供給が停止されたときに、遊技機1に設けられた回路および回路素子のうち、情報出力基板に設けられた半導体リレーPC1〜PC9以外の回路および回路素子に、バックアップ電源505からの電流が逆流して供給されることを防止する逆流防止用のダイオード506a,917を備える。そのため、電流が逆流されて供給されることを防止することができ、遊技機1に設けられたドア(ガラス扉枠2や機構板105)や遊技枠11が開放されたか否かを検出できなくなる事態を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技の進行を制御する遊技制御処理を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載された主基板31と、遊技球の払い出しを行う球払出装置97と、球払出装置97を制御する払出制御処理を実行する払出制御用マイクロコンピュータ370が搭載された払出制御基板37と、球払出装置97により遊技球が払い出されたことを検出する払出個数カウントスイッチ301と、主基板31のみと接続され、入力した情報を遊技機1の外部の外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に出力する1つの情報端子盤34とを備える。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御処理の実行中に発生する制御情報を出力し、払出個数カウントスイッチ301が所定数の遊技球が払い出されたことを検出したことにもとづいて遊技球が払い出されたことを示す制御情報を情報端子盤34に出力する。そのため、情報端子盤34に対する配線作業の容易化を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、ドア開放スイッチ(1)154が、ガラス扉枠2が開放されたことまたは機構板105が開放されたことを検出したときにドア開放1信号を出力する。また、情報端子盤34が、ドア開放スイッチ(1)154からのドア開放1信号が主基板31を介して接続されている。そのため、情報端子盤34に対する配線作業の容易化を実現することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特定遊技状態以外の遊技状態において特別可変入賞装置(大入賞口)に遊技球が入賞したと判定した場合には(ステップS362AのY、S362BのN)、賞球個数信号の送信を禁止する(ステップS364,S365の処理を実行しない)ように構成されているので、不正行為にもとづく賞球払出が行われるのを防止することができるとともに、実際に行われた払出制御に合った賞球情報信号をホールコンピュータに出力することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、可変入賞球装置15の閉状態(普通図柄プロセスフラグが3以外)において第2始動入賞口14に遊技球が入賞したと判定した場合には(ステップS363AのY、S363BのN)、賞球個数信号の送信を禁止する(ステップS364,S365の処理を実行しない)ように構成されているので、不正行為にもとづく賞球払出が行われるのを防止することができるとともに、実際に行われた払出制御に合った賞球情報信号をホールコンピュータに出力することができる。
また、異常入賞が複数回検出された場合に(図69のステップS331〜S338の処理によって、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された場合に)、異常入賞が発生したと判断して、その異常入賞の発生を報知し、図柄の変動を禁止し、賞球の払出を禁止する制御を実行するようにしている。従って、スイッチの検出信号がノイズ等によってオン状態となったにもかかわらず、異常入賞の発生の報知や図柄の変動の禁止、賞球払出の禁止の制御が誤って実行されてしまうのを確実に防止することができる。また、異常入賞を複数回検出する処理を1セットとして、複数個の異常入賞を検出した場合に異常入賞が発生したと判断するようにしてもよい。この場合、より一層、異常入賞の誤検出を防止することができ、異常入賞の発生の報知や図柄の変動の禁止、賞球払出の禁止の制御が誤って実行されてしまうのを確実に防止することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、情報出力処理によって、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときに、制御情報として第2始動入賞口14への遊技球の入賞を示す始動情報(始動口1信号)を出力し、識別情報(図柄)の可変表示の表示結果が導出表示されたときに、制御情報として識別情報の可変表示の表示結果が導出表示されたことを示す識別情報確定情報(図柄確定回数信号)を出力し、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、可変入賞球装置15の閉状態(普通図柄プロセスフラグが3以外)において第2始動入賞口14に遊技球が入賞したと判定した場合には、可変表示装置9における識別情報の可変表示の開始を禁止し(ステップS316のNのときにステップS317〜S319をスキップして始動入賞自体を無効にする処理を行い)、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、識別情報の可変表示の開始が禁止されたときは、識別情報確定情報を出力するのを禁止する(第2始動入賞口14への入賞(異常入賞)にもとづいて始動口1信号は情報端子盤34に出力されるが、識別情報の可変表示が開始されない結果、図柄確定回数信号は出力されない)ように構成されているので、不正行為によって特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行されるのを確実に防止することができるとともに、実際に行われた可変表示制御に合った識別情報確定情報を外部装置(ホールコンピュータ)に出力することができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドにもとづいて各ランプのLED125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御するための制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とが、1系統の配線を介して接続されるとともに、あらかじめ相互に異なるアドレス情報が割り当てられ、自己のアドレス情報が付加された制御信号のみをパラレル信号方式に変換して出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技盤6に設けられたシリアル−パラレル変換IC616〜619を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC616〜619を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技枠11に設けられたシリアル−パラレル変換IC611〜615を制御するための制御信号を出力するときには、シリアル−パラレル変換IC611〜615を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル信号方式で出力する。そのため、遊技盤6と遊技枠11との間の配線数を低減することができる。従って、遊技枠11と遊技盤6とが着脱自在に構成された遊技機において、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業を容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、中継基板606,607によって、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615との接続が中継される。また、中継基板607によって、各枠側IC基板602〜604に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615と演出制御用マイクロコンピュータ100との接続が中継される。そのため、中継基板606,607への接続作業や取り外し作業を行うだけで遊技枠と遊技盤6との脱着作業を容易に行うことができる。
また、この実施の形態によれば、遊技枠側に2つのシリアル−パラレル変換611,612を搭載した集合基板としての枠側IC基板602が設けられている。また、遊技盤6側に4つのシリアル−パラレル変換IC616〜619を搭載した集合基板としての盤側IC基板601が設けられている。そのため、シリアル−パラレル変換ICを搭載する基板を集約することができ、遊技機における部品点数を低減することができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619と、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615とが、コネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで遊技枠11と遊技盤6との配線作業を行うことができ、遊技枠11と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御コマンドを、シリアル出力回路78を用いて、シリアル信号方式で演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560と演出制御用マイクロコンピュータ100との間の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621に共通に用いるクロック信号を出力する。そのため、盤側IC基板601に搭載されたシリアル−パラレル変換IC616〜619、枠側IC基板602〜605に搭載されたシリアル−パラレル変換IC611〜615、および入力IC620,621とを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
また、この実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シリアル−パラレル変換IC611〜619のデバイスIDをアドレスとしてあらかじめRAMの所定のアドレス記憶領域に記憶するようにしてもよい。そのように構成すれば、シリアル−パラレル変換IC611〜619に固有のID情報をアドレス情報として利用して各ランプ125a〜125f,126a〜126f,281a〜281l,282a〜282f,283a〜283fを制御することができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート部に入力される複数の状態検出信号のうちのいずれか1つ以上の状態が変化したか否かを判定し、複数の状態検出信号のうちのいずれか1つ以上の状態が変化したと判定したときに、入力ポート部に入力されている複数の状態検出信号を一括してコマンドとして送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信したコマンドにもとづいて遊技機の状態に関する複数種類の情報のいずれの状態が変化したかを判定し、判定した遊技機の状態に関する情報に対応する報知を電気部品に行わせるように構成されているので、各種の報知を電気部品で行わせる場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担は重くならない。
なお、上記の実施の形態では、各種の報知を、ランプ、スピーカ27および可変表示装置9で実行し、可変表示装置9で実行される場合には、報知の表示と演出表示とを重畳表示するようにしたが、例えば、可変表示装置9における表示領域の一部において、重畳表示せずに、報知の表示を行うようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、主基板31から演出制御基板80等に対してパラレル信号方式で演出制御コマンドが送信されたが、パラレル信号方式で演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、エラーが発生した場合に、図柄の変動中においても各種の報知(図127に示す、ドア開放エラーや球切れエラーなど)を実行するように構成されていたが、大当り中や小当り中においても実行するように構成されていてもよい。特に、満タンエラーは大当り中に起こりやすいので、大当り中に満タンエラーの報知を行うようにするのが好ましい。
なお、上記の実施の形態では、払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)から主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)に対して、賞球BUSY信号と賞球カウント信号の両方が出力されていたが、いずれか一方の信号のみ出力するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が賞球カウント信号のみ入力する場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560が賞球カウント信号で賞球払出個数を認識することによって所定個数(賞球個数信号で指定した払出個数)の賞球払出の完了を認識し、賞球払出の完了を認識したことにもとづいて賞球REQ信号をオフ状態にするようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560が賞球BUSY信号のみ入力する場合には、情報出力処理(特に、図87および図88のステップS1085〜S1111)において、10個の賞球払出を認識して賞球信号を出力する代わりに、賞球BUSYのオフを検出して賞球払出個数を認識し、10個の賞球払出毎に賞球信号を出力するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370が払出個数カウントスイッチ301からの検出信号を入力し、その検出信号に応じた賞球カウント信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力するようにしていたが、払出個数カウントスイッチ301の検出信号を伝達する信号線を分岐させて(例えば払出制御基板37上で分岐させて)、その信号線を主基板31に接続することにより、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号を直接、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)に入力させるようにしてもよい。この場合、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に賞球カウント信号を出力する必要はない。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号にもとづいて、賞球信号を情報端子盤34に出力することになる。また、払出個数カウントスイッチ301の検出信号を伝達する信号線を払出制御基板37に接続せずに主基板31にのみ接続することにより、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号を主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)に入力させるようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して払出個数カウントスイッチ301からの検出信号に応じた信号(例えば、1個の賞球払出が行われたことを示すパルス信号)を送信する。
また、上記の実施の形態では、賞球信号を賞球払出10個1パルスとしていたが、例えば1個1パルスとしてもよい。この場合、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号を、遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力させることなく、直接、主基板31から情報端子盤34に出力し、情報端子盤34からホールコンピュータに出力させることができる。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球払出の個数を認識する必要があるので、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は入力される。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、ドア開放スイッチ(1)154の検出信号(ドア開放1信号)およびドア開放スイッチ(2)155の検出信号(ドア開放2信号)にもとづいて、ドア開放(負)信号およびドア開放(正)信号を情報端子盤34に出力するようにしていたが、ドア開放1信号およびドア開放2信号を主基板31から直接、情報端子盤34に出力するようにしてもよい。この場合、ドア開放1信号およびドア開放2信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力させる必要はない。また、ドア開放スイッチ(1)154の検出信号(ドア開放1信号)およびドア開放スイッチ(2)155の検出信号(ドア開放2信号)は、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されずに払出制御基板37を経由して主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されるようにしていたが、払出制御基板37を経由せずに主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560に直接入力されるようにしてもよく、また、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力された後に、払出制御用マイクロコンピュータ370から主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信されるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、図81に示したように、払出制御用マイクロコンピュータ370が払出個数カウントスイッチ301からの検出信号に応じて賞球カウント信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560(主基板31)に出力し、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力した賞球カウント信号にもとづいて賞球信号(賞球情報信号)を情報端子盤34に出力するように構成されていた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301からの検出信号に応じて賞球情報信号を主基板31を経由させて情報端子盤34に出力するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100が各種の演出装置を制御するように構成されていたが、第1の演出基板に搭載された回路が、可変表示装置9、スピーカ27、ランプのうちの任意の演出装置の制御を行い、第2の演出基板に搭載された回路が、上記の演出装置のうちの任意の演出装置の制御を行うようにしてもよい。
なお、図8、図10などに示すように、この実施の形態の遊技機では、タンクレール160から球払出装置97に遊技球を導くカーブ樋700は、湾曲状に折れ曲がっているが、直角形状などに折れ曲がっていてもよい。また、カーブ樋700は、2列になっているが、1列であってもよく、3列以上であってもよい。
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。