以下添付の図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。図1は本発明の第1参考例に係る弾球遊技機について釘を省略して示す正面図、図2は同弾球遊技機の裏面図、図3は同弾球遊技機の制御装置等の接続を簡略に示すブロック図である。
図1に示す本参考例の弾球遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であり、遊技盤3の縁に遊技球の外側ガイドレール4及び内側ガイドレール5が略円形に立設され、前記内側ガイドレール5によって囲まれた遊技領域6を有する。前記遊技領域6には、その中心線上に上部から下部に向かって順に表示装置9、始動入賞口10、特別電動役物である大入賞口15、アウト口17が配設され、また上方両側にはランプ風車18a,18b、その下方に普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21、その下方に左袖入賞口23と右袖入賞口25、さらには前記大入賞口15の両側に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が配設されている。各入賞口および普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21には、入賞(入球)した遊技球を検出する入賞検出センサが設けられている。なお、前記表示装置9は、文字又は図柄の少なくとも何れかを表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなり、この参考例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成され、左下に普通図柄表示部45が組み込まれ、その他の大部分が特別図柄表示部42となっている。符号22a,22bは風車、F1は外枠、F2は外枠F1に取り付けられた前枠、Gは前枠F2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。
また、前記遊技機1の前面側には、枠飾り右ランプ35a、枠飾り上ランプ35b及び枠飾り左ランプ35cからなるランプ装置、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技領域6に向けて弾発発射する発射装置53が設けられている。符号54は発射装置53の操作レバーである。さらに、この例の弾球遊技機1は、プリペイドカードユニット55が接続されている。
遊技を制御するための複数の制御基板や装置等は、遊技機1の裏側の機構板に設けられている。前記遊技機1の裏側に設けられる制御基板や装置について、図2及び図3を用いて簡略に説明する。なお、図2の符号99は機構板である。図には、前記制御基板及び装置の主なものとして、主制御基板100、表示制御基板101、中継基板102、ランプ制御基板103、音声制御基板104、払出制御基板105、エラー解除スイッチ124、払出装置125、球無しスイッチ基板185、受電基板187、電源基板188、カードインターフェイス接続部189、発射制御基板190、枠用外部端子基板191、盤用外部端子基板192等が示されている。なお、各基板には電気回路が形成され、また各基板は基板ケースに収容されている。
前記主制御基板100は、遊技の当否判定や副制御基板に対する制御等、遊技の主な制御を行う。前記主制御基板100は、CPU,RAM,ROM,複数のカウンタを備えたコンピュータと、該コンピュータとランプ制御基板103、払出制御基板105等を結ぶ入出力回路と、前記コンピュータと前記大入賞口15に接続される中継基板等を結ぶ入出力回路等で構成される。前記CPUは、制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、遊技における大当たりの発生や小当たりの発生のための乱数等も生成している。また、前記RAMは、各種検出信号用の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。さらに、前記ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データ等が書き込まれている他、遊技における大当たり及び小当たりの判定値等が書き込まれている。
それに対して、副制御基板としての表示制御基板101は前記表示装置9の制御を行い、またランプ制御基板103は、前記ランプ装置等を制御し、前記音声制御基板104は前記スピーカ38からの音声を制御し、前記払出制御基板105は、払出装置125による遊技球の払出を制御し、前記払出装置125から払い出された遊技球を後述の払出遊技球検出手段により検出して遊技球の払出を監視する。なお、前記払出制御基板105は、本発明の払出制御手段に相当する。前記表示制御基板101、ランプ制御基板103、音声制御基板104及び払出制御基板105等は、CPU、ROM、RAMを備える。また、前記発射制御基板190は、前記発射装置53に遊技者の手が接触しているか否かをタッチセンサにより検出して前記発射装置53を制御する。一方、前記エラー解除スイッチ124は、前記払出装置125の払出に関しエラーが発生してエラー報知がなされた場合に、エラーを解除してエラー報知を停止するスイッチである。本参考例においてエラー報知は、前記ランプ装置の点滅によって行われる。前記エラーは本発明の異常動作に相当する。
また、図4に示すように、前記機構板99の上部には、遊技機設置島から流れてくる遊技球を受け取って一旦溜めるためのタンク90と、前記タンク90から流路切換手段110へ遊技球を誘導するタンクレール91およびケースレール92と、前記流路切換手段110により遊技球の流路が切換可能とされた払出誘導樋131および球抜樋201と、前記払出誘導樋131によって遊技球が誘導される払出装置125が設けられている。また、前記球抜樋201は、遊技機の外部へ遊技球を誘導可能にされている。流路切換手段110、払出装置125、払出誘導樋131、球抜樋201及びそれらに関連する構造については、後に詳述する。
前記弾球遊技機1では、前記遊技領域6へ向けて前記発射装置53により遊技球が発射されて、前記種々の入賞口に入賞すると、すなわち本発明における遊技球払出条件が成立すると、入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として、前記払出装置125により払い出され、後述の払出樋(図4の符号159)を通って弾球遊技機前面側の上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21を遊技球が通過すると、小当たり判定・普通図柄決定用乱数値が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄の当たり(小当たり)判定が行われ、前記普通図柄表示部45で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、前記普通図柄の当たり判定結果が小当たりの場合には、小当たり普通図柄、この例では奇数で停止し、前記始動入賞口10の2つの可動片10a,10bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞し難い狭小開放状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞(入球)し易い拡開開放状態に変化し、遊技球が入賞し易くなる。そして、前記始動入賞口10に遊技球が入賞(入球)すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。なお、本参考例では、大入賞口15への入賞(入球)は主賞球として15個の遊技球が払い出されるのに対して、その他の入賞については副賞球として4個払い出されるように設定されている。
また、前記始動入賞口10に遊技球が入賞すると、大当たり当否判定用乱数値及び大当たり確定特別図柄の組合せ決定用乱数値が取得され、前記取得された大当たり当否判定用乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われ、前記特別図柄表示部42で特別図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。
前記大当たりの当否判定結果が大当たりの場合には、前記特別図柄表示装置9に大当たり確定特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せ)で停止表示され、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)に移行する。前記特別遊技状態になると、前記大入賞口15の開閉板16が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口15へ入賞可能にし、該大入賞口15への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板16は、所定時間(例えば29.5秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば15個)となった時点で閉じるようにされている。また、前記大入賞口15の開放中又は大入賞口15が閉じてから約2秒以内に、大入賞口内の特定領域入賞口15aへの入賞球が検出されると、前記大当たりを再度繰り返す継続権利が発生し、所定最高回数(例えば最高16回)、前記開閉板16の開放を繰り返すようになっている。
ここで、前記流路切換手段110、前記払出装置125、前記払出誘導樋131、前記球抜樋201及びそれらに関連する構造について説明する。前記流路切換手段110は、前記ケースレール92に設けられている。
前記ケースレール92は、図4ないし図8に示すように、前記タンクレール91から続く遊技球誘導樋92aが内部に形成されている。本参考例の遊技球誘導樋92aは途中で下側へUターンした形状とされ、前記Uターン後の傾斜が緩やかな部分の下面に球抜樋入り口93が開口して形成され、また遊技球誘導樋92aの下流端が払出誘導樋131と接続されている。前記球抜樋入り口93は、後に詳述する流路切換手段110の流路切換部材111によって開閉可能とされると共に、前記流路切換部材111によって開放された際には、球抜樋入り口93の直下に設けられた球抜樋201へ通じる球抜状態時の流路が形成される。一方、前記球抜樋入り口93が前記流路切換部材111によって閉鎖された際には、閉鎖中の前記球抜樋入り口93上を遊技球が通って払出誘導樋131へ誘導される払出状態時の流路が形成される。
前記流路切換手段110は、図9から容易に理解されるように、流路切換部材111と流路切換ロック部材116と流路切換操作レバー113とより構成される。流路切換部材111は、前記球抜樋入り口93を下から塞ぐことのできる大きさの流路切換板111aと、前記流路切換板111aの基部に形成されている回動用軸部111bと、前記回動用軸部111bから下方に垂下する押さえ部111cとよりなる。また、前記流路切換板111aは押さえ部111cよりも重くなるように設定されている。前記流路切換部材111は、前記球抜樋入り口93付近におけるケースレール92の前後面間に前記流路切換板111aを上下動可能にして前記回動用軸部111bで軸着され、押さえ部111cを下方に押すことにより前記流路切換板111a側が上方へ回動して前記球抜樋入り口93の周縁に当接し、前記球抜樋入り口93を下側から塞ぐようになっている。また、前記球抜樋入り口93を流路切換板111aが塞いでいる状態において、且つ、後述のロック部材116との係合が解除されているときに、前記流路切換板111aが押さえ部111cよりも重く設定されていることにより前記流路切換板111aが下方へ回動して、前記球抜樋入り口93を開放できるようになっている。前記押さえ部111cの下面には流路切換ロック部材116と係合して前記流路切換板111aの下方回動を阻止する係合突起111dが形成されている。
前記流路切換ロック部材116は、前記流路切換板111aの自由な下方回動を阻止すると共に、球抜状態時に前記流路切換板111aの下方回動を可能にするものである。前記流路切換ロック部材116は、前記ケースレール92の前後面間に上下回動可能に一端側の軸部116aで軸着された上下回動可能部材とされ、上面には前記押さえ部111cの係合突起111dと解除可能に係合する係合爪116bが形成され、また下面にはケースレール92の外面と接触して誘導切換ロック部材116の係合爪116b側を上向きに付勢するバネ片116cが形成されている。前記係合爪116bは、前記流路切換板111aが前記球抜樋入り口93を塞いだ状態、すなわち遊技球の払出状態となっているときに、前記押さえ部111cの下面の係合突起111dと係合して前記流路切換板111aの下方回動、すなわち球抜樋入り口93の開放を阻止する。また、前記バネ片116cの弾性に抗する誘導切換ロック部材116の下方回動によって、前記係合爪116bが前記押さえ部111cの下面の係合突起111dから離れ、前記球抜樋入り口93の流路切換板111a上に遊技球が乗っている状態時に、遊技球の重みと前記流路切換板111aが押さえ部111cよりも重く設定されていることにより前記押さえ部111cの上方回動、すなわち流路切換板111aの下方回動を可能にする。
前記流路切換操作レバー113は、前記流路切換ロック部材116の係合爪116bと前記流路切換部材111の係合突起111dとの係合を解除して前記流路切換板111aの下方回動を可能にするためのものである。前記流路切換操作レバー113は、前記流路切換ロック部材116において前記軸部116aから離れる端部に形成された連動用孔116dと係合する係合ピン113aが、遊技機の背面方向へ突出して形成されていると共に、前記係合ピン113aの下方位置に遊技機の左右方向に沿う軸孔113bが形成されており、また上部がつまみ部113cとされた構成からなり、前記軸孔113bの位置で前記ケースレール93に軸着されて前記流路切換ロック部材116へ向かう方向、すなわち遊技機の背面方向へ回動可能とされている。前記流路切換操作レバー113の上部のつまみ部113cを流路切換ロック部材116側へ倒して、前記流路切換操作レバー113を前記流路切換ロック部材116側へ回動させると、前記係合ピン113aが前記軸部116aを中心として下方へ回動して前記流路切換ロック部材116を下方へ押し、それによって流路切換ロック部材116が前記バネ片116cに抗して前記軸部116aを中心として下方へ回動し、前記流路切換ロック部材116の係合爪116bと前記流路切換板111の係合突起111dとの係合が解除される。
前記流路切換手段110によれば、前記流路切換ロック部材116の係合爪116bと前記流路切換部材111の係合突起111dが係合し、前記球抜樋入り口93が前記流路切換板111aで塞がれた払出状態時、前記のように流路切換操作レバー113を流路切換ロック部材116側へ倒して、前記流路切換ロック部材116の係合爪116bと前記流路切換部材111の係合突起111dとの係合を解除すると、前記球抜樋入り口93の前記流路切換板111a上に位置する遊技球の重み及び流路切換板111aが押さえ部111cよりも重く設定されていることによって流路切換板111aが下方へ回動して球抜樋入り口93が開放される。これにより、球抜樋入り口93より上流、すなわち前記流路切換手段110より上流の遊技球が、球抜樋入り口93から球抜樋201へ誘導される球抜状態となり、遊技球が球抜樋201を通って遊技機裏面側の球抜球出口から遊技機1の外部へ排出可能になる。
一方、前記球抜状態時、前記球抜樋入り口93の上方に遊技球がなくなった場合に前記押さえ部111cを下方へ押すと、前記流路切換板111aが上方へ回動して前記球抜樋入り口93を塞ぎ、前記タンクレール92から前記払出誘導樋131へ遊技球を誘導する払出状態時の流路が形成される。その状態で前記流路切換操作レバー113を前記流路切換ロック部材116側へ倒すのを止めると、前記流路切換ロック部材116の係合爪116bと前記流路切換部材111の係合突起111dが係合して前記払出状態時の流路がその後においても維持されることになる。なお、前記球抜途中、すなわち、前記球抜樋入り口93の上方に遊技球が残っている段階でも、前記遊技球切換部材111の押さえ部111cを強制的に下方へ押し、それにより前記流路切換板111aを上方へ回動させて前記球抜樋入り口93を塞ぎ、その状態で前記流路切換ロック部材116の係合爪116bと前記流路切換部材111の係合突起111dを係合させることにより、払出状態に変化させると共に払出状態を維持させることもできる。
さらに、本参考例では、前記流路切換板111aと前記ケースレール92には、前記球抜状態とされたことを検出する球抜状態検出手段として、球抜状態検出センサ117a,117bが設けられている。図示の球抜状態検出センサ117a,117bは、前記流路切換板111aが下方へ回動して前記球抜状態となった際に、前記流路切換板111aと前記ケースレール92が互いに接触し、一方、前記流路切換板111aが上方へ回動して払出状態となった際に離れることとなる部位に設けられる。前記球抜状態検出センサ117a,117bは、前記接触により球抜状態を検出することができるものであって、公知の接触式スイッチからなる。前記球抜状態検出手段としての球抜状態検出センサ117a,117bは前記払出制御手段105と接続され、球抜状態の検出が払出制御手段105で判断される。なお、球抜状態検出手段は、前記の位置及び方式に限られるものではなく、前記球抜状態を検出できるものであればよい。
前記払出装置125は、前記払出誘導樋131からの遊技球を、前記払出制御手段の制御により、払出あるいは払出停止を行うものである。前記のように、払出装置125による遊技球の払出は、前記遊技領域6へ発射された遊技球が前記入賞口に入賞することによる遊技球払出条件の成立によって、あるいは払出装置強制作動手段の作動、すなわち本参考例では遊技店の店員等が前記ガラス枠Gを開けて、前記入賞口へ遊技球を直接入球させることにより行われる。本参考例の払出装置125は、払出誘導樋131を流下してくる遊技球を1球ずつ受け止めて一方向への回転により1球ずつ下方へ払い出すことが可能なスプロケット状の回転体126と、前記回転体126との係合により該回転体126の回転を阻止、すなわち遊技球の払出を阻止し、また係合解除により該回転体126の回転を可能、すなわち払出を可能とする爪状のストッパー部材128と、前記ストッパー部材128を作動させて前記回転体126に対する係合及び係合解除を行う払出ソレノイド129で構成される。なお、それらの部材はケース体130に収容されている。本参考例のケース体130は、図10および図11に示すように、正面視縦長な長方形の透明な箱状からなり、内部における上部の一部には前記払出誘導樋131と通じるケース内払出誘導樋131aが形成されている。
前記回転体126は、前記ケース内払出誘導樋131aからの遊技球を1球ずつ間に挟むことが可能な爪127を放射状に有するものであって、前記ケース内払出誘導樋131aの中心線から前記回転体126の回転中心をずらして配置されることにより、前記爪127で受けた遊技球の自重により前記回転体126が回転して遊技球を下方へ払い出し可能に設けられている。また、前記ストッパー部材128は、先端が前記回転体126の爪127と解除可能に係合する形状とされたもので、前記払出ソレノイド129の作動部材129aと連動し、前記払出ソレノイド129の作動により揺動して、前記回転体126の爪127に対する係合や係合解除が可能にされている。本参考例では、前記払出ソレノイド128は作動部材129aが上下方向となるように設けられ、図10の(10−A)のように、前記作動部材129aが上方へ後退することにより、前記ストッパー部材128と前記回転体126の係合が解除されて、回転体126の回転が可能になり、それまで前記ケース内払出誘導樋131aからの遊技球が爪127間に保持されていたのを払出可能とし、一方、図10の(10−B)のように、前記作動部材129aが下方へ前進することにより、前記ストッパー部材128と前記回転体126が係合して回転体126の回転を阻止し、前記ケース内払出誘導樋131aからの遊技球を回転体126の爪127間に保持し、遊技球の払出を停止する。なお、前記払出ソレノイド128の作動部材129aは、常時下方へコイルスプリングにより付勢され、前記遊技球払出条件の成立や払出装置強制作動手段の作動により払出ソレノイド128が作動ONとなって上方へ後退し、その後の作動OFFによってコイルスプリングの力で下方へ前進するように構成されている。
前記ケース体130には、払出検出器140が設けられている。払出検出器140は、払出遊技球検出手段に相当し、本参考例では図11に示すように、保持部材141と遊技球の個数を検出する払出遊技球検出センサ145とよりなり、前記回転体126で払い出された直後の遊技球を前記払出遊技球検出センサ145が検出可能な位置、本参考例では払出樋159の上方に設けられる。前記払出遊技球検出センサ145はフォトセンサ、接触式センサ、磁力センサ等、遊技球を検出可能なものとされ、実施形態により適宜選択される。前記払出遊技球検出センサ145による遊技球の検出個数が、各入賞口への入賞に対して予め設定されている遊技球の払出設定個数になると払出装置125による払出を終了し、一方、前記払出遊技球検出センサ145による遊技球の検出個数が前記遊技球の払出設定個数に対して過不足の場合には、エラー報知が行われる。また、本参考例では、前記球抜状態検出センサ117a,117bにより球抜状態が検出されると、前記払出遊技球検出センサ145による遊技球の検出が無効あるいは不可能とされ、エラー報知が防止される。前記球抜状態検出センサ117a,117bによる球抜状態検出によって払出遊技球検出センサ145による遊技球の検出を無効あるいは不可能にすることが、払出遊技球非検出手段となっている。
前記保持部材141は、前記ケース体130の一側の側部を挟持面142で挟むことが可能な略コの字形状からなり、上部には吊り下げ片143が設けられ、前記挟持面142の内側には前記払出遊技球検出センサ145が設けられている。前記保持部材141は、払出樋159の上方側となる前記ケース体130の一側面の外側に形成された払出検出器保持片133に前記吊り下げ片143が軸支されて、前記ケース体130の側部に固定される。また、前記ケース体130の前後面には、前記保持部材141の挟持面142が重なる位置、すなわち、前記払出装置125から払い出された直後の遊技球が通過する位置の前後面には検出センサ用窓132が形成され、前記保持部材141の挟持面142の内側に設けられている払出遊技球検出センサ145が、前記検出センサ用窓132の位置と一致して、前記払出装置125から払い出された遊技球の個数を検出可能にされている。
また前記ケース体130は、前記ケース内払出誘導樋131aの真下におけるケース体130の下端付近に払出樋159が形成されている。前記払出樋159は、遊技機の前面側の上側球受け皿36と接続され、前記払出装置125から払い出された遊技球を上側球受け皿36へ払出可能にされている。
なお、前記球抜状態時、前記流路切換手段110から(図示の例では球抜樋入り口93から)払出装置125の回転体126間に残る遊技球については、遊技店の店員等が前記ガラス枠Gを開けて適当な入賞口に遊技球を入球させて強制的に前記払出装置125の払出ソレノイド128を作動させることにより、遊技機前面の上側球受皿(本願発明の貯留皿に相当)36に払い出すことができるが、前記球抜状態の検出により自動的に前記払出ソレノイド128を作動させて、遊技機前面の上側球受皿36に払い出すようにしてもよい。
次に第2参考例の弾球遊技機について示す。図12は第2参考例に係る弾球遊技機1Aの裏面図、図13は第2参考例における払出状態の機構板の裏側について装置等を一部切り欠いて示す図、図14は第2参考例における球抜・払出状態の機構板の裏側について装置等を一部切り欠いて示す図、図15は第2参考例における払出装置の作動を示す図、図16は第2参考例におけるケース体及び保持部材の斜視図、図17は第2参考例における払出検出器移動部材の斜視図である。なお、第2参考例の弾球遊技機1Aにおいて、正面図は第1参考例の第1図と同様であり、制御装置等の接続を簡略に示すブロック図は図3と同様である。また、第1参考例と区別して示す必要がある部分のみ第1参考例とは異なる符号を用い、他の部分については同一の符号を用いて説明する。以下、第1参考例と相違する部分を主として説明する。
第2参考例の弾球遊技機1Aは、例えば前記球抜状態時に、前記流路切換手段110から(図示の例では球抜樋入り口93から)払出装置125の回転体126間に残る遊技球を強制的に払い出す際、前記入賞口に遊技球を入球させる方法に加えて別の強制払出作動手段を備え、且つ強制払出作動手段の作動によって払出装置125から払い出された遊技球に対し、払出遊技球検出センサ145による検出を不可能にするものである。
第2参考例における払出検出器140は、前記払出樋159の上方側となる前記ケース体130の一側面の外側に形成された払出検出器保持片133に吊り下げ片143が軸支されて、前記ケース体130の側部に揺動可能に軸支される。前記ケース体130の側部に吊り下げられた払出検出器140は、図15のように前記ケース体130の側部に対して接近あるいは離間するように揺動可能とされ、前記揺動により前記保持部材141の挟持面142が、前記ケース体130の前後面に重なったり(図15の(15−A)及び(15−B))、ケース体130の外へほとんどはみ出したりするようになっている(図15の(15−C))。また、前記ケース体130の前後面には、前記保持部材141の挟持面142が重なる位置、すなわち、前記払出装置125から払い出された直後の遊技球が通過する位置の前後面には、図16に示すように検出センサ用窓132が形成され、前記保持部材141の挟持面142が前記ケース体130の前後面に重なった際(図15の(15−A)及び(15−B))に、前記保持部材141の挟持面142内側に設けられている払出遊技球検出センサ145が、前記検出センサ用窓132の位置と一致して、前記払出装置125から払い出された遊技球を検出可能な第1の位置となり、一方、前記払出検出器140がケース体130の側部外方へ揺動した際(図15の(15−C))には、前記払出遊技球検出センサ145が前記検出センサ用窓132の位置から外れて前記払出装置125から払い出された遊技球を検出不可能な第2の位置になる。
なお、本参考例では前記払出検出器140が自重による揺動で前記ケース体130に接近して前記払出遊技球検出センサ145による遊技球の検出可能な第1の位置となるように、前記保持部材141の下部には重り141aが埋設されている。また、後述するように、払出装置強制作動部材166による払出ソレノイド(本発明における電気的駆動源に相当)129の作動時に、払出検出器移動部材161Aの一部が保持部材141に当接して保持部材141を押すことにより、前記払出検出器140がケース体130の外方へ揺動して、前記払出遊技球検出センサ145による遊技球の検出不可能な第2の位置となるように構成されている。また、図18に示すように、ケース体130の検出センサ用窓132Aを切り欠き状にして、払出遊技球検出センサ145が揺動する際に、前記払出遊技球検出センサ145が検出センサ用窓132Aの切り欠き状部分を揺動してケース体130の表面で遮られないようにしてもよい。
前記検出センサ用窓132の位置から前記払出樋159の間には、払出検出器移動部材161Aが設けられている。前記払出検出器移動部材161Aは、図17に示すように、上下に細長い略板状体からなり、遊技機の前後に相当する払出検出器移動部材161Aの前後面の下部に揺動軸162が形成されていると共に上部にピン状の当接用突部163が形成され、さらに下部には遊技機の左右一方向へ突出した腕部164が形成され、前記腕部164には遊技機の裏面側へ突出した連動部165がピン状に突出形成されている。また、前記払出検出器移動部材161Aの上部から下部にかけて遊技球通過窓170が形成されている。
前記払出検出器移動部材161Aは、図15の(15−A)及び(15−B)のような略垂直状態と、図15の(15−C)のような払出装置125により供給される遊技球が遊技球通過窓170を通って払出樋159へ流下可能な傾斜状態との間を揺動可能となるように、ケース体130内に前記揺動軸162で軸着される。また、前記当接用突部163は、前記ケース体130の前後面に弧状に形成されている当接用突部スライド用長孔135に挿入されて前記ケース体130の外面に突出し、前記払出検出器移動部材161Aが揺動する際に、前記当接用突部スライド用長孔135に沿ってスライド可能にされている。前記当接用突部スライド用長孔135から突出している前記当接用突部163は、前記略垂直状態(図15の(15−A)、(15−B))から傾斜状態(図15の(15−C))へ前記払出検出器移動部材161Aが揺動する際に、前記当接用突部スライド用長孔135に沿ってスライドし、その時、前記払出検出器140の保持部材141における挟持面142のケース体中央側端部142aの下部側と当接することにより、前記検出器140を外方へ揺動させ、前記払出装置125から払い出された遊技球を検出不可能な第2の位置にする。本参考例においては、前記球抜状態検出センサ117a,117bによる球抜状態検出によって払出遊技球検出センサ145による遊技球の検出を無効にすることを第1払出遊技球非検出手段とすると、前記払出検出器移動部材161Aにより前記払出検出器140を揺動させて第2の位置にすることは、第2払出遊技球非検出手段に相当する。このように、第1払出遊技球非検出手段と第2払出遊技球非検出手段を備えることにより、球抜状態において遊技球を強制的に払い出す際に、払い出された遊技球が払出遊技球検出センサ145で検出されてエラー等の異常動作を生じるのをより確実に防ぐことが可能となる。
また、前記払出検出器移動部材161Aの連動部165については、前記払出ソレノイドの作動部材129aの下方に上下動可能に設けられた払出装置強制作動部材166の下部の係合凹部169と係合し、前記払出装置強制作動部材166を上下移動させる際に、前記払出装置強制作動部材166の係合凹部169と共に上下動し、それによって前記払出検出器移動部材161Aが前記揺動軸162を軸として揺動し、前記略垂直の状態(図15の(15−A)、(15−B))と傾斜した状態(図15の(15−C))に変位させるようになっている。さらに、前記払出検出器移動部材161Aが略垂直の状態(図15の(15−A)及び(15−B))から傾斜した状態(図15の(15−C))に変位する際には、前記払出検出器移動部材161Aの当接用突部163が前記払出検出器140の保持部材141における挟持面142のケース体中央側端部141aの下部側と当接することにより、前記払出検出器140をケース体130の外方へ揺動させ、前記払出装置125から払い出された遊技球を検出不可能な第2の位置にする。
前記払出装置強制作動部材166は、上下に長い略棒状体からなって、下部に前記払出検出器移動部材161Aの連動部165と係合する係合凹部169が形成され、また前記ケース体130の外部に突出した操作用つまみ部167が形成されている。前記操作用つまみ部167を上方へ動かして払出装置強制作動部材166を上方へ移動させると、払出装置強制作動部材166の上端が前記払出ソレノイド129の作動部材129aの下端と接触して作動部材129aを上方へ後退させ、それによって前記ストッパー部材128を揺動させて前記回転体126と前記ストッパー部材128との係合を解除し、前記回転体126を回転可能にして遊技球が払出装置125から払出可能になる。また、その際、前記払出装置強制作動部材166の係合凹部169に前記払出検出器移動部材161Aの連動部165が係合しているため、前記払出検出器移動部材161Aを略垂直状態から傾斜状態に変位させ、さらにそれに連動して前記払出検出器140をケース体130の外方へ揺動させ、前記払出装置125から払い出された遊技球に対して検出不可能な第2の位置にする。
また、前記操作用つまみ部167を下方へ動かせば、前記払出装置強制作動部材166が下方へ移動して前記回転体126と前記ストッパー部材128が係合し、前記払出装置125からの強制的な払出を停止させると共に、前記払出検出器移動部材161Aを傾斜状態から略垂直状態に変位させて前記払出検出器140を前記払出装置125から払い出された遊技球を検出可能な第1の位置に戻すことができる。前記払出装置強制作動部材166は、前記入賞口への遊技球の入球と共に払出装置強制作動手段に相当する。なお、本参考例において、操作用つまみ部167を上下方向へ動かすことにより、前記払出検出器140を第1の位置と第2の位置とに移動することが可能な構成にしているが、例えば、球抜状態検出センサ117a,117bによる球抜状態検出により自動的に払出検出器140が第1の位置と第2の位置に移動する構成にしてもよい。なお、前記払出ソレノイド129と前記ストッパー部材128と前記回転体126は本発明における阻止部材を構成する。
次に実施例の弾球遊技機1Bについて説明する。図19は実施例における払出状態の機構板の裏側について装置等を一部切り欠いて示す図、図20は実施例における球抜状態の機構板の裏側について装置等を一部切り欠いて示す図、図21は実施例における払出装置の作動を示す図、図22は実施例におけるケース体及び保持部材の斜視図、図23は実施例における第2流路切換部材の斜視図である。なお、実施例の弾球遊技機1Bにおいて、正面図は図1と同様であり、裏面図は図12と同様であり、さらに制御装置等の接続を簡略に示すブロック図は図3と同様である。また、第1参考例及び第2参考例と区別して示す必要がある部分のみ第1参考例及び第2参考例とは異なる符号を用い、他の部分については同一の符号を用いて説明する。以下、第1参考例及び第2参考例と相違する部分を主として説明する。
実施例の弾球遊技機1Bは、前記払出装置25から払い出された遊技球を遊技機の前面側へ誘導する払出樋159あるいは前記遊技機の外部へ抜き出すための第2球抜樋202の何れか一方へ遊技球の流路を切り換える第2流路切換手段と、前記第2流路切換手段が前記払出装置125からの遊技球の流路を前記払出樋159へ誘導する払出状態から前記第2球抜樋202へ誘導する第2球抜状態へ切り換えたことを起因に、前記払出遊技球検出手段(前記払出検出器140が相当)による遊技球の検出を無効あるいは不可能にする第2払出遊技球非検出手段を備える。
実施例において、前記払出装置125等が収容されるケース体130は、図22に示すように、前記第2参考例で説明したのと同様の外形とされている。しかし、前記ケース体130内の下端付近には前記払出樋159の隣に第2球抜き樋用開口部160が形成されている。前記払出樋159と第2球抜樋用開口部160は、固定壁158で仕切られ、前記払出樋159については、遊技機の前面側の上側球受け皿36と接続され、一方第2球抜樋用開口部160については、第2球抜樋202と接続されている。前記第2球抜樋202は、前記球抜樋201の途中に連通しており、前記第2球抜樋202を通って遊技球が前記球抜樋201に至り、さらに前記球抜樋201を通って遊技機の外部へ球抜可能になっている。
前記ケース体130の前記検出センサ用窓132の位置から前記払出樋159及び前記球抜き樋用開口部160の間には、前記払出装置125から払い出された遊技球の流路に第2流路切換部材161Bが設けられ、前記第2流路切換部材161Bによって前記遊技球の流路が前記払出樋159あるいは前記第2球抜樋202へ切り換え可能にされている。前記第2流路切換部材161Bによる流路の切り換えは、第2流路切換手段に相当する。また、前記第2流路切換部材161Bは、払出遊技球検出手段移動部材にも相当する。
本実施例における第2流路切換部材161Bは、図23にも示すように、上下に細長い略板状体からなり、遊技機の前後に相当する第2流路切換部材161Bの前後面の下部に揺動軸162が形成されていると共に上部にピン状の当接用突部163が形成され、さらに第2流路切換部材161Bの下部には遊技機の左右一方向へ突出した腕部164が形成され、前記腕部164には遊技機の裏面側へ突出した連動部165がピン状に突出形成されている。前記第2流路切換部材161Bは、前記ケース体130の検出センサ用窓132の位置と前記払出樋159及び前記第2球抜き樋用開口部160間のケース体130内に、図21の(21−A)及び(21−B)のように略垂直状態となって払出樋159へ遊技球を誘導可能な払出状態と、(21−C)のように第2流路切換部材161Bの上部が前記検出センサ用窓132の位置の真下に位置する傾斜状態となって第2球抜樋202へ遊技球を誘導可能な第2球抜状態の間を揺動可能に前記揺動軸162で軸着される。また、前記当接用突部163は、前記ケース体130の前後面に弧状に形成されている当接用突部スライド用長孔135に挿入されて前記ケース体130の外面に突出し、前記第2流路切換部材161Bが揺動する際に、前記当接用突部スライド用長孔135に沿ってスライド可能にされている。前記当接用突部スライド用長孔135から突出している前記当接用突部163は、略垂直状態(図21の(21−A)及び(21−B))から傾斜状態(図21の(21−C))へ前記第2流路切換部材161Bが揺動する際に、前記当接用突部スライド用長孔135に沿ってスライドし、その時、前記払出検出器140の保持部材141における挟持面142のケース体中央側端部142aの下部側と当接することにより、前記払出検出器140を外方へ揺動させ、前記払出装置125から払い出された遊技球を検出不可能な第2の位置にする。本実施例では、前記第2流路切換部材161Bにより前記払出検出器140を揺動させて第2の位置にする構成が、第2払出遊技球非検出手段となっている。
また、前記第2流路切換部材161Bの連動部165については、前記払出ソレノイドの作動部材129aの下方に上下動可能に設けられた払出装置強制作動部材166の下部の係合凹部169と係合し、前記払出装置強制作動部材166を上下移動させる際に、前記払出装置強制作動部材166の係合凹部169と共に上下動し、それによって前記第2流路切換部材161Bが前記揺動軸162を軸として揺動し、略垂直の払出状態(図21の(21−A)及び(21−B))と傾斜した第2球抜状態(図21の(21−C))に変位させるようになっている。さらに、前記第2流路切換部材161Bが略垂直の払出状態から傾斜した第2球抜状態に変位する際には、前記のように第2流路切換部材161Bの当接用突部163が前記払出検出器140の保持部材141における挟持面142のケース体中央側端部141aの下部側と当接することにより、前記払出検出器140をケース体130の外方へ揺動させ、前記払出装置125から払い出された遊技球を検出不可能な第2の位置にする。
前記払出装置強制作動部材166は、第2参考例と同様に、上下に長い略棒状体からなって、下部に前記第2流路切換部材161Bの連動部165と係合する係合凹部169が形成され、また前記ケース体130の外部に突出した操作用つまみ部167が形成されている。前記操作用つまみ部167を上方へ動かして払出装置強制作動部材166を上方へ移動させると、払出装置強制作動部材166の上端が前記払出ソレノイド129の作動部材129aの下端と接触して作動部材129aを上方へ後退させ、それによって前記ストッパー部材128を揺動させて前記回転体126と前記ストッパー部材128との係合を解除し、前記回転体126を回転可能にして遊技球が払出装置125から払出可能になる。また、その際、前記払出装置強制作動部材166の係合凹部169に前記第2流路切換部材161Bの連動部165が係合しているため、前記第2流路切換部材161Bを略垂直状態から傾斜状態に変位させ、さらにそれに連動して前記払出検出器140をケース体130の外方へ揺動させ、前記払出装置125から払い出された遊技球に対して検出不可能な第2の位置にする。
また、前記操作用つまみ部167を下方へ動かせば、前記払出装置強制作動部材166が下方へ移動して前記回転体126と前記ストッパー部材128が係合し、前記払出装置125からの強制的な払出を停止させると共に、前記第2流路切換部材161Bを第2の位置から第1の位置に変位させて前記傾斜した第2球抜状態から略垂直の払出状態に切り換えることができ、さらにそれと同時に前記第2流路切換部材161Bの当接用突部163が前記払出検出器140と当接して押すことを解除して、前記払出検出器140を前記払出装置125から払い出された遊技球を検出可能な第1の位置に戻すことができる。前記払出装置強制作動部材166は、払出装置強制作動手段に相当する。
また、前記揺動可能な払出検出器140に代えて、図24乃至図26に示すように、前記払出樋159の上方位置におけるケース体130の一側側面に払出検出器140Aを固定し、前記固定式払出検出器140Aの下方におけるケース体130の側面に開口部136を設けると共に、前記開口部136を覆うように第2球抜状態検出手段としての第2球抜状態検出器137を設け、さらに前記第2流路切換部材161Bには前記第2球抜状態時の揺動傾斜によって前記開口部136からケース体130の外部に突出し、一方前記払出状態時の略垂直状態時には前記ケース体130内に位置する突部168を設け、前記第2球抜状態時に前記開口部136から突出する突部168を第2球抜状態検出器137で検出して第2球抜状態となったことを検出するようにしてもよい。この場合、前記第2球抜状態検出器137による第2球抜状態の検出によって、前記払出装置125から払い出された遊技球に対する前記払出検出器140Aの払出遊技球検出センサ145による検出を無効にすることが、第2払出遊技球非検出手段を構成する。前記第2球抜状態検出器137には、フォトセンサなどの検出センサを備えている。なお、この場合、図19乃至図23の例における前記第2流路切換部材の当接用突部163及びケース体の当接用突部スライド用長孔135は不要とされる。また、第2球抜状態となったことを、ランプやスピーカ等によって報知してもよい。
さらに図27のように、図19乃至図23の例と図24乃至図26の例を組み合わせてもよい。すなわち、前記ケース体130の一側側面には前記揺動可能な払出検出器140を設け、また前記払出検出器140の下方には開口部136を設けると共に前記開口部136を覆うように第2球抜状態検出手段としての第2球抜状態検出器137を設け、さらに前記第2流路切換部材161Bには前記第2球抜状態時の揺動傾斜によって前記開口部136からケース体130の外部に突出し、一方前記払出状態時の略垂直状態時には前記ケース体130内に位置する突部168を設け、前記第2球抜状態時に前記開口部136から突出する突部168を第2球抜状態検出器137で検出して球抜状態となったことを検出するようにし、第2球抜状態となったことをランプやスピーカ等によって報知してもよい。なお、本実施例において、操作用つまみ部167を上下方向へ動かすことにより、前記払出装置強制作動部材166を動かすことが可能な構成にしているが、例えば、球抜状態検出センサ117a,117bによる球抜状態検出により自動的に前記払出装置強制作動部材166を動かすことが可能な構成にしてもよい。
このように、実施例の弾球遊技機1Bにおいては、請求項1の構成のように、前記払出装置から払い出された遊技球を遊技機の前面側へ誘導する払出樋あるいは前記遊技機の外部へ抜き出すための第2球抜樋の何れか一方へ遊技球の流路を切り換える第2流路切換手段と、前記第2流路切換手段が前記払出装置からの遊技球の流路を前記払出樋へ誘導する払出状態から前記第2球抜樋へ誘導する第2球抜状態へ切り換えたことを起因に、前記払出遊技球検出手段による遊技球の検出を無効あるいは不可能にする第2払出遊技球非検出手段と、を備えることを特徴とする。
実施例の構成とすることにより、流路切換手段による球抜状態への流路変更によって前記流路切換手段から払出装置間に残留することになった余り遊技球を、エラー等の異常を生じることなく遊技機外へ排出することが可能となる。しかも、前記第1及び第2参考例の場合には、流路切換手段から払出装置間に残留した遊技球は、払出装置の強制作動によっても遊技機の前面側の上側球受皿36に排出されるため、さらに上側球受皿36から遊技球を掻き出して回収しなければならないのに対し、実施例では流路切換手段による球抜状態への流路変更によって流路切換手段から払出装置間に残留することになった遊技球を、遊技機の外部へ誘導することが可能なため、遊技球の球抜作業を容易に行うことが可能となる。さらに、遊技球を入賞口に入賞させて強制的に前記余り遊技球を排出することも可能であるが、その場合には無用な入賞が発生し、遊技店のコンピュータにおける払出などのデータに誤差などを生じる虞があると共に何らかの遊技球検出信号にエラーなどによる異常動作を生じる虞があるのに対し、この実施例では無用な入賞による問題を解消することが可能となる。
さらに、図19乃至図23及び図27に示す実施例において、前記第2払出遊技球非検出手段は、前記第2流路切換手段が前記払出装置からの遊技球の流路を前記払出樋へ誘導する払出状態から前記第2球抜樋へ誘導する第2球抜状態へ切り換えるのに連動して、前記払出遊技球検出手段が前記払出装置から払い出された遊技球を検出可能な第1の位置から遊技球を検出不可能な第2の位置に変位させることとしている。この構成により、球抜状態及び第2球抜状態への流路の切換時に確実に払出遊技球検出手段の検出を無効にすることが可能になる。
また、図19乃至図23及び図27に示す実施例において、前記払出遊技球検出手段は、遊技球を検出する払出遊技球検出センサと前記払出遊技球検出センサを保持する保持部材とよりなり、前記保持部材が前記払出樋の上方に軸支されて前記払出遊技球検出センサと共に揺動可能とされ、前記揺動によって前記払出遊技球検出手段が前記第1の位置と第2の位置を変位するようになっている。この構成により、前記第2流路切換手段が払出状態から第2球抜状態へ切り換えるのに連動して払出遊技球検出手段を第1の位置と第2の位置に容易に変位させることが可能になる。
また、実施例において、前記第2流路切換手段は、前記払出装置から払い出された遊技球を前記払出樋へ誘導する払出状態と前記第2球抜樋へ誘導する第2球抜状態に遊技球の流路を切り換える第2流路切換部材を備えている。この構成により、第2流路部材を動かして流路を切り換えることが可能になる。
さらにまた、図19乃至図23及び図27に示す実施例において、前記払出装置からの遊技球の流路を、前記払出樋へ誘導する払出状態から前記第2球抜樋へ誘導する第2球抜状態へ前記第2流路切換部材が切り換える際に、前記第2流路切換部材の一部が前記払出遊技球検出手段の保持部材に当接することにより、前記払出遊技球検出手段を前記第1の位置から前記第2の位置に変位させている。この構成により第2流路切換部材の一部が払出遊技球検出手段に直接的に当接して払出遊技球検出手段の位置が変位するため、確実に払出遊技球検出手段による検出を不可能にすることが可能になる。
また、実施例において、前記球抜樋の少なくとも一部と前記第2球抜樋の少なくとも一部が連通している。この構成により、球抜状態及び第2球抜状態において部分的に共通の樋を利用することが可能となる。
また、実施例において、第2流路切換部材を操作部により変位させる構成にしているが、例えば流路切換手段により球抜状態とされたことを球抜状態検出手段が検出した場合に自動的に第2流路切換部材が第2球抜状態へ変位する構成とし、あるいは流路切換手段の流路切換部材の変位に対して機械的に連動して第2流路切換部材が変位する構成としてもよい。
さらに、前記実施例の構成に加えて、図24乃至図27では、前記第2流路切換手段により前記第2球抜樋へ誘導する第2球抜状態とされたことを検出する第2球抜状態検出手段を設けている。この構成により、遊技機が第2球抜状態であることを認識して処理を行うことが可能となる。
また、図24乃至図27では、前記第2流路切換部材はケース体内に設けられ、前記ケース体に開口部が設けられると共に、前記第2流路切換部材には、前記第2流路切換手段が前記第2球抜樋へ誘導する第2球抜状態へ切り換えた際に前記開口部から前記ケース体の外部に出現する突部が設けられ、前記第2球抜状態検出手段は、前記開口部から前記ケース体の外部に出現した前記第2流路切換手段の突部を検出している。この構成により、第2流路切換手段により第2球抜状態に切り換えられたことを確実に検出することが可能となる。以上の各参考例及び実施例においては、流路切換手段を払出装置の上方に設けている。これにより、払出装置の上方側にある遊技球(例えば、タンクにある遊技球など)の全てではなく、ある程度の遊技球を球抜樋より球抜きし、遊技機に残った一部の遊技球を払出装置強制作動手段で払い出せばよいので、球抜き行為の手間を低減することが可能となる。
次に、前記第1及び第2参考例と実施例において、球抜状態が検出された際に前記払出遊技球検出手段による遊技球の検出を無効あるいは不可能にするための処理として、前記払出制御基板(払出制御手段)105により割り込み時間(例えば4ms)毎に実行される払出制御処理について説明する。図28のフローに示すように、前記払出制御処理Hでは、出力処理(S10)、コマンド解析処理(S20)、払出装置制御処理(S30)、払出センサ検出処理(S40)、払出関連監視処理(S50)、エラー解除処理(S60)が順に行われ、また割り込み処理としてコマンド受信処理(S70)が行われる。
出力処理(S10)では、バッファ内に出力データが存在すれば、そのデータにしたがって、前記払出装置125の駆動信号を送信したり、エラー報知や、球抜状態などに関わる情報を前記表示制御基板101やランプ制御基板103、あるいは前記音声制御基板104に出力したりする。
コマンド解析処理(S20)では、図29のフローに示すように、前記割り込み処理で行われるコマンド受信処理(S70)によって、前記主制御基板100から払出信号を受信したか否かが最初に確認される(S21)。前記払出信号は、前記遊技領域6の入賞口に遊技球が入球(入賞)することによって遊技球払出条件が成立したときに、前記主制御基板100から払出制御基板105に対して送信される。払出信号を受信していないときは、その時点でこのコマンド解析処理(S20)が終了し、それに対して払出信号を受信している場合には、受信した払出信号が4個用コマンドか15個用コマンドか確認される(S22)。4個用コマンドは、前記大入賞口15以外の入賞に対する副賞球として4個の遊技球を前記払出装置125の払出ソレノイド129の作動により払い出す信号であり、一方15個用コマンドは前記大入賞口15への入賞に対する主賞球として15個の遊技球を前記払出装置125の払出ソレノイド129の作動により払い出す信号である。前記受信した払出信号が4個用コマンドの場合には、払出個数に+4加算し(S23)、前記払出装置125へ4信号(副賞球出力信号)の出力準備をする(S24)。それに対して、受信した払出信号が4個用コマンドではなく、15個用コマンドの場合には、払出個数に+15加算し(S25)、前記払出装置125へ15信号(主賞球出力信号)の出力準備をする(S26)。
払出装置制御処理(S30)では、図30のフローに示すように、まず球抜動作中か否か確認する(S31)。この確認は、球抜状態検出センサ117a,117bの検出によって行われる。球抜動作中でなければ、未払いの払出球が有るか確認し(S32)、未払いの払出球が無ければ、この払出装置制御処理(S30)が終了し、一方、未払いの払出球が有る場合には、前記払出ソレノイド129をONにして払出装置125を駆動させ、残りの遊技球を払い出す。それに対し、球抜動作中であれば、前記払出装置125を自動で作動させる場合(球抜動作中の検出により前記払出ソレノイド129を自動的に作動させる場合)には、Aのように前記払出ソレノイド129をONにして払出装置125を駆動させ(S33)、前記回転体126を回転可能にする。一方、球抜動作によって前記払出装置125を自動で作動させない場合(払出ソレノイド129の作動開始を手動で行う場合)には、Bのようにこのまま払出装置制御処理(S30)が終了する。
払出センサ検出処理(S40)では、図31のフローに示すように、球抜動作中か否か確認し(S41)、球抜動作中であれば、この払出センサ検出処理(S40)を終了する。一方、球抜動作中でなければ、払出センサ(前記払出検出器140の払出遊技球検出センサ145)により遊技球の通過が検出されたか確認し、通過があれば遊技球の通過数を前記払出個数から減算し(S43)、この払出センサ検出処理(S40)を終了する。なお、前記S42で払出センサ(前記払出検出器140の払出遊技球検出センサ145)により遊技球の通過が検出されていないと判断された場合には、その時点でこの払出センサ検出処理(S40)を終了する。
払出関連監視処理(S50)では、図32のフローに示すように、まず、払出個数が0未満か、すなわち、前記払出信号により設定された払出個数よりも多くの遊技球が払い出されているか否か判断する(S51)。前記払出信号により設定された払出個数よりも多くの遊技球が払い出されている場合には、ランプ等で報知するための過払出信号(エラー信号)を出力する準備をし(S52)、一方、前記払出信号により設定された払出個数よりも多くの遊技球が払い出されていない場合には、前記過払出信号(エラー信号)出力準備(S52)をジャンプする。次に、球抜検出信号が有るか(現在球抜状態であるか、すなわち前記球抜状態検出センサ117a,117bの検出による信号を払出制御手段が受信しているか)否かを確認(S53)し、球抜信号が有る(現在球抜状態である)場合には、ランプやスピーカ等で球抜状態を報知するために球抜検出信号出力の準備をし(S54)、球抜検出信号がない場合にはこの払出関連監視処理(S50)を終了する。
エラー解除処理(S60)では、図33のフローに示すように、エラー報知中か否か、すなわち、前記払出関連監視処理(S50)で払出個数の異常が検出されているか(過払出信号出力準備がされたか)否かを判断する(S61)。エラー報知中の場合、前記エラー解除スイッチ124がONか否かを判断し(S62)、エラー解除スイッチがONの場合にはエラー解除動作を行う(S63)。具体的には、払出個数を0にクリアすることになる。一方、エラー報知中ではなかったり、エラー解除スイッチがONではないと判断されたりした場合には、その時点でこのエラー解除処理(S60)は終了する。
このように、本実施例の弾球遊技機は、遊技球の払出が過剰になった場合、エラー解除スイッチが操作されるまで、ランプ、音声、表示等によって遊技者もしくは遊技店側に異常発生を報知するように構成されている。
一方、球抜状態が検出された際に前記払出遊技球検出手段による遊技球の検出を無効にする場合には、図30の払出装置制御処理(S30)に代えて図34の払出装置制御処理(S30A)を行い、また図32の払出関連監視処理(S50)に代えて図35の払出関連監視処理(S50A)を行う。その他の処理は前記不可能の場合の処理と同様に行う。すなわち、前記払出装置制御処理(S30A)では、未払いの払出球が有るか否か確認され(S31A)、未払いの払出球がなければこの払出装置制御処理(S30A)を終了し、一方、未払いの払出球があれば、前記払出ソレノイド129をONにして払出装置125を駆動させ(S32A)、残りの遊技球を払い出してこの払出装置制御処理(S30A)を終了する。
前記払出関連監視処理(S50A)では、球抜動作中か確認され(S51A)、球抜動作中でなければ、払出個数が0より大か、すなわち未払球があるか確認され(S52A)、一方、球抜動作中であれば払出個数が0にクリア(払出遊技球検出手段による遊技球の検出が無効)にされた(S53A)後、払出個数が0より大か、すなわち未払球があるか確認される(S52A)。前記払出個数が0より大、すなわち未払球がある場合には未払払出信号出力準備が行われ(S54A)、一方前記払出個数が0以下、すなわち未払球が無い場合には、未払出信号出力準備(S54A)はジャンプされる。次に、球抜検出信号有りか確認され(S55A)、球抜検出信号がある場合には球抜検出信号出力準備がなされた(S56A)後に、この払出関連監視処理(S50A)が終了し、一方、球抜検出信号が無い場合には、直ちにこの払出関連監視処理(S50A)が終了する。このように、遊技中において遊技球の払出が未払いになった場合、エラー解除スイッチが操作されるまで、ランプ、音声、表示等によって遊技者もしくは遊技店側に異常発生を報知するように構成されている。一方、球抜動作中に関する遊技状態の払出が未払いになった場合においては、異常発生を報知しないように構成されている。
本発明は上記の構成としたことにより、払出装置から払い出される遊技球を遊技機外部へ抜き出す際に、前記払出装置から払い出された遊技球が、払出遊技球検出手段によって検出されないため、球抜状態時に払出装置から払い出された遊技球を払出遊技球検出手段が検出することで発生するエラー等(例えば、払い出された遊技球の検出結果が予め設定されている払出個数に対して過剰あるいは不足した場合等)の異常動作を防止することが可能となる。
なお、払出個数の異常検出方法は上記の方法に限定されるものではなく、例えば、設定された払出個数が0の時にセンサが遊技球の払出を検出したことを監視するもの等、適宜変更することが可能である。また、エラー解除の方法も、上記の方法に限定されず、例えば、エラー解除スイッチがRAMクリアスイッチを兼ねていて、エラー解除スイッチONが直接RAMクリアとなるものであってもよい。
また、本発明は、前記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、本実施例では、払出装置にソレノイドとスプロケット状の回転体を用いたが、モーター等により駆動するスクリュー式のものであってもよい。さらに、払出装置強制手段は、本実施例では入賞口に遊技球を入球させて作動させる方法の他に、払出装置強制作動部材を手動によるスライド操作で作動させているが、払出装置強制作動部材を上方へ移動させて球抜状態とした際に、払出装置強制作動部材が解除可能にケース体と係合して球抜状態で固定されるようにしたり、手動による払出装置強制作動部材に代えて電気的なスイッチで前記払出ソレノイドをONにして作動させたりしてもよい。