JP4572094B2 - アンモニアガス検出装置及びアンモニアガス検出方法 - Google Patents
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基板(71)の表面に設けた両電極部(74)と、この両電極部を介し基板の表面に設けられて被検出ガス中のアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を生じさせる感応膜(73)とを備えて、上記アンモニアガス成分と両電極部間のインピーダンスとの間の関係を表す特性に基づき、上記アンモニアガス成分を、上記インピーダンスに応じて検出し検出出力を発生するインピーダンス変化式検出素子(70)と、
前記被検出ガス中に含まれるアンモニアガス成分の濃度を零とし、かつ当該被検出ガス中の水分の濃度を互いに異なるように定めた両検出条件の各成立時にそれぞれ検出素子により発生される各検出出力(VF1、VF2)を記憶する記憶手段(81)と、
この記憶手段により記憶される上記各検出出力とは別に上記両検出条件の各成立時にそれぞれ検出素子により発生される各検出出力(VA1、VA2)と、記憶手段の各記憶検出出力との間において、上記被検出ガス中の水分の濃度に応じた検出素子の上記特性の変化を補正するように定めてなる所定の関係に基づき、検出素子により任意に発生される検出出力(VN)を補正する補正手段(140)とを備えて、
この補正手段による補正検出出力を上記アンモニアガス成分に対応する出力として検出する。
上記所定の関係が、
V={VN-(VA1-VF1)}×(VF1とVF2との間の比/VA1とVA2との間の比)
でもって特定されることで、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層確実に達成され得る。
被検出ガス中のアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を利用して、上記アンモニアガス成分をインピーダンスに応じて検出し検出出力として発生するインピーダンス変化式検出素子(70)を用いて、
前記被検出ガス中に含まれるアンモニアガス成分の濃度を零とし、かつ当該被検出ガス中の水分の濃度を互いに異なるように定めた両検出条件の各成立時にそれぞれ検出素子により発生される各検出出力(VF1、VF2)を予め設定し、
上記各設定検出出力とは別に上記両検出条件の各成立時にそれぞれ検出素子により発生される各検出出力(VA1、VA2)と上記各設定検出出力との間において上記被検出ガス中の水分の濃度に応じた検出素子のインピーダンスの変化を補正するように定めてなる所定の関係に基づき、検出素子により任意に発生される検出出力(VN)を補正し、
この補正検出出力を前記アンモニアガス成分に対応する出力として検出する。
上記所定の関係が、
V={VN-(VA1-VF1)}×(VF1とVF2との間の比/VA1とVA2との間の比)
でもって特定されることで、請求項2に記載の発明の作用効果がより一層具体的に達成され得る。
上記各設定検出出力及び当該各設定検出出力とは別に上記両検出条件の各成立時にそれぞれ検出素子により発生される各検出出力に基づき、検出素子の異常の有無を自己診断するようにしたことを特徴とする。
ディーゼルエンジンの作動に伴い当該ディーゼルエンジンの排気管(13)内に流出する排気ガス中の窒素酸化物ガス成分を、上記排気ガス中に生成されるアンモニアガス成分でもって、排気管内に設けた選択還元触媒(14)内で還元しながら上記排気ガスとともに排気管から排出する状態において、選択還元触媒の下流側にて上記排気ガスに含まれるアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を利用して、上記アンモニアガス成分をインピーダンスに応じて検出し検出出力として発生するインピーダンス変化式検出素子(70)を用いて、
前記被検出ガス中に含まれるアンモニアガス成分の濃度を零とし、かつ当該被検出ガス中の水分の濃度を互いに異なるように定めたディーゼルエンジンの両作動条件の各成立時にそれぞれ検出素子により発生される各検出出力(VF1、VF2)を予め設定し、
上記各設定検出出力とは別に上記両作動条件の各成立時にそれぞれ検出素子により発生される各検出出力(VA1、VA2)と上記各設定検出出力との間において上記排気ガス中の水分の濃度に応じた検出素子のインピーダンスの変化を補正するように定めてなる所定の関係に基づき、検出素子により任意に発生される検出出力(VN)を補正し、
この補正検出出力を上記アンモニアガス成分に対応する出力として検出するようにした。
(第1実施形態)
図1は、本発明が、ディーゼルエンジンに搭載の電子的燃料噴射制御ユニット20(以下、ECU20ともいう)に適用されてなる第1実施形態を示している。当該ディーゼルエンジンは、機関本体10を備えており、この機関本体10は、その作動に伴い、吸気管11から空気流を吸入し、この空気流を燃料噴射器12から噴射される燃料と混合して適正な空燃比の混合気を形成して燃焼し、排気ガスとして排気管13内に流入させる。このように流入された排気ガスは、排気管13の中間部位内に設けた選択還元触媒14を通り排気管13から大気中に排出される。
白金(Pt)を1(重量%)含み金(Au)を残りの成分とする電極で構成されている。
この式(1)において、VRは、上記出力電圧変動比を表す。また、VF1、VF2は、それぞれ、検出素子70の出力電圧を表すもので、これら出力電圧VF1、VF2は、式(1)と共に、マイクロコンピュータ81のROMに予め記憶されている。
ここで、この式(2)の導入根拠について説明する。検出素子70は、上述のごとく、プロトンのホッピング伝導を利用した感応膜73を備えてなるインピーダンス変化式検出素子である。換言すれば、この検出素子は、アンモニアガスの濃度の検出にあたり、感応膜73の表面におけるプロトンの表面伝導を利用している。
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態では、図9にて示すフローチャートが、上記第1実施形態にて述べたフローチャート(図5参照)に代えて採用されている。従って、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたマイクロコンピュータ81は、上記コンピュータプログラムを図9のフローチャートに従い実行するように変更されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
(第1参考形態)
図10は、本発明の第1参考形態の要部を示している。この第1参考形態では、図10にて示すフローチャートが、上記第1実施形態にて述べたフローチャート(図5参照)に代えて採用されている。従って、第1参考形態では、上記第1実施形態にて述べたマイクロコンピュータ81は、上記コンピュータプログラムを図10のフローチャートに従い実行するように変更されている。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
第1参考形態において、補正電圧Vの算出にあたり、式(3)を、式(2)に代えて導入するようにしたのは、補正電圧Vを簡易に算出するためである。従って、このような観点から、本第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたアンモニアガス濃度−インピーダンス特性におけるオフセットや傾きの変化のうち、上記オフセットを解消するように、式(3)が、式(2)に代えて、導入されている。
(第2参考形態)
図11は、本発明の第2参考形態の要部を示している。この第2参考形態では、図11にて示すフローチャートが、上記第1参考形態にて述べたフローチャート(図10参照)に代えて採用されている。従って、第2参考形態では、上記第1参考形態にて述べたマイクロコンピュータ81は、上記コンピュータプログラムを図11のフローチャートに従い実行するように変更されている。その他の構成は上記第1参考形態と同様である。
(1)上記第2実施形態におけるステップ121(図9参照)での判定にあたり、各ステップ101、111で入力済みの各出力電圧VA1、VA2のうちいずれかが、検出素子70内の断線状態或いは短絡状態を表す値となっていることを、上記異常として採用してもよい。
(2)上記第2参考形態におけるステップ102(図11参照)での判定にあたり、ステップ101で入力済みの出力電圧VA1のいずれかが、検出素子70内の断線状態或いは短絡状態を表す値となっていること、或いは各出力電圧VF1、VA1のいずれかが、検出素子70の正常を表す所定の許容範囲から逸脱することを、上記異常として採用してもよい。
(3)上記第1作動条件には、当該ディーゼルエンジンがアイドリング回転数での作動状態にあることだけでなく、例えば、上記空燃比センサの検出出力がリーン側の空燃比を表すことが付加されてもよい。
(4)両電極72は、櫛歯状電極部を有するものに限ることなく、例えば単なる短冊状電極部等の種々の形状の電極部を有するものであってもよい。
(5)上記各実施形態にて述べたアンモニアガス検出装置は、当該ディーゼルエンジンに限ることなく、例えば、発電所のガスタービンの排気ガス系統に適用してもよい。
(6)上記各実施形態にて述べたアンモニアガス検出装置は、当該ディーゼルエンジンの排気ガスに限ることなく、各種の被検出ガスに含まれるアンモニアガス成分の濃度の検出に適用されてもよい。
(7)図5或いは図9におけるステップ150における判定基準は、当該ディーゼルエンジンの停止か否かという基準に代えて、例えば、所定時間の経過か否かという基準を採用してもよい。この場合には、ステップ150にて上記所定時間の経過によりにYESと判定される毎に、ステップ151における出力電圧比VRのクリア処理がなされる。
(8)両出力電圧VF1、VF2は、マイクロコンピュータ81のROMに限ることなく、例えば、マイクロコンピュータ81の外付けメモリに記憶するようにしてもよい。
(9)上述の式(2)に代えて、V={VN−(VA1−VF1)}×F(VR)を採用してもよい。ここで、F(VR)は、出力電圧比VRを従属変数とする独立関数であって、{VN−(VA1−VF1)}との乗算でもって、補正電圧Vが式(2)と同様の精度でもって算出できるような関数である。
(10)検出素子70は、適宜なケーシングに収納されて、当該ケーシングを介し排気管13のうち選択還元触媒14の下流側部位に配設されていてもよい。なお、当該ケーシングは、検出素子70の感応膜を排気ガス内に露呈させる構造となっている。
81…マイクロコンピュータ、VA1、VA2、VF1、VF2、VN…出力電圧。
Claims (4)
- 基板の表面に設けた両電極部と、この両電極部を介し前記基板の表面に設けられて被検出ガス中のアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を生じさせる感応膜とを備えて、前記アンモニアガス成分と前記両電極部間のインピーダンスとの間の関係を表す特性に基づき、前記アンモニアガス成分を、前記インピーダンスに応じて検出し検出出力を発生するインピーダンス変化式検出素子と、
前記被検出ガス中に含まれるアンモニアガス成分の濃度を零とし、かつ当該被検出ガス中の水分の濃度を互いに異なるように定めた両検出条件の各成立時にそれぞれ前記検出素子により発生される各検出出力を記憶する記憶手段と、
この記憶手段により記憶される前記各検出出力とは別に前記両検出条件の各成立時にそれぞれ前記検出素子により発生される各検出出力と、前記記憶手段の各記憶検出出力との間において、前記被検出ガス中の水分の濃度に応じた前記検出素子の前記特性の変化を補正するように定めてなる所定の関係に基づき、前記検出素子により任意に発生される検出出力を補正する補正手段とを備えて、
この補正手段による補正検出出力を前記アンモニアガス成分に対応する出力として検出するアンモニアガス検出装置。 - 被検出ガス中のアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を利用して、前記アンモニアガス成分をインピーダンスに応じて検出し検出出力として発生するインピーダンス変化式検出素子を用いて、
前記被検出ガス中に含まれるアンモニアガス成分の濃度を零とし、かつ当該被検出ガス中の水分の濃度を互いに異なるように定めた両検出条件の各成立時にそれぞれ前記検出素子により発生される各検出出力を予め設定し、
前記各設定検出出力とは別に前記両検出条件の各成立時にそれぞれ前記検出素子により発生される各検出出力と前記各設定検出出力との間において前記被検出ガス中の水分の濃度に応じた前記検出素子のインピーダンスの変化を補正するように定めてなる所定の関係に基づき、前記検出素子により任意に発生される検出出力を補正し、
この補正検出出力を前記アンモニアガス成分に対応する出力として検出するようにしたアンモニアガス検出方法。 - 前記各設定検出出力及び当該各設定検出出力とは別に前記両検出条件の各成立時にそれぞれ前記検出素子により発生される各検出出力に基づき、前記検出素子の異常の有無を自己診断するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のアンモニアガス検出方法。
- ディーゼルエンジンの作動に伴い当該ディーゼルエンジンの排気管内に流出する排気ガス中の窒素酸化物ガス成分を、前記排気ガス中に生成されるアンモニアガス成分でもって、前記排気管内に設けた選択還元触媒内で還元しながら前記排気ガスとともに前記排気管から排出する状態において、前記選択還元触媒の下流側にて前記排気ガスに含まれるアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を利用して、前記アンモニアガス成分をインピーダンスに応じて検出し検出出力として発生するインピーダンス変化式検出素子を用いて、
前記排気ガス中に含まれるアンモニアガス成分の濃度を零とし、かつ当該排気ガス中の水分の濃度を互いに異なるように定めた前記ディーゼルエンジンの両作動条件の各成立時にそれぞれ前記検出素子により発生される各検出出力を予め設定し、
前記各設定検出出力とは別に前記両作動条件の各成立時にそれぞれ前記検出素子により発生される各検出出力と前記各設定検出出力との間において前記排気ガス中の水分の濃度に応じた前記検出素子のインピーダンスの変化を補正するように定めてなる所定の関係に基づき、前記検出素子により任意に発生される検出出力を補正し、
この補正検出出力を前記アンモニアガス成分に対応する出力として検出するようにしたアンモニアガス検出方法。
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