JP4471755B2 - アンモニアガス検出方法 - Google Patents

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Description

本発明はインピーダンス変化式検出素子を用いたアンモニアガス検出方法に関するものである。
従来、この種のアンモニアガス検出装置の一例としては、例えば、下記特許文献1に記載のディーゼルエンジンに採用されるアンモニアセンサがある。このアンモニアセンサは、ディーゼルエンジンの排気管内に設けた脱硝触媒の下流側において、当該排気管に配設されている。
しかして、ディーゼルエンジンの作動に伴い発生する排気ガスが脱硝触媒を通り排気管から排出される過程で、尿素成分が脱硝触媒の上流側にて排気ガスに添加されると、当該尿素成分が排気ガス内で気化しアンモニアガス成分となる。これに伴い、当該排気ガス中の窒素酸化物ガス成分が、脱硝触媒内で上記アンモニアガス成分と反応して還元され、排気ガスとともに排出される。
ここで、アンモニアガス成分が有害であることから、当該アンモニアガス成分が脱硝触媒内で窒素酸化物ガス成分の還元に寄与することなく排出されると大気汚染につながる。このため、尿素成分の排気ガスへの添加量を制御するように、アンモニアガス成分が、硝触媒の下流側において、アンモニアセンサにより検出される。
特開2002−266627号公報
ところで、上述のアンモニアセンサとして、インピーダンス変化式検出素子を採用する場合、このインピーダンス変化式検出素子は、固体酸物質を感応材として用い、この感応材に吸着するプロトンのホッピング伝導作用を利用して、アンモニアガス成分を検出するように構成されている。
従って、当該インピーダンス変化式検出素子が、脱硝触媒の下流側において排気管に配設されると、このインピーダンス変化式検出素子は、上述したプロトンのホッピング伝導作用のもとに、脱硝触媒の下流側においてアンモニアガス成分を検出することとなる。
しかし、インピーダンス変化式検出素子は、上述のように、感応材の表面に吸着するプロトンのホッピング伝導を利用してアンモニアガス成分を検出するため、インピーダンス変化式検出素子の特性は、感応材の表面の状態によって変化する。
換言すれば、排気ガスに含まれる煤成分、オイル成分や金属成分等の不純物成分がインピーダンス変化式検出素子の感応材の表面に付着すると、プロトンが感応材の表面に吸着しにくくなって、ホッピング伝導作用に影響し、インピーダンス変化式検出素子の特性を変動させてしまう。
その結果、当該インピーダンス変化式検出素子によりアンモニアガス成分を検出しても、このアンモニアガス成分の検出精度の低下を招くという不具合が生ずる。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、インピーダンス変化式検出素子の加熱により感応膜の付着成分を除去した後、被検出ガス中のアンモニアガス成分に対する当該検出素子の検出出力を設定し、この設定出力に基づき検出素子の検出出力を補正することで、アンモニアガス成分を精度よく検出するようにしたアンモニアガス検出方法を提供することを目的とする。
本発明に用いられるアンモニアガス検出装置は、
基板(71)の表面に設けた両電極部(74)と、この両電極部を介し基板の表面に設けられて被検出ガス中のアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を生じさせる感応膜(73)とを備えて、上記アンモニアガス成分と両電極部間のインピーダンスとの間の関係を表す特性に基づき、上記アンモニアガス成分を、上記インピーダンスに応じて検出し検出出力を発生するインピーダンス変化式検出素子(70)と、
当該検出素子を加熱する加熱手段(77、100、101〜104)と、
この加熱手段による加熱後検出素子により発生される検出出力を零点出力として設定する設定手段(110)と、
検出素子により任意に発生される検出出力を上記零点出力に基づき補正する補正手段(120、130)とを備えて、
この補正手段による補正検出出力を上記アンモニアガス成分に対応する出力として検出する。
このように、加熱により感応膜の付着不純物成分を除去した後において、被検出ガス中のアンモニアガス成分に対する検出素子の検出出力を零点出力として設定し、その後の検出素子の任意の検出出力を上記設定零点出力で補正することで、アンモニアガス成分を長期に亘り精度よく検出し得るアンモニアガス検出装置の提供が可能となる。
上記課題の解決にあたり、本発明に係るアンモニアガス検出方法では、請求項の記載によれば、被検出ガス中のアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を利用して、上記アンモニアガス成分をインピーダンスに応じて検出し検出出力として発生するインピーダンス変化式検出素子(70)を加熱し、
この加熱後、検出素子により発生される検出出力を零点出力として設定し、
検出素子により任意に発生される検出出力を上記零点出力に基づき補正し、
この補正検出出力を上記アンモニアガス成分に対応する出力として検出し、
上記被検出ガスは、ディーゼルエンジンの作動に伴い当該ディーゼルエンジンの排気管(13)内に流出する排気ガスであって、その窒素酸化物ガス成分にて、上記排気ガス中に生成されるアンモニアガス成分でもって、排気管内に設けた選択還元触媒(14)内で還元されながら排気管から排出する排気ガスであり、
インピーダンス変化式検出素子は、選択還元触媒の下流側にて上記排気ガスに含まれるアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を利用して、上記アンモニアガス成分をインピーダンスに応じて検出し検出出力として発生する検出素子であって、
ディーゼルエンジンの停止後検出素子により発生される検出出力に基づき、検出素子の再度の加熱の要否を判定し、
検出素子の再度の加熱が必要と判定したとき、検出素子の加熱を再度行うようにしたことを特徴とする。
これにより、アンモニアガス成分を長期に亘り精度よく検出し得るアンモニアガス検出方法の提供が可能となる。
その上、ディーゼルエンジンの作動中において、各種の排気ガス成分に加え、オイル成分、煤成分、各種金属成分を含む過酷な排気ガス環境にあっては、ディーゼルエンジンの停止後において検出素子から発生される検出出力に基づき再度の加熱が必要と判定したとき、再び検出素子を加熱する。
このため、ディーゼルエンジンの作動中において検出素子の加熱後に再度付着した不純物成分を除去することができ、その結果、次回のディーゼルエンジン始動時に検出素子の安定した特性が維持され得る。また、このような作用効果は、ディーゼルエンジンの排気ガス中のアンモニアガス成分の検出を長期に亘り精度よく行えるアンモニアガス検出装置の提供にあわせ達成され得る。
また、本発明では、請求項の記載によれば、請求項に記載のアンモニアガス検出方法において、
検出素子が、被検出ガス中のアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を生じさせる感応膜(73)を備えており、
検出素子の加熱を複数回に分割して行い、
この複数回の加熱後、前記検出素子により発生される検出出力を零点出力として設定するようにしたことを特徴とする。
このように、検出素子を複数回に分割して加熱することにより、検出素子を連続して加熱するよりも、感応膜に付着した水分や煤、オイル等の不純物成分をより一層良好に除去することができ、上記零点出力の設定がより一層精度よくなされ得る。その結果、請求項に記載の発明の作用効果がより一層向上し得る。
また、本発明では、請求項の記載によれば、請求項或いはに記載のアンモニアガス検出方法において、
検出素子の加熱に先立ち、当該検出素子の温度或いは被検出ガスの温度を検出し、
検出素子の加熱を、上記検出温度に応じて行うことを特徴とする。
これにより、例えば、検出素子が被水しても、この被水のもと検出素子が加熱されても破損を招くことなく、検出素子の加熱を良好に行うことができる。その結果、請求項或いはに記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。
ここで、上述した検出温度に応じた検出素子の加熱は、例えば、検出素子の加熱時における被水による破損を防止するように行う。
また、本発明では、請求項の記載によれば、請求項のいずれか1つに記載のアンモニアガス検出方法において、上記零点出力に基づき検出素子の異常の有無を判定することを特徴とする。
これにより、上記零点出力が、検出素子の短絡状態や断線状態における値に固定されていれば、検出素子が異常と判定される。このことは、請求項のいずれか1つに記載の発明の作用効果を達成しつつ、検出素子の劣化を自動的に自己診断できることを意味する。
また、本発明では、請求項の記載によれば、請求項1〜4のいずれか1つに記載のアンモニアガス検出方法において、
ディーゼルエンジンの停止後、前記検出素子により発生される検出出力に基づき検出素子の異常の有無を判定するようにしたことを特徴とする。
これにより、ディーゼルエンジンの停止後において、上記検出出力が、検出素子の短絡状態や断線状態における値に固定されていれば、検出素子が異常と判定される。このことは、請求項1〜4のいずれか1つに記載の発明の作用効果を達成しつつ、検出素子の劣化を、ディーゼルエンジンの停止後においても、自動的に自己診断できることを意味する。
なお、請求項1に記載の発明において、上記補正は、例えば、上記任意の検出出力の上記零点出力に対する変化率或いは上記任意の検出出力の上記零点出力との変化量に基づいて上記任意の検出出力を補正することであってもよい。
また、上記各手段の括弧内の符号は、後述する参考形態及び実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の各参考形態及び実施形態を図面により説明する。
(第1参考形態)
図1は、本発明が、ディーゼルエンジンに搭載の電子的燃料噴射制御ユニット20(以下、ECU20ともいう)に適用されてなる第1参考形態を示している。当該ディーゼルエンジンは、機関本体10を備えており、この機関本体10は、その作動に伴い、吸気管11から空気流を吸入し、この空気流を燃料噴射器12から噴射される燃料と混合して適正な空燃比の混合気を形成して燃焼し、排気ガスとして排気管13内に流入させる。このように流入された排気ガスは、排気管13の中間部位内に設けた選択還元触媒14を通り排気管13から大気中に排出される。
本第1参考形態において、当該選択還元触媒14は、還元剤としてアンモニア(NH)を採用する触媒でもって構成されている。従って、後述のように、尿素成分が選択還元触媒14の上流側にて排気管13内の排気ガスに添加されると、添加尿素成分が排気ガス中にて気化されてアンモニア(NH)ガス成分となる。そして、排気ガス中に含まれる窒素酸化物ガス成分(NOxガス成分)が、アンモニアガス成分でもって、選択還元触媒14内にて還元されて、窒素成分(N)となり、排気管13から排気ガスとともに大気中に排出される。
ECU20は、当該ディーゼルエンジンの始動用キースイッチ30の閉成に伴い、直流電源40から給電されて作動し、空燃比センサ、回転数センサや排気温センサその他のセンサの検出出力に基づき燃料噴射器12による燃料噴射量を制御する。また、当該ECU20は、アンモニアガス検出装置50の検出出力に基づき尿素供給源60から排気管13内への尿素成分の供給量を制御する。
なお、始動用キースイッチ30は、当該ディーゼルエンジンを始動する際に閉成され、当該ディーゼルエンジンを停止する際に開成される。上記空燃比センサは、排気管13内への流入排気ガスに基づき上記混合気の空燃比を検出する。上記回転数センサは、当該ディーゼルエンジンの回転数を検出する。上記排気温センサは、機関本体10から排気管13内への流入排気ガスの温度を検出する。
尿素供給源60は、ECU20による制御のもと、機関本体10から排気管13内への流入排気ガス中の窒素酸化物ガス成分の量に対応する量の尿素成分を排気管13内に選択還元触媒14の上流側にて供給する。
アンモニアガス検出装置50は、インピーダンス変化式検出素子70及び制御回路80を備えている。検出素子70は、図1にて示すごとく、排気管13のうち選択還元触媒14の下流側部位に配設されている。この検出素子70は、図2及び図3にて示すごとく、アルミナ製基板71と、両電極72と、感応膜73とを備えている。
両電極72は、図1にて示すごとく、基板71の表面上に設けられており、これら電極72は、それぞれ、櫛歯状電極部74からリード部75を延出して構成されている。
ここで、両電極72は、その各櫛歯状電極部74にて、図2にて示すごとく、基板71の表面上に櫛歯状に交差して設けられている。なお、両電極部74は、それぞれ、例えば、
白金(Pt)を1(重量%)含み金(Au)を残りの成分とする電極で構成されている。
感応膜73は、感応材ペーストを、両櫛歯状電極部74を介し、基板71の表面の図2にて図示上側半分部分の中央領域上にスクリーン印刷して焼成することで厚膜形成されている。なお、上記感応材ペーストは、固体酸物質(例えば、WO3を10(重量%)含み4YSZを残りの成分とする物質)の粉末に有機溶剤及び分散剤を混合しバインダーを添加してさらに湿式混合して作製されている。
また、検出素子70は、図3にて示すごとく、測温抵抗体76及びヒータ77を備えており、これら測温抵抗体76及びヒータ77は、基板71に内蔵されている。測温抵抗体76は、白金抵抗体からなるもので、この測温抵抗体76は、基板71内にて感応膜73の近傍直下に位置している。
また、ヒータ77は、例えば、アルミナを含有する白金ペーストの焼結体でもって蛇行パターン状に形成されており、このヒータ77は、測温抵抗体76よりも図3にて図示下側にて基板71に内蔵されている。しかして、このヒータ77は、マイクロコンピュータ81による制御のもと、直流電源40から給電されて駆動され、基板71を介し感応膜73を加熱し、或いは測温抵抗体76の抵抗値(温度に対応する)に基づき感応膜73を一定温度に維持するようになっている。
以上のように構成した検出素子70では、交流電圧が交流電源(図示しない)から両電極72間に印加されることで、感応膜73が両櫛歯状電極部74間にてインピーダンスを形成する。そして、当該インピーダンスは、感応膜73の外面に接触する排気ガス中のアンモニアガス成分の濃度に応じて変化する。
このことは、検出素子70は、アンモニアガス成分の濃度と上記インピーダンスとの関係を表すアンモニアガス濃度−インピーダンス特性を有することを意味する。従って、検出素子70は、上記アンモニアガス濃度−インピーダンス特性に基づき、排気ガス中のアンモニアガス成分の濃度を、これに伴い変化するインピーダンスに基づき、出力電圧として検出する。ここで、この出力電圧は、検出素子70のインピーダンスに比例し、上記排気ガス中のアンモニアガス成分の濃度に対応する。
制御回路80は、図4にて示すごとく、マイクロコンピュータ81を備えており、このマイクロコンピュータ81は、図5にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行する。そして、この実行中において、検出素子70の加熱処理を行うとともに、上述したECU20の回転数センサ(以下、回転数センサ82という)の検出出力や検出素子70の検出出力に基づき、出力電圧設定処理や出力電圧補正処理並びに当該ディーゼルエンジンの停止判定処理等を行う。
なお、マイクロコンピュータ81は、操作スイッチ83の閉成に伴い直流電源40から給電されて作動する。また、上記コンピュータプログラムは、マイクロコンピュータ81のROMに当該マイクロコンピュータにより読み出し可能に予め記憶されている。
以上のように構成した第1参考形態において、始動用キースイッチ30が閉成されると、当該ディーゼルエンジンがECU20と共に作動状態になる。
すると、ECU20は、上記空燃比センサ、排気温センサや回転数センサ82その他のセンサの検出出力に基づき燃料噴射器12による燃料噴射量を制御する。このため、機関本体10は、吸気管11から空気流を吸入し、この空気流を燃料噴射器12から噴射される燃料と混合して適正な空燃比の混合気を形成して燃焼し、排気ガスとして排気管13内に流入させる。このように流入された排気ガスは、選択還元触媒14を通り排気管13から大気中に排出される。
また、アンモニアガス検出装置50において、検出素子70が上記交流電源から給電されて作動状態になれば、当該検出素子70のインピーダンスは、上記アンモニアガス濃度−インピーダンス特性に基づき、選択還元触媒14の下流側において排気管13内の排気ガス中のアンモニアガスの濃度に対応する値に変化する。このため、このように変化した値のインピーダンスに比例する出力電圧が検出素子70から発生する。
現段階において、制御回路80の操作スイッチ83が閉成されると、マイクロコンピュータ81が、図5のフローチャートに従い、コンピュータプログラムの実行を開始する。すると、ステップ100において、加熱処理がなされる。この加熱処理では、ヒータ77が、マイクロコンピュータ81による制御のもと、直流電源40から給電されて駆動され、所定加熱時間の間、所定加熱温度でもって、基板71を介し感応膜73(換言すれば、検出素子70)を加熱する。
ここで、上記所定加熱時間は、感応膜73の外面に付着した不純物成分を焼失させるに十分な時間である。また、上記所定加熱温度は、例えば、600(℃)である。また、この所定加熱温度は、検出素子70の検出可能温度(例えば、400(℃))に比べて、非常に高い。このため、上記加熱状態では、検出素子70の出力電圧は、異常電圧(例えば、出力電圧の上限値或いは下限値)に固定される。従って、検出素子70は正常には検出できない状態に維持される。
しかして、上述した所定加熱時間の加熱が終了すると、感応膜73の外面に付着した不純物成分が焼失する。ついで、検出素子70の温度が上記検出可能温度に低下すると、当該検出素子70は正常に検出できる状態になる。
然る後、ステップ110において、零点電圧設定処理がなされる。この零点電圧設定処理では、現段階において検出素子70により発生される出力電圧が、零点電圧Vzとして設定される。上述のように検出素子70の感応膜73の外面から不純物成分が焼失により除去されているので、上記零点電圧は、正確な電圧となっている。
ステップ110における設定処理に伴い、ステップ120において、出力電圧入力処理がなされる。この出力電圧入力処理では、検出素子70により現段階で発生される出力電圧が出力電圧Vnとしてステップ120にてマイクロコンピュータ81に入力される。
然る後、ステップ130において、出力電圧補正処理が次のようにしてなされる。即ち、補正電圧Vが、ステップ120における入力済み出力電圧Vn及びステップ110における零点電圧Vzに基づき、次の式(1)を用いて算出される。このことは、出力電圧Vnが式(1)でもって補正電圧Vに補正されることを意味する。
V=K{(Vz−Vn)/Vz)}×100(%)・・・(1)
但し、式(1)において、Kは正の係数である。また、式(1)において、{(Vz−Vn)/Vz)}×100(%)は、出力電圧Vnの零点電圧Vzに対する変化率を表す。なお、式(1)は、マイクロコンピュータ81のROMに予め記憶されている。
上述のように補正された補正電圧Vが、当該アンモニアガス検出装置の検出出力として、ECU20に入力されると、尿素供給源60がECU20により制御されて排気管13内に尿素成分を供給する。ここで、この尿素成分の供給量は、選択還元触媒14から流出する排気ガス中のアンモニアガス成分の濃度を減少させる量或いは選択還元触媒14からアンモニアガス成分を排出させない量に制御される。
ステップ130における処理が終了すると、ステップ140において、当該ディーゼルエンジンの停止か否かが判定される。現段階において、回転数センサ82による検出回転数が零でなければ、当該ディーゼルエンジンは作動中であることから、ステップ140において、NOと判定される。
以後、ステップ140におけるNOとの判定の繰り返し中において、ステップ120及びステップ130の各処理が上述と同様に繰り返される。そして、ステップ120における検出素子70からの出力電圧Vn毎に、ステップ130において、補正電圧Vが式(1)に基づき上述と同様に算出される。
以上のようにして補正電圧Vが算出される毎に、当該補正電圧VはECU20に入力される。このため、尿素供給源60が、当該アンモニアガス検出装置の検出出力である補正電圧毎に、当該補正電圧に基づき、ECU20により制御されて、排気管13内に尿素成分を供給する。ここで、上記補正電圧毎に、当該尿素成分供給量は、選択還元触媒14から流出する排気ガス中のアンモニアガスの濃度を減少させる量或いは選択還元触媒14からアンモニアガス成分を排出させない量に制御される。
その結果、排気管13から排出される排気ガス中のアンモニアガス濃度を適正に減少させつつ、当該排気ガス中の窒素酸化物成分が選択還元触媒14により還元されて窒素成分として排出される。
次に、上述のように図5のフローチャートに従いマイクロコンピュータ81により実行された結果を実測してみたところ、図6にて示す各グラフ1、2が得られた。ここで、グラフ1によれば、検出素子70の補正前の出力電圧が、時間の経過と共にどのように変化するかが示されている。また、グラフ2によれば、検出素子70の補正後の出力電圧が、時間の経過と共にどのように変化するかが示されている。
グラフ1において、符号1−1は、ステップ100における加熱処理の際の出力電圧を示し、符号1−2は、感応膜73に付着した不純物成分がステップ100における加熱処理により除去されて出力電圧が正しい値になった状態を示す。また、符号1−3は、ステップ110において設定される零点電圧を示す。なお、符号1−1から符号1−3の範囲は、排気ガス中にアンモニアガス成分が存在していない状態の範囲を示す。
また、符号1−4は、排気ガス中のアンモニアガス成分の濃度が10(ppm)に増大したときの出力電圧を示し、符号1−5は、排気ガス中のアンモニアガス成分の濃度が100(ppm)に増大したときの出力電圧を示す。即ち、両符号1−4、1−5は、出力電圧が、アンモニアガス成分の濃度の階段状の増大に伴い階段状に低下することを示す。
また、符号1−6は、排気ガス中のアンモニアガス成分の濃度が符号1−3で示す零点電圧に対応する値に減少した場合の出力電圧を示す。即ち、符号1−6の範囲は、排気ガス中にアンモニアガス成分が存在していない状態の範囲を示す。
一方、グラフ2において、時間が零点電圧の設定時期(符号1−3参照)よりも経過した時間に注目すれば、補正後の出力電圧は、ステップ130で式(1)を用いて補正前の出力電圧(グラフ1で示す出力電圧に相当)に応じて算出された値として示されている。
ここで、グラフ2において、符号2−2は、グラフ1で符号1−4でもって示す補正前の出力電圧に対応する補正後の出力電圧を示し、符号2−3は、グラフ1で符号1−5でもって示す補正前の出力電圧に対応する補正後の出力電圧を示す。即ち、補正後の出力電圧は、排気ガス中のアンモニアガス成分の濃度の10(ppm)への増大及び100(ppm)への増大に伴い、階段状変化を示すことが分かる。
このことは、補正前の出力電圧の階段状変化ではなく、補正後の出力電圧の階段状変化、即ち式(1)を用いて算出した補正電圧を利用すれば、アンモニアガス成分の濃度を精度よく検出し得ることを意味する。そこで、第1参考形態では、式(1)を導入した。
従って、上述のように、ステップ130において、ステップ120における出力電圧Vnを式(1)に基づき補正電圧Vとして補正することで、この補正電圧Vに依れば、アンモニアガス成分の濃度が長期に亘り精度よく得られる。
特に、ディーゼルエンジンの排気ガスのような過酷なガス環境においてアンモニア成分を検出するにあたり、上述のようにして得られる補正電圧Vをアンモニアガス検出装置の検出出力とすることで、当該アンモニアガス成分の検出濃度を、長期に亘り、精度よく検出し得るアンモニアガス検出装置の提供が可能となる。
ちなみに、第1参考形態の検出素子70にモデルガス試験を行うとともに、当該検出素子70に図5のフローチャートに従う試験を行ってみた。
1. モデルガス試験
試験条件は、ガス温度を280(℃)とし、検出素子70の温度を400(℃)とした。また、ベースガス組成を、10(体積%)の酸素(O)、5(体積%)の二酸化炭素(CO)、5(体積%)の水(H2O)及び窒素(N)とした。また、ベースガスに対するアンモニア成分の添加量を0(ppm)、20(ppm)及び100(ppm)とした。
このような試験条件のもと、検出素子70をモデルガス発生装置に配置して、当該検出素子70の両電極間に2(Vrms)及び400(Hz)の交流電圧を印加して、検出素子70の検出特性を調べたところ、図7にて示すグラフ3が得られた。但し、図7において、グラフ4は、ベースガスに対するアンモニア添加量の階段状増加を時間との関係で示す。
ここで、グラフ3は、検出素子70の出力電圧、換言すれば、インピーダンスが、グラフ4のアンモニア添加量の階段状増加に伴い、時間との関係において、階段状に減少することを示す。
また、上記試験条件のうちのベースガス組成のもとに、次の両試験(1)、(2)を行った。
即ち、試験(1)では、検出素子70を、温度80(℃)で相対湿度95(%RH)の環境において20(時間)の間放置した。試験(2)では、検出素子70を、ディーゼル車両のディーゼルエンジンに第1参考形態と同様に配設し、当該ディーゼル車両をシャシーダイナモ上で約200(km)走行させた。
そして、試験(1)による検出素子70のインピーダンス(出力電圧)及び試験(2)による検出素子70のインピーダンス(出力電圧)を調べた。また、両試験(1)、(2)を行う前の試験(即ち、初期試験)において、検出素子70のインピーダンス(出力電圧)も調べた。その結果、図8にて示す各棒グラフ5、5−1、5−2が得られた。
ここで、棒グラフ5は、初期のインピーダンス(出力電圧)を示す。また、棒グラフ5−1は、試験(1)の結果のインピーダンス(出力電圧)を示し、棒グラフ5−2は、試験(2)の結果のインピーダンス(出力電圧)を示す。
これら棒グラフ5、5−1及び5−2によれば、試験(1)、(2)の場合のインピーダンスは、初期のインピーダンス(出力電圧)よりも高いことが分かる。
2.図5のフローチャートに従う試験
図5のフローチャートに従う処理と同様の処理を、上記初期試験及び両試験(1)、(2)のもとで、それぞれ、実際に行うことで、検出素子70の出力電圧(インピーダンス)を調べた。
具体的には、上記初期試験及び試験(1)のもとでは、検出素子70への交流電圧の印加と同時に当該検出素子70を650(℃)にて30(秒)の間加熱した。この加熱後、90(秒)経過したとき検出素子70から発生する出力電圧を零点電圧Vzに設定した。ついで、この零点電圧の設定後において検出素子70から発生する出力電圧Vnを検出し、この出力電圧Vnの零点電圧Vzに対する変化率を、{(Vz−Vn)/Vz}×100(%)}でもって算出した。
また、上記試験(2)のもとでは、検出素子70への交流電圧の印加と同時に、10(秒)間650(℃)にて当該検出素子70の加熱することを、10(秒)間隔にて、3回繰り返した。その後、70(秒)経過したとき検出素子70から発生する出力電圧を零点電圧Vzに設定し、ついで、この零点電圧の設定後において検出素子70から発生する出力電圧Vnを検出し、この出力電圧Vnの零点電圧Vzに対する変化率を、{(Vz−Vn)/Vz}×100(%)でもって算出した。
その結果、図9にて示す各グラフ6、6−1、6−2及び図10にて示す各グラフ8、8−1及び8−2が得られた。但し、図9において、符号7で示す矢印範囲は、ベースガスのみの時間領域を示す。また、符号7−1で示す矢印範囲は、ベースガスに10(ppm)のアンモニアを添加した時間領域を示す。また、符号7−2で示す矢印範囲は、ベースガスに100ppm)のアンモニアを添加した時間領域を示す。
図9において、各グラフ6、6−1、6−2は、検出素子70の出力電圧Vn(インピーダンス)の変化を、時間との関係で示すもので、これら各グラフ6、6−1、6−2は、上記初期試験、試験(1)及び試験(2)にそれぞれ対応する。
また、図10において、各グラフ8、8−1、8−2は、出力電圧Vnの変化率の変化を、時間との関係で示すもので、これらグラフ8、8−1、8−2は、上記初期試験、試験(1)及び試験(2)にそれぞれ対応する。
図9にて示す各グラフによれば、検出素子70の出力電圧(インピーダンス)は、図8の各棒グラフで示す出力電圧(インピーダンス)と同様に、上記初期試験及び両試験(1)、(2)によって互いに異なっていることが分かる。従って、検出素子70の出力電圧Vnをそのまま用いることでは、アンモニアガス成分の濃度を一義的には精度よく検出できないことが分かる。
これに対し、図10にて示す各グラフによれば、検出素子70の出力電圧の変化率は、上記初期試験及び両試験(1)、(2)によって互いに異なっていることなく、ほぼ一致していることが分かる。従って、検出素子70の出力電圧が、上記初期試験及び両試験(1)、(2)によって互いに大きく異なっていても、検出素子70の出力電圧の変化率は、アンモニアガス成分の濃度に対し一義的に変化することが分かる。従って、検出素子70の出力電圧の変化率を用いれば、アンモニアガス成分の濃度を精度よく検出し得ることが分かる。
(第2参考形態)
図11及び図12は本発明の第2参考形態の要部を示している。また、第2参考形態では、図12にて示すフローチャートが、上記第1参考形態にて述べたフローチャート(図5参照)に代えて採用されている。これに伴い、第2参考形態では、上記第1参考形態にて述べたマイクロコンピュータ81は、上記コンピュータプログラムを、図12のフローチャートに従い実行するように変更されている。
また、第2参考形態では、上記第1参考形態にて述べたECU20の排気温センサ(以下、排気温センサ84という)が、図11にて示すごとく、マイクロコンピュータ81に接続されている。その他の構成は、上記第1参考形態と同様である。
このように構成した第2参考形態において、上記第1参考形態にて述べたと同様に、当該ディーゼルエンジンの作動状態にてアンモニアガス検出装置50において、検出素子70が上記交流電源から給電されて作動状態になるものとする。
このような状態において、制御回路80の操作スイッチ83が閉成されると、マイクロコンピュータ81は、図12のフローチャートに従いコンピュータプログラムの実行を開始する。すると、ステップ101において、排気温入力処理がなされる。この排気温入力処理では、排気温センサ84の検出排気温がマイクロコンピュータ81にステップ101にて入力される。
然る後、ステップ102において、ステップ101にて入力した検出排気温が100(℃)未満か否かが判定される。ここで、ステップ101における判定基準である100(℃)は次のような根拠に基づき設定されている。
当該ディーゼルエンジンの始動直後では、排気管13に滞留している排気凝縮水等の水分が一気に排気ガスとともに排気管13から排出される。検出素子70が、その加熱状態で、上記排気凝縮水等の水分を被水すると、当該検出素子70が加熱温度によっては破損し易い。そこで、第2参考形態では、水分が100(℃)未満では蒸発しにくいことを考慮して、ステップ102における判定基準として100(℃)を設定した。
しかして、検出排気温が100(℃)未満であれば、検出素子70が被水した水分は排気温によっては蒸発しにくい。このため、ステップ102においてYESと判定され、ステップ103において、緩加熱処理がなされる。この緩加熱処理では、検出素子70がその熱破損を防止し得る程度の昇温速度にて緩やかに加熱されるように、ヒータ77による加熱量がマイクロコンピュータ81により制御される。従って、検出素子70が被水していても、この検出素子70は熱破損を伴うことなく加熱されていく。
然る後、ステップ101における検出排気温が100(℃)以上に上昇すると、ステップ102においてNOと判定される。これに伴い、ステップ104において急加熱処理がなされる。現段階において、上記検出排気温が100(℃)以上であることから、上述した排気凝縮水等は蒸気となり、また、検出素子70に付着していた水分も蒸発する。このため、検出素子70が被水による水分に起因して破損することを回避できる。そこで、上記急加熱処理では、検出素子70が、例えば、600(℃)まで急速な昇温速度にて急激に加熱されるように、ヒータ77による加熱量がマイクロコンピュータ81により制御される。従って、検出素子70は、迅速に600(℃)まで加熱されていく。
以上説明したように、排気温センサ84の検出排気温が100(℃)未満にある状態から100(℃)以上に上昇する場合には、ステップ101〜ステップ104までの処理でもって、検出素子70の緩加熱及びその後の急加熱でもって、当該検出素子70の被水による熱破損の発生を未然に防止しつつ、検出素子70の加熱を効率よく行い得る。
その結果、ステップ110における零点電圧の設定が、精度よく確実になされ得る。その他のマイクロコンピュータ81による処理及び作用効果は上記第1参考形態と同様である。
(第3参考形態)
図13は、本発明の第3参考形態の要部を示している。この第3参考形態では、図13にて示すフローチャートが、上記第1参考形態にて述べたフローチャート(図5参照)に代えて採用されている。従って、第3参考形態では、上記第1参考形態にて述べたマイクロコンピュータ81は、上記コンピュータプログラムを図13のフローチャートに従い実行するように変更されている。その他の構成は上記第1参考形態と同様である。
このように構成した第3参考形態において、上記第1参考形態にて述べたと同様にステップ110において零点設定処理が終了すると、上記第1参考形態にて述べたステップ120における出力電圧入力処理に先立ち、ステップ150(図13参照)において、検出素子70は異常か否かが判定される。
ここで、上記異常とは、ステップ110における設定零点電圧が、検出素子70の出力電圧の上限値或いは下限値に固定されている状態をいう。これは、以下の理由による。
検出素子70内の短絡故障が発生すると、上記設定零点電圧が、検出素子70からの出力電圧の下限値に固定されてしまう。また、検出素子70内で断線故障が発生すると、上記設定零点電圧が、検出素子70からの出力電圧の上限値に固定されてしまう。また、検出素子70の加熱により焼失した筈の不純物成分が感応膜73の外面に付着したままであると、上記設定零点電圧が、上記出力電圧の上限値或いは下限値に固定されてしまう。そこで、第3参考形態では、以上のような設定零点電圧の固定状態は、検出素子70の劣化によるものとし、ステップ150における異常の判定基準として採用されている。
しかして、検出素子70がステップ110における設定零点電圧に基づき異常であれば、ステップ150において、YESと判定される。これにより、マイクロコンピュータ81は、検出素子70に上記異常ありと自動的に自己診断し得たこととなる。その結果、検出素子70の異常対策がタイミングよくなされ得る。
また、ステップ150におけるYESとの判定に伴い、マイクロコンピュータ81は、上記第1参考形態にて述べた両ステップ120、130の処理を禁止し、上記コンピュータプログラムをエンドステップに進める。これにより、検出素子70の異常のままで両ステップ120、130の処理がなされることが未然に防止され得る。
一方、ステップ110における設定零点電圧が上記出力電圧の上限値或いは下限値に固定されていなければ、検出素子70は正常であることから、ステップ150において、NOと判定される。これにより、マイクロコンピュータ81は、検出素子70が正常である旨自動的に自己診断し得たこととなる。
また、ステップ150におけるNOとの判定に伴い、上記第1参考形態にて述べたと同様にステップ120以後の処理がなされる。なお、第2参考形態におけるその他の作用効果は、上記第1参考形態と同様である。
(第実施形態)
図14は、本発明の第実施形態の要部を示している。この第実施形態では、図14にて示すフローチャートが、上記第1参考形態にて述べたフローチャート(図5参照)に代えて採用されている。従って、本第実施形態では、上記第1参考形態にて述べたマイクロコンピュータ81は、上記コンピュータプログラムを図14のフローチャートに従い実行するように変更されている。その他の構成は上記第1参考形態と同様である。
このように構成した本第実施形態において、上記第1参考形態と同様に、ステップ140においてYESと判定されると、各ステップ160〜180(図14参照)における処理がなされる。ここで、これら各ステップ160〜180を本第実施形態において導入した根拠について説明する。
当該ディーゼルエンジンからその作動中に排気管13を通して排出される排気ガスは、各種の排ガス成分に加え、オイル成分、煤成分や各種金属成分等の不純物成分を含む過酷なガス環境におかれる。従って、上記第1参考形態にて述べたようにステップ100において加熱処理が一度なされても、その後において、検出素子70の感応膜73の外面に上記不純物成分が再び付着し易い。
このように不純物成分が感応膜73に再び付着すると、上記第1参考形態にて述べたと同様に検出素子70の特性が変化する。そこで、各ステップ160〜170が導入されている。
しかして、回転数センサ82の検出回転数が零であるために当該ディーゼルエンジンが停止していれば、ステップ140において、上記第1参考形態と同様にYESと判定される。これに伴い、ステップ160において、出力電圧入力処理がなされる。この出力電圧入力処理では、現段階で検出素子70により発生される出力電圧がマイクロコンピュータ81にステップ160にて入力される。
ついで、ステップ170において、出力変動の有無が判定される。ここで、当該ディーゼルエンジンの停止直後において検出素子70から発生される出力電圧がその上限値或いは下限値に固定されていれば、当該出力電圧は、ステップ140でYESと判定する前のステップ120における出力電圧から変動している。従って、出力変動ありということで、ステップ170においてYESと判定される。
然る後、ステップ180において加熱処理がなされる。この加熱処理は、ステップ100とは別途行う再度の加熱処理であるが、当該ステップ100における加熱処理と同様に、検出素子70がヒータ77により加熱される。これにより、ステップ100における加熱処理後に検出素子70の感応膜73の外面に付着した不純物成分が焼失により除去される。その結果、検出素子の安定した特性が維持され得る。また、このような作用効果は、ディーゼルエンジンの排気ガス中のアンモニアガス成分の検出を長期に亘り精度よく行えるアンモニアガス検出装置の提供にあわせ達成され得る。その他の作用効果は、上記第1参考形態と同様である。
(第実施形態)
図15は、本発明の第実施形態の要部を示している。この第実施形態では、図15にて示すフローチャートが、上記第実施形態にて述べたフローチャート(図14参照)に代えて採用されている。従って、本第実施形態では、上記第実施形態にて述べたマイクロコンピュータ81は、上記コンピュータプログラムを図15のフローチャートに従い実行するように変更されている。その他の構成は上記第実施形態と同様である。
このように構成した本第実施形態において、上記第実施形態にて述べたと同様にステップ110において零点設定処理が終了すると、上記第実施形態にて述べたステップ120における出力電圧入力処理に先立ち、ステップ190(図15参照)において、検出素子70は異常か否かが判定される。ここで、上記異常とは、上記第3参考形態にて述べたと同様に、ステップ110における設定零点電圧が、検出素子70の出力電圧の上限値或いは下限値に固定されている状態をいう。
しかして、検出素子70がステップ110における設定零点電圧に基づき異常であれば、ステップ190において、YESと判定される。これにより、マイクロコンピュータ81は、ステップ120以後の処理の禁止のもと、検出素子70に上記異常ありと自動的に自己診断し得たこととなる。その結果、検出素子70の異常対策がタイミングよくなされ得る。
一方、ステップ110における設定零点電圧が上記出力電圧の上限値或いは下限値に固定されていなければ、検出素子70は正常であることから、ステップ190において、NOと判定される。これにより、マイクロコンピュータ81は、検出素子70が正常である旨自動的に自己診断し得たこととなる。その他の作用効果は上記第実施形態と同様である。
なお、本発明の実施にあたり、上記各参考形態及び実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)ステップ130における出力電圧補正処理において、出力電圧Vnは、式(1)によることなく、ステップ110における設定零点電圧と出力電圧Vnとの間の変化量に基づき補正するようにしてもよい。
(2)検出素子70の加熱は、ヒータ77によることなく、当該検出素子70とは別途の加熱素子でもって行うようにしてもよい。
(3)ステップ150或いはステップ190においては、ステップ110における設定零点電圧が、予め設定した所定の閾値と比較して、検出素子70の異常の有無を判定するようにしてもよい。また、設定零点電圧に代えて、検出素子70の任意の出力電圧を、予め設定した所定の閾値と比較して自己診断するようにしてもよい。
(4)両電極72は、櫛歯状電極部を有するものに限ることなく、例えば単なる短冊状電極部等の種々の形状の電極部を有するものであってもよい。
(5)上記第2参考形態においては、排気温センサ84の検出排気温に代えて、検出素子70の測温抵抗体76の検出温度を素子温として採用し、この素子温が、ステップ102において、100(℃)未満か否かにつき判定するようにしても、上記第2参考形態と同様の作用効果が達成され得る。
(6)ステップ100における加熱処理において、検出素子70の加熱を複数回に分割して行ってもよい。具体的には、上記所定加熱時間を複数の時間に分割して検出素子70を間欠的に加熱する。これによれば、上記所定加熱時間の間、検出素子70を連続して加熱するよりも、感応膜73に付着した水分や煤、オイル等の不純物成分がより一層良好に除去され得る。その結果、ステップ110における零点電圧の設定がより一層精度よくなされ、上記各参考形態及び実施形態の作用効果がより一層向上され得る。
(7)検出素子70は、適宜なケーシングに収納されて、当該ケーシングを介し排気管13のうち選択還元触媒14の下流側部位に配設されていてもよい。なお、当該ケーシングは、検出素子70の感応膜を排気ガス内に露呈させる構造となっている。
(8)上記各参考形態及び実施形態において算出される補正電圧Vを用いて、選択還元触媒14の劣化の有無を判定するようにしてもよい。また、選択還元触媒14の未活性時に、上記補正電圧Vを用いて、最適な濃度の尿素水が尿素供給源60から供給されるか否かを判定するようにしてもよい。
本発明の第1参考形態がディーゼルエンジンに適用された例を示すブロック図である。 図1の検出素子の平面図である。 図2にて3−3線に沿う断面図である。 図1の制御回路の詳細ブロック図である。 図4のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートである。 上記第1参考形態においてアンモニアガス成分の添加量をパラメータとした検出素子の補正前後の出力電圧の時間的変化を示す各グラフである。 上記第1参考形態において検出素子の出力電圧(インピーダンス)及びアンモニア添加量の時間的変化を示す各グラフである。 上記第1参考形態において初期試験及び両試験(1)、(2)における検出素子の出力電圧(インピーダンス)を示す各棒グラフである。 上記第1参考形態において、アンモニア添加量をパラメータとした初期試験及び両試験(1)、(2)における検出素子の出力電圧(インピーダンス)の時間的変化を示す各グラフである。 上記第1参考形態においてアンモニア添加量をパラメータとした初期試験及び両試験(1)、(2)における検出素子の出力電圧の変化率を時間との関係で示す各グラフである。 本発明の第2参考形態の要部を示すブロック図である。 上記第2参考形態においてマイクロコンピュータによる実行されるコンピュータプログラムを表すフローチャートである。 本発明の第3参考形態の要部を示すフローチャートである。 本発明の第実施形態の要部を示すフローチャートである。 本発明の第実施形態の要部を示すフローチャートである。
符号の説明
13…排気管、14…選択還元触媒、70…インピーダンス変化式検出素子、
71…基板、73…感応膜、74…電極部、77…ヒータ、
81…マイクロコンピュータ。

Claims (5)

  1. 被検出ガス中のアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を利用して、前記アンモニアガス成分をインピーダンスに応じて検出し検出出力として発生するインピーダンス変化式検出素子を加熱し、
    この加熱後、前記検出素子により発生される検出出力を零点出力として設定し、
    前記検出素子により任意に発生される検出出力を前記零点出力に基づき補正し、
    この補正検出出力を前記アンモニアガス成分に対応する出力として検出し、
    前記被検出ガスは、ディーゼルエンジンの作動に伴い当該ディーゼルエンジンの排気管内に流出する排気ガスであって、その窒素酸化物ガス成分にて、前記排気ガス中に生成されるアンモニアガス成分でもって、前記排気管内に設けた選択還元触媒内で還元されながら前記排気管から排出する排気ガスであり、
    前記インピーダンス変化式検出素子は、前記選択還元触媒の下流側にて前記排気ガスに含まれるアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を利用して、前記アンモニアガス成分をインピーダンスに応じて検出し検出出力として発生する検出素子であって、
    前記ディーゼルエンジンの停止後前記検出素子により発生される検出出力に基づき、前記検出素子の再度の加熱の要否を判定し、
    前記検出素子の再度の加熱が必要と判定したとき、前記検出素子の加熱を再度行うようにしたことを特徴とするアンモニアガス検出方法。
  2. 前記検出素子が、被検出ガス中のアンモニアガス成分に感応しプロトンのホッピング伝導を生じさせる感応膜を備えており、
    前記検出素子の加熱を複数回に分割して行い、
    この複数回の加熱後、前記検出素子により発生される検出出力を零点出力として設定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアンモニアガス検出方法。
  3. 前記検出素子の加熱に先立ち、当該検出素子の温度或いは被検出ガスの温度を検出し、
    前記検出素子の加熱を、前記検出温度に応じて行うことを特徴とする請求項1或いは2に記載のアンモニアガス検出方法。
  4. 前記零点出力に基づき前記検出素子の異常の有無を判定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のアンモニアガス検出方法。
  5. 前記ディーゼルエンジンの停止後、前記検出素子により発生される検出出力に基づき検出素子の異常の有無を判定するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のアンモニアガス検出方法。
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