本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面に基づいて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7」(図中黒色の7)、「青7」(図中網かけの7)、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。尚、透視窓3から視認できる各リールの領域を、各リールに対応させて左可変表示部120L、中可変表示部120C、右可変表示部120R(可変表示領域)と呼ぶ(図1参照)。これら各可変表示部120L、120C、120Rからは、各リールに描かれた複数の図柄のうち、連続する3つの図柄が上段、中段、下段の位置に表示される。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施例では後述の通常遊技状態及び小役ゲームにおいては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rの基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33からなるリールユニット(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、本実施例では、規定数の賭数として後述する通常遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームにおいては3枚が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、1枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3における各可変表示部120L、120C、120Rに表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転し、各可変表示部120L、120C、120Rにおける図柄の変動が開始した後、ゲームが開始してから経過した時間に関わらず、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されるまで、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応する可変表示部120L、120C、120Rにおける図柄の変動が継続して行われるようになっている。
また、ゲームが開始してから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されずに経過した時間が第1の報知待ち時間(本実施例では60秒)に到達したときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rによるリール2L、2C、2Rの停止操作を促す促進報知としての報知画面(図20参照)が液晶表示器51に表示される。尚、該促進報知の実行中に、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されたときには、実行中の促進報知が終了されるようになっている。
また、いずれかのリール2L、2C、2Rの回転が停止して可変表示部120L、120C、120Rにおける図柄の変動が停止して表示結果が導出された後、未だ回転が停止されていないリール2L、2C、2Rがある場合、すなわち、表示結果が導出されていない可変表示部がある場合において、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されずに経過した時間が前記第1の報知待ち時間(60秒)に到達したときにも、前記促進報知が実行される。
尚、いずれかのリール2L、2C、2Rの回転が停止して可変表示部120L、120C、120Rにおける図柄の変動が停止して表示結果が導出された後、未だ回転が停止されていないリール2L、2C、2Rがある場合において、当該ゲームにおいて既に促進報知が実行されている場合には、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されずに経過した時間が第2の報知待ち時間(本実施例では30秒)に到達したときに前記促進報知が実行される。尚、促進報知の詳細に関しては後述することとする。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、表示制御基板190、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、表示制御基板190によって液晶表示器51の表示制御が行われ、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90及び該演出制御基板90に接続された表示制御基板190に供給されるようになっている。また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、CPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、割込1〜4の4種類の割込を実行可能であり、各割込毎にカウンタモード(信号入力端子DATAとは別個に設けられたトリガー端子CLK/TRGからの信号入力に応じて外部割込を発生させる割込モード)とタイマモード(CPU41aのクロック入力数に応じて内部割込を発生させる割込モード)のいずれかを選択して設定できるようになっている。
本実施例では、割込1〜4のうち、割込2がカウンタモードに設定され、割込3がタイマモードに設定され、割込1、4は未使用とされている。トリガー端子CLK/TRGは、前述した電断検出回路48と接続されており、CPU41aは電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込2を発生させて後述する電断割込処理を実行する。また、CPU41aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込3を発生させて後述するタイマ割込処理を実行する。また、割込1、4は、未使用に設定されているが、ノイズ等によって割込1、4が発生することがあり得る。このため、CPU41aは、割込1、4が発生した場合に、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、割込2、3、1、4の順番で優先して実行する割込が設定されている。すなわち割込2とその他の割込が同時に発生した場合には、割込2を優先して実行し、割込3と割込1または4が同時に発生した場合には、割込3を優先して実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の開始時に、レジスタに格納されている使用中のデータをRAM41cに設けられた後述のスタック領域に一時的に退避させるとともに、当該割込処理の終了時にスタック領域に退避させたデータをレジスタに復帰させるようになっている。
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタ41R(図30参照)が設けられている。リフレッシュレジスタ41Rは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行われてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理により、RAM41cの特定アドレスの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、後述する各種のコマンド(図10参照)を送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出効果LED52の駆動制御を行うランプ駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。また、液晶表示器51による表示画像の表示を指示するコマンドを、I/Oポート91dを介して表示制御基板190に送信する。演出制御基板90から表示制御基板190へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、表示制御基板190から演出制御基板90へ向けてコマンドが送られることはない。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて後述するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行われてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
表示制御基板190には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)が接続されており、該液晶表示器51は、表示制御基板190に搭載された後述の表示制御部191による制御に基づいて駆動されるようになっている。
表示制御基板190には、メイン制御部41と同様にCPU191a、ROM191b、RAM191c、I/Oポート191dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出制御基板90から送信されるコマンドに応じて、液晶表示器51の表示制御を行う表示制御部191、液晶表示器51の駆動制御を行う液晶駆動回路92、その他の回路等が搭載されており、CPU191aは、演出制御基板90から送信されるコマンドを受けて、液晶表示器51の表示制御を行う。
また、表示制御部191にも、停電時においてバックアップ電源が供給されるようになっており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU191aによりリフレッシュ動作が行われてRAM191cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定値の変更操作について説明する。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6から更に操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41のCPU41aが電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、メイン制御部41のRAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、CPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス、ビッグボーナス中の小役ゲーム、通常遊技状態があり、このうちレギュラーボーナスに対応する賭数の規定数として1が定められており、小役ゲーム及び通常遊技状態に対応する賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、賭数として1が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、遊技状態が小役ゲームまたは通常遊技状態にあるときには、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、遊技状態に応じた規定数が1であれば、賭数として1が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化され、遊技状態に応じた規定数が3であれば、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(以下、有効ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグが設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、そのゲームの終了時にクリアされるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいてクリアされる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグはクリアされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。もっとも、後に説明するように特別役のうちJACINの組み合わせは、当選したゲームに必ず揃うこととなるので、次のゲームへ持ち越されることはなく、それ以外の特別役の当選フラグのみ、当該フラグにより許容される役の組み合わせが揃わなかった場合に、次のゲームへ持ち越されることとなる。
図4(a)は、遊技状態別当選役テーブルを示す図である。遊技状態別当選役テーブルは、メイン制御部41のROM41bに予め格納され、内部抽選において当選と判定される役を判断するために用いられるものであるが、遊技状態別当選役テーブルの登録内容は、遊技状態に応じて定められた役を示すものとなる。このスロットマシン1における役としては、小役としてJAC、チェリー、スイカ、ベルが、再遊技役としてリプレイ、特別役としてビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(3)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)、JACINが定められている。
レギュラーボーナスの遊技状態では、小役であるJAC、チェリー、スイカ及びベルが、入賞となる役として定められており、レギュラーボーナスにおける内部抽選で抽選の対象とされる。ビッグボーナスの後述する小役ゲームでは、小役であるチェリー、スイカ及びベル、特別役であるレギュラーボーナス(2)及びJACINが入賞となる役として定められており、小役ゲームにおける内部抽選で抽選の対象とされる。通常遊技状態では、小役であるチェリー、スイカ及びベル、再遊技役であるリプレイ、特別役であるビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(3)、レギュラーボーナス(1)が入賞となる役として定められており、通常遊技状態における内部抽選で抽選の対象とされる。
尚、本実施例では、レギュラーボーナスの遊技状態において、チェリー、スイカ及びベルに加えてJACが入賞となる小役として定められているが、レギュラーボーナスの遊技状態においても、小役ゲームや通常遊技状態と同様に、チェリー、スイカ及びベルのみを入賞となる小役として定めるようにしても良い。
JACは、レギュラーボーナスにおいて有効ラインに「ベル−JAC−JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となるが、レギュラーボーナス以外の遊技状態では、この組み合わせが揃ったとしてもJAC入賞とならない。チェリーは、いずれの遊技状態においても左のリール2Lについて有効ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となる。スイカは、いずれの遊技状態においても有効ラインのいずれかに「スイカ−スイカ−スイカ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ベルは、いずれの遊技状態においても有効ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。これらの小役が入賞したときのメダルの払い出しについては後述する。
リプレイは、通常遊技状態において有効ラインのいずれかに「JAC−JAC−JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となるが、レギュラーボーナスやビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナス)では、この組み合わせが揃ったとしてもリプレイ入賞とならない。リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
ビッグボーナスは、通常遊技状態において有効ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせ、「白7−白7−白7」の組み合わせ、または「青7−青7−青7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスにおいては、小役ゲームと称されるゲームを行うことができる。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚に達したときに終了する。
尚、「赤7−赤7−赤7」によるビッグボーナス、「白7−白7−白7」によるビッグボーナス、及び「青7−青7−青7」を区別する必要がある場合には、それぞれビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(3)と呼ぶものとする。また、ビッグボーナス(1)〜(3)は、更に、内部抽選で当選が判定される順番に応じてそれぞれ細分化されており、これらを区別する場合には、それぞれビッグボーナス(1)−A、ビッグボーナス(1)−B、ビッグボーナス(1)−C、ビッグボーナス(2)−A、ビッグボーナス(2)−B、ビッグボーナス(2)−C、ビッグボーナス(3)−A、ビッグボーナス(3)−B、ビッグボーナス(3)−Cと呼ぶものとする。
レギュラーボーナスは、小役ゲーム及び通常遊技状態において有効ラインのいずれかに「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が小役ゲームまたは通常遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。特に、小役ゲームにおいてレギュラーボーナス入賞すると、ビッグボーナス中にレギュラーボーナスが提供されることとなり、ビッグボーナス中フラグに併せてレギュラーボーナス中フラグもRAM41cに設定される。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚に達したときは、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
尚、通常遊技状態の「BAR−BAR−BAR」によるレギュラーボーナス、ビッグボーナスにおける小役ゲームの「BAR−BAR−BAR」によるレギュラーボーナスを区別する必要がある場合には、それぞれレギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)と呼ぶものとする。また、前述したビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)及びビッグボーナス(3)、レギュラーボーナス(1)及びレギュラーボーナス(2)をまとめて、単に「ボーナス」と呼ぶ場合があるものとする。
JACINは、小役ゲームにおいて有効ラインのいずれかに「スイカ−JAC−JAC」の組み合わせが揃ったときに入賞となるが、小役ゲーム以外の遊技状態では、この組み合わせが揃ったとしてもJACIN入賞とならない。JACIN入賞すると、ビッグボーナス中に前述したレギュラーボーナスが提供されることとなり、ビッグボーナス中フラグに併せてレギュラーボーナス中フラグもメイン制御部41のRAM41cに設定される。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚に達したときは、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
以下、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するかどうかを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技者が設定した賭数と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。本実施例においては、通常遊技状態において小役及び再遊技役の抽選と特別役の抽選とが個別に行われるので、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて小役と特別役とが同時に当選することがあり得る。
遊技状態に応じた役の参照は、レギュラーボーナス、ビッグボーナス中の小役ゲームにおいては、図4(a)に示した遊技状態別当選役テーブルに基づいて行われ、通常遊技状態においては、図4(a)に示した遊技状態別当選役テーブル及び図4(c)に示す後述の特別役用の役別テーブルの双方に基づいて行われる。
遊技状態がレギュラーボーナス(ビッグボーナス中に提供された場合を含む)にあるときには、遊技状態別当選役テーブルを参照し、JAC、チェリー、スイカ、ベルが内部抽選の対象役として順に読み出され、遊技状態がビッグボーナス中の小役ゲームにあるときには、チェリー、スイカ、ベル、レギュラーボーナス(2)、JACINが内部抽選の対象役として順に読み出される。もっとも、前回以前のゲームでレギュラーボーナス当選フラグ(2)が設定され、当該フラグに基づく入賞が発生しないで持ち越されているときには、レギュラーボーナス(2)及びJACINは、内部抽選の対象役とならない。
通常遊技状態にあるときには、まず、小役及び再遊技役の抽選が行われ、その後、特別役の抽選が行われる。小役及び再遊技役の抽選では、遊技状態別当選役テーブルを参照し、通常遊技状態において対象となる小役及び再遊技役、すなわちチェリー、スイカ、ベル、リプレイが内部抽選の対象役として順に読み出される。
特別役の抽選では、遊技状態別当選役テーブル及び特別役用の役別テーブルを参照し、遊技状態別当選役テーブルに登録された通常遊技状態において対象となる特別役が、特別役用の役別テーブルに登録された順に読み出される。
また、特別役の抽選においては、複数の特別役について当選が判定される間に、特別役のハズレか否かが判定されるようになっており、特別役用の役別テーブルには、特別役及び特別役のハズレがそれぞれ判定される順番に登録されている。このため、特別役の抽選においては、特別役用の役別テーブルに登録された順に特別役及び特別役のハズレが読み出されることとなる。
図4(c)に示すように、特別役用の役別テーブルには、通常遊技状態において抽選対象となる特別役として、ビッグボーナス(1)−A、ビッグボーナス(2)−A、ビッグボーナス(3)−A、ビッグボーナス(1)−B、ビッグボーナス(2)−B、ビッグボーナス(3)−B、ビッグボーナス(1)−C、ビッグボーナス(2)−C、ビッグボーナス(3)−C、レギュラーボーナス(1)が登録されているとともに、ビッグボーナス(3)−Aとビッグボーナス(1)−Bの間、ビッグボーナス(3)−Bとビッグボーナス(1)−Cの間に、それぞれハズレ−A、ハズレ−Bが登録されているので、特別役の抽選では、ビッグボーナス(1)−A、ビッグボーナス(2)−A、ビッグボーナス(3)−A、ハズレ−A、ビッグボーナス(1)−B、ビッグボーナス(2)−B、ビッグボーナス(3)−B、ハズレ−B、ビッグボーナス(1)−C、ビッグボーナス(2)−C、ビッグボーナス(3)−C、レギュラーボーナス(1)の順に読み出されることとなる。
もっとも、前回以前のゲームでレギュラーボーナス(1)、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはビッグボーナス(3)の当選フラグが設定され、当該フラグに基づく入賞が発生しないで持ち越されているときには、レギュラーボーナス(1)及びビッグボーナス(1)〜(3)は、内部抽選の対象役とならないので特別役の抽選自体行われることはない。
内部抽選では、内部抽選の対象役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該役の当選フラグがメイン制御部41のRAM41cに設定される。判定値数は、メイン制御部41のROMに予め格納された役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。
また、特に通常遊技状態においては、まず通常遊技状態において対象となる小役及び再遊技役について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定され、当該役の当選フラグが設定される。
更に、内部抽選用乱数の加算の結果がオーバーフローしたか否かに関わらず、通常遊技状態において対象となる特別役について定められた判定値数(特別役のハズレに対応して定められた判定値数を含む)を、加算前の内部抽選用の乱数(最初に取得した乱数)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定され、当該役の当選フラグが設定される(特別役のハズレに対応して定められた判定値数の加算結果がオーバーフローしたときはこの限りではない)。すなわち通常遊技状態においては、同一の内部抽選用の乱数に基づいて小役及び再遊技役の抽選及び特別役の抽選の双方が行われるようになっている。
尚、前述のように、前回以前のゲームから前回以前のゲームでレギュラーボーナス(1)、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはビッグボーナス(3)の当選フラグが持ち越されている状態であれば、特別役の抽選が行われることはない。
図4(b)は、小役及び再遊技役用の役別テーブルの例を示す図であり、図4(c)は、特別役(及びハズレ)用の役別テーブルの例を示す図である。判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1バイト分では記憶できないので、判定値数毎に2バイト分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。
各役(及びハズレ)の判定値数は、ゲームにおいて遊技者が設定する賭数(BET)に対応して登録されている。同一の役であっても、レギュラーボーナスにおける当選確率が他の役と異なっている場合があるからである。また、各役(及びハズレ)の賭数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
小役及び再遊技役用の役別テーブルには、図4(b)に示すように、JAC、チェリー、スイカ、ベル、リプレイの判定値数の格納アドレスが参照される順番に登録されている。
JACは、レギュラーボーナスでのみ内部抽選の対象となる役であり、レギュラーボーナスでの賭数1に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
チェリー、スイカ及びベルは、いずれの遊技状態でも内部抽選の対象となる役であり、レギュラーボーナスでの賭数1に対応する判定値数の格納アドレスと、通常遊技状態または小役ゲームでの賭数3に対応する判定値数の格納アドレスとが登録されている。チェリー及びスイカについては、共通フラグが1となっており、それぞれの賭数に対応して設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。ベルについては、共通フラグが0となっており、それぞれの賭数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
リプレイは、通常遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役であり、通常遊技状態での賭数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
特別役(及びハズレ)用の役別テーブルには、図4(c)に示すように、ビッグボーナス(1)−A、ビッグボーナス(2)−A、ビッグボーナス(3)−A、ハズレ−A、ビッグボーナス(1)−B、ビッグボーナス(2)−B、ビッグボーナス(3)−B、ハズレ−B、ビッグボーナス(1)−C、ビッグボーナス(2)−C、ビッグボーナス(3)−C、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)及びJACINの順番に各役の判定値数の格納アドレスが登録されている。
ビッグボーナス(1)−A、ビッグボーナス(2)−A、ビッグボーナス(3)−A、ハズレ−A、ビッグボーナス(1)−B、ビッグボーナス(2)−B、ビッグボーナス(3)−Bは、通常遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役であり、通常遊技状態での賭数3に対応する判定値数の格納アドレスがそれぞれ登録されている。これらの役については、共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
ハズレ−B、ビッグボーナス(1)−C、ビッグボーナス(2)−C、ビッグボーナス(3)−C、レギュラーボーナス(1)は、通常遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役であり、通常遊技状態での賭数3に対応する判定値数の格納アドレスがそれぞれ登録されている。これらの役については、共通フラグの値は0となっており、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
レギュラーボーナス(2)及びJACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームでのみ内部抽選の対象となる役であり、小役ゲームでの賭数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
また、役別テーブルには、各役に入賞したときに払い出されるメダルの払出枚数も登録されている。もっとも、入賞したときにメダルの払い出し対象となる役は、小役であるJAC、チェリー、スイカ及びベルだけである。チェリー、スイカ及びベルは、賭数が1のとき(レギュラーボーナス)でも3のとき(レギュラーボーナス以外の遊技状態)でも入賞が発生可能であるが、ベルについては、賭数が1であるとき、すなわち遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、それ以外の8枚よりも多い15枚のメダルが払い出されるものとなる。
ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(3)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)、及びJACINの入賞は、遊技状態の移行を伴うものであり、メダルの払い出し対象とはならない。リプレイでは、メダルの払い出しを伴わないが、次のゲームで賭数の設定に用いるメダルの投入が不要となるので実質的には3枚の払い出しと変わらない。また、当然ながら特別役のハズレについてはメダルの払い出し対象とはならない。
図5は、役別テーブルに登録されたアドレスに基づいて取得される判定値数の記憶領域を示す図である。この判定値数の記憶領域は、開発用の機種ではメイン制御部41のRAM41cに、量産機種ではメイン制御部41のROM41bに割り当てられたアドレス領域に設けられている。
例えばアドレスADD、ADD+34、ADD+36、ADD+38、ADD+40、ADD+42、ADD+44、ADD+46、ADD+48、ADD+110、ADD+112は、それぞれ内部抽選の対象役がJAC、リプレイ、ビッグボーナス(1)−A、ビッグボーナス(2)−A、ビッグボーナス(3)−A、ハズレ−A、ビッグボーナス(1)−B、ビッグボーナス(2)−B、ビッグボーナス(3)−B、レギュラーボーナス(2)、JACINであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスであり、設定値に関わらずに、それぞれ27、2245、2、2、2、263、4、4、4、32、4311が判定値数として取得される。
アドレスADD+98は、内部抽選の対象役がレギュラーボーナス(1)であって設定値が1のときに参照されるアドレスであり、このときには、ここに格納された値である31が判定値数として取得される。アドレスADD+100、ADD+102、ADD+104、ADD+106、ADD+108は、それぞれ内部抽選の対象役がレギュラーボーナス(1)であって設定値が2〜6のときに参照されるアドレスである。レギュラーボーナス(1)については、設定値に応じて個別に判定値数が記憶されているが、同一の判定値数が記憶されているので、いずれの設定値においてもレギュラーボーナス(1)の当選確率は同じとなっている。
アドレスADD+50、ADD+52、ADD+54、ADD+56、ADD+58、ADD+60は、それぞれ内部抽選の対象役がハズレ−Bであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+62、ADD+64、ADD+66、ADD+68、ADD+70、ADD+72は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)−Cであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+74、ADD+76、ADD+78、ADD+80、ADD+82、ADD+84は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(2)−Cであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+86、ADD+88、ADD+90、ADD+92、ADD+94、ADD+96は、それぞれ内部抽選の対象役がビッグボーナス(3)−Cであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。ハズレ−B、ビッグボーナス(1)−C、(2)−C、(3)−Cについては、設定値に応じて個別に判定値数が記憶され、しかも異なる判定値数が記憶されているので、設定値に応じてハズレ−B、ビッグボーナス(1)−C、(2)−C、(3)−Cの当選(特別役のハズレ)確率が異なることとなる。
アドレスADD+2は、賭数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらずに参照されるアドレスである。アドレスADD+4は、賭数が3のとき、すなわち通常遊技状態または小役ゲームにおいて内部抽選の対象役がチェリーであるときに設定値に関わらず参照されるアドレスである。チェリーについての判定値数は、賭数に応じて登録されているが、同じ値が登録されているので、いずれの遊技状態においてもチェリーの当選確率は同じとなる。スイカについても、アドレスADD+6、ADD+8に同様にして判定値数が登録されている。
アドレスADD+10、ADD+12、ADD+14、ADD+16、ADD+18、ADD+20は、それぞれ賭数が1のとき、すなわちレギュラーボーナスにおいて内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+10とADD+12、ADD+14とADD+16、ADD+18とADD+20には、それぞれ同一の値が登録されているので、レギュラーボーナス時においては、設定値1と設定値2、設定値3と設定値4、設定値5と設定値6とで、ベルの当選確率が同一となる。
アドレスADD+22、ADD+24、ADD+26、ADD+28、ADD+30、ADD+32は、それぞれ賭数が3のとき、すなわち通常遊技状態または小役ゲームにおいて内部抽選の対象役がベルであって設定値が1〜6のときに参照されるアドレスである。アドレスADD+22、ADD+24、ADD+26、ADD+28、ADD+30、ADD+32には、互いに異なる値が登録されているので、通常遊技状態または小役ゲームにおいては、設定値に応じてベルの当選確率が異なることとなる。
図6(a)(b)、図7、図8(a)(b)は、内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と、当選役との関係の例を示す図である。図6(a)(b)及び図7では通常遊技状態にあるときの、図8(a)では小役ゲームにあるときの、図8(b)ではレギュラーボーナスにあるときの例を示している。図6(a)(b)、図7、図8(a)(b)のいずれも、設定値が6の場合の例を示しており、また、図6(b)及び図7では、レギュラーボーナス及びビッグボーナスの当選フラグのいずれも設定されてない場合の例を示している。
通常遊技状態において内部抽選の対象役となる役は、レギュラーボーナス(1)、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(3)、チェリー、スイカ、ベル、リプレイであるが、前述のように通常遊技状態においては、同一の内部抽選用の乱数につき小役及び再遊技役の抽選と特別役の抽選とが別個に行われるので、ここでは、小役及び再遊技役の抽選における内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と当選役との関係、特別役の抽選における内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と当選役との関係、双方の抽選を合わせた結果による内部抽選用の乱数の値及び各役の判定値数と当選役との関係、についてそれぞれ説明する。
例えば、図6(a)に示すように、通常遊技状態における小役及び再遊技役の抽選において対象となる役は、チェリー、スイカ、ベル、リプレイであり、設定値6においては、それぞれの判定値数は、269、68、3582、2245となる。最初に小役及び再遊技役の抽選の対象役となるチェリーは、判定値数の269を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16115〜16383が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。
次に小役及び再遊技役の抽選の対象役となるスイカは、チェリーの判定値数269とスイカの判定値数68とを合計した337を加算することで加算結果がオーバーフローすることとなる16047〜16114が内部抽選用の乱数として取得されたときに当選となる。同様に、ベルは、12465〜16046が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイは、10220〜12464が内部抽選用の乱数として取得されたときに、それぞれ当選と判定される。
これらの判定値数に基づいて算出される小役及び再遊技役のおおよその当選確率は、チェリー、スイカ、ベル、リプレイのそれぞれについて、1/60.9、1/240.9、1/4.6、1/7.3となる。尚、0〜10219が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての小役及び再遊技役にハズレとなる。
一方、図6(b)に示すように、通常遊技状態における特別役の抽選において対象となる役は、ビッグボーナス(1)−A、ビッグボーナス(2)−A、ビッグボーナス(3)−A、ハズレ−A、ビッグボーナス(1)−B、ビッグボーナス(2)−B、ビッグボーナス(3)−B、ハズレ−B、ビッグボーナス(1)−C、ビッグボーナス(2)−C、ビッグボーナス(3)−C、レギュラーボーナス(1)であり、設定値6においては、それぞれの判定値数は、2、2、2、263、4、4、4、5883、14、14、14、31となるので、16382〜16383、16380〜16381、16378〜16379、16115〜16674、16111〜16114、16107〜16110、16103〜16106、10220〜16102、10206〜10219、10192〜10205、10178〜10191、10147〜10777が内部抽選用の乱数として取得されたときに、当選(特別役のハズレ)と判定される。また、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/8192、1/8192、1/8192、1/62.3、1/4096、1/4096、1/4096、1/2.8、1/1170.3、1/1170.3、1/1170.3、1/528.5となる。尚、0〜10146が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての特別役にハズレとなる。
そして、小役及び再遊技役の抽選においてチェリーが当選と判定される内部抽選用の乱数の範囲(16115〜16383)と特別役の抽選においてビッグボーナス(1)−A、ビッグボーナス(2)−A、ビッグボーナス(3)−Aが当選と判定される内部抽選用の乱数の範囲(16382〜16383、16380〜16381、16378〜16379)は重複するので、これら重複する範囲の値が内部抽選用の乱数として取得されたときには、それぞれビッグボーナス(1)とチェリー、ビッグボーナス(2)とチェリー、ビッグボーナス(3)とチェリーが同時に当選したと判定される。同様に、小役及び再遊技役の抽選においてスイカが当選と判定される内部抽選用の乱数の範囲(16047〜16114)と特別役の抽選においてビッグボーナス(1)−B、ビッグボーナス(2)−B、ビッグボーナス(3)−Bが当選と判定される内部抽選用の乱数の範囲(16111〜16114、16107〜16110、16103〜16106)、はそれぞれ重複するので、これら重複する範囲の値が内部抽選用の乱数として取得されたときには、それぞれビッグボーナス(1)とスイカ、ビッグボーナス(2)とスイカ、ビッグボーナス(3)とスイカが同時に当選したと判定される。
このため、通常遊技状態では、図7に示すように、16382〜16383、16380〜16381、16378〜16379が内部抽選用の乱数として取得されたときに、それぞれビッグボーナス(1)とチェリー、ビッグボーナス(2)とチェリー、ビッグボーナス(3)とチェリーが同時に当選したと判定され、16115〜16377が内部抽選用の乱数として取得されたときに、チェリーのみが単独で当選したと判定され、16111〜16114、16107〜16110、16103〜16106が内部抽選用の乱数として取得されたときに、それぞれビッグボーナス(1)とスイカ、ビッグボーナス(2)とスイカ、ビッグボーナス(3)とスイカが同時に当選したと判定され、16047〜16102が内部抽選用の乱数として取得されたときに、スイカのみが単独で当選したと判定され、12465〜16046が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ベルのみが単独で当選したと判定され、10220〜12464が内部抽選用の乱数として取得されたときに、リプレイのみが単独で当選したと判定され、10206〜10219が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(1)のみが単独で当選したと判定され、10192〜10205が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(2)のみが単独で当選したと判定され、10178〜10191が内部抽選用の乱数として取得されたときに、ビッグボーナス(3)のみが単独で当選したと判定され、10147〜10177が内部抽選用の乱数として取得されたときに、レギュラーボーナス(1)のみが単独で当選したと判定されることとなる。
そしてビッグボーナス(1)とチェリー、ビッグボーナス(2)とチェリー、ビッグボーナス(3)とチェリーが同時当選するおおよその確率はそれぞれ1/8192となり、チェリーが単独で当選するおおよその確率は1/62.3となり、ビッグボーナス(1)とスイカ、ビッグボーナス(2)とスイカ、ビッグボーナス(3)とスイカが同時当選するおおよその確率はそれぞれ1/4096となり、スイカが単独で当選するおおよその確率は1/292.6となり、ベル、リプレイ、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(3)、レギュラーボーナス(1)が単独で当選するおおよその確率はそれぞれ1/4.6、1/7.3、1/1170.3、1/1170.3、1/1170.3、1/528.5となる。尚、0〜10146が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
このように本実施例では、小役及び再遊技役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数及び特別役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定できるようになっており、内部抽選においては、内部抽選用の乱数として取得した値が、これら判定値数により特定される小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲に含まれていれば、小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選したと判定し、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲に含まれていれば、小役及び特別役の双方が当選したと判定するようになっている。
また、本実施例では、ビッグボーナス(1)〜(3)とチェリーが重複して当選する判定値の範囲よりも、ビッグボーナス(1)〜(3)とスイカが重複して当選する判定値の範囲の方が大きくなるように設定されているため、ビッグボーナス(1)〜(3)とチェリーが同時に当選する確率よりも、ビッグボーナス(1)〜(3)とスイカが同時に当選する確率の方が高い。
また、通常遊技状態において、既にレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選フラグのいずれかが設定されている場合、すなわちこれら当選フラグが前回以前のゲームにて設定され、持ち越されている場合には、小役及び再遊技役の抽選のみが行われるため、各役が当選と判定される乱数値及び各役の当選確率は、図6(a)に示すものとなる。
また、図8(a)に示すように、小役ゲームでは、チェリー、スイカ、ベル、レギュラーボーナス(2)、JACINが内部抽選の対象役となり、それぞれの判定値数が269、68、3582、32、4311であるので、16115〜16383、16047〜16114、12465〜16046、12433〜12464、8122〜12432が内部抽選用の乱数として取得されたときに、当選と判定される。また、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/60.9、1/240.9、1/4.6、1/512、1/3.8となる。尚、0〜8121が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
また、図8(b)に示すように、レギュラーボーナスでは、JAC、チェリー、スイカ、ベルが内部抽選の対象役となり、それぞれの判定値数が27、269、68、15919であるので、16357〜16383、16088〜16356、16020〜16087、101〜16019が内部抽選用の乱数として取得されたときに、当選と判定される。また、それぞれの役のおおよその当選確率は、1/606.8、1/60.9、1/240.9、1/1.03となる。尚、0〜100が内部抽選用の乱数として取得されたときには、全ての役にハズレとなる。
次に、内部抽選用の乱数の取得について、図9を参照して詳しく説明する。内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により乱数発生回路42から乱数を抽出し、これをCPU41aがソフトウェアによって加工することによって取得されるものとなる。尚、乱数発生回路42から抽出した、或いはこれを加工した乱数の最下位ビットを第0ビット、最上位ビットを第15ビットと呼ぶものとする。
図9(a)は、乱数発生回路42の構成を詳細に示すブロック図である。図示するように、乱数発生回路42は、パルス発生回路42aと、下位カウンタ42bと、上位カウンタ42cとから構成されている。下位カウンタ42b及び上位カウンタ42cは、いずれも8ビット(1バイト)のカウンタであり、下位カウンタ42bが第0ビット〜第7ビット、上位カウンタ42cが第8ビット〜第15ビットの合計で16ビットのデータ信号を出力する。
パルス発生回路42aは、CPU41aの動作クロックの周波数よりも高く、その整数倍とはならない周波数(互いに素とすることが好ましい)でパルス信号を出力する。パルス発生回路42aの出力するパルス信号が下位カウンタ42bにクロック入力される。
下位カウンタ42bは、パルス発生回路42aからパルス信号が入力される度に第0ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。正論理を適用するものとすると、Hレベルの論理値が1でLレベルの論理値が0に対応する。負論理の場合は、論理値が1の場合をLレベル、論理値が0の場合をHレベルと読み替えれば良い。第0ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第0ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第1ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転するとき、すなわち第m−1ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。また、第7ビットのデータ信号のレベルがHレベルからすなわち第7ビットのデータ信号の論理値が1から0に変化する度に桁上げ信号を出力する。下位カウンタ42bの出力する桁上げ信号が上位カウンタ42cにクロック入力される。
上位カウンタ42cは、下位カウンタ42bから桁上げ信号が入力される度に第8ビットのデータ信号をHレベルとLレベルとで交互に反転させる。第9ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第9ビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。同様に、第m−1ビットのデータ信号のレベルがHレベルからLレベルに反転する度に第mビットのデータ信号のレベルをHレベルとLレベルとで交互に反転させる。
下位カウンタ42bのデータ信号を下位8ビットとし、上位カウンタ42cのデータ信号を上位8ビットとした16ビットのデータ信号の論理値は、パルス発生回路42aがパルス信号を出力する度に、0(0000h)→1(0001h)→2(0002h)→…→65535(FFFFh)と値が更新毎に連続するように更新され、最大値の65535(FFFFh)の次は初期値の0(0000h)へと値が循環して、乱数発生回路42から出力されるものとなる。
サンプリング回路43は、ラッチ回路から構成され、CPU41aからのサンプリング指令(スタートスイッチ7の操作時)に基づいて、乱数発生回路42からそのときに出力されている16ビットのデータ信号をラッチし、ラッチしたデータ信号を出力する。CPU41aは、I/Oポート41dを介してサンプリング回路43から入力されたデータ信号に対応した数値データを、乱数発生回路42が発生する乱数として抽出するものとなる。尚、以下では、乱数発生回路42から出力されるデータ信号は、その論理値に応じた乱数として説明するものとする。
図9(b)は、乱数発生回路42から抽出した乱数をCPU41aがソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの説明図である。乱数発生回路42から抽出された乱数は、CPU41aが有する16ビットの汎用レジスタ41GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路42から抽出された乱数が汎用レジスタ41GRに格納されると、CPU41aは、他の汎用レジスタまたはRAM41cの作業領域を用いて、汎用レジスタ41GRの下位バイト(下位カウンタ42bから抽出した値)と、上位バイトの値(上位カウンタ42cから抽出した値)とを入れ替える。
次に、CPU41aは、抽出された乱数に対して上位バイトと下位バイトとが入れ替えられた乱数の値を、8080hと論理和演算をする。CPU41aの処理ワークは1バイトなので、実際には上位バイトと下位バイトとについて順次論理和演算を行うものとなる。この論理和演算によって第15ビットと第7ビットは常に1となる。更に、CPU41aは、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。
CPU41aは、このときに汎用レジスタ41GRに格納されている値を、内部抽選用の乱数として取得してRAM41cの所定の領域に記憶させ、これに各役の判定値数を順次加算していくものとなる。内部抽選用の乱数の第15ビットと第14ビットは常に1となるので、内部抽選用の乱数は、14ビット(16384)の大きさを有する乱数ということになり、実質的に0〜16383の値をとるものとなる。
尚、乱数発生回路42からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、CPU41aに対する割り込みが禁止される。CPU41aに対して割り込みが発生することによって、当該割り込み処理ルーチンで汎用レジスタ41GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐためである。
次に、リール2L、2C、2Rの図柄の配列と、停止制御とについて説明すると、CPU41aは、リールの回転が開始したとき及び、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックス(図示略)を参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを設定する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの制御パターンに従って、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、遊技状態、役の当選状況、他のリールの停止図柄に応じた停止制御テーブルの格納先のアドレスが、回転中のリール別に登録されている。また、停止制御テーブルには、停止操作位置(ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された際に、基準位置(本実施例では、透視窓3の下段位置)に位置する図柄番号)毎に、引込図柄数が設定されている。
そして、CPU41aは、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、その時点で設定されている停止制御テーブルのうち、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、停止操作位置に対応する引込図柄数を取得する。そして、取得した引込図柄数分リールを回転させて停止させる制御を行うようになっている。
また、停止制御テーブルの引込図柄数としては、0〜4の値が登録されているとともに、テーブルインデックスには、いずれかの役に当選している場合には、当該役の組み合わせを最大限引き込む停止制御テーブルのアドレスが登録され、いずれの役も当選していない場合には、いずれの役の組み合わせも引き込まない停止制御テーブルのアドレスが登録されている。このため、リール2L、2C、2Rの回転は、ストップスイッチ8L、8C、8Rを操作したときから4図柄以内の引込範囲で停止される。そして、各ゲームにおいて設定された有効ライン上に4図柄の引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御を行い、当選していない役の図柄は、4図柄の引込範囲でハズシて停止させる制御を行うこととなる。
ここで、図2に示すように、「スイカ」、「ベル」、「JAC」については、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内の間隔で配置されており、4図柄の引込範囲で必ずリール2L、2C、2Rの表示領域の任意の位置に停止させることができる。つまり、ベル、リプレイ、JAC、JACINの当選フラグがそれぞれ設定されているときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず当該役に入賞させることができる。
また、CPU41aは、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行う。尚、リール回転エラーなどにより一時的にリールの回転が停止する場合などはこの限りではないが、この場合でも、エラーが解除された場合には、再度回転が開始することとなり、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御が行われることとなる。
図10は、メイン制御部41から演出制御基板90に対して送信されるコマンドの一例を示す図である。
BETコマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、メダル投入時、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールに停止する図柄、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止制御が行われる毎に送信される。
入賞判定コマンドは、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(通常遊技状態であるか、ビッグボーナス中であるか、レギュラーボーナス中であるか、等)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するときに送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、ビッグボーナス終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点で打止状態の発生を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定開始コマンドは、設定変更モードの開始を示すコマンドであり、設定開始時、すなわち設定変更モードに移行した時点で送信される。
初期化コマンドは、遊技状態が初期化された旨を示すコマンドであり、設定終了時、すなわち設定変更モードの終了時に送信される。
これら各コマンドのうち初期化コマンドを除くコマンドは、後述する起動処理及びゲーム処理において生成され、RAM41cの特別ワークに設けられたコマンドキューに一時格納され、前述したタイマ割込処理において送信される。尚、メイン制御部41の起動時にRAM異常エラーを示すエラーコマンドを送信する場合には、タイマ割込処理ではなく起動処理において送信される。これは、メイン制御部41の起動時にRAM異常エラーが発生した場合には、割込が禁止されているからである。
コマンドキューには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。また、各コマンドを格納する領域には、各格納領域毎に領域番号を示す数値(0〜15)が対応付けて設定されている。更に、コマンドキューには、次に送信すべきコマンドが格納されている領域の領域番号を示す送信ポインタと次にコマンドを格納すべき領域の領域番号を示す格納ポインタが設定されている。送信ポインタは、コマンドキューに格納された未送信のコマンドが送信される毎に1加算され、格納ポインタは、コマンドを格納する際に1加算されるようになっており、未送信のコマンドが全て送信されたとき及び未送信のコマンドでコマンドキューの全ての領域が満タンとなったときに送信ポインタが示す領域番号と格納ポインタの領域番号とが同一の番号となる。尚、未送信のコマンドが格納されている場合には、未送信フラグがセットされるため、送信ポインタが示す領域番号と格納ポインタの領域番号とが同一の番号の場合に、未送信フラグがセットされていれば、コマンドキューが未送信のコマンドで満タンである旨が示され、未送信フラグがセットされていなければ未送信のコマンドが空である旨が示されるようになっている。
本実施例においてCPU41aは、0.56msの間隔で割込3を発生させるとともに、割込3の発生によりタイマ割込処理を実行するので、タイマ割込処理は0.56ms毎に実行されることとなる。また、タイマ割込処理では、タイマ割込1〜4が繰り返し行われるようになっており、これらタイマ割込1〜4に固有な処理が2.24msの間隔で行われることとなる。そして、コマンドキューに格納されたコマンドの送信を行うコマンド送信処理は、タイマ割込2で実行されるので、コマンド送信処理も2.24msの間隔で実行されることとなる。
一方、サブ制御部91では、バッファしたコマンドを1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)において取得する。このため、CPU41aがタイマ割込処理を実行する毎、すなわち0.56msの間隔でコマンドの送信処理を行った場合には、サブ制御部91側でコマンドを正常に受信できない可能性がある。
しかしながら、本実施例では、前述のようにCPU41aがタイマ割込処理4回につき1回の割合、すなわち2.24msの間隔でコマンド送信処理を実行することで、2つのコマンドが連続して送信される場合でも、最低2.24msの間隔をあけて送信されることとなり、サブ制御部91側でこれら連続して送信されるコマンドを確実に取得することができる。
本実施例では、ゲームの進行に応じてコマンドが生成され、コマンドキューに格納される。タイマ割込2内のコマンド送信処理においてコマンドキューに格納された未送信のコマンドが検知されると、遅延時間が設定され、設定した遅延時間が経過した時点で、コマンドキューに格納された未送信のコマンドが送信される。
次に、本実施例におけるメイン制御部41のCPU41aが実行する各種制御内容を、図11〜図19に基づいて以下に説明する。
CPU41aは、リセット回路49からリセット信号が入力されると、図11のフローチャートに示す起動処理を行う。尚、リセット信号は、電源投入時及びメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU41aの起動時及びCPU41aの不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa1)、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し(Sa2)、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
Sa2のステップにおいて電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)とともに、打止スイッチ36の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能の有効/無効を設定する(Sa4)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa5)、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(Sa6)。Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態でなければ、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa7)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをRAM41cに設定し(Sa10)、図12に示すエラー処理に移行する。
また、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa9)。正常に電断割込処理が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをRAM41cに設定し(Sa10)、図12に示すエラー処理に移行する。
エラー処理では、図12に示すように、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し(Sb1)、RAM41cに設定されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する(Sb2)。
次いで、RAM41cに設定されているエラーコードを確認し、当該エラーコードがRAM異常エラーを示すエラーコードであるか否かを判定し(Sb3)、RAM異常エラーを示すエラーコードを示すエラーコードが設定されている場合には、エラーコードがRAM異常エラーを示すエラーコードであるか否かを判定する以外はいずれの処理も行わないループ処理に移行する。
また、Sb3のステップにおいて、RAM異常以外を示すエラーコードが設定されている場合には、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Sb4)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Sb5)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、Sb4のステップに戻る。すなわちリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
そして、Sb4のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、またはSb5のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、RAM41cに設定されているエラーコードをクリアし(Sb6)、遊技補助表示器12の表示状態をSb1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させて(Sb7)、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、RAM異常エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、RAM異常エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されることはない。
図11に戻り、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa11)、破壊診断用データをクリアする(Sa12)。次いで、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa13)、割込を許可して(Sa14)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
また、Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa15)、設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する(Sa16)。次いで、割込を許可して(Sa17)、図13に示す設定変更処理、すなわち設定変更モードに移行し(Sa18)、設定変更処理の終了後、ゲーム処理に移行する。
設定変更処理では、図13に示すように、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワークの値は1に補正されているので、ここでは1である)を読み出す(Sc1)。
その後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc2、Sc3)、Sc2のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、Sc1のステップにおいて読み出した設定値に1を加算し(Sc4)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち設定可能な範囲を超えたか否かを判定し(Sc5)、加算後の設定値が7でなければ、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻り、Sc5のステップにおいて加算後の設定値が7であれば設定値を1に補正した後(Sc6)、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
また、Sc3のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値をRAM41cの設定値ワークに格納して、設定値を確定した後(Sc7)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc8)。そして、Sc8のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、図11のフローチャートに復帰し、ゲーム処理に移行することとなる。
このように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態ではない場合に、RAMパリティが0であるか否か、破壊診断用データが正常であるか否かを判定することでRAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM41cのデータが正常でなければ、異常エラー処理に移行する。RAM異常エラーによるエラー処理では、RAM異常エラーを示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。そして、RAM41cのデータが正常でなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラーによるエラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込が許可されるまでは、電断しても電断割込処理は行われない。すなわち電断割込処理において新たにRAMパリティが0となるようにRAM調整用データが計算されて格納されることはなく、破壊診断用データが新たに設定されることもないので、CPU41aが再起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、CPU41aを再起動させてもゲームを再開させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラーによるエラー処理に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行われ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわちRAM異常エラーによるエラー処理に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを再開させることが可能となる。
図14は、CPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
図15〜17は、CPU41aがSd2のステップにおいて実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
内部抽選処理では、まず、詳細を後述する乱数取得処理を行う(Sg1)。この乱数取得処理においては、乱数発生回路(図示略)が発生する乱数に基づいて、内部抽選用の乱数の値が取得されることとなる。
そして、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値を読み出し(Sg2)、読み出した設定値が1〜6の範囲か否か、すなわち設定値ワークに格納されている設定値が適正な値か否かを判定し(Sg3)、読み出した設定値が1〜6の範囲の値でなければ、RAM異常を示すエラーコードをRAM41cに設定し(Sg4)、図12に示すエラー処理に移行する。
また、Sg4のステップにおいて読み出した設定値が1〜6の範囲であれば、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判定し(Sg5)、通常遊技状態であれば、通常遊技状態に対応して、図4(a)に示す遊技状態別当選役テーブルに登録されている順番で小役及び再遊技役を読み出す(Sg6)。Sd1のステップで設定されたBET数(賭数)を読み出し、当該役と読み出したBET数に対応する役について、図4(b)の小役及び再遊技役用の役別テーブルから共通フラグの設定状況を取得する(Sg7)。この結果、当該役、当該BET数について共通フラグが設定されているかどうかを判定する(Sg8)。
共通フラグが設定されていれば、当該役、当該BET数について図4(b)の小役及び再遊技役用の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Sg9)。そして、Sg11の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、当該役、当該BET数について読み出した設定値に対応して小役及び再遊技役用の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Sg10)。そして、Sg11の処理に進む。
Sg11のステップでは、Sg9またはSg10のステップにおいて取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(Sg12)。オーバーフローが生じた場合には、当該役の当選フラグをRAM41cに設定する(Sg13)。そして、図16に示すSg15の処理に進む。
Sg12のステップにおいてオーバーフローが生じていない場合には、通常遊技状態について定められた小役及び再遊技役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(Sg14)。未だ処理対象としていない役があれば、Sg6の処理に戻り、通常遊技状態について定められた小役及び再遊技役から次の役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、図16に示すSg15の処理に進む。
Sg15のステップでは、前回以前のゲームでRAM41cにレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選フラグが既に設定され、当該当選フラグに基づいて入賞することなく持ち越されているかどうかを判定する。レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選フラグが既に設定されていれば、内部抽選処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。また、レギュラーボーナスの当選フラグもビッグボーナスの当選フラグも設定されていなければ、内部抽選用の乱数を加算前の値、すなわちSg1の乱数取得処理において取得した値に戻す(Sg16)。
次いで、図4(a)に示す遊技状態別当選役テーブル及び図4(c)に示す特別役用の役別テーブルを参照し、遊技状態別当選役テーブルに登録されている通常遊技状態の抽選対象となる特別役を、特別役用の役別テーブルに登録されている順番で読み出す(Sg17)。この際、特別役のハズレが特別役用の役別テーブルに登録されている場合には、特別役のハズレについても登録されている順番で読み出す。更に、図4(c)の特別役用の役別テーブルから共通フラグの設定状況を取得する(Sg18)。この結果、当該役について共通フラグが設定されているかどうかを判定する(Sg19)。
共通フラグが設定されていれば、当該役について図4(c)の特別役用の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Sg20)。そして、Sg22の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、当該役について読み出した設定値に対応して特別役用の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Sg21)。そして、Sg22の処理に進む。
Sg22のステップでは、Sg20またはSg21のステップにおいて取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(Sg23)。オーバーフローが生じた場合には、当該役がハズレ−Aまたはハズレ−Bであるか否かを判定する(Sg24)。当該役がハズレ−Aまたはハズレ−Bのいずれかであれば、内部抽選処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。また、当該役がハズレ−Aでもなく、ハズレ−Bでもなければ、当該役の当選フラグをRAM41cに設定する(Sg25)。そして、内部抽選処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
Sg23のステップにおいてオーバーフローが生じていない場合には、通常遊技状態について定められた特別役(特別役のハズレ含む)のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(Sg26)。未だ処理対象としていない役があれば、Sg17の処理に戻り、通常遊技状態について定められた特別役(特別役のハズレ含む)から次の役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、内部抽選処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
また、Sg5のステップにおいて、現在の遊技状態が通常遊技状態でなければ、小役ゲームか否かを判定する(Sg27)。小役ゲームであれば、小役ゲームに対応して、図4(a)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている役を順番に読み出し(Sg28)、Sg30の処理に進む。Sg27のステップにおいて小役ゲームでなければ、レギュラーボーナスであるので、レギュラーボーナスに対応して図4(a)の遊技状態別当選役テーブルに登録されている役を順番に読み出し(Sg29)、Sg30の処理に進む。
Sg30のステップでは、Sg28及びSg29のステップで読み出した役の種類がレギュラーボーナス(2)またはJACINであるかどうかを判定する。レギュラーボーナス(2)またはJACINである場合には、前回以前のゲームでRAM41cにレギュラーボーナス(2)の当選フラグが既に設定され、当該当選フラグに基づいて入賞することなく持ち越されているかどうかを判定する(Sg31)。読み出した役の種類がレギュラーボーナス(2)でもJACINでもなければ、そのままSg32の処理に進む。
レギュラーボーナス(2)の当選フラグが既に設定されていれば、内部抽選処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する(レギュラーボーナス(2)及びJACINは、前述のように遊技状態別当選役テーブルにおいて小役よりも後に登録されているので、これで内部抽選処理が終了することとなるので)。読み出した役の種類がレギュラーボーナス(2)またはJACINであっても、レギュラーボーナス(2)の当選フラグが設定されていなければ、Sg32の処理に進む。
Sg32のステップでは、更にSd1のステップで設定されたBET数(賭数)を読み出し、当該役と読み出したBET数に対応する役について、図4(b)(c)の該当する役別テーブルから共通フラグの設定状況を取得する。この結果、当該役、当該BET数について共通フラグが設定されているかどうかを判定する(Sg33)。
共通フラグが設定されていれば、当該役、当該BET数について図4(b)(c)の該当する役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Sg34)。そして、Sg36の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、当該役、当該BET数について読み出した設定値に対応して図4(b)(c)の該当する役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Sg35)。そして、Sg36の処理に進む。
Sg36のステップでは、Sg34またはSg35のステップにおいて取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(Sg37)。オーバーフローが生じた場合には、当該役の当選フラグをRAM41cに設定する(Sg38)。そして、内部抽選処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
Sg37のステップにおいてオーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態について定められた役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(Sg39)。未だ処理対象としていない役があれば、Sg27の処理に戻り、当該遊技状態について定められた次の役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、内部抽選処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
以上のように内部抽選処理においては、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値が適正な値であるか否かを確認し、設定値が適正な値でない場合には、前述したRAM異常エラーを示すエラーコードを設定してエラー処理に移行し、起動時にRAM41cのデータが正常ではないと判定された場合と同様に、RAM異常エラーによるエラー状態となり、ゲームの進行が不能化されるようになっている。
また、通常遊技状態においては、同一の内部抽選用の乱数につき小役及び再遊技役と特別役との抽選が別個に行われるようになっているため、通常遊技状態においては、当選となる乱数の範囲が重複する小役(本実施例では、チェリー及びスイカ)と特別役(本実施例では、ビッグボーナス(1)〜(3))とが同時に当選することがある。
次に、Sg1のステップにおける乱数取得処理を図18のフローチャートに基づいて詳しく説明する。乱数取得処理では、まず、割込を禁止する(Sh1)。次に、サンプリング回路43にサンプリング指令を出力し、乱数発生回路42が発生している乱数をラッチさせ、ラッチさせた乱数の値をI/Oポート41dから入力して、これを抽出する。乱数発生回路42から抽出された乱数の値は、汎用レジスタ41GRに格納される(Sh2)。
次に、汎用レジスタ41GRに格納された乱数の下位バイトの値と上位バイトの値を、RAM41cの作業領域を用いて互いに入れ替える(Sh3)。次に、汎用レジスタ41GRに格納された乱数の値を8080hと論理和演算する(Sh4)。更に上位バイト(第15〜第8ビット)を1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。このときに汎用レジスタ41GRに格納された値が内部抽選用の乱数として取得され、RAM41cの所定の領域に保存される(Sh5)。そして、Sh1のステップで禁止した割込を許可してから(Sh6)、乱数取得処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
図19は、CPU41aがSd4のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Si1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Si1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Si2)。
次いで、リールモータの駆動設定を回転開始に設定する(Si3)。これに伴いリールの回転が開始する。そして、テーブルインデックスを参照し、当該ゲームの遊技状態、役の当選状況、他のリールの停止図柄に対応する停止制御テーブルを、回転中のリール別に設定し(Si4)、回転中のリールの停止操作を有効化する(Si5)。
次いで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Si6)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33により基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si7)、リール回転エラーが発生していなければ、更に、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入が検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出が検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si8、Si9)、Si7〜Si9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Si6のステップに戻る。
また、Si8のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合、またはSi9のステップにおいて払出エラーが判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをRAM41cに設定し(Si10)、図12に示すエラー処理に移行する(Si11)。そして、エラーが解除された場合には、再びSi6のステップに戻る。
また、Si7のステップにおいてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをRAM41cに設定し(Si12)、図12に示すエラー処理に移行する(Si13)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びSi3のステップに戻り、リールの回転が再開する。
また、Si6のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、当該ストップスイッチの操作の検出を無効化し、当該ストップスイッチ対応するリールの停止制御テーブルから、ストップスイッチの操作が検出された際の停止操作位置に対応する引込図柄数を取得し、停止操作に対応するリールを引込図柄数分回転させた後、リールを停止させる制御を行う停止制御処理を行う(Si14)。そして、全てのリールが停止したか否かを判定し(Si15)、いずれかのリールが回転中であれば、Si4のステップに戻り、全てのリールが停止している場合には、リール回転処理を終了して、図14のフローチャートに復帰する。
以上のようにリール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
次に、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91のCPU91aが実行する促進報知処理について、図20及び図21に基づいて説明する。
サブ制御部91のCPU91aは、前述したように、遊技制御基板40から送信される各種コマンドに基づいて、遊技状態に応じた各種の演出処理や、リール2L、2C、2Rの停止操作を促す促進報知を実行するための促進報知処理を実行する。具体的には、各種の遊技状態に応じて、発光手段としての演出効果LED52やリールLED等の発光制御や、音出力手段としてのスピーカ53、54から出力させる効果音等の出力制御を行う。また、本実施例においては、各種演出や促進報知の実行時等において、液晶表示器51の表示画面に所定の表示画面を表示したり、表示中の表示画面を切替またはクリアする旨を示す表示コマンドを表示制御基板191に送信する処理を行うようになっており、表示制御部191のCPU191aは、演出制御基板90から送信される各表示コマンドに基づいて、液晶表示器51の表示制御を行う。
ここで、CPU91aが行う促進報知処理について説明する。本実施例におけるCPU91aは、各リール2L、2C、2Rの回転が開始してから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が所定時間継続すると、図20(a)、(b)に示されるように、液晶表示器51の表示画面上に、各リール2L、2C、2Rの停止操作を促す促進報知として、「リールを停止して下さい」という文字メッセージを表示させる制御を行う。
本実施例における促進報知の報知パターン(報知態様)としては、図20(a)、(b)及び図21に示されるように、例えば所定の演出画像が表示されている液晶表示器51の表示画面の下部領域に、白色の背景枠内に前記メッセージが黒文字にて表示される報知パターン1と、黒色の背景枠内に前記メッセージが白文字にて表示される報知パターン2と、の2種類の報知パターンが、当該ゲームにおける特別役(ビッグボーナス(1)、(2)、(3)フラグ、レギュラーボーナス(1)フラグ)の当選状況に応じて、各ゲーム毎に行われる報知パターン抽選により設定されるようになっている。
前記報知パターン抽選は、遊技制御基板40から送信される内部当選コマンドを取得したときに行われ、該報知パターン抽選にて当選した報知パターンは、当該ゲームにおいて促進報知を実行する際に適用する報知パターンとして設定される。尚、本実施例においては、当該ゲームがボーナス中のゲームである場合には、前記報知パターン抽選を行わずに報知パターン1を設定するようになっている。
これら各報知パターンの当選確率は、図21の報知パターン振分テーブルに示すように、ボーナスフラグの内部当選状況に応じて異なっており、報知パターン1は、ボーナスフラグの当選時、すなわち前述した内部抽選によりビッグボーナス(1)、(2)、(3)、レギュラーボーナス(1)の内部当選フラグが設定されている状態において50%の確率で当選するとともに、ボーナスフラグの非当選時において95%の確率で当選する。また、報知パターン2は、ボーナス当選時において50%の確率で当選するとともに、ボーナス非当選時において5%の確率で当選するようになっている。
つまり、本実施例においては、態様が異なる2種類の報知パターン1、2が予め登録されており、ボーナス当選時においては、ボーナス非当選時(5%)よりも高い確率(50%)で報知パターン2が選択されるようになっているため、促進報知が実行された際には、報知パターン1に基づく報知画面が表示されたときよりも、報知パターン2に基づく報知画面が表示されたときの方が、遊技者はビッグボーナス(1)、(2)、(3)、レギュラーボーナス(1)の内部当選フラグのいずれかが内部当選していることを期待できることになる。
また、CPU91aは、スタートスイッチ7が検出されてゲームが開始したとき、つまり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときから第1の報知待ち時間(予め定めた報知待ち時間)である60秒が経過するまでの間に、いずれのストップスイッチ8L、8C、8Rの有効な操作が行われなかったときに、前述した促進報知を実行する。本実施例においては、遊技制御基板40から送信されたリール回転開始コマンドを取得したときに、サブ制御部91に設けられた報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットしてカウンタ値の減算(計時)を開始し、カウンタ値が0となった時点で、セットされている報知パターンを特定可能な表示開始コマンドを表示制御基板191に対して表示制御部191aに対して送信する。表示制御部191aは、受信した表示開始コマンドから特定される報知パターンに基づく報知画面を液晶表示器51に表示する制御を行う。
また、前記タイマカウントの減算を開始してからカウンタ値が0になるまでに遊技制御基板40から停止コマンドを取得したときには、有効な停止操作がなされたものとして、報知用カウンタのカウンタ値をクリアし、促進報知が行われていた場合には、報知パターンに基づく報知画面の表示をクリア(終了)させる旨を示す表示終了コマンドを表示制御基板190に対して送信する。表示制御部191aは、受信した表示終了コマンドから特定される表示終了の指示に基づき、表示中の報知画面をクリア(終了)する制御を行い、これにより促進報知が終了する。
尚、停止コマンドを取得した時点で全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、当該ゲームが終了するが、停止コマンドの取得後においてもいずれかのリール2L、2C、2Rが回転中である場合には、最後の有効な停止操作がなされたとき、つまり最後に停止コマンドを取得した時点から、再度報知待ち時間の計測を開始する。
具体的には、最後に停止コマンドを取得した時点において、当該ゲームにおいて未だ促進報知が実行されていない場合には、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットする。また、当該ゲームにおいて既に促進報知が1回以上実行されている場合には、報知用カウンタのカウンタ値として、前記第1の値よりも小さい第2の値(=30秒)をセットし、報知用カウンタのカウンタ値の減算を開始する。
ここで、最後に停止コマンドを取得した時点において、当該ゲームにおいて既に促進報知が1回以上実行されている場合に、報知用カウンタのカウンタ値として前記第1の値よりも小さい第2の値(=30秒)をセットするのは、当該ゲームにおいて1回以上促進報知が実行されているにも関わらず、当該ゲームにおいて再度ストップスイッチ8L、8C、8Rによる有効な停止操作が行われない状態が続いたときには、促進報知を最初よりも早めに実行することで、稼働率の低下を回避するためである。
また、CPU91aは、報知用カウンタにおけるカウンタ値の減算後、カウンタ値が0となった時点で、その時にセットされている報知パターンを特定可能な表示開始コマンドを表示制御基板190に対して送信して促進報知を開始するが、例えばカウンタ値が0となったときに、報知パターン1よりもボーナスフラグの内部当選に対する期待度が高い報知パターン2がセットされている場合において、その時点で停止しているリール2L、2C、2Rに対応する可変表示部120L、120C、120Rに表示されている表示結果が、完全ハズレ目、すなわち内部抽選処理においていずれの内部当選フラグも設定されていないときに表示されうる表示結果であるときには、報知パターン1を特定可能な表示開始コマンドを表示制御基板190に対して送信するようになっており、これにより、その時点で導出されている表示結果が明らかに完全ハズレ目であるにも関わらず、ボーナスに対する期待度の高い報知パターン2に基づく報知画面を表示しても、遊技者のボーナスに対する期待度を高めることはできないため、無意味な報知の実行を回避できる。
なお、本実施例においては、報知待ち時間の計測をカウンタ値の減算にて行っているが、カウンタ値の加算により計測するようにしてもよく、この場合、カウンタ値が第1の値に到達したとき、または前記第1の値よりも小さい第2の値に到達したときに、表示制御基板190に対して表示開始コマンドを送信するようにすればよい。
また、CPU91aは、報知用カウンタにおけるカウンタ値の減算後、カウンタ値が0となった時点で、そのゲームがボーナス中のゲームであるか否かを判定し、ボーナス中である場合には、報知パターン2がセットされていても、報知パターン1を特定可能な表示開始コマンド(報知パターン1コマンド)を表示制御基板190に対して送信するようになっている。つまり、ボーナス中においては、ボーナスに対する期待度の高い報知パターン2に基づく報知画面を表示しても、遊技者のボーナスに対する期待度を高めることはできないため、無意味な報知の実行を回避できる。
尚、本実施例におけるボーナス中においては、ボーナスの開始から終了までの間、ボーナス固有の演出が継続して行われるようになっており、通常遊技状態とは異なり、各リール2L、2C、2Rの回転中においても、光や音による演出が継続して行われるようになっている。従って、ボーナス中のゲームにおいて、遊技者がリール2L、2C、2Rを回転させたまま離席した場合等にあっては、演出が継続して行われることになり、特に何らかの効果音が出力された状態が継続することになると、周囲の遊技者が不快になる虞がある。
そこで、CPU91aは、報知用カウンタにおけるカウンタ値の減算後、カウンタ値が0となった時点で、そのゲームがボーナス中のゲームであるか否かを判定し、ボーナス中である場合には、前述したように報知パターン1を特定可能な表示開始コマンドを表示制御基板190に対して送信するとともに、スピーカ53、54から出力される音の音量レベルを、周囲の遊技者が著しく不快に感じることがない所定の音量レベルまで下げるための処理を実行する。
尚、本実施例においては、スピーカ53、54から出力される音の音量レベルを下げるための処理を行うが、光による演出は周囲の遊技者にとって、効果音ほど迷惑にならないため、演出効果LED52やリールLED53の発光態様は維持し、例えば輝度を下げるための処理等は行わないようになっている。このように、光による演出態様を維持することにより光による演出が延々と行われていれば、遊技者の店員等は促進報知画面を見ることなく、光によって遊技者が不在であることを判別することができる。
次に、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91のCPU91aが実行する各種制御内容を、図22〜図26のフローチャートに基づいて以下に説明する。
CPU91aは、サブ制御部91にリセット回路95からリセット信号が入力されると、図22に示す起動処理(サブ)を行う。
起動処理(サブ)では、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sj1)、RAM91cへのアクセスを許可する(Sj2)。そして、RAM91cの全ての格納領域のRAMパリティを計算し(Sj3)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sj4)。RAM91cのデータが正常であれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sj4のステップにおいてRAMパリティが0であれば、RAM91cに格納されているデータが正常であるので、Sj5の処理に進み、電断前の演出状態を復帰させる。Sj5のステップでは、電断前に実行していた制御パターン(液晶表示器51の表示内容を含む)を設定する。そして設定された制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sj6)、割込を許可して(Sj7)、ループ処理に移行する。また、Sj4のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM91cに格納されているデータが正常ではないので、RAM91cを初期化した後(Sj8)、待機パターンを制御パターンとして設定した後(Sj9)、設定された制御パターンに従って、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し(Sj6)、割込を許可して(Sj7)、ループ処理に移行する。
図23は、CPU91aが内部クロックのカウントに基づいて1.12msの間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理(サブ)においては、まず、バッファにコマンドが格納されているか否か、すなわちメイン制御部41からコマンドを受信しているか否かを判定する(Sk1)。バッファにコマンドが格納されていなければ、Sk7の処理に進み、バッファにコマンドが格納されていれば、バッファからコマンドを取得し(Sk2)、Sk3の処理に進む。
Sk3のステップでは、受信したコマンドに応じて、前述した促進報知を行う促進報知処理を実行し、Sk4の処理に進む。
Sk4のステップでは、取得したコマンドが内部当選コマンドの場合に、ROM91bに格納されている演出テーブルを参照し、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定する演出パターン選択処理を実行し、Sk4の処理に進む。
Sk5のステップでは、ROM91bに格納されている制御パターンテーブルを参照し、RAM91cに設定されている演出パターン及び取得したコマンドに対応して登録されている制御パターンを読み出してRAM91cに設定する制御パターン設定処理を実行し、Sk6の処理に進む。
Sk6のステップでは、Sk5のステップにおいて設定された制御パターンに従って、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED等の各種演出装置の制御を行う演出制御処理を実行し、Sk7のステップに進む。
Sk7のステップでは、RAM91cの乱数カウンタや、前述した報知待ち時間を計測する報知用カウンタ等の各種カウンタの値を更新する処理を行った後、Sk8の処理に進み、Sk8のステップでは、起動時にRAM91cにバックアップされているデータの内容が正常であるか否かを確認できるように、RAM91cの全ての格納領域の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし、タイマ割込処理(サブ)を終了する。
すなわちCPU91aは、メイン制御部41のCPU41aのように電断検出時にRAMパリティ調整用データをセットするのではなく、定期的に実行されるタイマ割込処理(サブ)毎に、RAMパリティ調整用データをセットし、いつ電断しても、復旧時にRAM91cにバックアップされているデータの内容が正常であるか否かを判定できるようになっている。
図24は、CPU91aがタイマ割込処理(サブ)のSk3のステップにおいて実行する促進報知処理の制御内容を示すフローチャートである。
促進報知処理では、まず、後述するリール変動中フラグの設定状況に基づいて、少なくとも1つのリール2L、2C、2Rが回転中であるか否かを判定する(Sm1)。そして、いずれのリール2L、2C、2Rも回転していなければ、すなわちゲームが開始されていなければ、内部当選コマンドを取得したか否かを判定する(Sm2)。そして、内部当選コマンドを取得したと判定した場合には、取得している遊技状態コマンドから当該ゲームがボーナス中であるか否かを判定する(Sm3)。そして、ボーナス中ではない場合には、図21に示す報知パターン振分テーブルに基づいて、当該ゲームにおいて実施しうる促進報知の報知パターンを決定するための報知パターン抽選を実行し(Sm4)、該抽選にて当選した報知パターンを当該ゲームにおいて実施しうる促進報知の報知パターンとしてセットし(Sm5)、図23に示すフローチャートに復帰する。また、Sm3のステップにおいてボーナス中であると判定した場合には、前記報知パターン抽選を行うことなく、当該ゲームにおいて実行し得る報知パターンとして報知パターン1をセットし(Sm6)、図23に示すフローチャートに復帰する。
Sm2のステップにおいて、取得したコマンドが内部当選コマンドではないと判定した場合には、取得したコマンドがリール回転開始コマンドであるか否かを判定し(Sm7)、取得したコマンドがリール回転開始コマンドであれば、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットした後(Sm8)、リール変動中フラグをセットして(Sm9)、図23に示すフローチャートに復帰する。
Sm1のステップにおいて、少なくとも1つのリール2L、2C、2Rが回転中であれば、後述する報知中フラグの設定状況に基づいて、促進報知が実行中であるか否かを判定し(Sm10)、促進報知の実行中でなければ、報知用カウンタのカウンタ値が0であるか否かを判定し(Sm19)、カウンタ値が0である場合には、リール2L、2C、2Rの回転が開始してから60秒が経過したか、あるいは最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてから60秒または30秒が経過したとして、当該ゲームがボーナス中のゲームであるか否かを判定する(Sm27)。
Sm10のステップにおいて、促進報知が実行中であれば、図25に示すSm11のステップに進み、取得したコマンドが停止コマンドであるか否かを判定する(Sm11)。そして、取得したコマンドが停止コマンドであれば、セットされている報知中フラグをクリアし(Sm12)、促進報知の終了、すなわち報知画面表示の終了を特定可能な表示終了コマンドを表示制御基板190に対して送信した後(Sm13)、その時点で全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したか否かを判定する(Sm14)。そして、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止してなければ、当該ゲームにおいて促進報知が実行された旨を示す報知済みフラグをセットし(Sm15)、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットした後(Sm16)、図23に示すフローチャートに復帰する。
また、Sm14のステップにおいて、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール変動中フラグをクリアし(Sm17)、報知済みフラグがセットされている場合にはこれをクリアした後(Sm18)、図23に示すフローチャートに復帰する。
また、Sm19のステップにおいて、報知用カウンタのカウンタ値が0ではなければ、図26に示すSm20のステップに進み、取得したコマンドが停止コマンドであるかを判定し(Sm20)、取得したコマンドが停止コマンドであれば、その時点で全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したか否かを判定する(Sm21)。そして、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止してなければ、報知済みフラグがセットされているか否かを判定し(Sm22)、報知済みフラグがセットされていれば、報知用カウンタのカウンタ値として第2の値(=30秒)をセットした後(Sm23)、図23に示すフローチャートに復帰する。また、報知済みフラグがセットされていなければ、報知用カウンタのカウンタ値として第1の値(=60秒)をセットした後(Sm24)、図23に示すフローチャートに復帰する。
また、Sm21のステップにおいて、全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止していれば、リール変動中フラグをクリアし(Sm25)、報知済みフラグがセットされている場合にはこれをクリアした後(Sm26)、図23に示すフローチャートに復帰する。
次いで、Sm27のステップにおいて、当該ゲームがボーナス中のゲームでなければ、報知パターンとして報知パターン1がセットされているか否かを判定する(Sm31)。そして、報知パターン1がセットされていれば、報知中フラグをセットし(Sm32)、報知パターン1を特定可能な表示開始コマンド(報知パターン1コマンド)を、表示制御基板190に対して送信した後(Sm33)、図23に示すフローチャートに復帰する。
また、Sm31のステップにおいて、報知パターンとして報知パターン1がセットされていれば、その時点で既に停止しているリール2L、2C、2Rがあるか否かを判定する(Sm34)。そして、停止しているリール2L、2C、2Rがあれば、停止しているリール2L、2C、2Rにおける可変表示部120L、120C、120Rに表示されている図柄の組み合せが、完全ハズレ目であるか否かを判定し(Sm35)、完全ハズレ目であればSm32のステップに進み、報知中フラグをセットし(Sm32)、報知パターン1を特定可能な表示開始コマンドを、表示制御基板190に対して送信した後(Sm33)、図23に示すフローチャートに復帰する。つまり、完全ハズレ目が表示結果として導出表示されている場合には、その時点でセットされているボーナスの期待度が高い報知パターン2をセットせずに、報知パターン1に基づく促進報知を実行するようにすることで、無意味な報知が行われることを回避できる。
また、Sm34のステップにおいて、その時点で既に停止しているリール2L、2C、2Rがない場合、及びSm35のステップにおいて、完全ハズレ目でない場合には、報知中フラグをセットし(Sm36)、報知パターン2を特定可能な表示開始コマンド(報知パターン2コマンド)を、表示制御基板190に対して送信した後(Sm37)、図23に示すフローチャートに復帰する。
以上説明したように、本発明の実施例としてのスロットマシン1にあっては、ゲームが開始してから、すなわちリール2L、2C、2Rの回転が開始したときからストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が第1の報知待ち時間である60秒続いた場合や、いずれかのリール2L、2C、2Rの回転が停止し、該停止したリール2L、2C、2Rに対応する可変表示部120L、120C、120Rに表示結果が導出された後、未だ表示結果が導出されていない可変表示部120L、120C、120Rがある場合には、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてからストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が第1の報知待ち時間である60秒または第2の報知待ち時間である30秒続いたときに、ストップスイッチ8L、8C、8Rによるリール2L、2C、2Rの停止操作を促す報知画面(図20参照)が表示されることにより促進報知が実行されることで、該促進報知が実行されているか否かにより、遊技者が長期にわたり不在なのか、少しの間不在なのかを判別しやすくなる。少なくとも液晶表示器51の表示画面上に前記報知画面が表示されていれば、遊技者が離席してから30秒または60秒以上が経過していることがわかる。
また、促進報知の実行中にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されたときには、未だ回転中のリール2L、2C、2Rがある場合でも実行中の促進報知が終了するため、いずれかのリール2L、2C、2Rの停止操作が行われたにも関わらず促進報知が延々と実行されることを回避できる。
尚、本実施例においては、報知用カウンタによるカウンタ値の減算(計時)は、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたことを特定可能なリール回転開始コマンドをCPU91aが取得した時点から開始されていたが、例えばスタートレバー7の操作が検出された時点、つまり内部当選コマンドを取得した時点や、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となった時点から計時してもよい。
また、本実施例においては、促進報知の報知パターン(報知態様)として予め複数種類(本実施例では2種類)の報知パターン(報知パターン1、2)が登録されており、当該ゲームにおいてボーナスフラグが設定されている場合には、ボーナスフラグが設定されていない場合よりも高い確率で報知パターン2が選択され、該報知パターン2に基づく報知画面が表示されるようになっているため、促進報知の報知画面として報知パターン2に基づく報知画面が選択されたとき、遊技者は報知パターン1に基づく報知画面が表示されたときよりも、ボーナスフラグが設定されていることを期待できるため、促進報知の実行により、遊技の興趣を効果的に高めることができる。
尚、報知パターン抽選時においては、ボーナスフラグの当選時において、第2の報知態様としての報知パターン2が50%の確率で選択されるようになっていたが、ボーナスフラグが当選しているときに、ボーナスフラグが当選していないときよりも高い確率で報知パターン2が選択されればよく、例えばボーナスフラグの当選時に100%の確率で報知パターン2を選択してもよい。
また、前記実施例においては、遊技の制御を行う遊技制御基板40とは別個に設けられた演出制御基板90におけるサブ制御部91のCPU91aが促進報知の実行を決定する促進報知処理を実行するようになっているため、遊技制御手段としてのCPU41aの制御負荷が効果的に軽減される。また、促進報知に基づく報知画面の表示制御を、促進報知の実行を決定するCPU91aが設けられた演出制御基板90とは別個に設けられた表示制御基板191における表示制御部191のCPU191aが行うようになっているため、遊技状態に応じた光や音による演出を行う第1のサブ制御手段としてのサブ制御部91のCPU91aの制御負荷を効果的に軽減できる。
また、前記実施例におけるCPU91aは、少なくともストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に行われるまで継続して行う演出の制御を実行している状態、つまりボーナス中におけるボーナス固有の演出の制御を実行している状態において、促進報知の実行を開始すべく表示開始コマンドを表示制御基板191に対して送信した後、発光手段としての遊技効果LED52やリールLED55の発光制御状態を維持したまま、音出力手段としてのスピーカ53、54から出力する音の音量レベルを下げる処理を行うため、前記ボーナス固有の演出の実行中に遊技者が不在となっても、促進報知の実行とともに音量レベルが下がることで、周囲の遊技者に迷惑がかかることが防止される。また、光による演出が継続することで、遊技者が不在であることを光によって判別することが可能となる。
また、いずれかのリール2L、2C、2Rの回転が停止し、該停止したリール2L、2C、2Rに対応する可変表示部120L、120C、120Rに表示結果が導出された後、未だ表示結果が導出されていない可変表示部120L、120C、120Rがある場合において、当該ゲームにおいて既に促進報知が実行されていた場合には、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてから、つまりストップスイッチ8L、8C、8Rの検出が有効な状態とされてから該ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が、第1の報知待ち時間である60秒よりも短い第2の報知待ち時間である30秒続いたときに促進報知が実行されるため、促進報知が実行された後、当該ゲームにおいて再度ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が続いたときには、促進報知が最初よりも早めに実行されるため、スロットマシン1の稼働率の低下をより効果的に防止できる。
また、当該ゲームにおいて最初に実行された促進報知が、ゲームが開始してからストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が60秒続いたときに行われたものだけでなく、最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されてからストップスイッチ8L、8C、8Rが有効に操作されない状態が60秒続いたときに実行されるものであっても、促進報知が1度でも実行された場合には、その後当該ゲームにおいて最後にストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されてからストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されずに経過した時間が、実行済みの促進報知のために計測された報知待ち時間である60秒よりも短い報知待ち時間である30秒に到達したときに促進報知が開始されるため、スロットマシン1の稼働率の低下をより効果的に防止できる。
また、本実施例では、遊技者がストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すれば、入賞役の当選状況と停止操作のタイミングとに応じて停止すべき図柄が選択されて、リールに表示結果が導出される。つまり、入賞役の当選状況だけではなく、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作という遊技者の技術介入によって入賞が発生することとなるので、偶然性の要素だけで入賞が発生するのを防止して射倖性の抑制の担保が図られることとなる。また、遊技者によってストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されないまま経過した時間に関わらず、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効に検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効に検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果が導出されることとなるので、遊技者によってストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されずに時間が経過したという偶然性の要素だけで表示結果が導出されることはなく、射倖性の抑制の担保を図ることができる。
また、前記実施例における促進報知の報知パターン1、2は、それぞれ報知画面に「リールを停止して下さい」という文字を表示し、その文字色や背景色が異なるパターンであったが、報知態様は上記パターンに限定されるものではなく、メッセージ内容や表示態様は種々に変更可能である。
また、報知パターン抽選においては、表示される文字の文字色や背景色が異なる2種類の報知パターンが、ボーナスフラグの当選状況に応じて異なる確率で選択されるようになっていたが、例えば2種類以上の報知パターンのうちから選択するようにしてもよい。
また、本実施例における報知パターン1、2は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作を促す文字を表示するものであり、ボーナスフラグの当選状況に応じていずれかが選択されるようになっていたが、このような促進報知の実行とともに、例えば前述した内部抽選処理において内部当選した内部当選フラグに対応する役を所定の確率で報知するようにしてもよい。
具体的には、例えばCPU91aは、遊技制御基板40から内部当選コマンドを取得したときに、取得した内部当選コマンドから内部当選役を判別するようにし、内部当選している当選役を、停止操作を促しつつ報知するようにすればよい。例えば、ベルの内部当選フラグが内部当選している場合には、図27(a)に示されるように、「ベル(図柄)を揃えて停止して下さい」という表示画面を表示し、また、ビッグボーナス(1)の内部当選フラグが内部当選している場合には、図27(b)に示されるように、「赤7(図柄)を揃えて停止して下さい」という表示画面を表示すれば、リール2L、2C、2Rの停止操作を促すとともに、内部抽選によりベルの内部当選フラグやビッグボーナス(1)の内部当選フラグが内部当選していることが遊技者に報知(告知)される。
尚、このような内部当選役は必ずしも上記のように100%の確率で告知しなくてもよく、内部当選時における所定の確率(例えば50%)で報知するようにしてもよいし、あるいは内部当選していない役を報知するようにしてもよく、例えばビッグボーナス(1)の内部当選フラグが設定されている状態において、内部当選していない入賞役(例えばベル等)を所定の確率で報知することで、ベルの内部当選が予告されたにも関わらず、当該ゲームにおいてベルの組み合わせが揃わずに、当該ゲーム以降のゲームにおいてビッグボーナス図柄の組み合わせが揃うことになる。従って、遊技者は予告された入賞役が外れてビッグボーナスが内部当選していることを期待するようになり、特別役以外の小役が予告された場合においても、ボーナスに対する期待感が高まるため、遊技の興趣が向上する。
また、このように内部当選した可能性がある旨の報知は、所定の当選役(例えば特別役)のみであってもよいし、あるいは全ての入賞役について報知されるようにしてもよい。
また、本実施例においては、1ゲームにおいて1回促進報知が実行された後において、ストップスイッチ8L、8C、8Rによる停止操作がなされない状態が続いたときに、最初の促進報知を実行するまでの報知待ち時間(60秒)よりも短い報知待ち時間(30秒)が経過した時点で促進報知が実行されるようになっていたが、報知待ち時間を全て同一としてもよい。
また、本実施例においては、報知待ち時間を計測するための計時手段が1つの報知用タイマカウンタにて構成し、リール回転開始コマンドを取得したときに第1の値(=60秒)を設定してタイマカウント(計時)を開始するとともに、該タイマカウントの開始後においてリール停止コマンドを取得したときに、実行中のタイマカウントを終了(リセット)して第2の値(=30秒)を設定してタイマカウントを開始するようになっていたが、リール回転開始コマンドを取得したことに基づく計時と、リール停止コマンドを取得したことに基づく計時とをそれぞれ別個のカウンタにて計時するようにしてもよい。
また、例えば各ゲームにおける促進報知の実行履歴を記憶しておき、所定期間(例えば5分間や50ゲーム間)内において促進報知が所定回以上実行された場合に、促進報知を実行するまでの報知待ち時間を、通常の報知待ち時間よりも短くするようにしてもよい。さらにこの場合、促進報知の実行履歴に応じて、報知待ち時間を段階的に短縮していくようにしてもよい。
さらに、前述したような促進報知の実行を開始(報知画面の表示を開始)してから経過した時間を計時するようにし、例えば所定時間が経過する毎(例えば1分が経過する毎)に、報知態様を変化させたり、あるいは報知画面の表示による報知のみならず、「リールを停止して下さい」等の音声メッセージをスピーカ53、54等から出力するようにしてもよい。
また、本実施例における促進報知は、液晶表示器51の表示画面上にリール2L、2C、2Rの停止操作を促す文字メッセージを含む報知画面を表示することにより行われていたが、液晶表示器51以外の画像表示装置に報知画面を表示してもよいし、メッセージ内容は、前述したような「リールを停止して下さい」というメッセージだけでなく、リール2L、2C、2Rの停止操作を促すものであれば、例えば「図柄を停止して下さい」や「ストップスイッチを操作して下さい」等、種々のメッセージに変更可能であるとともに、あるいは、リールの停止操作を促す画像や動画を表示するものでもよい。
さらに、促進報知を行う報知手段としては、前述した液晶表示器51等の画像表示装置に限定されるものではなく、例えばスピーカ53、54から前述したような「リールを停止して下さい」等の音声の出力や、所定の警告音等の出力が可能な音出力手段であってもよい。あるいは、例えばリールLED55等を所定の発光態様にて発光させること(例えば点灯態様や発光色の変更)により報知する発光手段等であってもよい。
また、本実施例では、サブ制御部91のCPU91aは、前述した促進報知処理において、促進報知が実行されていない場合にタイマカウンタのカウンタ値が0となり、促進報知の実行を決定すべく報知中フラグをセットした後、促進報知の実行を指示する演出制御情報としての報知パターン1コマンドまたは報知パターン2コマンドを表示制御基板190に送信し、また、促進報知の実行中において停止コマンドを受信したときに、促進報知の終了を指示する演出制御情報としての報知終了コマンドを表示制御基板190に送信するようになっていたが、このように促進報知の実行や終了を指示する演出制御情報としてのコマンドは、それぞれ別個のコマンドとしなくてもよく、例えばCPU91aが、促進報知の実行時や促進報知の終了時においてそれぞれ同一の促進報知コマンドを送信するようにし、表示制御部191のCPU191aが、促進報知を実行していない状態で前記促進報知コマンドを取得したときには促進報知を実行し、促進報知の実行中に前記促進報知コマンドを取得したときには実行中の促進報知を終了させるようにしてもよい。
また、促進報知の終了を指示する演出制御情報としての報知終了コマンドは、リール停止操作が行われたときに演出制御基板90から送信される他の演出コマンド、例えば遊技状態に応じた演出(例えば内部当選の可能性を示す予告演出等)の実行を指示する演出コマンド等と兼用してもよく、この場合、CPU191aは、促進報知の実行中においてリールの停止操作に応じて演出制御基板90から送信される演出コマンドを取得したときに、実行中の促進報知を終了させればよい。
尚、本実施例では、複数(本実施例では3つ)の可変表示部120L、120C、120R(可変表示領域)それぞれに対して、各可変表示部における表示結果を導出させる導出操作手段としてのストップスイッチ8L、8C、8Rが1対1対応で設けられていたが、本発明にあっては、必ずしも各可変表示領域それぞれに対応する個別のストップスイッチ8L、8C、8Rが配置されているものに限定されるものではなく、2以上の所定数の可変表示領域に対して前記所定数未満しかストップスイッチ(導出操作手段)が配置されていないものであってもよく、例えば3つの可変表示領域に対して1つのストップスイッチのみ配置され、該ストップスイッチを前記所定回数操作することにより全て(3つ)の可変表示領域の表示結果が導出されるようなものであってもよい。
また、本実施例のスロットマシン1では、入賞となる役の種類として、メダルの払い出しを伴う小役、次のゲームでの賭数にメダルを消費しないで済む再遊技役、遊技状態の移行を伴う特別役が定められている。特別役は、遊技状態の移行を伴うものであって、そのときの遊技状態に依存するので基本的な役とは言えない。スロットマシンの遊技性は、単にゲームを行うだけではなく、ゲームの結果により遊技者がメダルを獲得していくことにあるので、入賞によってメダルの払い出しを伴う小役が最も基本的な役であるということができる。ここで、小役の種類としては、JAC、チェリー、スイカ、ベルがあるが、レギュラーボーナスにおいて僅かな確率で当選するJACの他は、いずれの遊技状態においても入賞となる役の種類として定められている。このように基本となる小役を、いずれの遊技状態に制御されているときであっても入賞となる役として定めることで、遊技性が遊技者にとって分かり易いものとなる。
通常遊技状態でビッグボーナス入賞すると、レギュラーボーナスへの移行を伴うJACINに比較的高い確率で当選する(取りこぼしがないので、入賞する)ビッグボーナスに遊技状態が移行される。ビッグボーナスは、消化ゲーム数に関わらず、当該ビッグボーナス中において遊技者に払い出したメダル数の総数が465枚に達すると終了するものとなっている。ここでビッグボーナス(小役ゲーム及びレギュラーボーナスを含む)中のゲームでは、リプレイが内部抽選の対象役として定められていないので、リプレイ入賞することがない。リプレイは、遊技者の手持ちのメダルを減らさないものであるがメダルの払い出しを伴わないので、ビッグボーナスの終了条件となる払い出しメダル数に影響しない。つまり、ビッグボーナス中にリプレイ入賞させても不必要にビッグボーナスのゲーム数を増やすだけのものとなってしまうので、リプレイをビッグボーナスにおける内部抽選の対象役として定めないことで、ビッグボーナスの遊技状態を無駄に長引かせることがなく、遊技を効率良く進めることができるようになる。
また、レギュラーボーナスの遊技状態では、小役(特にベル)に高い確率で当選し、非常に多くのメダルを獲得できるようになるので、これに対する遊技者の期待感は高い。このレギュラーボーナスには、小役ゲームでJACIN入賞したときに移行されるだけではなく、通常遊技状態でレギュラーボーナス入賞したときにも移行される。このため、通常遊技状態にあるときであっても、レギュラーボーナスに対する期待感を遊技者に与えることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。更に、レギュラーボーナスにおいては、通常遊技状態や小役ゲームにおいても定められているチェリー、スイカ、ベルに加えて、JACも小役として定められている。これにより、レギュラーボーナスにおける遊技者の期待感を更に高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ビッグボーナスにおいて小役ゲームからレギュラーボーナスに遊技状態を移行させるためのJACINの表示態様は、「スイカ−JAC−JAC」の組み合わせにより構成され、他の役の表示態様として使用されていないものである。レギュラーボーナスにおいてチェリー、スイカ、ベルの小役に加えて入賞と判定されるJACの表示態様も、「ベル−JAC−JAC」の組み合わせにより構成され、他の役の表示態様として使用されていないものである。このため、リール2L、2C、2Rの表示結果として導出された表示態様と入賞となる役との関係が明確になり、遊技者にとっては遊技性が分かりやすいものとなる。
また、リール2L、2C、2Rの回転は、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されてから190ミリ秒の最大停止遅延時間の範囲で停止されることとなるが、この間に4図柄を引き込むことができるので、停止すべき図柄は5図柄の範囲から選ぶことができる。ここで、「スイカ」、「ベル」及び「JAC」の図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても必ず5コマ以内の間隔で配置されているので、これらの図柄によって構成されるスイカ、ベル、リプレイ、JAC、及びJACINは、当選しているときには取りこぼしが生じない。特にレギュラーボーナス中のベルは、おおよそ1/1.03という非常に高い確率で当選することとなるが、これの取りこぼしが生じ得ないので、レギュラーボーナスでは遊技者が実質的には目押しをしなくても済むようになり、簡単に遊技を進められるようになる。
上記したように遊技状態毎に内部抽選の対象となる役の種類は、遊技状態別当選役テーブルに登録されているが、各役の当選確率を定める判定値数は、役別テーブルから参照されるアドレスに格納されている。役別テーブルには、各役の入賞が発生したときのメダル数も登録されている。
役別テーブルにおいて、メダル数は賭数に応じて登録されており、チェリー、スイカ、ベルの入賞が発生したときには、賭数に応じてメダル数が設定される(もっとも、チェリー、スイカでは、結果的に同じメダル数が設定される)。ここで、レギュラーボーナスにおける賭数は1で固定されているが、レギュラーボーナス以外の遊技状態における賭数は3で固定されている。これにより、賭数に応じて払出数を取得するだけでも、遊技状態に応じて適切な数のメダルを払い出すことができる。また、メダル数を設定する際に遊技状態を判断する必要がないので、入賞判定処理における処理ステップが簡素化される。しかも、レギュラーボーナスに対応した賭数1の方が、賭数3のときよりもベルの入賞時におけるメダル数が多いので、レギュラーボーナスにおける遊技者の期待感を更に高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
役別テーブルにおいて、いずれの遊技状態においても入賞となる役として定められたチェリー、スイカ、及びベルについては、賭数毎に判定値数の格納先アドレスが登録されており、賭数に従って判定値数が取得されることとなる(もっとも、チェリー、スイカでは、結果的に同じ判定値数が取得される)。ここで、レギュラーボーナスにおける賭数は1で固定されているが、レギュラーボーナス以外の遊技状態における賭数は3で固定されている。これにより、賭数に応じて判定値数を取得するだけでも、遊技状態に応じた当選確率でチェリー、スイカ、及びベルの内部抽選を行うことができる。また、判定値数を取得する際に遊技状態を判断する必要がないので、内部抽選における処理ステップが簡素化される。しかも、レギュラーボーナスに対応した賭数1の方が、賭数3のときよりもベルの当選確率が高いので、レギュラーボーナスにおける遊技者の期待感を更に高めさせて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、役別テーブルに登録されている各役の判定値数の格納先のアドレスは、設定値に応じて異なっている場合もあるが、設定値に関わらずに当選確率を同一とするものとした役については、設定値に関わらずに判定値数が共通化して格納されるものとなる。このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。もっとも、役別テーブルにおいて、内部抽選の対象役と設定されている賭数とが同じで設定値に応じて参照される判定値数を格納したアドレスが異なっていても、異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
一般に開発段階においては、少なくとも一部の役について設定値に応じて判定値数を調整しながら(すなわち、内部抽選の当選確率を調整しながら)、シミュレーションを行っていくものとしている。当初の判定値数として、設定値に応じて異なる判定値数を登録しておいたが、シミュレーションにより調整を行った結果として、設定値が異なる場合の判定値数が同一になる場合もある。当初の判定値数として、設定値に応じて同一の判定値数を登録しておいたが、シミュレーションの結果により当初から登録してあった判定値数がそのまま用いられる場合もある(シミュレーションの結果により当初とは異なる判定値数すなわち、設定値に応じて異なる判定値数となる場合もある)。そして、それぞれの場合におけるシミュレーションで適切な結果の得られた判定値数を、量産用の機種に設定する判定値数として選ぶものとしている。
ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として設定値に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM41bに記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行うことができるようになる。
また、役別テーブルに登録されている各役の判定値数の格納先のアドレスは、賭数(1または3)に応じて異なっているが、例えば、チェリーやスイカのように異なるアドレスにおいて格納されている判定値数が同じである場合がある。
開発用の機種においては、賭数に応じても判定値データを微妙に調整しながらシミュレーションを行っていくのが通常である(当初の判定値数を異なるものとしておく場合と、同じものとしておく場合とがあり得る)。ここで、シミュレーションにより調整された判定値数が結果として賭数に関わらずに同じになったとしても、その開発段階でのアドレス割り当てと同じアドレスの割り当てで判定値数をROM41bに記憶して、そのまま量産用の機種とすることができる。このため、量産用の機種において判定値数の格納方法を開発用の機種から変更する必要がなく、最初の設計段階から量産用の機種に移行するまでの開発を容易に行うことができるようになる。
また、内部抽選は、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、その加算の結果がオーバーフローしたか否かによって、それぞれの役の当選の有無を判定するものとしている。このため、各役の判定値数をそのまま用いて内部抽選を行うことができる。尚、実際の当選判定を行う前に当選判定用テーブルを生成する場合にはループ処理が2回必要になるが、この実施の形態によれば、抽選処理におけるループ処理が1回で済むようになり、抽選処理全体での処理効率が高いものとなる。
また、通常遊技状態における内部抽選では、同一の内部抽選用の乱数に基づいて小役及び再遊技役の抽選と特別役の抽選とを別個に行うようになっている。そして、特別役の成立後、すなわち特別役の当選フラグが持ち越されている状態においては、小役及び再遊技役の抽選のみが行われることとなる。このため、複数の特別役が重複して当選してしまうことがない。更に、特別役の成立前後において、小役及び再遊技役の抽選を共通化できるので、通常遊技状態における内部抽選を簡素化することができるとともに、特別役の成立後、持ち越されている状態においては、小役及び再遊技役の抽選のみを行えば良いので、特別役の当選が持ち越されている状態での内部抽選の処理効率も高くなる。
尚、本実施例では、同一の内部抽選用の乱数に基づいて小役及び再遊技役の抽選と特別役の抽選とを別個に行うようになっており、特別役の成立後、すなわち特別役の当選フラグが持ち越されている状態においては、小役及び再遊技役の抽選のみが行われるようになっているが、特別役の成立後も、小役及び再遊技役の抽選、及び特別役の抽選の双方を行い、特別役の抽選により特別役が当選した場合に、当該当選を無効に扱うようにしても良く、この場合でも、複数の特別役が重複して当選してしまうことがない。
また、小役及び再遊技役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数及び特別役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定できるようになっており、内部抽選においては、内部抽選用の乱数として取得した値が、これら判定値数により特定される小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲に含まれていれば、小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選したと判定し、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲に含まれていれば、小役及び特別役の双方が当選したと判定するようになっている。このため、特別役と小役の双方の当選が判定される範囲の値が内部抽選用の乱数として取得された場合には、特別役と小役が同時に当選することとなり、特別役または小役の当選のみが判定される範囲の値が内部抽選用の乱数として取得された場合には、特別役または小役のみが当選することとなる。これにより、ゲームの結果として小役入賞が発生した場合でも、小役よりも有利度の高い特別役の発生が許容されていることが否定されないので、このような状況においても特別役の発生に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
尚、本実施例では、小役及び再遊技役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数及び特別役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定できるようになっているが、小役及び再遊技役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数及び特別役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、再遊技役が単独で当選する判定値の範囲、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲のみが特定できるようにしても良く、このような構成によれば、ゲームの結果として小役が入賞した場合に、特別役に当選していることに対して期待が持てる。また、小役及び再遊技役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数及び特別役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、再遊技役及び特別役が単独で当選する判定値の範囲、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲のみが特定できるようにしても良く、このような構成によれば、ゲームの結果として小役が入賞しなかった場合でも、特別役に当選していることが否定されないので、このような状況においても特別役の入賞に対する遊技者の期待感を持続させることができる。また、小役及び再遊技役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数及び特別役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、再遊技役及び小役が単独で当選する判定値の範囲、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲のみが特定できるようにしても良く、このような構成によれば、ゲームの結果として小役が入賞した場合でも、特別役に当選していることが否定されないので、このような状況においても特別役の入賞に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
また、本実施例では、ビッグボーナス(1)〜(3)とチェリーが重複して当選する判定値の範囲よりも、ビッグボーナス(1)〜(3)とスイカが重複して当選する判定値の範囲の方が大きくなるように設定されているため、ビッグボーナス(1)〜(3)とチェリーが同時に当選する確率よりも、ビッグボーナス(1)〜(3)とスイカが同時に当選する確率の方が高くなる。これにより、チェリーが入賞したときよりもスイカが入賞したときの方が、ビッグボーナス(1)〜(3)と同時に当選している可能性が高くなるので、小役が入賞したときに、その小役の種類によってビッグボーナス(1)〜(3)の当選に対する期待感に変化を持たせることができるため、興趣を高めることができる。
また、本実施例において乱数取得処理によって取得される内部抽選用の乱数は、サンプリング回路43により乱数発生回路42から抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工してから使用するものとしている。乱数発生回路42は、パルス発生回路42aのパルス信号の周波数で高速に更新して乱数を発生しているが、ソフトウェアにより加工した後の内部抽選用の乱数では、その加工によって更新の周期性が失われるものとなる。
これに対して、内部抽選では各役に対応した判定値数を内部抽選用の乱数の値に順次加算していくことにより行うため、図6〜図8に示したように各役を当選とする内部抽選用の乱数の値は、固まってしまうこととなる。これに対して、ソフトウェアによる加工で内部抽選用の乱数の周期性を失わせ、その値をバラつかせることによって、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
しかも、乱数発生回路42のカウンタ42b、42cの値を更新させるためにパルス発生回路42aが発生するパルス信号の周波数は、CPU41aの動作クロックの周波数よりも高く、整数倍ともなっていない。このため、乱数発生回路42が発生する乱数の更新が、CPU41aが行う処理と同期しにくくなる。しかも、パルス発生回路42aのパルス信号の周波数の方を高くすることで、乱数発生回路42が発生する乱数の更新速度を非常に速いものとすることができる。
一方、ソフトウェアによる乱数の加工は、サンプリング回路43により乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトとを入れ替え、第15、第7ビットをマスクした後、上位バイトをビットシフトするだけで良い。従って、16ビット(実際にはマスクされて14ビット)という比較的大きな乱数であっても、周期性を失わせるために必要な加工の処理に要する負荷がそれほど大きくならず、容易に取得することができる。このように大きな乱数が取得できることで、内部抽選における確率設定を細かく行うことができるようになる。
また、本実施例では、サンプリング回路43により乱数発生回路42から抽出した2バイト(16ビット)の乱数のうち、特定の2ビット(本実施例では第15、第7ビット)をマスクして得られる14ビットの乱数が取得されるようになっている。これは、一般的に汎用品の乱数発生回路は、16ビットの乱数を出力するものであるが、内部抽選において用いる乱数の範囲としては、14ビットの乱数で十分であり、16ビットの乱数をそのまま取得した場合には、乱数の範囲が大き過ぎるため、役別テーブルに格納されるデータ量がも多くなってしまい、ROM41bの格納領域も圧迫されてしまううえに、内部抽選で処理する数値も大きくなってしまうので、CPU41aの負荷も大きくなってしまうからである。
このように本実施例では、サンプリング回路43により乱数発生回路42から抽出した2バイト(16ビット)の乱数のうち、特定の2ビットをマスクして得られる14ビットの乱数を取得するので、比較的安価な汎用の乱数発生回路を用いても、ROM41bの格納領域を圧迫することがなく、CPU41aの負荷も大きくなってしまうことがない。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、前記実施例では、内部抽選に用いる判定値数が記憶されるRAM41cの判定値数記憶領域は、2バイトの領域を用いて、それぞれの場合における判定値数を記憶するものとしていた。もっとも、一般的なスロットマシンでは、特別役の判定値数は、いずれの遊技状況においても255を超えるものが設定されることはあまりない。このように255を超える判定値数を設定する必要がないものについては、1バイトの領域だけを用いて、判定値数を記憶するものとしても良い。
また、前記実施例では、判定値数が設定値に関わらず共通のものについて、その一部を設定値1〜6の全体に共通して記憶しているが、判定値数が設定値に関わらず共通のものについても、設定値1〜6のそれぞれに対して個別に記憶することもできる。また、判定値数が設定値に関わらず共通のものは、その全てを設定値1〜6の全体に共通して記憶することもできる。
また、前記実施例では、判定値数が、設定値1〜6の全体に共通して記憶されているか、設定値1〜6のそれぞれに対して個別に記憶されているかであった。もっとも、設定値1〜6の全体に共通して判定値数が記憶されない(設定値についての共通フラグが設定されない)ものとして、例えば、設定値1〜3については判定値数が共通、設定値4〜6については判定値数が共通のものとすることもできる。賭数についての判定値数についても同様で、例えば賭数1と2については共通、賭数3では個別とすることもできる。
また、前記実施例では、同一の設定値における同一の役について賭数に応じて参照される判定値数が賭数(1または3)のそれぞれに対して異なるアドレスに格納されていた。すなわち同一の設定値における同一の役について賭数に応じて参照される判定値数が同じであっても個別に記憶されていたが、賭数に関わらず当選確率を同一とするものとした役について、判定値数の格納先のアドレスを共通化したり、設定値及び賭数に関わらず当選確率を同一とするものとした役について、判定値数の格納先のアドレスを共通化するようにしても良く、このように判定値数を共通化して格納することで、そのために必要な記憶容量が少なくて済むようになる。
また、前記実施例では、設定値等に応じて取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に順次加算していたが、取得した判定値数を取得した内部抽選用の乱数の値から順次減算して、減算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とするものとしても良い。判定値数を内部抽選用の乱数の値から減算するときには、内部抽選用の乱数の第15ビットと第14ビットとを「0」として、減算の結果にオーバーフロー(ここでは、減算結果がマイナスとなること)が生じたかどうかを判定するものとすることができる。
また、前記実施例では、内部抽選において、取得した内部抽選用の乱数の値に遊技状況に応じた各役の判定値数を順次加算していき、加算結果がオーバーフローしたときに当該役を当選と判定するものとしていた。これに対して、遊技状況に応じた各役の判定値数に応じて、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルをゲーム毎に作成し、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしても良い。また、各役を当選と判定する判定値を定めた当選判定用テーブルを予めROM41bに格納しておき、取得した内部抽選用の乱数の値を各役の判定値と比較することで、内部抽選を行うものとしても良い。
また、前記実施例では、通常遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームにおいて、賭数として3を設定することのみによりゲームを開始させることができた。これに対して、通常遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームにおいても、賭数として1を設定してゲームを開始させることをできるようにしたり、更には賭数として2を設定してゲームを開始させることをできるようにしても良い。これにより、通常遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームで賭数として1または2が設定されていたときには、賭数として3が設定されたときよりも内部抽選における小役の当選確率を低下させるともに、小役に入賞したときの払い出しメダル枚数を増加させることができる。例えば、通常遊技状態及びビッグボーナス中の小役ゲームで賭数として3が設定されたときには、ベルの当選確率を1/4.6、払出枚数を8枚とするが、賭数として1または2が設定されたときには、ベルの当選確率を1/240.9、払出枚数を15枚としても良い。更に賭数として1が設定されたときと2が設定されたときとで、ベルの当選確率及び払出枚数を変えても良い。
また、前記実施例では、通常遊技状態における内部抽選において、同一の内部抽選用の乱数について、小役及び再遊技役用の役別テーブルを参照する小役及び再遊技役の抽選と、特別役用の役別テーブルを参照する特別役の抽選と、を別個に行うとともに、小役及び再遊技役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数及び特別役用の役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定できるようにすることにより、特別役と小役が同時に当選し得る構成としていたが、役別テーブルに、特別役のみに対応する判定値数の格納先のアドレス、特別役及び小役の双方に対応する判定値数の格納先のアドレス、小役のみに対応する判定値数の格納先アドレス、再遊技役のみに対応する判定値数の格納先アドレスをそれぞれ登録しておき、内部抽選において、取得した内部抽選用の乱数に、役別テーブルから参照された各役の判定値数を加算していき、特別役のみに対応する判定値数との加算結果がオーバーフローした場合には、特別役のみの当選を判定し、特別役及び小役の双方に対応する判定値数との加算結果がオーバーフローした場合には、特別役及び小役の双方の当選を判定し、小役または再遊技役のみに対応する判定値数との加算結果がオーバーフローした場合には、小役または再遊技役のみの当選を判定するようにすることで、特別役と小役が同時に当選し得る構成とすることもできる。すなわち1つの役別テーブルから、小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定できるようにすることで、特別役と小役が同時に当選し得る構成とすることもできる。
図28は、役別テーブルの変形例を示す図であり、図29は内部抽選処理の変形例を示すフローチャートである。
図28に示す役別テーブルには、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(3)、レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2)、JACIN、JAC、チェリー、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(3)+チェリー、スイカ、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(3)+スイカ、ベル、リプレイの判定値数の格納アドレスが参照される順番に登録されている。
各役の判定値数は、ゲームにおいて遊技者が設定する賭数(BET)に対応して登録されている。同一の役であっても、レギュラーボーナスにおける当選確率が他の役と異なっている場合があるからである。また、各役の賭数に応じた判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(3)、レギュラーボーナス(1)、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(3)+チェリー、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(3)+スイカは、通常遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役であり、通常遊技状態での賭数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。これらの役のうち、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)及びビッグボーナス(3)、レギュラーボーナス(1)については、共通フラグの値が0となっており、設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。また、ビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(3)+チェリー、ビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(3)+スイカについては、共通フラグの値が1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。レギュラーボーナス(2)及びJACINは、ビッグボーナス中の小役ゲームでのみ内部抽選の対象となる役であり、小役ゲームでの賭数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグの値は1であり、設定値に関わらずに共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
JACは、レギュラーボーナスでのみ内部抽選の対象となる役であり、レギュラーボーナスでの賭数1に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。リプレイは、通常遊技状態でのみ内部抽選の対象となる役であり、通常遊技状態での賭数3に対応する判定値数の格納アドレスが登録されている。この役の共通フラグは1であり、設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。
チェリー、ベル、及びスイカは、いずれの遊技状態でも内部抽選の対象となる役であり、レギュラーボーナスでの賭数1に対応する判定値数の格納アドレスと、通常遊技状態または小役ゲームでの賭数3に対応する判定値数の格納アドレスとが登録されている。チェリー及びスイカについては、共通フラグが1となっており、それぞれの賭数に対応して設定値に関わらず共通の判定値数の格納アドレスが登録されている。ベルについては、共通フラグが0となっており、それぞれの賭数に対応して設定値に応じて個別に判定値数の格納アドレスが登録されている。
次に、図29に示すフローチャートに基づいて、CPU41aが実行する内部抽選処理の変形例を説明する。
この内部抽選処理では、乱数取得処理を行う(Sg101)。この乱数取得処理においては、乱数発生回路42が発生する乱数に基づいて、内部抽選用の乱数の値が取得されることとなる。
そして、RAMの設定値ワークに格納されている設定値を読み出し(Sg102)、読み出した設定値が1〜6の範囲か否か、すなわち設定値ワークに格納されている設定値が適正な値か否かを判定し(Sg103)、読み出した設定値が1〜6の範囲の値でなければ、RAM異常を示すエラーコードをRAM41cに設定し(Sg104)、図12に示すエラー処理に移行する。
また、Sg103のステップにおいて読み出した設定値が1〜6の範囲であれば、現在の遊技状態に対応して、図28の役別テーブルに登録されている役を順番に読み出す(Sg105)。ここで読み出した役の種類がレギュラーボーナス(レギュラーボーナス(1)、レギュラーボーナス(2))、ビッグボーナス(ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、ビッグボーナス(3)(+チェリー、+スイカは含まず))であるかどうかを判定する(Sg106)。レギュラーボーナス、ビッグボーナスまたはJACINのいずれかである場合には、前回以前のゲームでRAM41cにレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選フラグが既に設定され、当該当選フラグに基づいて入賞することなく持ち越されているかどうかを判定する(Sg107)。読み出した役の種類がレギュラーボーナスでもビッグボーナスでもなければ、そのままSg108の処理に進む。
レギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選フラグが既に設定されていれば、Sg105の処理に戻り、更に遊技状態別当選役テーブルに次に登録されている役を読み出すものとなる(レギュラーボーナス、ビッグボーナス及びJACINは、役別テーブルにおいて最初に登録されており、これで抽選処理が終了となることはないので)。読み出した役の種類がレギュラーボーナス、ビッグボーナスまたはJACINであっても、レギュラーボーナスの当選フラグもビッグボーナスの当選フラグも設定されていなければ、Sg108の処理に進む。
Sg108では、更にSd1のステップで設定されたBET数を読み出し、当該役と読み出したBET数に対応する役について、図28の役別テーブルから共通フラグの設定状況を取得する。この結果、当該役、当該BET数について共通フラグが設定されているかどうかを判定する(Sg109)。
共通フラグが設定されていれば、当該役、当該BET数について図28の役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Sg110)。そして、Sg112の処理に進む。共通フラグが設定されていなければ、RAM41cに設定されている設定値を読み出し、当該役、当該BET数について読み出した設定値に対応して役別テーブルに登録されているアドレスに格納されている判定値数を取得する(Sg111)。そして、Sg112の処理に進む。
Sg112のステップでは、Sg110またはSg111のステップにおいて取得した判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。ここで、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときにオーバーフローが生じたかどうかを判定する(Sg113)。オーバーフローが生じた場合には、当該役がビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(3)+チェリー、またはビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(3)+スイカであるか否かを判定する(Sg114)。当該役がビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(3)+チェリー、またはビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(3)+スイカでなければ、当該役の当選フラグをRAM41cに設定する(Sg114)。そして、内部抽選処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
Sg114のステップにおいて、当該役がビッグボーナス(1)+チェリー、ビッグボーナス(2)+チェリー、ビッグボーナス(3)+チェリー、またはビッグボーナス(1)+スイカ、ビッグボーナス(2)+スイカ、ビッグボーナス(3)+スイカであれば、前回以前のゲームでRAM41cにレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選フラグが既に設定され、当該当選フラグに基づいて入賞することなく持ち越されているかどうかを判定する(Sg116)。レギュラーボーナスの当選フラグもビッグボーナスの当選フラグも設定されていなければ、ビッグボーナス(1)〜(3)の該当する当選フラグ及びチェリーの当選フラグ、またはビッグボーナス(1)〜(3)の該当する当選フラグ及びスイカの当選フラグをそれぞれRAM41cに設定する(Sg117)。そして、内部抽選処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
Sg116のステップにおいてレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選フラグが既に設定されていれば、チェリーの当選フラグまたはスイカの当選フラグをRAM41cに設定する(Sg118)。そして、内部抽選処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
Sg113のステップにおいてオーバーフローが生じていない場合には、当該遊技状態について定められた役のうちで未だ処理対象としていない役があるかどうかを判定する(Sg119)。未だ処理対象としていない役があれば、Sg105の処理に戻り、遊技状態別当選役テーブルに登録されている次の役を処理対象として処理を継続する。処理対象としていない役がなければ、内部抽選処理を終了して、図15のフローチャートに復帰する。
上記のように、図28に示す役別テーブル及び図29に示す内部抽選処理を適用した変形例によれば、特別役と小役の双方の当選が判定される範囲の値が内部抽選用の乱数として取得された場合には、特別役と小役が同時に当選することとなり、特別役の当選のみが判定される範囲の値が内部抽選用の乱数として取得された場合には、特別役のみが当選することとなる。これにより、ゲームの結果として小役入賞が発生した場合でも、小役よりも有利度の高い特別役の発生が許容されていることが否定されないので、このような状況においても特別役の発生に対する遊技者の期待感を持続させることができる。また、特別役のハズレに対応する判定値数を登録する必要がないので、ROM41bの容量を節約できるとともに、遊技状態に関わらず、内部抽選処理を共通化できるので、プログラムも簡素化することができる。
尚、上記の構成においては、図28に示す役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、小役、再遊技役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定できるようになっているが、役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、再遊技役が単独で当選する判定値の範囲、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲のみが特定できるようにしても良く、このような構成によれば、ゲームの結果として小役が入賞した場合に、特別役に当選していることに対して期待が持てる。また、役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、再遊技役及び特別役が単独で当選する判定値の範囲、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲のみが特定できるようにしても良く、このような構成によれば、ゲームの結果として小役が入賞しなかった場合でも、特別役に当選していることが否定されないので、このような状況においても特別役の入賞に対する遊技者の期待感を持続させることができる。また、役別テーブルに登録されているアドレス領域に格納された判定値数から、再遊技役及び小役が単独で当選する判定値の範囲、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲のみが特定できるようにしても良く、このような構成によれば、ゲームの結果として小役が入賞した場合でも、特別役に当選していることが否定されないので、このような状況においても特別役の入賞に対する遊技者の期待感を持続させることができる。
また、上記の構成においては、特別役の成立後、すなわち特別役の当選フラグが持ち越されている状態において、特別役が単独で当選する判定値の範囲の値が内部抽選用の乱数として取得された場合にハズレと判定され、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲の値が内部抽選用の乱数として取得された場合に、小役のみの当選が判定されることで、複数の特別役が当選してしまうことがないようになっているが、小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲の値が内部抽選用の乱数として取得された場合にもハズレと判定するようにしても良く、この場合でも、複数の特別役が重複して当選してしまうことがない。また、特別役の成立後は、特別役が単独で当選する判定値の範囲や小役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲を特定可能なデータが登録されていない役別テーブル、すなわち再遊技役が当選する判定値の範囲を特定可能なデータと小役が当選する判定値の範囲を特定可能なデータのみが登録された役別テーブルによって内部抽選処理を行うようにしても良く、この場合でも、複数の特別役が重複して当選してしまうことがない。
また、前記実施例では、乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイト全体を下位バイトで置換し、下位バイト全体を上位バイトで置換するという入れ替えを行っていた。これに対して、乱数発生回路42から抽出した乱数のビットのうちの特定のビットのデータを他のビットのデータ(但し、マスクされる第7、第15ビット以外)で置換するだけであっても良い。また、乱数発生回路42から抽出した乱数の値を、そのまま内部抽選用の乱数として取得するものとしても良い。更に、上記の実施の形態とは異なる方法により内部抽選用の乱数に加工するものとしても良い。
図30は、乱数発生回路42から抽出した乱数をCPU41aがソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理の第1の変形例の説明図である。この第1の変形例でも、乱数発生回路42から抽出された乱数は、CPU41aが有する16ビットの汎用レジスタ41GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路42から抽出された乱数が汎用レジスタ41GRに格納されると、CPU41aは、更に内部のリフレッシュレジスタ41Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU41aは、汎用レジスタ41GRの上位バイトの値(上位カウンタ42cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ41Rから抽出した加工用の乱数を加算する。汎用レジスタ41GRの下位バイトの値(下位カウンタ42bから抽出した値)は、そのままにしておく。
次に、CPU41aは、汎用レジスタ41GRの値、すなわち上位バイトに加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理和演算をする。更に、CPU41aは、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU41aは、このときに汎用レジスタ41GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
図31は、乱数発生回路42から抽出した乱数をCPU41aがソフトウェアにより内部抽選用の乱数に加工するまでの処理の第2の変形例の説明図である。この例でも、乱数発生回路42から抽出された乱数は、CPU41aが有する16ビットの汎用レジスタ41GRに格納されるものとなる。
乱数発生回路42から抽出された乱数が汎用レジスタ41GRに格納されると、CPU41aは、更に内部のリフレッシュレジスタ41Rの値を加工用の乱数として抽出する。CPU41aは、汎用レジスタ41GRの上位バイトの値(上位カウンタ42cから抽出した値)にリフレッシュレジスタ41Rから抽出した加工用の乱数を加算する。また、汎用レジスタ41GRの下位バイトの値(下位カウンタ42bから抽出した値)にもリフレッシュレジスタ41Rから抽出した加工用の乱数を加算する。
次に、CPU41aは、汎用レジスタ41GRの値、すなわち上位バイト及び下位バイトにそれぞれ加工用の乱数を加算した値を、8080hと論理和演算をする。更に、CPU41aは、上位1バイト(第8ビット〜第15ビット)までを1ビットずつ下位にシフトし、これによって空いた第15ビットに1を挿入する。CPU41aは、このときに汎用レジスタ41GRに格納されている値を内部抽選用の乱数として取得し、これに判定値数を順次加算していくものとなる。
以上説明した第1、第2の変形例では、リフレッシュレジスタ41Rの値を加工用の乱数として抽出し、これを乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイト(第2変形例では、更に下位バイト)に加算して、乱数の加工を行うものとしている。ここで適用した乱数の加工には、少なくとも加工用の乱数を上位バイトに加算する処理を含んでいる。これにより、内部抽選用の乱数のバラツキを大きくすることができ、遊技者による狙い打ちを可能な限り防ぐことができる。
また、加工用の乱数をリフレッシュレジスタ41Rから抽出するものとしたことで、加工用の乱数を生成する手段として特別な構成が必要ない。しかも、リフレッシュレジスタ41Rの値は、CPU41aの命令フェッチ毎に更新されるもので、その更新間隔は一定しないので、ランダム性の高い乱数を加工用の乱数として抽出することができる。そして、加工用の乱数のランダム性が高いことから、これを用いて生成される内部抽選用の乱数のランダム性も高くなる。
尚、上記第1、第2の変形例において、乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイト(及び下位バイト)にリフレッシュレジスタ41Rから抽出した値を加算していたが、リフレッシュレジスタ41R以外でハードウェアまたはソフトウェアにより周期的に更新される値を加算しても良い。また、リフレッシュレジスタ41Rから抽出した値(或いは、リフレッシュレジスタ41Rに代わるものの値)を加算するのではなく、減算や、論理和、論理積などの論理演算を行っても良い。
また、前記実施例で示した上位バイトと下位バイトとの入れ替えのようなビットの置換を、第1、第2の変形例に併用するものとしても良い。上記第1、第2の変形例においても、乱数発生回路42からの乱数の抽出から加工を終了するまでの間は、汎用レジスタ41GRの内容が書き換えられてしまうのを防ぐため、CPU41aに対する割り込みが禁止されるものとなる。
また、第2の変形例においては、乱数発生回路42から抽出した乱数の上位バイトと下位バイトにそれぞれ加算する加工用の乱数を、リフレッシュレジスタ41Rから異なるタイミングで別々に抽出しても良い。上位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段と、下位バイトに加算する加工用の乱数を更新する手段とを別々に用意し、それぞれから上位バイト用、下位バイト用の加工用の乱数を抽出する手段を設けるものとしても良い。この場合において、上位バイト用の加工用の乱数を更新する手段と下位バイト用の加工用の乱数を更新する手段の一方をリフレッシュレジスタ41Rによって構成するものとすることができる。
また、前記実施例では、乱数発生回路42が発生する乱数、すなわちハードウェア乱数機能により抽出した乱数をソフトウェアにより加工する場合に本発明を適用した場合について説明した。しかしながら、上記したソフトウェアによる乱数の加工は、ソフトウェアにより周期的に更新される乱数に適用しても良い。例えば、メイン制御部41を構成するマイクロコンピュータとは別の第2のマイクロコンピュータにおいてタイマ割り込みなどにより周期的に更新される乱数を、CPU41aが第2のマイクロコンピュータに指示を送って抽出させ、I/Oポート41dを介してCPU41aに入力して、汎用レジスタ41GRに格納するものとすることができる。第2のマイクロコンピュータの機能は、メイン制御部41を構成するマイクロコンピュータに含まれていても良い。この場合にも、加工後に取得される乱数の値をバラつかせることができるようになり、遊技者による狙い打ちの防止の効果を図ることができる。
また、前記実施例では、CPU41aの起動時において、RAM41cのRAMパリティを計算し、その結果が0であるか否かを判定し、RAMパリティが0であることを条件に破壊診断用データが正常に格納されているか否かの判定を行っているが、まず、破壊診断用データが正常に格納されているか否かを判定し、破壊診断用データが正常に格納されていることを条件に、RAM41cのRAMパリティを計算し、その結果が0であるか否かを判定するようにしても良く、このようにすれば、破壊診断用データが正常に格納されていない場合には、RAMパリティを計算せずに、RAM41cのデータが異常である旨を判定することができる。
また、前記実施例では、メイン制御部41の起動時においてのみRAM41cのデータが正常か否かを判定しているが、その他の契機、例えば、1ゲーム毎に判定するようにしても良い。
また、前記実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
更に、図32に示すように、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置30’、球取込装置30’により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチ31’を設けるとともに、ホッパーモータ34や払出センサ35など、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置34’、球払出装置34’により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチ35’を設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。
前記実施例における各要素は、本発明に対して以下のように対応している。
本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な複数の可変表示領域(可変表示部120L、120C、120R)を有し、各可変表示領域に表示結果をそれぞれ導出表示させることが可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)を備え、
1ゲームに対して所定数(1または3)の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了し、該可変表示領域の表示結果の組み合わせに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(1)であって、
遊技者の操作に応じて前記可変表示領域に表示結果を導出させることを指示する導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
前記複数の可変表示領域の表示結果が導出される前に入賞の発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(CPU41aによる内部抽選処理)と、
所定の変動開始条件が成立したとき(スタートスイッチ7が操作され、かつウェイトタイムが経過したとき)に、前記複数の可変表示領域における図柄の変動表示を開始させる変動開始制御手段(CPU41aによるリール回転処理)と、
前記変動表示中の可変表示領域に対応する前記導出操作手段による導出操作の検出を有効化する導出操作有効化手段(CPU41aにより回転中のリールの停止操作を有効化する処理)と、
前記可変表示領域に表示結果が導出されたときに、該可変表示領域に対応する導出操作の検出を無効化する導出操作無効化手段(CPU41aにより停止操作が検出されたストップスイッチの操作を無効化する処理)と、
前記図柄の変動表示が開始されてから、前記導出操作が有効に検出されるまで、該導出操作に対応する可変表示領域における変動表示を継続させる変動制御手段(CPU41aによるリール回転処理)と、
前記導出操作が有効に検出されたときに、該導出操作に対応する可変表示領域に前記事前決定手段の決定結果に応じた表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段{CPU41aによるリール回転処理(停止制御処理)}と、
前記変動表示中の可変表示領域に対応する導出操作を促す促進報知{液晶表示器51による報知画面の表示(図20参照)}を実行する導出操作促進報知手段(CPU91aによる促進報知処理)と、
前記ゲームが開始されたことに基づいて計時を開始する第1の計時開始手段(CPU91aがリール回転コマンドを受信したときにタイマカウンタに第1の値を設定する処理)と、
前記ゲームが開始された後、前記導出操作が有効に検出されたことに基づいて計時を開始する第2の計時開始手段(CPU91aがリール停止コマンドを受信したときにタイマカウンタに第1の値または第2の値を設定する処理)と、
を備え、
前記導出操作促進報知手段は、
前記第1の計時開始手段または前記第2の計時開始手段が計時を開始してから前記導出操作が有効に検出されずに経過した時間が所定の報知待ち時間に到達したときに、前記促進報知を開始する促進報知開始手段(タイマカウンタの値が0になったときに報知パターン1、2コマンドを送信する処理)と、
前記促進報知の実行中に、前記導出操作が有効に検出されたときに、該実行中の促進報知を終了する促進報知終了手段(促進報知の実行中にリール停止コマンドを受信したときに、報知終了コマンドを送信する処理)と、
を含み、
当該ゲームにおいて前記促進報知{液晶表示器51による報知画面の表示(図20参照)}が1回も実行されていないときに、前記所定の報知待ち時間として第1の報知待ち時間(60秒)を設定するとともに、当該ゲームにおいて前記促進報知が既に1回以上実行されているときには、前記所定の報知待ち時間として前記第1の報知待ち時間よりも短い第2の報知待ち時間(30秒)を設定する報知待ち時間設定手段(タイマカウンタに第1の値または第2の値を設定する処理)を備え、
前記促進報知開始手段は、前記第1の計時開始手段または前記第2の計時開始手段が計時を開始してから前記導出操作が有効に検出されずに経過した時間が、前記報知待ち時間設定手段により設定された報知待ち時間に到達したとき(タイマカウンタの値が0になったとき)に、前記促進報知を開始する(報知パターン1、2コマンドを送信する)、
ことを特徴としている。