JP4567491B2 - 車両用ホイール駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ホイール(車輪)におけるリムの内側に電動モータ、いわゆるインホイールモータと、このインホイールモータの動力をホイールに伝達するギヤ機構とを、配置した車両用ホイール駆動装置において、ギヤ機構を冷却するようにした技術に関する。
近年、車両において、動力源からホイールへの動力伝達系統を簡略化するとともに伝達効率を高めるために、ホイールにおけるリムの内側にインホイールモータを配置する技術の開発が、進められている。このような車両用ホイール駆動装置は、高負荷であるホイールを駆動するものであるから、インホイールモータの回転数をギヤ機構にて減速することで、出力トルクを高めるようにした技術の開発も、進められている(例えば、特許文献1−2参照。)。
特開平8−99538号公報 特開2004−90822公報
特許文献1及び特許文献2に示す従来の車両用ホイール駆動装置は、インホイールモータと、このインホイールモータの動力をホイールのハブに伝達するギヤ機構とを、ホイールのリム内に組込んだというものである。
特許文献1に示す従来のギヤ機構は、インホイールモータのモータハウジングに収納した、二段ギヤ減速機構であって、その出力軸にホイールのハブをボルト止めしたものである。
特許文献2に示す従来のギヤ機構は、インホイールモータに隣接して配置した、ピニオンと内歯ギヤとの組合せからなる一段ギヤ減速機構であって、内歯ギヤにホイールのハブをボルト止めしたものである。
従来の車両用ホイール駆動装置の一例として、特許文献2に示す従来の技術を、次の図8に基づき説明する。図8は従来の車両用ホイール駆動装置の概要図である。
従来の車両用ホイール駆動装置100は、ホイール110の回転中心Whに対して、インホイールモータ120のモータ軸121の回転中心Mtが偏心した構成であり、固定側のホイール支持部131にインホイールモータ120を取付け、インホイールモータ120のモータ軸121にギヤ機構132を介してホイール110のハブ112を連結したものである。
詳しく述べると、ギヤ機構132は、モータ軸121に取付けたピニオン133と、このピニオン133に噛み合わせた内歯ギヤ134とからなる。ホイール110は、車軸111に取付けたハブ112(ディスク112)と、ハブ112の外周縁に固定したリム113と、リム113に取付けたタイヤ114とからなる。ホイール支持部131は、ホイール110の回転中心Wh上で、軸受135を介して車軸111を回転可能に支持することになる。さらに車軸111は、浅底の皿状のディスク136を介して、内歯ギヤ134を取付けた構成である。
ところで、ホイール110には比較的大きい路面反力が作用するので、ホイール支持部131にてホイール110を安定して支持できることが求められる。さらには、インホイールモータの動力をホイールに伝達するギヤ機構は、高負荷がかかるので比較的発熱量が大きい。ギヤ機構の耐久性を高めるには、冷却することが好ましい。
本発明は、固定側のホイール支持部にてホイールを、より安定して支持できるとともに、ギヤ機構を十分に冷却することができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、インホイールモータと、このインホイールモータの動力をホイールのハブに伝達するギヤ機構とを、ホイールのリム内に組込んだ車両用ホイール駆動装置であって、ホイールの回転中心に対し、インホイールモータのモータ軸の回転中心が偏心している車両用ホイール駆動装置において、
ギヤ機構を、モータ軸に設けたピニオンと、このピニオンに噛み合わせた内歯ギヤとで構成し、
この内歯ギヤの外周面を、インホイールモータのモータハウジングにて回転可能に支承するとともに、内歯ギヤにホイールのハブを取付け、
このハブに、ハブの回転中心上に貫通した通気孔を備えることで、通気孔を通過した外気によって内歯ギヤを冷却するように構成したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、内歯ギヤに、一方の側部を閉鎖する円盤状のディスクを一体に形成することで、ディスクにハブを取付けるようにし、さらにディスクに、通気孔に臨んで膨出又は窪んだカップ状の放熱部を備えたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2において、モータハウジングが、ギヤ機構を収納するとともに電気絶縁性の潤滑油を溜めるギヤ収納室を備え、
モータ軸を、モータハウジングの中からギヤ収納室へ突出するとともに、このギヤ収納室からモータハウジングの中へ連通する連通孔を有し、
内歯ギヤに、ギヤ収納室内の潤滑油を掻き上げて連通孔に入れる油掻き上げ部を備えていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、インホイールモータの動力をホイールに伝達するためのギヤ機構を、モータ軸に設けたピニオンと、ピニオンに噛み合わせた内歯ギヤとで構成し、この内歯ギヤの外周面をモータハウジングにて回転可能に支承するとともに、内歯ギヤにホイールのハブを取付けた構成である。
ホイールを取付けた内歯ギヤの外周面を、モータハウジングで回転可能に支承することによって、モータハウジングにてホイールを支承することができる。このため、モータハウジングはホイールを支持する、固定側のホイール支持部の役割を兼ねることができる。
内歯ギヤのうち、回転中心から離れている外周面をホイール支持部で支承したことによって、ホイールの回転中心から離れた位置でホイールを支持することができる。従って、固定側のホイール支持部によりホイールを、より安定して支持することができるとともに、支持剛性を高めることができる。
さらに請求項1に係る発明では、ホイールにおけるハブの回転中心位置に、貫通した通気孔を備えたので、通気孔を通過した外気によって内歯ギヤを効率良く冷却することができる。ギヤ機構を十分に冷却することができるので、この結果、ギヤ機構の耐久性をより高めることができる。
請求項2に係る発明では、内歯ギヤのうち、ハブを取付けるためのディスクに、ハブの通気孔に臨んで膨出又は窪んだカップ状の放熱部を備えることによって、内歯ギヤの放熱面積を増すことができる。放熱部は、カップ状であるから、単なる平板に比べて放熱面積が大きい。このように放熱面積が大きい放熱部を、通気孔を通過した外気によって直接に冷却するので、内歯ギヤを一層効率良く冷却することができる。この結果、ギヤ機構を一層十分に冷却することができる。
請求項3に係る発明では、ギヤ収納室内の潤滑油を内歯ギヤの油掻き上げ部によって掻き上げて、モータ軸の連通孔に入れることにより、この連通孔からモータハウジングの中に潤滑油を入れることができる。
このように、ギヤ収納室内の潤滑油により、ギヤ機構を潤滑しつつ冷却するとともに、ギヤ収納室からモータハウジングに導入した潤滑油によって、インホイールモータをも冷却することができる。つまり、ギヤ収納室内の潤滑油を、ギヤ機構の冷却とインホイールモータの冷却とに、共用することができる。
ギヤ機構を、外気で冷却するとともに潤滑油によっても冷却するので、ギヤ機構をより一層効率良く冷却することができ、冷却性能が高まる。しかも、内歯ギヤの油掻き上げ部により、ギヤ収納室からモータハウジングの中へ潤滑油を導入することができる。従って、ポンプ等の別部材からなる潤滑油供給装置を設けることなく、インホイールモータをも効率良く冷却することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る車両用ホイール駆動装置を備えたホイールの断面図である。図2は図1の2矢視図であり、車両用ホイール駆動装置を備えたホイールを車幅方向外側から見た構成を示す。
図1及び図2に示すように、車両用ホイール10は図示せぬサスペンションを介して又は直接に車体に懸架された車輪であり、車両用ホイール駆動装置20を備える。このホイール10は、円筒状のリム11と、リム11に取付けたタイヤ12と、リム11の内周面に一体に形成した中空円盤状のディスク13と、ディスク13の中心に一体に形成したハブ14とからなる。ディスク13及びハブ14は、リム11の車幅方向外寄りの位置(図1において右側)に配置したものである。さらにハブ14は、ハブ14の回転中心Wc(すなわち、ホイール10の回転中心Wc)上に貫通した通気孔14aを備える。
車両用ホイール駆動装置20は、ホイール10のリム11内(径内方)に、ホイール10を駆動する動力源であるインホイールモータ30、インホイールモータ30の動力をホイール10のハブ14に伝達するギヤ機構50、及び、ホイール10を制動するディスクブレーキ66を組込んだ構成である。
ホイール10の回転中心Wcに対し、インホイールモータ30のモータ軸36の回転中心Mcは、一定距離Diだけ偏心している。図2に示すように、ホイール10を車幅方向外側から見たときに、ホイール10の回転中心Wcに対し、モータ軸36の回転中心Mcは前上方又は後上方に有る。
図3は本発明に係る車両用ホイール駆動装置の断面図であり、図1に対応して表した。
図3に示すように、インホイールモータ30は、モータハウジング31と、モータハウジング31の内部に固定した環状のステータ32と、ステータ32に取付けた複数のコイル部33・・・と、ステータ32の内部に回転可能に配置したロータ34と、ロータ34の外周面に取付けた複数の永久磁石35・・・と、ロータ34の中心に取付けたモータ軸36と、レゾルバ37とからなる、3相ブラシレスモータである。
モータハウジング31は、図示せぬ車体に取付けてホイール10(図1参照)を支持する、固定側のホイール支持部の役割を兼ねる部材であって、互いに仕切り壁41を介して隣接したモータ収納室42及びギヤ収納室43を有する。
モータ収納室42は、ギヤ収納室43とは反対側を開口し、その開口をリッド44にて塞いだ空間であって、ステータ32、コイル部33・・・、ロータ34、永久磁石35・・・、モータ軸36及びレゾルバ37を収納することができる。モータ収納室42において、モータハウジング31は、軸受45を介してモータ軸36を回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承することができる。
なお、本発明においては、モータ収納室42を塞ぐためにモータハウジング31にボルト等で取り外し可能に取付けたリッド44も、モータハウジング31の一部であると、考えることにする。モータハウジング31及びリッド44は、熱伝導性を有する材料からなる。
モータ軸36は、モータ収納室42(モータハウジング31の中)からギヤ収納室43内へ先端部を突出するとともに、この先端部に形成されたピニオン51を備える。つまり、モータ軸36は、仕切り壁41に開けられた貫通孔41aを通して、モータ収納室42からギヤ収納室43内へ延びる。
さらにモータ軸36は、ギヤ収納室43からモータハウジング31の中へ連通する連通孔36aを有する。つまり、連通孔36aは、モータ軸36の回転中心Mc上に、且つ、その中心線Mcに沿って形成された、油流通孔である。この連通孔36aは、モータ収納室42内で径外方に開放する吐出孔36bを有する。
コイル部33・・・は、それぞれ鉄心33aとコイルボビン33bと巻線(コイル)33cとからなる電気子である。
レゾルバ37は、磁極位置検出と速度検出と回転位置検出とを行うことができるセンサである。
ところで、インホイールモータ30は、コイル部33・・・とリッド44との間を、パイプ接続部47を介し、伝熱体としての複数のヒートパイプ48・・・によって、電気的に絶縁しつつ接続した構成である。パイプ接続部47は、銅板等の熱伝導性を有する材料からなる中空円盤状の伝熱板であって、コイル部33・・・のうち、リッド44に臨む側に密接して取付けた構成である。
コイル部33・・・とモータハウジング31(リッド44を含む)との間を、ヒートパイプ48・・・によって電気的に絶縁しつつ接続したので、コイル部33・・・で発生した熱を、コイル部33・・・からヒートパイプ48・・・にてモータハウジング31に速やかに逃がし、モータハウジング31から外気に放散することができる。従って、インホイールモータ30の放熱性を、より高めることができる。
リッド44は、外面に複数の放熱フィン44a・・・を備えることによって、放熱面積を増大させたものである。コイル部33・・・からリッド44に伝わった熱を、効率良く速やかに外気に放散することができる。
ギヤ収納室43は、モータ収納室42とは反対側を開口し、ギヤ機構50を収納するとともに潤滑油を溜める空間である。ギヤ機構50は、上記ピニオン51と、このピニオン51に噛み合わせた内歯ギヤ52とからなる。
図4は本発明に係る内歯ギヤの一部を切り欠いた斜視図、図5は図4の5−5線断面図である。図4及び図5に示すように、内歯ギヤ52は、ホイール10(図1参照)の回転中心Wc上に配置した部材であって、回転中心Wc上のカップ状の放熱部53、内歯54を有する環状のギヤ部55、及び、放熱部53とギヤ部55とを繋ぐように一方の側部を閉鎖する円盤状のディスク56を一体に形成した一体成形品である。
放熱部53は、回転中心Wcに沿って横向きに配置するとともにディスク56側を開放したものであって、緩いテーパ状の筒部71と、筒部71の奥端を塞いだ平板状の底板72とからなる、有底筒状の部材である。筒部71のテーパは、底板72側に先細りとなる構成である。放熱部53の内面73、すなわち筒部71の内周面並びに底板72の内面は、外気に接触する放熱面となる。
図3に示すように、ギヤ収納室43において、モータハウジング31は、軸受57を介して内歯ギヤ52の外周面55a、すなわち、ギヤ部55の外周面55aを回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承することができる。軸受57は、モータハウジング31にボルト止めされた押さえ部材58により、抜け止めされることになる。
図3に示すように、内歯ギヤ52のディスク56は、ギヤ収納室43から露出した車幅方向外側の面(図3において右側の面)に、中空円盤状のホイール取付盤61を重ねて、複数のボルト62・・・にて取付けた構成である。ホイール取付盤61は、ホイール10の回転中心Wc上に貫通した通気孔61aを備える。
図1及び図3に示すように、ホイール取付盤61は、車幅方向外側(図1及び図3において右側)の面にブレーキディスク67及びホイール10のハブ14をこの順に重ねて、複数のボルト63・・・並びにナット64・・・によって取付けるようにした。この結果、ディスク56にハブ14を取付けることができる。このようにして、内歯ギヤ52にブレーキディスク67及びホイール10のハブ14を取付けた。
図1に示すように、中空円盤状のブレーキディスク67と、モータハウジング31に取付けたキャリパ68との、組合せ構造は、ディスクブレーキ66をなす。ディスクブレーキ66は、液圧式又は空圧式のブレーキ機構である。
図1に示すように、車両用ホイール駆動装置20において、インホイールモータ30で発生した動力は、モータ軸36からピニオン51→内歯ギヤ52→ホイール取付盤61の経路でハブ14に伝わることで、ホイール10に伝わる。このようにして、インホイールモータ30でホイール10を駆動することができる。
図1及び図3に示すように、車両用ホイール駆動装置20によれば、ホイール10を取付けた内歯ギヤ52の外周面55aを、モータハウジング31で回転可能に支承することによって、モータハウジング31にてホイール10を支承することができる。このため、モータハウジング31はホイール10を支持する、固定側のホイール支持部の役割を兼ねることができる。
内歯ギヤ52のうち、回転中心Wcから離れている外周面55aをホイール支持部31で支承したことによって、ホイール10の回転中心Wcから離れた位置でホイール10を支持することができる。従って、固定側のホイール支持部31によりホイール10を、より安定して支持することができるとともに、支持剛性を高めることができる。
次に、内歯ギヤ52の放熱作用について説明する。図1及び図3に示すように、内歯ギヤ52における放熱部53の内面73は、ホイール取付盤61の通気孔61a及びハブ14の通気孔14aを介して外気に開放している。
ホイール10におけるハブ14の回転中心Wc位置に、貫通した通気孔14aを備えたので、通気孔14aを通過した外気によって内歯ギヤ52を効率良く冷却することができる。ギヤ機構50を十分に冷却することができるので、この結果、ギヤ機構50の耐久性をより高めることができる。
さらには、内歯ギヤ52のうち、ハブ14を取付けるためのディスク56に、ハブ14の通気孔14aに臨んで膨出又は窪んだカップ状の放熱部53を備えたので、内歯ギヤ52の放熱面積を増すことができる。放熱部53は、カップ状であるから、単なる平板に比べて放熱面積が大きい。このように放熱面積が大きい放熱部53を、通気孔14aを通過した外気によって直接に冷却するので、内歯ギヤ52を一層効率良く冷却することができる。この結果、ギヤ機構50を一層十分に冷却することができる。
次に、モータ収納室42及びギヤ収納室43に溜めた潤滑油による潤滑構造について説明する。なお、当然のことながら、潤滑油は電気絶縁性を有している。
先ず、モータハウジング31の潤滑構造について説明する。
図3に示すように、モータハウジング31はモータ収納室42の上部において、飛散している潤滑油を跳ね返す油反射板81を備える。モータ収納室42の底42aはギヤ収納室43の底43aよりも高い。仕切り壁41は、モータ収納室42の底部に溜まった潤滑油が、補助室82を介してギヤ収納室43へ流出するための、側部流出孔41bを備える。側部流出孔41bの高さは、モータ収納室42の底部に若干の潤滑油が溜まる程度に設定されることになる。
図6は本発明に係るモータハウジングからリッドを外した状態で、側方から見たモータ収納室の要部側面図である。図3及び図6に示すように、モータハウジング31はモータ収納室42の底部において、最下方に配置されたコイル部33よりも若干高い位置に油仕切り板83を備える。モータ収納室42の底部に溜まっている潤滑油が上方へ飛散しても、油仕切り板83によって跳ね返されるので、ロータ34に潤滑油が飛散することを抑制することができる。
図3に示すように、さらにモータハウジング31は、仕切り壁41からギヤ収納室43へ張り出した小さい補助室82を備える。補助室82は、内歯ギヤ52における放熱部53の下方に且つ内歯54に干渉しない位置に配置するとともに、ディスク56の内壁面56aの近傍まで延びる。このような補助室82は、側部流出孔41bに連通するとともに、下面にはギヤ収納室43の底部に連通する1個又は複数の小径の下部流出孔82a・・・を有する。
モータ収納室42のうち油仕切り板83よりも下方の空間及び補助室82の組合せ構造は、モータ側油溜め室84をなす。
下部流出孔82a・・・の配置や大きさは、(1)補助室82内から、補助室82の下方にあるギヤ部55の内周面並びに内歯54の歯面に、適量の潤滑油が滴下するとともに、(2)モータ側油溜め室84に一定量の潤滑油を溜めることができるように、設定することになる。なお、モータ側油溜め室84に溜まった潤滑油の油面は、油仕切り板83の高さを上回らない。このようにして、一定量の潤滑油を溜めつつ、コイル部33が潤滑油に浸る範囲(浸漬範囲)を最小限に抑えることができる。
一方、ギヤ収納室43の底43aと補助室82の下面との間の空間は、ギヤ側油溜め室85をなす。ギヤ側油溜め室85に溜まった潤滑油にギヤ部55の下部及び軸受57の下部が浸ることによって、ギヤ機構50や軸受57を潤滑することができる。
次に、内歯ギヤ52の潤滑構造について説明する。
図4及び図5に示すように、内歯ギヤ52の放熱部53における筒部71は、外周面71aの周方向に一定ピッチで配列した、すなわち放射状に配列した複数の第1油掻き上げ溝74・・・を形成したものである。これらの第1油掻き上げ溝74・・・は、筒部71の外周面に沿って筒部71の長手方向に延びる直線状の溝であって、その溝の一端が開放し、溝の他端がディスク56の内壁面56aまで延びて第2油掻き上げ溝75・・・に連通する。
上述のように、ディスク56は内壁面56aに、回転中心Wcを基準として一定ピッチで放射状に配列した複数の第2油掻き上げ溝75・・・を形成したものである。これらの第2油掻き上げ溝75・・・は、第1油掻き上げ溝74・・・の端から、内壁面56aに沿って径外方へ一定距離だけ延びる、直線状の溝である。このように、ディスク56の径外方へ放射状に延びた第2油掻き上げ溝75・・・において、径外方の端を延出端75a・・・と言う。
回転中心Wcから延出端75aまでの距離Lgは、内歯54のピッチ径の1/2よりも小さい。より好ましい距離Lgは、ホイール10の回転中心Wcからモータ軸36の回転中心Mcまでの一定距離Diよりも若干大きい程度である。このようにすることで、第2油掻き上げ溝75のうち延出端75a又は延出端75aの近傍が、想像線にて示すモータ軸36の連通孔36aに、臨むことになる。
延出端75a・・・は、連通孔36aへ向かって湾曲した円弧状を呈する。第2油掻き上げ溝75・・・から延出端75a・・・へ流れた潤滑油を、延出端75a・・・で連通孔36aに案内して、入り易くするためである。
これらの第1・第2油掻き上げ溝74・・・,75・・・は、ギヤ収納室43内の潤滑油を掻き上げて連通孔36aに入れることが可能な形状並びに大きさであり、例えば、断面視略U字状溝(V字状溝、角状溝を含む)である。
第1油掻き上げ溝74・・・と第2油掻き上げ溝75・・・との組合せ構造は、油掻き上げ部76をなす。このようにして、内歯ギヤ52は、ギヤ収納室43内の潤滑油を掻き上げて連通孔36aに入れる油掻き上げ部76を備える。
図3に示すように、モータ軸36の先端は、内歯ギヤ52におけるディスク56の内壁面56aに対して、若干の隙間Crを有して対向している。
図7は本発明に係る潤滑構造の作用図であり、図3に対応させて表した。
図7に示すように、ギヤ側油溜め室85に溜まった潤滑油Luにギヤ部55の下部及び軸受57の下部が浸っているので、内歯ギヤ52が回転することにより、潤滑油Luでギヤ機構50や軸受57を潤滑するとともに冷却することができる。
ギヤ機構50や軸受57を潤滑した後の潤滑油Luの一部は、内歯ギヤ52の放熱部53に有する第1油掻き上げ溝74・・・に滴下する。第1油掻き上げ溝74・・・に入った潤滑油Luは、内歯ギヤ52の回転に伴う遠心力によって、周囲に飛散する、又は、第1油掻き上げ溝74・・・から第2油掻き上げ溝75・・・を伝わってその延出端75a・・・まで流れる。延出端75a・・・に流れた潤滑油Luは、ディスク56の内壁面56aに対して、若干の隙間Crを有して対向しているモータ軸36の先端へ遠心力によって飛散し、モータ軸36の連通孔36aに入る。隙間Crが小さいので、第2油掻き上げ溝75・・・からの潤滑油Luは、モータ軸36の連通孔36aに吸引し易い。
さらに潤滑油Luは、モータ軸36が回転することにより、連通孔36aを通って吐出孔36bから遠心力によってモータ収納室42へ飛散する。この結果、飛散した潤滑油Luは、モータ収納室42に収納されているインホイールモータ30の各部材に接触して冷却した後に、モータ側油溜め室84に滴下して溜まる。
モータ側油溜め室84に溜まった潤滑油Luは、側部流出孔41b→補助室82→下部流出孔82a・・・の経路でギヤ側油溜め室85に戻る。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る潤滑構造によれば、ギヤ収納室43内の潤滑油Luを内歯ギヤ52の油掻き上げ部76によって掻き上げて、モータ軸36の連通孔36aに入れることにより、この連通孔36aからモータハウジング31の中に潤滑油Luを入れることができる。
このように、ギヤ収納室43内の潤滑油Luにより、ギヤ機構50を潤滑しつつ冷却するとともに、ギヤ収納室43からモータ収納室42(モータハウジング31の中)に導入した潤滑油Luによって、インホイールモータ30をも冷却することができる。つまり、ギヤ収納室43内の潤滑油Luを、ギヤ機構50の冷却とインホイールモータ30の冷却とに、共用することができる。
ギヤ機構50を、外気で冷却するとともに潤滑油Luによっても冷却するので、ギヤ機構50をより一層効率良く冷却することができ、冷却性能が高まる。しかも、内歯ギヤ52の油掻き上げ部76により、ギヤ収納室43からモータハウジング31の中へ潤滑油Luを導入することができる。従って、ポンプ等の別部材からなる潤滑油供給装置を設けることなく、インホイールモータ30をも効率良く冷却することができる。
本発明の実施の形態において、内歯ギヤ52のディスク56は、ホイール10の通気孔14aに臨んで膨出又は窪んだカップ状の放熱部53を備えた構成であればよい。
本発明の車両用ホイール駆動装置20は、ホイール10におけるリム11の内側に、動力源としてのインホイールモータ30を配置することによって、動力源からホイール10への動力伝達系統を簡略化することができるので、電気自動車に好適である。
本発明に係る車両用ホイール駆動装置を備えたホイールの断面図である。 図1の2矢視図である。 本発明に係る車両用ホイール駆動装置の断面図である。 本発明に係る内歯ギヤの一部を切り欠いた斜視図である。 図4の5−5線断面図である。 本発明に係るモータハウジングからリッドを外した状態で、側方から見たモータ収納室の要部側面図である。 本発明に係る潤滑構造の作用図である。 従来の車両用ホイール駆動装置の概要図である。
符号の説明
10…ホイール、11…リム、14…ハブ、14a…通気孔、20…車両用ホイール駆動装置、30…インホイールモータ、31…モータハウジング、32…ステータ、34…ロータ、36…モータ軸、36a…連通孔、42…モータハウジングの中(モータ収納室)、43…ギヤ収納室、50…ギヤ機構、51…ピニオン、52…内歯ギヤ、53…放熱部、56…ディスク、76…油掻き上げ部、Lu…潤滑油、Mc…モータ軸の回転中心、Wc…ホイールの回転中心(ハブの回転中心)。

Claims (3)

  1. インホイールモータと、このインホイールモータの動力をホイールのハブに伝達するギヤ機構とを、前記ホイールのリム内に組込んだ車両用ホイール駆動装置であって、前記ホイールの回転中心に対し、前記インホイールモータのモータ軸の回転中心が偏心している車両用ホイール駆動装置において、
    前記ギヤ機構は、前記モータ軸に設けたピニオンと、このピニオンに噛み合わせた内歯ギヤとからなり、
    この内歯ギヤは、その外周面を前記インホイールモータのモータハウジングにて回転可能に支承するとともに、前記ハブを取付け、
    このハブは、ハブの回転中心上に貫通した通気孔を備えることで、通気孔を通過した外気によって内歯ギヤを冷却するように構成したことを特徴とする車両用ホイール駆動装置。
  2. 前記内歯ギヤは、一方の側部を閉鎖する円盤状のディスクを一体に形成することで、このディスクに前記ハブを取付けるようにした構成であり、
    前記ディスクは、前記通気孔に臨んで膨出又は窪んだカップ状の放熱部を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両用ホイール駆動装置。
  3. 前記モータハウジングは、前記ギヤ機構を収納するとともに潤滑油を溜めるギヤ収納室を備え、
    前記モータ軸は、前記モータハウジングの中から前記ギヤ収納室へ突出するとともに、このギヤ収納室から前記モータハウジングの中へ連通する連通孔を有し、
    前記内歯ギヤは、前記ギヤ収納室内の潤滑油を掻き上げて前記連通孔に入れる油掻き上げ部を備えていることを特徴とした請求項1又は請求項2記載の車両用ホイール駆動装置。
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