JP4565433B2 - 液処理装置および液処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハやLCD基板等の各種基板に対して洗浄処理等の所定の液処理を施す液処理装置および液処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスの製造プロセスにおいては半導体ウエハ(ウエハ)を所定の薬液や純水等の洗浄液によって洗浄し、ウエハからウエハに付着したパーティクル、有機汚染物、金属不純物等のコンタミネーション、エッチング処理後のポリマー等を除去する洗浄システムが使用されている。
【0003】
このような洗浄システムに備えられるウエハ洗浄装置として、略水平に保持されたウエハを回転させて洗浄処理を行う枚葉式のウエハ洗浄装置が知られている。例えば、特開平8−78368号公報(特許文献1)には、スピンチャック上に設置された複数の支持ピンによりウエハを支持して、ウエハの表面およびウエハとスピンチャックの間隙にそれぞれ洗浄液を供給することにより、ウエハの両面を同時に洗浄することができるウエハ洗浄装置が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−78368号公報(第3−5項、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1に開示されたウエハ洗浄装置では、ウエハにおいて支持ピンが当接している部分に洗浄液が行き渡らないために洗浄処理の行われない部分が残る問題がある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、液処理の行われない部分が発生することを防止できる液処理装置および液処理方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明の第1の観点によれば、基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、
基板を所定の支持位置に略水平に支持する支持手段と、
前記基板の端面を保持して前記支持手段との間で基板の受け渡しを行い、保持した基板を前記支持位置よりも上方の保持位置に前記支持手段から所定距離浮かせた状態で略水平に保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された基板に所定の処理液を供給する処理液供給手段と、
を具備し、
前記保持手段は、前記基板の端面を保持する爪部を有し、
前記爪部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の壁面部と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の壁面部とを有し、これら壁面部により前記保持位置となる溝が規定され、
前記爪部は、2箇所に、水平方向に所定距離離れて設けられ、
前記保持手段により基板が保持される際には、前記支持手段に支持された基板に対し、前記爪部が外側から内側に向かって移動し、その際に、基板が前記下側の壁面部に案内されて上昇し、前記上側および下側の壁面部により基板が挟み込まれた状態で基板が前記保持位置に保持されることを特徴とする液処理装置が提供される。
【0008】
本発明の第2の観点によれば、基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、
回転自在な回転プレートと、
前記回転プレートに設けられ、基板の周縁部の所定位置において基板を所定の支持位置に略水平に支持する支持部材と、
前記回転プレートに設けられ、基板を略水平に保持する保持部材と、
前記保持部材に保持された基板に所定の処理液を供給する処理液供給手段と、
前記支持部材に支持された基板が前記支持部材から離隔して前記保持部材に保持され、前記保持部材に保持された基板が前記保持部材から離隔して前記支持部材に支持されるように前記保持部材を動かす駆動機構と、
前記保持部材により、前記支持部材による支持位置と離隔した保持位置に基板が保持されるように前記保持部材を所定位置で保持する保持機構と、
を具備し、
前記保持部材は、前記基板の端面を保持する爪部を有し、
前記爪部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の壁面部と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の壁面部とを有し、これら壁面部により前記保持位置となる溝が規定され、
前記爪部は、2箇所に、水平方向に所定距離離れて設けられ、
前記保持部材により基板が保持される際には、前記支持部材に支持された基板に対し、前記爪部が外側から内側に向かって移動し、その際に、基板が前記下側の壁面部に案内されて上昇し、前記上側および下側の壁面部により基板が挟み込まれた状態で基板が前記保持位置に保持されることを特徴とする液処理装置が提供される。
【0009】
本発明の第3の観点によれば、基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、
回転自在な回転プレートと、
前記回転プレートの外周に設けられ、前記回転プレートの回転軸と平行な回転軸回りに回動可能な保持部材本体と、
前記保持部材本体に設けられ、基板の周縁部の所定位置において基板を所定の支持位置に略水平に支持する支持部と、
前記保持部材本体に設けられ、前記支持部に支持された状態で前記基板の外周縁を半径方向内方へ押圧する押圧部と、
前記保持部材本体に設けられ、前記基板の外周縁を前記支持位置よりも上方の保持位置で略水平に保持する保持部と、
前記保持部に保持された基板に所定の処理液を供給する処理液供給装置と、
前記支持部で前記基板を支持できるように、前記保持部材を所定の位置に固定する固定機構と、
前記固定機構を解除した際に、前記支持部で前記基板を支持しながら前記押圧部で前記基板を押圧できるように前記保持部材を回動させる付勢機構と、
前記回転プレートが高速回転したときに、前記押圧部を前記基板の外周縁から後退させるとともに、前記保持部を前記基板の外周縁に係合させ、前記基板を前記支持部から離隔した状態で保持するように、遠心力によって前記保持部材本体を回動させる遠心おもりと、
を具備し、
前記保持部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の傾斜面と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の傾斜面とを有し、これら傾斜面により前記保持位置となる断面V字状の溝が規定され、
前記回転プレートが高速回転して前記保持部が前記基板の外周縁に係合された際に、基板が前記下側の傾斜面に案内されて上昇し、これら2つの傾斜面によって、基板の上面と外周面とが交わる稜線と、基板の下面と外周面とが交わる稜線とが接触するように基板が保持されることを特徴とする液処理装置が提供される。
【0010】
本発明の第4の観点によれば、基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、
回転自在な回転プレートと、
前記回転プレートの外周に設けられ、前記回転プレートの回転軸と平行な回転軸回りに回動可能な保持部材本体と、
前記保持部材本体に設けられ、基板の周縁部の所定位置において基板を所定の支持位置に略水平に支持する支持部と、
前記保持部材本体に設けられ、基板を略水平に保持する保持部と、
前記保持部に保持された基板に所定の処理液を供給する処理液供給装置と、
前記保持部に保持された基板が前記保持部から離隔して前記支持部に支持されるように前記保持部材本体を回動する駆動機構と、
前記支持部に支持された基板が前記支持部による支持位置よりも上方の前記支持部から離隔した保持位置において前記保持部に保持されるように前記保持部材を回動する付勢機構と、
を具備し、
前記保持部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の傾斜面と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の傾斜面とを有し、これら傾斜面により前記保持位置となる断面V字状の溝が規定され、
前記回転プレートが高速回転して前記保持部が前記基板の外周縁に係合された際に、基板が前記下側の傾斜面に案内されて上昇し、これら2つの傾斜面によって、基板の上面と外周面とが交わる稜線と、基板の下面と外周面とが交わる稜線とが接触するように基板が保持されることを特徴とする液処理装置が提供される。
【0011】
本発明の第5の観点によれば、基板に液処理を施す方法であって、
基板を支持する支持部材に所定の支持位置で略水平に基板を支持させる第1工程と、
基板を保持する保持部材に前記支持部材に支持された基板を前記支持位置より上方の保持位置に前記支持部材から離隔させて略水平に保持させる第2工程と、
前記保持部材に保持された基板に処理液を供給する第3工程と、
を有し、
前記保持部材は、前記基板の端面を保持する爪部を有し、
前記爪部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の壁面部と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の壁面部とを有し、これら壁面部により前記保持位置となる溝が規定され、
前記第2工程は、前記支持部材に支持された基板に対し、前記爪部を外側から内側に向かって移動させ、その際に、基板が前記下側の壁面部に案内されて上昇し、前記上側および下側の壁面部により基板が挟み込まれた状態で基板が前記保持位置に保持され、
前記支持部材が前記基板の裏面に当接することによって液処理の行われない部分が発生することを抑制することを特徴とする液処理方法が提供される。
【0012】
本発明の第6の観点によれば、基板に液処理を施す方法であって、
基板を支持する支持部材に所定の支持位置で略水平に基板を支持させる第1工程と、
基板を保持する保持部材に前記支持部材に支持された基板を前記支持位置より上方の保持位置に前記支持部材から離隔させて略水平に保持させる第2工程と、
前記保持部材に保持された基板の裏面と所定距離離れて前記基板の裏面と略平行にプレート部材を配置する第3工程と、
前記保持部材に保持された基板の裏面と前記プレート部材との間に処理液を供給する第4工程と、
前記保持部材に保持された基板を所定の回転数で回転させる第5工程と、
を有し、
前記保持部材は、前記基板の端面を保持する爪部を有し、
前記爪部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の壁面部と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の壁面部とを有し、これら壁面部により前記保持位置となる溝が規定され、
前記第2工程は、前記支持部材に支持された基板に対し、前記爪部を外側から内側に向かって移動させ、その際に、基板が前記下側の壁面部に案内されて上昇し、前記上側および下側の壁面部により基板が挟み込まれた状態で基板が前記保持位置に保持され、
前記支持部材が前記基板の裏面に当接することによって液処理の行われない部分が発生することを抑制することを特徴とする液処理方法が提供される。
【0013】
このような液処理装置および液処理方法によれば、基板を支持せずに端面で保持した状態において液処理を行うことができるために、処理液が行き渡らない未処理部分の発生を防止することができる。これにより基板の均一な液処理が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施の形態では、本発明を、ウエハの搬入から洗浄/乾燥処理、搬出を一貫して行う洗浄処理システムに備えられ、ウエハの表裏面を同時に洗浄処理することができる洗浄処理ユニットに適用した場合について説明する。
【0015】
図1から図13の各図は、本発明の第1の実施の形態に関するものである。図1は洗浄処理システム1の概略構造を示す平面図であり、図2はその側面図である。洗浄処理システム1は、ウエハWに洗浄処理および洗浄処理後の熱的処理を施す洗浄処理部2と、洗浄処理部2に対してウエハWを搬入出する搬入出部3から構成されている。搬入出部3は、複数枚、例えば25枚のウエハWを所定の間隔で略水平に収容可能なフープ(FOUP;front opening unified pod)Fを載置するための載置台6が設けられたイン・アウトポート4と、載置台6に載置されたフープFと洗浄処理部2との間でウエハWの受け渡しを行うウエハ搬送装置7が備えられたウエハ搬送部5から構成されている。
【0016】
フープFにおいて、ウエハWはフープFの1側面を通して搬入出され、この側面には開閉可能な蓋体が設けられている。またウエハWを所定間隔で保持するための棚板がフープFの内壁に設けられており、ウエハWを収容する25個のスロットが形成されている。ウエハWは表面(半導体デバイスを形成する面をいうものとする)が上面(ウエハWを水平に保持した場合に上側となっている面をいうものとする)となっている状態で各スロットに1枚ずつ収容される。
【0017】
イン・アウトポート4の載置台6上には、例えば、3個のフープFをY方向に並べて所定位置に載置することができるようになっている。フープFは蓋体が設けられた側面をイン・アウトポート4とウエハ搬送部5との境界壁8側に向けて載置される。境界壁8においてフープFの載置場所に対応する位置には窓部9が形成されており、窓部9のウエハ搬送部5側には窓部9を開閉するシャッタ10が設けられている。
【0018】
シャッタ10は、フープFに設けられた蓋体もまた開閉可能であり、窓部9の開閉と同時にフープFの蓋体をも開閉する。フープFが載置台6の所定位置に載置されていないときにはシャッタ10が動作しないように、シャッタ10にインターロックを設けることが好ましい。窓部9を開口してフープFのウエハ搬入出口とウエハ搬送部5とを連通させると、ウエハ搬送部5に設けられたウエハ搬送装置7のフープFへのアクセスが可能となり、ウエハWの搬送を行うことが可能な状態となる。窓部9の上部には図示しないウエハ検査装置が設けられており、フープF内に収納されたウエハWの枚数と状態をスロット毎に検出することができるようになっている。このようなウエハ検査装置はシャッタ10に装着させることも可能である。
【0019】
ウエハ搬送部5に設けられたウエハ搬送装置7はY方向に移動可能である。またウエハ搬送装置7はウエハWを保持する副搬送アーム11を有し、この副搬送アーム11はX方向にスライド自在であり、かつ、Z方向に昇降可能であり、かつ、X−Y平面内(θ方向)で回転自在となっている。これによりウエハ搬送装置7を載置台6に載置された任意のフープFと対向する位置へ移動させて、副搬送アーム11を対向しているフープFの任意の高さのスロットにアクセスさせることができる。また、ウエハ搬送装置7を洗浄処理部2に設けられた2台のウエハ受渡ユニット(TRS)16・17(ウエハ受渡ユニット(TRS)17の位置は後に示す図3参照)と対向する位置に移動させて、副搬送アーム11をウエハ受渡ユニット(TRS)16・17にアクセスさせることができる。つまり、ウエハ搬送装置7は、フープFに対してウエハWの搬入出を行い、また洗浄処理部2側から搬入出部3側へ、逆に搬入出部3から洗浄処理部2側へウエハWを搬送する。
【0020】
洗浄処理部2は、ウエハ搬送部5との間でウエハWの受け渡しを行うためにウエハWを一時的に載置する2台のウエハ受渡ユニット(TRS)16・17と、ウエハWの表面と裏面を同時に洗浄処理する4台の洗浄処理ユニット(CLN)12・13・14・15と、洗浄処理後のウエハWを加熱処理する3台のホットプレートユニット(HP)19・20・21(ホットプレートユニット(HP)20・21の位置は後に示す図3参照)と、加熱されたウエハWを冷却する冷却ユニット(COL)22(冷却ユニット(COL)22の位置は後に示す図3参照)と、これら全てのユニットにアクセス可能であり、これらのユニット間でウエハWの搬送を行う主ウエハ搬送装置18と、を有している。
【0021】
また洗浄処理部2には、洗浄処理システム1全体を稼働させるための電源である電源ユニット(PU)23と、洗浄処理システム1を構成する各ユニットおよび洗浄処理システム1全体の動作・制御を行う機械制御ユニット(MCU)24と、洗浄処理ユニット(CLN)12〜15に送液する所定の洗浄液を貯蔵する薬液貯蔵ユニット(CTU)25が設けられている。電源ユニット(PU)23は図示しない主電源と接続される。洗浄処理部2の天井には、各ユニットおよび主ウエハ搬送装置18に、清浄な空気をダウンフローするためのフィルターファンユニット(FFU)26が設けられている。
【0022】
なお、薬液貯蔵ユニット(CTU)25と電装ユニット(PU)23と機械制御ユニット(MCU)24を洗浄処理部2の外側に設置することによって、または外部に引き出すことによって、この面(Y方向側面)からウエハ受渡ユニット(TRS)16・17、主ウエハ搬送装置18、ホットプレートユニット(HP)19〜21、冷却ユニット(COL)22のメンテナンスを容易に行うことができる。
【0023】
図3はウエハ受渡ユニット(TRS)16・17と、ウエハ受渡ユニット(TRS)16・17のX方向に隣接する主ウエハ搬送装置18と、ホットプレートユニット(HP)19〜21と、冷却ユニット(COL)22の概略配置を示す断面図である。ウエハ受渡ユニット(TRS)16・17は上下2段に積み重ねられて配置されており、例えば、下段のウエハ受渡ユニット(TRS)17は、ウエハ搬送部3側から洗浄処理部2側へ搬送するウエハWを載置するために用い、一方、上段のウエハ受渡ユニット(TRS)16は、洗浄処理部2側からウエハ搬送部3側へ搬送するウエハWを載置するために用いることができる。
【0024】
フィルターファンユニット(FFU)26からのダウンフローの一部は、ウエハ受渡ユニット(TRS)16・17と、その上部の空間を通ってウエハ搬送部5に向けて流出する。これにより、ウエハ搬送部5から洗浄処理部2へのパーティクル等の侵入が防止され、洗浄処理部2の清浄度が保持されるようになっている。
【0025】
主ウエハ搬送装置18は、Z方向に延在する垂直壁27・28およびこれらの間の側面開口部29を有する筒状支持体30と、その内側に筒状支持体30に沿ってZ方向に昇降自在に設けられたウエハ搬送体31とを有している。筒状支持体30はモータ32の回転駆動力によって回転可能となっており、それに伴ってウエハ搬送体31も一体的に回転されるようになっている。
【0026】
ウエハ搬送体31は、搬送基台33と、搬送基台33に沿って前後に移動可能な3本の主搬送アーム34・35・36とを備えており、主搬送アーム34〜36は、筒状支持体30の側面開口部29を通過可能な大きさを有している。これら主搬送アーム34〜36は、搬送基台33内に内蔵されたモータおよびベルト機構によってそれぞれ独立して進退移動することが可能となっている。ウエハ搬送体31は、モータ37によってベルト38を駆動させることにより昇降する。
なお、符号39は駆動プーリー、40は従動プーリーである。
【0027】
ウエハWの強制冷却を行う冷却ユニット(COL)22の上には、ホットプレートユニット(HP)19〜21が3台積み重ねられて設けられている。なお、ウエハ受渡ユニット(TRS)16・17の上部の空間に、ホットプレートユニット(HP)19〜21と冷却ユニット(COL)22を設けることも可能である。この場合には、図1と図3に示されるホットプレートユニット(HP)19〜21および冷却ユニット(COL)22の位置をその他のユーティリティ空間として利用することができる、
【0028】
洗浄処理ユニット(CLN)12〜15は、上下2段で各段に2台ずつ設けられている。洗浄処理ユニット(CLN)12と洗浄処理ユニット(CLN)14は、その境界をなしている壁面41に対してほぼ対称な構造を有しており、このことは洗浄処理ユニット(CLN)13と洗浄処理ユニット(CLN)15についても同様である。また洗浄処理ユニット(CLN)12〜15は同等の構成(部材および機能)を備えている。そこで、洗浄処理ユニット(CLN)12を例として、以下にその構造について詳細に説明することとする。
【0029】
図4は洗浄処理ユニット(CLN)12の概略平面図であり、図5はその概略断面図である。洗浄処理ユニット(CLN)12はハウジング42を有し、ハウジング42の内部にはアウターチャンバ43と、薬液アーム格納部44と、リンス乾燥アーム格納部45とが設けられている。
【0030】
ハウジング42には窓部46´が形成されており、この窓部46´は第1シャッタ46により開閉自在となっている。図4および同5にはこの第1シャッタ46を駆動する機構は図示していない。主搬送アーム34(または35、36)は洗浄処理ユニット(CLN)12に対してこの窓部46´を通してウエハWを搬入出し、窓部46´はウエハWの搬入出時以外は第1シャッタ46によって閉塞された状態に保持される。なお、第1シャッタ46はハウジング42の内部から窓部46´を開閉するようになっている。これによりハウジング42の内部が陽圧になった場合におけるハウジング42内の雰囲気の外部への漏洩が防止される。
【0031】
ウエハWの洗浄処理はアウターチャンバ43の内部において行われる。アウターチャンバ43には窓部47´が形成され、この窓部47´は図示しないシリンダ駆動機構等によって移動可能な第2シャッタ47によって開閉自在となっている。主搬送アーム34(または35、36)は、この窓部47´を通してアウターチャンバ43内に進入/退出して、アウターチャンバ43の内部に設けられたスピンチャック59に対してウエハWの受け渡しを行い、窓部47´はウエハWの受け渡し時以外は第2シャッタ47によって閉塞された状態に保持される。
【0032】
第2シャッタ47はアウターチャンバ43の内部から窓部47´を開閉するようになっているために、アウターチャンバ43内が場圧になった場合にも、アウターチャンバ43内部の雰囲気が外部に漏れ出ないようになっている。なお、第1シャッタ46と第2シャッタ47とを共通の駆動機構によって駆動し、窓部46´と窓部47´を同時に開閉するようにしてもよい。
【0033】
アウターチャンバ43の上壁には、アウターチャンバ43内に窒素ガス(N)を供給するガス供給機構86が設けられている。このガス供給機構86は、アウターチャンバ43内にダウンフローを形成し、スピンチャック59に保持されたウエハWに供給された薬液が蒸発してアウターチャンバ43内に充満することを防止する役割を果たす。またこのようなダウンフローを形成することによって、ウエハWの表面にウォーターマークが生じ難くなるという効果も得られる。
【0034】
アウターチャンバ43内には、ウエハWを収容する処理カップ58と、処理カップ58内においてウエハWを保持するスピンチャック59と、スピンチャック59に保持されたウエハWの裏面と所定間隔で対向可能なアンダープレート63と、スピンチャック59に保持されたウエハWの表面と所定間隔で対向可能なトッププレート60が設けられている。
【0035】
処理カップ58は、上部にテーパー部が形成され、底壁にドレイン58aが形成された構造を有している。処理カップ58は、スピンチャック59に保持されたウエハWよりも上方に位置し、かつ、テーパー部がウエハWを囲繞する位置(図5において実線で示される位置、以下「処理位置」という)と、上端がスピンチャック59に保持されたウエハWよりも下側の位置(図5において点線で示される位置、以下「退避位置」という)との間で昇降自在となっている。
【0036】
処理カップ58は、主搬送アーム34とスピンチャック59との間でウエハWの受け渡しが行われる際には主搬送アーム34の進入/退出を妨げないように退避位置に保持され、一方、スピンチャック59に保持されたウエハWの液処理が行われる際には処理位置に保持されて、ウエハWに供給された洗浄液が周囲に飛散することを防止し、またウエハWの洗浄処理に用いられた洗浄液をドレイン58aへと導く。ドレイン58aには、図示しない洗浄液回収ラインと排気ダクトが接続されており、処理カップ58内で発生するミスト等のアウターチャンバ43内への拡散が防止され、また洗浄液が回収または廃棄(排液)されるようになっている。
【0037】
スピンチャック59は、回転プレート61と、回転プレート61と接続された回転筒体62とを有し、ウエハWを支持する支持部材64aとウエハWを保持する保持部材64bが回転プレート61の周縁部に取り付けられている。支持部材64aは、ウエハWを確実に支持する観点から、少なくとも3箇所に設けることが好ましい。同様に保持部材64bもウエハWを確実に保持する観点から、少なくとも3箇所に設けることが好ましい。回転筒体62の外周面にはベルト65が巻回されており、ベルト65をモータ66によって周動させることにより、回転筒体62および回転プレート61を回転させて、保持部材64bに保持されたウエハWを回転させることができるようになっている。
【0038】
図6は支持部材64aの形状および支持部材64aの回転プレート61への取り付け状態を示す断面図(a)および背面図(b)である。支持部材64aは、回転プレート61から上方に突出した支柱部110と、支柱部110の下方に支柱部110と一体的に設けられたベース部111と有する。回転プレート61の周縁には支柱部110の嵌め込みが可能な大きさの切り欠き部61aが設けられており、支柱部110の回転プレート61の外周からのはみ出し部分が少なくなるようになっている(図4参照)。これにより回転プレート61を高速回転させた場合に、支持部材64aに掛かる遠心力によって回転プレート61に撓みが生ずることを抑制することができる。ベース部111は回転プレート61の裏面にネジ118aにより取り付けられて固定されている。
【0039】
図7は支柱部110の側面図(a)と平面図(b)である。支柱部110の上部には、ウエハWの裏面に当接してウエハWを支持する支持部112と、支持部112に支持されたウエハWの端面をガイドする所定高さの壁部113が形成されている。図4、図5および図7(b)に示されるように、支柱部110の側面110´には、回転プレート61を回転させたときの空気抵抗が小さくなるように傾斜が設けられている。
【0040】
支柱部110は、図8の平面図に示すように、その側面110´を曲面状に形成することも好ましい。これによっても、回転時の空気抵抗を小さくすることができるため、モータ66への負荷を軽減し、大きな騒音の発生を抑制することができる。
【0041】
図9は保持部材64bの形状と保持部材64bの回転プレート61の取り付け状態を示す断面図(a)および背面図(b)である。保持部材64bは、回転プレート61から上方に突出した支柱部115と、支柱部115と連通して支柱部115の下側に設けられたベース部116とを有している。回転プレート61の周縁には支柱部115の嵌め込みが可能な大きさの切り欠き部61bが設けられている。これにより支柱部115の回転プレート61の外周からのはみ出し部分が少なくなっており(図4参照)、回転プレート61を高速回転させた際に保持部材64bに掛かる遠心力によって回転プレート61に撓みが生ずることが抑制される。
【0042】
支柱部115の先端にはウエハWの端面を保持する爪部117が設けられている。ベース部116には貫通孔116aが形成されている。さらにベース部116には金属塊122が埋設されており、この金属塊122は、後に説明するように、支柱部115とベース部116の重心の位置を調整する機能を有する。
【0043】
図10は支柱部115の側面図(a)と平面図(b)である。爪部117はウエハWの表裏面のエッジを斜め上方および斜め下方から挟み込むようにしてウエハWに当接する所定角度傾斜した壁面117a・117bを有している。ウエハWは壁面117a・117bによって形成される溝に挟まれて保持され、これによりウエハWを保持した状態でウエハWが上下方向へ移動することを防止することができる。この壁面117a・117bによって形成される溝は、ウエハWを保持した際に、支持部112よりも高い位置にある。
【0044】
この爪部117は各保持部材64bに2箇所ずつ水平方向に所定距離離れて設けられている。爪部117が1箇所のみ設けられている場合には、この爪部117がウエハWに設けられたノッチ131の部分を保持することとなった場合にウエハWを確実に保持することができなくなる問題を生ずる。しかし、所定距離離れた2箇所の爪部117でウエハWを保持することによって、ウエハWに形成されたノッチ131の位置に関係なく、確実にウエハWを保持することができる。
【0045】
支持部材64aの支柱部110と同様に、保持部材64bの支柱部115の側面にも回転プレート61を回転させたときの空気抵抗が小さくなるように傾斜が設けられている(図4および図5参照)。支柱部115の側面は、支持部材64aの支柱部110と同様に曲面状に形成してもよい。これによって回転時に支柱部115の受ける空気抵抗が小さくなるために、回転時のぶれの発生を抑制して確実にウエハWを保持することができ、またモータ66への負荷が軽減され、さらに空気抵抗による大きな騒音の発生が抑制される。
【0046】
回転プレート61の裏面には枢軸部材119aを有する連結部材119がネジ118bによって固定されており、保持部材64bは貫通孔116aに枢軸部材119aを通した状態で回転プレート61に取り付けられている。一方、ベース部116の端部近傍において、ベース部116と回転プレート61との間にバネ120が設けられており、このバネ120の下方にベース部116の下面を上方に向かって押圧するシリンダ等の押圧機構121(図4および図5に図示せず)が設けられている。
【0047】
押圧機構121を上方へ移動させてベース部116の端部を回転プレート61に押し付けると、バネ120が縮んで保持部材64b全体が枢軸部材119a回りに所定角度回動する。このとき爪部117は回転プレート61の外側へ移動する。一方、押圧機構121を下方へ移動させるとバネ120が伸びて、爪部117が回転プレート61の内側へ移動するように、保持部材64b全体が枢軸部材119a回りに所定角度回動する。このように、バネ120と押圧機構121は、爪部117の位置を調節する機能を有する。
【0048】
なお、保持部材64bにおいては、支柱部115とベース部116の重さを同等とすることが好ましい。つまり、保持部材64bの重心が保持部材64bを回転プレート61に取り付けた際の回転プレート61の下面と同じ高さ位置にくる構造とすることが好ましい。これにより回転プレート61を回転させた際に支柱部115に作用する遠心力とベース部116に作用する遠心力の大きさを同等として、ウエハWを保持する力を一定に保持することができる。
【0049】
これに対して、回転プレート61の回転時にウエハWを保持する力を強めたい場合には、ベース部116の重さを重くし、逆に回転時のウエハWの保持力を弱めたい場合には、支柱部115の重さを重くすればよい。このような支柱部115とベース部116の重量バランスの調整のために、例えば、保持部材64bを樹脂で形成する場合には、支柱部115またはベース部116に比重の異なる材料、例えば、金属材料(図9に示す金属塊122)を埋設することも好ましい。
【0050】
アンダープレート63は回転プレート61の中央部および回転筒体62内を貫挿して設けられたシャフト67に接続されている。シャフト67は水平板68の上面に固定されており、この水平板68はシャフト67と一体的にエアーシリンダ等を有する昇降機構69により鉛直方向に昇降可能となっている。またアンダープレート63およびシャフト67には、薬液や純水などの洗浄液や乾燥ガスをウエハWに向けて供給する下部洗浄液供給路75が設けられている。
【0051】
スピンチャック59と主搬送アーム34との間でウエハWの受け渡しが行われる際には、アンダープレート63は主搬送アーム34と衝突しないように、回転プレート61に近接する位置に降下される。またウエハWの裏面に対して洗浄処理を行う際には、アンダープレート63は保持部材64bに保持されたウエハWの裏面に近接する位置へ上昇され、ウエハWへ洗浄液等を下部洗浄液供給路75を通して吐出する。なお、アンダープレート63を所定高さに固定し、回転筒体62を昇降させることによって、保持部材64bに保持されたウエハWとアンダープレート63との間隔を洗浄処理の進行に合わせて調整してもよい。
【0052】
トッププレート60は枢軸70の下端に接続されており、水平板71に設けられたモータ72によって回転可能となっている。枢軸70は水平板71の下面に回転自在に支持され、この水平板71はアウターチャンバ43の上壁に固定されたエアーシリンダ等からなる昇降機構73により鉛直方向に昇降可能である。トッププレート60と枢軸70には、例えば、薬液や純水等の洗浄液や乾燥ガスを供給する上部洗浄液供給路85が設けられている。
【0053】
スピンチャック59と主搬送アーム34との間でウエハWの受け渡しが行われる際には、トッププレート60が主搬送アーム34と衝突しないように、アウターチャンバ43の上壁に近い位置に保持される。またウエハWの表面(上面)に対して洗浄処理を行う際には、トッププレート60は保持部材64bに保持されたウエハWの表面に近接する位置へ降下され、ウエハWへ洗浄液等を上部洗浄液供給路85を通して吐出する。
【0054】
薬液アーム格納部44には、窓部48´と、窓部48´を図示しない駆動機構によって開閉する第3シャッタ48とが設けられている。薬液アーム格納部44をアウターチャンバ43と雰囲気隔離するときは、この第3シャッタ48が閉じられる。リンス乾燥アーム格納部45には窓部49´と、窓部49´を図示しない駆動機構によって開閉する第4シャッタ49とが設けられている。リンス乾燥アーム格納部45をアウターチャンバ43と雰囲気隔離するときは、この第4シャッタ49が閉じられる。
【0055】
薬液アーム格納部44内には薬液供給系アーム50が格納されており、薬液供給系アーム50には薬液供給ノズル51とリンスノズル52が取り付けられている。薬液供給ノズル51からは薬液とNを吐出することができ、リンスノズル52からはIPAと純水を吐出することができるようになっている。薬液供給系アーム50は回動して薬液供給ノズル51とリンスノズル52をアウターチャンバ43内へ進入させ、スピンチャック59に保持されたウエハWの少なくとも中心と周縁部との間で薬液供給ノズル51とリンスノズル52をスキャンさせることができるようになっている。
【0056】
薬液供給系アーム50は、ウエハWの洗浄処理時以外は薬液アーム格納部44に保持される。薬液アーム格納部44は常時薬液雰囲気となるために、薬液供給系アーム50には耐食性部品が使用されている。なお、薬液供給系アーム50にさらに別の薬液等を吐出可能な別のノズルを設けることも可能である。また薬液供給系アーム50の回動動作のタイミングに合わせて、第3シャッタ48が窓部48´を開閉するようにこれらを制御することも好ましい。
【0057】
リンス乾燥アーム格納部45にはリンス乾燥アーム53が格納されており、このリンス乾燥アーム53には、N供給ノズル54とリンスノズル55が設けられている。N供給ノズル54からはNを吐出することができ、リンスノズル55からはIPAと純水を吐出することができるようになっている。リンス乾燥アーム53は回動してN供給ノズル54とリンスノズル55をアウターチャンバ43内へ進入させ、スピンチャック59に保持されたウエハWの少なくとも中心と周縁部との間でN供給ノズル54とリンスノズル55をスキャンさせることができるようになっている。
【0058】
リンス乾燥アーム53は、ウエハWの洗浄処理時以外はリンス乾燥アーム格納部45に保持される。リンス乾燥アーム格納部45は薬液雰囲気ではないが、リンス乾燥アーム53には耐食性部品を使用することは好ましい。なお、リンス乾燥アーム53には、さらに別の薬液等を吐出可能な別のノズルを設けることも可能である。またリンス乾燥アーム53の回動動作のタイミングに合わせて、第4シャッタ49により窓部49´が開閉するように、これらを制御することも好ましい。
【0059】
薬液アーム格納部44には薬液供給系アーム洗浄装置56が設けられ、薬液供給ノズル51を適宜洗浄することができるようになっている。薬液供給ノズル51を洗浄するときは第3シャッタ48が閉じられ、薬液アーム格納部44内の雰囲気がハウジング42とアウターチャンバ43に漏出しないようにようになっている。またリンス乾燥アーム格納部45にはリンス乾燥アーム洗浄装置57が設けられ、リンスノズル55を適宜洗浄することができる。リンスノズル55を洗浄するときは第4シャッタ49が閉じられ、リンス乾燥アーム格納部45の雰囲気がハウジング42とアウターチャンバ43に漏出しないようになっている。
【0060】
次に、洗浄処理システム1におけるウエハWの洗浄工程について説明する。図11はこの洗浄処理工程の概要を示すフローチャートである。最初に、図示しない搬送ロボットやオペレータによって、未洗浄のウエハWが収納されたフープFがイン・アウトポート4の載置台6上の所定位置に載置される(ステップ1)。
この載置台6に載置されたフープFから副搬送アーム11によって1枚ずつウエハWが取り出され(ステップ2)、取り出されたウエハWはウエハ受渡ユニット(TRS)16・17の一方、例えば、ウエハ受渡ユニット(TRS)16に搬送される(ステップ3)。主ウエハ搬送装置18は、主搬送アーム34〜36のいずれか、例えば、主搬送アーム34によって、ウエハ受渡ユニット(TRS)16に載置されたウエハWを取り出し(ステップ4)、洗浄処理ユニット(CLN)12〜15のいずれか、例えば、洗浄処理ユニット(CLN)12に搬入する(ステップ5)。
【0061】
このステップ5は以下に説明するように大略的にステップ5a〜ステップ5hに分けて行われる。図11にはこのステップ5a〜ステップ5hの工程は別枠で示されている。最初にハウジング42に設けられた第1シャッタ46と、アウターチャンバ43に設けられた第2シャッタ47とを開く(ステップ5a)。このステップ5aとほぼ同時またはその前に、処理カップ58を退避位置に保持し、アンダープレート63を降下させた位置に保持し、トッププレート60をアウターチャンバ43の上壁に近い位置に保持する(ステップ5b)。なお、このとき第3シャッタ48と第4シャッタ49は閉じた状態に保持されている。
【0062】
図12は、ウエハWが支持部材64aに支持されている状態を示す説明図であり、図13はウエハWが保持部材64bに保持された状態を示す説明図である。
主搬送アーム34とスピンチャック59との間のウエハWの受け渡しは、主搬送アーム34と支持部材64aとの間で行われる。このために主搬送アーム34とスピンチャック59との間でのウエハWの受け渡しの際には、保持部材64bはウエハWの受け渡しを妨げないように押圧機構121がベース部116を押圧してバネ120を縮ませ、爪部117を外側に退避させた状態で保持される(ステップ5c)。
【0063】
この状態において、次に、ウエハWを保持した主搬送アーム34をアウターチャンバ43の内部に進入させ(ステップ5d)、支持部材64aに設けられた支持部112にウエハWが当接して支持されるように、ウエハWを主搬送アーム34から支持部材64aに受け渡す(ステップ5e)。この状態が図12に示されている。なお、支持部材64aは回転プレート61が静止した状態においてのみウエハWを支持する。
【0064】
ウエハWが支持部材64aに支持されたら、主搬送アーム34をアウターチャンバ43から退出させ(ステップ5f)、第1シャッタ46および第2シャッタ47を閉じる(ステップ5g)。また押圧機構121をベース部116から離れるように下方に移動させることによってバネ120を伸ばす。これによって保持部材64b全体が枢軸部材119a回りに所定角度回動し、爪部117が外側から内側へ移動する。このとき最初に爪部117は支持部材64aに支持されたウエハWのエッジを下側の壁面117bで受ける。次いでウエハWは下側の壁面117bの傾斜に沿って爪部117の溝(壁面117a・I17bによって形成される溝)へ向かって移動する。このときに爪部117の溝が支持部112よりも高い位置にあるために、ウエハWが支持部材64aから離隔し、ウエハWが支持部112から所定距離浮いた状態となる(ステップ5h)。つまり図12に示す状態から図13に示す状態に移行する。さらにウエハWは爪部117の溝まで移動して、ウエハWのエッジが上側の壁面117aおよび下側の壁面117bによって挟まれる。ウエハWはこうして爪部117の溝に保持される。
【0065】
このように保持部材64bは支持部材64aからウエハWが離隔した状態でウエハWを保持することができるようになっており、ウエハWへの洗浄液や乾燥ガスの供給およびスピンチャック59の回転は、ウエハWが保持部材64bに保持された状態において行われる。これによりウエハWの裏面が支持部材64aに当接することによって生ずる未処理部分の発生を防止することができる。また爪部117は主にウエハWのエッジでウエハWを保持しているために、ウエハWを保持することによって生ずる未洗浄部分の面積を極めて狭くすることができる。こうして高品質なウエハWを得ることができる。
【0066】
なお、逆に保持部材64bがウエハWを保持している状態から押圧機構121をベース部116に押し当ててバネ120を縮ませると、爪部117が回転プレート61の外側へと移動する途中でウエハWは保持部材64bから支持部材64aに受け渡される。つまり、図13に示す状態から図12に示す状態に移行する。このときに確実にウエハWが保持部材64bから支持部材64aに受け渡されるように、ウエハWの裏面の高さが壁部113の高さよりも低い位置にくるようにして、保持部材64bにウエハWを保持させることが好ましい。
【0067】
押圧機構121は、このように支持部材64aに支持されたウエハWが支持部材64aから離隔して保持部材64bに保持され、逆に保持部材64bに保持されたウエハWが保持部材64bから離隔して支持部材64aに支持されるように、保持部材64bを動かす駆動機構の役割を果たす。またバネ120は、保持部材64に保持されたウエハWが支持部材64aと離隔した状態で保持されるように保持部材64bを所定位置で保持する保持機構の役割を果たす。
【0068】
保持部材64bにウエハWが保持された後に所定の洗浄処理を行う(ステップ6)。このときには処理カップ58を上昇させて処理位置に保持し、使用された薬液や純水等がドレイン58aから排出されるようにする。
【0069】
ウエハWの洗浄処理は種々の方法を用いて行うことができる。例えば、ウエハWの表面(上面)のみの洗浄処理を行う場合には、薬液供給ノズル51または上部洗浄液供給路85を用いた薬液処理、リンスノズル52もしくはリンスノズル55または上部洗浄液供給路85を用いたリンス処理、N供給ノズル54または上部洗浄液供給路85を用いた乾燥処理、の順序でウエハWを処理することができる。
【0070】
ここで、薬液処理方法としては、(1)ウエハWを静止またはゆっくりした回転数で回転させた状態でウエハW上に薬液のパドルを形成し、所定時間保持する方法、(2)ウエハWを所定の回転数で回転させた状態で、薬液供給ノズル51から所定量の薬液をウエハWに吐出しながら、薬液供給ノズル51がウエハWの中心部と周縁部との間でスキャンするように薬液供給系アーム50を回動させる方法、(3)トッププレート60をウエハWの上面に近接させ、ウエハWを静止またはゆっくりした回転数で回転させた状態で、上部洗浄液供給路85を用いてウエハWとトッププレート60との間に薬液層を形成し、所定時間保持する方法、等が用いられる。
【0071】
この(1)の方法においては、ウエハW上に薬液のパドルを形成する工程を、最初は薬液供給ノズル51を用いて行い、このパドルを保持する所定時間の経過時に薬液がウエハWからこぼれ落ちる等してその量が減少したときには、上部洗浄液供給路85からウエハWへ所定量の薬液を補充するようにしてもよい。また薬液のパドルを形成した後に、トッププレート60をパドルに近接させることによって、パドルからの薬液の蒸発を防止することも好ましい。
【0072】
リンス処理の方法としては、ウエハWを所定の回転数で回転させてウエハWから薬液を振り切るとともに、リンスノズル52もしくはリンスノズル55または上部洗浄液供給路85からリンス液をウエハWに向けて吐出する方法等が用いられる。乾燥方法としては、N供給ノズル54または上部洗浄液供給路85からウエハWにNを供給しながら、ウエハWを高速回転させる方法等が用いられる。
【0073】
ウエハWの表裏面(上下面)を同時に洗浄処理する場合には、上述したウエハWの上面の洗浄処理と同時に、アンダープレート63と下部洗浄液供給路75を用いたウエハWの裏面の洗浄処理を行う。このウエハWの裏面の洗浄処理方法としては、例えば、最初にアンダープレート63をウエハWの裏面に近接させて、下部洗浄液供給路75からウエハWとアンダープレート63との間に薬液を供給して薬液層を形成し、所定時間保持して薬液処理を行い、続いてウエハWとアンダープレート63との間に下部洗浄液供給路75から純水等を供給して薬液を流し出してリンス処理を行い、次に、下部洗浄液供給路75からウエハWとアンダープレート63との間にNを供給しながら、ウエハWを高速回転させる方法が用いられる。
【0074】
ウエハWの洗浄処理が終了したら、処理カップ58およびアンダープレート63を降下させ、トッププレート60を上昇させた状態で、ウエハWを保持部材64bから支持部材64aに移し替え(ステップ7)、また第1シャッタ46と第2シャッタ47を開いて、主搬送アーム34をアウターチャンバ43内に進入させる(ステップ8)。この状態において、先に説明した主搬送アーム34からスピンチャック59にウエハWを移し替える手順とは逆の手順によって、ウエハWをスピンチャック59から主搬送アーム34へ移し替え、ウエハWを洗浄処理ユニット(CLN)12から搬出する(ステップ9)。
【0075】
洗浄処理が終了したウエハWは、主ウエハ搬送装置18によってウエハ受渡ユニット(TRS)16・17のいずれかに搬送されてそこに載置され、続いて副搬送アーム11がウエハ受渡ユニット(TRS)16・17のいずれかに載置された洗浄処理済みのウエハWを取り出して、そのウエハWが収納されていたフープFの所定のスロットに収納する(ステップ10)。
【0076】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図14から図21は、この第2の実施の形態に関するものである。図14は、洗浄処理ユニット212の平面図である。洗浄処理ユニット212のユニットチャンバ240内には、ウエハWを収納する密閉構造の外チャンバ241と、エッジアーム格納部242が備えられている。ユニットチャンバ240の一側には開口243が形成され、この開口243を図示しない開閉機構によって開閉するユニットチャンバ用メカシャッタ244が設けられており、搬送アーム219によって洗浄処理ユニット212に対して開口243からウエハWが搬入・搬出される際には、このユニットチャンバ用メカシャッタ244が開くようになっている。このユニットチャンバ用メカシャッタ244は、ユニットチャンバ240の内部から開口243を開閉するようになっており、ユニットチャンバ240内が陽圧になったような場合でも、ユニットチャンバ240内部の雰囲気が外部に漏れないようになっている。
【0077】
外チャンバ241には開口245が形成され、この開口245を図示しないシリンダ駆動機構によって開閉する外チャンバ用メカシャッタ246が設けられており、例えば搬送アーム219によって外チャンバ241に対して開口245からウエハWが搬入・搬出される際には、この外チャンバ用メカシャッタ246が開くようになっている。外チャンバ用メカシャッタ246は、ユニットチャンバ用メカシャッタ244と共通の開閉機構によって開閉するようにしてもよい。外チャンバ用メカシャッタ246は、外チャンバ241の内部から開口245を開閉するようになっており、外チャンバ241内が陽圧になったような場合でも、外チャンバ241内部の雰囲気が外部に漏れないようになっている。
【0078】
また、エッジアーム格納部242には開口247が形成され、この開口247を図示しない駆動機構によって開閉するエッジアーム格納部用シャッタ248が設けられている。エッジアーム格納部242を外チャンバ241と雰囲気隔離するときは、このエッジアーム格納部用シャッタ248を閉じる。エッジアーム格納部用シャッタ248は、外チャンバ241の内部から開口247を開閉するようになっており、外チャンバ241内が陽圧になった場合でも、外チャンバ241内部の雰囲気がエッジアーム格納部242に漏れないようになっている。
【0079】
エッジアーム格納部242内には、薬液、純水およびN等の不活性ガスを吐出可能なエッジアーム260が格納されている。エッジアーム260は外チャンバ241内に収納されており、後述するスピンチャック250によって保持されたウエハWの周辺部(縁部)に移動可能になっている。エッジアーム260は、処理時以外はエッジアーム格納部242内にて待機する。エッジアーム260が開口247から外チャンバ241内に移動するときは、エッジアーム格納部用シャッタ248が開くようになっている。
【0080】
また、図15に示すように、外チャンバ241内には、ウエハWを収納する内カップ270と、この内カップ270内で、例えはウエハW表面を上面にして、ウエハWを回転自在に保持するスピンチャック250と、スピンチャック250により保持されたウエハW表面に近接するトッププレート271とが備えられている。外チャンバ241上部には、ウエハWの周囲に温度調整した不活性の気体を吐出する気体供給ノズル290が具備されている。
【0081】
スピンチャック250は、ウエハWを水平状態で保持するチャック本体251と、このチャック本体251の底部に接続された回転筒体252とを具備している。チャック本体251内には、スピンチャック250により保持されたウエハW裏面に対して近接した位置と離れた位置とに相対的に移動するアンダープレート272が配設されている。
【0082】
このチャック本体251の上部には、ウエハWの位置決め、すなわちウエハWの中心部の心出しを行うようにウエハWの周縁部を保持するための複数の保持部材253(例えば3個)がそれぞれ等間隔(例えば120゜の間隔)で設けられている。回転筒体252の外周面と駆動用モータ280の駆動軸280aには、タイミングベルト281が掛け渡されており、タイミングベルト281をモータ280によって周動させることにより、スピンチャック250全体が回転するようになっている。なお、モータ280としては、例えばサーボモータが用いられ、図示しない制御手段(例えはCPU)からの制御信号によって低速および高速回転可能となっている。
【0083】
チャック本体251は、図16および図17(a)・(b)に示すように、円板状の基部254と、この基部254の下面に設けられた同心円状の段部254aに回転すなわち摺動可能に嵌装されるリング体255とを具備している。なお、チャック本体251の下面と固定ベース276の上面との間には、例えばラビリンスシール等のシール部材259が介在されている。
【0084】
この場合、リング体255における複数箇所例えば等間隔の3箇所には、バネ収納凹部255aが設けられており、各バネ収納凹部255a内には、一端が基部254に係合し、他端がリング体255に係合する圧縮コイルバネ256が縮設されて、コイルバネ256の弾性力F(弾発力)の付勢によってリング体255が常時一方向(図16における反時計方向)に回転し得るようになっている。
【0085】
また、図18(a)および図18(b)に示すように、リング体255の下面における別の複数箇所例えば等間隔の3箇所には円形状の係止穴255bが設けられており、チャック本体251の下方の固定ベース276に設置されたエアーシリンダからなるロック機構257の昇降可能に伸縮するピストンロッド257aの先端部に装着される円柱状のロック片257bが、各係止穴255bに係脱可能に嵌合し得るようになっている。
【0086】
スピンチャック250の不作動時は、このロック機構257のロック片257bが係止穴255b内に嵌合して、チャック本体251の回転が阻止される。また、スピンチャック250の作動時には、ロック機構257のロック片257bが下降して、係止穴255bとの嵌合(係合)が解かれて、スピンチャック250が回転可能となる。なお、ロック片257bの下面には、固定ベース276に設けられ凹所276aの上面に密接するOリング257cが装着されている(図18(a)、図18(b)参照)。
【0087】
また、リング体255の外周におけるさらに別の複数箇所(例えば等間隔の3箇所)には、保持部材253を案内するガイド溝255cを有する保持部材案内凹所255dが設けられている。保持部材案内凹所255dは、図17(c)に示すように、リング体255の外周下面に外方が切り欠かれた状態に設けられ、一方の側壁255eに対して他方の側壁255fが外方に向かって拡開状に傾斜している。また、保持部材案内凹所255dの上部には、リング体255の上面が延在しており、この延在部255gには、外方に向かって開口するガイド溝255cが設けられている。このガイド溝255c内に保持部材253から起立するガイドピン253aが摺動自在に嵌合されている。
【0088】
一方、保持部材253は、枢支ピン253bをもってチャック本体251の基部254の外周側下面に揺動可能に枢着され、基部254の外方に突出する平面視略三角形状の板体253cとこの板体253cの先端側に起立する保持体253dとを具備してなる。この場合、枢支ピン253bは、板体253cの重心位置G(図21(a)参照)から偏倚する位置に枢着され、板体253cの基端側にガイドピン253aが立設されている。また、保持体253dは、スピンチャック250の回転方向と反対側の後端部に、スピンチャック250が低速回転(例えば10〜300rpm)する際にウエハWの縁部を保持する第1の保持部258aを具備し、回転方向側の先端部に、スピンチャック250が高速回転(例えば500〜2000rpm)する際にウエハWの縁部を保持する第2の保持部258bを具備し、また、第1の保持部258aと第2の保持部258bの中間部にスピンチャック250が停止した状態のときにウエハWの縁部を保持する第3の保持部258cを具備している。
【0089】
なお、スピンチャック250の回転が300〜500rpmの間で、ウエハWの縁部の保持は、第3の保持部258cから第2の保持部258bに切り換わる。この場合、第1の保持部258aは、図20(a)および図20(b)に示すように、2個並列して設けられており、その内方側端部にウエハWの縁部端面に当接する垂直面258dを有する。このように、第1の保持部258aにウエハWの縁部端面に当接する垂直面258dを設けた理由は、上記コイルバネ256の弾性力F(弾発力)によってウエハWが水平回転方向に押圧されるので、その押圧力を利用して確実にウエハWを保持するようにしたためである。
【0090】
また、第2の保持部258bは、図21(a)および図21(b)に示すように、2個並列して設けられており、その内方側端部にウエハWの縁部の上下部に当接する断面略横V字状面258eを有する。このように第2の保持部258bにウエハWの縁部の上下部に当接する横V字状面258eを設けた理由は、確実にウエハWを保持できるようにしたためである。一方、第3の保持部258cは、図19(a)および図19(b)に示すように1個設けられており、その内方側端部にウエハWの縁部の下面を保持する段付水平舌片258fが形成されている。
【0091】
上記のように構成されるスピンチャック250において、ウエハWを受け取る場合は、ロック機構257のロック片257bをチャック本体251のリング体255に設けられた係止穴255b内に嵌合させて、スピンチャック250の回転をロックした状態にする。この状態で、主ウエハ搬送装置218の搬送アーム219がチャック本体251の上方に進入し、下降してウエハWを第3の保持部258c上に受け渡す(図19(a)、図19(b)参照)。
【0092】
ウエハWを保持部材253に受け渡した搬送アーム219は、スピンチャック250の上方から後退する。その後または搬送アーム219の後退と同時に、ロック機構257が作動して、ロック片257bが下降し、係止穴255bとの嵌合(係合)が解かれる。次に、モータ280が駆動してチャック本体251が低速回転(例えば10〜300rpm)する。この低速回転開始時に、コイルバネ256の弾性力F(弾発力)によりリング体255が回転方向側に移動する。これに伴って保持部材253のガイドピン253aがリング体255に設けられたガイド溝255c内を欄動すると共に、枢支ピン253bを中心として保持部材253が回転方向と反対側に回転し、第1の保持部258aの垂直面258dにウエハWの縁部端面を当接する(図20(a)、図20(b)参照)。この状態では、コイルバネ256の弾性力F(弾発力)が付勢されるので、ウエハWは第1の保持部258aによって確実に保持される。しかも、3箇所に設けられた保持部材253の第1の保持部258aにそれぞれコイルバネ256の弾性力F(弾発力)が付勢されるので、ウエハWの位置決め、すなわち、心出しを高精度にすることができる。
【0093】
この低速回転を所定時間続けた後、スピンチャック250を高速回転(例えば500〜2000rpm)すると、保持部材253に遠心力Cが作用し、保持部材253は、枢支ピン253bを中心として回転方向側に回転し、第2の保持部258bのV字状面258eにウエハWの縁部の上下部を当接する(図21(a)、図21(b)参照)。これにより、ウエハWの縁部は第1の保持部258aから第2の保持部258bに持ち替えられるとともに段付水平舌片258fから浮かせた状態となるので、第1の保持部258aおよび段付水平舌片258fに当接していたウエハWの縁部や下部に薬液や純水等を供給することができる。
【0094】
スピンチャック250によってウエハWを高速回転しながら、薬液を供給して洗浄処理を行った後、純水を供給してリンス処理を行い、その後Nを供給して乾燥処理を行う。
【0095】
この場合、スピンチャック250の回転開始(低速回転開始)によって、3箇所に設けられた保持部材253の第1の保持部258aにそれぞれコイルバネ256の弾性力F(弾発力)が付勢されるので、ウエハWの位置決め、すなわち、心出しが行われるので、薬液をウエハWの周辺部の所定範囲内に供給して洗浄処理を行うことができる。また、同様に純水をウエハWの周辺部の所定範囲内に供給してリンス処理を行うことができる。
【0096】
上記のようにして、洗浄処理、リンス処理および乾燥処理を行った後、スピンチャック250の回転を停止すると、スピンチャック250の回転停止後、ロック機構257が作動してロック片257bがチャック本体251のリング体255に設けられた係止穴255b内に嵌合してチャック本体251の回転がロックされる。その後、保持部材253は、図19(a)、図19(b)に示す初期位置に復帰し、ウエハWの縁部を第3の保持部258cの段付水平舌片258f上に保持する。この状態で、保持部材253によって保持されているウエハWの下方に主ウエハ搬送装置218の搬送アーム219が進入し、上昇してウエハWを受け取り、ウエハWを洗浄処理ユニット212の外部に搬送する。
【0097】
次に、洗浄処理ユニット212の動作態様について説明する。まず、洗浄処理ユニット212のユニットチャンバ用メカシャッタ244が開くと共に、外チャンバ241の外チャンバ用メカシャッタ246が開く。このとき、内カップ270は下降してチャック本体251を上方に相対的に突出させる。また、アンダープレート272は予め下降してチャック本体251内の退避位置に位置している。また、トッププレート271は予め上昇して退避位置に位置している。また、エッジアーム格納部用シャッタ248は閉じている。
【0098】
この状態で、ウエハWを保持した搬送アーム219がスピンチャック250の上方に進入し、下降してウエハWを第3の保持部258c上に受け渡す(図19(a)、図19(b)参照)。ウエハWを保持部材253に受け渡した搬送アーム219は、外チャンバ241およびユニットチャンバ240の内部から後退し、後退後、ユニットチャンバ用メカシャッタ244と外チャンバ用メカシャッタ246が閉じられる。
【0099】
次に、内カップ270が上昇し、チャック本体251とウエハWを包囲した状態となる。アンダープレート272は、チャック本体251内の処理位置に上昇する。処理位置に移動してアンダープレート272とスピンチャック250により保持されたウエハW下面(ウエハ裏面)の間には、例えば0.5〜3mm程度の隙間が形成される。
【0100】
次いで、ウエハW裏面と周辺部(縁部)の洗浄処理が行われる。まず、ロック機構257が作動して、ロック片257bが下降し、係止穴255bとの嵌合(係合)が解かれる。次に、モータ280が駆動してチャック本体251が低速回転(例えば10〜30rpm)する。この低速回転開始時に、コイルバネ256の弾性力F(弾発力)によりリング体255が回転方向側に移動する。これに伴って保持部材253のガイドピン253aがリング体255に没けられたガイド溝255c内を摺動すると共に、枢支ピン253bを中心として保持部材253が回転方向と反対側に回転し、第1の保持部258aの垂直面258dにウエハWの縁部端面を当接する(図20(a)、図20(b)参照)。この状態では、コイルバネ256の弾性力F(弾発力)が付勢されるので、ウエハWは第1の保持部258aによって確実に保持される。しかも、3箇所に設けられた保持部材253の第1の保持部258aにそれぞれコイルバネ256の弾性力F(弾発力)が付勢されるので、ウエハWの位置決め、すなわち、心出しを高精度にすることができる。
【0101】
この状態で、アンダープレート272上に、下面供給路(図示せず)から洗浄薬液を例えば静かに染み出させて、ウエハW下面とアンダープレート272上面の隙間に洗浄薬液を供給し、洗浄薬液をウエハW下面の全体に押し広げ、ウエハW下面に均一に接触する洗浄薬液の液膜を形成する。隙間全体に洗浄薬液の液膜を形成すると、洗浄薬液の供給を停止してウエハW下面を洗浄処理する。
【0102】
この場合、スピンチャック250は、洗浄薬液の液膜の形状が崩れない程度の比較的低速の回転速度(例えば10〜30rpm程度)でウエハWを回転させるので、ウエハWの回転により洗浄薬液の液膜内に液流が発生し、この液流により、洗浄薬液の液膜内の淀みを防止すると共に、洗浄効率が向上する。
【0103】
一方、上記隙間に洗浄薬液を液盛りして液膜を形成する際に、洗浄薬液をウエハWの裏面の周囲からウエハWの表面(金属膜Mの表面)側へ回り込ませて、周辺部除去が行われるウエハW表面の周辺部(縁部)にまで洗浄薬液を供給する。
そして、ウエハW裏面の洗浄処理と同時に、ウエハW表面の周辺部(縁部)洗浄処理が行われる。
【0104】
その後、スピンチャック250が例えば200rpmにて5秒間回転する。すなわち、ウエハWに液盛りされた洗浄薬液が振り落とされて、内カップ270の排出管(図示せず)側へ排液する。スピンチャック250が高速回転すると、保持部材253に遠心力Cが作用し、保持部材253は、枢支ピン253bを中心として回転方向側に回転し、第2の保持部258bのV字状面258eにウエハWの縁部の上下部を当接する(図21(a)、図21(b)参照)。これにより、ウエハWの縁部は第1の保持部258aから第2の保持部258bに持ち替えられ、さらに段付水平舌片258fから浮かせた状態となるので、第1の保持部258aおよび段付水平舌片258fに当接していたウエハWの縁部および下部に薬液が供給される。また、第2の保持部258bに保持されているウエハWは、縁部の上下部がV字状面258eによって保持されているので、保持部との接触面積が少なく、その分、薬液との接触が多くなるため、洗浄効率の向上が図れる。この状態で、洗浄、リンス処理を経て乾燥処理を行う。
【0105】
乾燥処理後、スピンチャック250の回転を停止する。次いで、ロック機構257を作動させて、ロック片257bをスピンチャック250のリング体255に設けられた係止穴255b内に嵌合してチャック本体251の回転をロックする。この状態で、ウエハWの縁部の下面は保持部材253の第3の保持部258cにて保持される(図19(a)、図19(b)参照)。次いで、洗浄処理ユニット212のユニットチャンバ用メカシャッタ244が開くと共に外チャンバ241の外チャンバ用メカシャッタ246が開く。
【0106】
そして、洗浄処理ユニット212内に搬送アーム219が進入し、スピンチャック250からウエハWを受け取った後、洗浄処理ユニット212内からウエハWを搬出する。この場合、アンダープレート272は退避位置に位置しているので、搬入するときと同様に、アンダープレート272とスピンチャック250により保持されるウエハWの位置との間には、十分な隙間が形成されることになり、搬送アーム219は、余裕をもってスピンチャック250からウエハWを受け取ることができる。
【0107】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図22から図27は、この第3の実施の形態に関するものである。図22は、洗浄処理ユニット301においてウエハを回転自在に保持するスピンチャック350を示す断面図である。
このスピンチャック350は、ウエハWを水平状態で保持するチャック本体351と、このチャック本体351の底部に接続された回転筒体352とを具備している。チャック本体351内には、スピンチャック350により保持されたウエハW裏面に対して近接した位置と離れた位置とに相対的に移動するアンダープレート372が配設されている。また、回転筒体352には、タイミングベルトを介してモータが接続されており、チャック本体351を回転できるようになっている。
【0108】
上記チャック本体351は、円板状の基部354と、この基部354の下面に回転可能に設けられた同心円状のリング体355とを有している。このリング体355における複数箇所(例えば等間隔の3箇所)には、バネ収納凹部355aが設けられており、各バネ収納凹部355a内には、一端が基部354に係合し、他端がリング体355に係合する圧縮コイルバネ356が縮設されている。そして、コイルバネ356の弾性力(弾発力)によってリング体355が常時一方向(図23における矢印R方向)に付勢されるようになっている。
【0109】
このリング体355には、リング体355を矢印Rと反対の方向に駆動する駆動機構(図示せず)が設けられている。そして、リング体355が矢印R方向に移動した位置と、リング体355か矢印Rと反対方向に移動した位置との2位置を取りうるようになっている。
【0110】
また、円板状の基部354の外周部の複数箇所(例えば3箇所)には、保持部材353が(例えば周方向に120°離間して)設けられている。この保持部材353は、基部354の外周部下面に設けられた回動軸354aを中心に回動しうるようになされた基底部353aと、この基底部353aから立ち上がって設けられている立設部353bとを有している。この立設部353bの上端部の周方向の両端には、それぞれ半径方向内方に向かって突出する第1の保持部358a、第2の保持部358bが設けられている。この第1の保持部358aは、第2の保持部358bより矢印R方向前方に位置している。
【0111】
第1の保持部358aは、図26および図27に示すように、その上面にウエハ載置面358cとこれに続く傾斜面358dとを有しており、ウエハ載置面358cにウエハWの周縁部を載置するようになっている。また、第2保持部358bは、半径方向内側に、2つの傾斜面358e・358fを有する略V字状のウエハ嵌合溝358gを有しており、このV字状のウエハ嵌合溝358gの底部358hでウエハWの外周縁を保持するようになっている。
【0112】
一方、リング体355の外周には、係合凹部355bが設けられ、また、保持部材353の基底部353aの内周側には係合凹部355bと係合する係合突起353eが設けられている。そして、リング体355を回動することによって保持部材353を回動軸354aを中心として回動できるようになっている。
【0113】
このような構成において駆動機構を作動させると、図24に示すように、リング体355は、圧縮コイルバネ356の付勢力に抗して矢印Rと反対の方向に回動され、これに伴い、係合凹部355bと係合突起353eを介して保持部材353が矢印Qと反対の方向に回動され、第1の保持部358aが第2の保持部358bより半径方向内側に位置する(第1の位置)。この状態において、図26に示すように、第1の保持部358aのウエハ載置面358cにウエハWを載置する。
【0114】
次に、駆動機構を非作動状態にすると、図25に示すように、リング体355は圧縮コイルバネ356の付勢力によって矢印Rの方向に回動され、これに伴い、係合凹部355bと係合突起353eを介して保持部材353が矢印Q方向に回動される。そして、第2の保持部358bが半径方向内方へ移動し第1の保持部358aより半径方向内側に位置する(第2の位置)。この際、ウエハWの外周縁は、V字状のウエハ嵌合溝358gのうち下側の傾斜面358fに沿って上方へ持ち上げられる。そして、図27に示すように、ウエハWは、その外周縁をウエハ嵌合面358gのV字溝の底部358hに係合して、第1の保持部358aのウエハ載置面358cから上方に離間した状態で保持される。ここで、ウエハの上面と外周面とが交わる稜線W1は、傾斜面358eと点接触し、ウエハの下面と外周面とが交わる稜線W2は、傾斜面358fと点接触する。これにより、ウエハWの全ての外表面に処理液を行き渡らせることができる。
【0115】
このように、この洗浄処理ユニット301のスピンチャック350にあっては、リング体355を駆動装置で駆動することによって、係合凹部355bと係合突起353eを介して保持部材353を回動することができ、保持部材353に設けられた第1の保持部358aと第2の保持部358bとを交互に半径方向内方に突出させることができる。こうして、ウエハの搬入時は、第1の保持部358aでウエハを保持し、その後、V字溝を有する第2の保持部358bを半径方向内方へ移動させることによって、ウエハWを第1の保持部358aから僅かに上昇させてV字溝の底部で保持する。このようにウエハWの外周縁を点接触で保持することができるので、ウエハWの外周縁の全てに洗浄液を行き渡らせることができ、均一な洗浄作業を行うことができる。
【0116】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、上記説明においては、支持部材64aと保持部材64bを回転プレート61にそれぞれ3箇所ずつ設けた形態を示したが、支持部材64aと保持部材64bは、回転プレート61の強度や剛性を考慮して、4箇所以上に設けることもできる。逆に、支持部材64aと保持部材64bの大きさを大きくする等した場合には、これらを2箇所ずつに設けることによってウエハWを支持/保持することも可能である。
【0117】
本発明は、半導体ウエハの表面に対してレジスト除去処理および洗浄処理等を施す装置に限定されず、種々の処理液を用いて液処理(例えば、エッチング処理)を行う装置に対して適用することができる。なお、基板は半導体ウエハに限らず、その他のLCD用ガラス基板やセラミック基板等であってもよい。
【0118】
【発明の効果】
上述の通り、本発明の液処理装置および液処理方法によれば、基板を支持せずに端面で保持した状態において液処理を行うことができるために、処理液が行き渡らない未処理部分の発生を防止することができる。これにより基板の均一な液処理が可能となり、基板の品質を高めることが可能となるという効果が得られる。また回転プレートの回転時の空気抵抗が小さくなるように保持部材の側面には傾斜が設けられているために、回転プレートを回転させた際に保持部材にぶれが発生することが抑制され、これにより基板を安定して保持することができる。さらに保持部材と支持部材を回転プレートの内側に固定することで、回転プレートの回転時の撓みの発生を抑制することができ、これによっても保持部材は基板を確実に保持することができる。保持部材は所定間隔離間して設けられた爪部において基板を保持するために、基板にノッチが形成されていた場合にも確実に基板を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である洗浄処理ユニットを具備する洗浄処理システムの概略構造を示す平面図。
【図2】図1に示した洗浄処理システムの概略構造を示す側面図。
【図3】図1に示した洗浄処理システムの概略構造を示す断面図。
【図4】洗浄・処理ユニットの概略構造を示す平面図。
【図5】洗浄処理ユニットの概略構造を示す断面図。
【図6】支持部材の形状および回転プレートへの取り付け状態を示す断面図およびその背面図。
【図7】支持部材の支柱部を拡大した側面図およびその平面図。
【図8】支持部材の支柱部の別の実施形態を示す平面図。
【図9】保持部材の形状および回転プレートへの取り付け状態を示す断面図およびその杯面図。
【図10】保持部材の支柱部を拡大した側面図およびその平面図。
【図11】洗浄処理工程の概略を示す説明図(フローチャート)。
【図12】支持部材によるウエハの支持状態を示す説明図。
【図13】保持部材によるウエハの保持状態を示す説明図
【図14】本発明の第2の実施の形態である洗浄処理ユニットおよびスピンチャックを示す概略平面図。
【図15】図14に示す洗浄処理ユニットおよびスピンチャックを示す断面図。
【図16】図14に示すスピンチャックの平面図。
【図17】図14に示すスピンチャックの断面図および拡大図並びに断面図。
【図18】図14に示すスピンチャックにおけるロック機構のロック状態およびロック解除状態を示す断面図。
【図19】図14に示すスピンチャックの回転停止時のウエハ保持状態を示す要部平面図および要部側面図。
【図20】図14に示すスピンチャックの低速回転時のウエハ保持状態を示す要部平面図および要部側面図。
【図21】図14に示すスピンチャックの高速回転時のウエハ保持状態を示す要部平面図および要部側面図。
【図22】本発明の第3の実施の形態である洗浄処理ユニットのスピンチャックの要部を示す概略断面図。
【図23】図22に示すスピンチャックの要部を示す概略平面図。
【図24】図23に示すスピンチャックにおいて第1の保持部を半径方向内側に突出させた状態を示す平面図。
【図25】図23に示すスピンチャックにおいて第2の保持部を半径方向内側に突出させた状態を示す平面図。
【図26】第1の保持部が半径方向内方に突出した状態を示す側面図。
【図27】第2の保持部が半径方向内方に突出した状態を示す側面図。
【符号の説明】
1;洗浄処理システム
2;洗浄処理部
3;搬入出部
12〜15;洗浄処理ユニット(CLN)
42;ハウジング
43;アウターチャンバ
51;薬液供給ノズル
52;リンスノズル
54;N供給ノズル
55;リンスノズル
58;処理カップ
59;スピンチャック
60;トッププレート
61;回転プレート
61a・61b;切り欠き部
63;アンダープレート
64a;支持部材
64b;保持部材
110;支柱部
111;ベース部
112;支持部
113;壁部
115;支柱部
116;ベース部
116a;貫通孔
117;爪部
119;連結部材
119a;枢軸部材
120;バネ
121;押圧機構
122;金属塊

Claims (15)

  1. 基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、
    基板を所定の支持位置に略水平に支持する支持手段と、
    前記基板の端面を保持して前記支持手段との間で基板の受け渡しを行い、保持した基板を前記支持位置よりも上方の保持位置に前記支持手段から所定距離浮かせた状態で略水平に保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された基板に所定の処理液を供給する処理液供給手段と、
    を具備し、
    前記保持手段は、前記基板の端面を保持する爪部を有し、
    前記爪部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の壁面部と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の壁面部とを有し、これら壁面部により前記保持位置となる溝が規定され、
    前記爪部は、2箇所に、水平方向に所定距離離れて設けられ、
    前記保持手段により基板が保持される際には、前記支持手段に支持された基板に対し、前記爪部が外側から内側に向かって移動し、その際に、基板が前記下側の壁面部に案内されて上昇し、前記上側および下側の壁面部により基板が挟み込まれた状態で基板が前記保持位置に保持されることを特徴とする液処理装置。
  2. 基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、
    回転自在な回転プレートと、
    前記回転プレートに設けられ、基板の周縁部の所定位置において基板を所定の支持位置に略水平に支持する支持部材と、
    前記回転プレートに設けられ、基板を略水平に保持する保持部材と、
    前記保持部材に保持された基板に所定の処理液を供給する処理液供給手段と、
    前記支持部材に支持された基板が前記支持部材から離隔して前記保持部材に保持され、前記保持部材に保持された基板が前記保持部材から離隔して前記支持部材に支持されるように前記保持部材を動かす駆動機構と、
    前記保持部材により、前記支持部材による支持位置と離隔した保持位置に基板が保持されるように前記保持部材を所定位置で保持する保持機構と、
    を具備し、
    前記保持部材は、前記基板の端面を保持する爪部を有し、
    前記爪部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の壁面部と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の壁面部とを有し、これら壁面部により前記保持位置となる溝が規定され、
    前記爪部は、2箇所に、水平方向に所定距離離れて設けられ、
    前記保持部材により基板が保持される際には、前記支持部材に支持された基板に対し、前記爪部が外側から内側に向かって移動し、その際に、基板が前記下側の壁面部に案内されて上昇し、前記上側および下側の壁面部により基板が挟み込まれた状態で基板が前記保持位置に保持されることを特徴とする液処理装置。
  3. 前記保持部材は、前記回転プレートの上方に突出し、その先端に前記爪部が設けられた支柱部と、前記支柱部と連通して前記支柱部の下側に設けられたベース部とを有し、
    前記保持機構は、前記回転プレートの下面に設けられ前記保持部材が基板の表面と平行な軸を中心に基板に対して垂直な面の面内で所定角度回動可能なように前記ベース部と前記回転プレートとを連結する連結部材と、前記ベース部と前記回転プレートとの間に設けられ前記保持部材を所定位置に保持するとともに前記爪部に基板を保持する所定の力を付与するバネとを有し、
    前記駆動機構は、前記ベース部の所定位置を前記回転プレート側に押圧して前記バネによって前記爪部に付与されている基板を保持する力を解除する押圧部材を有することを特徴とする請求項2に記載の液処理装置。
  4. 前記保持部材の重心は、前記爪部が基板を保持した状態において前記保持部材の回動中心と水平な高さ位置にあることを特徴とする請求項に記載の液処理装置。
  5. 前記ベース部は、その内部に前記保持部材の重心位置を調整する比重の大きい材料からなる部材を有することを特徴とする請求項または請求項に記載の液処理装置。
  6. 前記回転プレートを回転させたときに前記支柱部の受ける空気抵抗が小さくなるように、前記支柱部の側面は所定の傾斜または湾曲を有することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の液処理装置。
  7. 前記支持部材は、基板の裏面に当接する支持部と、前記支持部に支持された基板の端面をガイドする所定高さの壁部とを有し、
    前記保持部材は、基板の裏面が前記支持部から離隔し、かつ、前記基板の裏面の高さが前記壁部の高さよりも低い位置において、基板を保持することを特徴とする請求項2から請求項のいずれか1項に記載の液処理装置。
  8. 前記回転プレートは、その周縁の所定位置に切り欠き部を有し、
    前記支持部材および前記保持部材は前記切り欠き部に設けられていることを特徴とする請求項2から請求項のいずれか1項に記載の液処理装置。
  9. 前記保持部材に保持された基板の裏面と略平行に前記基板の裏面から所定間隔離れて設けられた第1のプレートと、
    前記保持部材に保持された基板の表面と略平行に前記基板の表面から所定間隔離れて設けることができる昇降可能な第2のプレートと、
    をさらに具備し、
    前記処理液供給手段は、前記第1プレートと前記基板の裏面との間および前記第2プレートと前記基板の表面との間に、所定の処理液を供給可能であることを特徴とする請求項2から請求項のいずれか1項に記載の液処理装置。
  10. 基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、
    回転自在な回転プレートと、
    前記回転プレートの外周に設けられ、前記回転プレートの回転軸と平行な回転軸回りに回動可能な保持部材本体と、
    前記保持部材本体に設けられ、基板の周縁部の所定位置において基板を所定の支持位置に略水平に支持する支持部と、
    前記保持部材本体に設けられ、前記支持部に支持された状態で前記基板の外周縁を半径方向内方へ押圧する押圧部と、
    前記保持部材本体に設けられ、前記基板の外周縁を前記支持位置よりも上方の保持位置で略水平に保持する保持部と、
    前記保持部に保持された基板に所定の処理液を供給する処理液供給装置と、
    前記支持部で前記基板を支持できるように、前記保持部材を所定の位置に固定する固定機構と、
    前記固定機構を解除した際に、前記支持部で前記基板を支持しながら前記押圧部で前記基板を押圧できるように前記保持部材を回動させる付勢機構と、
    前記回転プレートが高速回転したときに、前記押圧部を前記基板の外周縁から後退させるとともに、前記保持部を前記基板の外周縁に係合させ、前記基板を前記支持部から離隔した状態で保持するように、遠心力によって前記保持部材本体を回動させる遠心おもりと、
    を具備し、
    前記保持部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の傾斜面と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の傾斜面とを有し、これら傾斜面により前記保持位置となる断面V字状の溝が規定され、
    前記回転プレートが高速回転して前記保持部が前記基板の外周縁に係合された際に、基板が前記下側の傾斜面に案内されて上昇し、これら2つの傾斜面によって、基板の上面と外周面とが交わる稜線と、基板の下面と外周面とが交わる稜線とが接触するように基板が保持されることを特徴とする液処理装置。
  11. 基板に処理液を供給して液処理を行う液処理装置であって、
    回転自在な回転プレートと、
    前記回転プレートの外周に設けられ、前記回転プレートの回転軸と平行な回転軸回りに回動可能な保持部材本体と、
    前記保持部材本体に設けられ、基板の周縁部の所定位置において基板を所定の支持位置に略水平に支持する支持部と、
    前記保持部材本体に設けられ、基板を略水平に保持する保持部と、
    前記保持部に保持された基板に所定の処理液を供給する処理液供給装置と、
    前記保持部に保持された基板が前記保持部から離隔して前記支持部に支持されるように前記保持部材本体を回動する駆動機構と、
    前記支持部に支持された基板が前記支持部による支持位置よりも上方の前記支持部から離隔した保持位置において前記保持部に保持されるように前記保持部材を回動する付勢機構と、
    を具備し、
    前記保持部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の傾斜面と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の傾斜面とを有し、これら傾斜面により前記保持位置となる断面V字状の溝が規定され、
    前記回転プレートが高速回転して前記保持部が前記基板の外周縁に係合された際に、基板が前記下側の傾斜面に案内されて上昇し、これら2つの傾斜面によって、基板の上面と外周面とが交わる稜線と、基板の下面と外周面とが交わる稜線とが接触するように基板が保持されることを特徴とする液処理装置。
  12. 基板に液処理を施す方法であって、
    基板を支持する支持部材に所定の支持位置で略水平に基板を支持させる第1工程と、
    基板を保持する保持部材に前記支持部材に支持された基板を前記支持位置より上方の保持位置に前記支持部材から離隔させて略水平に保持させる第2工程と、
    前記保持部材に保持された基板に処理液を供給する第3工程と、
    を有し、
    前記保持部材は、前記基板の端面を保持する爪部を有し、
    前記爪部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の壁面部と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の壁面部とを有し、これら壁面部により前記保持位置となる溝が規定され、
    前記第2工程は、前記支持部材に支持された基板に対し、前記爪部を外側から内側に向かって移動させ、その際に、基板が前記下側の壁面部に案内されて上昇し、前記上側および下側の壁面部により基板が挟み込まれた状態で基板が前記保持位置に保持され、
    前記支持部材が前記基板の裏面に当接することによって液処理の行われない部分が発生することを抑制することを特徴とする液処理方法。
  13. 基板に液処理を施す方法であって、
    基板を支持する支持部材に所定の支持位置で略水平に基板を支持させる第1工程と、
    基板を保持する保持部材に前記支持部材に支持された基板を前記支持位置より上方の保持位置に前記支持部材から離隔させて略水平に保持させる第2工程と、
    前記保持部材に保持された基板の裏面と所定距離離れて前記基板の裏面と略平行にプレート部材を配置する第3工程と、
    前記保持部材に保持された基板の裏面と前記プレート部材との間に処理液を供給する第4工程と、
    前記保持部材に保持された基板を所定の回転数で回転させる第5工程と、
    を有し、
    前記保持部材は、前記基板の端面を保持する爪部を有し、
    前記爪部は、基板の外側から内側に向かう方向に沿って上昇するように傾斜する上側の壁面部と、基板の外側から内側に向かう方向に沿って下降するように傾斜する下側の壁面部とを有し、これら壁面部により前記保持位置となる溝が規定され、
    前記第2工程は、前記支持部材に支持された基板に対し、前記爪部を外側から内側に向かって移動させ、その際に、基板が前記下側の壁面部に案内されて上昇し、前記上側および下側の壁面部により基板が挟み込まれた状態で基板が前記保持位置に保持され、
    前記支持部材が前記基板の裏面に当接することによって液処理の行われない部分が発生することを抑制することを特徴とする液処理方法。
  14. 前記第4工程において、前記保持部材に保持された基板の裏面と前記プレート部材の間に処理液の層を形成して所定時間保持することを特徴とする請求項13に記載の液処理方法。
  15. 前記第3工程において、さらに、前記保持部材に保持された基板の表面と所定距離離れて前記基板の表面と略平行に別のプレート部材を配置し、
    前記第4工程において、さらに前記保持部材に保持された基板の表面と前記別のプレート部材との間に処理液を供給することを特徴とする請求項13または請求項14に記載の液処理方法。
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