JP4565304B2 - シート状感光材料搬送装置およびその制御装置 - Google Patents

シート状感光材料搬送装置およびその制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば写真用印画紙などのシート状感光材料を搬送するシート状感光材料搬送装置に関し、より具体的には、プリントサイズに切断されたシート状感光材料を挟持可能な挟持手段と、前記挟持手段を、前記シート状感光材料を上流側の前段部から受け取るための第1位置と前記シート状感光材料を下流側の後段部に引き渡すための第2位置の間で往復移動させる搬送機構とを備えたシート状感光材料搬送装置およびその制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のシート状感光材料搬送装置の例として、本出願と同一の出願人によって提出された、特開平11−352662号公報に記された搬送機構がある。上記の従来技術による挟持手段は、前段部としての露光台から提供されたシート状感光材料を相互圧着によって挟持可能な一対のローラを備えている。そして、シート状感光材料を挟持した状態のこの挟持手段を、タイミングベルトからなる搬送機構によって、後段部としての現像処理部の入口まで、垂直上向きに延びた搬送経路上を搬送する構成となっている。したがって、この従来技術によるシート状感光材料搬送装置では、搬送方向に沿って並べられた多数のローラ対によって後段部まで搬送する他の形態に比して、シート状感光材料の搬送中の蛇行が生じ難い、また、前段部から後段部までの距離の設計変更に対して柔軟に対応できるなどの利点が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の従来技術によるシート状感光材料搬送装置では、前段部の出口と後段部の入口の間の平行度が充分に高くない場合には、仮に、前段部の出口から挟持手段に対してシート状感光材料が真っ直ぐな正しい姿勢で提供されても、後段部にはシート状感光材料が傾斜した姿勢で引き渡されてしまうという問題が見られた。例えば、後段部がシート状感光材料としての写真用印画紙をライン露光するデジタル露光部である場合などには、シート状感光材料が傾斜した姿勢で後段部に引き渡されると、画像がシート状感光材料の外形に対して斜めに歪んだ写真が出力されてしまう。
【0004】
特に、前段部を構成するユニットと後段部を構成するユニットとが、ユニット間の振動伝達を抑制するために、防振ゴム等の緩衝手段を介して連結されている場合には、上記の平行度を充分に高く求めることができないという事情がある場合があった。そして、複数箇所に設けられた複数の防振ゴム等の緩衝手段が、経時変化などによって不均一に劣化した場合には、平行度はさらに低下する可能性が大きい。
【0005】
したがって、本発明の目的は、上に例示した従来技術によるシート状感光材料搬送装置の持つ前述した欠点に鑑み、前段部の出口と後段部の入口の間の平行度が充分に高くない場合にも、前段部の出口から挟持手段に対して真っ直ぐな正しい姿勢で提供されたシート状感光材料が、後段部にも真っ直ぐな正しい姿勢で引き渡されるシート状感光材料搬送装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るシート状感光材料搬送装置は、特許請求の範囲の欄の請求項1から4に記された特徴構成を備えている。
すなわち、本発明の請求項1によるシート状感光材料搬送装置は、
前記挟持手段が、前記搬送機構によって搬送されるシート状感光材料が形成する搬送面内で揺動することが可能なように支持されており、さらに、前記挟持手段の姿勢を、前段部と後段部の間の前記搬送面内での相対角度に応じて前記搬送面内で揺動操作する操作機構が設けられていることを特徴構成としている。
【0007】
このような特徴構成を備えているために、本発明の特許請求の範囲第1項によるシート状感光材料搬送装置では、前記挟持手段の姿勢を、前段部と後段部の間の前記搬送面内での相対角度に応じて、前記搬送面内で揺動操作することができるので、前段部の出口と後段部の入口の間の平行度が充分に高くない場合にも、前段部の出口から真っ直ぐな正しい姿勢で提供されたシート状感光材料を受け取った挟持手段を、前段部と後段部の間の前記搬送面内での相対角度がキャンセルされるように、言い換えれば、後段部に対して真っ直ぐな姿勢に前記搬送面内で揺動操作すれば、シート状感光材料は、後段部に対して正しい姿勢で引き渡される。
【0008】
具体的には、前記挟持手段は、前記搬送方向と交差する長手方向を有する支持アームを備え、前記搬送機構は、前記支持アームの前記長手方向の両端付近に取付けられた一対のタイミングベルトを有し、前記操作機構は、前記タイミングベルトを互いに独立した状態で駆動操作可能な2つの駆動手段を有する構成とすることができる。
このように構成すれば、一方のタイミングベルトが駆動中の一定時間だけ他方のタイミングベルトの駆動を停止する、或いは、一方のタイミングベルトを他方のタイミングベルトよりも一定時間だけ高速で回転させる等の操作を実行することによって、前記挟持手段の姿勢を必要なだけ前記搬送面内で揺動操作することができる。
【0009】
さらに具体的には、前記操作機構は、前記支持アームの前記長手方向に沿って互いに離間して設けられた一対の検出板と、前記各検出板を個別に検出するために前記前段部と前記後段部の少なくとも一方に設置された一対のセンサとを含む構成とすることができる。
このように構成すれば、一対の検出板のいずれかが、その対応するセンサに検出されるまでは、一対のタイミングベルトを同一の回転速度で駆動し、一方のセンサによる一方の検出板の検出に応じて対応する側のタイミングベルトのみを停止し、他方の側のタイミングベルトの駆動は、他方のセンサによる他方の検出板の検出まで継続するという簡単な制御方法で、挟持手段を前段部乃至は後段部に対して正しい姿勢で到着させることができる。
【0010】
さらに、前記搬送機構は、前記搬送方向に沿って延びるガイド部材を備えており、前記支持アームには、前記ガイド部材を少なくとも前記搬送方向と交差する方向から支持する支持片が前記搬送面に垂直な軸芯回りで揺動自在に支持されている構成とすることができる。
このように構成すれば、前記挟持手段が、前記搬送機構によって搬送されるシート状感光材料が形成する搬送面内で揺動することが可能なように支持されている構成としながらも、前記挟持手段の搬送方向と交差する方向に関する位置は一定に保持される。したがって、シート状感光材料が前段部の中心位置から供給されるとすると、挟持手段の搬送面内での揺動操作と無関係に、シート状感光材料は、挟持手段によって前段部の中心位置に引き渡される。
【0011】
更に、上記目的を達成するために、本発明に係るシート状感光材料搬送制御装置は、特許請求の範囲の欄の請求項5から請求項9に記された特徴構成を備えている。
すなわち、本発明の請求項5によるシート状感光材料搬送制御装置は、
プリントサイズに切断されたシート状感光材料を上流側の前段部から受け取る前段位置と、前記シート状感光材料を下流側の後段部に引き渡す後段位置との間で、前記シート状感光材料を挟持した挟持手段を、搬送される前記シート状感光材料が形成する搬送面内で揺動可能に支持した搬送機構によって搬送経路方向に沿って往復移動させるシート状感光材料搬送制御装置であって、
前記後段位置において、前記前段部と前記後段部との間の前記搬送面内での相対角度に応じて前記挟持手段の姿勢を前記搬送面内で揺動操作する揺動制御手段を備えることを特徴構成としている。
【0012】
このような特徴構成を備えているために、本発明の特許請求の範囲の第5項によるシート状感光材料搬送制御装置では、前記挟持手段の姿勢を、前段部と後段部の間の前記搬送面内での相対角度に応じて、前記搬送面内で揺動操作することができるので、前段部の出口と後段部の入口の間の平行度が充分に高くない場合にも、前段部の出口から真っ直ぐな正しい姿勢で提供されたシート状感光材料を受け取った挟持手段を、前段部と後段部の間の前記搬送面内での相対角度がキャンセルされるように、言い換えれば、後段部に対して真っ直ぐな姿勢に前記搬送面内で揺動操作すれば、シート状感光材料は、後段部に対して正しい姿勢で引き渡される。
【0013】
具体的には、前記挟持手段が備えた前記搬送方向と交差する長手方向を有する支持アームの前記長手方向の両端付近に取り付けられた、互いに独立した状態でそれぞれ駆動操作可能な一対の第1駆動手段および第2駆動手段を備え、前記揺動制御手段が前記第1駆動手段および前記第2駆動手段の作動により前記シート状感光材料を保持する前記挟持手段の搬送および揺動操作をすることができる。
このように構成すれば、一方の駆動手段が作動中の一定時間だけ他方の駆動手段の作動を停止する、或いは、一方の駆動手段を他方の駆動手段よりも一定時間だけ高速で回転させる等の操作を実行することによって、前記挟持手段の姿勢を必要なだけ前記搬送面内で揺動操作を自在に行うことができる。
【0014】
さらに具体的には、前記後段部における前記支持アームの前記長手方向の両端位置を各別に検出可能な一対の第1検出機構および第2検出機構を備え、前記第1検出機構および前記第2検出機構のそれぞれによる前記支持アームの各検出タイミングに基づいて前記挟持手段の揺動操作を行う。
このように構成すれば、第1検出機構および第2検出機構による各検出タイミングから、前段部と後段部との間の搬送面内における相対角度を知ることができ、第1駆動手段および第2駆動手段をその相対角度に基づいて作動させることで上記挟持手段を後段部に対して正しい姿勢に置くことができ、その結果、シート状感光材料を後段部に正しい姿勢で引き渡すことができる。
【0015】
更に具体的には、前記第1検出機構および前記第2検出機構が、前記支持アームの前記長手方向に沿って互いに離間して設けられた一対の第1検出板および第2検出板と、前記第1検出板および前記第2検出板をそれぞれ個別に検出可能な、前記後段部に設置された一対の第1センサおよび第2センサとを備え、前記揺動制御手段が、同時に作動している前記第1駆動手段および前記第2駆動手段の内、前記第1センサによる前記第1検出板の検出と同期して前記第1駆動手段を停止し、前記第2センサによる前記第2検出手段の検出と同期して前記第2駆動手段を停止することにより前記揺動操作を行う。
このように構成すれば、一対の検出板のいずれかが、その対応するセンサに検出されるまでは、一対の駆動手段を共に作動させ、一方のセンサによる一方の検出板の検出に応じて対応する側の駆動手段のみを停止し、他方の側の駆動手段の駆動は、他方のセンサによる他方の検出板の検出まで継続するという簡単な制御方法で、挟持手段を前段部乃至は後段部に対して正しい姿勢で到着させることができる。
【0016】
更に具体的には、前記第1検出機構および前記第2検出機構が、前記支持アームの前記長手方向に沿って互いに離間して設けられた一対の第1検出板および第2検出板と、前記第1検出板および前記第2検出板をそれぞれ個別に検出可能な、前記後段部に設置された一対の第1センサおよび第2センサとを備え、前記揺動制御手段が、前記第1駆動手段および前記第2駆動手段を共に作動させて、前記第1センサおよび前記第2センサよりも前記後段部側の所定位置まで前記挟持手段を搬送する搬送制御部と、前記搬送中に前記第1センサにより前記第1検出板を検出した第1位置と、前記第2センサにより前記第2検出板を検出した第2位置とを記憶する位置記憶制御部と、前記第1駆動手段または前記第2駆動手段の内の少なくとも何れか一方を駆動させて、前記所定位置に対する前記第1位置および前記第2位置の位置関係と相対的に等しい位置に前記挟持手段を再配置する位置関係再現制御部とを備えて構成される。
このように構成すれば、第1センサおよび第2センサのそれぞれによる、対応する第1検出板および第2検出板の検出と、第1駆動手段および第2駆動手段の動作の制御処理を一連の処理として行うことで、上記挟持手段を揺動操作する際に制御装置にかかる負荷を小さくすることができる。
【0017】
本発明によるその他の特徴および利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるであろう。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態の例について説明する。
図1は、本発明によるシート状感光材料搬送装置を備えたプリンタプロセッサを示す。
【0019】
(プリンタプロセッサの全体的な構成)
プリンタプロセッサ1は、プリントデータを作成して出力する画像処理部A、画像処理部Aから送られてきたプリントデータに基づいて印画紙に潜像を形成するための露光処理を施す露光処理部B、及び、露光処理部Bから送られた印画紙を現像処理液によって現像処理し、さらに乾燥処理を施して外部に排出するための現像処理部Cとからなる。
【0020】
画像処理部Aは、提供された写真フィルムの画像を光学的に読み取って、デジタル画像情報に変換するスキャナ2と、写真フィルム以外のフロッピーディスク、MOその他の媒体からデジタル画像情報を直接読み込む読取手段4と、スキャナ2乃至は読取手段4を介して入手したデジタル画像情報に基づいてプリントデータを作成するための制御装置(図1には図示せず)とを備えている。前記制御装置は、デジタル画像情報をオペレータのために視覚化するためのモニタディスプレー6や、オペレータが種々の補正用データを入力するためのキーボード(入力装置)8の他に、入手したデジタル画像情報を一旦保存可能な記憶装置(図1には図示せず)を含む。
【0021】
露光処理部Bは、長尺のロール状印画紙Rのロールを回転可能に支持した印画紙マガジン10と、印画紙マガジン10から印画紙を引き出してはカッター14によってロール状印画紙Rからプリントサイズに応じた長さのシート状印画紙P(シート状感光材料の一例)として切り離し、引き続き水平方向に搬送する印画紙供給ユニット12と、印画紙供給ユニット12から受け取ったシート状印画紙Pを引き続き副走査方向に搬送しながら走査露光するための露光ユニット18(後段部の一例)とを備えている。露光ユニット18を構成するデジタル露光エンジンとしては、ここではR,G,B各色に対応する波長のレーザー光のビームをポリゴンミラーを介して主走査方向に掃射するレーザー式露光エンジン20が用いられている。また、前記制御装置は、前記ビームに含まれる各波長光の強度を、画像処理部Aから供給されたプリントデータに基づいて制御する機能を有する。
【0022】
図2に示されるように、露光ユニット18は、レーザー式露光エンジン20の露光ポイントを挟んで上流側と下流側に配置された合計2対の露光ローラ対20a,20bと、印画紙を上流側から受け取って露光ローラ対20a,20bに引き渡すための受入れローラ対20R,20Rとを有する。2対の露光ローラ対20a,20bと受入れローラ対20R,20Rはいずれも、印画紙を挟着した挟着姿勢と、上下方向に互いに離間する方向に僅かに相対移動して挟着状態を解除した解除姿勢との間で切り換え可能に構成されている。
【0023】
露光ユニット18は、印画紙供給ユニット12が直に固定されたプリンタプロセッサ1の本体フレーム1Aに対して、防振ゴム21,21を介して取付けられている。
【0024】
図1に戻ると、現像処理部Cは、複数の現像処理液タンク22と、最後の現像処理液タンク22から排出されたシート状印画紙を熱風などで乾燥させる乾燥部24とからなる。乾燥部24を通過したシート状印画紙Pはプリントとしてトレイ26上などに排出される。互いに隣接した各現像処理液タンク22内には、シート状印画紙Pを現像処理液中で搬送させては、次のタンクに移し変えるためのカセット式の搬送ラックが挿入されている。
【0025】
また、露光処理部Bと現像処理部Cの間には、現像処理部Cにてシート状印画紙Pが乳剤面を外向きにした状態で現像処理液タンク22内を搬送されるように、乳剤面が上方を向いた姿勢で露光処理部Bから排出されたシート状印画紙Pを挟着したまま回転した後に現像処理部Cの入口に供給可能なスイッチバック搬送機構28が介装されている。スイッチバック搬送機構28には、露光処理部Bから一列状態で排出されたシート状印画紙Pを二列化した上で現像処理部Cに引き渡す振り分け機能を持たせることができる。
【0026】
(印画紙供給ユニットの具体的構成)
印画紙供給ユニット12は、印画紙マガジン10から印画紙を垂直上方に引き出し、90°だけターンさせて水平に送り出すための引き出し装置30(前段部の一例)と、引き出し装置30から略水平な姿勢で排出されたシート状印画紙Pを、その水平な姿勢のままで上下方向から挟持(チャック)して、下流側に位置する露光ユニット18に向かって水平方向に搬送する搬送装置16とを有する。
これらの引き出し装置30及び搬送装置16は、剛性の高いユニットフレーム12a上に支持されている。
【0027】
図2に示されるように、引き出し装置30は、印画紙の幅を充分に超える長さを備えた第1駆動ローラ32と、第1駆動ローラ32の周面に常時押付けられた2つの圧着ローラ36a,36b、並びに、第1駆動ローラ32から印画紙の搬送方向下流側に離間した第2駆動ローラ対34,34を有する。第1駆動ローラ32と第2駆動ローラ対34,34は、水平な軸芯周りで回転自在に支持されており、共通のモータM1の駆動力によって、互いに同期した周速度で回転操作される。また、第2駆動ローラ対34,34には、第2駆動ローラ対34,34の間に挟着された状態のシート状印画紙Pの抜き出しを下流側向きに限って許す一方向クラッチ(不図示)が設けられている。第1駆動ローラ32の周面に押付けられた2つの圧着ローラ36a,36bの内の下流側の圧着ローラ36bが第1駆動ローラ32の上端の周面と協働して形成する接線は、水平に延びている。またこの接線は、第2駆動ローラ対34,34どうしのニップに形成される接線と略一致している。尚、第2駆動ローラ対34,34は、必要なタイミングで上下方向に離間して圧着解除操作されるように構成されている。また、上流側の圧着ローラ36aは、第1駆動ローラ32の斜め上方側の周面に押付けられている。
【0028】
第1駆動ローラ32と第2駆動ローラ対34,34の間には、引き出し機構30によって引き出されたロール状印画紙Rをプリントサイズに応じた長さで切断してシート状印画紙Pにするためのカッタ14が配置されている。
【0029】
搬送装置16は、引き出し装置30から排出されたシート状印画紙Pを挟持可能なチャック装置40(挟持手段の一例)を有する。また、搬送装置16は、チャック装置40を、シート状印画紙Pを上流側の引き出し機構30から受け取るための第1位置と、シート状印画紙Pを下流側の露光ユニット18に引き渡すための第2位置の間で、略水平に延びた搬送面内を往復移動させる搬送機構70を備えている。
【0030】
(チャック装置)
図3から図6に示されるように、チャック装置40は、シート状印画紙Pの幅を十分に超える長さで延びた剛性の高い支持アーム42と、支持アーム42上に支持されたチャック機構44とを有する。支持アーム42は、チャック装置40の搬送方向と交差する長手方向を有する。
【0031】
他方、搬送機構70は、ユニットフレーム12aの両側面の内側に、シート状印画紙Pの搬送方向と平行に延びるように架設された一対の無端状のタイミングベルト(第1タイミングベルトおよび第2タイミングベルト)54,54を有する。2本のタイミングベルト54,54の下流側の端部の内側の歯部は、ユニットフレーム12aに固定された別々のモータM2R,M2L(第1駆動手段および第2駆動手段の一例)の回転軸に固定された各タイミングプーリ上に噛合されている。尚、2本のタイミングベルト54,54の上流側の端部の内側の歯部は、ユニットフレーム12aの両側面の間に延びた軸12b上に空転するように支持された各タイミングプーリ上に噛合されている。したがって、2本のタイミングベルト54,54どうしは、モータM2R,M2Lの駆動操作状態に応じて、互いに独立して回転駆動されることも、また、同時に駆動されることで、見掛け上一体的に駆動されることも可能である。
【0032】
図4に示されるように、支持アーム42の両端の下面には、樹脂製のローラ42a,42aが回転自在に支持されており、他方、印画紙供給ユニット12のユニットフレーム12aには、ローラ42a,42aを受ける平坦なレール手段12r,12rが形成されている。チャック機構44と支持アーム42を合わせた重量は、主としてローラ42a,42aを介してこのレール手段12r,12rが受けている。
【0033】
また、支持アーム42の前記長手方向の両端の上面からは、延長板42b,42bが水平に延びており、いずれの延長板42b,42bも支持アーム42との間で、対応する側のタイミングベルト54の下方部位を挟持固定している。そこで、モータM2R,M2Lの駆動操作状態に応じて、2本のタイミングベルト54,54が同時に同一速度で駆動されれば、支持アーム42は、平面視における角度姿勢を変えることなくレール手段12r,12r上を移動するが、例えば、2本のタイミングベルト54,54の一方のみが駆動されたり、2本のタイミングベルト54,54の一方が他方よりも高速で駆動されれば、支持アーム42の平面視における角度姿勢は変化する。これによって、支持アーム42上のチャック装置40は、搬送機構70によって搬送されるシート状印画紙Pの形成する前記搬送面内で揺動操作されることになる。
【0034】
(ガイドロッド)
次に、ユニットフレーム12aには、引き出し機構30の下流側端部から露光ユニット18の上流側付近まで水平に直線状に延びた1本のガイドロッド12G(ガイド部材の一例)が延びている。ガイドロッド12Gは、円形の断面形状を備え、ユニットフレーム12aの幅方向の中心に配置されている。そして、支持アーム42の中央には、スリーブ状の支持片43が、前記搬送面に対して垂直な軸芯X1周りで支持アーム42に対して相対的に揺動可能に支持されている。スリーブ状の支持片43は、ガイドロッド12Gの周面上に略隙間無く外嵌されているが、ガイドロッド12G上をスムーズに摺動可能である。ガイドロッド12Gとこれに外嵌された状態で摺動する支持片43は、支持アーム42の中心を、常にシート状印画紙Pの幅方向の略中心に保持する働きをする。支持片43は、ガイドロッド12Gをその外周の全周から支持する必要はないが、少なくとも搬送方向と交差する方向から支持することが必要である。
【0035】
ガイドロッド12Gは多少の可撓性を備えており、また、ガイドロッド12Gはその長手方向の両端、言い換えれば、搬送方向の上流側端部と下流側端部のみでユニットフレーム12aに固定されているので、長手方向の中心付近ではガイドロッド12Gは外力によって上下左右に変位し得る。しかし、ユニットフレーム12aに固定された両端部付近では外力によっても変位し難いので、これら両端部付近では充分な中心維持機能を発揮する。
【0036】
(チャック機構について)
また、図4に示されるように、チャック装置40は、支持アーム42の両端から一旦下方に延び、引き続き主走査方向の中央まで延びた下方アーム46を有する。支持アーム42と下方アーム46には、互いに対向し且つ水平に延びた対向面42h,46hが形成されている。下方アーム46の対向面46hの主走査方向における中央付近の所定箇所からは、互いに主走査方向に離間した一対の支持突起46a,46aが僅かに突出形成されている。また、チャック装置40上のチャック機構44は、垂直方向に延び、支持突起46a,46aと同軸状に配置された一対のチャックピン48,48を備えている。チャックピン48,48どうしは、シート状印画紙Pの幅方向に沿って、言い換えれば、搬送方向と交差する向きに離間している。また、個々のチャックピン48,48は、筒状の孔内に上下方向に変位可能に設けられており、前記孔内の上方に設置された圧縮バネ49によって、一対の支持突起46a,46aに向かって常に付勢されている。そして、チャック機構44は、圧縮バネ49の付勢力に抗して、チャックピン48,48を、一対の支持突起46a,46aから引き離す解除機構50を含む。解除機構50がON状態となり、チャックピン48,48が一対の支持突起46a,46aから引き離されると、間に充分な空間が形成されて、シート状印画紙Pを間に受け入れ可能となる。他方、解除機構50がOFF状態となると、シート状印画紙P上に位置する2つの所定箇所は、チャックピン48,48と一対の支持突起46a,46aの間に挟着される。
【0037】
図5(イ)と図5(ロ)に例示されるように、解除機構50は、水平な軸芯X2周りで揺動自在に支持された操作アングル52を有する。操作アングル52の一端52aは、チャックピン48,48の長手方向の中間部に突出形成された係止ピン48aに係止され、操作アングル52の他端52bは、モータM3によって回転操作される非円形のカム板56に接当している。カム板56は一つの大径部54aを有し、モータM3の回転角度の制御に基づいて、カム板56の回転位置が図5(イ)に示す状態になれば、カム板56の大径部54aは、操作アングル52の他端52bを印画紙搬送方向の上流側に向けて倒すように、操作アングル52を揺動して傾斜させる。これによって、チャックピン48,48は、圧縮バネ49の付勢力に抗して一対の支持突起46a,46aから上方に引き離される。さらにモータM3の回転位置が変化し、カム板56の回転位置が図5(ロ)に示す状態になれば、操作アングル52は、カム板56の大径部54aによる作用から解除されて、圧縮バネ49の付勢力に基づいて、直立姿勢に切り換えられ、同時に、チャックピン48,48も一対の支持突起46a,46a側に押付けられ、ここに挿入されているシート状印画紙Pを2箇所(すなわち、支持突起46a,46a)で挟持する。
【0038】
(案内面について)
尚、支持アーム42と下方アーム46は、その上流側端部に、シート状印画紙Pを対向面42h,46hの間に案内するための案内傾斜面42g,46g(案内部材の一例)を有する。図5(イ)と図5(ロ)に示されるように、支持アーム42の案内傾斜面42gは、側面視において上流側に向かって次第に上昇する約45°の傾斜を持ち、他方、下方アーム46の案内傾斜面46gは、側面視において上流側に向かって次第に下降するやはり約45°の傾斜を持つ。すなわち、支持アーム42の案内傾斜面42gと下方アーム46の案内傾斜面46gは協働して上流側に向かって約90°開いた案内傾斜面を形成している。案内傾斜面42g,46gは、シート状印画紙Pの幅方向に沿って一対のチャックピン48,48よりも外側まで延びている。
【0039】
さらに、図6に示されるように、支持アーム42の案内傾斜面42gと下方アーム46の案内傾斜面46gは、平面視において、シート状印画紙Pの幅方向の中心から幅方向の外側に向かって次第に下流側に変位する約10°の傾斜を持つ。
【0040】
(ガイド板について)
また、搬送装置16は、引き出し機構30の下流側端部から露光ユニット18の上流側付近まで、チャック装置40の搬送方向と平行に、水平に直線状に延びたガイド板60(支持部材の一例)を備えている。ガイド板60は、上ガイド板60aと下ガイド板60bを有し、上ガイド板60aと下ガイド板60bは、いずれも印画紙供給ユニット12の、ユニットフレーム12aに固定された、幅が約50〜70mmの平坦な直線状に延びた金属板であり、搬送経路の幅方向の中央に配置されている。より具体的には、上ガイド板60aと下ガイド板60bは、一対のチャックピン48,48の間に延びている。言い換えれば、チャック機構44のチャックピン48,48は、上ガイド板60aと下ガイド板60bの両側に隣接した位置に設けられている。
【0041】
したがって、上ガイド板60aと下ガイド板60bは、少なくとも引き出し装置30に対して固定されていることになる。上ガイド板60aの下面は、シート状印画紙Pの上面である乳剤面と対向する第1案内面61aとなっており、下ガイド板60bの上面は、シート状印画紙Pの下面である基材面と対向する第2案内面61bとなっている。そして、第1案内面61aと第2案内面61bの間に形成された上下方向の間隙は、ガイド板60の全長にわたって約5〜7mmとなっている。
【0042】
すなわち、チャック装置40に挟持されたシート状印画紙Pの幅方向の中央付近は、前記第1位置から前記第2位置まで一貫して、これら第1案内面61aと第2案内面61bの間を搬送される。また、チャックピン48,48と支持突起46a,46aの間にチャックされたシート状印画紙P上の2つの所定箇所も、これら第1案内面61aと第2案内面61bの間に配置されている。この結果、ガイド板60は、チャック装置40に挟持されたシート状印画紙Pの上流側と下流側の端部を、少なくともシート状印画紙Pの幅方向の中央付近において、シート状印画紙P上の2つの所定箇所の移動軌跡付近に接当支持することができる。
【0043】
また、引き出し装置30の第2駆動ローラ対34,34によって挟着されているシート状印画紙Pの下流側端部は、少なくともシート状印画紙Pの幅方向における中央部位において、ガイド板60に支持されることになる。また、チャック装置40に挟持されたままで、引き出し装置30側から露光ユニット18まで搬送されるシート状印画紙Pの主走査方向の中央部位は、搬送に基づくシート状印画紙Pの位置に関らず、印画紙Pの上流側端部から下流側端部までの全長にわたってガイド板60に支持されるので、印画紙供給ユニット12内の他の部材(例えば、ユニットの補強部材)や印画紙供給ユニット12の下方に位置する部材などにシート状印画紙Pが触れることが防止されている。
【0044】
特に、下ガイド板60bは、シート状印画紙Pの中央部位を下方から支持し、この部位が重力によって下方に垂れ下がることを防止している。すなわち、下ガイド板60bは、特に、チャック装置40に挟持されたシート状印画紙Pの(搬送方向に関する)上流側の端部を接当支持する支持部材として機能する。
【0045】
尚、上ガイド板60aは、チャック機構44によって挟持されたシート状印画紙Pが、その上流側の端部または下流側の端部あるいはこれら両端部が上方に持ち上がるような例外的な巻き癖を備えている場合に、シート状印画紙Pの下流側の端部を支持アーム42と下方アーム46の間に形成された案内面内に案内する働き、また、これらの端部が印画紙供給ユニット12の他の部材や印画紙供給ユニット12の上方の他の部材と接当することを防止する働きをする。
【0046】
ガイド板60は、必ずしも、引き出し装置30から露光ユニット18までの全長にわたって延びている必要はないが、少なくともチャック装置40が引き出し装置30からシート状印画紙Pを受け取る際の印画紙Pの先端(下流側端部)よりも搬送方向に関して上流側から延び、且つ、少なくともチャック装置40が露光ユニット18にシート状印画紙Pを引き渡す際の印画紙Pの後端(上流側端部)よりも搬送方向に関して下流側まで延びていることが必要である。
【0047】
(印画紙供給ユニットの基本的な働き)
副走査方向の長さが117mmで、主走査方向の長さ、すなわち幅が140mmの一般的な寸法のシート状印画紙Pを処理する際の印画紙供給ユニットの基本的な働きを以下に例示する。
【0048】
先ず、引き出し装置30が印画紙を117mmだけ引き出し、カッタ14によって切断して、シート状印画紙Pを提供する(この提供されたシート状印画紙Pは図3に実線で示されている)。提供された段階では、シート状印画紙Pは、第2駆動ローラ対34,34によって挟着されたままである。
【0049】
次に、タイミングベルト54,54の逆転方向の回転駆動に基づいてチャック装置40が、前記第1位置に移動すると(この第1位置に移動したチャック装置40は図2に実線で示されている)、シート状印画紙Pは、支持アーム42と下方アーム46の各対向面42h,46hの間に入り込み、モータM3の駆動に基づいて、シート状印画紙Pの所定箇所が、チャックピン48,48にチャック(挟着)される。
【0050】
このチャック装置40の前記第1位置への移動に際しては、第2駆動ローラ対34,34によって挟着されたシート状印画紙Pの先端(すなわち、下流側端部)は、少なくともその主走査方向における中央部位においてガイド板60に支持されることになるので、下方に大きく垂れ下がることなく、支持アーム42と下方アーム46の間に形成された案内傾斜面42g,46gの一部にスムーズに受け入れられ、そのまま案内傾斜面42g,46gによって案内されて、最終的に、各対向面42h,46hの間に、言い換えれば、チャックピン48,48と支持突起46a,46aの間に進入する。尚、第2駆動ローラ対34,34によって挟着されたシート状印画紙Pの下流側端部の内で、主走査方向における中央部位から離れた両側端はガイド板60に直接支持されておらず、重力や印画紙の巻き癖によって下方に幾らか垂れ下がっている可能性があるが、この部位は、平面視において外側に向かって次第に下流側に変位する約10°の傾斜を備えた、下方アーム46の案内面46gによって下方から掬い上げられるようにして、やはり、スムーズに各対向面42h,46hの間に進入することができる。
【0051】
さらに、シート状印画紙Pをチャックピン48,48によって挟持した状態で、チャック装置40は、タイミングベルト54,54の正転方向の回転駆動に基づいて前記第2位置に移動する。前記第2位置では、シート状印画紙Pの下流側の端部が、解除状態の受入れローラ対20R,20Rの間に進入する。シート状印画紙Pの下流側の端部が受入れローラ対20R,20Rの間に進入したら、受入れローラ対20R,20Rが圧着状態に切り換えられる。この後で、チャック機構44のチャックピン48,48は、モータM3によって引き上げられ、シート状印画紙Pの挟着状態が解除される。
【0052】
また、図3に示されるように、支持アーム42と下方アーム46の双方には、下流側に突出した支持板42s,46sが設けられており、これらの各支持板42s,42sどうし及び各支持板46s,46sどうしの間には、上ガイド板60aと下ガイド板60bどうしの間の間隙よりも小さな約4mm前後の間隙が形成されている。チャック機構44上に挟持されているシート状印画紙Pの下流側端部は、これらの支持板42s,46sによって直線状に保持されている。支持板42s,46sは、主走査方向における4箇所に形成されている。主走査方向における内側の一対の支持板42s,46sは、標準的なサイズの印画紙用であり、外側の一対の支持板42s,46sは、大判サイズの印画紙を内側の支持板42s,46sと協働して支持するために設けられている。
【0053】
他方、受入れローラ対20R,20Rは、図3に示されるように、主走査方向に沿って4個のローラ対に分割形成されているので、第2位置におけるチャック装置40は、4箇所の支持板42s,46sが、受入れローラ対20R,20Rの周面よりも更に内径側に入り込むまで、そして、チャック機構44上に挟持されているシート状印画紙Pの下流側端部が、解除状態の受入れローラ対20R,20Rの間に進入するまで、露光ユニット18に近付くことができる。
【0054】
(チャック装置の姿勢制御機構について)
プリンタプロセッサ1には、チャック装置40の平面視における姿勢を制御するための姿勢制御機構が設けられている。前記姿勢制御機構は、チャック装置40の平面視における姿勢を検出するために、印画紙供給ユニット12、および、印画紙供給ユニット12と露光ユニット18の間に設けられた位置検出機構と、前記位置検出機構による検出結果に基づいて、チャック装置40の平面視における角度姿勢を変更可能な姿勢操作機構とからなる。
【0055】
図3と図4に示されるように、前記位置検出機構は、一方では、支持アーム42の上流側端部の左右両端から水平に延びた上流側検出板62R,62Lと、上流側検出板62R,62Lの進入を個々に独立して検出するように引き出し装置30に配置された光センサ対63R,63Lとを有する。また、前記位置検出機構は、他方では、支持アーム42の下流側端部の左右両端から水平に延びた下流側検出板64R,64Lと、下流側検出板64R,64Lの進入を個々に独立して検出するように露光ユニット18に配置された光センサ対65R,65Lを有する。そして、前記姿勢操作機構は、チャック装置40を往復移動操作するためのタイミングベルト54,54で構成されている。すなわち、左右のタイミングベルト54,54の駆動操作を制御して故意にアンバランスに駆動させることによって、チャック装置40は、スリーブ状の支持片43上の垂直な軸芯X1周回りで揺動操作される。したがって、2本のタイミングベルト54,54の回転駆動を互いに独立して制御可能なモータM2R,M2Lは、チャック装置40を軸芯X1周回りで揺動操作する操作機構を構成している。
【0056】
図7にはチャック装置40の姿勢制御に関わる各部分からなる姿勢制御機構の概略的な構成図を示す。
この姿勢制御機構は、チャック装置40の支持アーム42の下流側端部の左右両端から水平に延びた下流側検出板64L(第1検出板の一例)、64R(第2検出板の一例)と、下流側検出板64L、64Rの進入を露光ユニット18に配置された光センサ対65L(第1センサの一例)、65R(第2センサの一例)を用いて個々に独立して検出し、更に、タイミングベルト54、54(露光ユニット18方向を向いて左側を第1タイミングベルト54、右側を第2タイミングベルト54とする)を個々に独立して駆動させるモータM2L(第1駆動手段の一例)、M2R(第2駆動手段の一例)を駆動させて、チャック装置40を往復移動操作および揺動操作するように構成されている。また、各モータM2L、M2Rの作動はモータドライバ66L、66Rによってそれぞれ制御される。尚、姿勢制御機構の構成は図7に図示したものに限定されず、様々な回路構成のものを使用し得る。
【0057】
モータM2L、M2Rの作動はモータドライバ66L、66Rによってそれぞれ制御され、モータドライバ66L、66Rの作動は制御装置69によって制御されるのだが、それらの制御は以下の通りである。ここで、制御装置69はチャック装置40の姿勢制御(搬送面内における揺動操作)を行う揺動制御手段としても機能し、この揺動制御手段は、上記第1駆動手段および上記第2制御手段を共に作動させてチャック装置40を搬送する搬送制御部、搬送中に上記第1センサにより上記第1検出板を検出した第1位置と、上記第2センサにより上記第2検出板を検出した第2位置とを記憶する位置記憶制御部、上記第1駆動手段または上記第2駆動手段の内の少なくとも何れか一方を作動させて、上記第1位置および上記第2位置に基づくチャック装置40の再配置を行う位置関係再現制御手段などとしての機能を有している。
【0058】
各AND回路部67L、67Rにはパルス発生器68から常にオンオフの駆動電圧信号(パルス信号)が入力されている。更に、各AND回路部67L、67Rには制御装置69からモータM2L、M2Rの駆動タイミングに同期した駆動制御信号が入力される。従って、各AND回路部67L、67Rは制御装置69から駆動制御信号が入力されている間の駆動電圧信号に同期したパルス波形を各モータドライバ66L、66Rに出力する。従って、モータM2L、M2Rは制御装置69から出力された駆動制御信号に同期してパルス駆動される。
【0059】
また、各光センサ対65L、65Rが下流側検出板64L、64Rの進入を個々に独立して検出した場合、その検出情報は制御装置69に伝達される。上述したように、下流側検出板64L、64Rを備えたチャック装置40は制御装置69からの命令によって動作しているパルス発生器68から出力されるパルス波形と同期して搬送されていることから、制御装置69は下流側検出板64L、64Rの検出位置、検出時刻等をパルス数の関数として記憶手段80に格納しておくことができる。つまり、制御装置69にとっては、単位パルス当たりの搬送距離や、単位パルス当たりの搬送時間などが既知であり、パルス数を計数することによって搬送距離や搬送時間などを導出することができる。
【0060】
上述したように制御装置69は、駆動させる必要のあるモータ(第1駆動手段および第2駆動手段)M2L、M2Rを駆動させるために、駆動制御信号を発信し、更に、それぞれのモータ(第1駆動手段および第2駆動手段)M2L、M2Rが何パルス分駆動されたのかを計数して、記憶手段80に格納できる構成となっている。また、シート状感光材料の操作者は、制御装置69に接続された入力装置8を使用して所定のパルス数の入力を行い、そのパルス数分だけモータ(第1駆動手段および第2駆動手段)M2L、M2Rを駆動させることなどを行うこともできる。
【0061】
(姿勢制御工程の具体例)
ここでは、引き出し装置30から提供されたシート状印画紙Pは、平面視において正しい姿勢でチャック装置40に挟持されている、言い換えれば、チャック装置40に挟持されたシート状印画紙Pは、シート状印画紙Pの下流側端部がチャック装置40の支持アーム42の長手方向と正確に一致するように挟持されていると仮定する。すなわち、そして、防振ゴム21の取付け精度乃至は防振ゴム21の劣化等の原因によって、図8に示されるように、平面視において露光ユニット18は印画紙供給ユニット12に対して傾斜している、言い換えれば、露光ユニット18の受入れローラ対20R,20Rは、引き出し装置30の第2駆動ローラ対34,34の軸芯に対して傾斜しているものと仮定する。
【0062】
すなわち、前段部としての引き出し装置30と後段部としての露光ユニット18とは、搬送面内で相対角度を有する。そして、以下で詳述するように、前記姿勢制御機構は、チャック装置40の姿勢を、前記相対角度に応じて搬送面内で揺動操作することができる。尚、図8では、分かり易さのために、露光ユニット18の右側が左側に比して印画紙供給ユニット12から一見して判る程に大きく離間したような、極端に傾斜した状態で示されているが、実際には、一見して判らない程度の傾斜を示すことが多いと考えられる。このような状況の場合、チャック装置40は、例えば、図8および図9に例示するような各工程を経て、第1位置と第2位置の間を往復移動する。尚、図9中で「左側」および「右側」とは、引き出し装置30から露光ユニット18を向いた場合に規定される位置関係であり、参照番号でそれぞれ「L(left)」および「R(right)」を付記して区別している。
【0063】
<第1工程>最初に、図8(イ)の上向き矢印が示すように、チャック装置40は、第1位置における引き出し装置30の第2駆動ローラ対34,34の軸芯に対して平行な姿勢を維持したまま、第2位置に向かって移動を開始する。すなわち、この段階では、左右のタイミングベルト54,54は、同時に正転方向に駆動開始され、且つ、互いに同期した速度で駆動される(図9の工程100)。
【0064】
<第2工程>チャック装置40の移動が進むと、(ここでは、露光ユニット18の受入れローラ対20R,20Rが引き出し装置30の第2駆動ローラ対34,34に対して傾斜しているので)先ず、チャック装置40の左側の下流側検出板64Lが光センサ対65Lによって検出され(図9の工程102)、この検出に基づいて左側のタイミングベルト54の駆動が即刻停止される(図9の工程104)。この時点でも、チャック装置40の右側の下流側検出板64Rは光センサ対65Rによって検出されていないので、右側のタイミングベルト54は引き続き駆動を続け、これによって、チャック装置40は次第に右側が上がった傾斜姿勢になり始める。
【0065】
<第3工程>さらに、右側のタイミングベルト54のみの駆動が進むと、チャック装置40の右側の下流側検出板64Rが光センサ対65Rによって検出され(図9の工程106)、この検出に基づいて右側のタイミングベルト54の駆動も即刻停止される(図9の工程108)。これによって、チャック装置40は、最早、引き出し装置30の第2駆動ローラ対34,34に対しては平行ではなく、しかし、露光ユニット18の受入れローラ対20R,20Rに対して平行な姿勢で第2位置となる。したがって、引き出し装置30と露光ユニット18との間の搬送面内での相対角度に応じてチャック装置40の姿勢を揺動操作する揺動工程が実施され、チャック装置40上のシート状印画紙Pは、図8(ロ)に示されるように平面視において厳密に正しい姿勢で露光ユニット18に進入して、シート状印画紙Pが露光ユニット18に引き渡される(図9の工程110)。
【0066】
<第4工程>次に、シート状印画紙Pが露光ユニット18に引き渡されてしまうと、チャック装置40は、図8(ハ)に実線で示されるように、第2位置における傾斜した姿勢のままで、第1姿勢に向かって復帰開始する。すなわち、ここでも、左右のタイミングベルト54,54は、先ず、同時に正転方向に駆動開始され、且つ、互いに同期した速度で駆動される。
【0067】
<第5工程>チャック装置40の復帰が進むと、チャック装置40は、(引き出し装置30の第2駆動ローラ対34,34に対して傾斜しているので)先ず、チャック装置40の左側の上流側検出板62Lが光センサ対63Lによって検出され、この検出に基づいて左側のタイミングベルト54の駆動が即刻停止される。この時点でも、チャック装置40の右側の上流側検出板62Rは検出されていないので、右側のタイミングベルト54は引き続き駆動を続け、これによって、チャック装置40の右側が上がった傾斜姿勢が解消され始める。
【0068】
<第6工程>さらに、右側のタイミングベルト54のみの駆動が進むと、チャック装置40の右側の上流側検出板62Rが光センサ対63Rによって検出され、この検出に基づいて右側のタイミングベルト54の駆動も即刻停止される。これによって、チャック装置40は、図8(ハ)に二点鎖線で示されるように、引き出し装置30の第2駆動ローラ対34,34の軸芯に対して平行な初期の姿勢で第1位置となる。
【0069】
或いは、チャック装置40を、図10に示される要領で、以下の工程に基づいて、第1位置と第2位置の間を往復移動させても良い。
第1工程では、チャック装置40は、図10(イ)の上向き矢印が示すように、上記の実施形態の第1工程と全く同様に搬送される。
第2工程と第3工程も、上記の実施形態の第2工程と全く同様に実施され、チャック装置40上のシート状印画紙Pは、図10(ロ)に示されるように、平面視において厳密に正しい姿勢で露光ユニット18に進入する。但し、第1と第2工程において、右側のタイミングベルト54を駆動するモータM2Rが、左側のタイミングベルト54を駆動するモータM2Lが停止してから、更に何パルスだけ余分に回転してから停止されたかを制御装置69の記憶手段80に記憶させておく。
そして、第4工程では、上記の実施形態の第4工程と異なり、シート状印画紙Pが露光ユニット18に引き渡されてしまうと、先ず、右側のタイミングベルト54を駆動するモータM2Rのみを、この余分なパルス数だけ逆転駆動することで、チャック装置40を、図10(ハ)に実線で示されるように、引き出し装置30の第2駆動ローラ対34,34の軸芯に対して平行な初期の姿勢に戻す。その後は、第5工程として、左右のタイミングベルト54,54を同期した速度で逆転回転させて、図10(ハ)に二点鎖線で示されるように、第1位置に復帰させる。この場合には、チャック装置40の上流側検出板62R,62Lや引き出し装置30側の光センサ対63R,63Lは、必ずしも必要ない。
【0070】
上述のようにチャック装置40を引き出し装置30から露光ユニット18に搬送する方法と露光ユニット18から引き出し装置30に搬送する方法とを図8〜図10を参照して説明したが、引き出し装置30から露光ユニット18に至る搬送方法としては更に別の搬送方法も取り得る。以下にそれらのシート状感光材料搬送方法について図11を参照して同様に説明する。
【0071】
<第1工程>最初に、図12(イ)の上向き矢印が示すように、チャック装置40は、前段位置における引き出し装置30の第2駆動ローラ対34、34に対して平行な姿勢を維持したまま、露光ユニット18が設けられた後段位置に向かって移動を開始する(搬送工程)。即ち、この段階ではチャック装置(挟持手段の一例)40の左右に設けられた第1タイミングベルト54および第2タイミングベルト54は同時に正転方向に駆動開始され、且つ互いに同期した速度で駆動される(図11の工程200)。
【0072】
<第2工程>チャック装置40の移動が進むと、(ここでは、露光ユニット18の受入れローラ対20R、20Rに対して傾斜しているので)先ず、チャック装置40の左側の下流側検出板(第1検出板)64Lが光センサ対(第1センサ)65Lによって検出され(図11の工程202)、この検出位置(第1検出位置)がパルス数の関数として記憶手段80に格納される(図11の工程204:位置記憶工程)。この時点では、チャック装置40の右側の下流側検出板(第2検出板)64Rは光センサ対(第2センサ)65Rには検出されていない。
【0073】
<第3工程>さらにモータ(第1駆動手段)M2Lおよびモータ(第2駆動手段)M2Rによるタイミングベルト54、54の駆動が進むと、チャック装置40の右側の下流側検出板(第2検出板)64Rが光センサ対(第2センサ)65Rによって検出され(図11の工程206)、この検出位置(第2検出位置)がパルス数の関数として記憶手段80に格納される(図11の工程208:位置記憶工程)。
【0074】
<第4工程>図12(ロ)に示すように、チャック装置40は所定の停止位置において停止される(図11の工程210)。制御装置69は、停止位置を基準とした場合の第1検出位置および第2検出位置のそれぞれの位置関係を確認し、所定位置から第1検出位置までの距離と、所定位置から第2検出位置までの距離との差を導出する(図11の工程212)。ここでは、チャック装置40の始動から停止までをモータ(第1駆動手段および第2駆動手段)M2L、M2Rに印加される駆動電圧信号のパルス数で制御していることで、チャック装置40の始動位置から第1検出位置および第2検出位置のそれぞれまでの距離や時間をパルス数で管理することができる。ここでは、停止位置から第1検出位置までの距離と、停止位置から第2検出位置までの距離との差はパルス数で与えられる。図12(ロ)に示すように、第1検出位置は停止位置からxパルスだけ離れ、第2検出位置は停止位置からyパルスだけ離れている。
【0075】
<第5工程> 次に上述の工程212において導出された、(x−y)パルスというパルス数の差で表された第1検出位置と第2検出位置との位置関係、即ち前段部としての引き出し装置30と後段部としての露光ユニット18との間の搬送面内での相対角度に応じてモータ(第1駆動手段または第2駆動手段)M2L、M2Rの調整駆動が実施される(図11の工程214)。例えば、上記第4工程において、右側の下流側検出板(第2検出板)64Rが左側の下流側検出板(第1検出板)64Lよりも(x−y)パルス分だけ露光ユニット18側で検出された場合、図12(ハ)に示すように第1駆動手段を上記所定位置から(x−y)パルス分だけ駆動させて、チャック装置40の左側を引き出し装置30側に移動させる、または第2駆動手段を上記所定位置から(x−y)パルス分だけ駆動させて、チャック装置40の右側を露光ユニット18側に移動させる、などの何れかの方法によって搬送面内でのチャック装置40の姿勢を露光ユニット18に対して真っ直ぐな姿勢にすることができ、その結果、シート状印画紙Pが露光ユニット18に対して正しい姿勢に調整する(位置関係再現工程)。

【0076】
このような工程によって、光センサ対(左側の第1センサおよび右側の第2センサ)65L、65Rのそれぞれによる、対応する下流側検出板(左側の第1検出板および右側の第2検出板)64L、64Rの検出と、モータ(左側の第1駆動手段および右側の第2駆動手段)M2L、M2Rのそれぞれによる、対応するタイミングベルト(左側の第1タイミングベルトおよび右側の第2タイミングベルト)54、54の駆動との制御処理を一連の処理として行うことで、上記挟持手段を揺動操作する際に制御装置にかかる負荷を小さくすることができる。
【0077】
ただし、上述した位置関係再現工程は単なる例であり、本願発明の姿勢制御工程が限定されるものではない。例えば、上述の例では、位置関係再現工程においてチャック装置40の左側または右側の何れか一方を移動させることで、引き出し装置30と露光ユニット18との相対角度に応じたチャック装置40の姿勢制御(揺動工程)を実施していたが、チャック装置40の左側および右側の両方を移動させることで姿勢制御を実施しても構わない。
【0078】
<第6工程>次に、シート状印画紙Pが露光ユニット18に引き渡されてしまうと、チャック装置40は、図8(ハ)に実線で示されるように、第2位置における傾斜した姿勢のままで、第1姿勢に向かって復帰開始する。復帰の工程は上述した各実施形態と同様である。
【0079】
〔別実施形態〕
〈1〉新たなシート状印画紙Pを搬送する度にチャック装置40の位置検出操作を行うのではなく、工場出荷時などの検査時点で、平面視における露光ユニット18の印画紙供給ユニット12に対する傾斜レベルを調査し、実際の稼動時には、この時に得られた傾斜に関するデータに基づいて、チャック装置40を移動操作しても良い。すなわち、チャック装置40の第2位置への移動操作に際して、左右のどちらのタイミングベルト54,54のモータM2R,M2Lを何パルス余分に正転回転すれば、チャック装置40が露光ユニット18に対して正しい姿勢で第2位置を取るかを調査し、実際の稼動時には、露光ユニット18の印画紙供給ユニット12に対する傾斜レベルが変化するまでは、この姿勢制御を毎回実施すれば良い。
【0080】
〈2〉上記実施形態における仮定に反した例でも、本発明のチャック装置40を有効に利用することができる。すなわち、引き出し装置30から提供されたシート状印画紙Pが、平面視において正しい姿勢でチャック装置40に挟持されていない、言い換えれば、チャック装置40に挟持されたシート状印画紙Pは、シート状印画紙Pの下流側端部がチャック装置40の支持アーム42の長手方向軸芯と一致するように挟持されていない場合である。この場合、引き出し装置30から提供されたシート状印画紙Pが、平面視においてどのような傾斜姿勢でチャック装置40に挟持される傾向があるかを事前に調査しておいて、この傾向をキャンセルするようにチャック装置40の平面視における姿勢を制御するようにタイミングベルト54,54のモータM2R,M2Lを駆動させることができる。
【0081】
〈3〉挟持手段の姿勢を、前段部と後段部の間の搬送面内での相対角度に応じて搬送面内で揺動操作する操作機構として、挟持手段の長手方向の両端付近に配置された一対の接当部と、前段部乃至は後段部に配置された被接当部を設けても良い。そして、タイミングベルト54,54と噛合した各タイミングプーリとモータM2R,M2Lの回転軸の間に、一定のトルクを超えた回転力をタイミングプーリに伝達しないクラッチ機構を設ければ良い。露光ユニット18の受入れローラ対20R,20Rが引き出し装置30の第2駆動ローラ対34,34に対して傾斜していても、挟持手段の双方の接当部が露光ユニット18の被接当部と接当するまでタイミングベルト54,54は回転し、引き続きモータM2R,M2Lは回転を継続するので、挟持手段の接当部は、露光ユニット18に対して真っ直ぐな正しい姿勢で被接当部に押付けられる。クラッチ機構の滑り状態が一定時間続いたことを検知する手段を設けて、この検知手段の検知結果に基づいて、モータM2R,M2Lの回転が停止されるように構成しても良い。尚、この実施形態の場合、挟持手段上の検出板や、前段部乃至は後段部のセンサを省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状感光材料搬送装置を備えたプリンタプロセッサの全体を示す略図
【図2】図1のプリンタプロセッサに設けられた印画紙供給ユニットと露光ユニットを示す側面図
【図3】図2の印画紙供給ユニットの平面図
【図4】図3の印画紙供給ユニットを引き出し装置側から見た一部破断正面図
【図5】印画紙供給ユニットに搭載されたチャック機構を示す説明図
【図6】印画紙供給ユニットに搭載されたチャック装置の案内部材を示す斜視図
【図7】印画紙供給ユニットの構成図
【図8】印画紙供給ユニットに搭載されたチャック装置の姿勢制御方法を示す略図
【図9】姿勢制御方法を示す工程図
【図10】印画紙供給ユニットに搭載されたチャック装置の別の姿勢制御方法を示す略図
【図11】姿勢制御方法を示す工程図
【図12】印画紙供給ユニットに搭載されたチャック装置の別の姿勢制御方法を示す略図
【符号の説明】
P シート状感光材料
12 印画紙供給ユニット
12G ガイドロッド(ガイド部材)
18 露光ユニット(後段部)
30 引き出し装置(前段部)
40 挟持装置(挟持手段)
48 チャックピン
54 タイミングベルト(搬送機構)
60a 上ガイド板
60b 下ガイド板

Claims (9)

  1. プリントサイズに切断されたシート状感光材料を挟持可能な挟持手段と、前記挟持手段を、前記シート状感光材料を上流側の前段部から受け取るための第1位置と前記シート状感光材料を下流側の後段部に引き渡すための第2位置の間で往復移動させる搬送機構とを備えたシート状感光材料搬送装置であって、
    前記挟持手段が、前記搬送機構によって搬送されるシート状感光材料が形成する搬送面内で揺動することが可能なように支持されており、さらに、前記挟持手段の姿勢を、前段部と後段部の間の前記搬送面内での相対角度に応じて前記搬送面内で揺動操作する操作機構が設けられているシート状感光材料搬送装置。
  2. 前記挟持手段は、前記搬送方向と交差する長手方向を有する支持アームを備え、前記搬送機構は、前記支持アームの前記長手方向の両端付近に取付けられた一対のタイミングベルトを有し、前記操作機構は、前記タイミングベルトを互いに独立した状態で駆動操作可能な2つの駆動手段を有する請求項1のシート状感光材料搬送装置。
  3. 前記操作機構は、前記支持アームの前記長手方向に沿って互いに離間して設けられた一対の検出板と、前記各検出板を個別に検出するために前記前段部と前記後段部の少なくとも一方に設置された一対のセンサとを含む請求項2のシート状感光材料搬送装置。
  4. 前記搬送機構は、前記搬送方向に沿って延びるガイド部材を備えており、前記支持アームには、前記ガイド部材を少なくとも前記搬送方向と交差する方向から支持する支持片が前記搬送面に垂直な軸芯回りで揺動自在に支持されている請求項2または3のシート状感光材料搬送装置。
  5. プリントサイズに切断されたシート状感光材料を上流側の前段部から受け取る前段位置と、前記シート状感光材料を下流側の後段部に引き渡す後段位置との間で、前記シート状感光材料を挟持した挟持手段を、搬送される前記シート状感光材料が形成する搬送面内で揺動可能に支持した搬送機構によって搬送経路方向に沿って往復移動させるシート状感光材料搬送制御装置であって、
    前記後段位置において、前記前段部と前記後段部との間の前記搬送面内での相対角度に応じて前記挟持手段の姿勢を前記搬送面内で揺動操作する揺動制御手段を備えたシート状感光材料搬送制御装置。
  6. 前記挟持手段が備えた前記搬送方向と交差する長手方向を有する支持アームの前記長手方向の両端付近に取り付けられた、互いに独立した状態でそれぞれ駆動操作可能な一対の第1駆動手段および第2駆動手段を備え、前記揺動制御手段が前記第1駆動手段および前記第2駆動手段の作動により前記シート状感光材料を保持する前記挟持手段の搬送および揺動操作を行うものである請求項5に記載のシート状感光材料搬送制御装置。
  7. 前記後段部における前記支持アームの前記長手方向の両端位置を各別に検出可能な一対の第1検出機構および第2検出機構を備え、前記第1検出機構および前記第2検出機構のそれぞれによる前記支持アームの検出タイミングに基づいて前記挟持手段の揺動操作を行うものである請求項6に記載のシート状感光材料搬送制御装置。
  8. 前記第1検出機構および前記第2検出機構が、前記支持アームの前記長手方向に沿って互いに離間して設けられた一対の第1検出板および第2検出板と、前記第1検出板および前記第2検出板をそれぞれ個別に検出可能な、前記後段部に設置された一対の第1センサおよび第2センサとを備え、前記揺動制御手段が、
    同時に動作している前記第1駆動手段および前記第2駆動手段の内、前記第1センサによる前記第1検出板の検出と同期して前記第1駆動手段を停止し、前記第2センサによる前記第2検出手段の検出と同期して前記第2駆動手段を停止することにより前記揺動操作を行う請求項7に記載のシート状感光材料搬送制御装置。
  9. 前記第1検出機構および前記第2検出機構が、前記支持アームの前記長手方向に沿って互いに離間して設けられた一対の第1検出板および第2検出板と、前記第1検出板および前記第2検出板をそれぞれ個別に検出可能な、前記後段部に設置された一対の第1センサおよび第2センサとを備え、前記揺動制御手段が、
    前記第1駆動手段および前記第2駆動手段を共に作動させて、前記第1センサおよび前記第2センサよりも前記後段部側の所定位置まで前記挟持手段を搬送する搬送制御部と、
    前記搬送中に前記第1センサにより前記第1検出板を検出した第1位置と、前記第2センサにより前記第2検出板を検出した第2位置とを記憶する位置記憶制御部と、
    前記第1駆動手段または前記第2駆動手段の内の少なくとも何れか一方を作動させて、前記所定位置に対する前記第1位置および前記第2位置の位置関係と相対的に等しい位置に前記挟持手段を再配置する位置関係再現制御部とを備えて構成される請求項7に記載のシート状感光材料搬送制御装置。
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