JP4556897B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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本発明は、オイルコントロールバルブを用いて、左右バンクのモード切換えを行なう内燃機関の可変動弁装置に関する。
自動車に搭載されるレシプロ式エンジン(内燃機関)では、出力特性の向上と省燃費性とを両立するために、可変動弁装置を用いて、エンジン回転数が高回転域になると、通常状態(通常モード)から高回転域に適した高速モードに切換えたり、大きな出力を必要としない安定した走行条件になると、一部の気筒を休止させる休筒モードの運転に切換えたりするエンジンの開発が進められている。
気筒列が左右のバンクに分かれたエンジン(V型など)では、一方のバンクとして、通常モード、高速モード、休筒モードに切換可能な油圧式の動弁機構を搭載した休筒バンク(本願の第1バンクに相当)を用い、他方のバンクとして、通常モード、高速モードに切換可能な油圧式の動弁機構を搭載した運転バンク(本願の第2バンクに相当)が用いられる。そして、オイルコントロールバルブにより、各バンクの動弁機構に与えられる油圧を制御して、両バンクを通常モードで運転したり、両バンクを高速モードで運転したり、休筒バンクだけを休止させた休筒モードで運転が行なわれるようにしている(特許文献1を参照)。
このようなエンジンでは、エンジン本体にバンク別、機能別に高速切換用のオイルコントロールバルブ、休筒切換用のオイルコントールバルブを取付けて、各バンクの動弁機構を制御することが行なわれている。具体的には、従来、高速切換用のオイルコントロールバルブは、休筒バンクと運転バンクとの双方の外壁面にそれぞれ組付き、休筒切換用のオイルコントールバルブは、休筒モードの切換えが求められる休筒バンクだけ、具体的にはシリンダヘッドの内部に組付けた構造が用いられている。つまり、休筒バンクの高速切換えと運転バンクの高速切換えは、休筒バンクと運転バンクとに設置した各高速切換用オイルコントロールバルブの作動によって行なわれ、休筒バンクでの休筒切換えは、休筒バンクに設置した休筒切換用オイルコントロールバルブの作動によって行なわれるようにしていた。
特開2005−90408号公報
ところが、上記可変動弁装置だと、高速切換、休筒切換には、3つのオイルコントロールバルブが必要となる。
特にエンジンは、コストの低減、重量の低減が求められるが、上記したような油圧を与える構造だと、高価なオイルコントールバルブの使用する数量が多く、コストや重量の点で不利である。
そこで、本発明の目的は、数量を抑えたオイルコントロールバルブで、高速切換え、休筒切換えを可能とした内燃機関の可変動弁装置を提供する。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、第1動弁機構と第2動弁機構を第1モードと第2モードに切換えるオイルコントロールバルブは、第1バンクおよび第2バンクのうちの一方に設け、当該バルブが設けられる一方のバンク側の動弁機構へは油路を通じて油圧を与え、他方のバンク側の動弁機構へはバンク間を渡る管部材を通じて油圧が与えるようにした。つまり、第1モードと第2モードの切換えが、一方のバンクおよび他方のバンクの双方に共通な1つのオイルコントロールバルブだけですむ構成とした。
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、さらに第1及び第2オイルコントロールバルブがコンパクトに内燃機関に組み付けること、さらには第1オイルコントロールバルブを、バンクオフセット空間に臨む第2バンクの端に組付かせ、第2オイルコントロールバルブを、それとは反対側のバンクオフセット空間に臨む前記第1バンクの端に組付かせたことにある。
請求項3に記載の発明は、さらに第3モードとして第1動弁機構の作動を休止させる休止モードを備えたとき、メンテナンス作業の頻度が高い第2オイルコントロールバルブが目につきやすいよう、車両のエンジンルームへ内燃機関が搭載されるとき、内燃機関の車両に対する横置き、縦置きに係わらず、前記第2オイルコントロールバルブは前記第1オイルコントロールバルブよりも車体端側に配置した。
請求項1の発明によれば、第1モードと第2モードの切換用と第3モードへの切換用の1ずつのオイルコントロールバルブで、内燃機関は、第1、第2、第3モードの運転に切換えが可能となる。
したがって、高価な機器であるオイルコントロールバルブの使用数量の削減(抑制)が図れ、内燃機関におけるコストの低減や重量の低減を図ることができる。
請求項2の発明によれば、第1オイルコントールバルブ、第2オイルコントールバルブは、いずれも内燃機関のデッドスペースとなっているバンクオフセット空間に配置されるので、コンパクトに内燃機関に組付けることができる。
請求項3の発明によれば、第3モードとして第1動弁機構の作動を休止させる休止モードを備えたとき、車両に内燃機関を搭載した状態から、メンテナンスを行なうとき、第2オイルコントロールバルブが目につくうえ、人の手が届きやすい地点にオイルコントロールバルブが配置されるので、メンテナンス作業の頻度が高い第2オイルコントロールバルブのメンテナンス性が第1オイルコントロールバルブよりも高められる。
[一実施形態]
以下、本発明を図1〜図17に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は、左右に気筒列が分かれたエンジン(内燃機関)、例えばV型6気筒のレシプロ式エンジン(以下、単にV型エンジンという)の車体搭載状態をエンジン後方から見た斜視図、図2は同エンジンの各バンクの平面図、図3は休筒切換用のオイルコントロールの斜視図、図4は同エンジンの1気筒分の可変動弁装置(吸・排気の双方)の斜視図、図5は同装置からロッカシャフトキャップを外した斜視図、図6は図5中のA矢視方向から見た可変動弁装置の平面図、図7は図4中のF−F方向から見た断面図、図8は同装置の各種カムを示す平面図、図9〜図12は同装置の各部の断面図(図6中のB〜E矢視の断面)、図13は吸気側のロッカアーム構造を示す斜視図、図14は同構造の分解斜視図、図15は排気側のロッカアーム構造を示す斜視図、図16は同構造の分解斜視図、図17は可変動弁装置がもたらすバルブ特性を示す線図をそれぞれ示している。
図1中Sは自動車(車両)の車体、Rは同車体Sの例えば前部に形成されたエンジンルーム、1は同エンジンルームS(二点鎖線で図示)内に横置きで収められたレシプロ式の可変動弁装置付V型エンジンのエンジン本体を示している。このエンジン本体1は、例えばV字形のシリンダブロック、具体的には下部に共通なクランクケース部2を有し、上部に例えば気筒3(図2に図示)を3個ずつ振り分けたV字形のデッキシリンダ部4をもつシリンダブロック5と、デッキシリンダ部4毎にその頭部に搭載されたシリンダヘッド6などといった部品を組み合わせて構成されている。なお、図1には、ヘッドカバー、オイルパンなど細かい部品は記載していない。そして、各デッキシリンダ部4、シリンダヘッド6などから、V字形に突き出る左右のバンク7a,7b(左右はエンジン本体1の前方方向Frを基準に定めている)を構成している。各バンク7a,7bの気筒3にはピストン8が往復動可能に収めてあり(図4および図5に図示)、クランクケース部2にはクランクシャフト(図示しない)が組み込んである。なお、図2に示されるように左右のバンク7a,7bは、クランクシャフトの軸線に沿って各ピストン8のコンロッド(図示しない)が直列に配置される関係で、前後方向に対し、オフセットしている。図2中Lは、その左右のバンク7a,7bのオフセット具合を示している。
ここで、気筒3と向き合う各シリンダヘッド6の下面には、図4および図5に示されるように燃焼室11がそれぞれ形成されている。これら各燃焼室11には、同図に示されるようにバンク7a,7b間を挟んだ内側に位置して、2個(複数)の吸気ポート12a,12b、同吸気ポート12a,12bを開閉する2個の吸気バルブ13a,13bが設けられている。また同じく外側に位置して、2個(複数)の排気ポート14a,14b、同排気ポート14a,14bを開閉する2個の排気バルブ15a,15bが設けられていて、バンク内側から燃焼空気が吸入され、バンク外側から燃焼を終えたガスが排出される構造となっている。
左右バンク7a,7bのシリンダヘッド6には、可変動弁装置の主要部を構成するSOHC(Single Over Head Camshaft)式の動弁系17がそれぞれ設けられている。このうち左バンクの動弁系17a(本願の第1動弁機構に相当)には、例えば図2に示されるように通常(低速)モード(第1モード)と高速モード(第2モード)と休筒モード(気筒を休止させるモード;第3モード)とに切換可能(3モード切換え)な吸気用のロッカアームモジュール18と、通常(低速)モードと休筒モード(気筒を休止させるモード)に切換可能(2モード切換え)な排気用のロッカアームモジュール19とを組み合わせた構造が用いられる。右バンクの動弁系17b(本願の第2動弁機構)には、通常(低速)モードと高速モードとに切換可能(2モード切換え)な吸気用のロッカアームモジュール20と、通常(低速)モードだけの排気用の動弁装置21とを組み合わせた構造が用いられる。
図4〜図6には、このうちの左バンク7aに搭載される動弁系17aの1気筒分の構造が示されている(エンジン後方から見た図)。図13には、このうちのロッカアームモジュール18を内側から見たときの図、図14には同モジュール18を分解した図が示され、図15にはロッカアームモジュール19を内側から見たときの図、図16には同モジュール19を分解した図が示されている。
同1気筒分の構造について説明すると、図2、図4〜図6中25は、燃焼室11の頭上中央にシリンダヘッド6の長手方向に沿って回転可能に配設されたカムシャフト、24は同カムシャフト26端(ヘッド6前部を貫通したシャフト部分)に設けたカムシャフトスプロケットを示す。26は、カムシャフト25を挟むバンク内側に該カムシャフト25とほぼ平行に配置された吸気用のロッカシャフトと、27はその反対側(バンク外側)にカムシャフト25とほぼ平行に配置された排気用のロッカシャフトを示す。
ロッカシャフト26、27はいずれも対でカムシャフト25の上側に配置してある。またロッカシャフト26,27のうち、ロッカシャフト27の内部には、軸方向に沿って休筒切換用の油路27aが形成されている。ロッカシャフト26の内部には、軸方向に沿って、休筒切換用の油路26aが形成されている。さらにロッカシャフト26の内部には、油路26aと並列に、高速切換用の油路26bも形成されている。
これらロッカシャフト26,27は、いずれも図7に示されるように気筒3を挟んだシリンダヘッド6の上面部分から立ち上がるリブ6aの上面に配置してある。これらロッカシャフト26,27の各部が、図2に示されるように複数のロッカシャフトキャップ130を用いて、シリンダヘッド6のリブ6aに挟み付けてある。具体的には、ロッカシャフトキャップ130には、図2〜図5に示されるように気筒3間に配置されるロッカシャフトキャップ130aと、気筒3列の端に配置されるロッカシャフト130bとの2種類が用いられている。いずれのロッカシャフトキャップ130a,130bにも、例えば図4、図5および図7に示されるようなロッカシャフト26,27間に渡り配置されるプレート状のベース部131に、ボルト132を挿通させる筒状のボルト挿入部133を複数、形成した構造が用いられている。この構造により、図5および図7に示されるように各ロッカシャフト26,27の上部分(リブ6aとは反対側)に形成された凹部134にベース部131を嵌め、ベース部131の各部のボルト挿入部133から、ボルト132を、ロッカシャフト26,27に形成された貫通孔134a(図5、図6に図示)を貫通して、リブ6aへねじ込むと、ロッカシャフトキャップ130a,130bが、ロッカシャフト26,27の各部と共にシリンダヘッド6に固定される。
これらロッカシャフトキャップ130a,130bには、例えば図2に示されるように油路140が形成されている。各油路140は、いずれも図7に示されるようにベース部131上にロッカシャフト26,27間に沿って形成された筒形部143から形成されている。具体的には、筒形部143の底側と栓143で塞がれた開口側とは、ロッカシャフト25,26の地点まで延びていて、筒形部143の内腔の細長の通路を油路140としている。筒形部143の一端部をなすベース部131の裏面部分、他端部をなすベース部131の裏面部分には、図7に示されるようにそれぞれ油路140端とつながる通孔143a,143bが形成されている。このうち排気側のロッカシャフト27側の通孔143aは、図7に示されるように同ロッカシャフト27の油路27aから分岐した分岐孔144a(図5にも図示)と連通している。吸気側のロッカシャフト26側の通孔143bは、同ロッカシャフト26の油路26aから分岐した分岐孔144b(図5にも図示)と連通している。
カムシャフト25は、クランク出力によって回転駆動される部品である。このカムシャフト25の燃焼室11の頭上に配置されるシャフト部分(ロッカシャフトキャップ間)には、例えば図4、図5および図8に示されるようにエンジン後方側から順に高速用の吸気カム30、リフトレスカム31、排気カム32、低速用の吸気カム33が形成されている。低速用の吸気カム33は、エンジンの通常運転に適した開閉タイミング、バルブリフト量に設定したカムプロフィルをもち、高速用の吸気カム30は、エンジンの高速運転に適した開閉タイミング、バルブリフト量(低速用カム33より大)を設定したカムプロフィルをもつ。リフトレスカム31は、吸気カム30,33や排気カム32のベース円より大きい同一半径のベース円だけで形成された円形のカムプロフィルをもつ。むろん、排気カム32は、燃焼ガスの排出に適した開閉タイミング、バルブリフト量のカムプロフィルをもつ。
吸気用のロッカアームモジュール18には、例えば図4〜図6、図13および図14に示されるように油圧式のロッカアームをロッカシャフト26に組付ける構造が用いられている。これには、吸気バルブ13a,13bの駆動を行なうバルブ駆動ロッカ35と、吸気カム30,33と追従する一対の低・高速別のカム追従ロッカ60,70とに分けた構造が用いてある。
例えば、図4、図5および図14に示されるようにバルブ駆動ロッカ35は、筒形のロッカシャフト支持用のボス36と、同ボス36の両端部からそれぞれ吸気バルブ13a,13b(ボス直径方向)へ向って延びる一対のロッカアーム部37と、同ロッカアーム部37の先端部に組み付けられたアジャストスクリュ部38(当接部)と、同アーム部37の各根元部(基端部)に設けられたモード切換用の切換作動部40a,40bとを有して構成してある。
ロッカアーム部37のボス36は、図4〜図6に示されるように吸気カム30(高速用)が有る地点から吸気カム33(低速用)が有る地点までに相当するロッカシャフト26部分に回動自在に嵌挿され、各ロッカアーム部37の先端部のアジャストスクリュ部38をそれぞれ吸気バルブ13a,13bの上部端(バルブステム端)に位置決めている。つまり、バルブ駆動ロッカ35は、ロッカシャフト26を支点に揺動すると、アジャストスクリュ部38の端部がバルブステム端と当接して吸気バルブ13a,13bを駆動する。
またボス36の外周面のうち、リフトレスカム31と対応する外周面部分からは、図12〜図14に示されるように示されるようにスリッパ41がリフトレスカム31の外周面に向かって突き出ている。このスリッパ41の突出し長さは、吸気バルブ13a,13bが閉弁のとき、スリッパ41の先端部がリフトレスカム31の外周面と当接する寸法に設定されている。このスリッパ41にて、吸気バルブ13a,13bが閉弁状態にあるとき、バルブ駆動ロッカ35の全体を、吸気バルブ13a,13bのバルブスプリングの反力を用いて動かないようにしている。
ボス36の両端部に配置された切換作動部40a,40bには、例えばピストン式が用いられている。このうち吸気カム33(低速用)側に配置される切換作動部40aを説明すると、図9、図13および図14中43は、例えば吸気カム33側のアーム部37の根元部(基端部)に形成された円筒形のシリンダである。このシリンダ43は、ロッカシャフト26の直径方向に沿って延びる縦形をなしている。このシリンダ43の前面(カムシャフト25側の面)の下部には窓部44が形成してある。またシリンダ43の底面からその直下のボス36の内面36a(軸受け面)までには、シリンダ43より小径な通孔45(図9のみ図示)が形成されている。シリンダ43内には、受け部となるピストン46が、該ピストン46をシリンダ43の底面へ付勢する圧縮スプリング47と一緒に収容されている(図9のみ図示)。これにより、常時は、シリンダ43の窓部44は、ピストン46の下部外周面で塞がれ、ピストン46が上昇すると、ピストン46が窓部44から退かれて、同窓部44が開放されるようにしてある。通孔45内には、図9に示されるようにピン48が摺動可能に収められている。通孔45の下端開口は、図9に示されるように油路26aから分岐した分岐路49と連通していて、油路26aからピン48に油圧が加わると、ピン48の上昇動から、図9の二点鎖線で示されるように窓部44を塞いでいたピストン46を窓部44から退かせる方向に駆動、つまり窓部44が開放されるようにしてある。
吸気カム30(高速用)側に配置される切換作動部40bには、切換作動部40aと同様、図10、図13および図14に示されるようにアーム部37の根元部に円筒形のシリンダ51を形成した構造が用いてある。このシリンダ51は、ストローク量を稼ぐためにボス36の内面36aまで延びている。そのため、シリンダ51の直下のロッカシャフト26部分には、シリンダ51と直列に連通する通孔52が形成してある。なお、通孔52は、シリンダ51より小径である。また切換作動部40aとは異なり、図10に示されるようにシリンダ51の前面上部には、窓部50が形成され、シリンダ51内には、ピストン53が、該ピストン53をシリンダ51の底面へ付勢する圧縮スプリング54と一緒に収容されている。またピストン53には、窓部50から下側のシリンダ部分に収まるだけの薄形が用いられていて、切換作動部40aとは逆に、常時は、シリンダ51の窓部50の開口は開放し、ピストン53が上昇すると、ピストン53の外周面で塞がれるようにしてある。通孔52内には、図10に示されるようにピン55が摺動自在に収められている。通孔52の下端部は、油路26bの一部と交差して連通していて、油路26bからピン55に油圧が加わると、ピン55の上昇動から、図10の二点鎖線で示されるようにピストン53が窓部50を塞ぐ方向に駆動、つまり窓部50が閉じられるようにしてある。
ボス36の各両端部の開口縁には、図14に示されるようにそれぞれボス端から所定に切り欠いた一対の切欠き部57が形成されている。切欠き部57は、いずれもボス端をなす周壁のうち、例えばシリンダ43,51の直下部から、ボス36の前方(アーム部37とは反対側)を経て、アーム部37の根元部までに至る円周部分を連続して切り欠いてなる。
高速側のカム追従ロッカ70は、図4〜図6、図10、図13および図14に示されるようにボス36(バルブ駆動ロッカ)の吸気カム30(高速用)側の端部に隣接して配置される部品である。同カム追従ロッカ70は、ボス36端に隣接したロッカシャフト26部分に回動自在に嵌挿される筒形のロッカシャフト支持用のボス71と、同ボス71の両側から一端側となる吸気カム30(高速用)の直上へ直線状に突き出た一対のローラ支持片72(ローラヨーク)と、同ローラ支持片72の先端部間に支持された回転自在なローラ73(転接子)と、ボス71の周壁に形成された突き当て部79とを有している。これにより、カム追従ロッカ70は、一端側にローラ73を有し、他端側に突き当て部79を有した構造になる。このうちのローラ73が、吸気カム30のカム面と転接している。これで、カム追従ロッカ70は、カムシャフト25が回転すると、ボス71を支点として、吸気カム30のカム変位に追従しながら揺動する。
またボス36(バルブ駆動ロッカ)と隣接するボス71の端部には、図14に示されるようにボス端から所定に切り欠いた切欠き部76が形成されている。切欠き部76は、ボス36(バルブ駆動ロッカ)のときとは反対側の周壁部分を切り欠いてなる。例えばボス71の上側から、ボス71の前方部分(ローラ73とは反対側)までの円周部分を連続して切り欠いた構造が用いられる。このボス71端の切欠き部76およびボス36端の切欠き部57と、ボス36の開口端で残っている縁部36bおよびボス71の開口端で残っている縁部71bとが互いに補うように嵌まり合っている。むろん、カム追従ロッカ70の所要の動きを許す嵌め合いとしてある。この嵌まり合いによって、ボス36端の縁部36bとボス71端の縁部71bとが、ロッカシャフト26の外周面で、ロッカシャフト26の軸方向に対してラップする。突き当て部79は、このうちの縁部71bに配置され、また窓部50、シリンダ51、ピストン53および圧縮スプリング54は、縁部36bに配置されている。突き当て部79とピストン53とは、縁部36bと縁部71とがラップされたとき、向き合う関係となるように位置決められていて、このラップがもたらす縁部71b、36bのロッカシャフト26の周方向の横並びを利用して、図13および図14に示されるようにボス71の突き当て部79とボス36に有る窓部50とを正対させている。
ローラ支持片72のうちボス36寄り(内側)に配置された支持片は、この突き当て部79とほぼ正対する地点に配置させてあり、片側のローラ支持片72、突き当て部79の双方を、窓部50に対して一直線上に並ばせている。また図13および図14に示されるようにボス71の外周面には、この突き当て部79から内側(ボス36寄り)のローラ支持片72に渡りウイング部74が設けられている。このウイング部74は、該突き当て部79からローラ支持片72までを直線状に連続してつなぐリブ78で形成されている。
突き当て部79は、このリブ78の先端部の水平壁を窓部50の内外に出入り可能な形状に形成してなり、これで通常時は、突き当て部79が、窓部50を通してシリンダ51内外へ出入りし、ピストン53で窓部50が塞がれたときは、突き当て部79が、窓部50から露出するピストン53と突き当たるようにしている。つまり、突き当て部79が、空振りか、ピストン53と突き当たるかで、カム追従ロッカ70からの高速用吸気カム30の変位がバルブ駆動ロッカ35に伝達されるか、伝達されないかの切り換えが行なえる切換機構79aを構成している。
なお、外側のローラ支持片72の先端側には、図10に示されるようにロッカシャフトキャップ130に組付けたプッシャ70aから付勢力(ローラ73を吸気カム30へ抑え付ける力)を受けるための受け座75が形成してある。
低速側のカム追従ロッカ60は、図4〜図6、図9、図13および図14に示されるようにボス36の吸気カム33(低速用)側の端部に隣接して配置される部品である。同カム追従ロッカ60は、先に説明した高速側のカム追従ロッカ70とは、勝手反対となるだけで、構造的には同じである。このため、カム追従ロッカ60の各部の説明は、先のカム追従ロッカ70の各部の符号71〜79の代わりに、同一部位に、2桁目の番号を変えた符号61〜69を付して省略する。
むろん、突き当て部69は、窓部44の内外を出入り可能な形状に形成されている。これにより、カム追従ロッカ60についても、図9に示されるように通常時は、突き当て部69が、窓部44を塞いでいるピストン46と突き当たり、ピストン46で窓部44が開放されたときは、突き当て部69が、窓部44を通してシリンダ43内外を出入りする。つまり、突き当て部69が、ピストン46と突き当たるか、空振りするかによって、カム追従ロッカ60からの低速用吸気カム33の変位がバルブ駆動ロッカ35に入力されるか、入力が停止されるかの切り換えが行なえる切換機構69aを構成している。
排気用のロッカアームモジュール19には、図4〜図6、図11、図15および図16に示されるような排気カム32に追従するカム追従ロッカ80と、排気バルブ15a,15bの駆動を行なうバルブ駆動ロッカ90とに分けた油圧式のロッカアームが用いられている。
このうちカム追従ロッカ80には、例えば排気カム32と対応したロッカシャフト27部分に回動自在に嵌挿される筒形のロッカシャフト支持用のボス81と、同ボス81の両端部から排気カム32の直上へ直線状に突き出たU形のローラ支持片82と、同ローラ支持片82の先端部間に支持された回転自在なローラ83と、ボス81に形成されたウイング部84とを有した構造が用いられている。ローラ83は、排気カム32のカム面と転接している。これで、カム追従ロッカ80は、カムシャフト25が回転すると、ボス81を支点に回動、すなわち排気カム25の変位に追従しながら揺動するようにしてある。なお、カム追従ロッカ80の先端側には、ロッカシャフトキャップ130に組付けたプッシャ80aから付勢力(ローラ83を排気カム32へ押し付ける力)を受けるための受け座85が形成してある。
ウイング部84は、ボス81の外面の幅方向中央に突設したリブ86から形成される。同リブ86は、ローラ支持片82の後端部から、ボス81の周方向に沿いに、ボス81の上部まで延びている。リブ81の先端部には、前方へ張り出す形状の突き当て部89が形成されている。
バルブ駆動ロッカ90には、図4〜図6、図11、図15および図16に示されるようにボス81(カム追従ロッカ80)の両側に配置される門形のロッカアーム部91と、モード切換用の切換作動部98とを組み合わせた構造が用いられている。
すなわちロッカアーム部91は、いずれも一端部にボス81(カム追従ロッカ80)を挟んだ両側のロッカシャフト27部分に回動自在に嵌挿された一対の筒形のロッカシャフト支持用のボス92を有し、他端部に同ボス92からそれぞれ排気バルブ15a,15bに向って直線状に延びるアーム部93を有している。各アーム部93の先端部をなす、アジャストスクリュ部94が、それぞれ排気バルブ15a,15bの上部端(バルブステム端)に配置させてある。そして、アーム部93,93の先端部間が、例えばプレート状の連結アーム95により連結され、門形としている。これで、バルブ駆動ロッカ90は、ロッカシャフト27を支点として揺動すると、複数の排気バルブ15a,15bが駆動される。
またリフトレスカム31の直上に配置されるボス92の外周面からは、図12、図15および図16に示されるようにリフトレスカム31の外周面に向かってスリッパ96が突き出ている。このスリッパ96の突出し長さは、排気バルブ15a,15bが閉弁のとき、スリッパ96の先端部がリフトレスカム31の外周面と当接する寸法に設定されている。このスリッパ96にて、排気バルブ15a,15bが閉弁状態にあるとき、ロッカアーム部91の全体を、排気バルブ15a,15bのバルブスプリングの反力を用いて動かないようにしている。
切換作動部98は、図11、図15および図16に示されるように連結アーム95に設けてある。この切換作動部98には例えば図11に示されるようなピストン式が用いられている。
同切換作動部98を説明すると、図11中99は縦形のシリンダである。同シリンダ99は、連結アーム95の中央から、上側へ突き出るように形成されている。このシリンダ99は、ロッカシャフト27から離れる方向に後傾している。このシリンダ99のうち、前面(カムシャフト25側の面)の下部には、窓部100が形成されている。またシリンダ99の底面からその直下のアーム部分の内部までには、シリンダ99より小径な通孔101が形成されている。
シリンダ99内には、受け部となるピストン102が、該ピストン102をシリンダ99の底面へ付勢する圧縮スプリング103と一緒に収容されている。つまり、常時は、シリンダ99の窓部100は、ピストン102の外周面で塞がれ、ピストン102が上昇すると、ピストン102が窓部100から退かれて、同窓部100が開放されるようにしてある。通孔101内には、ピン104が摺動可能に収められている。通孔104の下端開口は、図6および図11に示されるように連結アーム部95の内部に形成した中継路105に連通している。この中継路105は、アーム部93の内部に形成された中継路106を通じて、ボス92の内面に開口している。さらに中継路106は、油路27aから分岐した分岐路107(図11のみ図示)と連通していて、油路27aからピン104に油圧が加わると、ピン104の上昇動から、図10の二点鎖線で示されるように窓部100を塞いでいたピストン102を窓部100から退かせる方向に駆動、つまり窓部100が開放されるようにしてある。
この窓部100の直前に、カム追従ロッカ80の突き当て部89が位置決められる。突き当て部89は、図15および図16に示されるように窓部100の内外に出入り可能な形状に形成されている。これで、通常時は、突き当て部89が、窓部100を塞いでいるピストン102と突き当たり、窓部100が開放されたときは、突き当て部89が、窓部100を通してシリンダ99内外を出入りするようにしてある。つまり、突き当て部89が、ピストン102と突き当たるか、空振りするかによって、カム追従ロッカ80からの排気カム32の変位がバルブ駆動ロッカ90に伝達されるか、伝達されないかの切り換えが行なえる切換機構97を構成している。こうした構造が、左バンク7aの各気筒3で採用されている。
右バンク7bの動弁系17bの各ロッカアームモジュール20には、左バンク7aの吸気用のロッカアームモジュール18から、非弁駆動となる機構や部分を除いた構造が用いられている。同構造には、詳細には図示はされていないが、低速側の切換構造(主に切換作動部40a、カム追従ロッカ60)を省き、バルブ駆動ロッカ35が、常時、直接的に低速用吸気カム33で駆動される構造が用いてある。これで、高速側の切換構造だけを残して、低速モード(通常)と高速モードとの2段切換えが行なえる構造にしてある。また排気側には、左バンク7aの排気用のロッカアームモジュール19から、非弁駆動となる機構や部分を除いた構造、すなわちバルブ駆動ロッカ90だけが、常時、直接的に排気カムで駆動される構造が用いてある。さらに右バンク7bでは、休筒モードの切換えをなす油路26a,27aを省いて、油路26bだけを残す構造が用いてある。つまり、右バンク7bは、吸気系において高速用吸気カムによる弁駆動、低速用カムによる弁駆動の2段切換えが行なえ、排気系において排気カムによる弁駆動(通常モードだけ)が行なえる構造にしてある。
一方、図1〜図3に示されるようにエンジンルーム搭載時に車体前側(車体端側に相当)となる左バンク7aの前部端には、第2のオイルコントロールバルブである休筒切換用のオイルコントロールバルブ120(以下、OCV120という)が設けられている。また後側となる右バンク7bの後部端には、第1のオイルコントロールバルブである高速切換用のオイルコントロールバルブ121(以下、OCV121という)が設けられている。ここで、OCV120,121が取付くバンク端は、左・右バンク7a、7bのオフセットで生ずる前側のオフセット空間L1、後側のバンクオフセット空間L2に臨む部位なので、OCV120,121はバンクオフセット空間L1,L2に収められる。
両OCV120,121のうち、左バンク7aに組付く休筒切換用のOCV120は、例えば、図3に示されるようにバンク端から突き出るカムシャフト端に挿入されながらバンク端に着脱可能に組付けられるスラスト支持用のハウジング150に、カムシャフト25の回転力でポンプ動作するプランジャ式のオイルポンプ部151(例えばカムシャフト25に形成したポンプ駆動用カム25aでプランジャ25bを駆動するタイプ)と、同オイルポンプ部151からの吐油を制御するコントロールバルブ部152とを組付けた構造が用いられている。なお、各オイルポンプ部151の吸込部は、図示はしないがオイルパンなど油集溜部に接続される。
またOCV121は、例えば、バンク端から突き出るカムシャフト端に挿入されながらバンク端に着脱可能に組付けられるスラスト支持用のハウジング150に、エンジンオイルを汲み上げるオイルポンプ(オイルパンから汲み上げるポンプ:図示しない)からの油圧を蓄えるアキュームレータ部151aと、同アキュームレータ部151aからの吐油を制御するオイルコントールバルブ部152aとを組付けた構造が用いられている。
なお、いずれもハウジング150の固定には例えばボルト150x(図3に図示)が用いられる(ボルト止め)。
このうちの休筒切換用のOCV120の吐出部は、図2、図5および図7に示されるようにシリンダヘッド6(左バンク7a)に形成された通路153を介して、ロッカシャフト27(排気側)の油路27aと連通している。なお、ロッカシャフト26の油路26aは、シリンダヘッド6に形成された戻り路153a(図7だけに図示)に連通している。
また図2に示されるように高速切換用のOCV121の吐出部は、右バンク7bのシリンダヘッド6に形成された通路6b(本願の油路に相当)を介して、吸気側のロッカシャフト26の油路26b(右バンク7b)と連通している。また同吐出部は、さらに図2に示されるように、左・右バンク7a、7bを渡る中継用のパイプ部材155(本願の管部材に相当)を介して、左バンク7aのロッカシャフト26(吸気側)の油路26bに接続されている。詳しくは、シリンダヘッド6の後部端には、ロッカシャフト26(吸気側)の油路26bと連通する入口部16aが設けられていて、この入口部16aにパイプ部材155が接続させてある。なお、図2中156は、当該入口部16aと当該油路26bとを連通する通路を示す。
これにより、OCV121から左・右バンク7a、7bの各動弁系7a,7cに油圧を与えると、両バンク7a,7bの運転を通常モードから高速モードへ切換えられ、OCV120から動弁系7aに油圧を与えると、左バンク7aの運転が休止する休筒モードへ切換えられる構造にしている。
またOCV120,121は、いずれも制御部122(例えばマイクロコンピュータで構成されるもの)に接続されている。制御部122には、例えば予め自動車の運転状態に応じて設定されたマップにしたがい、エンジンの運転が通常運転領域をなす所定回転域(通常の駆動状態)までは、OCV120,121の両方を「閉」にし、該所定回転数域を越える高回転域からは、OCV121だけを「開」にし、休筒領域(大きな出力を必要としない安定した走行条件を満たす領域)になるときはOCV120だけを「開」する機能が設定されている。これで、吸気側の切換機構69a,79aや排気側の切換機構97は、自動車(車両)の運転状態に応じて運転モードが切り換えられるようにしてある。
つぎに、図9〜図12を参照して動弁系17の作用を説明する。
今、自動車の走行状態により、制御部122に低速モードを実行する指令がなされたとする。すると、制御部122により、OCV120,121はいずれも「閉」のままである。つまり、油路26a,26b、27aには、いずれも油圧が作用しない。これにより、図9の実線に示されるように左バンク7aの切換作動部40a(吸気)の窓部44は、ピストン46で遮られる状態となる(圧縮スプリング47の弾性力による)。また図10の実線に示されるように切換作動部40b(吸気)の窓部50は、開放された状態となる(圧縮スプリング54の弾性力による)。さらに図11に示されるように左バンク7aの切換作動部98(排気)の窓部100は、ピストン102(圧縮スプリング103の弾性力による)で遮られた状態となる。
すると、左バンク7aでは、吸気側のカム追従ロッカ60(低速)、排気側のカム追従ロッカ80が、ピストン46,102と突き当たりながら揺動される。
これにより、左バンク7aにおいては、吸気カム33(低速用)のカム変位が、バルブ駆動ロッカ35から、ロッカアーム部37を経て、吸気バルブ13a,13bのステム端へ伝わり、該吸気バルブ13a,13bを駆動する。また排気カム32のカム変位が、バルブ駆動ロッカ90の連結アーム95から、アーム部93を経て、排気バルブ15a,15bのステム端へ伝わり、該排気バルブ15a,15bを駆動する。
右バンク7bにおいては、左バンク7aと同様、吸気側においては、バルブ駆動ロッカ35に伝わる低速用の吸気カム(図示しない)のカム変位だけが、吸気バルブ(図示しない)へ伝わり、該吸気バルブを駆動する。また排気側においては、バルブ駆動ロッカ90を介して、直接的に、排気カム(図示しない)の変位が排気バルブ(図示しない)へ伝わり、該排気バルブを駆動する。
これにより、左・右バンク7a,7bは、図17の線図中の低速カムおよび排気カムの組み合わせがもたらす低速モードで運転が行なわれる(エンジン回転数が所定回転域まで:通常の走行)。
また加速など、高出力が求められる運転により、エンジンが上記所定回転域を越える高回転域の運転になると、制御部122により、高速切換用のOCV121だけが開作動する。すると、OCV121から、管部材155や通路156を通じて、左バンク7aの油路26b、右バンク7bの油路26b(吸気側ロッカシャフト)へ油圧が導かれる。
これにより、左バンク7aや右バンク7bの切換作動部40b(吸気側)のピン55に油圧が加わる。これで、図10中の二点鎖線に示されるように窓部50は、ピン55で上方へ駆動されるピストン53によって遮られる。すると、左・右バンク7a,7bの吸気側のカム追従ロッカ70は、図9中の二点鎖線に示されるようにピストン53と突き当たりながら揺動駆動する。
このとき、高速用の吸気カム30の外形形状は、低速用の吸気カム33よりも大きく設定してあるから、カム追従ロッカ70から伝わる吸気カム30(高速用)のカム変位だけが、バルブ駆動ロッカ35から吸気バルブ13a,13bへ伝わる。つまり、左・右バンク7aの吸気バルブ13a,13bは、高速の吸気カム30だけで駆動される。
ここで、左バンク7aの排気バルブ15a,15bは、カム追従ロッカ80からバルブ駆動ロッカ90の連結アーム95へ伝わる排気カム32のカム変位により、駆動され続け、右バンク7bの排気バルブは、当初と同じ動きで駆動し続ける。
これにより、左・右バンク7a,7bは、図17の線図中の高速カムおよび排気カムの組み合わせがもたらす高速モードの運転に切換わる。
また自動車が燃費を稼げる走行状態、例えば安定した中速の運転領域になると、制御部122において休筒モード(燃費を稼げるモード)を実行する。すなわち、制御部122により、休筒用のOCV120だけが開作動する制御が行なわれる。これにより、図3に示されるようにOCV120からの油圧は、通路153を通じて、ロッカシャフト27(排気側)の油路27aへ油圧が導かれ、さらにこの油路27aの油圧が、左バンク7aのロッカシャフト26(吸気側)の油路26aへと導かれる。
すると、吸気側の切換作動部40aの窓部44は、油圧で押し上げられるピストン46により、開放される。なお、切換作動部40bには油圧が作用しないので、窓部50は開放された状態となる(図10)。
これにより、左バンク7aの各カム追従ロッカ60(吸気:低速)、各カム追従ロッカ80(排気)は、いずれも空振りを伴う揺動駆動に切換わる。すると、バルブ駆動ロッカ35,90(吸気、排気)には、いずれもバルブを駆動する駆動力が伝達されなくなる。
このとき、右バンク7bの吸気用の各可変動弁装置20、排気用の動弁装置21は、吸気カムの変位を吸気バルブへ伝わり続け、排気カムの変位を排気バルブへ伝わり続けているから、エンジンは、片側のバンク(左バンク7a)が休止する休筒モードの運転に切換わる。
かくして、高速モードの切換えを、左バンク7aおよび右バンク7bの双方に共通な1つのOCV121で行なえる構造としたことで、エンジンは、数量を抑えたOCV、すなわち左・右バンク7a,7bにそれぞれ1ずつ配置されるOCV120,121だけで、高速モードの運転の切換え、休筒モードの運転の切換えができる。
したがって、高価なOCVの使用数量を削減でき、エンジンに費やすコストやエンジン重量を低減させることができる。
しかも、OCV120,121は、いずれもV型エンジンでデッドスペースとなるバンクオフセット空間L1,L2に配置させてあるので、コンパクトにエンジンに組付けることができ、エンジンの大形化が抑えられる。そのうえ、休筒切換用のOCV120は、バンク内部ではなく、バンク端の外面に配置されるために、OCV120のメンテナンスが行いやすい(OCV120をバンク外へ露呈する各種部品の脱着作業が不要なため)。特に休筒切換用のOCV120は、OCV121に比べてエンジンルームへエンジンが横置き搭載、縦置き搭載に係わらず、車体端側(本実施形態では車体前側)に配置される。メンテナンスを行なう際には、メンテナンス頻度の高い休筒切換用のOCV120が、OCV121に比べて目につくうえ、人の手が届きやすく、メンテナンス性が高い。なお、本実施形態のとおり車体前側に休筒切換用のOCV120を配置すれば、さらにメンテナンス性が向上する。
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。
本発明の一実施形態に係る可変動弁装置を搭載したV型エンジンを、車両搭載状態と共に示す斜視図。 同エンジンの左右のバンクの動弁系の平面図。 同エンジンの左バンク(休筒バンク)に付く休筒切換用オイルコントロールバルブを示す分解斜視図。 同エンジンの左バンクに搭載されている1気筒分の可変動弁装置を示す斜視図。 同装置のロッカシャフトキャップを外した斜視図。 図5中のA矢視方向から見た平面図。 図2中のF−F線に沿うロッカシャフトキャップの断面図。 カムシャフトの各種カムのレイアウトを示す平面図。 図6中のB矢視から見た吸気側(低速)のロッカアームの断面図。 図6中のC矢視から見た吸気側(高速)のロッカアームの断面図。 図6中のD矢視から見た排気側のロッカアームの断面図。 図5中のE矢視から見たリフトレスカムの断面図。 吸気側のアームロッカ構造を示す斜視図。 同構造を分解した斜視図。 排気側のアームロッカ構造を示す斜視図。 同構造を分解した斜視図。 可変動弁装置の動作モードを説明するための線図。
符号の説明
1…エンジン本体(内燃機関)、6b…通路(油路)、7a…左バンク(第1バンク)、7b…右バンク(第2バンク)、17a…動弁系(第1動弁機構)、17b…動弁系(第2動弁機構)、120…休筒切換用のオイルコントロールバルブ、121…高速切換用のオイルコントロールバルブ、155…パイプ部材(管部材)、L1、L2…オフセット空間、S…エンジンルーム。

Claims (2)

  1. 気筒列が第1バンクと第2バンクとに分かれた内燃機関の可変動弁装置であり、
    前記第1バンクに設けられ、油圧により、該第1バンクの運転を第1モード、第2モード、第3モードに切り換える第1動弁機構と、
    前記第2バンクに設けられ、油圧により、該第2バンクの運転を第1モード、第2モードに切り換える第2動弁機構と、
    前記第1バンクおよび前記第2バンクにおける運転を、前記第1モードあるいは前記第2モードに切り換えるべく、前記第1動弁機構および前記第2動弁機構への油圧を制御する第1オイルコントロールバルブと、
    前記第1バンクの運転を前記第3モードに切換えるべく、前記第1動弁機構への油圧制御する第2オイルコントロールバルブとを有し、
    前記第1オイルコントロールバルブ、前記第1バンクと前記第2バンクの配置がもたらすバンクオフセット空間に臨む前記第2バンクの端であって、前記第2バンクの外壁面の外部に露出した状態で組み付け、
    前記第2オイルコントロールバルブを、前記第1オイルコントロールバルブに対向した、前記第1バンクの端の前記バンクオフセット空間に組み付け、
    更に前記第1オイルコントロールバルブから、前記第2バンクの前記第2動弁機構へは、前記第2バンク内に形成された油路を通じて油圧を与え、前記第1バンクの前記第2動弁機構へは、該第1オイルコントロールバルブと前記第1バンク間に設けられた管部材を用いて、前記第1バンク内に形成された油路と前記第1オイルコントロールバルブとを連結して油圧を与えることを特徴とした内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記第3モードは、前記第1動弁機構の作動を休止する休止モードであり、
    車両のエンジンルーム前記内燃機関を搭載したとき、前記第2オイルコントロールバルブが前記第1オイルコントロールバルブよりも車体端側に配置されことを特徴とした請求項に記載の内燃機関の可変動弁装置。
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